JP2013528061A - 核酸の数え上げ - Google Patents
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Abstract
核酸の数え上げのための方法およびシステム(例えば、生物学的試料中の稀な事象の検出のための)が開示される。特定の実施形態では、本方法は、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドを配置して、複数の反応部位を形成する工程であって、該反応部位が、平均して1つのポリヌクレオチドを含有する、工程と;複数の反応部位のポリヌクレオチドを増幅する工程と;核酸ハイブリダイゼーションによって、(i)標的核酸配列またはその一部を含有する第1の反応部位の第1の数、および(ii)参照核酸配列またはその一部を含有する第2の反応部位の第2の数を決定する工程と;第1の反応部位の第1の数を第2の反応部位の第2の数と比較して、生物学的試料中の標的核酸の相対量を決定する工程とを含むことができる。
Description
関連出願
本発明は、2010年6月7日に出願された米国仮出願第61/352,062号への優先権を主張する。上記米国仮出願第61/352,062号の開示は、その全容が参考として本明細書に援用される。
本発明は、2010年6月7日に出願された米国仮出願第61/352,062号への優先権を主張する。上記米国仮出願第61/352,062号の開示は、その全容が参考として本明細書に援用される。
発明の分野
本発明は、稀な事象、例えば胎児の異数性、がん検出および感染性疾患を検出するために使用することができる、核酸の数え上げのための方法およびシステムに関する。
本発明は、稀な事象、例えば胎児の異数性、がん検出および感染性疾患を検出するために使用することができる、核酸の数え上げのための方法およびシステムに関する。
変異の早期検出および病的細胞に存在する核酸の不均衡の決定は、臨床上の重要な関連性を暗示することがある。例えば、がん細胞は正常な細胞に存在しない変異を運ぶことがあり、そのような変異の検出はがんの早期診断を助けることができる。常染色体遺伝子の2つ未満の正常なコピーを有する個体は、疾患を起こす危険が高いかもしれず、および/または疾患のキャリアであるかもしれない。別の例として、異数性は、発達の早期段階で致死性であるか、妊娠後期に流産を引き起こすか、または生存可能であるが異常な妊娠を生じる可能性がある遺伝子の不均衡を引き起こす、異常な数の完全体染色体または染色体部分と定義される。最も頻繁で臨床的に重要な異数性は、染色体の正常な組の代わりに3つ(「三染色体性」)または1つ(「一染色体性」)だけ存在する単独の染色体(厳密には「異数染色体性」)を含む。したがって、染色体などの核酸の正確な数え上げは、生命を変える結果をもたらすことがある。
したがって、変異および/またはゲノム不均衡を検出するための、より正確で感度の高い方法の大きな必要性がある。
本発明は、生物学的試料中の標的核酸を分析する(例えば、検出および/または数え上げる)ためのより正確で、効率的で感度の高い方法およびシステムを提供する。とりわけ、本発明は、単一分子増幅およびハイブリダイゼーションに基づくプロービングに基づく、核酸分子の正確な数え上げのための方法およびシステムを提供する。さらに、本発明は、疾患および状態と関連する変異を含む稀な事象を検出するために有益である。
一態様では、本発明は、生物学的試料中の標的核酸の相対量を決定する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明による発明の方法は、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドを配置して、平均して1つのポリヌクレオチドをそれぞれが含有する複数の反応部位を形成する工程と;複数の反応部位のポリヌクレオチドを増幅する工程と;核酸ハイブリダイゼーションによって(i)標的核酸配列またはその一部を含有する第1の反応部位の第1の数、および(ii)参照核酸配列またはその一部を含有する第2の反応部位の第2の数を決定する工程と;第1の反応部位の第1の数を第2の反応部位の第2の数と比較して、生物学的試料中の標的核酸の相対量を決定する工程とを含む。
大規模並列配列決定などの以前に記載された他の方法と対照的に、本発明は、生物学的試料中の標的核酸の相対量を決定するための、より速く、より効率的でよりコストが低い方法を提供する。一部の実施形態では、本発明による発明の方法は、PCR基質上のPCRクローン(ポロニー)中に配列される5,000,000コピーのゲノム情報を提供することを含み;異なる検出可能な標識で各々標識される所望の配列のための何百万のPCRプローブを次に基質にハイブリダイズすることができ;過剰な標識は除去され、各検出可能な標識の数および同一性は公知の方法で決定することができ;標的核酸の相対量は、以前に記載された公知の参照配列に対して標的配列の比を標準化することによって決定することができる。
別の態様では、本発明の実施形態は、血清スクリーニングからの陽性結果を有する患者、または「ハイリスク」とみなされる患者のための追加の出生前スクリーニングツールとして用いることができる。本明細書で詳細に記載されるように、本発明の実施形態は、最初の三半期の妊娠4〜6週という早い時期に利用することができる。他の実施形態では、本発明の方法は、妊娠約12週時の陽性血清スクリーニングの後に利用することができる。本発明の実施形態は、1%未満の偽陽性で100%の感度を示すことができる。
一部の実施形態では、本発明による発明の方法は、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドを配置して、平均して1つのポリヌクレオチドをそれぞれが含有する複数の増幅部位を形成する工程と;複数の増幅部位のポリヌクレオチドを増幅して増幅生成物を生成する工程と;増幅生成物を、平均して1つの増幅生成物からのポリヌクレオチドをそれぞれが含有する複数の検出部位の、(i)標的核酸またはその一部、および(ii)参照核酸またはその一部に特異的な核酸プローブとハイブリダイズさせる工程と;(i)標的核酸またはその一部とハイブリダイズしたプローブを含有する第1の検出部位の第1の数、および(ii)参照核酸またはその一部とハイブリダイズしたプローブを含有する第2の検出部位の第2の数を決定する工程と;第1の検出部位の第1の数を第2の検出部位の第2の数と比較して、生物学的試料中の標的核酸の相対量を決定する工程とを含む。一部の実施形態では、本発明による発明の方法は、ハイブリダイズ工程の前に増幅生成物を収集する工程をさらに含む。一部の実施形態では、ハイブリダイズ工程は、マイクロアレイで実行される。
一部の実施形態では、配置工程は、固体、半固体および/または液体の支持体を使用して実施される。一部の実施形態では、配置工程は、固体支持体上で実施される。一部の実施形態では、適する固体支持体は、ガラス、光ファイバー、シリカ、マイクロチップ、プラスチック、ビーズ;バイオフィルム、セルロースからなる群より選択される。
一部の実施形態では、配置工程は、フローセル技術を使用する工程を含む。一部の実施形態では、配置工程は、ゲルマトリックスの中で核酸分子の集合物を分配する工程を含む。一部の実施形態では、配置工程は、核酸分子の集合物をエマルションビーズと混合する工程を含む。
一部の実施形態では、支持体には、個々のポリヌクレオチドを捕捉するために複数の捕捉部分が固定化されている。一部の実施形態では、捕捉部分は、捕捉オリゴヌクレオチドを含む。
一部の実施形態では、本発明の方法は、個々のポリヌクレオチドが5’末端および3’末端に、支持体に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするアダプター配列を含有するように、ポリヌクレオチドを最初に処理する工程をさらに含む。
一部の実施形態では、増幅工程は、PCR反応を実施することを含む。一部の実施形態では、増幅工程は、ローリングサークル増幅を実施することを含む。
一部の実施形態では、数え上げられる標的核酸は、標的染色体である。一部の実施形態では、標的染色体は、X、Y、13番、18番または21番染色体から選択される。他の実施形態では、標的染色体は、4番、5番、8番、9番、11番、15番、16番、17番または22番染色体を含むことができる。一部の実施形態では、参照核酸は、参照染色体である。一部の実施形態では、参照染色体は、1番、2番、6番、11番、X、Y、13番、18番または21番染色体である。他の実施形態では、参照染色体は、4番、5番、8番、9番、11番、15番、16番、17番または22番染色体を含むことができる。
一部の実施形態では、標的核酸は、変異を含有する。一部の実施形態では、変異は、一塩基多型(SNP)、欠失、挿入、重複およびその組合せからなる群より選択される。
一部の実施形態では、分析される生物学的試料は、過剰量(over−abundance)または過少量(under−abundance)の標的核酸を含有する。一部の実施形態では、生物学的試料は、異数性染色体を含有する。
一部の実施形態では、標的核酸またはその一部に特異的な適する核酸プローブは、単一の遺伝子座に特異的である。一部の実施形態では、標的核酸またはその一部に特異的な適する核酸プローブは、複数の遺伝子座に特異的である。一部の実施形態では、標的核酸またはその一部に特異的な適する核酸プローブは、多重化されている(multiplexed)。代わりの実施形態では、適する多重化プローブは、2から10,000までの任意数のプローブを含む。一部の実施形態では、適する多重化プローブは、約200、または300、または400、または500、または600、または700、または800、または900、または1,000、または1,500、または2,000、または2,500、または3,000、または3,500、または4,000、または5,000、または6,000、または7,000、または8,000、または9,000個のプローブを含む。一部の実施形態では、適する多重化プローブは、約500個のプローブを含む。
一部の実施形態では、参照核酸またはその一部に特異的な適する核酸プローブは、単一の遺伝子座に特異的である。一部の実施形態では、標的核酸またはその一部に特異的な適する核酸プローブは、複数の遺伝子座に特異的である。一部の実施形態では、参照核酸またはその一部に特異的な適する核酸プローブは、多重化されている。代わりの実施形態では、適する多重化プローブは、2から10,000までの任意数のプローブを含む。一部の実施形態では、適する多重化プローブは、約200、または300、または400、または500、または600、または700、または800、または900、または1,000、または1,500、または2,000、または2,500、または3,000、または3,500、または4,000、または5,000、または6,000、または7,000、または8,000、または9,000個のプローブを含む。一部の実施形態では、適する多重化プローブは、約500個のプローブを含む。
一部の実施形態では、標的核酸またはその一部に特異的なプローブ、および参照核酸またはその一部に特異的なプローブは、示差的に検出可能なシグナル(distinctively detectable signal)で標識される。一部の実施形態では、示差的に検出可能なシグナルは、異なる光学的シグナルである。一部の実施形態では、異なる光学的シグナルは、別個の蛍光性か発光性のシグナルである。
一部の実施形態では、決定工程は、標的核酸の相対的なコピー数を決定することを含む。一部の実施形態では、標的核酸の相対的なコピー数を決定する工程は、(a)バックグラウンドシグナルに標準化された、標的核酸またはその一部を含有する検出部位の第1の数を示す第1の蛍光シグナルレベルを決定する工程と;(b)バックグラウンドシグナルに標準化された、参照核酸またはその一部を含有する検出部位の第2の数を示す第2の蛍光シグナルレベルを決定する工程と;(c)第1の蛍光シグナルレベルと第2の蛍光性シグナルレベルの比を決定する工程と;(d)工程(c)で決定された比を、標的核酸に特異的なプローブの数と参照核酸に特異的なプローブの数の比に標準化することによって標的核酸の相対的なコピー数を決定する工程とを含む。
一部の実施形態では、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドは、1ゲノム当量未満の量のゲノムDNAを含有する。一部の実施形態では、増幅生成物は、所定レベルのゲノム当量の増幅ゲノムDNAを含有する。
一部の実施形態では、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドの1%未満が標的核酸に相当する。一部の実施形態では、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドの0.1%未満が標的核酸に相当する。一部の実施形態では、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドの100万分の1未満が標的核酸に相当する。一部の実施形態では、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドの10,000,000分の1未満が標的核酸に相当する。または、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドは、これらの範囲内に入ることができる。
一部の実施形態では、標的核酸は、胎児の細胞に由来する。一部の実施形態では、標的核酸は、胎児の染色体を含む。一部の実施形態では、標的核酸は、病的細胞(例えば、がん細胞)に、または同じ起源であるか異なる起源(例えば、原発がんおよび転移)を有することができる複数のがん細胞に由来する。
一部の実施形態では、本発明による発明の方法は、配置する工程の前に全ゲノム増幅工程をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明の方法は、標的核酸の相対量が対照と比較して異常であるか否か決定する工程をさらに含む。一部の実施形態では、本発明の方法は、標的核酸の異常な量と関連する疾患、障害または状態、またはそのキャリアを検出するために用いられる。一部の実施形態では、本発明の方法は、胎児異数性の出生前診断のために使用される。
一部の実施形態では、適する生物学的試料は、細胞、組織、全血、血漿、血清、尿、大便、唾液、臍帯血、漿膜絨毛試料、漿膜絨毛試料培養物、羊水、羊水培養物、経子宮頚部洗浄液(transcervical lavage fluid)およびその組合せからなる群より選択される。または、他の生物学的試料(例えば、組織生検材料)を使用することができる。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載される様々な方法を実施するためのシステムも提供する。一部の実施形態では、本発明は、標的核酸の相対量を決定するためのシステムであって、複数の増幅部位上のポリヌクレオチドを増幅して増幅生成物を生成する構成要素と;増幅生成物と、標的核酸またはその一部に特異的である第1の検出可能なシグナルで標識されたプローブ、および参照核酸またはその一部に特異的である第2の検出可能なシグナルで標識されたプローブとのハイブリダイゼーションを実行する構成要素と;第1の検出可能なシグナルのレベルを決定し、第2の検出可能なシグナルのレベルを決定するように適合された構成要素(例えば、決定モジュール)と;決定モジュールからのシグナル情報、ならびに標的核酸またはその一部に特異的なプローブの数、および参照核酸またはその一部に特異的なプローブの数を示す、使用者によって提供される情報を記憶するように構成された構成要素(例えば、記憶デバイス)と;第1の検出可能なシグナルのレベルと第2の検出可能なシグナルのレベルの比を計算して、シグナルレベルの比を、標的核酸またはその一部に特異的なプローブの数と参照核酸またはその一部に特異的なプローブの数の間の比へ標準化することによって標的核酸の相対量を決定するように適合された構成要素(例えば、計算モジュール)とを含むシステムを提供する。
さらに別の態様では、本発明は、生物学的試料で稀な事象を検出するための方法およびシステムを提供する。一部の実施形態では、本発明は、生物学的試料中の標的核酸の検出方法であって、生物学的試料から得られたポリヌクレオチドを配置して、平均して1つのポリヌクレオチドをそれぞれが含有する複数の反応部位を形成する工程と;複数の反応部位のポリヌクレオチドを増幅して、各クラスターが増幅核酸生成物を含有するように複数のクラスターを生成する工程と;標的核酸に特異的な1つまたは複数のプローブを使用するハイブリダイゼーションによって標的核酸またはその一部を含有するクラスターまたは反応部位を検出し、それによって生物学的試料中の標的核酸を検出する工程とを含む方法を提供する。本明細書に記載される代わりの実施形態の各々は、特に明記しない限り本発明の方法またはシステムのいずれかを指す。
本出願では、「または」の使用は特に明記しない限り「および/または」を意味する。本出願で用いられるように、用語「含む」ならびにその用語の変異形、例えば「含んでいる」および「含む」は、他の添加物、構成要素、整数または工程を排除するものではない。本出願で用いられるように、用語「約」および「およそ」は、同義語として用いられる。約/およその有無に関係なくこの出願で用いられるいかなる数字も、関連分野の当業者によって理解されるいかなる正常な変動も含むものとする。特定の実施形態では、用語「およそ」または「約」は、特に明記されない限り、またはさもなければ文脈から明白でない限り(そのような数が可能な値の100%を超える場合を除き)、明記された参照値のいずれかの方向(より大きいかより小さい)への25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満に入る値の範囲を指す。
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の詳細な説明および請求項で明らかである。しかし、詳細な説明および請求項は、本発明の実施形態を示しているが、限定ではなく実例としてだけ与えられることを理解すべきである。本発明の範囲内の様々な変更および修正は、当業者に明らかになる。
定義
本発明がより容易に理解されるように、特定の用語を先ず下で定義する。以下の用語および他の用語の追加の定義は、明細書全体で示される。
本発明がより容易に理解されるように、特定の用語を先ず下で定義する。以下の用語および他の用語の追加の定義は、明細書全体で示される。
対立遺伝子:本明細書で用いるように、語句「対立遺伝子」は、「対立遺伝子変異体」と互換的に用いられ、遺伝子座または遺伝子の変異体を指す。一部の実施形態では、遺伝子座または遺伝子の特定の対立遺伝子は、特定の表現型、例えば、疾患または状態を起こす危険性の変化、特定の疾患または状態の段階へ進行する確度、特定の治療法への反応性、感染への感受性、免疫機能などと関連する。
増幅:本明細書で用いるように、用語「増幅」は、標的核酸を複製し、それによって選択された核酸配列のコピー数を増加させるための、当技術分野で公知である任意の方法を指す。増幅は、指数関数的または線形であってよい。標的核酸は、DNAまたはRNAのいずれかであってよい。一般的に、このように増幅される配列は、「アンプリコン」を形成する。増幅は、それらに限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)、転写に基づく増幅、等温性増幅、ローリングサークル増幅などを含む様々な方法で達成することができる。増幅は、二本鎖アンプリコンを生成するためのプライマー組の各プライマーの比較的同程度の量で実施することができる。しかし、当技術分野で公知であるように(例えばPoddarらMolec. And Cell. Probes14巻:25〜32頁(2000年))、一本鎖生成物を主にまたは排他的に増幅するために不斉PCRを用いることができる。これは、プライマーの各組を用いて、1つのプライマーの濃度をその組の他のプライマーと比較してかなり低くする(例えば、100倍差)ことによって達成することができる。不斉PCRによる増幅は、一般に線形である。当業者は、異なる増幅方法を一緒に用いることができることを理解する。
異数性:本明細書で用いるように、用語「異数性」は、完全体染色体または染色体の部分の異常な数を指す。一般的に、異数性は、発達の早期段階で致死性であるか、妊娠後期に流産を引き起こすか、または生存可能であるが異常な妊娠を生じる可能性がある遺伝子の不均衡を引き起こす。最も頻繁で臨床的に重要な異数性は、染色体の正常な組の代わりに3つ(「三染色体性」)または1つ(「一染色体性」)だけ存在する単独の染色体(厳密には「異数染色体性」)を含む。
動物:本明細書で用いるように、用語「動物」は、動物界の任意のメンバーを指す。一部の実施形態では、「動物」は出生前のヒト(例えば、胎児)を含む、発達の任意の段階のヒトを指す。一部の実施形態では、「動物」は、発達の任意の段階のヒト以外の動物を指す。特定の実施形態では、ヒト以外の動物は哺乳動物(例えば、齧歯動物、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類および/またはブタ)である。一部の実施形態では、動物には、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫および/またはワームが含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物および/またはクローンであってよい。
およそ:本明細書で用いるように、対象の1つまたは複数の値に適用される用語「およそ」または「約」は、明記される参照値に類似する値を指す。特定の実施形態では、用語「およそ」または「約」は、特に明記されない限り、またはさもなければ文脈から明白でない限り(そのような数が可能な値の100%を超える場合を除き)、明記された参照値のいずれかの方向(より大きいかより小さい)への25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満に入る値の範囲を指す。
生物学的試料:本明細書で用いるように、用語「生物学的試料」は、生物供給源から得られる任意の試料を包含する。生物学的試料は、非限定例として、血液、羊水、血清、尿、糞便、表皮試料、皮膚試料、頬スワブ、精液、羊水、培養細胞、骨髄試料、組織生検材料および/または絨毛膜絨毛を含むことができる。便利な生物学的試料は、例えば、口腔の表面から細胞を掻きとることによって得ることができる。任意の生物学的試料の細胞培養物、例えば、漿膜絨毛試料の培養物および/または羊水培養物、例えば羊膜細胞培養物を生物学的試料として用いることもできる。生物学的試料は、例えば、任意の器官または組織(生検材料または剖検材料を含む)から得られる試料であってもよく、細胞(原発細胞であれ培養細胞であれ)、任意の細胞、組織または器官によってならした培地、組織培養物を含むことができる。一部の実施形態では、本発明に適する生物学的試料は、本明細書に記載される検出のための核酸を放出するか、さもなければ利用可能とするように処理された試料である。適する生物学的試料は、胎児、若年成人、成人(例えば、妊婦)などのライフステージから得ることができる。固定または冷凍された組織を用いることもできる。用語「生物学的試料」および「生体標本」は、互換的に用いられる。
キャリア:本明細書で用いるように、語句「キャリア」は、遺伝子変異または対立遺伝子の変異体を抱えるが、その遺伝子変異または対立遺伝子の変異体と関連する疾患の症状を示さない個体を指す。しかし、キャリアは彼らの子孫に遺伝子変異または対立遺伝子の変異体を承継させることが一般的にでき、子孫はその後変異遺伝子または対立遺伝子の変異体を発現することができる。一般的に、この現象は、多くの遺伝子の劣性性質の結果である。特定の実施形態では、キャリアが抱える変異または対立遺伝子変異体は、特定の表現型、例えば、疾患または状態を起こす危険性の変化、特定の疾患または状態の段階へ進行する確度、特定の治療法への反応性、感染への感受性、免疫機能などの素因になるかそれらと関連する。限定されずに、キャリアは、低下または増加した遺伝子または遺伝子の一部のコピー数を有することができる。キャリアは、遺伝子の中で変異(例えば、点変異、多形、欠失、挿入または転位など)を抱えることもできる。「キャリア」は、本明細書で「遺伝的キャリア」とも呼ばれる。
コピー数:本明細書で用いるように、遺伝子座に関して用いられる場合の語句「コピー数」は、1つのゲノムまたはゲノム同等物に存在するそのような遺伝子座のコピー数を指す。遺伝子座に関して用いられる場合、「正常なコピー数」は、正常な個体に存在する正常または野生型の対立遺伝子のコピー数を指す。特定の実施形態では、コピー数はゼロ以上、2つ以下である。特定の実施形態では、コピー数は、ゼロ以上で3つ以下、ゼロ以上で4つ以下、ゼロ以上で6つ以下、ゼロ以上で7つ以下、またはゼロ以上で8つ以上以下である。遺伝子座のコピー数が集団内の個体全体で大きく異なる実施形態では、計算および/または比較目的のために推定される中央コピー数を「正常なコピー数」ととらえることができた。
コード配列対非コード配列:本明細書で用いるように、用語「コード配列」は、転写および/または翻訳されてmRNAおよび/またはそのポリペプチドもしくは断片を生成することができる核酸またはその補体、またはその部分の配列を指す。コード配列は、ゲノムDNAまたは未熟な一次RNA転写産物中のエクソンを含み、それらは細胞の生化学機構で連結されて成熟mRNAを提供する。アンチセンス鎖はそのような核酸の補体であり、コード配列はそこから推測することができる。本明細書で用いるように、用語「非コード配列」は、in vivoでアミノ酸に転写されないか、またはtRNAがアミノ酸を配置するか配置することを試みるために相互作用しない、核酸またはその補体、またはその部分の配列を指す。非コード配列には、ゲノムDNAまたは未熟な一次RNA転写産物中のイントロン配列と、プロモーター、エンハンサー、サイレンサーなどの遺伝子関連配列の両方が含まれる。
補体:本明細書で用いるように、用語「補体」、「相補的」および「相補性」は、ワトソン/クリックの対合規則によるヌクレオチド配列の対合を指す。例えば、配列5’−GCGGTCCCA−3’は、5’−TGGGACCGC−3’の相補的配列を有する。補体配列は、DNA配列に相補的なRNAの配列であってもよい。それらに限定されないがイノシン、7−デアザグアニン、ロック核酸(LNA)およびペプチド核酸(PNA)を含む天然の核酸に通常見出されない特定の塩基が、相補的核酸に含まれてもよい。相補性は、完璧である必要はない。安定した二重鎖は、ミスマッチ塩基対、変性または不適正塩基を含有することができる。核酸技術の当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドの塩基組成および配列、イオン強度ならびにミスマッチ塩基対の発生率を含むいくつかの変数を考慮して、二重鎖安定性を経験的に決定することができる。
対照:本明細書で用いるように、用語「対照」は、結果を比較する相手の標準であるとの、当技術分野で理解される意味を有する。一般的に、そのような変数について結論を出すために、変数を隔離することによって実験の完全性を増強するために対照は用いられる。一部の実施形態では、対照は、コンパレーターを提供するために試験反応またはアッセイと同時に実施される反応またはアッセイである。1つの実験では、「試験」(すなわち、試験されている変数)が適用される。第2の実験、「対照」では、試験されている変数は適用されない。一部の実施形態では、対照は、歴史上の対照(すなわち、以前に実施された試験もしくはアッセイ、または以前から公知である量もしくは結果)である。一部の実施形態では、対照は、印刷されたか、さもなければ保存された記録であるかそれを含む。対照は、陽性対照または陰性対照であってよい。
粗製:本明細書で用いるように、生物学的試料に関連して用いられる場合、用語「粗製」は、実質的に洗練されてない状態の試料を指す。例えば、粗製試料は、細胞溶解物または生検組織試料であってよい。粗製試料は、溶液で、または乾燥調製物として存在することができる。
欠失:本明細書で用いるように、用語「欠失」は、天然に存在する核酸から1つまたは複数のヌクレオチドを除去する変異を包含する。
隣接:本明細書で用いるように、用語「隣接する」は、プライマーが、標的において増幅しようとする対象領域と隣り合う標的核酸とハイブリダイズすることを意味する。当業者は、適するDNAポリメラーゼによってヌクレオチドをプライマーの3’末端に加えることができるように、好ましいプライマーは、標的二本鎖DNA分子の各鎖に1つずつ、対象領域からの3’末端でハイブリダイズするプライマーの組であると理解する。
遺伝子:本明細書で用いるように、用語「遺伝子」は、別々の細胞(例えば、細胞内または細胞外の)生成物および/または機能を担う別々の核酸配列を指す。より具体的には、用語「遺伝子」は、タンパク質をコードする一部を含み、任意選択で、プロモーター、エンハンサー、ターミネーターなどの、対象の遺伝子によってコードされるタンパク質の発現の調節に関与する調節配列を包含する核酸を指す。本明細書で用いるように、用語「遺伝子」は、タンパク質をコードしないが、tRNA、rRNAなどの機能的RNA分子の転写のための鋳型を提供する核酸を含むこともできる。あるいは、遺伝子は、タンパク質および/または核酸結合部位などの、特定の事象/機能のためのゲノム位置を規定することができる。
遺伝子型:本明細書で用いるように、用語「遺伝子型」は、生物体の遺伝子構成を指す。より具体的には、本用語は個体に存在する対立遺伝子の素生を指す。個体またはDNA試料の「遺伝子タイピング」は、ヌクレオチド塩基の観点から、既知の多形性部位で個体によって保有される2つの対立遺伝子の性質を特定することを指す。
ヘテロ接合:本明細書で用いるように、用語「ヘテロ接合」または「HET」は、同じ遺伝子の2つの異なる対立遺伝子を保有する個体を指す。本明細書で用いるように、用語「ヘテロ接合」は、「複合ヘテロ接合」または「複合ヘテロ接合変異体」を包含する。本明細書で用いるように、用語「複合ヘテロ接合」は、2つの異なる対立遺伝子を保有する個体を指す。本明細書で用いるように、用語「複合ヘテロ接合変異体」は、対立遺伝子の2つの異なるコピーを保有する個体を指し、そのような対立遺伝子は遺伝子の変異形として特徴づけられる。本明細書で用いられる用語「変異体」は、遺伝子の変異したか、可能性として非機能性の形を指す。
ホモ接合:本明細書で用いるように、用語「ホモ接合」は、同じ対立遺伝子の2つのコピーを保有する個体を指す。本明細書で用いるように、用語「ホモ接合変異体」は、同じ対立遺伝子の2つのコピーを保有する個体を指し、そのような対立遺伝子は遺伝子の変異形として特徴づけられる。本明細書で用いられる用語「変異体」は、遺伝子の変異したか、可能性として非機能性の形を指す。
ハイブリダイズ:本明細書で用いるように、用語「ハイブリダイズする」または「ハイブリダイゼーション」は、2つの相補的な核酸鎖が適切にストリンジェントな条件下で互いとアニールする過程を指す。ハイブリダイゼーションに適するオリゴヌクレオチドまたはプローブは、長さで10〜100ヌクレオチド(例えば、長さで18〜50、12〜70、10〜30、10〜24、18〜36ヌクレオチド)を一般的に含有する。核酸ハイブリダイゼーション技術は当技術分野で周知である。例えば、Sambrookら、1989年、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第二版、Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Y.を参照。当業者は、少なくとも所望のレベルの相補性を有する配列が安定してハイブリダイズし、より低い相補性を有するものがそうしないように、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーをどのように推定および調整するかを理解している。ハイブリダイゼーションの条件およびパラメーターの例については、例えば、Sambrookら、1989年、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第二版、Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Y.;Ausubel, F. M.ら1994年、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、Secaucus、N.J.を参照。
個々に分解される:本明細書で用いるように、用語「個々に分解される」は、可視化されるとき、1つのポリマーまたはクローンをその隣接するポリマーまたはクローンから識別することが可能であることを示すために本明細書で用いられる。可視化はリポーター標識、例えば蛍光団を用いて実行することができ、そのシグナルは個々に分解される。個々の分解能のための要件は、個々の単量体組込みを各合成工程で検出することができることを確実とする。
挿入または付加:本明細書で用いるように、用語「挿入」または「付加」は、天然に存在する分子と比較して1つまたは複数のアミノ酸残基またはヌクレオチドの付加をそれぞれもたらす、アミノ酸またはヌクレオチド配列の変化を指す。
in vitro:本明細書で用いるように、用語「in vitro」は、多細胞生物の中ではなく、人工環境、例えば試験管または反応容器、細胞培養物などで起こる事象を指す。
in vivo:本明細書で用いるように、用語「in vivo」は、ヒト以外の動物などの多細胞生物の中で起こる事象を指す。
単離された:本明細書で用いるように、用語「単離された」は、(1)最初に生成されたとき(自然下であれおよび/または実験下であれ)にそれが関連していた構成要素の少なくともいくつかから分離された、および/または(2)人の手によって生成、調製および/または製造された物質および/または実体を指す。単離される物質および/または実体は、それらが最初に関連していた他の構成要素の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約99%、実質的に100%、または100%から分離されてもよい。一部の実施形態では、単離される因子は、約80%を超えて、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、実質的に100%または100%純粋である。本明細書で用いるように、それが他の構成要素を実質的に含まない場合、物質は「純粋」である。本明細書で用いるように、用語「単離された細胞」は、多細胞生物に含有されていない細胞を指す。
標識:用語「標識された」および「検出可能な剤または部分で標識された」は、実体(例えば、核酸プローブ、抗体など)を、例えば別の実体(例えば、核酸、ポリペプチドなど)への結合の後に可視化することができることを明示するために本明細書で互換的に用いられる。検出可能な剤または部分は、測定することができ、その強度が結合した実体の量と関連する(例えば、比例する)シグナルをそれが生成するように選択することができる。タンパク質およびペプチドを標識および/または検出するための種々様々なシステムが当技術分野で公知である。標識されたタンパク質およびペプチドは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、化学的または他の手段によって検出可能である標識の組込み、またはそれとのコンジュゲーションによって調製することができる。標識または標識部分は直接に検出可能であるか(すなわち、検出可能であるためにいかなるさらなる反応または操作を必要としない、例えば蛍光団は直接に検出可能である)、または間接に検出可能であってよい(すなわち、検出可能である別の実体との反応または結合を通してそれは検出可能になり、例えば、ハプテンは蛍光団などのリポーターを含む適当な抗体との反応の後に免疫染色によって検出可能である)。適する検出可能な剤には、それらに限定されないが、放射性ヌクレオチド、蛍光団、化学発光剤、微小粒子、酵素、比色標識、磁気標識、ハプテン、分子ビーコン、アプタマービーコンなどが含まれる。
遺伝子座:本明細書で用いるように、用語「遺伝子座」は、染色体上の特定のDNA配列の特異な位置を指す。本明細書で用いるように、特定のDNA配列は、任意の長さ(例えば、1、2、3、10、50またはそれ以上のヌクレオチド)であってよい。一部の実施形態では、遺伝子座は、遺伝子または遺伝子の一部であるかそれを含む。一部の実施形態では、遺伝子座は、遺伝子のエクソンまたはエクソンの一部であるかそれを含む。一部の実施形態では、遺伝子座は、遺伝子のイントロンまたはイントロンの一部であるかそれを含む。一部の実施形態では、遺伝子座は、遺伝子の調節エレメントまたは調節エレメントの一部であるかそれを含む。一部の実施形態では、遺伝子座は、疾患、障害および/または状態と関連している。例えば、遺伝子座の変異(欠失、挿入、スプライシング変異、点変異などを含む)は、疾患、障害および/または状態と相関することがある。
核型分析:本明細書で用いるように、用語「核型分析」は、真核細胞内の染色体の数の決定を包含する。
正常:本明細書で用いるように、用語「コピー数」または「遺伝子座」または「遺伝子」または「対立遺伝子」を修飾するために用いられるときの用語「正常」は、集団内に最も高い百分率で存在するコピー数または遺伝子座、遺伝子または対立遺伝子、例えば野生型の数または対立遺伝子を指す。用語「個体」または「対象」を修飾するために用いられる場合、それらは、集団内に最も高い百分率で存在するコピー数または遺伝子座、遺伝子または対立遺伝子を運ぶ個体または個体群、例えば野生型の個体または対象を指す。一般的に、正常な「個体」または「対象」は、特定の疾患または状態を有さず、疾患または状態のキャリアでもない。用語「正常」は、本明細書で、正常なまたは野生型の個体または対象から単離される生体標本または試料、例えば「正常な生物学的試料」に資格を与えるためにも用いられる。
多重PCR:本明細書で用いるように、用語「多重PCR」は、別個のプライマー組を用いて各々誘導される2つ以上の領域の増幅を指す。
プライマー:本明細書で用いるように、用語「プライマー」は、核酸試料中の相補的配列とハイブリダイズすることが可能な短い一本鎖オリゴヌクレオチドを指す。一般的に、プライマーは、鋳型依存的DNA合成のための開始点としての役目を果たす。DNAポリメラーゼによってデオキシリボヌクレオチドをプライマーに加えることができる。一部の実施形態では、プライマーへのそのようなデオキシリボヌクレオチドの付加は、プライマー伸張としても知られる。用語プライマーには、本明細書で用いるように、ペプチド核酸プライマー、ロック核酸プライマー、ホスホロチオエート改変プライマー、標識プライマーなどを含む、合成可能な全ての形のプライマーが含まれる。PCR反応のための「プライマー組」または「プライマーセット」は、一般的に「フォワードプライマー」および「リバースプライマー」を含むプライマーセットを一般的に指す。本明細書で用いるように、「フォワードプライマー」は、dsDNAのアンチセンス鎖とアニールするプライマーを指す。「リバースプライマー」は、dsDNAのセンス鎖とアニールする。
多形:本明細書で用いるように、用語「多形」は、遺伝子またはその一部の複数の形の共存を指す。
プローブ:本明細書で用いるように、核酸のためのプローブに関して用いられる場合、用語「プローブ」は、対象の核酸に結合またはハイブリダイズすることができる特異的なヌクレオチド配列(例えば、RNAまたはDNA)を有する核酸分子を指す。一般的に、プローブは、1つまたは複数の型の化学結合を通して、通常水素結合形成を通して、相補的であるか実質的に相補的な配列の核酸に特異的に結合する(または、特異的にハイブリダイズする)。一部の実施形態では、プローブは、リアルタイムPCR反応でDNAアンプリコンの核酸に結合することができる。
センス鎖対アンチセンス鎖:本明細書で用いるように、用語「センス鎖」は、機能的タンパク質のコード配列の少なくとも一部を含む二本鎖DNA(dsDNA)の鎖を指す。本明細書で用いるように、用語「アンチセンス鎖」は、センス鎖の逆補体であるdsDNAの鎖を指す。
シグナル:本明細書で用いるように、用語「シグナル」は、検出可能および/または測定可能な実体を指す。特定の実施形態では、シグナルは、人間の目によって検出可能、例えば可視的である。例えば、シグナルは、可視スペクトルの色の強度および/または波長であるかそれに関連してもよい。そのようなシグナルの非限定例には、酵素反応などの化学反応から生じる着色沈殿物および着色可溶生成物が含まれる。特定の実施形態では、シグナルは装置を使用して検出可能である。一部の実施形態では、シグナルは、励起したとき蛍光を放射する蛍光団から生成され、そこで、光は蛍光検出器で検出可能である。一部の実施形態では、シグナルは、分光計によって検出可能である光(例えば、可視光および/または紫外線)であるかそれに関連する。例えば、化学発光反応によって生成される光をシグナルとして用いることができよう。一部の実施形態では、シグナルは、放射線、例えば放射性同位体によって放射される放射線、赤外線などであるかそれに関連する。特定の実施形態では、シグナルは、物理的実体の特性の直接的であるか間接的な指標である。例えば、シグナルは、生物学的試料中および/または反応容器中の核酸の量および/または濃度の指標として用いることができよう。
特異的:本明細書で用いるように、オリゴヌクレオチドプライマーに関連して用いられるときの用語「特異的」は、適当なハイブリダイゼーションまたは洗浄条件下で対象の標的とハイブリダイズすることができ、対象でない核酸と実質的にハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドまたはプライマーを指す。より高いレベルの配列同一性が好ましく、それには、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性が含まれる。一部の実施形態では、特異的なオリゴヌクレオチドまたはプライマーは、オリゴヌクレオチドと核酸を整列させたとき、ハイブリダイズまたは増幅させる核酸の一部と少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、65、70またはそれ以上の塩基の配列同一性を含有する。
対象:本明細書で用いるように、用語「対象」は、ヒトまたは任意のヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマまたは霊長類)を指す。ヒトには、出生前および出生後の形が含まれる。多くの実施形態では、対象はヒトである。対象は患者であってもよく、患者とは、疾患の診断または処置のために医療提供者へ受診に訪れるヒトを指す。用語「対象」は、本明細書で「個体」または「患者」と互換的に用いられる。対象は疾患または障害で苦しんでいてもよく、またはそれに感受性であるが、疾患または障害の症状を示しても示さなくてもよい。
実質的に:本明細書で用いるように、用語「実質的に」は、対象の特徴または特性の全体であるかほぼ全体の範囲または程度を示す定性的状態を指す。生物分野の当業技術者は、生物的および化学的現象が完結すること、および/または完全に進行すること、または絶対的な結果を達成もしくは回避することは、あるとしても稀であることを理解する。したがって、用語「実質的に」は、本明細書で、多くの生物的および化学的現象に内在する完全性の潜在的欠如をとらえるために用いられる。
実質的に相補的な:本明細書で用いるように、用語「実質的に相補的な」は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下でハイブリダイズすることができる2つの配列を指す。当業者は、実質的に相補的な配列がそれらの全長に沿ってハイブリダイズする必要がないことを理解する。一部の実施形態では、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、少なくとも以下と同じくらいストリンジェントであるハイブリダイゼーション条件を指す:50%ホルムアミド、5×SSC、50mM NaH2P04、pH6.8、0.5%SDS、0.1mg/mL超音波処理サーモン精液DNA、および5×Denhart溶液での42℃で一晩のハイブリダイゼーション;45℃の2×SSC、0.1%SDSによる洗浄;および45℃の0.2×SSC、0.1%SDSによる洗浄。一部の実施形態では、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、ひと続きの20個の連続したヌクレオチドで2つを超える塩基が異なる2つの核酸のハイブリダイゼーションを可能にするべきでない。
置換:本明細書で用いるように、用語「置換」は、天然に存在する分子と比較して、それぞれ異なるアミノ酸またはヌクレオチドによる1つまたは複数のアミノ酸またはヌクレオチドの交換を指す。
〜で苦しむ:疾患、障害および/または状態で「苦しむ」個体は、その疾患、障害および/または状態を診断されているか、その1つまたは複数の症状を示す。
〜に感受性の:疾患、障害および/または状態に「感受性の」個体は、その疾患、障害および/または状態を診断されていない。一部の実施形態では、疾患、障害および/または状態に感受性の個体は、その疾患、障害および/または状態の症状を示さなくてもよい。一部の実施形態では、疾患、障害および/または状態に感受性の個体は、その疾患、障害および/または状態を起こす。一部の実施形態では、疾患、障害および/または状態に感受性の個体は、その疾患、障害および/または状態を起こさない。
野生型:本明細書で用いるように、用語「野生型」は、自然に存在する一般的であるか最も普通の形を指す。
本発明は、とりわけ、生物学的試料中の標的核酸を分析する(例えば、検出および/または数え上げる)ための方法およびシステムを提供する。一般に、本発明は、ハイブリダイゼーションに基づくプロービングを用いる、標的核酸またはその一部を含有する単一分子の増幅および増幅生成物の検出を含む。一部の実施形態では、適するプローブは高レベルに多重化することができ、他の手段の中でも蛍光性、比色、発光性などの標識によって検出することができる。したがって、本発明は、生物学的試料中の標的核酸の高感度検出方法を提供する。本発明は、生物学的試料中の稀な事象、例えば、中でも、胎児の状態と関連する変異、がんなどの疾患、感染性疾患、自己免疫性疾患、移植または胚移植と関連する免疫学的状態として存在する標的核酸の検出で特に有益である。
一部の実施形態では、増幅生成物を異なる核酸(例えば、標的対参照)に帰し、計数することができるように、プローブを異なる核酸(例えば、標的対参照)に帰すことができる異なる色で標識することができる。したがって、本発明による発明の方法は、生物学的試料中の標的核酸の相対量、例えば生物学的試料中の標的と参照核酸の間の比を決定するために用いることもできる。一部の実施形態では、増幅生成物を異なる染色体に帰して計数することができるように、プローブを高度に多重化して、異なる染色体に帰すことができる異なる色で標識することができる。異なる染色体に帰される生成物の比の差は、異数体妊娠を診断するために用いることができる。
したがって、本発明は、遺伝子座検出を多重化し、それによってTAQMANプローブを多重化することまたは当技術分野で公知である他の既存の手法によって達成することができるものを超えて、貴重な標本を特に効率的に利用する能力を提供するので、特に有利である。多くの実施形態では、本発明は、標本の使用に関して単一分子の高スループット配列決定と同じレベルの効率を達成することができるが、ずっと安くおよび速やかにこれらの結果を達成する。
本発明の様々な態様は、以下のセクションで詳細に記載される。セクションの使用は、本発明を限定するものではない。各セクションは、本発明の任意の態様に適用することができる。本出願では、「または」の使用は特に明記しない限り「および/または」を意味する。
標的核酸および関連する遺伝的疾患、障害および状態
本発明は、任意の種類の標的核酸を検出するために用いることができる。一部の実施形態では、本発明は、疾患、障害または状態と関連する標的核酸を検出するために用いることができる。例えば、標的核酸は、核酸塩基の置換、複製、挿入、欠失および/または転位などの変異を運ぶことができる。一部の実施形態では、本発明は、生物学的試料中の稀な事象と関連する変異を検出するために用いることができる。例えば、本発明は、生物学的試料に存在する稀な細胞での変異を検出するために用いることができる。一部の実施形態では、そのような稀な細胞は、患者からの生物学的試料(例えば、全血)に存在するがん細胞である。一部の実施形態では、そのような稀な細胞は、母体の血液に存在する胎児細胞である。一部の実施形態では、そのような稀な細胞は、感染性疾患と関連する病原体である。一部の実施形態では、そのような稀な細胞は、自己免疫性疾患、または移植と関連する免疫学的状態などと関連する免疫細胞である。したがって、本発明の実施形態は、胎児異常の出生前診断ならびにがんおよび他の病的状態の早期診断のために用いることができる。
本発明は、任意の種類の標的核酸を検出するために用いることができる。一部の実施形態では、本発明は、疾患、障害または状態と関連する標的核酸を検出するために用いることができる。例えば、標的核酸は、核酸塩基の置換、複製、挿入、欠失および/または転位などの変異を運ぶことができる。一部の実施形態では、本発明は、生物学的試料中の稀な事象と関連する変異を検出するために用いることができる。例えば、本発明は、生物学的試料に存在する稀な細胞での変異を検出するために用いることができる。一部の実施形態では、そのような稀な細胞は、患者からの生物学的試料(例えば、全血)に存在するがん細胞である。一部の実施形態では、そのような稀な細胞は、母体の血液に存在する胎児細胞である。一部の実施形態では、そのような稀な細胞は、感染性疾患と関連する病原体である。一部の実施形態では、そのような稀な細胞は、自己免疫性疾患、または移植と関連する免疫学的状態などと関連する免疫細胞である。したがって、本発明の実施形態は、胎児異常の出生前診断ならびにがんおよび他の病的状態の早期診断のために用いることができる。
一部の実施形態では、本発明は、標的と参照核酸の間の比を決定することなどの、標的核酸の相対量を決定するために用いることができる。したがって、本発明は、任意の染色体の不均衡または遺伝病との関係が示唆されるいくつかの遺伝子座を検出することにおいて特に有益である。したがって、本明細書で開示される方法は、キャリアの検出、患者の診断、出生前診断および/または移植のための胚の遺伝子タイピングなどを容易にすることができる。当分野の技術者が理解する通り、標的核酸が関連する遺伝病は、例えば常染色体劣性、常染色体優性、伴性優性および伴性劣性を含む、いくつかの遺伝パターンのいずれかに従うことができる。
一部の実施形態では、本発明は、母体と胎児の遺伝子の核酸の間の定量的な差を含む遺伝子異常を検出することに特に適合する。これらの遺伝子異常には、母体と胎児のDNAの間でヘテロ接合およびホモ接合であってよい変異、ならびに異数性が含まれる。例えば、X染色体のコピーの欠落(一染色体性X)はターナー症候群をもたらし、21番染色体の追加の複製はダウン症候群をもたらす。エドワード症候群およびパトー症候群などの他の疾患は、それぞれ18番染色体および13番染色体の追加の複製に起因する。本方法は、転位、付加、増幅、塩基転換、逆転、異数性、倍数性、一染色体性、三染色体性、例えばそれらに限定されないが、21番染色体三染色体性、13番染色体三染色体性、14番染色体三染色体性、15番染色体三染色体性、16番染色体三染色体性、18番染色体三染色体性、22番染色体三染色体性、三倍性、四倍性、ならびにそれらに限定されないが、XO、XXY、XYYおよびXXXを含む性染色体異常の検出のために用いることができる。
さらに、本発明によって分析することができる標的核酸は、特異的な遺伝子座、例えば遺伝子またはその一部(例えば、エクソン、イントロン、プロモーターまたは他の調節領域)を含む。表1は、そのような遺伝子および関連する遺伝的疾患、障害または状態の非限定例を記載する。当業者によって理解されるように、遺伝子は複数の名前によって知られる。表1のリストは、特定の疾患と関連付けることができる追加の遺伝子の存在を排除しない。本発明は、将来発見される各特定の疾患と関連するものを含む追加の遺伝子を包含する。
ほとんどの遺伝子は通常1ゲノム同等物につき2つのコピー数で存在するが、コピー数の変動が個体間に存在する多数の遺伝子が見出されている。コピー数の差は、それらに限定されないが、遺伝子複製事象、遺伝子欠失事象、遺伝子変換事象、遺伝子再構成、染色体転位などを含むいくつかの機構から生じることができる。特定の遺伝子のコピー数の差は、それらに限定されないが、例えば、疾患または状態を起こす危険性、特定の疾患または状態段階へ進行する確度、特定の治療法への反応性、感染への感受性、免疫機能などを含む関連事象をもたらすことがある。表1に記載される遺伝子に加えて、本明細書で開示される方法は、そのようなコピー数変動を有する遺伝子座でコピー数を分析するために適する。「http://」の直後に「projects.tcag.ca/variation」が続くアドレスのウェブサイトで維持されるThe Database of Genomic Variants(その全内容は参照により完全に本明細書に組み込まれる)は、少なくとも38,406コピー数を超える変異体(2009年3月11日現在)を記載する。(例えば、Iafrateら(2004年)「Detection of large−scale variation in the human genome」Nature Genetics。36巻(9号):949〜51頁;Zhangら(2006年)「Development of bioinformatics resources for display and analysis of copy number and other structural variants in the human genome」。115巻(3〜4号):205〜14頁;Zhangら(2009年)「Copy Number Variation in Human Health, Disease and Evolution」、Annual Review of Genomics and Human Genetics。10巻:451〜481頁;およびWainら(2009年)「Genomic copy number variation, human health, and disease」。Lancet。374巻:340〜350頁を参照、各々の全内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
標的配列が母体のDNA(ヘテロ接合)に1コピー数で存在することができるが、胎児(ホモ接合)で疾患を引き起こすことがある疾患の例には、鎌状赤血球貧血、嚢胞性線維症、血友病およびテイサックス病が含まれる。したがって、ここで記載される方法を用いて、1つの変異を有するゲノムを、2つの変異を有するゲノムから識別することができる。鎌状赤血球貧血症は、常染色体劣性疾患である。米国のアフリカ系アメリカ人の9%はヘテロ接合であるが、0.2%はホモ接合劣性である。劣性対立遺伝子は、ヘモグロビンのベータ鎖で単一のアミノ酸置換を引き起こす。
テイ−サックス病は、神経系の変性を生じる常染色体劣性である。症状は、出生後現れる。この対立遺伝子がホモ接合劣性である子供は、5才過ぎまで生存することが稀である。発症者は、GM2ガングリオシド脂質を分解する酵素、N−アセチルヘキソサミニダーゼを作る能力が欠如している。
別の例はフェニルケトン尿症(PKU)であり、それは、発症者がアミノ酸フェニルアラニンをチロシンに変換する酵素を合成する能力が欠如している劣性遺伝障害である。この対立遺伝子がホモ接合劣性である個体は、尿および血液中にフェニルアラニンおよび異常な分解生成物の蓄積を有する。
血友病は、血液が通常凝固しない一群の疾患である。血中の因子が凝固に関与する。正常な第VIII因子が不足している血友病患者は血友病Aを有すると言われ、第IX因子が不足する人々は血友病Bを有する。これらの遺伝子はX染色体で運ばれるので、胎児が母親の欠損X染色体または父親の正常な対立遺伝子を受け継いだか否かを検出するために、本方法でプライマーおよびプローブを使用することができる。
本方法を適合させることができる遺伝子変異のリストは、RTI International、North Carolina USAによって主催されるヒトゲノムの注釈のための公認の世界的なデータベースである、http://www.gdb.org/gdbのThe GDB Human Genome Databaseで見出される。
試料調製
様々な生物学的試料のいずれも、本明細書で開示される方法で用いるのに適することができる。一般に、核酸を含有する任意の生物学的試料(例えば、細胞、組織など)を用いることができる。生物学的試料の種類には、それらに限定されないが、細胞、組織、全血、血漿、血清、尿、大便、唾液、臍帯血、漿膜絨毛試料羊水および経子宮頚部洗浄液が含まれる。任意の種類の組織生検材料を用いることもできる。前述の生物学的試料のいずれかの細胞培養物、例えば、漿膜絨毛培養物、羊水および/または羊膜細胞培養物、血球培養物(例えば、リンパ球培養物)などを、発明の方法に従って用いることもできる。一部の実施形態では、生体標本は、がんまたは腫瘍細胞などの病的細胞を含む。
様々な生物学的試料のいずれも、本明細書で開示される方法で用いるのに適することができる。一般に、核酸を含有する任意の生物学的試料(例えば、細胞、組織など)を用いることができる。生物学的試料の種類には、それらに限定されないが、細胞、組織、全血、血漿、血清、尿、大便、唾液、臍帯血、漿膜絨毛試料羊水および経子宮頚部洗浄液が含まれる。任意の種類の組織生検材料を用いることもできる。前述の生物学的試料のいずれかの細胞培養物、例えば、漿膜絨毛培養物、羊水および/または羊膜細胞培養物、血球培養物(例えば、リンパ球培養物)などを、発明の方法に従って用いることもできる。一部の実施形態では、生体標本は、がんまたは腫瘍細胞などの病的細胞を含む。
一部の実施形態では、生物学的試料は、出生前の試料である。例えば、羊水、母体の血液、血清または血漿などの試料は、妊婦からとることができ、本発明に従ってアッセイすることができる。本方法は、非侵襲性試験のために特に有益である。一部の実施形態では、出発材料は母体の末梢静脈血である。
したがって、本発明に適する一般的な生物学的試料は、異種の核酸を含有する。一部の実施形態では、生物学的試料は、異なる細胞型(例えば、正常な細胞および腫瘍細胞などの病的細胞)からの核酸の混合物を含有する。一部の実施形態では、生物学的試料(例えば、血液、血清または血漿)は、母体の核酸および胎児の核酸の混合物を含有する。本発明は、病的(例えば、がん)または胎児の細胞に存在する特定の標的染色体または遺伝子座を分析するために用いることができる。
一部の実施形態では、本発明は、生物学的試料中に稀な事象として存在する標的核酸を検出するために用いられる。一部の実施形態では、本発明の方法によって検出される標的核酸の量は、生物学的試料中の全核酸の1%未満(例えば、0.5%未満、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%)に相当する。一部の実施形態では、本発明の方法によって検出される標的核酸の量は、生物学的試料中の全核酸の100万中1つ未満に相当する。一部の実施形態では、本発明の方法によって検出される標的核酸の量は、生物学的試料中の全核酸の1000万中1つ未満に相当する。
本発明は、少量の生物学的試料または標本を分析するために特に有益である。一部の実施形態では、本発明は、10,000未満(例えば、1,000未満、100、50、25、20、15、10、5、2)の数のゲノム同等物の全DNAを含有する生物学的試料を分析するために用いることができる。一部の実施形態では、本発明は、1つ未満のゲノム同等物の全DNAを含有する生物学的試料を分析するために用いることができる。一般的に、胎児のDNAは、妊娠初期の母体血漿の1mlにつきおよそ25ゲノム同等物として存在し、胎児のDNA濃度は全血漿中DNAの約3.4%である。したがって、10〜20mlの母体血液は、少なくとも約10,000個のゲノム同等物の全DNAを含有すると考えられる。一部の実施形態では、適する生物学的試料は、約20ml、15ml、10ml、5ml、4ml、3ml、2ml、1ml、0.5ml、0.1ml、0.01ml、0.001mlの母体血液を含有する。
本記載は全体を通してDNAに言及するが、母体血液に見出される胎児のRNAも同様に分析することができることに注意すべきである。Ngら、「mRNA of placental origin is readily detectable in maternal plasma」、Proc. Nat. Acad. Sci.100巻(8号):4748〜4753頁(2003年)に記載されているように、hPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)およびhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)のmRNA転写産物は、母体の血漿で検出可能であった。例えば、胎盤で発現され、対象の染色体に存在する遺伝子をコードするmRNAを用いることができる。例えば、DSCR4(ダウン症候群臨界領域4)は21番染色体で見出され、主に胎盤で発現される。そのmRNA配列は、GenBank NM 005867で見出すことができる。この場合、検出のためにcDNAを調製するために、RNアーゼHマイナス(RNアーゼH−)逆転写酵素(RT)を用いることができる。
一部の実施形態では、当技術分野で公知の様々な方法を用いて、胎児のDNA濃度を濃縮するために母体の血液を処理することができる。例示的な胎児DNA濃縮方法は、以下の通りに記載される。
血漿からのDNAまたはRNAの濃縮
例えば、循環性DNAは、市販のカラム技術(例えば、ロシュの高純度鋳型DNA精製キット;Roche、Basel、Switzerland)を真空ポンプと一緒に用いて、母体の血漿から抽出することができる。抽出の後、DNAをアガロースゲル(1%)電気泳動(Invitrogen、Basel、Switzerland)によって分離し、およそ300bpのサイズの循環性DNAを含有するゲル分画を慎重に切り取る。抽出キット(QIAEX IIゲル抽出キット;Qiagen、Basel、Switzerland)を用いてDNAをこのゲルスライスから抽出し、40μLの滅菌10mMの最終容量に溶出させる。
例えば、循環性DNAは、市販のカラム技術(例えば、ロシュの高純度鋳型DNA精製キット;Roche、Basel、Switzerland)を真空ポンプと一緒に用いて、母体の血漿から抽出することができる。抽出の後、DNAをアガロースゲル(1%)電気泳動(Invitrogen、Basel、Switzerland)によって分離し、およそ300bpのサイズの循環性DNAを含有するゲル分画を慎重に切り取る。抽出キット(QIAEX IIゲル抽出キット;Qiagen、Basel、Switzerland)を用いてDNAをこのゲルスライスから抽出し、40μLの滅菌10mMの最終容量に溶出させる。
DNAは、遠心分離および様々な酵素阻害剤を含む公知の方法によって濃縮することができる。DNAを選択的な膜(例えば、シリカ)に結合させて、混在物からそれを分離する。DNAは、好ましくは、血漿中を循環している長さが1000塩基対未満、一般に300bp未満の断片について濃縮される。このサイズ選択は、電気泳動ゲルまたはクロマトグラフィー材料などのDNAサイズ分離媒体において実行することができる。そのような材料は、Huberら、「High−resolution liquid chromatography of DNA fragments on non−porous poly(styrene−divinylbenzene) particles」、Nucleic Acids Res.1993年3月11日;21巻(5号):1061〜1066頁に記載され、Katoら、「A New Packing for Separation of DNA Restriction Fragments by High Performance Liquid Chromatography」、J. Biochem、1984年、95巻、1号83〜86頁に記載されているように、ゲル濾過クロマトグラフィー、TSKゲルである。または、特定のサイズのDNA断片を濃縮する他の方法を用いることができる。
さらに、それらの相補的な標的配列に結合するが増幅しないペプチド核酸(PNA)を用いることにより、濃縮は特定の対立遺伝子の抑制によって達成することができる。
血漿RNAの抽出は、Endersら、「The Concentration of Circulating Corticotropin−releasing Hormone mRNA in Maternal Plasma Is Increased in Preeclampsia」、Clinical Chemistry49巻:727〜731頁(2003年)に記載されている。そこで記載されるように、遠心分離工程の後に収集される血漿は、混合Trizol LS試薬(Invitrogen)およびクロロホルムである。混合物を遠心分離し、水層を新しい管に移す。エタノールを水層に加える。混合液を次にRNeasyミニカラム(Qiagen)に加え、製造業者の推奨に従って処理する。または、当技術分野で受け入れられている他のRNA抽出法を用いることができる。
血液−胎児細胞からの抽出
胎児のDNAは、当技術分野で公知の方法によって濃縮することができる。例えば、参照により完全に本明細書に組み込まれる、2004年7月15日に公表され、「Methods for detection of genetic disorders」と題された、Dhallan, Ravinder Sへの米国特許出願第20040137470号は、胎児DNAのための濃縮手法を記載しているが、そこで、血液は9mlのEDTA Vacuette管(カタログ番号NC9897284)に収集され、ホルムアルデヒド(4%w/v)を含有する10%の中性緩衝溶液の0.225mlが各管に加えられ、各管は静かに逆にされる。処理の準備ができるまで、管は4℃で保存される。
胎児のDNAは、当技術分野で公知の方法によって濃縮することができる。例えば、参照により完全に本明細書に組み込まれる、2004年7月15日に公表され、「Methods for detection of genetic disorders」と題された、Dhallan, Ravinder Sへの米国特許出願第20040137470号は、胎児DNAのための濃縮手法を記載しているが、そこで、血液は9mlのEDTA Vacuette管(カタログ番号NC9897284)に収集され、ホルムアルデヒド(4%w/v)を含有する10%の中性緩衝溶液の0.225mlが各管に加えられ、各管は静かに逆にされる。処理の準備ができるまで、管は4℃で保存される。
細胞溶解を阻止するか、細胞膜を安定させる剤を管に加えてもよい。そのような剤には、それらに限定されないが、ホルムアルデヒドおよびホルムアルデヒドの誘導体、ホルマリン、グルタルアルデヒドおよびグルタルアルデヒドの誘導体、架橋剤、一級アミン反応性架橋剤、スルフヒドリル反応性架橋剤、スルフヒドリル付加またはジスルフィド還元、炭水化物反応性架橋剤、カルボキシル反応性架橋剤、光反応性架橋剤、切断可能な架橋剤などが含まれてもよい。細胞膜を安定させるか、細胞溶解を阻止する剤の任意の濃度を加えることができる。好ましい実施形態では、細胞膜を安定させるか、細胞溶解を阻止する剤は、以降の反応を阻止しないか、妨害しない濃度で加えられる。
胎児の細胞を濃縮するために、フローサイトメトリー技術を用いることもできる(例えば、参照により本明細書に組み込まれるHerzenbergら、PNAS76巻:1453〜1455頁(1979年);Bianchiら、PNAS87巻:3279〜3283頁(1990年);Bruchら、Prenatal Diagnosis11巻:787〜798頁(1991年)を参照)。同じく参照により完全に本明細書に組み込まれる米国特許第5,432,054号は、ポリエチレン製の広い上部および狭い毛細管底部を有する管を用いる、胎児の有核赤血球の分離のための技術を記載する。可変速度プログラムを用いる遠心分離は、分子の密度に基づく毛細管での赤血球の堆積をもたらす。胎児の赤血球を含む低密度赤血球を含有する密度分画を収集し、次に、母体の赤血球を優先的に破壊するために差別的に溶血させる。いまや胎児赤血球が濃縮されている赤血球をリンパ球および破裂した母体細胞から分離するために、高張性媒体中の密度勾配が用いられる。高張液の使用は、赤血球を縮小させ、それはそれらの密度を増加させ、より高密度のリンパ球からの精製を促進する。胎児の細胞を単離した後、当該分野での標準技術を用いて胎児のDNAを精製することができる。
さらに、母体の細胞溶解を低減するために、細胞膜を安定させる剤を母体血液に加えることができる。そのような剤には、それらに限定されないが、アルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、コレステロール、コレステロール誘導体、高濃度のマグネシウム、ビタミンEおよびビタミンE誘導体、カルシウム、グルコン酸カルシウム、タウリン、ナイアシン、ヒドロキシルアミン誘導体、ビモクロモル、ショ糖、アスタキサンチン、グルコース、アミトリプチリン、異性体Aホパンテトラールフェニルアセテート、異性体Bホパンテトラールフェニルアセテート、シチコリン、イノシトール、ビタミンB、ビタミンB複合体、コレステロールヘミコハク酸、ソルビトール、カルシウム、補酵素Q、ユビキノン、ビタミンK、ビタミンK複合体、メナキノン、ゾネグラン、亜鉛、イチョウ葉エキス、ジフェニルヒダントイン、パーフトラン、ポリビニルピロリドン、ホスファチジルセリン、テグレトール、PABA、二ナトリウムクロムグリケート、ネドクロミルナトリウム、フェニロイン、クエン酸亜鉛、メキシチル、ジランチン、ヒアルロン酸ナトリウムまたはポラキサマー188が含まれてよい。
この剤を用いるプロトコルの例は、以下の通りである:血液を処理まで4℃で保存する。制動動力をゼロに設定した遠心機で、管を1000rpmで10分の間遠心回転させる。1000rpmで10分間、管を2回目遠心回転させる。各試料の上清(血漿)を新しい管に移し、ブレーキをゼロに設定して3000rpmで10分の間遠心回転させる。上清を新しい管に移し、−80℃で保存する。母体細胞を含有するおよそ2ミリリットルの「バフィーコート」を別個の管に入れて、−80℃で保存する。
無血漿胎児DNA
製造業者の説明書(QIAmp DNA血液ミディキット、カタログ番号51183)に従って、血液細胞からのDNAの精製のためのQiagenミディキットを用いて、血漿からゲノムDNAを単離することができる。DNAは、100μlの蒸留水に溶出させる。Qiagenミディキットは、「バフィーコート」に含有される母体細胞からDNAを単離するためにも用いられる。
製造業者の説明書(QIAmp DNA血液ミディキット、カタログ番号51183)に従って、血液細胞からのDNAの精製のためのQiagenミディキットを用いて、血漿からゲノムDNAを単離することができる。DNAは、100μlの蒸留水に溶出させる。Qiagenミディキットは、「バフィーコート」に含有される母体細胞からDNAを単離するためにも用いられる。
最後に、特定の実施形態では、組織、唾液、尿、涙、膣液、乳液、母乳または汗からの試料を用いることもできることに注意される。
全ゲノム増幅
一部の実施形態では、生物学的試料中の全DNAは、全ゲノム増幅(WGA)方法を用いて先ず増幅される。様々なWGA方法が当技術分野で公知であり、本発明で用いることができる。例示的な方法は、米国特許出願公開第20030082559号および第20030104431号に記載され、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、生物学的試料中の全DNAは、全ゲノム増幅(WGA)方法を用いて先ず増幅される。様々なWGA方法が当技術分野で公知であり、本発明で用いることができる。例示的な方法は、米国特許出願公開第20030082559号および第20030104431号に記載され、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、核酸試料をランダムに断片化し、次に、異なる断片の末端が全て同じDNA配列を含有するように処理する。次に単一の組の増幅プライマーによる単一の反応で、万能末端を有する断片を増幅することができる。断片化および末端処理のための例示的な方法は、下の「ブリッジPCR増幅」セクションに記載される。様々な他の方法が当技術分野で公知であり、本発明で用いることができる。
単一分子増幅
本明細書で、用語「単一分子増幅」は、当技術分野で公知である高密度多分子増幅反応と区別するために用いられる。単一分子増幅は、生物学的試料から得られた核酸分子を先ず分離または配置して複数の増幅部位を形成すること、そこで各増幅部位は平均して1つの核酸分子を含有し;および、増幅部位の各個々の核酸分子を増幅して増幅生成物を生成することを一般的に含む。一般的に、増幅生成物は、個々に分解することができるクラスターを形成する。本明細書で、用語「個々に分解される」は、可視化されるとき、1つのクラスターをその隣接するクラスターから識別することが可能であることを示すために用いられる。可視化は、クラスターとハイブリダイズすることができる標識プローブを用いて実行することができる。一部の実施形態では、増幅生成物を含有するクラスターは、ポリメラーゼ反応によって生成される。そのようなクラスターは、ポロニーまたは核酸クローンもしくはコロニーとしても公知である。ポリメラーゼに基づく増幅方法には、それらに限定されずに、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および鎖置換増幅(例えば、ローリングサークル増幅)が含まれる。様々な他の増幅方法が当技術分野で公知であり、本発明のために用いることができる。増幅のための追加の例示的な方法には、それらに限定されずに、自律的連続反応、リガーゼ連鎖反応、cDNA末端の急速増幅、リガーゼ連鎖反応、Qベータファージ増幅およびスプライス重複伸張が含まれる。
本明細書で、用語「単一分子増幅」は、当技術分野で公知である高密度多分子増幅反応と区別するために用いられる。単一分子増幅は、生物学的試料から得られた核酸分子を先ず分離または配置して複数の増幅部位を形成すること、そこで各増幅部位は平均して1つの核酸分子を含有し;および、増幅部位の各個々の核酸分子を増幅して増幅生成物を生成することを一般的に含む。一般的に、増幅生成物は、個々に分解することができるクラスターを形成する。本明細書で、用語「個々に分解される」は、可視化されるとき、1つのクラスターをその隣接するクラスターから識別することが可能であることを示すために用いられる。可視化は、クラスターとハイブリダイズすることができる標識プローブを用いて実行することができる。一部の実施形態では、増幅生成物を含有するクラスターは、ポリメラーゼ反応によって生成される。そのようなクラスターは、ポロニーまたは核酸クローンもしくはコロニーとしても公知である。ポリメラーゼに基づく増幅方法には、それらに限定されずに、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および鎖置換増幅(例えば、ローリングサークル増幅)が含まれる。様々な他の増幅方法が当技術分野で公知であり、本発明のために用いることができる。増幅のための追加の例示的な方法には、それらに限定されずに、自律的連続反応、リガーゼ連鎖反応、cDNA末端の急速増幅、リガーゼ連鎖反応、Qベータファージ増幅およびスプライス重複伸張が含まれる。
一部の実施形態では、核酸は固体支持体上で分離および増幅することができる。本発明に適する固体支持体は、核酸を共有結合させることができる任意の固体表面、例えばラテックスビーズ、デキストランビーズ、ポリスチレン、ポリプロピレン表面、ポリアクリルアミドゲル、金の表面、ガラス表面およびシリコンウエハーであってよい。一部の実施形態では、固体支持体は、ガラス表面である。
本明細書で用いられる固体支持体に核酸を結合させる手段は、化学的に改変可能な官能基を含む任意の化学的または非化学的給合方法を指す。「給合」は、共有結合、または不可逆的受動吸着、または分子間の親和性(例えば、ビオチン化分子によるアビジンコーティング表面への固定化)のいずれかによる固体支持体上の核酸の固定化に関する。一般的に、給合は、それがDNA変性条件下で水または水性緩衝液による洗浄によって除去されることがないように十分な強度である。本明細書で用いられる「化学的に改変可能な官能基」は、例えば、リン酸基、カルボン酸もしくはアルデヒド部分、チオールまたはアミノ基などの基を指す。
例えば、個々の分子を別々の部位に結合させることができるように、核酸分子の集合物を固体支持体の表面に分配することができる。本発明用に適する固相支持体は、微粒子;ビーズ、膜、スライド、プレートマイクロ加工チョップ、管などを含む広範囲の形を有することができる。本発明の固相支持体は、それらに限定されないが、ガラス、プラスチック、シリコン、アルカンチオレート誘導体化金、セルロース、低架橋および高架橋ポリスチレン、シリカゲル、ポリアミド、光ファイバー、プラスチックなどを含む広範囲の材料で作製することができる。一部の実施形態では、核酸分子の集合物は、フローセル技術を使用して分離することができる。
一部の実施形態では、核酸は半固相または液相で分離および増幅することができる。例えば、核酸分子の集合物は、ゲルマトリックス(例えば、アガロースゲルマトリックス)の中に分配させることができる。一部の実施形態では、核酸分子の集合物は、エマルションビーズと混合することができる。
一部の実施形態では、個々の核酸分子(例えば、ポリペプチド)の捕捉および固定化を促進するために、捕捉オリゴヌクレオチドが固体または半固体の支持体に固定化される。一部の実施形態では、捕捉オリゴヌクレオチドは、核酸鋳型分子、例えばタグまたはアダプター配列に存在する万能配列に相補的な配列を含有することができる。例えば、生物学的試料中の核酸分子は、タグまたはアダプター配列を5’末端および/または3’末端で結合させるために先ず処理することができ、タグまたはアダプター配列は、固体または半固体の支持体に固定化された捕捉オリゴヌクレオチドに結合することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の捕捉配列を用いることができる。
一部の実施形態では、適する捕捉オリゴヌクレオチドは、本発明により、適する条件(例えば、高ストリンジェント条件)の下でタグまたはアダプター配列とハイブリダイズすることができる。例示的な捕捉オリゴヌクレオチドは、様々な数のヌクレオチドを含有することができる。例えば、適するオリゴヌクレオチドは、1〜50ヌクレオチド(例えば、3〜40、3〜30、3〜20、30〜15、3〜10、6〜40、6〜30、6〜20、6〜10、8〜30、8〜20、8〜15、10〜30、10〜20、10〜15ヌクレオチド)を含有することができる。一部の実施形態では、適するオリゴヌクレオチドは、1、2、3、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45または50ヌクレオチドを含有することができる。適する捕捉オリゴヌクレオチドの設計および合成のために様々な方法が当技術分野で公知であり、そのような方法は当業者の技術の範囲内である。一部の実施形態では、捕捉オリゴヌクレオチドは、増幅のためのPCRプライマーとして用いることもできる(「ブリッジPCR増幅」のセクションを参照)。したがって、捕捉オリゴヌクレオチドは、コロニープライマーとも呼ばれる。
例えば、その全ては参照により本明細書に組み込まれる、LundらNucleic Adds Research、16巻:10861〜10880頁(1988年);Albretsenら、Anal. Biochem.、189巻:40〜50頁(1990年);Wolfら、Nucleic Acids Research、15巻:2911〜2926頁(1987年);またはGhoshら、Nucleic Acids Research、15巻:5353〜5372頁(1987年)で開示されるように、捕捉オリゴヌクレオチドは、それらが合成される固相支持体と一緒に用いることができるか、またはそれらを別々に合成して、使用のために固相支持体に結合させることができる。
一部の実施形態では、固体支持体への捕捉オリゴヌクレオチドおよび核酸鋳型の給合は、核酸増幅反応中に支持体をさらすことができる温度、例えば最高およそ100℃の温度、例えばおよそ94℃で熱安定性である。一部の実施形態では、給合は本来共有結合性である。さらなる実施形態では、固体支持体への捕捉オリゴヌクレオチドおよび核酸鋳型(複数可)の共有結合は、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)、無水コハク酸、フェニルジイソチオシアネートもしくは無水マレイン酸などの架橋剤、または例えばm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、N−スクシンイミジル[4−ヨードアセチル]アミノ安息香酸(SIAB)、スクシンイミジル4−[N−マレイミドメチル]シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、N−y−マレイミドブチリルオキシ−スクシンイミドエステル(GMBS)、スクシンイミジル−4−[p−マレイミドフェニル]ブチレート(SMPB)およびスルホ(水溶性)型の対応する化合物などのヘテロ二官能基クロスリンカーによって誘導される。
一部の実施形態では、本発明のために適する固体支持体は、誘導体化および/または官能基化された表面を有する。一部の実施形態では、固体支持体の誘導体化表面は、二官能基の架橋基によってその後改変されて、好ましくは反応性架橋基を有する官能基化された表面を提供する。本明細書で用いられる「誘導体化された表面」は、化学的に反応性の基、例えばアミノ、チオールまたはアクリレート基で改変された表面を指す。本明細書で用いられる「官能基化された表面」は、特異な官能基、例えばマレイン酸またはコハク酸官能部分で改変された誘導体化表面を指す。
一部の実施形態では、捕捉オリゴヌクレオチドの給合は、核酸増幅手順中に使用される高温曝露および反復加温/冷却サイクルのいずれにも影響を受けるべきでない。さらに、代わりの実施形態では、支持体は、結合する捕捉オリゴヌクレオチド(またはコロニープライマー)の少なくとも1fmol/mm2(例えば、少なくとも10fmol/mm2、少なくとも20fmol/mm2、少なくとも30fmol/mm2、少なくとも40fmol/mm2、少なくとも50fmol/mm2)の密度を得ることを可能にするべきである。
適する支持体は低い蛍光バックグラウンドを有する均一で平らな表面を有するべきで、熱的にも安定である(変形しない)べきである。特定の種類のプラスチックおよび合成ニトロセルロース膜の場合のように、DNAの受動吸着を可能にする固体支持体は、特定の用途に適さないかもしれない。最後に、固体支持体は使い捨て式であるべきで、したがって高コストであるべきでない。
一部の実施形態では、本発明は、捕捉オリゴヌクレオチドで均一にコーティングされた(すなわち、実質的に均一であるコーティングを有する)微粒子またはビーズによって実施される。以下の参考文献によって例示されるように、微粒子支持体およびそれらの表面にオリゴヌクレオチドを共有結合または非共有結合で連結する方法は周知である:BeaucageおよびIyer(前述);Gait、編集者、Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach(IRL Press、Oxford、1984年);および上の引用文献。一般に、微粒子のサイズおよび形状は重要でない。しかし、少数、例えば1〜2から数百、例えば200〜1000μmの直径のサイズの微粒子が好ましく、その理由は、それらが最小限の試薬および試料の使用による広い範囲のオリゴヌクレオチドタグの構築および操作を促進するからである。
一部の実施形態では、市販されている孔制御ガラス(CPG)またはポリスチレン支持体が本発明で固相支持体として使用される。そのような支持体は、塩基に不安定なリンカーおよび最初のヌクレオシドが結合したもの、例えばApplied Biosystems(Foster City、Calif)が利用できる。一部の実施形態では、500から1000オングストロームの間の孔径を有する微粒子が使用される。
本発明による方法では、他の捕捉部分を用いることができる。例えば、ストレプトアビジンがビオチン化核酸分子に結合することができるように、ストレプトアビジンを支持体に結合することができ、核酸をビオチン化することができる。
ブリッジPCR増幅
一部の実施形態では、本発明による単一分子増幅のために、ブリッジPCR増幅を用いることができる。一般的には、ブリッジPCRは万能増幅反応を含み、それによって、DNA試料はランダムに断片化され、次に、異なる断片の末端が全て同じDNA配列を含有するように処理される。次に単一の組の増幅プライマーによる単一の反応で、万能末端を有する断片を増幅することができる。増幅前の単一分子レベルへの断片の集合物の分離は、増幅分子が、その後さらに分析することができる離散性の集団を形成することを確実とする。そのような分離は、エマルション中で、表面で、またはゲルの中で実施することができる。
一部の実施形態では、本発明による単一分子増幅のために、ブリッジPCR増幅を用いることができる。一般的には、ブリッジPCRは万能増幅反応を含み、それによって、DNA試料はランダムに断片化され、次に、異なる断片の末端が全て同じDNA配列を含有するように処理される。次に単一の組の増幅プライマーによる単一の反応で、万能末端を有する断片を増幅することができる。増幅前の単一分子レベルへの断片の集合物の分離は、増幅分子が、その後さらに分析することができる離散性の集団を形成することを確実とする。そのような分離は、エマルション中で、表面で、またはゲルの中で実施することができる。
一部の実施形態では、増幅される核酸は、最初に二本鎖形で得られる。核酸が一本鎖形、例えばmRNAで提供される場合、周知であり、当技術分野で実証されている手段、例えばオリゴdTプライマーおよび逆転写酵素およびDNAポリメラーゼを用いて、それは先ず二本鎖形にされる。本発明の方法で用いられる核酸は、様々な長さであってよい。例えば、それらは少なくとも50塩基対の長さであってよい。一部の実施形態では、それらは150から4000塩基対の長さであってよい。適当な核酸断片を調製するために、当技術分野で公知である様々な方法、例えばショットガン法、制限酵素消化および他を用いることができる。
一部の実施形態では、2つの万能アダプターまたはタグ配列が、個々の核酸断片の5’末端および3’末端に結合される。これは、当技術分野で周知であり実証されている方法を用いて、例えば、ライゲーションによって、または増幅される核酸を適当なオリゴヌクレオチド配列に連なる部位で生物ベクターに挿入することによって実行することができる。
核酸の5’末端に結合するアダプター配列は、任意の配列および任意の長さであってよく、本明細書では配列A5’と表される。核酸の3’末端に結合するオリゴヌクレオチド配列は、任意の配列および任意の長さであってよく、本明細書では配列A3’と表される。アダプターオリゴヌクレオチドの適する長さおよび配列は、当技術分野で周知であり実証されている方法を用いて選択することができる。例えば、増幅される核酸の各末端に結合するオリゴヌクレオチド配列は、通常、長さが5から100の間のヌクレオチド(例えば、5〜50、5〜40、5〜30、5〜25、5〜20、5〜15、10〜50、10〜40、10〜30、10〜25、10〜20、15〜30または15〜25ヌクレオチドまたはこの範囲内の他の範囲)の比較的短いヌクレオチド配列である。
一部の実施形態では、3’末端アダプターA3’の配列は、それが捕捉オリゴヌクレオチド(X)の1つとハイブリダイズすることができるようなものである。一部の実施形態では、5’末端アダプターA5’の配列は、それが捕捉オリゴヌクレオチド(X)の1つと同じであるようなものである。一部の実施形態では、3’末端アダプターA3’配列は、5’末端アダプターA5’の配列に相補的である。本発明のアダプターオリゴヌクレオチド配列は、当技術分野で標準であるか普通の技術を用いて調製することができるか、または民間の供給元から購入することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるように調製される核酸断片の5’末端は、固体支持体に核酸断片を共有結合で結合するための手段を運ぶように改変される。そのような手段は、例えば化学的に改変可能な官能基、例えば、リン酸基、カルボン酸もしくはアルデヒド部分、チオールまたはアミノ基であってよい。
本発明の捕捉オリゴヌクレオチド(コロニープライマーとしても公知である)は、当技術分野で標準であるか普通の技術を用いて調製することができる。一般に、本発明の捕捉オリゴヌクレオチドは、当技術分野で周知であり実証されている方法によって生成される合成オリゴヌクレオチドであるか、または民間の供給元から購入することができる。本発明の方法により、任意の核酸配列を増幅するために、1、2の異なるコロニープライマーXを用いることができる。
一般的に、核酸鋳型の3’末端に含有される相補的オリゴヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーションが起こったときに捕捉オリゴヌクレオチドがポリメラーゼによる鎖伸張に利用できるように、捕捉オリゴヌクレオチドは5’末端によって支持体に固定化され、その3’末端は支持体と離れたままである。
一部の実施形態では、本発明の核酸鋳型およびコロニープライマーは、それらが固体支持体に結合するときに、結合した核酸鋳型およびコロニープライマーの適当な密度が得られるように適当な割合で用いられる。一部の実施形態では、混合物中のコロニープライマーの割合は、核酸鋳型の割合より高い。一部の実施形態では、コロニープライマーと核酸鋳型の比は、コロニープライマーおよび核酸鋳型が固体支持体に固定化されるときに、固体支持体の全体または規定の領域においてほぼ均一な密度で位置する複数のコロニープライマーを含む、コロニープライマーの「ローン」が形成され、個々の核酸鋳型はコロニープライマーのローンの中で間をおいて固定化されるような比である。
核酸鋳型は、一本鎖形で提供することができる。例えば、固体支持体に核酸鋳型を結合する前に、当技術分野で周知であり実証されている方法を用いて、例えばおよそ94℃まで加熱してから速やかに氷冷却することによってそれを一本鎖形にすることができる。しかし、それらは、支持体への給合を可能にするように1つの5’末端または両方の5’末端を改変して、全体または部分的に二本鎖形で提供することもできる。その場合、給合工程の完了の後、当技術分野で公知の手段によって、例えば、94℃まで加熱してから放出された鎖を洗い流すことによって2本の鎖を分離することができる。二本鎖分子の両方の鎖が表面と反応して両方とも結合する場合には、1本の鎖だけが結合して1つの増幅工程が実施される場合と同じ結果であると理解される。言い換えると、二本鎖鋳型核酸の両方の鎖が結合している場合には、両方の鎖は必然的に互いに近くに結合し、1本の鎖だけが結合し、1つの増幅工程を実施した結果と区別できない。したがって、一本鎖および二本鎖の鋳型核酸は、表面に結合する鋳型核酸を提供するために用いられるかもしれず、コロニー生成のために適するかもしれない。
個々のコロニープライマーと個々の核酸鋳型の間の距離(したがって、コロニープライマーおよび核酸鋳型の密度)は、支持体に固定化されるコロニープライマーおよび核酸鋳型の濃度を変更することによって制御することができる。一部の実施形態では、コロニープライマーの適する密度は、少なくとも1fmol/mm2(例えば、少なくとも10fmol/mm2、少なくとも20fmol/mm2、少なくとも30fmol/mm2、少なくとも40fmol/mm2、少なくとも50fmol/mm2)である。一部の実施形態では、コロニープライマーの適する密度は、少なくとも30から60fmol/mm2の間にある。本発明の方法に用いられる核酸鋳型の密度は、一般的に10,000/mm2から10,000,000/mm2(例えば、10,000/mm2から1,000,000/mm2の間、10,000/mm2から100,000/mm2、100,000/mm2から10,000,000/mm2、100,000/mm2から1,000,000/mm2)である。あるいは、これらの範囲内の範囲、またはこれらの範囲を包含する範囲を用いることができる。
結合する核酸鋳型およびコロニープライマーの密度の制御は、支持体表面の核酸コロニーの最終密度の制御を次に可能にする。これは、本発明の方法により、本発明のコロニープライマーが固体支持体上の適する場所に存在する場合には、1つの核酸コロニーが1つの核酸鋳型の給合から生じることができるという事実による。単一のコロニー中の核酸分子の密度は、結合するコロニープライマーの密度を制御することによって制御することもできる。一部の実施形態では、コロニーの密度は、検出方法(例えば、検出方法のプローブ数、検出シグナルおよび分解能(例えば、カメラ分解能など))に基づいて決定することができる。当業者は、関連するパラメーターに基づいて望ましい密度を容易に決定することができる。
一部の実施形態では、コロニーの適する密度は、多重化標的および/または参照特異的プローブによるハイブリダイゼーションを可能にするのに十分に大きく、統計学的に有意な分析を可能にする十分な検出可能なコロニーカウント数を提供するコロニー数を提供する。一部の実施形態では、コロニーの適する密度は、最高1,000,000(例えば、最高800,000、600,000、400,000、200,000、100,000)の検出可能なコロニーカウント数を含む。
本発明のコロニープライマーおよび核酸鋳型が適当な密度で固体支持体上に固定化されると、次に、各コロニーが元の固定化核酸鋳型およびその相補配列の複数のコピーを含むように、共有結合した鋳型核酸において適当なサイクル数の増幅を実行することによって、本発明の核酸コロニーを生成することができる。1サイクルの増幅は、ハイブリダイゼーション工程、伸張工程および変性工程からなり、これらの工程は、PCRの技術分野で周知である試薬および条件を用いて一般に実施される。
一般的な増幅反応は、固体支持体ならびに結合した核酸鋳型およびコロニープライマーを、プライマーハイブリダイゼーションを誘導する条件にさらすこと、例えばそれらを大体65℃の温度にさらすことを含む。これらの条件下で、核酸鋳型の3’末端のオリゴヌクレオチド配列A3’は、固定化コロニープライマーXとハイブリダイズし、プライマー伸張を支持する条件および試薬、例えば大体72℃の温度、核酸ポリメラーゼ、例えばDNA依存性DNAポリメラーゼもしくは逆転写酵素分子(すなわち、RNA依存性DNAポリメラーゼ)、またはRNAポリメラーゼの存在と、ヌクレオシド三リン酸分子または他の任意のヌクレオチド前駆体、例えば改変ヌクレオシド三リン酸分子の供給の存在下で、コロニープライマーは、鋳型核酸配列に相補的なヌクレオチドの添加によって伸長させられる。
本発明で用いることができる核酸ポリメラーゼの例は、DNAポリメラーゼ(クレノウ断片、T4 DNAポリメラーゼ)、様々な耐熱性細菌からの熱安定性DNAポリメラーゼ(Taq、VENT、Pfu、Tfl DNAポリメラーゼなど)、ならびにそれらの遺伝子改変誘導体(TaqGold、VENTexo、Pfu exo)である。DNAコロニーの増幅を起こすために、RNAポリメラーゼおよび逆転写酵素の組合せを用いることもできる。一般的に、コロニープライマー伸張のために用いられる核酸ポリメラーゼは、PCR反応条件、すなわち加熱冷却の反復サイクルの下で安定であり、用いられる変性温度、通常およそ94℃で安定である。一部の実施形態では、用いられるDNAポリメラーゼは、Taq DNAポリメラーゼである。
一部の実施形態では、用いられるヌクレオシド三リン酸分子は、デオキシリボヌクレオチド三リン酸、例えばdATP、dTTP、dCTP、dGTPであるか、リボヌクレオシド三リン酸、例えばdATP、dUTP、dCTP、dGTPである。ヌクレオシド三リン酸分子は、天然に存在するか天然に存在しなくてもよい。
ハイブリダイゼーション工程および伸張工程の後、支持体および結合した核酸を変性条件にさらすと、2つの固定化核酸が存在し、第1の核酸は最初の固定化核酸鋳型であり、第2の核酸はそれに相補的な核酸であり、固定化コロニープライマーXの1つから伸長する。元の固定化核酸鋳型および形成された固定化伸長コロニープライマーは、次に、支持体をさらなるサイクルのハイブリダイゼーション、伸張および変性にさらすと、さらなるラウンドの増幅を開始することができる。そのようなさらなるラウンドの増幅は、鋳型核酸およびその相補配列の複数の固定化されたコピーを含む核酸コロニーを生じる。
鋳型核酸の最初の固定化は、鋳型核酸が、鋳型核酸の全長中の離れた位置にあるコロニープライマーだけとハイブリダイズすることができることを意味する。したがって、形成される核酸コロニーの境界は、最初の鋳型核酸が固定化された領域に、比較的局所の領域に限定される。明らかに、さらなるラウンドの増幅、すなわち、さらなるラウンドのハイブリダイゼーション、伸張および変性を実行することによって、鋳型分子およびその補体のより多くのコピーが合成されると、次に、生成される核酸コロニーの境界はさらに伸長することができるが、形成されるコロニーの境界は最初の核酸鋳型が固定化された領域に、比較的局所の領域になお限定される。サイクルの適当なラウンド数は、出発物質の量、ハイブリダイゼーションおよび/または検出の方法(例えば、検出方法のプローブ数、検出シグナルおよび分解能(例えば、カメラ分解能など))に基づいて決定することができる。当業者は、関連するパラメーターに基づいて望ましいサイクルラウンド数を容易に決定することができる。一部の実施形態では、最高35(例えば、最高34、33、32、31、30、29、28、27)サイクルが用いられる。
一般的に、増幅生成物は、所定レベルのゲノム当量を提供する。一部の実施形態では、増幅は、最高100,000(例えば、最高50,000、40,000、30,000、20,000、10,000)のゲノム当量を生成する。
ブリッジ増幅の様々な改変が可能であり、当技術分野で公知である。例えば、様々なブリッジ増幅方法が、米国特許第7,115,400号、米国特許出願公開第20090226975号、およびBing D. H.ら「Bridge Amplification: A Solid Phase PCR System for the Amplification and Detection of Allelic Differences in Single Copy Genes」、インターネットのPromegaウェブサイトで入手できるヒト同定に関する第7回国際シンポジウム、に記載され、その全ては参照により本明細書に組み込まれる。
ビーズエマルションPCR
クローン増幅DNAを有する小さなビーズを生成するために、エマルションPCRを用いることができ、すなわち、各ビーズは、PCRによって単一分子鋳型から生成される1種類のアンプリコンを含有する。例示的なエマルションPCRは、Dressmanら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA.100巻、8817頁(2003年7月22日)、および2005年1月3日に公開されたDressmanらPCT公開WO2005010145、「METHOD AND COMPOSITIONS FOR DETECTION AND ENUMERATION OF GENETIC VARIATIONS」に記載され、クローン増幅DNAを生成するためのビーズをベースにした方法のその記載に関して参照により本明細書に組み込まれる。
クローン増幅DNAを有する小さなビーズを生成するために、エマルションPCRを用いることができ、すなわち、各ビーズは、PCRによって単一分子鋳型から生成される1種類のアンプリコンを含有する。例示的なエマルションPCRは、Dressmanら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA.100巻、8817頁(2003年7月22日)、および2005年1月3日に公開されたDressmanらPCT公開WO2005010145、「METHOD AND COMPOSITIONS FOR DETECTION AND ENUMERATION OF GENETIC VARIATIONS」に記載され、クローン増幅DNAを生成するためのビーズをベースにした方法のその記載に関して参照により本明細書に組み込まれる。
例えば、捕捉オリゴヌクレオチド(またはコロニープライマー)でコーティングされたビーズは、相補的なアダプターまたはタグ配列を有するヌクレオチドと混合することができる。PCRのために必要な全ての構成要素に加えてプライマーに結合したビーズおよび鋳型DNAを含有する水性混合液は、次に油/界面活性剤混合液と一緒に撹拌してマイクロエマルションを形成することができる。水性コンパートメント(油層中の小さな液滴として図示されることがある)は、平均1つ未満の鋳型分子および1つ未満のビーズを一般に含有する。その配列が1つまたは多くのヌクレオチドで異なる2つの鋳型分子を表すために、異なる鋳型(対照および試験)を1つ以下の液滴で描くことができる。マイクロエマルションは、従来のPCRのように温度サイクルを経る。DNA鋳型およびビーズが単一の水性コンパートメントに一緒に存在する場合、ビーズに結合したオリゴヌクレオチドは増幅のためのプライマーとして作用する。
様々な材料および様々なサイズで作製されるビーズを、本発明のために用いることができる。例えば、少し例を挙げれば、適するビーズは、磁気ビーズ、プラスチックビーズ、金粒子、セルロース粒子、ポリスチレン粒子であってよい。適するビーズは、少数、例えば1〜2から数百、例えば200〜1000μnの直径のサイズ範囲にある微粒子であってよい。一部の実施形態では、市販されている孔制御ガラス(CPG)またはポリスチレン支持体が本発明で固相支持体として使用される。そのような支持体は、塩基に不安定なリンカーおよび最初のヌクレオシドが結合したもの、例えばApplied Biosystems(Foster City、Calif)が利用できる。一部の実施形態では、500から1000オングストロームの間の孔径を有する微粒子が使用される。
オリゴヌクレオチドは、当技術分野の様々な方法を用いてビーズに結合することができる。オリゴヌクレオチドをビーズに結合するために、ブリッジ増幅のための例示的な方法を用いることができる。追加の非限定例として、磁気ビーズをストレプトアビジン(Dynal Biotech,Inc.(650.01;Lake Success、N.Y.)から市販されている)に共有結合することができる。ビーズを洗浄し、次に結合および洗浄緩衝液(BWB)(5mMトリスHCl、0.5mM EDTA、1.0M NaCl、pH7.5)に懸濁することができる。次に、10mMオリゴヌクレオチドの存在下で、ビーズを室温で30分間BWBでインキュベートすることができる。これらのオリゴヌクレオチドは、5’末端で二重ビオチン基によって次に改変することができ、ビオチン基は、6炭素リンカー(IDT;Coralville、Iowa)によって分離されている。結合の後、未結合のオリゴヌクレオチドを完全に除去するために、次にビーズを洗浄することができる。
非限定例として、PCRのためのマイクロエマルションは、鉱油(Sigma;M−3516)中の4.5%Span 80(S6760;Sigma、St.Louis、Mo.)、0.40%ツイーン80(Sigma;S−8074)、および0.05%Triton X−100(Sigma;T−9284)で構成される油相で調製することができる。水相は、300μlの全容量中に、67mMトリスHCl(pH8.8)、16.6mM NH4S04、6.7mM MgCl2、10mMの(3−メルカプトエタノール、1mM dATP、1mM dCTP、1mM dGTP、1mM dTTP、0.05μMフォワードプライマー、25μMリバースプライマー、45単位のプラチナTaq(Invitrogen;10966−034)、様々な量の鋳型DNA、および約108個のオリゴヌクレオチド結合ビーズからなることができる。
非限定例として、2ml丸底低温バイアル(430661;Corning、Corning、N.Y.)に事前に入れておいた400マイクロリットルの油相への200マイクロリットルの水相の滴加によって、油中水形マイクロエマルションを調製することができる。滴加は1分間実施され、その間混合液はVWRモデル565磁気撹拌機において磁気微小撹拌棒(58948−353;VWR、Plainfield、N.J.)によって1400RPMで撹拌される。水相の添加の後、混合液は連続して合計30分の間撹拌された。磁気撹拌機の中心に置かれたラック内に2つの管を置くことによって、2つのエマルションを一度に作製することができる。
非限定例として、PCRサイクルのために、エマルションを例えば96穴PCRプレートに等分することができる(例えば、各々100μlを含有する)。PCRは、通常の条件下で実行することができる。例えば、PCRプロトコルは以下の通りであってよい:94℃で2分間;94℃で15秒間、57℃で30秒間、70℃で30秒間を40サイクル。または、類似したプロトコルを用いることができる。
ハイブリダイゼーション
増幅核酸を分析して標的核酸分子を検出および/または数え上げるために、様々な方法を用いることができる。一部の実施形態では、本発明はハイブリダイゼーションに基づく手法を利用する。例えば、標的核酸配列またはその一部を含有する核酸コロニーを特定するために、核酸コロニーをin situでハイブリダイズさせるために、標的核酸に特異的なプローブを使用することができる。一般的に、標的核酸配列またはその一部を含有するコロニー数を決定することができるように、プローブは検出可能なシグナルで標識される。一部の実施形態では、参照核酸配列またはその一部を含有する核酸コロニーを特定するために、核酸コロニーをin situでハイブリダイズさせるために、参照核酸に特異的なプローブを使用することができる。一般的に、参照核酸配列またはその一部を含有するコロニー数を並行して決定することができるように、参照核酸に特異的なプローブは明確に検出可能なシグナルで標識される。一部の実施形態では、標的核酸の相対量は、標的核酸配列を含有するコロニーの第1の数を、参照核酸配列を含有するコロニーの第2の数と比較することによって決定することができる。
増幅核酸を分析して標的核酸分子を検出および/または数え上げるために、様々な方法を用いることができる。一部の実施形態では、本発明はハイブリダイゼーションに基づく手法を利用する。例えば、標的核酸配列またはその一部を含有する核酸コロニーを特定するために、核酸コロニーをin situでハイブリダイズさせるために、標的核酸に特異的なプローブを使用することができる。一般的に、標的核酸配列またはその一部を含有するコロニー数を決定することができるように、プローブは検出可能なシグナルで標識される。一部の実施形態では、参照核酸配列またはその一部を含有する核酸コロニーを特定するために、核酸コロニーをin situでハイブリダイズさせるために、参照核酸に特異的なプローブを使用することができる。一般的に、参照核酸配列またはその一部を含有するコロニー数を並行して決定することができるように、参照核酸に特異的なプローブは明確に検出可能なシグナルで標識される。一部の実施形態では、標的核酸の相対量は、標的核酸配列を含有するコロニーの第1の数を、参照核酸配列を含有するコロニーの第2の数と比較することによって決定することができる。
あるいは、またはさらに、増幅核酸を含有するコロニーを収集して、アレイに基づくハイブリダイゼーションで分析することができる。適するアレイは、標的核酸またはその一部に特異的であるプローブ、および/または参照核酸またはその一部に特異的であるプローブを含有することができる。
プローブ設計
適するプローブは、対象の核酸(例えば、標的または参照の染色体または遺伝子)に特異的である。ハイブリダイゼーションプローブに関連して用いられるとき、用語「特異的」は、ストリンジェント条件下でその標的に結合することができるが、他の領域に結合できないプローブを指す。
適するプローブは、対象の核酸(例えば、標的または参照の染色体または遺伝子)に特異的である。ハイブリダイゼーションプローブに関連して用いられるとき、用語「特異的」は、ストリンジェント条件下でその標的に結合することができるが、他の領域に結合できないプローブを指す。
特異的な染色体または遺伝子(特異的な疾患形を含む)のためのプローブは、対象の染色体または遺伝子と関連するヌクレオチド配列に基づいて調製される。特異的な染色体または遺伝子の配列は、GenBank、EMBLなどのデータベースから得ることができる。適するプローブは、一般的に、その標的と特異的にハイブリダイズするのに十分大きいが、ハイブリダイゼーション過程を阻止するほど大きくない長さである。代わりの実施形態では、適するプローブは、約10〜70ヌクレオチド(例えば、10〜60、10〜50、10〜40、10〜30、10〜25、10〜20、15〜70、15〜60、15〜50、15〜40、15〜30、15〜25、20〜70、20〜60、20〜50、20〜40、20〜30ヌクレオチド)を含有する。または、これらの範囲内の範囲を用いることができる。特異的なプローブを設計するために、当技術分野で利用できる様々な方法およびソフトウェアを用いることができる。
NIH UniSTSウェブサイトに記載されている1,000個を超える21番染色体特異的PCRプライマーセットがあり、それはhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=unistsで見つけることができ、「human[organism] AND 21[chr]」の検索語で見出すことができる。UniSTSは、STSに基づく地図および他の実験に由来する配列標識部位(STS)の包括的データベースである。STSは、ゲノム位置、遺伝子および配列などの追加の情報と関連する。同様に、他のヒト染色体のためのプライマー配列は、検索質問を適切に改変することによって見出すことができる。これらの染色体特異的プライマーは、本発明に適する染色体特異的プローブを設計するために用いることができる。
他の染色体特異的なプライマーは、参照により完全に本明細書に組み込まれる、2005年7月28日に公開され、「Non−invasive detection of fetal genetic traits」と題されたHahn, Sinuheらへの米国特許出願第20050164241号に開示されている。
プローブは、単離、精製および増幅された染色体DNAの断片に由来してもよい。例えば、配列特異的エンドヌクレアーゼまたはショートガン手法を使用してヒトゲノムを断片に切断することができ、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて適当なサイズの断片を単離してプローブを調製することができる。一部の実施形態では、プローブは、BAC、単一の人工染色体を維持する細菌のクローン集団に由来することができる。人工染色体(BAC)は、増殖、抽出および標識することができる。
一部の実施形態では、プローブは単一の遺伝子座に基づいて設計される。一部の実施形態では、プローブは同じ染色体上の複数の遺伝子または遺伝子座に基づいて設計される。単一のプローブを本発明で用いることができるが、多くの実施形態では、多重化されたプローブが設計される。多重化プローブは、対象の核酸の頑強なシグナルおよびより正確な検出を提供する。多重度の適当なレベルは、対象の核酸(例えば、標的または参照)のサイズ、出発物質の量および統計分析のための検出可能なカウント数の望ましいレベルに基づいて決定することができる。代わりの実施形態では、多重化プローブは、2〜10,000個のプローブ(例えば、10〜10,000、10〜5,000、10〜1,000、10〜500、10〜250、10〜100、10〜50個のプローブ)を含有する。一部の実施形態では、多重化プローブは、約10、100、200、300、400、500、1,000、5,000、10,000個のプローブを含有する。一部の実施形態では、同数のプローブが標的核酸および参照核酸のために用いられる。一部の実施形態では、異なる数のプローブが標的核酸および参照核酸のために用いられる。
プローブは、蛍光団などの様々な検出可能な部分で直接に標識付けすることができる。標識付けは、ニックトランスレーションまたはタグ付けヌクレオチドを用いるPCRなどの様々な方法で実行することができる。
検出可能な実体
様々な検出可能な剤のいずれかを、本発明の実施で用いることができる。適する検出可能な剤には、それらに限定されないが以下のものが含まれる:様々なリガンド、放射性ヌクレオチド;蛍光色素;化学発光剤(例えばアクリジニウムエステル(acridinum ester)、安定化ジオキセタンなど);生物発光剤;スペクトルで分解可能な無機蛍光性半導体ナノクリスタル(すなわち、量子ドット);微粒子;金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅、プラチナなど);ナノクラスター;常磁性金属イオン;酵素;比色標識(例えば色素、コロイド金など);ビオチン;ジオキシゲニン;ハプテン;および抗血清またはモノクローナル抗体をそのために利用できるタンパク質。
様々な検出可能な剤のいずれかを、本発明の実施で用いることができる。適する検出可能な剤には、それらに限定されないが以下のものが含まれる:様々なリガンド、放射性ヌクレオチド;蛍光色素;化学発光剤(例えばアクリジニウムエステル(acridinum ester)、安定化ジオキセタンなど);生物発光剤;スペクトルで分解可能な無機蛍光性半導体ナノクリスタル(すなわち、量子ドット);微粒子;金属ナノ粒子(例えば、金、銀、銅、プラチナなど);ナノクラスター;常磁性金属イオン;酵素;比色標識(例えば色素、コロイド金など);ビオチン;ジオキシゲニン;ハプテン;および抗血清またはモノクローナル抗体をそのために利用できるタンパク質。
一部の実施形態では、検出可能な部分は、ビオチンである。ビオチンは、それ自体検出可能である他の部分(例えば、蛍光性部分)と一般的にコンジュゲートされる(直接または間接的に)、アビジン(ストレプトアビジンなど)に結合させることができる。
下には、他の検出可能な部分のいくつかの非限定例が記載される。
蛍光色素
特定の実施形態では、検出可能な部分は、蛍光色素である。様々な化学構造および物理学的性質の多数の公知の蛍光色素が、本発明の実施で用いるために適する。蛍光性の検出可能な部分はレーザーによって刺激することができ、放射された光は検出器によって捕捉される。検出器は電荷結合素子(CCD)またはコンフォーカル顕微鏡であってよく、それはその強度を記録する。
特定の実施形態では、検出可能な部分は、蛍光色素である。様々な化学構造および物理学的性質の多数の公知の蛍光色素が、本発明の実施で用いるために適する。蛍光性の検出可能な部分はレーザーによって刺激することができ、放射された光は検出器によって捕捉される。検出器は電荷結合素子(CCD)またはコンフォーカル顕微鏡であってよく、それはその強度を記録する。
適する蛍光色素には、それらに限定されないが、フルオレセインおよびフルオレセイン色素(例えば、フルオレセインイソチオシアニンもしくはFITC、ナフトフルオロセイン、4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオロセイン、6−カルボキシフルオレセインもしくはFAMなど)、カルボシアニン、メロシアニン、スチリル色素、オキソノール色素、フィコエリトリン、エリトロシン、エオシン、ローダミン色素(例えば、カルボキシテトラメチルローダミンもしくはTAMRA、カルボキシローダミン6G、カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、リサミンローダミンB、ローダミン6G、ローダミングリーン、ローダミンレッド、テトラメチルローダミン(TMR)など)、クマリンおよびクマリン色素(例えば、メトキシクマリン、ジアルキルアミノクマリン、ヒドロキシクマリン、アミノメチルクマリン(AMCA)など)、オレゴングリーン色素(例えば、オレゴングリーン488、オレゴングリーン500、オレゴングリーン514など)、テキサスレッド、テキサスレッドX、SPECTRUM RED(商標)、SPECTRUM GREEN(商標)、シアニン色素(例えば、CY−3(商標)、CY−5(商標)、CY−3.5(商標)、CY−5.5(商標)など)、ALEXA FLUOR(商標)色素(例えば、ALEXA FLUOR(商標)350、ALEXA FLUOR(商標)488、ALEXA FLUOR(商標)532、ALEXA FLUOR(商標)546、ALEXA FLUOR(商標)568、ALEXA FLUOR(商標)594、ALEXA FLUOR(商標)633、ALEXA FLUOR(商標)660、ALEXA FLUOR(商標)680など)、BODIPY(商標)色素(例えば、BODIPY(商標)FL、BODIPY(商標)R6G、BODIPY(商標)TMR、BODIPY(商標)TR、BODIPY(商標)530/550、BODIPY(商標)558/568、BODIPY(商標)564/570、BODIPY(商標)576/589、BODIPY(商標)581/591、BODIPY(商標)630/650、BODIPY(商標)650/665など)、IRDye(例えば、IRD40、IRD700、IRD800など)などが含まれる。蛍光色素をタンパク質およびペプチドなどの他の化学実体に結合するのに適する蛍光色素および方法のより多くの例については、例えば「The Handbook of Fluorescent Probes and Research Products」、9版、Molecular Probes, Inc.、Eugene、ORを参照。蛍光性標識化剤の好ましい特性には、高いモル吸収係数、高い蛍光量子収率および光安定性が含まれる。一部の実施形態では、標識蛍光団は、スペクトルの紫外線領域(すなわち、400nm未満)よりも可視領域(すなわち、400から750nmの間)の吸収および放射波長を示す。
検出可能な部分は、例えば蛍光性共鳴エネルギー転移(FRET)では、複数の化学実体を含むことができる。共鳴転移は、発光強度の全体的な増強を生じる。例えば、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる、Juら(1995年)Proc. Nat’l Acad. Sci.(USA)92巻:4347頁を参照。共鳴エネルギー転移を達成するために、第1の蛍光分子(「ドナー」蛍光体)は光を吸収して、励起した電子の共鳴を通してそれを第2の蛍光分子(「受容体」蛍光体)に伝達する。1つの手法では、ドナーと受容体色素の両方を連結して、オリゴプライマーに結合させることができる。ドナーおよび受容体色素を核酸に連結する方法は、以前に、例えばLeeらへの米国特許第5,945,526号に記載されていて、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。用いることができるドナー/受容体色素の組には、例えば、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、IAEDANS/フルオレセイン、EDANS/DABCYL、フルオレセイン/フルオレセイン、BODIPY FL/BODIPY FLおよびフルオレセイン/QSY7色素が含まれる。例えばLeeらへの米国特許第5,945,526号を参照。これらの色素の多くも、例えばMolecular Probes Inc.(Eugene、Oreg.)から市販されている。適するドナー蛍光団には、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)、テトラクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(TET)、2’−クロロ−7’−フェニル−1,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(VIC)などが含まれる。
酵素
特定の実施形態では、検出可能な部分は、酵素である。適する酵素の例には、それらに限定されないが、ELISAで用いられる酵素、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、ベータガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリ性ホスファターゼなどが含まれる。他の例には、ベータグルクロニダーゼ、ベータ−D−グルコシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼなどが含まれる。カルボジイミド、ジイソシアナート、グルタルアルデヒドなどのリンカー基を用いて、酵素を分子とコンジュゲートさせてもよい。
特定の実施形態では、検出可能な部分は、酵素である。適する酵素の例には、それらに限定されないが、ELISAで用いられる酵素、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、ベータガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリ性ホスファターゼなどが含まれる。他の例には、ベータグルクロニダーゼ、ベータ−D−グルコシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼなどが含まれる。カルボジイミド、ジイソシアナート、グルタルアルデヒドなどのリンカー基を用いて、酵素を分子とコンジュゲートさせてもよい。
放射性同位体
特定の実施形態では、検出可能な部分は、放射性同位体である。例えば、分子を同位体で標識すること(すなわち、通常自然界で見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子と交換された1つまたは複数の原子を含有すること)ができるか、または同位体を分子に結合することができる。分子に組み込むことができる同位体の非限定例には、水素、炭素、フッ素、リン、銅、ガリウム、イットリウム、テクネチウム、インジウム、ヨウ素、レニウム、タリウム、ビスマス、アスタチン、サマリウムおよびルテチウムの同位体(すなわち、3H、13C、14C、18F、19F、32P、35S、64Cu、67Cu、67Ga、90Y、99mTc、111In、125I、123I、129I、131I、135I、186Re、187Re、201Tl、212Bi、213Bi、211At、153Sm、177Lu)が含まれる。
特定の実施形態では、検出可能な部分は、放射性同位体である。例えば、分子を同位体で標識すること(すなわち、通常自然界で見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子と交換された1つまたは複数の原子を含有すること)ができるか、または同位体を分子に結合することができる。分子に組み込むことができる同位体の非限定例には、水素、炭素、フッ素、リン、銅、ガリウム、イットリウム、テクネチウム、インジウム、ヨウ素、レニウム、タリウム、ビスマス、アスタチン、サマリウムおよびルテチウムの同位体(すなわち、3H、13C、14C、18F、19F、32P、35S、64Cu、67Cu、67Ga、90Y、99mTc、111In、125I、123I、129I、131I、135I、186Re、187Re、201Tl、212Bi、213Bi、211At、153Sm、177Lu)が含まれる。
一部の実施形態では、シグナル増幅は、検出可能な部分として標識デンドリマーを用いて達成され(例えばPhysiol. Genomics3巻:93〜99頁、2000年を参照)、その全内容は参照により完全に本明細書に組み込まれる。蛍光標識デンドリマーは、Genisphere(Montvale、N.J.)から入手可能である。これらは、当技術分野で公知の方法によって、オリゴヌクレオチドプライマーと化学的にコンジュゲートされてよい。
in situハイブリダイゼーション
本明細書で用いるように、用語「in situでハイブリダイズした」または「in situハイブリダイゼーション」は、増幅された核酸生成物が形成される場所でプローブが対象の増幅核酸(例えば、標的または参照核酸)とハイブリダイズする方法を指す。例えば、核酸を増幅するためにブリッジPCRが用いられる場合、in situハイブリダイゼーションは、標的核酸および/または参照核酸に特異的なプローブが、コロニーが形成された(される)場所でPCR増幅核酸コロニーとハイブリダイズされる方法を指す。
本明細書で用いるように、用語「in situでハイブリダイズした」または「in situハイブリダイゼーション」は、増幅された核酸生成物が形成される場所でプローブが対象の増幅核酸(例えば、標的または参照核酸)とハイブリダイズする方法を指す。例えば、核酸を増幅するためにブリッジPCRが用いられる場合、in situハイブリダイゼーションは、標的核酸および/または参照核酸に特異的なプローブが、コロニーが形成された(される)場所でPCR増幅核酸コロニーとハイブリダイズされる方法を指す。
一部の実施形態では、本発明による核酸コロニーは、本明細書に記載されるハイブリダイゼーションのために調製することができる。そのような調製は、コロニーを構成する核酸鋳型の全部または一部が一本鎖形で存在するようにコロニーを処理することを含む。これは、例えばコロニー中の任意の二本鎖DNAの熱変性によって達成することができる。あるいは、鋳型核酸中の配列の二本鎖形に特異的な制限エンドヌクレアーゼでコロニーを処理してもよい。例えば、エンドヌクレアーゼは、アダプター配列A3’またはA5’に含有される配列のいずれかに特異的であってよい。消化の後、二本鎖DNA分子が分離されるようにコロニーを熱し、コロニーを洗浄して固定化されていない鎖を除去し、このように結合した一本鎖DNAがコロニーに残る。
ハイブリダイゼーションのためのコロニーの調製の後、プローブとその特異的な標的配列とのハイブリダイゼーションに適当な条件下で、適当なプローブをコロニーに加える。そのような条件は公知の方法を用いて当分野の技術者が決定することができ、例えばプローブの配列によって決まる。
一部の実施形態では、ハイブリダイゼーションは複数のプローブを用いて同時に実施することができる。例えば、標的核酸と参照核酸の両方に特異的なプローブは、1回の反応でハイブリダイズさせることができる。一部の実施形態では、ハイブリダイゼーションは異なるラウンドで実行することができる。例えば、1つの領域に特異的なプローブをハイブリダイズさせ、先ず検出し、次に熱変性によって除去することができ、第2の領域に特異的なプローブをハイブリダイズさせ、検出することができる。これらの工程は、所望の回数繰り返すことができる。
核酸コロニーとハイブリダイズされる標識プローブは、次に適当な検出デバイスを含む装置を用いて検出することができる。一部の実施形態では、蛍光性標識のための検出システムは電荷結合素子(CCD)カメラであり、それは拡大デバイス、例えば顕微鏡に任意選択で結合することができる。そのような技術を用いて、多くのコロニーを並行して同時に監視することができる。例えば、CCDカメラは、10×または20×の対物レンズを有する顕微鏡と用いることができる。一部の実施形態では、1mm2から4mm2の間の表面のコロニーを同時に観察することができる。一部の実施形態では、10,000から1,000,000の間の個数のコロニーが並行して観察される。一部の実施形態では、10,000から500,000の間の個数のコロニーが並行して観察される。一部の実施形態では、10,000から200,000の間の個数のコロニーが並行して観察される。または、これらの範囲内の範囲を用いることができる。さらに、向上する光学部品およびより大きなチップに比例してこの数が増加することが予期される。
あるいは、またはさらに、生成されるコロニーの監視方法には、コロニーで覆われる表面を走査することが含まれる。例えば、CCDカメラは、任意数のコロニーで覆われた表面を撮影するために用いることができる。
本発明の核酸コロニーを監視するために、表面の蛍光の検出および好ましくは定量化を可能にする任意の他のデバイスを用いることができる。例えば、蛍光撮影装置または共焦点顕微鏡を用いることができよう。
一部の実施形態では、ビーズエマルションPCRが単一分子増幅のために用いられる場合、増幅核酸コロニーを含有するビーズと適当なプローブとを混合することによってin situハイブリダイゼーションを実行することができる。一部の実施形態では、標識ビーズを検出するためにフローサイトメトリーを用いることができる。例えば、ビーズ懸濁液を10mMトリスHCl、1mM EDTA(351−010−131、Quality Biological,Inc.、Gaithersburg、Md.)中で1mlにつき106〜107個のビーズの濃度に希釈し、LSR機器(BD Biosciences、Franklin Lakes、N.J.)を用いて分析することができる。機器は、アルゴンレーザーおよび2つの蛍光色素を区別した光学フィルターを用いる標準2色分析のために設定することができる。一部の実施形態では、主要なビーズ集団は良好に分離されるので、スペクトルのデコンボリューションは必要とされない。場合によっては、走査はFACScanまたはFACSCalibur機器(BD Biosciences)で実施される。
アレイに基づくハイブリダイゼーション
一部の実施形態では、増幅生成物を含有する核酸コロニーは、アレイに基づくハイブリダイゼーション方法を用いて検出することができる。一般には、増幅核酸をハイブリダイズさせるために、標的および/または参照核酸に特異的なプローブを含むプローブアレイを用いることができる。アレイに基づくハイブリダイゼーションは、マイクロチップ、マルチウェルプレート、マイクロ加工ガラススライド、微流動デバイスおよび当技術分野で公知である様々な他の手段を用いて実施することができる。
一部の実施形態では、増幅生成物を含有する核酸コロニーは、アレイに基づくハイブリダイゼーション方法を用いて検出することができる。一般には、増幅核酸をハイブリダイズさせるために、標的および/または参照核酸に特異的なプローブを含むプローブアレイを用いることができる。アレイに基づくハイブリダイゼーションは、マイクロチップ、マルチウェルプレート、マイクロ加工ガラススライド、微流動デバイスおよび当技術分野で公知である様々な他の手段を用いて実施することができる。
一部の実施形態では、増幅核酸を収集し、プールし、標的および/または参照核酸に特異的なプローブを含むプローブアレイに対してハイブリダイズさせることができる。増幅核酸を含有するコロニーは、例えば、捕捉オリゴヌクレオチド中の配列、アダプター配列A3’もしくはA5’に含まれる配列、または鋳型中の他の配列に特異的な制限酵素消化によって支持体から除去することができる。二本鎖DNA分子が分離されるように、収集されたDNAを加熱することができる。
一部の実施形態では、前記のように収集されるDNAは、検出部位につき(例えば、ウェルにつき)増幅生成物からの平均して1つのポリヌクレオチドがあるように希釈される。
したがって、個々の離散性の鋳型が対象の核酸(例えば、標的または参照核酸)の存在について分析される場合、各検出部位には、平均して、標的または参照核酸が存在するか存在しないかのいずれかである。したがって、一般的に、各反応部位は、以下の結果の1つを有する:シグナルなし、標的核酸と関連するシグナルで標識される、または参照核酸と関連するシグナルで標識される。
したがって、一部の実施形態では、アレイハイブリダイゼーションは各検出部位での単一分子分析に基づき、対象の標的(例えば、21番染色体三染色体性)の量は、多数の検出部位の結果に基づいて決定することができる。
一部の実施形態では、アレイに基づくハイブリダイゼーションに適するプローブは、クエンチされた蛍光性プローブである。クエンチされた蛍光性プローブは、蛍光団および蛍光失活剤とコンジュゲートさせた核酸、一般的に対象のPCR増幅生成物(例えば、標的遺伝子座または参照遺伝子座からのアンプリコン)とハイブリダイズするように設計されたオリゴヌクレオチドを一般的に含む。蛍光失活剤は、通常所与のプローブ上の蛍光団に近接している。したがって、蛍光団からシグナルを検出することができない。プローブ分子が核酸鋳型とハイブリダイズされるとき、蛍光団をプローブから放出させることができる。プローブから放出されると(したがって失活剤から離れると)、蛍光団を検出することができる。適当な波長によって励起されるとき、蛍光団はその蛍光団に特徴的な特定の波長スペクトルの光を放射する。一般的に、蛍光団からの検出可能なシグナルは、標的または参照の核酸(例えば、異なる染色体)に帰することができる。
それらをプローブにコンジュゲートするための方法のように、様々な蛍光団のいずれでも用いることができる。(例えば、R.P. Haugland、「Molecular Probes: Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals 1992−1994」、第5版、1994年、Molecular Probes, Inc.を参照)。適する蛍光団の非限定例には、フルオレセイン、ローダミン、フィコビリンタンパク質、シアニン、クマリン、ピレン、緑色蛍光性タンパク質、BODIPY(登録商標)およびそれらの誘導体が含まれる。蛍光団の天然に存在する誘導体および合成誘導体の両方を用いることができる。フルオレセイン誘導体の例には、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、オレゴングリーン、トーキョーグリーン、半ナフトフルオロセイン(SNAFL)およびカルボキシナフトフルオロセインが含まれる。ローダミン誘導体の例には、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン123、テトラメチルローダミン誘導体TRITCおよびTAMRA、スルホローダミン101(およびその塩化スルホニル形テキサスレッド)およびローダミンレッドが含まれる。フィコビリンタンパク質には、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、フィコエリトロシアニンおよびペリジニンクロロフィルタンパク質(PerCP)が含まれる。フィコエリトリンの種類には、R−フィコエリトリン、B−フィコエリトリンおよびY−フィコエリトリンが含まれる。シアニン色素およびそれらの誘導体の例には、Cy2(シアニン)、Cy3(インドカルボシアニン)、Cy3.5、Cy5(インドジカルボシアニン)、Cy5.5、Cy7、BCy7およびDBCy7が含まれる。緑色蛍光性タンパク質誘導体の例には、増強緑色蛍光性タンパク質(EGFP)、青色蛍光性タンパク質(BFP)、シアン蛍光性タンパク質(CFP)および黄色蛍光性タンパク質(YFP)が含まれる。BODIPY(登録商標)色素(Invitrogen)は、それらが置換することができる通常の蛍光団について、またはそれらの吸収/放射波長について命名される。BODIPY(登録商標)色素には、BODIPY FL、BODIPY R6G、BODIPY TMR、BODIPY TR、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650およびBODIPY 650/665が含まれる。
検出方法
標的核酸を検出して標的核酸の相対量を決定するために、様々な方法を用いることができる。特定の実施形態では、参照核酸のそれと比較しての標的核酸の量は、標的核酸または参照核酸を示すシグナルおよび/またはそのようなシグナルの数値相当物の比較に基づいて決定される。標的核酸を「示す」シグナルは、標的核酸の反応部位または検出部位に一般的に関連している。同様に、参照核酸を「示す」シグナルは、参照核酸の反応部位または検出部位に一般的に関連している。
標的核酸を検出して標的核酸の相対量を決定するために、様々な方法を用いることができる。特定の実施形態では、参照核酸のそれと比較しての標的核酸の量は、標的核酸または参照核酸を示すシグナルおよび/またはそのようなシグナルの数値相当物の比較に基づいて決定される。標的核酸を「示す」シグナルは、標的核酸の反応部位または検出部位に一般的に関連している。同様に、参照核酸を「示す」シグナルは、参照核酸の反応部位または検出部位に一般的に関連している。
一部の実施形態では、適切な反応部位または検出部位に関連するようになる1つまたは複数の検出可能に標識されたプローブからシグナルは発する。一部の実施形態では、検出可能に標識されたプローブは、標的核酸または参照核酸とハイブリダイズすることができ、それに特異的である核酸プローブである。一部の実施形態では、シグナルが検出されるときにプローブと物理的に関連している実体(例えば、検出可能な部分)からシグナルは発する。一部の実施形態では、シグナルが検出されるときにプローブと物理的に関連していない実体からシグナルは発する。例えば、プローブとその核酸補体(例えば、標的核酸もしくはその一部または参照核酸もしくはその一部)とのハイブリダイゼーションの結果プローブから放出される実体からシグナルは発することができる。
標的核酸を示すシグナルは、参照核酸を示すシグナルから一般的に識別可能である。例えば、一部の実施形態では、標的核酸(またはその一部)に特異的なプローブ、および参照核酸(またはその一部)に特異的なプローブは、示差的に検出可能なシグナルで標識される。一部の実施形態では、これらの示差的に検出可能なシグナルは、別個の光学的シグナル、例えば別個の蛍光性か発光性のシグナルである。例えば、プローブが蛍光性部分で標識される実施形態では、標的核酸(またはその一部)に特異的なプローブは、参照核酸(またはその一部)に特異的なプローブが標識される蛍光性部分のそれと異なる発光スペクトル(すなわち、色および波長)を有する蛍光性部分で標識することができる。例えば、標的核酸(例えば、21番染色体)に特異的なプローブを標識するために緑色を放射する蛍光団を用いることができ、参照核酸(例えば、1番染色体)に特異的なプローブを標識するために赤色を放射する蛍光団を用いることができ、または逆もまた同じである。
特定の実施形態では、参照核酸と比較して標的核酸の量またはコピー数が決定される。一部の実施形態では、相対量またはコピー数は、核酸試料中の標的核酸(1ゲノムにつき)の量またはコピー数と、単一コピー参照核酸のコピー数との比で表される。一部の実施形態では、この比は1と予想される。
一部の実施形態では、標的核酸の相対的なコピー数を決定することは、(a)標的核酸またはその一部を含有する検出部位の第1の数を示す第1の蛍光シグナルレベルを決定する工程と;(b)参照核酸またはその一部を含有する検出部位の第2の数を示す第2の蛍光シグナルレベルを決定する工程と;(c)第1の蛍光性シグナルレベルと第2の蛍光性シグナルレベルの比を決定する工程と;(d)工程(c)で決定された比を、標的核酸に特異的なプローブの数と参照核酸に特異的なプローブの数の比に標準化することによって標的核酸の相対的なコピー数を決定する工程とを含む。一般的に、蛍光性シグナルレベルは、バックグラウンドシグナルレベルに標準化される。
標的核酸(またはその一部)または参照核酸(またはその一部)とのプローブのハイブリダイゼーションを実行するための手段は、検出を促進するために1つまたは複数のデバイスまたは機械と連係させることができる。例えば、ハイブリダイゼーションの実行手段は、1つまたは複数の顕微鏡、ダイオード、光刺激デバイス(例えば、レーザー)、光電子増倍管、プロセッサーまたはその組合せと連係させることができる。標的核酸または参照核酸と関連するシグナルを検出するために、そのようなデバイスを用いることができる。一般的に、シグナルは光学的シグナルであり、光学的検出器が用いられる。光学的検出器は、フォトダイオード(例えば、アバランシェフォトダイオード)、例えば光電子増倍管、顕微鏡および/またはビデオカメラ(例えば、電荷結合素子(CCD)カメラ)への光ファイバー光ガイドリーディングの1つまたは複数を含むことができる。
検出器は、ハイブリダイゼーション実行のためのプラットホームもしくは手段の一部として作ること、または物理的にそれに結合させることができる。あるいは、またはさらに、走査システムが用いられる。例えば、特定の自動化されたシステムは、ハイブリダイゼーションのための手段と比較して光源を走査することができ、特定の自動化されたシステムは、検出器における放射光を走査することができるか、多チャネル検出器を含むことができる。例示的な例として、ハイブリダイゼーションのための手段は、翻訳可能なステージに結合させ、顕微鏡対物レンズの下で走査させることができる。そのように得られるシグナルは、シグナルの解読および処理のためにプロセッサーへ次に送られる。一部の実施形態では、光電子増倍管のアレイが用いられる。一部の実施形態では、異なる反応部位または検出部位から同時にシグナルを収集しつつ、各反応部位または検出部位からのシグナルを決定する能力を有する光学システムが用いられる。
一部の実施形態では、検出器は、CCDカメラ、ならびに各検出部位または反応部位(またはアレイが用いられる場合にはアレイ内のスポット)から収集される光の量を最大にするために大きな視野および高い開口数を可能にする光路を用いる。そのような実施形態では、CCDは光検出器のアレイとして用いられ、そこでは、各ピクセルまたはピクセルの群がアレイの画像を生成するために用いられるのではなく、反応チャンバーに対応する。したがって、各検出部位または反応部位(またはアレイが用いられる場合にはアレイ内のスポット)からより多くの光を収集するために光学システムの被写界深度を増加させるために、画質が低下するか焦点がぼけるように光学部品を変更することができる。
一部の実施形態では、検出器は、検出可能なシグナルを発生する実体(「リポーター」)を刺激するための光源を含むことができる。用いる光源の種類は、活性化されてシグナルを発生するリポーターの性質によって一部決めることができる。適する光源には、それらに限定されないが、レーザー、レーザーダイオードおよび高輝度ランプが含まれてよい。レーザーが用いられる実施形態では、一揃いの検出部位もしくは反応部位、または単一の検出部位もしくは反応部位、またはアレイが用いられる場合はアレイ上のスポット(複数可)を走査するためにレーザーを用いることができる。レーザーダイオードは、本明細書に記載される相対量を決定するためのシステムの一部として作ることができるか、またはハイブリダイゼーションの実行のための手段に隣接して置かれる別のデバイスに加工することができる。
蛍光検出器を含むいくつかの市販の外部検出器を用いることができる。本発明に従って用いることができる蛍光検出器の例には、Applied Precision Array WoRx(Applied Precision、Issaquah、WA)が含まれるが、これに限定されない。マイクロアレイを用いる実施形態では、GENEPIX(商標)4000Bマイクロアレイリーダー(Axon Instruments、USA)などの機械を用いて蛍光シグナルを走査することができる。
一般的に、検出可能な標識は、それらのそれぞれの光学的シグナルを存在する標識核酸の量に関連付けることができるように、および異なる光発生標識によって生成される光学的シグナルを比較することができるように選択される。蛍光性標識の発光強度の測定は、この設計目的を満たす一般的な手段である。蛍光色素の所与の選択のために、それらの発光強度を標識核酸のそれぞれの量に関連付けることは、異なる色素の蛍光発光最大値、量子収率、発光帯域幅、吸収最大値、吸収帯域幅、励起光源(複数可)の性質などを含むいくつかの因子の考慮を含む。蛍光強度測定のための、および分析物の量にそれらを関連付けるための指針は、化学的および分子解析に関する文献、例えば、Guilbault、編集者、Practical Fluorescence、2版(Marcel Dekker、New York、1990年);Pesceら、編集者、Fluorescence Spectroscopy(Marcel Dekker、New York、1971年);Whiteら、Fluorescence Analysis: A Practical Approach(Marcel Dekker、New York 、1970年);等で利用できる。
本明細書で用いるように、用語「相対的な光学的シグナル」は、異なって標識された核酸の比に関連付けることができる、異なる光発生標識からのシグナルの比を意味する。一部の実施形態では、相対的な光学的シグナルは、2つ以上の異なる蛍光色素の蛍光強度の比である。
特定の実施形態では、当技術分野で公知である標準ソフトウェアを用いて、シグナルは数値に変換される。一部の実施形態では、シグナル(またはシグナルの数値相当物)は、バックグラウンドシグナルに基づいて標準化される。
一部の実施形態では、シグナル(またはシグナルの数値相当物)は、参照核酸(またはその一部)に特異的な用いられるプローブの数と比較して、標的核酸(またはその一部)に特異的な用いられるプローブの数に基づいて標準化される。例えば、標的核酸(またはその一部)に特異的な用いられるプローブの数は、参照核酸(またはその一部)に特異的な用いられるプローブの数と異なることができる。したがって、用いられるプローブの数に基づくシグナルの標準化は、標的核酸の相対量の正確な比較を可能にする。一部の実施形態では、シグナル(またはシグナルの数値相当物)は、参照核酸(またはその一部)に特異的な用いられるプローブの全てに存在する検出可能な部分の数と比較して、標的核酸(またはその一部)に特異的な用いられるプローブの全てに存在する検出可能な部分の数に基づいて標準化される。一部の実施形態では、異なるプローブは、異なる数の検出可能な部分を有することができる。例えば、標識デオキシヌクレオチドで標識される核酸プローブについては、各プローブ中の検出可能な部分の数は、プローブの配列および/またはプローブの長さによって決めることができる。そのような実施形態では、参照核酸(またはその一部)に特異的なプローブの全てに存在する検出可能な部分の総数と比較した、標的核酸(またはその一部)に特異的なプローブの全てに存在する検出可能な部分の総数に基づく標準化は、標的核酸の相対量の正確な比較を可能にする。様々な実施形態では、プローブスキームの詳細(例えば、用いられるプローブの総数、1プローブにつき検出可能な部分の数、用いられる各プローブのモル量などを含む)に従い、シグナル(またはシグナルの数的表示)の標準化が適宜用いられる。
本明細書に記載されるシグナルを分析するために、それらに限定されないが、GENEPLX PRO(商標)4.0.1.12ソフトウェア(Axon Instruments、USA)、Feature Extraction(Agilent)、Matlab(Mathworks)などを含む、当技術分野で公知である様々なソフトウェアプログラムのいずれでも用いることができる。
(実施例1)PCRによる単一分子増幅
妊婦からの血液を含有する生体標本からDNAを調製した。短い断片を生成するために、次にDNAを超音波処理によって剪断した(血漿中の胎児のDNAは既に短いので、この剪断工程は任意選択でよい)。全ての剪断されたDNA断片の各末端に、アダプターをライゲーションした。アダプターをライゲーションしたDNAを、ポリアクリルアミド溶液に希釈した。ポリメラーゼコロニー(ポロニーPCR)を形成する標準の調製技術の後に、ガラススライドの表面全体にDNA/ポリアクリルアミド溶液を散布した。数千から数百万の空間的に別個のポロニーを生むためにスライド全体に散布されるときにDNA分子を個々に分解することができるように、DNAの適当な希釈は経験的に決定することができる。ポリアクリルアミドが固化すると、ライゲーションされたアダプター配列に特異的なプライマーを有するPCR増幅試薬の溶液をスライドに注入した。次に、スライドはDNA断片を増幅する標準条件を用いるPCR熱サイクルを経、その結果対象の領域を含有するDNAのコロニーがもたらされた。
妊婦からの血液を含有する生体標本からDNAを調製した。短い断片を生成するために、次にDNAを超音波処理によって剪断した(血漿中の胎児のDNAは既に短いので、この剪断工程は任意選択でよい)。全ての剪断されたDNA断片の各末端に、アダプターをライゲーションした。アダプターをライゲーションしたDNAを、ポリアクリルアミド溶液に希釈した。ポリメラーゼコロニー(ポロニーPCR)を形成する標準の調製技術の後に、ガラススライドの表面全体にDNA/ポリアクリルアミド溶液を散布した。数千から数百万の空間的に別個のポロニーを生むためにスライド全体に散布されるときにDNA分子を個々に分解することができるように、DNAの適当な希釈は経験的に決定することができる。ポリアクリルアミドが固化すると、ライゲーションされたアダプター配列に特異的なプライマーを有するPCR増幅試薬の溶液をスライドに注入した。次に、スライドはDNA断片を増幅する標準条件を用いるPCR熱サイクルを経、その結果対象の領域を含有するDNAのコロニーがもたらされた。
(実施例2)ローリングサークル増幅による単一分子増幅
DNA試料を調製し、実施例1に記載の通りにアダプターでライゲーションした。アダプターのライゲーションの後、ライゲーションによって断片を環状にした。環状化DNAをポリアクリルアミド溶液に希釈し、実施例1に記載の通りにガラススライドの表面全体に散布した。数千から数百万の空間的に別個のポロニーを形成するためにスライド全体に散布されるときに環状化DNA分子を個々に分解することができるように、DNAを適当に希釈した。ポリアクリルアミドが固化すると、ローリングサークル増幅(RCA)試薬(ランダムな六量体およびPhi29または類似したポリメラーゼを含む)を含有する溶液をゲルに注入した。標準のRCA条件(およそ30℃で長時間、一般的に一晩または12時間)を用いて、増幅は進行した。
DNA試料を調製し、実施例1に記載の通りにアダプターでライゲーションした。アダプターのライゲーションの後、ライゲーションによって断片を環状にした。環状化DNAをポリアクリルアミド溶液に希釈し、実施例1に記載の通りにガラススライドの表面全体に散布した。数千から数百万の空間的に別個のポロニーを形成するためにスライド全体に散布されるときに環状化DNA分子を個々に分解することができるように、DNAを適当に希釈した。ポリアクリルアミドが固化すると、ローリングサークル増幅(RCA)試薬(ランダムな六量体およびPhi29または類似したポリメラーゼを含む)を含有する溶液をゲルに注入した。標準のRCA条件(およそ30℃で長時間、一般的に一晩または12時間)を用いて、増幅は進行した。
(実施例3)ブリッジPCRによる単一分子増幅
DNA試料を調製し、実施例1に記載の通りにアダプターでライゲーションした。アダプターのライゲーションの後、DNAをハイブリダイゼーション溶液に希釈し、アダプターを有するDNA分子をスライドの表面の捕捉プローブとハイブリダイズさせることができるように、ライゲーションされたアダプターに相補的な万能捕捉プローブでコーティングされたガラススライドの表面全体に散布した。ヌクレオチドおよびポリメラーゼ酵素を含有する溶液をスライドに加え、断片のクローン集団を生成するためにブリッジ増幅を実施した。
DNA試料を調製し、実施例1に記載の通りにアダプターでライゲーションした。アダプターのライゲーションの後、DNAをハイブリダイゼーション溶液に希釈し、アダプターを有するDNA分子をスライドの表面の捕捉プローブとハイブリダイズさせることができるように、ライゲーションされたアダプターに相補的な万能捕捉プローブでコーティングされたガラススライドの表面全体に散布した。ヌクレオチドおよびポリメラーゼ酵素を含有する溶液をスライドに加え、断片のクローン集団を生成するためにブリッジ増幅を実施した。
(実施例4)ハイブリダイゼーションおよび標的検出
スライド上のポリアクリルアミドゲルで増幅された試料については、標的染色体および参照染色体に特異的な蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブの溶液をスライドに注入した。標的は、21番、18番または13番染色体(または任意の他の疾患関連の染色体)上の遺伝子座または遺伝子座の組合せであってよく、参照は、1番、2番、6番、11番染色体または標的と異なる任意の他の染色体上の遺伝子座または遺伝子座の組合せであってよい。標的プローブのための蛍光標識は、参照プローブのために用いた標識と異なる色であった。例えば、標的プローブはCY3色素(緑色)で標識し、参照プローブはCY5(赤色)を用いて標識した。次に、プローブをそれらの相補的DNA標的と特異的にハイブリダイズさせる条件にスライドをさらした。次に、一連の洗浄を通して、ハイブリダイズしなかったプローブをスライドから洗い流した。
スライド上のポリアクリルアミドゲルで増幅された試料については、標的染色体および参照染色体に特異的な蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブの溶液をスライドに注入した。標的は、21番、18番または13番染色体(または任意の他の疾患関連の染色体)上の遺伝子座または遺伝子座の組合せであってよく、参照は、1番、2番、6番、11番染色体または標的と異なる任意の他の染色体上の遺伝子座または遺伝子座の組合せであってよい。標的プローブのための蛍光標識は、参照プローブのために用いた標識と異なる色であった。例えば、標的プローブはCY3色素(緑色)で標識し、参照プローブはCY5(赤色)を用いて標識した。次に、プローブをそれらの相補的DNA標的と特異的にハイブリダイズさせる条件にスライドをさらした。次に、一連の洗浄を通して、ハイブリダイズしなかったプローブをスライドから洗い流した。
あるいは、ブリッジPCRによって増幅された試料については、標的および参照染色体に特異的な蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブの溶液をスライド全体に散布し、それらの相補的DNA断片とハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションの後、ハイブリダイズしなかったプローブをスライドから洗い流した。
最後に、スライドを市販のレーザー走査器で画像化した。標的および参照染色体のハイブリダイゼーション事象の数を数えた。すなわち、いくつの緑および赤色ドットがスライドに存在するかを数える。これらの事象の比を計算して、コピー数の異常が標本に存在するか否かを決定した。
均等物および範囲
当業者は、通常の実験だけしか用いなくとも、本明細書に記載される特定の実施形態の多くの同等物を認識するか、確かめることができる。本発明の範囲は、上の記載に限定されるものではなく、むしろ添付の請求項に示される通りである。
当業者は、通常の実験だけしか用いなくとも、本明細書に記載される特定の実施形態の多くの同等物を認識するか、確かめることができる。本発明の範囲は、上の記載に限定されるものではなく、むしろ添付の請求項に示される通りである。
当業者は、通常の実験だけしか用いなくとも、本明細書に記載される発明による特定の実施形態の多くの均等物を認識するか、確かめることができる。本発明の範囲は、上の記載に限定されるものではなく、むしろ添付の請求項に示される通りである。
請求項では、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、特に明記しない限り、さもなければ文脈から明白でない限り、1つまたは複数を意味することができる。群の1つまたは複数のメンバー間で「または」を含む請求項または記載は、特に明記しない限り、さもなければ文脈から明白でない限り、群のメンバーの1つ、複数または全てが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、さもなければ関連する場合、満たされるとみなされる。本発明は、群の正確に1つのメンバーが所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、さもなければ関連する実施形態を含む。本発明は、群メンバーの複数または全てが所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されるか、さもなければ関連する実施形態を含む。さらに、記載される請求項の1つまたは複数からの1つまたは複数の制限、要素、項目、記述用語などが別の請求項に導入される全ての変形、組合せおよび転置を本発明が包含することを理解すべきである。例えば、別の請求項に依存するいかなる請求項も、同じ基礎請求項に従属する任意の他の請求項で見出される1つまたは複数の制限を含むように改変することができる。さらに、請求項が組成物を挙げる場合、特記されない限り、または矛盾もしくは不整合が起こることが当業者に明白でない限り、本明細書で開示される目的のいずれかのために組成物を用いる方法が含まれ、本明細書で開示される作製方法または当技術分野で公知である他の方法のいずれかによる組成物の作製方法が含まれることを理解すべきである。
要素が一覧で、例えばマルクーシュ群フォーマットで提示される場合、要素の各サブグループも開示され、かつ任意の要素(複数可)を群から除去することができることを理解すべきである。一般に、本発明、または本発明の態様が特定の要素、特徴などを含むと言及される場合、本発明の特定の実施形態または本発明の態様はそのような要素、特徴などからなるか、事実上なることを理解するべきである。簡潔さのために、それらの実施形態は、本明細書でhaec verbaで具体的に示されていない。用語「含む」はオープンであるものとされ、追加の要素または工程が含まれることを許す点にも注意される。
範囲が与えられる場合、終点が含まれる。さらに、特記されない限り、さもなければ文脈および当業者の理解から明白でない限り、範囲として表される値は、文脈が明らかに特記しない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで、本発明の異なる実施形態で明記される範囲内の任意の具体的な値またはサブレンジをとることができることを理解すべきである。
さらに、先行技術に入る本発明の任意の特定の実施形態は、請求項の任意の1つまたは複数から明示的に除外することができることを理解すべきである。そのような実施形態は当業者に公知であると考えられるので、その除外が本明細書で明示的に示されなくともそれらを除外することができる。本発明の組成物の任意の特定の実施形態(例えば、任意の細胞型;任意のニューロン細胞システム;シナプス小胞周期の任意のリポーター;任意の電気刺激システム;任意の画像化システム;任意のシナプス小胞周期アッセイ;任意のシナプス小胞サイクルモジュレーター;任意の使用方法;など)は、先行技術の存在に関連があるか否かを問わず、いかなる理由であれ任意の1つまたは複数の請求項から除外することができる。
参照の組込み
本出願で引用される全ての刊行物および特許文書は、各個々の刊行物または特許文書の内容が本明細書に組み込まれるかのように、参照により完全に組み込まれる。
本出願で引用される全ての刊行物および特許文書は、各個々の刊行物または特許文書の内容が本明細書に組み込まれるかのように、参照により完全に組み込まれる。
Claims (55)
- 生物学的試料中の標的核酸の相対量を決定する方法であって、
生物学的試料から得られたポリヌクレオチドを配置して、複数の反応部位を形成する工程であって、各反応部位は、平均して1つのポリヌクレオチドを含有する、工程と;
該複数の反応部位において該ポリヌクレオチドを増幅する工程と;
核酸ハイブリダイゼーションによって(i)標的核酸配列またはその一部を含有する第1の反応部位の第1の数、および(ii)参照核酸配列またはその一部を含有する第2の反応部位の第2の数を決定する工程と;
該第1の反応部位の該第1の数を該第2の反応部位の該第2の数と比較して、該生物学的試料中の該標的核酸の相対量を決定する工程と
を含む、方法。 - 生物学的試料中の標的核酸の相対量を決定する方法であって、
生物学的試料から得られたポリヌクレオチドを配置して、複数の増幅部位を形成する工程であって、各増幅部位は、平均して1つのポリヌクレオチドを含有する、工程と;
該複数の増幅部位においてポリヌクレオチドを増幅して増幅生成物を生成する工程と;
複数の検出部位において、該増幅生成物を、(i)標的核酸またはその一部、および(ii)参照核酸またはその一部に特異的な核酸プローブとハイブリダイズさせる工程であって、各検出部位は、平均して該増幅生成物からの1つのポリヌクレオチドを含有する、工程と;
(i)標的核酸またはその一部とハイブリダイズしたプローブを含有する第1の検出部位の第1の数、および(ii)参照核酸またはその一部とハイブリダイズしたプローブを含有する第2の検出部位の第2の数を決定する工程と;
該第1の検出部位の該第1の数を該第2の検出部位の該第2の数と比較して、該生物学的試料中の該標的核酸の相対量を決定する工程と
を含む、方法。 - 前記ハイブリダイズ工程の前に前記増幅生成物を収集する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記ハイブリダイズ工程がマイクロアレイで実行される、請求項3に記載の方法。
- 前記配置工程が固体、半固体および/または液体支持体を使用して実施される、請求項1に記載の方法。
- 前記配置工程が固体支持体上で実施される、請求項5に記載の方法。
- 前記固体支持体が、ガラス、光ファイバー、シリカ、マイクロチップ、プラスチック、ビーズ、バイオフィルム、セルロースからなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記配置工程がフローセル技術を使用する工程を含む、請求項6に記載の方法。
- 前記配置工程が、ゲルマトリックスの中で核酸分子の集合物を分配する工程を含む、請求項6に記載の方法。
- 前記配置工程が、核酸分子の集合物をエマルションビーズと混合する工程を含む、請求項6に記載の方法。
- 前記支持体が、個々のポリヌクレオチドを捕捉するための、該支持体に固定化された複数の捕捉部分を含む、請求項5に記載の方法。
- 前記捕捉部分が捕捉オリゴヌクレオチドを含む、請求項11に記載の方法。
- 請求項12に記載の方法であって、ここで、該方法は、前記ポリヌクレオチドを、個々のポリヌクレオチドが5’末端および3’末端にアダプター配列を含有するように最初に処理する工程をさらに含み、ここで、該アダプター配列は、固定化された該捕捉オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする、方法。
- 前記増幅工程がPCR反応を実施する工程を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記増幅工程がローリングサークル増幅を実施する工程を含む、請求項14に記載の方法。
- 前記標的核酸が標的染色体である、請求項1に記載の方法。
- 前記標的染色体が、X、Y、13番、18番または21番染色体から選択される、請求項16に記載の方法。
- 前記参照核酸が参照染色体である、請求項1に記載の方法。
- 前記参照染色体が、1番、X、Y、13番、18番または21番染色体である、請求項18に記載の方法。
- 前記標的核酸が変異を含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記変異が、SNP、欠失、挿入、重複およびその組合せからなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
- 前記生物学的試料が過剰量または過少量の前記標的核酸を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記生物学的試料が異数性染色体を含む、請求項22に記載の方法。
- 前記標的核酸またはその一部に特異的な前記核酸プローブが、単一の遺伝子座に特異的である、請求項2に記載の方法。
- 前記標的核酸またはその一部に特異的な前記核酸プローブが、複数の遺伝子座に特異的である、請求項2に記載の方法。
- 前記標的核酸またはその一部に特異的な前記核酸プローブが多重化されている、請求項2に記載の方法。
- 前記多重化プローブが2〜10,000個のプローブを含む、請求項26に記載の方法。
- 前記標的核酸またはその一部に特異的な前記多重化プローブが500個のプローブを含む、請求項27に記載の方法。
- 前記参照核酸またはその一部に特異的な前記核酸プローブが、単一の遺伝子座に特異的である、請求項2に記載の方法。
- 前記標的核酸またはその一部に特異的な前記核酸プローブが、複数の遺伝子座に特異的である、請求項2に記載の方法。
- 前記参照核酸またはその一部に特異的な前記核酸プローブが多重化されている、請求項2に記載の方法。
- 前記多重化プローブが2〜10,000個のプローブを含む、請求項31に記載の方法。
- 前記参照核酸またはその一部に特異的な前記多重化プローブが500個のプローブを含む、請求項31に記載の方法。
- 前記標的核酸またはその一部に特異的な前記プローブ、および前記参照核酸またはその一部に特異的な前記プローブが、示差的に検出可能なシグナルで標識される、請求項2に記載の方法。
- 前記示差的に検出可能なシグナルが異なる光学的シグナルである、請求項34に記載の方法。
- 前記異なる光学的シグナルが、別個の蛍光性または発光性のシグナルである、請求項35に記載の方法。
- 前記決定工程が、前記標的核酸の相対的なコピー数を決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記標的核酸の相対的なコピー数を決定する工程が、
(a)バックグラウンドシグナルに対して標準化された、該標的核酸またはその一部を含有する前記検出部位の前記第1の数を示す第1の蛍光性シグナルレベルを決定する工程と;
(b)バックグラウンドシグナルに対して標準化された、前記参照核酸またはその一部を含有する前記検出部位の前記第2の数を示す第2の蛍光性シグナルレベルを決定する工程と;
(c)該第1の蛍光性シグナルレベル対該第2の蛍光性シグナルレベルの比を決定する工程と;
(d)工程(c)で決定された比を、該標的核酸に特異的なプローブの数と該参照核酸に特異的なプローブの数との間の比に対して標準化することによって、該標的核酸の相対的なコピー数を決定する工程と
を含む、請求項37に記載の方法。 - 前記生物学的試料から得られた前記ポリヌクレオチドが、1ゲノム当量未満の量のゲノムDNAを含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記増幅生成物が、所定レベルのゲノム当量の増幅ゲノムDNAを含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記生物学的試料から得られた前記ポリヌクレオチドの1%未満が前記標的核酸に相当する、請求項1に記載の方法。
- 前記生物学的試料から得られた前記ポリヌクレオチドの0.1%未満が前記標的核酸に相当する、請求項1に記載の方法。
- 前記生物学的試料から得られた前記ポリヌクレオチドの100万分の1未満が前記標的核酸に相当する、請求項1に記載の方法。
- 前記生物学的試料から得られた前記ポリヌクレオチドの1000万分の1未満が前記標的核酸に相当する、請求項1に記載の方法。
- 前記標的核酸が胎児細胞に由来する、請求項1に記載の方法。
- 前記標的核酸が胎児の染色体を含む、請求項45に記載の方法。
- 前記標的核酸が病的細胞に由来する、請求項1に記載の方法。
- 前記病的細胞ががん細胞である、請求項47に記載の方法。
- 前記配置工程の前に全ゲノム増幅の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記標的核酸の相対量が対照と比較して異常であるか否か決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 疾患、障害もしくは状態、またはそのキャリアであって、前記標的核酸の異常な量と関連する、疾患、障害もしくは状態、またはそのキャリアを検出するために用いられる、請求項1に記載の方法。
- 胎児異数性の出生前診断のために使用される、請求項1に記載の方法。
- 前記生物学的試料が、細胞、組織、全血、血漿、血清、尿、大便、唾液、臍帯血、漿膜絨毛試料、漿膜絨毛試料培養物、羊水、羊水培養物、経子宮頚部洗浄液およびその組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 生物学的試料中の標的核酸を検出するための方法であって、
該生物学的試料から得られたポリヌクレオチドを配置して、複数の反応部位を形成する工程であって、各反応部位は平均して1つのポリヌクレオチドを含有する、工程と;
該複数の反応部位において該ポリヌクレオチドを増幅して、複数のクラスターを生成する工程であって、ここで、各クラスターは増幅核酸生成物を含有する、工程と;
該標的核酸に特異的な1つまたは複数のプローブを使用するハイブリダイゼーションによって該標的核酸またはその一部を含有するクラスターまたは反応部位を検出して、該生物学的試料中の該標的核酸を検出する工程と
を含む、方法。 - 標的核酸の相対量を決定するためのシステムであって、
複数の増幅部位上のポリヌクレオチドを増幅して、増幅生成物を生成する手段と;
該増幅生成物と、標的核酸またはその一部に特異的である第1の検出可能なシグナルで標識されたプローブおよび参照核酸またはその一部に特異的である第2の検出可能なシグナルで標識されたプローブとのハイブリダイゼーションを実行する手段と;
(i)該第1の検出可能なシグナルのレベルを決定するように、および(ii)該第2の検出可能なシグナルのレベルを決定するように適合された決定モジュールと;
(iii)該決定モジュールからのシグナル情報、ならびに(iv)使用者によって提供される情報であって、該標的核酸またはその一部に特異的な該プローブの数および該参照核酸またはその一部に特異的な該プローブの数を示す、情報を記憶するように構成された記憶デバイスと;
(v)該第1の検出可能なシグナルのレベル対該第2の検出可能なシグナルのレベルの比を計算するように、および(vi)該シグナルレベルの比を、該標的核酸またはその一部に特異的な該プローブの数と該参照核酸またはその一部に特異的な該プローブの数との間の比に対して標準化することによって、該標的核酸の相対量を決定するように適合された計算モジュールと
を含む、システム。
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