JP2021518537A - 正確な剛性の計時器の温度補償ひげぜんまいを製造する方法 - Google Patents

正確な剛性の計時器の温度補償ひげぜんまいを製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明の計時器のひげぜんまいを製造する方法は、a)ウェハの中にひげぜんまいを形成するステップと、b)ひげぜんまい上に温度補償層を形成するステップと、c)所定範囲内の剛性を有するひげぜんまいを特定するステップと、d)随意的に、ウェハから、ステップc)で特定されたひげぜんまいを切り離すステップと、e)ひげぜんまいの他のものを、少なくとも一部の剛性が所定範囲内になるように修正するステップと、f)ひげぜんまいの他のものと、ステップd)で切り離されていない場合にステップc)で特定されたひげぜんまいとをウェハから切り離すステップと、を含む。本方法は、ひげぜんまいの間の製造ばらつきを少なくすることができる。【選択図】 図4

Description

本発明は、計時器の温度補償ひげぜんまいを製造する方法に関し、より詳細には、計時器の機械的振動子を形成するために、テンプと共に使用することが意図された計時器の温度補償ひげぜんまいに関する。
欧州特許第1422436号は、コア及び該コアを覆う層を備える計時器の温度補償ひげぜんまいを開示し、この層は、弾性率の温度係数がコア材料とは反対符号の材料から形成される。従って、この層は、コアの弾性係数の変動を温度に応じて補償し、その厚さは、同様に、振動子の周波数が温度に鈍感であるように、テンプの慣性モーメントの変動を補償するのに十分であるように選択することができる。典型例において、コアは単結晶シリコンであり、温度補償層は酸化シリコンである。
欧州特許第3181938号及び欧州特許第3181939号は、所定の剛性の計時器のひげぜんまいの製造を可能にする方法を記載する。欧州特許第3181938号による方法では、a)所定の剛性のひげぜんまいを得るのに必要な寸法よりも大きな寸法のひげぜんまいを形成し、b)このように形成されたひげぜんまいの剛性を決定し、c)所定の剛性のひげぜんまいを得るために除去される材料厚さを計算し、d)計算された材料厚さをステップa)で形成したひげぜんまいから除去する。欧州特許第3181939号による方法では、a)所定の剛性のひげぜんまいを得るのに必要な寸法よりも小さな寸法のひげぜんまいを形成し、b)このように形成されたひげぜんまいの剛性を決定し、c)所定の剛性のひげぜんまいを得るために必要な不足材料厚さを計算し、d)ステップa)で形成いたひげぜんまいを修正して不足材料厚さを補償する。上記の両方法において、一連のステップb)、c)、及びd)は、ひげぜんまいの寸法品質を改善するために繰り返すことができる。ステップd)の後で、具体的には上記の欧州特許第1422436号の教示に従って温度補償ステップを実行する。
欧州特許第3181938号及び欧州特許第3181939号の方法によって、同じウェハ又は異なるウェアから製造されたひげぜんまい間の製造ばらつきを低減することが可能になる。それにも関わらず、同じウェハからのひげぜんまいの間に剛性の差異が依然として見られる。実際には、各ウェハ上に数百のひげぜんまいが作られる。次に、得られたひげぜんまいは、剛性に応じて分類される。従って、数十の、例えば、各々がいくらかのひげぜんまいを含む60の階級を提供することができる。次に、各階級のひげぜんまいは、各テンプ−ひげぜんまい振動子が実質的に所定の周波数を有するように、対応する階級のテンプとマッチングされる(テンプは、実際には自身の慣性モーメントに応じて分類される)。次に、一般的にはテンプが運ぶ慣性ブロックによって周波数の微調節が行われる。詳細には、ひげぜんまい間の剛性のばらつきに起因する多数の階級は、多数の構成要素の在庫の管理を必要とする。
欧州特許第1422436号 欧州特許第3181938号 欧州特許第3181939号
本発明は、同じウェハから製造されたひげぜんまい間の剛性のばらつきを低減することを可能にする、計時器の温度補償ひげぜんまいを製造する方法を提案することを目的とする。
このために、計時器のひげぜんまいを製造する方法が提供され、本方法は、
a)ウェハの中にひげぜんまいを形成するステップと、
b)ひげぜんまい上に温度補償層を形成するステップと、
c)所定範囲内の剛性を有するひげぜんまいを特定するステップと、
d)随意的に、ウェハから、ステップc)で特定されたひげぜんまいを切り離すステップと、
e)ひげぜんまいの他のものを、少なくとも一部の剛性が所定範囲内になるように修正するステップと、
f)ひげぜんまいの他のものと、ステップd)で切り離されていない場合にステップc)で特定されたひげぜんまいとをウェハから切り離すステップと、
を含む。
本発明は、製造バッチ内でのばらつきを低減するために、完成したひげぜんまいの微修正を可能にする。さらに、本発明による方法は、それ自体、できるだけ長くウェハ上にひげぜんまいを保持することが重要である工業生産に良好に役立つ。
本発明の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことで明らかになるはずである。
本発明による方法の概略図である。 本発明による方法の第1のステップでウェハ及びウェハ上に形成されたひげぜんまいの斜視図である。 本発明による別のステップで得られた温度補償層を支持するひげぜんまいの巻きの断面図である。 図3のステップで得られたひげぜんまいの剛性に関するばらつき示す図である。
図1を参照すると、本発明による計時器のひげぜんまいを製造する方法は、一連のステップ11から23を含む。このひげぜんまいは、詳細には、一緒になって特に腕時計用の機械的計時器の振動子を形成するために、テンプのための弾性リターン要素として用いることが意図されている。
ステップ11において、ウェハが調達され、ウェハの中に、例えばディープ反応性イオンエッチング(DRIE)によって又はレーザーエッチングによって、ひげぜんまいがエッチングされる。好ましい実施形態において、ウェハは、シリコンベースの材料で、例えば、シリコン自体で、又は2つのシリコン層の間に酸化シリコン層を備えるシリコンオンインシュレータタイプ(SOI)の多層材料で作られる。シリコンオンインシュレータの場合、ステップ11で得られたひげぜんまいは、多層ひげぜんまい(シリコン−酸化シリコン−シリコン)とすることができる。また、多層ひげぜんまいは、ウェハの第1の部分に各ひげぜんまいの第1の部分をエッチングし、ウェハの第2の部分に各ひげぜんまいの第2の部分をエッチングし、次にウェハの2つの部分を接合することで製作することができる。より詳細な多層ひげぜんまいの製造方法は、国際公開第2016/128694号に見出すことができる。また、SOIウェハから始めて、シリコンの上層のみにひげぜんまいをエッチングし、次にシリコンの下層及び酸化シリコンの中間層を除去することができ、本方法が続けられるウェハは上側のシリコン層から形成される。
一般的な方法において、本発明では、シリコンは単結晶、多結晶、又は非結晶とすることができる。また、ドープすることもできる。それにも関わらず、ガラス、セラミック、金属、又は金属合金などのシリコンベース材料以外の材料を用いることができる。
ステップ11の終わりで、エッチングされたひげぜんまいは、図2に示すような材料ブリッジによってウェハに対して取り付いたままであり、ここでは単純化のために、単一のひげぜんまい31がウェハ33の中に描かれており、このひげぜんまいは、材料ブリッジ35によってウェハ33に取り付けられている。
ステップ13において、欧州特許第3181938号又は欧州特許第3181939号に記載された方法が適用され、これらの特許は、引用により本出願に組み込まれている。従って、ウェハにエッチングされたひげぜんまいを代表する剛性を決定し(ステップ13a)、この決定の結果を使用して、所定の剛性を得る目的でひげぜんまい上に付加、除去、又は修正すべき材料厚さを計算し(ステップ13b)、所定の剛性を得る目的で計算した材料厚さを使用してひげぜんまいを修正し(ステップ13c)、ステップ13a、13b、及び13cは、1回又は複数回繰り返される。
ステップ13aで決定した剛性は、ウェハ内にエッチングされた全てのひげぜんまいの平均剛性、これらのひげぜんまいのサンプルの平均剛性、又はこれらのひげぜんまいのうちの1つの剛性とすることができる。所定のひげぜんまいに関して、剛性は、ひげぜんまいを、ウェハに依然として取り付いているか否かを問わず、所定の慣性モーメントをもつテンプに結合し、テンプ−ひげぜんまい組立体の周波数を測定し、測定値から計算によってひげぜんまいの剛性を推定することで決定することができる。特に、このウェハに依然として取り付いている全てのひげぜんまいの剛性の決定を行い、次にその平均を計算すること、又は依然としてウェハに取り付いているひげぜんまいのサンプルの剛性の決定を行い、次にその平均を計算すること、又は事前にウェハから切り離されたひげぜんまいのサンプルの剛性の決定を行い、次にその平均を計算することができ、これらの切り離されたひげぜんまいは、本方法の残りの部分のために犠牲になる。
次に、ウェハに取り付いている全てのひげぜんまいに対して好ましくは同時にステップ13cが実行される。ステップ11において、所定の剛性をもつひげぜんまいを得るのに必要な寸法よりも大きな寸法でひげぜんまいがエッチングされた場合、ステップ13cは、均一な又は不均一な様式で、その外面の全体又は一部にわたってひげぜんまいから或る材料厚さを除去することから成ることができる。ステップ11において、所定の剛性をもつひげぜんまいを得るのに必要な寸法よりも小さな寸法でひげぜんまいがエッチングされた場合、ステップ13cは、均一な又は不均一な様式で、その外面の全体又は一部にわたってひげぜんまいに或る材料厚さを付加することから成ることができる。
ステップ13cでの材料の除去は、ウェットエッチング、気相エッチング、プラズマエッチング、又はレーザーエッチングなどのエッチングで行うことができる。シリコンベースのひげぜんまいの場合、材料の除去は、除去されるシリコンベース材料の厚さを酸化シリコン(SiO2)に転換するためにひげぜんまいを酸化させて、次に酸化シリコンを除去することで行うこともできる。ひげぜんまいは、酸化させるために炉内に置いて酸化雰囲気中で800から1200°Cの温度に晒すことができる。
ステップ13cでの材料の付加は、何らかの付加方法、例えば、熱酸化法、ガルバニック成長法、物理蒸着法、化学蒸着法、又は原子膜蒸着法によって行うことができる。ひげぜんまい上に蒸着される材料は、ウェハと同じ材料又はこれとは異なる材料とすることができる。
材料の付加又は除去の代替手段として、ステップ13cにおいて、ひげぜんまいの寸法を必然的に修正することなく、ステップ13bで計算した材料厚さを修正することができる。詳細には、例えば、格子間原子又は置換原子の結晶化、ドーピング、又は拡散によって、ひげぜんまいの外面の全て又は一部の所定深さにわたって化学構造又は組成を修正することができる。
本発明による方法のステップ15において、ひげぜんまい上に、好ましくは図3に示すように外面全体にわたって参照符号37で表される温度補償層を形成する。この温度補償層の材料は、ステップ13の終わりに得られるひげぜんまいを形成する材料とは反対符号の弾性率の温度係数を有する。ひげぜんまいがシリコンベースの材料である場合、温度補償層は、典型的には酸化シリコンであり、800から1200°Cの温度で酸化雰囲気に晒すためにひげぜんまいを炉内に置くことで、熱酸化によって得ることができる。温度補償層は、温度に応じてひげぜんまいの弾性係数の変動を全体的に又は部分的に補償する。また、これらのひげぜんまいが使用され、結果的にひげぜんまい−テンプ振動子を温度に鈍感にすることが意図されたテンプの慣性モーメントにおいて、温度補償層は、同様に温度に応じてひげぜんまいの弾性係数の変動を補償するために、ひげぜんまいの弾性係数の変動を過度に補償することができる。
ステップ17において、ウェハに依然として取り付いた状態でひげぜんまいの各々の剛性を決定する。これを行うために、各ひげぜんまいに関して、ひげぜんまいを所定の慣性モーメントを有するテンプに結合し、テンプ−ひげぜんまい組立体の周波数を測定し、ひげぜんまいの剛性をこの測定値から計算によって推定する。変形例として、ひげぜんまいの一部だけの剛性を決定し、これらから他のひげぜんまいの剛性を推定することができる。例えば、ウェハのそれぞれの領域を代表するひげぜんまいの剛性を決定することができ、同じ領域のひげぜんまいは、実質的に同じ剛性を有する。
本発明の方法のこの段階で、複数のひげぜんまいの剛性は、図4に示す曲線39のタイプの分散曲線上で、N数の階級、例えば60の階級に分散する。本発明の方法の残りは、階級の数を低減することを意図する。このために、ひげぜんまいの一部だけが、例えば、N/2の最初の階級又はN/2の最後の階級が適合するとみなされ、他のひげぜんまいは、これらを適合状態にするために修正される。このようにして階級の数は半分になる。
従って、ステップ19において、例えばN/2の最初の階級又はN/2の最後の階級に対応する所定範囲の剛性を有するひげぜんまいは、適合すると見なされてウェハから切り離される。他のひげぜんまいは、ウェハ上に残される。
ステップ21において、ウェハ上に残されたひげぜんまいは、その剛性が所定範囲に入るように修正される。所定範囲の選択に従って、ウェハ上に存在する全てのひげぜんまいに関して温度補償層の厚さは、好ましくは、ひげぜんまいの剛性をそれぞれ増加又は減少させるために同時に増加又は減少される。温度補償層に付加される又はそこから除去される厚さ値は、計算によって事前に決定することができる。詳細には、本出願は、シリコンコアで形成されたひげぜんまいと、シリコンコアの厚さ(幅)の10%に等しい厚さの酸化シリコンの外側の温度補償層とに関して、温度補償層の厚さのわずか5%の修正が、温度に応じて稼働することに関して、すなわち最大±0.6秒/日/度(second/day/degree)のCOSC (Controle Officiel Suisse des Chronometres [Swiss Official Chronometer Testing Institute])の要件を順守しながら、階級の数Nを半分にするのを可能にしたことに留意している。この相当な階級数の低減は、構成要素の在庫の管理を容易にしかつコストを下げる。
図4は、適合すると見なされる剛性の所定範囲がN/2の最初の階級に対応する場合、ステップ21のひげぜんまいの修正が、好ましくこれらのひげぜんまいの各々がN/2の最初の階級のうちの1つに属すことができるように、所定範囲の長さに等しい距離にわたって、ウェハ上に存在するひげぜんまいの分散曲線の左側への変位をもたらすことを示す(曲線41)。逆に、適合すると見なされる剛性の所定範囲がN/2の最後の階級に対応する場合、ステップ21のひげぜんまいの修正が、好ましくこれらのひげぜんまいの各々がN/2の最後の階級のうちの1つに属すことができるように、所定範囲の長さに等しい距離にわたって、ウェハ上に存在するひげぜんまいの分散曲線の右側への変位をもたらすことを示す(曲線43)。図4に示す2つの形態(曲線41及び43)は、2つの最適な形態である。勿論、ウェハから切り離されたひげぜんまい及び依然として取り付いたままのひげぜんまいに関して、N/2よりも大きいがN未満の階級の全数をもたらす中間形態が可能である。
ステップ21で温度補償層の厚さを増加させるために、ひげぜんまいが酸化シリコンの温度補償層で覆われたシリコンベースの材料のコアを備える場合、ステップ13c及び15に関して上記のように熱酸化させることができる。
ステップ21で温度補償層の厚さを低減させるために、気相エッチング、プラズマエッチング、ウェットエッチング(例えば、フッ化水素酸を使用する)又はレーザーエッチングなどのエッチング技術を実行することができる。
材料を温度補償層に付加する又はそこから除去する代替案として、ステップ21において、温度補償層の化学構造又は組成を、必然的にその厚さを修正することなく所定の深さにわたって修正することができる。この化学構造又は組成の修正は、例えば、注入、拡散、又は他のプロセスによる温度補償層のドーピングから成ることができる。
変形例において、ステップ21で温度補償層の厚さを増加させる代わりに、温度補償層上に該温度補償層とは異なる材料を蒸着させることができる。詳細には、蒸着は、物理蒸着、化学蒸着、又は原子薄膜蒸着とすることができる。温度補償層とは異なる材料は、金属、酸化物、窒化物、又は他の材料とすることができる。
最後のステップ23において、ウェハの中に残ったひげぜんまいが切り離される。次に、全てひげぜんまいは、テンプとマッチさせることができるようにその階級に従って保管される。
本発明の1つの変形例において、ステップ19では、適合すると認定されたひげぜんまいは、ウェハの中に残されるが、例えばマスク用いて、ステップ21で実行される処理から保護される。従って、ステップ21において、適合しないと見なされたひげぜんまいだけが修正され、最後のステップ23において、全てのひげぜんまいがウェハから切り離される。

Claims (12)

  1. 計時器のひげぜんまいを製造する方法であって、
    a)ウェハの中にひげぜんまいを形成するステップと、
    b)前記ひげぜんまい上に温度補償層を形成するステップと、
    c)所定範囲内の剛性を有する前記ひげぜんまいを特定するステップと、
    d)随意的に、前記ウェハから、ステップc)で特定された前記ひげぜんまいを切り離すステップと、
    e)前記ひげぜんまいの他のものを、少なくともいくつかの剛性が前記所定範囲内になるように修正するステップと、
    f)前記ひげぜんまいの他のものと、ステップd)で切り離されていない場合にステップc)で特定された前記ひげぜんまいとを前記ウェハから切り離すステップと、
    とを含む方法。
  2. ステップe)は、前記ひげぜんまいの他のものに対して同時に実行される、請求項1に記載の方法。
  3. ステップe)は、前記温度補償層を修正するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップe)は、前記温度補償層の厚さを修正するステップを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ステップe)は、前記温度補償層の厚さを増加させるステップを含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. ステップe)は、前記温度補償層の厚さを減少させるステップを含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  7. ステップa)とステップb)との間で、
    (i)前記ウェハの中に形成されたひげぜんまいを代表する剛性を決定するステップと、
    (ii)ステップ(i)の結果から、所定の剛性を得るために前記ひげぜんまいを修正するステップと、
    を含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. ステップa)とステップb)との間で、前記一連のステップ(i)及び(ii)を一度または複数回繰り返す、請求項7に記載の方法。
  9. ステップa)は、1又は複数のエッチングステップを含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. ステップa)で形成された前記ひげぜんまいは、シリコンであるか又は少なくとも1つのシリコン層を含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記温度補償層は、酸化シリコンである、請求項10に記載の方法。
  12. ステップa)で形成された前記ひげぜんまいは、ガラス、セラミック、金属、又は金属合金である、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
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