JP2013526274A - 分類学的階層分類を用いる微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション - Google Patents

分類学的階層分類を用いる微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション Download PDF

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Abstract

試料内に存在する微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション方法は微生物因子から分析試験データ(例えば発光波長範囲に亘る自家蛍光値)を取得するステップを含む。分析試験データを変換処理して微生物群内の株間変動を最小にする。プログラムされたコンピュータの助けを借りて、一組の処理命令としてコード化されたマルチレベル分類アルゴリズムを前記変換された分析試験データに対して実行する。そのマルチレベルは前記試料内の被検微生物因子に対する分類階層の異なるレベルに対応する。

Description

関連出願の相互参照
本発明は以下の米国特許出願に関連し、その内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
(1)米国特許出願番号12/589,929号、タイトル「Methods for the isolation and identification of microorganisms」、2009年10月30日出願
(2)米国特許出願番号12/589,969号、タイトル「Separation device for use in the separation, identification and/or characterization of microorganisms」、2009年10月30日出願
(3)米国特許出願番号12/589,952号、タイトル「Methods for separation, identification and/or characterization of microorganisms」、2009年10月30日出願
(4)米国特許出願番号12/589,936号、タイトル「Methods for separation, identification and/or characterization of microorganisms using mass spectrometry」、2009年10月30日出願
(5)米国特許出願番号12/589,985号、タイトル「Methods for separation and characterization of microorganisms using identifier agents」、2009年10月30日出願
(6)米国特許出願番号12/589,968号、タイトル「Methods for separation, identification and/or characterization of microorganisms in a sealed container」、2009年10月30日出願
(7)米国特許出願番号12/589,976号、タイトル「Methods for separation, identification and/or characterization of microorganisms using Raman spectroscopy」、2009年10月30日出願
本発明は、本出願と同日に出願された以下の出願にも関連し、その内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
(8)出願人整理番号09−271−B、タイトル「System for rapid identification and/or characterization of a microbial agent in a sample」、米国特許出願番号 号、2010年5月14日出願
(9)出願人整理番号09−271−A、タイトル「Method for rapid identification and/or characterization of a microbial agent in a sample」、米国特許出願番号 号、2010年5月14日出願
連邦政府による資金提供を受けた研究開発
不適用
本発明は、試料容器に保存された血液又は他の生物試料などの試料内に存在する微生物因子を自動的にキャラクタリゼーション及び/又は同定する方法の分野に関する。一例として、本発明の方法は微生物因子のグラマンタイプ(陽性又は陰性)、形態、種又は他の関連臨床情報に関する情報を迅速に自動的に提供するものである。
現在、米国市場には血液試料内の微生物因子の成長及びその存在を検出する装置が存在する。このような装置の一つは本発明の譲受人であるビオメリュー社のBacT/ALERT 3D装置である。この装置は、例えば人間の患者からの血液試料を含む血液培養ボトルを受け取る。この装置はボトルを培養する。培養中、培養器内の光学検出ユニットがボトルに内蔵された熱量センサを周期的に分析して微生物成長がボトル内で生じたかどうかを決定する。光学検出ユニット、試料容器及びセンサは特許文献、例えば特許文献1〜7に開示され、これらの各特許文献の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。微生物試料内の微生物の検出に一般的に関する他の先行技術文献として、特許文献8〜17がある。
Bact/ALERT 3Dのような検出装置及び同様の装置においては、血液培養ボトルが微生物の存在検査に対して一旦陽性となると、血液成分の干渉及び試料を含む使い捨てシステム(例えばボトル)のアーチファクトのために微生物因子の高レベルのキャラクタリゼーション又は微生物因子の種の同定を得ることは難しい。それゆえ、現在の方法は、上述したような試料中の微生物の自然な成長及び検出のためのボトル又は他の適切な使い捨て容器及び関連装置を使用する。現在の方法によれば、装置がボトルは微生物因子の存在検査に対して陽性であることを指示すると、「陽性」ボトルは装置から手動的に取り出され、そのボトルから試料の一部分が手動的に取り出され、寒天プレートの上で培養される。当該技術分野には培養プレート上の試料培地のストリーキング及びプレートの培養を自動化した装置が存在する。このような装置は特許文献19に記載されている。ストリーキング後に、培養プレートは培養装置内に自動的に置かれ、微生物の継代培養の成長について周期的に検査される。継代培養が十分に成長した後に、培養プレートから培養物の試料が取り出され、試験管に入れられる。次に試験管は多数の個別のウェルを有する使い捨て試験試料カードによって同定試験のための更に別の装置に導入される。使い捨て試験カードは特許文献から既知である(例えば、特許文献20〜33参照)。これらの特許文献の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
試験試料カードは次に本譲受人のVITEK2として当技術分野で知られている分析装置で処理される。VITEK2装置は培養とともに読取り装置で試験試料カードのウェルを周期的に読み取る。カードの1つ以上のウェル内の試料の成長は微生物因子の同定をもたらす。VITEK2装置は特許文献に記載されている(例えば、特許文献34及び35参照)。これらの特許文献の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
試料を血液収集ボトルに導入する時点から、微生物の存在を検出し、次いでVITEK2装置により微生物を同定するまでの全プロセスは一般的に2〜5日を要する。陽性ボトルの検出後の同定ステップだけでこれらの日数のうちの1〜3日を占めるのが一般的である。
血液試料内の微生物因子を検出及び同定し、その結果を臨床医学士に報告するのに要する時間を2〜5日から1日以下に減少できれば、患者に大きな潜在的救命及び臨床的恩恵を与えることが可能になる。本明細書は分類学的階層類方法を用いて血液試料などの生体試料中の微生物因子を迅速に同定及び/又はキャラクタリゼーションする方法を開示する。
米国特許第4,945,060号明細書 米国特許第5,094,955号明細書 米国特許第5,162,229号明細書 米国特許第5,164,796号明細書 米国特許第5,217,876号明細書 米国特許第5,795,773号明細書 米国特許第5,856,175号明細書 米国特許第5,770,394号明細書 米国特許第5,518,923号明細書 米国特許第5,498,543号明細書 米国特許第5,432,061号明細書 米国特許第5,371,016号明細書 米国特許第5,397,709号明細書 米国特許第5,344,417号明細書 米国特許第5,374,264号明細書 米国特許第6,709,857号明細書 米国特許第7,211,430号明細書 米国特許第6,617,146号明細書 米国特許第4,118,280号明細書 米国特許第3,963,355号明細書 米国特許第4,018,65号明細書 米国特許第4,116,775号明細書 米国特許第4,038,151号明細書 米国特許第5,609,828号明細書 米国特許第5,746,980号明細書 米国特許第5,766,553号明細書 米国特許第5,843,380号明細書 米国特許第5,869,005号明細書 米国特許第5,916,812号明細書 米国特許第5,932,177号明細書 米国特許第5,951,952号明細書 米国特許第6,045,758号明細書 米国特許第5,762,873号明細書 米国特許第6,086,824号明細書
第1の態様においては、試料内に存在する微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション方法が記載される。本方法は、微生物因子から発光波長の範囲に亘って自家蛍光値を得るステップを含む。蛍光値は複数の励起波長で得られる。自家蛍光測定値は変換処理を受け、それによって微生物群内の自家蛍光測定値の株間変動を最小にすることができる。変換処理の例には、自然対数変換及び一次導関数処理がある。本方法は、プログラムされたコンピュータの助けを借りて、変換された自家蛍光測定値を処理する一組の処理命令としてコード化されたマルチレベル(多層)分類アルゴリズムを実行するステップを含む。マルチレベル(多層)は試料内の被検微生物因子に対する分類階層の異なるレベル(層)に対応する。
一実施形態では、マルチレベル分類アルゴリズムは分類階層の高いレベルから低いレベルへ単調に順に進む。例えば、マルチレベル分類アルゴリズムは微生物因子を最初にグラムクラスで、次に科で、次に種で順に分類する。
一実施形態では、マルチレベル分類アルゴリズムは、アルゴリズムの各レベルに対して、(a)所定の一組の励起/発光対に対する変換された蛍光値及び共分散行列の逆行列に対して距離計算を実行するステップ、(b)距離計算の結果と最小距離閾値及び低弁別閾値を用いて分類解釈を実行するステップ、及び(c)分類結果を発生するステップを含む。前記所定の一組の励起/発光対は、励起及び発光値の範囲における既知の微生物因子からの自家蛍光測定値から得られ、前記所定の一組の励起/発光対は異なる微生物因子を区別する能力のために選択される。
別の態様においては、試料内に存在する微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション方法が記載され、本方法は、自家蛍光測定値を励起及び発光値の範囲に亘って既知の微生物因子から実験的に所得し、これらの測定値から異なる微生物因子を区別するそれらの能力ための一組の励起/発光対を選択するステップ、前記一組の励起/発光対において未知の微生物因子から自家蛍光測定値を取得するステップ、前記未知の微生物因子からの自家蛍光測定値を変換して微生物群内の株間変動を最小にするステップ、及び変換された自家蛍光測定値及び前記既知の微生物因子から実験的に取得された自家蛍光測定値を用いて前記未知の微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーションを、分類アルゴリズムを実行するプログラムドコンピュータによって実行するステップを備える。
好適実施形態では、前記分類アルゴリズムは変換された自家蛍光測定値を処理する一組の処理命令としてコード化されたマルチレベル分類アルゴリズムを含み、これらの多数のレベルは試料内の懸濁微生物因子に対する分類階層内の異なるレベルに対応する。
前記方法は一般に微生物因子及び使用に適用可能である。一つの可能な実施においては、試料は人間又は動物の血液の試料であり、微生物因子は血液中に存在する媒介物(細菌)である。
前記分類学的階層分類方法は微生物蛍光データ以外の異なる分析データとともに使用することができる。本開示を要約すると、試料内に存在する微生物因子の高速同定及び/又はキャラクタリゼーション方法が開示され、この方法は、微生物因子の解析試験データ(例えば質量分光分析又はロマン散乱データ)を取得するステップ、分析試験データを変換して微生物群内における分析試験データの株間変動を最小にするステップ、及び分析試験データを処理する一組の処理命令としてコード化されたマルチレベル分類アルゴリズム(その多数のレベルは使用内の懸濁微生物因子に対する階層制度の異なるレベルに対応する)を実行するステップを備える。
更に別の態様においては、試料内に存在する微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション方法が記載され、本方法は、既知の微生物因子から分析試験データを実験的に所得し、このような試験データから、異なる微生物因子を区別する能力ための試験データのサブセットを選択するステップ、前記サブセットの分析試験データと関連する未知の微生物因子から分析試験データを取得するステップ、前記未知の微生物因子からの分析試験データを変換して微生物群内における自家蛍光測定値の株間変動を最小にするステップ、及び変換された分析試験データ及び前記既知の微生物因子から実験的に取得された分析試験データを用いて前記未知の微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーションを、分類アルゴリズム実行するプログラムドコンピュータによって実行するステップを備える。
本発明の方法を使用し得る測定装置の概略図である。 自家蛍光測定値を使って、濃縮された微生物因子の同定および/またはキャラクタリゼーションを行う一連の処理命令を示すフローチャートである。 自家蛍光測定値を使って、濃縮された微生物因子の同定および/またはキャラクタリゼーションを行う一連の処理命令を示すフローチャートである。 自家蛍光測定値を使って、濃縮された微生物因子の同定および/またはキャラクタリゼーションを行う一連の処理命令を示すフローチャートである。 自家蛍光(IF)測定値及びその変換値のプロットであり、微生物群内の株間の変動を最小にする点に関して図2Aの前処理命令が有益であることを示す。 自家蛍光(IF)測定値及びその変換値のプロットであり、微生物群内の株間の変動を最小にする点に関して図2Aの前処理命令が有益であることを示す。 自家蛍光(IF)測定値及びその変換値のプロットであり、微生物群内の株間の変動を最小にする点に関して図2Aの前処理命令が有益であることを示す。 自家蛍光(IF)測定値及びその変換値のプロットであり、微生物群内の株間の変動を最小にする点に関して図2Aの前処理命令が有益であることを示す。 自家蛍光(IF)測定値及びその変換値のプロットであり、微生物群内の株間の変動を最小にする点に関して図2Aの前処理命令が有益であることを示す。 自家蛍光(IF)測定値及びその変換値のプロットであり、微生物群内の株間の変動を最小にする点に関して図2Aの前処理命令が有益であることを示す。 励起波長315nmに対するIF測定値の自然対数変換値の一次導関数のプロットであり、一部の種間の識別可能性を示す。 励起波長415nmに対するIF測定値の自然対数変換値の一次導関数のプロットであり、一部の種間の識別可能性を示す。
本発明による微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション方法をここに記載する。好適実施形態では、同定及び/又はキャラクタリゼーションは試料内の他の成分から分離された濃縮された微生物因子に対して実行される。本方法は、濃縮された微生物因子が微生物因子の分離及び濃縮に使用される使い捨て装置に保存されている間に実行することができる。或いは、微生物因子が使い捨て装置から取り除かれた後に実行することもできる。試料、例えば血液内の微生物因子を分離及び濃縮する方法、器具及び装置の例は同時継続出願第 号、発明の名称「System for rapid identification and/or characterization of a microbial agent in a sample」(代理人整理番号09-271-B)に記載されており、その内容は参照することにより本明細書に援用される。このような方法、器具及び装置は本発明の方法に特に重要であるわけではないため、その詳細な説明は本開示を不明瞭にしないようにここに記載しない。
先ず、検出構成及び使い捨て装置の一つの代表的な例を図1と関連して記載する。図1は本発明の方法を使用することができる測定装置の概略図である。この測定装置は使い捨て分離濃縮装置10を含み、この装置には未知の微生物因子を含む試料14が入れられる。微生物因子は、任意選択である試料中の非微生物成分(例えば血液細胞)の選択的溶解、装置10内に存在する密度勾配及び遠心分離を用いて、ペレット状塊12に濃縮される。密度勾配及び遠心分離によって装置10内に存在する毛細管15の底部に微生物因子が濃縮される。
測定装置は、微生物因子12から自家蛍光の発生を刺激するために励起波長光18を発生する光源16を含む。発光放射20はセンサアレイ22に向けられ、センサアレイ22は分光計24に随意に結合される。ある波長帯内の蛍光放射データがコンピュータ26に送られる。コンピュータ26は、プログラムコード(図2A−2Cに示す一連の処理命令を実行するコードを含む)、モジュールに使用される定数及び予想される微生物因子のリスト及び特定の励起/発光対について実験的に得られた蛍光データ(これらのデータは以下で説明するように微生物同士を弁別し得る)を記憶するメモリ30に結合される。コンピュータ26はメモリ30に記憶された情報及びデータを用いてデータを処理し、分類結果を発生し、その結果は付属のワークステーションディスプレイ28又は他の適切な出力装置に表示されるが、それらの詳細は重要ではない。
分離、濃縮及びインタロゲーション方法は以下の出願に更に詳細に記載されており、それらの内容は参照することにより本明細書に援用される(米国特許出願第12/589,929号、タイトル「Methods for the isolation and identification of microorganisms」、2009年10月30日出願;米国特許出願第12/589,969号、タイトル「Separation device for use in the separation, identification and/or characterization of microorganisms”、2009年10月30日出願;米国特許出願第12/589,952号、タイトル「Methods for separation, identification and/or characterization of microorganisms using spectroscopy」、2009年10月30日出願; 米国特許出願第12/589,936号、タイトル「Methods for separation, identification and/or characterization of microorganisms using mass spectroscopy」、2009年10月30日出願; 米国特許出願第12/589,985号、タイトル「Methods for separation and characterization of microorganisms identifier agent」、2009年10月30日出願; 米国特許出願第12/589,968号、タイトル「Methods for detection, identification and/or characterization in a scaled container」、2009年10月30日出願; 米国特許出願第12/589,976号、タイトル「Methods for separation, identification and/or characterization of microorganisms using Raman spectroscopy」、2009年10月30日出願)。本発明の方法はこれらの技術に限定されない。
試料内に存在する微生物又は他の微生物因子が分離装置10において分離及び/又はペレット化されると、分離された試料又はペレットは、試料又はペレット内の微生物をキャラクタリゼーション又は同定するために、以下に説明するように(例えば自家蛍光測定を用いて分光分析的に)インタロゲートされる。インタロゲーションは非侵襲式に行うことができる。即ち、パレットを微生物因子の分離濃縮に使用される装置10に入れたままの状態でインタロゲートすることができる。微生物を非侵襲式に同定する能力を、分離及びキャラクタリゼーション/同定プロセスの間中装置10を密封状態に維持するとともにそのプロシージャを自動化する技術と必要に応じ組み合わせると、汚染された試料及び/又は感染性試料の頻繁なハンドリングを避けられ、全プロセスの安全性が大幅に増大する。更に、試料又はペレット12の更なる処理(例えば、再懸濁、プレイティング及びコロニーの成長)を行うことなく微生物をキャラクタリゼーション及び/又は同定する能力は同定/キャラクタリゼーションの実行速度を大幅に増大する。
一実施形態では、微生物の一以上の内因性特性、例えば微生物内に存在する特性を染料や結合剤などの追加の薬剤なしで分析するために、分光分析法を使用する。他の実施形態では、微生物の一以上の外因性特性、例えば追加の同定剤の助けを借りてのみ検出できる特性を分析するために分光分析法を使用することができる。好適例ではインタロゲーションは蛍光分光分析法を用いて実行される。例えば、前面蛍光をペレット内の微生物の同定のために使用することができる(この場合、励起及び放射光は同じ光学表面に入射及び射出し、試料が全体的に光学的に厚い場合、励起光は試料内に極めて小距離だけ侵入する(例えば、Eisinger, J., and J. Flores, “Front-face fluorometry of liquid samples”, Anal. Biochem. 94:15(1983)参照)。
典型的には、光源16又は励起光源は試料の励起を生じ、続いて所定の時点又は連続的に試料の蛍光放射20の測定が行われる。同様に、励起光と試料との相互作用による反射光を測定して同定及び/又はキャラクタリゼーションに関連するデータを得ることができる。試料からの放射は任意の適切なスペクトル弁別手段によって、最も好ましくはスペクトロメータ24によって測定することができる。
現在の好ましい実施形態では、対照測定値(例えば蛍光スペクトル)がメモリ30に記憶されている既知の微生物及びデータに対して取得されるので、当業者に既知の種々の数学的方法を用いて、測定対照データを関心微生物の特徴と相関することが可能になる。既知の微生物からの測定試験データは、本方法を実行する装置内にあるか接続されたワークステーションなどの関連データ処理装置内にある機械読み取り可能なメモリ30に記憶される。これらの方法は、微生物のモニタリング、検出及び/又はキャラクタリゼーションシステムを先述したように設計すると、試験中の試料内の関心のある未知の微生物を既存の学名に基づいて関連する群(例えば種)に分類する、又は微生物の代謝、病原性及び/又は毒性に基づいて自然発生群に分類するのに使用することができる
試料照明源(図1参照)又は励起源16は当業者に知られている多数の適切な光源から選択することができる。有用なデータを発生する電磁スペクトルの任意の部分を使用することができる。紫外、可視及び/又は近赤外スペクトル並びに電磁スペクトルの他の部分で放射し得る光源を使用することができ、これらの光源は当業者に知られている。例えば、光源は紫外光を発生する重水素又はキセノンアーク放電管及び/又は可視/近赤外励起光を発生するタングステンハロゲンランプなどの連続スペクトルランプとすることができる。これらの光源は広い放射帯域を与えるが、特定の励起波長のためのスペクトル帯域幅は、当該技術分野において周知のように、光学干渉フィルタ、プリズム及び/又は光学格子を用いて減少させることができる。
その代わりに、発光ダイオード及び/又はレーザなどの複数の狭帯域光源を空間的に及び/又は一時的に多重して多重波長励起光源を提供することもできる。例えば、発光ダイオードは240nmから900nmを超える波長を利用でき、これらの光源は20〜40nm(半値全幅)を有する。レーザは紫外域から赤外域に至る離散波長で利用可能であり、当業者に周知の多重方法を用いて利用することができる。
任意の光源のスペクトル選択性は走査モノクロメータなどの空間スペクトル弁別手段を用いて改善することができる。当業者に既知の他の弁別方法を利用することもでき、例えば音響光学チューナブルフィルタ、液晶チューナブルフィルタ、光学干渉フィルタアレイ、プリズム分光器等、およびそれらの任意の組合せを利用することができる。スペクトル弁別器を選択する際は同調性範囲および選択性レベルを考慮に入れる。例示として、例えば弁別器は10nmの選択性で300〜800nmの波長範囲を利用することができる。これらのパラメータは一般に同調性範囲および選択性を達成するのに必要な最適技術を決定する。
光源16からの照明光が試料を励起した後、試料の蛍光放射を所定の時点または連続的に測定する。同様に、励起源と試料の相互作用に由来する反射光を測定して検出および/またはキャラクタリゼーションに関連するデータを得ることができる。
試料からの放射は任意の適切なスペクトル弁別手段により、最も好ましくはスペクトロメータを利用して測定することができる。スペクトロメータは、特定の発光波長を検出する走査モノクロメータとし、モノクロメータからの出力を光電子増倍管で検出する及び/又はスペクトロメータを撮像分光器として構成し、その出力を電荷結合素子(CCD)検出器アレイのような撮像検出器アレイによって検出することができる。一実施形態では、弁別器を用いることにより光検出手段(例えば光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、CCD検出器アレイおよび/または電子増倍電荷結合素子(EMCCD)検出器アレイ)による蛍光および/または散乱信号の観察が可能となる。
分光技法を使用して、好ましくは励起−発光マトリクス(EEM)測定値として提供される測定値を取得する。本明細書で使用するEEMは、蛍光物質の発光スペクトル放射強度は励起波長と発光波長の両方の関数であると定義し、全波長域またはその一部分を含み、該一部分は単一または複数の励起/発光対を含むことができる。更に、固定の励起波長を有するEEMの断面を使用して特定の励起波長に対する発光スペクトルを示すことができ、固定の発光波長を有するEEMの断面を使用して試料に対する励起スペクトルを示すこともできる。一実施形態では、複数のEEMを2つ以上の特定の励起‐発光波長対、例えば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の特定の励起‐発光波長対で測定する。
前面蛍光分光法は散乱性および消光性の高い試料の蛍光および/または反射特性を測定する際に利点をもたらすことが分かった。一実施形態では、前面法が特に有用である可能性がある。例えば、前面蛍光は特に吸光性の高い試料に有用である可能性がある。というのも、励起および発光ビームは必ずしも試料の大部分を通過する必要がなく、したがって試料内に含まれる可能性がある干渉成分(例えば血球および微生物培養基)から受ける影響が小さくなる可能性があるためである。当業者に知られるように、分離装置の光学面は許容可能な結果がもたらされるような角度で照明することができる(例えば、Eisinger, J., and J. Flores, "Front-face fluorometry of liquid samples," Anal. Biochem. 94:15-21 (1983)参照)。一実施形態では、システムは、分光システムが放出された蛍光を少なくとも1つの固定角度で測定するのに加えて拡散反射光を少なくとも1つの固定角度で測定するように設計される。
いくつかの実施形態では、単離試料またはペレット中の微生物のキャラクタリゼーションおよび/または同定において必ずしも正確な種の同定を行う必要はない。キャラクタリゼーションは、生物学的粒子の広範なカテゴリ分けまたは分類だけでなく単一の種の実際の同定も包含する。単離試料またはペレットに由来する微生物の分類は、微生物の表現型の特徴および/または形態学的特徴の決定を含むことができる。例えば、生物学的粒子のキャラクタリゼーションは組成、形状、サイズ、クラスタリングおよび/または代謝などの観察可能な差異に基づいて達成することができる。いくつかの実施形態では、関心のある生物学的粒子の分類に、所定の生物学的粒子の特徴に関する予備知識を必要としないで、経験的測定値との整合性のある相関を必要とするのみである。このため、本方法は特定の結合事象または代謝反応に基づく方法よりも汎用性が高く、容易に適合可能である。本明細書で使用する「同定」とは、未知の微生物がどの科、属、種および/または株に属するのか決定すること、例えば未知の微生物を科、属、種および/または株レベルで同定することを意味する。
いくつかの例において、キャラクタリゼーションはアクションを起こすのに十分有用な情報をもたらす分類モデルを包含する。本明細書で使用する好ましい分類モデルは、(1)グラム群、(2)臨床グラム群、(3)治療群、(4)機能群、および(5)自然自家蛍光群のうちの1つまたは複数の群への分類を含む。
(1)グラム群:このグラム群分類では、各微生物をそれぞれのグラム染色反応および全体のサイズに基づいて3つの広い分類カテゴリのうちの1つに含めることができる。前記群は下記のうちの1つまたは複数から選択される。(a)グラム染色で紺青色に染色するグラム陽性微生物、(b)グラム染色で赤に染色するグラム陰性微生物および(c)グラム染色で紺青色に染色するが、形態学的特徴およびサイズによってバクテリアと区別される非常に大きい円形細胞であるイースト細胞。
(2)臨床グラム群:このグラム群は形態学的特徴によって区別されるいくつかのサブカテゴリに更に分割することができる。これらのサブカテゴリは熟練した研究室技術者から報告される臨床的に意義のある情報をすべて含むため、陽性または陰性グラム反応よりも高いレベルの同定を実現する。この特定の分類は下記の理由で非常に有用である。すなわち、グラム染色の品質および/またはスミアを読み取る技術者の技術レベルに左右される懸念が、等価な臨床的に意義のある情報を自動システムで提供することによって解消されるからである。より詳細には、この分類モデルに基づく微生物のサブカテゴリは下記のうちの1つまたは複数から選択することができる:(a)球菌(小さい円形細胞)、(b)双球菌(互いに結合した2つの小さい円形細胞)、(c)矩形の桿菌および(d)桿状の桿菌。付加的な形態学的情報によって確認可能なサブカテゴリの例としては下記が挙げられる:(i)グラム陽性球菌、(ii)鎖状のグラム陽性球菌、(iii)房状(すなわち「ブドウのような」房状)のグラム陽性球菌、(iv)グラム陽性双球菌、(v)グラム陽性桿菌、(vi)内生胞子を含むグラム陽性桿菌、(vii)グラム陰性桿菌、(viii)グラム陰性球桿菌、(ix)グラム陰性双球菌、(x)イーストおよび(xi)糸状の菌類。
(3)治療群:治療群は、特定の標本タイプから単離したときに同じクラスの抗生物質または抗生物質の混合物(例えば「Sanford Guide to Antimicrobial Therapy 2008」参照)で処置される複数の微生物種を含む。多くの場合、臨床医が初期の経験的治療から標的療法へ変化させるのに種レベルまでの同定は必要ない。というのも、2つ以上の種を1つ(または複数)の同じ抗生物質で処置することができるからである。この分類レベルはこれらの「同じ処置の」微生物を単一の治療カテゴリに適宜含める。このキャラクタリゼーションレベルの例としては、高度耐性腸内細菌(EB)種と感受性EB種(エンテロバクターと大腸菌)を区別する能力、またはフルコナゾール耐性カンジダ種(グラブラータおよびクルセイ)と感受性カンジダ種(アルビカンス及びパラプシローシス)を区別する能力などがある。
(4)機能群:本発明によれば、微生物を代謝、毒性および/または表現型特徴の組合せに基づくいくつかの群に分類することもできる。非発酵性の有機体を発酵性の有機体と明確に区別することができる。更に、溶血素を生成する微生物種を非溶血性種と別々に分類することができる。場合によっては、これらの群は属レベル(例えば大腸菌、グラム陰性の非発酵性桿菌)よりも広いカテゴリ、即ち属レベル(例えば腸球菌属、カンジダ属)及び種に近いレベル(例えばコアグラーゼ陰性ブドウ球菌、α溶連菌、β溶連菌、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌すなわち黄色ブドウ球菌を表す。
(5)自然自家蛍光(Intrinsic Fluorescence(「IF」))群:微生物はそれらの固有および/または自家蛍光特徴によるそれらの自然なグループ化傾向に基づきカテゴリに分類することもできる。これらの群のいくつかは治療群および機能群のカテゴリに共通とすることができる。これらの分類は、特徴的なIFシグネチャを有するフェカリス菌、化膿性連鎖球菌、緑膿菌などの個別の種及び/又は肺炎桿菌、肺炎病原菌、エンテロバクター・エロゲネス又はエンテロバクター・クロアカ群などの比較的保存的なIFシグネチャを有する微生物の小さな群を含むことができる。
同定のための微生物の固有特性(自家蛍光等)の測定に加えて、本発明の方法は更に、分離および/または同定プロセスに役立つ付加的な同定剤を使用することができる。親和性リガンドのような特定の微生物と結合する薬剤を使用することにより、微生物の分離、微生物のクラスまたは種の同定(例えばユニークな表面タンパク質または受容体との結合による)、および/または微生物の特徴(例えば抗生物質耐性)の同定を行うことができる。有用な同定剤としては、以下のものに限定されないが、単クローン性抗体および多クローン性抗体ならびにそれらの残留物(例えば、黄色ブドウ球菌同定のための抗細胞外接着タンパク質)、核酸プローブ、抗生物質(例えば、ペニシリン、バンコマイシン、ポリミキシンB)、アプタマー、ペプチド模倣薬、ファージ由来の結合タンパク質、レクチン、宿主先天性免疫バイオマーカー(急性期タンパク質、LPS結合タンパク質、CD14、マンノース結合レクチン、Toll様受容体)、宿主防御ペプチド(例えば、デフェンシン、カテリシジン、プロテグリン、マガイニン)、バクテリオシン(例えば、ランチビオティックスで、例えば、ナイシン、メルサシジン、エピデルミン、ガリデルミンおよびプランタリシンCならびにクラスIIペプチドなど)、バクテリオファージならびに核酸、脂質、炭水化物、多糖類、カプセル/スライムまたはタンパク質、あるいはこれらのあらゆる組み合せに対して選択性のある染料がある。同定剤自体が検出可能な信号を示さない場合は、同定剤をマーカーと共役させること等によって作用物質を標識して検出可能な(例えば可視または蛍光)信号が提供されるようにすることができる。マーカーとしては、それらに限らないが、蛍光性化合物、発光性化合物、燐光性化合物、放射性化合物および/または比色化合物が挙げられる。同定剤は、本発明の方法の任意のステップ、例えば試料を溶解中および/または分離中に採取する際に微生物に添加することができる。いくつかの実施形態では、ペレット中の同定剤の存在をペレットの解析中に判定することができる。他の有用な同定剤としては、微生物酵素の基質、キレート剤、感光剤、消光剤、還元剤、酸化剤、緩衝液、酸、基剤、溶媒、固定剤、洗浄剤、界面活性剤、消毒薬(例えばアルコール、漂白剤、過酸化水素)、毒性化合物(例えばアジ化ナトリウム、シアン化カリウム)、シクロヘキサミドのような代謝阻害剤等が挙げられる。同様に、微生物細胞生存度、代謝および/または膜電位を測定するための多くの蛍光性化合物を本発明の同定剤として使用することができる。当業者には容易に理解されるように、それ自体の物理的状態または代謝に影響を及ぼす抗生物質のような任意の化合物に対する特定の微生物の感受性は、その化合物を試料、溶解緩衝液、密度クッションまたはそれらの任意の混合物に加えることにより迅速に確認することができる。
自家蛍光を使って試料内の微生物因子の同定および/またはキャラクタリゼーションを行う方法の一実施形態および分類学的階層分類プロセスを、図2〜図10につき以下に説明する。基本的には、本方法は、メモリに記憶され、通常のデータプロセッサまたはコンピュータ26を使って実行される一連の処理命令として具体化することができる。処理命令は、単離株の自家蛍光(IF)の走査を所定の一組の発光波長から行って血液培養分離株(濃縮されたペレット)を同定するように設計された図2A−2Cに示すアルゴリズムを実行する。このアルゴリズムは他のタイプの分析試験データ(例えばラマン散乱又は質量分光分析)にも適応可能である。
好ましい実施形態では、本方法はマルチレベル同定アルゴリズムを実行するソフトウェア命令としてコード化される。従来の分類アルゴリズムは入力データを受け取って微生物の同定を決定するものであり、単一の分類モデルを使用する。未知の微生物の所定の一組の波長における自家蛍光の走査によるデータが与えられると、マルチレベル同定アルゴリズムは、分類階層、すなわちグラムクラス、科および種の分岐に沿って微生物を分類する。独自の特徴は、一番高いグラムクラスから一番低い種までの各同定ステップにおいて別個の分類モデルを使用することである。加えて、この手法は並列分類モデルの使用を組み入れ、結果間における整合性を評価する。従って、正確な同定および/またはキャラクタリゼーションの確率が最大になり、不正確な同定またはキャラクタリゼーション結果の発生は最小限におさえられる。
本同定方法は、一組のデータ前処理ステップ(図2Aのブロック5102,5104および5106として示されている)および一組の分析ステップ(図2Bおよび図2Cの残りのブロック5108,5110など)を含む。本方法は、分類階層の複数のレベルにおいて微生物の同定を決定する。前処理ステップは、IF走査データを取得し、所定の微生物群または種内における微生物因子の異なる株間の変動を最小にするデータ変換を実行するよう設計される。データ分析ステップは、以下の考察から明らかになるように、並列分類モデルを使ってマルチレベルでの同定を実行する。
上述のように、好ましい実施形態は、グラム、科および種レベルでの微生物の同定を提供する。アルゴリズムによって同定可能な血液培養において一般に見られる微生物としては、表1に列挙するものがあるが、これに限定されない。明らかに、異なる用途(例えば食品、水、環境試料など)に関しては、微生物は表1に示すものと異なるかもしれないが、方法は同じである
Figure 2013526274
図2A〜2Cに示す処理ステップまたはモジュールをここに詳細に説明する。
前処理
ステップ5102:各励起値i=1,2,…,xおよび各発光値j=1,2,…,yの各組み合せに対して蛍光値nijを得る。発光値/励起値の比は(1.05,1.95)の区間内でなければならない。
ステップ5104:各蛍光値nijに対して、自然対数値ln(nij)を計算する。
ステップ5106:所定の励起波長iにおける各発光値j=1,2,…,y−1に対する(ステップ5104からの)自然対数変換値の一次導関数を計算する。
ステップ5104とステップ5106を使って生蛍光データを変換して、各微生物群内の株間の変動を最小にすることは有利である。加えて、変換処理は微生物群に同様の分散を生成する傾向がある。図3、4及び5は、例として、励起315nmにおける発光範囲内で評価された黄色ブドウ球菌の複数の菌株に対して上記の前処理を実行した効果を示す。図3では、各線は1つの菌株からの蛍光信号を表す。線5202は各発光値における平均蛍光信号を示す。図4は自然対数変換(ステップ5104)を適用した後の、蛍光信号における菌株間の変動を示す。全ての菌株に対する曲線は接近している点に注目されたい。図5は自然対数変換の一次導関数の計算(ステップ5106)後の315nmの励起での菌株間の変動を示す。ここでも、全ての菌株に対する曲線は、特に400〜610nmの発光範囲で非常に接近している点に注目されたい。
別の例として、図6は変換ステップを行う前の、カンジダ・パラシローシスに対する励起415nmでの蛍光信号の菌株間の変動を示す。400〜650nmの範囲では発光の変動が大きい点に注目されたい。自然対数変換を行った後の415nmの励起でのこの微生物の菌株間の変動は図7に示されている。一次導関数変換を行った後の菌株間の変動は図8に示されている。図8では菌株間の変動が大きく減少している点に注目されたい。
追加のデータ変換を使用してもよい。その一つは特定の励起波長に対するすべての励起/発光対の平均値に対して各発光点における蛍光値を正規化するものである。
別の前処理方法では、最大信号に対する蛍光値の正規化を各発光及び/又は励起波長線に沿って行うことによってスペクトルの非ピーク近傍領域を特定することができ、非正規化データでは不可能な大きな分類効果を提供することができる。場合によっては、他の正規化及び/又は分析戦略を加える前に、最初に蛍光値をトリプトファンのような変化しにくい細胞蛍光プローブに対して正規化するとより正確になる。更に、分離装置の表面変動及び/又は微生物細胞ペレット及び/又は光学システム内の変動を補償するためにレイリー散乱(拡散反射率)データを使用することができる。
分析
ステップ5108:前処理ステップを行った後の分析における第1レベルの分類は、グラム分類5108である。このステップにおいて、処理は2つの分岐を含み、1つはステップ5110および5112で、もう1つはステップ5114および5116で表される。図2Aは、分岐は順次に行うことができないことを意味しているのではなく、分岐は順次にまたは平行して行うことができる。
ステップ5110:グラム分類距離の計算。所定の一組の励起/発光対に対して一次導関数変換を使って、モデルで規定された各グラムクラスに関する距離を計算する。
=[(m−mΣ−1(m−m)]1/2
ここで
・a=1,2,3は、モデルで規定されたグラムクラスを表す。
・mは各励起/発光対i,jに対する自然対数変換の一次導関数mijの計算値のベクトルを表す。
・mは、励起/発光対i,jにおける各クラスaに関する分布からの平均値ma(ij)のベクトルを表す。
・tはベクトルの転置を表す。
・(m−m)は各励起/発光対i,jに対する差mij−ma(ij)のベクトルを表す。
・Σ−1は所定の一組の励起/発光対に対する共分散行列の逆行列を表す。一組の励起/発光対は、既知の微生物の蛍光測定値(前処理が実行されている)から経験的に決定される(図9及び図10並びに下記の考察参照)。
「モデル」という語は、所定の励起波長でIF測定値(変換を含む)が予め得られている一組の既知の微生物因子について言及するために用いられ、検体はこれらの微生物因子に対して分類され、これらの微生物因子は例えば表1に列記されている。
ステップ5112:グラム分類の解釈
・uは最大距離閾値を表すものとする。
・全ての距離d,d,dがuよりも大きい場合、分類結果は不明である。
・他に、d,d,dの最小値であるdminの値を決める。
・Wは低弁別閾値係数を表すものとする。
・d,d,dのうち2つ以上の距離が(dmin×W)未満の場合、分類結果は(dmin×W)未満の距離を有するグラムクラス間の低弁別である。
・d,d,dのうち1つの距離のみが(dmin×W)未満の場合、分類結果は対応するグラムクラスである。
ステップ5114:全科分類距離の計算
所定の一組の励起/発光対に対する一次導関数変換を使って、モデルで規定された各微生物の科に対する分類距離を計算する。
=[(m−mΣ−1(m−m)]1/2
ここで、
・a=1,2,…,kはモデルで規定された全ての微生物科を表す。
・Σ−1は所定の一組の励起/発光対に対する共分散行列の逆行列を表す(前述の備考と同様に、一組の励起/発光対は実験的に決められる)。
・mは、各励起/発光対i,jに対する一次導関数の計算値のベクトルを表す。
・mは、各励起/発光対i,jにおける各クラスaに対する分布の平均値ma(ij)のベクトルを表す。
・tはベクトルの転置を表す。
・(m−m)は各励起/発光対i,jに対する差mij−ma(ij)のベクトルを表す。
ステップ5116: 全科分類の解釈
・uは最大距離閾値を表すものとする。
・全ての距離d,d,dがuよりも大きい場合、分類結果は不明である。
・他に、d,d,dの最小値であるdminの値を決める。
・Wは低弁別閾値係数を表すものとする。
・d,d,dのうち2つ以上の距離が(dmin×W)未満の場合、分類結果は(dmin×W)未満の距離を有する微生物科間の低弁別である。
・d,d,dのうち1つの距離のみが(dmin×W)未満の場合、分類結果は対応する科である。
ステップ5118:最終グラム分類結果を得るためのグラム分類解釈及び全科分類解釈のプール解析
グラム分類が単一の選択で、全科分類が単一の選択である場合、その科分類がそのグラムクラスの分類階層に該当するのであれば、プール解析分類結果は示されたグラムクラスである。
グラム分類が単一の選択で、全科分類が単一の選択である場合、その科分類がそのグラムクラスの分類階層に該当しないのであれば、プール解析分類結果は不明である。
グラム分類が単一の選択で、全科分類が低弁別である場合、最短距離に関連する科がそのグラムクラスの分類階層に該当するのであれば、プール解析分類は示されたグラムクラスである。
グラム分類が単一選択で、全科分類が低弁別である場合、最短距離に関連する科がそのグラムタイプの分類階層に該当しないのであれば、プール解析分類は不明である。
グラム分類が低弁別で、全科分類が単一の選択である場合、その科が分類階層に存在するグラムクラスに対応する場合、プール解析分類結果は該グラムクラスである。
グラム分類が低弁別で、全科分類が単一の選択である場合、その科が分類階層に存在するグラムクラスのどれにも対応しない場合、プール分析分類結果は不明である。
グラム分類も全科分類も不明の場合、プール分析分類結果は不明である。
次に処理は分類階層における第2の低分類レベルのグラム科分類ステップ5120へと進む。このステップはサブステップ5122,5124および5126から成る。
ステップ5122:グラム科分類距離の計算
グラム分類結果に特有の所定の一組の励起/発光対に対する一次導関数の推定値を使って、モデルで規定される各微生物の科に関する距離を計算する。
=[(m−mΣ−1(m−m)]1/2
ここで、
・a=1,2,…,kはモデルで規定された微生物の科の番号を表す。
・Σ−1は所定の一組の励起/発光対に対する共分散行列の逆行列を表す(対については前述の備考に同じ)。
・mは、各励起/発光対i,jに対する一次導関数の計算値のベクトルを表す。
・mは、各励起/発光対i,jにおける各クラスaに対する分布の平均値ma(ij)のベクトルを表す。
・tはベクトルの転置を表す。
・(m−m)は各励起/発光対i,jに対する差mij−ma(ij)のベクトルを表す。
ステップ5124:グラム科分類の解釈
・uは最大距離閾値を表すものとする。
・全ての距離d,d,dがuよりも大きい場合、分類結果は不明である。
・他に、d,d,dの最小値であるdminの値を決める。
・Wは低弁別閾値係数を表すものとする。
・d,d,dのうち2つ以上の距離が(dmin×W)未満の場合、分類結果は(dmin×W)未満の距離を有する微生物科間の低弁別である。
・d,d,dのうち1つの距離のみが(dmin×W)未満の場合、分類結果は対応する科である。
ステップ5126:グラム科分類結果
グラム科分類結果が不明の場合、試験微生物分類はグラムレベルで終了する。
グラム科分類結果が低弁別の場合、試験微生物分類は低弁別に含まれるグラムおよび科として終了する。
グラム科分類結果が単一の科の場合、試験微生物からのIFデータをさらに分析して種レベル同定が決定できるかどうかを決める。
ステップ5128:グラム科種の分類。処理命令は分類階層の更に下位の第3分類レベルであるグラム科種分類レベルへと進み、このステップはサブステップ5130,5132および5134から成る。
ステップ5130:グラム科種分類距離の計算
グラム科結果に特有の所定の一組の励起/発光対に対する一次導関数の推定値を使って、モデルで規定される各微生物の種に関する距離を計算する。
=[(m−mΣ−1(m−m)]1/2
ここで、
・a=1,2,…,kはモデルで既定された微生物の種の番号を表す。
・Σ−1は所定の一組の励起/発光対に対する共分散行列の逆行列を表す(前述の備考と同様)。
・mは、各励起/発光対i,jに対する一次導関数の計算値のベクトルを表す。
・mは、各励起/発光対i,jにおける各クラスaに対する分布の平均値ma(ij)のベクトルを表す。
・tはベクトルの転置を表す。
・(m−m)は各励起/発光対i,jに対する差mij−ma(ij)のベクトルを表す。
ステップ5132: グラム科種分類の解釈
・uは最大距離閾値を表すものとする。
・全ての距離d,d,dがuよりも大きい場合、分類結果は不明である。
・他に、d,d,dの最小値であるdminの値を決める。
・Wは低弁別閾値係数を表すものとする。
・d,d,dのうち2つ以上の距離が(dmin×W)未満の場合、分類結果は(dmin×W)未満の距離を有する微生物科の間の低弁別である。
・d,d,dのうち1つの距離のみが(dmin*)未満の場合、分類結果は対応する種である。
ステップ5134:グラム科種分類結果
グラム科種分類結果が不明の場合、試験微生物分類はグラムと科レベルで終了する。
グラム科種分類結果が低弁別の場合、試験微生物分類は低弁別に含まれるグラム、科および種で終了する。
グラム科種分類結果が単一の種の場合、試験微生物分類はグラム、科および種レベルで終了する。
ステップ5136において、ステップ5134,5118および5126で決定した結果はユーザに戻され、例えば、同定装置のユーザインターフェースでユーザに報告され、取付属のワークステーションに送信され、別のソフトウェアモジュールに戻され、そうでなければユーザのために生成される。
微生物同定(ステップ5134)に関して、種間の弁別は、(発光値の自然対数変換の)一次導関数の値が少なくとも1つの励起波長に対する発光範囲の一部分で各種に対して特有である場合のみ可能である。図9及び図10は、励起波長315nm(図9)および415nm(図10)に対する一部の種の弁別の可能性を示すものである。図9を参照すると、種のうちいくつかは、励起波長315での一次導関数に基づいて、他のものから弁別できることは明らかである。数学的モデルは発光の(自然対数変換の)一次導関数値を使用し、この場合、視覚的差異が種間の弁別のための入力として存在する。発光範囲における選択した値域を使って、次の種、大腸菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、および肺炎球菌、を他の種から明確に弁別することができる。さらに、黄色ブドウ球菌及び表皮ブドウ球菌も他の種から弁別することはできるが、相互に弁別することはできない。所定の励起波長における発光範囲内の値域は、上述の処理ステップの距離計算における逆行列Σ−1の所定の対である。これらの対は、例えば、315nmでの励起および図9に円で示される発光値の範囲、すなわち、(315/300〜450)、(315/485〜500)、(315/570〜580)である。
図10を参照すると、励起波長415nmでの発光は種間を弁別する能力を有することは明らかである。発光範囲内の選択した値域を使うと、カジンダ・パラプシローシスと緑膿菌を他の種から明確に識別することができる。また興味深いことに、黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌の一次導関数値の差は、発光450nmあたりで生じる。波長315および415(図9及び図10)の発光範囲内の選択した値域からの情報を組み合せると、モデルにおける全ての種を高い率(信頼性97%以上)で相互に識別することができる。
ラマン(SERS)及び蛍光信号を増強するために、微生物を遠心分離/濃縮の前に金および/または銀のナノ粒子で被覆すること及び/又は内部光学面を特定のサイズと形状の金属コロイドで予め被覆することができる(参照:蛍光に関しては、Lakowicz,Anal.Biochem.337:171(2005);SERSに関しては、Efrima氏等、J.Phys.Chem.B.(Letter)102:5947(1998))。別の実施形態では、ナノ粒子は遠心分離の前に濃度緩衝液中に存在し、微生物が密度クッションを通過する際に微生物と結び付く。
図2−10に関連して上述した分類学的階層分類方法は微生物因子のインタロゲーションから得られた他のデータに適用することもできる。例えば、この分類方法は、自家蛍光データの代わりにラマン散乱データ又は質量分光分析データが濃縮微生物因子から得られる場合にも等しく有用である。ラマン散乱の場合には、既知の微生物因子からデータを取得し、このようなデータを(典型的には変換処理の実行後に)分析して、グラム、科及び種間を弁別し得るデータ部分を決定し、その結果を、即ち弁別可能データ部分を記憶する。同様に、未知の微生物因子からのデータに、種の株間変動を最小にするために、変換処理を施す。この変換処理は自然対数、一次導関数又は他の変換とすることができ、この変換の選択及び詳細は既知の微生物因子のデータの検査に基づいて当業者の能力の範囲内で決定可能である。次に図2A−2Cの処理(グラム、科および種レベルでの階層分類)に進む。分類に使用した上記の最小距離の計算の代案として、例えば周知のK−最近傍アルゴリズムを各階層レベルでの試験試料の分類に使用することができる。図2A−2Cに示されてない分析試験方法に独特の追加の前処理、例えば背景減算又は正規化を必要としてもよいことも明らかであるが、これらのステップは当該技術分野において既知であるので、詳細な説明は省略する。
以上要約すると、本明細書には試料中に存在する微生物因子の迅速な同定及び/又はキャラクタリゼーション方法が開示され、本方法は、微生物因子の分析試験データを取得するステップ、分析試験データを変換して微生物群内の分析試験データの株間変動を最小化するステップ、及びプログラムされたコンピュータの助けを借りて、変換された分析試験データを処理する一組の処理命令としてコード化された多層分類アルゴリズムを実行するステップを備え、前記多層分類アルゴリズムは試料中の被検微生物因子に対する分類学的階層の異なる層に対応する多数の層を分類する。いくつかの実施形態では、分析試験データ(例えば、自家蛍光、ラマン散乱)は、微生物因子が試験装置内で濃縮されている間に実行され、試験装置内では微生物因子が図1に示すように分離され濃縮される。他の実施形態では、濃縮された微生物因子は試験装置から取り出され、別の分析計、例えば質量分析計で分析される。使用可能な分析方法の他の例は米国特許第6,780,602号に開示されており、その内容は参照すことにより本明細書に組み込まれる。
試料が人又は動物の血液である実施形態を開示したが、本発明は臨床試料又は非臨床試料を可とする試料に広く適用可能である。本方法は培養プレート又は他の形の微生物培養装置から取り出した微生物コロニーを同定するのに使用することもでき、この場合にも、このようなコロニーに成長した試料を臨床又は非臨床試料とすることができ、必ずしも血液である必要はない。例えば、試料は一以上の微生物因子を含むと予想される燐層又は非臨床試料とすることができる。体液などの臨床試料としては、以下のものに限定されないが、血液、血清、血漿、血液分画、関節液、尿、精液、唾液、大便、脳脊髄液、胃内容物、膣分泌物、組織ホモジネート、骨髄穿刺液、骨ホモジネート、痰、吸引物、スワッブおよびスワッブをすすいだ水、その他の体液などがある。試験することのできる非臨床試料としては、以下のものに限定されないが、食品、飲物、医薬品、化粧品、水(例えば飲料水、非飲料水および排水)、海水バラスト、空気、土、下水、植物原料(例えば、種、葉、茎、根、花、果実)、血液製剤(例えば、血小板、血清、血漿、白血球分画など)、ドナー臓器または組織試料、生物戦争試料などがある。
開示の実施形態の詳細からの様々な変更が本発明の範囲から逸脱することなく可能である。本発明の範囲に関するすべての質問は添付の請求項を参照することにより解決されるべきである。

Claims (26)

  1. 試料内に存在する微生物因子の迅速な同定及び/又はキャラクタリゼーション方法であって、
    前記微生物因子から、複数の励起波長で得られる発光波長の範囲に亘って、自家蛍光値を得るステップ、
    前記自家蛍光測定値を変換処理し、それによって微生物群内の自家蛍光測定値の株間変動を最小にするステップ、及び
    プログラムされたコンピュータの助けを借りて、前記変換された自家蛍光測定値を処理する一組の処理命令としてコード化されたマルチレベル分類アルゴリズムを実行するステップを含み、前記マルチレベルは前記試料内の被検微生物因子に対する分類階層の異なるレベルに対応する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記マルチレベル分類アルゴリズムは分類階層の高いレベルから低いレベルへ単調に順に進む、請求項1記載の方法。
  3. 前記マルチレベル分類アルゴリズムは微生物因子を最初にグラムクラスで分類し、次に科で分類し、次に種で分類する、請求項2記載の方法。
  4. 前記変換ステップは、所定の励起波長における前記蛍光値の自然対数値を計算し、次いで前記自然対数値の第1導関数値を計算するステップを備える、請求項1記載の方法。
  5. 前記マルチレベル分類アルゴリズムは、アルゴリズムの各レベルに対して、
    所定の一組の励起/発光対に対する変換された蛍光値及び共分散行列の逆行列に対して距離計算を実行するステップ、
    前記距離計算の結果と最小距離閾値及び低弁別閾値を用いて分類解釈を実行するステップ、及び
    分類結果を発生するステップ、
    を含む請求項1記載の方法。
  6. 前記アルゴリズムはグラム分類レベルの処理命令セットを含み、
    前記グラム分類レベルは、前記試料内の一組の被検微生物因子を含むモデルで規定された各グラムクラスに対する距離計算及びグラム分類解釈ステップを含む第1の処理命令分岐を含み、
    前記グラム分類レベルは、前記モデルに規定された微生物の全科に対する距離計算及び全科分類解釈ステップを含む第2の処理命令分岐を含み、
    前記分類結果を発生するステップは、前記グラム分類解釈及び全科分類解釈からの結果をプール解析するステップを含む、
    請求項5記載の方法。
  7. 前記アルゴリズムは、グラム科分類レベルを含み、該分類レベルは前記試料内の一組の被検微生物因子を含むモデルで規定された各生物科に対する距離計算を実行する処理命令と、モデルで規定された各生物科に対する前記距離計算の結果、最小距離閾値及び低弁別閾値を用いてグラム科分類解釈ステップを実行する処理命令とを含む、請求項5記載の方法。
  8. 前記アルゴリズムは、グラム科種分類レベルを含み、該分類レベルは前記試料内の一組の被検微生物因子を含むモデルで規定された各生物種に対する距離計算を実行する処理命令と、モデルで規定された各生物種に対する前記距離計算の結果、最小距離閾値及び低弁別閾値を用いてグラム科種分類解釈ステップを実行する処理命令とを含む、請求項5記載の方法。
  9. 前記所定の励起/発光対は励起及び発光値の範囲における既知の微生物因子からの自家蛍光測定値から取得され、前記所定の一組の励起/発光対は異なる微生物因子を区別可能にするために選択される、請求項5記載の方法。
  10. 試料内に存在する微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション方法であって、
    励起値及び発光値の範囲に亘って既知の微生物因子から自家蛍光測定値を実験的に取得し、これらの測定値から異なる微生物因子の区別を可能にする一組の励起/発光対を選択するステップ、
    前記一組の励起/発光対において未知の微生物因子から自家蛍光測定値を取得するステップ、
    前記未知の微生物因子からの自家蛍光測定値を変換し、それによって微生物群内の株間変動を最小にするステップ、及び
    分類アルゴリズムを実行するプログラムドコンピュータの助けを借りて、前記変換された自家蛍光測定値及び前記既知の微生物因子から実験的に取得された自家蛍光測定値を用いて前記未知の微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーションを実行するステップ、を備える方法。
  11. 前記分類アルゴリズムは、前記変換された自家蛍光測定値を処理する一組の処理命令としてコード化されたマルチレベル分類アルゴリズムを含み、そのマルチレベルは前記試料内の被検微生物因子に対する分類階層の異なるレベルに対応する、請求項10記載の方法。
  12. 前記試料は人間又は動物の血液の試料を含む、請求項1記載の方法。
  13. 前記微生物因子はペレット又はペレット状の塊に濃縮され、前記自家測定値は前記ペレット又はペレット状の塊から取得される、請求項1記載の方法。
  14. 前記ペレット又はペレット状の塊は密閉使い捨て装置内に収容されている、請求項13記載の方法。
  15. 前記試料は人間又は動物の血液の試料を含む、請求項10記載の方法。
  16. 未知の微生物因子はペレット又はペレット状の塊に濃縮され、前記未知の微生物因子の自家蛍光は前記ペレット又はペレット状の塊から取得される、請求項10記載の方法。
  17. 前記ペレット又はペレット状の塊は密閉使い捨て装置内に収容されている、請求項16記載の方法。
  18. 請求項1記載の変換ステップ及びマルチレベル分類アルゴリズムを実行する命令を格納するメモリを有するコンピュータ。
  19. 試料内に存在する微生物因子の迅速な同定及び/又はキャラクタリゼーション方法であって、
    前記微生物因子の分析試験データを取得するステップ、
    前記分析試験データを変換し、それによって微生物群内における分析試験データの株間変動を最小にするステップ、及び
    プログラムされたコンピュータの助けを借りて、前記変換された分析試験データを処理する一組の処理命令としてコード化されたマルチレベル分類アルゴリズムを実行するステップを含み、前記マルチレベルは前記試料内の被検微生物因子に対する分類階層の異なるレベルに対応する、
    方法。
  20. 前記分析試験データはロマン散乱データを含む、請求項19記載の方法。
  21. 前記分析試験データは質量分光分析データを含む、請求項19記載の方法。
  22. 試料内に存在する微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーション方法であって、
    既知の微生物因子から分析試験データを実験的に所得し、このような試験データから、異なる微生物因子を区別可能にする試験データのサブセットを選択するステップ、
    前記サブセットの分析試験データと関連する未知の微生物因子から分析試験データを取得するステップ、
    前記未知の微生物因子からの分析試験データを変換し、それによって微生物群内における自家蛍光測定値の株間変動を最小にするステップ、及び
    分類アルゴリズム実行するプログラムドコンピュータの助けを借りて、前記変換された分析試験データ及び前記既知の微生物因子から実験的に取得された分析試験データを用いて前記未知の微生物因子の同定及び/又はキャラクタリゼーションを実行するステップを備える、
    方法。
  23. 前記分類アルゴリズムは、前記変換された分析試験データを処理する一組の処理命令としてコード化されたマルチレベル分類アルゴリズムを含み、そのマルチレベルは前記試料内の被検微生物因子に対する分類階層の異なるレベルに対応する、請求項22記載の方法。
  24. 前記試料は人間又は動物の血液の試料を含む、請求項22記載の方法。
  25. 前記微生物因子はペレット又はペレット状の塊に濃縮され、前記自家測定値は前記ペレット又はペレット状の塊から取得される、請求項22記載の方法。
  26. 前記ペレット又はペレット状の塊は密閉使い捨て装置内に収容されている、請求項25記載の方法。
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