JP2013519081A - 振動子スプリング及び当該振動子スプリングを組み立てるための方法 - Google Patents

振動子スプリング及び当該振動子スプリングを組み立てるための方法 Download PDF

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Abstract

振動子スプリング材料は、材料の弾性係数の熱的進化を、例えば振動子システムにおける他の熱的変化を補正もしくは補償するように調整される比率で、ホスト材料と添加剤との混合物を含む。添加剤は、異常な熱的進化の弾性係数を有する結晶質材料を含む。ホスト材料は、通常の熱的進化の弾性係数を有する。ホスト材料がその最終的な形態への相変態を経験する前に、添加剤がホスト材料に混合される。添加剤は、ホスト材料よりも高い相変態温度を有し、その結果、添加剤は同一状態のままである一方で、ホスト材料の相変態は起こる。

Description

本発明は、精密機器のための振動子スプリングの弾性係数(ヤングの係数)及びスプリング剛性の熱的進化を制御するための材料組成に関し、特に本発明は熱的安定性がシステムの正確な機能のための極めて重要であるシステムでの使用のための非磁性感度スプリングに対する組成及びその形成方法に関する。
20世紀初期までは、制限された膨張係数を有する材料の知識は、本質的には、自然に発生する材料、素子もしくは化合物に限定されていた。20世紀初期での原子科学の到来が、それを用いて、原子スケールでの材料の新生の理解と、以前知られていた測定法よりも非常に精度が高い測定法の必要性との両方をもたらした。これは次に、建物測定機器のための制限された熱膨張を示す、新しい材料、化合物、もしくは合金に対する研究へと導いた。
国際公開第2004/008,259号パンフレット 欧州特許出願公開第1,422,436号明細書
新しく1つ発見された材料は、最終的にはインバールと名付けられたフェロニッケル合金であって、それは数名の物理学者の研究成果であって、結果的にはチャールズエドワードギオームの制限された熱膨張合金の研究成果に終わる。形成された等方性ニッケル鉄合金は、低い線形的な熱膨張率を有する。その派生的な合金は、弾性係数の異常な(すなわち、正の)熱的進化を示すことができ、すなわち、温度上昇にともなう弾性係数の増加である。現代世界(特に、精密機器のためのバランススプリングにおけるそれらの使用)におけるこれらの合金の欠点は、磁場と、周囲温度範囲における弾性係数の異常な(すなわち、正の)熱的進化から弾性係数の通常の(すなわち、負の)熱的進化に対する変化とに対するそれらの感度である。
ニッケル鉄合金の弾性係数の熱的進化を示す曲線の変曲(すなわち、異常な挙動と通常の挙動との間の遷移)が、血液温度よりも低い温度で発生することを発見しただけでなく、本発明者は、新しい非磁性感度材料の使用を調べてうまく適用して(例えば機械式時計などの例えば測時学上の機構などに対する)機械式振動子システムのためのバランススプリングにおけるニッケル鉄合金の使用から生じた問題に取り組んだ。
一般的に、時計の機械式振動子システムにおいて1℃の温度上昇のときに結果として生じる計時変化(U)に対する方程式が以下で示される。
Figure 2013519081
ここで、バランスホイールの熱膨張係数はαで、バランススプリングの熱膨張係数はαで、弾性係数のヤングの係数はEの項で表され、そして1℃の温度上昇の間のEの変化はδEで表される。
Uは、α、α及びEの適切な値が適切な材料の注意深い選択によって選択されるときにはゼロとなる傾向がある。可能ならば、項α及び項
Figure 2013519081
に焦点を当てることによって、バランススプリングの材料におけるこの方程式に対する解決手法を導くことによって目的をかなうことができる。言い換えると、もし寸法変化及び弾性係数が制御され、所定の(すなわち、固定されたもしくはそうでなければ予め決定された)バランスホイールの熱膨張率と同等とみなされるならば、振動子を形成するために必要とされる産業プロセス及びパーツの全体数は減少することができる。
特許文献1では、本発明者は、スプリングの長さが温度上昇にともなって増加しない一方でスプリングの幅と高さとが同一の温度上昇にともなって増加するように、異方性の、あるバランススプリング材料を使用することを開示した。そのようなバランススプリングが、例えば機械式時計などの測時機器のための機械式振動子システムにおける使用に対して開示された。この出願において開示されたバランススプリング材料の熱的進化によって、時計における非常に接近した比率が非磁性材料を用いて取得されて維持される。
また別に、特許文献2は、異常な熱的進化の弾性係数を有する材料で覆われた、通常の熱的進化の弾性係数を有する等方性材料を含む、異常な熱的進化の弾性係数を有する時計バランススプリングを開示する。しかしながら、弾性係数の熱的進化の兆候(サイン)における変化は発見されたが、一致した形成誤差を獲得することが困難であって、結果として得られた材料の硬化が別の補償測定を必要とした。
本発明は、同一の問題に対する別の解決手法を提供するために、材料の異なる特性、特に非磁性感度材料を考慮し、ここで、その形成がさらに簡単化されてより信頼性が高くなる。
その最も一般的において、本発明は、材料内での温度変化及び寸法変化に対して、弾性係数の制御を可能とするネット組成を有する材料を提供する。言い換えると、材料自身、その組成の適切な配置を介して、スプリングのその弾性係数及び剛性の熱的進化による上述した計時変化に対する方程式における(例えば、バランススプリングなどの)その構成要素パーツに対して必要な補正効果を提供することができてもよい。
本発明によれば、従って通常の熱的進化の弾性係数を有する相変態されたホスト材料と、異常な熱的進化の弾性係数を有する非相変態された添加剤とを含む材料から形成された振動子スプリングを提供してもよく、ここで、混合物における添加剤の比率は、周囲温度範囲においてスプリングの弾性係数の熱的進化を制御するように選択されてスプリングの振動に対する熱的安定性を提供する。一実施形態では、スプリングは機械式振動子システムにおけるバランスとともに使用するためのものであってもよく、ここで、
Figure 2013519081
が実質的にαに等しくなり、混合物における添加剤の比率が周囲温度におけるスプリングの弾性係数の熱的進化を制御するように選択され、ここで、αはバランスの熱膨張係数であって、αはスプリングの熱膨張係数であって、Eはスプリングの弾性係数であって、δEは周囲温度内で1℃の温度上昇の間のEの変化である。
ここで、周囲温度範囲は5℃から40℃の範囲であってもよい。添加剤の比率は、例えば振動子システムにおける他の構成要素での熱的変動を補償するなどのために、実験的に決定されてもよい。実際、本発明の利点は、必要に応じて熱的挙動を「調整する」ことができる、ということである。実際には、添加剤の比率は、わずか33mol%、好ましくはわずか10mol%、より好ましくはわずか5mol%であってもよい。
機械式振動子システム自身において、バランスはスプリングの振動を調整するための任意の適切なバランスマスであって、当該バランスマスはモノリシック断片(ピース)の材料によるものであってもよい。一実施形態では、バランスマスは、例えば上述定義された混合物材料の1つのブロックなどから、スプリングとともに一体的に形成されてもよい。例えば、バランスマスは、形成プロセスもしくは切断プロセスの間に、スプリングの端で保持された厚くされた領域であってもよい。
もし添加剤がそれがどのような形状をとろうともその形状に形成される前に、材料の創造(形成)のステージにおいてホスト材料と混合されるならば、スプリング材料の熱的進化の制御がより正確に獲得されるかもしれない。ここで、混合は、ホスト材料が形成された後の堆積プロセスを介してそれを追加するよりもむしろ、ホスト材料内に添加剤を組み入れること(すなわち、物理的に混合すること)を意味してもよい。もう1つの態様では、それ故に本発明は、振動子スプリングを形成する方法を提供してもよく、当該方法は、相変態可能な前駆物質材料を添加剤に混合するステップと、後に続く使用のために、混合物をある形状に形成するステップと、前駆物質材料が通常の熱的進化の弾性係数を有するホスト材料に相変態を示す一方で添加剤が非相変態された状態のままである温度に混合物を加熱するステップとを含み、ここで、添加剤は異常な熱的進化の弾性係数を有する材料から形成され、混合物における添加剤の比率が周囲温度範囲におけるスプリングの弾性係数の熱的進化を制御するように選択されてスプリングの振動に対する熱的安定性を提供する。
添加剤が分散されたマトリックス、もしくは添加剤が添加されたボディに類似しているかもしれないホスト材料が、例えば任意の重合体の、又はピッチもしくはポリアクリロニトリル(PAN)の前駆物質から生じたカーボン材料を含んでもよい。マトリックスもしくはバルクのホスト材料の調合は、(例えば、上述した前駆物質材料などの)材料が、他の材料もしくは複数の材料を混合物の中に導入することをを可能とし、結果生じた材料が必要要件に従って実行できるようにするために要求された比率及び重量の非常に精密な制御を可能とするような相対粘度を有する液体形態のものであってもよいステージを含んでもよい。
ある新しい材料を形成するときの変態臨界温度によって、補正材料(すなわち、添加剤)が、添加剤材料に対する臨界温度は超えないがバルク(ホスト)材料が相の変化を経験する変態プロセスにおいて変更されないままとされる、ということが発見された。このことは、前駆物質材料が最終状態を導き出すための熱的プロセスを経験する前駆物質から導き出された、あるカーボン材料に関する特別な事例であるが、排他的な事例ではない。
一実施形態では、周囲範囲において組み合わされた材料の弾性係数の熱的進化を修正しもしくは変更するために、通常の熱的進化の弾性係数を有するホスト材料のボディは、異常な熱的進化の弾性係数を有する添加剤材料で覆われる。この実施形態を用いることによって起こり得る可能性がある欠点は、添加された材料の堆積厚における不変性を獲得することが困難かもしれない、ということである。さらに、剛性の著しい増加が、ホスト材料に対する薄膜の添加剤の付着性における不安定性を生じさせるのみならず、特に機械的な屈曲モードにおいて薄膜の添加剤がそのシグマゼロのしきい値に接近するとき、その線形的な弾力性が変態塑性もしくは塑性破壊に取って代わるポイントを生じさせるかもしれない。従って、添加剤がホスト材料内で混合された実施形態が好ましいかもしれない。
本発明者の以前の出願及び登録特許はカーボン材料の使用を含み、この出願は補正添加剤の追加(添加)を紹介するが、排他的ではないが特にそれらのカーボン材料に対し、排他的ではないが好ましくはガラス質カーボンとしてもまた知られた非結晶質カーボンである。それはまた添加剤の使用を含み、それが複合材料のマトリックス(母材)の特性を増強させるかもしれない。
添加剤は、周囲範囲におけるその弾性係数の異常な(すなわち、正の)熱的進化を示す結晶構造を有してもよい。そのような添加剤材料は、例えば二酸化ケイ素であってもよい。添加剤はマイクロファイバ、連続系のファイバ又は非結晶質もしくは他の形態において、ホスト材料に混合されてもよく、ここで、前駆物質状態から(例えばカーボンなどの)ホスト材料の最終的な相状態に対する相変化温度が、二酸化ケイ素及びカーボンに完全な炭化ケイ素化合物を形成させないように、又は他の添加剤がこの温度しきい値を超えないことによって所望されない実用的でない化合物を形成させないように調整されてもよい。例えば、二酸化ケイ素結晶機構をカーボン材料内でそのままの状態にしておくならば、その結果、それは温度における変化にともなって異常な弾性係数の変動を示し続けるかもしれない。
カーボンバルク材料に組み入れられた少ないパーセンテージの追加的な材料が、カーボンの弾性的なマイクロ構造の結果としてであるが、それが求められた補正測定を提供するのと同時に、複数の材料間の界面に応力をほとんど生じさせないので、10−9と10−11との間の非結晶質カーボン材料のマイクロ気孔率によって、さらなる機械的な利点が示される。
ホスト材料の調合範囲内で補正材料(添加剤)を含むことの別の利点は、排他的ではないが好ましくはホスト材料がその最終的な相構造に達する前に、マトリックスとしてであろうとバルク材料としてであろうと、2つの材料の混合によって結果として生じた応力が材料内で分散され、バルク対堆積膜界面に集中されない、ということである。最終状態より前の混合する調合によって、より大きい体積の材料が正確に混合されることを可能として最終的な材料内での分散を等方性とすることを可能とする。
本発明の材料は、例えば時計のひげぜんまい又は他のスプリングもしくはスプリングのような構成要素の安定化した機能のために実用的かもしれず、ここで、温度変化に対する弾性係数の変化は、好ましくは無視できるかもしくはゼロとなる傾向があるか、又は異常な進化を有するに違いない。例えば、本発明は、例えば時計及びクロノメータ、地震計、加速度計、マイクロ電気機械システム(MEMS)デバイス、機械的ヒューズ並びに弾性係数及び温度の相関が機器もしくはデバイスの信頼できる正確な性能のために無視できるに違いない他のものなどを含む、精密の機器に対して実用的であるかもしれない。
完成された構成要素の形態は、一旦混合された材料処理の粘着性のあるステージで導き出されてもよい。代替には、それは形成プロセスに対して容易に使用可能な形状を提供するように構成された最終的なバルク材料の調合から導き出されてもよい。排他的ではないが、これは、シートもしくはロッドフォーム、又は完成された製品の形状パーツ様式と同一の形状パーツ様式であってもよい。
最終的な構成要素は、機械的もしくは化学的な方法、すなわち光子放出もしくはアブレーション、イオンビームもしくは反応性プラズマエッチング技術、又はこれらの組み合わせによって個々にもしくは複数に切り取られてもよい。特に、非結晶質の非金属であるが導電性の低抵抗非結晶質カーボン材料は、DRIE(深反応性イオンエッチング)又は類似の方法によって切り取られてもよく、ここで、複数の構成要素は同時に切り取られてもよい。
平断片のガラス質カーボンの弾性係数の熱的進化を例示する概略的なグラフである。 二酸化ケイ素で覆われたガラス質カーボンの混合物を含む材料の断片の弾性係数の熱的進化を例示する概略的なグラフである
本発明の実施形態について添付の図面を参照して以下に説明される。
以下に説明された本発明の実施形態では、振動子スプリングは(このケースでは覆われているが)結晶質の二酸化ケイ素と混合された非結晶質(すなわち、ガラス質の)カーボンの断片から形成される。
二酸化ケイ素は、構造においてアモルファス(非結晶質)及び結晶質の両方とすることができる。両方の構造は、少なくとも1700Kまでは弾性係数の異常な(すなわち、正の)熱的進化を示す。
本実施形態で使用された非結晶質カーボンは、ポリマー前駆物質として始まる。ポリマー前駆物質が所望された形状に形成された後、二酸化ケイ素が添加される。しかしながら、ポリマー前駆物質の適切な粘度のために、形状形成ステップが実行される前に二酸化ケイ素が混合されてもよい。この実施形態では、カーボンに対する二酸化ケイ素の添加剤の比率は、最終的な混合物において約4.5mol%である。
前駆物質(すなわち、相変態されたホスト材料の前)と二酸化ケイ素(添加剤)とは混合されて必要とされる形状に形成された後、前駆物質がポリマー前駆物質から純粋なガラス質カーボン相に対する相変態を経験するために混合物は加熱される。典型的には、相変態は1250Kで発生するか、もしくは1250Kより下で発生する。
カーボンの相変態は、(非結晶質であろうが結晶質であろうが)二酸化ケイ素の添加剤の状態もしくは相に影響を及ぼさず、すなわち、化学もしくは形態の変化は存在しない。従って、弾性係数の異常な熱的進化は、材料の形成の温度範囲においてとその後のその活動の所望された温度範囲においてとの両方で加熱もしくは冷却するときにはもとの状態のままである。
図1及び図2に図示された概略的なグラフは、添加剤の効果を例示する。
図1は、平板のガラス質のカーボンスプリング素子の弾性係数の熱的進化を表す。それは通常であって、すなわち、負の勾配を有する。
対照的に、図2は、二酸化ケイ素で覆われたガラス質のカーボンスプリング素子の弾性係数の熱的進化を表す。ここでの挙動は異常であって、すなわち、正の勾配を有する。
両方のグラフはまた点線を示し、それは、温度にともなう(例えば、石英もしくは他の非磁性感度材料などのブロックを含む)典型的なバランスホイールの半径の増加に対応する。本発明の振動子スプリングは、そのようなバランスホイールとともに使用されて機械式振動子システムを形成してもよい。原理上は、もしスプリングの弾性係数の熱的進化がバランスホイール半径の熱的進化と整合(すなわち、相関)することができれば、熱的効果に対する補償が獲得される。図1が不適合な熱的進化を示す一方で、図2は熱的補償が実行される周囲温度範囲における相関を獲得することが可能であることを示す。

Claims (14)

  1. 通常の熱的進化の弾性係数を有する相変態されたホスト材料と、異常な熱的進化の弾性係数を有する非相変態された添加剤との混合物を含む材料から形成された振動子スプリングであって、
    上記混合物における上記添加剤の比率は、周囲温度範囲における上記スプリングの弾性係数の熱的進化を制御するように選択されて、上記スプリングの振動に対する熱的安定性を提供することを特徴とする振動子スプリング。
  2. 機械式振動子システムにおいてバランスとともに使用するための振動子スプリングであって、
    Figure 2013519081
    が実質的にαに等しくなり、上記混合物における上記添加剤の比率が周囲温度範囲において上記スプリングの弾性係数の熱的進化を制御するように選択され、ここで、αは上記バランスの熱膨張係数であって、αは上記スプリングの熱膨張係数であって、Eは上記スプリングの弾性係数であって、δEは上記周囲温度内での1℃の温度上昇の間のEの変化であることを特徴とする請求項1記載の振動子スプリング。
  3. 上記添加剤は、上記相変態されたホスト材料よりも低い相変態温度を有する結晶質材料を含んだことを特徴とする請求項1又は2記載の振動子スプリング。
  4. 上記ホスト材料及び上記添加剤は、非磁性的に感知力を有することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の振動子スプリング。
  5. 上記ホスト材料は、ガラス質カーボンを含むことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の振動子スプリング。
  6. 上記添加剤は、二酸化ケイ素を含むことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の振動子スプリング。
  7. 精密機器のための機械式振動子システムであって、
    上記システムは、
    バランスマスと、
    上記バランスマスを振動させるように設けられた請求項2記載の振動子スプリングとを備えたことを特徴とする機械式振動子システム。
  8. 上記バランスマスは、モノリシック断片の材料であることを特徴とする請求項7記載の機械式振動子システム。
  9. 上記バランスマスは、上記ホスト材料と上記添加剤との上記混合物を含む、1つの断片の材料からの上記振動子スプリングとともに一体的に形成されたことを特徴とする請求項7記載の機械式振動子システム。
  10. 振動子スプリングを形成する方法であって、
    当該方法は、
    相変態可能な前駆物質材料を添加物と混合するステップと、
    上記前駆物質材料が通常の熱的進化の弾性係数を有するホスト材料に相変態を示す一方で、上記添加剤は非相変態された状態のままである温度に上記混合物を加熱するステップとを含み、
    上記添加剤は、異常な熱的進化の弾性係数を有する材料から形成され、
    上記混合物における上記添加剤の比率は、周囲温度範囲における上記スプリングの弾性係数の熱的進化を制御するように選択されて、上記スプリングの振動に対する熱的安定性を提供することを特徴とする振動子スプリングを形成する方法。
  11. 上記スプリングは、機械式振動子システムにおいてバランスとともに使用するためであって、
    上記方法は、
    Figure 2013519081
    が実質的にαに等しくなるように、上記混合物における上記添加剤の比率を選択して周囲温度範囲において上記スプリングの弾性係数の熱的進化を制御するステップを含み、
    ここで、αは上記バランスの熱膨張係数であって、αは上記スプリングの熱膨張係数であって、Eは上記スプリングの弾性係数であって、δEは上記周囲温度内での1℃の温度上昇の間のEの変化であることを特徴とする請求項10記載の振動子スプリングを形成する方法。
  12. 上記前駆物質の最終的な相変態の前に、後に続く使用のために、上記混合物をある形状に形成するステップを含むことを特徴とする請求項10又は11記載の振動子スプリングを形成する方法。
  13. 上記前駆物質の相変態の後に、上記ホスト材料と上記添加剤との上記混合物から1つもしくはそれ以上の構成要素を切り取るステップを含むことを特徴とする請求項10〜12のうちのいずれか1つに記載の振動子スプリングを形成する方法。
  14. 上記切り取るステップは、深反応性イオンエッチング(DRIE)を実行して1つの切り取る工程において、上記ホスト材料と上記添加物との上記混合物から複数の構成要素を取得するステップを含むことを特徴とする請求項13記載の振動子スプリングを形成する方法。
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