JP2013530223A - 集束音響を用いたナノ製剤を調製するための組成物および方法並びにナノ送達用のシステム - Google Patents

集束音響を用いたナノ製剤を調製するための組成物および方法並びにナノ送達用のシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2013530223A
JP2013530223A JP2013518374A JP2013518374A JP2013530223A JP 2013530223 A JP2013530223 A JP 2013530223A JP 2013518374 A JP2013518374 A JP 2013518374A JP 2013518374 A JP2013518374 A JP 2013518374A JP 2013530223 A JP2013530223 A JP 2013530223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mixture
particles
less
exposure
size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013518374A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013530223A5 (ja
Inventor
ベケット,カール
ローハーン,ジェームズ,エー,ジュニア
カクマヌ,スリカンス
Original Assignee
コバリス,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コバリス,インコーポレイテッド filed Critical コバリス,インコーポレイテッド
Publication of JP2013530223A publication Critical patent/JP2013530223A/ja
Publication of JP2013530223A5 publication Critical patent/JP2013530223A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F31/00Mixers with shaking, oscillating, or vibrating mechanisms
    • B01F31/80Mixing by means of high-frequency vibrations above one kHz, e.g. ultrasonic vibrations
    • B01F31/87Mixing by means of high-frequency vibrations above one kHz, e.g. ultrasonic vibrations transmitting the vibratory energy by means of a fluid, e.g. by means of air shock waves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2/00Processes or devices for granulating materials, e.g. fertilisers in general; Rendering particulate materials free flowing in general, e.g. making them hydrophobic
    • B01J2/18Processes or devices for granulating materials, e.g. fertilisers in general; Rendering particulate materials free flowing in general, e.g. making them hydrophobic using a vibrating apparatus
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F2215/00Auxiliary or complementary information in relation with mixing
    • B01F2215/04Technical information in relation with mixing
    • B01F2215/0413Numerical information
    • B01F2215/0418Geometrical information
    • B01F2215/0431Numerical size values, e.g. diameter of a hole or conduit, area, volume, length, width, or ratios thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F2215/00Auxiliary or complementary information in relation with mixing
    • B01F2215/04Technical information in relation with mixing
    • B01F2215/0413Numerical information
    • B01F2215/0436Operational information
    • B01F2215/0454Numerical frequency values
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F2215/00Auxiliary or complementary information in relation with mixing
    • B01F2215/04Technical information in relation with mixing
    • B01F2215/0413Numerical information
    • B01F2215/0436Operational information
    • B01F2215/0477Numerical time values
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/40Mixing liquids with liquids; Emulsifying
    • B01F23/41Emulsifying
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/00781Aspects relating to microreactors
    • B01J2219/00925Irradiation
    • B01J2219/00932Sonic or ultrasonic vibrations

Abstract

集束超音波音響処理が、約10nm〜約50ミクロン(例えば、1ミクロン〜20ミクロン)、または約10nm〜約400nm(例えば、10nm〜100nm)の範囲の製剤粒子を調製するために使用される。製剤(例えば、ナノ製剤)は、懸濁液(例えば、ナノ懸濁液)、エマルション(例えば、ナノエマルション)、または別の小粒子系を含み得る。製剤は、治療剤用の送達システムとして使用され得る。製剤は、溶媒中に分散されるミクロンまたはサブミクロンサイズの粒子の懸濁液も含み得る。あるいは、製剤は、生物活性剤と、生物活性剤を封入する界面活性剤などの担体化合物(例えば、医薬品、ポリヌクレオチドなどを含有するリポソーム/ミセル)と、を含み得る。場合によっては、製剤における粒度分布の多分散指数は0.1未満である。製剤は、混合物の平均粒度を減少させる集束音響エネルギーを用いて好適に調製され得る。あるいは、好適な製剤は、混合物の平均粒度を減少させない方法で集束音響を用いて調製され得る。
【選択図】図1

Description

本出願は、2011年1月21日に出願された米国仮特許出願第61/434,941号、および、2010年7月1日に出願された同第61/360,700号の利益を主張するものであり、これらの仮特許出願は、全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書に記載される態様は、製剤(例えば、ナノ製剤)を調製するための集束音響エネルギーの使用および/またはナノ送達用のシステムに関する。場合によっては、本明細書に記載されるナノ送達システムには、生物活性剤の送達に関連する分野の用途があり得る。
音響処理システムは、試料を音場に曝すために使用されることが可能である。音響処理を行い得る試料には、遺伝物質(例えば、DNA、RNA)、組織物質(例えば、骨、結合組織、血管組織)、植物物質(例えば、葉、種子)、細胞および他の物質が含まれる。音響処理システムは、生物学的および/または非生物学的品目を処理するために使用され得る。ある配置(arrangement)において、音響エネルギーは比較的強いので、試料物質は、粉砕されて溶解され、または、破壊される。例えば、細胞膜および他の成分が破壊されまたは分解されてDNAまたは他の遺伝物質が液体中に放出されるように、複数の細胞を含有する試料に音響処理を行うことができる。その後、遺伝物質は、収集され、様々なタイプの分析に使用され得る。音響処理システムは、音響変換器を用いて、これらのプロセスに適した音場を生成する。音場は、試料物質に所望の効果を与えるように、集束され、または、他の形で配置され得る。このようなシステムの例が、米国特許第6,948,843号明細書、第6,719,449号明細書、第7,521,023号明細書および第7,687,026号明細書に記載されている。
本明細書に記載される態様は、集束超音波音響処理を用いてナノ製剤を調製するための組成物および方法に関する。ナノ製剤を調製する際、少なくとも2種の異なる組成物を有する混合物に集束超音波音響エネルギーが加えられて、非常に小さい粒子の緊密な分布(例えば、低い多分散指数を有する)が形成され得る。場合によっては、このような小粒子は、ミクロンまたはナノメートルサイズ(サブミクロン)の特徴を有する。本明細書に記載されるナノ製剤は、懸濁液(例えば、ナノ懸濁液)、エマルション(例えば、ナノエマルション)または小粒子を含む別の系中に微小粒子および/またはナノ粒子を含み得る。ある実施形態において、必須ではないが、ナノ製剤は、医薬品および/または他の治療用化合物などの生物活性剤用のナノサイズの送達システムとして使用され得る。例えば、ナノ製剤は、医薬品、栄養補助食品および/または薬用化粧品などの化合物を含み得る。ナノ製剤は、溶媒中に分散されたミクロンまたはサブミクロンサイズの粒子の懸濁液を含み得る。代替的に、ナノ製剤は、生物活性剤と、リポソーム中に取り込まれる薬剤などの生物活性剤を封入する界面活性剤などの担体化合物と、を含み得る。
ナノ製剤を調製する際、2種の異なる組成物を有する混合物が、容器に入れられ、2センチメートル未満のサイズを有する音響エネルギーの集束領域(focal zone)に曝され得る。音場の集束領域に混合物を十分に曝したときに、約10nm〜約50ミクロンの平均サイズを有する複数の粒子を有するとともに比較的緊密な分布を有するナノ製剤が得られるように、集束音場は、好適な電力レベルで特定の期間にわたって動作させられる音響エネルギー源から生成され得る。場合によっては、混合物に集束音響処理を行う前の混合物中の平均粒度は100ミクロン超または200ミクロン超である。混合物を処理する方法に応じて、得られる平均粒度は、10ミクロン未満、1ミクロン未満、100nm〜1ミクロンまたは10nm〜100nmであり得る。ある実施形態において、得られる平均粒度は10nm〜400nmの範囲である。
ある実施形態では、複数の組成物および初期平均粒度分布を有する混合物が、混合物の平均粒度を減少させるように、および/または、単峰型であって低い多分散指数を有する粒度分布を生じるように、集束音響エネルギーで処理され得る。混合物における粒度の減少および/または特定の粒度分布の形成が、場合によっては有利であるが、本開示の必須の態様ではない。ある実施形態において、混合物の平均粒度が減少させられないが、所望のサイズ範囲内の粒子が集められまたは形成されるように、複数の組成物を有する混合物が集束音響方法にしたがって適切に処理され得る。
例示的な実施形態では、ナノ製剤を調製する方法が提供される。この方法は、第1組成物および第2組成物を含む混合物を容器中に提供する工程と、約100キロヘルツ〜約100メガヘルツの周波数を有する集束音響エネルギーであって約2センチメートル未満のサイズを有する集束領域を有する集束音響エネルギーを、容器の壁を通して伝達して、混合物が少なくとも部分的に集束領域内に配置されるようにする工程と、所定の期間にわたって混合物を集束領域に少なくとも部分的に曝すことによって混合物中に複数の粒子を形成する工程であって、複数の粒子は、所定の期間にわたって混合物を集束領域に曝した後に約10nm〜約50ミクロンの平均サイズを有する、工程と、を含む。
別の例示的な実施形態では、ナノ製剤を調製するためのシステムが提供される。このシステムは、容器と、第1組成物および第2組成物を含む、容器中に配置される混合物と、容器から間隔を空けて容器の外に配置される音響エネルギー源であって、混合物が少なくとも部分的に集束領域内に配置されるように、約100kHz〜約100MHzの周波数を有する集束音響エネルギーであって約2cm未満のサイズを有する集束領域を有する集束音響エネルギーを容器の壁を通して放出するように構成された音響エネルギー源であり、所定の期間にわたって混合物を集束領域に曝したときに、混合物が約10nm〜約50ミクロンの平均サイズを有する複数の粒子を含む、音響エネルギー源と、を含む。
本発明の様々な実施形態が、いくつかの利点を提供する。本発明の全ての実施形態が同じ利点を共有するわけではなく、また、同じ利点を共有する実施形態が全ての状況下で同じ利点を共有するわけではない。
本発明のさらなる特徴および利点ならびに本発明の様々な実施形態の構造が、添付の図面を参照して以下に詳細に説明される。
本発明の非限定的な実施形態が、添付の図を参照して例として説明され、これらの図は概略的なものであり、縮尺どおりに描かれることを意図されていない。図中、図示された同一のまたはほぼ同一の構成要素の各々が通常は1つの数字によって表される。当業者に本発明を理解させるために例示が必要でない場合、明確にするために、全ての構成要素が全ての図に表示されているわけでもなく、本発明の各実施形態の全ての構成要素が示されているわけでもない。図中の説明は以下のとおりである。
例示的な実施形態に係る音響処理システムの概略図を示す。 例示的な実施形態に係る別の音響処理システムの概略図を示す。 例示的な実施形態に係るさらなる音響処理システムの概略図を示す。 例示的な実施形態に係る異なる音響処理システムの概略図を示す。 例示的な実施形態に係るさらに別の音響処理システムの概略図を示す。 一実施例に係る音響処理の前後の混合物中の粒子の顕微鏡写真を示す。 一実施例に係る混合物の処理の際の経時的な平均粒度のグラフを示す。 別の実施例に係る混合物の処理の際の経時的な平均粒度のグラフを示す。 一実施例に係る混合物の処理の際の経時的な平均粒度のグラフを示す。 一実施例に係る混合物の処理の際の経時的な平均粒度のグラフを示す。 さらに別の実施例に係る混合物の粒度分布のグラフを示す。 異なる実施例に係る混合物の粒度分布のグラフを示す。 処理の前の一実施例に係る混合物の粒度分布のグラフを示す。 集束音響処理の後の図13の実施例に係る混合物の粒度分布のグラフを示す。 集束音響処理の後の図13の実施例に係る混合物の粒度分布の別のグラフを示す。 一実施例に係る混合物の粒度分布のグラフを示す。 別の実施例に係る混合物の粒度分布のグラフを示す。
本開示は、狭い分布を有する所望の粒度分布を有するナノ製剤を調製するために集束音響(focused acoustics)を用いるシステムおよび方法であって、再現可能で、制御可能でもあるとともに、迅速に結果が得られ、試料物質の相互汚染を防ぎ、等温である(すなわち、試料の過熱を防ぐ)システムおよび方法に関する。このようなナノ製剤および簡潔で好都合な方法でナノ製剤を生成する能力は、治療的送達用のシステムを準備するとともに治療的送達の既存の方法を向上させることに有用であり得る。好適なナノ製剤は、懸濁液、エマルションまたは異なる小粒子系中に粒子を含み得る。場合によっては、ナノ製剤は、治療剤を送達するために使用され得る。本明細書で提供されるナノ製剤の例は、溶媒中に分散されるミクロンまたはサブミクロンサイズの粒子の懸濁液、または担体組成物中に配置される生物活性剤(例えば、担体中のリポソーム)を含む。本明細書に記載される際のナノ製剤は、サブミクロンサイズの粒子を含む製剤であるものとみなされ得る。
記載される方法にしたがって生成されるナノ製剤は、約10nm〜約50ミクロン、または場合によっては約10nm〜約400nmの平均粒度を有する混合物を含み得る。ある実施形態において、粒度分布は、比較的緊密であり、例えば0.1未満の多分散指数を有する。ある実施形態において、ナノ製剤は、低い多分散指数を有する単峰型の粒度分布が得られるように、混合物の平均粒度を減少させるように、および/または、(例えば、リポソーム形成によって)混合物を他の形で処理するように複数の組成物を有する混合物を集束音響エネルギーに曝すことによって調製され得る。他の実施形態において、ナノ製剤は、混合物の平均粒度をそれほど減少させないが、リポソームの形成などの際に構成要素を一緒に集合させることによって所望のサイズ範囲の粒子を形成するように、集束音響エネルギーを混合物に加えることによって調製され得る。
本発明者らは、現在市場に存在する多くの薬剤を含め、医薬品業界で製造されるかなりの量の化学組成物が、親油性(難溶性)化合物であることを認識し、理解している。このような難溶性の結果として、医薬品は、短い生物学的半減期、低いバイオアベイラビリティ、著しい副作用および低下した総合安定性を示す傾向がある。そこで、前臨床段階でこのような組成物を評価することになり、組成物は、水性懸濁液として経口投与されることが多い。水性懸濁液の投与のマイナス面は、溶液製剤による投与と比較して低下したバイオアベイラビリティおよびより大きい被験者間の差異などの、生体内での有害な結果が生じ得ることである。これに対し、溶液製剤は、毒性レベルの賦形剤および/またはかなりの資源の消費のいずれも伴わずに従来の方法を用いて容易に達成可能でないため、多数の化合物の初期段階の評価が現実的でない。
所望の(および比較的小さい)粒度を有する懸濁液の生成は、上記の問題を軽減することに役立ち得る。本発明者らは、汚染(例えば、再利用可能なプローブの使用の繰り返しから生じる)または分解(例えば、過度の加熱による)を伴わずに試料の体積および濃度の範囲にわたって所望の粒度を有する懸濁液を迅速にかつ好都合に形成する従来の方法が到底理想的とは言えないことを認識し、理解している。従来の方法は、一般に、緊密な、狭い粒度分布(例えば、低い多分散指数)とは対照的に広い粒度分布(例えば、高い多分散指数)を生じる。前臨床経口投与用の簡素な懸濁液を製剤化するための従来の方法には、超音波処理、均質化、顕微溶液化(microfluidization)、撹拌および/または界面活性剤湿潤剤または均質性を促進するためのポリマーなどの賦形剤の使用が含まれる。
機械的均質化は、製剤の発泡を促進する技術として懸濁液を生成するために理想的であると認められておらず、相互汚染を軽減するための方法を提供しない。さらに、顕微溶液化は、処理チャンバ中の相互汚染を可能にするだけでなく、非常に大量の熱を生成する傾向がある。顕微溶液化の他の欠点には、処理の後に試料を熱交換器で冷却しなければならないこと、および多くの場合、試料を顕微溶液化システムに複数回通さなければならないことが含まれ、試料物質を完全に回収できない。製剤化の前の、追加の工程としての化合物の粉砕(milling)は、プロセス全体の時間をさらに増加させ、より多くの工程を行う必要があるため、収量のより大きな低下を招く。
超音波が、様々な診断、治療、および研究の目的のために用いられているが、生物物理学的、化学的および機械的効果が、一般に、経験的に理解されるに過ぎない。材料処理における音波または音響エネルギーの使用には、「超音波処理」を含むものがあり、この「超音波処理」は、処理される材料の流体懸濁液中への、低いキロヘルツ(kHz)範囲(例えば、15kHz)内のエネルギーを放出する非集束超音波源の直接の浸漬を含む機械的破砕の洗練されていないプロセスである。したがって、音波エネルギーは、音波の非集束性およびランダム性のために一貫性のない結果を生じ、エネルギーが分散され、吸収されおよび/または標的と適切に位置合わせされないため、試料の過熱を引き起こす傾向がある。
音波エネルギーの従来の使用と対照的に、ナノ製剤の調製における本明細書に記載される「集束音響」の使用には、以下に挙げられるものを含む大きな利点がある。集束音響は、所望の粒度分布を有する(例えば、狭い単峰型分布を有する好適な粒度範囲を有する)ナノ製剤の生成を可能にする点で明確な利点を提供する。集束音響は、音響処理の際の試料の加熱をほとんどまたは全く伴わないナノ製剤の処理または生成も提供する(すなわち、等温処理を提供する)。組成物は、収容された(contained)環境、すなわち、閉鎖系において処理されてよく、汚染のリスクのない無菌の非接触操作が可能である。最終的な回収収量は、粉砕、顕微溶液化、均質化などのナノ製剤の従来の調製方法と比較して大幅に増える(例えば、100%の材料回収)。集束音響処理は、小さい処理体積(例えば、10mL未満)と大きい処理体積(例えば、250mL超)との間で規模を大幅に変更できる。集束音響は、広い範囲の濃度を有するナノ製剤を調製するのに使用されてよく、その場合、混合物中に広く様々な濃度の特定の組成物を有する異なる混合物について実質的に同じ処理結果が生じる(例えば、1mg/mL程度の低さの濃度および100mg/mL程度の高さの濃度を有する異なる混合物の集束音響処理の際、結果が同様であり得る)。本明細書に記載される集束音響方法は、従来の超音波処理またはナノ製剤の調製方法に必要とされるより少ない操作者の労力、および低い操作者の技能を必要とする簡素なプロセス操作も含み得る。本明細書に記載される集束音響方法を用いたナノ製剤は、ナノ製剤を形成する従来のプロセスで本来起こり得る活性成分(例えば、治療剤)の劣化をほとんどまたは全く伴わずに寿命を長くし得る。集束音響は、混合物中の広範囲の界面活性剤および分散媒を使用する能力、ならびに、低い濃度を有する混合物を使用する能力を実現し、または場合により、界面活性剤および分散媒の使用を完全になくす。さらに、集束音響エネルギーを用いて、細胞を溶解させ、それによって細菌およびウイルスを殺滅することで、対象の組成物を滅菌する方法を提供し得る。集束音響は、Covaris, Inc, Woburn, MAによって提供される適合集束音響(adaptive focused acoustics)(AFA)方法にしたがって使用され得る。
本明細書に示されるシステムおよび方法は、試料の汚染および過熱などの不都合を避けながら、緊密な分布を有する小さい粒度を有するナノ製剤を制御可能に、迅速に、および好都合に調製するために集束音響を用いる。ある実施形態において、ナノ製剤は、複数の組成物の混合物を、好適な条件下で音響エネルギーの集束領域に曝して、約10nm〜約50ミクロン(例えば、20nm〜100nm、100nm〜1ミクロン、1ミクロン〜20ミクロン)の平均サイズを有する粒子を形成することによって調製され得る。場合によっては、複数の組成物の混合物を、特定の条件下で集束音響エネルギーに曝すと、混合物中の粒子の平均サイズが大幅に減少する。ある状況において、複数の組成物の混合物の集束音響処理によるナノ製剤の調製は、混合物中に予め存在する粒子の大幅なサイズ減少を伴わずに緊密な分布を有する小粒子の生成を含み得る。
本明細書に記載される混合物および/またはナノ製剤の粒度分布は、(例えば、Malvern Zetasizer-S、 Zetasizer Nano ZS-90またはMastersizer 2000機器;Malvern Instruments Inc.;Southborough MAを用いた)光子相関分光法とも呼ばれる動的レーザー光散乱を用いて測定され得る。633nmの波長で動作する4mWのHe−Neレーザーおよびアバランシェフォトダイオード検出器(APD)とともにMalvern Zetasizer-S機器を用いて平均粒度を推定した。混合物中の粒子の平均サイズは、平均流体力学的サイズとして推定され得る。粒度分布は、分布の緊密度の尺度として当該技術分野において知られている多分散指数(PDI)にしたがって推定され得る。本明細書に記載される混合物およびナノ製剤の粒子の平均サイズおよびPDIは、動的光散乱に関する国際標準であるISO 13321にしたがって計算される。
ナノ製剤の粒子は、球形、直方体、平行6面体、6面体、多面体などの任意の立体形状を有し得る。本明細書に使用される際の「粒度」という用語が、当該技術分野で公知の方法によって評価される推定粒度を意味し得ることが理解され得る。例えば、粒度は、ほぼ球形形状を取る粒子の推定直径を意味し得る。あるいは、粒度は、直方体などの多面体の推定された幅、長さまたは他の寸法を意味し得る。
集束音響処理プロセスは、本明細書に提供されるシステムおよび方法に応じて機能を高められ(scale up)得る。ある実施形態において、処理容器が、試料物質の容器への流入および容器からの流出を可能にする1以上の好適な入口および/または出口を有し得る。試料物質は、容器内に適切に配置されてから、適切な一連の条件下で集束音響処理に供され得る。十分な程度の集束音響処理の後、試料物質は、容器から排出され、予め処理されなかったより多くの試料が集束音響処理に供されることが可能になり得る。本明細書に記載される様々な実施形態では、処理容器が、処理チャンバに相当するとみなされ得る。
ある実施形態において、音響処理システムは、リザーバおよび処理チャンバを含んでもよく、それぞれが、互いに流体連通している、すなわち、流体が適切な管路を介してリザーバと処理チャンバとの間で移動することが可能である入口および出口を有する。したがって、リザーバからの試料物質は、適切な条件下で集束音響処理のために処理チャンバに移動させられ、その後、リザーバに戻され得る。結果として、試料物質を、周期的に音響処理することができ、その場合、何回か分の試料物質が、複数回、集束音響処理を受け得る。
ある実施形態において、試料物質は、集束音響処理のために供給リザーバから処理チャンバに移動させられ得る。その後、処理された試料物質は、処理チャンバから、供給リザーバと別個の異なる容器に移動させられ得る。
ある実施形態において、試料物質は、様々な条件の集束音響などの様々なレベルの処理のために供給リザーバから複数の処理チャンバを通して移動させられ得る。試料物質の追加/除去のためにさらなる管路も提供され得る。
図1は、米国特許第6,948,843号、第6,719,449号および第7,521,023号に記載されるシステムに係る集束音響処理システム10を示す。このシステムは、圧電変換器20を用いて、容器40によって画定される空間内に含まれる試料42へと向けられる音響エネルギー波22を生成する。容器40は、その内部に配置された音響カップリング媒体32(例えば、水)を有するとともに容器の外面と接触している流体浴容器30内に位置決めされる。音響エネルギー波22は、変換器20から、媒体32を通して、容器40の壁を通して伝達され、容器の壁内または壁の近くの集束領域24に集まる。音波の周波数は、約100キロヘルツ〜約100メガヘルツ、または約500キロヘルツ〜約10メガヘルツなどの任意の適切な範囲を有してよい。非接触の等温の機械的エネルギーが試料42に加えられるように、集束領域24は試料42に近接している。集束領域は、約2cm未満の幅(例えば、直径)を有するなど、任意の好適な形状およびサイズを有してよい。
本発明者らは、集束音響システムを用いた試料物質の処理プロセスの機能がより大きい体積の材料の処理のために向上すると有利であろうことを認識し、理解している。図1のシステムは、変換器と容器との間の相対移動を可能にする機械的および/または電気的機構を組み込み得るが、試料物質は、一般に、容器40によって画定された空間内に含まれる。したがって、次の試料物質を処理するために、変換器および/または容器を取り替える必要がある。図2は、変換器20または容器50を移動させる必要なく試料物質の流入および流出を可能にする音響処理システム10を示す。図2のシステムは、試料物質52が内部に配置された容器50を含め、図1に示されるシステムと類似しているが、このシステムは、試料供給源60および試料排出口70も含む。容器50は、矢印Aの方向に沿って管路64を通じた、供給源60から容器50中への試料物質の流入を可能にするために管路64と流体連通する入口62を含む。容器は、排出口70への試料物質の流体流を与える矢印Bの方向に沿った容器から管路74中への試料物質の流出を可能にする出口72も含む。したがって、このシステムにより、非処理の試料物質が、容器中に移動し、集束音響エネルギーで処理され、その後、容器から出ることが可能になり、それにより、容器または変換器の互いに対する移動を必要とせずに、より多くの試料物質が集束音響で処理されることが可能になる。
図3は、集束音響で試料物質を処理するための向上したアプローチを可能にする集束音響処理システム100の別の例示的な実施形態を示す。このシステムにより、試料物質を複数回処理することもできる。このシステムは、試料物質の供給を保持するためのリザーバ120および試料物質が音響処理を受ける空間を提供する処理チャンバ110を含む。リザーバ120は、試料物質のリザーバへの流入およびリザーバからの流出を可能にするためのリザーバ出口122およびリザーバ入口124を含む。同様に、処理チャンバ110は、試料物質の処理チャンバへの流入および処理チャンバからの流出を可能にするためのチャンバ入口112およびチャンバ出口114を含む。リザーバ出口122は、試料物質が、矢印Cの方向に沿ってリザーバから管路130中に、さらにチャンバ入口112を介して処理チャンバ中に移動することを可能にする。試料物質の十分な音響処理をしてから、適切な量の試料物質が、矢印Dの方向に沿って、リザーバ入口124を介してリザーバ120に戻るように、チャンバ出口114を介して処理チャンバから出て、管路140に入ることができる。
したがって、処理チャンバの空間によって画定される体積より多い量の試料物質が音響処理され得る。さらに、処理チャンバからリザーバ中に戻って輸送される既に処理された材料が、最終的に、さらなる音響処理のためにリザーバから処理チャンバ中に戻って移動され得るため、試料物質は、複数回音響処理され得る。
任意の好適な構造が、本明細書に記載される入口および/または出口として提供され得る。例えば、適切な入口および出口は、ノズル、孔、管、管路などを含み得る。場合によっては、入口および/または出口は、必要に応じて材料の流入および流出を制御するために開閉する弁付き構造を含み得る。さらに、処理チャンバおよびリザーバは、入口/出口の数および位置を限定されない。例えば、処理チャンバおよび/またはリザーバは、管路130、140以外の他の好適な位置に、試料物質の流れのための追加の入口または出口を有し得る。
リザーバと処理チャンバとの間で(例えば、管路130、140およびそれぞれの入口/出口を通して)試料物質を移動させるために、任意の好適な原動力が提供され得る。ある実施形態において、リザーバから処理チャンバまで往復で試料物質を移動するために試料物質に圧力を加えるためにポンプ150が提供される。任意の適切なポンプ装置が用いられ得る。場合によっては、ポンプは、管路140とポンプ150との間で、図3に示される継手などの管路に連結される。1以上の好適なポンプが、システムの任意の適切な位置に提供され得る。ある実施形態において、ポンプ装置を必要とせずに、差圧勾配が、システムの様々な領域間で提供される。例えば、リザーバ出口122を通ってリザーバから、チャンバ入口122を介して処理チャンバに入るように試料物質が流れるように、圧力勾配が、管路130に沿って維持され得る。同様に、圧力勾配が、管路140に沿っても維持されてよく、それにより、チャンバ出口114を通って処理チャンバから、管路140を通って、リザーバ入口124を介してリザーバに入るように試料物質が流れる。
図4は、試料物質の大規模な集束音響処理を可能にする集束音響処理システム200の別の例示的な実施形態を示す。このシステムは、処理チャンバを通る試料物質の単一経路(single pass)を提供する。このシステムは、処理される試料物質の供給を保持するための第1リザーバ220と、試料物質が音響処理を受けるための空間を提供する処理チャンバ210と、既に処理された試料物質を受け入れるための第2リザーバ230と、を含む。第1リザーバ220は、矢印Eの方向に沿ったリザーバから管路240中への試料物質の流出を可能にするためのリザーバ出口222を含む。処理チャンバ210は、処理チャンバ中への試料物質の流入を可能にするためのチャンバ入口212を含む。処理の際、音響変換器202が、試料物質が曝される好適な集束領域206を形成するように音波204を生成する。試料物質が十分に処理されると、好適な量の試料物質が、矢印Fの方向に沿って、リザーバ入口232を介して第2リザーバ230中に移動するように、チャンバ出口214を通って処理チャンバから出て、管路250に入ることができる。処理チャンバの体積によって画定される試料物質の量より多い量の試料物質が、このシステムにおいて音響処理され得るが、試料物質の流れは、図3に提供されるように、循環性ではない。
図3に関して上述されるものと同様に、第1リザーバ220から処理チャンバ210に、および、処理チャンバから第2リザーバ230に試料物質を移動させるために、任意の好適な原動力が提供され得る。ある実施形態において、集束音響処理システムを通って試料物質を移動させるためにポンプ260が提供される。図4に示されるように、限定はされないが、ポンプ260は、管路、例えば、限定はされないが、管路250に連結され、適切に操作され得る。
図5は、複数の処理チャンバが用いられる、試料物質の大規模な集束音響処理を提供する集束音響処理システム300の例示的な実施形態を示す。図示されるこのシステムは、試料物質を各処理チャンバに通過させ、各処理チャンバにおいて、試料物質は、同様のまたは異なる集束音響処理条件に曝され得る。さらに、必要に応じて、試料物質が何回かに分けて処理チャンバ間で加えられ、または、除去され得る。
リザーバ330が、第1処理チャンバ310および第2処理チャンバ320(それぞれ、試料物質が集束音響処理を受けるための空間を提供する)中で処理される試料物質の供給を保持する。リザーバ330は、矢印Gの方向に沿ったリザーバから管路340中への試料物質の流出を可能にするためのリザーバ出口332を含む。処理チャンバ310は、処理チャンバ中への試料物質の流入を可能にするチャンバ入口312を含む。音響処理の際、変換器302が、試料物質が曝される適切な集束領域306を形成するように音波304を提供する。試料物質の十分な音響処理を行ってから、好適な量の試料物質が、チャンバ出口314を通って処理チャンバから出て、管路350に入り得る。試料物質は、矢印Iの方向に沿って移動し、その後、チャンバ入口322を介して第2処理チャンバ320に入り得る。試料物質には、第1処理チャンバ310と同じかまたは異なる処理条件下で、第2処理チャンバ320によって画定される空間内でさらなる音響処理を行い得る。変換器303は、試料物質の音響処理に有用である好適な集束領域307を形成する際に音波305を生成する。好適な音響処理の後、試料物質は、チャンバ出口324を介して第2処理チャンバ320から流出し、排出口362において収集するために矢印Kの方向に沿った移動のための管路360に入り得る。
ある実施形態において、図5に示されるように、集束音響処理システムを通って試料物質を移動させる原動力を与えるためにポンプ380が提供される。ポンプ380は、管路340に連結されるように示されているが、任意の好適なポンプが、任意の適切な位置で集束音響処理システムに連結され得ることを理解することができる。
必要に応じて試料物質が追加されおよび/または除去されるように、管路370、372が、システムの適切な位置で提供され得る。例えば、試料物質が、管路340に沿って第1処理チャンバ310に向かって移動する場合、管路370は、試料物質とともに処理チャンバ310中で音響処理される追加の成分(例えば、薬剤、担体界面活性剤など)を提供し得る。同様に、管路372はまた、処理チャンバ320中の試料物質とともに音響処理され得る追加の成分を除去または提供し得る。方向の矢印H、Jは、管路370、372が、必要に応じて材料を追加または除去するために用いられ得ることを示すものである。任意の集束音響処理システムが、必要に応じて、試料物質に追加の成分が補充され得る特定の位置または試料物質が処理システムから除去され得る特定の位置を提供することを理解することができる。
ある実施形態において、本明細書に記載される集束音響処理システムは、音響的試料処理の特性を検知し、検知された特性に基づいてシステムのパラメータを調整するための好適なフィードバック制御システムを組み込み得る。例えば、試料物質の特定の特徴(例えば、処理システムに沿った様々な位置における、試料物質の粒度分布、試料物質中の平均粒度、試料物質の体積、試料物質がシステムを通って移動する速度、または任意の他の好適な特性など)を監視することができる。
例えば、2つの処理チャンバのうちの第1処理チャンバによって音響処理を行った後、このシステムは、試料物質の平均粒度が、その時点における所望の平均粒度より大きいことを検知し得る。結果として、第2処理チャンバにおける試料物質の音響処理が、対応して調整され得る(例えば、処理は、延長されることがあり、変換器からの出力が増加され得るなど)。あるいは、試料物質中の粒子の90%が、特定のサイズ範囲内にあるべきである必要があってよく、試料物質の粒子の90%が、処理の間の該当する時点で好ましいサイズ範囲を下回ることが(コンピュータによってまたはサイズ範囲を監視するユーザによって)決定される。したがって、短縮された処理期間に試料物質を供するように対応してプロセスパラメータを調整することができ、それにより、試料物質中の粒度減少が全般的に減少する。あるいは、不十分な量の界面活性剤が、生物活性剤を封入するためのリポソームまたはミセルを好適に形成するために試料物質に提供されることが決定され得る。したがって、リポソーム/ミセルが適切に形成され得るように、追加の界面活性剤が、(例えば、管路370、372を通して)試料物質に注入され得る。試料物質の他の特性を同様に監視することができ、それによって、処理パラメータの好適な調整が得られる。
複数の組成物の混合物中に既に存在する粒子のサイズが減少する例では、混合物中の粒子の平均出発サイズが、約10ミクロン〜約500ミクロンの範囲であってよく、好適な条件下で混合物を集束音響エネルギーに曝すと、混合物中の粒子の得られる平均サイズが、例えば、10ミクロン〜50ミクロン、または10nm〜100nmの範囲であってよい。粒度減少の別の例において、薬剤(例えば、イブプロフェン)を含む15mL〜20mLの体積を有する混合物中の粒子の平均出発サイズは、約200ミクロンであってよい。混合物が、約150Wの電力で約1MHzの周波数を有する音響エネルギーの集束領域に10分間曝された後、混合物中の粒子の平均サイズは、約40ミクロンまで減少させられてよい。1時間未満(例えば、30分間)にわたって同じ集束音響条件に混合物を曝すと、混合物中の粒子の平均サイズは、100nm未満まで減少させられ得る。集束音響条件への混合物の曝露の増加により、さらに小さい平均粒度を有する混合物が得られる。ある実施形態において、集束音響エネルギーへの、治療組成物および担体組成物の両方を有する混合物の曝露により、混合物中の粒子の平均出発サイズの0.01%程度の低さのパーセンテージまで(例えば、200ミクロンの平均サイズから10nmの平均サイズまで)の混合物中の粒子の制御した減少が得られる。
本明細書に記載される混合物は、例えば、ナノ製剤の前駆体の形態のいくつかの組成物を含んでいてもよく、または混合物は、ナノ製剤自体であり得る。場合によっては、混合物中の組成物の1つ以上、またはナノ製剤が、任意の医薬品、栄養補助食品、薬用化粧品、またはそれらの混合物であり得る。
医薬品は、混合物中の生物活性組成物として使用することができ、以下に限定されないが、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)(例えば、タモキシフェン)、アルキル化剤(例えば、ダカルバジンなどの置換イミダゾール化合物)、タキサン化合物(例えば、パクリタキセル)、ヌクレオシド類似体(例えば、ゲムシタビン)、スタチン(例えば、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチンなど)、ピリミジン類似体(例えば、5−フルオロウラシル)、核酸分子(例えば、DNA、RNA、mRNA、siRNA、RNA干渉分子、プラスミドなど)、薬剤(例えば、イブプロフェン、シンナリジン、インドメタシン、グリセオフルビン、フェロジピン、ケルセチンなど)などを含み得る。任意の好適な医薬品が、本明細書に記載されるナノ製剤に組み込まれ得る。
記載されるように、ナノ製剤中の組成物は、siRNA、RNA、DNA、プラスミド、またはポリペプチド化合物などのポリヌクレオチド分子を含み得る。ある実施形態によれば、siRNAまたは他のポリヌクレオチド含有ナノ製剤が、siRNA分子の変性を伴わずに、または少なくともsiRNAまたは他の分子の変性をそれほど伴わずに調製され得る。すなわち、ナノ製剤の一部として提供されるsiRNA分子を含む組成物は、一般に、タンパク質の発現または標的の他の機能に対する全体の影響を与えるように、対応するmRNA分子または他の標的化合物の活性を調節する際にそれらの機能を保つ。ポリヌクレオチドまたはポリペプチド化合物は、標的に対してアンチセンス化合物であり得る。mRNAの場合、干渉され得る機能のいくつかは、タンパク質翻訳のための部位へのmRNAの転位、mRNAに由来するタンパク質の実際の翻訳、1つ以上のmRNA種を得るためのmRNAのスプライシング、mRNAの代謝回転(turnover)または分解および場合により、RNAが関わり得る独立した触媒活性を含む。mRNA機能とのこのような干渉の全体の影響は、1つ以上のタンパク質の発現の調節としてそれ自体が現れることがあり、それにより、遺伝子の発現の増加(刺激)または減少(阻害)が生じ得る。
本発明者らは、siRNAまたは他のポリヌクレオチド含有ナノ製剤を生成するための集束音響の使用以外の方法が、例えば、ナノ製剤化プロセス中に化合物に導入される、機械的せん断、圧力、異物汚染、および/または、熱のために、ポリヌクレオチド化合物の劣化を引き起こすことを認識している。siRNAまたは他のポリヌクレオチド化合物を含む、集束音響を用いて調製されるナノ製剤は、例えば、ナノ製剤プロセス中に材料に導入されるより少量の熱、ならびに導入される機械的せん断、圧力および/または汚染物質の減少のために、より高い効力または他の機能的性能を有し得る。例えば、siRNAの場合、分子は、比較的不安定であり、殺菌していない環境および高温レベルにおいてヌクレアーゼの影響下で分解される。siRNAを含むナノ製剤を生成するための集束音響プロセスは、siRNAの温度感受性を制御する傾向がある。したがって、本明細書に記載される態様は、他のプロセスでは簡単に実現できない治療または他の機能的有効性を有する、siRNAまたは他のポリヌクレオチド材料を含むナノ製剤の製造を可能にし得る。
混合物中の組成物の少なくとも1つが治療剤を含み得る場合、混合物中の1以上の他の組成物は非治療剤を含み得る。ある実施形態において、混合物中の組成物が、他の組成物(例えば、治療剤)を混合物中に包むのに有用な担体化合物を含み得る。場合によっては、混合物は、2つの液体間の界面張力、または液体と固体との張力などの、混合物中の液体の表面張力を低下させる働きを果たし得る界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、疎水基および親水基の両方を有する1以上の両親媒性分子を含み得る。好適な界面活性剤は、アニオン性であってもよく、例えば、硫酸塩(例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム)、スルホン酸塩(例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸塩、パーフルオロブタンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩)、リン酸塩(例えば、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩)、またはカルボン酸基(カルボン酸アルキル、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、パーフルオロノナン酸塩、パーフルオロオクタン酸塩)の少なくとも1つを有する。ある実施形態において、界面活性剤は、カチオン性、両性イオン性、または非イオン性であり得る。
ある実施形態において、本開示のナノ製剤は、水性媒体または油性媒体などの分散媒を含み得るエマルション(例えばナノエマルション)として調製され得る。一実施形態において、油性媒体は、以下に限定はされないが、植物源および海洋生物源に由来する飽和および不飽和油、シリコーン油、鉱油、および植物由来油を含む群から選択される。界面活性剤は、含まれる場合、任意のイオン性(例えば、アニオン性、カチオン性)、非イオン性、または両性イオン材料であり得る。
ある実施形態において、混合物を集束領域に曝す工程は、混合物を等温環境中で処理する工程を含み得る。混合物に加えられる集束音響エネルギーが、かなり不規則に分散されたエネルギー(すなわち、熱の形態の)を有さないため、試料物質の温度は、一般に、好適な変動度の範囲内に維持され得る。例えば、混合物の温度は、出発温度の約5℃以内、約2℃以内、または約1℃以内の温度に維持され得る。
本明細書に記載される方法にしたがって調製されるナノ製剤は、任意の好適な粒度分布を有し得る。必須ではないが、ある実施形態において、ナノ製剤を調製するために集束音響エネルギーの使用を含む記載されるシステムおよび方法により、単峰型の粒度分布が得られる。例えば、粒度分布は、ガウス分布に類似していることがある。しかしながら、他の場合、好適なナノ製剤の粒度分布は多峰型である。ある実施形態において、音響処理されたナノ製剤の粒度分布のPDIは、0.5未満、0.3未満、0.1未満、0.08未満、または0.06未満である。例えば、好適に音響処理されたナノ製剤の粒度分布のPDIは、約0.03〜約0.1、約0.05〜約0.09、または約0.06〜約0.08であり得る。ある実施形態において、音響処理されたナノ製剤の粒度分布の相対標準偏差は、ナノ製剤の平均粒度の1%未満、0.5%未満、または0.1%〜0.8%であり得る。
本明細書に記載される際の粒度分布は、特定の閾値サイズを超えるかまたは特定の閾値サイズ未満である粒子の数について表され得る。複数の粒子のd90粒度は、90%の粒子が、所与のd90サイズを超えるサイズを有することを意味する。例えば、10ミクロンのd90粒度を有する複数の粒子は、10ミクロン超のサイズを有する90%の粒子として定義される。したがって、同じ例では、10%の粒子が、10ミクロン未満のサイズを有する。複数の粒子のd50粒度は、50%の粒子が、所与のd50サイズ(すなわち、中央値)を超えるサイズを有することを意味する。複数の粒子のd10粒度は、10%の粒子が、所与のd10サイズを超えるサイズを有することを意味する。一般に、本明細書に記載されるd90、d50およびd10粒度測定は、実質的に単峰型の粒度分布に関するものである。
本開示の集束音響エネルギーを用いて調製されるナノ製剤の貯蔵寿命は、従来の技術を用いて調製される製剤の貯蔵寿命より長くなり得る。場合によっては、懸濁液、エマルションまたは特定の担体製剤の粒子(例えば、リポソームまたはミセルに封入された生物活性剤)は、周囲環境中で貯蔵される場合、合体してより大きい粒子になり、比較的短い貯蔵寿命の粒度分布を示す傾向を有し得る。例えば、リポソームまたはミセル粒子の場合、隣接する粒子のリン脂質分子が互いに合体して、混合物中の平均粒度が全体的に増加し得る。あるいは、従来の混合物中の粒子が、時間の経過とともに劣化する(すなわち、機能を失う)傾向を有し得る。しかしながら、本明細書に記載されるナノ製剤は、従来の方法を用いて調製される製剤と比較して、試料の劣化を伴わずに(すなわち、機能を維持して)比較的長い貯蔵寿命を示し得る。ある実施形態において、本明細書に記載されるシステムおよび方法にしたがって調製されるナノ製剤の粒度分布は、一般に安定し得る。すなわち、集束音響によって好適に形成されたナノ製剤の小粒子が時間の経過とともに合体してより大きい粒子になる傾向が最小限である。ある実施形態において、好ましいナノ製剤を、12時間、24時間、2日間、5日間、1週間、1ヶ月間、1年間、またはそれ以上にわたって静置させると、ナノ製剤の実施形態の平均粒度および/または多分散指数は、2%以下、5%または10%未満だけ変動する。ある実施形態において、ナノ製剤(例えば、低いPDIを有する、100nm、1ミクロン、10ミクロン、50ミクロンなど)中で形成される粒子の所望のサイズ分布が、1日〜24ヶ月間、2週間〜12ヶ月間、または2ヶ月間〜5ヶ月間などの延長された期間にわたって維持され得る。
上述されるように、集束音響エネルギーが、約10nm〜約50ミクロンの平均サイズを有する複数の粒子の製剤をもたらす条件下で様々な組成物を含む混合物に加えられ得る。ある実施形態において、ある期間にわたる集束音場への混合物の好適な曝露から得られる粒子は、約20nm〜約100nm、約100nm〜約10ミクロン、または約10ミクロン〜約50ミクロンの平均サイズを有する。場合によっては、集束音響エネルギーへの好適な曝露の後の混合物中の粒子の平均サイズは、50ミクロン未満、40ミクロン未満、30ミクロン未満、20ミクロン未満、10ミクロン未満、1ミクロン未満、500nm未満、100nm未満、50nm未満、20nm未満、または10nm未満であり得る。
本明細書に記載される方法にしたがって集束音響エネルギーに曝されると、混合物は、粒度が全般的に減少し得る。ある実施形態において、適切な条件下での音響処理の後の混合物中の粒子の平均サイズは、平均出発粒度の50%未満、20%未満、10%未満、1%未満、0.05%未満の平均粒度まで減少され得る。例えば、好適な期間にわたる音響エネルギーの集束領域への混合物の曝露の後、混合物中の全ての粒子の平均サイズは、集束領域への曝露の前の平均出発粒度の0.01%〜50%、0.05%〜5%、0.1%〜3%、0.5%〜1%、1%〜10%、10%〜20%、20%〜30%、30%〜40%、または40%〜50%である。一実施形態において、60分未満にわたって混合物に音響処理を行うと、混合物中の複数の粒子の平均サイズは、少なくとも200ミクロンから1ミクロン未満に減少され得る。
ある実施形態において、集束領域への曝露の前の混合物中の平均出発粒度は、約10ミクロン〜約500ミクロン、約50ミクロン〜約300ミクロン、または約100ミクロン〜約200ミクロンであり得る。場合によっては、集束領域への曝露の前の混合物中の粒子の平均出発サイズは、10ミクロン超、50ミクロン超、100ミクロン超、200ミクロン超、300ミクロン超、500ミクロン超、または1000ミクロン超であり得る。
ある実施形態において、好ましい範囲の粒度を有するナノ製剤が得られる集束音響処理にかけられる混合物は、粒度が全般的に減少されない。例えば、集束音響エネルギーを用いて、複数の組成物を有する混合物を処理することができ、その場合、混合物中の粒子は、サイズ減少されるように処理されず、リポソーム/ミセル、ナノ懸濁液、および/またはナノエマルションなどの特定のタイプのナノ製剤が形成されるように音響処理される。平均粒度が減少されないように、好適な組成物の混合物を集束音響エネルギーに曝すことによって調製されるナノ製剤は、ある実施形態において、治療剤を封入し得る。
上述されるように、集束音響を用いて、効率を高め、ナノ製剤の調製にかなりの利便性を与えることができる。ある実施形態において、好適なナノ製剤が得られる集束音場への混合物の曝露時間は短い。例えば、混合物は、2日未満、1日未満、12時間未満、10時間未満、5時間未満、1時間未満、30分未満、10分未満、または5分未満の期間にわたって、集束音場に曝されて、好適なナノ製剤が形成され得る。これに対して、好適なナノ製剤を調製する既存の方法は、他の既存の方法を望ましくないものにする他の要因(例えば、汚染の可能性、試料の加熱、低い程度の再現性など)に加えて、かなりの時間量を必要とする多くの工程を含み得る。
集束音響システムは、好ましい特性を有するナノ製剤を調製するために任意の好適な電力で動作させられ得る。ある実施形態において、集束音場は、50ワット〜250ワット、100ワット〜200ワット、120ワット〜170ワット、または約150ワットで動作させられる。
ある実施形態において、初期混合物から好適なナノ製剤を調製するために必要とされる時間量、電力および/または労力は、混合物の体積に大きく左右されない。言い換えると、より大きい体積(例えば、250mL)を有するように拡大される類似の混合物のために、小さい体積の混合物(例えば、5mL)が集束音響エネルギーに曝されるために必要とされる期間はそれほど延長される必要はない。例えば、好適なナノ製剤が、それぞれ5mLおよび250mLの体積を有する混合物を、30分間にわたって集束音場に適切に曝すことから得られる。ある実施形態において、好適なナノ製剤が、約1mL〜約500mL、約5mL〜約250mL、または約10mL〜約100mLの体積を含む混合物を適切な集束音場に曝すことから得られる。
場合によっては、同様のナノ製剤の結果を得るために、かなり大きい体積(例えば、5L超)を有する混合物を、はるかに小さい体積(例えば、10mL未満)を有する混合物と比較してより長い期間にわたって集束音響エネルギーに曝すことが好適であり得る。例えば、500mLの体積を有する混合物を集束音場に60分間曝すと、250mLの体積を有する混合物が集束音場に30分間曝される同様の例と同様の特性を有するナノ製剤が得られる。したがって、ある実施形態において、特定のナノ製剤の結果(例えば、本明細書に記載されるナノ製剤の結果に係る、平均粒度、多分散指数、粒度減少、粒度分布など)を得るために、複数の組成物の混合物は、好適な集束音場に、例えば、混合物10mL当たり30分間、混合物50mL当たり30分間、混合物100mL当たり30分間、混合物250mL当たり30分間または混合物500mL当たり30分間または混合物1000mL当たり30分間にわたって、曝され得る。同様に、ある実施形態において、好適なナノ製剤の結果は、例えば、混合物500マイクロリットル当たり15分間、混合物1mL当たり15分間、混合物2mL当たり15分間、混合物10mL当たり15分間、混合物50mL当たり15分間または混合物100mL当たり15分間にわたって、複数の組成物の混合物を適切な集束音場に曝した後に生じ得る。
体積に関する場合と同様に、ある実施形態では、初期混合物から好適なナノ製剤を調製するために必要とされる時間量、電力および/または労力は、混合物の濃度に大きく左右されないであろう。例えば、類似の粒度分布を有するナノ製剤が、それぞれ1mg/mLおよび100mg/mLの濃度の組成物を有する混合物を好適な集束音場に30分間曝すことから得られる。ある実施形態において、好ましい特性を有するナノ製剤が、約1mg/mL〜約500mg/mL、約1mg/mL〜約100mg/mL、約15mL〜約100mg/mL、または約40mg/mL〜約70mg/mLの濃度を有する組成物を中に含む混合物を適切な集束音場に曝すと生じ得る。例えば、集束音響処理の前の出発粒度と比較した際の非常に変動する濃度(例えば、1mg/mL〜100mg/mL)間の粒度の変動の差(例えば、d90、d50、d10の平均サイズなど)のパーセントは、15%未満、10%未満、5%未満、3%未満または1%未満であり得る。
場合によっては、同様のナノ製剤を得るために、かなり高い濃度の組成物(例えば、5g/mL超)を有する混合物を、はるかに少ない濃度の特定の組成物(例えば、1mg/mL未満)を有する混合物と比較してより長い期間にわたって集束音響エネルギーに曝すことが有益であり得る。例えば、200mg/mLの濃度を有する混合物を集束音場に60分間曝すと、100mg/mLの濃度を有する混合物が集束音場に30分間曝される同様の状況と同様の特性を有するナノ製剤が得られる。ある実施形態において、特定のナノ製剤の結果(例えば、平均粒度、多分散指数など)を得るために、複数の組成物の混合物が、好適な集束音場に、例えば、100mg/mLの混合物当たり30分間、200mg/mLの混合物当たり30分間または300mg/mLの混合物当たり30分間にわたって曝され得る。
処理時間、混合物の体積および組成物濃度などのパラメータに関して上記の任意の組合せが、好ましい粒度分布を有するナノ製剤を製造するのに好適であり得ることを理解することができるが、いくつかの粒度分布の例が後述される。一実施形態において、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、集束音響エネルギーへの混合物の曝露の前に、40ミクロン超のサイズを有し得る。しかしながら、混合物を集束音響エネルギーに、約5分未満または10分未満にわたって曝した後、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、40ミクロン未満の得られるサイズを有し得る。別の実施形態において、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、集束音響エネルギーへの混合物の曝露の前に、100ミクロン超のサイズを有し得る。混合物を集束音響エネルギーに約10分未満にわたって曝した後、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、20ミクロン未満の得られるサイズを有し得る。さらなる実施形態において、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、集束音響エネルギーへの混合物の曝露の前に、150ミクロン超のサイズを有し得る。混合物を集束音響エネルギーに約5分未満にわたって曝した後でも、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、15ミクロン未満のサイズを有し得る。さらに別の実施形態において、混合物を集束音響エネルギーに約10分未満にわたって曝した後、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、集束音響エネルギーへの曝露の前の混合物中の全ての粒子の出発d90サイズの20%未満のサイズを有し得る。さらなる実施形態において、混合物を集束音響エネルギーに約5分未満にわたって曝した後、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、集束音響エネルギーへの曝露の前の混合物中の全ての粒子の出発d90サイズの10%未満のサイズを有し得る。
上述されるように、混合物の処理体積の増加は、音響処理期間の増加を伴うことがある。一実施形態において、200mLを超える(例えば、約250mL)処理体積を有する混合物については、混合物を好適な集束音場に約60分未満にわたって曝すと、混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、集束音場への曝露の前の混合物中の全ての粒子の出発d90サイズの15%未満のサイズを有する結果になり得る。別の実施形態において、200mLを超える処理体積を有する混合物を集束音場に約30分未満にわたって曝すと、混合物中の全ての粒子の少なくとも50%が、集束音場への曝露の前の混合物中の全ての粒子の出発d50サイズの20%未満のサイズを有する結果になり得る。さらなる実施形態において、200mLを超える処理体積を有する混合物を集束音場に約15分未満にわたって曝すと、混合物中の全ての粒子の少なくとも10%が、集束音場への曝露の前の混合物中の全ての粒子の出発d10サイズの15%未満のサイズを有する結果になり得る。さらに別の実施形態において、200mLを超える処理体積を有する混合物を集束音場に約60分未満にわたって曝すと、混合物中の全ての粒子の平均サイズが、集束音場への曝露の前の混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの0.5%未満であるという結果になる。さらなる実施形態において、200mLを超える処理体積を有する混合物を集束音場に約10時間未満にわたって曝すと、混合物中の全ての粒子の平均サイズが、集束音場への曝露の前の混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの約0.2%未満であるという結果になる。
様々な実施形態において、本明細書に記載される態様は、約10〜約400ナノメートルの直径を有する粒子の集団を含むナノ製剤を想定しており、ここで、前記ナノ製剤は、より大きいまたはより小さい直径を有する粒子によって汚染されない(すなわち、試料は単分散である)。一実施形態において、粒子は、1種または複数の化合物を封入する。化合物は、医薬品、栄養補助食品、および薬用化粧品であり得る。
別の実施形態において、本開示は、1種または複数の活性成分、液体分散媒および液体担体を含む混合物を形成する工程を含む、ナノ製剤を形成するための方法を想定しており、ここで、化合物は、前記媒体中で3mg/mlを超える溶解度を有する。音響エネルギー波列が、容器中に保持される混合物に向けられて、約100キロヘルツ〜約100メガヘルツの周波数を有し、かつ主に容器中に位置する、約2センチメートル未満の幅を有する集束領域に集まる音響エネルギー場に混合物が曝される。集束領域における音響エネルギー場への曝露に反応して混合物中にナノ製剤が形成され、ここで、ナノ製剤は、液体担体中に懸濁された液体分散媒の粒子の集団を含む。各粒子は、活性成分の少なくとも一部を含有し、約10ナノメートル〜約400ナノメートルの直径を有する。
一実施形態において、分散媒は、水性媒体および油性媒体からなる群から選択される。一実施形態において、油性媒体は、以下に限定はされないが、植物源および海洋生物源に由来する飽和および不飽和油、シリコーン油、鉱油、および植物由来油からなる群から選択される。界面活性剤は、含まれる場合、任意のイオン性、非イオン性、または両性イオン材料であり得る。
一実施形態において、本発明は、ポリマーベースの、金属ベースの、または薬剤ナノ粒子形成などのプロセスから生成されるナノ結晶(例えば、金、酸化鉄、および薬剤ナノ結晶)の合成を促進するための方法を想定している。
別の実施形態において、本開示の態様は、歯の修復または他の歯科技術に使用される充填材のためのセメント製造方法に使用可能な炭酸カルシウムナノ粒子の調製にも使用することができる。
別の実施形態において、本開示は、耐細菌性を備えた均一な集束超音波音響ナノ製剤を想定している。一実施形態において、前記耐細菌性は、音響せん断力によって誘発される細胞溶解を含む。一実施形態において、ナノ製剤は無菌である。
本明細書に記載される態様によれば、集束音響によって調製されるナノ製剤は、研究用試薬、診断補助薬、治療剤としておよび/または他の目的のために使用可能なアンチセンス化合物を含み得る。特異性を有する遺伝子発現を阻害することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて、特定の遺伝子の機能を明らかにすることができ、例えば、当業者によって公知のSELEXとして知られている技術を含むスクリーニングプロセスの一部としての転写の配列選択的阻害剤としてsiRNAを使用することができる。SELEX手順は、所望の標的化合物または分子に特異的に結合する特性をそれぞれが有する、独自の配列を有する核酸分子の同定を可能にし得る。アンチセンス化合物は、例えば、生物学的経路の様々な構成要素の機能を区別するためにも使用される。本明細書に記載される態様にしたがって生成されるナノ製剤は、以下に限定はされないが、オリゴヌクレオチド模倣剤を含む他のオリゴマーアンチセンス化合物も含み得る。アンチセンス化合物は、集束音響によって生成されるナノ製剤中の活性成分であってよく、約8〜約30のヌクレオチド塩基(すなわち、約8〜約30の連結された塩基)を有し得るが、より長い配列およびより短い配列のいずれも本発明に利用され得る。例えば、このようなアンチセンス活性成分は、約12〜約25のヌクレオチドを含むものなどのアンチセンスオリゴヌクレオチドであり得る。
一実施形態において、本開示は、医薬品または他の活性化合物の効力を大幅に向上させるナノエマルションの製造を想定している。例示的な一方法において:a)治療的に有効な量で投与された化合物が無効である被験体が特定され;およびb)ナノエマルションが、治療的に有効である化合物のバイオアベイラビリティが向上されるような条件下で被験体に送達される。一実施形態において、向上されたバイオアベイラビリティは、Tmaxの減少、Cmaxの増加、およびAUCの増加からなる群から選択される薬物動態パラメータを含む。一実施形態において、送達は、ナノエマルションを送達する経口、経皮、静脈内、腹腔内、筋肉内、および皮下方法からなる群から選択される方法を含む。
ナノエマルションは、高エネルギー乳化方法および低エネルギー位相反転温度方法などの様々なタイプのプロセスによって形成することができる。1つの高エネルギーエマルション形成方法では、ナノエマルション成分(例えば、油、水、界面活性剤、および任意選択の医薬品、栄養補助食品、または薬用化粧品剤)の混合物が、顕微溶液化装置(microfluidizer apparatus)(例えば、Cook et al.によって、1984年2月21日に出願された米国特許第4,533,254号、および5月26日に出願された第4,908,154号に記載されるような)を用いて、高圧(例えば、少なくとも24,000psi)で連続乱流に曝されて、ナノエマルションが形成される。
あるいは、ナノエマルションは、温度依存性の位相反転が可能な界面活性剤(例えば、非イオン性のポリエトキシ化界面活性剤)を他のナノエマルション成分(例えば、油、水、および任意選択の医薬品、栄養補助食品または薬用化粧品剤)と組み合わせることによる顕微溶液化装置処理を用いずに低エネルギー「自己集合ナノエマルション」(SANE)方法によって形成され得る。この技術は、PCT出願公開番号国際公開第2009/121069号において言及されている。ナノエマルション成分は、混合され、界面活性剤の位相反転温度(PIT)(すなわち、異なる相に対する界面活性剤の親和性が変化する温度)より高い温度に加熱される。例えば、水中油型(O/W)マクロエマルションは、PITを超える温度で可逆の、温度依存性の過渡的な(transitional)位相反転を行って、油中水型(W/O)エマルションを形成し得る。例えば、熱冷却または水の添加による、PIT未満の温度への、W/Oエマルションのその後の急冷により、水中に懸濁された油滴の動力学的に安定したO/Wナノエマルション組成物(医薬品、栄養補助食品、または薬用化粧品剤を任意に含有する)が形成され得る。ナノエマルションを形成するための熱冷却は、例えば、W/Oエマルションを含む容器を氷浴に入れることによって行うことができる。特に示されない限り、「急冷」は、顕微溶液化なしでナノエマルションを形成することに適した速度における冷却を意味する。
しかしながら、これらのプロセスのそれぞれは、かなりの技術的および商業的な欠点を有する。顕微溶液化の場合、混合物は、プロセス中に非常に高い圧力(例えば、40,000psi)をかけられ、これは、活性成分に悪影響を与え得る。さらに、流体に対するこれらの高圧および高いせん断応力は、熱を生じることがあり、それにより、活性成分がさらに劣化される。顕微溶液化装置は、慎重を期する複雑な操作および操作者のかなりの技能を必要とする。また、顕微溶液化装置は、処理後に回収不能な材料の大部分をシステム中に残し、それによって、貴重な収量が失われる。この収量損失は、50mL未満の体積の処理について特に著しく、多くの場合、プロセス中に20%〜40%の材料が失われる。さらに、顕微溶液化装置は、試料間で清浄化を必要とするため、試料間での相互汚染の可能性を有する。
SANE技術の場合、特殊な界面活性剤および比率を使用しなければならない。非常に小さい液滴直径、および緊密なサイズ分布が得られるが、SANE技術によって生成されるナノエマルションは、特に、日光および温度に曝された場合、貯蔵寿命の減少および時間の経過に伴う安定性の低下を示す。SANE試料を単に室温で貯蔵すると、場合によっては、数週間で劣化を引き起こすことがある。また、SANE技術を用いて安定したナノエマルションを得るために、非常に特殊な界面活性剤、比率、および組合せを使用しなければならない。これらの界面活性剤は、製剤の薬物動態性能に有害であり得る。さらに、界面活性剤は、毒性または貯蔵寿命の短縮などの他の形で有害であり得る。SANE技術は、他の技術と比較してより少量の封入剤を封入することが知られている(例えば、SANEプロセスは、油および界面活性剤の比率(1:5)に応じて最大で1〜2mg/mLを必要とし得るが、顕微溶液化(microfluidized)システムは、4mg/mLを超え得る)。
ナノエマルションを形成するためのいくつかの従来の技術は欠点を有し得るが、本発明の態様に係る集束音響の使用は、顕微溶液化、SANE、およびポリマーに基づく技術を補完し得る。SANEプロセスの場合、集束音響処理が、プロセスの予熱および位相反転温度工程中に適用されて、場合により、より望ましいサイズ分布、より低い、またはより広い範囲の界面活性剤の要件が得られるであろう。集束音響は、溶液化装置の流路の上流または下流のいずれかで、あるいは流路自体の中で顕微溶液化と組み合わせることもでき、それによって、エネルギーレベルが上昇し、より良好なサイズ分布が得られ、またはスループットが増加するかもしくは圧力要件が低下される。
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を例示することが意図されているが、限定として解釈されるべきではなく、本発明の全範囲を例示するものではない。
実施例1
イブプロフェン(Spectrum Chemicals製)、シンナリジン(Spectrum Chemicals製)、インドメタシン(Spectrum Chemicals製)およびグリセオフルビン(MP Bio製)の場合、懸濁液混合物を、水(Barnstead水精製システムによって精製された脱イオン水)、メチルセルロース(Sigma Aldrich製)およびラウリル硫酸ナトリウム(Fisher Scientific製)中で調製した。150ワットの電力の下でCovaris SF220 High Performance Formulation Processing Systemを用いた集束音響処理を行ったこれらの懸濁液混合物の初期粒度は減少した。ナノメートル粒度範囲でMalvern Zetasizer Nano ZS-90を用い、ミクロン粒度範囲でMalvern Mastersizer 2000を用いて粒度分布を測定した。
粒度の減少:15mg/mLにおけるイブプロフェン、シンナリジン、インドメタシン、およびグリセオフルビン
2mL、12mLおよび18mLの分量用の15mg/mLにおけるイブプロフェン、シンナリジン、インドメタシンおよびグリセオフルビンの場合、懸濁液混合物は、水、0.5%のメチルセルロースおよび0.1%のラウリル硫酸ナトリウムを含んでいた。2mL、12mLおよび18mLの分量に、それぞれ5分間、5分間および10分間、集束音響処理を行った。図6は、集束音響処理の前後の、15mg/mLの濃度で処理されたイブプロフェンの50倍の倍率における顕微鏡写真(50ミクロンのスケールバーを備えている)を示す。集束音響への曝露の前の画像400は、集束音響への粒子の処理後の画像402に示される対応する粒子より大幅に大きい(例えば、15〜20倍)粒子を表す。4種の化合物のそれぞれについての粒度の結果を、表1に提供する(特に指定されない限り、粒度はd90として示される)。
Figure 2013530223
粒度の減少:1mg/mL、15mg/mLおよび100mg/mLにおけるイブプロフェン
次に、イブプロフェンの濃度を、固定体積の2mL、12mLおよび18mLにおけるそれぞれの懸濁液において変更した。表2は、各濃度におけるイブプロフェンについてのd90粒度を列挙している。示されるように、懸濁液の濃度が大きく異なっても、d90粒度の結果はそれほど変化しない。例えば、集束音響処理の10分後、初期のd90粒度(すなわち、203.67)と比較した際の濃度(すなわち、1mg/mL、15mg/mLおよび100mg/mLの場合)間のd90粒度の差(すなわち、39.53−34.04=5.49)のパーセントは3%未満である。したがって、濃度の大きい変動を有するナノ製剤を調製するための集束音響処理により、実質的に同様の結果が得られることが本明細書において実証される。
Figure 2013530223
粒度の減少:ナノ懸濁液
2mLの分量用の5mg/mLにおけるイブプロフェン、シンナリジン、インドメタシンおよびグリセオフルビンの場合、懸濁液混合物は、水、0.025%のメチルセルロースおよび0.1%のラウリル硫酸ナトリウムを含んでいた。各分量に、それぞれ15分間および30分間、集束音響処理を行った。表3は、4種の化合物のそれぞれについての平均粒度の結果を列挙している。15分間以内に、混合物のそれぞれについて100nm〜280nmの範囲の平均粒度を有するナノ懸濁液を生成した。30分以内に、20nm〜97nmの平均粒度範囲が得られた。
Figure 2013530223
粒度の減少:250mLにスケールアップされたイブプロフェン
スケールアップシステムを用いて、粒度減少プロセスの機械的特性を変化させずに、イブプロフェン懸濁液混合物を、250mLまで増加させた。流量を30mL/分に設定した。システムの均一性および安定性を、異なる深さ(例えば、上部、中間部および底部の深さ)で250mLの懸濁液を採取することによって実証した。懸濁液のアリコートを、安定性評価方法を指針として用いてHPLCによって分析した。15分間の最初に測定した時点で、懸濁液が均一であることが分かり、その際、懸濁液の粒度分布は、0.40%の相対標準偏差を有していた。60分間の集束音響処理によって、懸濁液の粒度分布を測定したところ、0.38%の相対標準偏差を有していた。さらに、イブプロフェンは化学的に安定していることが分かり、これは、60分間の処理にわたる不純物の増殖を示さない。表4は、スケールアッププロセスの粒度の結果を示す。図7は、d90粒度410、d50粒度412およびd10粒度414についての経時的なこのようなサイズ減少の結果を示す。
Figure 2013530223
粒度の減少:250mLにスケールアップされたシンナリジン
シンナリジン懸濁液混合物を、イブプロフェン懸濁液のスケールアップと同様の方法で250mLに増加させた。懸濁液混合物は、水、0.025%のメチルセルロースおよび0.1%のラウリル硫酸ナトリウムを含んでおり、これらは、臨界ミセル濃度範囲よりはるかに低い。図8は、シンナリジン懸濁液についての曲線420に係る経時的な粒度減少のグラフを示す。出発平均粒度は約200ミクロンであった。250mLの懸濁液を1時間処理した後、1ミクロンの平均粒度が得られた。約9時間の時点までに、平均粒度は、約200nmで安定化した。
実施例2
図9は、曲線430、432、434に係る経時的な粒度減少のグラフを示す。曲線430は材料D15を表し、曲線432は材料Z27を表し、曲線434は材料K19を表す。
実施例3
界面活性剤なしで水中のケルセチンのスケールアップされた250mLの試料を集束音場に曝した。図10は、曲線440に沿った粒度減少のグラスを示し、これは、80分間で200ミクロン超から10ミクロン未満に平均粒度が減少したことを示す。集束音響処理の際、試料の温度を24℃に制御した。
実施例4
水中のインドメタシンの混合物に集束音響処理を行った。図11の分布曲線450によれば、集束音響エネルギーへの曝露の前の平均粒度は100〜200ミクロンであった。図12は、集束音響エネルギーへの混合物の曝露の後の分布曲線452を示し、この曲線は、平均粒度が約5ミクロンであることを示す。
実施例5
Solutol HS 15(非イオン性溶解剤)を、油および水と混合して、ナノエマルションブランク(blank)を生成した。スケーラビリティ(scalability)を実証するために250mLの体積を処理した。
図13は、ナノエマルションの3つの異なる分布460a、462a、464aを示し、これはかなりの多分散性を示す。次に、混合物を50℃まで加熱し、160ワットで5分間、集束音響処理を行った。
図14は、集束音響処理から得られる粒度分布460b、462b、464bを示す。ナノエマルションのそれぞれを観察したところ、20.27nmの平均粒度を有して単分散であった。
図15は、24時間の期間、静置させた後のナノエマルションの粒度分布460c、462c、464cを示す。粒子を観察したところ、19.62nmの平均粒度を有して安定したままであった。
実施例6
集束音響に基づくリポソーム形成が、生物材料を所定のサイズ未満に分解しないことが実証された。2mgのPhospholipon-90G(Lipoid LLC)を、130マイクロリットルの脱イオン水と組み合わせて、10〜30mgのPhospholipon-90Gを、10mg/mLで2mLの脱イオン水と組み合わせた。混合物を4℃の一定の温度に維持しながら、集束音場を、それぞれ18ワット(150PIP、10%のデューティサイクル、200サイクル/バースト)および150ワット(300PIP、50%のデューティサイクル、1000サイクル/バースト)で30秒間、混合物にかけた。
図16は、ナノ製剤の粒度分布470を示す。100nm未満の平均粒度を有する、DNAを封入する単分散リポソーム集団が形成された。安定性を評価するために、ナノ製剤を、実験室条件で1週間静置させてから、粒度について再試験した。
図17は、1週間の期間の後のナノ製剤の粒度分布472を示す。平均粒度は100nm未満のままであった。
上記の処理条件を試験して、DNAサイズに対する影響を決定した。100bpのDNA鎖を出発材料として使用し、リポソーム形成に必要とされるレベルと一致する集束音響処理レベルに供した。集束音響の適用量の下、100bpのDNA材料は、分解の兆候を示さず、完全に無傷のままであった。この実施例は、約100bp以上(以下)の長さを有するポリヌクレオチド鎖が、集束音響処理条件を用いて損傷されず、封入されることを示す。この実施例は、siRNAまたは他のポリヌクレオチドを含む、約10ナノメートル〜約400ナノメートルの直径または他のサイズを有する粒子を用いて、ポリヌクレオチドをそれほど分解せずにナノ製剤を生成する能力も実証する。
実施例7
好適な油および界面活性剤を、生物活性成分(活性成分)および脱イオン水と一緒に混合した。次に、高い強度(10%)、20〜50のデューティサイクル、および約200サイクル/バーストで、Covaris,Inc.(Woburn,MA)によって販売されている音響処理装置によって生成される集束音響エネルギーに混合物を曝した。この処理は、サイズが約10〜400nmの範囲の油粒子を有するナノエマルションを生成することが分かり、ここで、各油粒子は、生物活性成分を含み、各油粒子を脱イオン水担体に懸濁させた。エマルションに対するAFA技術の影響を示すためにAFAおよび大豆油とTween-80との組合せの特定の条件によって生成される製剤のいくつかが、表7〜12中に表される。非常に低い濃度のTween-80および油(表7に示されるものなど)は、AFAエネルギーの曝露時間と関係なく、所望の特性を有するナノエマルションを生成することができなかった。表8は、10分間の曝露を含む条件における、AFAエネルギーの影響を示す。表9は、AFAエネルギーへの5および10分間の曝露を含む条件における、初期混合物の製剤に対する影響を示す。表10中、AFAエネルギーへの5および10分間の曝露で製剤に対する十分な影響が示される。混合物製剤および音響エネルギー条件が、かなり狭い粒度範囲を含む、例えば、260nmのサイズを有する粒子を約87%含むナノエマルションを生成したため、表11は、15、30、40および60分間の実行時間における、ナノエマルションのさらなる分析および開発のための裏付けを示した。15分間の曝露で、組合せの最大の効果を生じた。
Figure 2013530223
Figure 2013530223
Figure 2013530223
Figure 2013530223
Figure 2013530223
Figure 2013530223
Figure 2013530223
実施例8
1部のDMA、99部のPVP/SDS安定剤およびフェロジピンを最初に含む2mlの試料を用いて、結晶性ナノ粒子を形成した。Covaris S220機械を用いて、18度の水浴温度、50%のデューティサイクル、75のワットピーク入射電力(PIP)、1000サイクル/バーストおよび20分間の合計処理時間を用いて、試料を処理した。この処理により、結晶性ナノ粒子が形成(成長)され、100%の粒子が、最小サイズが約137.5nm、最大サイズが約168.7nmで平均が約153.2nmのサイズを有していた。したがって、非常に狭いまたは緊密なサイズ範囲の粒子が、比較的短期間で生成された。
本発明は、その用途において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成要素の構造および配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明を行う他の実施形態および態様が可能である。本明細書において使用される表現および用語は、説明のためのものであり、限定としてみなされるものではない。「含む(including)」、「備える(comprising)」、または「有する(having)」およびそれらの活用形の使用は、後ろに列挙される品目およびその均等物ならびにさらなる品目を包含することを意味する。ここで記載される様々な例示的な実施形態およびその態様があれば、変更および改変が当業者に明らかであろう。このような変更および改変は、本開示に含まれることが意図され、本開示は、あくまでも例示のためのものであり、限定であることは意図されない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、およびその均等物の適切な解釈から決定されるものである。

Claims (56)

  1. 製剤を調製する方法であって、
    第1組成物および第2組成物を含む混合物を容器中に提供する工程と、
    約100キロヘルツ〜約100メガヘルツの周波数を有する集束音響エネルギーであって約2センチメートル未満のサイズを有する集束領域を有する集束音響エネルギーを、前記容器の壁を通して伝達して、前記混合物が少なくとも部分的に前記集束領域内に配置されるようにする工程と、
    所定の期間にわたって前記混合物を前記集束領域に少なくとも部分的に曝すことによって前記混合物中に複数の粒子を形成する工程であって、前記複数の粒子が、前記期間にわたって前記集束領域に前記混合物を曝した後に約10nm〜約50ミクロンの平均サイズを有する、工程と、を含む方法。
  2. 前記期間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露から得られる前記複数の粒子が約20nm〜約100nmの平均サイズを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記期間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露から得られる前記複数の粒子が約100nm〜約20ミクロンの平均サイズを有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、前記集束領域への前記混合物の曝露の前に40ミクロン超のサイズを有し、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、約10分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後に40ミクロン未満のサイズを有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、前記集束領域への前記混合物の曝露の前に100ミクロン超のサイズを有し、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、約10分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後に20ミクロン未満のサイズを有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、前記集束領域への前記混合物の曝露の前に150ミクロン超のサイズを有し、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、約5分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後に15ミクロン未満のサイズを有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記混合物が、約1mL〜約300mLの体積を備え、前記混合物中の前記第1組成物の濃度が、前記混合物の約1mg/mL〜約100mg/mLである、請求項1に記載の方法。
  8. 約10分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の出発d90サイズの20%未満のサイズを有する、請求項1に記載の方法。
  9. 約5分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の出発d90サイズの10%未満のサイズを有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記混合物がに約5分未満にわたって前記集束領域曝され、前記混合物中の前記第1組成物の濃度が前記混合物の約15mg/mLを超える、請求項8に記載の方法。
  11. 約30分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの1%未満である、請求項1に記載の方法。
  12. 約30分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの0.05%未満である、請求項11に記載の方法。
  13. 約60分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%が、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の出発d90サイズの15%未満のサイズを有する、請求項1に記載の方法。
  14. 約30分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも50%が、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の出発d50サイズの20%未満のサイズを有する、請求項1に記載の方法。
  15. 約15分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも10%が、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の出発d10サイズの15%未満のサイズを有する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記混合物の粒度分布の相対標準偏差が、少なくとも60分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の間中、1%未満の平均粒度である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記混合物の粒度分布の相対標準偏差が、少なくとも60分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の間中、0.5%未満の平均粒度である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記混合物の粒度分布の相対標準偏差が、少なくとも60分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の間中、0.1%〜0.8%の平均粒度である、請求項1に記載の方法。
  19. 約60分未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの0.5%未満である、請求項1に記載の方法。
  20. 約10時間未満にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの約0.2%未満である、請求項1に記載の方法。
  21. 前記混合物を前記集束領域に曝すために集束音響エネルギーを伝達する工程が、前記混合物中の全ての粒子の少なくとも90%のサイズを、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の出発d90サイズの15%未満に減少させるように音響エネルギー源を動作させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  22. 前記混合物を前記集束領域に曝すために集束音響エネルギーを伝達する工程が、前記混合物中の前記複数の粒子の平均サイズを、少なくとも200ミクロンから1ミクロン未満に減少させるように、60分未満にわたって音響エネルギー源を動作させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記混合物を前記集束領域に曝すために集束音響エネルギーを伝達する工程が、出発温度の約2C以内に温度を維持しながら、混合物中の複数の粒子の平均サイズを、少なくとも200ミクロンから10ミクロン未満に減少させるように、80分未満にわたって音響エネルギー源を動作させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  24. 前記混合物を前記集束領域に曝すために集束音響エネルギーを伝達する工程が、前記混合物中の前記複数の粒子の単峰型分布を生じるように音響エネルギー源を動作させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  25. 前記混合物を前記集束領域に曝すように集束音響エネルギーを伝達する工程が、0.1未満の多分散指数を生じるように音響エネルギー源を動作させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  26. 前記混合物を前記集束領域に曝すように集束音響エネルギーを伝達する工程が、0.05〜0.1の多分散指数を生じるように音響エネルギー源を動作させる工程を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第1組成物が、治療剤、もしくは、DNA、siRNA、miRNAまたはプラスミドを含むポリヌクレオチド材料の少なくとも1つを含む生物活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記第2組成物が界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
  29. 前記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムを含む、請求項1に記載の方法。
  30. 混合物250mL当たり30分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの20%未満である、請求項1に記載の方法。
  31. 前記混合物が、前記集束領域への曝露の前に、約10ミクロン〜約500ミクロンの平均出発サイズを有する複数の粒子を含む、請求項1に記載の方法。
  32. 前記混合物を前記集束領域に曝すように集束音響エネルギーを伝達する工程が、前記混合物を等温環境に曝す工程を含む、請求項1に記載の方法。
  33. 前記複数の粒子が、活性成分を含有する親水性液体材料または疎水性液体材料を備え、各粒子が約10ナノメートル〜約400ナノメートルのサイズを有し、前記粒子を懸濁する担体をさらに備え、前記担体が、前記粒子とは逆の親水性を有する液体を備える、請求項1に記載の方法。
  34. 前記製剤が、約400ナノメートルより大きいかまたは約10ナノメートルより小さいサイズを有する粒子を含まない、請求項33に記載の方法。
  35. 前記製剤が、他のプロセスによって生成される製剤より長い貯蔵寿命を示す、請求項33に記載の方法。
  36. 前記製剤が、他のプロセスによって生成される製剤と比べて最小限の汚染レベルを示し、または、前記製剤が無菌である、請求項33に記載の方法。
  37. 前記製剤が、より高い生物活性(薬物動態活性およびより低い腎クリアランス)を示し、それにより、用量がより少なく、副作用がより少なくなり、耐性を向上させる、請求項33に記載の方法。
  38. 前記粒子が、親水性担体液体に懸濁された疎水性材料の液滴である、請求項33に記載の方法。
  39. 前記粒子が、疎水性担体液体に懸濁された親水性材料の液滴である、請求項33に記載の方法。
  40. 前記活性成分が、医薬品、栄養補助食品、または薬用化粧品である、請求項33に記載の方法。
  41. 前記製剤が、より活性の高い生物原料を示す、請求項33に記載の方法。
  42. 前記混合物が、液体分散媒および液体担体を備え、前記活性成分が、前記媒体中に3mg/mlを超える溶解度を任意に有する、請求項33に記載の方法。
  43. 前記液体分散媒が疎水性であり、前記液体担体が親水性である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記液体分散媒が親水性であり、前記液体担体が疎水性である、請求項42に記載の方法。
  45. 前記分散媒が、水性媒体および油性媒体からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
  46. 前記分散媒が、植物源および海洋生物源に由来する飽和および不飽和油、シリコーン油、鉱油、および植物由来油を含む群から選択される油性媒体である、請求項42に記載の方法。
  47. 前記界面活性剤が、イオン性、非イオン性および/または両性イオン性材料である、請求項28に記載の方法。
  48. 前記担体が、ポリヌクレオチド材料を実質的に含まない、請求項42に記載の方法。
  49. 前記ポリヌクレオチド材料が1000bp未満のサイズを有する、請求項27に記載の方法。
  50. 混合物2mL当たり15分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの20%未満である、請求項1に記載の方法。
  51. 混合物2mL当たり15分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの10%未満である、請求項1に記載の方法。
  52. 混合物2mL当たり15分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの1%未満である、請求項1に記載の方法。
  53. 混合物10mL当たり30分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの20%未満である、請求項1に記載の方法。
  54. 混合物10mL当たり30分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの10%未満である、請求項1に記載の方法。
  55. 混合物10mL当たり30分間にわたる前記集束領域への前記混合物の曝露の後、前記混合物中の全ての粒子の平均サイズが、前記集束領域への曝露の前の前記混合物中の全ての粒子の平均出発サイズの1%未満である、請求項1に記載の方法。
  56. 製剤を調製するためのシステムであって、
    容器と、
    第1組成物および第2組成物を含み、前記容器中に配置される混合物と、
    前記容器と間隔を空けて、前記容器の外に配置された音響エネルギー源であって、前記混合物が少なくとも部分的に前記集束領域内に配置されるように、約100kHz〜約100MHzの周波数を有する集束音響エネルギーであって約2cm未満のサイズを有する集束領域を有する集束音響エネルギーを前記容器の壁を通して放出するように構成され、所定の期間にわたって前記混合物を前記集束領域に曝すと、前記混合物が、約10nm〜約50ミクロンの平均サイズを有する複数の粒子を備える、音響エネルギー源と、を含むシステム。
JP2013518374A 2010-07-01 2011-07-01 集束音響を用いたナノ製剤を調製するための組成物および方法並びにナノ送達用のシステム Pending JP2013530223A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US36070010P 2010-07-01 2010-07-01
US61/360,700 2010-07-01
US201161434941P 2011-01-21 2011-01-21
US61/434,941 2011-01-21
PCT/US2011/001171 WO2012003003A2 (en) 2010-07-01 2011-07-01 Compositions and methods for preparing nanoformulations and systems for nano-delivery using focused acoustics

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013530223A true JP2013530223A (ja) 2013-07-25
JP2013530223A5 JP2013530223A5 (ja) 2014-08-14

Family

ID=44629399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013518374A Pending JP2013530223A (ja) 2010-07-01 2011-07-01 集束音響を用いたナノ製剤を調製するための組成物および方法並びにナノ送達用のシステム

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9776149B2 (ja)
EP (1) EP2588222B1 (ja)
JP (1) JP2013530223A (ja)
CN (1) CN103124592B (ja)
HK (1) HK1185829A1 (ja)
WO (1) WO2012003003A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200077790A (ko) * 2018-12-21 2020-07-01 (주)아모레퍼시픽 공진 주파수를 이용하여 화장료 조성물을 제조하는 방법

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130026669A1 (en) * 2011-07-14 2013-01-31 Covaris, INC Systems and methods for preparing nanocrystalline compositions using focused acoustics
US9320995B2 (en) * 2013-09-17 2016-04-26 Covaris, Inc. Method and apparatus for processing sample material
US9925149B2 (en) 2013-10-14 2018-03-27 Nanosphere Health Sciences, Llc Nanoparticle compositions and methods as carriers of nutraceutical factors across cell membranes and biological barriers
US20160030344A1 (en) * 2014-08-04 2016-02-04 Covaris, Inc. Compositions including apolipoprotein and methods using focused acoustics for preparation thereof
CA3050535C (en) 2014-12-15 2021-11-09 Richard Clark Kaufman Methods of treating inflammatory disorders and global inflammation with compositions comprising phospholipid nanoparticle encapsulations of anti-inflammatory nutraceuticals
EP3268043A4 (en) 2015-03-10 2018-12-19 Nanosphere Health Sciences, LLC Lipid nanoparticle compositions and methods as carriers of cannabinoids in standardized precision-metered dosage forms
CN106422930A (zh) * 2016-08-31 2017-02-22 无锡东恒新能源科技有限公司 一种高固含量浆料自动化预混系统
SG11202106144VA (en) 2018-12-11 2021-07-29 Disruption Labs Inc Compositions for the delivery of therapeutic agents and methods of use and making thereof
CN112426943A (zh) * 2020-11-30 2021-03-02 深圳达远辰光科技有限公司 一种采用聚焦超声分散微生物的方法及样品处理系统

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6719449B1 (en) * 1998-10-28 2004-04-13 Covaris, Inc. Apparatus and method for controlling sonic treatment
JP2007515392A (ja) * 2003-04-10 2007-06-14 ピーアール ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド エマルジョンベースの微粒子の製造のための方法
JP2007516067A (ja) * 2003-05-16 2007-06-21 ヴェロシス,インク. マイクロチャネルプロセス技術を用いてエマルジョンを作製するプロセス
JP2007533647A (ja) * 2003-10-24 2007-11-22 アルザ・コーポレーシヨン 脂質粒子の調製
EP1925359A1 (en) * 2006-11-22 2008-05-28 Covaris, Inc. Methods and apparatus for treating samples with acoustic energy to form particles and particulates
JP2009518289A (ja) * 2005-11-21 2009-05-07 メディバス エルエルシー 高分子の送達用ポリマー粒子および使用方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1734975A (en) * 1927-09-02 1929-11-12 Alfred L Loomis Method and apparatus for forming emulsions and the like
US4533254A (en) 1981-04-17 1985-08-06 Biotechnology Development Corporation Apparatus for forming emulsions
US4908154A (en) 1981-04-17 1990-03-13 Biotechnology Development Corporation Method of forming a microemulsion
US4452747A (en) * 1982-03-22 1984-06-05 Klaus Gersonde Method of and arrangement for producing lipid vesicles
US6948843B2 (en) * 1998-10-28 2005-09-27 Covaris, Inc. Method and apparatus for acoustically controlling liquid solutions in microfluidic devices
CN100388971C (zh) * 2002-05-20 2008-05-21 严卓理 一种利用超声技术制备纳米材料的方法
CN1546219A (zh) * 2003-11-28 2004-11-17 戴露雯 一种超声聚焦处理装置
CN100467117C (zh) * 2005-09-05 2009-03-11 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 纳米粉体制备装置及制备方法
JP2011505235A (ja) * 2007-11-28 2011-02-24 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション ナノエマルション
WO2009121069A2 (en) 2008-03-28 2009-10-01 University Of Massachusetts Compositions and methods for the preparation of nanoemulsions

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6719449B1 (en) * 1998-10-28 2004-04-13 Covaris, Inc. Apparatus and method for controlling sonic treatment
JP2007515392A (ja) * 2003-04-10 2007-06-14 ピーアール ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド エマルジョンベースの微粒子の製造のための方法
JP2007516067A (ja) * 2003-05-16 2007-06-21 ヴェロシス,インク. マイクロチャネルプロセス技術を用いてエマルジョンを作製するプロセス
JP2007533647A (ja) * 2003-10-24 2007-11-22 アルザ・コーポレーシヨン 脂質粒子の調製
JP2009518289A (ja) * 2005-11-21 2009-05-07 メディバス エルエルシー 高分子の送達用ポリマー粒子および使用方法
EP1925359A1 (en) * 2006-11-22 2008-05-28 Covaris, Inc. Methods and apparatus for treating samples with acoustic energy to form particles and particulates

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200077790A (ko) * 2018-12-21 2020-07-01 (주)아모레퍼시픽 공진 주파수를 이용하여 화장료 조성물을 제조하는 방법
KR102645443B1 (ko) 2018-12-21 2024-03-11 (주)아모레퍼시픽 공진 주파수를 이용하여 화장료 조성물을 제조하는 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US20130155802A1 (en) 2013-06-20
CN103124592A (zh) 2013-05-29
US9776149B2 (en) 2017-10-03
CN103124592B (zh) 2015-05-27
WO2012003003A2 (en) 2012-01-05
WO2012003003A3 (en) 2012-04-05
EP2588222B1 (en) 2016-09-07
HK1185829A1 (en) 2014-02-28
EP2588222A2 (en) 2013-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013530223A (ja) 集束音響を用いたナノ製剤を調製するための組成物および方法並びにナノ送達用のシステム
Kumar et al. Solid lipid nanoparticles for the controlled delivery of poorly water soluble non-steroidal anti-inflammatory drugs
Çınar A review on nanoemulsions: preparation methods and stability
TWI352065B (ja)
Gupta et al. An update on nanoemulsions using nanosized liquid in liquid colloidal systems
JP2016019746A (ja) 薬剤送達への高せん断力の利用
JP2013530168A (ja) 親水性活性物質のためのコロイド状ナノスケールキャリア及びその製造方法
US20230248852A1 (en) Nanoparticle Photoacoustic Imaging Agents
Kumar et al. Nanoemulsions: A pharmaceutical review
Panagiotou et al. Enhanced transport capabilities via nanotechnologies: impacting bioefficacy, controlled release strategies, and novel chaperones
Ge et al. Sustained release of nucleic acids from polymeric nanoparticles using microemulsion precipitation in supercritical carbon dioxide
Barresi et al. Synthesis and preservation of polymer nanoparticles for pharmaceutical applications
Kanwale et al. Nanoemulsion: A new system for drug delivery
Behera et al. Ultrasound-Assisted liquid antisolvent precipitation for the production of nanoparticles
EP3962464B1 (en) Process for preparing nanoparticles in the form of a powder comprising a bio-resorbable polyester
Dhumal et al. Nanoemulsion as Novel Drug Delivery System: Development, Characterization and Application
Çınar Nanoemülsiyonlar Üzerine Bir Derleme: Hazirlama Metotlari Ve Stabiliteleri
Saiwal et al. Recent Patents and Formulation of Nanopharmaceuticals Using Ultrasonication Technique
Atre NANOEMULSION: A BRIEF REVIEW ON DEVELOPMENT AND APPLICATION IN NOVEL DRUG DELIVERY SYSTEM (NDDS)
Sharma et al. A Review on Development and Importance of Nanoemulsions
Huanbutta et al. Continuous flow synthesis: A promising platform for the future of nanoparticle-based drug delivery
Dwivedi et al. A REVIEW OF TECHNIQUES FOR FORMULATING NANOEMULSION DRUG DELIVERY SYSTEMS
Kumar Asian Journal of Research in Pharmaceutical Sciences and Biotechnology
Topcu Microfluidic-assisted encapsulation in biocompatible multi-polymeric particles
Chomistek et al. Large scale nanomaterial production using microfluidizer high shear processing

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140630

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150814