JP2013514552A - 光方向転換フィルム積層体 - Google Patents

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Abstract

光管理フィルム構成体は、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムを含む。第1主表面は非対称構造を有する微細構造表面である。非対称構造は、複数の多面屈折性プリズムの順序付けられた配列を形成し、多面屈折性プリズムを含み、多面屈折性プリズムは、3つ以上の辺を有する。第2光学フィルムは、第1光学フィルムの第1主要構造化表面の構造の実質的に全部と接触し、これらと結合される。光管理構成体は、窓などの光学物品に組み込まれ得る。

Description

本開示は、光学フィルム、特に光を方向転換するフィルムに関連する。
建物内におけるエネルギー消費を低減するために、様々な手法が使用される。建物内に照明を提供するために、とりわけ、日光のより効率的な使用が検討及び適用されている。オフィスなどの建物の内部に光を供給するための1つの技術は、入射する日光の方向転換である。日光は下向きの角度で窓から入るため、この光の多くは、部屋の照明にとって有用ではない。しかしながら、下方向に入射する光線が上方に方向変換され得、それによってこれらが天井に当たれば、光はより有用に部屋の照明に使用され得る。
日光などの光を、有用な方向に方向転換するための技術及び物品が開示される。光管理フィルム構成体及びこれらの作製する方法、加えて、これらの構成体から調製される物品が含まれる。
第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有し、第2主表面が第1光学フィルムの第1主要構造化表面の構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれらと接触し結合される、第2光学フィルムとを含む、光管理フィルム構成体であって、第1光学フィルムの第1主表面及び第2光学フィルムの第2主表面は、第1主表面の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める、光管理フィルム構成体が本明細書において開示される。非対称構造は、複数の多面屈折性プリズムの順序付けられた配列を含み、多面屈折性プリズムの断面は、3つ以上の面を含む。
光管理フィルム構成体を調製するための方法であって、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を含む第1光学フィルムを調製する工程であって、第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、工程と、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を含む第2光学フィルムを提供する工程と、第2光学フィルムの第2主表面を第1光学フィルムの微細構造化表面と接触させる工程と、第2光学フィルムの第2主表面を第1光学フィルムの第1主要構造化表面の構造の実質的に全部と結合する工程とを含む、方法がまた開示される。
基材及び基材に取り付けられた光管理フィルムを含む光学物品がまた開示され、光管理フィルムは、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有し、第2主表面が第1光学フィルムの第1主要構造化表面の構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれらと接触し結合される、第2光学フィルムとを含み、第1光学フィルムの第1主表面及び第2光学フィルムの第2主表面は、第1主表面上の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める。
窓を提供する工程と、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有し、第2主表面が第1光学フィルムの第1主要構造化表面の構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれらと接触し結合される、第2光学フィルムとを含み、第1光学フィルムの第1主表面及び第2光学フィルムの第2主表面は、第1主表面上の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める、光管理フィルム構成体を提供する工程と、光管理フィルム構成体を窓の内部表面又は外部表面に取り付ける工程とを含む、光を方向転換する方法がまた開示される。
本開示の光方向転換フィルムの断面図。 本開示の光転換フィルムの断面図。 本開示の光方向転換フィルムの断面図。 本開示の光方向転換フィルムの平面図。 本開示の光方向転換フィルムの平面図。 本開示の光方向転換フィルムの平面図。 本開示の光方向転換フィルムの平面図。
建物内の部屋、廊下などに自然の日光を提供するために窓及び同様の構成体が使用される。しかしながら、自然の太陽光は、典型的には光が部屋又は廊下に遠くまで透過し得ないような角度で窓に当たる。加えて、入射光は、窓付近において不快なほどに強いことがあるため、窓付近に座っているユーザーはシャッター、ブラインド又はカーテンを閉ざしたくなることがあり、したがって部屋の照明のこの潜在的な光源は排除される。
したがって、通常の入射角から、部屋又は廊下の天井への方向に日光を方向転換させ得る構成が望ましい。日光の方向転換を生じさせることが望ましい窓は多く存在するため、存在する全ての窓を光を方向転換するものと取り替えるの実際的ではなく、不可能である。したがって、窓などの既存の基材に取り付けられ、例えば、部屋に照明を提供するために部屋の天井に向かう、有用な方向に光、特に日光を方向転換する、フィルムなどの光管理構成体に対する必要性が存在する。
本開示において、光、特に日光を望ましい方向に方向転換することができる、多層積層体を含む光管理フィルム構成が提示される。フィルムは日光を、下方向であり、部屋の照明にとってあまり好ましくない通常の入射方向を、部屋の天井に向かう上方向へと方向転換し、部屋により多くの照明を提供する。フィルムは例えば、窓などの基材に適用されることができ、窓そのものを修正又は置換することを必要とせずに、光方向転換を提供する。
構成体は、少なくとも2つの光学フィルムを含む。第1光学フィルムは、第1主表面及び第2主表面を含み、第1主表面に微細構造化表面を有する。第2光学フィルムは、第1主表面及び第2主表面を含む。第2光学フィルムの第2主表面は、第1フィルムの表面の微細構造の実質的に全部と接触し、かつ結合される。第1光学フィルム及び第2光学フィルムは、第1光学フィルム上の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める。
用語「光学フィルム」とは、本明細書において使用するとき、少なくとも光学的に透過性であり、光学的に透明であり得、かつまた追加的な光学的効果を生じ得るフィルムを指す。追加的な光学的効果の例としては、例えば、光拡散、偏光又は一定の波長の光の反射を含む。
用語「光学的に透明」とは、本明細書で使用するとき、人間の裸眼に透明に見えるフィルム又は構成を指す。用語「光学的に透明」とは、本明細書において使用されるとき、可視光スペクトルの少なくとも一部(約400〜約700ナノメートル)にわたって高い光透過を有し、低いヘーズを呈するフィルム又は物品を指す。光学的に透明な材料は、多くの場合、400〜700nmの波長帯において、少なくとも約90%の視感透過率及び約2%未満の曇価を有する。視感透過率及び曇度の両方は、例えば、ASTM−D 1003−95の方法を使用して決定することができる。
複数の構造を記載するために本明細書において使用される用語「順序付けられた配列」とは、規則的な反復パターンの構造を指す。
用語「点」「側面」及び「交点」は、本明細書において使用されるとき、これらの典型的な形状的意味を有する。
用語「アスペクト比」とは、フィルムに取り付けられた構造を指して本明細書において使用されるとき、フィルムの上の構造の最大高さの、フィルム又はその部分に取り付けられる構造の基部に対する比率を指す。
本明細書で使用される用語「接着剤」は、2つの被着体を一緒に接着するのに有用なポリマー組成物を指す。接着剤の例は、熱活性化接着剤及び感圧接着剤である。
熱活性化接着剤は、室温では非粘着性であるが、高温で粘着性になり、基材に接着することができるようになる。これらの接着剤は通常、室温より高いガラス転移温度(T)又は融点(T)を有する。温度がT又はTよりも高くなるとき、貯蔵弾性率は通常低下し、接着剤は粘着性になる。
感圧接着剤組成物は、(1)積極的かつ永久的粘着、(2)指圧以下の圧力での接着性、(3)被着体を保持する十分な能力、及び(4)被着体からきれいに取り外すことができる十分な凝集力を含む、室温における特性を有することが、当業者には周知である。感圧性接着剤として十分に機能することがわかっている材料は、粘着力、引き剥がし接着力、及び剪断保持力の望ましいバランスをもたらす、必要な粘弾性を呈するよう設計及び処方されたポリマーである。特性の適正なバランスを得るのは、単純なプロセスではない。
第1光学フィルムは、スペクトルの可視光領域において、高い光学透明性を有する任意の好適なフィルムであり得る。第1光学フィルムは、単一層フィルム又は多層フィルム構成であり得る。第1光学フィルムは、第1主表面及び第2主表面を有する。第1主表面は微細構造化表面を含む。この微細構造化表面は、複数の非対称多面屈折性プリズムの順序付けられた配列を含む。プリズムは、入射する太陽光(これは上からフィルム上へと、フィルムと垂直な方向から15〜80°の角度で入射する)が部屋の天井の方へと上方に方向変換される一方で、下からの入射光が下方向へと方向転換されないように、非対称であることが望ましい。対称的な構造のアーチファクトは、下方に向けられた光が観察者にとって可視であることであり、これは望ましくない。
複数の非対称多面屈折性プリズムは、光方向転換フィルムを含む窓又は他の開口部を含む部屋の天井に向けて、入射する太陽光を効果的に方向変換するように設計される。典型的に、非対称多面屈折性プリズムは、3つ以上、より典型的には4つ以上の面を含む。プリズムは光学フィルムの表面から生じる順序付けられた配列の突起部として観察され得る。典型的にはこれらの突起部のアスペクト比は1以上であり、すなわち、突起部の高さは、少なくとも突起部の基部における幅と、少なくとも同等である。いくつかの実施形態において、突起部の高さは少なくとも50マイクロメートルである。いくつかの実施形態において、突起部の高さは250マイクロメートル以下である。これは、非対称構造は、典型的には、第1光学フィルムの第1主表面から50マイクロメートル〜250マイクロメートルだけ突出していることを意味する。
この光方向転換を生じるように、多面屈折性プリズムを設計するために使用される基準は、例えば、図1に例示される。図1は、フィルム10及び単一のプリズム11の断面を含む光方向変換フィルム100を示す。プリズム11は4つの面、フィルム10に隣接する面A、面Aに接合される面B、面Aに接合される面C、並びに面B及び面Cに接合される面Dを有する。
面Bはこれが、第1光学フィルムの第2主表面に入射し、面Aを透過する太陽光線に対して、全内部反射を生じるような様式で角度を有する。太陽光は、第1光学フィルムの第2主表面上から入射して、典型的には、時刻、時期、フィルムの地理的位置などによって、第1光学フィルムの第1主表面の垂線から約15〜80°の角度を形成する。入射光線はプリズム11に入り、全内部反射の現象により面Bから反射される。全内部反射を達成するため、面Bが面Aと垂直ではなく、図1に示されるように、垂線から角θだけオフセットされていることが望ましい。角θの値の選択は、例えば、光管理フィルムを調整するために使用される組成物材料の屈折率、光管理フィルムの使用のために推奨される地理的位置などを含む様々な可変の特性に依存するが、典型的には、角θの値は6〜14°又は更に6〜12°である。
面Cは、面Aに接合され、面Aを面Dに接続する。面Aが面Aに対して垂直ではなく、垂線から角αだけオフセットされていることが好ましい。他の特性の中でもとりわけ、角αのオフセットは、面Dを通じてプリズム11から出る光が、隣接するプリズム(図1には示されない)に入ることを防ぐのを助ける。角度θでは、角度αの値の選択は、隣接するプリズムの近さ、面Dの特性及び大きさなどを含む、様々な可変特性に依存する。典型的には、角度αは、5〜25°、又は更に9〜25°の範囲である。
面Dは、方向転換された光線がプリズムから出る、プリズムの面である。図1において面Dは、単一の面として示されるが、面Dは一連の面を含むことがある。また、図1において面Dは、曲面として示されるが面Dは全ての実施形態において湾曲している必要はない。面Bから反射される光線は、面Dにより、部屋の間接照明を改善するために有効な方向に反射される。これは、面Dから反射する光線は、面Aと垂直、又は垂直から離れた角度で、部屋の天井の方に向けて方向転換されることを意味する。
いくつかの実施形態において、面Cは湾曲していてもよく、面Dは湾曲していてもよく、又は面Cと面Dの組み合わせが単一の連続的な曲面を形成してもよい。他の実施形態において、面C若しくはD又は、面C及びDが共に、一連の面を含み、一連の面は構造化表面を含む。構造化表面は、規則的又は不規則的であってよく、すなわち、構造は規則的パターン又はランダムパターンを形成し、均一であってもよく、又は構造は異なってもよい。これらの構造は、これらが微細構造上にあるために、典型的には非常に小さい。典型的には、これらの構造の各寸法(高さ、幅及び長さ)は、面Aの寸法よりも小さい。
図2は、光方向転換フィルムの別の実施形態を示す。図2において、光方向転換フィルム200は、フィルム20及び単一のプリズム21の断面を含む。プリズム21は4つの面、フィルム20に隣接する面A、面Aに接合される面B、面Aに接合される面C、並びに面B及び面Cに接合される面Dを有し、面Dは副次的な面D1を含む。副次的な面D1は、ある点で面Bに接合される。この点は、光管理フィルムの第2光学フィルムが、フィルム20に接合される場所である(第2光学フィルムは、図2には示されない)。角θ及びαは、図1で定義されるとおりである。
図3は、光方向転換フィルムの別の実施形態を示す。図3において、光方向転換フィルム300は、フィルム30及び単一のプリズム31の断面を含む。プリズム31は4つの面、フィルム30に隣接する面A、面Aに接合される面B、面Aに接合される面C、並びに面B及び面Cに接合される面Dを有する。面Dは副次的な面D2を含む。副次的な面D2は、面Bに接合され、光管理フィルムの第2光学フィルムがフィルム30に接合され得る結合ゾーンを形成するように設計される(第2光学フィルムは図3に示されない)。角θ及びαは、図1で定義されるとおりである。
光学基材の全表面は、微細構造を含んでもよく、又は微細構造は、第1光学フィルムの第1表面の一部の上にのみ存在し得る。フィルム構成体は、大きな窓ガラス物品(例えば、窓)に取り付けられ得るため、望ましい光方向転換効果を生じるために、窓ガラス物品の全表面が微細構造表面を含むことは必要ではないか又は望ましくない場合がある。窓ガラス物品の一部のみが光方向転換フィルム構成体を含むか、あるいは、全窓ガラス物品表面がフィルム構成体によって被覆される場合は、フィルム構成体の一部のみが光方向転換微細構造を含むことが望ましい場合がある。
複数の非対称多面屈折性プリズムの順序付けられた配列は、微細構造の配列を形成し得る。配列は、様々な要素を有し得る。例えば、配列は、線形(すなわち、一連の平行な線)、正弦波形状(すなわち、一連の波形の線)、ランダム、又はこれらの組み合わせであり得る。広範な配列が可能であるが、配列要素が別個であり得る、すなわち、配列要素が交差又は重複しないことが望ましい。図4〜7は、様々な配列要素を有する、複数の非対称多面屈折性プリズムの順序付けられた配列の平面図を示す。図4において、光方向変換構成400は、線形配列要素410を含む。図5において、光方向変換構成500は正弦波形状配列要素510を含む。図6において、光方向変換構成600は、正弦波形状配列要素610を含む。図6において、正弦波形状配列要素610は、互いに位相が不一致である。図7において、光方向変換構成700は、ランダムな配列要素710を含む。図4〜7における配列要素は、単に代表的なものであり、縮尺通りに描かれてはおらず、また、数字は例示的であることを意図され、追加的な配列要素及び組み合わせが可能であり、本開示の範囲内である。
第1光学フィルムの第2主表面は、第1グレージング基材に積層されるように設計される。典型的には、この表面は、接着剤コーティングなどのコーティングを含み、これは光方向変換フィルムを第1グレージング基材表面へと接着させる。好適な接着剤の例としては、熱活性化接着剤、感圧接着剤、熱活性化接着剤、感圧接着剤又は硬化性接着剤が挙げられる。好適な光学的に透明な硬化性接着剤の例としては、米国特許第6,887,917号(Yangら)に記載されるものが挙げられる。接着剤の特性により、接着剤コーティングは、これに取り付けられた剥離ライナーを有してもよく、接着剤コーティングが表面に時期尚早に接着することを防ぎ、接着剤表面に接着し得る汚れ及び他のくずから保護する。剥離ライナーは典型的には、光方向転換積層体が基材に取り付けられるまで、適所に留まる。典型的には、感圧接着剤が使用される。
広範な感圧接着剤組成物が好適である。いくつかの実施形態において、感圧接着剤は光学的に透明である。感圧接着剤組成物は、感圧接着剤特性を有するいずれかの材料であり得る。更に感圧性接着剤構成要素は、1種類の感圧性接着剤であり得、又は感圧性接着剤は2種以上の感圧性接着剤の組み合わせであり得る。
好適な感圧性接着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、スチレンブロックコポリマー、ポリビニルエーテル、(アクリレートとメタクリレートの両方を含む)ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、シリコーン又はポリビニルブチラールに基づくものが挙げられる。
光学的に透明な感圧接着剤は、(メタ)アクリレート系感圧接着剤であり得る。有用なアルキル(メタ)アクリレート(すなわち、アクリル酸アルキルエステルモノマー)としては、そのアルキル基が4〜14個まで、とりわけ4〜12個までの炭素原子を有する、非三級アルキルアルコールの直鎖若しくは分枝状一官能性アクリレート又はメタクリレートが挙げられる。ポリ(メタ)アクリル感圧性接着剤は、例えば、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、2−メチル−ブチルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート及びn−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルアクリレ−ト、イソデシルメタクリレート、アクリル酸イソボルニル、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、及びドデシルアクリレートなどの、例えば、少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレートエステルモノマー、並びに、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、フマル酸エステル、スチレンマクロマ、アルキルマレアート及びアルキルフマレート(それぞれ、マレイン酸及びフマル酸系)又はこれらの組み合わせなどの少なくとも1種の任意のコモノマー成分から誘導される。
いくつかの実施形態において、ポリ(メタ)アクリル系感圧接着剤は、約0〜約20重量パーセントのアクリル酸と、約100〜約80重量パーセントの、イソオクチルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、又はn−ブチルアクリレート組成物のうちの少なくとも1つとから誘導される。
いくつかの実施形態において、接着剤層は、少なくとも部分的にポリビニルブチラールから形成される。ポリビニルブチラール層は、既知の水性又は溶媒系アセタール化プロセスを介して形成してもよく、このプロセスでは、ポリビニルアルコールは酸性触媒の存在下でブチルアルデヒドと反応する。いくつかの場合において、ポリビニルブチラール層は、Solutia Incorporated(St.Louis,MO)から商標名「BUTVAR」樹脂として市販されているポリビニルブチラールを包含してもよく、又はこれから形成されてもよい。
場合によっては、ポリビニルブチラール層は、樹脂と(所望により)可塑剤とを混合して、混合製剤をシートダイを通して押し出すことにより製造してもよい。可塑剤が包含される場合、ポリビニルブチラール樹脂は、樹脂100部当たり約20〜80部、又はおそらく約25〜60部の可塑剤を包含してよい。好適な可塑剤の例には、多塩基酸又は多価アルコールのエステルが挙げられる。好適な可塑剤は、トリエチレングリコールビス(2−エチルブチラート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキサノエート)、トリエチレングリコールジヘプタノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジヘキシルアジパート、ジオクチルアジパート、ヘキシルシクロへキシルアジパート、ヘプチル及びノニルアジパートの混合物、ジイソノニルアジパート、ヘプチルノニルアジパート、ジブチルセバケート、油変性セバシン酸アルキドのような高分子可塑剤、米国特許第3,841,890号に開示されているようなホスフェート及びアジパートの混合物、米国特許第4,144,217号に開示されているようなアジパートである。
接着剤層は、架橋され得る。接着剤は、熱、水分又は放射線によって架橋され得、共有結合架橋網を形成して、これが接着剤の流動能力を変性する。架橋剤が、全ての種類の接着剤配合物に追加され得るが、コーティング及びプロセス条件によって、硬化は、熱又は放射線エネルギーにより又は水分により活性化され得る。架橋剤の追加が望ましくない場合において、所望により、電子ビームへの暴露によって接着剤を架橋することができる。
架橋度は、特定の性能要件を満たすように制御され得る。接着剤は、任意により、1つ以上の接着剤を更に含むことができる。重合方法、コーティング方法、最終用途などにより、開始剤、充填剤、塑性剤、粘着付与剤、連鎖移動剤、繊維強化剤、織布及び不織布、起泡剤、抗酸化剤、安定剤、難燃剤、増粘剤並びにこれらの混合物からなる群から選択される添加物が使用され得る。
光学的に透明であることに加え、感圧接着剤は、これを窓などの大きな基材に積層するために好適なものにする、追加的な特徴を有し得る。これらの追加的な特徴には、一時的除去可能性がある。一時的に除去可能な接着剤は、比較的低い初期接着性を有するものであり、基材からの一時的除去可能性及びこれへの再配置性を可能にし、時間をかけて接着を構成し、十分な強度の結合を形成する。一時的に除去可能な接着剤の例は、例えば、米国特許第4,693,935号(Mazurek)に記載される。あるいは、又は加えて、一時的に除去可能であることの代わりに、又はこれに加えて、感圧接着剤層は、微細構造化表面を含んでもよい。この微細構造化表面は、接着剤が基材に積層される際の空気の排出を可能にする。光学的用途において、典型的には、接着剤は、微細構造が時間をかけて消え、したがって接着剤層の光学的特性に影響を与えない程度において、基材の表面を湿らせ、流れる。微細構造化接着剤表面は、微細構造化表面を有する剥離ライナーなどの微細構造化ツールに接着剤表面を接触させることによって得られる場合がある。
感圧性接着剤は本質的に粘着性であってよい。望ましい場合には、感圧性接着剤を形成するため、粘着付与剤を基材に加えることができる。有用な粘着付与剤としては、例えば、ロジンエステル樹脂類、芳香族炭化水素樹脂類、脂肪族炭化水素樹脂類、及びテルペン樹脂類が挙げられる。感圧接着剤の光学的透明性を低減させない限り、例えば、油、可塑剤、酸化防止剤、紫外線(「UV」)安定剤、水素添加ブチルゴム、顔料、硬化剤、ポリマー添加剤、増粘剤、連鎖移動剤及びその他の添加物などの他の材料を、特別な目的のために加えることができる。いくつかの実施形態において、感圧接着剤は、紫外線吸収剤(UVA)又はヒンダードアミン光安定剤(HALS)を含有し得る。好適なUVAとしては、例えば、Ciba(Tarrytown,NY)からTINUVIN P、213、234、326、327、328、405及び571として入手可能な化合物などのベンゾトリアゾールUVAが挙げられる。好適なHALSとしては、Ciba(Tarrytown,NY)からTINUVIN 123、144及び292として入手可能な化合物が挙げられる。
本開示の感圧接着剤は、例えば、制御された光透過率及びヘーズなどの望ましい光学的特性を呈する。いくつかの実施形態において、感圧接着剤でコーティングされる基材は、基材単独と実質的に同じ光透過率を有し得る。
微細構造化表面のためのキャリア及び支持層であることの他に、光学フィルムはまた、光方向転換フィルムに追加的な機能性を提供することができる。例えば、光学フィルムは、赤外光を反射し得る多層フィルムであり得る。このようにして、光方向転換積層体はまた、望ましくない赤外光(熱)を建物の外側に維持する一方で、望ましい可視光を建物内に入れることを助け得る。第1光学フィルムとして有用な、好適な多層フィルムの例としては、例えば、米国特許第6,049,419号、同第5,223,465号、同第5,882,774号、同第6,049,419号、同第RE34,605号、同第5,579,162号及び同第5,360,659号に記載されるものが挙げられる。いくつかの実施形態において、第1光学フィルムは、交互のポリマー層が協調して赤外光を反射する、多層フィルムである。いくつかの実施形態において、ポリマー層の少なくとも1つが複屈折性ポリマー層である。
第1光学フィルムは、既に記載された接着剤コーティングに加えて、又はその代わりに、第2主表面上に追加的なコーティングを有してもよい。例えば、第2主表面は、防眩コーティングを含み得る。
典型的には、第1光学フィルム又は第1多層光学フィルムが、フィルムを光学的に透明にするポリマー材料から調製される。好適なポリマー材料の例としては、例えば、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、酢酸アセテート、エチルセルロース、ポリアクリレート、ポリカーボネート、シリコーン及びこれらの組み合わせ又はブレンドが挙げられる。光学フィルムは、充填剤、安定剤、抗酸化剤、塑性剤などのポリマー材料の他に、他の組成物を含有し得る。いくつかの実施形態において、光学フィルムは、UV吸収剤(UVA)又はヒンダードアミン光安定剤(HALS)などの安定剤を含み得る。好適なUVAとしては、例えば、Ciba(Tarrytown,NY)からTINUVIN P、213、234、326、327、328、405及び571として入手可能な化合物などのベンゾトリアゾールUVAが挙げられる。好適なHALSとしては、Ciba(Tarrytown,NY)からTINUVIN 123、144及び292として入手可能な化合物が挙げられる。
第1光学フィルムの第1主表面上の微細構造層が、様々な方法で形成され得る。典型的には、微細構造層は、熱可塑性又は熱硬化性材料を含む。
上述した微細構造化フィルムは、エンボス加工、押出成形、キャスト及び硬化(casting and curing)、圧縮成形、及び射出成形を含めた様々な方法を用いて製造される。エンボス加工の一方法が、米国特許第6,322,236号に記載されており、この方法は、パターン化ロールを形成するためのダイヤモンド旋削技法を含み、そのパターン化ロールは後に、微細構造化表面をフィルムの上にエンボス加工するために使用される。規則的配列の複数の非対称構造を有する上記のフィルムを形成するために、同様の方法が使用され得る。
反復パターンを持つ微細構造化表面を有するフィルムを生成するために、他の手法に従ってもよい。例えば、フィルムは、特定のパターンをその上に有する金型を使用して射出成形されてもよい。結果として得られる射出成形フィルムは、金型内のパターンを補完する表面を有する。別の同様の手法において、フィルムは圧縮成形されてもよい。
いくつかの実施形態において、構造化フィルムは、キャスト及び硬化と称される手法を使用して調製される。キャスト及び硬化において、硬化性混合物が表面上にコーティングされて、そこに構造化ツールが適用されるか、又は混合物が微細構造ツール内にコーティングされて、コーティングされた微細構造化ツールを表面に接触させる。硬化性混合物がその後硬化され、ツールが取り除かれて、微細構造化表面を提供する。好適な微細構造化ツールの例としては、微細構造化型及び微細構造化ライナーが挙げられる。好適な硬化性混合物の例としては、ポリウレタン、ポリエポキシド、ポリアクリレート、シリコーンなどを調製するために使用される硬化性材料などの熱硬化性材料が挙げられる。
積層構成はまた、第2光学フィルムを含み、第2光学フィルムは、第1主表面及び第2主表面を有する。第2光学フィルムの第2主表面は、第1光学フィルムの表面の微細構造の実質的に全部と接触し、かつ結合される。第2光学フィルムは、第1光学フィルムと共に、第1光学フィルム上の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める。この体積を画定するために使用される第1光学フィルムの表面は、第1光学フィルムの第1主表面の平面である。この平面は、構造がそこから突出する第1光学フィルムの表面である。
第2光学フィルムは、第1光学フィルムと同じ材料から作製されてもよく、又はこれは異なっていてもよい。第2光学フィルムは、微細構造表面を保護し、微細構造が損傷を受けること、汚れ、ないしは別の方法により光の方向転換を不可能になることを防ぐ。
第2光学フィルムの第2主表面は、第1光学フィルムの微細構造化表面の非対称多面屈折性プリズムの頂部と接触する。第2光学フィルムと非対称多面屈折性プリズムの頂部との接触領域において、これらの要素が結合される。この結合は、接着剤結合、熱積層、超音波溶接など、2つのポリマー単位を積層するために有用な様々な形状を取り得る。例えば、第2光学フィルムはフィルムを軟化させるように加熱され得、フィルムは第1光学フィルムの微細構造化表面に接触する。加熱されたフィルムは、冷却した際に、第1光学フィルムの微細構造化層の接触点と結合を形成する。同様に、第2光学フィルムは、第1光学フィルムの微細構造化表面に乾燥積層され、その後、熱が直接的又は間接的に適用されて積層物品を生成し得る。あるいは、超音波溶接機が、乾燥した積層構造に適用され得る。典型的には、接着剤結合が使用される。接着剤結合が使用される際、熱活性化接着剤又は感圧接着剤のいずれかが使用され得る。一般的に、感圧接着剤、特に、上記の光学的に透明な感圧接着剤が使用される。
接着剤結合を生じるため、接着剤は、第1光学フィルムの微細構造表面、又は第2光学フィルムの第2主表面のいずれかに適用され得る。典型的には、接着剤は、第2光学フィルムの第2主表面に適用される。適用される接着剤コーティングは、連続的又は非連続的であり得る。接着剤コーティングは、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーテング、ロッドコーティング、カーテンコーティング、エアナイフコーティング又はスクリーン印刷若しくはインクジェット印刷などの印刷技術を含む、様々なコーティング技術のいずれかによって適用され得る。接着剤は、溶媒系(すなわち、溶液、分散液、懸濁液)、又は100%個体組成物として適用され得る。溶媒系接着剤組成物が使用される場合、典型的に、コーティングは積層前に、風乾又は、例えば、強制空気炉などの炉を使用して、高温で乾燥される。接着剤でコーティングされた第2光学フィルムはその後、第1光学フィルムの微細構造化表面に積層され得る。積層プロセスは、上記の微細構造化プリズムの頂部に均一かつ均等な接触を提供するように良好に制御されうるべきである。
微細構造化表面のための保護層である上に、第2光学フィルムはまた、光方向変換積層体に追加的な機能性を提供し得る。例えば、第2光学フィルムは、赤外光を反射し得る多層フィルムであり得る。このようにして、光方向転換積層体はまた、望ましくない赤外光(熱)を建物の外側に維持する一方で、望ましい可視光を建物内に入れることを助け得る。第2光学フィルムとして有用な、好適な多層フィルムの例としては、例えば、米国特許第6,049,419号、同第5,223,465号、同第5,882,774号、同第6,049,419号、同第RE34,605号、同第5,579,162号及び同第5,360,659号に記載されるものが挙げられる。いくつかの実施形態において、第1光学フィルムは、交互のポリマー層が協調して赤外光を反射する、多層フィルムである。いくつかの実施形態において、ポリマー層の少なくとも1つが複屈折性ポリマー層である。
第2光学フィルムの第1主表面は一般的に部屋の内部に露出されるため、第1主表面上に追加的なコーティングを有することが望ましい場合がある。例えば、第1主表面は、表面に傷及び跡がつくのを防ぐため、加えて表面を表面クリーナーからの損傷から保護するため、又は表面を落書き防止にするか若しくは清掃しやすくするために、ハードコートなどの保護コーティングを含み得る。好適なコーティングの例としては、例えば、ハードコート、傷防止コーティング、低表面エネルギーコーティング又は簡単清掃コーティングが挙げられる。
典型的には、第2光学フィルム又は第2多層光学フィルムが、フィルムを光学的に透明にするポリマー材料から調製される。好適なポリマー材料の例としては、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、酢酸アセテート、エチルセルロース、ポリアクリレート、ポリカーボネート、シリコーン及びこれらの組み合わせ又はブレンドが挙げられる。光学フィルムは、充填剤、安定剤、抗酸化剤、塑性剤などのポリマー材料の他に、他の組成物を含有し得る。いくつかの実施形態において、光学フィルムは、UV吸収剤(UVA)などの安定剤を含み得る。好適なUVAとしては、例えば、Ciba(Tarrytown,NY)からTINUVIN P、213、234、326、327、328、405及び571として入手可能な化合物などのベンゾトリアゾールUVAが挙げられる。
本開示の光管理フィルム構成体は、日光を部屋の照明のためにより有用にするために、入射する日光を方向転換するように設計される。フィルム構成体は、一般的に、太陽からの下方向の角度の光を、部屋の天井の方向に方向転換し、部屋の全体的な照明を補助する。光を方向転換するフィルム構成体の能力の測定は、実験室での試験により判定され得、試験のためにこれらを窓に組み込むことによって構成体を試験する必要性を排除する。このような試験の例は、フィルム構成体上に、強度を制御された光線を照射して、上方に方向転換される光の量を測定することを含む。入力される光線は、所定の角度で固定されてもよく、又は角度範囲にわたって変化してもよい。上方に方向転換される光の量は、例えば、光検出器で測定され得る。あらゆる方向における光の分布を測定することが望ましい場合がある。この測定値の種類は一般的に、双方向透過分布関数(BTDF)と称される。このような測定を行うため、Radiant Imaging(WA)から、商標名IMAGING SPHEREで入手可能な器具が使用され得る。
本開示の光管理フィルム構成体は、光方向転換物品などの物品を提供するために基材に取り付けられてもよい。基材は少なくとも光学的に透過的であり、光学的に透明である。好適な基材の例としては、例えば、窓が挙げられる。窓は、様々なガラスなどの、様々な又は異なる種類のグレージング基材から、又はポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートなどのポリマー材料から作製され得る。いくつかの実施形態において、窓はまた、追加的な層又は処理を含み得る。追加的な層の例としては、例えば、グレア低減、着色性、耐破砕性などを提供するように設計されたフィルムの追加的な層が挙げられる。窓の、存在し得る追加的な処理としては、例えば、ハードコートなどの様々な種類のコーティング、及び修飾的エッチングなどのエッチングが挙げられる。
典型的には、光管理フィルム構成体は、接着剤層を含み、これは、第1光学フィルムの第2主表面上の剥離ライナーによって保護され得る。上記のように、剥離ライナーは、接着剤表面に微細構造化を付与するために微細構造化表面を含み、光管理フィルムが基材に積層される際に空気排出を可能にする。この空気排出は、積層における気泡の排除を補助する。
上記のように、接着剤はまた除去可能であり得、これは比較的低い初期接着性を有して、基材からの一時的除去可能性及びこれへの再配置性を可能にし、時間をかけて接着を構成し、十分な強度の結合を形成する接着剤を意味する。これは、基材の大面積が積層される際に特に有用であり得る。
従来的に、光管理フィルムなどの物品の大きな表面基材への積層は、場合により「湿潤」適用プロセスと称されるものにより達成されてきた。湿式適用プロセスは、液体、典型的には水/界面活性剤溶液を、大型物品の接着剤側面上、及び所望により基材表面上に噴霧することを含む。この液体は、一時的に感圧接着剤の「粘着性を低下」させて、よって設置者は、基材表面上の所望の位置で大型物品を取り扱い、スライド、及び再配置できる。また、この液体は、大型物品がくっつき合う、又は時期尚早に基材の表面上に接着した場合に、設置者が大型物品を引き離すことも可能にする。更には、接着剤に液体を適用すると、基材の表面上に確立される優れた接着性と共に、滑らかで気泡のない外観をもたらすことによって、設置済み大型物品の外観を向上させることができる。
湿式適用プロセスは多くの場合うまく用いられているが、時間がかかり、面倒なプロセスである。「乾式」適用プロセスは、一般に、大型グラフィック物品を設置するために望ましい。自己湿潤性であり除去可能な接着剤を、乾式設置プロセスで施用してもよい。物品は、大きな基材に容易に付着する。なぜなら、それらは自己湿潤性であり、必要に応じて容易に取り外し、再配置できるためである。
本開示の光管理フィルム構成体は、窓などの基材のいずれかの露出表面に取り付けられてもよい。窓の露出表面とは、窓の内部露出表面が部屋の内部に面する窓の表面であり、外部露出表面が外部環境に面する窓の表面であることを意味する。典型的には、組み込みを容易にするために、光管理フィルム構成体は、窓の内部露出表面に取り付けられる。
これらの実施例は単にあくまで例示を目的としたものであり、添付した「特許請求の範囲」の範囲に限定するものではない。本明細書の実施例及びその他の部分における全ての部、百分率、比などは特に注記がない限り、重量による。使用した溶媒及びその他の試薬は、特に記載のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin)から入手した。
(実施例1)
所望のライナー溝及びプリズム要素(図3と同様の断面を有する)の負の形状を有するマスターツールが、ダイヤモンド切削プロセスを使用して得られた。紫外線硬化性樹脂組成物は、Cognis(Monheim,Germany)から商標表記「PHOTOMER 6010」で市販される、74重量部の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、Sartomer(Exton,PA)から商標表記「SARTOMER SR 238」で市販される、25重量部の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート及びCiba(Basel,Switzerland)から商標表記「DAROCUR 1173」で市販されるαヒドロキシケトンUV光開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン)をブレンドすることによって調製された。DuPont Teijin Films(Hopewell,VA)から、商標表記「MELINEX 453」で市販される、76マイクロメートル(3ミル)厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが、紫外線硬化性樹脂で、およそ85マイクロメートルの厚さまでコーティングされた。コーティングされたフィルムは、溝に空気が全く入らないように、マスターツールと物理的に接触させた。マスターツールと物理的に接触している間に樹脂が、Fusion UV systems(Gaithersburg,MD)から入手可能なマイクロ波によって駆動される紫外線硬化システムにより硬化された。ウェブ上の硬化した樹脂が、マスターツールから取り除かれて、微細構造化フィルムを生じた。3M Company(St.Paul,MN)から、商標表記「3M OPTICALLY CLEAR ADHESIVE 8171」で市販される25マイクロメートル(1ミル)厚さの光学的に透明な接着剤転写テープの1つのライナーが取り除かれ、露出した接着剤表面が、微細構造化フィルムの非構造化面に、Protech Engineering(Wilmington,Delaware)から入手可能なロールツーロール成層機で積層された。米国特許出願公開第2006/0154049号の5〜6ページに開示される多層フィルム物品は、微細構造化フィルムの構造化面に積層されて、最終的な光方向転換フィルム積層体を生成する。

Claims (33)

  1. 第1主表面及び前記第1主表面の反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、前記第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、
    第1主表面及び前記第1主表面と反対側の第2主表面を有し、前記第2主表面が前記第1光学フィルムの第1主要構造化表面の前記構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれらと接触し結合される、第2光学フィルムと
    を含む、光管理フィルム構成体であって、前記第1光学フィルムの前記第1主表面及び前記第2光学フィルムの前記第2主表面は、前記第1主表面の前記構造が一部を占める密閉容積を画定し、前記構造は画定される合計容積の20〜80%を占める、光管理フィルム構成体。
  2. 前記非対称構造は、複数の多面屈折性プリズムの順序付けられた配列を含み、前記多面屈折性プリズムのそれぞれの断面は、3つ以上の辺を含む、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  3. 前記多面屈折性プリズムのそれぞれの少なくとも1つの面は、湾曲した表面である、請求項2に記載の光管理フィルム構成体。
  4. 前記多面屈折性プリズムのそれぞれは、4つの面(面A、B、C及びD)を含み、前記多面屈折性プリズムの面Aは前記第1光学フィルムの前記第1主表面と平行であり、かつこれに隣接し、前記多面屈折性プリズムの面Bは面Aに接合され、面Aの垂線と水平な方向の上15〜80°の角度における前記第1光学フィルムの前記第2主表面上への入射光線の全内部反射を生成するように設計され、前記多面屈折性プリズムの面Cは面Aに接合され、前記多面屈折性プリズムの面Dが面C及び面Bに接続され、かつ面Bから反射される光線を、面Bから離れる方向に、前記面C及び/又はDに向けて実質的に方向転換するように設計される、請求項2に記載の光管理フィルム構成体。
  5. 面Bは、面Aと、交点において90°未満の角度を形成する、請求項4に記載の光管理フィルム構成体。
  6. 面Cは、面Aと、交点において90°以下の角度を形成する、請求項4に記載の光管理フィルム構成体。
  7. 面Dが、少なくともその1つが湾曲している一連の面を含むか、又は面C及びDが一緒に単一の湾曲した表面を形成する、請求項4に記載の光管理フィルム構成体。
  8. 面C若しくはD又は、面C及びDが共に、一連の面を含み、前記一連の面は構造化表面を含み、前記構造化表面の構造の各寸法が、面Aよりも小さい、請求項4に記載の光管理フィルム構成体。
  9. 面Dが、面Bに接合されて点を形成する面Dを含む、請求項7に記載の光管理フィルム構成体。
  10. 面Dは、前記第2光学フィルムの前記第2主表面のための結合表面を提供する面Dを含む、請求項7に記載の光管理フィルム構成体。
  11. 前記非対称構造は1超のアスペクト比を有する、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  12. 前記非対称構造が、前記第1光学フィルムの前記第1主表面から50マイクロメートル〜250マイクロメートル突出する、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  13. 前記非対称構造が熱可塑性又は熱硬化性材料を含む、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  14. 前記第2光学フィルムの前記第2主表面が、前記第2光学フィルムの前記第2主表面上に存在する接着剤層によって、前記第1光学フィルムの前記微細構造化表面に結合される、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  15. 前記第1光学フィルムの第2主表面がコーティングを含む、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  16. 前記コーティングが接着剤コーティングを含む、請求項14に記載の光管理フィルム構成体。
  17. 前記接着剤コーティングに取り付けられた剥離ライナーを更に含む、請求項15に記載の光管理フィルム構成体。
  18. 前記第2光学フィルムの前記第1主表面が、ハードコート、傷防止コーティング、低表面エネルギーコーティング又は簡単清掃コーティングの群から選択されるコーティングを含む、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  19. 前記コーティングは、赤外光吸収ナノ粒子を含む、ハードコートを含む、請求項18に記載の光管理フィルム構成体。
  20. 前記第1光学フィルム又は前記第2光学フィルムの少なくとも一方が、協調して赤外放射線を反射する交互のポリマー層を含む、多層フィルムを含む、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  21. 前記第1光学フィルム又は前記第2光学フィルムの少なくとも一方が、UVA吸収粒子を更に含む、請求項1に記載の光管理フィルム構成体。
  22. 前記接着剤コーティングがUVA吸収粒子を更に含む、請求項16に記載の光管理フィルム構成体。
  23. 前記ポリマー層の少なくとも1つが複屈折性ポリマー層を含む、請求項20に記載の光管理フィルム構成体。
  24. 光管理フィルム構成体を調製するための方法であって、
    第1主表面及び前記第1主表面と反対側の第2主表面を含む第1光学フィルムを調製する工程であって、前記第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、工程と、
    第1主表面及び前記第1主表面と反対側の第2主表面を含む第2光学フィルムを提供する工程と、
    前記第2光学フィルムの前記第2主表面を第1光学フィルムの前記微細構造化表面と接触させる工程と、
    前記第2光学フィルムの前記第2主表面を前記第1光学フィルムの前記第1主要構造化表面の前記構造の実質的に全部と結合する工程とを含む、方法。
  25. 前記第2光学フィルムの前記第2主表面が接着剤層を含み、前記結合が接着剤結合を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記第1光学フィルムの調製が、前記微細構造化第1主表面を形成するための、キャスト及び硬化プロセスを含む、請求項24に記載の方法。
  27. 基材と、
    前記基材に取り付けられた光管理フィルムとを含む物品であって、前記光管理フィルムは、
    第1主表面及び前記第1主表面の反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、前記第1主表面は非対称構造を含む構造化表面を含む、第1光学フィルムと、
    第1主表面及び前記第1主表面と反対側の第2主表面
    を有し、前記第2主表面が前記第1光学フィルムの前記第1主要構造化表面の前記構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれと接触し結合される第2光学フィルムとを含み、前記第1光学フィルムの前記第1主表面及び前記第2光学フィルムの前記第2主表面は、前記第1主表面の前記構造が一部を占める密閉容積を画定し、前記構造は画定される合計容積の20〜80%を占める、物品。
  28. 前記基材が透明基材である、請求項27に記載の物品。
  29. 前記光管理フィルム上の前記非対称構造は、複数の多面屈折性プリズムの順序付けられた配列を含み、前記多面屈折性プリズムのそれぞれの断面は、3つ以上の辺を含む、請求項27に記載の物品。
  30. 前記多面屈折性プリズムのそれぞれの断面は、4つの面(面A、B、C及びD)を含み、前記多面屈折性プリズムの面Aは前記第1光学フィルムの前記第1主表面と平行であり、かつこれに隣接し、前記多面屈折性プリズムの面Bは面Aに接合され、面Aの垂線と水平な方向の上15〜80°の角度における前記第1光学フィルムの前記第2主表面上への入射光線の全内部反射を生成するように設計され、前記多面屈折性プリズムの面Cは面Aに接合され、前記多面屈折性プリズムの面Dが面C及び面Bに接続され、かつ面Bから反射される光線を、面Bから離れる方向に、前記面C及び/又はDに向けて実質的に方向転換するように設計される、請求項29に記載の物品。
  31. 窓を提供する工程と、
    第1主表面及び前記第1主表面の反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、前記第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、
    第1主表面及び前記第1主表面と反対側の第2主表面を有し、前記第2主表面が前記第1光学フィルムの前記第1主要構造化表面の前記構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれと接触し結合される、第2光学フィルムとを含む、光管理フィルム構成体であって、前記第1光学フィルムの前記第1主表面及び前記第2光学フィルムの前記第2主表面は、前記第1主表面の前記構造が一部を占める密閉容積を画定し、前記構造は画定される合計容積の20〜80%を占める、光管理フィルム構成体を提供する工程と、
    前記光管理フィルム構成体を前記窓の前記内部表面又は外部表面に取り付ける工程とを含む、光を方向転換する方法。
  32. 前記光管理フィルム構成体を前記窓に取り付ける工程は、前記光管理フィルムの接着剤層を前記窓に接触させる工程を更に含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記光管理フィルム構成体の前記接着剤層が、前記第1光学フィルムの前記第2主表面上に存在する、請求項32に記載の方法。
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