JP2013532730A - N−アルキルモルフィナンを調製するためのタンデム法 - Google Patents

N−アルキルモルフィナンを調製するためのタンデム法 Download PDF

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    • C07D489/00Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula:
    • C07D489/02Heterocyclic compounds containing 4aH-8, 9 c- Iminoethano-phenanthro [4, 5-b, c, d] furan ring systems, e.g. derivatives of [4, 5-epoxy]-morphinan of the formula: with oxygen atoms attached in positions 3 and 6, e.g. morphine, morphinone

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Abstract

本発明は、ノルモルフィナン中間体の単離なしでのN−アルキルモルフィナンの調製のための方法を提供する。特に、本発明は、N−アルキルモルフィナンの合成のためのタンデム加水分解/アルキル化反応を提供する。本発明の一態様は、N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンからN−アルキルモルフィナンを調製するための方法を包括する。該方法は、N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを求核試薬と接触させてノルモルフィナンを形成するステップと、次いで、該ノルモルフィナンを二酸化炭素ガス、続いてN−アルキル化剤と接触させてN−アルキルモルフィナンを形成するステップとを含む。

Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、2010年8月4日に出願された米国仮出願第61/370,628号の利益を主張し、上記米国仮出願第61/370,628号は、その全容が本明細書に援用される。
(発明の分野)
本発明は、概して、ノルモルフィナン中間体の単離なしでのN−アルキルモルフィナンの調製に関する。
(発明の背景)
ナルトレキソン、ナルブフィン、ナロキソン、ナルメフェンおよびブプレノルフィン等のN−アルキルモルフィナンは、重要な麻酔薬である。N−アルキルモルフィナンを調製するための現在の方法は、いくつかの分離ステップを含み、該ステップにおいて、ノルモルフィナン中間体は常に単離され、次いでN−アルキル化試薬と反応してN−アルキルモルフィナンを形成する。ノルモルフィナンは非常に水溶性が高いため、ノルモルフィナン中間体の損失を最小化するために、典型的には多回抽出が必要とされる。結果として、これらの単離方法は、有機相と水相とを分離するために、多くの場合、長い時間、時として数日間をも要する。したがって、必要なのは、N−アルキルモルフィナンを、短時間で、労力をかけずに、かつ高収率で調製することができる、合理化された対費用効果の高い方法である。
(発明の概要)
本発明は、タンデム加水分解/アルキル化反応を経由してN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンからN−アルキルモルフィナンを調製するための方法を提供する。
したがって、手短に述べると、本発明の一態様は、N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンからN−アルキルモルフィナンを調製するための方法を包括する。該方法は、N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを求核試薬と接触させてノルモルフィナンを形成するステップと、次いで、該ノルモルフィナンを二酸化炭素ガス、続いてN−アルキル化剤と接触させてN−アルキルモルフィナンを形成するステップとを含む。
本発明の別の態様は、式(II)を含む化合物から式(IV)を含む化合物を調製するための方法を提供する。該方法は、下記の反応スキーム:
Figure 2013532730
[式中、
およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
、R17およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
Xは脱離基であり、かつ
Yは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシおよびアセタールから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す]
に従って、(a)式(II)を含む化合物を求核試薬と接触させて、式(III)を含む化合物を形成するステップと、(b)式(III)を含む化合物を、二酸化炭素ガス、続いてR17Xを含むN−アルキル化剤と接触させて、式(IV)を含む化合物を形成するステップとを含む。
本発明のさらなる態様は、式(I)を含む化合物から式(IV)を含む化合物を調製するための方法を包括する。該方法は、下記の反応スキーム:
Figure 2013532730
[式中、
およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
、R17およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
Lはハロゲンであり、
Xは脱離基であり、かつ
Yは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシおよびアセタールから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す]
に従って、(a)式(I)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と接触させて、式(II)を含む化合物を形成するステップと;(b)式(II)を含む化合物を求核試薬と接触させて、式(III)を含む化合物を形成するステップと;(c)式(III)を含む化合物を、二酸化炭素ガス、続いてR17Xを含むN−アルキル化剤と接触させて、式(IV)を含む化合物を形成するステップとを含む。
本発明の他の特色および反復を、以下でさらに詳細に記述する。
(発明の詳細な説明)
本明細書において開示されるのは、N−メチルモルフィナンからN−アルキルモルフィナンを調製するための効率的な合成法である。特に、N−メチルモルフィナンを脱メチル化してN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンとし、次いでこれを加水分解してノルモルフィナンとする。重要なことには、ノルモルフィナン中間体は単離されず、N−アルキル化剤とインシチュで直接反応して、N−アルキルモルフィナンを形成する。したがって、N−アルキルモルフィナンは、タンデム加水分解/アルキル化反応を使用して、N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンから調製される。この新たなタンデム法はワンポットで行われるため、プロセス時間および労力の有意な減少がある。
(I)N−アルキルモルフィナンの調製のための方法
本発明の一態様は、N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンからのN−アルキルモルフィナンの合成のための方法を包括する。該方法は、N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを求核試薬と接触させて、ノルモルフィナンを形成するステップと、該ノルモルフィナンを、二酸化炭素ガス、続いてN−アルキル化剤と接触させて、N−アルキルモルフィナンを形成するステップとを含む。有利なことに、該方法の2つのステップは、ノルモルフィナン中間体を単離することなく、シングルポットでタンデムに行うことができる。
概して、本明細書において詳述するモルフィナンは、以下で図示する通りのモルフィナン構造を含む任意の化合物を包含する。例示の目的で、コアモルフィナン構造の環原子に以下で図示する通り番号付けし、式中、Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである:
Figure 2013532730
モルフィナン化合物は不斉中心を有する。特に、コアモルフィナン化合物は、少なくとも4つのキラル炭素(アスタリスクによって指定されている);すなわち、C−5、C−13、C−14およびC−9を有し得る。
(II)式(I)を含む化合物からの、式(IV)を含む化合物の調製のための方法
本発明の別の実施形態において、式(IV)を含むN−アルキルモルフィナンは、式(I)を含むN−メチルモルフィナンから調製される。該方法は、式(I)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と接触させて、式(II)を含むN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを形成するステップを含む。式(II)を含む化合物を、求核試薬との接触によって加水分解して、式(III)を含むノルモルフィナンを形成する。該方法は、式(III)を含む化合物を、二酸化炭素ガス、続いてR17Xを含むN−アルキル化剤と接触させて、式(IV)を含む化合物を形成するステップをさらに含む。該方法の利点は、式(III)を含む中間化合物を単離することなく、アルキル化ステップを加水分解ステップの直後に行ってよいことである。例示の目的で、反応スキーム1は、本発明のこの態様に従う、式(IV)を含む化合物の合成を描写するものである:
Figure 2013532730
[式中、
およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
、R17およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
Lはハロゲンであり、
Xは脱離基であり、かつ
Yは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシおよびアセタールから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す]。
一実施形態において、R、RおよびR14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニルおよびアロキシカルボニルから独立に選択される。好ましい実施形態において、RおよびRは水素であり、かつR14は、水素、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルである。別の実施形態において、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アシル、アルコキシカルボニル、アロキシカルボニル、アセタール、エーテル、シリルエーテルおよびアルキルスルホニルから選択される。好ましくは、Rは、水素、メチルまたは酸素保護基である。さらに別の実施形態において、R17は、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アラルキル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキルアリール、置換アラルキルおよび置換アリールから選択される。好ましいR17基は、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ベンジルおよびアリルを包含する。さらなる実施形態において、XはハロゲンまたはSOOR[ここで、Rは、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールである]である。また別の実施形態において、Yは、メトキシ、エトキシまたはエチレンアセタールである。代替的な実施形態において、Zは、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アラルキル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキルアリール、置換アラルキルおよび置換アリールから選択される。好ましいZ基は、アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニルおよび2−クロロエチルを包含する。さらに一層好ましいZ基は、アルキルおよびフェニルである。
好ましい実施形態において、RおよびRは水素であり;Rは、水素、メチルまたは酸素保護基であり;R14は、水素、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシであり;R17は、エチル、アリル、ベンジル、シクロプロピルメチルまたはシクロブチルメチルであり;Xはハロゲンであり;Yは、メトキシ、エトキシまたはエチレンアセタールであり;かつ、Zはアルキルまたはフェニルである。
(a)方法のステップA
方法は、式(I)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と組み合わせることによる、反応混合物の形成から開始する。反応混合物の成分および方法のこのステップの反応条件について以下で記述する。
(i)LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤
様々なN−脱メチル化剤が、本発明の方法において使用するのに適している。概して、N−脱メチル化剤は、式LC(O)OZ[式中、LおよびZは、上記で定義された通りである]を有するハロギ酸ヒドロカルビルとなる。好ましい実施形態において、Lは、クロロまたはブロモであってよく、Zは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニルまたは2−クロロエチルであってよい。好ましい実施形態において、N−脱メチル化剤は、ハロギ酸アルキル(例えば、クロロギ酸メチル、ブロモギ酸メチル、クロロギ酸エチル、ブロモギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、ブロモギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、ブロモギ酸イソプロピル、クロロギ酸ブチル、ブロモギ酸ブチル、クロロギ酸イソブチル、ブロモギ酸イソブチル等)、ハロギ酸アルコキシアルキル(例えば、クロロギ酸メトキシメチル、ブロモギ酸メトキシメチル、クロロギ酸エトキシメチル、ブロモギ酸エトキシメチル等)、ハロギ酸ベンジル、ハロギ酸フェニル、ハロギ酸ビニルまたはハロギ酸2−クロロアルキルであってよい。概して、アルキルは、1から8個までの炭素原子を含む。例示的な実施形態において、N−脱メチル化剤は、クロロギ酸アルキル、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸ビニルまたはクロロギ酸2−クロロアルキルであってよい。
式(I)を含む化合物対N−脱メチル化剤のモル比は、状況に応じて変動してよく、そうなるであろう。概して、式(I)を含む化合物対N−脱メチル化剤のモル比は、約1:1から約1:3までの範囲であってよい。種々の実施形態において、式(I)を含む化合物対N−脱メチル化剤のモル比は、約1:1.0、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2.0、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9または1:3.0であってよい。例示的な実施形態において、式(I)を含む化合物対N−脱メチル化剤のモル比は、約1:1.2であってよい。
(ii)プロトン受容体
式(I)を含む化合物のN−脱メチル化を容易にするために、反応は、典型的にはプロトン受容体の存在下で実行される。概して、プロトン受容体は、約7から約13、好ましくは約8から約10のpKaを有する。用いられ得る代表的なプロトン受容体は、ホウ酸塩(例えば、NaBO等)、第二および第三リン酸塩(例えば、NaHPOおよびNaPO等)、重炭酸塩(例えば、NaHCO、KHCO、それらの混合物等)、水酸化物塩(例えば、NaOH、KOH、それらの混合物等)、炭酸塩(例えば、NaCO、KCO、それらの混合物等)、有機塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、およびそれらの混合物等)、有機緩衝剤(例えば、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、3(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、2(4モルホリニル)エタンスルホン酸(MES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、それらの塩および/または混合物等)、ならびにそれらの組合せを包含するがこれらに限定されない。プロトン受容体が有機緩衝剤である場合、該有機緩衝剤は好ましくはヒドロキシ置換窒素原子を欠いており、それは、この置換基が反応物のハロギ酸ヒドロカルビルとの反応と競合し得るためである。一実施形態において、プロトン受容体は、NaHCO、KHCO、KCO、NaOH、KOHおよびそれらの混合物から選択される。好ましい実施形態において、プロトン受容体は、NaHCO、KHCOまたはそれらの組合せである。
式(I)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:1から約1:6までの範囲であってよい。いくつかの実施形態において、式(I)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5または1:6であってよい。好ましい実施形態において、式(I)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:1.5から約1:3までの範囲であってよい。
(iii)溶媒−ステップA
反応は概して溶媒の存在下で行われる。溶媒は、非極性有機溶媒であっても極性非プロトン性溶媒であってもよい。代表的な非極性溶媒は、アルカンおよび置換アルカン溶媒(シクロアルカンを包含する)、芳香族炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、ならびにそれらの組合せを包含するがこれらに限定されない。用いられ得る具体的な非極性溶媒は、例えば、ベンゼン、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルケトン、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、イソブチルメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ペンチル、酢酸プロピル、トルエン、およびそれらの組合せを包含する。適切な非プロトン性溶媒の非限定的例は、アセトン、アセトニトリル、ジエトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,4−ジオキサン、ギ酸エチル、ホルムアミド、ヘキサクロロアセトン、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、メトキシエタン、モルホリン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トリクロロメタン、およびそれらの組合せを包含する。例示的な実施形態において、溶媒は、クロロホルム、酢酸エチルまたはアセトニトリルであってよい。
概して、溶媒対式(I)を含む化合物のモル比は、約0.5:1から約100:1までの範囲となる。種々の実施形態において、溶媒対式(I)を含む化合物のモル比は、0.5:1から約5:1まで、約5:1から約25:1まで、または約25:1から約100:1までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、溶媒対式(I)を含む化合物のモル比は、約0.5:1から約20:1までの範囲であってよい。例示的な実施形態において、溶媒対式(I)を含む化合物のモル比は、約2:1から約10:1までの範囲であってよい。
(iv)反応条件−ステップA
概して、反応は、約0℃から約100℃まで、より好ましくは約20℃から約60℃までの範囲である温度で行われることになる。種々の実施形態において、脱メチル化反応は、約30℃、約40℃、約50℃、約55℃または約60℃で行われ得る。反応は、典型的には、周囲圧力下、好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)中で実施される。
典型的には、反応は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって決定した際に、反応が完了するまで十分な期間にわたって継続することが可能である。この文脈において、「完全な反応」は概して、反応混合物が、反応開始時に存在するそれぞれの量と比較して、有意に減少した量の式(I)を含む化合物、および有意に増加した量の式(II)を含む化合物を含有することを意味する。典型的には、反応が完了した後に反応混合物中に残っている式(I)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは約1%未満となり得る。概して、反応は、約1時間から約24時間、より典型的には約2時間から約8時間継続し得る。
式(II)を含む化合物は、当業者に公知の技術を使用して、反応混合物から単離され得る。適切な技術の非限定的例は、沈殿、抽出、蒸発、蒸留、クロマトグラフィーおよび結晶化を包含する。
式(II)を含む化合物の収率は、変動してよく、そうなるであろう。典型的には、式(II)を含む化合物の収率は、少なくとも約65%であってよい。一実施形態において、式(II)を含む化合物の収率は、約65%から約75%までの範囲であってよい。別の実施形態において、式(II)を含む化合物の収率は、約75%から約85%までの範囲であってよい。さらなる実施形態において、式(II)を含む化合物の収率は、約85%から約95%までの範囲であってよい。さらに別の実施形態において、式(II)を含む化合物の収率は、約95%より大きくてよい。
(b)方法のステップB
方法は、式(II)を含む化合物を、式(II)を含む化合物が開裂されるような求核試薬と接触させて、式(III)を含む化合物を形成するステップをさらに含む。反応物および方法のこのステップの反応条件について以下で詳述する。
(i)求核試薬
様々な求核試薬が、方法のこのステップにおいて使用するのに適している。概して、求核試薬は、約13より大きいpKaを有し得る。この特徴を有する求核試薬は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、NaOHおよびCa(OH)等);アルコキシド(例えば、メトキシド、エトキシド等);カルバニオンの第1族の塩(例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム等);アミド(例えば、ナトリウムアミド、リチウムメチルアミド、リチウムイソプロピルアミド等);ならびに水素化物(例えば、水素化ナトリウム、NaBH等)を包含する。好ましい実施形態において、求核試薬は、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムであってよい。
反応混合物に添加される求核試薬の量は、変動してよく、そうなるであろう。概して、式(II)を含む化合物対求核試薬のモル比は、約1:1から約1:8までの範囲であってよい。種々の実施形態において、式(II)を含む化合物対求核試薬のモル比は、約1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6、1:6.5、1:7、1:7.5または1:8であってよい。
(ii)溶媒−ステップBおよびC
反応混合物は溶媒系も含む。溶媒系は、好ましくは非極性溶媒を包含する。代表的な非極性溶媒については節(II)(a)(iii)において上記で詳述されている。好ましい実施形態において、非極性溶媒は、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ヘプタン、ヘキサン、酢酸n−プロピル、トルエン、またはそれらの組合せであってよい。例示的な実施形態において、非極性溶媒はトルエンであってよい。反応混合物に添加される非極性溶媒の量は、変動してよく、そうなるであろう。概して、非極性溶媒対式(II)を含む化合物のモル比は、約0.5:1から約100:1までの範囲であってよい。一実施形態において、非極性溶媒対式(II)を含む化合物のモル比は、約1:1から約20:1までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、非極性溶媒対式(II)を含む化合物のモル比は、約2:1から約10:1までの範囲であってよい。例示的な実施形態において、非極性溶媒対式(II)を含む化合物のモル比は、約4:1であってよい。
いくつかの実施形態において、溶媒系は、プロトン性溶媒をさらに含み得る。適切なプロトン性溶媒の非限定的例は、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコールおよびそれらの組合せを包含する。プロトン性溶媒対非極性溶媒の容積比は、約1:1から約1:200まで、またはより好ましくは約1:10から約1:100までの範囲であってよい。
さらに別の実施形態において、溶媒系は、非プロトン性溶媒をさらに含み得る。適切な非プロトン性溶媒は、節(II)(a)(iii)において上記で提示されている。好ましい非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ホルムアミド、アセトン、テトラヒドロフランおよびそれらの組合せを包含する。例示的な実施形態において、非プロトン性溶媒はジメチルスルホキシドであってよい。非プロトン性溶媒対非極性溶媒の容積比は、約1:1から約1:10までの範囲内、より好ましくは約1:5であってよい。例示的な実施形態において、溶媒系は、トルエンおよびジメチルスルホキシドを含む。
(iii)反応条件−ステップB
反応は、約0℃から約100℃まで、またはより好ましくは約50℃から約90℃までの範囲である温度で行われ得る。種々の実施形態において、反応温度は、約50〜70℃、約70〜80℃、約80〜85℃、または約80〜90℃の範囲であってよい。反応は、典型的には、周囲圧力下、好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)中で実施される。
典型的には、反応は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって決定した際に、反応が完了するまで十分な期間にわたって継続することが可能である。完全な反応において、反応混合物中に残っている式(II)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは約1%未満となり得る。概して、反応は、約1時間から約12時間、より典型的には約2時間から約4時間継続し得る。
上記で述べた通り、方法の利点は、式(III)を含む化合物を反応混合物から単離する必要がなく、式(III)を含む化合物を方法のステップCにおいて直接使用できることである。
(c)方法のステップC
方法は、式(III)を有する化合物を含む反応混合物を、二酸化炭素ガスと接触させて過剰な求核試薬を中和し、続いてN−アルキル化剤と接触させて、式(IV)を含む化合物を形成するステップをさらに含む。より具体的には、二酸化炭素ガスをステップBからの反応混合物に吹き込んで発泡させ、ここで二酸化炭素ガスは求核試薬と反応して、炭酸塩化合物を形成する。結果として、反応混合物のpHが調整される。したがって、求核試薬がKOHまたはNaOHである実施形態において、二酸化炭素ガスとの接触がKOHまたはNaOHをそれぞれKHCOまたはNaHCOに変換する。反応混合物に添加される二酸化炭素の量および接触持続時間は、変動してよく、そうなるであろう。いくつかの実施形態において、結果として生じる炭酸塩化合物の形成を、視覚的にモニターすることができる(すなわち、該化合物は反応混合物から沈殿する)。反応温度は、約0℃から約100℃までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、二酸化炭素ガスとの接触は、室温で行われ得る。
方法のステップCは、式(III)を有する化合物を、R17X[ここで、R17およびXは上記で定義された通りである]を含むN−アルキル化剤と接触させるステップをさらに含む。一実施形態において、N−アルキル化剤は、1から10個までの炭素原子を有するハロゲン化アルキル、または1から10個までの炭素原子を有する置換ハロゲン化アルキルであってよい。別の実施形態において、N−アルキル化剤は、1から10個までの炭素原子を有するハロゲン化アルケニル、または1から10個までの炭素原子を有する置換ハロゲン化アルケニルであってよい。さらに別の実施形態において、N−アルキル化剤は、ハロゲン化アリールまたは置換ハロゲン化アリールであってよい。代替的な実施形態において、N−アルキル化剤は、ハロゲン化複素環または置換ハロゲン化複素環であってよい。また別の実施形態において、N−アルキル化剤は、メタンスルホン酸アルキルまたはp−トルエンスルホン酸アルキルであってよい。好ましい実施形態において、N−アルキル化剤は、ハロゲン化シクロプロピルメチル、ハロゲン化シクロブチルメチル、ハロゲン化アリルまたはハロゲン化ベンジルであってよい。例示的な実施形態において、N−アルキル化剤は、臭化シクロプロピルメチル、臭化シクロブチルメチル、臭化アリルまたは臭化ベンジルであってよい。
反応において使用されるN−アルキル化剤の量は、変動してよく、そうなるであろう。典型的には、式(II)を含む化合物対N−アルキル化剤のモル比は、約1:1から約1:5までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、式(II)を含む化合物対N−アルキル化剤のモル比は、約1:1から約1:2までの範囲であってよい。例示的な実施形態において、式(II)を含む化合物対N−アルキル化剤のモル比は、約1:1.1であってよい。
アルキル化反応の温度は、約0℃から約100℃までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、反応は、約25℃から約90℃までの範囲の温度で行われ得る。例示的な実施形態において、反応は、約50℃から約80℃までの範囲の温度で行われ得る。
反応は、概して、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって決定した際に、反応が完了するまで十分な期間にわたって継続することが可能である。典型的には、反応完了に際し、反応混合物中に残っている式(III)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは約1%未満となり得る。概して、反応は、約1時間から約24時間、より典型的には約2時間から約8時間継続し得る。
式(IV)を含む化合物は、当業者に公知の技術を使用して、反応混合物から単離され得る。適切な技術の非限定的例は、沈殿、抽出、蒸発、蒸留、クロマトグラフィーおよび結晶化を包含する。式(IV)を含む化合物は、そのまま使用してもよく、または当業者によく知られている技術を使用して別の化合物に変換してもよい。
式(IV)を含む化合物の収率は、変動してよく、そうなるであろう。典型的には、式(IV)を含む化合物の収率は、少なくとも約35%であってよい。一実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約35%から約65%までの範囲であってよい。別の実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約65%から約75%までの範囲であってよい。また別の実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約75%から約85%までの範囲であってよい。さらなる実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約85%から約95%までの範囲であってよい。さらに別の実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約95%より大きくてよい。
(d)立体化学
式(I)、(II)、(III)または(IV)のいずれかを含む化合物は、偏光の回転に対して(−)または(+)配向を有し得る。より具体的には、モルフィナンの各キラル中心は、RまたはS配置を有し得る。本明細書において記述されている化合物は、少なくとも4つのキラル中心、すなわち炭素C−5、C−9、C−13およびC−14を有し得る。各キラル中心において、炭素原子の立体化学は、独立に、RまたはSである。C−5、C−9、C−13およびC−14の配置はそれぞれ、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRまたはSSSSであってよく、但し、C−15およびC−16原子の両方が分子のアルファ面上に、または両方が分子のベータ面上にある。
式(I)、(II)、(III)または(IV)のいずれかを含む化合物は、遊離塩基または薬学的に許容される塩であってよい。薬学的に許容される塩は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、グロクロン酸塩、グルタミン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、次亜リン酸塩、イソ酪酸塩、イソクエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メコン酸塩、臭化メチル、メタンスルホン酸塩一水和物、ムチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テレフタル酸塩、吉草酸塩等を包含するがこれらに限定されない。
(III)式(II)を含む化合物からの、式(IV)を含む化合物の調製のための方法
本発明のさらなる態様は、式(IV)を含むN−アルキルモルフィナンが、節(II)(b)および(c)において上記で詳述した通り、式(II)を含むN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンから調製される方法を包括する。手短に述べると、式(II)を含む化合物を求核試薬と接触させて、式(III)を含むノルモルフィナン中間体を形成する。方法は、式(III)を含む化合物を、二酸化炭素ガス、続いてR17Xを含むN−アルキル化剤と接触させて、式(IV)を含む化合物を形成するステップをさらに含む。
定義
本明細書において記述されている化合物は、不斉中心を有する。不斉置換原子を含有する本発明の化合物は、光学活性またはラセミ体で単離され得る。特定の立体化学または異性体が具体的に示されているのでない限り、構造のすべてのキラル、ジアステレオマー、ラセミ体およびすべての幾何異性体が意図されている。
用語「アシル」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、有機カルボン酸の基COOHからのヒドロキシ基の除去によって形成される部分、例えば、RC(O)−[ここで、Rは、R、RO−、RN−またはRS−であり、Rは、ヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり、かつRは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである]を表す。
用語「アシルオキシ」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、酸素連結(O)を介して結合している上述した通りのアシル基、例えばRC(O)O−[ここで、Rは、用語「アシル」に関連して定義されている通りである]を表す。
用語「アルキル」は、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖中に1から8個までの炭素原子、および最大20個の炭素原子を含有する低級アルキルである基を記述するものである。これらは、直鎖もしくは分枝鎖または環状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル等を包含する。
用語「アルケニル」は、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖中に2から8個までの炭素原子、および最大20個の炭素原子を含有する低級アルケニルである基を記述するものである。これらは、直鎖もしくは分枝鎖または環状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニル等を包含する。
用語「アルキニル」は、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖中に2から8個の炭素原子、および最大20個の炭素原子を含有する低級アルキニルである基を記述するものである。これらは、直鎖または分枝鎖であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニル等を包含する。
用語「芳香族」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、非局在化電子を含む、場合により置換されている単素環または複素環共役平面環または環系を表す。これらの芳香族基は、好ましくは、環部に5から14個までの原子を含有する単環式(例えば、フランまたはベンゼン)、二環式または三環式基である。用語「芳香族」は、以下で定義する「アリール」基を包括する。
用語「アリール」または「Ar」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチル等、環部に6から10個までの炭素を含有する、場合により置換されている単素環芳香族基、好ましくは単環式または二環式基を表す。
用語「カルボシクロ」または「炭素環式」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、環中の原子すべてが炭素である、好ましくは各環中に5または6個の炭素原子がある、場合により置換されている芳香族または非芳香族の単素環式環または環系を表す。例示的な置換基は、下記の基の1つまたは複数を包含する:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロおよびチオ。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を指す。
用語「ヘテロ原子」は、炭素および水素以外の原子を指す。
用語「ヘテロ芳香族」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、少なくとも1つの環中に少なくとも1つのヘテロ原子を、好ましくは各環中に5または6個の原子を有する、場合により置換されている芳香族基を表す。ヘテロ芳香族基は、好ましくは、環中に1もしくは2個の酸素原子および/または1から4個の窒素原子を有し、炭素を介して分子の残りと結合している。例示的な基は、フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾピリジル等を包含する。例示的な置換基は、下記の基の1つまたは複数を包含する:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロおよびチオ。
用語「ヘテロシクロ」または「複素環」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、少なくとも1つの環中に少なくとも1つのヘテロ原子を、好ましくは各環中に5または6個の原子を有する、場合により置換されている完全飽和または不飽和、単環式または二環式の芳香族または非芳香族基を表す。ヘテロシクロ基は、好ましくは、環中に1もしくは2個の酸素原子および/または1から4個の窒素原子を有し、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りと結合している。例示的なヘテロシクロ基は、上述した通りのヘテロ芳香族を包含する。例示的な置換基は、下記の基の1つまたは複数を包含する:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロおよびチオ。
用語「炭化水素」および「ヒドロカルビル」は、本明細書において使用される場合、元素の炭素および水素のみからなる有機化合物またはラジカルを記述するものである。これらの部分は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分を包含する。これらの部分は、アルカリール、アルケナリールおよびアルキナリール等、他の脂肪族または環式炭化水素基で置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分も包含する。別段の指示がない限り、これらの部分は、好ましくは1から20個の炭素原子を含む。
用語「酸素保護基」は、本明細書において使用される場合、酸素原子を保護する(それ故、保護ヒドロキシを形成する)ことができる基を表し、ここで、該保護基は、保護が用いられる反応の後で、分子の残りを妨害することなく除去できる。例示的な保護基は、エーテル(例えば、アリル、トリフェニルメチル(トリチルまたはTr)、p−メトキシベンジル(PMB)、p−メトキシフェニル(PMP))、アセタール(例えば、メトキシメチル(MOM)、β−メトキシエトキシメチル(MEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、エトキシエチル(EE)、メチルチオメチル(MTM)、2−メトキシ−2−プロピル(MOP)、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM))、エステル(例えば、ベンゾエート(Bz)、アリルカーボネート、2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカーボネート)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS))等を包含する。様々な保護基およびその合成は、「Protective Groups in Organic Synthesis」、T.W. GreeneおよびP.G.M. Wuts著、第3版、John Wiley & Sons、1999年において見ることができる。
本明細書において記述されている「置換ヒドロカルビル」部分は、炭素鎖原子が窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素またはハロゲン原子等のヘテロ原子で置換されている部分、および炭素鎖が追加の置換基を含む部分を包含する、炭素以外の少なくとも1つの原子で置換されているヒドロカルビル部分である。これらの置換基は、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロおよびチオを包含する。
本発明またはその好ましい実施形態(複数可)の要素を紹介する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「前記」は、該要素が1つまたは複数あることを意味するように意図されている。用語「を含む」、「を包含する」および「を有する」は、包含的であるように、かつ、記載されている要素以外に追加の要素があり得ることを意味するように意図されている。
本発明について詳細に記述したが、添付の請求項において定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、修正および変形が可能なことが明らかである。
下記の例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために包含されるものである。例において開示されている技術は、本発明の実施において存分に機能するような本発明者らによって発見された技術の代表であることが、当業者には理解されるはずである。しかしながら、当業者は、本開示を踏まえて、開示されている特定の実施形態において多くの変更が為され得、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく類似または同様の結果を依然として取得することができ、したがって、説明されているすべての事柄が、例示として解釈されるべきであり、限定的意義で解釈されるべきではないことを理解するはずである。
(実施例1)
17−フェノキシカルボニル−4,5−エポキシ−3−メトキシ−環状1,2−エタンジイルアセタール−(5α)−モルフィナン−6−オンの合成−試行1
下記の反応スキームは、脱メチル化反応を描写するものである。
Figure 2013532730
17−メチル−4,5−エポキシ−3−メトキシ−環状1,2−エタンジイルアセタール−(5α)−モルフィナン−6−オン1(32.4g)、重炭酸ナトリウム(23.8g)およびクロロホルム(145mL)の混合物を、氷浴中で調製し(10分間冷却し)た。冷却した混合物に、クロロギ酸フェニルを滴下添加した。得られた混合物を、53℃に2時間徐々に加熱した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。混合物を濾過した。固体をCHCl(2×20mL)で洗浄した。溶液を氷冷5%NaCO(145mL)に添加した。有機相を分離し、水相をCHCl(2×60mL)で抽出した。合わせた有機相を水(2×100mL)で洗浄した。有機層をローターベーパー(rotar−vapor)において蒸発させて、泡状固体、44.7gの粗材料を得た。粗生成物の一部(29.7g)をイソプロパノール(297mL)およびヘプタン(130mL)の混合物から再結晶させて、28gの白色固体生成物2(収率=99%;純度=97%)を提供した。MS(ESP):MW+1=450.0。
(実施例2)
17−フェノキシカルボニル−4,5−エポキシ−3−メトキシ−環状1,2−エタンジイルアセタール−(5α)−モルフィナン−6−オンの合成−試行2
17−メチル−4,5−エポキシ−3−メトキシ−環状1,2−エタンジイルアセタール−(5α)−モルフィナン−6−オン1(1.0g)、重炭酸ナトリウム(0.74g)および酢酸エチル(5mL)の混合物を、氷浴中で10分間冷却した。冷却した混合物に、クロロギ酸フェニル(0.44mL)を滴下添加した。得られた混合物を50℃に3時間徐々に加熱した。室温に冷却した後、5mLの水を反応混合物に添加し、相を分離させた。有機相を取り出し、水相を酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相を、1.0N水酸化ナトリウム溶液(2×5m)、2.5%HCl溶液(2×5mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤で濾過した後、濾液を減圧下で蒸発させて、1.3g、純度=82%を得た。
(実施例3)
17−(シクロブチルメチル)−4,5−エポキシ−3−メトキシ−環状1,2−エタンジイルアセタール−(5α)−モルフィナン−6−オンの合成
N−アルキル化合物は、下記の反応スキームに従って調製した。
Figure 2013532730
17−フェノキシカルボニル−4,5−エポキシ−3−メトキシ−環状1,2−エタンジイルアセタール−(5α)−モルフィナン−6−オン2(1g)、トルエン(4mL)、DMSO(1mL)および粉末KOH(0.5g)の混合物を窒素下で調製し、86℃に(油浴中で)2時間加熱した。反応のHPLCモニタリングは、反応が完了したことを示した。反応混合物を室温に冷却した。二酸化炭素を反応混合物に10分間吹き込んで発泡させると、多量の白色沈殿物が形成された。反応混合物に2mLの乾燥DMFを添加し、続いてブロモメチルシクロブタン(0.27mL)を添加した。得られた混合物を75℃で終夜加熱した。反応が終わったことをHPLCモニタリングが示した後、混合物を室温に冷却した。反応混合物に80mLの酢酸エチルを添加し、得られた有機相を分離し、フェノールが完全に除去されるまで3.0N水酸化ナトリウム水性溶液で洗浄した。次いで、有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機揮発物を除去した後、0.75gの生成物4が白色固体(収率=86%)として取得された。
(実施例4)
17−(シクロプロピルメチル)−4,5−エポキシ−3−メトキシ−環状1,2−エタンジイルアセタール−(5α)−モルフィナン−6−オンの合成
シクロプロピルメチル誘導体は、下記の反応スキームに従って調製した。
Figure 2013532730
17−フェノキシカルボニル−4,5−エポキシ−3−メトキシ−環状1,2−エタンジイルアセタール−(5α)−モルフィナン−6−オン2(10g)、トルエン(43mL)、DMSO(11mL)および粉末KOH(5g)の混合物を窒素下で調製し、86℃に(油浴中で)2時間加熱した。HPLCモニタリングは、反応が終わったことを示した。反応混合物を室温に冷却した。二酸化炭素を反応混合物に10分間吹き込んで発泡させると、白色沈殿物が形成された。反応混合物に、23mLのNMP、次いでブロモメチルシクロブタン(2.37mL)を添加した。得られた混合物を60℃で3時間加熱した。反応が終わったことをHPLCモニタリングが示した後、混合物を室温に冷却した。反応混合物に400mLの酢酸エチル/DCM(8:1)を添加し、得られた有機相を分離し、フェノールが完全に除去されるまで1.0N水酸化ナトリウム水性溶液で洗浄した。次いで、有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発物の除去後、8gの淡褐色油が取得された。
(実施例5)
N−フェノキシカルボニルジヒドロテバインの合成
ジヒドロテバインは、下記の反応スキームに従って脱メチル化した。
Figure 2013532730
ジヒドロテバイン6(30g)、重炭酸ナトリウム(24.2g)および216mLのアセトニトリルの混合物を氷浴中で調製し、クロロギ酸フェニル(18mL)を滴下添加した。次いで、反応生成物を50℃に(油浴中で)2時間徐々に加熱した。反応生成物を0℃に氷浴中で10分間冷却し、さらに4.8gの重炭酸ナトリウムを添加し、続いてさらに6mLのクロロギ酸フェニルを添加した。反応生成物を50℃に加熱し、3時間後、HPLCモニタリングは反応が終了したことを示した。反応混合物を室温に冷却し、500mLの酢酸エチルおよび200mLの水を添加した。有機相を分離し、2N水酸化ナトリウム(4×150mL)、水(200mL)、および5%ギ酸溶液(2×60mL)およびブラインで洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物の除去後、生成物フェニルノルジヒドロテバインカルボメート7が、定量的収率および純度=88%の淡紫色固体(42g)として取得された。
(実施例6)
17−(シクロプロパニルメチル)−4,5−エポキシ−3−メトキシ−6−メトキシ−(5α)−モルフィナン−6−エンの合成
下記の反応スキームは、シクロプロピル誘導体の調製を描写するものである。
Figure 2013532730
N−フェノキシカルボニルジヒドロテバイン7(6.7g)、トルエン(29mL)、ジメチルスルホキシド(7.3mL)および粉末水酸化カリウム(3.6g、0.064モル、4当量)の混合物を、86℃に(油浴中で)加熱した。反応をHPLCでモニターした。次いで、2時間後、反応混合物を室温に冷却し、乾燥二酸化炭素を反応混合物に20分間吹き込んで発泡させると、白色沈殿物が形成された。反応混合物に、15mlの乾燥NMP、次いで1.7mLのブロモメチル−シクロプロパンを添加した。得られた混合物を60℃に(油浴中で)3時間加熱し、反応混合物を終夜室温で保持した。反応混合物に、200mLの酢酸エチルおよび100mLの水を添加した。有機相を分離し、2N水酸化ナトリウム(4×50mL)および水(100mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発物の除去後、4.6gの生成物9が粘性光沢材料として取得された。

Claims (15)

  1. N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンからN−アルキルモルフィナンを調製するための方法であって、
    該N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを求核試薬と接触させてノルモルフィナンを形成するステップと、
    該ノルモルフィナンを二酸化炭素ガス、続いてN−アルキル化剤と接触させて該N−アルキルモルフィナンを形成するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記N−アルキルモルフィナンが式(IV)を含む化合物であり、前記N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンが式(II)を含む化合物であり、前記ノルモルフィナンが式(III)を含む化合物であり、かつ前記N−アルキル化剤がR17Xである請求項1に記載の方法であって、
    a)該式(II)を含む化合物を前記求核試薬と接触させて、式(III)を含む化合物を形成するステップと、
    b)該式(III)を含む化合物を二酸化炭素ガス、続いてR17Xと接触させて、該式(IV)を含む化合物を形成するステップと
    を含み;
    Figure 2013532730
    式中、
    およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
    は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
    14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
    、R17およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
    Xは脱離基であり、かつ
    Yは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシおよびアセタールから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す、
    方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記式(III)を含む化合物が単離されず;前記求核試薬が、アミド、アルコキシド、水素化物および水酸化物から選択され;前記式(II)を含む化合物対該求核試薬のモル比が約1:1から約1:8までであり;前記N−アルキル化剤が、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アリール、メタンスルホン酸アルキルおよびp−トルエンスルホン酸アルキルから選択され;該式(II)を含む化合物対該N−アルキル化剤のモル比が約1:1から約1:2までであり;該方法がベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ヘプタン、ヘキサン、酢酸n−プロピル、トルエンおよびそれらの組合せから選択される非極性有機溶媒を含む溶媒系の存在下で行われ;該非極性溶媒対該式(II)を含む化合物のモル比が約0.5:1から約20:1までであり;かつ、該方法が約0℃から約100℃までの温度で行われる、方法。
  4. 請求項2に記載の方法であって、前記求核試薬が水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムであり;前記式(II)を含む化合物対該求核試薬のモル比が約1:4.1であり;前記N−アルキル化剤が、ハロゲン化シクロプロピルメチル、ハロゲン化シクロブチルメチル、ハロゲン化アリルおよびハロゲン化ベンジルから選択され;該式(II)を含む化合物対該N−アルキル化剤のモル比が約1:1.1であり;該方法がトルエンおよびジメチルスルホキシドを含む溶媒系の存在下で行われ;トルエン対該式(II)を含む化合物のモル比が約4:1であり;トルエン対ジメチルスルホキシドの容積比が約5:1であり;該方法が約60℃から約90℃までの温度で行われ;かつ、前記式(IV)を含む化合物が少なくとも約50%の収率を有する、方法。
  5. 前記式(II)、(III)および(IV)を含む化合物の光学活性が、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体およびそれらの組合せから選択され;かつ、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRおよびSSSSからそれぞれ選択され、但し、C−15およびC−16の両方が、分子のアルファ面またはベータ面のいずれかの上にある、請求項2から4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記N−アルキルモルフィナンが式(IV)を含む化合物であり、前記N−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンが式(I)を含む化合物であり、前記ノルモルフィナンが式(III)を含む化合物であり、かつ前記N−アルキル化剤がR17Xである請求項1に記載の方法であって、
    a)該式(I)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と接触させて、式(II)を含む化合物を形成するステップと、
    b)該式(II)を含む化合物を前記求核試薬と接触させて、式(III)を含む化合物を形成するステップと、
    c)該式(III)を含む化合物を二酸化炭素ガス、続いてR17Xと接触させて、該式(IV)を含む化合物を形成するステップと
    を含み;
    Figure 2013532730
    式中、
    およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
    は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
    14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
    、R17およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
    Lはハロゲンであり、
    Xは脱離基であり、かつ
    Yは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシおよびアセタールから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す、
    方法。
  7. 前記N−脱メチル化剤が、ハロギ酸アルキル、ハロギ酸アルコキシアルキル、ハロギ酸ベンジル、ハロギ酸フェニル、ハロギ酸ビニルおよびハロギ酸2−クロロアルキルから選択され;前記プロトン受容体が、約7より大きいpKaを有し、かつNaHCO、KHCO、NaCO、KCO、NaOH、KOHおよびそれらの組合せから選択され;前記式(I)を含む化合物対該N−脱メチル化剤対該プロトン受容体のモル比が約1:1:1から約1:3:6までであり;前記求核試薬が、アミド、アルコキシド、水素化物および水酸化物から選択され;前記式(II)を含む化合物対該求核試薬のモル比が約1:1から約1:8までであり;前記N−アルキル化剤が、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化アリール、メタンスルホン酸アルキルおよびp−トルエンスルホン酸アルキルから選択され;該式(II)を含む化合物対該N−アルキル化剤のモル比が約1:1から約1:2までであり;かつ、前記式(III)を含む化合物が単離されない、請求項6に記載の方法。
  8. ステップ(a)の反応が、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、ヘプタン、ヘキサン、トルエン、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ホルムアミド、アセトン、テトラヒドロフランおよびそれらの組合せから選択される溶媒の存在下で行われ;該溶媒対前記式(I)を含む化合物のモル比が約0.5:1から約20:1までであり;ステップ(a)の反応が、約0℃から約60℃までの温度で行われ;ステップ(b)および(c)の反応が、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ヘプタン、ヘキサン、酢酸n−プロピル、トルエンおよびそれらの組合せから選択される非極性有機溶媒を含む溶媒系の存在下で行われ;該非極性溶媒対前記式(II)を含む化合物のモル比が約0.5:1から約20:1までであり;かつ、ステップ(b)および(c)の反応が、約0℃から約100℃までの温度で行われる、請求項6に記載の方法。
  9. 前記N−脱メチル化剤がクロロギ酸アルキルまたはクロロギ酸フェニルであり;前記プロトン受容体がNaHCOまたはKHCOであり;前記式(I)を含む化合物対該N−脱メチル化剤対該プロトン受容体のモル比が約1:1:1.5から約1:3:3までであり;ステップ(a)の反応が、約0℃から約60℃までの温度で、クロロホルムまたはアセトニトリルから選択される溶媒の存在下で行われ;該溶媒対該式(I)を含む化合物のモル比が約2:1から約10:1までであり;前記求核試薬が水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムであり;前記式(II)を含む化合物対該求核試薬のモル比が約1:4.1であり;前記N−アルキル化剤が、ハロゲン化シクロプロピルメチル、ハロゲン化シクロブチルメチル、ハロゲン化アリルおよびハロゲン化ベンジルから選択され;該式(II)を含む化合物対該N−アルキル化剤のモル比が約1:1.1であり;ステップ(b)および(c)の反応が、約60℃から約90℃までの温度で、トルエンおよびジメチルスルホキシドを含む溶媒系の存在下で行われ;トルエン対該式(II)を含む化合物のモル比が約4:1であり;かつ、トルエン対ジメチルスルホキシドの容積比が約5:1である、請求項6に記載の方法。
  10. 前記式(I)、(II)、(III)および(IV)を含む化合物の光学活性が、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体およびそれらの組合せから選択され;かつ、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRおよびSSSSからそれぞれ選択され、但し、C−15およびC−16の両方が、分子のアルファ面またはベータ面のいずれかの上にある、請求項6から9のいずれかに記載の方法。
  11. 、RおよびR14が、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニルおよびアロキシカルボニルから独立に選択され、
    が、水素、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アシル、アルコキシカルボニル、アロキシカルボニル、アセタール、エーテル、シリルエーテルおよびアルキルスルホニルから選択され、
    17およびZが、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アラルキル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキルアリール、置換アラルキルおよび置換アリールから独立に選択され、
    XがハロゲンまたはSOORであって、ここで、Rは、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールである、SOORであり、かつ
    Yが、メトキシ、エトキシまたはエチレンアセタールである、
    請求項2から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記溶媒系が、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコールおよびそれらの組合せから選択されるプロトン性溶媒をさらに含むか;または、前記溶媒系が、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ホルムアミド、アセトン、テトラヒドロフランおよびそれらの組合せから選択される非プロトン性溶媒をさらに含み;かつ、該非プロトン性溶媒対前記非極性溶媒の容積比が約1:1から約1:10までである、請求項3から5または8から11のいずれかに記載の方法。
  13. ワンポット法である、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記ノルモルフィナンが単離されない、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記モルフィナンの光学活性が、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体およびそれらの組合せから選択される、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
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