JP2013515063A - オレフィン分圧の制御による、混合リガンドヒドロホルミル化プロセスにおけるノルマル:イソアルデヒド比の制御 - Google Patents

オレフィン分圧の制御による、混合リガンドヒドロホルミル化プロセスにおけるノルマル:イソアルデヒド比の制御 Download PDF

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Abstract

ノルマル(N)およびイソ(I)アルデヒドをN:I比で製造するための直列の複数(例えば2つ)の反応ゾーンのヒドロホルミル化プロセスの制御であり、方法は、オレフィン性不飽和化合物(例えばプロピレン)を、一酸化炭素、水素、ならびに、(A)遷移金属(例えばロジウム)、(B)オルガノビスホスファイトおよび(C)オルガノモノホスファイトリガンドを含む触媒と接触させることを含み、該接触を、第1および後続の反応ゾーン内で、各ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧を含むヒドロホルミル化条件で行い、第1の反応ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧を低減させてN:I比を低減させること、または、第1の反応ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧を増大させてN:I比を増大させることによって制御を実施する。

Description

発明の分野
本発明は、ヒドロホルミル化プロセスに関する。一側面において、本発明は、遷移(例えばロジウム)触媒を用いるヒドロホルミル化プロセスの直鎖 対 分岐の異性体比の制御に関し、一方別の側面において、本発明は、2つのホスファイトリガンドの混合物を用いて金属が可溶化されるようなプロセスに関する。更に別の側面において、本発明は、リガンドの破壊を伴わない、アルデヒド生成物の直鎖 対 分岐の異性体比の制御である。
発明の背景
可変のノルマル(すなわち直鎖)対イソ(すなわち分岐)指数(VNI)ヒドロホルミル化プロセスは、2つのホスファイトリガンドの混合物を用いてノルマル:イソアルデヒド生成物混合物の調整可能な選択性を可能にする。特に、3成分触媒系は、遷移金属(典型的にはロジウム(Rh))、オルガノポリホスファイトリガンド(典型的にはオルガノビスホスファイトリガンド(obpl))、およびオルガノモノホスファイトリガンド(ompl)を用い、ここでオルガノモノホスファイトリガンド 対 ロジウム(ompl : Rh)モル比は典型的には5対1を超えて(>5:1)維持され、オルガノビスホスファイトリガンド 対 ロジウム(obpl:Rh)モル比は、0から1:1の間に制御されて、N:Iを、obpl:Rhモル比(典型的にはプロピレンについて20から40の間)で得られるものに対してompl:Rh モル比(典型的には1から5の間)に専ら基づいて得られる範囲に亘って制御する。N:Iを制御する従来法は、オルガノビスホスファイトリガンド 対 ロジウム比を制御することである。特に、N:Iを低減させる方法は、オルガノビスホスファイトリガンドを、酸化および加水分解によるリガンドの自然分解を通じてより低濃度にすることである。しかしこの方法の困難な点は、オルガノビスホスファイトリガンドの自然分解が遅い(すなわち時間がかかる)ことである。オルガノビスホスファイトリガンドの分解速度を増大させることは公知であるが、この方法はプロセスの価格を増大させる。関心事は、高価なオルガノビスホスファイトリガンドを分解させることなくN:Iを制御する方法である。
発明の簡単な要約
一態様において、本発明は、ノルマル(N)およびイソ(I)アルデヒドをN:I比で製造するための複数反応ゾーンのヒドロホルミル化プロセス(例えば第WO2008/115740号に記載されるもの)を制御する方法であって、該方法が、オレフィン性不飽和化合物を、一酸化炭素、水素、ならびに、(A)遷移金属(好ましくはロジウム)、(B)オルガノポリホスファイト(好ましくはオルガノビスホスファイト)、リガンドおよび(C)オルガノモノホスファイトリガンドを含む触媒と接触させることを含み、該接触を、第1および後続の反応ゾーン内で、各ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧(オレフィン分圧)を含むヒドロホルミル化条件で行い、該方法が、第1の反応ゾーン内のオレフィン分圧を低減させてN:I比を低減させること、または、第1の反応ゾーン内のオレフィン分圧を増大させてN:I比を増大させることを含む、方法である。
一態様において、本発明は、ノルマル(N)およびイソ(I)アルデヒドをN:I比で製造するための複数反応ゾーンのヒドロホルミル化プロセスを制御する方法であって、該方法が、オレフィン性不飽和化合物を、一酸化炭素、水素、ならびに、(A)遷移金属、(B)オルガノビスホスファイト、および(C)オルガノモノホスファイトリガンドを含む触媒と接触させることを含み、該接触を、第1および後続の反応ゾーンで、各ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧を含むヒドロホルミル化条件で行い、該方法が、以下:
(1)第1の反応ゾーン内の温度を変化させること;
(2)総オレフィン供給物の20%以下を後続の反応ゾーン内に供給すること;
(3)後続の反応ゾーン内へのオレフィン供給物の量を低減させること;および
(4)第1の反応ゾーンへのオレフィン供給速度(feed rate)を変化させること;
の1つ以上によってN:I比を変化させることを含む、方法である。
好ましい態様の詳細な説明
元素周期表に対する全ての参照は、CRC Press, Inc.,2003が刊行しおよび著作権を有する元素周期表を意味する。また、1つまたは複数の族の任意の参照は、族の番号付けについてIUPAC系を用いてこの元素周期表に表される1つまたは複数の族であるものとする。特記、内容の黙示、または当該分野での慣習がない限り、全ての部およびパーセントは質量基準であり、全ての試験方法は本開示の出願日現在のものである。米国特許実務の目的のために、任意の参照する特許、特許出願または公報の内容はその全部を、特に合成方法、定義(本開示で具体的に与える任意の定義と矛盾しない限りにおいて)および当該分野の一般的知識の開示に関し、参照により全部を本開示に組入れる(またはその同等の米国版を参照により組入れる)。
全てのパーセント、好ましい量または測定、範囲および端点は端点を含み、すなわち「10以下(up to)」は10を含む。「少なくとも」は「これを超えまたはこれと等しい」と等価であり、よって「最大(at most)」は「これ未満またはこれと等しい」と等価である。特記がない限り数は近似である。「少なくとも」「を超える」「これを超えまたはこれと等しい」または同様に記載されるパラメータから、「最大」「以下」「未満」「これ未満またはこれと等しい」または同様に記載されるパラメータまでの全範囲は、各パラメータについて示される好ましさの相対程度に関わらず好ましい範囲である。よって、有利な下限値を最も好ましい上限値と組み合わせたものを有する範囲は、本発明の実施に好ましい。用語「有利」は、必要であるよりも高いが用語「好ましくは」よりも低い好ましさの程度を示すのに用いる。数値範囲は、本開示で、とりわけ、反応剤およびプロセス条件の相対量について与える。
ヒドロホルミル化プロセス、その反応剤、条件および装置は周知であり、とりわけ第USP4,169,861号,第USP5,741,945号,第USP6,153,800号および第USP7,615,645号,第EP0590613号および第WO2008/115740号に記載されている。典型的には、オレフィン性不飽和化合物(例えばプロピレン)は、合成ガス,すなわち一酸化炭素(CO)および水素(H2)、更に遷移金属、好ましくはロジウム、およびオルガノポリホスファイト、好ましくはオルガノビスホスファイト、およびオルガノモノホスファイトリガンドを含む3成分触媒とともに供給し、接触は、直列に組合せた(すなわち第1の反応ゾーンのアウトプットは後続の反応ゾーンのインプットとして供給する)複数反応器系内へのヒドロホルミル化条件で実施する。加工技術は、従来のヒドロホルミル化プロセスにおいて用いる公知の加工技術のいずれに対応することもできる。例えば、プロセスは、液体状態または気体状態、および連続式、半連続式、またはバッチ式のいずれで行うこともでき、液体リサイクルおよび/もしくは気体リサイクル操作またはそのような系の組合せ(所望により)を含む。同様に、反応含有成分、触媒および溶媒の添加の様式または順序もまた、臨界的ではなく、任意の従来の様式で実現できる。
本発明の方法において好適に用いられるオレフィン性不飽和化合物は、ヒドロホルミル化プロセスにおいて対応する1種または複数種のアルデヒド生成物を生成するのにあずかることができ、そして粗液体ヒドロホルミル化生成物流から気化によって分離できるものである。本発明の目的のために、「オレフィン」は少なくとも炭素原子および水素原子を含有し、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合(C=C)を有する脂肪族有機化合物と定義される。好ましくは、オレフィンは、1つまたは2つの炭素−炭素二重結合を含有し、より好ましくは1つの炭素−炭素二重結合を含有する。1つまたは複数の二重結合は、炭素鎖に沿った末端部分(アルファオレフィン)または鎖の任意の内部(内部オレフィン)に位置できる。任意に、オレフィンは、炭素および水素以外の元素(例えば、窒素、酸素、およびハロゲンが挙げられ、好ましくは塩素および臭素である)を含むことができる。オレフィンはまた、官能性置換基(例えばヒドロキシ、アルコキシ、アルキルおよびシクロアルキル置換基が挙げられる)で置換されていることができる。好ましくは、本発明の方法で用いるオレフィンは、全部で3〜10個の炭素原子を有する置換または非置換のオレフィンを含む。本発明の方法に好適な例示のオレフィンとしては、非限定で、以下のブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネンおよびデセンのモノオレフィンの異性体が挙げられ、具体的な非限定例としては1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、および1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、ならびにヘプテン、オクテン、ノネン、およびデセンについても同様に挙げられる。好適なオレフィンの他の非限定例としては、2−メチルプロペン(イソブチレン)、2−メチルブテン、シクロヘキセン、ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1−ヘキセン、スチレン、4−メチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、3−フェニル−1−プロペン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、更にアルケノール,例えば、ペンテノール;アルケナール,例えばペンテナール;このような種として挙げられるアリルアルコール、アリルブチレート、ヘキサ−1−エン−4−オール、オクト−1−エン−4−オール、酢酸ビニル、酢酸アリル、3−ブテニルアセテート、ビニルプロピオネート、アリルプロピオネート、メチルメタクリレート、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、3−ブテンニトリル、5−ヘキセンアミド、およびジシクロペンタジエンが挙げられる。オレフィンはまた、同様または異なる分子量または構造(任意に不活性物,例えば対応する飽和アルカンを有する)の混合物であることができる。
好ましくは、本発明の方法において用いるオレフィン流は、ブテン−1、ブテン−2、イソブチレン、ブタン、および任意にブタジエンを含む、C4ラフィネートIまたはC4ラフィネートIIの異性体混合物を含む。C4ラフィネートI流は、15〜50質量%のイソブチレンおよび40〜85質量%のノルマルブテンを含み、100%までの任意の残部は、主としてn−ブタンおよびイソブタンを含む。ノルマルブテンは、一般的には、ブテン−1およびブテン−2の混合物(シス−およびトランス−形)である。相対比率流成分は石油供給物の組成、スチームクラッキングまたは触媒クラッキングの操作および後続のプロセスステップ(C4流はこれに由来する)において用いる条件に左右される。C4ラフィネートII流は、約15〜55体積%の1−ブテン、約5〜約15体積%の2−ブテン(5〜35%のトランス−2−ブテン)、約0.5〜約5体積%のイソブチレン、および約1〜約40体積%のブタンを含む。より好ましくは、オレフィン流は、プロピレンまたはプロピレンとプロパンと他の不活性物との混合物を含む。
水素および一酸化炭素はまた、本発明のヒドロホルミル化ステップに必要である。これらのガスは、任意の得られる源(石油クラッキングおよびリファインの操作が挙げられる)から得ることができる。合成ガス混合物を好ましく用いる。ガス状水素 対 一酸化炭素のH2:COモル比は、好ましくは約1:10〜約100:1の範囲であることができ、より好ましいH2:COモル比は、約1:10〜約10:1、および更により好ましくは約2:1〜約1:2である。ガスは一般的には反応器内でのこれらの分圧(気相におけるこれらのモル分率基準)(ガスクロマトグラフィで測定したときの)および総圧(ダルトン法を用い)で定量化される。本発明の文脈で用いる「合成ガス分圧」はCOの分圧とH2の分圧との和である。
遷移金属リガンド錯体触媒を形成する好適な金属としては、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)、イリジウム(Ir),ルテニウム(Ru),鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt),オスミウム(Os)およびこれらの金属の2種以上の混合物から選択されるVIII族金属が挙げられ、好ましい金属はロジウム、コバルト、イリジウムおよびルテニウムであり、より好ましくはロジウム、コバルトおよびルテニウムであり、最も好ましくはロジウムである。他の許容される金属としては、クロム(Cr)、モリブデン(Mo),タングステン(W)、およびこれらの金属の2種以上の混合物から選択されるVIB族金属が挙げられる。VIB族およびVIII族からの金属の混合物もまた本発明で使用できる。
「錯体」および同様の用語は、1つ以上の電子リッチな分子または原子(すなわちリガンド)と1つ以上の電子欠乏の分子または原子(例えば遷移金属)との結合によって形成される配位化合物を意味する。例えば、本発明の実施において用いるオルガノモノホスファイトリガンドは1つのリン(III)供与体原子を有する。これは1つの非共有電子対を有し、これは金属と配位共有結合を形成できる。本発明の実施において用いるオルガノポリホスファイトリガンドは、2つ以上のリン(III)供与体原子を有し、各々は1つの非共有電子対を有し、その各々は独立または場合により合わせて(例えばキレート化により)遷移金属と配位共有結合を形成できる。一酸化炭素もまた存在でき、遷移金属と錯体化する。錯体触媒の最終的な組成物はまた、追加のリガンド,例えば水素またはアニオン(金属の配位位置または核電荷を満たすもの)を含有できる。例示的な追加のリガンドとしては、例えば、ハロゲン(Cl、Br、I)、アルキル、アリール、置換アリール、アシル、CF3、C25、CN、(R)2POおよびRP(O)(OH)O(ここで、各Rは同じまたは異なり、置換または非置換の炭化水素基,例えばアルキルまたはアリールである)、アセテート、アセチルアセトナート、SO4、PF4、PF6、NO2、NO3、CH3O、CH2=CHCH2、CH3CH=CHCH2、C25CN、CH3CN、NH3、ピリジン、(C253N、モノオレフィン、ジオレフィンおよびトリオレフィン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
遷移金属上の可能な配位位置の数は当該分野で周知であり、選択される特定の遷移金属に左右される。触媒種は、これらの単量体、二量体またはより高い核性の形で、錯体触媒混合物を含むことができる。これは好ましくは、金属(例えばロジウム)1分子当たりに錯体化される少なくとも1つの有機リン含有分子を特徴とする。例えば、ヒドロホルミル化反応において用いる好ましい触媒の触媒種は、オルガノポリホスファイトリガンドまたはオルガノモノホスファイトリガンドに加え、一酸化炭素および水素と錯体化できる。
オルガノポリホスファイトリガンドは、複数のホスファイト基を広範に含み、これらの各々は、3つのヒドロカルビルオキシ基に結合した1つの3価リン原子を含有する。2つのホスファイト基に結合および架橋(bridge)するヒドロカルビルオキシ基は、より適切には「2価ヒドロカルビルジオキシ基」という。これらの架橋のジ−基は、任意の特定のヒドロカルビル種に限定されない。一方、リン原子からの側鎖で、2つのホスファイト基に架橋していない(すなわち末端、非架橋)ヒドロカルビルオキシ基は、各々アリールオキシ基から本質的になる必要がある。「アリールオキシ」は、2つの型のアリールオキシ基:(1)単一エーテル結合に結合した1価のアリール基であって、−O−アリールにおけるようなものであり、ここでアリール基は単一芳香環、または一緒に融合、直接結合または間接的に結合(異なる芳香族基がメチレン部分またはエチレン部分等の一般的な基に結合するように)した複数芳香環を含むもの、または(2)2つのエーテル結合に結合した2価アリーレン基であって、−O−アリーレン−O−または−O−アリーレン−アリーレン−O−におけるようなものであり、ここでアリーレン基は単一芳香環、または一緒に融合、直接結合または間接的に結合(異なる芳香族基がメチレン部分またはエチレン部分等の一般的な基に結合するように)した複数芳香環を有する2価炭化水素基を含むもの、のいずれも広範に意味する。好ましいアリールオキシ基は、1つの芳香環、または2〜4の融合または結合した芳香環(約5〜約20個の炭素原子を有する)を含有し、例えばフェノキシ、ナフチルオキシまたはビフェノキシ、更にアリーレンジオキシ基,例えばフェニレンジオキシ、ナフチレンジオキシ、およびビフェニレンジオキシである。これらの基(radicalおよびgroup)のいずれも非置換または置換であることができる。
好ましいオルガノポリホスファイトリガンドは、2、3またはより多数のホスファイト基を含む。そのようなリガンドの混合物を所望であれば用いることができる。アキラルのオルガノポリホスファイトが好ましい。代表的なオルガノポリホスファイトとしては、式(I):
Figure 2013515063
(式中、Xは、2〜40個の炭素原子を含有する、置換または非置換のn価の有機架橋性基を表し、各R1は同じまたは異なり、6〜40個の炭素原子、好ましくは6〜20個の炭素原子を含有する2価アリーレン基を表し、各R2は同じまたは異なり、6〜24個の炭素原子を含有する置換または非置換の1価アリール基を表し、aおよびbは同じまたは異なることができ、各々は0〜6の値を有し、但しa+bの合計は2〜6であり、nはa+bと等しい)
のものが挙げられる。aが2以上の値を有する場合、各R1基は同じまたは異なることができ、bが1以上の値を有する場合、各R2基は同じまたは異なることができる。
Xで表される代表的なn価(好ましくは2価)の炭化水素架橋性基としては、非環式基および芳香族基の両者,例えばアルキレン、アルキレン−Qm−アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン、ビスアリーレン、アリーレン−アルキレン、およびアリーレン−(CH2y−Q−(CH2y−アリーレン基(式中、各yは同じまたは異なり、0または1の値である)が挙げられる。Qは、−C(R32−、−O−、−S−、−NR4−、−Si(R52−および−CO−から選択される2価の架橋性基を表す。ここで各R3は同じまたは異なり、水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、トリル基、およびアニシル基を表し、R4は水素、または置換もしくは非置換の1価炭化水素基,例えば1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R5は同じまたは異なり、水素またはアルキル基,好ましくはC1-10アルキル基を表し、そしてmは0または1の値である。上記Xで表されるより好ましい非環式基は、2価アルキレン基であり、Xで表されるより好ましい芳香族基は2価アリーレンおよびビスアリーレン基であり、例えば、第USP4,769,498;4,774,361;4,885,401;5,179,055;5,113,022;5,202,297;5,235,113;5,264,616;5.364,950;5,874,640;5,892,119;6,090,987;および6,294,700号でより全体的に開示されるものである。
例示的な好ましいオルガノポリホスファイトとしては、ビスホスファイト,例えば式(II)〜(IV):
Figure 2013515063
(式中、式(II)〜(IV)のR1、R2およびXは式(I)について上記で定義したのと同じである)
のものが挙げられる。好ましくは、Xは、アルキレン、アリーレン、アリーレン−アルキレン−アリーレン、およびビスアリーレンから選択される2価炭化水素基を表し、R1は、アリーレン、アリーレン−アルキレン−アリーレン、およびビスアリーレンから選択される2価炭化水素基を表し、そして各R2基は、1価のアリール基を表す。そのような式(II)〜(IV)のオルガノポリホスファイトリガンドは、例えば、第USP4,668,651;4,748,261;4,769,498;4,774,361;4,885,401;5,113,022;5,179,055;5,202,297;5,235,113;5,254,741;5,264,616;5,312,996および5,364,950号に開示を見出すことができる。
オルガノビスホスファイトのより好ましい分類の代表は、式(V)〜(VII):
Figure 2013515063
のものである。式中、Q、R1、R2、X,mおよびyは上記定義の通りであり、各Arは同じまたは異なり、置換または非置換の2価アリール基を表す。最も好ましくは、Xは2価のアリール−(CH2y−(Q)m−(CH2y−アリール基を表し、式中、各yはそれぞれ0または1の数を有し、mは0または1の値を有し、そしてQは−O−、−S−または−C(R32(式中、各R3は同じまたは異なり、水素またはC1-10アルキル基,好ましくはメチルを表す)である。より好ましくは、式(V)〜(VII)の上記定義のAR基、X基、R1基およびR2基の各アリール基は、6〜18個の炭素原子を含有でき、基は同じまたは異なることができ、Xの好ましいアルキレン基は2〜18個の炭素原子を含有できる。加えて、好ましくは、上記式のXの2価Ar基および2価アリール基はフェニレン基であり、ここで−(CH2y−(Q)m−(CH2y−で表される架橋性基は、式の酸素原子(フェニレン基をそのリン原子に連結するもの)に対してオルト位でフェニレン基に結合している。任意の置換基(そのようなフェニレン基上に存在する場合)は、好ましくは、与えられる置換フェニレン基をそのリン原子に結合させる酸素原子との関係で、フェニレン基のパラおよび/またはオルト位で結合している。
更に、所望により、上記式(I)〜(VII)中の任意の与えられるオルガノポリホスファイトはイオン性ホスファイトであることができる。すなわちこれは、−SO3M(式中、Mは無機または有機のカチオンを表す)、−PO3M(式中、Mは無機または有機のカチオンを表す)、−N(R631(式中、各R6は同じまたは異なり、1〜30個の炭素原子を含有する炭化水素基,例えばアルキル基、アリール基、アルカリル基、アラルキル基、およびシクロアルキル基を表し、そしてX1は無機または有機のアニオン、−CO2M(式中、Mは無機または有機のカチオンを表す)を表す)からなる群から選択される1つ以上のイオン性部位を含有できる(例えば、第USP5,059,710;5,113,022;5,114,473および5,449,653号に記載されるような)。よって、所望により、そのようなオルガノポリホスファイトリガンドは、1〜3のそのようなイオン性部位を含有できる。しかし、好ましくは、1つのみのそのようなイオン性部分は、任意の与えられるアリール部位上で置換されている(オルガノポリホスファイトリガンドが1つより多いそのようなイオン性部位を含有する場合)。Mの好適なカチオン種としては、非限定で、水素(すなわちプロトン)、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のカチオン,例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム、カルシウム、バリウム、マグネシウムおよびストロンチウム、アンモニウムカチオンおよび4級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アルソニウムカチオンおよびイミニウムカチオンが挙げられる。好適なアニオンX1としては、例えば、スルフェート、カーボネート、ホスフェート、クロリド、アセテート、オキサレート等が挙げられる。
無論、上記式(I)〜(VII)のそのような非イオン性およびイオン性のオルガノポリホスファイトのR1基、R2基、X基、Q基およびAr基のいずれも、所望により、任意の好適な置換基,任意に1〜30個の炭素原子を含有し、本発明の方法の所望の結果に不利に作用しないもので置換されていることができる。無論、対応する炭化水素基(例えばアルキル、アリール、アラルキル、アルカリルおよびシクロヘキシル置換基)に加えて基の上にあってもよい置換基としては、例えば、シリル基,例えば−Si(R73、アミノ基,例えば−N(R72、ホスフィン基,例えば−アリール−P(R72、アシル基,例えば−C(O)R7、アシルオキシ基,例えば−OC(O)R7、アミド基,例えば−CON(R72および−N(R7)COR7、スルホニル基,例えば−SO27、アルコキシ基,例えば−OR7、スルフィニル基,例えば−SOR7、スルフェニル基,例えば−SR7、ホスホニル基,例えば−P(O)(R72、更にハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ基等が挙げられる。ここで好ましくは、各R7基はそれぞれ同じまたは異なる、1〜約18個の炭素原子を含有する1価炭化水素基(例えばアルキル、アリール、アラルキル、アルカリルおよびシクロヘキシル基)を表す。但し、アミノ置換基(例えば−N(R72)において、一緒にとる各R7はまた、窒素原子とともに複素環式基を形成する2価の架橋性基を表し、そしてアミド置換基(例えば−C(O)N(R72および−N(R7)COR7)において、Nに結合した各R7はまた水素であることができる。無論、特定の与えられるオルガノポリホスファイトを形成する置換または非置換の炭化水素基のいずれも、同じまたは異なることができる。
より具体的に、例示的な置換基としては、1級、2級および3級のアルキル基,例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、アミル、sec−アミル、t−アミル、イソオクチル、デシル、オクタデシル等;アリール基,例えばフェニルおよびナフチル;アラルキル基,例えばベンジル、フェニルエチル、およびトリフェニルメチル;アルカリル基,例えばトリルおよびキシリル;脂環式基,例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、シクロオクチル、およびシクロヘキシルエチル;アルコキシ基,例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、t−ブトキシ、−OCH2CH2OCH3、−O(CH2CH22OCH3、および−O(CH2CH23OCH3;アリールオキシ基,例えばフェノキシ;更にシリル基,例えば−Si(CH33、−Si(OCH33、および−Si(C373;アミノ基,例えば−NH2、−N(CH32、−NHCH3、および−NH(C25);アリールホスフィン基,例えば−P(C652;アシル基,例えば−C(O)CH3、−C(O)C25、および−C(O)C65;カルボニルオキシ基,例えば−C(O)OCH3;オキシカルボニル基,例えば−O(CO)C65;アミド基,例えばCONH2、−CON(CH32、および−NHC(O)CH3;スルホニル基,例えば−S(O)225;スルフィニル基,例えば−S(O)CH3;スルフェニル基,例えば−SCH3、−SC25、および−SC65;ホスホニル基,例えば−P(O)(C652、−P(O)(CH32、−P(O)(C252、−P(O)(C372、−P(O)(C492、−P(O)(C6132、−P(O)CH3(C65)、および−P(O)(H)(C65)が挙げられる。
オルガノビスホスファイトの具体例は、第WO2008/115740号のLigands A−Sである。
本発明の実施において使用できるオルガノモノホスファイトとしては、1つのホスファイト基を含む任意の有機化合物が挙げられる。オルガノモノホスファイトの混合物もまた使用できる。代表的なオルガノモノホスファイトとしては、式(VIII):
Figure 2013515063
のものが挙げられる。式中、R8は、4〜40個またはこれを超える炭素原子を含有する置換または非置換の3価炭化水素基,例えば3価非環式基および3価環式基,例えば3価アルキレン基,例えば1,2,2−トリメチロールプロパンに由来するもの、または3価シクロアルキレン基,例えば1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンに由来するものを表す。このようなオルガノモノホスファイトは、例えば第USP4,567,306号でより詳細に記載されることを見出すことができる。
代表的なジオルガノホスファイトとしては、式(IX):
Figure 2013515063
のものが挙げられる。式中、R9は、4〜40個またはこれを超える炭素原子を含有する置換または非置換の2価炭化水素基を表し、そしてWは1〜18個の炭素原子を含有する置換または非置換の1価炭化水素基を表す。
式IX中のWで表される代表的な置換および非置換の1価炭化水素基としては、アルキル基およびアリール基が挙げられ、一方、R9で表される代表的な置換および非置換の2価炭化水素基としては、2価非環式基および2価芳香族基が挙げられる。例示的な2価非環式基としては、例えば、アルキレン、アルキレン−オキシ−アルキレン、アルキレン−NX2−アルキレンが挙げられる。ここでX2は水素または置換もしくは非置換の炭化水素基、アルキレン−S−アルキレン、およびシクロアルキレン基である。より好ましい2価非環式基は、2価アルキレン基,例えば第USP3,415,906および4,567,302号でより全体的に開示されるもの、である。例示的な2価芳香族基としては、例えば、アリーレンビスアリーレン、アリーレン−アルキレン、アリーレン−アルキレン−アリーレン、アリーレン−オキシ−アリーレン、アリーレン−NX2−アリーレン(ここでX2は上記定義の通りである)、アリーレン−S−アリーレン、およびアリーレン−S−アルキレンが挙げられる。より好ましくは、R9は2価芳香族基,例えば第4,599,206および4,717,775号でより全体的に開示されるものである。
より好ましい分類のジオルガノモノホスファイトの代表は、式(X):
Figure 2013515063
のものである。式中、Wは上記定義の通りであり、各Arは、同じまたは異なり、置換または非置換の2価アリール基であり、各yは同じまたは異なり、0または1の数であり、Qは、−C(R102−,−O−,−S−,−NR11−,−Si(Rl22−および−COから選択される2価架橋性基を表す。式中、R10は同じまたは異なり、水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル基、トリル基、およびアニソル基を表し、R11は水素または1〜10個の炭素原子のアルキル基,好ましくはメチルを表し、各R12は同じまたは異なり、水素または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基,好ましくはメチルを表し、そしてmは0または1の数である。このようなジオルガノモノホスファイトは、例えば、第USP4,599,206,4,717,775および4,835,299号でより詳細に記載されている。
代表的なトリオルガノモノホスファイトとしては、式(XI)のものが挙げられる。
Figure 2013515063
式中、各R13は、同じまたは異なり、置換または非置換の1価炭化水素基,例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルカリル基またはアラルキル基であり、これらは1〜24個の炭素原子を含有できる。代表的なトリオルガノモノホスファイトとしては、例えば、トリアルキルホスファイト、ジアルキルアリールホスファイト、アルキルジアリールホスファイト、およびトリアリールホスファイト,例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,6−トリイソプロピル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスファイト、更により好ましくはトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが挙げられる。1価炭化水素基部位自体は官能化されていることができる。但し、官能基は遷移金属と顕著には相互作用しない。そうでなければヒドロホルミル化を阻害する。代表的な官能基としては、アルキル基またはアリール基、エーテル、ニトリル、アミド、エステル、−N(R112、−Si(R123、ホスフェート等が挙げられる。ここでR11およびR12は先に定義した通りである。このようなトリオルガノモノホスファイトは、第USP3,527,809および5,277,532号でより詳細に記載されている。
更なる選択肢として、任意のオルガノモノホスファイト−モノホスフェートリガンドまたはオルガノモノホスファイト−ポリホスフェートリガンドを、本発明におけるオルガノモノホスファイトリガンドとして用いることができる。例えば、任意のオルガノポリホスファイトリガンド(先に記載した好ましいオルガノビスホスファイトリガンドが挙げられる)を酸化に供して全て、しかし1つのリン(III)原子をリン(V)原子に転化する。得られる酸化されたリガンドは、オルガノモノホスファイト−ポリホスフェート、または好ましくはオルガノモノホスファイト−モノホスフェートを含むことができる。これは好適には、遷移金属に対して2/1モル過剰で用いて、本発明の実施で用いるオルガノモノホスファイトリガンド成分を与えるようにする。ここで用いる「オルガノモノホスファイトリガンド」および同様の用語は、特記がない限り、オルガノモノホスファイト−モノホスフェートリガンドおよびオルガノモノホスファイト−ポリホスフェートリガンド(用語を用いる文脈で適宜)を包含する。
更なる選択肢として、任意のオルガノモノホスホルアミダイトリガンドは、本発明の実施において用いるオルガノモノホスファイトリガンドとして、またはこれとの組合せで、使用でき、任意のオルガノポリホスホルアミダイトリガンドは、本発明の実施において用いるオルガノポリホスファイトリガンドとして、またはこれとの組合せで、使用できる。オルガノホスホルアミダイトリガンドは公知であり、これらはオルガノホスファイトリガンドと同様に用いる。代表的なオルガノホスホルアミダイトリガンドは、式(XII〜XIV)のものである。
Figure 2013515063
オルガノホスホルアミダイトは、例えば、第USP7,615,645号に更に記載されている。ここで用いる「オルガノモノホスファイトリガンド」および同様の用語は、特記がない限りオルガノモノホスホルアミダイトリガンドを包含し、「オルガノポリホスファイト」および同様の用語は、特記がない限りオルガノポリホスホルアミダイトリガンドを包含する。
ヒドロホルミル化触媒は、(1)遷移金属カルボニル水素化物、(2)濃度が1以下(そしてこれを包含し):1モル基準(安定化触媒錯体の遷移金属成分に関し)の、触媒系において得られるオルガノビスホスファイトリガンド、および(3)安定化触媒錯体のロジウム金属成分に対して過剰モル量で得られるモノデンテートホスファイトリガンド、の安定化錯体を含む。
触媒は、ヒドロホルミル化反応ゾーン内で、インサイチュで調製でき、または、代替として、これはエクスサイチュで調製し、続いて反応ゾーン内に適切なヒドロホルミル化反応物質とともに導入できる。一態様において、触媒は、1モルの好適な遷移金属源を0.1モルのオルガノビスホスファイトリガンドおよび約5〜100モルのオルガノモノホスファイトリガンドと混合することによって調製する。一態様において、触媒は、1モルの好適なロジウム源 対 5〜100モルのモノデンテートホスファイトリガンドの比で混合すること、そしてヒドロホルミル化反応の開始後に、ビスホスファイトリガンド(<1モル)を添加することにより調製する。
触媒種は、錯体触媒混合物を、その単量体、二量体またはより高い核性の形で含むことができる。これは好ましくは、遷移金属1分子当たりで錯体化される少なくとも1つの有機リン含有分子を特徴とする。例えば、遷移金属はモノデンテートホスファイトリガンドまたはビスホスファイトリガンドのいずれかに加え、一酸化炭素および水素と錯体化できる。
触媒およびその調製は、第USP4,169,861,5,741,945,6,153,800および7,615,645号、および第WO2008/115740号でより全体的に記載される。
ヒドロホルミル化触媒は反応中および/または生成物分離中に均一形または不均一形であることができる。反応媒体中に存在する金属−リガンド錯体触媒の量は、プロセスを触媒するのに必要な最小量であることが必要であるに過ぎない。遷移金属がロジウムである場合には、ヒドロホルミル化反応媒体中の濃度 100万分の10〜1000部(ppm)(遊離ロジウムとして算出したときの)が、殆どのプロセスのために十分である。一方、約10〜500ppmのロジウムを用いることが一般的に好ましく、より好ましくは25〜350ppmロジウムである。
金属−リガンド錯体触媒に加え、遊離リガンド(すなわち金属と錯体化していないリガンド)もまた、ヒドロホルミル化反応媒体中に存在できる。遊離のホスファイトまたはホスホルアミダイトリガンド、モノ−またはポリデンテートは、好ましくは、しかし必須ではなく、用いる金属ホスファイトまたは金属ホスホルアミダイトリガンド錯体触媒のホスファイトまたはホスホルアミダイトリガンドと同じである。本発明のヒドロホルミル化プロセスは、ヒドロホルミル化反応媒体中、金属1モル当たり、0.1モル以下から100モル以上の遊離リガンドを含むことができる。好ましくは、ヒドロホルミル化プロセスは、1〜50モルのリガンド、およびより好ましくは1.1〜4モルのリガンド(反応媒中に存在する金属1モル当たり)の存在下で実施する。リガンドの量は、存在する金属と結合(錯体化)しているリガンドの量と、存在する遊離(錯体化していない)リガンドの量との両者の合計である。無論、所望であれば、補充または追加のリガンドをヒドロホルミル化プロセスの反応媒体に任意の時点で任意の好適な様式(例えば反応媒体中の既定レベルの遊離リガンドを維持する)で供給できる。
一般的な手順として、触媒系をまず、酸素除去した溶媒媒体中で、ヒドロホルミル化反応ゾーン内で形成する。過剰モノデンテートリガンドは溶媒媒体として働くことができる。第1のヒドロホルミル化ゾーンを水素および一酸化炭素で加圧し、選択した反応温度に加熱する。オレフィン性不飽和化合物を次いで第1のヒドロホルミル化ゾーンに供給し、所望の転化収量まで反応を実施し、そしてその時点で効率は実現されており、第1の反応ゾーンの生成物を1つまたは複数の後続の反応ゾーンに移す。ここで新しいおよび/またはリサイクルされた反応剤を添加する。この後続の反応ゾーン(または追加の後続の反応ゾーン)における反応は、所望転化収量および効率が実現されるまで継続し、その時点で最後の反応ゾーンの生成物を回収および精製する。継続系において、触媒を好ましくはリサイクルして第1の反応ゾーンに戻す。
ヒドロホルミル化プロセスの反応条件は広範に変化させることができる。例えば、H2:COモル比のガス状水素 対 一酸化炭素は、有利には、1:10〜100:1またはこれを超える範囲であることができ、より好ましくは水素 対 一酸化炭素のモル比は、1:10〜10:1であることができる。有利には、ヒドロホルミル化プロセスは、−25℃を超える、より好ましくは50℃を超える、反応温度で実施できる。ヒドロホルミル化プロセスは、有利には、反応温度200℃未満、好ましくは120℃未満で実施できる。有利には、オレフィン性反応物質、一酸化炭素、水素、および任意の不活性軽質物(inert lights)を含む総ガス圧は、1psia(6.9kPa)〜10,000psia(68.9MPa)の範囲であることができる。好ましくは、プロセスは、オレフィン性反応物質、一酸化炭素、および水素を含む総ガス圧で操作し、水素は2,000psia(13,800kPa)未満、およびより好ましくは500psia(3450kPa)未満である。有利には、一酸化炭素分圧は1psia(6.9kPa)〜1000psia(6,900kPa)、および好ましくは3psia(20.7kPa)〜800psia(5,516kPa)、およびより好ましくは15psia(103.4kPa)〜100psia(689kPa)で変化できる。一方、水素分圧は、好ましくは、5psia(34.5kPa)〜500psia(3,450kPa)およびより好ましくは10psia(69.0kPa)〜300psia(2,070kPa)で変化する。
合成ガス(CO+H2)の供給物流速(flow rate)は、所望のヒドロホルミル化プロセスを得るのに十分な、任意の操作可能な流速に亘って広く変化できる。合成ガス供給物流速は、触媒の具体形、オレフィン供給物流速、および他の操作条件に左右される。同様に、1つまたは複数のオキソ反応器からのベント流速は、所望のヒドロホルミル化プロセスを得るのに十分な任意の操作可能な流速であることができる。ベント流速は反応器のスケールならびに反応物質および合成ガスの供給物の純度に左右される。好適な合成ガス供給物の流速およびベント流速は、周知であり、または当業者によって容易に算出できる。一態様において、H2およびCOの分圧は、ヒドロホルミル化速度が、モノホスファイト触媒についての合成ガス(H2およびCO)分圧について正の次数(order)であり、ビスホスファイト触媒についてのCO分圧について負の次数である条件下で反応が行われるよう制御する(例えば第WO2008/115740Al号に記載されるように)。
不活性溶媒は、ヒドロホルミル化反応媒体希釈剤として用いることができる。種々の溶媒を使用でき、ケトン,例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、およびシクロへキサノン;芳香族化合物,例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン;ハロゲン化芳香族化合物,例えばo−ジクロロベンゼン;エーテル,例えばテトラヒドロフラン、ジメトキシエタンおよびジオキサン;ハロゲン化パラフィン,例えば塩化メチレン;パラフィン炭化水素,例えばヘプタン;等が挙げられる。好ましい溶媒は、アルデヒド生成物および/またはアルデヒド生成物のオリゴマー、更に1種または複数種の反応性オレフィンである。
一態様において、ヒドロホルミル化プロセスは、多段反応器(例えば第USP5,763,671号に記載されるもの)で実施する。このような多段反応器は、内部の物理障壁(これは容器当たり1つより多い理論的な反応性ステージまたはゾーンを作る)を有して設計できる。効果は、単一連続撹拌タンク反応容器の内側に多くの反応器を有するようなものである。単一容器内の複数の反応性ステージは、反応容器容積を用いるコスト的に有効な方法である。これは、そうでない場合に同じ結果を実現するのに必要な容器の数を顕著に低減させる。しかし明らかに、プロセスの異なる段階で反応物質の異なる分圧を有することがゴールである場合には、2つ以上の反応器または容器を用いる。反応ゾーンは並列または直列であることができるが、最も好ましくは直列である。
本発明のヒドロホルミル化プロセスは、典型的には連続式で実施する。このようなプロセスは当該分野で周知であり、そして(a)1種または複数種のオレフィン性出発物質を一酸化炭素および水素で、溶媒、金属−ホスファイトリガンド錯体触媒、遊離ホスファイトリガンドを含む液体均一反応混合物中でヒドロホルミル化すること;(b)反応温度および圧力の条件を1種または複数種のオレフィン性出発物質のヒドロホルミル化に好ましいものに維持すること;(c)反応媒体への1種または複数種のオレフィン性出発物質、一酸化炭素および水素の補充量を、これら反応物質が使用されるに従って供給すること;ならびに(d)1種または複数種の所望のアルデヒドヒドロホルミル化生成物を所望の任意の様式で回収すること;を含むことができる。連続プロセスは単一パス式で実施できる。ここで蒸気状混合物は1種または複数種の未反応オレフィン性出発物質を含み、蒸発したアルデヒド生成物は液体反応混合物から取り出し、ここからアルデヒド生成物を回収し、補充の1種または複数種のオレフィン性出発物質、一酸化炭素および水素を、次の単一パスのために、1種または複数種の未反応オレフィン性出発物質をリサイクルさせることなく液体反応媒体に供給する。このような型のリサイクル手順は当該分野で周知であり、1種または複数種の所望のアルデヒド反応生成物から分離された金属−ホスファイト錯体触媒流体の液体リサイクル(例えば第USP4,148,830号に開示されるように)、またはガスリサイクル手順(例えばUSP4,247,486号に開示されるように)、更に液体およびガスのリサイクル手順の両者の組合せ(所望により)を含むことができる。本発明の最も好ましいヒドロホルミル化プロセスは、連続液体触媒リサイクルプロセスを含む。好適な液体触媒リサイクル手順は、例えば、米国特許第4,668,651;4,774,361;5,102,505および5,110,990号に開示されている。
理論に拘束されることを意味しないが、本発明は、第1および後続の反応ゾーン(ここで異なる反応ゾーンのN/I比の挙動は異なる)の間で、オレフィン転化の部分を再分配することを含む。ビスホスファイト触媒反応速度は、モノホスファイト触媒よりも、オレフィン分圧に対して大幅に高い依存性を有する。より高いオレフィン分圧を有する反応ゾーンからの総反応の部分をより低い分圧のものにシフトさせることにより、ビスホスファイト触媒反応速度は、モノホスファイト触媒に対して低減される。ビスホスファイト触媒は、典型的には、モノホスファイト触媒に対して高いN:Iを示すため、全体N:Iはより低く急速に(そして可逆的に)、ビスホスファイトリガンドを分解させることなくシフトする。これは、3つの異なる手段の1つ以上で実現できる:(1)1つの反応ゾーンの温度を変化させること、(2)低いオレフィン分圧で反応するオレフィンの部分を変化させること、または(3)第1の反応ゾーン内で反応するオレフィンの部分を変化させること(オレフィン供給速度による、第1の反応ゾーンにおけるより短いまたはより長い反応時間により)。
一態様において、第1の反応器は、N:I比3:1〜10:1で運転し、一方、第2の反応器はN:I比1:2〜2:1(通常は0.8超:1(オレフィンがプロピレンである場合)であるが、obpl:金属のモル比に関わらず)で運転する。これは、モノデンテートホスファイトリガンドが比較的、ビスホスファイトリガンドのものと比べてより低いオレフィン分圧でより反応性であることを示唆する(第2の反応器が、第1の反応器内の上の流れから反応したオレフィンの殆どを有し、大幅に低いオレフィン分圧を有する)。これは、N:I比の急速な低減が第1の反応器内での温度の低減によって実現し(第1の反応ゾーン内での反応速度が低減される)、よって未反応オレフィンが1つまたは複数の後続の反応ゾーンにシフトすることを意味する。しかし、ビスホスファイト触媒反応性とモノデンテートホスファイト触媒との間の変化の大きさは、オレフィン分圧が増大するに従って低減される(例えば5psi超のオレフィンの効果が顕著に衰える)。言い換えると、オレフィン分圧が低下するに従って、モノデンテートホスファイトの反応性は、ビスホスファイトリガンドの反応性に対して増大する。モノホスファイト反応速度のオレフィン分圧への依存性は、ビスホスファイト触媒と比べて顕著に低い。これは、これらの低いオレフィン分圧下でモノホスファイト反応速度が、ビスホスファイト触媒と比べて低下せず、よってモノホスファイト触媒がビスホスファイト触媒よりも大幅に活性である(すなわち、より低いN:I生成物が、後続の反応ゾーン内で観察され、ここで低いオレフィン分圧が観察される)ことを意味する。後続の反応器は、最も効率的な転化条件(例えばより高い温度)で実施して、許容可能な全体オレフィン転化効率を維持できる(所望であれば)。
一態様において、オレフィン供給物の幾らかか(例えば20%以下)を、オレフィン効率の顕著な損失なく直接第2の反応器内にシフトすることはまた、同様の急速なN:I比低下を与えることになる。これは、第2の反応器を第1よりも低いオレフィン分圧で操作する場合に可能であり、よって、この時点で添加する追加のオレフィンの量は制限される。20%超の追加オレフィンは、オレフィン分圧を第1の反応ゾーンのものに近く増大させる(効果をなくす)ことになり、更に、オレフィン効率の顕著な損失を与えるからである。後続の反応器は最も効率的な転化条件(例えば、より高温)で運転して、許容可能な全体オレフィン転化効率を維持できる(所望の場合)。
一態様において、第1の反応ゾーン内の反応時間を変化させることはまた、N:I比の急速な変化を可能にする。これは系のスループットを低下させること(より低いオレフィン供給速度)により実現できる。よって、オレフィンは第1の反応ゾーンにおいてより多くの時間を費やし、より高いN:I比でより多くのオレフィンが反応し、1つまたは複数の後続の反応ゾーンにおいて反応できるオレフィンがより少なくなり、正味の全体N:Iが増大する。逆に、より速い供給速度は、より多い未反応オレフィンを後続の反応器に「押す」。これはより低いN:I比の生成物を与え、そして正味のN:I比が降下する。合成ガス供給物に対しての対応する変化は、適切なストイキオメトリーを維持するのに必要であるが、第1の反応ゾーン内で転化されるオレフィンの部分は変化し、よって全体生成物N:I比に影響する。後続の反応器は、最も効率的な条件で運転(例えば、より高温)して、許容可能な全体オレフィン転化効率を維持できる(所望の場合)。
具体的態様
ヒドロホルミル化プロセスについての一般的手順
ヒドロホルミル化プロセスは、ガラス圧力反応器内で行い、連続式で操作する。反応器は、観察用のガラスフロントを有する油浴に部分的に浸した3オンス圧力ボトルからなる。系を窒素でパージした後、20mlの新しく準備したロジウム触媒前駆体溶液を反応器にシリンジで入れる。触媒前駆体溶液は、100ppmロジウム(ロジウムジカルボニルアセチルアセトナートとして導入)、リガンド1、およびテトラグリム(溶媒として)を含有する。反応器を密閉した後、系を窒素でパージし、油浴を加熱して反応温度80℃を与える。触媒溶液を、1:1COおよびH2の供給物で、総操作圧150psig(1034kPa)で30〜60分間活性化する。活性化時間後、プロピレンの導入によって反応を開始する。個別のガスの流れを所望のように調整し、窒素を必要に応じて添加して、所望の全体操作圧約150psig(1034kPa)を維持する。供給物ガス(H2、CO、プロピレン、N2)の流れを個別にマスフローメーターで制御し、供給物ガスを触媒前駆体溶液中でフリット金属スパージャーで分散させる。N2、H2、CO、プロピレン、およびアルデヒド生成物の分圧を、ベント流をGC分析およびダルトン法で分析することによって評価する。供給物ガスの未反応部分を、ブチルアルデヒド生成物とともに、窒素流によって揮散させ、実質的に一定の液体レベルを維持する。出口ガスをGCによって定期的に分析する。所望の場合、反応流体のサンプルを(シリンジで)31PNMRのために抜き出して、リガンドの分解の程度を、反応条件下での時間の関数として評価できる。実施において、供給ラインから微量の空気が出て油浴の熱平衡に達するため、系は安定状態条件に到達するのに約1日かかることが観察される;よってリガンド分解検討は、安定状態操作が得られた後にのみ開始する。この装置はまた、ヒドロホルミル化速度を反応温度、COおよびH2の分圧、ならびにRh量の関数として与える。
反応系は、ロジウム/リガンド1で開始して予備安定状態操作を定め、次いでリガンド2の溶液の添加によって異性体比を増大させる。
Figure 2013515063
リガンド1、嵩高のオルガノモノホスファイト、およびリガンド2、オルガノポリホスファイトは変動する応答をオレフィン分圧に対して有し、ロジウムと組合せ、可変選択性触媒系として評価した。
ガラス反応器系に、Rh(CO)2(acac)(100ppm Rh)、リガンド1(10当量/Rh)およびテトラグリム(20ml)からなる触媒溶液を入れる。条件を以下のように定め、総操作圧150psiaを維持する。
Figure 2013515063
一定のN:Iが定まった時点で、リガンド2のアリコートをシリンジ(0.8当量/Rh(トルエン中))で添加した。オレフィン分圧を調整し、得られる変化を評価した。必要であれば、系を十分にパージして安定状態に達するのに十分な時間(12〜16時間)を可能にした。タイムラインおよび対応するN:I比は以下で分かる。
Figure 2013515063
Figure 2013515063
N:I比はオルガノポリホスファイト濃度に対して極めて敏感であるため、そしてオルガノポリホスファイトは実験の過程中にゆっくり分解するため、例えば、プロピレン分圧によるN:I 約2psi(実験の開始にて)が、より遅い時点での同じ分圧によるN:Iよりも幾らか高いことが予測されるであろう。しかしながら、例は、このロジウム/嵩高オルガノモノホスファイト/オルガノポリホスファイト触媒系について、イソアルデヒドに対するノルマルアルデヒドの比が、オレフィン分圧を単純に増大または低減させることによって変動させることができることを明瞭に示す。
先の説明によって相当程度詳細に本発明を説明してきたが、この詳細は例示の目的であり、特許請求の範囲への限定と解釈すべきではない。

Claims (15)

  1. ノルマル(N)およびイソ(I)アルデヒドをN:I比で製造するための複数反応ゾーンのヒドロホルミル化プロセスを制御する方法であって、該方法が、オレフィン性不飽和化合物を、一酸化炭素、水素、ならびに、(A)遷移金属、(B)オルガノポリホスファイトおよび(C)オルガノモノホスファイトリガンドを含む触媒と接触させることを含み、該接触を、第1および後続の反応ゾーン内で、各ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧を含むヒドロホルミル化条件で行い、該方法が、第1の反応ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧を低減させてN:I比を低減させること、または、第1の反応ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧を増大させてN:I比を増大させることを含む、方法。
  2. ノルマル(N)およびイソ(I)アルデヒドをN:I比で製造するための複数反応ゾーンのヒドロホルミル化プロセスを制御する方法であって、該方法が、オレフィン性不飽和化合物を、一酸化炭素、水素、ならびに、(A)遷移金属、(B)オルガノビスホスファイトおよび(C)オルガノモノホスファイトリガンドを含む触媒と接触させることを含み、該接触を、第1および後続の反応ゾーン内で、各ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物分圧を含むヒドロホルミル化条件で行い、該方法が、以下:
    (1)第1の反応ゾーン内の温度を変化させること;
    (2)総オレフィン供給物の20%以下を後続の反応ゾーン内に供給すること;
    (3)後続の反応ゾーン内へのオレフィン供給物の量を低減させること;および
    (4)第1の反応ゾーンへのオレフィン供給速度を変化させること;
    の1つ以上によってN:I比を変化させることを含む、方法。
  3. オレフィン性不飽和化合物が、全部で3〜10個の炭素原子を有するオレフィンである、請求項1または2に記載の方法。
  4. オレフィン性不飽和化合物が、ブテン−1、ブテン−2、イソブチレン、ブタン、および任意にブタジエンを含む、C4ラフィネートIまたはC4ラフィネートIIの異性体混合物である、請求項1または2に記載の方法。
  5. オレフィン性不飽和化合物がプロピレンである、請求項1または2に記載の方法。
  6. 合成ガスが、一酸化炭素および水素を、H2:COモル比10:1〜1:10で含む、請求項1または2に記載の方法。
  7. 触媒が、(A)ロジウムカルボニル水素化物;(B)触媒系において安定化触媒錯体のロジウム金属成分に対する濃度が1以下:1モル基準で得られるビスホスファイトリガンド;および(C)安定化触媒錯体のロジウム金属成分に対して過剰モル量で得られるモノデンテートホスファイトリガンド、の安定化錯体を含む、請求項1または2に記載の方法。
  8. 触媒が、5〜100モルのモノデンテートホスファイトリガンドに対して1モルのロジウム源で混合すること、およびヒドロホルミル化反応の開始後、0.1モルから1モル未満のビスホスファイトリガンドを添加することによって得られる、請求項1または2に記載の方法。
  9. モノデンテートホスファイトリガンドが、式
    Figure 2013515063
    のものであり、ビスホスファイトリガンドが式
    Figure 2013515063
    のものである、請求項8に記載の方法。
  10. ヒドロホルミル化条件が、反応温度−25℃超および200℃未満、ならびにオレフィン性反応物質、一酸化炭素、水素、および任意の不活性軽質物を含む総ガス圧1psia(6.8kPa)〜10,000psia(68.9MPa)を含む、請求項1または2に記載の方法。
  11. 第1の反応ゾーン内で生じる反応を低減させることによって後続の反応器内のオレフィン性不飽和化合物の分圧を増大させる、請求項1または2に記載の方法。
  12. 第1の反応ゾーン内の温度を低減させることによって後続の反応ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物の分圧を増大させる、請求項1または2に記載の方法。
  13. 第1の反応ゾーン内の温度を増大させることによって後続の反応ゾーン内のオレフィン性不飽和化合物の分圧を低減させる、請求項1または2に記載の方法。
  14. 総オレフィン供給物の一部を後続の反応ゾーンに供給することによって第2の反応器内のオレフィン性不飽和化合物の分圧を増大させる、請求項1または2に記載の方法。
  15. 第1の反応ゾーンへのオレフィン供給物を増大させることによって後続の反応器内のオレフィン性不飽和化合物の分圧を増大させる、請求項1または2に記載の方法。
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