JP2013525118A - 工具ホルダ、この種の工具ホルダを備える工作機械及び工作機械の工具ホルダに加工工具を固定する方法 - Google Patents

工具ホルダ、この種の工具ホルダを備える工作機械及び工作機械の工具ホルダに加工工具を固定する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、工作機械、好ましくは打抜き機械の工具ホルダ(5)に関する。工具ホルダ(5)は、工具収容部(10)、少なくとも1つの工具受け並びに軸方向締付け装置(19)及び半径方向締付け装置(21)を有している。工具収容部(10)は、加工工具(7)、好ましくは打抜き工具を少なくとも部分的に収容するために役立つ。軸方向締付け装置(19)の少なくとも1つの軸方向締付け要素は、加工工具(7)を対応する工具受けにより締付け軸線(25)の方向で締め付ける。これとは切り離されて、半径方向締付け装置(21)は、加工工具(7)を、少なくとも1つの半径方向締付け要素によって、軸方向締付け装置(19)の締付け軸線(25)に対して垂直な方向で締め付ける。工作機械、好ましくは打抜き機械には、上記形態の工具ホルダ(5)が設けられている。工作機械の工具ホルダ(5)に加工工具(7)を固定する方法、好ましくは打抜き機械の工具ホルダに打抜き工具を固定する方法の経過中、加工工具(7)を軸方向締付け装置(19)により締付け軸線(25)の方向で締め付け、これとは切り離されて、半径方向締付け装置(21)により、軸方向締付け装置(19)の締付け軸線(25)に対して垂直な方向で、工具ホルダ(5)の、対応する受けにより締め付ける。

Description

本発明は、工作機械、好ましくは打抜き機械の工具ホルダであって、
工作機械の加工工具、場合によっては打抜き機械の打抜き工具を少なくとも部分的に収容する工具収容部と、
少なくとも1つの工具受けと、
制御されて締付け状態に移行可能な少なくとも1つの軸方向締付け要素を有する軸方向締付け装置であって、工具収容部内に収容された加工工具が、締付け状態に移行される軸方向締付け要素によって、対応する工具受けにより、軸方向締付け装置の締付け軸線の方向で締め付けられるようになっている軸方向締付け装置と、を備える工具ホルダに関する。
さらに本発明は、上記形態の工具ホルダを備える工作機械及び工作機械の工具ホルダに加工工具を固定する方法、好ましくは打抜き機械の工具ホルダに打抜き工具を固定する方法に関する。
本発明の前提となる従来技術は、欧州特許出願公開第1338354号明細書において公知である。この刊行物は、打抜き工具が着脱可能あるいは交換可能に取り付けられている打抜きヘッドを備える打抜きプレスを開示している。打抜きポンチとして形成された打抜き工具は、柱状の工具軸部と、工具軸部の半径方向で延在する皿状の調整リングとを有している。工具軸部を収容するために、打抜きヘッドには、工具収容部が設けられている。打抜きポンチを取り付ける際、打抜きヘッドと、該当する打抜き工具とは、打抜きポンチの工具軸部が打抜きヘッドの工具収容部の内側に来るように、互いに相対的に位置決めされる。その際、打抜きポンチの工具軸部は、打抜きヘッドの内部に存在する締付け把持手段の把持手段脚片間に来る。この締付け把持手段は、軸方向締付け装置の一部であり、それ自体は、軸方向締付け装置のピストンシリンダユニットのピストンロッドに取り付けられている。ピストンシリンダユニットのピストンロッドは、打抜きポンチの工具軸部と同軸的である。ピストンシリンダユニットに相応の圧力が供給されて、ピストンロッドが軸方向で引き戻されると、ピストンロッドに取り付けられた締付け把持手段は閉じ、締付け把持手段の、軸方向締付け要素として機能する把持手段脚片は、その自由端でもって、打抜きポンチの工具軸部に形成された段部に係合する。ピストンロッドの後退運動が続くと、打抜きポンチの工具軸部は、締付け把持手段により工具収容部の内部へと、打抜きポンチの工具軸部から側方に張り出した調整リングが工具収容部の縁部に当接するまで引き込まれ、打抜きポンチは、最終的に、調整リングを介して工具収容部の縁部でもって工具軸部の軸方向で締め付けられている。
上述の従来技術から出発して本発明の課題は、工作機械の工具ホルダへの加工工具の固定を改善するとともに、相応に改良された工作機械を提供することである。
本発明において上記課題は、請求項1記載の工具ホルダ、請求項10記載の工作機械及び請求項11記載の方法により解決される。
本発明では、軸方向締付け装置に対して付加的に半径方向締付け装置が設けられており、半径方向締付け装置は、軸方向締付け装置とは独立して操作可能な少なくとも1つの半径方向締付け要素を有している。単数又は複数の半径方向締付け要素により、該当する加工工具は、軸方向締付け装置による締付けに対して付加的に、軸方向締付け装置の締付け軸線に対して垂直な方向で、本発明に係る工具ホルダの対応する工具受けにより締め付けられる。単数又は複数の半径方向締付け要素を軸方向締付け装置から切り離したことに基づいて、特に、工具ホルダに固定したい加工工具をまず軸方向締付け装置により工具ホルダに固定し、次に、軸方向締付け装置とは独立して操作される単数又は複数の半径方向締付け要素により付加的に固定する可能性が生じる。軸方向締付け装置と半径方向締付け装置との協働から、加工工具の2軸の締付けが生じる。2軸の締付けは、加工に起因して負荷がかかっても、加工工具と工具ホルダとの間の略すべての相対運動が回避されるように働く。したがって、運転中に加工工具と工具ホルダの界面において発生する摩耗は、減少して最少となる。工具ホルダの著しく長い耐用時間及び工具ホルダにおける加工工具の持続的に規定された配置が保証されている。
独立請求項に記載の発明の特別な態様は、従属請求項2乃至9に係る発明である。
請求項2に係る発明において、互いに切り離されて操作可能な軸方向締付け要素と半径方向締付け要素とは、非作動状態、機能準備状態及び締付け状態に移行可能である。上述の締付け要素は、工具交換中、ひいては工具収容部へのかつ/又は工具収容部からの工具の移送が可能でなければならない時点において、非作動状態にある。互いに切り離されて操作可能な締付け要素を非作動状態から機能準備状態に移行させるため、請求項2に記載されているように、軸方向締付け装置及び半径方向締付け装置の1つの共通の作動装置が設けられている。このことから、単純な構造及びアッセンブリ全体のコンパクトな形態が得られる。
機能準備状態にある軸方向締付け要素及び半径方向締付け要素の操作により、これらの締付け要素は、締付け状態に移行される。
軸方向締付け装置及び半径方向締付け装置の共通の作動装置は、請求項3に係る発明において、位置調節駆動装置を備える共通の位置決め装置として形成されており、位置調節駆動装置によって、単数又は複数の軸方向締付け要素と、軸方向締付け要素とは独立した単数又は複数の半径方向締付け要素とは一緒に、非作動位置から機能準備位置に移動可能である。
本発明の別の有利な態様において、互いに切り離されて操作可能な締付け要素は、非作動位置から機能準備位置への移動時に一緒に軸方向締付け装置及び半径方向締付け装置の共通の位置決め装置の要素担体に配置されている(請求項4)。要素担体は、軸方向締付け装置及び半径方向締付け装置の共通の位置決め装置の位置調節駆動装置により駆動される。
請求項5に係る本発明の態様において、互いに切り離されて操作可能な締付け要素を非作動位置から機能準備位置への移動時に支持する共通の位置決め装置の要素担体は、軸方向締付け装置及び半径方向締付け装置の共通の位置決め装置の位置調節駆動装置の駆動要素により直接形成される。要素担体の多重機能に基づいて、本発明に係る工具ホルダを実現するための構成要素の数は、最少に減少する。このことは、やはり、単純な構造及びアセンブリ全体の省スペースな形態を生じる。
請求項6に係る本発明の態様において、制御される軸方向締付け駆動装置は、単数又は複数の軸方向締付け要素を機能準備位置から、単数又は複数の軸方向締付け要素の締付け状態に割り当てられた締付け位置へと移行させるために役立つ。相応に、単数又は複数の半径方向締付け要素を機能準備位置から締付け位置へと移行させるために、半径方向締付け駆動装置が設けられている。その際、軸方向締付け駆動装置又は半径方向締付け駆動装置は、軸方向締付け装置及び半径方向締付け装置の共通の位置決め装置の要素担体を、単数又は複数のそれぞれの締付け要素を締付け位置へと駆動するために使用する。
予め、その都度他方の締付け要素は、好ましくは要素担体から切り離される(請求項7)。
本発明の別の有利な態様において、軸方向締付け駆動装置及び/又は半径方向締付け駆動装置は、駆動モータ側のくさび機構要素と締付け要素側のくさび機構要素とを有するくさび機構あるいはくさび伝動装置を有している(請求項8)。この種のくさび機構の機能性は、特に信頼性が高い。コンパクトな形態にもかかわらず、くさび機構は、大きな駆動力を伝達可能かつ/又は駆動力の作用方向を変更可能である。くさび角の適当な選択により、機構変換比は簡単に調節可能である。
軸方向締付け駆動装置及び/又は半径方向締付け駆動装置の駆動モータ側のくさび機構要素として、本発明の別の態様では、軸方向締付け装置及び半径方向締付け装置の共通の位置決め装置の要素担体が使用されている(請求項9)。共通の位置決め装置の要素担体は、これに応じて他の機能も果たす。
以下に、本発明について例示的な概略図を参照しながら詳細に説明する。
打抜きヘッドと、打抜きヘッドに設けられたラムとを備える打抜き機械を示す図である。 図1に示したラムをある運転状態で、構造的な詳細とともに、特に半径方向締付け把持手段及び軸方向締付け把持手段とともに示す図である。 図1に示したラムを別の運転状態で、構造的な詳細とともに、特に半径方向締付け把持手段及び軸方向締付け把持手段とともに示す図である。 図1に示したラムをさらに別の運転状態で、構造的な詳細とともに、特に半径方向締付け把持手段及び軸方向締付け把持手段とともに示す図である。 図1に示したラムをさらに別の運転状態で、構造的な詳細とともに、特に半径方向締付け把持手段及び軸方向締付け把持手段とともに示す図である。 図2乃至5に示した半径方向締付け把持手段を単独で示す図である。 図2乃至5に示した軸方向締付け把持手段を単独で示す図である。 図6に示した半径方向締付け把持手段と、図7に示した軸方向締付け把持手段とからなるアッセンブリを示す図である。
図1に示すように、打抜き機械1として形成された工作機械は、上側のフレーム脚片3と下側のフレーム脚片4とを有するC字形の機械フレーム2を備えている。上側のフレーム脚片3の自由端には、ラム5を有する打抜きヘッドが存在している。ラム5は、数値制御される打抜き駆動装置により、双方向矢印により示す行程方向6で上下動可能である。
ラム5は、打抜きポンチ7の形態の加工工具のための工具ホルダを形成している。打抜きポンチ7は、公知のように工具軸部8を有している。さらに打抜きポンチ7は、調整リング9を有している。調整リング9は、半径方向で工具軸部8から張り出している。打抜きポンチ7の工具軸部8は、ラム5の工具収容部10の内部に配置されている。打抜きポンチ7の調整リング9は、工具収容部10の外に位置し、下方から、ラム5の、工具受けとして機能する下側の端面に当接している。
打抜きポンチ7に対向して、打抜き機械1の下側のフレーム脚片4の自由端には、打抜きダイ11が配置されている。打抜きダイ11は、金属薄板12を加工するために打抜きポンチ7と慣用の形式で協働する。打抜き時に発生する屑は、打抜きダイ11の下側で、下側のフレーム脚片4の内部に集積される。製品は、被加工物テーブル14に組み込まれたフラップ13を介して打抜き機械1の作業領域から排出される。
打抜き機械1の上側のフレーム脚片3と下側のフレーム脚片4との間の開口部には、従来慣用の座標ガイド15が格納されている。慣用の形式で座標ガイド15は、多重機能を果たす。座標ガイド15は、一方では、金属薄板12を加工の目的で打抜きポンチ7及び打抜きダイ11に対して水平面内で位置決めするために働き、他方では、工具マガジンとして、かつ工具交換のために使用される。
例えば、ラム5に固定された打抜きポンチ7を他の打抜き工具と交換したいとき、座標ガイド15を空の工具ホルダ16とともにラム5に向かって移動させ、そこで打抜きポンチ7を空の工具ホルダ16に固定する。次に、座標ガイド15を適当に移動させ、打抜きポンチ7をラム5の工具収容部10から側方に取り出す。次に、座標ガイド15を再度移動させ、座標ガイド15に予め保持された打抜きポンチ17を側方からラム5の工具収容部10に取り付ける。
打抜きポンチ7の交換時にラム5において生じる動作は、図2〜図5に詳細に示してある。
ラム5の内部には、工具締付け装置18が格納されている。工具締付け装置18は、軸方向締付け駆動装置20を備える軸方向締付け装置19(図4)と、半径方向締付け駆動装置22を備える半径方向締付け装置21(図5)とを有している。
軸方向締付け駆動装置20は、図示の実施の形態では、軸方向締付け把持手段23(図7)として形成されている軸方向締付けユニットを操作するために働く。軸方向締付け駆動装置20の1つの主要な構成要素は、ドローバー24である。ドローバー24の長手方向軸線は、軸方向締付け装置19の締付け軸線25と一致している。
半径方向締付け駆動装置22は、ラム5の内部で締付け軸線25に沿って案内される駆動ピストン26を有している。駆動ピストン26は、図示の実施の形態では、半径方向締付け把持手段27(図6)として形成されている半径方向締付けユニットを操作するために働く。
図6は、半径方向締付け把持手段27を側面図及び上面図(図6の上図に矢印で示した方向で見た図)で示している。図6に示すように、図示の実施の形態の半径方向締付け把持手段27は、計3つの、把持手段脚片28の形態の半径方向締付け要素を有している。これらの半径方向締付け要素は、硬化された工具鋼から製造されており、一端においてゴムからなる弾性的なリングセグメント29を介して互いに結合されている。リングセグメント29の周方向で、半径方向締付け把持手段27の把持手段脚片28は、互いに間隔を置いて、間隙30を形成している。把持手段脚片28の各々は、係止ピン31を有している。把持手段脚片28の1つは、付加的にガイドピン32を有している。
把持手段脚片28の外面は、リングセグメント29の高さで円錐形に形成されて、くさび面33を形成している。把持手段脚片28はそれぞれ、くさび面33の上側に、ステップ面34を有するステップを備えている。把持手段脚片28は、半径方向内方を向いた面に加圧面35を形成している。加圧面35は、半径方向締付け把持手段27の円筒状の収容部36周りに配置されている。
軸方向締付け把持手段23は、図7に側面図及び下面図(図7の下図に矢印で示した方向で見た図)で示されている。軸方向締付け把持手段23は、図7に示すように鐘状の形状を有している。計3つの、把持手段脚片37として形成された軸方向締付け要素は、その高さの一部にわたって、ゴムからなる弾性的なリングセグメント38によって互いに結合されている。リングセグメント38の領域には、把持手段脚片37間に間隙39が残されている。間隙39の幅は、半径方向締付け把持手段27に設けられた把持手段脚片28の幅を僅かに上回っている。軸方向締付け把持手段23の把持手段脚片37も、硬化された工具鋼からなっている。
把持手段脚片37のリングセグメント側の端部の外面は、円錐形に形成されて、上側のくさび面40を形成している。反対側に位置する長手方向端部には、把持手段脚片37の外面に、下側のくさび面41が設けられている。下側のくさび面41の高さで、把持手段脚片37から、フック42が半径方向内方に張り出している。フック42は、貫通孔43周りに配置されている。
組付け時、まず、ドローバー24を、対応するドローバー駆動装置とともに、ラム5の、このために設けられた収容孔の内部に取り付ける。ドローバー駆動装置として、種々異なる駆動装置の形態が可能である。例えば、ドローバー24は、空気圧式又は液圧式のピストンシリンダユニットのピストンロッドとして設けられていてもよいし、締付け軸線25に沿ってドローバー24を動かすスピンドルドライブであってもよい。
ドローバー24の自由端に駆動ピストン26を被せ嵌める。ドローバー24に対しても、ラム5に設けられた収容孔の壁に対しても、駆動ピストン26はシールされている。駆動ピストン26の、ラム5の内方に向いた面には、ドローバー24が貫通するシリンダ室44が存在する。
駆動ピストン26を組み付けた後、ラム5の開放側から、軸方向締付け把持手段23を、リングセグメント側の軸方向の端部から先に駆動ピストン26の内部に導入し、貫通孔43でもってドローバー24の自由端に、駆動ピストン26に当接するまで被せ嵌める。その後、ドローバー24の下側の長手方向端部に、外鍔46を有する保持ねじ45を螺入する。外鍔46は、ドローバー24のための、軸方向締付け把持手段23の底部に設けられた貫通孔から、締付け軸線25の半径方向で張り出している。
軸方向締付け把持手段23を組み付けた後、半径方向締付け把持手段27を、把持手段脚片28の自由端から先に、軸方向締付け把持手段23の、下方を向いた端部内に挿入する。その際、半径方向締付け把持手段27と軸方向締付け把持手段23とは、互いに締付け軸線25周りに60°回転させてある。その結果、半径方向締付け把持手段27の把持手段脚片28は、軸方向締付け把持手段23の把持手段脚片37間の間隙39内に進入する。これにより、図8に示したアッセンブリが生じる。半径方向締付け把持手段27のガイドピン32は、図8に示す状態では、まだ、対応する孔内に差し込まれていない。
駆動ピストン26の内部に存在する軸方向締付け把持手段23に半径方向締付け把持手段27を被せ嵌める際、半径方向締付け把持手段27の把持手段脚片28は、半径方向締付け把持手段27のリングセグメント29の弾性を利用して、半径方向締付け把持手段27の把持手段脚片28に設けられた係止ピン31が駆動ピストン26の内部に導入可能となるまで半径方向内方に旋回させられる。半径方向締付け把持手段27の係止ピン31が、駆動ピストン26に設けられた対応する半径方向孔47の高さに来ると直ちに、内方に旋回させられていた把持手段脚片28は、リングセグメント29の弾性に基づいて復帰し、把持手段脚片28に設けられた係止ピン31は、駆動ピストン26の半径方向孔47内に進入する。駆動ピストン26の下側の端面は、把持手段脚片28のステップ面34に座着する。半径方向締付け把持手段27は、リングセグメント29において、軸方向締付け把持手段23に設けられた把持手段脚片37の自由端を支持する。軸方向締付け把持手段23は、反対側に位置する軸方向の端部でもって駆動ピストン26に当接する。
締付け軸線25周りに半径方向締付け把持手段27は、組付けの際、半径方向締付け把持手段27の把持手段脚片28の1つに設けられたガイドピン32が、駆動ピストン26内への半径方向締付け把持手段27の挿入時に、ラム5の、側方に開いたスリーブ49に設けられたガイドスリット48内に進入するように配向されている。最後に、ラム5の下端に、やはり側方に開いたカバー50を固定する。
カバー50は、中央の開口51を有している。開口51は、円錐形の開口壁を有している。カバー50の円錐形の開口壁は、半径方向締付け把持手段27のくさび面33に対応して配置された対応くさび面52を形成している。駆動ピストン26の内部には、軸方向締付け把持手段23の上側のくさび面40に対応して配置された上側の対応くさび面53と、軸方向締付け把持手段23の下側のくさび面41に対応して配置された下側の対応くさび面54とが設けられている。
図2は、一点鎖線で概略的に示した打抜きポンチ7が座標ガイド15により水平方向でラム5の工具収容部10内に側方から導入された後のラム5における状況を示している。工具収容部10の内部には、打抜きポンチ7の、一般にアンダカット55を備える工具軸部8が位置している。ドローバー24は、その下側の終端位置に存在する。駆動ピストン26と、軸方向締付け把持手段23と、半径方向締付け把持手段27とからなるユニットは、締付け軸線25の方向で、工具軸部8を備える打抜きポンチ7が側方から工具収容部10内に導入可能となるまで持ち上げられている。半径方向締付け要素(把持手段脚片)28及び軸方向締付け要素(把持手段脚片)37は、その非作動位置にある。
図2に示した状態から出発して、ラム5の内部のシリンダ室44内に、圧力媒体、例えば圧縮空気又は圧縮液体が供給される。その結果、駆動ピストン26は、軸方向締付け把持手段23及び半径方向締付け把持手段27とともに、自らの位置を維持したままのドローバー24に沿って下方に移動する。その際、駆動ピストン26は、上側の対応くさび面53でもって軸方向締付け把持手段23に支持されている。この支持に基づいて、駆動ピストン26は、その下降運動時、軸方向締付け把持手段23を連行することができる。半径方向締付け把持手段27には、駆動ピストン26は、係止ピン31/半径方向孔47を介して結合されている。
軸方向締付け要素あるいは把持手段脚片37を備える軸方向締付け把持手段23と、半径方向締付け要素あるいは把持手段脚片28を備える半径方向締付け把持手段27とが設けられると、駆動ピストン26は、工具締付け装置18の軸方向締付け要素37及び半径方向締付け要素28のための要素担体として機能する。駆動ピストン26の下降運動により、軸方向締付け要素及び半径方向締付け要素、すなわち把持手段脚片28及び把持手段脚片37は、図2に示した、工具交換に割り当てられた非作動位置から、図3に示した機能準備位置へと動かされる。したがって、駆動ピストン26は、軸方向締付け装置19及び半径方向締付け装置21の1つの共通の作動装置の位置調節駆動装置56の一部をなしている。
図2に示した位置から図3に示した位置への駆動ピストン26の下降運動時、半径方向締付け把持手段27は、ラム5に設けられたカバー50の開口51内に進入する。その際、半径方向締付け把持手段27のくさび面33は、カバー50の対応くさび面52に当接する。
把持手段脚片28のくさび面33とカバー50の対応くさび面52とは、くさび機構のくさび機構要素の形態で互いに協働する。くさび面33と対応くさび面52との協働に基づいて、把持手段脚片28は、加圧面35でもって外側から工具軸部8に当接し、工具軸部8に法線力を加える。工具軸部8あるいは打抜きポンチ7は、工具収容部10内でセンタリングされる。シリンダ室44内の圧力は適当に選択されている。このため、半径方向締付け把持手段27の把持手段脚片28は、工具軸部8に力を加える。この力は、ドローバー24を用いた打抜きポンチ7の軸方向締付け動作を実施可能とする。
打抜きポンチ7を軸方向で締め付けるために、ドローバー24は、詳細には示さないドローバー駆動装置により締付け軸線25に沿って駆動ピストン26に対して相対的に上方に移動される。その際、ドローバー24は、保持ねじ45の外鍔46を介して軸方向締付け把持手段23を連行する。このことから、駆動ピストン26に対して相対的な、駆動ピストン26から切り離された軸方向締付け把持手段23の運動が生じる。その際、軸方向締付け把持手段23の上側のくさび面40及び下側のくさび面41は、駆動ピストン26の上側の対応くさび面53及び下側の対応くさび面54に沿って滑動する。互いに協働するくさび面40と対応くさび面53及びくさび面41と対応くさび面54は、くさび機構の駆動モータ側及び締付け要素側のくさび機構要素の形態で、軸方向締付け把持手段23の把持手段脚片37の、半径方向内向きに方向付けられた旋回運動を生じる。把持手段脚片37の内方運動の結果、把持手段脚片37の端部に設けられたフック42は、打抜きポンチ7の工具軸部8に設けられたアンダカット55に係合する。この形状結合(Formschlussverbindung:形状による束縛)に基づいて、ドローバー24は、打抜きポンチ7をその上昇運動時に連行する。その際、打抜きポンチ7は、調整リング9でもってラム5の下側の端面に当接する。ドローバー駆動装置により適当な引張り力を働かせると、打抜きポンチ7は、調整リング9において、ラム5の、受けとして機能する下面でもって締付け軸線25の方向で締め付けられる(図4)。
この状態からシリンダ室44内の圧力を昇圧する。したがって、駆動ピストン26は、半径方向締付け把持手段27を把持手段脚片28のステップ面34に対して、増大された力で下降方向に付勢する。駆動ピストン26による把持手段脚片28の強められた付勢の結果、くさび機構要素の協働あるいは把持手段脚片28に設けられたくさび面33とラム5のカバー50に設けられた対応くさび面52との協働に基づいて、把持手段脚片28は、その加圧面35において、高められた法線力を打抜きポンチ7の工具軸部8に加える。これにより、打抜きポンチ7は、半径方向締付け把持手段27の把持手段脚片28を介して、軸方向締付け装置19の締付け軸線25に対して垂直な方向で、ラム側の受けとして機能するカバー50、ひいてはラム5に最終的に締め付けられる。
軸方向締付け装置19と半径方向締付け装置21とは、組み合わされて、ラム5による打抜きポンチ7の2軸の締付けを生じる。2軸の締付けに基づいて、打抜きポンチ7と工具収容部10との間の、摩耗現象に繋がるがゆえに望ましくない相対運動が、打抜きポンチ7の、加工に起因する負荷の発生時においても、略完全に阻止される。すべての上述のプロセスは、打抜き機械1のCNC制御部によって制御される。

Claims (11)

  1. 工作機械(1)、好ましくは打抜き機械の工具ホルダであって、
    前記工作機械(1)の加工工具(7)、場合によっては前記打抜き機械の打抜き工具を少なくとも部分的に収容する工具収容部(10)と、
    少なくとも1つの工具受けと、
    制御されて締付け状態に移行可能な少なくとも1つの軸方向締付け要素(37)を有する軸方向締付け装置(19)であって、前記工具収容部(10)内に収容された加工工具(7)が、締付け状態に移行される前記軸方向締付け要素(37)によって、対応する工具受けにより、前記軸方向締付け装置(19)の締付け軸線(25)の方向で締め付けられるようになっている軸方向締付け装置(19)と、
    を備える工具ホルダにおいて、
    前記軸方向締付け装置(19)に対して付加的に半径方向締付け装置(21)が設けられており、該半径方向締付け装置(21)は、少なくとも1つの半径方向締付け要素(28)を有し、該半径方向締付け要素(28)は、前記軸方向締付け装置(19)の前記軸方向締付け要素(37)から切り離されて制御されて締付け状態に移行可能であり、前記工具収容部(10)内に収容された加工工具(7)は、締付け状態に移行される前記半径方向締付け要素(28)によって、対応する工具受けにより、前記軸方向締付け装置(19)の前記締付け軸線(25)に対して垂直な方向で締め付けられるようになっていることを特徴とする、工具ホルダ。
  2. 前記軸方向締付け装置(19)と前記半径方向締付け装置(21)とは、1つの共通の作動装置を有し、該作動装置によって、前記軸方向締付け要素(37)と前記半径方向締付け要素(28)とは一緒に、加工工具(7)が前記工具収容部(10)において着脱可能である非作動状態から、加工工具(7)が前記工具収容部(10)内に収容されている機能準備状態へと移行可能であり、該機能準備状態から、前記軸方向締付け要素(37)と前記半径方向締付け要素(28)とは、互いに切り離されて制御されてそれぞれの締付け状態へと移行可能である、請求項1記載の工具ホルダ。
  3. 前記軸方向締付け装置(19)及び前記半径方向締付け装置(21)の共通の作動装置は、共通の位置決め装置として形成されていて、位置調節駆動装置(56)を有し、該位置調節駆動装置(56)によって、前記軸方向締付け要素(37)と前記半径方向締付け要素(28)とは一緒に、非作動位置として存在する非作動状態から、機能準備位置として存在する機能準備状態に移動可能である、請求項1又は2記載の工具ホルダ。
  4. 前記軸方向締付け装置(19)及び前記半径方向締付け装置(21)の共通の位置決め装置は、要素担体(26)を有し、該要素担体(26)に前記軸方向締付け要素(37)及び前記半径方向締付け要素(28)は、非作動位置から機能準備位置への移動時に一緒に配置されており、前記要素担体(26)は、非作動位置から機能準備位置への前記軸方向締付け要素(37)及び前記半径方向締付け要素(28)の運動のために、前記共通の位置決め装置の位置調節駆動装置(56)により駆動可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載の工具ホルダ。
  5. 前記軸方向締付け装置(19)及び前記半径方向締付け装置(21)の共通の位置決め装置の要素担体(26)として、該共通の位置決め装置の位置調節駆動装置(56)の駆動要素が使用されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の工具ホルダ。
  6. 前記軸方向締付け装置(19)は、制御される軸方向締付け駆動装置(20)を有し、前記半径方向締付け装置(21)は、制御される半径方向締付け駆動装置(22)を有し、前記軸方向締付け要素(37)は前記軸方向締付け駆動装置(20)によって、かつ前記半径方向締付け要素(28)は前記半径方向締付け駆動装置(22)によって、機能準備位置から、締付け状態を形成する締付け位置に移動可能であり、前記軸方向締付け要素(37)又は前記半径方向締付け要素(28)は、前記軸方向締付け装置(19)及び前記半径方向締付け装置(21)の共通の位置決め装置の要素担体(26)を介して、機能準備位置から締付け位置への移動のために駆動可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の工具ホルダ。
  7. 前記軸方向締付け要素(37)又は前記半径方向締付け要素(28)は、前記軸方向締付け装置(19)及び前記半径方向締付け装置(21)の共通の位置決め装置の要素担体(26)を介して、その都度他方の締付け要素(28,37)が予め前記要素担体(26)から切り離し可能であることによって、機能準備位置から締付け位置への移動のために駆動可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載の工具ホルダ。
  8. 前記軸方向締付け駆動装置(20)及び/又は前記半径方向締付け駆動装置(22)は、駆動モータ側のくさび機構要素と締付け要素側のくさび機構要素とを有するくさび機構を有する、請求項1から7までのいずれか1項記載の工具ホルダ。
  9. 前記軸方向締付け駆動装置(20)及び/又は前記半径方向締付け駆動装置(21)の駆動モータ側のくさび機構要素として、前記軸方向締付け装置(19)及び前記半径方向締付け装置(21)の共通の位置決め装置の要素担体(26)が使用されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の工具ホルダ。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項記載の工具ホルダ(5)を備える工作機械、好ましくは打抜き機械。
  11. 工作機械(1)の工具ホルダ(5)に加工工具(7)を固定する方法、好ましくは打抜き機械の工具ホルダに打抜き工具を固定する方法であって、前記加工工具(7)を前記工具ホルダ(5)の工具収容部(10)内に挿入し、前記工具ホルダ(5)の軸方向締付け装置(19)の軸方向締付け要素(37)によって、前記軸方向締付け装置(19)の締付け軸線(25)の方向で前記工具ホルダ(5)の対応する受けに対して、前記軸方向締付け要素(37)が制御されて締付け状態に移行されることによって締め付ける、工作機械(1)の工具ホルダ(5)に加工工具(7)を固定する方法であって、前記加工工具(7)を付加的に半径方向締付け装置(21)の半径方向締付け要素(28)によって、前記軸方向締付け装置(19)の前記締付け軸線(25)に対して垂直な方向で、前記工具ホルダ(5)の対応する受けにより、前記半径方向締付け要素(28)が前記軸方向締付け装置(19)の前記軸方向締付け要素(37)から切り離されて締付け状態に移行されることによって締め付けることを特徴とする、工作機械の工具ホルダに加工工具を固定する方法。
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