JP2013532098A - 投与スケジュールが組み込まれた薬取出し容器 - Google Patents

Abstract

【課題】
投与スケジュールが組み込まれた薬取出し容器を提供する。
【解決手段】
本実施形態では、円筒形の縁部を有する円盤状の気密性を有する蓋を備えた円筒形容器は、内部にスケジュール表示部を有し、蓋縁に設けられた開口部を介して当該スケジュール表示部の１つの日時指示を薬の使用者に表示する。蓋、スケジュール表示部、および円筒形容器に含まれる機構部が協働して、蓋が取り外されて元に戻される際に、表示される日時指示を確実に前進させる。表示される日時指示は、視覚障害をもつユーザに見易いように比較的大きく明瞭であり、予定前進機構はロバストで信頼性が高い。さらに、蓋および組込みスケジュール表示部は、表示された日時指示を最初の日時指示に設定することができる機構部を含む。
【選択図】図２

Description

本出願は、２０１０年５月１８日に出願された米国仮特許出願第６１／３９５，９３９号の利益を主張する。

本発明は、薬瓶を含む薬取出し容器に関し、特に、次の投薬を行うべき時期を示す投与スケジュールが組み込まれた薬取出し容器に関する。

処方された薬の用法・用量を守り損ねることは、危険かつ頻発に起こる問題である。血圧の薬等の特定の薬は、その処方量を投与し損ねると重大な障害を招き、死亡する場合さえもある。処方薬をうっかり過量に投与してしまうと、処方された投与を行わなかった場合よりも危険な弊害を引き起こしやすい。

全米患者情報協議会によれば、処方薬全体の６０％もが正しく服用されていない。内科医自身も、処方薬剤の７５％しか正しく服用していない。米国においては、処方不遵守によるコストは年間１８２０億ドルを超えており、このコストは入院治療全体の２８％を占め、２０万人の死亡原因となっている。

多くの患者にとって、処方薬の用法・用量を守ることについての難しい側面の一つは、薬の服用を忘れないようにすることではなく、むしろある特定の用量を既に服用したのか否かを解明しようとすることである。毎日薬を使用するという反復性のため、前回の服用を行ったか否か、あるいは、予定の服用回数のうちいずれか一回を実際に行ったのか否かについて、薬を自己投与する患者は混乱を引き起こす。

患者による処方薬の自己投与を助けるため、様々な多くの投薬法および取出し容器が提案され、開発されている。しかしながら、現在の統計によれば、投与計画の不遵守は依然として深刻な課題であって、患者および社会に対する大きな経済的負担となっており、この事実は、多くの提案されているあるいは現在利用可能な投薬法および取出し容器が、薬剤使用者が行う薬の自己投与についての課題を効果的には解決できていないことを示している。

本発明の一実施形態は、投与スケジュールが組み込まれた薬取出し容器である。本実施形態では、円筒状の縁部を有する円盤形の密閉蓋を備えた円筒形容器が、その内部にスケジュール表示部を備え、このスケジュール表示部に示された日時指示は、上記蓋の外縁部に設けられた開口部を介して薬の使用者に提示される。上記の蓋、スケジュール表示部、および円筒形容器に内蔵された機構部分は、当該蓋が取り外されて元に戻されたときに協働して、表示された日時指示が確実に進むように作用する。この日時表示は視覚障害を持つユーザに見易いように比較的大きく明確に表示されており、スケジュール前進機構は、ロバストで信頼性が高い。さらに、蓋および組込スケジュール表示部には、表示される日時指示を最初の日時指示に設定するための機構部分を有している。

本発明の一実施形態の斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の、拡大した分解斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の平面図である。 図１に示す本発明の実施形態の、蓋の斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の、スケジュール表示部の斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の、蓋の斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の、一部の断面図である。 図１に示す本発明の実施形態の、蓋側ラチェットホイールおよびスケジュール表示部側ラチェットホイールの一部を引き伸ばして露出させた状態の拡大図である。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 蓋側ラチェットホイールおよびスケジュール表示部側ラチェットホイールの他の実施形態の、引き伸ばして露出させた状態を示す拡大図である。

本発明の実施形態は、ピルボトル（錠剤用薬瓶）等の形態をなす薬取出し容器であって、当該容器は、子供が開けられない安全な薬剤封入を行うことができ、かつ、医療施設内または外来の患者等の、薬使用者への次回の投薬又は次回の自己投薬を行うべき時期を示す日時指示を表示するためのロバストで信頼性のある表示機構を備える、という特徴を有する。現在利用可能な薬取出し容器や投薬法とは異なり、本発明の実施形態は、薬取出し容器から次の一回分の服用量を投薬する日時指示を比較的大きく読みやすいように表示するとともに、組み込まれた投与スケジュール内でこの日時指示を確実に前進させることを特徴とする。また、組込み投与スケジュールは、組込み投与スケジュールに含まれる複数の指示から任意のものを初期設定することができる。

図１は、本発明の一実施形態の斜視図である。図示の実施形態は、標準的なプラスチック製の薬瓶に類似しており、円筒形容器１０２と円盤形の蓋１０４とを有している。蓋１０４の平面は、円筒形容器に取り付けられたときに円筒形容器１０２の長軸に対して直交するようになっている。この蓋は円筒形の縁部１０６を有し、縁部１０６は、内径が円筒形容器１０２の直径よりも大きく、その内部には後述するスケジュール表示部が取り付けられている。１つ分の、指示すなわちスケジュール要素１０８は、円筒形の蓋縁部１０６に設けられた矩形開口部１１０を介して、ユーザに表示される。図１に示す例では、スケジュール要素は、薬剤使用者が次の投薬又は自己投薬を行うべき時刻を示す「ａｍ」と、その曜日を示す「Ｓｕ」とを含んでいる。図１に示す例では、表示された時刻および曜日の指示が薬剤使用者に次の投薬又は自己投薬を行うべき時刻および曜日であることを示す更なる表示として、ラベル「Next due」（「次回予定」）１１２が蓋縁部１０６に刻まれている。

蓋、内部スケジュール表示部、及び容器の内部機構は、協働して、蓋が容器から取り外されて再度取り付けられる際に、スケジュール表示部に表示された指示を確実に１要素分前進させる。表示された指示は、蓋が正しく取り外されて元に戻されない限り、組み込みスケジュールに沿って前進することはない。なお、現在利用可能な多くの装置とは異なり、表示される指示は蓋縁部に、明確かつ読みやすい指示表示となるように十分な領域を確保して表示される。また、投薬または自己投薬をすべき時期の詳細な指示形式は、本発明の実施形態毎に異なるものとすることができる。この指示は、特定の時単位の時刻と曜日とを含むものとすることができる。他の実施形態では、この指示は、曜日のみの表示としてもよい。さらに他の実施形態では、詳細な時刻および／または日付情報を表示するものとしてもよい。組込みスケジュールは、本質的には任意の数の異なる要素、すなわち指示を含むことができる。一例として本出願に記載する実施形態では、組込みスケジュールの表示は、週の７日間のそれぞれについて午前および午後の投薬時刻の指示を含む１４個の要素を含んでいる。

本発明の一実施形態である図１に示す薬剤保管取り出し器は、一般的に用いられるポリマー材料により安価に製造することができる。現在実現可能な精度で製造した場合、例示した実施形態に係る薬取出し容器の、協働する３つの構成要素は、蓋が正しく円筒形容器から取り外されて再び円筒形容器に取り付けられたときにのみ、表示されるスケジュール要素の位置を１つ分だけ確実に前進させる。本発明の実施形態は、素早く、高信頼な、かつ費用効率の高い大量生産を行えるように設計されている。蓋１０４、スケジュール表示部２０２、および円筒形容器１０２の３つの構成要素は、それぞれ、型から素早く取り出せる形状となっている。

図２は、図１に示す本発明の実施形態の、拡大した分解斜視図である。本分解図では、図１に例示した実施形態の薬取出し容器の３つの構成要素と、これら３つの構成要素のうちの２つの更なる機構部分とを、明確に見ることができる。円筒形の組込みスケジュール表示部２０２は、蓋１０４から取り外された状態で蓋１０４の下方に示されている。図２においてさらに明確に分かるように、組込みスケジュール表示部は、スケジュール表示部の円筒形外壁である表示面２０６上に１４個の時刻および曜日の要素または指示を含んでいる。図では、一例としてこれら１４個のスケジュール要素のうちの６個が示されており、その中の「ｐｍ／Ｓａ」が指示２０４として示されている。

また、組込みスケジュール表示部は、スケジュール表示部側ラチェットホイール２０８と、円筒形外壁２０６の軸線に直交する円盤状表面２１０とを有する。円筒形容器１０２の外表面には、ボス機構部２２０を含む７個のボス機構部が、該円筒形容器の外表面から外側に延出している。ボス機構部は、円筒形容器１０２の縁２２２に対し一定の位置にある円筒円周上に等間隔に配置されている。各ボス機構部は、カム表面２２４と、傾斜部２２６と、前縁２２８と、突起用切欠部２３０と、止め部２３２とを有する。２つのボス機構部の間にはそれぞれ、ボス機構部２２０とその前のボス機構部２３６との間の間隔２３４のように、円筒円周に沿って大きな間隔が存在する。

図３は、図１に示す本発明の実施形態の平面図である。図３に示すように、蓋は、円盤形の蓋の平面に直交する方向に投影すると円形である。図３に示す直線３０２は、蓋の円盤状表面に直交する平面と該蓋との交線であり、図７に例示する実施形態の薬取出し容器の断面図はこの交線での断面図である。

図４は、図１に示す本発明の実施形態の、蓋の斜視図である。図４は、蓋を下方から見た図である。図４に示すように、蓋は、符号４０４等のラチェット歯を有する蓋側ラチェットホイール４０２を備え、当該ラチェット歯は、下向きに突出て円盤状の蓋の平面に直交し、円筒形の蓋縁部１０６に対し平行になっている。蓋側ラチェットホイールは、スケジュール表示部側ラチェットホイール（図２における２０８）と相補関係にある。蓋縁部底部には、蓋縁部の下端に沿って等間隔に蓋縁部の内表面から半径方向内側に突出する突起４０６等の７個の突起がある。各突起は、前縁４０８と内側端４１０とを備えるという特徴を有する。

図１〜図４に例示した実施形態では、円筒形容器１０２の７個のボス機構部（図２における２２０および２３６）間の空間を補完するように等間隔に並んだ７個の突起が設けられている。蓋側ラチェットホイール４０２およびスケジュール表示部側ラチェットホイール（図２における２０８）のいずれにも、１４個のラチェット歯がある。これら種々の機構部分が、後述する機構部分と協働して、円筒形容器の蓋を子供が開けられないようにロックするとともに、該蓋を正しく取り外して元に戻す度に、表示されるスケジュール要素を１要素分だけ確実に前進させる。

図５は、図１に示す本発明の実施形態の、スケジュール表示部の斜視図である。図５では、組込みスケジュール表示部２０２が下から見た状態で示されている。組込みスケジュール表示部の表示面２０６上に等間隔で配置されたスケジュール要素２０８等のスケジュール要素に加えて、該組込みスケジュール表示部は、該組込みスケジュール表示部の円筒形外壁の内表面から半径方向内側に延出する、逆止機構部５０２等の１４個の三角形の逆止機構部をさらに有する。各逆止機構部は、下側摺動面５０４と、当接面５０６と、内側面５０８とを有する。後述するように、蓋を円筒形容器から正しく取り外して元に戻したときの、表示されるスケジュール要素の前進を容易にするために、逆止機構部は、円筒形容器１０２の外表面から延出するボス機構部（図２における２２０および２３６）と協働する。

図１〜図５に例示した本発明に係る薬取出し容器の実施形態では、組込みスケジュール表示部の下側端５１０に対し一定の位置にある該組込みスケジュール表示部の内周に沿って、等間隔に配置された１４個の逆止機構部が設けられ、さらに、該組込みスケジュール表示部は、該組込みスケジュール表示部の円盤形の上部（図２における２１０）の内表面から下方に延出する２つの把持部５１２および５１４を有する。これら２つの把持部により、蓋縁部の表示開口部（図１における１１０）の下に特定のスケジュール要素を初期位置として定めて、第１回目の投薬の初期投与時刻の指示を表示することができる。

図６は、図１に示す本発明の実施形態の、蓋の斜視図である。図６には、組込みスケジュール表示部２０２が蓋１０４に挿入され、蓋が該組込みスケジュール表示部と完全に組み合わされている状態が示されている。なお、組込みスケジュール表示部は、突起４０６等の７個の突起を通って蓋に押し込まれ、これらの突起は、該組込み表示部を定位置に嵌め込んで該組込み表示部を蓋の内部で保持する。また、組込みスケジュール表示部は、蓋の内部に回転可能に設けられているが、蓋が容器に取り付けられていないときは蓋側ラチェットホイール（図４における４０２）およびスケジュール表示部側ラチェットホイールが部分的に係号し、この部分的係号によって組込みスケジュール表示部が蓋内部で自在に回転するのを防ぐ。

一方、把持部５１２および５１４に回転力を加えられれば、組込みスケジュール表示部は回転し、蓋開口部（図１における１１０）を介して特定のスケジュール要素が表示される。後述するように、蓋が円筒形容器に取り付けられると、組込みスケジュール表示部の機構部分によりスケジュール表示部側ラチェットホイールに押圧力が加わり、スケジュール表示部側ラチェットホイールと蓋側ラチェットホイールとが完全に噛み合って、スケジュール表示部は蓋に対し回転しなくなる。概要的には、容器の蓋を閉めたか否かにかかわらずスケジュール表示部は蓋に対して一定の位置に留まっており、蓋が容器に取り付けられていないときはスケジュール表示部は比較的緩い状態で現在の位置に保持される。したがって、スケジュール表示部は蓋に対し手動で回転することができるので、把持部５１２および５１４に押圧力を加えることで、特定のスケジュール要素を選択して表示することができる。

図１〜図６に例示した薬取出し容器は、それぞれのラチェットホイールに設けられた１４個のラチェット歯と、７個の突起部と、７個のボス機構部と、１４個の逆止機構部とを有しているが、他の実施形態として、各機構部の数を変更して異なる数のスケジュール要素を提供するものとしてもよい。これらの他の実施形態では、蓋が容器から取り外されて再度取り付けられたときに表示されるスケジュール要素が１要素分容易に前進するように、１つのボス機構部に対して２つの逆止機構部という比率が維持される。ただし、さらに他の実施形態では、この比率も変更することができる。

図７は、図１に示す本発明の実施形態の、一部の断面図である。上述したように、図７は、図１〜図６に示す本発明の薬取出し容器の実施形態の、図３に示す直線３０２に沿って蓋を横切る平面での断面図である。図７は、図１〜図２および図４〜６において用いた参照符号を含む。図７に示す断面図は、蓋が容器にしっかりと取り付けられている状態での、本発明の薬取出し容器の実施形態を示したものである。図７は、組込みスケジュール表示部の更なる機構部分を示す。断面に示すように、組込みスケジュール表示部は、楔面７０４を備えた内側縁７０２を有することを特徴とし、楔面７０４は、蓋が円筒形容器に取り付けられたとき、該円筒形容器の上端すなわち縁（図２における２２２）が押し当てられる。円筒形容器によって内側縁７０２の楔状部分７０４に押圧力が加えられると、スケジュール表示部側ラチェットホイール２０８に上向きの力が加わり、補完関係にある蓋側ラチェットホイール４０２と完全に噛み合う。これにより、組込みスケジュール表示部の位置を蓋に対して固定するとともに、気密のガスケットのような密閉状態を実現して薬を円筒形容器内に気密封入する。蓋が円筒形容器に取り付けられると、各突起（図４における４０６）がボス機構部（図２における２２０および２３６）の突起用切欠部（図２における２３０）内に固定される。この詳細は後述する。

図８は、図１に示す本発明の実施形態の、蓋側ラチェットホイールおよびスケジュール表示部側ラチェットホイールの一部を拡大して露出させた図である。図８は、蓋側ラチェットホイールとスケジュール表示部側ラチェットホイールとの噛み合いの様子を示す。図８に示すように、蓋側ラチェットホイール４０２は、歯８０４等の一連の１４個の歯を有する。これらの歯は、蓋側ラチェットホイール底面８０８から突出している。各歯は、係合面８０５と、先端８０６と、摺動面８０７とを有する。同様に、スケジュール表示部側ラチェットホイール２０８は、歯８１４等の一連の１４個の歯を有し、これらの各歯も、係号面８１５と、先端８１６と、摺動面８１７とを有しており、スケジュール表示部側ラチェットホイールの底面８１８に沿って配置される。

蓋−スケジュール表示部アセンブリの、円筒形容器１０２に対する取り付け／取り外しは、子供に開けられないよう構成された一般に入手可能な薬瓶の蓋の取り付け／取り外しと同様である。すなわち、蓋１０４を円筒形容器１０２に当て、蓋１０４に押圧力を加えて右に回す。突起４０６は、ボス機構部２２０間の間隔２３４に滑り入り、各突起４０６は、ボス機構部２２０のうちの１つのカム表面２２４に当接して、これに沿って摺動する。突起４０６がカム表面２２４に沿って摺動することにより、蓋１０４を円筒形容器１０２に引き付けてスケジュール表示部２０２を押し付ける。スケジュール表示部２０２の内側縁７０２は柔軟性があり、これによりスケジュール表示部を垂直方向に押し付けることができる。蓋１０４が円筒形容器１０２に引き付けられると、内側縁７０２の楔状部分７０４が円筒形容器の縁２２２内に押し付けられ、気密の密封が得られる。突起４０６がボス機構部２２０の止め部２３２に到達すると、蓋１０４はそれ以上回転できなくなる。スケジュール表示部２０２の圧力により、突起４０６は上に引き上げられて突起用切欠部２３０内に入る。これにより、蓋１０４は円筒形容器１０２に取り付けられた状態になる。

図９Ａ〜図９Ｈは、図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、及び瓶の構成要素を露出させた状態で示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられて取り外される際におけるこれらの構成要素の段階的な相互作用を示す。図９Ａ〜図９Ｅは、蓋を円筒形容器に取り付ける過程およびこの過程における各機構部分および各構成要素の相互作用を示している。図９Ａに示すように、蓋を容器に取り付ける前に、蓋側ラチェットホイール４０２およびスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８が少なくとも部分的に噛み合い、蓋に対するスケジュール表示部の位置が固定される。さらに、各突起４０６の前縁４０８と逆止機構部の当接面５０６とが一直線に揃う。このように一直線に揃うのは、蓋側ラチェットホイールがスケジュール表示部側ラチェットホイールと噛み合っており、蓋側ラチェットホイールに対する突起の位置が固定されており、かつ、スケジュール表示部側ラチェットホイールに対する逆止機構部の位置が固定されていることによるものである。

蓋を円筒形容器上に置き、押さえ込みながら回転により調節すると、突起４０６がボス機構部２２０および２３６間の間隔２３４内に滑り入る。なお、この過程において、蓋側ラチェットホイールとスケジュール表示部側ラチェットホイールとが噛み合うことにより、スケジュール表示部は、蓋とともに回転して、蓋に対し決められた位置に維持される。次に、図９Ｃに示すように、蓋が時計回りに回転されると、逆止機構部と突起の、一直線に揃った対を為す当接面５０６と前縁４０８が、ボス機構部２３６の前縁２２８に接する。図９Ｄに示すように、蓋をさらに時計回りに回転させると、逆止機構部５０２はボス機構部の前縁２２８に突き当たって蓋とともに回転するのが妨げられ、一方蓋から延出する突起４０８は、ボス機構部のカム表面２２４に沿って蓋とともに回転を続ける。スケジュール表示部の回転が妨げられる一方で蓋は回転を続けるので、蓋がスケジュール表示部に対して回転するのにしたがって、蓋側ラチェットホイールの歯の摺動辺がスケジュール表示部側ラチェットホイールの歯の摺動辺８１７上を摺動する。

内側縁７０２によりスケジュール表示部２０２は柔軟性を持つため、スケジュール表示部２０２は、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８とが互いに外れる方向へ摺動できる程度の圧縮力を生ずる。蓋１０４がスケジュール表示部２０２の周りを回転するにつれて、開口部１１０は、一のスケジュール要素２０２の位置から次のスケジュール要素の位置へ移動する。例示した実施形態では、前縁２２８は、平らな当接面である。実際には、カム表面２２４を傾斜部２２６の上部まで延在させて、前縁２２８を短い垂直平面あるいは点となるように縮めることができる。最後に、図９Ｅに示すように、蓋側ラチェットホイールの歯が、スケジュール表示部側ラチェットホイールに対して歯１個分だけ時計回りに前進した蓋側ラチェットホイールの歯と再び噛み合うとき、突起４０８は、ボス機構部２２０の突起用切欠部２３０内に滑り入る。したがって、蓋を円筒形容器に取り付けると、表示されるスケジュール要素は、円筒形のスケジュール表示部の縁の円周に沿って配置された一連のスケジュール要素に沿って１要素分前進する。

図９Ｆ〜図９Ｈは、図１〜図９Ｅを用いて説明した本発明の薬取出し容器の実施形態における各構成要素および各機構部を、蓋が容器から取り外される場合について示した図である。図９Ｆに示すように、蓋を取り外すには、ユーザはまず、蓋を押し下げて、突起４０６をボス機構部２２０の突起用切欠部２３０から外す。次に、図９Ｇに示すように、蓋を反時計回りに回転させると、各突起４０６が各ボス機構部２２０のカム表面２２４に沿って移動する一方、各逆止機構部５０２の摺動面５０４がボス機構部の傾斜部２２６に沿って摺動する。逆止機構部５０２が傾斜部２２６上を摺動すると、スケジュール表示部２０２が蓋１０４内に押し上げられる。これにより、突起４０６がボス機構部２２０のカム表面２２４に沿って移動する際の、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８との間の接触および押圧力が保持され、その後、蓋１０４は上方へ向かって円筒形容器１０２から離れる方向に動き始める。

最後に、図９Ｈに示すように、突起４０６は、ボス機構部２２０から完全に外れて連続するボス機構部２２０の間の間隔２３４に入り、これにより蓋を容器から垂直に引き離すことができるようになる。図９Ｆ〜図９Ｈに示す一連の全工程の間、蓋側ラチェットホイールとスケジュール表示部側ラチェットホイールとの相互噛み合いによって、スケジュール表示部は蓋に対し一定の位置に張り付いた状態となる。人が蓋１０４に加えた押圧力により、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８とが共に押し付けられて摩擦力が更に高まるので、これらは互いに摺動せず、位置が一つ分進むことはない。このように、スケジュール表示部２０２は、蓋１０４と共に反時計回りに回転される。

例示した実施形態では、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部ラチェットホイール２０８は、反時計回りの逆止手段を構成している。この機能は、スケジュール表示部の上部と蓋の下部を連結する様々な機構によって提供することができる。このような機構には、一方の構成要素に設けられた尖った突起部（prong）、歯止め用の爪（pawl）、若しくは様々な突起部、切欠部、または溝部、及びこれらと補完関係となるように他方の構成要素に設けられた機構とが含まれる。また、逆止手段は、スケジュール表示部２０２の外側と蓋１０４の内側との間の任意の位置に設けることもできる。例えば、逆止手段は、円筒形の蓋縁部１０６と表示面２０６との間の位置に、上述したいずれかの手段を用いて設けることができる。例示した実施形態では、逆止機構部５０２は、楔形の突起部であるが、一の方向にボス機構部と係号する側面を有し、他の方向に傾斜部２２６上を摺動する側面を有するような、様々な形状とすることができる。

例示した実施形態では、スケジュール表示部２０２を蓋１０４内に取り付ける際に生じたスケジュール表示部２０２内の圧縮力は、蓋１０４が円筒形容器１０２から取り外された後に、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８との間の摩擦力を増加させ、スケジュール表示部２０２が誤って前進してしまうのを防止する。ただし、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８とが一部係号している場合には、圧縮力によって十分な摩擦力を得る必要はない。代替的に、円筒形の蓋縁部１０６の内表面と表示面２０６との間の摩擦力で十分な場合もある。

図１０は、蓋側ラチェットホイールおよびスケジュール表示部側ラチェットホイールの他の実施形態を、拡大して露出させて示した図である。この実施形態では、追加された水平辺１００２により、１つ目の蓋側ラチェットホイールの歯１００６の係合面１００４は、次の蓋側ラチェットホイールの歯１０１０の摺動辺１００８から遠くなり、同様に、短い水平辺１０１２により、各スケジュール表示部側ラチェットホイールの歯１０１６の摺動辺１０１４は、次のスケジュール表示部側ラチェットホイールの歯１０２０の係合面１０１８から遠くなる。

図１０に示す実施形態の目的は、一般的なラチェットホイールの歯を変形する他の方法を提供することであり、この変形は、突起４０６がボス機構部２２０の止め部２３２に到達する前に蓋１０４がスケジュール表示部２０２を介して所定の位置に嵌め込まれるように行われる。この代替の実施形態は、ここに例示された実施形態および任意の変形例におけるラチェットホイール４０２および２０８に置き換えることができる。この代替の実施形態では、ラチェットホイールの歯は、連続しないように長さが短縮され、これにより蓋側ラチェットホイール底面及びスケジュール表示部側ラチェットホイールの底面に沿って間隔が形成されている。蓋を円筒形容器に取り付けるため、蓋１０４を円筒形容器１０２上に置いて時計回りに回転させると、突起４０６の前縁面１１０がボス機構部２２０の止め部２３２に到達する前にラチェットホイールの先端が互いに摺動してすれちがう。

スケジュール表示部２０２上の把持部５１２および５１４により、開口部１１０を通してどのスケジュール要素が見えるようにするかを、手動で調節することができる。例示した実施形態では、把持部５１２および５１４は、指で動かすことのできる一対の隆起したつまみを構成する。なお、他の実施形態では、１つのつまみ、種々の突起、窪み、穴等によって、同様の機能を実現するものとしてもよい。これらの機構部分は、スケジュール表示部２０２の円盤状部分２１０の下側またはスケジュール表示部の円筒形の縁の内側面の一部であってもよいし、これらのいずれか一方又は両方に連結されていてもよい。

本発明の例示された実施形態の設計における１つの特徴は、スケジュール表示部２０２上に大きな文字や記号のための十分なスペースを持った表示面２０６が提供されるため、この表示面２０６により、スケジュール要素を印刷、刻印、エンボス加工、デボス加工、あるいは接着するためのスペースが提供されることである。さらに、表示面２０６の高さを円筒形の蓋縁部１０６と共に伸ばせば、円筒形容器１０２の幅を広げることなく、より大きな文字や記号を表示することができる。

代替の実施形態では、スケジュールは、スケジュール表示部の円盤状部分に配置され、開口部が蓋の上面に配置される。さらに他の代替の実施形態では、スケジュール要素が見えるように構成され、開口部は、個々のスケジュール要素を指定する、すなわち指し示す、インジケータまたは矢印に置き換えられる。ある実施形態では、インジケータとスケジュール要素の配置を入れ換え、スケジュール要素が蓋に配置され、インジケータがスケジュール表示部に配置されるようにしてもよい。

現在入手可能な容器とは異なり、本発明の実施形態では、ばね張力を用いる必要はなく、プラスチックで製造されることが多い構成要素を折り曲げて用いる必要もない。また、疲労や破壊が起こりやすいスプリングフィンガー（spring finger）やその他の細い延長構造（extension）を用いる必要もない。さらに、本発明の実施形態は、３つの構成要素のいずれにも過度の応力を与えることなく機能し、容易に疲労を低減および／または回避することができる。したがって、本発明の実施形態は、処方薬を安全に調剤するための高い耐久性を達成する。

以下のセクションでは、例示した実施形態の特性を、より詳細に説明する。この実施形態では、一度に１つのスケジュール要素を前進させることができ、次のサイクルのための再位置合わせを行うことができ、自動的かつ完璧に動作し、人的エラーを防ぎ、疲労をほとんど生じず、多少の疲労が生じていても継続して動作し、不完全な状態で製造された構成要素がある場合でも機能し、様々な数のスケジュール要素に合わせることができる。

構成要素の寸法、各構成要素の数の比率、各構成要素の配置は、例示した実施形態の適切な動作に寄与する。このセクションに例示される実施形態の構成要素は、蓋１０４、スケジュール表示部２０２、円筒形容器１０２の相対的な回転角度を規定すべく寸法が決定される。したがって、各種構成要素の長さや寸法及び各構成要素間の間隔は、特定のサイズや大きさとしてではなく、例示した実施形態の中心軸を中心とする円弧の、中心角の大きさとして記載される。中心軸は、その実施形態の中心を通る仮想的な垂直線である。例示した実施形態において、縦方向の位置が異なる場合がある２つの構成要素間の回転距離は、横方向の弧を用いて記述する。

例示した実施形態では、各ボス機構部２２０の前縁２２８から止め部２３２までの横方向円弧の中心角および突起４０６に対する逆止機構部５０２の配置により、蓋１０４が円筒形容器１０２に取り付けられる毎にスケジュール表示部２０２に沿って回転する度数が決定される。

突起４０６に対する蓋側ラチェットホイール４０２の回転方向位置と、逆止機構部５０２に対するスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８の回転方向位置は、蓋側ラチェットホイール４０２がスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８と完全に噛み合ったとき、突起４０６の前縁面１１０が逆止機構部５０２の一部である当接面５０６と垂直に整列するように定められている。蓋１０４が円筒形容器１０２に取り付けられ、時計回りに回転されると、逆止機構部５０２の一部である当接面５０６はボス機構部２２０の前縁２２８に接し、これにより、インジケータのさらなる回転が防止される一方、蓋１０４は突起４０６が止め部２３２に到達するまで回転を続ける。蓋１０４は、このように、各ボス機構部２２０の前縁２２８から止め部２３２までの横方向円弧と同じ度数分スケジュール表示部２０２に沿って回転する。

ボス機構部２２０の形状は、蓋１０４の取り付け回数が所定の回数に達するまで蓋１０４がスケジュール表示部２０２に沿って前進したときに、蓋１０４がスケジュール表示部２０２に対し３６０度回転し、開口部１１０の中心が最初のスケジュール要素上に再び配置されるように、調整されている。蓋１０４の開口部１１０の、その下側に配された蓋側ラチェットホイール４０２に対する回転方向位置と、スケジュール要素の、スケジュール表示部側ラチェットホイール２０８に対する表示面２０６回りの位置とは、蓋側ラチェットホイール４０２がスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８と噛み合ったときに開口部１１０の中心が一のスケジュール要素２０２上に来るように定められている。

例示した実施形態における、各ボス機構部２２０の前縁２２８と止め部２３２との間の横方向円弧の中心角は、３６０度の単位分数（分子＝１で分母＝整数の分数）である。このため、蓋１０４と、したがって開口部１１０とは、各取り付けサイクルの間に３６０度の単位分数分だけ前進する。蓋１０４が、各ボス機構部２２０の前縁２２８と止め部２３２との間の中心角の単位分数の分母に等しい回数だけ円筒形容器１０２から取り外されて取り付けられると、蓋はスケジュール表示部に沿って３６０度分前進する。

ボス機構部２２０のサイズは、所望のスケジュール要素の数に合わせて調整されている。例示した実施形態では、スケジュール要素は、３６０度をスケジュール要素の数で除算した増分で、スケジュール表示部２０２に等間隔で配置され、前縁２２８から止め部２３２までの横方向の円弧の中心角も、３６０度をスケジュール要素の数で割った角度に等しくなるように、ボス機構部２２０のサイズが調整されている。したがって、各取り付けサイクルにおいて、開口部１１０は、１つのスケジュール要素の中心から次のスケジュール要素の中心に正確に前進する。

例示した実施形態では、ボス機構部２２０のサイズならびに逆止機構部５０２の間隔および数も、各取り付けサイクルの終わりに、関連する構成要素がそれぞれ再配置されて次の取り付けサイクルに向けた準備が整うように定められている。

例示した実施形態の逆止機構部５０２は、各ボス機構部２２０の前縁２２８と止め部２３２との間の横方向円弧の中心角に等しい度数の増分で、スケジュール表示部２０２の周囲に等間隔に配置されている。これは、各サイクルの間に蓋１０４がインジケータの回りを回転する度数でもある。蓋１０４が円筒形容器１０２に当てられ、取り付けのために時計回りに回転されると、各突起４０６の前縁面１１０は、一の逆止機構部５０２の当接面５０６と垂直に整列した状態で動作を開始する。逆止機構部５０２がこのように間隔をもって配置されているので、蓋１０４上の各突起４０６は、回転した後、各サイクルの終わりには、上記と同様に、連続した次の逆止機構部５０２と垂直に整列した状態となる。これにより、蓋１０４とスケジュール表示部２０２とは、次のサイクルに向けて整列される。

逆止機構部５０２、突起４０６、ボス機構部２２０の数も、整合がとられている。サイクルとサイクルとの間において、各突起４０６は、逆止機構部５０２に対して整列される。各サイクルの間において、突起４０６は前進し、それぞれ、連続する次の逆止機構部５０２に対して整列する。その後のサイクルで、各突起４０６は、直前に一つ前の突起と整列していた逆止機構部５０２と整列することとなる。このプロセスを無限に継続させるための逆止機構部５０２の数は、突起４０６の数の整数倍である。

例示した実施形態では、逆止機構部５０２の数は、突起４０６の数の整数倍となっている。突起４０６の数は、ボス機構部２２０の数と同じである。したがって、逆止機構部５０２の数もボス機構部２２０の数の整数倍となっている。

各取り付けサイクルにおいて、開口部１１０は、連続するスケジュール要素のうちの次のスケジュール要素２０２の中心が来るまで回転し、突起４０６は、それぞれ、連続する次の逆止機構部５０２と整列するまで回転する。このため、スケジュール要素２０２および逆止機構部５０２は、スケジュール表示部２０２上に同じ度数間隔で配されており、したがって、それらの数も同じである。またこのため、スケジュール要素２０２の数も、円筒形容器１０２上のボス機構部２２０の数の整数倍である。

歯１０４および２０４の数も、スケジュール要素２０２及び逆止機構部５０２の数、並びにボス機構部２２０の形状と整合がとられている。歯１０４および２０４の数は、それぞれ、スケジュール要素２０２および逆止機構部５０２の数の整数倍である。各サイクルの初めにおいて、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８とは、完全に噛み合った状態である。歯の数が逆止機構部５０２の数の整数倍であるため、蓋１０４が１サイクル前進すると、蓋側ラチェットホイール４０２およびスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８は、歯一つ分だけ回転して、各サイクルの終わりで完全に噛み合った位置となる。そして、開口部１１０は、一のスケジュール要素２０２の中心に配される。蓋側ラチェットホイール４０２およびスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８は、完全に噛み合った位置にあるので、蓋を円筒形容器１０２から取り外す目的で蓋１０４を反時計回りに回転させた場合でも、ずれることなく相互の関係を保ちながら回転する。

例示した実施形態では、人的エラーを防ぐため、スケジュール要素にそれぞれラチェットホイールの歯を１つ備えている。歯の数をスケジュール要素につき１つよりも多くすると、ラチェットホイールの歯の先端が互いの上を摺動する毎に、ユーザはひっかかりを感じる。歯が互いの上を摺動する感覚は、突起が突起用切欠部に嵌り込んだときに、蓋の取り付け過程が完了した感覚と混同されることが多い。蓋１０４およびスケジュール表示部２０２に対する蓋側およびスケジュール表示部側ラチェットホイール４０２および２０８の回転方向位置は、人が、蓋１０４を円筒形容器１０２に取り付ける際に、突起４０６が突起用切欠部２３０に滑り入るのと同時に、蓋側およびスケジュール表示部側ラチェットホイール４０２および２０８が嵌り込むのを感じるように定められている。

さらに、人が蓋１０４を取り付けようとして正しく取り付けられず、突起４０６が突起用切欠部２３０まで摺動しなかった場合、蓋側およびスケジュール表示部側ラチェットホイール４０２および２０８の歯は摺動して互いに通過することはなく、蓋１０４および開口部１１０が誤ってスケジュール表示部２０２に沿って前進することはない。さらに、スケジュール表示部２０２の内側縁７０２における圧縮により蓋側およびスケジュール表示部側ラチェットホイール４０２および２０８がともに押されると、歯は元の位置に戻り、これにより意図しない指示が防止される。したがって、蓋１０４は、蓋が正しくかつ完全に円筒形容器１０２に取り付けられた場合にのみ指示を行う。この説明により、例示した実施形態が、自動的かつ正確に機能し、人的エラーを防ぐことがわかる。したがって、人が意識的に努力または制御することなく、例示した実施形態が指示を行うことがわかる。このように、例示した実施形態は、従来技術とは異なり、蓋を円筒形容器に付けようとして付けられなかったことによる人的エラーを招きにくい。

また、例示した実施形態は、製造時の欠陥や機構の疲労があっても、蓋１０４が円筒形容器１０２に取り付けられる度に正確に１つの指示を行うよう設計されている。これらのばらつきがあっても機構の正確さを確保するために、例示した実施形態におけるラチェットホイールの歯は、一般的なラチェットホイールの歯から変更を加えたものになっている。一般的なラチェットホイールの歯は、連続的であり、各歯の係合面は、底面に対して９０度または摺動面から離れる方向に傾斜している。例示した本発明に係る実施形態では、ラチェットホイールの歯の係合面８０５は、摺動面８０７に向かってわずかに傾斜している。これらは相補関係にあるので、ラチェットホイールの歯の係合面８１５も摺動面８１７に向かってわずかに傾斜している。より詳細には、係合面８０５と底面８０８との間の内角および係合面８１５と底面８０８との間の内角は鋭角である。この傾斜により、所望の数の歯を維持しつつ、ラチェットホイールの歯の先端を互いに通過させて前進させるべく蓋１０４がスケジュール表示部２０２に沿って回転するのに必要な距離が短縮される。

蓋１０４が円筒形容器１０２に取り付けられると、ラチェットホイールの歯の先端が互いを通過し、突起４０６がボス機構部２２０の止め部２３２に到達して突起用切欠部２３０に引き込む直前に、蓋１０４がスケジュール表示部２０２に対して適切な位置にカチリと入り込む。突起４０６が突起用切欠部２３０に嵌り込む前に蓋１０４がスケジュール表示部２０２に対して適切な位置で入り込むように動作が順に進むため、例示した実施形態では、次のスケジュール要素を正しく表示するために必要な精度が緩和される。これにより、薬取出し容器は、ユーザおよび製造時のばらつき、ならびに使用による疲労があっても正しく機能することができる。

蓋１０４の蓋側ラチェットホイール４０２がスケジュール表示部２０２のスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８に対して適切な位置に嵌り込むタイミングと、突起４０６が円筒形容器１０２の突起用切欠部２３０に対して適切な位置に嵌り込むタイミングとの差は十分に小さいので、一般のユーザはそれらのタイミングの違いを感知できない。したがって、例示した実施形態では、蓋１０４を円筒形容器１０２に取り付ける際にワンクリックであるとユーザが感じるような、望ましく、馴染みのある感触が維持される。

上述のイベント間の間隔は十分に短いので、蓋１０４を円筒形容器１０２に取り付ける際、一般の人は、突起４０６をボス機構部２２０の止め部２３２まで回転させる動作を完了させることなく蓋側およびスケジュール表示部側ラチェットホイール４０２および２０８のラチェットホイールの歯を前進させてサイクルを完了させることは通常できない。したがって、例示した実施形態では、蓋１０４が正しく円筒形容器１０２に取り付けられた場合にのみ、表示されるスケジュール要素が前進する、という望ましい特性が維持される。さらに、ラチェットホイールの歯の係合面８０５および８１５の傾斜は十分に小さいので、蓋１０４が反時計回りに回転されて円筒形容器１０２から取り外されたときにも係止機能は妨げされない。

例示した実施形態において指示を行うために用いられている機構は、ほとんどの一般的な処方薬の用法に適合するよう設計されている。ほとんどの処方箋は、毎日正しい数の錠剤を使用することを指示する。ユーザが毎日の予定を守るようにするために、薬取出し容器は、各曜日の各服用ごとにスケジュール要素を備える。したがって、スケジュール要素の必要数は、多くの場合、７つの曜日の倍数である。

スケジュール要素２０２の数は、円筒形容器１０２のボス機構部２２０の数の整数倍である。このため、例示した実施形態は、７個のボス機構部２２０と１４個のスケジュール要素２０２とを備えるように設計されている。各ボス機構部２２０の前縁２２８から止め部２３２までの横方向円弧の中心角は、３６０度の１４分の１である。したがって、蓋１０４は、各サイクルにおいてスケジュール表示部２０２全周の１４分の１だけ前進する。図５に示すスケジュール表示部２０２は、各曜日に午前１回目と午後２回目の、１日につき２回の服用を行うように調整されたスケジュール要素２０２を有する。１日１回の服用に調整された他の実施形態では、ボス機構部２２０、突起４０６、ラチェットホイールの歯およびスケジュール要素の数は同じである。なお、スケジュール要素は、各曜日について１つのスケジュール要素を備える、２つの連続する７日間分のシーケンスで構成することもできる。

例示した実施形態で用いられている機構では、ボス機構部２２０の寸法、並びに逆止機構部５０２、ラチェットホイールの歯、およびスケジュール要素２０２の調整された数は、他の処方計画に合わせて設計することができる。

例えば、１日に３回の服用のために設計された他の実施形態では、７個のボス機構部と２１個のスケジュール要素を備え、各曜日につき３回の服用毎にそれぞれ１個のスケジュール要素が割り当てられる。ボス機構部は、各ボス機構部の前縁から止め部までの横方向円弧の中心角が３６０度を２１で除算した角度であるように調整される。週７日間とは相関のない予定に適合させるために、他の実施形態では、異なる数のボス機構部を用いてもよい。例えば、１日の時間および１年の月の数は６の倍数なので、６個のボス機構部を有する円筒形容器を用いて、時間ごとおよび月ごとの予定に調整することができる。

本発明の実施形態は、現在利用可能な装置に対して、機構上の利点を有する。第１に、本発明の実施形態は、１週７日間の倍数である任意の数のスケジュール要素に効果的に調整することができ、したがって、ほとんどの処方計画に合わせることができる。また、本発明の実施形態は、正しい指示に調整するための、手動の手段を提供する。これは、インジケータを第１回目の服用の正しい日時に設定する際に特に有用である。本発明の実施形態は、一般に認められた、子供が開けられない形式を含み、気密であり、非標準的な方法を用いることなく蓋を円筒形容器に取り付けることができる。

本発明の或る実施形態に用いられる機構は、人による意識的な努力または制御を必要とすることなく、正確な指示を行うことができる。また、表示されたスケジュール要素は、蓋が円筒形容器に正しく取り付けられない限り前進しないので、人的エラーをなくすことができる。さらに、表示されたスケジュール要素は、一度に１つのスケジュール要素分だけ前進し、各サイクルの終わりに自動的に次のサイクルのための再配置が行われる。

さらに、本発明の実施形態は、構成要素を引っ張ったり曲げたりしないので、使用による疲労を発生しにくい。いずれの構成要素も、すぐに疲労または破壊しやすい薄いプラスチック製の延長構造を含まない。また、本発明の実施形態は過度の疲労を生じないことに加え、なんらかの材料の疲労があったとしても正確に機能するように構成されるので、さらに安全性を高めることができる。

さらに、例示した実施形態の各構成要素は、単純な型を用いてすぐに大量生産することができる。また、例示した各実施形態は、３つの部分として製造することができ、かつ、市販された薬瓶の一般的な実施形態が製造される材料と同じもので製造することができる。さらに、本実施形態によって用いられる指示手段は、製造精度のばらつきにかかわらず正しく機能するように構成されている。

本発明を特定の実施形態に関して説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることを意図したものではない。当業者にとり、変更が可能であることは明らかである。例えば、上述したように、異なる数のスケジュール要素を提供するために、他の実施形態において、ラチェットホイールの歯、逆止機構部、ボス機構部、突起、およびスケジュール要素の数を変更することができる。他の実施形態では、スケジュール表示部の最初の要素を設定するために、図５を参照して説明した把持部５１２および５１４の代わりに、蓋に対してスケジュール表示部を回転させる手段を用いることができる。ある実施形態において、初期スケジュール要素設定用部品と相補的に働く機構を用いて、薬剤師または他の医療従事者によって確実に予定が設定されるようにすることもできる。上述したように、スケジュール要素は、時間、曜日、日付、および次回の投薬を定めるその他の指標に関する様々な異なる種類の情報を含む。スケジュール要素は、成型、エンボス加工、印刷またはその他の方法で、スケジュール表示部の縁部の外壁に配置される。各構成要素の寸法および形状は、上述したように協働する限りにおいて、実施形態ごとに異なるものとすることができる。蓋、スケジュール表示部、および円筒形容器は、周知のポリマー材料のいずれを用いて製造されてもよく、基本的に任意の色、透明度、剛性、柔軟性、およびこのような他の特性およびパラメータを有することができる。円筒形容器と蓋は、薬局および薬剤師による情報の追加を容易にするための追加の情報表示機構その他の、追加の機構部分を含んでもよい。

開示した実施形態に関する上記の説明は、この開示物を当業者が製造または使用できるようになされたものである。これらの実施形態には種々の変更が可能であることは当業者には明らかであり、本明細書に示した包括的な原理は、本開示の意図または範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に示した実施形態に限定することを目的とするものではなく、本明細書に開示された原理および新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲で認められるべきである。

本出願は、２０１０年５月１８日に出願された米国仮特許出願第６１／３９５，９３９
号の利益を主張する。

本発明は、薬瓶を含む薬取出し容器に関し、特に、次の投薬を行うべき時期を示す投与
スケジュールが組み込まれた薬取出し容器に関する。

処方された薬の用法・用量を守り損ねることは、危険かつ頻発に起こる問題である。血
圧の薬等の特定の薬は、その処方量を投与し損ねると重大な障害を招き、死亡する場合さ
えもある。処方薬をうっかり過量に投与してしまうと、処方された投与を行わなかった場
合よりも危険な弊害を引き起こしやすい。

全米患者情報協議会によれば、処方薬全体の６０％もが正しく服用されていない。内科
医自身も、処方薬剤の７５％しか正しく服用していない。米国においては、処方不遵守に
よるコストは年間３０００億ドルを超えており、このコストは入院治療全体の１３％を占
め、３０万人の死亡原因となっている。

多くの患者にとって、処方薬の用法・用量を守ることについての難しい側面の一つは、
薬の服用を忘れないようにすることではなく、むしろある特定の用量を既に服用したのか
否かを解明しようとすることである。毎日薬を使用するという反復性のため、前回の服用
を行ったか否か、あるいは、予定の服用回数のうちいずれか一回を実際に行ったのか否か
について、薬を自己投与する患者は混乱を引き起こす。

患者による処方薬の自己投与を助けるため、様々な多くの投薬法および取出し容器が提
案され、開発されている。しかしながら、現在の統計によれば、投与計画の不遵守は依然
として深刻な課題であって、患者および社会に対する大きな経済的負担となっており、こ
の事実は、多くの提案されているあるいは現在利用可能な投薬法および取出し容器が、薬
剤使用者が行う薬の自己投与についての課題を効果的には解決できていないことを示して
いる。

本発明の一実施形態は、投与スケジュールが組み込まれた薬取出し容器である。本実施
形態では、円筒状の縁部を有する円盤形の密閉蓋を備えた円筒形容器が、その内部にスケ
ジュール表示部を備え、このスケジュール表示部に示された日時指示は、上記蓋の外縁部
に設けられた開口部を介して薬の使用者に提示される。上記の蓋、スケジュール表示部、
および円筒形容器に内蔵された機構部分は、当該蓋が取り外されて元に戻されたときに協
働して、表示された日時指示が確実に進むように作用する。この日時表示は視覚障害を持
つユーザに見易いように比較的大きく明確に表示されており、スケジュール前進機構は、
ロバストで信頼性が高い。さらに、蓋および組込スケジュール表示部には、表示される日
時指示を最初の日時指示に設定するための機構部分を有している。

本発明の一実施形態の斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の、拡大した分解斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の平面図である。 図１に示す本発明の実施形態の、蓋の斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の、スケジュール表示部の斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の、蓋の斜視図である。 図１に示す本発明の実施形態の、一部の断面図である。 図１に示す本発明の実施形態の、蓋側ラチェットホイールおよびスケジュール表示部側ラチェットホイールの一部を引き伸ばして露出させた状態の拡大図である。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、瓶の構成要素を露出させて示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられ取り外される際の、これらの構成要素の段階的な相互作用を示す。 蓋側ラチェットホイールおよびスケジュール表示部側ラチェットホイールの他の実施形態の、引き伸ばして露出させた状態を示す拡大図である。

本発明の実施形態は、ピルボトル（錠剤用薬瓶）等の形態をなす薬取出し容器であって
、当該容器は、子供が開けられない安全な薬剤封入を行うことができ、かつ、医療施設内
または外来の患者等の、薬使用者への次回の投薬又は次回の自己投薬を行うべき時期を示
す日時指示を表示するためのロバストで信頼性のある表示機構を備える、という特徴を有
する。現在利用可能な薬取出し容器や投薬法とは異なり、本発明の実施形態は、薬取出し
容器から次の一回分の服用量を投薬する日時指示を比較的大きく読みやすいように表示す
るとともに、組み込まれた投与スケジュール内でこの日時指示を確実に前進させることを
特徴とする。また、組込み投与スケジュールは、組込み投与スケジュールに含まれる複数
の指示から任意のものを初期設定することができる。

図１は、本発明の一実施形態の斜視図である。図示の実施形態は、標準的なプラスチッ
ク製の薬瓶に類似しており、円筒形容器１０２と円盤形の蓋１０４とを有している。蓋１
０４の平面は、円筒形容器に取り付けられたときに円筒形容器１０２の長軸に対して直交
するようになっている。この蓋は円筒形の縁部１０６を有し、縁部１０６は、内径が円筒
形容器１０２の直径よりも大きく、その内部には後述するスケジュール表示部が取り付け
られている。１つ分の、指示すなわちスケジュール要素の指示１０８は、円筒形の蓋縁部
１０６に設けられた矩形開口部１１０を介して、ユーザに表示される。図１に示す例では
、スケジュール要素の指示１０８は、薬剤使用者が次の投薬又は自己投薬を行うべき時刻
を示す「ａｍ」と、その曜日を示す「Ｓｕ」とを含んでいる。図１に示す例では、表示さ
れた時刻および曜日の指示が薬剤使用者に次の投薬又は自己投薬を行うべき時刻および曜
日であることを示す更なる表示として、ラベル「Next due」（「次回予定」）１１２が蓋
縁部１０６に刻まれている。

蓋、内部スケジュール表示部、及び容器の内部機構は、協働して、蓋が容器から取り外
されて再度取り付けられる際に、スケジュール表示部に表示された指示を確実に１要素分
前進させる。表示された指示は、蓋が正しく取り外されて元に戻されない限り、組み込み
スケジュールに沿って前進することはない。なお、現在利用可能な多くの装置とは異なり
、表示される指示は蓋縁部に、明確かつ読みやすい指示表示となるように十分な領域を確
保して表示される。また、投薬または自己投薬をすべき時期の詳細な指示形式は、本発明
の実施形態毎に異なるものとすることができる。この指示は、特定の時単位の時刻と曜日
とを含むものとすることができる。他の実施形態では、この指示は、曜日のみの表示とし
てもよい。さらに他の実施形態では、詳細な時刻および／または日付情報を表示するもの
としてもよい。組込みスケジュールは、本質的には任意の数の異なる要素、すなわち指示
を含むことができる。一例として本出願に記載する実施形態では、組込みスケジュールの
表示は、週の７日間のそれぞれについて午前および午後の投薬時刻の指示を含む１４個の
要素を含んでいる。

本発明の一実施形態である図１に示す薬剤保管取り出し器は、一般的に用いられるポリ
マー材料により安価に製造することができる。現在実現可能な精度で製造した場合、例示
した実施形態に係る薬取出し容器の、協働する３つの構成要素は、蓋が正しく円筒形容器
から取り外されて再び円筒形容器に取り付けられたときにのみ、表示されるスケジュール
要素の位置を１つ分だけ確実に前進させる。本発明の実施形態は、素早く、高信頼な、か
つ費用効率の高い大量生産を行えるように設計されている。蓋１０４、スケジュール表示
部２０２、および円筒形容器１０２の３つの構成要素は、それぞれ、型から素早く取り出
せる形状となっている。

図２は、図１に示す本発明の実施形態の、拡大した分解斜視図である。本分解図では、
図１に例示した実施形態の薬取出し容器の３つの構成要素と、これら３つの構成要素のう
ちの２つの更なる機構部分とを、明確に見ることができる。円筒形の組込みスケジュール
表示部２０２は、蓋１０４から取り外された状態で蓋１０４の下方に示されている。図２
においてさらに明確に分かるように、組込みスケジュール表示部は、スケジュール表示部
の円筒形外壁である表示面２０６上に１４個の時刻および曜日の要素または指示を含んで
いる。図では、一例としてこれら１４個のスケジュール要素２０４のうちの６個が示され
ており、その中の「ｐｍ／Ｓａ」に符号２０４が付されている。

また、組込みスケジュール表示部は、スケジュール表示部側ラチェットホイール２０８
と、円筒形外壁２０６の軸線に直交する円盤状表面２１２とを有する。円筒形容器１０２
の外表面には、ボス機構部２２０を含む７個のボス機構部が、該円筒形容器の外表面から
外側に延出している。ボス機構部は、円筒形容器１０２の縁２２２に対し一定の位置にあ
る円筒円周上に等間隔に配置されている。各ボス機構部は、カム表面２２４と、傾斜部２
２６と、前縁２２８と、突起用切欠部２３０と、止め部２３２とを有する。２つのボス機
構部の間にはそれぞれ、ボス機構部２２０とその前のボス機構部２３６との間の間隔２３
４のように、円筒円周に沿って大きな間隔が存在する。

図３は、図１に示す本発明の実施形態の平面図である。図３に示すように、蓋は、円盤
形の蓋の平面に直交する方向に投影すると円形である。図３に示す直線３０２は、蓋の円
盤状表面に直交する平面と該蓋との交線であり、図７に例示する実施形態の薬取出し容器
の断面図はこの交線での断面図である。

図４は、図１に示す本発明の実施形態の、蓋の斜視図である。図４は、蓋を下方から見
た図である。図４に示すように、蓋は、符号４０４等のラチェット歯を有する蓋側ラチェ
ットホイール４０２を備え、当該ラチェット歯は、下向きに突出て円盤状の蓋の平面に直
交し、円筒形の蓋縁部１０６に対し平行になっている。蓋側ラチェットホイールは、スケ
ジュール表示部側ラチェットホイール（図２における２０８）と相補関係にある。蓋縁部
底部には、蓋縁部の下端に沿って等間隔に蓋縁部の内表面から半径方向内側に突出する突
起４０６等の７個の突起がある。各突起は、前縁面４０８と内側端４１０とを備えるとい
う特徴を有する。

図１〜図４に例示した実施形態では、円筒形容器１０２の７個のボス機構部（図２にお
ける２２０および２３６）間の空間を補完するように等間隔に並んだ７個の突起が設けら
れている。蓋側ラチェットホイール４０２およびスケジュール表示部側ラチェットホイー
ル（図２における２０８）のいずれにも、１４個のラチェット歯がある。これら種々の機
構部分が、後述する機構部分と協働して、円筒形容器の蓋を子供が開けられないようにロ
ックするとともに、該蓋を正しく取り外して元に戻す度に、表示されるスケジュール要素
を１要素分だけ確実に前進させる。

図５は、図１に示す本発明の実施形態の、スケジュール表示部の斜視図である。図５で
は、組込みスケジュール表示部２０２が下から見た状態で示されている。組込みスケジュ
ール表示部の表示面２０６上に等間隔で配置されたスケジュール要素２０４等のスケジュ
ール要素に加えて、該組込みスケジュール表示部は、該組込みスケジュール表示部の円筒
形外壁の内表面から半径方向内側に延出する、逆止機構部５０２等の１４個の三角形の逆
止機構部をさらに有する。各逆止機構部は、下側摺動面５０４と、当接面５０６と、内側
面５０８とを有する。後述するように、蓋を円筒形容器から正しく取り外して元に戻した
ときの、表示されるスケジュール要素の前進を容易にするために、逆止機構部は、円筒形
容器１０２の外表面から延出するボス機構部（図２における２２０および２３６）と協働
する。

図１〜図５に例示した本発明に係る薬取出し容器の実施形態では、組込みスケジュール
表示部の下側端５１０に対し一定の位置にある該組込みスケジュール表示部の内周に沿っ
て、等間隔に配置された１４個の逆止機構部が設けられ、さらに、該組込みスケジュール
表示部は、該組込みスケジュール表示部の円盤形の上部（図２における２１２）の内表面
から下方に延出する２つの把持部５１２および５１４を有する。これら２つの把持部によ
り、蓋縁部の表示開口部（図１における１１０）の下に特定のスケジュール要素を初期位
置として定めて、第１回目の投薬の初期投与時刻の指示を表示することができる。

図６は、図１に示す本発明の実施形態の、蓋の斜視図である。図６には、組込みスケジ
ュール表示部２０２が蓋１０４に挿入され、蓋が該組込みスケジュール表示部と完全に組
み合わされている状態が示されている。なお、組込みスケジュール表示部は、突起４０６
等の７個の突起を通って蓋に押し込まれ、これらの突起は、該組込み表示部を定位置に嵌
め込んで該組込み表示部を蓋の内部で保持する。また、組込みスケジュール表示部は、蓋
の内部に回転可能に設けられているが、蓋が容器に取り付けられていないときは蓋側ラチ
ェットホイール（図４における４０２）およびスケジュール表示部側ラチェットホイール
が部分的に係号し、この部分的係号によって組込みスケジュール表示部が蓋内部で自在に
回転するのを防ぐ。

一方、把持部５１２および５１４に回転力を加えられれば、組込みスケジュール表示部
は回転し、蓋開口部（図１における１１０）を介して特定のスケジュール要素が表示され
る。後述するように、蓋が円筒形容器に取り付けられると、組込みスケジュール表示部の
機構部分によりスケジュール表示部側ラチェットホイールに押圧力が加わり、スケジュー
ル表示部側ラチェットホイールと蓋側ラチェットホイールとが完全に噛み合って、スケジ
ュール表示部は蓋に対し回転しなくなる。概要的には、容器の蓋を閉めたか否かにかかわ
らずスケジュール表示部は蓋に対して一定の位置に留まっており、蓋が容器に取り付けら
れていないときはスケジュール表示部は比較的緩い状態で現在の位置に保持される。した
がって、スケジュール表示部は蓋に対し手動で回転することができるので、把持部５１２
および５１４に押圧力を加えることで、特定のスケジュール要素を選択して表示すること
ができる。

図１〜図６に例示した薬取出し容器は、それぞれのラチェットホイールに設けられた１
４個のラチェット歯と、７個の突起部と、７個のボス機構部と、１４個の逆止機構部とを
有しているが、他の実施形態として、各機構部の数を変更して異なる数のスケジュール要
素を提供するものとしてもよい。これらの他の実施形態では、蓋が容器から取り外されて
再度取り付けられたときに表示されるスケジュール要素が１要素分容易に前進するように
、１つのボス機構部に対して２つの逆止機構部という比率が維持される。ただし、さらに
他の実施形態では、この比率も変更することができる。

図７は、図１に示す本発明の実施形態の、一部の断面図である。上述したように、図７
は、図１〜図６に示す本発明の薬取出し容器の実施形態の、図３に示す直線３０２に沿っ
て蓋を横切る平面での断面図である。図７は、図１〜図２および図４〜６において用いた
参照符号を含む。図７に示す断面図は、蓋が容器にしっかりと取り付けられている状態で
の、本発明の薬取出し容器の実施形態を示したものである。図７は、組込みスケジュール
表示部の更なる機構部分を示す。断面に示すように、組込みスケジュール表示部は、楔面
７０４を備えた内側縁７０２を有することを特徴とし、楔面７０４は、蓋が円筒形容器に
取り付けられたとき、該円筒形容器の上端すなわち縁（図２における２２２）が押し当て
られる。円筒形容器によって内側縁７０２の楔面７０４に押圧力が加えられると、スケジ
ュール表示部側ラチェットホイール２０８に上向きの力が加わり、補完関係にある蓋側ラ
チェットホイール４０２と完全に噛み合う。これにより、組込みスケジュール表示部の位
置を蓋に対して固定するとともに、気密のガスケットのような密閉状態を実現して薬を円
筒形容器内に気密封入する。蓋が円筒形容器に取り付けられると、各突起（図４における
４０６）がボス機構部（図２における２２０および２３６）の突起用切欠部（図２におけ
る２３０）内に固定される。この詳細は後述する。

図８は、図１に示す本発明の実施形態の、蓋側ラチェットホイールおよびスケジュール
表示部側ラチェットホイールの一部を拡大して露出させた図である。図８は、蓋側ラチェ
ットホイールとスケジュール表示部側ラチェットホイールとの噛み合いの様子を示す。図
８に示すように、蓋側ラチェットホイール４０２は、歯８０４等の一連の１４個の歯を有
する。これらの歯は、蓋側ラチェットホイール底面８０８から突出している。各歯は、係
合面８０５と、先端８０６と、摺動面８０７とを有する。同様に、スケジュール表示部側
ラチェットホイール２０８は、歯８１４等の一連の１４個の歯を有し、これらの各歯も、
係号面８１５と、先端８１６と、摺動面８１７とを有しており、スケジュール表示部側ラ
チェットホイールの底面８１８に沿って配置される。

蓋−スケジュール表示部アセンブリの、円筒形容器１０２に対する取り付け／取り外し
は、子供に開けられないよう構成された一般に入手可能な薬瓶の蓋の取り付け／取り外し
と同様である。すなわち、蓋１０４を円筒形容器１０２に当て、蓋１０４に押圧力を加え
て右に回す。突起４０６は、ボス機構部２２０間の間隔２３４に滑り入り、各突起４０６
は、ボス機構部２２０のうちの１つのカム表面２２４に当接して、これに沿って摺動する
。突起４０６がカム表面２２４に沿って摺動することにより、蓋１０４を円筒形容器１０
２に引き付けてスケジュール表示部２０２を押し付ける。スケジュール表示部２０２の内
側縁７０２は柔軟性があり、これによりスケジュール表示部を垂直方向に押し付けること
ができる。蓋１０４が円筒形容器１０２に引き付けられると、内側縁７０２の楔面７０４
が円筒形容器の縁２２２内に押し付けられ、気密の密封が得られる。突起４０６がボス機
構部２２０の止め部２３２に到達すると、蓋１０４はそれ以上回転できなくなる。スケジ
ュール表示部２０２の圧力により、突起４０６は上に引き上げられて突起用切欠部２３０
内に入る。これにより、蓋１０４は円筒形容器１０２に取り付けられた状態になる。

図９Ａ〜図９Ｈは、図１に示す実施形態の、蓋、スケジュール表示部、及び瓶の構成要
素を露出させた状態で示した図であり、蓋が薬瓶に取り付けられて取り外される際におけ
るこれらの構成要素の段階的な相互作用を示す。図９Ａ〜図９Ｅは、蓋を円筒形容器に取
り付ける過程およびこの過程における各機構部分および各構成要素の相互作用を示してい
る。図９Ａに示すように、蓋を容器に取り付ける前に、蓋側ラチェットホイール４０２お
よびスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８が少なくとも部分的に噛み合い、蓋
に対するスケジュール表示部の位置が固定される。さらに、各突起４０６の前縁面４０８
と逆止機構部の当接面５０６とが一直線に揃う。このように一直線に揃うのは、蓋側ラチ
ェットホイールがスケジュール表示部側ラチェットホイールと噛み合っており、蓋側ラチ
ェットホイールに対する突起の位置が固定されており、かつ、スケジュール表示部側ラチ
ェットホイールに対する逆止機構部の位置が固定されていることによるものである。

蓋を円筒形容器上に置き、押さえ込みながら回転により調節すると、突起４０６がボス
機構部２２０および９０２間の間隔９０４内に滑り入る。なお、この過程において、蓋側
ラチェットホイールとスケジュール表示部側ラチェットホイールとが噛み合うことにより
、スケジュール表示部は、蓋とともに回転して、蓋に対し決められた位置に維持される。
次に、図９Ｃに示すように、蓋が時計回りに回転されると、逆止機構部と突起の、一直線
に揃った対を為す当接面５０６と前縁面４０８が、ボス機構部２３６の前縁２２８に接す
る。図９Ｄに示すように、蓋をさらに時計回りに回転させると、逆止機構部５０２はボス
機構部の前縁２２８に突き当たって蓋とともに回転するのが妨げられ、一方蓋から延出す
る突起４０６は、ボス機構部のカム表面２２４に沿って蓋とともに回転を続ける。スケジ
ュール表示部の回転が妨げられる一方で蓋は回転を続けるので、蓋がスケジュール表示部
に対して回転するのにしたがって、蓋側ラチェットホイールの歯の摺動面がスケジュール
表示部側ラチェットホイールの歯の摺動面８１７上を摺動する。

内側縁７０２によりスケジュール表示部２０２は柔軟性を持つため、スケジュール表示
部２０２は、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール
２０８とが互いに外れる方向へ摺動できる程度の圧縮力を生ずる。蓋１０４がスケジュー
ル表示部２０２の周りを回転するにつれて、開口部１１０は、一のスケジュール要素２０
４の位置から次のスケジュール要素の位置へ移動する。例示した実施形態では、前縁２２
８は、平らな当接面である。実際には、カム表面２２４を傾斜部２２６の上部まで延在さ
せて、前縁２２８を短い垂直平面あるいは点となるように縮めることができる。最後に、
図９Ｅに示すように、蓋側ラチェットホイールの歯が、当該蓋側ラチェットホイールに対
して歯１個分だけ時計回りに前進したスケジュール表示部側ラチェットホイールの歯と再
び噛み合うとき、突起４０６は、ボス機構部２２０及び９０２の突起用切欠部２３０内に
滑り入る。したがって、蓋を円筒形容器に取り付けると、表示されるスケジュール要素は
、円筒形のスケジュール表示部の縁の円周に沿って配置された一連のスケジュール要素に
沿って１要素分前進する。

図９Ｆ〜図９Ｈは、図１〜図９Ｅを用いて説明した本発明の薬取出し容器の実施形態に
おける各構成要素および各機構部を、蓋が容器から取り外される場合について示した図で
ある。図９Ｆに示すように、蓋を取り外すには、ユーザはまず、蓋を押し下げて、突起４
０６をボス機構部２２０及び９０２の突起用切欠部２３０から外す。次に、図９Ｇに示す
ように、蓋を反時計回りに回転させると、各突起４０６が各ボス機構部２２０及び９０２
のカム表面２２４に沿って移動する一方、各逆止機構部５０２の摺動面５０４がボス機構
部の傾斜部２２６に沿って摺動する。逆止機構部５０２が傾斜部２２６上を摺動すると、
スケジュール表示部２０２が蓋１０４内に押し上げられる。これにより、突起４０６がボ
ス機構部２２０及び９０２のカム表面２２４に沿って移動する際の、蓋側ラチェットホイ
ール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８との間の接触および押圧力
が保持され、その後、蓋１０４は上方へ向かって円筒形容器１０２から離れる方向に動き
始める。

最後に、図９Ｈに示すように、突起４０６は、ボス機構部２２０及び９０２から完全に
外れて連続するボス機構部２２０と９０２との間の間隔９０４に入り、これにより蓋を容
器から垂直に引き離すことができるようになる。図９Ｆ〜図９Ｈに示す一連の全工程の間
、蓋側ラチェットホイールとスケジュール表示部側ラチェットホイールとの相互噛み合い
によって、スケジュール表示部は蓋に対し一定の位置に張り付いた状態となる。人が蓋１
０４に加えた押圧力により、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチ
ェットホイール２０８とが共に押し付けられて摩擦力が更に高まるので、これらは互いに
摺動せず、位置が一つ分進むことはない。このように、スケジュール表示部２０２は、蓋
１０４と共に反時計回りに回転される。

例示した実施形態では、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部ラチェッ
トホイール２０８は、反時計回りの逆止手段を構成している。この機能は、スケジュール
表示部の上部と蓋の下部を連結する様々な機構によって提供することができる。このよう
な機構には、一方の構成要素に設けられた尖った突起部（prong）、歯止め用の爪（pawl
）、若しくは様々な突起部、切欠部、または溝部、及びこれらと補完関係となるように他
方の構成要素に設けられた機構とが含まれる。また、逆止手段は、スケジュール表示部２
０２の外側と蓋１０４の内側との間の任意の位置に設けることもできる。例えば、逆止手
段は、円筒形の蓋縁部１０６と表示面２０６との間の位置に、上述したいずれかの手段を
用いて設けることができる。例示した実施形態では、逆止機構部５０２は、楔形の突起部
であるが、一の方向にボス機構部と係号する側面を有し、他の方向に傾斜部２２６上を摺
動する側面を有するような、様々な形状とすることができる。

例示した実施形態では、スケジュール表示部２０２を蓋１０４内に取り付ける際に生じ
たスケジュール表示部２０２内の圧縮力は、蓋１０４が円筒形容器１０２から取り外され
た後に、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０
８との間の摩擦力を増加させ、スケジュール表示部２０２が誤って前進してしまうのを防
止する。ただし、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイ
ール２０８とが一部係号している場合には、圧縮力によって十分な摩擦力を得る必要はな
い。代替的に、円筒形の蓋縁部１０６の内表面と表示面２０６との間の摩擦力で十分な場
合もある。

図１０は、蓋側ラチェットホイールおよびスケジュール表示部側ラチェットホイールの
他の実施形態を、拡大して露出させて示した図である。この実施形態では、追加された水
平辺１００２により、１つ目の蓋側ラチェットホイールの歯１００６の係合面１００４は
、次の蓋側ラチェットホイールの歯１０１０の摺動面１００８から遠くなり、同様に、短
い水平辺１０１２により、各スケジュール表示部側ラチェットホイールの歯１０１６の摺
動面１０１４は、次のスケジュール表示部側ラチェットホイールの歯１０２０の係合面１
０１８から遠くなる。

図１０に示す実施形態の目的は、一般的なラチェットホイールの歯を変形する他の方法
を提供することであり、この変形は、突起４０６がボス機構部２２０の止め部２３２に到
達する前に蓋１０４がスケジュール表示部２０２を介して所定の位置に嵌め込まれるよう
に行われる。この代替の実施形態は、ここに例示された実施形態および任意の変形例にお
けるラチェットホイール４０２および２０８に置き換えることができる。この代替の実施
形態では、ラチェットホイールの歯は、連続しないように長さが短縮され、これにより蓋
側ラチェットホイール底面及びスケジュール表示部側ラチェットホイールの底面に沿って
間隔が形成されている。蓋を円筒形容器に取り付けるため、蓋１０４を円筒形容器１０２
上に置いて時計回りに回転させると、突起４０６の前縁面４０８がボス機構部２２０の止
め部２３２に到達する前にラチェットホイールの先端が互いに摺動してすれちがう。

スケジュール表示部２０２上の把持部５１２および５１４により、開口部１１０を通し
てどのスケジュール要素が見えるようにするかを、手動で調節することができる。例示し
た実施形態では、把持部５１２および５１４は、指で動かすことのできる一対の隆起した
つまみを構成する。なお、他の実施形態では、１つのつまみ、種々の突起、窪み、穴等に
よって、同様の機能を実現するものとしてもよい。これらの機構部分は、スケジュール表
示部２０２の円盤状表面２１２の下側またはスケジュール表示部の円筒形の縁の内側面の
一部であってもよいし、これらのいずれか一方又は両方に連結されていてもよい。

本発明の例示された実施形態の設計における１つの特徴は、スケジュール表示部２０２
上に大きな文字や記号のための十分なスペースを持った表示面２０６が提供されるため、
この表示面２０６により、スケジュール要素を印刷、刻印、エンボス加工、デボス加工、
あるいは接着するためのスペースが提供されることである。さらに、表示面２０６の高さ
を円筒形の蓋縁部１０６と共に伸ばせば、円筒形容器１０２の幅を広げることなく、より
大きな文字や記号を表示することができる。

代替の実施形態では、スケジュールは、スケジュール表示部の円盤状部分に配置され、
開口部が蓋の上面に配置される。さらに他の代替の実施形態では、スケジュール要素が見
えるように構成され、開口部は、個々のスケジュール要素を指定する、すなわち指し示す
、インジケータまたは矢印に置き換えられる。ある実施形態では、インジケータとスケジ
ュール要素の配置を入れ換え、スケジュール要素が蓋に配置され、インジケータがスケジ
ュール表示部に配置されるようにしてもよい。

本発明の実施形態では、ばね張力を用いる必要はなく、プラスチックで製造されること
が多い構成要素を折り曲げて用いる必要もない。また、疲労や破壊が起こりやすいスプリ
ングフィンガー（spring finger）やその他の細い延長構造（extension）を用いる必要も
ない。さらに、本発明の実施形態は、３つの構成要素のいずれにも過度の応力を与えるこ
となく機能し、容易に疲労を低減および／または回避することができる。したがって、本
発明の実施形態は、処方薬を安全に調剤するための高い耐久性を達成する。

以下のセクションでは、例示した実施形態の特性を、より詳細に説明する。この実施形
態では、一度に１つのスケジュール要素を前進させることができ、次のサイクルのための
再位置合わせを行うことができ、自動的かつ完璧に動作し、人的エラーを防ぎ、疲労をほ
とんど生じず、多少の疲労が生じていても継続して動作し、不完全な状態で製造された構
成要素がある場合でも機能し、様々な数のスケジュール要素に合わせることができる。

構成要素の寸法、各構成要素の数の比率、各構成要素の配置は、例示した実施形態の適
切な動作に寄与する。このセクションに例示される実施形態の構成要素は、蓋１０４、ス
ケジュール表示部２０２、円筒形容器１０２の相対的な回転角度を規定すべく寸法が決定
される。したがって、各種構成要素の長さや寸法及び各構成要素間の間隔は、特定のサイ
ズや大きさとしてではなく、例示した実施形態の中心軸を中心とする円弧の、中心角の大
きさとして記載される。中心軸は、その実施形態の中心を通る仮想的な垂直線である。例
示した実施形態において、縦方向の位置が異なる場合がある２つの構成要素間の回転距離
は、横方向の弧を用いて記述する。

例示した実施形態では、各ボス機構部２２０の前縁２２８から止め部２３２までの横方
向円弧の中心角および突起４０６に対する逆止機構部５０２の配置により、蓋１０４が円
筒形容器１０２に取り付けられる毎にスケジュール表示部２０２に沿って回転する度数が
決定される。

突起４０６に対する蓋側ラチェットホイール４０２の回転方向位置と、逆止機構部５０
２に対するスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８の回転方向位置は、蓋側ラチ
ェットホイール４０２がスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８と完全に噛み合
ったとき、突起４０６の前縁面４０８が逆止機構部５０２の一部である当接面５０６と垂
直に整列するように定められている。蓋１０４が円筒形容器１０２に取り付けられ、時計
回りに回転されると、逆止機構部５０２の一部である当接面５０６はボス機構部２２０の
前縁２２８に接し、これにより、インジケータのさらなる回転が防止される一方、蓋１０
４は突起４０６が止め部２３２に到達するまで回転を続ける。蓋１０４は、このように、
各ボス機構部２２０の前縁２２８から止め部２３２までの横方向円弧と同じ度数分スケジ
ュール表示部２０２に沿って回転する。

ボス機構部２２０の形状は、蓋１０４の取り付け回数が所定の回数に達するまで蓋１０
４がスケジュール表示部２０２に沿って前進したときに、蓋１０４がスケジュール表示部
２０２に対し３６０度回転し、開口部１１０の中心が最初のスケジュール要素上に再び配
置されるように、調整されている。蓋１０４の開口部１１０の、その下側に配された蓋側
ラチェットホイール４０２に対する回転方向位置と、スケジュール要素の、スケジュール
表示部側ラチェットホイール２０８に対する表示面２０６回りの位置とは、蓋側ラチェッ
トホイール４０２がスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８と噛み合ったときに
開口部１１０の中心が一のスケジュール要素２０４上に来るように定められている。

例示した実施形態における、各ボス機構部２２０の前縁２２８と止め部２３２との間の
横方向円弧の中心角は、３６０度の単位分数（分子＝１で分母＝整数の分数）である。こ
のため、蓋１０４と、したがって開口部１１０とは、各取り付けサイクルの間に３６０度
の単位分数分だけ前進する。蓋１０４が、各ボス機構部２２０の前縁２２８と止め部２３
２との間の中心角の単位分数の分母に等しい回数だけ円筒形容器１０２から取り外されて
取り付けられると、蓋はスケジュール表示部に沿って３６０度分前進する。

ボス機構部２２０のサイズは、所望のスケジュール要素の数に合わせて調整されている
。例示した実施形態では、スケジュール要素は、３６０度をスケジュール要素の数で除算
した増分で、スケジュール表示部２０２に等間隔で配置され、前縁２２８から止め部２３
２までの横方向の円弧の中心角も、３６０度をスケジュール要素の数で割った角度に等し
くなるように、ボス機構部２２０のサイズが調整されている。したがって、各取り付けサ
イクルにおいて、開口部１１０は、１つのスケジュール要素の中心から次のスケジュール
要素の中心に正確に前進する。

例示した実施形態では、ボス機構部２２０のサイズならびに逆止機構部５０２の間隔お
よび数も、各取り付けサイクルの終わりに、関連する構成要素がそれぞれ再配置されて次
の取り付けサイクルに向けた準備が整うように定められている。

例示した実施形態の逆止機構部５０２は、各ボス機構部２２０の前縁２２８と止め部２
３２との間の横方向円弧の中心角に等しい度数の増分で、スケジュール表示部２０２の周
囲に等間隔に配置されている。これは、各サイクルの間に蓋１０４がインジケータの回り
を回転する度数でもある。蓋１０４が円筒形容器１０２に当てられ、取り付けのために時
計回りに回転されると、各突起４０６の前縁面４０８は、一の逆止機構部５０２の当接面
５０６と垂直に整列した状態で動作を開始する。逆止機構部５０２がこのように間隔をも
って配置されているので、蓋１０４上の各突起４０６は、回転した後、各サイクルの終わ
りには、上記と同様に、連続した次の逆止機構部５０２と垂直に整列した状態となる。こ
れにより、蓋１０４とスケジュール表示部２０２とは、次のサイクルに向けて整列される
。

逆止機構部５０２、突起４０６、ボス機構部２２０の数も、整合がとられている。サイ
クルとサイクルとの間において、各突起４０６は、逆止機構部５０２に対して整列される
。各サイクルの間において、突起４０６は前進し、それぞれ、連続する次の逆止機構部５
０２に対して整列する。その後のサイクルで、各突起４０６は、直前に一つ前の突起と整
列していた逆止機構部５０２と整列することとなる。このプロセスを無限に継続させるた
めの逆止機構部５０２の数は、突起４０６の数の整数倍である。

例示した実施形態では、逆止機構部５０２の数は、突起４０６の数の整数倍となってい
る。突起４０６の数は、ボス機構部２２０の数と同じである。したがって、逆止機構部５
０２の数もボス機構部２２０の数の整数倍となっている。

各取り付けサイクルにおいて、開口部１１０は、連続するスケジュール要素のうちの次
のスケジュール要素の中心が来るまで回転し、突起４０６は、それぞれ、連続する次の逆
止機構部５０２と整列するまで回転する。このため、スケジュール要素２０４および逆止
機構部５０２は、スケジュール表示部２０２上に同じ度数間隔で配されており、したがっ
て、それらの数も同じである。またこのため、スケジュール要素２０４の数も、円筒形容
器１０２上のボス機構部２２０の数の整数倍である。

歯２１０および４０４の数も、スケジュール要素２０４及び逆止機構部５０２の数、並
びにボス機構部２２０の形状と整合がとられている。歯２１０および４０４の数は、スケ
ジュール要素２０４および逆止機構部５０２の数の整数倍である。各サイクルの初めにお
いて、蓋側ラチェットホイール４０２とスケジュール表示部側ラチェットホイール２０８
とは、完全に噛み合った状態である。歯の数が逆止機構部５０２の数の整数倍であるため
、蓋１０４が１サイクル前進すると、蓋側ラチェットホイール４０２およびスケジュール
表示部側ラチェットホイール２０８は、歯一つ分だけ回転して、各サイクルの終わりで完
全に噛み合った位置となる。そして、開口部１１０は、一のスケジュール要素２０４の中
心に配される。蓋側ラチェットホイール４０２およびスケジュール表示部側ラチェットホ
イール２０８は、完全に噛み合った位置にあるので、蓋を円筒形容器１０２から取り外す
目的で蓋１０４を反時計回りに回転させた場合でも、ずれることなく相互の関係を保ちな
がら回転する。

例示した実施形態では、人的エラーを防ぐため、スケジュール要素にそれぞれラチェッ
トホイールの歯を１つ備えている。歯の数をスケジュール要素につき１つよりも多くする
と、ラチェットホイールの歯の先端が互いの上を摺動する毎に、ユーザはひっかかりを感
じる。歯が互いの上を摺動する感覚は、突起が突起用切欠部に嵌り込んだときに、蓋の取
り付け過程が完了した感覚と混同されることが多い。蓋１０４およびスケジュール表示部
２０２に対する蓋側およびスケジュール表示部側ラチェットホイール４０２および２０８
の回転方向位置は、人が、蓋１０４を円筒形容器１０２に取り付ける際に、突起４０６が
突起用切欠部２３０に滑り入るのと同時に、蓋側およびスケジュール表示部側ラチェット
ホイール４０２および２０８が嵌り込むのを感じるように定められている。

さらに、人が蓋１０４を取り付けようとして正しく取り付けられず、突起４０６が突起
用切欠部２３０まで摺動しなかった場合、蓋側およびスケジュール表示部側ラチェットホ
イール４０２および２０８の歯は摺動して互いに通過することはなく、蓋１０４および開
口部１１０が誤ってスケジュール表示部２０２に沿って前進することはない。さらに、ス
ケジュール表示部２０２の内側縁７０２における圧縮により蓋側およびスケジュール表示
部側ラチェットホイール４０２および２０８がともに押されると、歯は元の位置に戻り、
これにより意図しない指示が防止される。したがって、蓋１０４は、蓋が正しくかつ完全
に円筒形容器１０２に取り付けられた場合にのみ指示を行う。この説明により、例示した
実施形態が、自動的かつ正確に機能し、人的エラーを防ぐことがわかる。したがって、人
が意識的に努力または制御することなく、例示した実施形態が指示を行うことがわかる。
このように、例示した実施形態は、従来技術とは異なり、蓋を円筒形容器に付けようとし
て付けられなかったことによる人的エラーを招きにくい。

また、例示した実施形態は、製造時の欠陥や機構の疲労があっても、蓋１０４が円筒形
容器１０２に取り付けられる度に正確に１つの指示を行うよう設計されている。これらの
ばらつきがあっても機構の正確さを確保するために、例示した実施形態におけるラチェッ
トホイールの歯は、一般的なラチェットホイールの歯から変更を加えたものになっている
。一般的なラチェットホイールの歯は、連続的であり、各歯の係合面は、底面に対して９
０度または摺動面から離れる方向に傾斜している。例示した本発明に係る実施形態では、
ラチェットホイールの歯の係合面８０５は、摺動面８０７に向かってわずかに傾斜してい
る。これらは相補関係にあるので、ラチェットホイールの歯の係合面８１５も摺動面８１
７に向かってわずかに傾斜している。より詳細には、係合面８０５と蓋側ラチェットホイ
ールの底面８０８との間の内角および係合面８１５とスケジュール表示部側ラチェットホ
イールの底面８１８との間の内角は鋭角である。この傾斜により、所望の数の歯を維持し
つつ、ラチェットホイールの歯の先端を互いに通過させて前進させるべく蓋１０４がスケ
ジュール表示部２０２に沿って回転するのに必要な距離が短縮される。

蓋１０４が円筒形容器１０２に取り付けられると、ラチェットホイールの歯の先端が互
いを通過し、突起４０６がボス機構部２２０の止め部２３２に到達して突起用切欠部２３
０に引き込む直前に、蓋１０４がスケジュール表示部２０２に対して適切な位置にカチリ
と入り込む。突起４０６が突起用切欠部２３０に嵌り込む前に蓋１０４がスケジュール表
示部２０２に対して適切な位置で入り込むように動作が順に進むため、例示した実施形態
では、次のスケジュール要素を正しく表示するために必要な精度が緩和される。これによ
り、薬取出し容器は、ユーザおよび製造時のばらつき、ならびに使用による疲労があって
も正しく機能することができる。

蓋１０４の蓋側ラチェットホイール４０２がスケジュール表示部２０２のスケジュール
表示部側ラチェットホイール２０８に対して適切な位置に嵌り込むタイミングと、突起４
０６が円筒形容器１０２の突起用切欠部２３０に対して適切な位置に嵌り込むタイミング
との差は十分に小さいので、一般のユーザはそれらのタイミングの違いを感知できない。
したがって、例示した実施形態では、蓋１０４を円筒形容器１０２に取り付ける際にワン
クリックであるとユーザが感じるような、望ましく、馴染みのある感触が維持される。

上述のイベント間の間隔は十分に短いので、蓋１０４を円筒形容器１０２に取り付ける
際、一般の人は、突起４０６をボス機構部２２０の止め部２３２まで回転させる動作を完
了させることなく蓋側およびスケジュール表示部側ラチェットホイール４０２および２０
８のラチェットホイールの歯を前進させてサイクルを完了させることは通常できない。し
たがって、例示した実施形態では、蓋１０４が正しく円筒形容器１０２に取り付けられた
場合にのみ、表示されるスケジュール要素が前進する、という望ましい特性が維持される
。さらに、ラチェットホイールの歯の係合面８０５および８１５の傾斜は十分に小さいの
で、蓋１０４が反時計回りに回転されて円筒形容器１０２から取り外されたときにも係止
機能は妨げされない。

例示した実施形態において指示を行うために用いられている機構は、ほとんどの一般的
な処方薬の用法に適合するよう設計されている。ほとんどの処方箋は、毎日正しい数の錠
剤を使用することを指示する。ユーザが毎日の予定を守るようにするために、薬取出し容
器は、各曜日の各服用ごとにスケジュール要素を備える。したがって、スケジュール要素
の必要数は、多くの場合、７つの曜日の倍数である。

スケジュール要素２０４の数は、円筒形容器１０２のボス機構部２２０の数の整数倍で
ある。このため、例示した実施形態は、７個のボス機構部２２０と１４個のスケジュール
要素２０４とを備えるように設計されている。各ボス機構部２２０の前縁２２８から止め
部２３２までの横方向円弧の中心角は、３６０度の１４分の１である。したがって、蓋１
０４は、各サイクルにおいてスケジュール表示部２０２全周の１４分の１だけ前進する。
図５に示すスケジュール表示部２０２は、各曜日に午前１回目と午後２回目の、１日につ
き２回の服用を行うように調整されたスケジュール要素２０４を有する。１日１回の服用
に調整された他の実施形態では、ボス機構部２２０、突起４０６、ラチェットホイールの
歯およびスケジュール要素の数は同じである。なお、スケジュール要素は、それぞれが各
曜日について１つのスケジュール要素を備える、２つの連続する７日間分のシーケンスで
構成することもできる。

例示した実施形態で用いられている機構では、ボス機構部２２０の寸法、並びに逆止機
構部５０２、ラチェットホイールの歯、およびスケジュール要素２０４の調整された数は
、他の処方計画に合わせて設計することができる。

例えば、１日に３回の服用のために設計された他の実施形態では、７個のボス機構部と
２１個のスケジュール要素を備え、各曜日につき３回の服用毎にそれぞれ１個のスケジュ
ール要素が割り当てられる。ボス機構部は、各ボス機構部の前縁から止め部までの横方向
円弧の中心角が３６０度を２１で除算した角度であるように調整される。週７日間とは相
関のない予定に適合させるために、他の実施形態では、異なる数のボス機構部を用いても
よい。例えば、１日の時間および１年の月の数は６の倍数なので、６個のボス機構部を有
する円筒形容器を用いて、時間ごとおよび月ごとの予定に調整することができる。

本発明の実施形態は、現在利用可能な装置に対して、機構上の利点を有する。第１に、
本発明の実施形態は、１週７日間の倍数である任意の数のスケジュール要素に効果的に調
整することができ、したがって、ほとんどの処方計画に合わせることができる。また、本
発明の実施形態は、正しい指示に調整するための、手動の手段を提供する。これは、イン
ジケータを第１回目の服用の正しい日時に設定する際に特に有用である。本発明の実施形
態は、一般に認められた、子供が開けられない形式を含み、気密であり、非標準的な方法
を用いることなく蓋を円筒形容器に取り付けることができる。

本発明の或る実施形態に用いられる機構は、人による意識的な努力または制御を必要と
することなく、正確な指示を行うことができる。また、表示されたスケジュール要素は、
蓋が円筒形容器に正しく取り付けられない限り前進しないので、人的エラーをなくすこと
ができる。さらに、表示されたスケジュール要素は、一度に１つのスケジュール要素分だ
け前進し、各サイクルの終わりに自動的に次のサイクルのための再配置が行われる。

さらに、本発明の実施形態は、構成要素を引っ張ったり曲げたりしないので、使用によ
る疲労を発生しにくい。いずれの構成要素も、すぐに疲労または破壊しやすい薄いプラス
チック製の延長構造を含まない。また、本発明の実施形態は過度の疲労を生じないことに
加え、なんらかの材料の疲労があったとしても正確に機能するように構成されるので、さ
らに安全性を高めることができる。

さらに、例示した実施形態の各構成要素は、単純な型を用いてすぐに大量生産すること
ができる。また、例示した各実施形態は、３つの部分として製造することができ、かつ、
市販された薬瓶の一般的な実施形態が製造される材料と同じもので製造することができる
。さらに、本実施形態によって用いられる指示手段は、製造精度のばらつきにかかわらず
正しく機能するように構成されている。

本発明を特定の実施形態に関して説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定される
ことを意図したものではない。当業者にとり、変更が可能であることは明らかである。例
えば、上述したように、異なる数のスケジュール要素を提供するために、他の実施形態に
おいて、ラチェットホイールの歯、逆止機構部、ボス機構部、突起、およびスケジュール
要素の数を変更することができる。他の実施形態では、スケジュール表示部の最初の要素
を設定するために、図５を参照して説明した把持部５１２および５１４の代わりに、蓋に
対してスケジュール表示部を回転させる手段を用いることができる。ある実施形態におい
て、初期スケジュール要素設定用部品と相補的に働く機構を用いて、薬剤師または他の医
療従事者によって確実に予定が設定されるようにすることもできる。上述したように、ス
ケジュール要素は、時間、曜日、日付、および次回の投薬を定めるその他の指標に関する
様々な異なる種類の情報を含む。スケジュール要素は、成型、エンボス加工、印刷または
その他の方法で、スケジュール表示部の縁部の外壁に配置される。各構成要素の寸法およ
び形状は、上述したように協働する限りにおいて、実施形態ごとに異なるものとすること
ができる。蓋、スケジュール表示部、および円筒形容器は、周知のポリマー材料のいずれ
を用いて製造されてもよく、基本的に任意の色、透明度、剛性、柔軟性、およびこのよう
な他の特性およびパラメータを有することができる。円筒形容器と蓋は、薬局および薬剤
師による情報の追加を容易にするための追加の情報表示機構その他の、追加の機構部分を
含んでもよい。

開示した実施形態に関する上記の説明は、この開示物を当業者が製造または使用できる
ようになされたものである。これらの実施形態には種々の変更が可能であることは当業者
には明らかであり、本明細書に示した包括的な原理は、本開示の意図または範囲を逸脱す
ることなく他の実施形態に適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に示
した実施形態に限定することを目的とするものではなく、本明細書に開示された原理およ
び新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲で認められるべきである。

Claims (1)

1. スケジュール要素表示用の開口部を有する円筒形の縁部と、ラチェットホイールと、を有する円盤状の蓋であって、その下端から半径方向内側に延出する複数の突起を有する蓋と、
   前記蓋内に取り付けられて蓋−スケジュール表示部アセンブリを構成する円盤状のスケジュール表示部であって、スケジュール要素が配置された外側表示面を有する円筒形の縁部と、前記蓋のラチェットホイールと相補関係を有するラチェットホイールと、内表面に設けられた１つ以上の把持部と、前記円筒形の縁部の内表面から延出する逆止機構部と、を有するスケジュール表示部と、
   外表面に等間隔で配置されたボス機構部を有し、前記蓋−スケジュール表示部アセンブリが取り付けられる円筒形容器であって、前記ボス機構部は、前記突起および前記逆止機構部と協働して、前記蓋を子供が開けられないように止めるとともに、前記蓋が取り外されて再度取り付けられる度に、表示されるスケジュール要素を１要素分前進させるものである、円筒形容器と、
   を備える薬取出し容器。

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