JP2013528390A - グリコール酸の生産における誘導プロモーターの使用 - Google Patents

グリコール酸の生産における誘導プロモーターの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、発酵によるグリコール酸の生産における誘導プロモーターの使用に関する。本発明は、発酵プロセスにおいてグリコール酸を生産する方法であって、炭素源を含んでなる適当な培養培地中で改変微生物を培養する工程、その微生物において外部刺激により標的遺伝子の発現を調整する工程、およびその培養培地からグリコール酸を回収する工程
を含んでなり、その改変微生物において、グリコール酸生産に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現が異種誘導プロモーターの制御下にあり、そのプロモーター活性がその外部刺激により調整される方法に関する。本発明はまた、そのグリコール酸生産方法に用いられる改変微生物に関する。

Description

本発明は、発酵によるグリコール酸の生産における誘導プロモーターの使用に関する。誘導プロモーターの使用によって、より安定したグリコール酸生産株がもたらされる。
グリコール酸(HOCHCOOH)、またはグリコレートは、カルボン酸のα−ヒドロキシ酸ファミリーの最も単純なメンバーである。グリコール酸は、極めて小さい分子に、アルコール官能基とやや強酸性の官能基の両方を有し二重機能性を備えている。グリコール酸はその特性により、井戸の復旧、皮革工業、石油ガス工業、クリーニングおよび繊維工業における使用を含む幅広い消費者および工業用途に、またパーソナルケア製品の成分として理想的なものとなる。
グリコール酸はまた、ポリグリコール酸を含んでなる熱可塑性樹脂をはじめとする多様なポリマー材料を製造するためにも使用することができる。ポリグリコール酸を含んでなる樹脂は優れた気体遮断性を有し、このような、ポリグリコール酸を含んでなる熱可塑性樹脂は、同じ特性を有する包装材料(例えば、飲料容器など)を作製するためにも使用し得る。ポリエステルポリマーは水性環境中で、制御可能な速度で徐々に加水分解する。ポリエステルポリマーはこの特性により、溶ける縫合糸などの生物医学用途や、pHを下げるために酸の放出制御が必要とされる用途において有用なものとなる。現在、米国では、年間15,000トンを超えるグリコール酸が消費されている。
グリコール酸は、サトウキビ、ビーツ、ブドウおよび果物中に微量成分として天然に存在するが、主に合成により生産される。グリコール酸を生産するための技術は文献または特許出願において記載されている。例えば、Mitsui Chemicals, Inc.により、微生物を用いることによる、末端にヒドロキシル基を有する脂肪族多価アルコールからの該ヒドロキシカルボン酸の生産方法が記載されている(EP2025759A1およびEP2025760A1)。この方法は、片岡道彦氏によって、エチレングリコール酸化微生物を用いたグリコール酸生産に関する研究論文において記載されたもののような生物変換である(Biosci. Biotechnol. Biochem., 2001)。
グリコール酸はまた、Dupont de Nemours and CoによってWO2006/069110および米国特許第7,445,917号において開示されているように、ニトリラーゼ活性が改善された変異ニトリラーゼを用いた、グリコロニトリルからの生物変換によっても生産される。これらの文献には、グリコロニトリル合成のために前駆体としてホルムアルデヒドおよびシアン化水素を用い、グリコロニトリルからのグリコール酸合成のためにニトリラーゼ活性を有する酵素触媒を用いるプロセスが教示されている。このプロセスの大きな欠点は、グリコロニトリルが、微量の酸または塩基の影響下で激しく重合する可能性がある化学物質であり、火災や爆発の危険があるということである。この物質は加熱により分解し、シアン化水素および酸化窒素を含む毒性ガスを発生する。そのため、グリコロニトリルは極めて危険な物質として記載されている。
細菌株を用いた、糖から、特に再生可能資源からの発酵によるグリコール酸の生産方法は、Metabolic Explorer社の特許出願(WO2007/141316およびWO2010/108909)において開示されている。
グリコール酸の生物学的生産には、細菌の中央代謝からの中間体の形成が必要される(図1を参照)。クレブス回路とグリオキシル酸短絡回路の合流点にあるイソクエン酸がそれらの1つである(トリカルボン酸回路およびグリオキシル酸側路、Neidhardt, F. C. (Ed. in Chief), R. Curtiss III, J. L. Ingraham, E. C. C. Lin, K. B. Low, B. Magasanik, W. S. Reznikoff, M. Riley, M. SchaechterおよびH. E. Umbarger (eds). 1996. Escherichia coli and Salmonella: Cellular and Molecular Biology. American Society for Microbiologyに総説されている)。イソクエン酸は、(1)コハク酸とグリオキシル酸に分解されるか(aceA遺伝子によってコードされるイソクエン酸リアーゼにより触媒される反応)または(2)icd遺伝子によってコードされるイソクエン酸デヒドロゲナーゼによりα−ケトグルタル酸へ変換される。特許出願EP2027277に記載されている先行研究には、icd遺伝子の発現が減弱された株によるグリコール酸の良好な生産が示された。TCA回路におけるフラックスを減少させてグリオキシル酸短絡回路に向かわせることによってグリコール酸生産の収率は大幅に高まったが、同時に、それによってその株は減弱した。
icd遺伝子の発現が減弱された株は、何世代にもわたって増殖させた場合には安定せず、これは工業用途ではかなり不都合である。著者らは、誘導プロモーターを使用することによりその問題の解決法を見出した。
バイオテクノロジーのプロセスにおける誘導プロモーターの使用は、工業バイオテクノロジーの分野である。これらのプロモーターは通常化学的または物理的刺激に応答し、これらの刺激は、プロピオネート(WO2007005837)、亜鉛(WO2004020640)、アラビノース(WO1998011231)、温度(‘Microbial conversion of glycerol to 1,3-propanediol by an engineered strain of Escherichia coli.’ Tang X, Tan Y, Zhu H, Zhao K, Shen W. Appl Environ Microbiol. 2009 Mar; 75(6): 1628-34.)および光により例示される。
効率的なグリコール酸生産は経路の緻密な調整を必要とする。グリコール酸生産を最大とし、生産株の安定性を向上させるには、プロセス中に特定の重要な酵素の発現を調整できることが有益となり得る。例えば、icd遺伝子の発現はバイオマス生産には絶対必要であるが、グリコール酸生産には必要なく、aceAの場合はその逆である。従って、誘導プロモーターの使用は、工業レベルでグリコール酸を生産する総収率を向上させる上で注目されるものであり得る。
現時点では、グリコール酸生産に関与する遺伝子の発現を制御するための誘導プロモーターの使用は考慮も報告もされたことがない。
本発明者らは、グリコール酸生合成などの複雑な代謝経路に関与する遺伝子の遺伝子発現を調節するために使用される場合に異種誘導プロモーターが有益であることを見出した。
発明の概要
本発明は、発酵プロセスにおいてグリコール酸を生産するための方法であって、
−炭素源を含んでなる適当な培養培地中で改変微生物を培養する工程、
−該微生物において外部刺激により標的遺伝子の発現を調整する工程、および
−該培養培地からグリコール酸を回収する工程
を含んでなり、
該改変微生物において、グリコール酸生産に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現が異種誘導プロモーターの制御下にあり、そのプロモーター活性が該外部刺激により調整される方法に関する。
本発明はまた、グリコール酸生合成に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現が異種誘導プロモーターの制御下にある、グリコール酸生産のために改変された微生物に関する。
グリコール酸生合成経路。
発明の具体的説明
本発明は、発酵プロセスにおいてグリコール酸を生産するための方法であって、
−炭素源を含んでなる適当な培養培地中で改変微生物を培養する工程、
−該微生物において外部刺激により標的遺伝子の発現を調整する工程、および
−該培養培地からグリコール酸を回収する工程
を含んでなり、
該改変微生物において、グリコール酸生産に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現が異種誘導プロモーターの制御下にあり、そのプロモーター活性が該外部刺激により調整される方法に関する。
「グリコール酸」または「グリコレート(gycolate)」とは、互換的に用いられ、同じ意味を有する。それらの用語は、カルボン酸のα−ヒドロキシ酸ファミリーの最も単純なメンバーである式HOCHCOOHの分子を表す。
本発明によれば、「発酵プロセス」、「発酵」または「培養」とは、適当な増殖培地での細菌の増殖を表して互換的に用いられる。
発酵プロセスにおいてグリコール酸を生産するための方法は当業者によく知られている。プロセスを至適化するために、炭素源の選択など、発酵プロセスの種々の因子を調整することができる。
「適当な培養培地」とは、微生物の培養および増殖に適当な培地である。このような培地は、微生物の発酵の分野で周知であり、培養される微生物によって異なる。適当な培養培地は、炭素源を含んでなる。「炭素源」とは、微生物によって代謝され得る任意の炭素源を意味し、その基質は少なくとも1つの炭素原子を含む。炭素源は、グルコース、スクロース、単糖類(フルクトース、マンノース、キシロース、アラビノースなど)、オリゴ糖類(ガラクトース、セロビオースなど)、多糖類(セルロースなど)、デンプンまたはその誘導体、グリセロールおよび単一炭素基質からなる群の中から選択され、それによってグリオキシル酸が生産される。特に好ましい炭素源はグルコースである。もう1つの好ましい炭素源はスクロースである。
本発明の特定の実施形態では、炭素源は再生可能な供給原料に由来する。再生可能な供給原料は、短期のうちに、目的生成物へのその変換を可能とするに十分な量で再生され得る、特定の工業プロセスに必要とされる原料と定義される。
発酵は一般に、少なくとも1つの単純炭素源、および必要であれば代謝産物の生産のための補助基質を含有する、使用する微生物に適合された適当な培養培地の入った発酵槽で行われる(特許出願EP09171297.6に記載のとおりである)。
当業者ならば、本発明による微生物に対する培養条件を定義することができる。特に、細菌は20℃〜55℃の間、好適には25℃〜40℃の間、より具体的には、大腸菌(E. coli)では約30℃〜37℃の温度で発酵される。
大腸菌に対する既知の培養培地の例として、その培養培地はM9培地(Anderson, 1946, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 32: 120-128)、M63培地(Miller, 1992; A Short Course in Bacterial Genetics: A Laboratory Manual and Handbook for Escherichia coli and Related Bacteria, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York)またはSchaefer et al. (1999, Anal. Biochem. 270: 88-96)により定義されているものなどの培地と同一または類似の組成であり得る。
「微生物」とは、細菌、酵母または真菌を表す。細菌はグラム陽性菌またはグラム陰性菌の中から選択される。好適には、微生物は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)などのグラム陰性菌の中から、またはバチルス科(Bacillaceae)、ストレプトミセス科(Streptomycetaceae)およびコリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)などのグラム陽性菌の中から選択される。より好適には、微生物は、エシェリキア属(Escherichia)、クレブシェラ属(Klebsiella)、パンテア属(Pantoea)、サルモネラ菌属(Salmonella)またはコリネバクテリウム属(Corynebacterium)の種である。いっそうより好適には、微生物は、大腸菌(Escherichia coli)またはコリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)種のいずれかである。
「改変微生物」とは、グリコール酸生産の向上を示す遺伝的に改変された微生物を表す。「グリコール酸生産の向上」とは、微生物により生産されるグリコール酸の量、特にグリコール酸収率(炭素源当たりに生産されるグリコール酸の割合)が、対応する非改変微生物に比べて改変微生物で高いことを意味する。
本発明の方法で用いられる改変微生物は、
−グリコール酸生産を向上させるために改変されている、および
−グリコール酸生産に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現が誘導プロモーターの直接的または間接的制御下にある
という2つの特徴を有する。
「培養培地からグリコール酸を回収する」とは、グリコール酸を回収する操作を表す。グリコール酸の回収は、細菌中または培地中でのグリコレートの濃縮、および発酵培養の最終産物中に場合により一部または全量(0〜100%)が残存している発酵液および/またはバイオマスからのグリコール酸の単離からなる工程により行われる。場合により、該プロセスは、工程(a)で生産されたグリコール酸を少なくともグリコール酸二量体への重合工程を通じて回収すること、および(b)グリコール酸二量体、オリゴマーおよび/またはポリマーからの脱重合によりグリコール酸を回収することからなる工程を含む。本発明の特定の実施形態によれば、回収工程は、培養培地中に存在するグリコール酸の誘導体および前駆体を回収することを含む。
「標的遺伝子の発現を調整すること」とは、遺伝子の発現を可能にするかまたは抑制することを意味する。この調整は、誘導プロモーターを用いて達成される。当業者ならば、この調整の目的に応じて、使用する誘導系の種類が分かる。
「誘導プロモーター」とは、そのプロモーター活性が外部刺激に対して増強または低減され得るプロモーターを表す。刺激は、温度、光、化学物質などの、本来物理的または化学的なものであり得る。
標的遺伝子の誘導は、刺激の直接的または間接的伝達を介して得ることができる。
間接的伝達は、誘導プロモーターの制御下にありかつグリコール酸生合成に関与する標的遺伝子の発現を駆動する特定のプロモーターを認識する異種RNAポリメラーゼを用いることにより達成することができる。この場合、誘導プロモーターは標的遺伝子のプロモーターには直接連結されていないが、標的遺伝子の前記プロモーターを転写するRNAポリメラーゼの発現を駆動する。
これらの異種RNAポリメラーゼは、例えば、T3 RNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼまたは当業者に知られているその他のポリメラーゼとすることができる。
直接的伝達は、1つの標的遺伝子の発現が誘導プロモーターの制御下にある場合に達成される。
「異種誘導プロモーターの制御下」とは、誘導プロモーターがその遺伝子の天然プロモーターではなく、それに機能し得る形で連結された遺伝子の発現レベルを少なくとも部分的に制御するように導入されたものであることを表す。誘導プロモーターの活性は、生物因子または非生物因子の有無によって誘導される。遺伝子の発現は、当業者の必要に応じてオン、オフが可能である。これらのプロモーターは化学的に調節(テトラサイクリン、ホルモンなどの存在下)されても、または物理的に調節(特に熱または光による)されてもよい。
本発明の特定の実施形態では、グリコール酸生産に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現は異種誘導プロモーターの直接的制御下にある。この誘導プロモーターは物理的刺激によりまたは化学的刺激により誘導され得る。
本発明の第1の態様において、外部刺激は温度または光の中から選択される、すなわち、誘導プロモーターは、温度誘導プロモーターまたは光誘導プロモーターである。
誘導プロモーターは、有利には温度により誘導され、
−λファージの改変レプレッサーにより調節されるプロモーター、例えば、
・プロモーターPRまたは該プロモーターPRの誘導体、
・プロモーターPLまたは該プロモーターPLの誘導体など、
−温度感受性Lacレプレッサーにより調節される改変lacプロモーター
の中から選択される。
これらのプロモーターに関し、書誌参照は以下である。
・A genetic switch. Ptashne M. Blackwell Scientific, Cambridge, MA. 1986;
・A genetic switch: Phage lambda revisited. Ptashne M. Cold Spring Harbor Lab Press. Cold Spring Harbor, NY. 2004;
・The bacteriophages, Part II: Life of phages, 8. Gene regulatory circuitry of phage λ. Little J. 2nd edition 2004. Richard Calendared. Oxford University Press;
・Bukrinsky et al., Gene, 70 (1998) 415-417;
・Mandal & Lieb, 1976,
・Winstanley et al., 1989。
レプレッサーは、プロモーター領域の特定の結合部位に結合し、それによりプロモーターへのRNAポリメラーゼの接近を制限し、転写の開始または伸長を減じることによって、同族プロモーターからの発現を抑制する。
本発明の態様によれば、λファージ改変レプレッサーはλレプレッサーcIの温度不安定性対立遺伝子である。有利には、該レプレッサーはλレプレッサー対立遺伝子cI857である(On a thermosensitive repression system in the Escherichia coli lambda bacteriophage. Sussman R, Jacob F. C. R. Hebd. Seances Acad. Sci. 1962, 254, p1517)。Sussman et al.は、32℃で培養した場合には溶原状態にあるが、温度40℃で1時間培養を維持した場合にその溶解が誘導される、新規バクテリオファージ変異株を報告している。
本発明の特定の態様では、グリコール酸生産のための改変微生物において、タンパク質RecAをコードする遺伝子recAが欠失されている。タンパク質RecAは、cIに対してプロテアーゼとして作用することが知られている。従って、RecAをコードする遺伝子の欠失によって、λレプレッサーcIのタンパク質分解は排除される。
温度誘導プロモーターは有利にはプロモーターPRまたは誘導体、およびプロモーターPLまたは誘導体の間で選択することができる。
別の実施形態では、温度誘導プロモーターは温度感受性Lacレプレッサーにより調節される改変lacプロモーターである。
本発明の第2の態様において、外部刺激は化学的刺激である、すなわち、誘導プロモーターは化学的に調節される。特に、プロモーター活性の誘導は炭素異化代謝産物の抑制の変化に関係している。炭素異化代謝産物の抑制により活性化されるプロモーターは、低濃度のグルコースまたはグルコースの不在下で、アクチベーター「cAMPレプレッサータンパク質」(CRP)を介して正の調節を受ける。
本発明の別の実施形態では、誘導プロモーターは、特定の炭素源または糖アルコールの存在により誘導される。炭素源または糖アルコールにより誘導されるプロモーターの例としては、それぞれアラビノースまたはラフィノースプロモーター、およびマンニトールプロモーターまたはグルシトールプロモーターが挙げられる。
誘導の原理はタンパク質構造に基づいている。特定の刺激(物理的または化学的刺激のいずれか)により活性化されるプロモーターでは、同族レプレッサーはその天然型で活性である。特定の刺激の存在によってこのレプレッサーの構造変化が誘導され、この変化によってプロモーターに結合することができなくなり、それによって遺伝子転写が活性化される。逆に、特定の刺激により抑制されるプロモーターでは、同族レプレッサーはその天然型で不活性であり、特定の刺激の存在によってその構造変化が誘導され、この変化によって、遺伝子転写を抑制し得る活性型レプレッサーがもたらされる。
当業者ならば、使用する生物、培養条件および標的遺伝子発現の調整目的に応じて、物理的または化学的刺激により活性化または抑制される誘導プロモーターを選択することができる。
本発明の特定の態様によれば、目的遺伝子(「標的遺伝子」)の発現は「間接的伝達」を介して調節される、すなわち、グリコール酸生産に関与する少なくとも1つの遺伝子は異種RNAポリメラーゼにより転写され、その異種RNAポリメラーゼの発現が誘導プロモーターの制御下にある。
本発明の特定の実施形態では、異種RNAポリメラーゼはT7、T3ポリメラーゼから選択される。
本発明によれば、「標的遺伝子」は、グリコール酸生産またはその前駆体の生産に関与する少なくとも1つの遺伝子である。標的遺伝子は、異種誘導プロモーターの直接的または間接的制御下にあり、すでに説明したように、遺伝子は誘導プロモーターの直接的制御下にあるか、または遺伝子は誘導RNAポリメラーゼにより転写されるか、またはそれら両方の組合せである。
微生物においてグリコール酸生産に関与する遺伝子は当技術分野で公知であり、グリコール酸特異的生合成経路に関与する遺伝子、ならびに前駆体供給経路に関与する遺伝子およびグリコール酸消費経路に関与する遺伝子を含んでなる。
グリコール酸の効率的生産には、グリコール酸特異的経路およびいくつかの前駆体供給経路の至適化が必要である。グリコール酸生産株は特許出願EP2027227およびWO2010/108909に記載されており、これらは引用することにより本願の一部とされる。
特に、前記グリコール酸生産株は、以下の改変の少なくとも1つを含んでなる。
−グリコレート以外の産物へのグリオキシル酸の変換の低減
aceB、glcBgcledaの減弱)
−グリコレートの実質的代謝不能(glcDEFG、aldAの減弱)
−グリオキシル酸経路フラックスの増大(icdaceKptaackApoxBiclRもしくはfadRの減弱および/またはaceAの過剰発現)
−グリコレートへのグリオキシル酸の変換の増大(ycdWの過剰発現)
−NADPHのアベイラビリティーの増大(pgi、udhA、eddの減弱)。
前記グリコール酸生産株は、以下の改変の少なくとも1つをさらに含んでなってよい。
−遺伝子ldhAおよびmgsAの減弱
−遺伝子arcAの減弱
−遺伝子glcAlldPおよびyjcGの少なくとも1つの減弱
本発明によれば、グリコール酸生産のためにすでに改変されている株においてグリコール酸生産を増大させるために、グリコール酸生産に関与する下記遺伝子の少なくとも1つを、そのプロモーター活性が外部刺激により調整される誘導プロモーターの制御下に置くことができる。
a)TCA回路とグリオキシル酸短絡回路の交差点に関与する酵素をコードする遺伝子:
Figure 2013528390
b)グリコール酸生合成に直接的関与する酵素をコードする遺伝子:
Figure 2013528390
c)補因子NADPHの生産および細胞のレドックス状態の調節に直接的または間接的に関与する酵素をコードする遺伝子:
Figure 2013528390
d)アンプレロティック経路(anplerotic pathways)に関与する遺伝子:
Figure 2013528390
e)酢酸代謝に関与する酵素をコードする遺伝子:
Figure 2013528390
f)グリコレートの膜輸送に関与する酵素をコードする遺伝子:
Figure 2013528390
g)副産物としてのラクテートの生産に関与する酵素をコードする遺伝子:
Figure 2013528390
本発明によれば、グリコール酸生産を増大させるために、前述の遺伝子の少なくとも2つの遺伝子およびこれらの遺伝子の任意の組合せが誘導プロモーターの制御下に置かれる。
本発明の好ましい実施形態では、遺伝子icdの発現は異種誘導プロモーターの直接的または間接的制御下にある。
酵素イソクエン酸デヒドロゲナーゼは、TCA回路に属し、α−ケトグルタル酸へのイソクエン酸の変換を触媒する。イソクエン酸は、バイオマスへと導くTCA回路とグリコール酸へと導くグリオキシル酸短絡回路の合流点にあるため、これらの経路へのその分配はグリコール酸の生産に大きな影響を与える。
特定の実施形態では、遺伝子icdは誘導プロモーターの制御下にあり、その誘導プロモーターによって、37℃〜42℃でicd遺伝子の発現が可能になり、28℃〜32℃でicd遺伝子の発現が抑制される。
本発明の好ましい実施形態では、改変微生物は、バイオマスを生産するために37℃〜42℃(icdが発現される条件)およびグリコール酸を生産するために28℃〜30℃(icdが抑制される条件)で増殖させる。
本発明の特定の実施形態では、培養培地中の生産されたグリコール酸の回収工程は、培養培地中に存在するグリコール酸の誘導体および前駆体の回収を含む。グリコール酸の「誘導体または前駆体」とは、グリコール酸の形成および分解の代謝経路における総ての中間化合物を表す。グリコール酸の前駆体は、特に、クエン酸、イソクエン酸、グリオキシル酸、一般に、グリオキシル酸回路の総ての化合物である。グリコール酸の誘導体は、特に、グリコール酸エチルエステル、グリコール酸メチルエステルなどのグリコール酸エステル、およびポリグリコール酸などのグリコレート含有ポリマーである。
誘導プロモーターにより制御される遺伝子は、染色体上のその天然の位置にあってもよいし、または天然でない位置に組み込まれてもよい。最適なグリコール酸生産を得るには、誘導プロモーターにより制御される遺伝子を1回または数回組み込む必要がある場合がある。同様に、最適な発現を得るには、一コピーまたは数コピーの調節遺伝子が必要となる場合がある。レプレッサー遺伝子コピーとプロモーターの種々の比率を用いて発現を緻密に調整することができる。
誘導プロモーターの制御下にある遺伝子は遺伝子座に組み込まれ、その改変がメチオニン生産に悪影響を与えないのが好適である。遺伝子を組み込み得る遺伝子座の例は下記の通りである。
Figure 2013528390
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本発明はまた、グリコール酸生産に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現が、上に定義した異種誘導プロモーターの直接的または間接的制御下にある、グリコール酸生産の向上のために改変された微生物に関する。
前記微生物には、いくつかの改変、特に、以下の代謝性変化を可能とする改変が事前に導入された。
i)前記微生物は、リンゴ酸シンターゼ(aceBおよびglcB)、グリオキシル酸カルボリガーゼ(gcl)および2−ケト−3−デオキシグルコン酸6−リン酸アルドラーゼ(eda)をコードする遺伝子の不活性化により、グリオキシル酸をグリコレート以外の化合物へ代謝することができない。
ii)前記微生物は、遺伝子glcDEFおよびaldAの減弱により、グリコレートを代謝することができない。
iii)icdacekptaackpoxBiclRまたはfadRの減弱および/またはaceAの過剰発現により、グリオキシル酸経路フラックスが増大される。
iv)ycdWのような内因性コード遺伝子の過剰発現により、グリコレートへのグリオキシル酸の変換が増大される。
v)遺伝子pgiudhAおよびeddの発現の減弱により、NADPHのアベイラビリティーが増大される。
改変は特許出願EP2027227およびWO2010/108909に記載されており、これらは引用することにより本明細書の一部とされる。
本発明の記載において、遺伝子およびタンパク質は大腸菌における対応する遺伝子の名称を用いて識別される。しかしながら、特に断りのない限り、これらの名称の使用は本発明に従うより一般的な意味を有し、他の生物、より詳しくは微生物における対応する遺伝子およびタンパク質の総てを包含する。
当業者ならば、GenBankに示されている既知の遺伝子に関する参照番号を用いて他の生物、細菌株、酵母、真菌、哺乳類、植物などにおける等価な遺伝子を決定することができる。この常法は、有利には、他の微生物由来の遺伝子との配列アラインメントを行い、縮重プローブを設計して、他の生物における対応する遺伝子をクローニングすることにより決定することができるコンセンサス配列を使用して行われる。これらの分子生物学の常法は当業者によく知られており、例えば、Sambrook et al. (1989 Molecular Cloning: a Laboratory Manual. 2nd ed. Cold Spring Harbor Lab., Cold Spring Harbor, New York)に記載されている。
PFAM(アラインメントのタンパク質ファミリーデータベースおよび隠れマルコフモデル(protein families database of alignments and hidden Markov models); (http://www.sanger.ac.uk/Software/Pfam/)は、タンパク質配列アラインメントを多数集めたものである。各PFAMにより、多重アラインメントを視覚化し、タンパク質ドメインを調べ、生物間の分布を評価し、他のデータベースへのアクセスを確保し、既知のタンパク質構造を視覚化することができる。
主要な系統発生系を示す、完全に配列決定されたゲノムからのタンパク質配列を比較することにより、COG(タンパク質のオーソロガス群のクラスター(clusters of orthologous groups of proteins);http://www.ncbi.nlm.nih.gov/COG/)が得られる。各COGは、少なくとも3つの系から定義されるので、前に保存されたドメインを同定することができる。
相同配列およびそれらの相同性%を同定する手段は当業者によく知られており、特にBLASTプログラムが挙げられ、このプログラムは、ウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/から、このウェブサイトに示されているデフォルトパラメーターとともに利用することができる。次に、得られた配列を、例えばプログラムCLUSTALW(http://www.ebi.ac.uk/clustalw/)またはMULTALIN(http://bioinfo.genotoul.fr/multalin/multalin.html)を、これらのウェブサイトに示されているデフォルトパラメーターとともに用いて活用する(例えば、アラインする)ことができる。
本発明の特定の態様では、グリコール酸を生産するために事前に遺伝的に改変された微生物は、icdaceAycdWpgipntABudhAarcAmaeAmaeBmdhpckppcackAptapoxBlldPglcAyjcGldhAおよびmgsAの中から選択される、遺伝子発現が異種誘導プロモーターの制御下にある少なくとも1つの遺伝子を含む。より好ましくは、異種誘導プロモーターの制御下にある遺伝子はicdである。
本発明の好ましい態様では、改変微生物において、誘導プロモーターの使用によって、37℃〜42℃でicd遺伝子の発現が可能になり、28℃〜32℃でicd遺伝子の発現が抑制される。
本発明の別の実施形態では、前記微生物は、30世代後に初期生産の少なくとも50%、好適には、30世代後に初期生産の少なくとも70%、最も好ましくは、30世代後に初期生産の90%のグリコール酸生産を示す。
前記微生物は、工業規模での数世代の発酵培養の間中、はるかに安定したグリコール酸生産を示す。
当業者ならば、発酵プロセスにおける特定の微生物についての世代数を決定することができる。細菌集団は世代ごとに2倍になる。培養物中の細胞数を決定するために、当業者は大腸菌に対して次式;0.4OD単位=2.10細胞/mLを用いる(OD単位は光学濃度単位または吸光度を意味する)。
以下の実施例に記載するグリコール酸生産株を構築するために用いた一般プロトコール
プロトコール1:組換えのためのPCR産物の導入および組換え体の選択(FRT系)
遺伝子または遺伝子間領域の置換のために選択し、表1に示したオリゴヌクレオチドを用いて、プラスミドpKD3由来のクロラムフェニコール耐性カセットまたはプラスミドpKD4由来のカナマイシン耐性カセットのいずれかを増幅した(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L. (2000))。次に、得られたPCR産物をエレクトロポレーションによって、プラスミドpKD46(発現されるλ Red系(γ、β、exo)が相同組換えに極めて好都合である)を担持するレシピエント株に導入した。次に、抗生物質耐性形質転換体を選択し、耐性カセットの挿入を、表2に示す適当なオリゴヌクレオチドを用いたPCR分析により確認した。
プロトコール2:遺伝子の欠失のためのファージP1を用いた形質導入
ファージP1を用いた形質導入法により、ある大腸菌株から別の大腸菌株へのDNA移入を行った。このプロトコールは、(i)単一遺伝子改変を含むドナー株でのファージ溶解液の調製と、(ii)このファージ溶解液によるレシピエント株の形質導入、の2工程であった。
ファージ溶解液の調製
・10mlのLB+Cm 30μg/ml/Km 50μg/ml+グルコース0.2%+CaCl 5mMに、単一遺伝子改変を有するMG1655株の一晩培養物100μlを植菌する。
・振盪しながら37℃で30分間インキュベートする。
・ドナー株MG1655で調製したP1ファージ溶解液100μl(およそ1×10ファージ/ml)を加える。
・37℃で3時間、総ての細胞が溶解するまで振盪する。
・200μlのクロロホルムを加え、ボルテックスにかける。
・4500gで10分間遠心分離して細胞残渣を除去する。
・上清を滅菌試験管に移し、200μlのクロロホルムを加える。
・溶解液を4℃で保存する。
形質導入
・LB培地中の大腸菌レシピエント株の一晩培養物5mlを1500gで10分間遠心分離する。
・2.5mlの10mM MgSO、5mM CaClに細胞ペレットを懸濁させる。
・対照試験管:100μlの細胞
100μlの、単一遺伝子改変を有するMG1655株のP1ファージ。
・供試試験管:100μlの細胞+100μlの、単一遺伝子改変を有するMG1655株のP1ファージ。
・振盪せずに30℃で30分間インキュベートする。
・各試験管に100μlの1Mクエン酸ナトリウムを加え、ボルテックスにかける。
・1mLのLBを加える。
・振盪しながら37℃で1時間インキュベートする。
・試験管を7000rpmで3分間遠心分離した後、LB+Cm 30μg/ml/Km 50μg/mlのディッシュ上に播種する。
・37℃で一晩インキュベートする。
その後、抗生物質耐性形質導入体を選択し、欠失の挿入を、表2に示す適当なオリゴヌクレオチドを用いたPCR分析により確認した。
プロトコール3:組換えのためのPCR産物の導入および組換え体の選択(Cre−LOX系)
遺伝子または遺伝子間領域の置換のために選択し、表1に示したオリゴヌクレオチドを用いて、プラスミドloxP−cm−loxP(Gene Bridges)由来のクロラムフェニコール耐性カセットまたはプラスミドloxP−PGK−gb2−neo−loxP(Gene Bridges)由来のネオマイシン耐性カセットのいずれかを増幅した。次に、得られたPCR産物をエレクトロポレーションによって、プラスミドpKD46(発現されるλ Red系(γ、β、exo)が相同組換えに極めて好都合である)を担持するレシピエント株に導入した。次に、抗生物質耐性形質転換体を選択し、耐性カセットの挿入を、表2に示す適当なオリゴヌクレオチドを用いたPCR分析により確認した。
Figure 2013528390
Figure 2013528390
実施例1
発酵によりグリコール酸を生産するための温度誘導性株の構築:MG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm ΔuxaCA::RN/TTadcca−cI857−PR/RBS01 2−icd−TT02::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δedd+eda ΔpoxB ΔackA+pta(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)
大腸菌株MG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)を、特許出願WO2010/108909に示されている記載に従って構築した。
1.MG1655 ΔuxaCA::RN/TTadcca−cI857−PR/RBS01 2−icd−TT02::Km株の構築
uxaCA領域をTTadcca−cI857−PR/RBS012−icd−TT02断片に置き換えるために、Datsenko & Wanner (2000)により記載されている、プロトコール1に詳述した相同組換え戦略を用いた。この戦略は、考慮する領域の大部分を欠失させるとともに、カナマイシン耐性カセットと付加的DNAを挿入することを可能とする。
この目的で、以下に詳述するように、プラスミドpUC18−DuxaCA−RN/TTadcca−cI857−PR/RBS012−icd−TT02を構築した。
断片TTadcca−cI857−PR/RBS012−icd−TT02をPCRにより合成し、ベクターpUC18−DuxaCA−SMC−Km(SMCは多重クローニング部位)にクローニングした。
・プラスミドpUC18−DuxaCA−SMC−Kmを構築するために、DuxaCA・SMC−Km断片を、PCRにより、MG1655 DuxaCA−SMC−KmゲノムDNAを鋳型として得、pUC18(Norrander et al., 1983, Gene 26, 101-106)にクローニングした。
・MG1655 DuxaCA−SMC−Km株の構築:
uxaCA領域を前記SMC−Kmのものに置き換えるために、相同組換え法を用い、表1に示したオリゴヌクレオチドOme 1506−D uxaCA−SMC FおよびOme 1507−D uxaCA−SMC R(配列番号1および配列番号2)を用いてPCR産物を合成した。
Ome 1506−D uxaCA−SMC F(配列番号1)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
・領域uxaCAの配列(3242797〜3242724)(ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同な領域(斜体の大文字)
・T7ファージ由来のT7Te転写ターミネーター配列に関する領域(下線の大文字)(Harrington K.J., Laughlin R.B. and Liang S. Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Apr 24;98(9):5019-24.)
・カナマイシン耐性カセットの増幅に関する領域(大文字)(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97: 6640-6645に参照配列)
Ome 1507−D uxaCA−SMC R(配列番号2)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
・領域uxaCAの配列(3239830〜3239879)(ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同な領域(斜体の大文字)
ApaI、BstZ17I、SacII、XhoI、AvaI、ΒamHI、SmaI、KpnI、SacI、EcoRI制限部位を担持するSMCに関する領域(下線の大文字)
・カナマイシン耐性カセットの増幅に関する領域(大文字)(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97: 6640-6645に参照配列)
得られたPCR産物をエレクトロポレーションによって、MG1655株(pKD46)に導入した。次に、カナマイシン耐性形質導入体を選択し、抗生物質カセットの挿入を、表2に示したオリゴヌクレオチドOme 1612−uxaCA_R3およびOme 1774−DuxaCA_F(配列番号15および配列番号16)を用いたPCR分析により確認した。選択されたクローンをDNA配列決定法によりバリデートした。最終株をMG1655 DuxaCA−SMC−Kmと呼称した。
・プラスミドpUC18−DuxaCA−SMC−Kmの構築:
uxaCA−SMC−Km領域を、PCRにより、鋳型としてのMG1655 DuxaCA−SMC−Km株のゲノムDNAと、表1に示したオリゴヌクレオチドOme 1515−uxaCA R2およびOme 1516−uxaCA F2(配列番号3および配列番号4)から増幅した。
Ome 1515−uxaCA R2(配列番号3)
Figure 2013528390
この配列はuxaCAの下流領域(3239021〜3239044)と相同である。
Ome 1516−uxaCA F2(配列番号4)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
・余分な塩基を含む領域(大文字)
EcoRV制限部位を担持する領域(下線の大文字)
uxaCAの上流領域(3243425〜3243402)と相同な領域(斜体の大文字)。
次に、PCR産物(末端平滑化用DNAポリメラーゼにより得た)を制限酵素EcoRVにより切断し、pUC18のSmaI部位にクローニングした。得られたプラスミドを配列決定法により確認し、pUC 18−DuxaCA−SMC−Kmと呼称した。
・プラスミドpUC18−TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02の構築のために、断片TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02をPCRにより合成し、上に記載したプラスミドpUC18−DuxaCA−SMC−Kmにクローニングした。
第1の工程では、TTadccacI857−PR/RBS012領域を、PCRにより、鋳型としてのpFClベクター(Mermet-Bouvier & Chauvat, 1994, Current Microbiology, vol. 28, pp 145-148)と、表1に挙げたオリゴヌクレオチドTTadccacI857icd FおよびPR/RBS012−icd−TT02 R(配列番号5および配列番号6)から増幅した。第2の工程では、断片icd−TT02を、PCRにより、オリゴヌクレオチドPR/RBS012−icd−TT02 FおよびTT02−icd R(配列番号7および配列番号8)を用いて、MG1655ゲノムDNAから増幅した。第3の工程では、TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02領域を、PCRにより、鋳型としてのTTadccacI857−PR/RBS012とicd−TT02のPCR産物混合物と、オリゴヌクレオチドTTadccacI857icd FおよびTT02−icd R(配列番号5および配列番号8)を用いて合成した。この最終PCR産物をpSCBベクター(Stratagene)にクローニングし、得られたプラスミドを配列決定法により確認し、pSCB−TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02と呼称した。
TTadcca−cI857−icd F(配列番号5)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
・余分な塩基を含む領域(大文字)
ApaIおよびBstZ17I制限部位を担持する領域(下線の大文字)
・TTadcca転写ターミネーター配列(pSOL1メガプラスミドの179847〜179807と相同な、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)由来adc遺伝子の転写ターミネーター)に関する領域(斜体の大文字)
・cI857遺伝子の3’末端と相同な領域(太字の大文字)
PR/RBS012−icd−TT02 R(配列番号6)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
・icd遺伝子の5’末端(1194378〜1194346)と相同な領域(大文字)
・PsiI制限部位を作出するためにRBS012型RBSを得るための5塩基(下線斜体の大文字)を除き、λバクテリオファージPプロモーターと相同な領域(下線の大文字)
PR/RBS012−icd−TT02 F(配列番号7)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
icd遺伝子の5’末端(1194346〜1194378)と相同な領域(大文字)
PsiI制限部位を作出するためにRBS012型RBSを得るための5塩基(下線斜体の大文字)を除き、λバクテリオファージPプロモーターと相同な領域(下線の大文字)
TT02−icd R(配列番号8)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
・余分な塩基を含む領域(大文字)
EcoRV制限部位を担持する領域(斜体の大文字)
・大腸菌のrrnB遺伝子の転写ターミネーターT(Orosz A, Boros I and Venetianer P. Eur. J. Biochem. 1991 Nov 1;201(3):653-9)に相当するTT02転写ターミネーター配列と相同な領域(下線の大文字)
icd遺伝子の3’末端(1195596〜1195570)と相同な領域(太字の大文字)
・TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02断片をベクターpUC18−DuxaCA−SMC−Kmに導入するために、プラスミドpSCB−ΤΤadccacI857−PR/RBS012−icd−ΤΤ02を制限酵素ApaIおよびEcoRVによって処理し、得られたTTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02断片をベクターpUC18−DuxaCA−SMC−KmのApaI/SmaI部位にクローニングし、ベクターpUC18−DuxaCA−RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−ΤΤ02::Kmを得た。
最後に、相同組換えによりuxaCA領域をTTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Kmに置き換えるために、プラスミドpUC18−DuxaCA−RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::KmをMluIおよびNruIによって制限酵素処理し、DNA断片DuxaCA−RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Kmをエレクトロポレーションによって、MG1655株(pKD46)に導入した。次に、カナマイシン耐性形質導入体を選択し、染色体へのDuxaCA−RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Kmの挿入を、オリゴヌクレオチドOme 1612−uxaCA_R3およびOme 1774−DuxaCA_F(配列番号15および配列番号16)を用いたPCR分析により確認した。その株をMG1655 DuxaCA−RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Kmと呼称した。
2.MG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm ΔuxaCA::RN/TTadcca−cI857−PR/RBS01 2−icd−TT02::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δedd+eda ΔpoxB ΔackA+pta(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)株の構築
MG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)株において、uxaCA領域をTTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Kmに置き換えるために、構築物ΔuxaCA::RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Kmを、P1ファージ形質導入(プロトコール2を参照)によって、MG1655 ΔuxaCA::RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Km株からMG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta株に移入した。抗生物質耐性形質導入体を選択し、染色体へのΔuxaCA::RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Kmの挿入を、オリゴヌクレオチドOme 1612−uxaCA_R3(配列番号15)およびOme 1774−DuxaCA_F(配列番号16)を用いたPCR分析により確認した。得られた株をMG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm ΔuxaCA::RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+ptaと呼称した。
最後に、プラスミドpME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01(特許出願EP09155971,6およびUS61162,712において従前に記載されている)をエレクトロポレーションによって導入し、MG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm ΔuxaCA::RN/TTadccacI857−PR/RBS012−icd−TT02::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)を得、AG1385と呼称した。
実施例2
発酵によりグリコール酸を生産するための温度誘導性株の構築:MG1655 TTadcca/CI857/PR01/RBS01 2−icd::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δedd+eda ΔpoxB ΔackA+pta ΔaceK::Cm(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)
大腸菌株MG1655 ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δedd+eda ΔpoxB ΔackA+pta(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)を、特許出願EP09155971,6およびUS61162,712に示されている記載に従って構築した。
1.MG1655 TTadcca−cI857−PR01/RBS01 2−icd::Km株の構築
大腸菌MG1655株において、天然icdプロモーターをDNA断片TTadccacI857−PR01/RBS012::Kmに置き換えた。天然icdプロモーターをTTadcca−cI857−PR01/RBS012 DNA断片に置き換えるために、Datsenko & Wanner (2000)により記載されている相同組換え戦略を用いた。構築はプロトコール1に記載した手法によって行った。
MG1655 TTadcca−cI857−PR01/RBS012−icd::Km株を構築するために、遺伝子cI857、プロモーターPR01およびカナマイシンカセット(Km)を、PCRにより、表1に記載したオリゴヌクレオチド(配列番号9、配列番号10、配列番号11および配列番号12)を用いて、MG1655 ΔuxaCA::RN/TTadcca−cI857−PR/RBS012−icd−TT02::KmゲノムDNAにおいて増幅した。
ymfC−TT07 F(配列番号9)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
ymfC遺伝子の5’末端(1194125〜1194175)と相同な領域(大文字)
・T7ファージ由来のT7Te転写ターミネーター配列に関する領域(下線の大文字)(Harrington K.J., Laughlin R.B. and Liang S. 2001, PNAS Apr 24;98(9):5019-24.)
・カナマイシン耐性カセットの増幅に関する領域(太字の大文字)(Datsenko, K.A. & Wanner, B.L., 2000, PNAS, 97: 6640-6645に参照配列)
PR01−R(配列番号10)
Figure 2013528390
この配列はPR01変異型Pプロモーターを得るための1塩基(太字の大文字)を除き、λバクテリオファージPプロモーターと相同である。
PR01−F(配列番号11)
Figure 2013528390
この配列はPR01変異型Pプロモーターを得るための1塩基(太字の大文字)を除き、λバクテリオファージPプロモーターと相同である。
icd−R(配列番号12)
Figure 2013528390
この配列はicd遺伝子(1194434〜1194399)と相同である。
まず、PCR断片TTadcca−cI857−PR01/RBS012−icd::Kmをエレクトロポレーションによって、MG1655株(pKD46)に導入し、MG1655 TTadcca−cI857−PR01/RBS012−icd::Km株を得た。カナマイシン耐性形質導入体を選択した。TTadcca−cI857−PR01/RBS012−icd::Km断片の挿入を、表2に挙げたオリゴヌクレオチドOme 704 seq Ptrc−icd FおよびOme 705 seq Ptrc−icd R(配列番号17および配列番号18)を用いたPCR分析により確認し、次に、配列決定法によりバリデートした。得られた株をMG1655 TTadcca−cI857−PR01/RBS012−icd::Kmと呼称した。
2.MG1655 TTadcca/CI857/PR01/RBS01 2−icd::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δedd+eda ΔpoxB ΔackA+pta ΔaceK::Cm(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)株の構築
構築物TTadcca−cI857−PR01/RBS012−icd::Kmを、形質導入(プロトコール2を参照)によって、ドナー株MG1655 TTadcca−cI857−PR01/RBS012−icd::Kmから受容株MG1655 ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta株に移入した。次に、カナマイシン耐性形質導入体を選択し、TTadccacI857−PR01/RBS012−icd−TT02::Km領域の挿入を、オリゴヌクレオチドOme 704 seq Ptrc−icd F(配列番号17)およびOme 705 seq Ptrc−icd R(配列番号18)を用いたPCR分析により確認した。その株をMG1655 TTadccacI857−PR01/RBS012−icd−TT02::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+ptaと呼称した。
大腸菌株MG1655 TTadccacI857−PR01/RBS012−icd−TT02::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta(pKD46)において、表1に記載したオリゴヌクレオチドOme 0205−DaceBAKRおよびOme 0700−DaceK F(配列番号13および配列番号14)を用いて、前述した相同組換えによって、遺伝子aceKを欠失させた(プロトコール3を参照)。
Oag 0074−DaceK−loxP R(配列番号13)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
・遺伝子aceKの配列(4216621〜4216702)(ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)と相同な領域(大文字)
・クロラムフェニコール耐性カセットの増幅に関する領域(下線の大文字)(参照配列Gene Bridges)
Oag 0075−DaceK−loxP F(配列番号14)
Figure 2013528390
この配列は以下の領域を有する。
・遺伝子aceKの配列(4218298〜4218220)と相同な領域(大文字)(ウェブサイトhttp://ecogene.org/上に参照配列)
・クロラムフェニコール耐性カセットの増幅に関する領域(下線の大文字)(参照配列Gene Bridges)
次に、クロラムフェニコールおよびカナマイシン耐性形質導入体を選択し、表2に挙げたオリゴヌクレオチドOme 0169−BAK FおよびOme 0701−aceK F(配列番号19および配列番号20)を用いたPCR分析により確認した。最後の工程では、プラスミドpME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01をMG1655 TTadccacI857−PR01/RBS012−icd−TT02::Km ΔaceB ΔgclΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta ΔaceK::Cm株に導入した。最終MG1655 TTadccacI857−PR01/RBS012−icd−TT02::Km ΔaceB ΔgclΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta ΔaceK::Cm(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)株をAG1413と呼称した。
生産株の発酵
温度誘導性株AG1385およびAG1413においてグリコール酸生産を判定した。これらの株の構築は実施例1および実施例2に記載している。それらの株の遺伝子型は以下を用いた:
AG0662: MG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δeddeda ΔpoxB ΔackA+pta(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)
AG0662の構築は、特許出願WO2007/141316A、US61/162,712およびEP09155971.6に記載されている。
AG1385: MG1655 Ptrc50/RBSB/TTG−icd::Cm AuxaCA::RN/TTadcca−cI857−PR/RBS012−icd−TT02::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR
Δedd+eda ΔpoxB ΔackA+pta(pME 101−ycdW−TT07−PaceA−ace A−TT01)
AG1413: MG1655 TTadcca/CI857/PR01/RBS012−icd::Km ΔaceB Δgcl ΔglcDEFGB ΔaldA ΔiclR Δedd+eda ΔροχΒ ΔackA+pta ΔaceK::Cm(pME101−ycdW−TT07−PaceA−aceA−TT01)
AG0662株はicd遺伝子発現が減弱されている。培養の温度が何度であっても、細胞のイソクエン酸デヒドロゲナーゼ活性(ICD)はおよそ50mUI/mgである(表4)。
AG1385およびAG1413株はicd遺伝子の温度誘導性コピーを有する。37℃では、icd発現は最大であり、ICD活性は1000mUI/mgを上回るのに対し、30℃では、icd発現は抑制され、ICD活性はおよそ50〜100mUI/mgである(実施例5を参照)。
実施例3
工業に適した条件でグリコール酸を生産するためのAG0662、AG1385およびAG1413株の発酵培養
AG0662、AG1385およびAG1413株の安定性をアッセイするために、工業プロセスのための最小数に相当する30世代の間、それらを連続培養した後、発酵槽でのそれらの性能を判定した。
この目的で、各株の培養(3〜5回の間)を、40g/lのMOPSおよび10g/lのグルコースを添加した合成培地MML8AG1_100(表1の組成を参照)の入ったバッフル付フラスコで連続的に行った。フラスコを200rpmにて、37℃で2日間撹拌した(最終OD6〜8の間)。
Figure 2013528390
さらに、Multifors Multiple Fermentor System(Infers)上に組み立てた700mL実施容量の容器で連続培養物を増殖させた。各容器には、20g/lのグルコースおよび50mg/lのスペクチノマイシンを添加した200mlの合成培地MML11AG1_100を充填し、OD0.01〜0.8の間まで植菌した。
Figure 2013528390
培養は0.2 lpmで通気しながら37℃で行い、撹拌(初期:300rpm;最大:1200rpm)および酸素供給(0〜40ml/分)を制御することによって溶存酸素を30%飽和より高く維持した。pHは塩基(NHOH 7.5%w/wおよびNaOH 2.5%w/wの混合物)の添加によりpH6.8±0.1に調整した。発酵は、700g/lグルコース供給液を用い、不連続フェドバッチ式で行った(表3を参照)。培養培地中のグルコースが消費されたら、供給パルスによって20g/lのグルコース濃度に戻した。
Figure 2013528390
37℃で増殖させた30世代の後、集団からサンプル採取し、グリセロール中、−80℃で保存した(40%w/wの滅菌グリセロール溶液で希釈)。
その後、各集団をグリコール酸の生産について試験した。
AG0662株およびその誘導集団(30世代)に用いる発酵条件は特許出願EP09155971.6およびEP09171297.6にすでに記載されている。
温度誘導性株AG1385およびAG1413に用いる発酵プロセスを下の実施例4に記載する。
AG0662、AG1385およびAG1413株およびそれらそれぞれの誘導集団(±30世代)のグリコール酸生産を表4に示す。
Figure 2013528390
表4で分かるように、AG0662株は、性能試験の前に30世代の間培養した場合のその株の性能が、試験前に培養していない場合よりもはるかに低いため、極めて不安定である。
性能の損失は高いICD活性とも関係している(表4)。
icd発現を向上させることができ、それによって細胞のICD活性を向上させることができる総ての突然変異は、増殖速度を高め、生産収率を低下させる。AG0662の集団は進化し組み換えて、より高いicd発現をもたらした。この集団におけるICD活性は母株よりも10倍高い(50mUI/mgに代わって1045mUI/mg)。
その一方で、icd発現を駆動する温度誘導プロモーターを担持する両株(AG1385およびAG1413)の性能は、(I)試験前に30世代の間の増殖を行わないまたは(II)その増殖を行うという2つの条件を比較した場合、性能試験における変化はほんのわずかでしかない。従って、グリコール酸生産株において温度誘導性icd遺伝子が存在することにより株安定性は向上する。
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ活性(ICD)は、実施例5に記載するプロトコールに従って、同じODで各株およびそれぞれの集団について測定した。
グリコール酸生産を最大とするには、ICDの活性は低くすべきである;およそ50〜100mUI/mg。
実施例4
温度誘導性株の発酵プロセス
温度誘導性株に用いるプロトコールは、icd遺伝子の温度調節による特異的改変に関する特許EP09171297.6に記載されている「pHの上昇」プロトコールに基づく。
AG1385およびAG1413株を用いて発酵を実現した。
各株について、独立した前培養を、40g/lのMOPSおよび10g/lのグルコースを添加した55mlの合成培地MML8AG1_100を充填した500mlバッフル付エルレンマイヤーフラスコで、37℃で2日間行った(OD7〜10の間)。20mLの各前培養物を用いて、発酵槽に植菌した。
Multifors Multiple Fermentor System(Infors)上に組み立てた700mL実施容量の容器で培養物を増殖させた。各容器には、20g/lのグルコースおよび50mg/lのスペクチノマイシンを添加した200mlの合成培地MML11AG1_100を充填し、OD約1に植菌した。
培養は0.2 lpmで通気しながら30℃で行い、撹拌(初期:300rpm;最大:1200rpm)および酸素供給(0〜40ml/分)を制御することによって溶存酸素を30%飽和より高く維持した。
pHは塩基(NHOH 7.5%w/wおよびNaOH 2.5%w/wの混合物)の添加によりpH6.8±0.1に調整した。発酵は、700g/lグルコース供給液を用い、不連続フェドバッチ式で行った。
培養培地中のグルコースが消費されたら、供給パルスによって20g/lのグルコース濃度に戻した。
5回目の供給パルス(グルコース消費100g/L)の後、pHを2時間かけて6.8から7.4へ調整し、培養終了まで一定に保った。
これらの条件下で増殖させたAG1385およびAG1413株のグリコール酸生産を下の表5に示す。
Figure 2013528390
実施例5
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(ICD)活性アッセイ
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ活性をアッセイするために、Precellys(6500rpmで1×30秒、Bertin Technologies)により細胞(25mg)を溶解し、12000g(4℃)で30分間遠心分離することにより細胞残渣を除去した。タンパク質濃度はBradford法により測定した。ICD活性は容量300μl、pH8.2および30℃で測定した。アッセイ混合物には、50mM Tris−HCl(pH8.2)、50mM MgCl、5mM NADP、0.5mMオキサレートおよび3〜6μgの粗細胞抽出物を含めた。反応混合物を30℃で10分間インキュベートした。次に、10mMのイソシトレートを加えて、反応を開始させた。NADPH形成による340nmでの吸光度(ε=4.57μmol−1.mL.cm−1)の変化を30℃で30分間モニタリングした。
Figure 2013528390
参照文献
Figure 2013528390

Claims (15)

  1. 発酵プロセスにおいてグリコール酸を生産するための方法であって、
    −炭素源を含んでなる適当な培養培地中で改変微生物を培養する工程、
    −該微生物において外部刺激により標的遺伝子の発現を調整する工程、および
    −該培養培地からグリコール酸を回収する工程
    を含んでなり、
    該微生物において、グリコール酸生合成経路に関与する少なくとも1つの標的遺伝子の発現が異種誘導プロモーターの制御下にあり、そのプロモーター活性が該外部刺激により調整される、方法。
  2. 外部刺激が、物理的または化学的刺激である、請求項1に記載の方法。
  3. 外部刺激が、温度または光の中から選択される物理的刺激である、請求項2に記載の方法。
  4. 誘導プロモーターが、温度により誘導され、かつ
    −λファージの改変レプレッサーにより調節されるプロモーター、例えば、
    ・プロモーターPRまたは該プロモーターPRの誘導体、
    ・プロモーターPLまたは該プロモーターPLの誘導体など、
    −温度感受性Lacレプレッサーにより調節される改変lacプロモーター
    の中から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記λファージの改変レプレッサーが、λレプレッサーcIの温度不安定性対立遺伝子、特にλレプレッサー対立遺伝子cI857である、請求項4に記載の方法。
  6. 改変微生物において、遺伝子recAが欠失している、請求項1〜5に記載の方法。
  7. 外部刺激が、化学的刺激であり、該刺激が、
    −炭素異化代謝産物の抑制の変化、
    −特定の炭素源の存在、または
    −糖アルコールの存在
    の中から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  8. 遺伝子発現が誘導プロモーターの制御下にある少なくとも1つの遺伝子が、icdaceAycdWpgipntABudhAarcAmaeAmaeBmdhpckppcackAptapoxBlldPglcAyjcGldhAおよびmgsAからなる群の中から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. icd遺伝子発現が、異種誘導プロモーターの制御下にある、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 誘導プロモーターの使用によって、37℃〜42℃でicd遺伝子の発現が可能になり、28℃〜32℃でicd遺伝子の発現が抑制される、請求項9に記載の方法。
  11. 培養培地中の生産されたグリコール酸の回収が、培養培地中に存在するグリコール酸の誘導体および前駆体の回収を含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. グリコール酸生産の向上のために改変された微生物であって、該改変微生物において、グリコール酸生合成経路に関与する少なくとも1つの遺伝子の発現が、請求項1〜11のいずれか一項に記載の異種誘導プロモーターの制御下にある、微生物。
  13. 遺伝子発現が異種誘導プロモーターの制御下にある少なくとも1つの標的遺伝子が、icdaceAycdWpgipntABudhAarcAmaeAmaeBmdhpckppcackAptapoxBlldPglcAyjcGldhAおよびmgsAからなる群の中から選択される、請求項12に記載の微生物。
  14. 前記誘導プロモーターの使用によって、37℃〜42℃でicd遺伝子の発現が可能になり、28℃〜32℃でicd遺伝子の発現が抑制される、請求項13に記載の微生物。
  15. 30世代後にグリコール酸生産が初期生産の少なくとも50%である、請求項12〜14のいずれか一項に記載の微生物。
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