JP2013534243A - オーラルケア製品およびその使用法および製造法 - Google Patents

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Abstract

本明細書に記述するのは、遊離または塩の形態の有効量の塩基性アミノ酸と水溶性のストロンチウム塩とを含む組成物;ならびに該組成物を作製および使用する方法である。

Description

オーラルケア的な利益を有する作用剤(例えばフッ化物およびストロンチウム)と塩基性アミノ酸を組み合わせて、許容され得る長期安定性を有するオーラルケア製品を形成することは、難題であることが実証されている。特に、塩基性アミノ酸は、pHを上昇させ、ストロンチウムイオン(これは、フッ素イオンと反応して不溶性の沈殿物を形成する可能性がある)の解離を起こしやすくする可能性がある。中性より高いpHはまた、刺激を引き起こす可能性もある。アルギニン炭酸水素塩を含有する中性または酸性の組成物は、二酸化炭素を放出し、膨張および他の望ましくない影響をもたらす可能性がある。さらに、中性および酸性条件によって、歯の表面に対する親和性がより乏しいアルギニン不溶性カルシウムの複合体が形成される可能性が増す。酸性のpHはまた、調合物が口内のう蝕原性乳酸を緩衝する際に有するであろういずれの効果も低下させる可能性がある。最後に、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムなどの溶解度の低い塩は、調合物にざらつきを与える可能性があり、例えば、洗口液などの液状オーラルケア調合物にはあまり適していない。
こうした調合物問題により、塩基性アミノ酸と、フッ化物およびストロンチウムなどのオーラルケア作用剤の効率的な送達とを提供する、安定なオーラルケア組成物の必要性が、依然として存在する。本発明の組成物は、この目的を対象とする。
いくつかの実施形態では、本発明は、以下を含むオーラルケア組成物を提供する:遊離または塩の形態の有効量の塩基性アミノ酸;酢酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、臭化ストロンチウム、およびこれらの混合物から選択される有効量の水溶性のストロンチウム塩。いくつかの実施形態では、塩基性アミノ酸は、アルギニンである。いくつかの実施形態では、組成物は、フッ素イオン源をさらに含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、カリウムイオン源をさらに含む。いくつかの実施形態では、カリウムイオン源は、硝酸カリウムおよび塩化カリウムから選択される。
いくつかの実施形態では、組成物は、以下から選択される追加の成分をさらに含む:水、研磨剤;界面活性剤;発泡剤;ビタミン;ポリマー;酵素;湿潤剤;増粘剤;抗菌剤;保存剤、着香料;着色料;およびこれらの2つ以上の組み合わせ。
いくつかの実施形態では、研磨剤は、カルシウム塩である。いくつかの実施形態では、カルシウム塩は、水に溶けにくい。いくつかの実施形態では、カルシウム塩は、以下から選択される:炭酸カルシウム;リン酸カルシウム;および塩化カルシウム。
いくつかの実施形態では、組成物は、歯磨き剤の形態である。いくつかの実施形態では、歯磨き剤は、重量で約0.1〜約15%の水溶性のストロンチウム塩を含む。他の実施形態では、歯磨き剤は、重量で約8〜約10%の水溶性のストロンチウム塩を含む。
他の実施形態では、組成物は、口内洗浄液の形態である。いくつかの実施形態では、口内洗浄液は、重量で約0.01〜約2%の水溶性のストロンチウム塩を含む。他の実施形態では、口内洗浄液は、重量で約0.1〜約1%の水溶性のストロンチウム塩を含む。
特定の理論には拘泥されないが、アルギニンの有益な効果の重要な要因は、アルギニンおよび他の塩基性アミノ酸が、ある種のタイプの細菌、例えばS.sanguis(これは、う蝕原性ではなく、かつ歯面および口腔内での位置についてS.mutansなどのう蝕原性細菌と競合する)によって代謝され得ることであると仮定される。アルギニン分解性(arginolytic)細菌が、アルギニンおよび他の塩基性アミノ酸を使用してアンモニアを生成し、それによって、周囲のpHを上昇させる可能性があるのに対し、う蝕原性細菌は、糖を代謝して乳酸を生成し、これは、歯垢pHを低下させて歯を脱灰させる傾向があり、最終的に虫歯をもたらす。組成物を長期に渡って規則正しく使用することによって、アルギニン分解性細菌の相対的増大と、う蝕原性細菌の相対的低下がもたらされ、より高い歯垢pHがもたらされ、歯がう蝕原性細菌およびその有害な影響に対して免疫化されることとなると考えられている。このpH上昇効果は、再石灰化を促進し、歯のエナメル質を強化するフッ化物の影響とは機構的に異なり、かつ相補的であり得ると考えられている。
しかし、その詳細な機構にかかわらず、驚いたことに、オーラルケア製品におけるストロンチウムと塩基性アミノ酸、例えばアルギニンとの組み合わせが、再石灰化の促進、う食の前段階病巣の修復、および口腔衛生の向上において、有効量の各々の化合物を含む組成物を別々に使用することによって観察することができる利益を超え、かつこうした利益とは質的に異なる予想外の利益をもたらすことが判明している。さらに、この作用を、エナメル質の微小亀裂や象牙質の細管を埋めるのを助けるために作用することができる微粒子研磨剤の添加によってさらに増強することができることが判明している。
陰イオン界面活性剤と組み合わせた塩基性アミノ酸の存在はまた、驚いたことに、歯の表面への細菌付着を減少させることが判明している。陰イオン界面活性剤と共に塩基性アミノ酸はまた、溶解しにくい活性剤、例えば、トリクロサンなどの抗菌剤の、可溶化、放出、送達、沈着、および有効性を実質的に増強する。
本発明のいくつかの実施形態は、(i)う歯の形成を減少または抑制する、(ii)例えば光誘導蛍光定量法(quantitative light-induced fluorescence)(QLF)または電気的う食測定法(electrical caries measurement)(ECM)によって検出されるような、エナメル質のう食の前段階病巣を減少、修復、または抑制する、(iii)歯の脱灰を減少または抑制する、および再石灰化を促進する、(iv)歯の知覚過敏を減少させる、(v)歯肉炎を減少または抑制する、(vi)口内の腫れや傷の治癒を促進する、(vii)酸生成細菌のレベルを低下させる、(viii)アルギニン分解性細菌の相対レベルを増大させる、(ix)口腔内での微生物によるバイオフィルム形成を抑制する、(x)糖曝露後の歯垢pHを少なくともpH5.5のレベルに上昇させる、かつ/または維持する、(xi)歯垢蓄積を減少させる、(xii)口内乾燥症を減少させる、(xiii)歯および口腔を清浄する、(xiv)酸蝕を減少させる、(xvi)歯を白くする、かつ/または、(xvi)歯をう蝕原性細菌に対して免疫化する、ための方法であって、本明細書に記述するいずれか1種の組成物を、その必要のある対象の口腔の表面に適用することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、全身の健康を促進する方法であって、本明細書に記述するいずれか1種の組成物を、その必要のある対象の口腔の表面に適用することを含む方法を提供する。
詳細な説明
全体を通して使用されるように、範囲は、範囲内にあるありとあらゆる値を記述するための簡略表現として使用される。範囲の末端として、範囲内のいかなる値も選択することができる。
さらに、本明細書に引用したすべての参考文献の内容全体を、参照により本明細書に組み込む。
ある特定の実施形態では、オーラルケア組成物(組成物1.0)は、以下を含む:遊離または塩の形態の有効量の塩基性アミノ酸;有効量の水溶性のストロンチウム塩。いくつかの実施形態では、組成物は、フッ素イオン源をさらに含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、カリウムイオン源をさらに含む。いくつかの実施形態では、カリウムイオン源は、硝酸カリウムおよび塩化カリウムから選択される。
例えば、次のいずれかの組成物:
1.0.1.塩基性アミノ酸が、アルギニン、リシン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノ酪酸、ジアミノプロピオン酸、これらの塩;およびこれらの2つ以上の組み合わせから選択される、組成物1.0。
1.0.2.塩基性アミノ酸が、L配置を有する、組成物1.0または1.0.1。
1.0.3.塩基性アミノ酸を含むジもしくはトリペプチドまたはその塩の形態で提供される、前述のいずれかの組成物。
1.0.4.塩基性アミノ酸が、アルギニンである、前述のいずれかの組成物。
1.0.5.塩基性アミノ酸が、L-アルギニンである、前述のいずれかの組成物。
1.0.6.塩基性アミノ酸が、部分的または完全に塩の形態である、前述のいずれかの組成物。
1.0.7.塩基性アミノ酸が、アルギニンリン酸塩である、組成物1.0.6。
1.0.8.塩基性アミノ酸が、アルギニン塩酸塩である、組成物1.0.6。
1.0.9.塩基性アミノ酸が、アルギニン炭酸水素塩である、組成物1.0.6。
1.0.10.塩基性アミノ酸の塩が、酸または酸の塩を用いる塩基性アミノ酸の中和によって、調合物内でその場で形成される、前述のいずれかの組成物。
1.0.11.塩基性アミノ酸の塩が、塩基性アミノ酸の中和によって形成され、フッ化物塩との組み合わせの前にプレミックスが形成される、前述のいずれかの組成物。
1.0.12.塩基性アミノ酸が、重量で約0.1〜約20%の量で存在する、前述のいずれかの組成物。いくつかの実施形態では、塩基性酸は、重量で、組成物の約1〜約10%の量で存在する(塩基性アミノ酸の重量は、遊離塩基の形態として算出される)。
1.0.13.塩基性アミノ酸が、重量で、組成物の約7.5%の量で存在する、組成物1.0.11。
1.0.14.塩基性アミノ酸が、重量で、組成物の約5%の量で存在する、組成物1.0.11。
1.0.15.塩基性アミノ酸が、重量で、組成物の約3.75%の量で存在する、組成物1.0.11。
1.0.16.塩基性アミノ酸が、重量で、組成物の約1.5%の量で存在する、組成物1.0.11。
1.0.17.水溶性のストロンチウム塩が、酢酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、および臭化ストロンチウム;ならびにこれらの混合物から選択される、前述のいずれかの組成物。
1.0.18.水溶性のストロンチウム塩が、酢酸ストロンチウムである、前述のいずれかの組成物。
1.0.19.フッ素イオン源を含む、前述のいずれかの組成物。いくつかの実施形態では、フッ素イオン源は、モノフルロリン酸ナトリウム(sodium monoflurophosphate)、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ケイ素酸ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびこれらの2つ以上の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態は、フッ素イオンが別の原子と共有結合するフッ素イオン源を提供する。
1.0.20.フッ素イオン源が、フルオロリン酸塩である、前述のいずれかの組成物。
1.0.21.フッ素イオン源が、モノフルオロリン酸ナトリウムである、前述のいずれかの組成物。
1.0.22.フッ素イオン源が、重量で、組成物の約0.01〜約2%の量で存在する、前述のいずれかの組成物。
1.0.23.フッ素イオン源が、重量で、組成物の約0.1〜約0.2%の量のフッ素イオンを提供する、前述のいずれかの組成物。
1.0.24.フッ素イオン源が、約50〜約25,000ppmの量のフッ化物を提供する、前述のいずれかの組成物。
1.0.25.フッ素イオン源が、約100〜約250ppmの量のフッ化物を提供する、洗口液である前述のいずれかの組成物。
1.0.26.フッ素イオン源が、約750〜約2000ppmの量のフッ化物を提供する、歯磨き剤である前述のいずれかの組成物。
1.0.27.フッ素イオン源が、約1000〜約1500ppmの量のフッ化物を提供する、前述のいずれかの組成物。
1.0.28.フッ素イオン源が、1450ppmの量のフッ化物を提供する、前述のいずれかの組成物。
1.0.29.pHが、6〜9、例えば6.5〜7.4または7.5〜9である、 前述のいずれかの組成物。
1.0.30.pHが、6.5〜7.4.である、前述のいずれかの組成物。
1.0.31.pHが、6.8〜7.2である、前述のいずれかの組成物。
1.0.32.pHが、ほぼ中性である、前述のいずれかの組成物。
1.0.33.抗歯石剤をさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.34.ポリリン酸塩、例えばピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、またはヘキサメタリン酸塩である抗歯石剤を、例えばナトリウム塩の形態でさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.35.研磨剤または粒子をさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.36.研磨剤または粒子が、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム(例えばリン酸二カルシウム二水和物)、硫酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、シリカ(例えば含水ケイ酸)、酸化鉄、酸化アルミニウム、パーライト、プラスチック粒子、例えばポリエチレン、およびこれらの組み合わせから選択される、直前に記述した組成物。
1.0.37.研磨剤または粒子が、リン酸カルシウム(例えばリン酸二カルシウム二水和物)、硫酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、シリカ(例えば含水ケイ酸)、およびこれらの2つ以上の組み合わせから選択される、直前に記述した組成物。
1.0.38.重量で、組成物の約15〜約70%の量の研磨剤を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.39.d50が5マイクロメートル未満である少なくとも5%の微粒子研磨剤画分を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.40.RDAが150未満、例えば40〜140である、前述のいずれかの組成物。
1.0.41.陰イオン界面活性剤が、
a.高級脂肪酸モノグリセリド一硫酸塩の水溶性の塩(例えばヤシ硬化油脂肪酸の一硫酸モノグリセリドのナトリウム塩、例えばN-メチルN-ココイルタウリンナトリウム、ココモ(cocomo)-グリセリド硫酸ナトリウムなど)
b.高級アルキル硫酸塩、例えばラウリル硫酸ナトリウム、
c.高級アルキルエーテル硫酸塩、例えば、式CH3(CH2)mCH2(OCH2CH2)nOSO3Xのもの(式中mは6〜16、例えば10であり、nは1〜6、例えば2、3、または4であり、XはNaまたはKである)(例えばラウレス2硫酸ナトリウム(CH3(CH2)10CH2(OCH2CH2)2OSO3Na))、
d.高級アルキルアリールスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム)など)、
e.高級アルキルスルホ酢酸塩(ラウリルスルホ酢酸ナトリウム(スルホ酢酸ドデシルナトリウム)、1,2スルホン酸ジヒドロキシプロパンの高級脂肪酸エステル、スルホコラウリン酸塩(sulfocolaurate)(ラウリン酸N-2-エチルカリウムスルホアセトアミド)、およびラウリルサルコシン酸ナトリウムなど)、
f.ならびにこれらの混合物
から選択される、前述のいずれかの組成物。「高級アルキル」は、例えばC6〜30アルキルを意味する。特定の実施形態では、陰イオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される。
1.0.42.陰イオン界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物から選択される、前述のいずれかの組成物。
1.0.43.陰イオン界面活性剤が、約0.3〜約4.5重量%の量で存在する、前述のいずれかの組成物。
1.0.44.陽イオン性、双性イオン性、非イオン性界面活性剤;およびこれらの2種以上の混合物から選択される界面活性剤をさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.45.少なくとも1種の湿潤剤を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.46.グリセリン、ソルビトール、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の湿潤剤を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.47.キシリトールを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.48.少なくとも1種のポリマーを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.49.ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテルマレイン酸共重合体、多糖(例えばセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、または多糖ガム、例えばキサンタンガムまたはカラギーナンガム)、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種のポリマーを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.50.ガム条片または断片を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.51.着香料、芳香剤、および/または 着色料を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.52.水を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.53.トリクロサン、ハーブ抽出物および精油(例えばローズマリー抽出物、お茶抽出物、ホオノキ抽出物、チモール、メントール、ユーカリプトール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸、ミソワク(miswak)抽出物、シーバックソーン抽出物、プロポリス)、ビスグアニド(bisguanide)防腐剤(例えば、クロルヘキシジン、アレキシジン、またはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム(TDEPC))、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、ポビドンヨード、デルモピノール、サリフルオル、金属イオン(例えば、亜鉛塩、例えばクエン酸亜鉛、第一スズ塩、銅塩、鉄塩)、サンギナリン、プロポリス、および酸素添加剤(例えば、過酸化水素、緩衝された過ホウ酸ナトリウム、またはペルオキシ炭酸塩)、フタル酸およびその塩、モノフタル酸(monoperthalic acid)ならびにその塩およびエステル、ステアリン酸アスコルビル、オレオイルサルコシン、アルキル硫酸、ドクセート、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノールおよび他のピペリジノ誘導体、ニシン(nicin)調製物、亜塩素酸塩;および前述のいずれかの混合物から選択される抗菌剤を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.54.抗炎症化合物、例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、シクロオキシゲナーゼ(COX)、PGE2、インターロイキン1(IL-1)、IL-1β転換酵素(ICE)、トランスフォーミング成長因子β1(TGF-β1)、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)、ヒアルロニダーゼ、カテプシン、核因子カッパB(NF-κB)、およびIL-1受容体関連キナーゼ(IRAK)から選択される、少なくとも1種の宿主炎症誘発性因子の阻害剤(例えば、アスピリン、ケトロラック、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム、メクロフェナム酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、およびこれらの混合物から選択される)を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.55.例えば補酵素Q10、PQQ、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、アネトール-ジチオチオン、およびこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.56.抗菌剤が、水に溶けにくい、前述のいずれかの組成物。
1.0.57.トリクロサンを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.58.トリクロサンおよびキシリトールを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.59.トリクロサン、キシリトール、および沈降炭酸カルシウムを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.60.トリクロサンおよび亜鉛イオン源、例えばクエン酸亜鉛を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.61.重量で、組成物の約0.01〜約5%の量の抗菌剤を含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.62.重量で、組成物の約0.01〜約1%の量のトリクロサンを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.63.重量で、組成物の0.3%の量のトリクロサンを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.64.ホワイトニング剤をさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.65.過酸化物、金属亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、次亜塩素酸塩、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるホワイトニング剤をさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.66.過酸化水素または過酸化水素源、例えば、尿素過酸化物または過酸化物塩または複合体(例えば、過リン酸塩、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過ケイ酸塩、または過硫酸塩など;例えばペルオキシリン酸カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、ペルオキシリン酸ナトリウム、および過硫酸カリウム)、または過酸化水素-ポリビニルピロリドンポリマー複合体などの過酸化水素ポリマー複合体をさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.67.細菌の付着を妨げるまたは予防する作用剤、例えばソルブロールまたはキトサンをさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.68.(i)例えばホスホケイ酸ストロンチウムナトリウム(strontium sodium phosphosilicate)などのストロンチウム-ガラス複合体、および(ii)例えばカゼインホスホペプチド-非晶質リン酸ストロンチウムなどのストロンチウム-タンパク質複合体、から選択されるストロンチウムおよびリン酸塩の原料をさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.69.象牙質の知覚過敏を減少させるのに有効な量のカリウムイオン源、例えば硝酸カリウムまたは塩化カリウムをさらに含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.70.重量で約0.1〜約7.5%のカリウムイオン源、例えば、硝酸カリウムおよび/または塩化カリウムを含む、前述のいずれかの組成物。
1.0.71.例えばブラッシングを用いる口腔への適用時に、(i)う歯の形成を減少または抑制する、(ii)例えば光誘導蛍光定量法(QLF)または電気的う食測定法(ECM)によって検出されるような、エナメル質のう食の前段階病巣を減少、修復、または抑制する、(iii)歯の脱灰を減少または抑制する、および再石灰化を促進する、(iv)歯の知覚過敏を減少させる、(v)歯肉炎を減少または抑制する、(vi)口内の腫れや傷の治癒を促進する、(vii)酸生成細菌のレベルを低下させる、(viii)アルギニン分解性細菌の相対レベルを増大させる、(ix)口腔内での微生物によるバイオフィルム形成を抑制する、(x)糖曝露後の歯垢pHを少なくともpH5.5のレベルに上昇させる、かつ/または維持する、(xi)歯垢蓄積を減少させる、(xii)口内乾燥症を減少させる、(xiii)歯および口腔を清浄する、(xiv)酸蝕を減少させる、(xvi)歯を白くする、かつ/または(xvi)歯をう蝕原性細菌に対して免疫化する、のに有効な前述のいずれかの組成物。
1.0.72.前述のいずれかの組成物において説明した通りの成分を組み合わせることによって得られる、または得ることが可能である組成物。
1.0.73.口内洗浄液、練り歯磨き、ジェル歯磨き、歯磨き粉、研磨剤非配合ジェル、ムース、フォーム、マウススプレー、ロゼンジ、経口タブレット、歯科用器具、およびペットケア製品から選択される形態の、前述のいずれかの組成物。
1.0.74.組成物が、練り歯磨きである、前述のいずれかの組成物。
1.0.75.組成物が、1種または複数種の水、研磨剤、界面活性剤、発泡剤、ビタミン、ポリマー、酵素、湿潤剤、増粘剤、抗菌剤、保存剤、着香料、着色料、および/またはこれらの組み合わせを任意選択でさらに含む練り歯磨きである、前述のいずれかの組成物。
1.0.76.組成物が、洗口液である、前述のいずれかの組成物。
1.0.77.口臭消臭剤、芳香剤または着香料をさらに含む、前述のいずれかの組成物。
活性成分の濃度は、送達システムの性質および個々の活性剤に基づいて変動することとなる。例えば、塩基性アミノ酸は、重量で、組成物の約0.1〜約20%(遊離塩基の重量として表される)、例えば、口内洗浄液については重量で約0.1〜約3%、家庭用練り歯磨きについては重量で約1〜約10%、または専門家によるもしくは処方箋を伴う治療用製品については重量で約7〜約20%の濃度で存在することができる。フッ素イオン源は、口内洗浄液については例えば25〜25,000ppm、例えば25〜250ppm、家庭用練り歯磨きについては750〜2,000ppm、または専門家によるもしくは処方箋を伴う治療用製品については2,000〜25,000ppmの濃度のフッ化物を提供することができる。同様に、抗菌剤の濃度も変動することとなり、練り歯磨きに使用される濃度は、例えば、口内洗浄液に使用される濃度の5〜15倍である。例えば、トリクロサン口内洗浄液が、トリクロサンを、例えば、重量で0.03%含有することができるのに対し、トリクロサン練り歯磨きは、トリクロサンを重量で0.3%含有することができる。
水溶性のストロンチウム塩は、重量で約0.1〜約15%、例えば口内洗浄液については重量で約0.1〜約2%;歯磨き剤については重量で約6〜約10%またはそれ以上の量で存在することができる。
他の実施形態では、口腔衛生を改善するための方法であって、組成物1.0〜1.0.77に属する実施形態のいずれかの有効量の経口用組成物を、その必要のある対象の口腔に適用することを含む方法、例えば、
(i)う歯の形成を減少または抑制する、
(ii)例えば光誘導蛍光定量法(QLF)または電気的う食測定法(ECM)によって検出されるような、エナメル質初期病巣を減少、修復、または抑制する、
(iii)歯の脱灰を減少または抑制する、および再石灰化を促進する、
(iv)歯の知覚過敏を減少させる、
(v)歯肉炎を減少または抑制する、
(vi)口内の腫れや傷の治癒を促進する、
(vii)酸生成細菌のレベルを低下させる、
(viii)アルギニン分解性細菌の相対レベルを増大させる、
(ix)口腔内での微生物によるバイオフィルム形成を抑制する、
(x)糖曝露後の歯垢pHを少なくともpH5.5のレベルに上昇させる、かつ/または維持する、
(xi)歯垢蓄積を減少させる、
(xii)口内乾燥症を治療する、
(xiii)口腔組織を介する全身的感染症の可能性を低下させることによって、心血管を含めた全身の健康を促進する、
(xiv)歯を白くする、
(xv)歯の酸蝕を減少させる、
(xvi)歯をう蝕原性細菌およびその影響に対して免疫化する(または保護する)、かつ/または
(xvii)歯および口腔を清浄する
ための方法を提供する。
他の実施形態は、上の方法において説明した指示のいずれかにおける使用のための、上に記述した組成物の製造におけるアルギニンの使用を提供する。
塩基性アミノ酸
組成物および方法に使用することができる塩基性アミノ酸には、アルギニン、リシン、およびヒスチジンなどの天然に存在する塩基性アミノ酸だけでなく、水溶性でありかつpHが約7以上の水溶液を提供する、分子内にカルボキシル基とアミノ基を有する任意の塩基性アミノ酸も含まれる。
したがって、塩基性アミノ酸としては、アルギニン、リシン、シトルレン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノ酪酸、ジアミノプロプリオン酸、これらの塩またはこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、塩基性アミノ酸は、アルギニン、シトルレン、およびオルニチンから選択される。
ある特定の実施形態では、塩基性アミノ酸は、アルギニン、例えばL-アルギニン、またはその塩である。
組成物は、口内での局所使用を意図しているので、組成物中での使用のための塩は、提供される量および濃度で、こうした使用にとって安全であるべきである。適切な塩としては、医薬的に許容され得る、当技術分野で知られた塩が挙げられる。塩は一般に、提供される量および濃度で、生理的に許容され得ると考えられる。生理的に許容され得る塩としては、医薬的に許容され得る無機もしくは有機の酸または塩基に由来するもの、例えば、生理的に許容され得る陰イオンを形成する酸によって形成される酸付加塩、例えば塩酸塩または臭化物塩、ならびに、生理的に許容され得る陽イオンを形成する塩基によって形成される塩基付加塩、例えば、カリウムおよびナトリウムなどのアルカリ金属またはマグネシウムなどのアルカリ土類金属に由来するものが挙げられる。生理的に許容され得る塩は、当技術分野で知られた標準の手順を使用して、例えば、アミンなどの十分に塩基性の化合物を、生理的に許容され得る陰イオンをもたらす適切な酸と反応させることによって、得ることができる。
種々の実施形態では、塩基性アミノ酸は、重量で、組成物の約0.5〜約20%の量で存在する。いくつかの実施形態では、塩基性アミノ酸は、重量で、組成物の約1〜約10%;例えば、重量で、組成物の約1.5%、約3.75%、約5%、または約7.5%の量で存在する。
RDA
RDAは、放射性象牙質研磨、すなわち研磨性の相対的測定の略語である。通常、抜歯されたヒトまたはウシの歯を、ある中性子束で照射し、メタクリル酸メチル(骨膠)中に置き、エナメル質を剥がし、ブラッシング機に挿入し、米国歯科医師会(American Dental Association)(ADA)標準(基準の歯ブラシ、圧力150g、1500ストローク、4対1の水-練り歯磨きスラリー)によってブラッシングする。次いで、すすぎ水の放射能を測定し、記録する。対照実験のために、ピロリン酸カルシウムで作製したADA基準の練り歯磨きを用いて試験を繰り返し、相対スケールを較正するために、この測定値を100とする。
種々の実施形態では、水溶性のストロンチウム塩を含む口腔衛生組成物が提供される。いくつかの実施形態では、ストロンチウム塩は、酢酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、臭化ストロンチウム、およびこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、ストロンチウム塩は、酢酸ストロンチウムである。いくつかの実施形態では、酢酸ストロンチウムは、その半水和物の形態である。いくつかの実施形態では、酢酸ストロンチウムは、約1〜約10重量%の量で、組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、組成物中のこの含有量は、その半水和物形態の構成成分の重量を指す。いくつかの実施形態では、酢酸ストロンチウム半水和物は、重量で約5〜約8%の量で、 組成物中に存在する。
フッ素イオン源
オーラルケア組成物は、フッ素イオン源、例えば可溶性のフッ化物塩をさらに含むことができる。遊離のフッ素イオンは、水溶液中で、遊離のカルシウムまたはストロンチウムイオンと反応する可能性があり、フッ化物は、例えば、フルオロリン酸塩、例えばモノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸塩、例えばフッ化ケイ素酸ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、およびフルオロ硫酸塩、例えばヘキサフルオロ硫酸塩、ならびにこれらの組み合わせから選択される別の原子と共有結合することができるか、あるいは、フッ化物は、カルシウムまたはストロンチウムイオン、および/または非水系中に提供されるフッ化物またはストロンチウムのいずれか、または両方から封鎖され得る。
本発明の組成物における水溶性のフッ化物の原料として、非常に様々なフッ素イオン源を用いることができる。適切なフッ素イオン源の例は、Brinerらの米国特許第3,535,421号;Parran,Jr.らの米国特許第4,885,155号、およびWidderらの米国特許第3,678,154号に記載されている。
代表的なフッ素イオン源としては、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ケイ素酸ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。ある特定の実施形態では、フッ素イオン源としては、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ならびにこれらの混合物が挙げられる。しかし、記述した通り、組成物中のストロンチウムとの反応の可能性があるので、組成物と共にフッ素イオン源が溶液中に提供される場合、フッ素イオン源は、例えばフッ化ナトリウムのように単にイオン結合しただけの塩ではなく、例えばモノフルオロリン酸ナトリウムのように、フッ化物が別の原子と共有結合した塩であることが好ましい。
ある特定の実施形態では、オーラルケア組成物は、25ppm〜25,000ppmのフッ素イオン、一般に少なくとも500ppm、例えば500〜2000ppm、例えば1000〜1600ppm、例えば1450ppmを供給するのに十分な量のフッ素イオン源を含む。フッ化物の適切な濃度は、個々の用途に応じて決まることとなる。例えば、洗口液は通常、100〜250ppmのフッ化物を含むであろう。一般消費者使用のための練り歯磨きは通常、1000〜1500ppmを含み、小児用練り歯磨きは、いくぶん少ない量を含むであろう。専門家による適用のための歯磨き剤またはコーティングは、5,000ないし25,000ppmものフッ化物を含むであろう。
フッ素イオン源は、重量で、組成物の約0.01〜約10%、約0.03〜5%、または約0.1%〜約1%の量で、組成物に加えることができる。適切な濃度のフッ素イオンを提供するフッ素イオン源の重量は当然、塩中の対イオンの重量に基づいて変動することとなる。
研磨剤
組成物は、リン酸カルシウム研磨剤、例えば、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)、ヒドロキシルアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)、もしくはリン酸二カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O、本明細書ではDiCalと呼ばれることもある);または他の水に溶けにくいカルシウム塩、例えば炭酸カルシウムを含むことができる。
組成物は、1種または複数種の追加の研磨剤、例えば、J.M.Huberによって販売されているZeodent 115(登録商標)などの、最高20ミクロンの平均粒度を有する、沈降シリカなどのシリカ研磨剤を含むことができる。他の有用な研磨剤としては、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ケイ酸アルミニウム、焼成アルミナ、ベントナイトもしくは他のケイ酸材料、またはこれらの組み合わせも挙げられる。
本明細書で有用なシリカ研磨性研磨材料、ならびに他の研磨剤は一般に、0.1〜30ミクロン、5〜15ミクロンの平均粒度を有する。シリカ研磨剤は、Paderらの米国特許第3,538,230号、およびDigiulioの米国特許第3,862,307号に記載されているシリカキセロゲルなどの、沈降シリカまたはシリカゲルから形成することができる。特定のシリカキセロゲルは、W.R.Grace&Co.,Davison Chemical Divisionによって、商品名Syloid(登録商標)で販売されている。沈降シリカ材料としては、呼称Zeodent 115および119を有するシリカを含む、商品名Zeodent(登録商標)でJ.M.Huber Corp.によって販売されているものが挙げられる。これらのシリカ研磨剤は、Wasonの米国特許第4,340,583号に記載されている。
ある特定の実施形態では、オーラルケア組成物の実施に有用な研磨剤材料としては、吸油値がシリカ100gあたり100cc未満であるか、またシリカ100gあたり45cc〜70ccの範囲内である、シリカゲルおよび沈降非晶質シリカが挙げられる。吸油値は、ASTA Rub-Out Method D281を使用して測定される。ある特定の実施形態では、シリカは、3ミクロン〜12ミクロン、および5〜10ミクロンの平均粒度を有するコロイド粒子である。
特定の実施形態では、研磨剤材料は、例えばd50が5ミクロン未満である非常に小さな粒子、例えばd50が3〜4ミクロンである微粒子シリカ(SPS)、例えばSorbosil AC43(登録商標)(PQ Corporation)を含む。こうした小さな粒子は、知覚過敏の減少を目的にする調合物に特に有用である。微粒子の構成成分は、第2のより大きな粒子研磨剤と組み合わせて存在することができる。ある特定の実施形態では、例えば、調合物は、3〜8%の小さな粒子、例えばSPSと、25〜45%の従来の研磨剤を含む。
ある特定の実施形態において特に有用である低吸油性シリカ研磨剤は、W.R.Grace & Co.(Baltimore,Md.21203)のDavison Chemical Divisionによって、商品名称Sylodent XWA(登録商標)で販売されている。Sylodent 650 XWA(登録商標)、すなわち、含水率が約29重量%、直径の平均が7〜10ミクロン、吸油がシリカ100gあたり70cc未満であるコロイド状シリカの粒子からなるシリカヒドロゲルは、組成物において有用な低吸油性シリカ研磨剤の例である。研磨剤は、10〜60重量%、他の実施形態では20〜45重量%、別の実施形態では30〜50重量%の濃度で、オーラルケア組成物中に存在する。
発泡剤
オーラルケア組成物は、口腔をブラッシングするときに生じる泡の量を増大させるための作用剤も含むことができる。
泡の量を増大させるための作用剤の実例としては、ポリオキシエチレンおよびある種のポリマー(アルギン酸ポリマーが挙げられるが、それに限定されない)が挙げられるが、それらに限定されない。
ポリオキシエチレンは、オーラルケア担体構成成分によって作られる泡の量および泡の厚さを増大させることができる。ポリオキシエチレンはまた、通常、ポリエチレングリコール(「PEG」)またはポリエチレンオキシドとして知られている。ある特定の実施形態に適したポリオキシエチレンは、200,000〜7,000,000の分子量を有するであろう。一実施形態では、分子量は、600,000〜2,000,000、別の実施形態では800,000〜1,000,000となる。Polyox(登録商標)は、Union Carbideによって製造されている高分子量ポリオキシエチレンの商品名である。
ポリオキシエチレンは、オーラルケア組成物のオーラルケア担体構成成分の重量に対して、1%〜90%、一実施形態では5%〜50%、別の実施形態では10%〜20%の量で存在する。オーラルケア組成物中の発泡剤の用量(すなわち一回量)は、0.01〜0.9重量%、0.05〜0.5重量%、および別の実施形態では0.1〜0.2重量%である。
界面活性剤
ある特定の実施形態では、組成物は、陰イオン界面活性剤、例えば、以下を含む:
i.高級脂肪酸モノグリセリド一硫酸塩の水溶性の塩(例えばヤシ硬化油脂肪酸の一硫酸モノグリセリドのナトリウム塩、例えばN-メチルN-ココイルタウリンナトリウム、ココモ-グリセリド硫酸ナトリウムなど)、
ii.高級アルキル硫酸塩、例えばラウリル硫酸ナトリウム、
iii.高級アルキルエーテル硫酸塩、例えば、式CH3(CH2)mCH2(OCH2CH2)nOSO3Xのもの(式中mは6〜16、例えば10であり、nは1〜6、例えば2、3、または4であり、XはNaまたはKである)(例えばラウレス2硫酸ナトリウム(CH3(CH2)10CH2(OCH2CH2)2OSO3Na))、
iv.高級アルキルアリールスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム)など)、
v.高級アルキルスルホ酢酸塩(ラウリルスルホ酢酸ナトリウム(スルホ酢酸ドデシルナトリウム)、1,2スルホン酸ジヒドロキシプロパンの高級脂肪酸エステル、スルホコラウリン酸塩(ラウリン酸N-2-エチルカリウムスルホアセトアミド)、およびラウリルサルコシン酸ナトリウムなど)。「高級アルキル」は、例えばC6〜30アルキルを意味する。特定の実施形態では、陰イオン界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウムから選択される。
いくつかの実施形態では、陰イオン界面活性剤は、有効な量、例えば、調合物の重量に対して0.01%超、ただし、口腔組織を刺激するであろう濃度ではない濃度、例えば10%未満で存在し、最適濃度は、個々の調合物および個々の界面活性剤に応じて決まる。例えば、洗口液において使用される濃度は通常、練り歯磨きに使用される濃度の10分の1である。いくつかの実施形態では、陰イオン界面活性剤は、重量で、約0.3〜約4.5%、例えば1.5%で、練り歯磨き中に存在する。
組成物は、陰イオン界面活性剤と、陰イオン性、陽イオン性、双性イオン性、または非イオン性であり得る他の界面活性剤とを含む、界面活性剤の混合物を、任意選択で含有することができる。一般に、界面活性剤は、広いpH範囲に渡ってかなり安定であるものである。界面活性剤は、例えばAgricolaの米国特許第3,959,458号;Haefeleの米国特許第3,937,807号;およびGieskeらの米国特許第4,051,234号に、より十分に記載されている。
ある特定の実施形態では、本明細書で有用な陰イオン界面活性剤としては、アルキルラジカル中に10〜18個の炭素原子を有するアルキル硫酸の水溶性の塩、および10〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの水溶性の塩が挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、およびヤシ油モノグリセリドスルホン酸ナトリウムは、このタイプの陰イオン界面活性剤の例である。陰イオン界面活性剤の混合物も、利用することができる。
他の実施形態では、陽イオン界面活性剤は、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジイソブチルフェノキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、ヤシ油アルキルトリメチルアンモニウム亜硝酸塩、フッ化セチルピリジニウム、およびこれらの混合物などの、8〜18個の炭素原子を含有する1本の長いアルキル鎖を有する脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体として広く定義することができる。
例示的な陽イオン界面活性剤は、Brinerらの米国特許第3,535,421号に記載されている第四級アンモニウムフッ化物である。ある種の陽イオン界面活性剤はまた、組成物中で殺菌薬として作用することもできる。
ある特定の実施形態では、組成物中で使用することができる非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシド基(天然の状態で親水性)と、天然の状態で脂肪族またはアルキル芳香族であり得る疎水性有機化合物との縮合によって生成される化合物として広く定義することができる。適切な非イオン性界面活性剤の例としては、プルロニック、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドおよびエチレンジアミンの反応生成物との縮合に由来する生成物、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、およびこうした材料の混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
ある特定の実施形態では、双性イオン性合成界面活性剤は、脂肪族ラジカルが直鎖または分枝であり、脂肪族置換基のうちの1つが8〜18個の炭素原子を含有し、1つが陰イオン性の水溶性の基を含有するような、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム(phosphomium)、およびスルホニウム化合物の誘導体、例えば、カルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、またはホスホン酸塩として広く説明することができる。組成物中に含有させるのに適した界面活性剤の実例としては、アルキル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、およびポリソルベート20、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
特定の実施形態では、組成物は、ラウリル硫酸ナトリウムを含む。
界面活性剤または共存可能な界面活性剤の混合物は、重量で、組成物の約0.1〜約5%、別の実施形態では約0.3〜約3%、別の実施形態では約0.5〜約2%で組成物中に存在することができる。
着香料
オーラルケア組成物は、着香料も含むことができる。着香料の例としては、精油、ならびに様々な着香性のアルデヒド、エステル、アルコール、および類似の材料が挙げられるが、それらに限定されない。精油の例としては、スペアミント、ペパーミント、冬緑、サッサフラス、クローブ、セージ、ユーカリ、マヨラナ、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、およびオレンジのオイルが挙げられる。メントール、カルボン、およびアネトールなどの化学物質も有用である。ある特定の実施形態は、ペパーミントおよびスペアミントのオイルを用いる。
いくつかの実施形態では、着香料は、重量で、組成物の約0.1〜約5%を構成する。他の実施形態では、着香料は、重量で、組成物の約0.5〜約1.5%を構成する。いくつかの実施形態では、個々のオーラルケア組成物用量における着香料の用量(すなわち一回量)は、0.001〜0.05重量%であるが、他の実施形態では、着香料の用量は、0.005〜0.015重量%である。
キレート剤
オーラルケア組成物はまた、細菌の細胞壁に見られるカルシウムと錯体形成することが可能な1種または複数種のキレート剤を任意選択で含むことができる。このカルシウムの結合によって、細菌の細胞壁が弱体化し、細菌の溶解が増加する。
キレート剤としての使用に適した作用剤の別の群は、可溶性のピロリン酸である。本発明の組成物に使用されるピロリン酸塩は、任意のアルカリ金属ピロリン酸塩であり得る。ある特定の実施形態では、塩としては、アルカリ金属がナトリウムまたはカリウムであるような、四アルカリ金属ピロリン酸塩、二アルカリ金属二酸ピロリン酸塩、三アルカリ金属一酸ピロリン酸塩、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの塩は、水和された形態と水和されていない形態のどちらも有用である。本発明の組成物に有用な有効量のピロリン酸塩は一般に、重量で少なくとも1%のピロリン酸イオンを提供するのに十分である。いくつかの実施形態では、ピロリン酸塩は、重量で1.5%のピロリン酸イオンを提供する。いくつかの実施形態では、ピロリン酸塩は、重量で6%のピロリン酸イオンを提供する。いくつかの実施形態では、ピロリン酸塩は、重量で約3.5〜約6%のピロリン酸イオンを提供する。
ポリマー
オーラルケア組成物はまた、ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテルマレイン酸共重合体、多糖(例えばセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、または多糖ガム、例えばキサンタンガムまたはカラギーナンガム)などの1種または複数種のポリマーを任意選択で含む。例えばポリアクリル酸ゲルなどの酸性ポリマーを、その遊離の酸または部分的もしくは完全に中和させた水溶性のアルカリ金属(例えばカリウムおよびナトリウム)またはアンモニウム塩の形態で、提供することができる。
特に、歯磨き剤の構成成分のいずれかに、非陽イオン性の抗菌剤または抗菌剤、例えばトリクロサンが含まれる場合、その中に、口腔表面への抗菌剤の送達および保持、ならびに口腔表面上での抗菌剤の保持を増強する0.05〜5%の作用剤が含まれることが好ましい。こうした作用剤の非限定的な例は、米国特許第5,188,821号および第5,192,531号に開示されており、これには、合成のアニオン重合性ポリカルボン酸塩、例えばマレイン酸の無水物または酸と別の重合可能なエチレン的に不飽和なモノマーとの1:4〜4:1共重合体など、好ましくは、分子量(M.W.)が30,000〜1,000,000、最も好ましくは30,000〜800,000であるメチルビニルエーテル/マレイン酸無水物が含まれる。これらの共重合体は、例えば、ISP Technologies, Inc.(Bound Brook,N.J.08805)から入手できる、Gantrez、例えばAN 139(M.W.500,000)、AN 119(M.W.250,000)および好ましくはS-97医薬品グレード(M.W.700,000)として入手できる。増強剤は、存在する場合、0.05〜3重量%の量で存在する。
他の機能性ポリマーとしては、マレイン酸無水物と、アクリル酸エチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、N-ビニル-2-ピロリドン、またはエチレン(後者は、例えば、Monsanto EMA No.1103、M.W.10,000およびEMA Grade 61として入手できる)との1:1共重合体、ならびに、アクリル酸と、メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸メチルまたはアクリル酸エチル、イソブチルビニルエーテルまたはN-ビニル-2-ピロリドンとの1:1共重合体などのものが挙げられる。
一般に適切なのは、炭素と炭素の間の活性なオレフィン的二重結合と少なくとも1つのカルボキシル基とを含有する、重合されたオレフィン的またはエチレン的に不飽和なカルボン酸、すなわち、カルボキシル基についてはアルファ-ベータ位におけるか、あるいは末端のメチレン基形成(grouping)の一部としての、モノマー分子中のその存在が原因で、重合において容易に作用するオレフィン的二重結合を含有する酸である。こうした酸の実例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、アルファ-クロロアクリル酸、クロトン酸、ベータ-アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、アルファ-クロルソルビン酸、ケイ皮酸、ベータ-スチリルアクリル酸、ムコン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、アルファ-フェニルアクリル酸、2-ベンジルアクリル酸、2-シクロヘキシルアクリル酸、アンゲリカ酸、ウンベル酸、フマル酸、マレイン酸、および無水物である。こうしたカルボン酸モノマーと共重合可能な他の様々なオレフィンモノマーとしては、酢酸ビニル、塩化ビニル、マレイン酸ジメチルなどが挙げられる。共重合体は、水への溶解性のために十分なカルボン酸塩の基を含有する。
さらなるクラスの高分子作用剤としては、置換型アクリルアミドのホモポリマーおよび/または不飽和スルホン酸のホモポリマーおよびその塩を含有する組成物が挙げられ、特にここでは、ポリマーは、Zahidの米国特許第4,842,847号(1989年6月27日)に記載されている、1,000〜2,000,000の分子量を有する2メチルプロパンスルホン酸2-アクリルアミドなどのアクリルアミドアルカン(acrylamidoalykane)スルホン酸から選択される不飽和スルホン酸をベースにする。
別の有用なクラスの高分子作用剤としては、ポリアミノ酸、特に、Sikesらの米国特許第4,866,161号に開示されている通りの、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびホスホセリンなどの、陰イオン性界面活性のアミノ酸の割合を含有するものが挙げられる。
増粘剤
オーラルケア組成物を調製する際には、望ましい粘稠性を提供するか、あるいは調合物の性能を安定化または高めるために、いくらかの増粘材料を加えることが必要である場合がある。ある特定の実施形態では、増粘剤は、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、およびセルロースエーテルの水溶性の塩(カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムなど)である。カラヤゴム、アラビアゴム、およびトラガカントゴムなどの天然のゴムも、配合することができる。組成物の質感をさらに改良するために、コロイド状のケイ酸アルミウニムマグネシウムまたは微細に分割したシリカを、増粘組成物の構成成分として使用することができる。ある特定の実施形態では、全組成物の重量に対して0.5%〜5%の量の増粘剤が使用される。
酵素
オーラルケア組成物はまた、1種または複数種の酵素を任意選択で含むことができる。有用な酵素としては、入手可能なプロテアーゼ、グルカノヒドロラーゼ、エンドグリコシダーゼ、アミラーゼ、ミュータン分解酵素、リパーゼおよびムチナーゼ、または共存可能なこれらの混合物のいずれかが挙げられる。ある特定の実施形態では、酵素は、プロテアーゼ、デキストラナーゼ、エンドグリコシダーゼ、およびミュータン分解酵素である。別の実施形態では、酵素は、パパイン、エンドグリコシダーゼ、またはデキストラナーゼとミュータン分解酵素との混合物である。使用することができるさらなる酵素は、米国特許第5,000,939号(Dringら)、米国特許第4,992,420号;米国特許第4,355,022号;米国特許第4,154,815号;米国特許第4,058,595号;米国特許第3,991,177号;および米国特許第3,696,191号に開示されている。いくつかの実施形態では、組成物は、重量で、約0.002〜約2%の酵素を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、重量で、約0.05〜約1.5%の酵素を含む。他の実施形態では、組成物は、重量で、約0.1〜約0.5%の酵素を含む。

経口用組成物中には、水も存在することができる。市販の経口用組成物の調製に用いられる水は、脱イオン化されるべきであり、かつ有機不純物を含むべきではない。水は通常、組成物の残部を構成し、経口用組成物の重量に対して10%〜90%、20%〜60%、または10%〜30%を含む。水のこの量には、ソルビトールまたは任意の他の構成成分などの他の材料と共に導入される量に加えて、遊離水が含まれる。
湿潤剤
本発明のある特定の実施形態内では、組成物が空気に触れて硬化するのを防ぐために、湿潤剤を配合することも望ましい。ある種の湿潤剤は、歯磨き剤組成物に望ましい甘味またはフレーバーを与えることもできる。湿潤剤は、純粋な湿潤剤ベースで、いくつかの実施形態では、重量で約15〜約70%、他の実施形態では、重量で約30〜約65%の量で含めることができる。
適切な湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、ならびに他のポリオールおよびこれらの湿潤剤の混合物などの、食用の多価アルコールが挙げられる。ある特定の実施形態では、本明細書の練り歯磨き組成物の湿潤剤構成成分として、グリセリンとソルビトールとの混合物を使用することができる。
上に記述した構成成分に加えて、他の実施形態は、様々な任意選択の歯磨き剤成分(これらのうちのいくつかは、本明細書に記述する)を含有することができる。任意選択の成分としては、例えば、付着剤、泡立ち剤(sudsing agent)、着香料、甘味剤、追加の抗プラーク剤、研磨剤、および着色料が挙げられるが、それらに限定されない。これらのおよび他の任意選択の構成成分は、Majetiの米国特許第5,004,597号;Agricolaらの米国特許第3,959,458号、およびHaefeleの米国特許第3,937,807号にさらに記載されている。
製造方法
組成物は、経口用製品分野において一般的である方法を使用して作製することができる。
一つの例示的な実施形態では、オーラルケア組成物は、ゲル相中のアルギニンをリン酸で中和し、混合してプレミックス1を形成することによって作製される。
プレミックス1に、例えばストロンチウム塩、ビタミン、塩化セチルピリジニウム、フッ素イオン源、研磨剤、および任意の他の所望の活性成分などの活性剤を加えて混合し、プレミックス2を形成する。
プレミックス2に、練り歯磨き基剤、例えばリン酸二カルシウムを加え、混合する。この最終のスラリーを、オーラルケア製品に形成する。
方法
本発明のいくつかの実施形態は、修復や再石灰化を促進することによって、歯を保護するための、特に、う歯の形成を減少または抑制する;歯の脱灰を減少または抑制するおよび再石灰化を促進する;歯の知覚過敏を減少させる;例えば光誘導蛍光定量法(QLF)または電気的う食モニター(ECM)によって検出されるような、エナメル質初期病巣を減少、修復、または抑制する、ための方法であって、本明細書に記述する安全かつ有効量のいずれか1種の組成物を口腔に適用することを含む方法を提供する。
定量的光誘導蛍光は、初期病巣を検出し、その進行または回復を長期的に観察することができる、可視光の蛍光である。健康な歯は、可視光において蛍光を発するが、脱灰された歯は、蛍光を発しないか、または、より低い程度にしか発しない。脱灰の領域を数量化し、その進行を観察することができる。青色レーザー光を使用すると、歯が自己蛍光を発することができる。ミネラルを喪失している領域は、蛍光が弱く、健康な歯の表面に比べて暗く見える。ソフトウェアを使用して、ホワイトスポットからの蛍光または病巣が伴う面積/体積を数量化する。一般に、パネリストとして、ホワイトスポット病巣が存在する対象が必要である。測定は、本物の歯を用いて、in vivoで実施する。臨床開始時に、病巣面積/体積を測定する。6ヶ月の製品使用の最後に、病巣面積/体積の減少(改善)を測定する。データは、多くの場合、基準値に対する改善率として報告される。
電気的う食モニタリングは、電気抵抗に基づいて、歯のミネラル含有量を測定するために使用される技術である。電気コンダクタンス測定は、エナメル質の脱灰および酸蝕時に露出した、流体で満たされた細管が、電気を伝導するという事実を利用する。歯がミネラルを失うと、有孔性の増大が原因で、電流に対する抵抗性が小さくなる。したがって、患者の歯のコンダクタンスの増大は、脱灰を示す可能性がある。一般に、病巣が存在する歯根表面の研究を行う。測定は、本物の歯を用いて、in vivoで実施する。6ヶ月の治療の前と後とで電気抵抗の変化が起こる。さらに、触診プローブを使用して、歯根表面に対する古典的なう食スコアを作製する。硬さを、3段階評価:すなわち、硬、皮革様感(leathery)、または軟に分ける。このタイプの研究では通常、結果は、ECM測定に関する電気抵抗(数が大きい方が良い)、および触診プローブスコアに基づく病巣の硬さの改善として報告される。
したがって、オーラルケア組成物は、有効量のフッ素および/またはアルギニンを欠く組成物と比較して、エナメル質の(QLFまたはECMによって測定されるような)初期病巣を減少させるための方法において有用である。
いくつかの実施形態では、オーラルケア組成物を使用して、口腔内の有害な細菌を減少させることができる。いくつかの実施形態では、オーラルケア組成物を使用して、歯肉炎を減少させるか、または抑制することができる。いくつかの実施形態では、オーラルケア組成物を使用して、酸生成細菌のレベルを低下させることができる。いくつかの実施形態では、オーラルケア組成物を使用して、アルギニン分解性細菌の相対レベルを増大させることができる。いくつかの実施形態では、オーラルケア組成物を使用して、口腔内での微生物によるバイオフィルム形成を抑制することができる。いくつかの実施形態では、オーラルケア組成物を使用して、糖曝露後の歯垢pHを少なくともpH約5.5のレベルに上昇させる、および/または維持することができる。いくつかの実施形態では、オーラルケア組成物を使用して、歯垢蓄積を減少させることができる。いくつかの実施形態では、オーラルケア組成物を使用して、歯および口腔を清浄することができる。
最後に、口内のpHを上昇させて病原細菌を抑えることによって、オーラルケア組成物は、口内の腫れや傷の治癒を促進するのに有用である。
本発明の組成物および方法を、練り歯磨き、透明ペースト、ジェル、口内洗浄液、スプレー剤、およびチューインガムなどの、口内および歯のケアのための経口用組成物に導入することができる。
口腔組織は、全身的感染症にとっての入口であり得るので、口腔衛生を向上させることによって、全身の健康を促進することにおける利益ももたらされる。優れた口腔衛生は、心血管の健康を含めた全身の健康と関連している。塩基性アミノ酸、特にアルギニンが、窒素(窒素は、NO合成経路を与え、したがって口腔組織内の微小循環を向上させる)の原料であることから、本発明の組成物および方法は、特定の利益を提供する。酸性度の低い口腔環境を提供することはまた、胃部不快感を減少させる、また、胃潰瘍と関連してヘリコバクター(Heliobacter)にとってあまり好都合でない環境を作り出す助けとなる。特にアルギニンは、特定の免疫細胞受容体、例えばT細胞受容体の高度発現に必要とされ、その結果、アルギニンは、有効な免疫応答を増強することができる。したがって、本発明の組成物および方法は、心血管の健康を含めた全身の健康を促進するために有用である。
次の実施例は、本発明の範囲内の例示的な実施形態をさらに説明および実証するものである。これらの実施例は、単に例示目的で示され、その精神および範囲を逸脱せずに、多くの変形が可能であるので、この発明の限定と解釈されるべきではない。本明細書に呈示および記述したものに加えて、本発明の様々な改変も、当業者には明らかであるはずであり、これらも添付の特許請求の範囲の範囲内であるものとする。
実施例1
上に述べた方法のいずれかによって、下の表1に記述する成分を含む組成物を調製することができる。
Figure 2013534243
実施例2
上に述べた方法のいずれかによって、下の表2に記述する成分を含む組成物を調製することができる。
Figure 2013534243

Claims (13)

  1. a.遊離または塩の形態の有効量の塩基性アミノ酸と;
    b.有効量の水溶性のストロンチウム塩と
    を含むオーラルケア組成物。
  2. 塩基性アミノ酸が、アルギニンまたはその塩である、請求項1に記載のオーラルケア組成物。
  3. 水溶性のストロンチウム塩が、酢酸ストロンチウム;塩化ストロンチウム;硝酸ストロンチウム;乳酸ストロンチウム;臭化ストロンチウム;およびこれらの2つ以上の組み合わせから選択される、請求項1または2に記載のオーラルケア組成物。
  4. フッ素イオン源をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のオーラルケア組成物。
  5. フッ素イオン源が、モノフルオロリン酸ナトリウム;フッ化第一スズ;フッ化ナトリウム;フッ化カリウム;フルオロケイ酸ナトリウム;フルオロケイ酸アンモニウム;フッ化アミン;フッ化アンモニウム;およびこれらの2つ以上の組み合わせから選択される、請求項4に記載のオーラルケア組成物。
  6. 歯磨き剤の形態の、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオーラルケア組成物。
  7. 口内洗浄液の形態の、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオーラルケア組成物。
  8. カリウムイオン源をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のオーラルケア組成物。
  9. 前記カリウムイオン源が、硝酸カリウムおよび塩化カリウムから選択される、請求項8に記載のオーラルケア組成物。
  10. ストロンチウム-ガラス複合体をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のオーラルケア組成物。
  11. ストロンチウム-ガラス複合体が、ホスホケイ酸ストロンチウムナトリウムを含む、請求項10に記載のオーラルケア組成物。
  12. a.う歯の形成を減少または抑制する、
    b.エナメル質初期病巣を減少、修復、または抑制する、
    c.歯の脱灰を減少または抑制する、および再石灰化を促進する、
    d.歯の知覚過敏を減少させる、
    e.歯肉炎を減少または抑制する、
    f.口内の腫れや傷の治癒を促進する、
    g.酸生成細菌のレベルを低下させる、
    h.アルギニン分解性細菌の相対レベルを増大させる、
    i.口腔内での微生物によるバイオフィルム形成を抑制する、
    j.糖曝露後の歯垢pHを少なくともpH5.5のレベルに上昇させる、および/または維持する、
    k.歯垢蓄積を減少させる、
    l.口内乾燥症を治療する、
    m.歯を白くする、
    n.歯の酸蝕を減少させる、
    o.歯をう蝕原性細菌およびその影響に対して免疫化する、および/または
    p.歯および口腔を清浄する
    ための方法であって、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の有効量のオーラルケア組成物を、その必要のある対象の口腔の表面に適用することを含む該方法。
  13. 全身の健康を促進するための方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の有効量のオーラルケア組成物を、その必要のある対象の口腔の表面に適用することを含む該方法。
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