JP2013533097A - 電気流体力学的流体加速機器における電極コンディショニング - Google Patents

電気流体力学的流体加速機器における電極コンディショニング Download PDF

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Abstract

有害物質の除去または電気流体力学的機器もしくは他のイオンフロー生成機器の電極上への有害物質の形成防止のために、クリーニング機器によって電極コンディショニングが実施される。コンディショニング材は浸食、腐食、酸化、デンドライト形成、オゾン生成を部分的に軽減するために電極上に堆積される。コンディショニング材はクリーニングブロックまたはワイパーの摩耗可能な部分によって堆積され得る。クリーニングブロックは有害物質を除去するために十分に硬い一方で、電極表面にコンディショニング層を堆積するため摩耗可能なように十分に柔らかい組成を有する。コンディショニング材は固体または液体として塗布され得る。コンディショニング材は、銀、パラジウム、白金、マンガン、ニッケル、ジルコニウム、チタン、タングステン、アルミニウム、これらの酸化物または合金、およびプラズマ条件下で分解される有機金属材料のうちの1つを含み得る。

Description

Kenneth A. Honer
Guilian Gao
Nels Jewell-Larsen
背景
技術分野
この応用は一般に、たとえば電気流体力学的加速機器(Electrohydrodynamic fluid accelerator(EFA))および静電集塵器のような、電気流体力学的機器または静電機器内の電極のin situコンディショニングに関する。
多くの電気機器および機械的に動作する機器では、ある動作中のシステムの対流による冷却を促進するためには気流を要する。冷却は、機器のオーバーヒートの防止および長期信頼性の改善に役立つ。冷却気流の供給には、ファンまたは他の類似の機械的に可動な機器の使用が知られている。しかしながら、上記機器では一般に動作寿命が限られており、ノイズもしくは振動を発生し、消費電力が大きく、またはその他の設計上の問題に悩まされる。
電気流体力学的(electrohydrodynamic(EHD)またはelectro-fluid dynamic(EFD))機器のような、イオンの流れを生じさせるエアムーバー機器(air mover device)の使用は、冷却効率の改善、振動の低減、消費電力の低減、電気機器の温度の低減、およびノイズ発生の低減をもたらし得る。これは機器全体の寿命コスト、機器のサイズまたは体積を低減し、電気機器の性能またはユーザ体験を改善し得る。
エミッタ電極またはコレクタ電極を用いる、EFAおよびEHD機器ならびに他の機器の多くでは、シリカデンドライトのような有害物質、表面汚染物質、微粒子または他のデブリが、電極表面に蓄積または形成され得る。これにより上記機器の性能、効率、および寿命が減少し得る。具体的には、シロキサン蒸気がプラズマまたはコロナ環境内で分解されて、たとえばエミッタまたはコレクタ電極のような電極上にシリカの固体堆積物を形成する。上記シリカ汚染物質の集積体は、電力効率の低下、放電の発生、またはスパークオーバー電圧の低下を生じさせて、機器不良の一因となり得る。
したがって、電極表面のクリーニングおよびコンディショニングにおける改善が求められる。
概要
流体のイオン移動の原理を用いて構成される機器は、イオン送風装置(ion wind machine)、電気送風装置(electric wind machine)、放電送風ポンプ(corona wind pump)、電気流体力学的(EFD)機器、電気流体力学的(EHD)スラスタ、およびEHDガスポンプなど文献中でさまざまに呼ばれる。この技術は、静電空気清浄機または静電集塵器と呼ばれる機器の分野においても利用されている。
本応用において、ここに図示および説明される機器の実現例は、電気流体力学的流体加速機器と呼ばれる。これら機器は特に、電気回路によって生じた熱を放散するための熱管理ソルーション内の構成物品としての使用に適する。実現例のいくつかは静電集塵機器との関連で説明される。
堆積または有害物質の集積を抑止するとともに堆積物の除去を容易するために、EFA、EHD、または同様にイオンの動きもしくは流れを生じさせる機器の電極コンディショニングが可能であることが判明した。これは、コンディショニング済みの電極表面への堆積物の付着性が低いことに起因する。デンドライト形成中の炭素の存在は、デンドライトの形成表面への付着性を低下させることがさらに判明した。炭素は、電極へのコンディショニング材の塗布によって、または電極の周囲の環境への炭素の導入によって供給され得る。ある場合には、表面への付着性を低減し、それに続く有害物質の除去を容易にするために、たとえばワイパー、ブラシ、またはスクイージのような炭素を含むクリーニング機器が、電極上に集積した有害物質を除去するとともに、電極上に炭素コーティングまたは他のコンディショニング材をさらに堆積させる役割を果たす。
ある実現例においては、電極の機械的クリーニング中に耐食層が形成され得る。ある実現例においては、グラファイトのような炭素材が、酸化への耐性、およびたとえばプラズマ環境中におけるイオン照射の他の効果への耐性を与える。また炭素材は、表面のメタルコーティングへの損傷を防止するために電極を滑らかにもし得る。犠牲コンディショニングコーティングは、イオン照射またはプラズマ浸食から下層のメタルを保護することができる。炭素コーティングもまた、堆積物の付着への抵抗性のために付着性が低い表面コーティングを与える。好ましくはクリーニング機器の硬度は、下層のメタル電極コーティングに損傷を与えずに有害物質を効果的に除去するように選択される。周期的な、または反復したコンディショニングは、有害物質の緩やかな集積または電極の酸化を低減または防止することができる。
ある実現例においては、機器は電極およびクリーニング機器を含む。電極は、イオンを発生させ、または移動させる。これにより、流体の流れを生じさせるために、少なくとも1つの他の電極に対してエネルギを供給可能である。クリーニング機器は、電極表面の少なくとも一部に摩擦により係止されるように配置される。クリーニング機器および電極のうちの一方は、電極から有害物質を除去するために他方に対し移動可能である。一方、電極コンディショニング材は、クリーニング機器および電極のうちの一方の動きによって、電極上にin situで堆積される。
ある場合には、コンディショニング材は、クリーニング機器上の摩耗可能な層、摩耗可能なパッド、および摩耗可能なインサートのうちの1つによって堆積可能である。
ある実現例においては、クリーニング機器は電極に接触して対向する第1および第2のクリーニングブロックを備える。ある場合には、クリーニングブロックは実質的に非直線状の電極ガイドを定義し、これによりクリーニング機器および電極のうちの一方の移動中に電極を弾性的に変形させる。
ある実現例においては、コンディショニング材は、たとえば触媒、活性炭、またはオゾンを分解もしくはオゾンと結合するために選択された他の物質などのオゾン低減剤を含む。ある実現例においては、コンディショニング材は、電極の浸食、腐食、酸化、シリカ付着、デンドライト形成、および他の有害物質の機械的付着のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に軽減するために選択される。ある場合には、コンディショニング材は、銀、パラジウム、白金、マグネシウム、マンガン、ニッケル、ジルコニウム、チタン、タングステン、アルミニウム、これらの酸化物または合金、炭素、およびプラズマ条件下またはイオン照射下において分解される有機金属材料を含む。
ある場合には、クリーニング機器の少なくとも先導部は、電極のクリーニングのために構成される。クリーニング機器の少なくとも後続部は、コンディショニング剤の摩耗可能なバルクを備える。ある場合には、クリーニング機器は、コンディショニング剤を支える1以上の経路を定義する。
ある場合には、電極はコレクタ電極およびエミッタ電極のうちの一方である。ある場合には、電極またはクリーニング機器は、イベントの検出および測定された機器動作パラメータにおける変化のうちの一方に応答して移動可能である。
ある応用においては、本発明は、イオンを発生させ、または移動させ、これにより流体の流れを生じさせるためのエネルギを供給可能な電極のコンディショニングの方法を特徴とする。この方法は、エネルギを供給可能な電極の表面の少なくとも一部に摩擦により係止されるように、クリーニング機器を配置するステップを含む。この方法は、クリーニング機器および電極のうちの少なくとも一方を移動させ、これにより電極から有害物質を除去するステップをさらに含む。またこの方法は、電極上に電極コンディショニング材をin situで堆積させるステップをさらに含む。
ある応用においては、電極コンディショニング材は、たとえば触媒またはオゾンと結合可能な物質などのオゾン低減剤を含む。ある応用においては、堆積したコンディショニング材は、プラズマ環境内もしくはイオン照射による電極の酸化を軽減するために選択された犠牲コーティングを形成する。たとえば、酸化銀は、犠牲コーティングおよびオゾン低減剤の双方としての役割を果たし得る。
ある場合には、コンディショニング材は、クリーニング機器および電極のうちの少なくとも一方の移動によって、クリーニング機器を用いて堆積される。
ある場合には、コンディショニング材は、移動中にクリーニング機器に供給される液体を備える。
ある応用においては、コンディショニング材を堆積するステップは、電極表面上にコンディショニング材を運搬するステップを備える。ある場合には、この方法は、運搬中に電極を加熱するステップを含む。ある場合には、電極を加熱するステップは、堆積したコンディショニング材の組成、相、形態、および表面付着のうちの少なくとも1つを修正するために、電源および制御部を用いて実施される。
ある実現例においては、機器は制御部を含む電気装置に組込まれる。この制御部は、クリーニング機器および電極のうちの一方の移動を開始させるように動作可能であり、これにより電極上にコンディショニング材が堆積する。
ある実現例においては、コンディショニング材は、汚染物質の集積を抑止するため、または有害物質の除去を容易にするように低付着特性を与えるために、選択された炭素コーティングを形成する。炭素または炭素を含有する物質のコーティングの電極表面上への使用は、電極への有害物質の付着を低減し得る。また、電極からの有害物質の除去の改善がもたらされ得る。
ある実現例においては、炭素を含む機械的クリーニング機器が電極のクリーニングのために用いられる。ある場合には、クリーニング機器はブラシを含む。ある場合には、クリーニング機器はスクイージまたはワイパーを含む。ある場合には、クリーニング機器は、電極上の有害物質の集積体を機械的に除去するために、電極に係止されるように構成され配置される。炭素を含むブラシングまたはスクイージは、クリーニング中に電極上に炭素の一部を堆積するためにさらに構成され配置される。
ある場合には、電極への炭素の堆積は、電極上の炭素コーティングを更新する。炭素コーティングは、電極へのデンドライトまたは他の有害物質の付着を低減するとともに、それに続く上記有害物質の集積体の除去を容易にする。
たとえばグラファイトまたは他の硬度が低い炭素材のような堆積した炭素もまた、後続の機械的クリーニングの間に潤滑をもたらし得る。具体的には、この潤滑は、クリーニング中の機械的摩耗から電極の表面メタルコーティングを保護する。このため、炭素コーティングおよび表面メタルコーティングは、プラズマ環境内およびクリーニング動作中において、下層のメタルを保護する。
ある実現例においては、機械的クリーニング機器は、電極上の共役層の所定の厚みを維持するために構成される。たとえば、機械的クリーニング機器は、目標の共役層の厚みを得るために、共役層を除去または塗布するように構成され得る。共役層は、堆積物の付着を抑止する嫌シリコン表面を提供する。共役層は、下層のメタルコーティングの浸食を軽減することもできる。
ある実現例においては、機械的クリーニング機器は、電極と摩擦により係止される2個の相補的なクリーニングブロックを含む。ある場合には、これらブロックには、これらブロックを電極と接触した状態に保つための締付けまたは力が加えられる。特定の実現例においては、締付け力は、クリーニングブロックの周りに巻かれたばねによって生じる。ある場合には、クリーニングブロックは開環を形成し、締付け力は環の周りに巻かれたコイルばねによって与えられる。
ある場合には、クリーニング機器は相補的なクリーニングブロックを含む。これらクリーニングブロックは、たとえば固定された先端プロファイルなどの第1のクリーニング表面と、クリーニングブロックの中央部または後続部に沿ったコンディショニング表面とを有する。ある場合には、クリーニングおよびコンディショニングは、同一のクリーニング機器の表面によって実施される。
ある実現例において、クリーニング機器は、少なくとも第1の移動方向に有害物質を除去するとともに、少なくとも第2の移動方向に共役層によって電極をコンディショニングするように構成される。たとえば、クリーニングブロックは、第1の移動方向への第1の力を受けて、電極と第1のクリーニング接触表面において接触し得る。またクリーニングブロックは、第2の移動方向への第2の力を受けて、電極と第2の摩耗可能なコンディショニング材表面で接触し得る。このため、ある場合には、クリーニングおよびコンディショニング動作は、電極に沿ったクリーニング機器の移動方向に依存する。
特定の実現例においては、クリーニングブロックの接触の程度または圧力は、方向的に可変であり得る。可変とは、たとえば、第1の方向に移動して高耐性プロファイルを保持するため、および第2の方向に移動して間隔を離すためである。このため、ある場合には、クリーニングブロックの一方または双方は、相補的クリーニングブロック表面の第1の組を有する電極と第1の移動方向に摩擦により係止されるとともに、相補的クリーニングブロック表面の第2の組を有する電極と第2の移動方向に摩擦により係止されることを要求され、またはそのように保持される。特定の場合には、クリーニングブロックおよび電極間の方向性摩擦抵抗は、クリーニングブロックがクリーニング位置およびコンディショニング位置の間で動くようにする。
電極上の如何なるゴミ、デンドライト成長、またはその他の有害物質は、電極に沿って移動するブラシ、ワイパー、またはビーズを用いて除去され得る。ある場合には、ブラシ、ワイパー、またはビーズは、電極の摩耗を防止するためにたとえばポリマーのような硬度が低い材料を用いて作成され得る。
ある実現例においては、第1の電極および他の電極は、電気機器内の放熱器に熱的に結合された熱管理アセンブリの少なくとも一部を構成する。ある場合には、第1の電極およびクリーニング機器のうちの少なくとも一方は、電気機器の熱デューティーサイクルの低下、電源オンサイクル、および電源オフサイクルのうちの1つの検出に応答して移動可能である。
ある実現例においては、電極およびクリーニング機器は、計算機、複写機、印刷機、および空気清浄機のうちの1つに組込まれる。
詳細な説明は添付図面を参照する。添付図面は、開示される教示が実施され得る特定の局面および実現例を図示によって示す。ここで開示される実現例の範囲から逸脱しない範囲において、他の変形例および実現例もまた利用され得るとともに、構造的、論理的、および電気的な変更が行なわれ得る。さまざまな実現例は必ずしも相互排他的である必要はない。実現例のいくつかは、新たな実現例を形成するために1以上の他の実現例と組合されてもよい。
スライド式クリーニング機器を有する電極の側面図を、さまざまな実現例に従って例示する図である。 クリーニング機器のある実現例を示す、請求項1の機器の断面図の一端を、さまざまな実現例に従って例示する図である。 電極上のコンディショニング材コーティングの断面図を、さまざまな実現例に従って例示する図である。 クリーニング機器を有する平面電極を、さまざまな実現例に従って例示する。 電極のコンディショニングのためのクリーニングブロックを、さまざまな実現例に従って例示する図である。 図5のクリーニングブロックの断面図である図である。 電極のコンディショニングのためのクリーニングブロックを、さまざまな実現例に従って例示する図である。 電極のコンディショニングのための、コンディショニング材インサートを含むクリーニングブロックを、さまざまな実現例に従って例示する図である。 電極コンディショニングのためのコンディショニング材インサートを含むクリーニングブロックを、さまざまな実現例に従って例示する図である。 電極に沿ってクリーニングブロックを運搬するための台車を、さまざまな実現例に従って例示する図である。 ここで説明されるように、さまざまな実現例を用いる電子システムである。
詳細な説明
EFAもしくはEHD空冷システムまたは類似の機器の使用は、たとえばファンのような機械的な空冷システムの使用と比べて、振動の低減、電気機器の温度の低減、およびノイズ発生の低減をもたらし得る。ある場合には、機器効率は、シリカデンドライト、表面汚染物質、微粒子、または他のデブリのような有害物質によって影響を受け得る。これら有害物質は、電圧変化、アーク放電、および気流効率における電力損失を生じ得る。電極コンディショニングには、これら問題の軽減、寿命動作コストの改善、効率改善の可能性がある。
ある実現例において、たとえばワイパーのようなクリーニング機器は、電極の摩耗または損傷を与えずに有害物質を機械的に除去するために、電極に対して圧力をかけた状態で保持および/または移動される。ある場合には、電極はワイパーを越えて移動する。ワイパーは、選択された圧力下において有害物質を除去するために十分な硬さとなり、かつ、電極に損傷を与えないように十分な軟らかさとなるように選択された構成を有し得る。ワイパーまたは個別のコンディショニング機器は、電極上にコンディショニング材を堆積させる。たとえば、ワイパーは、コンディショニングプロセス中に電極表面上に低付着性または非接着性層を残すために、コンディショニング材の摩耗可能なバルクを含み得る。ある場合には、コンディショニング材の組成は、電極上に部分的に導電層を形成するために選択され得る。ある場合には、コンディショニング材は、浸食、腐食、デンドライト形成、酸化、およびオゾンを少なくとも部分的に低減するように選択され得る。
塗布されたコンディショニング材の層は、電極表面に共役であり得、または表面を部分的にコートして表面を滑らかにすることがあり得る。この層は電極の浸食を抑制し、有害物質およびデンドライト形成速度を低減し、電極のアーク放電を生じ得るシャープポイントを低減する可能性がある。この層は炭素を含有する化合物によって形成され得る。この化合物は、炭素表面の低付着性に通常起因して、汚染物質の集積を抑制するとともに、汚染物質の集積体の除去を容易にする。
さまざまな実現例においては、クリーニングおよび/またはコンディショニングは、ブラシ、回転ブラシ、柔軟層または共役層表面、スクイージもしくはワイパーブレードのようなエッジ、または電極表面を摩耗したり擦ったり損傷を与えたりしないように十分な軟らかさを有する材料によって行なわれる。
ある実現例においては、炭素コーティングは、摩耗可能な炭素ワイヤブレードを用いるクリーニング中に塗布され得る。このため、コンディショニングコーティングの形成または更新と同時に有害物質が除去される。硬度が低い炭素材(たとえばグラファイト)の潤滑効果もまた、ワイプ中の、およびたとえばコロナ機器におけるプラズマ環境内でのイオン照射下での動作中の電極への損傷をさらに低減し得る。
クリーニング機器あるいはワイパーは、電極表面の少なくとも一部に接触して設けられる2以上のクリーニングブロックによって形成され得る。たとえば、ある場合には、電極はワイヤであって、クリーニングブロックはクリーニングブロック上にグラファイトインサートまたはグラファイト層を含み得る。クリーニングブロックはワイヤの反対側から互いに向かって押付けられ得る。そしてブロックに対するワイヤ電極の動きは、ワイヤの一部の上に炭素の部分的な層を形成するためにグラファイトを摩耗し得る。
特定の場合には、グラファイトのコンディショニング材を含むブロックをワイヤの全長に沿って移動させる間に、ワイヤの周囲の周りに回転あるいは螺旋運動させることによって、ワイヤの十分なワイプおよびコンディショニングが可能になる。ワイプ動作が選択された間隔で生じるにつれて、ブロック上の摩耗可能なコンディショニング材の中に溝が擦られる可能性があり、最終的にはブロックがワイヤの周りで互いに接触するようになり得る。摩耗可能なコンディショニング部分またはクリーニングブロック全体は、必要に応じて交換され得る。あるいは、ある実現例においては、クリーニングブロックは柔軟であってもよく、ブロックに加えられた圧力がワイヤの周りにブロックを変形させてもよい。
図1を参照して、クリーニングシステム100のある実現例は、電極102と、機械的クリーニング機器または「ワイパー」を含む。ワイパーは、電極102の反対側に対向する2個のクリーニングブロック104,106を含む。図面に示されるような2個の部分からなるクリーニング機器にこの発明は限定されない。この発明は、たとえばシャトル、ビーズ、ブラシ、または複数のクリーニングヘッドおよび表面のような単一部品のスライド式クリーニング機器を含み得る。電極はワイヤ電極に限定されない。電極には、平面電極、伸長電極、およびその他の形状の電極が含まれ得る。
クリーニング機器の構成部104,106は、電極102と接触して、直線運動108、回転運動110、またはこれら運動の組合せを同時または順番に行なうことにより移動し得る。たとえば、クリーニングブロック104,106は平行移動が可能である。それ以外にもクリーニングブロック104,106は、以下で図10を参照しながら説明するように、電極102の長さ方向に沿って移動可能な台車に載って移動し得る。
あるいは、電極102はクリーニングブロック104,106を越えて移動し得る。このため、有害物質の除去および/または電極コンディショニング(「クリーニング」と総称)は、電極102および/またはクリーニングブロック104,106の移動によっても達成し得る。たとえば、電極102は、駆動滑車の周りに接続された永久ループであってもよい。あるいは、ある場合には、摩耗済みまたは汚染済みの電極は、供給用スプールから引出された新たなワイヤ長によって周期的に更新されるとともに、使用済みのワイヤ長は巻取りスプールに集められてもよい。ある場合には、新たな電極長は、他の送込みメカニズムによって供給されてもよく、または単に手動で交換されてもよい。新たな電極は、固定回数のクリーニングサイクル後、所定の使用期間後、または性能低下の検出時に供給されてもよい。このため、電極およびクリーニングブロックのうちの少なくとも一方を移動させるためにアクチュエータが使用され得る。
ある実現例においては、クリーニング/コンディショニングは電極の不使用時に実施される。あるいは、クリーニング動作は連続的または時間間隔毎に実施されてもよい。ある場合には、課せられた電圧レベル、測定された電気的ポテンシャル、光学的手法による汚染レベルの存在の決定、イベントまたは性能パラメータの検出、および電極102の機械的クリーニングによる利益をもたらす他の方法のうちの1以上に基づいて、コンディショニングまたはクリーニングは制御部が開始してもよい。
図2は、電極202を有するクリーニングシステム200の断面図の一端を示す。クリーニングブロックもしくはクリーニング機器の部分204,206の一方または双方は、印加された力Fによって電極202に押付けられる。ばね、圧縮性発泡体、磁気的反発力、漏れ磁場、ソレノイド、電気的反発力、またはクリーニングブロック204,206および電極202の間に選択的な接触力を与える他の方法によって、印加された力Fは供給され得る。力Fは、選択された時刻に選択された圧力によって印加され得る。たとえば、特定の場合には、クリーニングブロック204,206の一方を台車または他の支持機構に接続する発泡体の受け板は、電極204または対向するブロックに対し、対応するブロックを押当てることができる。
図から、ブロック204がブロック206に接触する必要がないことが理解できる。ブロック204,206がグラファイトのような摩耗可能または相対的に硬度が低い材質によって形成される場合、印加された力Fがもたらす圧力下にあるクリーニング機器200の動作は、電極202に隣接する領域内のいくつかのブロック材を除去する。これにより、図のように2個のブロックに溝が形成される、または溝が深くなる。たとえば、クリーニングブロック204,206は、時間の経過とともに減少する間隔212によって隔てられ得る。これらブロックは最終的には互いに接触する。
このため、電極202の表面からの有害物質の除去、または電極202の表面へのコンディショニング材の堆積の有効性は、時間とともに減少し得る。この時点においては、ユーザは、ブロック204,206の一方もしくは双方、またはそれらの如何なる部分を交換することができる。上記部分とは、たとえば摩耗可能なコンディショニング材のインサートもしくはパッドである。あるいは、ある場合には、柔軟性を有するブロック材を用いることによりブロックの寿命を延ばすことができる。ブロックに印加された圧力は、電極の周りにブロックを変形させる。
ブロック204,206は、図1の参照符号108で示されるように、電極202の長さ方向に沿って(すなわち図2の紙面に出入りするように)直線方向に移動するということに気付くことができる。この移動では、2個のブロック間の間隔のために、有害物質、デブリ、汚染物質、または表面上のデンドライトのすべてを完全に除去することはできない。ある場合には、電極のより広範囲をカバーするために、直線運動108と併用して、図1のように回転運動110を用いることが望ましい。
図3は、炭素コンディショニング材コーティング304を有する電極の断面図を示す。このコーティングは、たとえば、図1の直線方向108または電極302周りの図1の回転方向110のいずれかに、硬度が低い炭素ブロックがスライドすることによって形成される。この実現例においては、クリーニングブロック(図示せず)は、電極302上にコンディショニング材コーティング304が形成された状態にするコンディショニング表面としての機能をさらに果たす。コーティング304は単一層として示されているが、本発明はこれに限定されない。コーティング304は、各々が上述の順次クリーニング動作中に形成される複数の層であってもよい。
コーティング304は、複数のワイパーブレード、クリーニングブロック、および/または複数のコンディショニング材表面の使用によって、複数のコンディショニング材または複数のコンディショニング材の層から形成されてもよい。特定の場合には、クリーニングブロックに設けられた複数の空洞または経路が、電極上への堆積のためのコンディショニング材を保持する。コーティングの材質は、均一な材質であってもよく、異なる材質の複数の層であってもよく、電極302上にこすり付けられた2つの異なる材質の組合せにより形成された材質であってもよく、または化学反応もしくはプラズマ反応によって形成された材質であってもよい。
ある場合には、コンディショニング材は、コンディショニング材の加熱を受けて固相から気相へと昇華する。
ある実現例においては、コンディショニング材は、たとえば、クリーニングブロック内に形成された極小経路を用いることによって電極上に運搬されて塗布される。あるいは、容器または電極の一部に沿った他の供給源から電極自身がコンディショニング材を運搬してもよい。クリーニングブロックは、電極に沿ってコンディショニング材をさらに拡散し得る。上記運搬および拡散は電極の加熱によって促進され得る。
コンディショニング材層304は、犠牲層または保護コーティングを与える。コーティングは、電極302の動作表面の全体にわたって連続的である必要はない。ある場合には、コーティングは、低付着性または「非接着性」の表面を与え得る。あるいはコーティングは、デンドライト形成における一般的な材質であるシリカを寄せ付けない表面特性を有し得る。一例として、コンディショニング材層304は、グラファイトのような炭素を含んでもよく、デンドライトおよび他の有害物質の付着を低減し得る。また、コンディショニング材層304は、あらゆる汚染物質の機械的除去を容易にするとともに、有害物質の形成速度を低減することができる。コンディショニング材層304は、プラズマ環境によって酸化または腐食された犠牲層としての役割を果たし得る。この犠牲層の補充は、たとえばタングステンのような下層の電極金属またはその他の電極保護コーティングのための腐食保護を与える。犠牲層がなければ、電極金属またはコーティングは腐食されるか、あるいは薄くなり得る
ある実現例においては、層304の材質は、たとえば機器によって生成されるオゾンを低減するために、オゾン削減機能を有するように選択され得る。一例として、気流中のオゾンを低減するために銀(Ag)を含む材質が用いられ得る。銀はシリカ成長を防ぐためにも用いられ得る。
ワイプ動作中の層304の再利用は、圧力および、腐食厚とほぼ等しい厚さを有するコーティングを形成するためのワイプ表面の構成によって制御され得る。このため、コンディショニング材層304は繰返し腐食され再形成され得る。
図4は、スライド式クリーニング機器404を有する平面電極402を示す。スライド式クリーニング機器404は、たとえばグラファイトのような硬度が低い材質を含有するコンディショニング材を備え得る。グラファイトは、電極402表面の一部の上に層406(理解し易さのために個別には示さない)を堆積し得る。コンディショニング材は、たとえばグラファイトのパッド、インサート、または層のような摩耗可能な層であってもよい。あるいは、クリーニング機器402は上述のように、たとえば固体の摩耗可能なグラファイトのクリーニングブロックのように、主にコンディショニングバルク材によって形成された主要部を備えてもよい。
クリーニング機器404は如何なる形状を有してもよく、図示するような円柱形状に限定されない。クリーニング機器404は表面から取り外され、電極402の表面に設置されて、圧力機器408によって電極表面に対して押付けられる。クリーニング機器404は、電極402のあらゆる選択部分をカバーするために、運動412,414の組合せの如何なる方向にも移動可能であり得る。運動412,414のさまざまな組合せは、直線運動、往復運動、円運動、または楕円運動であってもよい。電極402の形状は平面形状として図示される。しかし本発明はこれに限定されず、如何なる電極形状にも適用可能である。
図5〜図9を参照して、クリーニングブロックは、クリーニング中に電極を弾性的に変形あるいは歪ませるように構成または配置される。これはたとえば、クリーニング/コンディショニングブロックもしくは電極ガイドの非直線状の外形、または他の適切な電極コンタクトの特徴によって実現される。ある実現例においては、電極は2個のコンディショニングパッドまたはクリーニングブロックの間に固定される。これらの各々は、電極が制御曲げ(controlled bend)となるように変形するための相補的表面を定義する。曲げ半径は電極が塑性的に変形しないように選択される。たとえば、電極の直径および曲げ半径は、曲げ半径に対する電極の半径の比が電極材料の降伏歪みを超えないように選択される。相補的表面は、電極上の脆弱なシリカ堆積物を破壊するために、電極に制御曲げ応力を引起す複数の起伏を含み得る。電極の撓みもまた、コンディショニングパッド/クリーニングブロックが摩耗するにつれて、電極とコンディショニングパッド/クリーニングブロックとの間の接触の保持を助ける。
図5、および図6の断面図を参照して、機械的クリーニング機器または「ワイパー」500は、電極と接触するための、第1のクリーニングブロック504とそれと対向する第2のクリーニングブロック506とを含む。ブロック504,506は組合わされて、非直線状の電極ガイド508または進路を定義する。電極ガイド508または進路は、電極の弾性的変形、および対応する電極表面上への摩擦によるクリーニングコンタクトを与える。クリーニングおよびコンディショニング中に、電極またはクリーニングブロックのいずれか一方が他方を越えて通過するにつれて、電極は電極ガイド508を通過する。電極ガイド508は断面図が図示され、電極を受けるようにサイズが調整された経路を定義する。
ある例においては、電極の弾性的変形はクリーニングまたはコンディショニングの有効性または制御を向上させることができる。たとえば、電極の変形の程度、または接触のある特定の点における摩擦の程度は、クリーニングおよびコンディショニングパラメータを変化させるように制御され得る。電極における張力もしくは圧力またはクリーニングブロック504,506の間の間隔は、ある場合には可変であり得る。たとえば、クリーニングブロック504,506は最初は距離を離して配置され、その後次第に互いに近付き、クリーニングおよびコンディショニングサイクルが延長されブロックが摩耗するにつれて互いに接触してもよい。
クリーニングブロック504,506は、コンディショニング材を含む摩耗可能な材料から形成され得る。コンディショニング材は、付着性の低減、オゾンの低減、酸化の軽減、またはそれ以外のイオン照射もしくはプラズマ環境の不都合な効果の軽減のために構成される。特定の実現例においては、ブロック504,506は、大量に販売されている摩耗可能なグラファイトのコンディショニング材によって形成される。ある実現例においては、摩耗可能なコンディショニング材は、クリーニング/コンディショニング中の被覆への損傷を避けるために、電極の被覆よりも大幅に硬度が低い。ある場合には、コンディショニング材の組成は、銀、白金、マグネシウム、マンガン、パラジウム、ニッケル、またはこれらの酸化物もしくは合金を含んでもよい。ある場合には、コンディショニング材の組成は、炭素、プラズマ条件下で分解する有機金属材料、およびこれらの組合せを含む。
ある実現例においては、ブロック504,506は異なる材料から形成される、あるいはブロック504,506は異なるコンディショニング材を含む。たとえば、一方のブロックはフェルトのクリーニング材を有し、他方のブロックは摩耗可能なグラファイトのコンディショニング材を含む。ある実現例においては、クリーニングブロック504,506の双方が、より硬度が高い炭素のワイプ材およびコンディショニング材を含む。ある実現例においては、クリーニングブロック504,506のうちの少なくとも一方は、たとえばフェルトパッドまたはモヘアのような、より軟らかいワイプ材を含む。
クリーニングブロック504,506は、ブロック504,506を差込むために留め具を受けるための開口510を定義するように図示される。ブロック504,506の位置は機器内に固定されてもよい。また、電極は、駆動滑車の周りに電極の永久ループとして接続されたブロック間を通過してもよい。あるいは、ブロック504,506はたとえば固定部として、クリーニングブロック504,506を電極に対し通過させるための可動台車(図10参照)に取付けられてもよい。
図6を参照して、クリーニングブロック504,506は、その縁に沿って接触するように示される。ある実現例においては、クリーニングブロック504,506は、クリーニング/コンディショニング動作中に電極の一方または双方の側面が接触し得る。あるいは、ある実現例においては、クリーニングブロック間の接触は、摩耗したクリーニングブロックの寿命の満了を示すために用いられ得る。
図6を参照して、一方または双方のクリーニングブロックは、留め具の経路510を通って挿入された連結留め具の周りに部分的に回転することが許され得る。これにより、電極からの摩擦または圧力は、対応するクリーニングブロックにある程度の回転運動を引起し得る。たとえば、第1の移動方向への電極ガイド508の第1のクリーニングプロファイルと、第2の移動方向への電極ガイド508の第2のコンディショニングプロファイルとを作り出すために、回転の中心をクリーニングブロック上に配置することができる。このため、クリーニングブロック504,506は、個別のクリーニングおよびコンディショニング位置の間で移動可能または変形可能であり得る。あるいは、クリーニングブロック504,506は固定されて、1回あるいは複数回通過する間に同時にクリーニング動作およびコンディショニング動作を提供することもできる。
図7を参照して、クリーニングブロック704,706は、相補的な対向表面710,712を定義する。表面710,712は、電極708の長さ方向(つまり紙面に向かう方向)に横断する、隆起および溝、または経路を含むことができる。ある実現例においては、上記経路は、電極708に塗布されるコンディショニング材のための貯蔵部または導管としての機能を果たすことができる。たとえば、実質的に固体である摩耗可能なコンディショニング材は、経路内または表面710,712の一方もしくは双方内に形成された他の陥凹部内に配置され得る。
あるいは、実質的に液体の、または流動性を有するコンディショニング材は、コンディショニング動作中に表面710,712の一方または双方内に形成された経路に供給され得る。ある場合には、コンディショニング材が流動性を有する状態にするため、または電極708への塗布の前後においてコンディショニング材の組成を変化させるために加熱することができる。
ある実現例においては、クリーニングブロックは、電極のコーティングのために異なる材質を含むことができる。ある実現例においては、クリーニングブロックは、電極に塗布される材料を搬送するための複数の経路を定義する。たとえば、第1のクリーニングブロックの経路または領域は結合剤を含むことができ、第2の経路または領域はグラファイトを含むことができる。ある場合には、結合剤および/または炭素を含む液体は、隣接する経路に注入され得る。これにより、クリーニングブロックが電極に沿って移動するにつれて、または電極がクリーニングブロックを越えて通過するにつれて、経路の一部の傍を通過する電極上に順次堆積する。したがって、ある場合には、クリーニングブロック、またはクリーニングブロックのコンディショニング部分を交換する必要なく、コンディショニング材は補充され得る。
ある場合には、結合剤および/またはグラファイトは、クリーニングブロック上に配置されたインサートまたはパッドの形態であり得る。ある場合には、結合剤および/またはグラファイトは、クリーニングブロックの異なる領域に塗布されたコーティングの形態であり得る。特定の場合には、結合剤は酸化されて、残存コンディショニング材を残す。たとえばパラフィン結合剤はグラファイトの残存物質を残す。あるいは溶剤は、銀またはマンガンの残存物質を残して蒸発する。ある場合には、1回または複数回のクリーニングブロックのクリーニング動作中に電極に順番に塗布されるように、異なるコーティング剤がクリーニングブロック上に配置され得る。
ブロック704,706の間には、発泡体のブロック714によって、またはクリーニングブロックのクリーニングブロック704,706のうちの少なくとも一方と、たとえば台車アーム716のような対応する支持構造との間に配置されたばねによって、圧力を供給することができる。クリーニングブロック704,706および発泡体ブロック714は、クリーニングブロック間に摩擦による電極708のクリーニングに十分な圧力を与えるために配置される。電極708もまたクリーニングまたはコンディショニングによって歪み得る。
図8を参照して、クリーニングブロック804,806は、電極808のコンディショニングのためのコンディショニング材インサート810を含む。コンディショニング材インサート804,806は、クリーニングブロック804,806の中央に配置される。これにより、クリーニングブロック804,806の対応する先端において最初にクリーニングが実施される。また、電極808がコンディショニング材インサート810を通過するにつれて、コンディショニングが実施される。
コンディショニング材インサート810は、必要に応じて取外し可能および交換可能であってもよい。あるいは必要に応じてクリーニングブロック804,806と統合可能および交換可能であってもよい。コンディショニング材インサート810は、類似または異なるコンディショニング材の組成を含むことができる。たとえば、あるコンディショニング材の組成は、酸化から保護するための電極保護組成を与えることができる。また別のコンディショニング材の組成は、オゾン低減剤を含むことができる。ある実現例においては、コンディショニング材の組成は、低付着性または嫌シリコン性の材料を含む。ある実現例においては、コンディショニング材の組成は有機材料を含む。ある場合には、その有機材料は炭素である。ある場合には、コンディショニング材は、デンドライト形成または有害物質の付着を抑止する犠牲層を形成する。
図9を参照して、コンディショニング材インサート910は、電極908のコンディショニングのために、クリーニングブロック904,906の外側への先端および後端に配置される。コンディショニング材インサート910のこの配置はたとえば、歪む前のグラファイトのコンディショニング材の円滑化、およびクリーニングブロック904,906の中央部に沿っての電極908の摩擦によるクリーニングにおいて有利である。
ある実現例においては、クリーニングブロックは、複数のクリーニングまたはコンディショニング領域または表面を含み得る。ある場合には、クリーニングブロックの各々は少なくとも、解体または摩擦クリーニングによって電極からデンドライトを除去するための第1の領域と、電極上にコンディショニング材コーティングを堆積するための第2の領域とを含む。ある場合には、クリーニングおよびコンディショニングは、クリーニング機器の移動によって同時に実施される。クリーニングブロックは表面形状の如何なる組合せを含んでもよい。表面形状には、クリーニング中に望ましい程度の摩擦接触および/または電極の歪みを与えるために、平面状、曲面状、溝状、波状などが含まれる。
同様に、電極はブロック状、短冊状、あるいはその他の形状などに形成され得る。またクリーニングブロックは、電極のあらゆる所望の部分に接触するように構成することができる。ある場合には、電極の全部あるいは大部分から有害物質を除去するために、クリーニングブロックは一般に電極に合わせられる。たとえば、クリーニングブロックは、伸長する電極ワイヤを囲込む環あるいは円柱として構成することができる。あるいは、クリーニングブロックは、後続するクリーニングによって電極の隣接領域あるいは重複領域をクリーニングするように配置されてもよい。ある場合には、電極は、クリーニングブロックが1回通過する毎に周期的にクリーニングされる。ある場合には、電極は、所定のコンディショニングサイクル内の往路および復路によって周期的にクリーニングされる。
図10を参照して、EFAまたはEHD機器1000は、電極ワイヤ1008に沿ってクリーニングブロックを運搬するための台車1002を含む。台車1002は、駆動滑車1012および遊び滑車1014の周りに接続された駆動ケーブル1010によって、走行または平行移動され得る。駆動滑車1012は、駆動モータ1016によって回転可能である。台車1002を移動し、これによる電極のクリーニングおよび/またはコンディショニングのために、異なる種類の駆動メカニズムを用いてもよい。台車1002は、単一パスのクリーニング/コンディショニングによって移動可能である。この場合、台車1002は各サイクルにおいて電極ワイヤ1008の両端間を交互に移動する。あるいは、台車1002は、復路に沿った移動を各サイクル内に含む双方向クリーニングを実施する移動も可能である。したがって、電極ワイヤ1008からのデンドライトもしくは他の有害物質の除去、または電極ワイヤ1008のコンディショニングのために、クリーニングブロックの移動を如何なる回数行なってもよい。同様に、電極ワイヤ1008のクリーニングおよびコンディショニングを達成するために、台車1002は所望のスピードで走行され得る。
特定の場合には、電極ワイヤはたとえば20グラムの張力が生じた状態で設置される。電極ワイヤは、(図2で示すような)溝が設けられた炭素のクリーニングブロックを用いてクリーニングされる。クリーニングブロック間には、80グラムの負荷が予め加えられる。クリーニングブロックを運搬する台車は、電極ワイヤに沿って往路および復路の双方において約13mm/sで走行する。さまざまな実現例においては、電極の張力のさまざまな大きさ、およびクリーニングブロックのさまざまな速度が用いられ得る。たとえば、フェルトのような軟らかいワイパー表面を有するクリーニングブロックには、たとえば350グラムといった、より大きなブロック負荷を用いてもよい。30分〜120分などの比較的短い動作期間中に電極ワイヤ上にデンドライトが形成され得る。これは電極の性能を潜在的に作用する。したがって、時間の関数、デンドライト成長の検出、またはたとえば電源サイクルもしくはアーク放電のようなさまざまなイベントに応答して、クリーニングは好適に開始され得る。
台車1002は、複数の電極のクリーニングのために配置された複数のクリーニングブロック対を運搬することができる。機器1000は、接地電極、極性が反対の電極、逆流電極、または他の電極をさらに含むことができる。これらの電極は、たとえばヒートシンクからヒートパイプを経由して送られる熱を排出するために、空気を動かして機器内を通って空気が流れるように配置される。有害物質が蓄積する傾向がある電極、フィルタ、もしくは他のシステムの特徴部の任意の個数を越えて台車1002が運搬されるように、または機械的コンディショニングの必要性に応じて、台車1002を追加的なクリーニングメカニズムに適合してもよい。
引続き図10を参照して、電極1008のクリーニングおよびコンディショニング中に、クリーニングブロック表面上または隣接する台車表面上には、デンドライト物質または他の有害物質が蓄積し得る。蓄積した有害物質を台車1002から除去するために、台車1002の進行路の一端の近くには、ブラシ1026または他の二次的なクリーニング機器が配置される。ブラシ1026は、クリーニングブロックおよび/または台車の先端面に接触するように配置される。
この特定の実現例においては、ブラシ1026は、台車1002の移動経路の端部に沿って配置される。ブラシ1026に対し台車1002が前進しているため、ブラシ1026は歪む。これにより、ブラシ1026は、ブロックの作用領域および/または台車1002を横断してワイプする。ある実現例においては、電極のクリーニング動作中またはコンディショニング動作中に、クリーニング機器表面または台車表面に蓄積する有害物質を除去するために他のメカニズムが用いられ得る。ブラシ1026は、気流の経路の外側に配置され得る。
ブラシ1026によって除去された有害物質は、貯蔵領域1028の中に蓄積され得る。貯蔵領域は、クリーニングサイクル間に台車が収容される場所に隣接して配置され得る。たとえば輸送中にシステムを傾けることによってシステムから除去された有害物質を取除くことが可能なように、貯蔵領域1028内の経路(図示せず)を設けることができる。ある場合には、貯蔵領域1028は取外し可能なゴミ箱を含み得る。またある実現例にでは、下面において、電極ワイヤの下に経路が設けられる。これにより、排出口を通る微細な粉末のように、除去された有害物質が電気機器の外に容易に落ちる。
図11は、クリーニングメカニズムが動作し得る環境のある実現例を示す概略ブロック図である。たとえばコンピュータのような電気機器1100は、EFAまたはEHD空冷システム1120を含む。電気機器1100は、実質的に直方体であるハウジング1116またはケースを備える。ハウジング1116は、表示機器1112を含むカバー1110を有する。ハウジング1116の前面1121の一部は、内部1122を見せるために切取られている。電気機器1100のハウジング1116は、上面(図示せず)もまた備え得る。上面は、たとえばキーボード、タッチパッド、およびトラッキングデバイスなどを含み得る1以上の入力機器を支持する。電気機器1100は、動作中に発熱する電気回路1160をさらに備える。熱管理ソルーションは、電気回路1160からヒートシンク機器1142へ熱を引出すヒートパイプ1144を備える。
機器1120は高圧電源1130によって電力を供給され、ヒートシンク1142に近接して配置される。電気機器1100はその用途に応じて、その他多くの回路をさらに備えてもよい。この第2の実現例の説明を容易にするために、ハウジング1120の内部領域1122を占領し得る他の構成要素は図11から省略されている。
引続き図11を参照して、動作中には、機器1120内に配置されたエミッタ電極およびコレクタ電極の間の電位差を生じさせるために、高圧電源1130が動作する。この電位差が、コレクタ電極に向かって周囲の空気を移動させるイオンの流れまたはストリームを生成する。空気は矢印1102の方向に移動し、ヒートシンク1142の突起部を通り、さらにハウジング1116の背面1118の排気グリルまたは開口(図示せず)を通って、デバイス1100から排出される。これにより、ヒートシンク1142の上部および周囲の空気に蓄積された熱が放散される。図示された構成要素の位置、たとえば機器1120および電気回路1160に対しての電源1130の位置は、図11に示された位置から変更し得ることに留意すべきである。
制御部1132は機器1120に接続され、空冷システムの状態を決定するために、たとえば電極のクリーニングの必要性を決定するために、センサ入力を用いてもよい。あるいは、クリーニングは、指定時刻もしくはスケジュールベース、システム効率測定ベース、または電極のクリーニング時期を決定する他の適切な方法によって、制御部1132により開始され得る。たとえば、電極のアーク放電の検出または他の電極の性能特性が、電極のコンディショニングのためのクリーニングメカニズムの運動を開始するために用いられ得る。
ある実現例においては、クリーニングまたは他のコンディショニングは、電極の不使用時に実施される。あるいは、クリーニング動作は時間間隔毎に実施してもよい。ある場合には、設定された電圧レベル、測定された電気的ポテンシャル、光学的手法による汚染物質のレベルの存在の決定、イベントまたは性能パラメータの検出、および電極の機械的クリーニングによる利益をもたらす他の方法のうちの1以上に基づいて、制御部1132によってコンディショニングまたはクリーニングが開始される。
このため、クリーニングまたはコンディショニングが実施される電極(複数の電極)は、電気機器内の放熱機器に熱的に結合された熱管理アセンブリの少なくとも一部を構成することができる。電極およびクリーニング機器のうちの少なくとも一方は、電気機器の熱デューティーサイクルの低下、電源オンサイクル、および電源オフサイクルのうちの1つの検出に応答して移動可能である。たとえば、CPUの利用率が低いサイクルは、クリーニング/コンディショニングのために電極へのエネルギを遮断する適切な時機であり得る。
ここに説明される熱管理システムのいくつかの実現例においては、EFAまたはEHD機器を用いる。これら機器は、コロナ放電の結果として生成されるイオンの加速に基づいて、流体、典型的には空気の流れを生じさせるために用いられる。他の実現例においては、他のイオン発生技術が用いられる。ただしこのことは、ここに与えられる説明の内容から当然であろう。熱伝導表面はモノリシックであってもなくてもよく、コレクタ電極と統合されていてもいなくてもよい。熱伝導表面を用いることによって、電気機器(たとえばマイクロプロセッサ、グラフィックユニットなど)および/または他の構成要素から発せられた熱が流体の流れに移動して排出され得る。典型的には、熱管理システムが動作環境内に統合された場合、熱伝導パス(しばしばヒートパイプまたは他の技術を用いて実現される)が設けられる。このため熱は放散(または生成)された場所から筺体内の場所(または複数の場所)に伝導される。筺体内ではEFAあるいはEHD機器(または複数の機器)によって生じた気流が熱伝導表面の上を流れる。
ある実現例においては、EFAもしくはEHD空冷システム、または電極クリーニングシステムを採用してイオンの動きもしくは流れを生成する他の機器は、ノート型コンピュータ、セットトップコンソール、デスクトップ型コンピュータ、投影機、映像表示機器などの動作システム内に統合され得る。他の実現例は、サブアセンブリの形態を取り得る。EFAおよびEHD機器を含む、イオンの動きまたは流れを生成する異なる機器において、さまざまな特徴が用いられ得る。上記機器とは、たとえばエアムーバー、フィルムセパレータ、フィルム処理機器(film treatment device)、空気微粒子清浄機、複写機、および、コンピュータと、ノート型コンピュータと、携帯機器のような電気機器とのための空冷システムである。
以上、さまざまな実現例の説明または本発明の実現例を表わす一方で、当然ながら、添付の特許請求の範囲が本発明の特徴を記載する。具体的に上述されていなくとも他の実現例も本発明の範囲に含まれる。
Kenneth A. Honer
Guilian Gao
Nels Jewell-Larsen
背景
技術分野
この応用は一般に、たとえば電気流体力学的加速機器(Electrohydrodynamic fluid accelerator(EFA))および静電集塵器のような、電気流体力学的機器または静電機器内の電極のin situコンディショニングに関する。
多くの電気機器および機械的に動作する機器では、ある動作中のシステムの対流による冷却を促進するためには気流を要する。冷却は、機器のオーバーヒートの防止および長期信頼性の改善に役立つ。冷却気流の供給には、ファンまたは他の類似の機械的に可動な機器の使用が知られている。しかしながら、上記機器では一般に動作寿命が限られており、ノイズもしくは振動を発生し、消費電力が大きく、またはその他の設計上の問題に悩まされる。
電気流体力学的(electrohydrodynamic(EHD)またはelectro-fluid dynamic(EFD))機器のような、イオンの流れを生じさせるエアムーバー機器(air mover device)の使用は、冷却効率の改善、振動の低減、消費電力の低減、電気機器の温度の低減、およびノイズ発生の低減をもたらし得る。これは機器全体の寿命コスト、機器のサイズまたは体積を低減し、電気機器の性能またはユーザ体験を改善し得る。
エミッタ電極またはコレクタ電極を用いる、EFAおよびEHD機器ならびに他の機器の多くでは、シリカデンドライトのような有害物質、表面汚染物質、微粒子または他のデブリが、電極表面に蓄積または形成され得る。これにより上記機器の性能、効率、および寿命が減少し得る。具体的には、シロキサン蒸気がプラズマまたはコロナ環境内で分解されて、たとえばエミッタまたはコレクタ電極のような電極上にシリカの固体堆積物を形成する。上記シリカ汚染物質の集積体は、電力効率の低下、放電の発生、またはスパークオーバー電圧の低下を生じさせて、機器不良の一因となり得る。
したがって、電極表面のクリーニングおよびコンディショニングにおける改善が求められる。
概要
流体のイオン移動の原理を用いて構成される機器は、イオン送風装置(ion wind machine)、電気送風装置(electric wind machine)、放電送風ポンプ(corona wind pump)、電気流体力学的(EFD)機器、電気流体力学的(EHD)スラスタ、およびEHDガスポンプなど文献中でさまざまに呼ばれる。この技術は、静電空気清浄機または静電集塵器と呼ばれる機器の分野においても利用されている。
本応用において、ここに図示および説明される機器の実現例は、電気流体力学的流体加速機器と呼ばれる。これら機器は特に、電気回路によって生じた熱を放散するための熱管理ソルーション内の構成物品としての使用に適する。実現例のいくつかは静電集塵機器との関連で説明される。
堆積または有害物質の集積を抑止するとともに堆積物の除去を容易するために、EFA、EHD、または同様にイオンの動きもしくは流れを生じさせる機器の電極コンディショニングが可能であることが判明した。これは、コンディショニング済みの電極表面への堆積物の付着性が低いことに起因する。デンドライト形成中の炭素の存在は、デンドライトの形成表面への付着性を低下させることがさらに判明した。炭素は、電極へのコンディショニング材の塗布によって、または電極の周囲の環境への炭素の導入によって供給され得る。ある場合には、表面への付着性を低減し、それに続く有害物質の除去を容易にするために、たとえばワイパー、ブラシ、またはスクイージのような炭素を含むクリーニング機器が、電極上に集積した有害物質を除去するとともに、電極上に炭素コーティングまたは他のコンディショニング材をさらに堆積させる役割を果たす。
ある実現例においては、電極の機械的クリーニング中に耐食層が形成され得る。ある実現例においては、グラファイトのような炭素材が、酸化への耐性、およびたとえばプラズマ環境中におけるイオン照射の他の効果への耐性を与える。また炭素材は、表面のメタルコーティングへの損傷を防止するために電極を滑らかにもし得る。犠牲コンディショニングコーティングは、イオン照射またはプラズマ浸食から下層のメタルを保護することができる。炭素コーティングもまた、堆積物の付着への抵抗性のために付着性が低い表面コーティングを与える。好ましくはクリーニング機器の硬度は、下層のメタル電極コーティングに損傷を与えずに有害物質を効果的に除去するように選択される。周期的な、または反復したコンディショニングは、有害物質の緩やかな集積または電極の酸化を低減または防止することができる。
ある実現例においては、機器は電極およびクリーニング機器を含む。電極は、イオンを発生させ、または移動させる。これにより、流体の流れを生じさせるために、少なくとも1つの他の電極に対してエネルギを供給可能である。クリーニング機器は、電極表面の少なくとも一部に摩擦により係止されるように配置される。クリーニング機器および電極のうちの一方は、電極から有害物質を除去するために他方に対し移動可能である。一方、電極コンディショニング材は、クリーニング機器および電極のうちの一方の動きによって、電極上にin situで堆積される。
ある場合には、コンディショニング材は、クリーニング機器上の摩耗可能な層、摩耗可能なパッド、および摩耗可能なインサートのうちの1つによって堆積可能である。
ある実現例においては、クリーニング機器は電極に接触して対向する第1および第2のクリーニングブロックを備える。ある場合には、クリーニングブロックは実質的に非直線状の電極ガイドを定義し、これによりクリーニング機器および電極のうちの一方の移動中に電極を弾性的に変形させる。
ある実現例においては、コンディショニング材は、たとえば触媒、活性炭、またはオゾンを分解もしくはオゾンと結合するために選択された他の物質などのオゾン低減剤を含む。ある実現例においては、コンディショニング材は、電極の浸食、腐食、酸化、シリカ付着、デンドライト形成、および他の有害物質の機械的付着のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に軽減するために選択される。ある場合には、コンディショニング材は、銀、パラジウム、白金、マグネシウム、マンガン、ニッケル、ジルコニウム、チタン、タングステン、アルミニウム、これらの酸化物または合金、炭素、およびプラズマ条件下またはイオン照射下において分解される有機金属材料を含む。
ある場合には、クリーニング機器の少なくとも先導部は、電極のクリーニングのために構成される。クリーニング機器の少なくとも後続部は、コンディショニング剤の摩耗可能なバルクを備える。ある場合には、クリーニング機器は、コンディショニング剤を支える1以上の経路を定義する。
ある場合には、電極はコレクタ電極およびエミッタ電極のうちの一方である。ある場合には、電極またはクリーニング機器は、イベントの検出および測定された機器動作パラメータにおける変化のうちの一方に応答して移動可能である。
ある応用においては、本発明は、イオンを発生させ、または移動させ、これにより流体の流れを生じさせるためのエネルギを供給可能な電極のコンディショニングの方法を特徴とする。この方法は、エネルギを供給可能な電極の表面の少なくとも一部に摩擦により係止されるように、クリーニング機器を配置するステップを含む。この方法は、クリーニング機器および電極のうちの少なくとも一方を移動させ、これにより電極から有害物質を除去するステップをさらに含む。またこの方法は、電極上に電極コンディショニング材をin situで堆積させるステップをさらに含む。
ある応用においては、電極コンディショニング材は、たとえば触媒またはオゾンと結合可能な物質などのオゾン低減剤を含む。ある応用においては、堆積したコンディショニング材は、プラズマ環境内もしくはイオン照射による電極の酸化を軽減するために選択された犠牲コーティングを形成する。たとえば、酸化銀は、犠牲コーティングおよびオゾン低減剤の双方としての役割を果たし得る。
ある場合には、コンディショニング材は、クリーニング機器および電極のうちの少なくとも一方の移動によって、クリーニング機器を用いて堆積される。
ある場合には、コンディショニング材は、移動中にクリーニング機器に供給される液体を備える。
ある応用においては、コンディショニング材を堆積するステップは、電極表面上にコンディショニング材を運搬するステップを備える。ある場合には、この方法は、運搬中に電極を加熱するステップを含む。ある場合には、電極を加熱するステップは、堆積したコンディショニング材の組成、相、形態、および表面付着のうちの少なくとも1つを修正するために、電源および制御部を用いて実施される。
ある実現例においては、機器は制御部を含む電気装置に組込まれる。この制御部は、クリーニング機器および電極のうちの一方の移動を開始させるように動作可能であり、これにより電極上にコンディショニング材が堆積する。
ある実現例においては、コンディショニング材は、汚染物質の集積を抑止するため、または有害物質の除去を容易にするように低付着特性を与えるために、選択された炭素コーティングを形成する。炭素または炭素を含有する物質のコーティングの電極表面上への使用は、電極への有害物質の付着を低減し得る。また、電極からの有害物質の除去の改善がもたらされ得る。
ある実現例においては、炭素を含む機械的クリーニング機器が電極のクリーニングのために用いられる。ある場合には、クリーニング機器はブラシを含む。ある場合には、クリーニング機器はスクイージまたはワイパーを含む。ある場合には、クリーニング機器は、電極上の有害物質の集積体を機械的に除去するために、電極に係止されるように構成され配置される。炭素を含むブラシングまたはスクイージは、クリーニング中に電極上に炭素の一部を堆積するためにさらに構成され配置される。
ある場合には、電極への炭素の堆積は、電極上の炭素コーティングを更新する。炭素コーティングは、電極へのデンドライトまたは他の有害物質の付着を低減するとともに、それに続く上記有害物質の集積体の除去を容易にする。
たとえばグラファイトまたは他の硬度が低い炭素材のような堆積した炭素もまた、後続の機械的クリーニングの間に潤滑をもたらし得る。具体的には、この潤滑は、クリーニング中の機械的摩耗から電極の表面メタルコーティングを保護する。このため、炭素コーティングおよび表面メタルコーティングは、プラズマ環境内およびクリーニング動作中において、下層のメタルを保護する。
ある実現例においては、機械的クリーニング機器は、電極上の共役層の所定の厚みを維持するために構成される。たとえば、機械的クリーニング機器は、目標の共役層の厚みを得るために、共役層を除去または塗布するように構成され得る。共役層は、堆積物の付着を抑止する嫌シリコン表面を提供する。共役層は、下層のメタルコーティングの浸食を軽減することもできる。
ある実現例においては、機械的クリーニング機器は、電極と摩擦により係止される2個の相補的なクリーニングブロックを含む。ある場合には、これらブロックには、これらブロックを電極と接触した状態に保つための締付けまたは力が加えられる。特定の実現例においては、締付け力は、クリーニングブロックの周りに巻かれたばねによって生じる。ある場合には、クリーニングブロックは開環を形成し、締付け力は環の周りに巻かれたコイルばねによって与えられる。
ある場合には、クリーニング機器は相補的なクリーニングブロックを含む。これらクリーニングブロックは、たとえば固定された先端プロファイルなどの第1のクリーニング表面と、クリーニングブロックの中央部または後続部に沿ったコンディショニング表面とを有する。ある場合には、クリーニングおよびコンディショニングは、同一のクリーニング機器の表面によって実施される。
ある実現例において、クリーニング機器は、少なくとも第1の移動方向に有害物質を除去するとともに、少なくとも第2の移動方向に共役層によって電極をコンディショニングするように構成される。たとえば、クリーニングブロックは、第1の移動方向への第1の力を受けて、電極と第1のクリーニング接触表面において接触し得る。またクリーニングブロックは、第2の移動方向への第2の力を受けて、電極と第2の摩耗可能なコンディショニング材表面で接触し得る。このため、ある場合には、クリーニングおよびコンディショニング動作は、電極に沿ったクリーニング機器の移動方向に依存する。
特定の実現例においては、クリーニングブロックの接触の程度または圧力は、方向的に可変であり得る。可変とは、たとえば、第1の方向に移動して高耐性プロファイルを保持するため、および第2の方向に移動して間隔を離すためである。このため、ある場合には、クリーニングブロックの一方または双方は、相補的クリーニングブロック表面の第1の組を有する電極と第1の移動方向に摩擦により係止されるとともに、相補的クリーニングブロック表面の第2の組を有する電極と第2の移動方向に摩擦により係止されることを要求され、またはそのように保持される。特定の場合には、クリーニングブロックおよび電極間の方向性摩擦抵抗は、クリーニングブロックがクリーニング位置およびコンディショニング位置の間で動くようにする。
電極上の如何なるゴミ、デンドライト成長、またはその他の有害物質は、電極に沿って移動するブラシ、ワイパー、またはビーズを用いて除去され得る。ある場合には、ブラシ、ワイパー、またはビーズは、電極の摩耗を防止するためにたとえばポリマーのような硬度が低い材料を用いて作成され得る。
ある実現例においては、第1の電極および他の電極は、電気機器内の放熱器に熱的に結合された熱管理アセンブリの少なくとも一部を構成する。ある場合には、第1の電極およびクリーニング機器のうちの少なくとも一方は、電気機器の熱デューティーサイクルの低下、電源オンサイクル、および電源オフサイクルのうちの1つの検出に応答して移動可能である。
ある実現例においては、電極およびクリーニング機器は、計算機、複写機、印刷機、および空気清浄機のうちの1つに組込まれる。
詳細な説明は添付図面を参照する。添付図面は、開示される教示が実施され得る特定の局面および実現例を図示によって示す。ここで開示される実現例の範囲から逸脱しない範囲において、他の変形例および実現例もまた利用され得るとともに、構造的、論理的、および電気的な変更が行なわれ得る。さまざまな実現例は必ずしも相互排他的である必要はない。実現例のいくつかは、新たな実現例を形成するために1以上の他の実現例と組合されてもよい。
スライド式クリーニング機器を有する電極の側面図を、さまざまな実現例に従って例示する図である。 クリーニング機器のある実現例を示す、請求項1の機器の断面図の一端を、さまざまな実現例に従って例示する図である。 電極上のコンディショニング材コーティングの断面図を、さまざまな実現例に従って例示する図である。 クリーニング機器を有する平面電極を、さまざまな実現例に従って例示する。 電極のコンディショニングのためのクリーニングブロックを、さまざまな実現例に従って例示する図である。 図5のクリーニングブロックの断面図である図である。 電極のコンディショニングのためのクリーニングブロックを、さまざまな実現例に従って例示する図である。 電極のコンディショニングのための、コンディショニング材インサートを含むクリーニングブロックを、さまざまな実現例に従って例示する図である。 電極コンディショニングのためのコンディショニング材インサートを含むクリーニングブロックを、さまざまな実現例に従って例示する図である。 電極に沿ってクリーニングブロックを運搬するための台車を、さまざまな実現例に従って例示する図である。 ここで説明されるように、さまざまな実現例を用いる電子システムである。
詳細な説明
EFAもしくはEHD空冷システムまたは類似の機器の使用は、たとえばファンのような機械的な空冷システムの使用と比べて、振動の低減、電気機器の温度の低減、およびノイズ発生の低減をもたらし得る。ある場合には、機器効率は、シリカデンドライト、表面汚染物質、微粒子、または他のデブリのような有害物質によって影響を受け得る。これら有害物質は、電圧変化、アーク放電、および気流効率における電力損失を生じ得る。電極コンディショニングには、これら問題の軽減、寿命動作コストの改善、効率改善の可能性がある。
ある実現例において、たとえばワイパーのようなクリーニング機器は、電極の摩耗または損傷を与えずに有害物質を機械的に除去するために、電極に対して圧力をかけた状態で保持および/または移動される。ある場合には、電極はワイパーを越えて移動する。ワイパーは、選択された圧力下において有害物質を除去するために十分な硬さとなり、かつ、電極に損傷を与えないように十分な軟らかさとなるように選択された構成を有し得る。ワイパーまたは個別のコンディショニング機器は、電極上にコンディショニング材を堆積させる。たとえば、ワイパーは、コンディショニングプロセス中に電極表面上に低付着性または非接着性層を残すために、コンディショニング材の摩耗可能なバルクを含み得る。ある場合には、コンディショニング材の組成は、電極上に部分的に導電層を形成するために選択され得る。ある場合には、コンディショニング材は、浸食、腐食、デンドライト形成、酸化、およびオゾンを少なくとも部分的に低減するように選択され得る。
塗布されたコンディショニング材の層は、電極表面に共役であり得、または表面を部分的にコートして表面を滑らかにすることがあり得る。この層は電極の浸食を抑制し、有害物質およびデンドライト形成速度を低減し、電極のアーク放電を生じ得るシャープポイントを低減する可能性がある。この層は炭素を含有する化合物によって形成され得る。この化合物は、炭素表面の低付着性に通常起因して、汚染物質の集積を抑制するとともに、汚染物質の集積体の除去を容易にする。
さまざまな実現例においては、クリーニングおよび/またはコンディショニングは、ブラシ、回転ブラシ、柔軟層または共役層表面、スクイージもしくはワイパーブレードのようなエッジ、または電極表面を摩耗したり擦ったり損傷を与えたりしないように十分な軟らかさを有する材料によって行なわれる。
ある実現例においては、炭素コーティングは、摩耗可能な炭素ワイヤブレードを用いるクリーニング中に塗布され得る。このため、コンディショニングコーティングの形成または更新と同時に有害物質が除去される。硬度が低い炭素材(たとえばグラファイト)の潤滑効果もまた、ワイプ中の、およびたとえばコロナ機器におけるプラズマ環境内でのイオン照射下での動作中の電極への損傷をさらに低減し得る。
クリーニング機器あるいはワイパーは、電極表面の少なくとも一部に接触して設けられる2以上のクリーニングブロックによって形成され得る。たとえば、ある場合には、電極はワイヤであって、クリーニングブロックはクリーニングブロック上にグラファイトインサートまたはグラファイト層を含み得る。クリーニングブロックはワイヤの反対側から互いに向かって押付けられ得る。そしてブロックに対するワイヤ電極の動きは、ワイヤの一部の上に炭素の部分的な層を形成するためにグラファイトを摩耗し得る。
特定の場合には、グラファイトのコンディショニング材を含むブロックをワイヤの全長に沿って移動させる間に、ワイヤの周囲の周りに回転あるいは螺旋運動させることによって、ワイヤの十分なワイプおよびコンディショニングが可能になる。ワイプ動作が選択された間隔で生じるにつれて、ブロック上の摩耗可能なコンディショニング材の中に溝が擦られる可能性があり、最終的にはブロックがワイヤの周りで互いに接触するようになり得る。摩耗可能なコンディショニング部分またはクリーニングブロック全体は、必要に応じて交換され得る。あるいは、ある実現例においては、クリーニングブロックは柔軟であってもよく、ブロックに加えられた圧力がワイヤの周りにブロックを変形させてもよい。
図1を参照して、クリーニングシステム100のある実現例は、電極102と、機械的クリーニング機器または「ワイパー」を含む。ワイパーは、電極102の反対側に対向する2個のクリーニングブロック104,106を含む。図面に示されるような2個の部分からなるクリーニング機器にこの発明は限定されない。この発明は、たとえばシャトル、ビーズ、ブラシ、または複数のクリーニングヘッドおよび表面のような単一部品のスライド式クリーニング機器を含み得る。電極はワイヤ電極に限定されない。電極には、平面電極、伸長電極、およびその他の形状の電極が含まれ得る。
クリーニング機器の構成部104,106は、電極102と接触して、直線運動108、回転運動110、またはこれら運動の組合せを同時または順番に行なうことにより移動し得る。たとえば、クリーニングブロック104,106は平行移動が可能である。それ以外にもクリーニングブロック104,106は、以下で図10を参照しながら説明するように、電極102の長さ方向に沿って移動可能な台車に載って移動し得る。
あるいは、電極102はクリーニングブロック104,106を越えて移動し得る。このため、有害物質の除去および/または電極コンディショニング(「クリーニング」と総称)は、電極102および/またはクリーニングブロック104,106の移動によっても達成し得る。たとえば、電極102は、駆動滑車の周りに接続された永久ループであってもよい。あるいは、ある場合には、摩耗済みまたは汚染済みの電極は、供給用スプールから引出された新たなワイヤ長によって周期的に更新されるとともに、使用済みのワイヤ長は巻取りスプールに集められてもよい。ある場合には、新たな電極長は、他の送込みメカニズムによって供給されてもよく、または単に手動で交換されてもよい。新たな電極は、固定回数のクリーニングサイクル後、所定の使用期間後、または性能低下の検出時に供給されてもよい。このため、電極およびクリーニングブロックのうちの少なくとも一方を移動させるためにアクチュエータが使用され得る。
ある実現例においては、クリーニング/コンディショニングは電極の不使用時に実施される。あるいは、クリーニング動作は連続的または時間間隔毎に実施されてもよい。ある場合には、課せられた電圧レベル、測定された電気的ポテンシャル、光学的手法による汚染レベルの存在の決定、イベントまたは性能パラメータの検出、および電極102の機械的クリーニングによる利益をもたらす他の方法のうちの1以上に基づいて、コンディショニングまたはクリーニングは制御部が開始してもよい。
図2は、電極202を有するクリーニングシステム200の断面図の一端を示す。クリーニングブロックもしくはクリーニング機器の部分204,206の一方または双方は、印加された力Fによって電極202に押付けられる。ばね、圧縮性発泡体、磁気的反発力、漏れ磁場、ソレノイド、電気的反発力、またはクリーニングブロック204,206および電極202の間に選択的な接触力を与える他の方法によって、印加された力Fは供給され得る。力Fは、選択された時刻に選択された圧力によって印加され得る。たとえば、特定の場合には、クリーニングブロック204,206の一方を台車または他の支持機構に接続する発泡体の受け板は、電極204または対向するブロックに対し、対応するブロックを押当てることができる。
図から、ブロック204がブロック206に接触する必要がないことが理解できる。ブロック204,206がグラファイトのような摩耗可能または相対的に硬度が低い材質によって形成される場合、印加された力Fがもたらす圧力下にあるクリーニング機器200の動作は、電極202に隣接する領域内のいくつかのブロック材を除去する。これにより、図のように2個のブロックに溝が形成される、または溝が深くなる。たとえば、クリーニングブロック204,206は、時間の経過とともに減少する間隔212によって隔てられ得る。これらブロックは最終的には互いに接触する。
このため、電極202の表面からの有害物質の除去、または電極202の表面へのコンディショニング材の堆積の有効性は、時間とともに減少し得る。この時点においては、ユーザは、ブロック204,206の一方もしくは双方、またはそれらの如何なる部分を交換することができる。上記部分とは、たとえば摩耗可能なコンディショニング材のインサートもしくはパッドである。あるいは、ある場合には、柔軟性を有するブロック材を用いることによりブロックの寿命を延ばすことができる。ブロックに印加された圧力は、電極の周りにブロックを変形させる。
ブロック204,206は、図1の参照符号108で示されるように、電極202の長さ方向に沿って(すなわち図2の紙面に出入りするように)直線方向に移動するということに気付くことができる。この移動では、2個のブロック間の間隔のために、有害物質、デブリ、汚染物質、または表面上のデンドライトのすべてを完全に除去することはできない。ある場合には、電極のより広範囲をカバーするために、直線運動108と併用して、図1のように回転運動110を用いることが望ましい。
図3は、炭素コンディショニング材コーティング304を有する電極の断面図を示す。このコーティングは、たとえば、図1の直線方向108または電極302周りの図1の回転方向110のいずれかに、硬度が低い炭素ブロックがスライドすることによって形成される。この実現例においては、クリーニングブロック(図示せず)は、電極302上にコンディショニング材コーティング304が形成された状態にするコンディショニング表面としての機能をさらに果たす。コーティング304は単一層として示されているが、本発明はこれに限定されない。コーティング304は、各々が上述の順次クリーニング動作中に形成される複数の層であってもよい。
コーティング304は、複数のワイパーブレード、クリーニングブロック、および/または複数のコンディショニング材表面の使用によって、複数のコンディショニング材または複数のコンディショニング材の層から形成されてもよい。特定の場合には、クリーニングブロックに設けられた複数の空洞または経路が、電極上への堆積のためのコンディショニング材を保持する。コーティングの材質は、均一な材質であってもよく、異なる材質の複数の層であってもよく、電極302上にこすり付けられた2つの異なる材質の組合せにより形成された材質であってもよく、または化学反応もしくはプラズマ反応によって形成された材質であってもよい。
ある場合には、コンディショニング材は、コンディショニング材の加熱を受けて固相から気相へと昇華する。
ある実現例においては、コンディショニング材は、たとえば、クリーニングブロック内に形成された極小経路を用いることによって電極上に運搬されて塗布される。あるいは、容器または電極の一部に沿った他の供給源から電極自身がコンディショニング材を運搬してもよい。クリーニングブロックは、電極に沿ってコンディショニング材をさらに拡散し得る。上記運搬および拡散は電極の加熱によって促進され得る。
コンディショニング材層304は、犠牲層または保護コーティングを与える。コーティングは、電極302の動作表面の全体にわたって連続的である必要はない。ある場合には、コーティングは、低付着性または「非接着性」の表面を与え得る。あるいはコーティングは、デンドライト形成における一般的な材質であるシリカを寄せ付けない表面特性を有し得る。一例として、コンディショニング材層304は、グラファイトのような炭素を含んでもよく、デンドライトおよび他の有害物質の付着を低減し得る。また、コンディショニング材層304は、あらゆる汚染物質の機械的除去を容易にするとともに、有害物質の形成速度を低減することができる。コンディショニング材層304は、プラズマ環境によって酸化または腐食された犠牲層としての役割を果たし得る。この犠牲層の補充は、たとえばタングステンのような下層の電極金属またはその他の電極保護コーティングのための腐食保護を与える。犠牲層がなければ、電極金属またはコーティングは腐食されるか、あるいは薄くなり得る
ある実現例においては、層304の材質は、たとえば機器によって生成されるオゾンを低減するために、オゾン削減機能を有するように選択され得る。一例として、気流中のオゾンを低減するために銀(Ag)を含む材質が用いられ得る。銀はシリカ成長を防ぐためにも用いられ得る。
ワイプ動作中の層304の再利用は、圧力および、腐食厚とほぼ等しい厚さを有するコーティングを形成するためのワイプ表面の構成によって制御され得る。このため、コンディショニング材層304は繰返し腐食され再形成され得る。
図4は、スライド式クリーニング機器404を有する平面電極402を示す。スライド式クリーニング機器404は、たとえばグラファイトのような硬度が低い材質を含有するコンディショニング材を備え得る。グラファイトは、電極402表面の一部の上に層406(理解し易さのために個別には示さない)を堆積し得る。コンディショニング材は、たとえばグラファイトのパッド、インサート、または層のような摩耗可能な層であってもよい。あるいは、クリーニング機器402は上述のように、たとえば固体の摩耗可能なグラファイトのクリーニングブロックのように、主にコンディショニングバルク材によって形成された主要部を備えてもよい。
クリーニング機器404は如何なる形状を有してもよく、図示するような円柱形状に限定されない。クリーニング機器404は表面から取り外され、電極402の表面に設置されて、圧力機器408によって電極表面に対して押付けられる。クリーニング機器404は、電極402のあらゆる選択部分をカバーするために、運動412,414の組合せの如何なる方向にも移動可能であり得る。運動412,414のさまざまな組合せは、直線運動、往復運動、円運動、または楕円運動であってもよい。電極402の形状は平面形状として図示される。しかし本発明はこれに限定されず、如何なる電極形状にも適用可能である。
図5〜図9を参照して、クリーニングブロックは、クリーニング中に電極を弾性的に変形あるいは歪ませるように構成または配置される。これはたとえば、クリーニング/コンディショニングブロックもしくは電極ガイドの非直線状の外形、または他の適切な電極コンタクトの特徴によって実現される。ある実現例においては、電極は2個のコンディショニングパッドまたはクリーニングブロックの間に固定される。これらの各々は、電極が制御曲げ(controlled bend)となるように変形するための相補的表面を定義する。曲げ半径は電極が塑性的に変形しないように選択される。たとえば、電極の直径および曲げ半径は、曲げ半径に対する電極の半径の比が電極材料の降伏歪みを超えないように選択される。相補的表面は、電極上の脆弱なシリカ堆積物を破壊するために、電極に制御曲げ応力を引起す複数の起伏を含み得る。電極の撓みもまた、コンディショニングパッド/クリーニングブロックが摩耗するにつれて、電極とコンディショニングパッド/クリーニングブロックとの間の接触の保持を助ける。
図5、および図6の断面図を参照して、機械的クリーニング機器または「ワイパー」500は、電極と接触するための、第1のクリーニングブロック504とそれと対向する第2のクリーニングブロック506とを含む。ブロック504,506は組合わされて、非直線状の電極ガイド508または進路を定義する。電極ガイド508または進路は、電極の弾性的変形、および対応する電極表面上への摩擦によるクリーニングコンタクトを与える。クリーニングおよびコンディショニング中に、電極またはクリーニングブロックのいずれか一方が他方を越えて通過するにつれて、電極は電極ガイド508を通過する。電極ガイド508は断面図が図示され、電極を受けるようにサイズが調整された経路を定義する。
ある例においては、電極の弾性的変形はクリーニングまたはコンディショニングの有効性または制御を向上させることができる。たとえば、電極の変形の程度、または接触のある特定の点における摩擦の程度は、クリーニングおよびコンディショニングパラメータを変化させるように制御され得る。電極における張力もしくは圧力またはクリーニングブロック504,506の間の間隔は、ある場合には可変であり得る。たとえば、クリーニングブロック504,506は最初は距離を離して配置され、その後次第に互いに近付き、クリーニングおよびコンディショニングサイクルが延長されブロックが摩耗するにつれて互いに接触してもよい。
クリーニングブロック504,506は、コンディショニング材を含む摩耗可能な材料から形成され得る。コンディショニング材は、付着性の低減、オゾンの低減、酸化の軽減、またはそれ以外のイオン照射もしくはプラズマ環境の不都合な効果の軽減のために構成される。特定の実現例においては、ブロック504,506は、大量に販売されている摩耗可能なグラファイトのコンディショニング材によって形成される。ある実現例においては、摩耗可能なコンディショニング材は、クリーニング/コンディショニング中の被覆への損傷を避けるために、電極の被覆よりも大幅に硬度が低い。ある場合には、コンディショニング材の組成は、銀、白金、マグネシウム、マンガン、パラジウム、ニッケル、またはこれらの酸化物もしくは合金を含んでもよい。ある場合には、コンディショニング材の組成は、炭素、プラズマ条件下で分解する有機金属材料、およびこれらの組合せを含む。
ある実現例においては、ブロック504,506は異なる材料から形成される、あるいはブロック504,506は異なるコンディショニング材を含む。たとえば、一方のブロックはフェルトのクリーニング材を有し、他方のブロックは摩耗可能なグラファイトのコンディショニング材を含む。ある実現例においては、クリーニングブロック504,506の双方が、より硬度が高い炭素のワイプ材およびコンディショニング材を含む。ある実現例においては、クリーニングブロック504,506のうちの少なくとも一方は、たとえばフェルトパッドまたはモヘアのような、より軟らかいワイプ材を含む。
クリーニングブロック504,506は、ブロック504,506を差込むために留め具を受けるための開口510を定義するように図示される。ブロック504,506の位置は機器内に固定されてもよい。また、電極は、駆動滑車の周りに電極の永久ループとして接続されたブロック間を通過してもよい。あるいは、ブロック504,506はたとえば固定部として、クリーニングブロック504,506を電極に対し通過させるための可動台車(図10参照)に取付けられてもよい。
図6を参照して、クリーニングブロック504,506は、その縁に沿って接触するように示される。ある実現例においては、クリーニングブロック504,506は、クリーニング/コンディショニング動作中に電極の一方または双方の側面が接触し得る。あるいは、ある実現例においては、クリーニングブロック間の接触は、摩耗したクリーニングブロックの寿命の満了を示すために用いられ得る。
図6を参照して、一方または双方のクリーニングブロックは、留め具の経路510を通って挿入された連結留め具の周りに部分的に回転することが許され得る。これにより、電極からの摩擦または圧力は、対応するクリーニングブロックにある程度の回転運動を引起し得る。たとえば、第1の移動方向への電極ガイド508の第1のクリーニングプロファイルと、第2の移動方向への電極ガイド508の第2のコンディショニングプロファイルとを作り出すために、回転の中心をクリーニングブロック上に配置することができる。このため、クリーニングブロック504,506は、個別のクリーニングおよびコンディショニング位置の間で移動可能または変形可能であり得る。あるいは、クリーニングブロック504,506は固定されて、1回あるいは複数回通過する間に同時にクリーニング動作およびコンディショニング動作を提供することもできる。
図7を参照して、クリーニングブロック704,706は、相補的な対向表面710,712を定義する。表面710,712は、電極708の長さ方向(つまり紙面に向かう方向)に横断する、隆起および溝、または経路を含むことができる。ある実現例においては、上記経路は、電極708に塗布されるコンディショニング材のための貯蔵部または導管としての機能を果たすことができる。たとえば、実質的に固体である摩耗可能なコンディショニング材は、経路内または表面710,712の一方もしくは双方内に形成された他の陥凹部内に配置され得る。
あるいは、実質的に液体の、または流動性を有するコンディショニング材は、コンディショニング動作中に表面710,712の一方または双方内に形成された経路に供給され得る。ある場合には、コンディショニング材が流動性を有する状態にするため、または電極708への塗布の前後においてコンディショニング材の組成を変化させるために加熱することができる。
ある実現例においては、クリーニングブロックは、電極のコーティングのために異なる材質を含むことができる。ある実現例においては、クリーニングブロックは、電極に塗布される材料を搬送するための複数の経路を定義する。たとえば、第1のクリーニングブロックの経路または領域は結合剤を含むことができ、第2の経路または領域はグラファイトを含むことができる。ある場合には、結合剤および/または炭素を含む液体は、隣接する経路に注入され得る。これにより、クリーニングブロックが電極に沿って移動するにつれて、または電極がクリーニングブロックを越えて通過するにつれて、経路の一部の傍を通過する電極上に順次堆積する。したがって、ある場合には、クリーニングブロック、またはクリーニングブロックのコンディショニング部分を交換する必要なく、コンディショニング材は補充され得る。
ある場合には、結合剤および/またはグラファイトは、クリーニングブロック上に配置されたインサートまたはパッドの形態であり得る。ある場合には、結合剤および/またはグラファイトは、クリーニングブロックの異なる領域に塗布されたコーティングの形態であり得る。特定の場合には、結合剤は酸化されて、残存コンディショニング材を残す。たとえばパラフィン結合剤はグラファイトの残存物質を残す。あるいは溶剤は、銀またはマンガンの残存物質を残して蒸発する。ある場合には、1回または複数回のクリーニングブロックのクリーニング動作中に電極に順番に塗布されるように、異なるコーティング剤がクリーニングブロック上に配置され得る。
ブロック704,706の間には、発泡体のブロック714によって、またはクリーニングブロックのクリーニングブロック704,706のうちの少なくとも一方と、たとえば台車アーム716のような対応する支持構造との間に配置されたばねによって、圧力を供給することができる。クリーニングブロック704,706および発泡体ブロック714は、クリーニングブロック間に摩擦による電極708のクリーニングに十分な圧力を与えるために配置される。電極708もまたクリーニングまたはコンディショニングによって歪み得る。
図8を参照して、クリーニングブロック804,806は、電極808のコンディショニングのためのコンディショニング材インサート810を含む。コンディショニング材インサート810は、クリーニングブロック804,806の中央に配置される。これにより、クリーニングブロック804,806の対応する先端において最初にクリーニングが実施される。また、電極808がコンディショニング材インサート810を通過するにつれて、コンディショニングが実施される。
コンディショニング材インサート810は、必要に応じて取外し可能および交換可能であってもよい。あるいは必要に応じてクリーニングブロック804,806と統合可能および交換可能であってもよい。コンディショニング材インサート810は、類似または異なるコンディショニング材の組成を含むことができる。たとえば、あるコンディショニング材の組成は、酸化から保護するための電極保護組成を与えることができる。また別のコンディショニング材の組成は、オゾン低減剤を含むことができる。ある実現例においては、コンディショニング材の組成は、低付着性または嫌シリコン性の材料を含む。ある実現例においては、コンディショニング材の組成は有機材料を含む。ある場合には、その有機材料は炭素である。ある場合には、コンディショニング材は、デンドライト形成または有害物質の付着を抑止する犠牲層を形成する。
図9を参照して、コンディショニング材インサート910は、電極908のコンディショニングのために、クリーニングブロック904,906の外側への先端および後端に配置される。コンディショニング材インサート910のこの配置はたとえば、歪む前のグラファイトのコンディショニング材の円滑化、およびクリーニングブロック904,906の中央部に沿っての電極908の摩擦によるクリーニングにおいて有利である。
ある実現例においては、クリーニングブロックは、複数のクリーニングまたはコンディショニング領域または表面を含み得る。ある場合には、クリーニングブロックの各々は少なくとも、解体または摩擦クリーニングによって電極からデンドライトを除去するための第1の領域と、電極上にコンディショニング材コーティングを堆積するための第2の領域とを含む。ある場合には、クリーニングおよびコンディショニングは、クリーニング機器の移動によって同時に実施される。クリーニングブロックは表面形状の如何なる組合せを含んでもよい。表面形状には、クリーニング中に望ましい程度の摩擦接触および/または電極の歪みを与えるために、平面状、曲面状、溝状、波状などが含まれる。
同様に、電極はブロック状、短冊状、あるいはその他の形状などに形成され得る。またクリーニングブロックは、電極のあらゆる所望の部分に接触するように構成することができる。ある場合には、電極の全部あるいは大部分から有害物質を除去するために、クリーニングブロックは一般に電極に合わせられる。たとえば、クリーニングブロックは、伸長する電極ワイヤを囲込む環あるいは円柱として構成することができる。あるいは、クリーニングブロックは、後続するクリーニングによって電極の隣接領域あるいは重複領域をクリーニングするように配置されてもよい。ある場合には、電極は、クリーニングブロックが1回通過する毎に周期的にクリーニングされる。ある場合には、電極は、所定のコンディショニングサイクル内の往路および復路によって周期的にクリーニングされる。
図10を参照して、EFAまたはEHD機器1000は、電極ワイヤ1008に沿ってクリーニングブロックを運搬するための台車1002を含む。台車1002は、駆動滑車1012および遊び滑車1014の周りに接続された駆動ケーブル1010によって、走行または平行移動され得る。駆動滑車1012は、駆動モータ1016によって回転可能である。台車1002を移動し、これによる電極のクリーニングおよび/またはコンディショニングのために、異なる種類の駆動メカニズムを用いてもよい。台車1002は、単一パスのクリーニング/コンディショニングによって移動可能である。この場合、台車1002は各サイクルにおいて電極ワイヤ1008の両端間を交互に移動する。あるいは、台車1002は、復路に沿った移動を各サイクル内に含む双方向クリーニングを実施する移動も可能である。したがって、電極ワイヤ1008からのデンドライトもしくは他の有害物質の除去、または電極ワイヤ1008のコンディショニングのために、クリーニングブロックの移動を如何なる回数行なってもよい。同様に、電極ワイヤ1008のクリーニングおよびコンディショニングを達成するために、台車1002は所望のスピードで走行され得る。
特定の場合には、電極ワイヤはたとえば20グラムの張力が生じた状態で設置される。電極ワイヤは、(図2で示すような)溝が設けられた炭素のクリーニングブロックを用いてクリーニングされる。クリーニングブロック間には、80グラムの負荷が予め加えられる。クリーニングブロックを運搬する台車は、電極ワイヤに沿って往路および復路の双方において約13mm/sで走行する。さまざまな実現例においては、電極の張力のさまざまな大きさ、およびクリーニングブロックのさまざまな速度が用いられ得る。たとえば、フェルトのような軟らかいワイパー表面を有するクリーニングブロックには、たとえば350グラムといった、より大きなブロック負荷を用いてもよい。30分〜120分などの比較的短い動作期間中に電極ワイヤ上にデンドライトが形成され得る。これは電極の性能を潜在的に作用する。したがって、時間の関数、デンドライト成長の検出、またはたとえば電源サイクルもしくはアーク放電のようなさまざまなイベントに応答して、クリーニングは好適に開始され得る。
台車1002は、複数の電極のクリーニングのために配置された複数のクリーニングブロック対を運搬することができる。機器1000は、接地電極、極性が反対の電極、逆流電極、または他の電極をさらに含むことができる。これらの電極は、たとえばヒートシンクからヒートパイプを経由して送られる熱を排出するために、空気を動かして機器内を通って空気が流れるように配置される。有害物質が蓄積する傾向がある電極、フィルタ、もしくは他のシステムの特徴部の任意の個数を越えて台車1002が運搬されるように、または機械的コンディショニングの必要性に応じて、台車1002を追加的なクリーニングメカニズムに適合してもよい。
引続き図10を参照して、電極1008のクリーニングおよびコンディショニング中に、クリーニングブロック表面上または隣接する台車表面上には、デンドライト物質または他の有害物質が蓄積し得る。蓄積した有害物質を台車1002から除去するために、台車1002の進行路の一端の近くには、ブラシ1026または他の二次的なクリーニング機器が配置される。ブラシ1026は、クリーニングブロックおよび/または台車の先端面に接触するように配置される。
この特定の実現例においては、ブラシ1026は、台車1002の移動経路の端部に沿って配置される。ブラシ1026に対し台車1002が前進しているため、ブラシ1026は歪む。これにより、ブラシ1026は、ブロックの作用領域および/または台車1002を横断してワイプする。ある実現例においては、電極のクリーニング動作中またはコンディショニング動作中に、クリーニング機器表面または台車表面に蓄積する有害物質を除去するために他のメカニズムが用いられ得る。ブラシ1026は、気流の経路の外側に配置され得る。
ブラシ1026によって除去された有害物質は、貯蔵領域1028の中に蓄積され得る。貯蔵領域は、クリーニングサイクル間に台車が収容される場所に隣接して配置され得る。たとえば輸送中にシステムを傾けることによってシステムから除去された有害物質を取除くことが可能なように、貯蔵領域1028内の経路(図示せず)を設けることができる。ある場合には、貯蔵領域1028は取外し可能なゴミ箱を含み得る。またある実現例にでは、下面において、電極ワイヤの下に経路が設けられる。これにより、排出口を通る微細な粉末のように、除去された有害物質が電気機器の外に容易に落ちる。
図11は、クリーニングメカニズムが動作し得る環境のある実現例を示す概略ブロック図である。たとえばコンピュータのような電気機器1100は、EFAまたはEHD空冷システム1120を含む。電気機器1100は、実質的に直方体であるハウジング1116またはケースを備える。ハウジング1116は、表示機器1112を含むカバー1110を有する。ハウジング1116の前面1121の一部は、内部1122を見せるために切取られている。電気機器1100のハウジング1116は、上面(図示せず)もまた備え得る。上面は、たとえばキーボード、タッチパッド、およびトラッキングデバイスなどを含み得る1以上の入力機器を支持する。電気機器1100は、動作中に発熱する電気回路1160をさらに備える。熱管理ソルーションは、電気回路1160からヒートシンク機器1142へ熱を引出すヒートパイプ1144を備える。
空冷システム1120は高圧電源1130によって電力を供給され、ヒートシンク1142に近接して配置される。電気機器1100はその用途に応じて、その他多くの回路をさらに備えてもよい。この第2の実現例の説明を容易にするために、ハウジング1116の内部領域1122を占領し得る他の構成要素は図11から省略されている。
引続き図11を参照して、動作中には、空冷システム1120内に配置されたエミッタ電極およびコレクタ電極の間の電位差を生じさせるために、高圧電源1130が動作する。この電位差が、コレクタ電極に向かって周囲の空気を移動させるイオンの流れまたはストリームを生成する。空気は矢印1102の方向に移動し、ヒートシンク1142の突起部を通り、さらにハウジング1116の背面1118の排気グリルまたは開口(図示せず)を通って、空冷システム1120から排出される。これにより、ヒートシンク1142の上部および周囲の空気に蓄積された熱が放散される。図示された構成要素の位置、たとえば空冷システム1120および電気回路1160に対しての電源1130の位置は、図11に示された位置から変更し得ることに留意すべきである。
制御部1132は空冷システム1120に接続され、空冷システムの状態を決定するために、たとえば電極のクリーニングの必要性を決定するために、センサ入力を用いてもよい。あるいは、クリーニングは、指定時刻もしくはスケジュールベース、システム効率測定ベース、または電極のクリーニング時期を決定する他の適切な方法によって、制御部1132により開始され得る。たとえば、電極のアーク放電の検出または他の電極の性能特性が、電極のコンディショニングのためのクリーニングメカニズムの運動を開始するために用いられ得る。
ある実現例においては、クリーニングまたは他のコンディショニングは、電極の不使用時に実施される。あるいは、クリーニング動作は時間間隔毎に実施してもよい。ある場合には、設定された電圧レベル、測定された電気的ポテンシャル、光学的手法による汚染物質のレベルの存在の決定、イベントまたは性能パラメータの検出、および電極の機械的クリーニングによる利益をもたらす他の方法のうちの1以上に基づいて、制御部1132によってコンディショニングまたはクリーニングが開始される。
このため、クリーニングまたはコンディショニングが実施される電極(複数の電極)は、電気機器内の放熱機器に熱的に結合された熱管理アセンブリの少なくとも一部を構成することができる。電極およびクリーニング機器のうちの少なくとも一方は、電気機器の熱デューティーサイクルの低下、電源オンサイクル、および電源オフサイクルのうちの1つの検出に応答して移動可能である。たとえば、CPUの利用率が低いサイクルは、クリーニング/コンディショニングのために電極へのエネルギを遮断する適切な時機であり得る。
ここに説明される熱管理システムのいくつかの実現例においては、EFAまたはEHD機器を用いる。これら機器は、コロナ放電の結果として生成されるイオンの加速に基づいて、流体、典型的には空気の流れを生じさせるために用いられる。他の実現例においては、他のイオン発生技術が用いられる。ただしこのことは、ここに与えられる説明の内容から当然であろう。熱伝導表面はモノリシックであってもなくてもよく、コレクタ電極と統合されていてもいなくてもよい。熱伝導表面を用いることによって、電気機器(たとえばマイクロプロセッサ、グラフィックユニットなど)および/または他の構成要素から発せられた熱が流体の流れに移動して排出され得る。典型的には、熱管理システムが動作環境内に統合された場合、熱伝導パス(しばしばヒートパイプまたは他の技術を用いて実現される)が設けられる。このため熱は放散(または生成)された場所から筺体内の場所(または複数の場所)に伝導される。筺体内ではEFAあるいはEHD機器(または複数の機器)によって生じた気流が熱伝導表面の上を流れる。
ある実現例においては、EFAもしくはEHD空冷システム、または電極クリーニングシステムを採用してイオンの動きもしくは流れを生成する他の機器は、ノート型コンピュータ、セットトップコンソール、デスクトップ型コンピュータ、投影機、映像表示機器などの動作システム内に統合され得る。他の実現例は、サブアセンブリの形態を取り得る。EFAおよびEHD機器を含む、イオンの動きまたは流れを生成する異なる機器において、さまざまな特徴が用いられ得る。上記機器とは、たとえばエアムーバー、フィルムセパレータ、フィルム処理機器(film treatment device)、空気微粒子清浄機、複写機、および、コンピュータと、ノート型コンピュータと、携帯機器のような電気機器とのための空冷システムである。
以上、さまざまな実現例の説明または本発明の実現例を表わす一方で、当然ながら、添付の特許請求の範囲が本発明の特徴を記載する。具体的に上述されていなくとも他の実現例も本発明の範囲に含まれる。

Claims (27)

  1. 装置であって、
    イオンを発生させて、それにより流体の流れを生じさせるために、少なくとも一つの他の電極に対してエネルギを供給可能である電極(102,202,302,508,708,808,908,1008)と、
    前記電極の表面の少なくとも一部に摩擦により係止されるように配置されたクリーニング機器(104,106,204,206,404,504,506,704,706,804,806,904,906,1002)とを備え、
    前記クリーニング機器および前記電極のうちの一方は、前記クリーニング機器および前記電極のうちの他方に対して移動可能であって、それにより前記電極から有害物質を除去し、
    前記クリーニング機器および前記電極のうちの前記一方の移動によって、前記電極上にin situで堆積可能な電極コンディショニング材(304,810,910)をさらに備える、装置。
  2. 前記電極コンディショニング材は、前記クリーニング機器の摩耗可能層、摩耗可能パッド、および摩耗可能インサートのうちの一つによって堆積可能である、請求項1に記載の装置。
  3. 前記クリーニング機器は、前記電極に接触して対向する第1および第2のクリーニングブロックを備える、請求項1に記載の装置。
  4. 前記第1および第2のクリーニングブロックのうちの少なくとも一方は、実質的に非直線状の電極ガイド(508)を定義し、それにより前記クリーニング機器および前記電極のうちの一方の移動の間に前記電極を弾性的に変形させる、請求項3に記載の装置。
  5. 前記電極は、エミッタ電極およびコレクタ電極のうちの一方であって、
    前記他の電極は、前記エミッタ電極およびコレクタ電極のうちの他方である、請求項1に記載の装置。
  6. 前記電極コンディショニング材は、オゾン低減剤を含む、請求項1に記載の装置。
  7. 前記クリーニング機器の少なくとも先導部は、前記電極のクリーニングのために構成され、
    前記クリーニング機器の少なくとも後続部は、コンディショニング材の摩耗可能バルクを備える、請求項1に記載の装置。
  8. 前記クリーニング機器は、前記電極と接触する前記コンディショニング材を備え、
    前記コンディショニング材は、前記電極の表面に前記コンディショニング材の層を与えるとともに、前記電極を実質的に摩耗せずに前記電極から有害物質を除去するために、前記電極と接触して摩耗可能に選択された硬度を有する、請求項1に記載の装置。
  9. 前記コンディショニング材のロックウェル硬さは、前記電極のロックウェル硬さの約60パーセントよりも小さい、請求項1に記載の装置。
  10. 前記コンディショニング材は、電極浸食、腐食、酸化、シリカ付着、デンドライト形成、およびオゾン生成のうちの少なくとも一つを少なくとも部分的に軽減するように選択される、請求項1に記載の装置。
  11. 前記コンディショニング材は、銀、パラジウム、プラチナ、マンガン、ニッケル、ジルコニウム、チタン、タングステン、アルミニウム、およびこれらの酸化物もしくは合金のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の装置。
  12. 前記電極および前記クリーニング機器のうちの少なくとも一方は、イベントの検出および測定された機器動作パラメータの変化のうちの一方に応答して移動可能である、請求項1に記載の装置。
  13. 前記電極および前記他の電極は、電気機器内の放熱器に熱的に結合された熱管理アセンブリのうちの少なくとも一部を構成する、請求項12に記載の装置。
  14. 前記電極および前記クリーニング機器のうちの少なくとも一方は、前記電気機器の低い熱デューティサイクル、電源オンサイクル、および電源オフサイクルのうちの一つの検出に応答して移動可能である、請求項13に記載の装置。
  15. イオン生成システム(1120)における電極(102,202,302,508,708,808,908,1008)のコンディショニング方法であって、
    前記電極の表面の少なくとも一部分に摩擦により係止されるようにクリーニング機器(104,106,204,206,404,504,506,704,706,804,806,904,906,1002)を配置するステップと、
    前記クリーニング機器および前記電極のうちの少なくとも一方を移動させて、それにより前記電極から有害物質を除去するステップと、
    前記電極(102,202,302,508,708,808,908,1008)上に電極コンディショニング材(304,810,910)をin situで堆積するステップとを備える、方法。
  16. 前記電極コンディショニング材は、オゾン低減剤を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記電極コンディショニング材は、前記クリーニング機器および前記電極のうちの少なくとも一方の移動によって、前記クリーニング機器を用いて堆積される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記電極コンディショニング材は、前記移動するステップの間に前記クリーニング機器に供給される液体を備える、請求項15に記載の方法。
  19. 前記コンディショニング材を堆積するステップは、前記コンディショニング材を前記電極の表面上に運搬するステップを備える、請求項15に記載の方法。
  20. 前記運搬するステップ中に前記電極を加熱するステップをさらに備える、請求項19に記載の方法。
  21. 前記コンディショニング材は、電極表面浸食、腐食、酸化、デンドライト形成、およびオゾン生成のうちの少なくとも一つを軽減するように選択される、請求項15に記載の方法。
  22. 堆積された電極コンディショニング材の組成、相、形態、および表面付着のうちの少なくとも一つを修正するために、電源および制御部を用いて前記電極を加熱するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  23. 前記コンディショニング材は、銀、パラジウム、プラチナ、マンガン、ニッケル、ジルコニウム、チタン、タングステン、アルミニウム、およびこれらの酸化物もしくは合金のうちの少なくとも一つを含む、請求項15に記載の方法。
  24. 装置であって、
    流体動力機器(1120)を備え、
    前記流体動力機器は、
    イオンを発生させて、それにより流体の流れを生じさせるために、少なくとも一つの他の電極に対してエネルギを供給可能である第1の電極(102,202,302,508,708,808,908,1008)と、
    前記第1の電極の表面の少なくとも一部に摩擦により係止されるように配置されたクリーニング機器(104,106,204,206,404,504,506,704,706,804,806,904,906,1002)とを備え、
    前記クリーニング機器および前記第1の電極のうちの一方は、前記クリーニング機器および前記第1の電極のうちの他方に対して移動可能であって、それにより前記第1の電極から有害物質を除去し、
    前記流体動力機器は、前記クリーニング機器および前記第1の電極のうちの前記一方の移動によって、前記第1の電極上にin situで堆積可能な電極コンディショニング材(304,810,910)をさらに備え、
    前記装置は、制御部(1132)をさらに備え、
    前記制御部は、前記クリーニング機器および前記第1の電極のうちの一方の移動を開始するために動作可能であって、当該動作によって前記第1の電極上に前記電極コンディショニング材を堆積させる、装置。
  25. 前記第1の電極および前記他の電極は、電気機器内の放熱器(1142)に熱的に結合した熱管理アセンブリのうちの少なくとも一部を構成する、請求項24に記載の装置。
  26. 前記第1の電極および前記クリーニング機器のうちの少なくとも一方は、前記電気機器の低い熱デューティサイクル、電源オンサイクル、および電源オフサイクルのうちの一つの検出に応答して移動可能である、請求項25に記載の装置。
  27. 計算機、複写機、印刷機、および空気清浄機のうちの一つに組み込まれた、請求項24に記載の装置。
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