JP2013529719A - 高分子量ポリエチレンの製造方法 - Google Patents

高分子量ポリエチレンの製造方法 Download PDF

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Abstract

ASTM−4020によって測定して少なくとも3×10g/モルの分子量を有するポリエチレンの製造方法において、エチレンを、重合条件下において、少なくとも1種類の炭化水素中の触媒組成物のスラリーと接触させる。触媒組成物はフェノラートエーテルリガンドの第4族金属錯体を含み、スラリーは約5乃至40ppm/L未満の少なくとも1種類の炭化水素の導電度を増加させるのに有効な化合物を含む。
【選択図】なし

Description

[0001]本発明は、高分子量ポリエチレンの製造方法に関する。
[0002]「高分子量ポリエチレン」という用語は、一般に、ASTM−4020によって測定して少なくとも3×10g/モルの分子量を有するポリエチレンを定義するように用いられ、本明細書において用いる場合には、極高分子量ポリエチレン又はVHMWPE(一般に、ASTM−4020によって測定して少なくとも1×10g/モルで3×10g/モル未満の分子量を有するポリエチレンと特徴付けられる)、及び超高分子量ポリエチレン又はUHMWPE(一般に、ASTM−4020によって測定して少なくとも3×10g/モルの分子量を有するポリエチレンと特徴付けられる)を包含すると意図される。高分子量ポリエチレンは、耐摩耗性、表面潤滑性、耐化学薬品性、及び衝撃強さの独特の組合せを有する価値のあるエンジニアリングプラスチックである。而して、固体の圧縮成形形態においては、これらの材料は、例えば機械部品、ライニング、フェンダー、及び整形外科用インプラントにおける用途が見出されている。焼結多孔質形態においては、これらは、例えばフィルター、通気装置、及びペン先における用途が見出されている。
[0003]現在は、高分子量ポリエチレンは、一般にチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されている。例えば、EP−186995、DE−3833445、EP−575840、及び米国特許6,559,249を参照。しかしながら、これらの触媒は、製造することができるポリマーの分子量及び分子量分布に関して幾つかの限界がある。したがって、高分子量ポリエチレンを製造するための別の触媒系を開発することに大きな興味が存在する。
[0004]オレフィン重合のための他の公知の触媒はシングルサイト触媒である。現状の技術によれば、高分子量ポリエチレンは、特別な場合においてのみ経済的に採算の悪い条件下でこれらの触媒を用いて製造される。而して、不均一束縛構造の触媒を用いると、高分子量ポリエチレンは、中程度の活性及び増加した長鎖分岐を有してしか製造されず、これによって減少した硬度及び摩耗特性が導かれる可能性がある。所謂フェノキシ−イミン触媒を用いると、高分子量ポリエチレンは、経済的に不利な温度レベルにおいて低い活性でしか得られない。これら及び他のメタロセン触媒の例は、WO−9719959、WO−0155231、Adv. Synth. Catal 2002, 344, 477-493、EP−0798306、及びEP−0643078において記載されている。
[0005]高分子量ポリエチレンを製造するための1つの他の有用な可能性のある触媒系は、シリカのような粒子状担体上に堆積しているビス(フェノラート)エーテルの第4族金属錯体を含む。かかる触媒系は、国際公開WO−2003/091262、及びWO−2005/108406(これらの全ての開示事項は参照として本明細書中に包含する)に開示されている。しかしながら、研究により、このシステムはチーグラー・ナッタ触媒によっては達成できない分子量を有するポリエチレンのスラリー相重合のために有効な触媒を与えるが、重合プロセスの制御は、予期しなかったことに、重合媒体中の狭く規定されている量の静電防止剤の存在に依存することが示された。
[0006]米国特許7,157,532においては、少なくとも1種類のオレフィンを、炭化水素(混合物)中において、モル質量調整剤、混合触媒、並びに炭化水素(混合物)の電気伝導度を増加させ、炭化水素(混合物)中に可溶であるか、或いは混合触媒の成分と反応する物質の存在下で重合することによってオレフィンのホモポリマー又はコポリマーを製造する方法が開示されている。炭化水素の電気伝導度を増加させる物質を加えることで、触媒系の活性に悪影響を与えることなく、ポリマー粒子が凝集体を形成して反応器壁上に堆積する傾向が減少すると述べられている。しかしながら、‘532特許において用いられている混合触媒は、マグネシウムアルコキシドとチタン(IV)ハロゲン化物及び有機アルミニウム化合物との反応によって得られるチーグラー・ナッタタイプの触媒である。
[0007]米国特許7,205,363においては、(a)触媒系、特に担持メタロセン触媒系;(b)少なくともモノマーの全重量の85重量%のプロピレンモノマーを含むモノマー;及び(c)スキャベンジャーと予め接触させた静電防止剤;を、反応器内で重合条件下において接触させることを含み、静電防止剤を反応器中に導入するモノマーの重量を基準として約0.3〜1.5ppmで存在させる重合方法が開示されている。静電防止剤には、ポリスルホンコポリマー、ポリマーポリアミン、油溶性スルホン酸、又はこれらの混合物を、溶媒と共にか又は溶媒なしで含ませることができる。
EP−186995 DE−3833445 EP−575840 米国特許6,559,249 WO−9719959 WO−0155231 EP−0798306 EP−0643078 国際公開WO−2003/091262 国際公開WO−2005/108406 米国特許7,157,532 米国特許7,205,363
Adv. Synth. Catal 2002, 344, 477-493
[0008]したがって、本発明は、一形態においては、エチレンを、重合条件下において、少なくとも1種類の炭化水素中の触媒組成物のスラリーと接触させることを含み、触媒組成物がフェノラートエーテルリガンドの第4族金属錯体を含み、スラリーが約5乃至40ppm/L未満の少なくとも1種類の炭化水素の導電度を増加させるのに有効な化合物を含む、ASTM−4020によって測定して少なくとも3×10g/モルの分子量を有するポリエチレンの製造方法である。
[0009]好都合には、スラリーは、約20〜約30ppm/Lの少なくとも1種類の炭化水素の導電度を増加させるのに有効な化合物を含む。
[0010]一態様においては、少なくとも1種類の炭化水素の導電度を増加させるのに有効な化合物は、ポリスルホンコポリマー、ポリマーポリアミン、及び油溶性スルホン酸の少なくとも1つを含む。
[0011]好都合には、第4族金属錯体は粒子状担体上に配置する。一般に、粒子状担体は、58ミクロン未満、例えば50ミクロン未満、例えば約4〜約20ミクロンの平均粒径d50を有する。一態様においては、粒子状担体はシリカのような無機酸化物を含む。
[0012]好都合には、第4族金属錯体は、式:
Figure 2013529719
(式中、酸素(O)からMへの結合の少なくとも2つは共有結合であり、他の結合は供与結合であり;ARは、他のAR基と同一又は異なっていてよい芳香族基であり、それぞれのARは、独立して、場合によって置換されているアリール、及び場合によって置換されているヘテロアリールからなる群から選択され;Bは水素原子を計数しないで3〜50個の原子を有する橋架基であり、場合によって置換されている二価ヒドロカルビル、及び場合によって置換されている二価のヘテロ原子含有ヒドロカルビルからなる群から選択され;Mは、Hf及びZrからなる群から選択される金属であり;それぞれのLは、独立して、Mと共有結合、供与結合、又はイオン結合を形成する基であり;n’は、1、2、3、又は4である)
を有するリガンドのようなビス(フェノラート)エーテルリガンドの錯体である。
[0013]一態様においては、ビス(フェノラート)エーテルリガンドは、式:
Figure 2013529719
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、及びR19のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、及び場合によって置換されているヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、ボリル、ホスフィノ、アミノ、アルキルチオ、アリールチオ、ニトロ、及びこれらの組合せからなる群から選択され;場合によっては、2以上のR基は結合して環構造(例えば単環又は多環構造)を形成してもよく、かかる環構造は環内に3〜12個の原子(水素原子は計数しない)を有し;Bは、水素原子を計数しないで3〜50個の原子を有する橋架基であり、場合によって置換されている二価ヒドロカルビル、及び場合によって置換されている二価のヘテロ原子含有ヒドロカルビルからなる群から選択される)
を有する。
[0014]本明細書には、活性成分として少なくとも1種類の液体炭化水素溶媒中に分散しているフェノラートエーテルリガンドの第4族金属錯体を含む触媒組成物の存在下でエチレンを重合することによって、ASTM−4020によって測定して少なくとも3×10g/モルの分子量を有するポリエチレンを製造する方法を記載する。本方法においては、液体炭化水素溶媒の導電度を増加させるのに有効な化合物を、溶媒の約5乃至40体積ppm未満の量でスラリーに加える。この制御された量の静電防止剤を加えることで、ゲル化の問題なしに触媒活性が最大になることが見出された。
定義:
[0015]本明細書において用いる「式によって特徴付けられる」という句は、限定的であることは意図しておらず、「含む」が通常用いられるものと同じように用いられる。「独立して選択される」という用語は、本明細書において、問題の基、例えばR、R、R、R、及びRが同一又は異なっていてよい(例えば、R、R、R、R、及びRは全て置換アルキルであってよく、或いはR及びRは置換アルキルで、Rはアリールであってよい等)ことを示すように用いる。単数形の使用は複数形の使用も包含し、逆も成り立つ(例えばヘキサン溶媒は複数のヘキサン類を包含する)。名付けられたR基は、一般にその名称を有するR基に相当するものとして当該技術において認識されている構造を有する。「化合物」及び「錯体」という用語は、一般に本明細書において互換的に用いられるが、当業者であれば幾つかの化合物を錯体として認識することができ、逆も成り立つ。例示の目的のために、代表的な幾つかの基をここに定義する。これらの定義は、当業者に公知の定義を排除するのではなく補足及び例示するように意図するものである。
[0016]「随意的」又は「場合によって」とは、その後に記載されている事象又は状況が起こっても起こらなくてもよく、この記載が、かかる事象又は状況が起こる場合並びに起こらない場合を包含することを意味する。例えば、「場合によって置換されているヒドロカルビル」という句は、ヒドロカルビル基が置換されているか又はされていなくてよく、この記載が非置換ヒドロカルビル及び置換が存在するヒドロカルビルの両方を包含することを意味する。
[0017]本明細書において用いる「アルキル」という用語は、必然的ではないが通常は1〜約50個の炭素原子を含む分岐又は非分岐の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、オクチル、デシルなど、並びにシクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシルなどを指す。ここでも必然的ではないが一般には、アルキル基は、ここでは1〜約20個の炭素原子を含んでいてよい。「置換アルキル」とは1以上の置換基で置換されているアルキル(例えばベンジル又はクロロメチル)を指し、「ヘテロ原子含有アルキル」及び「ヘテロアルキル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子によって置き換えられているアルキルを指す(例えば、−CHOCHはヘテロアルキルの例である)。
[0018]本明細書において用いる「アルケニル」という用語は、必然的ではないが通常は2〜約50個の炭素原子、及び少なくとも1つの二重結合を含む分岐又は非分岐の炭化水素基、例えばエテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニルなどを指す。ここでも必然的ではないが一般には、アルケニル基は、ここでは2〜約20個の炭素原子を含む。「置換アルケニル」とは1以上の置換基で置換されているアルケニルを指し、「ヘテロ原子含有アルケニル」及び「ヘテロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子によって置き換えられているアルケニルを指す。
[0019]本明細書において用いる「アルキニル」という用語は、必然的ではないが通常は2〜約50個の炭素原子及び少なくとも1つの三重結合を含む分岐又は非分岐の炭化水素基、例えばエチニル、n−プロピニル、イソプロピニル、n−ブチニル、イソブチニル、オクチニル、デシニルなどを指す。ここでも必然的ではないが一般には、アルキニル基はここでは2〜約20個の炭素原子を有していてよい。「置換アルキニル」とは1以上の置換基で置換されているアルキニルを指し、「ヘテロ原子含有アルキニル」及び「ヘテロアルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているアルキニルを指す。
[0020]「芳香族」という用語はその通常の意味で用いられ、環の周りの幾つかの結合を横切って実質的に非局在化している不飽和を含むものである。本明細書において用いる「アリール」という用語は、芳香環を含む基を指す。アリール基は、ここでは、単一の芳香環、又は一緒に縮合しているか、共有結合しているか、又はメチレン若しくはエチレン基のような共通の基に結合している複数の芳香環を含む基を包含する。より具体的なアリール基は、1つの芳香環、或いは2つ又は3つの縮合又は結合している芳香環を含み、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラセニル、又はフェナントレニルである。特定の態様においては、アリール置換基は、1〜約200個の水素以外の原子、通常は1〜約50個の水素以外の原子、具体的には1〜約20個の水素以外の原子を含む。本発明における幾つかの態様においては、多環基が置換基であり、かかる態様においては、多環基は適当な原子に結合していてよい。例えば、「ナフチル」は、1−ナフチル又は2−ナフチルであってよく;「アントラセニル」は、1−アントラセニル、2−アントラセニル、又は9−アントラセニルであってよく;「フェナントレニル」は、1−フェナントレニル、2−フェナントレニル、3−フェナントレニル、4−フェナントレニル、又は9−フェナントレニルであってよい。
[0021]本明細書において用いる「アルコキシ」という用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合しているアルキル基を意図し;即ち、「アルコキシ」基は、−O−アルキル(ここで、アルキルは上記に定義した通りである)として表すことができる。「アリールオキシ」という用語は同じように用いられ、−O−アリール(アリールは下記に定義する)として表すことができる。「ヒドロキシ」という用語は−OHを指す。
[0022]同様に、本明細書において用いる「アルキルチオ」という用語は、単一の末端チオエーテル結合を介して結合しているアルキル基を意図し;即ち、「アルキルチオ」基は、−S−アルキル(ここで、アルキルは上記に定義した通りである)として表すことができる。「アリールチオ」という用語は同じように用いられ、−S−アリール(アリールは下記に定義する)として表すことができる。「メルカプト」という用語は−SHを指す。
[0023]「アレニル」という用語は、ここでは通常の意味で、構造:−CH=C=CHを有する分子セグメントを指すように用いられる。「アレニル」基は、非置換であっても、或いは1以上の非水素置換基で置換されていてもよい。
[0024]本明細書において用いる「アリール」という用語は、他に示さない限りにおいて、単一の芳香環、或いは一緒に縮合しているか、共有結合しているか、又はメチレン若しくはエチレン基のような共通の基に結合している複数の芳香環を含む芳香族置換基を指す。より具体的なアリール基は、1つの芳香環、或いは2つ又は3つの縮合又は結合している芳香環を含み、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、アントラセニル、フェナントレニルなどである。特定の態様においては、アリール置換基は、1〜約200個の炭素原子、通常は1〜約50個の炭素原子、具体的には1〜約20個の炭素原子を有する。「置換アリール」とは1以上の置換基で置換されているアリール基(例えば、トリル、メシチル、及びペルフルオロフェニル)を指し、「ヘテロ原子含有アリール」及び「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているアリールを指す(例えば、チオフェン、ピリジン、ピラジン、イソオキサゾール、ピラゾール、ピロール、フラン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール等、或いはこれらの環のベンゾ縮合類縁体、例えばインドール、カルバゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等のような環は「ヘテロアリール」の用語に含まれる)。本発明における幾つかの態様においては、多環基が置換基であり、かかる態様においては、多環基は適当な原子において結合していてよい。例えば、「ナフチル」は、1−ナフチル又は2−ナフチルであってよく;「アントラセニル」は、1−アントラセニル、2−アントラセニル、又は9−アントラセニルであってよく;「フェナントレニル」は、1−フェナントレニル、2−フェナントレニル、3−フェナントレニル、4−フェナントレニル、又は9−フェナントレニルであってよい。
[0025]「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、通常の意味で、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨード置換基を指すように用いられる。
[0026]「複素環」及び「複素環式」という用語は、環内の1以上の炭素原子が、ヘテロ原子、即ち窒素、酸素、イオウ、リン、ホウ素、又はケイ素のような炭素以外の原子で置き換えられている環縮合系、例えば下記に定義するヘテロアリール基などの環式基を指す。複素環及び複素環式基は、飽和及び不飽和基を含み、下記に定義するヘテロアリール基を含む。複素環の具体例としては、ピロリジン、ピロリン、フラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、インドールなどが挙げられ、これらの任意の異性体が含まれる。更なる複素環は、例えばAlan R. Katritzky, Handbook of Heterocyclic Chemistry, Pergammon Press, 1985、及びComprehensive Heterocyclic Chemistry, A.R. Katritzkyら編, Elsevier, 2版, 1996に記載されている。「メタロ環(metallocycle)」という用語は、環又は複数の環内のヘテロ原子の1以上が金属である複素環を指す。
[0027]「ヘテロアリール」という用語は、芳香環内に1以上のヘテロ原子を含むアリール基を指す。具体的なヘテロアリール基としては、ヘテロ芳香環を含む基、例えばチオフェン、ピリジン、ピラジン、イソオキサゾール、ピラゾール、ピロール、フラン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、及びこれらの環のベンゾ縮合類縁体、例えばインドール、カルバゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンなどが挙げられる。
[0028]より一般的には、「ヘテロ」又は「ヘテロ原子含有」という修飾語、並びに「ヘテロアルキル」又は「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル基」は、1以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている分子又は分子フラグメントを指す。而して、例えば「ヘテロアルキル」という用語はヘテロ原子を含んでいるアルキル置換基を指す。「ヘテロ原子含有」という用語が可能なヘテロ原子含有基のリストにおいて用いられる場合には、この用語はその群の全ての構成要素に適用されると意図される。即ち、「ヘテロ原子含有アルキル、アルケニル、及びアルキニル」という句は、「ヘテロ原子含有アルキル、ヘテロ原子含有アルケニル、及びヘテロ原子含有アルキニル」として解釈すべきである。
[0029]「ヒドロカルビル」とは、1〜約50個の炭素原子、具体的には1〜約24個の炭素原子、最も具体的には1〜約16個の炭素原子を含み、分岐又は非分岐で飽和又は不飽和の種を包含するヒドロカルビル基、例えばアルキル基、アルケニル基、アリール基などを指す。「低級ヒドロカルビル」という用語は、1〜6個の炭素原子、具体的には1〜4個の炭素原子のヒドロカルビル基を意図している。
[0030]「置換ヒドロカルビル」、「置換アリール」、「置換アルキル」などにおけるような「置換」とは、上記に言及した定義の幾つかにおいて暗示されるように、ヒドロカルビル、アルキル、アリール、又は他の基において、炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子が、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、ホスフィノ、アミノ、ハロ、シリルなどのような1以上の置換基で置き換えられていることを意味する。「置換」という用語が可能な置換基のリストの前に現れる場合には、この用語はこの群の全ての構成要素に適用されると意図される。即ち、「置換アルキル、アルケニル、及びアルキニル」という句は、「置換アルキル、置換アルケニル、及び置換アルキニル」として解釈すべきである。同様に、「場合によって置換されているアルキル、アルケニル、及びアルキニル」とは、「場合によって置換されているアルキル、場合によって置換されているアルケニル、及び場合によって置換されているアルキニル」として解釈すべきである。
[0031]「飽和」という用語は、エチル、シクロヘキシル、ピロリジニルなどのように、ラジカル基の原子の間に二重及び三重結合がないことを指す。「不飽和」という用語は、ビニル、アリル、アセチリド、オキサゾリニル、シクロヘキセニル、アセチルなどのように、ラジカル基の原子の間に1以上の二重及び三重結合が存在することを指し、具体的にはアルケニル及びアルキニル基、並びに下記に定義するようなアリール及びヘテロアリール基のように二重結合が非局在化している基が挙げられる。
[0032]「二価ヒドロカルビル」、「二価アルキル」、「二価アリール」などにおけるような「二価」とは、ヒドロカルビル、アルキル、アリール、又は他の基が2つの点で原子、分子、又は基に結合しており、2つの結合点が共有結合であることを意味する。
[0033]本明細書において用いる「シリル」という用語は、−SiZ基(ここで、Z、Z、及びZのそれぞれは、独立して、水素、及び場合によって置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ原子含有アルキル、ヘテロ原子含有アルケニル、ヘテロ原子含有アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、及びこれらの組合せからなる群から選択される)を指す。
[0034]本明細書において用いる「ボリル」という用語は、−BZ基(ここで、Z及びZのそれぞれは上記に定義した通りである)を指す。本明細書において用いる「ホスフィノ」という用語は、基:−PZ(ここで、Z及びZのそれぞれは上記に定義した通りである)を指す。本明細書において用いる「ホスフィン」という用語は、基:−PZ(ここで、Z、Z、及びZのそれぞれは上記に定義した通りである)を指す。「アミノ」という用語は、ここでは基:−NZ(ここで、Z及びZのそれぞれは上記に定義した通りである)を指すように用いられる。「アミン」という用語は、ここでは基:−NZ(ここで、Z、Z及びZのそれぞれは上記に定義した通りである)を指すように用いられる。
[0035]本明細書において用いる他の略号としては、イソプロピルを指す「iPr」;tert−ブチルを指す「tBu」;メチルを指す「Me」;エチルを指す「Et」;フェニルを指す「Ph」;メシチル(2,4,6−トリメチルフェニル)を指す「Mes」;トリフルオロアセテートを指す「TFA」;テトラヒドロフランを指す「THF」;ナフチルを指す「Np」;カルバゾリルを指す「Cbz」;アントラセニルを指す「Ant」;及び1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアントラセニルを指す「H8−Ant」;ベンジルを指す「Bn」;CHCOを指す「Ac」;酢酸エチルを指す「EA」;トシル又は同意語としてパラトルエンスルホニルを指す「Ts」;テトラヒドロピランを指す「THP」;1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセネルを指す「dppf」;メトキシメチルを指す「MOM」;が挙げられる。
[0036]「ポリエチレン」とは、90%のエチレン誘導単位、又は95%のエチレン誘導単位、又は100%のエチレン誘導単位で構成されるポリマーを意味する。而して、ポリエチレンは、ホモポリマー、或いは他のモノマー単位を有するコポリマー(ターポリマーを含む)であってよい。本明細書において記載するポリエチレンは、例えば、少なくとも1種類以上の他のオレフィン及び/又はコモノマーを含んでいてよい。オレフィンは、例えば、一態様においては3〜16個の炭素原子;他の態様においては3〜12個の炭素原子;他の態様においては4〜10個の炭素原子;更に他の態様においては4〜8個の炭素原子;を含んでいてよい。代表的なコモノマーとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチルペント−1−エン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセンなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、4−ビニルシクロヘキス−1−エン、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、及び5−ビニル−2−ノルボルネンのようなポリエンコモノマーも本発明において用いることができる。他の態様としては、エタクリレート又はメタクリレートを挙げることができる。
[0037]「高分子量ポリエチレン」とは、少なくとも約3×10g/モルの重量平均分子量を有するポリエチレン組成物を指し、本明細書において用いる場合には、極高分子量ポリエチレン及び超高分子量ポリエチレンを包含するように意図される。本明細書の目的のためには、ここで言及する分子量はマルゴリーズ式にしたがって求められるものである(マルゴリーズ分子量)。
[0038]「極高分子量ポリエチレン」とは、約3×10g/モル未満で約1×10g/モルよりも多い重量平均分子量を有するポリエチレン組成物を指す。幾つかの態様においては、極高分子量ポリエチレン組成物の分子量は、約2×10g/モルと約3×10g/モル未満の間である。
[0039]「超高分子量ポリエチレン」とは、少なくとも約3×10g/モルの重量平均分子量を有するポリエチレン組成物を指す。幾つかの態様においては、超高分子量ポリエチレン組成物の分子量は、約3×10g/モル〜約30×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約20×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約10×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約6×10g/モルの間である。
[0040]「二峰性」という用語は、「二峰性分子量分布」を有するポリマー又はポリマー組成物、例えばポリエチレンを指す。「二峰性」組成物は、少なくとも1つの特定可能なより高い分子量を有するポリエチレン成分、及び少なくとも1つの特定可能なより低い分子量を有するポリエチレン成分、例えばSEC曲線(GPCクロマトグラム)上に2つの異なるピークを含んでいてよい。2つより多い異なる分子量分布のピークを有する材料は、この用語が用いられる場合には「二峰性」とみなされるが、この材料は「多峰性」組成物、例えば三峰性又は更には四峰性等の組成物と呼ぶこともできる。
[0041]「広い分子量分布」におけるような「広い」という用語は、ポリエチレン組成物がより高い分子量成分及びより低い分子量成分のブレンドを含むが、SEC曲線(GPCクロマトグラム)上に2つの別個のピークが存在せず、個々の成分ピークよりも広い単一のピークが存在する場合を包含する。
[0042]「超高分子量ポリエチレン成分」とは、少なくとも約3×10g/モルの重量平均分子量を有する二峰性(又は多峰性)組成物におけるポリエチレン成分を指す。幾つかの態様においては、超高分子量ポリエチレン成分は、約3×10g/モル〜約20×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約15×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約10×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約6×10g/モルの間の重量平均分子量を有する。組成物が2つより多い成分を含む場合、例えば三峰性組成物である場合には、多峰性組成物は1つより多い超高分子量成分を有していてよい。
[0043]「極高分子量ポリエチレン成分」とは、約3×10g/モル未満(例えば約2.5×10g/モル未満、約2.25×10g/モル未満、又は約2.0×10g/モル未満)で、約1×10g/モルより多い重量平均分子量を有する二峰性(又は多峰性)の組成物中のポリエチレン成分を指す。
リガンド:
[0044]本方法において用いる触媒中で用いるリガンドは、一般にフェノラートエーテルリガンド、より詳しくはビス(フェノラート)エーテルリガンドとして定義することができる。例えば、本発明において用いるのに好適なリガンドは、次の一般式:
Figure 2013529719
(式中、それぞれのリガンドは、金属原子又は金属前駆体又は塩基との結合反応において除去することができる少なくとも2つの水素原子を有し;ARは、他のAR基と同一又は異なっていてよい芳香族基であり、一般に、それぞれのARは、独立して、場合によって置換されているアリール又は場合によって置換されているヘテロアリールからなる群から選択され;Bは3〜50個の原子(水素原子を計数しない)を有する橋架基である)
によって特徴付けることができる。1つの好ましい態様においては、Bは約3〜約20個の間の炭素原子(水素原子を含まない)の橋架である。
[0045]一般に、「高級芳香環(upper aromatic ring)」は、ヒドロキシルがそれに結合しているか又はその一部である環である。同様に、「低級芳香環(lower aromatic ring)」は、酸素がそれに結合しているか又はその一部である環である。幾つかの態様においては、AR−AR(即ち、1つの高級芳香環及びその対応する低級芳香環から形成される構造)は、ビアリール種、より具体的にはビフェニルである。
[0046]幾つかの態様においては、橋架基Bは、場合によっては置換されていてもよい、二価のヒドロカルビル及び二価のヘテロ原子含有ヒドロカルビル(例えば約3〜約20個の間の炭素原子を含む)からなる群から選択される。より特定の態様においては、Bは、場合によって置換されている二価のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びシリルからなる群から選択される。任意のこれらの態様においては、橋架基は、場合によって置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、又はヘテロアリールのような1以上の場合によって置換されているヒドロカルビル又は場合によって置換されているヘテロ原子含有ヒドロカルビル基で置換されていてもよい。これらの置換基は、式Iにおける橋架基Bと酸素原子との間の結合に付加されることに留意すべきである。ヒドロカルビル又はヘテロ原子含有ヒドロカルビル基の2以上が結合して、環構造内に3〜50個の原子(水素原子を計数しない)を有する環構造を形成してもよい。橋架基が1以上の環構造を含む幾つかの態様においては、酸素原子から伸長する橋架基の1つより多い鎖を特定することができる可能性があり、かかる場合には、「橋架」は酸素原子の間の結合の最も短い経路として、「置換基」は橋架内の原子に結合している基として定義することが好都合である可能性がある。2つの別の同等に短い経路の結合が存在する場合には、橋架はいずれかの経路に沿って定義することができる。
[0047]更に他の態様においては、Bは、一般式:−(Q”R40 2−z”z’−(式中、それぞれのQ”は、独立して炭素又はケイ素のいずれかであり、それぞれのR40は、独立して、水素、及び場合によって置換されているヒドロカルビル、又は場合によって置換されているヘテロ原子含有ヒドロカルビルからなる群から選択される)によって表すことができる。2以上のR40基が結合して、環構造内に3〜50個の原子(水素原子を計数しない)を有する環構造を形成していてよい。これらの態様においては、z’は、1〜10、より具体的には1〜5、更により具体的には2〜5の整数であり、z”は、0、1、又は2である。例えば、z”が2である場合には、Q”と結合するR40基は存在せず、これは1つのQ”が第2のQ”に多重結合する場合を考慮している。より具体的な態様においては、R40は、水素、ハロゲン、及び場合によって置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、アリールオキシル、シリル、ボリル、ホスフィノ、アミノ、アルキルチオ、アリールチオ、及びこれらの組合せからなる群から選択され、B中の少なくとも1つのR40基は水素ではない。上述の任意の態様においては、B基は1以上のキラル中心を含んでいてよい。而して、例えば、Bは、式:−CHR50−(CH−CHR51−(式中、R50及びR51は、独立して、場合によって置換されているアルキル、ヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールからなる群から選択され、R50及びR51は任意の相対的配置(例えばシン/アンチ、トレオ/エリトロなど)で配置していてよい)によって表すことができ、この場合には、リガンドは、ラセミ混合物としてか又はエナンチオマー的に純粋な形態で生成させることができる。
[0048]特定の態様においては、橋架基Bは、酸素原子から伸長する1以上の橋架原子の鎖を含み、酸素原子の1つ又は両方に隣接して位置する橋架原子の1以上は1以上の置換基に結合しており(上述のような酸素原子又は鎖に沿って隣接する橋架原子の一方又は両方への結合は計数しない)、ここで置換基は、独立して、場合によって置換されているアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。より特定の態様においては、橋架基Bは、独立して、場合によって置換されているアルキル、ヘテロアルキル、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される複数の置換基で置換されていて、酸素原子の1つ又は両方に隣接する橋架原子のそれぞれが少なくとも1つの置換基に結合するようになっている(ここでも、酸素原子又は隣接する橋架原子への結合は計数しない)。かかる態様においては、置換基の2以上が結合して、環構造内に3〜50個の原子(水素原子は計数しない)を有する環構造を形成してもよい。
[0049]而して、幾つかの態様においては、O−B−Oフラグメントは、次式:
Figure 2013529719
(式中、それぞれのQは、独立して炭素及びケイ素からなる群から選択され、それぞれのR60は、独立して、水素、並びに場合によって置換されているヒドロカルビル及びヘテロ原子含有ヒドロカルビルからなる群から選択され、但し、少なくとも1つのR60置換基は水素ではなく、R60置換基は、場合によっては結合して、水素原子を計数せずに環構造内に3〜50個の原子を有する環構造を形成し、m’は、0、1、2、又は3である)
の1つによって特徴付けることができる。これらの態様の範囲内の具体的なO−B−Oフラグメントとしては、例えば、O−(CH−O、O−(CH−O、O−CH(CH)−CH(CH)−O、O−CH−CH(CH)−CH−O、O−CH−C(CH−CH−O、O−CH−CH(CHMe)−CH−O、O−CH−CH(C)−CH−O、O−CH(CH)−CH−CH(CH)−O、O−CH(C)−CH−CH(C)−O、O−CH(CH)CHCHCH(CH)−O、O−CH(C)CHCH(C)−O、
Figure 2013529719
が挙げられる。他の具体的な橋架基は、本明細書においてリガンド及び錯体の例において示す。
[0050]特定の態様においては、リガンドは一般式:
Figure 2013529719
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、及びR19のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、及び場合によって置換されているヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、ボリル、ホスフィノ、アミノ、アルキルチオ、アリールチオ、ニトロ、及びこれらの組合せからなる群から選択され;場合によっては、2以上のR基は結合して環構造(例えば単環又は多環構造)を形成してもよく、かかる環構造は環内に3〜12個の原子(水素原子は計数しない)を有し;Bは上記に定義する橋架基である)
によって特徴付けることができる。
[0051]より具体的な態様においては、R、R、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、及びR19は、独立して、水素、ハロゲン、及び場合によって置換されているアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、アリールオキシル、シリル、アミノ、アルキルチオ、及びアリールチオからなる群から選択される。幾つかの態様においては、R及びR12の少なくとも1つは水素でなく、更に他の態様においては、R及びR12は両方とも水素でない。
[0052]より具体的な態様においては、R及びR12は、アリール及びヘテロアリール(例えば、フェニル、置換フェニル、アントラゼニル、カルボジル、メシチル、3,5−(t−Bu)−フェニルなど)からなる群から選択され;R、R、R、R、R、R、R、R13、R14、R15、R16、R17、R18、及びR19は、上記に定義した通りであり;Bは、
Figure 2013529719
(式中、Q、R60、及びm’は上記に定義した通りである)
である。
[0053]他の具体的な態様においては、R及びR12は、独立して、一般式:
Figure 2013529719
(式中、示されている切断された結合は分子の残りの部分への結合点である)
の置換又は非置換基からなる群から選択され;R及びR14はそれぞれアルキルであり;R、R、R、R、R、R、R13、R15、R16、R17、R18、及びR19は水素であり;Bは、
Figure 2013529719
からなる群から選択される。示されている構造は例示の目的で与えるものであり、限定的な意味で考えるべきではない。例えば、環の1以上が、例えばMe、iPr、Ph、Bn、tBuなどから選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。
[0054]より具体的な態様においては、リガンドは式:
Figure 2013529719
によって特徴付けることができる。式IIIにおいて、R、R、R、R、R、R、R、及びRのそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、及び場合によって置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、アリールオキシル、シリル、ボリル、ホスフィノ、アミノ、メルカプト、アルキルチオ及びアリールチオ、ニトロ、及びこれらの組合せからなる群から選択される。残りの置換基Bは上記に定義した通りである。
[0055]より具体的な態様においては、Rはアリール及びヘテロアリールからなる群から選択され;Rはアルキルであり;R、R、R、R、R、Rは水素であり;Bは、
Figure 2013529719
(式中、Q、R60、及びm’は上記に定義した通りである)
である。
[0056]他の特定の態様においては、Rは一般式:
Figure 2013529719
の置換又は非置換基からなる群から選択され;Rはアルキルであり;R、R、R、R、R、Rは上記に定義した通りであり;Bは、
Figure 2013529719
からなる群から選択される。
[0057]一態様においては、リガンドは下記:
Figure 2013529719
に示す構造からなる群から選択される。
リガンドの製造:
[0058]一般的に言えば、本明細書において開示するリガンドは、例えばMarch, Advanced Organic Chemistry, Wiley, New York 1992 (4版)において記載されているもののような公知の手順を用いて製造される。より具体的には、本発明のリガンドは、リガンドにおいて所望のバリエーションに応じて種々の合成経路を用いて製造することができる。一般に、リガンドは、ビルディングブロックを製造し、次にこれを直接か又は橋架基によって結合することによる収束的アプローチで製造される。R基の置換基におけるバリエーションを、ビルディングブロックの合成において導入することができる。橋架におけるバリエーションは、橋架基の合成と共に導入することができる。好適なリガンドの製造はまた、例えばWO−03/091262、WO−2005/0084106、US−7,060,848、US−7,091,292、US−7,126,031、US−7,241,714、US−7,241,715、及び米国特許公開2008/0269470(これらの全ての内容は参照として本明細書中に包含する)にも詳細に記載されている。
金属前駆体化合物:
[0059]所望のリガンドが形成されたら、それを金属原子、イオン、化合物、又は他の金属前駆体化合物と配合することができる。例えば、幾つかの態様においては、金属前駆体は活性化金属前駆体であり、これは補助リガンドとの配合又は反応の前に活性化剤(下記に記載する)と配合又は反応させた金属前駆体(下記に記載する)を指す。幾つかの用途においては、リガンドは金属化合物又は前駆体と配合し、かかる配合の生成物は生成物が形成されるかどうかを決定するものではない。例えば、リガンドは、金属又は金属前駆体化合物と同時に、反応物質、活性化剤、スキャベンジャー等と共に反応容器に加えることができる。更に、リガンドは、金属前駆体に加える前又は金属前駆体を加えた後に、例えば脱プロトン化反応又は幾つかの他の変性によって変性することができる。
[0060]一般に、金属前駆体化合物は、一般式:M(L)(式中、Mは、元素周期律表の第4族、より具体的にはHf及びZrから選択される金属、特にZrである)によって特徴付けることができる。それぞれのLは、独立して、水素、ハロゲン、場合によって置換されているアルキル、ヘテロアルキル、アリル、ジエン、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ボリル、シリル、アミノ、ホスフィノ、エーテル、チオエーテル、ホスフィン、アミン、カルボキシレート、アルキルチオ、アリールチオ、1,3−ジオネート、オキサレート、カーボネート、ナイトレート、スルフェート、及びこれらの組合せからなる群から選択されるリガンドである。場合によっては、2以上のL基は結合して環構造を形成する。また、リガンドLの1以上が金属Mにイオン結合してもよく、例えばLは非配位又は緩配位又は弱配位アニオンであってよく(例えば、Lは活性化剤と結合している下記のアニオンからなる群から選択することができる);場合によっては、2以上のL基は環構造内で結合していてよい(例えば、これらの弱い相互作用の詳細な議論に関してはMarksら, Chem. Rev. 2000, 100, 1391-1434を参照)。下付文字nは、1、2、3、4、5、又は6である。金属前駆体は、モノマー、二量体、又はそのより高次のものであってよい。
[0061]好適なハフニウム及びジルコニウム前駆体の具体例としては、HfCl、Hf(CHPh)、Hf(CHCMe、Hf(CHSiMe、Hf(CHPh)Cl、Hf(CHCMeCl、Hf(CHSiMeCl、Hf(CHPh)Cl、Hf(CHCMeCl、Hf(CHSiMeCl、Hf(NMe、Hf(NEt、Hf(N(SiMeCl、Hf(N(SiMe)CHCHCHN(SiMe))Cl、及びHf(N(Ph)CHCHCHN(Ph))Cl、並びにZrCl、Zr(CHPh)、Zr(CHCMe、Zr(CHSiMe、Zr(CHPh)Cl、Zr(CHCMeCl、Zr(CHSiMeCl、Zr(CHPh)Cl、Zr(CHCMeCl、Zr(CHSiMeCl、Zr(NMe、Zr(NEt、Zr(NMeCl、Zr(NEtCl、Zr(N(SiMeCl、Zr(N(SiMe)CH、ZrCHCHN(SiMe))Cl、及びZr(N(Ph)CHCHCHN(Ph))Clが挙げられるが、これらに限定されない。これらの例のルイス塩基付加体も金属前駆体として好適であり、例えばエーテル、アミン、チオエーテル、ホスフィンなどがルイス塩基として好適である。具体例としては、HfCl(THF)、HfCl(SMe、及びHf(CHPh)Cl(OEt)が挙げられる。活性化金属前駆体は、[M(CHPh) ][B(C ]又は[M(CHPh) ][PhCHB(C ](ここで、MはZr又はHfである)のようなイオン性又は両性イオン性化合物であってよい。活性化金属前駆体又はかかるイオン性化合物は、Pellecchiaら, Organometallics, 1994, 13, 298-302;Pellecchiaら, J. Am. Chem. Soc., 1993, 115, 1160-1162;Pellecchiaら, Organometallics, 1993, 13, 3773-3775;及びBochmannら, Organometallics, 1993, 12, 633-640(これらはそれぞれ参照として本明細書中に包含する)に示されているようにして製造することができる。
[0062]リガンドと金属前駆体化合物との比は、通常は約0.1:1〜約10:1、又は約0.5:1〜約5:1、又は約0.75:1〜約2.5:1の範囲、より具体的には約1:1である。
[0063]これも上述したように、他の形態においては、本発明は金属−リガンド錯体に関する。一般に、混合物を反応物質(例えばモノマー)と接触させる前か又はそれと同時に、リガンド(又は場合によっては上記で議論したような変性リガンド)を好適な金属前駆体(及び場合によっては活性化剤のような他の成分)と混合する。リガンドを金属前駆体化合物と混合する場合には、金属−リガンド錯体を形成することができ、これは適当な活性化剤と共に担持させて、本方法にしたがって用いるのに好適な担持触媒(又は共担持触媒)を形成することができる。
金属−リガンド錯体:
[0064]本発明において用いる金属−リガンド錯体は、多数の重複しているか又は異なる方法で示すことができる。而して、金属−リガンド錯体は、金属原子の4つ以下の配位部位を占めることができるジアニオン性のキレート形成リガンドを有する錯体として示すことができる。金属リガンド錯体はまた、金属原子と2つの7員メタロ環(金属原子を7員環の1つの構成要素として計数する)を形成するジアニオン性のリガンドを有するものとして示すこともできる。また、幾つかの態様においては、金属−リガンド錯体は、金属原子への結合原子として酸素を用いるジアニオン性のキレート形成リガンドを有するものとして示すことができる。
[0065]また、幾つかの態様においては、金属−リガンド錯体は、少なくとも2つの近似的C対称の錯体異性体中で配位することができるリガンドを有するものとして示すことができる。近似的C対称とは、リガンド部分がほぼC対称の形態でリガンドLに向かって伸長する金属中心の周りの4つの四分円を占めるようにリガンドが金属と配位していることを意味し、近似的とは、例えば橋架の影響などの対称に影響を与える幾つかのファクターによって真の対称が存在しない可能性があることを意味する。これらの態様においては、金属の周りのリガンドの配座はλ又はδとして示すことができる。互いに対してエナンチオマー又はジアステレオマーであってよい少なくとも2つの異性体錯体が形成される可能性がある。1以上のキラル中心を含むリガンド(例えばキラル中心を有する置換橋架)に関しては、ジアステレオマー金属リガンド錯体が形成される可能性がある。特定のリガンド−金属前駆体の組み合わせによって形成されるジアステレオマー錯体は、複数のジアステレオマーの混合物として用いることができ、或いは分離してジアステレオマー的に純粋な錯体として用いることができる。
[0066]これらの異性体構造は、適当に置換されているリガンド(例えば、下記に記載するキレート形成ビスアミド、ビスフェノール、又はジエンリガンド)(これらは錯化反応の立体化学に強く影響を与えることができる)を含む好適な金属前駆体を用いることによって別々に形成することができる。Zhangら, J. Am. Chem. Soc., 2000; 122, 8093-8094;LoCocoら, Organometallics, 2003, 22, 5498-5503;及びChenら, J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 42-43に記載されているように、キレート形成リガンドを含む第4族金属錯体は、橋架ビスシクロペンタジエニルリガンドとの錯化反応における金属前駆体として用いて、得られる橋架メタロセン錯体の立体化学を制御することができることが公知である。ここで記載する橋架ビス(ビアリール)リガンドとの錯化反応において適当に置換されたキレート形成リガンドを含む類似の第4族金属前駆体を用いると、得られるキラルの近似的C対称の金属−リガンド錯体の立体化学に影響を与えるメカニズムを与えることができる。1以上のキラル中心を有する適当に置換されたキレート形成リガンドを含む類似のキラル第4族金属前駆体を用いると、得られるキラルの近似的C対称の金属−リガンド錯体の絶対立体化学に影響を与えるメカニズムを与えることができる。1以上のキラル中心を有する適当に置換されたキレート形成リガンドを含む実質的にエナンチオマー的に純粋な第4族金属前駆体を用いると、本発明の実質的にエナンチオマー的又はジアステレオマー的に純粋な近似的C対称の金属−リガンド錯体を生成させるメカニズムを与えることができる。
[0067]幾つかの場合においては、キラル試薬を用いるジアステレオマー/エナンチオマー分割によってエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物を分離することもできる。例えば、Ringwaldら, J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, p.1524-1527を参照。
[0068]種々のジアステレオマー錯体は、重合のための触媒として用いると異なる重合性能を有して、例えば二峰性の分子量及び/又は組成分布を有するポリマー生成物を形成することができる。
[0069]一態様においては、本触媒において用いる金属−リガンド錯体は、一般式:
Figure 2013529719
(式中、AR、M、L、B、及びn’のそれぞれは上記に定義した通りであり、破線は金属原子への考えられる結合を示し、但し、破線の少なくとも2つは共有結合である)
によって特徴付けることができる。
[0070]この点に関し、Ln’は、金属Mが上記に定義したLのn’番目の基に結合していることを示すことを留意すべきである。
[0071]更に、1つの好ましい態様においては、Bは、約3〜約50の間の炭素原子(水素原子は含まない)の橋架、より好ましくは約3〜約20の間の炭素原子の橋架であることを更に留意すべきである。
[0072]より特には、本発明において用いる金属−リガンド錯体は一般式:
Figure 2013529719
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、及びR19のそれぞれは、構造(II)に関して上記に定義した通りであり、M、L、n’、Bは、上記に定義した通りであり、構造(V)に関連して更に説明した通りである)
によって特徴付けることができる。破線は金属原子への考えられる結合を示し、但し、破線の少なくとも2つは共有結合である。
[0073]好適な金属−リガンド錯体の具体例としては、
Figure 2013529719
が挙げられる。
金属−リガンド錯体の製造:
[0074]金属−リガンド錯体は、錯化をもたらす条件下における金属前駆体及びリガンドの結合のような当業者に公知の技術によって形成することができる。例えば、本発明の錯体は、下記:
Figure 2013529719
に示す一般的なスキームにしたがって製造することができる。
[0075]式13に示すように、式IIによるリガンドを、少なくとも2つの脱離基リガンドLの除去を引き起こす条件下で金属前駆体:M(L)と結合させる(式においては、水素(H)と結合させるように示している)。錯化のための他の公知の経路を用いて脱離基リガンドを他の基(例えば、Li、Na等)と結合させる他のスキーム、例えばリガンドLを他の基と反応させる(例えば、リガンドのアルカリ金属塩を用い、塩の脱離によって錯化反応を進行させる)反応などを用いることができる。
触媒担体:
[0076]上記に記載の金属−リガンド錯体は、本方法において用いる担持触媒を得るために粒子状担体上に担持させることができる。好適な担体としては、シリカ、アルミナ、クレー、ゼオライト、塩化マグネシウム、ポリスチレン、置換ポリスチレンなどが挙げられる。無機酸化物担体、特にシリカ担体が通常は好ましい。
[0077]本方法においては担体の粒径は重要ではないが、担体の平均粒径d50が、58ミクロン未満、一般に50ミクロン未満、例えば30ミクロン未満、例えば約4〜約20ミクロンであることを確保することがしばしば望ましい。而して、担体の粒径を上記の限界内に制御することによって、触媒の活性が向上することが概して見出された。
[0078]更に、幾つかの場合においては、担体粒子が0.6未満のスパン:log10(d90/d10)を有することが望ましい。
[0079]金属−リガンド錯体を装填する前に、一般に、担体を、活性化剤(例えば下記に記載する活性化剤の1以上)、及び特にアルモキサン、例えばメチルアルモキサン(MAO)のような有機アルミニウム化合物で処理する。かかる処理には、好適な温度、例えば約500℃〜約900℃、例えば約600℃において、好ましくは非酸化性雰囲気、例えば窒素中で担体をか焼することを含ませることができる。か焼した生成物は、次に好適な溶媒、例えばトルエンでスラリー化することができ、これに活性化材料の源を加え、約50℃に加熱する。溶媒を除去し乾燥した後に、金属−リガンド錯体を受容するのに好適な処理担体が得られる。
[0080]担体上への金属−リガンド錯体の装填は、一般に、成分のそれぞれを液体炭化水素中に分散し、得られるスラリーを混合し、混合物を乾燥アルゴンの保護雰囲気下で約1〜約3時間渦流混合させることによって行う。
[0081]一態様においては、担体上に堆積させる金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約100マイクロモルである。他の態様においては、装填量は、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約100マイクロモルであり、他の態様においては、担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約100マイクロモルである。他の態様においては、担体上に堆積させる金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約50マイクロモルである。他の態様においては、装填量は、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約50マイクロモルであり、他の態様においては、担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約50マイクロモルである。他の態様においては、担体上に堆積させる金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約25マイクロモル、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約25マイクロモル、又は担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約25マイクロモルである。他の態様においては、担体上に堆積させる金属リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約20マイクロモル、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約20マイクロモル、又は担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約20マイクロモルである。更なる態様においては、担体上に堆積させる金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約15マイクロモル、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約15マイクロモル、又は担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約15マイクロモルである。更なる態様においては、担体上に堆積させる金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約10マイクロモル、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約10マイクロモル、又は更には担持触媒1グラムあたり約3マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約10マイクロモルである。他の態様においては、担体上に堆積させる金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル、約2マイクロモル/g、約4マイクロモル/g、約10マイクロモル/g、約20マイクロモル/g、約30マイクロモル/g、約40マイクロモル/g、約50マイクロモル/g、又は更には約100マイクロモル/gである。
[0082]2種類の異なる金属−リガンド錯体を有機又は無機担体上に堆積させて、2成分共担持触媒を形成することができる。かかる2成分触媒は、二峰性超高分子量ポリエチレンを製造するために特に有用である。一態様においては、担体上に堆積させる2種類の金属−リガンド錯体の合計装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約100マイクロモルである。他の態様においては、担体上に堆積させる複数の金属−リガンド錯体の合計装填量は、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約100マイクロモルであり、他の態様においては、担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約100マイクロモル/gである。一態様においては、担体上に堆積させる2種類の金属−リガンド錯体の合計装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約50マイクロモルである。他の態様においては、担体上に堆積させる複数の金属−リガンド錯体の合計装填量は、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約50マイクロモルであり、他の態様においては、担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約50マイクロモルである。更なる態様においては、担体上に堆積させる複数の金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約25マイクロモル、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約25マイクロモル、又は担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約25マイクロモルである。他の態様においては、担体上に堆積させる複数の金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約20マイクロモル、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約20マイクロモル、又は担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約20マイクロモルである。更なる態様においては、担体上に堆積させる複数の金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約10マイクロモル、担持触媒1グラムあたり約2マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約10マイクロモル、又は更には担持触媒1グラムあたり約4マイクロモル〜担持触媒1グラムあたり約10マイクロモルである。他の態様においては、担体上に堆積させる複数の金属−リガンド錯体の装填量は、担持触媒1グラムあたり約1マイクロモル、約2マイクロモル/g、約4マイクロモル/g、約10マイクロモル/g、約20マイクロモル/g、約30マイクロモル/g、約40マイクロモル/g、約50マイクロモル/g、又は更には約100マイクロモル/gである。
[0083]2種類の金属−リガンド錯体を担体上に堆積させる場合には、第1の錯体と第2の錯体とのモル比は約1:1であってよく、或いは担持2成分錯体には、他のものと比べてモル過剰の一方の錯体を含ませることができる。例えば、第1の錯体と第2の錯体との比は、約1:2、約1:3、約1:5、約1:10、約1:20、又はそれ以上であってよい。一態様においては、担体上に堆積させる第1の金属−リガンド錯体と第2の金属−リガンド錯体との比は、約1:1〜1:10の間、他の態様においては約1:1〜約1:5の間である。更に、この比は、必要に応じて調節することができ、高分子量成分と低分子量ポリエチレン成分との間の目標スプリットを有する二峰性組成物が得られるように実験で決定することができる。
金属−リガンド錯体のための活性化剤:
[0084]上記記載の金属−リガンド錯体は、1種類以上の好適な活性化剤と組み合わせると活性な重合触媒である。広範には、1種類又は複数の活性化剤には、アルモキサン、ルイス酸、ブレンステッド酸、適合性の非干渉性活性化剤、及び上記の組み合わせを含ませることができる。これらのタイプの活性化剤は、以下の参照文献:US−5,599,761、US−5,616,664,US−5,453,410、US−5,153,157、US−5,064,802、EP−A−277,004、及びMarksら, Chem. Rev. 2000, 100, 1391-1434(これらはその全部を参照として本明細書中に包含する)において、異なる組成物又は金属錯体と共に用いるように教示されている。幾つかの態様においては、イオン性又はイオン形成活性化剤が好ましい。他の態様においては、アルモキサン活性化剤が好ましい。
[0085]一態様において活性化剤として有用な好適なイオン形成化合物は、プロトンを供与することができるブレンステッド酸であるカチオン、及び不活性で適合性の非干渉性アニオン:Aを含む。好適なアニオンとしては、電荷を有する金属又はメタロイドコアを含む単配位錯体を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。メカニズム的には、アニオンは、オレフィン性、ジオレフィン性、及び不飽和の化合物、或いはエーテル又はニトリルのような他の中性のルイス塩基によって置き換わるのに十分に不安定でなければならない。好適な金属としては、アルミニウム、金、及び白金が挙げられるが、これらに限定されない。好適なメタロイドとしては、ホウ素、リン、及びケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。単一の金属又はメタロイド原子を含む配位錯体を含むアニオンを含む化合物は勿論周知であり、多くの化合物、特にアニオン部分に単一のホウ素原子を含むような化合物は商業的に入手することができる。
[0086]具体的には、かかる活性化剤は次の一般式:
(L−H) (Ad−
(式中、Lは中性のルイス塩基であり;(L−H)はブレンステッド酸であり;Ad−はd−の電荷を有する非干渉性で適合性のアニオンであり、dは1〜3の整数である)
によって表すことができる。より具体的には、Ad−は式:(M’3+d−(式中、hは4〜6の整数であり;h−3=dであり;M’は周期律表の第13族から選択される元素であり;Qは、独立して、水素、ジアルキルアミド、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロカルビル、及び置換ヒドロカルビル基(ペルハロゲン化ヒドロカルビル基のようなハロゲン置換ヒドロカルビルを含む)からなる群から選択され、かかるQは20個以下の炭素を有する)に対応する。より具体的な態様においては、dは1であり、即ち対イオンは1の陰電荷を有し、式Aに対応する。
[0087]ホウ素又はアルミニウムを含む活性化剤は、次の一般式:
(L−H)(JQ
(式中、Lは前記で定義した通りであり;Jはホウ素又はアルミニウムであり;Qはフッ素化C1〜20ヒドロカルビル基である)によって表すことができる。最も具体的には、Qは、独立して、ペンタフルオロフェニル基(即ちC基)又は3,5−ビス(CF基のようなフッ素化アリール基からなる群から選択される。本発明の改良された触媒の製造において活性化共触媒として用いることができるホウ素化合物の限定的ではないが代表的な例は、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(t−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニルボレート、及びN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレートのようなトリ置換アンモニウム塩;ジ(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのようなジアルキルアンモニウム塩;並びに、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(o−トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのようなトリ置換ホスホニウム塩;N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート;HNMe(C1837 B(C ;HNPh(C1837 B(C 、及び((4−nBu−Ph)NH(n−ヘキシル)B(C 、並びに((4−nBu−Ph)NH(n−デシル)B(C である。具体的な(L−H)カチオンは、HNMePhのようなN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、(4−nBu−C)NH(n−C13 及び(4−nBu−C)NH(n−C1021 のような置換N,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、並びにHNMe(C1837 である。アニオンの具体例は、テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。幾つかの態様においては、具体的な活性化剤はPhNMeB(C である。
[0088]他の好適なイオン形成活性化剤は、式:
(Oxe+(Ad−
(式中、Oxe+はe+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり;eは1〜3の整数であり;Ad−及びdは前記で定義した通りである)
によって表されるカチオン性酸化剤と非干渉性で適合性のアニオンの塩を含む。カチオン性酸化剤の例としては、フェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、Ag、又はPb+2が挙げられる。Ad−の具体的な態様は、ブレンステッド酸含有活性化共触媒に関して前記で定義したアニオン、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
[0089]他の好適なイオン形成活性化共触媒は、式:
Figure 2013529719
(式中、
Figure 2013529719
はC1〜100カルベニウムイオン又はシリルカチオンであり;Aは前記で定義した通りである)
によって表される、カルベニウムイオン又はシリルカチオンと非干渉性で適合性のアニオンの塩である化合物を含む。好ましいカルベニウムイオンはトリチルカチオン、即ちトリフェニルカルベニウムである。シリルカチオンは、式:ZSiカチオン(式中、Z、Z、及びZのそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、及び場合によって置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、アリールオキシル、シリル、ボリル、ホスフィノ、アミノ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、及びこれらの組合せからなる群から選択される)によって特徴付けることができる。幾つかの態様においては、具体的な活性化剤はPhB(C である。
[0090]他の好適な活性化共触媒は、式:(A*+a(Z −c (式中、Aは+aの電荷のカチオンであり;Zは、水素原子は計数しないで1〜50、具体的には1〜30原子で、2以上のルイス塩基部位を更に含むアニオン基であり;Jは、それぞれの箇所で独立して、Zの少なくとも1つのルイス塩基部位に配位しているルイス酸であり、場合によっては2以上のかかるJ基は複数のルイス酸性官能基を有する基内で結合していてよく;jは2〜12の数であり:a、b、c、及びdは1〜3の整数であり、但し、a×bはc×dに等しい)によって表される塩である化合物を含む。WO−99/42467(参照として本明細書中に包含する)を参照。他の態様においては、これらの活性化共触媒のアニオン部分は、式:((CM””−LN−M””(C(式中、M””はホウ素又はアルミニウムであり、LNは連結基であり、具体的にはシアニド、アジド、ジシアナミド、及びイミダゾリドからなる群から選択される)によって特徴付けることができる。カチオン部分は具体的には第4級アミンである。例えば、LaPointeら, J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 9560-9561(参照として本明細書中に包含する)を参照。
[0091]更に、好適な活性化剤としては、トリス(アリール)ボラン、トリス(置換アリール)ボラン、トリス(アリール)アラン、トリス(置換アリール)アランからなる群から選択されるもののようなルイス酸、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのような活性化剤が挙げられる。他の有用なイオン形成ルイス酸としては、WO−99/06413又はPiersら, 「新しい二官能性ペルフルオロアリールボラン:o−フェニレン橋架ジボラン:1,2−(B(C(X=H,F)の合成及び反応性」, J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 3244-3245(いずれも参照として本明細書中に包含する)に記載されているもののような2以上のルイス酸性部位を有するものが挙げられる。他の有用なルイス酸は当業者に明らかであろう。一般に、ルイス酸活性化剤の群はイオン形成活性化剤の群の範囲内であり(この一般則に対する例外が見られる可能性があるが)、この群からは下記に列記する第13族の試薬は除外される傾向がある。複数のイオン形成活性化剤の組合せを用いることができる。
[0092]重合反応において有用な他の一般的な活性化剤又は化合物を用いることができる。これらの化合物は幾つかの背景においては活性化剤であることができるが、重合系において、金属中心をアルキル化すること又は不純物を掃去することのような他の機能を果たすこともできる。これらの化合物は「活性化剤」の一般的な定義の範囲内であるが、ここではイオン形成活性化剤であるとはみなされない。これらの化合物としては、式:G1350 3−p(式中、G13は、B、Al、Ga、In、及びこれらの組合せからなる群から選択され、pは、0、1、又は2であり、それぞれのR50は、独立して、水素、ハロゲン、及び場合によって置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びこれらの組合せからなる群から選択され、それぞれのDは、独立して、ハロゲン、水素、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、ホスフィノ、及びこれらの組合せからなる群から選択される)によって特徴付けることができる第13族試薬が挙げられる。他の態様においては、第13族活性化剤は、メチルアルモキサン及びその公知の変性物のようなオリゴマー又はポリマーアルモキサン化合物である。例えば、"Metallocene-Based Polyolefins: Preparation, Properties and Technology", J. Schiers及びW. Kaminsky編, Wiley Series in Polymer Science, John Wiley & Sons Ltd, Chichester, 英国, 2000におけるBarron, "Alkylalumoxanes, Synthesis, Structure and Reactivity", p.33-67、及びその中で引用されている参照文献を参照。他の態様においては、一般式:M’R50 2−p’p’によって定義される二価の金属試薬を用いることができ、この態様においては、p’は0又は1であり、R50及びDは上記に定義した通りである。M’は金属であり、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、及びこれらの組合せからなる群から選択される。更に他の態様においては、一般式:M”R50によって定義されるアルカリ金属試薬を用いることができ、この態様においては、R50は上記に定義した通りである。M”は、アルカリ金属であり、Li、Na、K、Rb、Cs、及びこれらの組合せからなる群から選択される。更に、水素及び/又はシランを触媒組成物中で用いるか又は重合系に加えることができる。シランは、式:SiR50 4−q(式中、R50は上記に定義した通りであり、qは、1、2、3、又は4であり、Dは上記に定義した通りであり、但し、水素である少なくとも1つのDが存在する)によって特徴付けることができる。
[0093]活性化剤又は複数の活性化剤の組合せは、有機又は無機担体上に担持させることができる。好適な担体としては、シリカ、アルミナ、クレー、ゼオライト、塩化マグネシウム、ポリスチレン、置換ポリスチレンが挙げられる。活性化剤は、金属−リガンド錯体と一緒に共担持させることができる。好適な担体は、上記の「触媒担体」と題されたセクションでより完全に記載している。
[0094]用いる金属:活性化剤のモル比(触媒として組成物又は錯体を用いるかに関係なく)は、具体的には1:10,000〜100:1、より具体的には1:5000〜10:1、最も具体的には1:10〜1:1の範囲である。本発明の一態様においては、上記の化合物の混合物、特に第13族試薬とイオン形成活性化剤の組合せを用いる。第13族試薬とイオン形成活性化剤とのモル比は、具体的には1:10,000〜1000:1、より具体的には1:5000〜100:1、最も具体的には1:100〜100:1である。他の態様においては、イオン形成活性化剤を第13族試薬と配合する。他の態様は、約1当量の場合によって置換されているN,N−ジアルキルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及び5〜30当量の第13族試薬を有する上記の化合物の組合せである。幾つかの態様においては、約30〜2000当量の変性アルモキサン(例えばアルキルアルモキサン)のようなオリゴマー又はポリマーアルモキサン活性化剤を用いることができる。
スラリー相エチレン重合:
[0095]上記に記載の活性化剤と混合すると、本明細書に記載する担持金属−リガンド錯体触媒は、極高分子量及び超高分子量ポリエチレン、或いは少なくとも1つのVHMWPE又はUHMWPE成分を含む二峰性ポリマー組成物を製造するエチレンのスラリー相重合において用いるのに特によく適している。
[0096]重合を行うためには、まず、担持触媒及び活性化剤を、好適な溶媒、一般に約4〜約14個の炭素原子を有する液体炭化水素中でスラリー化する。更に、炭化水素溶媒の導電度を増加させるのに有効な化合物を、溶媒の約5〜約40体積ppm、例えば約20〜約30体積ppmの量でスラリーに加える。一般に、この静電防止剤は、ポリスルホンコポリマー、ポリマーポリアミン、及び油溶性スルホン酸の少なくとも1つを含む。好適な静電防止剤は、Octastat(登録商標)2000、2500、3000、5000、又はStatsafe(登録商標)2500、3000、5000、6000、6633、又はAtmer(登録商標)163である。更に、スラリーには、アルキルマグネシウム化合物のようなスキャベンジャーを、通常は炭化水素溶媒1Lあたり約0.5ミリモル〜約16ミリモルの量で含ませることができる。
[0097]得られる触媒/静電防止剤スラリーを、通常は約20℃〜約90℃、例えば約65℃〜約85℃の温度、及び約4bar〜約40barの圧力を含む重合条件下で、約15分間〜約210分間の間エチレンと接触させる。生成するポリエチレンの分子量の制御は、通常はエチレン供給流の約0体積%〜約10体積%の間の水素の量の水素を加えることによって行う。
ポリエチレン生成物:
[0098]上記に記載のスラリー重合プロセスの生成物は、ASTM−4020によって測定して少なくとも3×10g/モル、例えば約3×10g/モル〜約30×10g/モルの間、又は約1×10g/モル〜約20×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約20×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約10×10g/モルの間、又は約3×10g/モル〜約6×10g/モルの間の分子量を有するポリエチレン粉末である。粉末は単峰性分子量分布又は二峰性分子量分布を有することができ、後者の場合には粉末の第1の部分は約3×10g/モル〜約30×10g/モルの範囲の分子量を有し、第2の部分の粉末は約0.3×10g/モル〜約10×10g/モルの範囲の分子量を有する。一般に、第2のより低い分子量のフラクションの量は0〜40%の範囲である。
[0099]更に、本ポリエチレン粉末は、通常は、約10〜約1500μmの間、一般に約50〜約1000μmの間、しばしば約60〜約700μmの間の平均粒径d50を有する。この点に関し、ここで言うポリエチレン粉末粒径の測定値は、ISO−13320にしたがうレーザー回折法によって得られる。
[00100]本ポリエチレン粉末の嵩密度は、通常は約0.13〜約0.5g/mLの間、一般に約0.2〜約0.5g/mLの間、特に約0.25〜約0.5g/mLの間である。ここで言うポリエチレン粉末嵩密度の測定値はDIN−53466によって得られる。
[00101]更に、ポリエチレン粉末は、通常は約60〜約85%の結晶化度、及び約2〜約30の分子量分布(Mw/Mn)を有する。
ポリエチレン生成物の用途:
[00102]本方法によって製造されるポリエチレン粉末は、通常の形態のVHMWPE及びUHMWPEに関して現在予測される全ての用途において用いることができる。而して、この粉末は、例えば機械部品、ライニング、フェンダー、及び整形外科用インプラントにおいて用いるための成形物品に圧縮成形又はラム押出することができる。或いは、この粉末は、成形型内において、約140℃〜約300℃の間の温度で、個々のポリマー粒子の表面がそれらの接触点で溶融して多孔質構造を形成するまで焼結することができる。
[00103]ここで、以下の非限定的な実施例を参照して本発明をより詳しく記載する。
[00104]実施例においては、エチレンを、シリカ担持ZrClビス(フェノラート)エーテル錯体を含む触媒、及びトリイソブチルアルミニウム(TIBA)共触媒の存在下でスラリー相重合することによってUHMWPEを製造した。シリカ担持錯体は、以下の手順にしたがって製造した。
[00105]前もって、真空(500mg)下600℃において5時間か焼したシリカを、8mLのシンチレーションバイアル内に配置した。シリカをトルエン(3.5mL)中でスラリー化し、PMAO−IP(Akzo-Nobel)(トルエン中1.5M溶液2.333mL)を渦流混合したシリカ/トルエンスラリーに加えた。反応混合物を室温で30分間スラリー化し、次に50℃に加熱した。次に、50℃において連続的に渦流混合及び加熱しながら、窒素流によってトルエンを除去した。2.5時間後に乾燥した物質が得られた。上記の製造工程を異なる8mLのバイアル内で3回繰り返した。物質を、真空下50℃において更に1時間更に乾燥して、2.94gのPMAO−IP/シリカ担持活性化剤を得た。得られた担持触媒は、PMAO−IP/シリカ1gあたり4.98ミリモルのAlのAl装填量を有していた。
[00106]次に、PMAO−IP処理シリカ担体を、式:
Figure 2013529719
を有するZrClビス(フェノラート)エーテル錯体のトルエン溶液でスラリー化した。
[00107]ビス(フェノラート)エーテルリガンドは、WO−2005/108406に記載のようにして合成し、トルエン中80〜100℃において、Zr(CHPh)Cl(EtO)と1〜3時間錯化した。反応混合物を濃縮し、一晩かけて−30℃に冷却した。冷却の前に、濃縮したトルエン反応混合物にペンタンを加えた。錯体が結晶質の物質として得られ、これをトルエン中に溶解して、4.0mMの錯体の濃度を有する溶液を与えた。得られた溶液(3.0mL、12.0マイクロモル)を、8mLのバイアル内において、渦流混合しながら、ヘプタン(3.0mL)中のPMAO−IP/シリカ(4.98ミリモル−Al/g)(300mg)のスラリーに加えた。スラリーを良く振盪し、室温において2時間渦流混合し、次に室温において隔壁を貫通する針による小さいN流によって乾燥した。これは約1.5時間かかった。黄色(僅かに橙色)の物質を真空下で更に乾燥した。得られた担持触媒は、PMAO−IP/シリカ1gあたり4.98ミリモルのAlのAl装填量、及び最終触媒1gあたり40マイクロモルの遷移金属装填量を有していた。
実施例1:
[00108]エチレン重合は、まずアルゴンでフラッシングし、次に炭化水素溶媒(C〜C12脂肪族炭化水素の混合物)(1.5L)とアルミニウムアルキル(TEA;200ミリモル/L)の混合物でコンデショニングした3Lの反応器内で行った。15〜30分間のコンデショニング時間の後、液体を排出した。次に、反応器に2Lの炭化水素溶媒を充填し、撹拌(750rpm)下で80℃に加熱した。トリイソブチルアルミニウム(TIBA;8ミリモル)の100重量%溶液2mLを窒素流下で反応器中に加え、反応器を7barのエチレン圧において加圧した。
[00109]グローブボックス内において、100mgの上記記載の担持錯体(4マイクロモルの金属に相当する)を滴下漏斗中に秤量し、30mLの炭化水素溶媒中に懸濁した。次に、滴下漏斗の内容物をアルゴン流下で金属カートリッジ中に移し、カートリッジを密封し、9barのアルゴン下で加圧した。温度、エチレン流量、エチレン圧のようなパラメーターを監視しながら、触媒懸濁液を反応器中に注入した。注入の後、カートリッジを40mLの炭化水素溶媒ですすいだ。反応は53分後に終了しなければならなかった。反応器内には、自由流動粉末はなかったが1つの大質量のポリマーが存在した。
実施例2:
[00110]反応器を重合のために充填する際に、炭化水素溶媒1Lあたり20ppmに相当する40μLの静電防止剤を精製炭化水素溶媒に加えた他は、実施例1と同じ重合条件を用いた。静電防止剤は、The Associated Octel Company Limitedによって供給されたOctastat(登録商標)2000(炭化水素溶媒中のポリスルホンコポリマー、ポリマーポリアミン、及び油溶性スルホン酸の混合物)であった。
[00111]126分間の反応時間の後、エチレンの供給を終了し、反応器を室温に冷却し、排気し、窒素で1時間フラッシングし、ポリマースラリーをバケット中に回収した。次に、ポリマーを濾過し、イソプロパノールで洗浄し、80℃において一晩乾燥した。126gの収量の自由流動粉末が得られ、これは1260g/gの触媒活性に相当した。
実施例3:
[00112]反応器を重合のために充填する際に、炭化水素溶媒1Lあたり30ppmに相当する60μLのOctastat(登録商標)2000静電防止剤を精製炭化水素溶媒に加えた他は、実施例1と同じ重合条件を用いた。156分間の反応時間の後、エチレンの供給を終了し、反応器を室温に冷却し、排気し、窒素で1時間フラッシングし、ポリマースラリーをバケット中に回収した。次に、ポリマーを濾過し、イソプロパノールで洗浄し、80℃において一晩乾燥した。200gの収量の自由流動粉末が得られ、これは4000g/gの触媒活性に相当した。
実施例4:
[00113]反応器を重合のために充填する際に、炭化水素溶媒1Lあたり40ppmに相当する80μLのOctastat(登録商標)2000静電防止剤を精製炭化水素溶媒に加えた他は、実施例1と同じ重合条件を用いた。156分間の反応時間の後、エチレンの供給を終了し、反応器を室温に冷却し、排気し、窒素で1時間フラッシングし、ポリマースラリーをバケット中に回収した。次に、ポリマーを濾過し、イソプロパノールで洗浄し、80℃において一晩乾燥した。95gの収量の自由流動粉末が得られ、これは950g/gの触媒活性に相当した。

Claims (13)

  1. エチレンを、重合条件下において、少なくとも1種類の炭化水素中の触媒組成物のスラリーと接触させることを含み、触媒組成物がフェノラートエーテルリガンドの第4族金属錯体を含み、スラリーが5乃至40ppm/L未満の少なくとも1種類の炭化水素の導電度を増加させるのに有効な化合物を含む、ASTM−4020によって測定して少なくとも3×10g/モルの分子量を有するポリエチレンの製造方法。
  2. スラリーが、20〜30ppm/Lの少なくとも1種類の炭化水素の導電度を増加させるのに有効な化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1種類の炭化水素の導電度を増加させるのに有効な化合物が、ポリスルホンコポリマー、ポリマーポリアミン、及び油溶性スルホン酸の少なくとも1つを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1種類の炭化水素がC〜C12炭化水素を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 第4族金属錯体が粒子状担体上に配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 粒子状担体が、58ミクロン未満、好ましくは50ミクロン未満、より好ましくは30ミクロン未満、最も好ましくは4〜20ミクロンの平均粒径d50を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 粒子状担体が、無機酸化物、好ましくはシリカを含む、請求項5又は請求項6に記載の方法。
  8. 第4族金属錯体がビス(フェノラート)エーテルリガンドの錯体である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 第4族金属錯体が次の一般式:
    Figure 2013529719
    (式中、酸素(O)からMへの結合の少なくとも2つは共有結合であり、他の結合は供与結合であり;ARは、他のAR基と同一又は異なっていてよい芳香族基であり、それぞれのARは、独立して、場合によって置換されているアリール、及び場合によって置換されているヘテロアリールからなる群から選択され;Bは水素原子を計数しないで3〜50個の原子を有する橋架基であり、場合によって置換されている二価ヒドロカルビル、及び場合によって置換されている二価のヘテロ原子含有ヒドロカルビルからなる群から選択され;Mは、Hf及びZrからなる群から選択される金属であり;それぞれのLは、独立して、Mと共有結合、供与結合、又はイオン結合を形成する基であり;n’は、1、2、3、又は4である)
    を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. ビス(フェノラート)エーテルリガンドが次の一般式:
    Figure 2013529719
    (式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、及びR19のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、及び場合によって置換されているヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、ボリル、ホスフィノ、アミノ、アルキルチオ、アリールチオ、ニトロ、及びこれらの組合せからなる群から選択され;場合によっては、2以上のR基は結合して環構造(例えば単環又は多環構造)を形成してもよく、かかる環構造は環内に3〜12個の原子(水素原子は計数しない)を有し;Bは、水素原子を計数しないで3〜50個の原子を有する橋架基であり、場合によって置換されている二価ヒドロカルビル、及び場合によって置換されている二価のヘテロ原子含有ヒドロカルビルからなる群から選択される)
    を有する、請求項8又は請求項9に記載の方法。
  11. ビス(フェノラート)エーテルリガンドが
    Figure 2013529719
    から選択される、請求項8〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 第4族金属がジルコニウムである、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法によって製造される、ASTM−4020によって測定して少なくとも3×10g/モルの分子量を有するポリエチレン粉末。
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