二次電池は、製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有するため、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気(車両)自動車(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド(車両)自動車(HV、Hybrid Vehicle)などに適用されつつある。
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させ得るという一次的な長所だけでなく、エネルギー使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率を向上できるため、新しいエネルギー源として注目を集めている。
二次電池(セル)は、外装の種類、構造などによってパウチ型、缶型、角形などに分類でき、電極構造体の構造的特性によってゼリーロール型(Jelly‐roll type、巻取型)、スタック型、スタック/折り畳み型(stack/folding type)などに分類することもできる。それぞれのタイプの基本的原理および構成などは相互対応するので、図1及び図2に示されたパウチ型二次電池を例示的な形態にして二次電池の概略的な構造を説明する。
図1に示されたように、パウチ型二次電池10はパウチなどで構成される電池ケース20及び電極集電体30(電極組立体とも称される)を基本構造にし、前記電極集電体30は、正極板、負極板、及び前記正極板と負極板との間に介在され、前記正極板と負極板との間を電気的に絶縁させるセパレータ(分離膜)などで構成される。
前記電極集電体30は、正極板から延設される正極タブ32及び負極板から延設される負極タブ34を備える。前記正極タブ32及び負極タブ34は、導電性材質からなる正極リード36及び負極リード38と超音波溶接などの方法でそれぞれ接合される。このように接合されて延設される前記電極リード36、38は、二次電池と外部機器とを相互電気的に連結する所定の電極インターフェースとして機能する。
前記電極集電体30などは、図1に示されたように、パウチケース20の内部空間23に収納された後、電解液が注入され、封止工程、エージング(Aging)工程、成形工程などの後処理工程を経て二次電池セルになる。
図1には、1つのパウチケース20が上部ケース21及び下部ケース22からなり、前記電極集電体30が収納される内部空間23が両方のケースに形成される形態を示したが、図2に示されたように、片方のケースのみに収納空間23が形成されることもできる。
当業者であれば、ケースの物理的二元化如何または電極集電体が収納される空間などはパウチの原料、製品特性、工程環境、製品仕様などに応じて多様に組合せ又は変形できることは言うまでもない。
一方、二次電池の単位固体はセル(cell)と称され、二次電池の集合体はバッテリーアセンブリ(battery assembly)又はバッテリーパック(battery pack)と称される。以下、特に言及しない限り、本明細書における二次電池とは、セルだけでなくバッテリーアセンブリ又はバッテリーパックをも総称する。
近来、エネルギー効率性が強調され、且つ、容量増大が求められるにつれて、高容量又は大容量二次電池の使用が増加している。二次電池は内部の電気化学的反応によって充電または放電を繰り返すが、このように二次電池が高容量化される場合、充放電に伴う発熱は著しく増加する。
発熱の原因は多様な面で考えられる。その1つとして電極構造の電気的特性が挙げられる。特に、高容量二次電池では二次電池と外部機器との間に高電流が流れ、上記のような電極構造、特に、前記二次電池と外部機器との間の電気的導通のインターフェースとして働く電極リードの電気的抵抗は発熱の一要因になり、二次電池の性能具現に相当な影響を及ぼす要素になり得る。
このような発熱現象は、電気化学的反応をする二次電池に致命的な性能低下をもたらし得るため、高電流環境におけるこのような二次電池の問題点の改善がさらに求められる。
また、二次電池の物性的特性が挙げられる。一般に、正極電極構造と負極電極構造とを形成する材質は異なるものが使用される。例えば、正極電極構造は主にアルミニウム材質が使用され、負極電極構造は銅が主に使用される。
このような構造的な問題点により、二次電池内で電極間の抵抗不均一が生じ、このような抵抗不均一は局地的且つ部分的な不等発熱または副反応を引き起こす。このような不等発熱などは電池性能の均一性を低下させ、二次電池の退化速度をさらに加速化させ得る。
さらに、二次電池の抵抗特性改善を目的として単に電極構造を大きくすれば、膨れ(swelling)現象、外部の物理的影響などによって電極間短絡が起り得るため、このような要因を全て考慮した包括的な改善策が必要である。
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
図3は、本発明による差等的リード構造の二次電池(以下、二次電池と称する)100を構成する各要素を示した平面図である。図3に示されたように、本発明の二次電池100は電極組立体110、電極タブ120、130、電極リード140、150、及び電池ケース160を含む。
前記電極組立体110は、図4に示されたように、正極板50、負極板52、及び前記正極板50と負極板52との間に介在される所定形態の分離膜51が交互に積層された構造である。上述したように、実施形態によっては巻取型、スタック型、スタック/折り畳み型などの多様な電極組立体を適用することができる。
正極集電体とも称される前記正極板50は、主にアルミニウム材質でなるが、ステンレススチール、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものを使用でき、二次電池に化学的変化を起こさず、高い導電性を有する材質であれば制限なく使用することができる。
前記正極板50の一部領域には1つ以上の正極タブ120が備えられる。前記正極タブ120は、前記正極板50が延びた形態でも良く、前記正極板50の所定部位に導電性材質の部材を溶接などで結合する形態で構成しても良い。また、正極材料を前記正極板50外周の一部領域に塗布及び乾燥する方式などの多様な方法で製作することもできる。
負極集電体とも称され、前記正極板に対応する負極板52は、主に銅材質でなるが、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、またはアルミニウム‐カドミウム合金などを使用することができる。
前記負極板52は、前記正極板と同様に、表面に微細な凹凸を形成して活物質の結合力を強化させることができ、フィルム、シート、ホイル、多孔質体、発泡体、不織布体など多様な形態で具現することができる。
同様に、前記負極板52も一部領域に1つ以上の負極タブ130が備えられる。上述した正極タブ120と同様に、前記負極板52が延びた形態でも良く、負極板52の所定部位に導電性材質の部材を溶接などで結合する形態で構成しても良い。また、負極材料を前記負極板52外周の一部領域に塗布及び乾燥する方式などの方法で具現することもできる。
図4に示されたような複数の正極タブ120及び複数の負極タブ130は、図5に示されたように、一定方向に集められた後、それぞれのリード140、150と結合される。
すなわち、前記正極リード140及び負極リード150の一端は、それぞれ前記正極タブ120及び負極タブ130と結合され、他端は上述したように、電池ケース160の外部に露出する形態で構成される。このような構成によって、前記正極リード140及び負極リード150は二次電池の電池端子として機能するようになる。
前記正極リード140及び負極リード150は、結合されるタブ及び極板との電気的特性を同等に維持し、充放電による電気的効率を向上させるため、結合される電極構造によって異なる材質でなることが望ましい。
すなわち、極板及びタブの物性的材質、電気抵抗値の大きさ、費用効率などを総合的に考慮し、さらに二次電池の電極電位を最も安定した状態に維持するため、前記正極リード140はアルミニウム(Al)材質の導電性部材を使用し、前記負極リード150は銅(Cu)またはニッケル(Ni)がコーティングされた銅を使用することが望ましい。
このように構成される二次電池100の電気的特性を見れば、電極リードを含む電極構造の材質が二元化しており、負極(Cu)よりは正極(Al)の方に電気抵抗が大きくかかるようになる。
小型二次電池を短期的且つ一時的に使用するときは、このような電極における電気抵抗の不等性は大した問題にならない。しかし、大型二次電池で持続的に充電または放電が繰り返されるときは、高電流が流れることによる発熱や発熱によって二次的に引き起こされる性能減退などは大きい問題になる。
さらに、上記のような二元化した材質による電気抵抗の差は、部分的ないし局所的な不等発熱及び不均一な性能退化をさらに加速化し得るため、このような問題点を改善するため、電気抵抗などの電気的特性を均一化することが望ましい。
そのために本発明では、図6に示されたように、相対的に電気伝導度の低いアルミニウム材質でなる正極リード140が電気伝導度の高い銅材質でなる負極リード150より大きい断面積を有するように構成する。
すなわち、電流の流れる導電媒体における断面積の大きさは電気抵抗と反比例するため、相対的に電気伝導度の低い(抵抗成分が大きい)正極リード140の断面積は大きくし、逆に、相対的に電気伝導度の高い負極リード150の断面積は小さくする差等的な構成を採ることで、各電極における電気抵抗に対する同等性を確保することができるようになる。
ここで、断面積の大小は、絶対的な基準ではなく、上述したように、電気伝導度の相異なる電極リードにおいて一方の電極リードの断面積を他方の電極リードの断面積より大きくするという相対的概念で解釈されなければならない。
一方、二次電池は過充電されたり、電気的環境が急激に変化すれば、正極では電解液分解現象が生じ、負極ではリチウム金属の析出現象が生じ得る。このような現象が発生すれば、二次電池の性能が低下するだけでなく、化学反応に伴う発熱によってガスが発生することがある。
また、電解液にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの溶媒を使用するが、このような溶媒は高温で分解されてガスなどが発生し、それに伴う圧力の増加により一種の膨れ(swelling)現象が発生する恐れを内在している。このような膨れ現象は電気的短絡を引き起こし得るだけでなく、膨れた状態で外部の衝撃が加えられればスパークが発生して発火に繋がり、さらに危険である。
すなわち、このような膨れ現象が生じれば、二次電池の物理的大きさ又は体積の変化が引き起こされ、このような変化によって電極リード間の物理的接触(短絡)が生じ得る。
このように二次電池では、電気的短絡を防止し、最小化する必要がある。上述したように、電極リードの抵抗を相対的に調整して低減させるために、図6に示されたように、電極リード140、150の幅b、b’を相互差等的に構成して各電極リード140、150の断面積を調整することもできる。しかし、このような場合、膨れ現象によって電極間の物理的接触(短絡)が発生する可能性が相対的に高いと言えるので、図6に示されたように、二次電池の実施形態のうち電極リード構造が同一側面に共に配置される実施例の場合は、正極リードと負極リードとの厚さパラメーターc、c’を相互差等的に構成することがさらに望ましい。
すなわち、同一側面に電極リードが設けられる実施形態では、二次電池の製造に対する制限条件が許容される範囲内で、電極リード間の間隔はなるべく離隔して構成することが望ましく、両電極リード間の電気的抵抗の差については、本発明で提案するように両電極リードの厚さc、c’を相対的に差等的に構成することで実現することが望ましい。
また、さらに望ましい実施形態を具現するため、本発明の正極リード140の厚さは負極リード150の厚さより1.2ないし2.0倍になるように構成する。アルミニウムの電気伝導度は銅の電気伝導度の60%程度であるため、このような電気的特性を反映して上記のような相対的厚さに構成すれば、誤差範囲を考慮して実質的に同じレベルの電気抵抗特性値を維持することができる。
一方、図6に示されたように、同一側面に電極リード構造が設けられる実施例では、電気的特性に対する電池設計段階、工程ライン環境、組合せ工程の効率性などを考慮すれば、厚さに対するパラメーターを調整して各電極リードの断面積を差等的に構成し、正極リード140及び負極リード150の幅b、b’及び長さa、a’に対するパラメーターは同等なレベルに構成することが望ましい。電極リード140、150の長さa、a’を調整して相互間の抵抗成分を調整できることは勿論である。
以下、本発明の他の態様による実施例を図7及び図8を参照して説明する。二次電池の詳細構成、構造、機能などは、上記の説明と同一又は対応するため、詳しい説明は省略する。
図7及び図8は、正極リード140と負極リード150とが電池ケース160の異なる側面に設けられる実施例を示している。
このように電極リード140、150をそれぞれ電池ケース160の相異なる側面に設ける場合、上述した膨れなどによる電極短絡の可能性が相対的に低くなるため、各電極リードの幅に対するパラメーター調整に相対的に大きい自由度が与えられる。
一方、図7及び図8は、電極リードが電池ケース160の上側面、下側面に設けられる実施例を示しているが、左側面、右側面を含み、多様な組合せで電極リードを構成することができる。この場合、正極タブ、負極タブもそれと対応する形態で構成することが望ましい。
図7は、電極リード140、150の厚さを差等的に構成することで、それぞれの断面積を差等的に構成した実施例を示している。上述したように、電気伝導度の低い電気的特性を有する電極リード140の厚さcを電気伝導度の高い電気的特性を有する電極リード150の厚さc’より厚く構成することで、各電極の全体的な電気抵抗的特性の同等性を確保することができる。
図8は、電極リード140、150の幅を差等的に構成する実施例である。図8に示されたように、電気伝導度の低い材質で構成される電極リードである正極リード140の幅bを電気伝導度の高い材質で構成される電極リードである負極リード150の幅b’より広く構成する実施例である。
勿論、図7と図8との実施例を組み合わせて電極リード140、150の厚さ及び幅に対するパラメーターを組合せして差等的に適用することで、各電極リードの電気抵抗を相互対応するように構成することもできる。
このような二次電池は、自動車用バッテリーパックに適用することができる。すなわち、本発明による自動車は、上述した二次電池を含むことができる。例えば、本発明による電気自動車またはハイブリッド自動車は、上述した二次電池を含むことができる。
以上のように、本発明は、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様に置換、変形、及び変更することができるため、上述した実施例及び添付する図面によって限定されるものではない。