JP2013530987A - 種々のアミロイドβペプチドアロフォームレベルの調節における組成物及びその使用 - Google Patents

種々のアミロイドβペプチドアロフォームレベルの調節における組成物及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は式(I):
(A)-(B)-(C)-(D) (I)
に対応する構造を有する新規の化合物又は医薬上許容されうるその塩もしくはそのプロドラッグ、ならびに、それらを用いた方法を提供する。

Description

本願全体で種々の刊行物を引用する。本発明の属する技術の現状水準をより完全に説明するためにこれらの刊行物の開示の全体を参照により本願中に取り込む。
発明の分野
本発明は化合物、かかる化合物のプロドラッグ、かかる化合物及びかかる化合物のプロドラッグを含む医薬組成物、ならびにそれらの使用方法に関する。1つの態様において、本発明の化合物はAβ42などの特定のアミロイド−β(Aβ)ペプチドアロフォーム(alloform)レベルの調節に有用である。別の態様において、本発明の化合物は、アルツハイマー病、及び、脳血管アミロイドーシス又は脳アミロイド血管症(CAA)に関連する出血性脳卒中、例えば、アミロイドーシス付随遺伝性脳出血−オランダ型(HCHWA−D)などの様々な神経変性疾患を含む、特定のAβペプチドアロフォームのレベル変化に関連する疾患の治療に有用である。
発明の背景
アルツハイマー病(AD)は進行性神経変性疾患であり、65歳を超える人の認知症の主原因である。ADは、脳の特定領域の神経細胞が大量に有意に失われること、細胞内対らせん状細線維(神経原線維タングルと呼ばれる)を含む神経細胞類似構造が豊富になること、及び、神経突起/Aβ−斑又は散在性/Aβ−沈着と呼ばれる、AD患者の脳内にタンパク性物質が細胞外沈着することを神経病理的に特徴とする。神経突起/Aβ−斑及び散在性/Aβ−沈着の主なタンパク質成分は、Aβ42として知られるAβの特異的ペプチドアロフォームである。Aβ42集積の増大は、ADの発病に顕著に寄与し、更に、様々な他の脳アミロイドーシス及び神経障害(例えば、ダウン症候群(DS)、アミロイドーシス付随遺伝性脳出血−オランダ型(HCHWA−D)、脳アミロイド血管症(CAA)及び軽度認知障害(MCI)など)に関連すると仮定されている。
ADにAβ42ペプチドの集積が関与しているとする最も重要な証拠の1つは、Aβの生成の増加をもたらし、そして特定のタイプの遺伝性AD(家族性AD又はFAD)を説明する種々の変異体の識別から得られる。FADの個体はすべてのAD症例の<10%を構成し、そして一般に、散発性AD患者よりもずっと早期に疾患の兆候を示す。
すべてのAβペプチドは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク分解プロセッシングによって得られる。第21染色体上のAPP遺伝子から発生したmRNAは選択的スプライシングを経て、数種類のアイソフォームを与え、これらのうち3種類(APP695、751及び770アミノ酸アイソフォーム)は脳内又は脳血管内で優勢である。主要なAPPアイソフォームは、細胞外アミノ末端ドメイン(596〜687アミノ酸)、及び細胞内輸送シグナルを含む細胞質内末端(約80〜99アミノ酸)からなる、1回膜貫通型タンパク質である。APP内で、Aβペプチド配列は、一部は細胞膜に対して細胞外側に位置し、一部は膜貫通領域中まで伸びている。
APPは恒常的な分泌経路によって輸送される。このとき、APPは、アミロイド形成性経路又は副経路経路のいずれかである2種類の明確なプロセッシング経路を介するタンパク分解を含む、転写後プロセッシングを受ける。アミロイド形成性経路において、APPはβ−セクレターゼ−1(BACE−1)又はカセプシンDのいずれかによって、Aβペプチドのアミノ末端を画定するAβドメイン先頭で切断される。これらのAβペプチドは長さが約34〜42アミノ酸と様々である。BACE1又はカセプシンDのいずれかによるAPPの切断によって、可溶性アミノ−末端断片であるsAPPβ、及び、(C99)で参照される約99アミノ酸長さのアミロイド形成性カルボキシル−末端断片が生成する。プレセニリン依存性のタンパク分解性錯体であるγ−セクレターゼによるC99のさらなるタンパク分解により、AICDと呼ばれる細胞内ドメイン及び種々の長さの多数の異なるAβペプチド(例えば、Aβ34、Aβ37、Aβ38、Aβ39、Aβ40及びAβ42)を生じる。別のプロセッシング経路において、APPはAβドメイン内でα−セクレターゼにより切断されて、可溶性アミノ−末端断片であるsAPPα、及び、(C83)で参照される約83アミノ酸長さのカルボキシル−末端断片が生成する。このα−セクレターゼによるAPPのタンパク分解はそのままの完全長Aβペプチド(例えば、Aβ34、Aβ37、Aβ38、Aβ39、Aβ40及びAβ42)の生成を不可能とし、このことは、それぞれAPP及びC99に対するBACE−1又はカセプシンD及びγ−セクレターゼの活性の組み合わせを特に要求する。
ADの脳の神経突起/Aβ−斑又は散在性/Aβ−沈着に見出される優勢なAβペプチドアロフォームは、Aβ42ペプチドである。Aβ42は、ADの脳に最初に脳斑に沈着される種であり、インビトロで非常に凝集しやすい傾向がある。従って、Aβ42種を特に生成する役割を担う酵素は、過度のAβ42生成及び/又は集積を特徴とする疾患又は障害を治療法の開発における、見込みのあるターゲットであろう(Selkoe, DJ Alzheimer’s disease: genes, proteins and therapy [review] Physiol. Rev. 2001; 81:741-766)。
現在、AD病変形成の進行を防止し又は遅延させるための治癒的な又は有効な治療法はなく、アリセプト(Aricept)、エクセロン(Exelon)、コグネックス(Cognex)、レミニール(Reminyl)及びメマンチン(Memantine)などのわずかなFDA認可薬物も、せいぜい緩和治療である。脳のAβ42集積とADにおける神経細胞損失との十分に確立された相互関係に基づけば、より短いAβペプチド種のレベルに対するAβ42レベルを低減させること、それにより、おそらく病原性であるAβ42種レベルを優先的に低減することは、細胞外Aβ42沈着を低減させ(それにより、散在性Aβ−沈着及び神経突起/Aβ−斑の生成を低減させる)、そしてADにおける神経細胞死を最少限にする合理的なアプローチである。
Aβ42を含むAβペプチドレベルを調節する化合物の医学的必要性が存在する。かかる化合物はADなどの種々の神経変性疾患の治療に有用であるだろう(Imbimbo, BP Therapeutic potential of gamma-secretase inhibitors and modulators Curr Top Med Chem 2008; 8:54-61)。
本発明の化合物は、以前に記載されたこの一般的なクラスの化合物(米国特許第7,244,739号明細書−アミロイド−βの調節における化合物及びその使用、2007年、米国特許庁)と比較して、化合物が投与された被験者の脳内で有益なレベルを達成する改良された能力を示すことが期待されるので特に有利である。本明細書中に記載される新規の化合物、特に、切断性ホスホノメトキシ部分を含む化合物は水性溶剤中の有意な溶解度の結果として前臨床及び臨床開発手順に大きな可能性があるだろう。
発明の概要
本発明によると、様々な治療用途に有用である新規の化合物が発見された。
本発明の1つの態様において、特異的Aβペプチドアロフォーム(alloform)の相対レベルを調節するのに活性を有する化合物が提供される。結果として、かかる化合物は、Aβ42の異常レベルに関連する疾患及び/又は特異的Aβペプチドアロフォームの相対レベルの調節が治療効果を提供するあらゆる病態を治療するのに応用可能である。本発明の1つの態様において、本明細書中の化合物はADなどの神経変性疾患の治療に有用である。
1つの態様において、本発明はまた、式(I)
(A)−(B)−(C)−(D) (I)
の構造を有する化合物及び医薬上許容されうるその塩又はそのプロドラッグを提供する。上式中、
Aは、
Figure 2013530987
(上式中、各Eは独立にN、NR、C又はCR1であり、ただし、2つ又は3つのEはN又はNRであり、
Nは窒素であり、Cは炭素であり、Rは水素、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換シクロアルキル、又は、置換もしくは未置換アリールであり、
各R1 は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換シクロアルキル、又は、置換もしくは未置換アリールである)であり、
Bは、
Figure 2013530987
(上式中、各Gは独立にCR2であり、
各R2 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基、又は、置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である)であるか、
Bは
Figure 2013530987
(上式中、各Gは独立にCR3aであり、
各R3a は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基、又は、置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である)であるか、
Figure 2013530987
(上式中、各Gは独立にCR3b であり、
各R3b は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基、又は、置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である)であるか、又は、
Figure 2013530987
(上式中、各Gは独立にCR3cであり、
各R3c は独立に水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基、又は、置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である)であり、
Cは
Figure 2013530987
(上式中、R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール、又は、置換もしくは未置換アルコキシである)であり、そして
Dは、
Figure 2013530987
(上式中、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル、又は、置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
R6a 及びR6b は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル、又は、置換もしくは未置換シクロアルキルである)であるか、
Figure 2013530987
(上式中、R7 は水素、置換もしくは未置換アルキル、又は、置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
Mは独立にCHR8であり、
各R8 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、又は、置換もしくは未置換アルコキシである)であるか、又は、
Figure 2013530987
(上式中、R9 は水素、ハロゲン、又は、置換もしくは未置換アルキルであり、
Jは独立にCH又はNであり、
Zは独立にCHR10であり、
各R10 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、又は、置換もしくは未置換アルコキシである)である。
本発明は、また、高度原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチドレベルの調節方法であって、アミロイド前駆体タンパク質(APP)カルボキシル−末端断片(CTF)又はその断片をタンパク分解するプロテアーゼを、有効量の本発明の化合物と接触させて、原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチドレベルを調節することを含む、方法を提供する。
本発明は、また、Aβ38又はAβ37の生成の促進方法であって、アミロイド前駆体タンパク質(APP)カルボキシル−末端断片(CTF)又はその断片をタンパク分解するプロテアーゼを、有効量の本発明の化合物と接触させて、Aβ38又はAβ37の生成を促進することを含む、方法を提供する。
図1は進化形(advance)中間体の化学構造を示す。 図2は新規のGSM化合物の化学構造を示す。 図3はウェスタンブロット分析であり、GSM41がNOTCHタンパク分解を阻害しないことを示す。安定なH4ヒト神経膠腫細胞過剰発現ヒトAPP751 (H4-APP751 細胞)に、NδED コンストラクト(レーン1-6)を形質移入し、その後、ビヒクル(DMSO; レーン1-2 対照)、500nM GSM41 (試験化合物)、又は500nM DAPT (レーン5-6、γ−セクレターゼの阻害剤)でさらに24時間処理した。さらに、H4-APP751細胞に、NICDコンストラクト(NICDの対照、レーン7-8)を形質移入した。細胞を形質移入後の48時間で採取し、そしてウェスタンブロット分析に付した。Myc抗体を用いて、N−末端でのMyc タグ付きNδED及びNICDを評価した。β-アクチンをローディングコントロールとして用いた。DAPT はNICDレベルを低下させたが、対照(レーン1-2)と比較して、GSM41はNICDレベルを変化させなかった。結果はNICD生成がGSM化合物41によって阻害されないことを示す。
発明の詳細な説明
特に規定しないかぎり、本明細書中に使用されるすべての技術及び科学用語は本発明の当業者が一般に理解しているのと同一の意味を有する。本明細書中に引用するすべての特許、出願、公開出願及びその他の刊行物の全体を参照により本明細書中に取り込む。
I.本発明の化合物
本発明は、式(I): (A)-(B)-(C)-(D)(式I)の構造を有する新規の化合物(医薬上許容されうるその塩及びそのプロドラッグを含む)を提供する。
式Iの1つの実施形態において、Aは
Figure 2013530987
である。この実施形態において、各Eは独立に、N, NR, C又はCR1であってよく、ただし、2つ又は3つのEはN又はNRであり、Nは窒素であり、Cは炭素であり、Rは水素、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換シクロアルキル、又は、置換もしくは未置換アリールであり、各R1 は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換シクロアルキル、又は、置換もしくは未置換アリールである。
全体をとおして、上記のギザギザ線
Figure 2013530987
は式Iの (A)-(B)-(C)-(D)の他の部位への結合を意味する。
さらに、式Iにおいて、1つの実施形態において、Bは
Figure 2013530987
であってよい。本発明の実施によると、各Gは独立にCR2 であってよく、Cは炭素であり、各R2 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基であってよい。
別の実施形態において、式IのBは、
Figure 2013530987
であってよい。この実施形態において、Nは窒素であり、各G は独立に、CR3a であってよく、Cは炭素であり、そして各R3a は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である。
なおも別の実施形態において、式IのBは
Figure 2013530987
であってよい。この実施形態において、Nは窒素であり、各Gは独立にCR3b であってよく、Cは炭素であり、そして各R3b は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である。
なおもさらなる実施形態において、式IのBは
Figure 2013530987
であってよい。この実施形態において、Nは窒素であり、各G は独立にCR3c であってよく、Cは炭素であり、各R3c は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である。
さらに、式Iにおいて、1つの実施形態において,Cは
Figure 2013530987
であってよい。この実施形態において、Nは窒素であり、Sは硫黄であり、R4 は、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであってよい。Bは式Iの(A)-(B)-(C)-(D)の部位Bであり、そしてDは部位Dである。
さらに、式Iにおいて、1つの実施形態において、Dは
Figure 2013530987
であってよい。この実施形態において、Nは窒素であり、R5 は、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよく、R6a 及びR6b は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
別の実施形態において、式IのDは
Figure 2013530987
であってよい。この実施形態において、Nは窒素であり、R7 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよく、Mは独立にCHR8であってよく、 Cは炭素であり、そして各R8 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル又は置換もしくは未置換アルコキシである。
さらなる実施形態において、式IのDは
Figure 2013530987
であってよい。この実施形態において、R9 は水素(H)、ハロゲン又は置換もしくは未置換アルキルであってよく、Jは独立にCH又はNであってよく、Zは独立にCHR10であってよく、Cは炭素であり、Hは水素であり、そして各R10 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル又は置換もしくは未置換アルコキシであってよい。
本明細書で用いるときに、特定の元素の記載は、その元素のすべての同位体を包含することが意図される。例えば、ある基が水素原子又はHを含むと規定されている場合、その基は重水素及び/又は三重水素を含んでいてよい。
本発明の化合物は不斉中心を有していてもよく、特に指摘されていない限り、立体異性体の混合物として、又は、個々のジアステレオ異性体、又は、鏡像異性体として存在していてもよく、すべてのこれら異性体が本発明に包含される。本発明の化合物は、すべての配座異性体を包含する。本発明の化合物は、また、1つ又は複数の互変異性体として存在してよく、例えば単一の互変異性体及び互変異性体の混合物のいずれとして存在してよい。
語句「ヒドロカルビル(hydrocarbyl)」は、本明細書で提示される任意の分子に対して直接結合可能な炭素原子を有する、任意の有機基を示す。語句「置換ヒドロカルビル」は、以下で示す定義に従って置換されたヒドロカルビル基を示す。ヒドロカルビル基には、飽和及び不飽和ヒドロカルビル、直鎖及び分枝鎖の脂肪族ヒドロカルビル、環式ヒドロカルビル、並びに芳香族ヒドロカルビルが包含される。
語句「置換」は、ある原子又は原子団が別の置換基で置き換えられていることを示す。語句「置換」には、任意のレベルの置換、例えば、かかる置換が化学的に許容される、一、二、三、四、又は五置換が包含される。置換は、化学的に利用可能な任意の位置及び任意の原子で起こってもよく、例えば、炭素原子又はヘテロ原子での置換などがある。例えば、置換化合物は、化合物に含まれる水素又は炭素原子(単数又は複数)に対する1つ又は複数の結合が、非水素原子及び/又は非炭素原子に対する結合で置換されているものである。
語句「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を含むヒドロカルビル鎖を示す。語句「アルキル」には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの直鎖アルキル基が包含される。この語句には直鎖アルキル基の分枝鎖異性体もまた包含され、限定するわけではないが、例示として挙げる以下のものが挙げられる:--CH(CH3)2、--CH(CH3)(CH2CH3)、--CH(CH 2CH3)2、--C(CH3)3、--C(CH2CH3)3、--CH2CH(CH3)2、--CH2CH(CH3)(CH2CH3)、--CH2CH(CH2CH3)2、--CH2C(CH3)3、--CH2C(CH2CH3)3、--CH(CH3)CH(CH3)(CH2CH3)、--CH2CH2CH(CH3)2、--CH2CH2CH(CH3)(CH2CH3)、--CH2CH2CH(CH2CH3)2、--CH2CH2C(CH3)3、--CH2CH2C(CH2CH3)3、--CH(CH3)CH2CH(CH3)2、--CH(CH3)CH(CH3)CH(CH3)2及び--CH(CH2CH3)CH(CH3)CH(CH3)(CH2CH3)。このように、アルキル基には、第一級アルキル基、第二級アルキル基及び第三級アルキル基が包含される。好ましいアルキル基には、1〜16個の炭素原子又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルが包含される。
本発明の実施によると、未置換アルキル基には、限定するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル又はtert-ブチル基が包含される。また、1つの実施形態において、未置換アルコキシ基はメトキシ基であってよい。さらに、1つの実施形態において、未置換シクロアルキル基はシクロプロピル基であってよい。また、1つの実施形態において、未置換アルキルスルフィニル基はメチルスルフィニル基であってもよい。また、1つの実施形態において、未置換アルキルスルフィドはメチルスルフィド基であってよい。
語句「置換アルキル」は、上記した定義に従って置換されているアルキル基を示す。「置換アルキル」の例には、限定するわけではないが、ハロゲン原子(単数又は複数)、例えばトリフルオロメチル;基中に酸素原子(単数又は複数)、例えばヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基及びエステル基;基中に硫黄原子、例えばチオール基、アルキルスルフィド基及びアリールスルフィド基、スルホン基、スルホニル基、並びにスルホキシド基;基中に窒素原子、例えばアミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、N−アルキルオキシド、イミド及びエナミン;基中にケイ素原子、例えばトリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基及びトリアリールシリル基;及び、その他さまざまなヘテロ原子で、炭素又は水素原子(単数又は複数)が置換されたものが包含される。加えて、置換アルキル基は1つ又は複数の炭素原子(単数又は複数)に結合されてもよい。
語句「アルケニル」は2〜20個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合(−C=C−)を含むヒドロカルビル基を示す。語句「アルケニル」には、直鎖アルケニル基、並びに、直鎖アルケニル基の分枝鎖異性体が包含される。好ましくは、アルケニル基は1〜8個の二重結合を含む。語句「置換アルケニル」は、上記した定義に従って置換されているアルケニル基を示す。
語句「アルキニル」は2〜20個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合(−C≡C−)を含むヒドロカルビル基を示す。語句「アルキニル」には、直鎖アルキニル基、並びに、直鎖アルキニル基の分枝鎖異性体が包含される。好ましくは、アルキニル基は1〜8個の三重結合を含む。語句「置換アルキニル」は、上記した定義に従って置換されているアルキニル基を示す。
語句「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子を有し、化学的に許容される量の飽和又は不飽和結合を含む脂環式部分を示す。好ましくは、シクロアルキル基は3〜7個の炭素原子を含む。シクロアルキル基には、限定するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが包含される。語句「置換シクロアルキル」は、上記した定義に従って置換されているシクロアルキル基を示す。置換シクロアルキル基は、直鎖又は分枝鎖アルキル基で置換された原子を1つ又は複数個有していてよく、縮合環などその他の環で置換されたシクロアルキル基が更に包含されうる。縮合環で置換されているシクロアルキル基の例は、限定するわけではないが、アダマンチル、ノルボルニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、デカリニル、テトラヒドロナフチル及びインダニル、ボルニル、カンフェニリル、イソカンフェニリル及びカレニル基を包含する。代表的な置換シクロアルキル基は一置換又は複数回置換されていてよく、例えば、限定するわけではないが、2,2−、2,3−、2,4−、2,5−もしくは2,6−二置換シクロヘキシル基、又は、一、二又は三置換されたノルボルニルもしくはシクロヘプチル基であってよく、それは、例えば、アルキル、アルコキシ、アミノ、チオ又はハロ基などで置換されうる。
語句「シクロアルキレン」は3〜20個の炭素原子を含む二価のシクロアルキル基を示し、「置換シクロアルキレン」は上記で挙げたような1つ又は複数の置換基を更に有するシクロアルキレン基を示す。
語句「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」、「複素環式(heterocyclic)」又は「ヘテロサイクル(heterocycle)」は、環構成要素の少なくとも1つがヘテロ原子である、非芳香族環式ヒドロカルビル化合物を示す。複素環式基は3〜20個の環構成要素を含有し、その1つ又は複数個がヘテロ原子(例えば、限定するわけではないが、N、O及びS)である、単環、二環及び多環の環式化合物を包含する。複素環式基には任意の飽和レベルのものが包含される。例えば、複素環式基には、窒素原子1〜4個を含有する不飽和3員〜8員環、窒素原子1〜4個を含有する飽和3員〜8員環、窒素原子1〜4個を含有する縮合不飽和複素環式基、酸素原子1〜2個及び窒素原子1〜3個を含有する不飽和3員〜8員環、酸素原子1〜2個及び窒素原子1〜3個を含有する飽和3員〜8員環、酸素原子1〜2個及び窒素原子1〜3個を含有する不飽和縮合複素環式基、硫黄原子1〜3個及び窒素原子1〜3個を含有する不飽和3員〜8員環が包含される。好ましいヘテロシクリル基は、5員又は6員環種を含有する。複素環式の例は、限定するわけではないが、モルホリン及びピペラジンを包含する。語句「置換ヘテロシクリル」又は「置換複素環式」は上記した定義に従って置換されているヘテロシクリル基を示す。
語句「ヘテロサイクレン(heterocyclene)」又は「ヘテロサイクリレン(heterocyclylene)」は3〜20個の炭素原子を含む二価の複素環式(すなわち環含有)基を示し、「置換ヘテロシクロアルキレン」は上記で挙げたような1つ又は複数の置換基を更に有するヘテロシクロアルキレン基を示す。
語句「アリール」は5〜20個の炭素原子を含み得る単環芳香族基を示す。アリール基は、限定するわけではないが、フェニル、ビフェニル、アントラセニル及びナフテニルを包含する。語句「置換アリール基」は上記した定義に従って置換されているアリール基を示す。例えば、置換アリール基は1つ又は複数の炭素原子(単数又は複数)、酸素原子(単数又は複数)、窒素原子(単数又は複数)及び/又は硫黄原子(単数又は複数)に結合していてもよく、当該アリール基のうち1つ又は複数の芳香族炭素が置換及び/又は未置換アルキル、アルケニルもしくはアルキニル基に結合しているアリール基をも包含する。これには、1つのアリール基の炭素原子2個が、アルキル、アルケニル又はアルキニル基の原子2個に結合して、縮合環系(例えば、ジヒドロナフチル又はテトラヒドロナフチル)を画定するような結合配置が包含される。このように、語句「置換アリール」は、限定するわけではないが、トリル、ヒドロキシフェニルなどを包含する。
語句「アリーレン(arylene)」は3〜20個の炭素原子を含む二価アリール基を示し、「置換アリーレン」は上記で挙げたような1つ又は複数の置換基を更に有するアリーレン基を示す。
語句「ヘテロアリール」は炭素原子とN、S及びOなどのヘテロ原子とからなる3員〜20員の芳香族環、或いは、(ii)炭素原子とN、S及びOなどのヘテロ原子とを含有する8員〜10員の二環又は多環式の環系であって、二環式系の環のうち少なくとも1つが芳香族環であるものを示す。ヘテロアリール環は、どのヘテロ原子又は炭素原子に結合していてもよい。代表的なヘテロアリール化合物には、例えば、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、チオフェニル、チアゾリル、フラニル、ピリドフラニル、ピリミドフラニル、ピリドチエニル、ピリダゾチエニル、ピリドオキサゾリル、ピリダゾオキサゾリル、ピリミドオキサゾリル、ピリドチアゾリル、ピリダゾチアゾリル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ジヒドロピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば、4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル及び2H−1,2,3−トリアゾリル)、テトラゾリル(例えば、1H−テトラゾリル及び2H−テトラゾリル)、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル及び1,2,5−オキサジアゾリル)、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズオキサジニル(例えば、2H−1,4−ベンズオキサジニル)、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル及び1,2,5−チアジアゾリル)が包含される。語句「置換ヘテロアリール」は、上記した定義に従って置換されているヘテロアリール基を示す。
語句「ヘテロアリーレン」は1つ又は複数のヘテロ原子(例えば、N、O、Sなど)を芳香族環の一部として含有し、典型的には3〜20個までの範囲の炭素原子を有する、二価アリール基を示す。「置換ヘテロアリーレン」は上記で挙げたような1つ又は複数の置換基を更に有するヘテロアリーレン基を示す。
語句「アルコキシ」は酸素を含有する上記定義のアルキル又はシクロアルキル基を示す。
語句「アルキルアミド」は、−C(O)NR2(式中、Rは独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールなどである)を含む、上記定義のアルキル基を示す。更に、アルキルアミドには、RがNと共に環状構造を形成している実施形態も包含される。
語句「アミノ」は−NR2(式中、Rは独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールなどである)を示す。更に、アミノには、RがNと共に環状構造を形成している実施形態も包含される。
語句「アルキルアミノ」は上記定義のアミノ基を含む、上記定義のアルキル基を示す。
語句「ハロゲン」はF、Cl、Br又はIを示す。
ここで提示する実施形態には、AがBと共に、又はBがCと共に、縮合環系を形成している式(I)の化合物が包含される。語句「縮合環系」は、互いに縮合している二環又は三環、例えば二環式又は三環式環系を示す。代表的な縮合環系には、例えば、ナフチル、1−カルボリニルなど;並びに、置換環式系、例えばビフェニル、フェニルピリジル、ジフェニルピペラジニルなどが包含される。
1つの実施形態において、式(I)において、Aは
Figure 2013530987
であってよく、上式中、QはCH又はNのいずれかであってよい。
さらに、R1 はハロゲン又は置換もしくは未置換C1-C5 アルキルであってよい。
本発明の化合物のプロドラッグとしては、限定するわけではないが、構造式X及びXI:
Figure 2013530987
を有する化合物が挙げられる。式X又はXIの実施形態において、Xは水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基であってよく、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、R6a 及びR6b は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、Ra及びRbはC1− C6 アルキル基であり、そしてLはホスホノ基であってよい。
本発明の医薬上許容されうる塩には、限定するわけではないが、一塩酸塩が包含される。
本発明の実施形態において、化合物はNOTCHのγ−セクレターゼ媒介タンパク分解及びNOTCHシグナル伝達経路を阻害しない。
本発明の実施形態において、式Iの構造を有する化合物は式(II)の構造を有することができる。
Figure 2013530987
この実施形態において、R1 はハロゲン又は置換もしくは未置換C1-C5 アルキルであってよい。R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであってよい。R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。R6a 及びR6b は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
別の実施形態において、本発明の化合物は式(III)の構造を有してよい。
Figure 2013530987
この実施形態において、R1 はハロゲン又は置換もしくは未置換C1-C5 アルキルであってよい。R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであってよい。R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。さらに、R6a 及びR6b は、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
本発明の別の実施形態において、本発明の化合物は式 (IV)の構造を有してよい。
Figure 2013530987
この実施形態において、R1 はハロゲン又は置換もしくは未置換C1-C5アルキルであってよい。R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであってよい。R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。さらに、R6a 及びR6bは、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
本発明のなおも別の実施形態において、化合物は式 (V)の構造を有してよい。
Figure 2013530987
この実施形態において、R1 はハロゲン又は置換もしくは未置換C1-C5アルキルであってよい。R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであってよい。また、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。さらに、R6a 及びR6b は、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
さらに、式I、II、III、IV及び/又はVのDの部位を占める基としては、限定するわけではないが、以下のいずれかが挙げられる。
Figure 2013530987
別の実施形態において、式IVの化合物は下記構造を有する。
Figure 2013530987
この実施形態において、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよく、R6a 及びR6bは、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
なおもさらなる実施形態において、式VIの構造は、式 (VII)の構造を有する化合物である。
Figure 2013530987
この実施形態において、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
式(VII)の構造を有する特定の化合物としては、限定するわけではないが、下記のものが挙げられる。
Figure 2013530987
式(VI)の構造を有する特定の化合物としては、限定するわけではないが、下記のものが挙げられる。
Figure 2013530987
なおもさらなる実施形態において、式Vの構造は、式(VIII)の構造を有する化合物である。
Figure 2013530987
この実施形態において、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよく、そしてR6a 及びR6bは、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
なおもさらなる実施形態において、式VIIIの構造は、式 (IX)の構造を有する化合物である。
Figure 2013530987
この実施形態において、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであってよい。
式(IX)の構造を有する化合物の特定の実施形態としては、限定するわけではないが、下記のものが挙げられる。
Figure 2013530987
式(VIII)の構造を有する化合物の特定の実施形態としては、限定するわけではないが、下記のものが挙げられる。
Figure 2013530987
式(II)の構造を有する化合物の特定の実施形態としては、限定するわけではないが、下記のものが挙げられる。
Figure 2013530987
II.本発明の方法
本発明は、また、原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチド(例えば、Aβ2????)のレベル(量又は濃度を含む)の調節方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)カルボキシル−末端断片(CTF)又はその断片をタンパク分解するγ−セクレターゼなどのプロテアーゼを、有効量の本発明の化合物と接触させて、APP−CTF (例えば、Aβ42及びAβ40に関係)から、より長い原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチド(例えば、Aβ42及びAβ40)のレベルを低減させ、そして、(例えば、付随的に)より短い、より低い原線維形成性のAβペプチド(例えば、Aβ38及びAβ37)のレベルを増加させることを含む。
本発明は、また、特異的原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチド(例えば、Aβ42及び/又はAβ40)レベル増加に関連する疾患又は神経学的障害を治療する方法であって、疾患を治療するために有効な量の本発明の任意の化合物(式I〜XIの化合物のいずれか)を必要としている対象に投与することを含む方法を提供する。1つの実施形態において、疾患は対象中のAβのレベルを調節することにより治療される。本発明の実施によると、化合物はプロドラッグであってよい。
特異的原線維形成性Aβペプチドレベルの増加に関連する疾患の例としては、限定するわけではないが、アルツハイマー病、脳血管アミロイドーシス(HCHWA)又は脳アミロイド血管症(CAA)に関連する出血性脳卒中、特発性拡張型心筋症、ダウン症候群(DS)、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(LBD)、プリオン病、封入体筋炎(IBM)及びハンチントン病(HD)が挙げられる。
語句「アミロイド−β(ベータ)」又は「Aβ」は、(a)APP−CTFのプロセッシング又は切断によって生じ、アミロイド形成性である、(b)β−アミロイド斑のペプチド成分の1つである、(c)Aβの42アミノ酸の配列(APP770のアミノ酸672−713;ジェンバンク(GenBank)受託番号P05067)である、(d)(a)、(b)若しくは(c)で挙げたペプチドの断片である、及び/又は、(e)(a)、(b)、(c)若しくは(d)に対する、1つ又は複数の付加、欠失又は置換を有する、ヒト又はその他の生物種由来のペプチドを示す。Aβはまた、当該技術分野において、βAP、AβP、A4又はβA4とも呼ばれる。APP−CTFのタンパク分解に由来するAβペプチドは、一般に、約4.2kDのタンパク質であり、典型的にはカルボキシ末端側の終末点に応じて長さが39〜43のアミノ酸長であり、これは異種性を呈する。しかしながら、39未満のアミノ酸を含有するAβペプチド、例えばAβ38、Aβ37、及びAβ34もまた存在し得る。
Aβペプチドは、β−セクレターゼ(BACE)、及び1つ又は複数のγ−セクレターゼ活性によりAPPが切断される、アミロイド形成性APPプロセッシング経路において産生され得る。Aβペプチドには、限定するわけではないが、APP770の672位から開始するもの、及び、APP770の682位から開始するものが包含される(例えば、ジェンバンク受託番号P05067を参照されたい)。一般に、本明細書で用いるときに、「Aβ」には、アミノ酸残基が明示されていない限り、任意の全てのAβペプチドが包含され、例えば、1−43(Aβ43)、1−42(Aβ42)、1−40(Aβ40)、1−39(Aβ39)、1−38(Aβ38)、1−37(Aβ37)、1−34(Aβ34)が包含される。さらに、アミノ酸末端切断型Aβペプチドは存在し、例えば、11−43、11−42、11−40、11−39、11−38、11−37、11−34及びその他が挙げられる。長さの異なる様々なAβペプチドを、本明細書では、Aβの「種(species)」と呼ぶ。
語句「アミロイド前駆体タンパク質(amyloid precursor protein)」又は「APP」は、1つ又は複数のプロセッシング又は切断反応によりタンパク分解的に処理又は切断されて、Aβを産生するタンパク質を示す。APPには、選択的スプライシングにより生成される全てのアイソフォームが包含され、典型的には、そのアイソフォームのアミノ酸の数によって識別することができる。例えば、APPは、APP695、APP751及びAPP770を包含する。APPのその他アイソフォームとしては、例えば、APP714、L−APP752、L−APP733、L−APP696、L−APP677、APP563及びAPP365などが挙げられる。
APPには更に、AD及びその他のアミロイドーシス状態を有するファミリーに見出されるような変異を含むアイソフォームの全ても包含される。例えば、これら変異には、スウェーデン型(Lys670Asn,Met671Leu)二重変異、ロンドン型変異(Val717Ile)、インディアナ型変異(Val717Leu)、Val717Phe、Val717Gly、Ala713Thr、Ala713Val、オーストリア型変異(Thr714Ile)、イラン型変異(Thr714Ala)、フランス型変異(Val715Met)、ドイツ型変異(Val715Ala)、フロリダ型変異(Ile716Val)、Ile716Thr、オーストラリア型変異(Leu723Pro)、フランドル型変異(Ala692Gly)、オランダ型変異(Glu693Gln)、北極型変異(Glu693Gly)、イタリア型変異(Glu693Lys)及びアイオワ型変異(Asp694Asn)及びアミロイドーシス−オランダ型変異(Glu693Gln)が包含される(ここでの番号付けは全て、APP770形態に対するものである)。
用語「APP」は更に、上述したアイソフォームに対する付加、欠失又は置換を1つ又は複数含むタンパク質、及び、ヒト及びその他生物種に由来するAPPタンパク質も包含する。特定のアイソフォームが明示されていない限り、本明細書で用いるときに、APPは、一般に、変異の有無、起源の種に関わらず、任意のすべてのアイソフォームのAPPを示す。
語句「アミロイド前駆体タンパク質断片」は、1つ又は複数のプロセッシング又は切断反応によって処理又は切断されてAβを産生しうる、APPの任意の一部分を示す。APPのアミロイド前駆体タンパク質断片は、一般に、切断されるとそこでAβのN−末端を生じるβ−セクレターゼ切断部位、切断されるとそこでAβのC−末端を生じるγ−セクレターゼ切断部位、又は、β−セクレターゼ切断部位とγ−セクレターゼ切断部位との両方を含有する。アミロイド前駆体断片の例としては、C99及びC83で指定されるAPP C−末端断片、並びに、細胞質中に通常存在するC−末端残基の一部又は全部を欠くようなそれらの一部が挙げられる。
語句「アミロイド前駆体タンパク質(APP)若しくはそのアミロイド前駆体断片及び/又はAβの供給源」は、APP若しくはそのアミロイド前駆体断片及び/又はAβを含有する、インビボ(in vivo)、イクスビボ(ex vivo)又はインビトロ(in vitro)の任意の物質を示す。例えば、「供給源」は生きた生物体(ヒト患者、又は実験室動物若しくは家畜動物など、例えば、イヌ、ブタ、ウシ、ウマ、ラット又はマウス)であっても、これに由来する試料(例えば、組織又は体液、或いはこれらの抽出物)であっても、細胞(一次細胞又は細胞株、或いはこれらの抽出物など)であっても、細胞外培地又は細胞外マトリックス又は細胞外環境、或いは単離タンパク質であってもよい。
Aβレベルに関して、語句「調節する(modulate)」又は「調節すること(modulating)」は、Aβペプチド種(例えば、Aβ43、Aβ42、Aβ40、Aβ39、Aβ38、Aβ37、Aβ34など)の少なくとも1種の量(又はレベル)の検出可能な増加又は減少、Aβペプチドの異なる種の相対量(例えば、Aβ42のAβ40に対する比)の検出可能な増加又は減少、Aβの特定形態(例えば、モノマー、オリゴマー又は線維の形態、溶液又は斑中での凝集、特定の立体配座)の量又は相対量の検出可能な増加又は減少、及び/又は、特定の位置(例えば、細胞内、細胞膜随伴又は細胞外位置、或いは、特定の組織又は体液中)における特定のAβの量又は相対量の検出可能な増加又は減少を示す。好ましい実施形態において、調節は、Aβ42又はAβ40のレベルの減少、或いは、Aβ37又はAβ38のレベルの増加として検出可能である。Aβレベルが調節されていることは、あるAβ種、又はAβの特定形態の量又は相対量が、参照レベルに比して、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、75%、90%又はそれ以上、増加又は減少していることによって証明することができる。調節は参照レベルに比して統計学的に有意差のある増加又は減少とすることができる。
語句「接触させる(contacting)」は、2つ以上の物質を、直接又は間接的に合わさせる(association)ことを示す。接触はインビボ(in vivo)でも、イクスビボ(ex vivo)でも、インビトロ(in vitro)でも起こってよい。APP、そのアミロイド前駆体断片及び/又はAβの供給源、或いはγ−セクレターゼの活性の供給源であって、ヒト又は動物であるものは、例えば、化合物を治療的又は予防的に投与することによって、化合物と接触されうる。APP、そのアミロイド前駆体断片及び/又はAβの供給源であって、組織、組織抽出物又は細胞であるものは、例えば、化合物を培地中に導入することによって、化合物と接触されうる。APP、そのアミロイド前駆体断片及び/又はAβの供給源であって、流体であるもの、例えば細胞外培地は、例えば、化合物を流体と混合することによって、化合物と接触されうる。
語句「治療すること(treating)」又は「治療(treatment)」は、本明細書における化合物又は組成物の投与に起因して又は関連して、疾患又は障害の1つ又は複数の症状が、永久的にしろ一時的にしろ、改善される又は快方に変化するような任意の手段を示す。この用語には、組成物の投与に起因して又は関連して、疾患又は障害の1つ又は複数の症状の進展が、永久的にしろ一時的にしろ、防止、遅延化又は低減されるような予防的使用を含む、薬事上の任意の使用が包含される。本発明の1つの実施形態において、治療には、Aβの産生、代謝、プロセッシング及び/又はレベルの変化或いは異常を特徴とする疾患又は障害を治療するための、本明細書中の化合物の医薬としての任意の使用が包含される。
語句「Aβレベル異常に関連する疾患」は、Aβペプチド種(例えば、Aβ43、Aβ42、Aβ40、Aβ39、Aβ38、Aβ37、Aβ34など)の少なくとも1種の量の異常;Aβペプチドの異なる種の相対量(例えば、Aβ42のAβ40に対する比)の異常;Aβの特定形態(例えば、モノマー、オリゴマー又は線維の形態;溶液又は斑中での凝集;特定の立体配座など)の量又は相対量の異常;及び/又は、特定の位置(例えば、細胞内、細胞膜随伴又は細胞外の位置、或いは、特定の組織又は体液中など)におけるAβの量又は相対量の異常を特徴とする任意の状態を示す。1つ又は複数のAβペプチド、Aβ形態及び/又はAβの量が異常であるかどうかは、正常な、罹患していない状態での状況に対する相対的なものであり得る。Aβレベルの変化を特徴とする疾患及び障害は、当該技術分野で知られており及び/又は本明細書中に記載されており、例えば、ダウン症候群、パーキンソン病(AD)、びまん性レビー小体病、アミロイドーシス付随遺伝性脳出血−オランダ型(HCHWA−D)、脳アミロイド血管症(CAA)及び軽度認知障害(MCI)などが挙げられる。本発明の実施形態には、ADなど、Aβレベル異常に関連する任意の疾患を治療する方法が包含される。Aβの産生、線維形成/沈着、分解及び/又はクリアランスの変化、或いはAβアイソフォームの何らかの変化に関連する病態を治療(予防又は改善を含む)するために、本発明の化合物を対象に投与することができる。
好ましくは、本発明の化合物は、限定するわけではないが、神経変性状態及びその他の認知症又は外傷状態を包含する神経疾患の治療に使用され得る。神経疾患の例としては、びまん性レビー小体病、ピック病、多系統変性(シャイ・ドレーガー症候群)、運動ニューロン疾患、例えば、筋萎縮性側索硬化症、変性性運動失調、皮質性基底変性、ALS−パーキンソン−認知症・グアム(Guam)複合、亜急性硬化性汎脳炎、ハンチントン病、サイヌクレイノパチー(synucleinopathies)、原発性進行性失語症、線状体黒質糸変性、マシャド・ジョセフ(Machado−Joseph)病/脊髄小脳変性症3型及びオリーブ橋小脳変性など、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット(Gilles De La Tourette)病、延髄性及び偽延髄性麻痺、球脊髄性筋萎縮症(ケネディー病)、原発性側索硬化症、家族性痙性対麻痺、ウェルドニッヒ・ホフマン(Werdnig−Hoffmann)病、クーゲルベルク・ウェランダー(Kugelberg−Welander)病、テイ・ザックス(Tay−Sachs)病、サンドホフ(Sandhoff)病、家族性痙性疾患、ヴォールファルト-クーゲルベルク-ヴェランダー(Wohifart−Kugelberg−Welander)病、痙性不全対麻痺、進行性多巣性白質脳症、プリオン病群(クロイツフェルト・ヤコブ(Creutzfeldt−Jakob)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー(Gerstmann−Straussler−Scheinker)病、クールー及び致死性家族性不眠症など)、加齢関連認知症及び記憶喪失を伴うその他状態、例えば脳血管性認知症、びまん性白質症(ビンスワンガー(Binswanger)病)、内分泌又は代謝起源の認知症、頭部外傷及び広汎脳損傷での認知症、ボクサー痴呆(認知症)及び前頭葉性認知症、脳虚血又は脳梗塞、例えば塞栓性閉塞及び血栓性閉塞並びに任意のタイプの頭蓋内出血(限定するわけではないが、硬膜外、硬膜下、くも膜下及び大脳内のものを含む)など、並びに、頭蓋内及び脊椎内の損傷(限定するわけではないが、挫傷、穿通、剪断、圧迫及び裂傷を含む)などを挙げることができる。
III.スクリーニングアッセイ
本発明は(a)原線維形成性アミロイド−β及びより低い原線維形成性の(Aβ)ペプチドのレベルを調節する、(b) NOTCHのタンパク分解及びNOTCHシグナル伝達経路を阻害しない、及び、(c) APP-CTF-プロセッシング酵素のγ−セクレターゼの共通部位で本発明の化合物と競合するGSMのスクリーニング方法も提供する。1つの実施形態において、NOTCHのタンパク分解は阻害されず、そしてNOTCHシグナル伝達はNOTCH細胞内ドメイン(NICD)を通して行われる。
IV.医薬組成物
語句「医薬上許容されうる担体」は、特定の形態での投与に適することが当業者に知られた任意の担体を示す。更に、化合物は、組成物中で唯一の医薬活性成分として処方されてもよいし、又は、他の活性成分と組み合わされてもよい。
語句「医薬上許容されうる塩」は医薬品用途における使用に適当な任意の塩調製物を示す。医薬上許容されうる塩には、アミン塩、例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミン及びその他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、1−パラ−クロロ−ベンジル−2−ピロリジン−1’−イルメチルベンズイミダゾール、ジエチルアミン及びその他のアルキルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなど、アルカリ金属塩、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウムなどの塩、アルカリ土類金属塩、例えば、バリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩、遷移金属塩、例えば亜鉛、アルミニウムなどの塩、その他の金属塩、例えばリン酸水素ナトリウム、リン酸二ナトリウムなど;無機酸、例えば塩酸塩、硫酸塩など、及び、有機酸塩、例えば酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、フマル酸塩などが包含される。
語句「プロドラッグ」は、インビボ(in vivo)で投与された際に、1つ又は複数の工程又はプロセスにより代謝されて、或いは変換されて、生物学的、医薬的又は治療的に活性な形態の化合物になるような化合物を示す。プロドラッグは、修飾されたものが、ルーチン操作中に又はインビボ(in vivo)で切断されて本明細書に記載の化合物となるように、化合物に存在する官能基を修飾することによって調製されうる。例えば、プロドラッグは、本発明の化合物において、ヒドロキシ、アミノ又はスルフィドリル基が、哺乳類対象に投与された際に切断されて、それぞれ遊離ヒドロキシル、遊離アミノ、又は遊離スルフィドリル基を生成することができるような何らかの基に結合されたものを包含する。代表的なプロドラッグとしては、例えば、本発明の化合物のアルコール官能基及びアミン官能基のエステル、エノールエーテル、エノールエステル、アセテート、フォルメート、ベンゾエート誘導体などが挙げられる。インビボ(in vivo)の薬物動態プロセス及び薬物代謝の知識に鑑みて、当業者は、医薬上活性な化合物が分かれば、その化合物のプロドラッグを設計することができる(例えば、Nogrady(1985)、Medicinal Chemistry A Biochemical Approach,Oxford University Press,New York,388〜392頁を参照されたい)。
本明細書における組成物は、本明細書に示されている1つ又は複数の化合物を含む。化合物は、1つの実施形態において、適当な医薬製剤、例えば、経口投与用として溶液、懸濁液、錠剤、分散錠、丸剤、カプセル、粉剤、徐放製剤又はエリキシル剤、或いは、非経口投与用として無菌溶液又は懸濁液、更に、経皮パッチ製剤及び乾燥粉末吸入剤へと製剤される。1つの実施形態において、上述の化合物は、当業界で周知の技術及び手順を用いて医薬組成物に製剤される(例えば、Ansel「医薬品投与剤形の手引き、第4版(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,Fourth Edition)」1985,126を参照されたい)。
組成物においては、有効濃度の1つ又は複数の化合物又は医薬上許容されうるその誘導体は適当な医薬担体と混合される。化合物は、上述のように、製剤前に、対応する塩、エステル、エノールエーテル若しくはエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、水和物又はプロドラッグとして誘導化されていてよい。組成物における化合物の濃度は、投与された際に、治療しようとする疾患又は障害の1つ又は複数の症状を治療し、防止し又は軽減する量を送達するのに有効な濃度である。
1つの実施形態において、組成物は単回用量での投与用に製剤される。組成物を製剤するために、処置された状態が緩解され、予防され、或いは、1つ又は複数の症状が軽減されるような有効濃度での化合物の質量分率を、選択した担体に溶解、懸濁、分散又は混合する。
活性化合物は医薬上許容されうる担体中に、治療される患者に望ましくない副作用を及ぼすことなく治療上有益な効果を発揮するために十分な量で含有される。治療上有効濃度は、本明細書及びPCT国際公開第04/018997号に記載のインビトロ(in vitro)及びインビボ(in vivo)系で化合物を試験し、その後、そこからヒトへの用量へと外挿することにより経験的に決定することができる。
医薬組成物における活性化合物の濃度は該活性化合物の吸収、不活性化及び排出速度、該化合物の物理化学的特性、投薬スケジュール及び投与量、並びに、当業者に知られているその他の因子に依存するであろう。
1つの実施形態において、治療上有効な用量は活性成分の血清中濃度を約0.1ng/ml〜約50 100mu.g/mlとすることができる。別の実施形態において、医薬組成物は、約0.001mg〜約2000mg化合物/キログラム体重/日という用量を与えることができる。医薬品の単位剤形を調製し、それは単位剤形当たり約0.01mg、0.1mg又は1mgから、約500mg、1000mg又は2000mgまでの、そして1つの実施形態においては約10mg〜約500mgの活性成分又は必須成分の組み合わせを与えることができる。
活性成分は1回で投与してもよいし、時間間隔をおいて投与される、より多くのより少ない用量に分割されてもよい。正確な用量及び治療持続時間は治療される疾患の関数であり、既知の試験プロトコルを用いて、又は、インビボ(in vivo)もしくはインビトロ(in vitro)試験データの外挿から、経験的に決定することができると理解される。濃度及び投薬価もまた、緩和しようとする状態の重症度によって異なることがあるこことに注意すべきである。更に、任意の特定の対象に対して、個別の要求及び組成物の投与を行う者又は投与の監督する者の専門家としての判断に従って、特定の投薬方法を時間をかけて調整してゆくべきであること、及び、本明細書で示した濃度範囲はあくまで例示的なもので、特許請求される組成物の範囲又は実施を制限することは意図されていないことも理解されるべきである。
化合物が不十分な溶解度を示す場合には、化合物を可溶化する方法を用いてよい。このような方法は当業者に知られており、限定するわけではないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの共溶媒の使用、TWEEN(商標)などの界面活性剤の使用、炭酸水素ナトリウム水溶液への溶解などが挙げられる。当該化合物のプロドラッグなどの化合物の誘導体もまた、有効な医薬組成物の製剤に使用することができる。
化合物(単数又は複数)の混合又は添加に際しては、得られる混合物は溶液であっても、懸濁液であっても、エマルジョンなどであってもよい。得られる混合物の形態は、意図する投与方式、及び、選択される担体又はビヒクル中への化合物の溶解度など、幾つかの要因に依存する。有効な濃度は、治療される疾患、障害又は病気の症状を軽減するのに十分な濃度であり、経験的に決定されうる。
医薬組成物はヒト及び動物に対する投与のために、錠剤、カプセル、丸剤、粉剤、顆粒剤、非経口滅菌溶液又は滅菌懸濁液及び経口溶液又は経口懸濁液、及び、化合物又は医薬上許容されうるその誘導体を適量で含有する油−水エマルジョンなどの単位剤形(unit dosage form)で提供される。薬物治療的に活性な化合物及びその誘導体は、1つの実施形態において、単位剤形又は複数回投与剤形(multiple-dosage forms)で製剤化され、そして投与される。ここで言う単位剤形とは、ヒト及び動物対象への投与に適しており、当該技術分野で知られているように個別包装されている、物理的に分離している単位を示す。各単位剤形は、所望の治療効果を与えるのに十分な所定量の治療上活性な化合物を、必要な医薬品担体、ビヒクル又は希釈剤と共に含有する。1単位剤形の例としては、アンプル及びシリンジ、並びに個別包装された錠剤又はカプセルが挙げられる。単位剤形は画分又は複数回で投与してよい複数回投与剤形は単一容器に包装された複数の同一単位剤形であり、これを分離した単位剤形として投与することができる。複数回投与剤形の例としては、バイアル、錠剤もしくはカプセルのボトル、又はパイント単位もしくはガロン単位のボトルが挙げられる。従って、複数回投与剤形は包装中で分離されていない複数の単位剤形である。
医薬品として投与可能な液体組成物は、例えば、上記で規定されたとおりの活性化合物及び任意成分の医薬アジュバントを、例えば、水、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、グリコール、エタノールなどの担体に溶解、分散又は混合して、溶液又は懸濁液を生成させることによって調製することができる。所望の場合には、投与する医薬組成物は更に、少量の無毒性補助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤など(例えば、アセテート、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、トリエタノールアミンオレエート又はその他のこのような薬剤)も含んでよい。
このような投与剤形を実際に調製する方法は知られており、又は当業者にとって明らかであろう。例えば、「レミントン製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,第15版(15th Edition),1975を参照されたい。
0.005%〜100%(wt%)の範囲の活性成分を含有し、残部が無毒性担体からなる投与剤形又は組成物を調製することができる。これらの組成物の調製方法は当業者に知られている。考えられる組成物は0.001%〜100%(wt%)、1つの実施形態では0.1〜95%(wt%)、別の実施形態では75〜85%(wt%)の活性成分を含有しうる。
A.経口投与用組成物
経口用医薬投与剤形は、固体、ゲル又は液体のいずれであってもよい。固体の投与剤形は錠剤、カプセル、顆粒剤及び混合散剤である。経口錠剤のタイプとしては、圧縮されたチュアブルロゼンジ及び錠剤が挙げられ、腸溶コーティング錠、糖衣錠又はフィルムコーティング錠であることができる。カプセルはハード又はソフトゼラチンカプセルであってよく、一方、顆粒剤及び粉剤は当業者に知られているその他の成分と組み合わせて、非発泡性又は発泡性形態のいずれで提供されてもよい。
1.経口投与用の固体組成物
ある実施形態において、製剤は固体投与剤形であり、1つの実施形態において、カプセル又は錠剤である。錠剤、丸剤、カプセル、トローチなどは、1つ又は複数の下記の成分又は同様の種類の化合物:バインダー;滑剤;希釈剤;潤滑剤(glidant);崩壊剤;着色剤;甘味料;香味料;湿潤剤;催吐コーティング;及びフィルムコーティングを含有しうる。バインダーの例としては、微結晶セルロース、トラガカントガム、グルコース溶液、アラビアゴム漿、ゼラチン溶液、糖蜜、ポリビニルピロリジン、ポビドン、クロスポビドン、スクロース及びデンプンペーストなどが挙げられる。滑剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、石松子及びステアリン酸などが挙げられる。希釈剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトール及びリン酸二カルシウムなどが挙げられる。潤滑剤としては、限定するわけではないが、コロイド状二酸化ケイ素などが挙げられる。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天及びカルボキシメチルセスロースなどが挙げられる。着色料としては、例えば、認可実証済みの水溶性FD及びC染料、その混合物、アルミナ水和物上に懸濁された水不溶性FD及びC染料などのいずれかが挙げられる。甘味料としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、及び、サッカリンなどの人口甘味料、及び、噴霧乾燥香味料のいずれかなどが挙げられる。香味料としては、植物から抽出された天然香味料、例えばフルーツ香料、及び、心地よい感覚を生むような、合成化合物ブレンド(例えば、限定するわけではないが、ペパーミント、サリチル酸メチル)などが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウラルエーテルなどが挙げられる。催吐コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、ワックス、セラック、アンモニアセラック及びセルロースアセテートフタレートなどが挙げられる。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000及びセルロースアセテートフタレートなどが挙げられる。
化合物又は医薬上許容されうるその誘導体は、胃の酸性環境からそれを保護する組成物中で提供されてもよい。例えば、組成物は胃の中では一体性を維持しながら、腸内では活性化合物を放出するような腸溶コーティング中に製剤されうる。組成物は更に、制酸剤又はその他のこのような成分と組み合わせて製剤化されてもよい。
投与剤形がカプセルである場合、これは、上記タイプの材料に加えて、脂肪油などの液体担体を含有してよい。更に、投与剤形は、投与単位の物理的形状を改変するようなその他の様々な材料、例えば、糖衣及びその他の腸溶剤を含有してよい。化合物は更に、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハ、スプリンクル剤、チューイングガムなどの成分として投与されてもよい。シロップは、活性化合物に加えて、甘味料としてスクロース、及び特定の防腐剤、染料及び着色剤並びに香味料を含有してもよい。
活性材料はまた、望まれる作用を妨げないその他の活性材料、又は望まれる作用を補助する材料、例えば制酸剤、H2ブロッカー及び利尿剤などと混合されてよい。活性成分は、本明細書中に記載されるとおりの化合物又は医薬上許容されうるその誘導体である。より高濃度の、約98質量%までの活性成分を含有させることができる。
全ての実施形態において、錠剤及びカプセル製剤は、活性成分の溶解性を変性又は維持する目的で、当業者に知られているようにコーティングされてよい。従って、例えば、これらは、フェニルサリチレート、ワックス及びセルロースアセテートフタレートなどの従来の腸管消化性コーティング材でコーティングされていてよい。
2.経口投与用の液体組成物
経口用液体投与剤形としては、水溶液、エマルジョン、溶液、及び/又は、非発泡性顆粒から再構成した懸濁液、並びに、発泡性顆粒から再構成した発泡性製剤などが挙げられる。水溶液としては、例えば、エリキシル剤及びシロップなどが挙げられる。エマルジョンは、水中油型又は油中水型のいずれかである。
エリキシル剤は透明で甘味のある含水アルコール系製剤である。エリキシル剤に用いられる、医薬上許容されうる担体としては溶媒が挙げられる。シロップは、糖(例えばスクロース)の濃厚水溶液であり、防腐剤を含有していてよい。エマルジョンは一方の液体が小球の形態でもう一方の液体全体に分散している二相系である。エマルジョンに用いられる、医薬上許容されうる担体は非水性液体、乳化剤及び防腐剤である。懸濁液では、医薬上許容されうる懸濁剤及び防腐剤が用いられる。経口用液体投与剤形に再構成される非発泡性顆粒に用いられる、医薬上許容されうる物質として、希釈剤、甘味料及び湿潤剤が挙げられる。経口用液体投与剤形に再構成される発泡性顆粒に用いられる、医薬上許容されうる物質としては、有機酸及び二酸化炭素源が挙げられる。着色剤及び香味料は、上記の投与剤形全てにおいて用いられる。
溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール及びシロップが挙げられる。防腐剤の例としては、グリセリン、メチルパラベン及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム及びアルコールが挙げられる。エマルジョンに使用される非水性液体の例としては、鉱油及び綿実油が挙げられる。乳化剤の例としては、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカントガム、ベントナイト、及び界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど)が挙げられる。懸濁剤としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ペクチン、トラガカントガム、ビーガム(Veegum)及びアラビアゴムが挙げられる。甘味料としては、スクロース、シロップ、グリセリン、及び、サッカリンなどの人工甘味料が挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。有機酸としては、クエン酸及び酒石酸が挙げられる。二酸化炭素源としては、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。着色剤としては、認可実証済みの水溶性FD及びC染料のいずれか、及びその混合物が挙げられる。香味料としては、フルーツなどの植物から抽出された天然香味料、及び、心地よい味覚を生むような合成化合物ブレンドが挙げられる。
固体投与剤形に関して、例えば炭酸プロピレン、植物油又はトリグリセリド中の溶液又は懸濁液は、1つの実施形態において、ゼラチンカプセル中にカプセル封入される。このような溶液、並びにその製剤及びカプセル封入は、米国特許第4,328,245号、同第4,409,239号及び同第4,410,545号明細書に開示されている。液体投与剤形に関して、例えばポリエチレングリコール中の溶液は、投与のために計測するのが容易となるように、十分な量の医薬上許容されうる液体担体、例えば水で希釈されてよい。
又は、液体又は半固体経口製剤は、活性化合物又は塩を、植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば炭酸プロピレン)及びその他の担体に溶解又は分散させ、これらの溶液又は懸濁液を、ハード又はソフトゼラチンカプセル殻に封入することによって調製することができる。その他の有用な製剤としては、米国再発行特許第RE28,819号及び米国特許第4,358,603号明細書に示されているものがある。簡潔にいえば、このような製剤としては、限定するわけではないが、本明細書で示している化合物、例えば、限定するわけではないが、1,2−ジメトキシメタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(ここで350、550及び750は、ポリエチレングリコールのおおよその平均分子量を示す)を含むジアルキル化モノ−又はポリ−アルキレングリコール、及び1つ又は複数の抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸及びそのエステル、及びジチオカーバメートを含有するものが挙げられる。
その他の製剤としては、限定するわけではないが、医薬上許容されうるアセタールを含む水性アルコール溶液などが挙げられる。これらの製剤に用いられるアルコールは、医薬上許容されうる、1つ又は複数のヒドロキシル基を有する任意の水混和性溶媒であり、限定するわけではないが、プロピレングリコール及びエタノールが挙げられる。アセタールとしては、限定するわけではないが、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールが挙げられる。
B.注入剤、溶液及びエマルジョン
1つの実施形態では皮下、筋肉内又は静脈内のいずれかの注入を特徴とする非経口投与もまた、本発明で考えられる。注入剤は、従来の形態で、液体の溶液又は懸濁液、注入する前に液体中に溶解又は懸濁するのに適した固形形態、又はエマルジョンの形態として調製されうる。上記注入剤、溶液及びエマルジョンは更に、1つ又は複数の賦形剤を含有する。適当な賦形剤は、例えば、水、塩類溶液、デキストロース、グリセロール又はエタノールである。更に、所望の場合は、投与される医薬組成物は更に、少量の無毒性助剤物質、例えば湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解促進剤及びその他の薬剤、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート及びシクロデキストリンなどを含有していてもよい。
一定レベルの用量を維持するように徐放又は持続放出系をインプラントすることも、本発明で考えられる。端的には、本明細書で提供する化合物は、固体内部マトリックス、例えばポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化又は非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニルに分散されてよく、それは体液に不溶性である外側ポリマー膜、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマー型ポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー及びエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーで囲まれている。化合物は放出速度制御工程でもって外側ポリマー膜を介して拡散する。このような非経口組成物に含まれる活性化合物の百分率は、その特定の性質並びに化合物の活性及び対象の要求に大きく依存する。
組成物の非経口投与としては、静脈内、皮下及び筋肉内投与が挙げられる。非経口投与用製剤としては、注入用無菌液、無菌乾燥可溶性製品、例えば使用の直前に溶媒と合わせることができる凍結乾燥粉末、例えば皮下用錠剤、注入用無菌懸濁液、使用の直前にビヒクルと合わせることができる無菌乾燥不溶性製品及び無菌エマルジョンが挙げられる。溶液は水性であっても又は非水性であってもよい。
静脈内投与の場合、適切な担体としては、生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ならびに、増粘剤及び可溶化剤、例えばグルコース、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール並びにそれらの混合物を含む溶液が挙げられる。
非経口製剤で使用する医薬上許容されうる担体には、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、等張化剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁及び分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖又はキレート剤、並びにその他の医薬上許容されうる物質が挙げられる。
水性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注入液、リンゲル注入剤、等張デキストロース注入剤、滅菌水注入剤、デキストロース及び乳酸リンゲル注入剤が挙げられる。非水性非経口ビヒクルとしては、植物由来の固定油、綿実油、コーン油、ゴマ油及び落花生油が挙げられる。フェノール又はクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸メチル及びプロピルエステル、チメロサール、塩化ベンズアルコニウム及び塩化ベンゼトニウムを含む、複数用量容器にパッケージされた非経口製剤に、静菌濃度又は静真菌濃度の抗菌剤を加えなければならない。等張化剤としては、塩化ナトリウム及びデキストロースが挙げられる。緩衝剤としてはリン酸塩及びクエン酸塩が挙げられる。抗酸化剤としては硫酸水素ナトリウムが挙げられる。局所麻酔剤としてはプロカイン塩酸塩が挙げられる。懸濁及び分散剤としてはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(TWEEN(商標)80)が挙げられる。金属イオンの金属イオン封鎖又はキレート剤としてはEDTAが挙げられる。医薬品担体としては、また、水混和性ビヒクル用にエチルアルコール、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコール、及び、pH調節用に水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸又は乳酸が挙げられる。
医薬活性化合物の濃度は、注入剤が所望の薬理効果を生じるのに有効な量になるように調整される。当該技術分野で知られているとおり、正確な用量は患者又は動物の年齢、体重及び状態に依存する。
単位投与非経口製剤は、アンプル、バイアル又は針付きシリンジ中に封入される。当該技術分野で知られ、実施されているように、非経口投与用製剤はすべて無菌化されていなければならない。
例えば、活性化合物を含む無菌水溶液の静脈内又は動脈内注入は有効な投与方式である。別の実施形態は、必要に応じ注入されて所望の薬理効果を生じる、活性材料を含む無菌水溶液、油性溶液又は懸濁液である。
注入剤は局部及び全身投与用に設計されている。1つの実施形態では、治療有効用量は、活性化合物を、治療される組織に対して少なくとも約0.1w/w%〜約90w/w%又はそれを超える、ある実施形態では1w/w%を超える濃度で含むように製剤されている。
化合物は、超微粉砕された形態又は他の適切な形態で懸濁されるか、或いは誘導体化されて、より溶解度の高い活性生成物を生成するか、又はプロドラッグを生成することができる。得られる混合物の形態は、意図される投与形式、及び選択された担体又はビヒクル中の化合物の溶解度を含む、いくつかの要因に依存する。この有効濃度は病気の症状を改善させるのに十分な濃度であり、経験的に決定することができる。
C.凍結乾燥粉末
溶液、エマルジョン及びその他の混合物として投与用に再構成できる凍結乾燥粉末も本発明の対象とする。凍結乾燥粉末はまた、固体又はゲルとして再構成及び製剤されうる。
無菌凍結乾燥粉末は、本明細書中に提供される化合物又は医薬上許容されうるその誘導体を適切な溶媒に溶解させることで調製される。溶媒は、安定性を向上させる賦形剤、又は、粉末又は粉末から調製された再構成溶液の他の薬理成分を含んでいてもよい。使用できる賦形剤としては、限定するわけではないが、デキストロース、ソルビタール、果糖、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、ブドウ糖、ショ糖又はその他の適切な物質が挙げられる。溶媒は、緩衝剤、例えばクエン酸塩、リン酸ナトリウムもしくはカリウム、或いは当業者に知られているその他の緩衝剤を、1つの実施形態では、中性に近いpHで含んでいてもよい。引き続き溶液を無菌濾過した後に、当業者に知られている標準的な条件で凍結乾燥することで、所望の製剤が得られる。1つの実施形態では、得られた溶液は凍結乾燥用バイアルに配分される。各バイアルは化合物の1回分用量又は複数回分用量を含む。凍結乾燥粉末は、約4℃から室温などの好適な条件下で保管できる。
この凍結乾燥粉末を注入のために水で再構成すると、非経口投与用製剤が得られる。再構成のために、凍結乾燥粉末を無菌水又は他の適切な担体に加える。正確な量は選択される化合物に依存する。そのような量は経験的に決定することができる。
D.局所投与
局所用混合物は局部及び全身投与用に説明されているとおりに調製される。得られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョンなどとすることができ、クリーム、ジェル、軟膏、エマルジョン、溶液、エリキシル剤、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、フォーム、エアロゾール、洗浄剤、スプレー、坐剤、バンデージ、皮膚パッチ、又は局所投与に適した任意の他の製剤として製剤される。
化合物又は医薬上許容されうるその誘導体は、吸入などにより局所適用するためのエアロゾールとして製剤されうる(例えば、炎症性疾患、特に喘息の治療に有用なステロイド送達用エアロゾールを記載している米国特許第4,004,126号、同第4,414,209号及び同第4,364,923号明細書を参照された)。気道に投与するためのこれらの製剤は、ネブライザー用のエアロゾールもしくは溶液の形態、又は、単独もしくはラクトースなどの不活性担体と組み合わせた吸入用の極微小粉末としての形態とすることができる。このような場合、製剤の粒子は、1つの実施形態では、50ミクロン未満、1つの実施形態では、10ミクロン未満の直径を有する。
化合物は、ジェル、クリーム及びローションの形態で、例えば皮膚及び眼などの粘膜に局所適用する局部もしくは局所適用のために、眼に適用するために、又は大槽内もしくは髄腔内適用するために製剤することができる。局所投与は、経皮送達で考えられ、眼又は粘膜への投与又は吸入療法でも考えられる。活性化合物を単独で又は他の医薬上許容されうる賦形剤と組み合わせて含む経鼻用溶液も投与されうる。これらの溶液、特に眼科での使用を意図する溶液は、適当な塩とともに、pH約5〜7で、0.01%〜10%(体積%)の等張溶液として製剤されうる。
E.他の投与経路用の組成物
イオン泳動デバイス及び電気泳動デバイスを含む経皮パッチ並びに直腸投与などの他の投与経路も本発明で考えられる。
イオン泳動デバイス及び電気泳動デバイスを含む経皮パッチは当業者によく知られている。例えば、このようなパッチは米国特許第6,267,983号及び同第5,860,957号明細書中に開示されている。
例えば、直腸投与のための医薬剤形は、全身効果用の直腸用坐剤、カプセル及び錠剤である。直腸坐剤とは、本明細書で使用するときに、直腸に挿入するための固形体であって、体温で溶融又は軟化して1つ又は複数の薬理学的又は治療的に活性な成分を解放するものを意味する。直腸坐剤に使用される医薬上許容されうる物質はベース又はビヒクル及び融点を上昇させる作用剤である。ベースの例としては、ココアバター(カカオ油)、グリセリン−ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)及び脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリセリドの適当な混合物が挙げられる。種々のベースの組み合せも使用することができる。坐剤の融点を上昇させるための作用剤としては、鯨蝋及びワックスが挙げられる。直腸坐剤は、圧縮法又は成形のいずれかにより調製することができる。直腸坐剤の質量は、1つの実施形態では、約2〜3グラムである。
直腸投与用の錠剤及びカプセルは、経口投与用の製剤の場合と同じ医薬上許容されうる物質を使用し、同じ方法によって製造される。
F.標的製剤
本明細書中に提供される化合物又は医薬上許容されうるその誘導体は、特定の組織、受容体又は治療する対象の体の他の部分を標的とするよう製剤されることもできる。多くのこのような標的法が当業者によく知られている。すべてのこのような標的法は本発明の組成物に使用されることがここで考えられる。標的法の非限定的な例に関しては、例えば、米国特許第6,316,652号及び同第5,709,874号明細書を参照されたい。
1つの実施形態では、腫瘍標的リポソームなどの組織標的リポソームを含むリポソーム懸濁液も医薬上許容されうる担体として好適であることができる。これらは、当業者に知られた方法で調製することができる。例えば、リポソーム製剤は米国特許第4,522,811号明細書に記載されるとおりに調製することができる。端的には、マルチラメラベシクル(MLV)などのリポソームは、フラスコの内面上で卵ホスファチジルコリン及び脳ホスファチジルセリン(モル比7:3)を乾燥させることによって形成することができる。本明細書中に提供される化合物を、二価陽イオンを含まないリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解させた溶液を加え、脂質フィルムが分散されるまでフラスコを振とうする。得られたベシクルを洗浄して未封入化合物を除去し、遠心分離してペレット化させ、次いでPBSに再懸濁させる。
G.併用療法
別の実施形態では、化合物を別の治療剤と組み合わせて、又は逐次的に投与することができる。このような他の治療剤としては、アミロイドーシス並びに神経変性疾患及び障害の1つ又は複数の症状を治療、予防又は改善することが知られている治療剤が挙げられる。このような治療剤としては、限定するわけではないが、ドネペジル塩酸塩(Aricept)、リバスチグミン酒石酸塩(Exelon)、タクリン塩酸塩(Cognex)及びガランタミン臭化水素酸塩(Reminyl)が挙げられる。
VI.キット
本発明の別の態様によれば、キットが提供される。本発明によるキットは、本発明の化合物又は組成物を含むパッケージを含む。
語句「パッケージ」は、本明細書中に示した化合物又は組成物を含んだ任意の容器を意味する。好ましい実施形態では、パッケージは箱又はラッピングであってよい。医薬品の包装に使用するパッケージング材料は当業者によく知られている。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号及び同第5,033,252号明細書を参照されたい。医薬用パッケージング材料の例には、限定するわけではないが、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、瓶、並びに、選択した製剤と投与及び治療の意図する方式とに適切な任意のパッケージング材料が挙げられる。
該キットは、パッケージ内に閉じ込められておらず、例えば、ピペットなど、パッケージの外側に取り付けられている物品を含むことができる。
場合により、治療を要する状態の対象に本発明の化合物又は組成物を投与するための指示書をキットに含めてもよい。更に、米国食品医薬品局などの規制機関による本化合物の使用承認に対する指示書をキットに含めてもよい。場合により、本化合物のために添付ラベル又は製品添付文書をキットに含めてもよい。パッケージ及び/又は任意の製品添付文書自体が規制機関の承認を受けることもある。該キットは、パッケージ中に固相又は液相(提供される緩衝剤など)中に化合物を含むことができる。更に、本方法を実施するための溶液調製用緩衝剤、及び液体を1つの容器から別の容器に移し替えるためのピペットを該キットに含めることもできる。
また、本明細書に記載の併用療法に使用するための1種又は複数種の他の化合物を場合によりキットに含めてもよい。ある実施形態では、パッケージは静脈内投与用の容器である。他の実施形態では、化合物を吸入器中に提供される。更に他の実施形態では、ポリマーマトリックス中に、又はリポソーム形態で化合物を提供する。
VI.化合物の調製
本発明の化合物の調製のための例示の一般手順を下記に示し、合成法のさらなる詳細は本明細書の実施例に提供される。本明細書中のこのような化合物は、当業者によく知られている手順により容易に調製されうるので、下記の合成スキームの代わりに、又は、それに加えて、多くの方法を用いて本化合物を調製することができる。
本開示の範囲内の誘導体及び化学的に類似の化合物は適切な出発材料を用いて、本明細書中に提供される手順の慣例的変更により調製でき、その選択は当業者に明らかであろう。
一般縮合スキーム:
アミノチアゾール部分を含むここでの化合物はハロゲン化ケトン誘導体(1)を適当なチオウレア化合物(2)と混合することにより調製されうる(スキーム1)。
スキーム1
Figure 2013530987
B.α−ブロモケトン誘導体の調製:
Bがフェニル誘導体である・−ブロモケトン誘導体はスキーム2により調製されうる。
スキーム2
Figure 2013530987
Bがピリジル誘導体である・-ブロモケトン誘導体はスキーム3により調製されうる。
スキーム3
Figure 2013530987
チオウレア誘導体の調製:
チオウレア誘導体をスキーム1に記載した一般縮合反応で用いて、そしてスキーム4により調製されうる。
スキーム4
Figure 2013530987
プロドラッグの調製:
スキーム5
Figure 2013530987
本発明の態様をさらに例示するために以下の実施例を提供する。これらの実施例は非限定的であり、本発明のいかなる態様をも限定するものと解釈されるべきでない。
実施例
実施例1
代表的なα−ブロモケトン誘導体の調製
代表的なα−ブロモケトン誘導体を、代表的なチオウレアとの縮合のために調製する。代表的なα-ブロモケトン誘導体の合成に用いた例示の手順を下記に示す。
A.α−ブロモケトン誘導体3
Figure 2013530987
スキーム6
Figure 2013530987
1-(6-クロロ-ピリジン-3-イル)-エタノン5(7.0 g, 45.2 mmol)及び4-メチルイミダゾール4(11.1 g, 135.5 mmole)をDMSO (35 mL)中で混合し、次いで、K2CO3を添加した。混合物を110oCで22時間加熱した。その後、反応混合物を室温に冷却し、氷水 (400 mL)中に15分間激しく攪拌しながら添加した。得られた沈殿物をフィルタ上で回収し、そして水で洗浄した。得られた材料を真空中で乾燥し、化合物6を褐色固形分として提供した (6.1 g, 67%)。LC/MS: [m+1]+=202.2, 1H NMR (DMSO-d6) 300 MHzδ2.18 (3H,s), 2.63 (3H, s), 7.72 (1H, s), 7.87 (1H, d, J=9.0 Hz), 8.41 (1H, d, J=9.0 Hz), 8.51 (1H, s), 8.98 (1H, s)。
化合物6(6.1 g, 30.3 mmole)を30% HBr/AcOH (75 mL)中で懸濁した。臭素(4.8g, 30.3 mmole)を1時間にわたって滴下して加えた。反応混合物を室温にて2時間攪拌し、600 mLの氷水中に注ぎ、そして15分間攪拌した。得られた沈殿物をフィルタ上で回収し、そして水で洗浄した。化合物を乾燥して化合物3を黄色固形分として生じた (10.6 g, 80%)。 LC/MS: [M+1]+=282.1。 1H NMR (DMSO-d6) 300 MHzδ2.36及び2.37 (3H, 2つのs), 5.06 (2H, s), 8.16 (1H, d, J=9.0 Hz), 8.29 (1H, s), 8.69 (1H, d, J=9.0 Hz), 9.15 (1H, s), 9.93 (1H, s)。
B.α−ブロモケトン誘導体9の合成
Figure 2013530987
スキーム7
Figure 2013530987
DMSO (200 ml)中の4-メチルイミダゾール 4 (28.5 g, 347 mmole)の溶液に、K2CO3 (132 g, 955 mmol)及び1-(3,4-ジフルオロ-フェニル)-エタノン 7 (50.0 g, 320 mmole)を添加した。反応混合物を55oCで16時間加熱しそして攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、そして水(600 mL)を添加した。反応混合物をさらに60分間攪拌した。沈殿物を回収し、水(約2L)で洗浄し、そして真空下に一晩乾燥し、粗生成物を生じた。粗生成物の再結晶により所望の生成物8を得た(32.5 g, 59%収率)。
化合物8(37.5 g, 171.8 mmol)のHBr (30%、HOAc中, 400mL)中の溶液に、臭素 (27.5 g, 8.81mL, 171.8 mmol)を60分間の攪拌下に滴下しながら加えた。反応混合物をさらに40分間攪拌し、そして反応混合物を濃縮して、殆どのHBr及びHOAcを除去した。粗材料をメタノール(300 mL)中に再溶解させ、その後、真空下に濃縮し、HBr及びHOAcの残部を除去した。粗生成物を水に添加し、そして懸濁液をろ過し、真空下で一晩乾燥し、所望の生成物9を提供した(43.5 g, 67 % 収率)。
実施例2
代表的な新規化合物の調製
スキーム8
Figure 2013530987
エタノール中で2,2,2-トリフルオロエチルヒドラジン10及びピバロイルアセトニトリル11を還流下にカップリングさせることにより化合物12を提供した。化合物12をベンゾイルイソチオシアネートとカップリングさせ、次いで、アルカリ加水分解させた後に、得られたチオウレア14をα−ブロモケトン9をカップリングさせ、所望の生成物15を提供した。
スキーム9
Figure 2013530987
エタノール中でエチルヒドラジン16をアセトニトリル17と還流下にカップリングさせることにより、化合物18を提供した。化合物18をベンゾイルイソチオシアネートとカップリングさせることにより、ベンゾイルチオウレア19を優れた収量で生じる。化合物19のアルカリ加水分解により、チオウレア20を生じた。ブロモケトン3とチオウレア20との反応により化合物21を提供した。
スキーム10
Figure 2013530987
エタノール中でエチルヒドラジン16をアセトニトリル11と還流下にカップリングさせて化合物22を提供した。化合物22とベンゾイルイソチオシアネートとカップリングさせることにより、ベンゾイルチオウレア23を優れた収量で生じる。化合物23のアルカリ加水分解によりチオウレア24を生じた。ブロモケトン9とチオウレア24との反応により化合物25を提供した。
スキーム11
Figure 2013530987
エタノール中でフェニルヒドラジン26をアセトニトリル11と還流下にカップリングさせることにより、化合物27を提供した。化合物27をベンゾイルイソチオシアネートとカップリングさせることにより、ベンゾイルチオウレア28を優れた収率で生じる化合物28のアルカリ加水分解により、チオウレア29を生じた。ブロモケトン3とチオウレア29との反応により化合物30を提供した。
実施例3
代表的なプロドラッグの調製
スキーム12
Figure 2013530987
化合物25であるホスホノオキシメチルエーテル誘導体を、クロロメチルホスフェートから調製し、保護エステル部分を分解させる(スキーム12)。
スキーム13
Figure 2013530987
クロロ-メチルアセテートを化合物25と反応させて、プロドラッグ27を生じた(スキーム13)。
実施例4
代表的な化合物のインビトロ(IN VITRO)及びインビボ(IN VIVO)におけるアミロイドβ−ペプチド調節の評価方法
インビトロ(in vitro)における代表的な化合物のAβペプチド阻害活性の決定手順
様々な細胞株は、通常、支持媒地中での培養時に培地中に、種々のAβペプチドアロフォームを産生しそして分泌する。約16時間、種々の濃度の化合物で細胞を処理し、次いで、化合物で処理した培地及び処理していない培地の両方の中での種々のAβペプチドアロフォームの濃度を決定することによりAβ42などの特異的Aβペプチドアロフォームの生成を阻害する化合物の能力を評価するのに通常に使用される細胞株の例[(例えば、HEK-293, N2a δ E9/Swe, SHSY5Y及び初代脳神経細胞培養物(時限妊娠WT Sprague-Dawleyラットの胎生期18(E18)の胎芽のもの) (Netzer, WIら, Gleevec inhibits β-amyloid production but not Notch cleavage Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2003; 100:12444-12449)]。
インビボ(in vivo)での代表的な化合物のAβペプチド阻害活性の決定手順
トランスジェニックマウスモデル(例えば、Tg2576又はAPP23)を含む様々な動物モデル(例えば、雄Hartleyモルモット)を用いて、化合物の様々な投与経路及び様々な濃度で、様々な時間長さを用い、特異的Aβペプチドアロフォーム(例えば、Aβ集積及び/又はAβ斑)に関連する病変による、Aβ42などの特異的Aβペプチドアロフォームのレベル及び/又は脳などの所与の器官の占有レベルを比較し、そしてビヒクル単独で処理された動物で達成される効果と比較することにより、動物の処理時の特異的Aβペプチドアロフォームレベルに影響を及ぼす化合物の能力を評価した[(Lanz TAら, Concentration-Dependent Modulation of Amyloid-β in Vivo and in Vitro Using the ・-Secretase Inhibitor, LY-450139 J Pharmacol Exp Ther 2006;319: 924-933)及び(Abramoswki Dら, Dynamics of Aβ Turnover and Deposition in Different APP Transgenic Mouse Models Following Gamma-Secretase Inhibition J Pharmacol Exp Ther 2008;327:411-424)]。
実施例5
新規GSM化合物の合成
進化形(advanced)中間体
Figure 2013530987
α−ブロモケトン誘導体の調製
A.α−ブロモケトン誘導体1の合成
Figure 2013530987
スキーム1
Figure 2013530987
4-メチルイミダゾール10(28.5 g, 347 mmole)のDMSO (200 ml)中の溶液に、K2CO3 (132 g, 955 mmol)及び1-(3,4-ジフルオロ-フェニル)-エタノン9 (50.0 g, 320 mmole)を添加した。反応混合物を55oCで16時間加熱しそして攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、そして水(600 mL)を添加した。反応混合物をさらに60分間攪拌した。沈殿物を回収し、水(約2L)で洗浄し、そして真空中で一晩乾燥し、粗生成物を生じた。粗生成物の再結晶(注)により、所望の生成物11を提供した(32.5 g, 59%収率)。注:30gの粗生成物を水(2160ml)及びアルコール(240 mL)混合物から結晶化し、そして18.74gの生成物を分離した。1H, 13C NMR及びLC/MSは構造を確認している。
化合物11(37.5 g, 171.8 mmol)のHBr (30% 、HOAc中、400mL)中の溶液に、 臭素 (27.5 g, 8.81mL, 171.8 mmol)を滴下して加え、60分間にわたって攪拌した。反応混合物をさらに40分間攪拌し、そして反応混合物を濃縮して、HBr位及びHOAcの殆どを除去した。粗材料をメタノール(300 mL)中に再溶解させ、そして真空下に濃縮して、HBr及びHOAcの残部を除去した。粗生成物に水を添加し、そして懸濁液をろ過し、真空下に一晩乾燥し、所望の生成物1を提供した(43.5 g, 67%収率)。
B.α−ブロモケトン誘導体2の合成
Figure 2013530987
スキーム2
Figure 2013530987
化合物12の調製手順:
化合物11(12.0 g, 56.3 mmol)を乾燥DMF (40mL)中に溶解し、そしてNaOMe (乾燥, 98%) (6.08 g, 112.6 mmol)を3つの等しい小部分として10分間にわたって加え、温度計を用いてそして氷浴中にフラスコを挿入することにより温度が20oCを超えないようにした。その後、反応フラスコを50oCのオイルバス中に入れ、そして35〜40分間反応物を攪拌した。反応をLC/MSによりモニターし、そして出発材料(40)がU.V. 220 nmにより約10%に減少したときにオイルバスから取り外す。この間に、反応物は暗い色に変色した。水(200 mL)を反応をクエンチするために最初にゆっくりと添加した。その後、混合物をEtOAc (2 x 200 mL)で即座に抽出した。EtOAc層を、その後、合わせ、そして水:ブライン1:1 (200 mL)で洗浄した。その後、EtOAc層をMgSO4上で乾燥し、ろ過しそして濃縮して、暗色液体とした。その後、得られた材料を240gのMerck Silicaゲルプレ充填カラムフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。勾配: 50〜80% EtOAc/ヘキサン、65 mL/minで5分。その後、80〜100% EtOAc/ヘキサン、65 mL/min で20分、その後、化合物が完全にカラムから溶出されるまで(10〜20分)、100% EtOAc、65 mL/minに保持した。画分をTLC (100% EtOAc)によりチェックした。純粋な画分を合わせ、そして淡黄色固形分(1.8g)に濃縮した。混合画分を別々に合わせ、そして濃いオイルにまで濃縮した。Et2O (15mL)をオイルに即座に添加し、そしてフラスコを素速く回して、オイルを溶解させた。2分以内に結晶が形成し始め、そして18時間にわたって結晶化させた。その後、結晶をフィルタに回収し、Et2O (2 x 5mL)で洗浄し、化合物をオフホワイト色針状物として生じた。収量1.7g。合わせた材料は合計で3.5g, 収率27%であった。LC/MSによる純度 >98%。
化合物2の調製手順:
化合物12(2.2 g, 9.56 mmol)をDCM (30 mL)中に溶解させ、そして33% HBr/AcOH (5.0 mL, 28.68 mmol, 3 eq)を添加した。Br2 (1.45 g, 9.08 mmol, 0.95eq)をDCM (0.4mL)により希釈し、そして攪拌している混合物に40分間にわたって添加した。その後、溶媒をロータリーエバポレータで除去した。その後、得られた混合物をDCM (20mL)中に再溶解し、そしてロータリーエバポレータで除去した。このプロセスを2回を超えて繰り返し、過剰のHBr及びAcOHの除去を援助した。その後、材料をEt2O (20 mL)中に懸濁させ、超音波処理し、粉砕化処理(triturate)し、そしてロータリーエバポレータでEt2Oを除去した。このプロセスを、化合物が易流動性ピンク色固形分に見えるようになるまで2回を超えて繰り返した。その後、材料を高真空下に18時間にわたって乾燥した。収量3.9g, 105%。LC/MS純度82%。注: 主な不純物: 二臭化化合物 (約10%)。
α−ブロモケトン誘導体3の合成
Figure 2013530987
スキーム3
Figure 2013530987
1-(6-クロロ-ピリジン-3-イル)-エタノン13(7.0 g, 45.2 mmol)及び4-メチルイミダゾール10(11.1 g, 135.5 mmole)をDMSO (35 mL)中で混合し、次いで、K2CO3を添加した。混合物を110oCで22時間加熱した。反応混合物を、その後、室温に冷却し、そして15分間の激しく混合しながら氷水(400 mL)に注いだ。得られた沈殿物をフィルタ上で回収し、そして水で洗浄した。得られた材料を真空中で乾燥し、化合物14を褐色固形分として提供した(6.1 g, 67%)。LC/MS: [m+1]+=202.2, 1H NMR (DMSO-d6) 300 MHz δ2.18 (3H,s), 2.63 (3H, s), 7.72 (1H, s), 7.87 (1H, d, J=9.0 Hz), 8.41 (1H, d, J=9.0 Hz), 8.51 (1H, s), 8.98 (1H, s)。
化合物14 (6.1 g, 30.3 mmole)を30% HBr/AcOH (75 mL)中に懸濁させた。臭素 (4.8g, 30.3 mmole)を1時間にわたって滴下して加えた。反応混合物を室温にて2時間攪拌し、600 mLの氷水中に注ぎ、そして15分間攪拌した。得られた沈殿物をフィルタ上で回収し、そして水で洗浄した。化合物を乾燥して黄色固形分として化合物3を得た (10.6 g, 80%)。LC/MS: [M+1]+=282.1。1H NMR (DMSO-d6) 300 MHz δ2.36及び・2.37・(3H、2つ), 5.06 (2H, s), 8.16 (1H, d, J=9.0 Hz), 8.29 (1H, s), 8.69 (1H, d, J=9.0 Hz), 9.15 (1H, s), 9.93 (1H, s)。
D.α−ブロモケトン誘導体4の合成
Figure 2013530987
合成手順:α−ブロモケトン1の調製と同様の合成手順。
チオウレア化合物の合成
Figure 2013530987
スキーム4
Figure 2013530987
エタノール中でメチルヒドラジン15をアセトニトリル16と還流下にカップリングさせることにより、化合物17を提供した。化合物17をベンゾイルイソチオシアネートとカップリングさせることにより、ベンゾイルチオウレア18を優れた収率で生じた。化合物18のアルカリ加水分解により、チオウレア5を提供した。
2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾール-3-アミン 17の調製
2-オキソシクロヘキサンカルボニトリル16(10 g, 81.2 mmol)及びメチルヒドラジン15(3当量、11.2 g)の150 mLの無水エタノール中の溶液を20時間還流し、そしてロタベーパで乾燥まで濃縮した。粗生成物をメタノールから再結晶化し、所望の生成物17を提供した。(化合物17の調製に関する文献:J. Am. Chem. Soc. 1959, 81, 2448-2452)。
N-(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾール-3-イルカルバモチオイル)ベンズアミド18の調製
化合物17(5.0 g, 33.1 mmol)の40 mLのアセトン中の溶液に0 °Cで滴下してベンゾイルイソチオシアネート(5.4 g, 33.1 mmol)を添加した。反応混合物を徐々に温め、そして60 °Cのオイルバス中で、TLCで出発材料が残っていないことを示すまで攪拌した。ロタベーパでの反応混合物の濃縮により、黄色固形分が提供され、それをさらに酢酸エチル中で再結晶化し、所望の生成物18を生じた。
1-(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾール-3-イル)チオウレア5の調製
化合物18(3 g, 9.5 mmol)の30 mLの5% NaOH水溶液中の懸濁液を90 °Cのオイルバス中で8時間攪拌し、そして室温に冷却した。氷を加え、その間、反応混合物を攪拌した。得られた懸濁液をろ過し、そしてケークを冷水(10 mL × 3)で洗浄し、そして真空中でさらに乾燥し、所望の生成物5をオフホワイト色粉末として提供した。
F.チオウレア6の合成
Figure 2013530987
スキーム5
Figure 2013530987
合成手順:チオウレア5の調製と同様の手順
エタノール中においてエチルヒドラジン19をアセトニトリル16と還流下にカップリングさせることにより、化合物20を提供した。化合物20をベンゾイルイソチオシアネートとカップリングにより、ベンゾイルチオウレア21を優れた収率で生じる。化合物21のアルカリ加水分解により、チオウレア6を生じた。ブロモケトン3のチオウレア20との反応により化合物21を提供した。
G.チオウレア8の合成
Figure 2013530987
スキーム6
Figure 2013530987
エタノール中においてエチルヒドラジン19をアセトニトリル22と還流下にカップリングさせることにより、化合物23を提供した。化合物23をベンゾイルイソチオシアネートとカップリングさせることにより、ベンゾイルチオウレア24を優れた収率で生じる。化合物24のアルカリ加水分解により、チオウレア8を生じた。
3-tert-ブチル−エチル−1H-ピラゾールピラゾール-5-アミン23の調製
4,4-ジメチル-3-オキソペンタンニトリル22 (10 g, 79.9 mmol)及びエチルヒドラジン19(3当量, 14.4 g)の150 mLの無水エタノール中の溶液を24時間還流し、そしてロタベーパで乾燥まで濃縮した。粗生成物を酢酸エチルから再結晶化し、所望の生成物23を提供した。
N-(3-tert-ブチル-1-エチル-1H-ピラゾール-5-イルカルバモチオイル)ベンズアミド24の調製
化合物23(5.0 g, 29.9 mmol)の40 mLのアセトン中の溶液に0 °Cで、ベンゾイルイソチオシアネート(4.88 g, 29.9 mmol)を滴下して加えた。反応混合物を徐々に温め、そしてTLCが、出発材料が残存しないことを示すまで60 °Cでオイルバス中で攪拌した。反応混合物をロタベーパで濃縮して、黄色固形分を提供し、それをエチルエーテル中でさらに粉砕化処理し、所望の生成物24を提供した。
1-(3-tert-ブチル-1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)チオウレア8の調製
化合物24 (5 g, 15.1 mmol)の30 mLの5% NaOH水溶液中の懸濁液を90 °Cオイルバス中で8時間攪拌し、そして室温に冷却した。攪拌しながら氷を反応混合物に添加した。得られた懸濁液をろ過し、そしてケークを冷水で洗浄し(10 mL × 3)、さらに真空中で乾燥し、所望の生成物8をオフホワイト色粉末として提供した。
チオウレア7の合成
Figure 2013530987
スキーム7
Figure 2013530987
合成手順:チオウレア8の調製と同様の手順
新規GSM化合物の化学構造:
Figure 2013530987
新規GSM化合物の調製
スキーム8
Figure 2013530987
化合物33の調製(スキーム8)
化合物5(500 mg, 2.4 mmol)の8 mLの無水エタノール中の溶液に、化合物2(737 mg, 2.4 mmol)を、次いで、ヒューニッヒ塩基(4 当量, 1.1 g)を室温にて添加した。LCMSが単一ピークの生成物が生成されそして出発材料が残存していないことを示すまで、反応混合物を55 °Cのオイルバス中で攪拌した。エタノール及びDIEAのほとんどを除去して、粗生成物を提供し、それを逆相HPLCにより精製して、所望の生成物33を生じた。
化合物31、32及び34の調製(スキーム9)
合成手順:化合物33の調製と同様の手順
スキーム9
Figure 2013530987
化合物39〜42の調製(スキーム10)
合成手順:化合物33の調製と同様の手順
スキーム10
Figure 2013530987
スキーム11
Figure 2013530987
化合物37の調製(スキーム11)
化合物8(500 mg, 2.4 mmol)の10 mLの無水エタノール中の溶液に、化合物2(737 mg, 2.4 mmol)、次いで、ヒューニッヒ塩基 (4 当量, 1.1 g)を室温にて添加した。LCMSが単一ピークの生成物が生成されそして出発材料が残存していないことを示すまで、反応混合物を55 °Cのオイルバス中で攪拌した。エタノール及びDIEAのほとんどを除去して、粗生成物を提供し、それを逆相HPLCにより精製して、所望の生成物37を生じた。
化合物35、36及び38の調製(スキーム12)
合成手順:化合物37の調製と同様の手順
スキーム12
Figure 2013530987
化合物27〜30の調製(スキーム13)
合成手順:化合物37の調製と同様の手順
スキーム13
Figure 2013530987
Figure 2013530987
Figure 2013530987
Figure 2013530987
Figure 2013530987
Figure 2013530987
Figure 2013530987
Figure 2013530987
Figure 2013530987
実施例6
新規化合物:
Figure 2013530987
化合物43、45、46及び48の調製
スキーム1
Figure 2013530987
チオウレア中間体の合成:
合成スキーム2
Figure 2013530987
合成スキーム3
Figure 2013530987
ブロモケトン中間体の合成:
合成スキーム4
Figure 2013530987
合成スキーム5
Figure 2013530987
化合物49の合成:
合成スキーム6
Figure 2013530987
ブロモケトン誘導体の合成:
合成スキーム7
Figure 2013530987
チオウレア誘導体の合成
スキーム8
Figure 2013530987
実施例7
SGSM化合物の効力を試験するために使用されるヒト細胞株
野生型ヒトAPP751 cDNAを発現しそしてヒトAPP及びヒトAβの安定した発現を選択するプラスミドによりヒト神経芽細胞腫(SH-SY5Y)細胞株を形質移入することによりSH-SY5Y-APPヒト細胞株を誘導化した。各場合に、これらの細胞の培地中に分泌されるAβ42又はAβtotal 又はAβ38 ペプチドのレベルを、2部位モノクローナル抗体(mAb)-系サンドイッチELISAアッセイ(Aβ42 及びAβtotalについて下記に記載)を使用するか、又は、Aβ38 EC50の場合には、Meso Scale Sector Imager 6000とともにMeso Scale Aβ38, 40, 42 トリプレックスキットを製造者の手順にしたがって使用することにより測定した。このSH-SY5Y-APPヒト細胞株を、すべての細胞系Aβペプチド免疫化学アッセイについて使用した。
42及びAβtotal IC50ならびにAβ38 EC50を測定するために使用した細胞系アッセイ
SH-SY5Y-APP細胞を、96-ウェル組織培養プレートに75,000 細胞/ウェルで撒いた。16〜18時間後に、培地を、化合物を含有する又はビヒクルを含有する新鮮培地で置き換えた。1試験濃度あたり3ウェルのリプリケートを、そして1/2ログのステップ間隔で10種の濃度を用いた。ベヒクル(0.12% DMSO)は対照物として含まれる。
42 の阻害性を測定しそしてAβ42 IC50 阻害値を決定するためのサンドイッチELISA アッセイ
材料:
マイクロフルオル(Microfluor)-2 ホワイトフラットボトム96-ウェルマイクロプレート
溶液:
1×ホスフェート緩衝化塩類溶液(PBS) pH 7.4
1×トリス緩衝化塩類溶液 (TBS) pH 8.0
1%ウシ血清アルブミン(BSA) / TBS
CSPD-サファイヤII ルミネッセンス基質
試薬:
60 μlアリコート中に-80 oC で保管された(解凍しそして使用後に廃棄)、Aβ42ペプチドに対して特異的である抗-Aβ35-42 コーティングモノクローナル抗体
ヘキサフルオロイソプロパノール (HFIP)1中に溶解され、-20 oCで保管された、 Aβ1-42 ペプチド(Bachem) 0.01 mg/ml 原料溶液
oCで保管された抗-Aβ1-12 アルカリホスファターゼ複合モノクローナル抗体
手順
抗-Aβ35-42 モノクローナル抗体を1x TBS中で1/300倍に希釈した。ボルテックス後に、100μlの抗体をマイクロプレートの各ウェル中にピペットで入れた。抗体は各ウェルの全底面を覆った。各マイクロプレートをプレートシーラで覆い、4 oCで19時間置いておいた。
マイクロプレート低温室から取り出し、コーティングモノクローナル抗体をすべてのウェルから吸引した。各ウェルを200μlのTBSで一回濯いだ2。ウェルを、1ウェル当たり200μlの1% BSA/TBSブロッキング溶液をピペットで入れることによりブロックし、実験室ベンチトップ上でプレートを室温で60分間インキュベートした。
1-42 ペプチドの原料溶液を、5 μlのAβ42 を4.995 mlの培地に添加することにより1/1000倍に希釈し、10 ng/ml原料溶液 (500 pg/50 μl溶液)を得た。
1-42 標準曲線を調製した。深いウェルディッシュのウェル#2-#12に0.5 mlの培地を添加し、ウェル#1に1 mlのAβ42の500 pg/50 μl 溶液を添加した。ウェル#1から始めてウェル#11までウェル毎に5回溶液0.5 mlをピペットで入て混合することにより、10箇所のプレートに対して順次に2倍に希釈した (12番目のウェルはAβ1-42 ペプチドを含まず、バックグラウンドとしての役割を果たす)。
プレートに対するサンプルの添加:60分のブロック工程の直後に、ブロッキング緩衝剤を吸引除去し、そして50 μlのサンプルを各ウェルにピペットで入れ、その後、標準曲線サンプル(50 μl)を上の2つの列に複製物として加えた。
プレートを室温にて2時間インキュベートした。
各プレートを3回洗浄した。各洗浄液は1ウェル当たり1x PBS/0.1%Tween-20を用いて200μmであった。
抗−Aβ1-12 mAb-アルカリホスファターゼ複合体を1% BSA/TBS/0.1%Tween-20中で1/10,000に希釈し、そしてボルテックスした。50μlをマイクロプレートの各ウェル中 にピペットで入れた。プレートを室温で2時間インキュベートした。その後、プレートを6回、1ウェル当たり200μlの1x PBS/0.1%Tween-20で洗浄した。
すべてのプレートに対して、50μl of CDP-スター (Sapphire) ルミネセンス基質 (使用前に室温にする)を各ウェルに添加し、そして室温にて暗状態で15分間インキュベートした。第一のプレート群に基質を添加した後にタイマーを開始した。この工程を5つ以下のプレート群で行った。各マイクロプレートをグローランナーイルミノメータ3で読んだ。
総Aβペプチドの阻害性を測定し、そしてAβtotal ペプチドのIC50阻害値を決定するためのサンドイッチELISAアッセイ
材料:
マイクロフルオル(Microfluor)-2 ホワイトフラットボトム96-ウェルマイクロプレート
溶液:
1×PBS pH 7.4
1×TBS pH 8.0
1%BSA/TBS
CSPD-サファイヤII ルミネッセンス基質
試薬:
抗-Aβ1-12 コーティング抗体 (3.4 mg/ml)
1-40 ペプチド (Bachem) 0.01mg/ml
シグネット-モノクローナル、ヒトアミロイドβタンパク、クローン4G8, ビオチン化
Rockland -アルカリホスファターゼ共役ストレプタビジン
手順:
抗-Aβ1-12 モノクローナル抗体を1x TBSで1/100 に希釈し、ボルテックスし、100μl をマイクロプレートの各ウェル中にピペットで入れた。コーティングモノクローナル抗体は各ウェルの底全体を覆った。各マイクロプレートをプレートシーラで覆い、そして冷蔵室に一晩入れた。
マイクロプレートを冷蔵室から取り出し、各ウェルを200μlのTBSで濯いだ。各マイクロプレートのウェル1つ当たりに200μlの1% BSA/TBS をピペットで入れることによりウェルをブロックした。マイクロプレートを室温にて60分間インキュベートした。
1-40 標準曲線を調製した。Aβ1-40 ペプチドを原料濃度0.01mg/ml で保管した。10μlのペプチド原料を4.990 mlの培地に添加し、原料1000 pg/50 μlを製造し、その後、2倍でプレート毎に原料を順次に希釈し、最後のものは培地中のペプチドを含まないものとして、原料溶液を1/500まで細胞培養用完全培地中で希釈した。ペプチドの最終の標準曲線は1000 pg, 500,pg 250pg, 125pg, 62.5pg, 31.3pg, 15.6pg, 7.8pg, 3.9pg, 1.95pg, 0.98pg及び0pgである。
適当な希釈の50 μlのサンプルを、マイクロプレートの指定されたウェル中にピペットで入れた。マイクロプレートを室温で2時間インキュベートした。
各マイクロプレートを3回洗浄した。各洗浄はウェルあたりに200μlの1x PBS/0.1%Tween-20/ウェルを用いた。
ビオチン化モノクローナル抗体(抗ヒトアミロイドβタンパク、クローン 4G8)を1% BSA/TBS/0.1%Tween-20中で1/5000に希釈した。ボルテックスした後に、50μlを各マイクロプレートの各ウェル中にピペットで入れた。マイクロプレートを室温にて実験室ベンチトップ上で1時間インキュベートした。
各マイクロプレートを3回洗浄した。各洗浄はウェル当たり200μlの1x TBS/0.1%Tween-20を用いた。
アルカリホスファターゼ共役ストレプタビジンを、1% BSA/TBS/0.1%Tween-20中で1/10,000に希釈し、ボルテックスし、50μlをマイクロプレートのウェル中にピペットで入れた。マイクロプレートをベンチトップ上で1時間室温にてインキュベートした。
すべてのプレートを、1ウェル当たり200μlの1x PBS/0.1%Tween-20で6回洗浄した。
マイクロプレートの洗浄の終了後に(≦5 マイクロプレート毎アッセイ)、50μlのCSPD-サファイヤルミネッセンス基質 (使用前に室温にする)を各ウェルに添加し、そしてウェルを暗状態で室温にて15分間インキュベートした。マイクロプレートの第一のプレート群に基質の添加を終了した後にタイマーを開始した。この工程を5つ以下のプレート群で行った。各マイクロプレートをグローランナーイルミノメータで読んだ。
データ分析 (Aβ42 及びAβtotal サンドイッチELISAアッセイの両方に適用される):
標準曲線基準
1.標準曲線の線状範囲を決定する(R2>0.96)。すべてのサンプルが曲線の線状範囲内にあると仮定する。
2.標準曲線の最も低い感度を決定する:独立両側t検定(unpaired two-tailed T-test) (Prism)によりペプチドバックグランドと有意に異なる値。また、この点は独立片側t検定(unpaired one-tailed T-test)による標準曲線上のより高い隣接点と統計的に有意に異なることも確認する。
3.線状範囲内にある標準曲線上の各%CV (% 変化率)を計算する(すべてのデータポイントは%CV <30%でなければならない)。
A.計算
1.サンプル値を平均し、そしてSD (標準偏差)及び%CVを計算する(すべてのデータポイントは%CV <30%でなければならない)。そうでなければ、グラブス検定を用いることにより1つのウェルが異常値であるかどうかを決定する(グラフパッド(Graphpad)ウェブサイト)。
2.標準曲線の線形近似を用いてサンプル値をpg/ウェルに変換する。
脚注(Aβ42 及びAβtotal サンドイッチELISAアッセイの両方に適用される)
1 AβペプチドをHFIP中に保存し、これらのペプチドで頻繁に起こる凝集を防止する。
2 この工程は高いバックグラウンドに寄与することができる残存のコーティングされていない抗体を除去するのに重要である。
3 96−ウェルマイクロプレートからの光を定量化するグロランナーイルミノメータを使用した。
化合物49の合成のための合成手順
ブロモケトン進化形(advanced)中間体の調製
ブロモケトン 111の合成:
Figure 2013530987
合成スキーム1
Figure 2013530987
文献:国際公開第2010/098488号
N-(6-ブロモ-2-メトキシピリジン-3-イル)ホルムアミドの合成
Figure 2013530987
無水酢酸 (203 mL)をギ酸 (204 mL)に氷冷下に滴下しながら加え、そして混合物を同一の温度で25分間攪拌した。6-ブロモ-2-メトキシピリジン-3-アミン粉末(CAS#89466-18-2, 146 g)を反応混合物に10分間にわたって入れ、そして反応溶液を同一の温度で30分間攪拌した。ウォーターバスを取り外した。tert-ブチルメチルエーテル (300 mL)及びn-ヘプタン (500 mL)を反応溶液に対して逐次的に滴下しながら加え、その後、反応溶液を30分間攪拌した。沈殿粉末をろ過により回収した。得られた粉末を乳鉢で破砕し、tert-ブチルメチルエーテルで洗浄し、その後、減圧下に乾燥し、137.4 gの題記の化合物を得た。その後、合わせたろ液及び洗浄溶液を減圧下に濃縮した。残留物をtert-ブチルメチルエーテル中で粉砕し、そして減圧下に乾燥し、21.9 gの題記の化合物を得た。化合物の特性値は下記のとおりである。
1H-NMR (CDCl3) ・(ppm): 4.03 (s, 3H), 7.08 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.61 (brs, 1 H), 8.47-8.51 (m, 2H)。
N-(6-ブロモ-2-メトキシピリジン-3-イル)-N-(2-オキソプロピル)ホルムアミドの合成
Figure 2013530987
クロロアセトン(82 mL)を、N-(6-ブロモ-2-メトキシピリジン-3-イル)ホルムアミド (159.3 g)、炭酸セシウム(359 g)及びヨウ化カリウム(11.4 g)のDMF (800 mL)中の懸濁液に滴下しながら数分間にわたって加えた。その後、反応溶液を室温にて1時間20分間攪拌した。反応溶液を減圧下に濃縮した。酢酸エチル及び水を、得られた残留物に添加し、そして有機層を分離した。得られた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、215.2 gの題記の化合物を得た。化合物の特性値は下記のとおりである。
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm): 2.17 (s, 3H), 4.00 (s, 3H), 4.47 (s, 2H), 7.13 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.48 (d, J=7.6 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H)。
6-ブロモ-2-メトキシ-3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジンの合成
Figure 2013530987
酢酸アンモニウム(267 g)及びN-(6-ブロモ-2-メトキシピリジン-3-イル)-N-(2-オキシプロピル)ホルムアミド (199 g)の氷酢酸 (400 mL)中の懸濁液を130oCで1時間10分間攪拌した。反応溶液を室温に戻した。酢酸エチル及び氷水を反応溶液に添加し、そして混合物を氷冷した。その後、濃縮したアンモニア水溶液(500 mL)を滴下して加え、その後、有機層を分離した。得られた有機層を逐次に水及びブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。その後、有機層を、短シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。溶離した画分を濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル及びtert-ブチルメチルエーテル中で粉砕化処理し、そして減圧下に乾燥して、107.7 gの題記の化合物を得た。
その後、粉砕化処理の母液を濃縮した。得られた残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。標的画分を濃縮した。得られた残留物をtert-ブチルメチルエーテル中で粉砕化処理しそして減圧下に乾燥して、12.9 gの題記の化合物を得た。
化合物に特性値は下記のとおりである。
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm): 2.29 (d, J=0.8 Hz, 3H), 4.03 (s, 3H), 6.92 (dd, J=1.2, 0.8Hz, 1H), 7.16 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.73 (d, J=1.2 Hz, 1H)。
ESI-MS; m/z 268 [M+H]。
6-(1-エトキシビニル)-2-メトキシ-3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジンの合成
Figure 2013530987
1-エトキシビニルトリ-n-ブチルスズ (3.7 mL)を、6-ブロモ-2-メトキシ-3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン (2.66 g)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(350 mg)のジオキサン (25 mL)中に懸濁液に添加し、そして混合物を100 oCで5時間45分攪拌した。反応溶液を放置して室温とし、そしてその後、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。ターゲット画分を濃縮した。得られた粉末をジエチルエーテル-n-ヘキサン中で粉砕化処理し、そして減圧下に乾燥して、1.57 gの題記の化合物を得た。その後、母液を濃縮して858 mgの題記の化合物を得た。化合物の特性値は下記のとおりである。
1H-NMR (CDCl3) δ (ppm): 1.45 (t, J=7.2 Hz, 3H), 2.30 (s, 3H), 3.98 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.04 (s, 3H), 4.38 (d, J=1.6 Hz, 1H), 5.48 (d, J=1.6 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 7.38 (d, j=8.0 Hz, 1H), 7.52 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.78 (s, 1H)。
2-ブロモ-1-[6-メトキシ-5-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-2-イル]エタノンジヒドロクロリドの合成
Figure 2013530987
N-ブロモスクシンイミド (543 mg)を、6-(1-エトキシビニル)-2-メトキシ-3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン (791 mg)のTHF (15 mL)-水 (2 mL)中の溶液に室温にて添加し、そして混合物を同温度で15分間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液及び酢酸エチルを反応溶液に添加し、そして有機層を分離した。得られた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層から無水硫酸マグネシウムをろ過により除去した。HClの酢酸エチル中の4N溶液を得られたろ液に添加した。その後、ろ液を減圧下に濃縮し、1.06 gの題記の化合物を得た。化合物の特性値は下記のとおりである。
ESI-MS; m/z 310 [M+H-2HCl]。
チオウレア進化形中間体の調製
C.チオウレア113の合成
Figure 2013530987
スキーム2
Figure 2013530987
エタノール中でエチルヒドラジン123をアセトニトリル120と還流下にカップリングさせることにより、化合物124を提供した。化合物124をベンゾイルイソチオシアネートとカップリングさせることにより、ベンゾイルチオウレア125を優れた収量で生じる。化合物125のアルカリ加水分解により、チオウレア113を生じた。
2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾール-3-アミン124の調製
2-オキソシクロヘキサンカルボニトリル120(10 g, 81.2 mmol)及びエチルヒドラジン119(3 当量, 14.6 g)の150 mLの無水エタノール中の溶液を20時間還流し、ロタベーパで乾燥するまで濃縮した。粗生成物をメタノール中で再結晶化し、所望の生成物124を提供した。(化合物124の調製に関する文献: J. Am. Chem. Soc. 1959, 81, 2448-2452)。
N-(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾール-3-イルカルバモチオイル)ベンズアミド125の調製
化合物124 (5.44 g, 33.1 mmol) の40 mLのアセトン中の溶液に、0 °Cにて、ベンゾイルイソチオシアネート (5.4 g, 33.1 mmol)を滴下しながら加えた。反応混合物を徐々に温め、そしてTLCが、出発材料が残存していないことを示すまで60 °Cのオイルバス中で攪拌した。ロタベーパで反応混合物を濃縮して、黄色固形分を提供し、それを酢酸エチル中で再結晶化し、所望の生成物125を生じた。
1-(2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾール-3-イル)チオウレア113の調製
化合物125(3.1 g, 9.5 mmol)の30 mLの5% NaOH水溶液中の懸濁液を90 °Cのオイルバス中で8時間攪拌し、そして室温に冷却した。反応混合物を攪拌しながら氷を加えた。得られた懸濁液をろ過し、そしてケークを冷水 (10 mL × 3)で洗浄し、そしてさらに真空中で乾燥し、所望の生成物113をオフホワイト色粉末として提供した。
化合物49の合成
Figure 2013530987
合成スキーム7
Figure 2013530987
化合物113(538 mg, 2.4 mmol)の8 mLの無水エタノール中の溶液に、化合物111 (744 mg, 2.4 mmol)を、次いで、ヒューニッヒ塩基 (4当量, 1.1 g)を室温にて添加した。LCMSが、単一ピークの生成物が生成しそして出発材料が残存していないことを示すまで、反応混合物を55 °Cのオイルバス中で攪拌した。エタノール及びDIEAのほとんどが除去して、粗生成物を提供し、それを逆相HPLCにより精製し、所望の生成物49を生じた。
1H-NMR (DMSO-d6)・δ(ppm): 1.24 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.64-1.72 (m, 4H), 2.14 (s, 3H), 2.30-2.32 (m, 2H), 2.48-2.52 (m, 4H), 3.92 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.98 (s, 3H), 7.23 (brs, 1H), 7.47-7.51 (m, 2H), 7.84-7.90 (m, 2H), 9.73 (brs, 1H), [M+H]+=437。

Claims (36)

  1. 式(I):
    (A)−(B)−(C)−(D) (I)
    に対応する構造を有する化合物又は医薬上許容されうるその塩もしくはそのプロドラッグ{上式中、
    Aは、
    Figure 2013530987
    (上式中、各Eは独立にN、NR、C又はCR1であり、ただし、2つ又は3つのEはN又はNRであり、Nは窒素であり、Cは炭素であり、Rは水素、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換シクロアルキル、又は、置換もしくは未置換アリールであり、
    各R1 は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換シクロアルキル、又は、置換もしくは未置換アリールである)であり、
    Bは、
    Figure 2013530987
    (上式中、各Gは独立にCR2であり、
    各R2 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基、又は、置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である)であるか、
    Bは
    Figure 2013530987
    (上式中、各Gは独立にCR3aであり、
    各R3a は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基、又は、置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である)であるか、
    Figure 2013530987
    (上式中、各Gは独立にCR3b であり、
    各R3b は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基、又は、置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である)であるか、又は、
    Figure 2013530987
    (上式中、各Gは独立にCR3cであり、
    各R3c は独立に水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基、又は、置換もしくは未置換アルキルスルホニル基である)であり、
    Cは
    Figure 2013530987
    (上式中、R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール、又は、置換もしくは未置換アルコキシである)であり、そして
    Dは、
    Figure 2013530987
    (上式中、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル、又は、置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    R6a 及びR6b は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル、又は、置換もしくは未置換シクロアルキルである)であるか、
    Figure 2013530987
    (上式中、R7 は水素、置換もしくは未置換アルキル、又は、置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    Mは独立にCHR8であり、
    各R8 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、又は、置換もしくは未置換アルコキシである)であるか、又は、
    Figure 2013530987
    (上式中、R9 は水素、ハロゲン、又は、置換もしくは未置換アルキルであり、
    Jは独立にCH又はNであり、
    Zは独立にCHR10であり、
    各R10 は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、又は、置換もしくは未置換アルコキシである)である}。
  2. 式(I)又は医薬上許容されうるその塩のAは
    Figure 2013530987
    (上式中、QはCH又はNのいずれかである)である、請求項1記載の化合物。
  3. R1 はハロゲン又は置換もしくは未置換C1-C5アルキルである、請求項2記載の化合物。
  4. 式(II):
    Figure 2013530987
    (上式中、R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであり、
    R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    R6a 及びR6b は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    Gは独立に、CR3c であり、
    各R3c は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基であり、そして
    QはCH又はNのいずれかである)の構造を有する、請求項3記載の化合物。
  5. 式(III):
    Figure 2013530987
    (上式中、R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであり、
    R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    R6a 及びR6b は、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    Gは独立に、CR3c であり、
    各R3c は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基であり、そして
    QはCH又はNのいずれかである)の構造を有する、請求項3記載の化合物。
  6. 式 (IV):
    Figure 2013530987
    (上式中、R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであり、
    R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    R6a 及びR6bは、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    Gは独立に、CR3c であり、
    各R3c は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基であり、そして
    QはCH又はNのいずれかである)の構造を有する、請求項3記載の化合物。
  7. 式 (V):
    Figure 2013530987
    (上式中、R4 は水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換シクロアルキル、置換もしくは未置換アリール又は置換もしくは未置換アルコキシであり、
    R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    R6a 及びR6b は、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    Gは独立に、CR3c であり、
    各R3c は独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルキル、置換もしくは未置換アルケニル、置換もしくは未置換アルキニル、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルアミド、置換もしくは未置換アルキルアミノ、置換もしくは未置換アミノ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基であり、そして
    QはCH又はNのいずれかである)の構造を有する、請求項3記載の化合物。
  8. Dは
    Figure 2013530987
    からなる群より選ばれる、請求項4、5、6又は7記載の化合物。
  9. 式(VI):
    Figure 2013530987
    (上式中、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    R6a 及びR6bは、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルである)の構造を有する、請求項6記載の化合物。
  10. 式 (VII):
    Figure 2013530987
    (上式中、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルである)の構造を有する、請求項9記載の化合物。
  11. 前記化合物は
    Figure 2013530987
    からなる群より選ばれる、請求項10記載の化合物。
  12. 前記化合物は
    Figure 2013530987
    からなる群より選ばれる、請求項9記載の化合物。
  13. 式(VIII):
    Figure 2013530987
    (上式中、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    R6a 及びR6bは、独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルである)の構造を有する、請求項7記載の化合物。
  14. 式 (IX):
    Figure 2013530987
    (上式中、R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルである)の構造を有する、請求項13記載の化合物。
  15. 前記化合物は
    Figure 2013530987
    からなる群より選ばれる、請求項14記載の化合物。
  16. 前記化合物は
    Figure 2013530987
    からなる群より選ばれる、請求項13記載の化合物。
  17. 前記化合物は
    Figure 2013530987
    からなる群より選ばれる、請求項4記載の化合物。
  18. 前記未置換アルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル又はtert-ブチル基である、請求項1記載の化合物。
  19. 前記未置換アルコキシ基はメトキシ基である、請求項1記載の化合物。
  20. 前記未置換シクロアルキル基はシクロプロピルである、請求項1記載の化合物。
  21. 前記未置換アルキルスルフィニル基はメチルスルフィニル基である、請求項1記載の化合物。
  22. 前記未置換アルキルスルフィドはメチルスルフィドである、請求項1記載の化合物。
  23. 前記ハロゲンはフッ素である、請求項1記載の化合物。
  24. 前記プロドラッグは構造(X)又は(XI):
    Figure 2013530987
    (上式中、Xは水素、ハロゲン、置換もしくは未置換アルコキシ、置換もしくは未置換アルキルスルフィド、置換もしくは未置換アルキルスルフィニル基又は置換もしくは未置換アルキルスルホニル基であり、
    R5 は水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    R6a 及びR6b は独立に、水素、置換もしくは未置換アルキル又は置換もしくは未置換シクロアルキルであり、
    Ra及びRbはC1−6 アルキル基であり、そして
    Lはホスホノ基である)を有する、請求項1記載の化合物。
  25. 前記医薬上許容されうる塩は一塩酸塩である、請求項1記載の化合物。
  26. 請求項1記載の化合物及び医薬上許容されうる担体を含む組成物。
  27. 前記化合物はNOTCHのγ−セクレターゼ媒介タンパク分解を阻害せず、特に、notch細胞内ドメイン(NICD)及びNOTCHシグナル伝達経路の形成を阻害しない、請求項1記載の化合物。
  28. 高度原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチドレベルの調節方法であって、アミロイド前駆体タンパク質(APP)カルボキシル−末端断片(CTF)又はその断片をタンパク分解するプロテアーゼを、有効量の請求項1記載の化合物と接触させて、原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチドレベルを調節することを含む、前記方法。
  29. 前記高度原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチドはAβ42 又はAβ40 であり、そして調節された該高度原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチドのレベルが低減される、請求項28記載の方法。
  30. より低い原線維形成性のアミロイド−β(Aβ)ペプチドはAβ38 又はAβ37であり、調節されたこれらのより低い原線維形成性のアミロイド−β(Aβ)ペプチドのレベルが増加される、請求項28記載の方法。
  31. Aβ42 又はAβ40の産生の阻害方法であって、アミロイド前駆体タンパク質(APP)カルボキシル−末端断片(CTF)又はその断片をタンパク分解するプロテアーゼを、有効量の請求項1記載の化合物と接触させて、Aβ42 又はAβ40の産生を阻害することを含む、前記方法。
  32. Aβ38又はAβ37の産生の促進方法であって、アミロイド前駆体タンパク質(APP)カルボキシル−末端断片(CTF)又はその断片をタンパク分解するプロテアーゼを、有効量の請求項1記載の化合物と接触させて、Aβ38又はAβ37の産生を促進することを含む、前記方法。
  33. 請求項31記載の方法によってAβ42又はAβ40の産生を阻害することによる、特異的原線維形成性Aβペプチドのレベル増加に関連する疾患又は神経学的障害を治療する方法。
  34. 前記疾患はアルツハイマー病、脳血管アミロイドーシス(HCHWA)又は脳アミロイド血管症(CAA)に関連する出血性脳卒中、特発性拡張型心筋症、ダウン症候群(DS)、パーキンソン病(PD)、レビー小体型認知症(LBD)、プリオン病、封入体筋炎(IBM)及びハンチントン病(HD)からなる群より選ばれる、請求項33記載の方法。
  35. (a)原線維形成性アミロイド−β(Aβ)ペプチドのレベルを調節し、(b)NOTCHのタンパク分解を阻害せず、そして、(c)APP−CTF−プロセッシング酵素のγ−セクレターゼの共通部位で請求項1記載の化合物と競合する、可溶性γ−セクレターゼ調節剤のスクリーニング方法。
  36. (b)において、NOTCHのタンパク分解は阻害されず、そしてNOTCHシグナル伝達はNOTCH細胞内ドメイン(NICD)を通して行われる、請求項35記載の方法。
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