JP2013529994A - ブーツ、特にスキーブーツ又はスノーボードブーツ - Google Patents

Abstract

本発明は、ブーツ（１０）、特にスキーブーツ又はスノーボードブーツであって、少なくとも２つの固定手段、特に紐で締める構造（５０ａ、５０ｂ、５０ｃ’、５０ｃ’’）と、ブーツ本体（２０）と、を有するブーツ（１０）に関する。ブーツ本体（２０）は、着用者の脹脛と脛とを少なくとも部分的に包み込む上部ゾーン（２．２、３）と、着用者の前足を少なくとも部分的に包み込む下側ゾーン（２．１、２）と、上部ゾーン（２．２、３）と下側ゾーン（２．１、２）との間に位置し、着用者の踵及び足関節を包み込む中間ゾーン（１）と、を有し、中間ゾーン（１）は、上部ゾーン（２．２、３）から独立して、かつ、下側ゾーン（２．１、２）から独立して、固定可能、特に、紐で締める構造（５０ａ）によって締められることが可能である。

Description

発明の詳細な説明

本発明は、特許請求項１の前文に記載のブーツ、特にスキーブーツ又はスノーボードブーツに関する。
そのようなブーツは、従来技術から周知であり、例えば、登山、スキー、およびスノーボードなどといった様々なスポーツ分野において使用されている。そのようなブーツの重要な特徴は、ブーツの使用により、確実なサポートが確保され、ブーツが前足と踵の双方に加え、脛及び脹脛の少なくとも一部をも包み込むことである。

そのようなブーツは、例えば、ＤＥ１０ ２００７ ００２ ３６７．９から周知であり、ブーツは、当該ブーツが完全に閉じている場合に、優れたサポート感を提供する。しかしながら、そのブーツは、柔軟性が低く、更には、適切なサポートが踵辺りでもたらされている場合に、前足部分、並びに、脛及び脹脛部分が締付けられ得る可能性がある、というデメリットが明らかになっている。

本発明の目的は、上記問題を解決し、特に、足の踵部分において適切なサポートをもたらし、更に、前足部分、及び／又は、脹脛若しくは脛部分が締付けられないことを確実にするブーツ、特に、スキーブーツ又はスノーボードブーツを提供することにある一方で、ブーツは、柔軟性があると同時に、高い安定をももたらすことである。

本目的は、特許請求項１に記載のブーツによって達成される。
具体的には、本目的は、ブーツ、特に、スキーブーツ又はスノーボードブーツであって、少なくとも２つの固定手段、特に紐で締める構造と、着用者の脹脛及び脛を少なくとも部分的に包み込む上部ゾーンと、着用者の前足を少なくとも部分的に包み込む下側ゾーンと、上部ゾーンと下側ゾーンとの間に位置し、着用者の踵及び足関節とを包み込む中間ゾーンと、を有するブーツ本体とを備え、中間ゾーンは、上部ゾーンから独立して、かつ、下側ゾーンから独立して、固定可能、特に、紐で締められることが可能なブーツによって達成される。

本発明の重要な局面は、第１に、ブーツ本体が、異なるゾーン、すなわち、着用者の脹脛と脛とを少なくとも部分的に包み込む上部ゾーンと、着用者の前足を少なくとも部分的に包み込む下側ゾーンと、さらに、それら２つのゾーンの間、つまり、上部ゾーンと下側ゾーンとの間に配置され、着用者の踵及び足関節を包み込む中間ゾーンを有し、中間ゾーンが、上部ゾーンから独立して、かつ、下側ゾーンから独立して、固定される、又は一緒に締められる又は緩められる、特に紐で締められることが可能であるように、中間ゾーンが上部ゾーン及び下側ゾーンから分離されているということである。本発明の更に重要な特徴は、更に、本発明に係るブーツが少なくとも２つの固定手段、つまり、好ましくは紐で締める構造の形態である締め付け手段を備え、中間ゾーンが、そのゾーン専用に提供された固定手段、つまり、特にその中間ゾーン用に提供された紐で締める構造を使って、開閉され得るように、少なくとも１つの固定手段、好ましくは紐で締める構造は、中間ゾーンに関連していることである。中間ゾーンは、完全に又は少なくとも部分的に、着用者の踵と足関節の双方を包み込むので、中間ゾーンを紐で締めることで、確実に、ブーツ内に配置された足を靴内で最適に固定でき、靴内で最適にサポートできる。また、最適な紐締めを個々の足に適合させることで、着用者が快適に感じるように、足は、靴の踵辺り、及び足関節辺りで、適当な位置にきちんと置かれ、固定及び保持され得る。

本発明の実施形態によると、ブーツ本体は、可撓領域の形成を伴って、上部ゾーンと中間ゾーンとの間、かつ、下側ゾーンと中間ゾーンとの間で分割される。可撓領域は屈曲領域とも呼ばれる。

上部ゾーンを中間ゾーンから分割又は独立させ、かつ、対応して、下側ゾーンを中間ゾーンから分割又は独立させることで、着用者の足、並びに、脹脛及び脛を包み込むときに、これら３つのゾーンを互いに独立して使用することが、非常に効果的に可能である。例えば、着用者の踵及び足関節を包み込む中間ゾーンを紐で締めることで、本発明に係るブーツ内での足の固定と快適なサポートとを達成し得る一方で、着用者の脹脛及び脛を少なくとも部分的に包み込む上部ゾーン、及び、着用者の前足を少なくとも部分的に包み込む下側ゾーンが、互いに完全に独立して、特に、着用者の踵及び足関節と関連する中間ゾーンから独立して、締められたり開口されたりすることが可能である。

本発明に係る実施形態によると、上部ゾーンと下側ゾーンとが、単一の固定手段によって、好ましくは、単一の紐で締める構造を使用することによって、一緒に固定可能、好ましくは、紐で締めることが可能である。この実施形態によると、ブーツ本体の中間ゾーンによって、本発明に係るブーツ内に足を迅速かつ簡単に固定することが効果的に可能であることに加えて、着用者の脹脛及び脛、並びに前足を、ブーツ本体の上部ゾーン及び下側ゾーンそれぞれで包み込み、かつ、ブーツ本体のこれら２つのゾーンを、要望に応じて、ぴったりと又はゆったりと、着用者の脚及び前足にフィットさせることが効果的に可能である。このように、中間ゾーンを締めることで、本発明に係るブーツは、迅速に着用され、かつ、機能的となることが可能である一方、着用者の脚と前足とが、それぞれ調節可能かつ望ましい方法で、別々にかつ簡単に包み込まれることが可能である。

本発明の代替の変形形態によると、同様に、上部ゾーンと下側ゾーンとが、独立した固定手段、特に、紐で締める構造によって、互いに独立して締結及び固定、特に、紐で締められることが可能である。本発明の実施形態のこの代替形態によると、ブーツ本体の上部ゾーンと下側ゾーンとの双方は、同様に紐で締める構造の形態である、関連した個別の固定手段を有する。この変形実施形態によると、ブーツ本体の各ゾーンに対して独立して紐の締め付け度合いを選択することが効果的に可能であり、異なるゾーンの間にある可撓領域によって、特定の紐で締める構造を介する力の伝達を、該当する紐で締める構造に関連したゾーンだけで実際に実質的に発生させることが確実になる。

ブーツ本体の各ゾーンの材料は、互いに独立して、最良の履き心地に適合させることができることがここで言及されるべきであり、代替として、２つ又は３つ全てのゾーンに同一の材料を使用することも可能である。ブーツ本体は、例えば、上述の可撓領域を同様に有するシェル形状となり得ることが更に言及されるべきである。

更に、本発明の範囲内で、ブーツの剛性は、任意で補強部材を有するタングによって調節可能であり、同様に、ブーツの剛性は、上部ゾーンと下側ゾーンにて、好ましくは異なる紐及び紐の締め付け度合いによって調節可能である。中間ゾーンでの紐締め及び紐の締め付け度合いは、ブーツ又は靴内で足を最適に固定する役割を果たす。

中間ゾーンを紐で締めることで、ブーツ内での足の最適なサポートが達成されるので、特に上部ゾーンを、しかし下側ゾーンをも、ゆったりと締めることで、動きの自由度を高めることができ、同時に、踵の優れたサポート感があり、かつ、足関節を安定させることができる。その結果、例えば、スノーボードにおいて、特有の動きが可能となり、更には、乗り心地も高まる。

本発明の更なる実施形態は、従属請求項から明らかになるであろう。
図面に基づき詳細に説明される２つの例示的な実施形態に基づいて、本発明を以下に記載する。

本発明の第１実施形態の図表示を示している。 本発明の第２実施形態の図表時を示している。

図１は、本発明に係るブーツ、すなわちスノーボードブーツの第１実施形態を示す。ブーツは、ブーツ本体２０と、中間ゾーン１、下側ゾーン２．１及び上部ゾーン２．２に分割されるシェルとを有する。中間ゾーン１と上部ゾーン２．２との間、及び、中間ゾーン１と下側ゾーン２．１との間にはいずれも、屈曲領域と呼ばれる可撓領域３０が存在する。本発明に係るブーツ１０は、当該ブーツ１０の前側にタング４０を更に有する。図１に示す本実施形態によれば、紐で締める構造５０ａは中間ゾーン１と関連し、その紐で締める構造５０ａによって、本発明に係るブーツ１０は、ブーツ１０内で着用者の踵及び足関節を固定及び保持するために、着用者の踵及び足関節の辺りで固定及び紐で締められ得る。よって、ブーツ１０の着用者にとって、靴またはブーツ内で最適に脚を下ろすことが確実になる。つまり、図１に係るブーツの構造は以下のように記載され得る。

ブーツ構造は、３つのゾーンで構成される。ゾーン１が踵及び足関節を包み込み、ゾーン２．１が前足を包み込み、さらに、ゾーン２．２が脹脛／脛部分（軸）を包み込む。ゾーン１とゾーン２．１との間、及び、ゾーン１とゾーン２．２との間には、可撓領域として機能する、シェルの分割部が存在する。各ゾーンは、必要に応じて、別々に紐で締められ得る。ゾーン１は、靴内で足を固定する働きをし、フィット感、柔軟性及び快適性は、紐で結ぶゾーン２．１及び２．２によって調節され得る。

図１に係る実施形態では、ゾーン２．１及び２．２は、１つの紐（紐で締める構造）によって締められ、ゾーン１は別個に紐で締められる。ブーツの剛性は、タングによって調節され得る。タングの剛性は、追加の補強剤（ＴＰＳシールド等）によって任意で変更可能である。

ブーツの３つの部分の分割は、踵ゾーン（１）が、前足ゾーン（２．１）と軸ゾーン（２．２）とから分かれ、別々に紐で締められるように設計されている。このような構造により、ゾーン１が踵をサポートするので、足関節を安定化させる。つまり、スノーボードブーツの最も重要な機能とは、踵のサポートと足関節の安定が１つのゾーンを紐で締めることで確実となることである。つまり、ゾーン１が紐で締められると、ブーツは既に使用可能な状態であり、かつ、充分に機能する。前足ゾーンと軸ゾーンとを別々で紐で締めることは、快適さを高め、フィット感を更に向上させる働きがある。更に、ブーツの剛性は、ゾーン２．１と２．２とを紐で締めることで調整することができる。つまり、緩く紐で締めるとより柔らかい屈曲となり、きつく紐で締めるとより堅い屈曲となる。

踵の安定はゾーン１によって確保されるので、ブーツは全体として柔らかくなることができ、その結果、動きの自由度が、踵のサポートと同じ程度に確保され、技のポテンシャルと乗り心地が高まる。

図２は、ブーツ本体２０を有する本発明に係るブーツ１０の第２実施形態を示し、ブーツ本体２０は、シェルの形態であり、中間ゾーン１、下側ゾーン２、及び上部ゾーン３に分割され、これらのゾーンの間に可撓領域３０が存在する。中間ゾーン１を紐で締めるために、紐で締める構造５０ａが設けられ、ブーツ１０内で着用者の踵及び足関節がしっかりと固定されるように、中間ゾーン１は、紐で締める構造５０ａによって着用者の足の周りで締められ得る。本実施形態によると、更に、紐で締める構造５０ｃ’が下側ゾーン２を締めるために設けられる。紐で締める構造５０ｃ’は、下側ゾーン２からタング４０を超えて紐で締める構造５０ｃ’のグリップ要素まで延在する。ゾーン１の紐で締める構造５０ａ、ゾーン２．１及び２．２の５０ｂ、及びゾーン３の紐で締める構造５０ｃ’’は、ブーツ１０、又は、紐で締める構造が関連する特定のゾーンを締めることを容易にするために、そのようなグリップ要素を備え得ることも、ここで言及されるべきである。上述のように、図２に係る実施形態によると、特定の紐で締める構造５０ｃ’’は、結果的に上部ゾーン３と関連し、この紐で締める構造５０ｃ’’によって、上部ゾーン３は、中間ゾーン１と下側ゾーン２とは独立して別々に固定され得る。

要約すると、図２の実施形態は結果的に以下の通りである。
ブーツ構造は、３つのゾーンで構成される。ゾーン１が踵及び足関節を包み込み、ゾーン２が前足を包み込み、さらに、ゾーン３が脹脛／脛部分（軸）を包み込む。ゾーン１とゾーン２との間、及び、ゾーン１とゾーン３との間には、可撓領域として機能する、シェルの分割部が存在する。各ゾーンは、必要に応じて、別々に紐で締められ得る。ゾーン１は、靴内で足を固定する働きをし、フィット感、柔軟性及び快適性は、紐で結ぶゾーン２及び３によって調節され得る。

図２に係る実施形態によると、前足（ゾーン２）はブーツの内側で紐（紐で締める構造）によって締められ、踵（ゾーン１）は外側上で単独で紐で締められ、軸（ゾーン３）は、タング上で紐で締められる。これら３つのゾーンは全て、それぞれ異なる締め付け度合いにより、互いに別々に紐で締められ得る。ブーツの剛性は、タングによって調節され得る。タングの剛性は、追加の補強材（ＴＰＳシールド等）によって任意で変更可能である。

ブーツの３つの部分の分割は、踵ゾーン（１）が、前足ゾーン（２）と軸ゾーン（３）とから分かれており、別々に紐で締められるように設計されている。このような構造により、ゾーン１が踵をサポートするので、足関節が安定する。つまり、スノーボードブーツの最も重要な機能とは、踵のサポートと足関節の安定が１つのゾーンを紐で締めることで確実となることである。つまり、ゾーン１が紐で締められると、ブーツは既に使用可能な状態であり、かつ、充分に機能する。前足ゾーンと軸ゾーンとを別々で紐で締めることは、快適さを高め、フィット感を更に向上させる働きがある。更に、ブーツの剛性は、ゾーン２と３とを紐で締めることで変更され得る。緩く紐で締めるとより柔らかい屈曲となり、きつく紐で締めるとより堅い屈曲となる。

踵の安定はゾーン１によって確保されるので、ブーツは全体として柔らかくなることができ、その結果、動きの自由度が、踵のサポートと同じ程度に確保され、技のポテンシャルと乗り心地とが高まる。

上述の全ての要素は、それ自体、かつ、あらゆる組み合わせにおいて、特に図面に詳細に示されるように、本発明に必須として請求項に記載されていると指摘されるべきである。本発明の変更は、当業者によく知られている。
[参照符号一覧]
１ 中間ゾーン
２ 下側ゾーン
２．１ 下側ゾーン
２．２ 上部ゾーン
３ 上部ゾーン
１０ ブーツ
２０ ブーツ本体
３０ 可撓領域
４０ タング
５０ａ 紐で締める構造（ゾーン１）
５０ｂ 紐で締める構造（ゾーン２．１、２．２）
５０ｃ’ 紐で締める構造（ゾーン２）
５０ｃ’’ 紐で締める構造（ゾーン３）

Claims (6)

1. ブーツ（１０）、特にスキーブーツ又はスノーボードブーツであって、
   特に紐で締める構造（５０ａ、５０ｂ、５０ｃ’、５０ｃ’’）である、少なくとも二つの固定装置と、
   ブーツ本体（２０）と
   を有し、
   前記ブーツ本体（２０）は、
   着用者の脹脛と脛を少なくとも部分的に包み込む上部ゾーン（２．２、３）と、
   前記着用者の前足を少なくとも部分的に包み込む下側ゾーン（２．１、２）と、
   前記上部ゾーン（２．２、３）と前記下側ゾーン（２．１、２）との間に位置し、前記着用者の踵及び足関節を包み込む中間ゾーン（１）と
   を有し、
   前記中間ゾーン（１）は、前記上部ゾーン（２．２、３）から独立するとともに、前記下側ゾーン（２．１、２）から独立して、固定可能である、特に、紐で締める構造（５０ａ）によって締められることが可能である
   ことを特徴とする、ブーツ。
2. 請求項１に記載のブーツであって、
   前記ブーツ本体（２０）は、可撓領域（３０）の形成を伴って、前記上部ゾーン（２．２、３）と前記中間ゾーン（１）との間、及び、前記下側ゾーン（２．１、２）と前記中間ゾーン（１）との間で、分割される
   ことを特徴とするブーツ。
3. 前記請求項のいずれか１項に記載のブーツであって、
   前記上部ゾーン（２．２）及び前記下側ゾーン（２．１）は、単一の固定装置、特に、紐で締める構造（５０ｂ）によって一緒に固定可能であり、特に、紐で締められることが可能である
   ことを特徴とするブーツ。
4. 請求項１または請求項２に記載のブーツであって、
   前記上部ゾーン（２．２）及び前記下側ゾーン（２．１）は、独立した固定装置、特に、紐で締める構造（５０ｃ’、５０ｃ’’）によって、互いに独立して固定可能、特に、紐で締められることが可能である
   ことを特徴とするブーツ。
5. 前記請求項のいずれか１項に記載のブーツであって、
   前記ブーツ（１０）の剛性は、任意で補強部材を有するタング（４０）によって調節可能である
   ことを特徴とするブーツ。
6. 前記請求項のいずれか１項に記載のブーツであって、
   前記ブーツ（１０）の剛性は、前記上部ゾーン（２．２）と前記下側ゾーン（２．１）にて、紐によって、好ましくは異なる紐によって調節可能である
   ことを特徴とするブーツ。

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