JP2013510698A - ローラースケートおよびローラースケート用ホイールトラック - Google Patents

Abstract

【課題】操舵性および安定性が向上したローラースケートを開示する。
【解決手段】上記スケートは、スケータの足を支持するためのプラットホームと、そのプラットホームの下面に固定された前輪トラックおよび後輪トラックと、を含む。前輪の対は、前輪トラックに横方向の軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられ、後輪の対は、後輪トラックに横方向の軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられる。また、前輪および後輪の各対は、互いに平行な軸方向に位置合わせされ、下向きに傾斜した長手方向軸の周りで弾性的に制御された傾動動作を行うように、それぞれのホイールトラックに取り付けられる。さらに、前輪トラックの前輪の対と後輪の対との間には、第５の車輪が回転可能に取り付けられ、上記車輪の対と平行な軸方向に位置合わせされる。他の好ましいローラースケートは、前部爪先プレートに回転可能に取り付けられた単一の車輪を含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、２００５年１０月１６日に出願された米国特許出願第１１／５８１，２４２号（現米国特許第７，６１８，０４６号、２００９年１１月１７日発行）の一部継続出願であり、この一部継続出願は、２００４年８月２０日に出願された米国特許出願第１０／９２３，２２２号（現米国特許第７，１２１，５６１号、２００６年１０月１７日発行）の分割出願であり、この分割出願は、２００３年８月２５日に出願された米国仮出願第６０／４９７，８８４号および２００４年１月１６日に出願された米国仮出願第６０／５３７，２７３号の利益を３５ＵＳＣ１１９（ｅ）に基づいて主張する継続出願である。

本発明は車輪（ホイール）付きスケートに関し、より詳細には、スケータの履物に取り外し可能に取り付けられるよう構成された車輪付きスケートに関する。本発明はさらに、スケート、スケートボード、スクータなどに車輪を取り付けるためのホイールトラックに関する。

特許文献１には、スケータの靴にスケートを固定するための、爪先プレートおよび踵プレートと爪先ストラップおよび足の甲ストラップを備える、伸張可能なローラースケートが示されている。

特許文献２には、爪先プレートの前部および踵プレートの後部に車輪が配置された、伸張可能なストラップ固定式のローラースケートが示されている。

特許文献３には、前／後ブレーキパッドを備える伸張可能なストラップ固定式のスケートが示されている。

特許文献４には、ストラップを固定するためのバックルを備える伸張可能なストラップ固定式のスケートが示されている。

特許文献５には、後輪の対と２つの一列に並んだ前輪と前／後ストッパすなわちブレーキを備えるスケートが示されている。

特許文献６には、傾動可能な前輪の対と単一の後輪を有するローラースケートが開示されている。

さらに、本発明に関する情報の検索により特許文献７〜２３を見出した。

米国特許第４，３５１，５３８号 米国特許第１，７７１，８５５号 米国特許第５，６２０，１９０号 米国特許第６，２１７，０３９号 米国特許第５，５５１，７１３号 米国特許出願公開第２００３／０１１６９３０号 米国特許第６，４８１，７２６号 米国特許第６，４３１，５５９号 米国特許第６，２０９，８８９号 米国特許第５，８２６，８９５号 米国特許第５，２２４，７１８号 米国特許第４，５７２，５２９号 米国特許第４，３８２，６０５号 米国特許第４，２７２，０９０号 米国特許第１，９７５，９０５号 米国特許第１，８０９，６１２号 米国特許第１，６０９，６１２号 米国特許第１，２７１，８９１号 米国特許第１７７，５６６号 米国特許出願公開第２００３／００５７６７０号 米国特許出願公開第２００３／００５７６６５号 米国特許出願公開第２００３／００５２４６３号 米国特許出願公開第２００２／００３０３３２号

本発明は、スケータのストリートシューズ、スニーカなどにストラップで固定されるまたは取り外し可能に取り付けられるように構成されたローラースケートを提供する。

最も広い意味では、上記ローラースケートは、スケータの足を支持するためのプラットホームと、上記プラットホームの下面に取り付けられる前輪トラックおよび後輪トラックを含む。前輪トラックは前輪の対を含み、この前輪の対は、前輪トラックにプラットホームの長手方向に対して横方向の軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられる。後輪トラックもやはり後輪の対を含むと好ましく（１輪も以下に詳細に説明するように機能する）、この後輪の対もまた、後輪トラックに横方向の軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられる。前輪の対と後輪の対もまた、互いに平行な軸方向に位置合わせされている。さらに、第５のただし単一の（すなわち対ではない）中央車輪が設けられる。中央車輪は、前輪と後輪の対の間に回転可能に取り付けられ、前記車輪の対と平行な軸方向に位置合わせされる。

好ましい実施形態では、前輪の対が、長手方向の軸好ましくは下向きに傾斜した長手方向の軸の周りに傾動または旋回動作するように、そのホイールトラックすなわち前輪トラックに取り付けられる。長手方向の軸の周りの前輪の対の傾動を弾性的に制御するために、前輪トラックに取り付けられた減衰パッドが設けられる。さらに、第５のただし単一の中央車輪が、前輪トラックに回転可能に取り付けられる。この好ましい実施形態は、スケータのスケート操舵能力を強化し、スケータがスケートを一押し毎により大きな力を発生させることも可能にする点が有利である。

他の好ましい実施形態では、後輪の対もまた、長手方向の軸、好ましくは下向きに傾斜した長手方向の軸の周りに傾動可能または旋回式になっている。後輪の傾動によりさらに、スケータの操舵能力が強化される。というのは、後輪は、スケータが方向転換を開始するときに傾動するだけでなく、前輪の方向と反対の方向に傾動し、それによってスケータが方向転換、特にクイックターンをするのがいっそう容易になるからである。後輪トラックはまた、長手方向の軸の周りの後輪の対の傾動を弾性的に制御するための減衰パッドを含む。後輪が１つだけの４輪スケートについても記載されており、これはまた、中央車輪を利用しない３輪スケートについても同様である。

他の好ましい実施形態では、ローラースケートは前輪トラックを含み、それに単一の中央車輪が回転可能に取り付けられる。中央車輪は、スケートの長手方向の軸の周りに傾動可能つまり旋回可能になっていないのが好ましい。この実施形態では、スケートは、上記の前方にある中央車輪への振動を減衰するための減衰パッドを含んでいても含んでいなくてもよい。この実施形態は、後輪トラックを含み、その後輪トラックに、少なくとも２つの後輪が回転可能に取り付けられ、この２つの後輪は平行な後輪の対を形成するように横並びに配置されると好ましい。後輪トラックに、平行な後輪の対とその車輪の対の後方に配置された追加の単一の中央車輪とを含んだ３つの車輪が取り付けられるとより好ましい。後輪トラックは、スケートの長手方向の軸の周りに少なくとも部分的に傾動可能つまり旋回可能になるように、プラットホームの下面に取り付けられると好ましい。後輪トラックは、３つの後輪が傾斜した長手方向の軸の周りにプラットホームに対して傾動できるように、プラットホームに取り付けられると好ましい。３つの後輪のこの傾動動作は、スケータがプラットホームを３つの後輪に対して傾動させるようにその重量を調節すると、３つの後輪が、そして次にスケートが左または右に方向転換できるように設けられる。

他の好ましい実施形態では、スケートは、ホイールトラックをスケートプラットホームの下面に取り付けるための旋回取付台を含む。この旋回取付台は、後輪トラックをプラットホームの後部下面に取り付けるように設けられると好ましい。この旋回取付台を用いることにより、ホイールトラックが、スケートの横方向の軸の周りに旋回することが可能になる。この実施形態では、ローラースケートが、中央後輪の上に配置されたブレーキパッドを有するブレーキを含むと好ましく、そのブレーキパッドの配置は、ブレーキパッドが中央後輪と係合しその回転を制限するために、３つの後輪に対してプラットホームが後方に旋回したときにブレーキパッドが中央後輪と係合するようになっている。有利な点は、上記の旋回取付台構造と、中央後輪と係合するようにブレーキパッドを配置することによって、プラットホームがブレーキ中に後方に傾動しているときでも、３つの後輪が地面と係合を維持することが可能になることである。

上記の要約は本発明の好ましい形態について述べているが、特許請求の範囲に記載した発明はその好ましい形態に限定されると解釈すべきではない。

添付の図面を参照すると本発明はより容易に理解されるであろう。添付の図面では、同じ参照番号は同じ要素を示す。

本発明を具体化したローラースケートの前上面斜視図である。 図１の上部平面図である。 図１の下部平面図である。 図１の側部立面図である。 図４の線５−５の略平面で切り取った前部立面図である。 図４の線６−６の略平面で切り取った後部立面図である。 図４の線７−７の略平面で切り取った断面図である。 図５の線８−８の略平面で切り取った断面図である。 本発明を具体化したスケートの前輪トラックを裏返した状態の斜視分解図である。 本発明を具体化したスケートの後輪トラックを裏返した状態の斜視分解図である。 図１のものと類似しているが後輪を１つだけ有する本発明の下部平面図である。 図１１のスケートの側部立面図である。 前輪トラックに取り付けられた単一の車輪と、後輪トラックに取り付けられた３つの車輪を含んだ、好ましいローラースケートの後方斜視図である。 図１３に示されているローラースケートの側面図である。 図１３および１４に示されている、プラットホームが後輪に対して後方に傾動したローラースケートの側面図である。 スケートの前輪トラックに取り付けられた単一の車輪と、スケートの後輪トラックに取り付けられた３つの車輪を含んだ、ローラースケートの他の実施形態を示す斜視図である。 図１６に示されているローラースケートのための後輪トラック組立体を示す下部斜視図である。 図１６および１７に示されているローラースケートの後部立面図である。 プラットホームに対して傾斜した長手方向の軸の周りに３つの後輪が傾動動作できるように、後輪トラックがプラットホームに取り付けられている、図１８に示されているローラースケートの後部立面図である。

本発明は、ローラースケート２０で具体化される。詳細には、本発明は、スケータのストリートシューズ、スニーカなどにストラップで固定されるまたは取り外し可能に取り付けられるように構成されたタイプのスケートで具体化される。このローラースケートは基本的に、４つの車輪２１が四角に配置された４輪すなわちクワッドタイプのローラースケートであるが、スケータを押し出して推進するのを助け、スケータのバランスを改善するために第５の車輪２２を含んでいる。上記スケートは、前輪トラック２４および後輪トラック２５を含む。これらのトラックは、ローラースケートにおいて特定の有用性を得ているが、スケートボード、スクータなど（図示せず）での使用にも適用可能である。本明細書では、ストラップ固定式のローラースケートの文脈において本発明を説明するが、本発明はブーツ式のスケートにも適用可能である。

上記スケートは、爪先プレート２８および踵プレート２９で形成された長手方向に調節可能なプラットホーム２６を含む。踵プレート２９は、スケータの靴を履いた足に合うようにスケートのプラットホーム２６の長さを調節できるように、伸縮式のプラットホーム長調節器３０によって爪先プレート２８に結合されている。爪先プレート２８および踵プレート２９に対してスケータの足が滑らないように、プレートの上側表面は、歯または逆棘（ｂａｒｂ）３１の列を含む。直立した踵パネルすなわちカップ３２が、スケータの踵と係合し、その踵が踵プレート２９から滑らないように設けられる。

着脱可能なクイッククランプ式の前ストラップ３４が、爪先プレート２８の両側部にある直立したストラップボス３５に固定され、使用者の足と係合しそれをスケート爪先プレートに固定するように適合される。同様の着脱可能なクイックコネクト式のストラップ３６が、踵プレート２９にある直立したストラップボス３７に固定され、スケータの足および踵を踵プレート２９に固定するために、スケータの足の甲の上を通過するように適合される。このストラップは、スケート、スノーボードおよびスキーの締め具を固定するための周知のタイプのものである。

前輪トラック２４は爪先プレート２８の下面に固定され、後輪トラック２５は踵プレート２９の下面に固定される。スケータが停止するのを助けるために、前ブレーキ３９が爪先プレート２８に取り付けられ、後ブレーキ４０が踵プレート２９に取り付けられる。

前輪トラック２４はＬ字形の取付ブラケット４２（図８、９）で形成され、ブラケット４２は、爪先プレート２８の下面に固定されるように適合された水平プレート４３と、その水平プレート４３と一体的な従属的垂直プレート４４とを有し、垂直プレート４４は、その内側の面４５に凸状の球状ベアリング表面４６を画成する。水平プレート４３は、プラットホーム２６の長手方向の軸と全般に垂直な横方向の軸の周りで旋回動作するように、取付ピン４８の対によって爪先プレート２８の下面に固定され、取付ピン４８は、一方の端が切削ねじ４９によって取付ブラケットの水平プレート４３に取り付けられ、もう一方の端にアイレット５０を有する。アイレット５０は、爪先プレート２８の下面に隔置された対応する扇形のリブ５２に画成された、爪先プレート２８の上側表面を貫いて開口している垂直な細長いスロット５１を貫いて延びる。アイレット５０は取付ピン５４を受け、取付ピン５４はリブを貫いて側方に延び、止めねじ５５によってアイレット５０に固定され、止めねじ５５はアイレット５０の上側縁部を貫いて延び、爪先プレートにあるスロット５１の開口を介してアクセス可能になっている。上述のようにアイレット５０内に受けられたピン５４により、そのピン５４によって規定される、プラットホームの長手方向の軸に対して横方向の軸の周りに、プレート４３が旋回することが可能になる。

図４に示されている取付リブ５２はまた、凸状に湾曲した外側表面５８を画成し、Ｌ字形の前方取付ブラケット４２の水平プレート４３は、上記凸状表面に対応して凹状に湾曲した表面５９を画成し、表面５９は、弓形の弾性のある減衰パッドすなわち緩衝材６０を受けるように適合され、この緩衝材により、スケートプレートに搭載した車輪を垂直方向に緩衝する衝撃吸収が可能になる。このことから分かるように、上記の衝撃吸収弾性パッドは、ホイールトラックのプレート４３がピン５４によって規定される横方向の軸の周りのどちらかの方向に旋回した場合に、衝撃を吸収するように係合される。このタイプの旋回動作は、例えば、スケータが起伏の多い地形上で滑っている場合や、岩や小枝などの障害物に突き当たった場合に行われることがある。

前輪２１の対を前輪トラック２４上に、爪先プレート２８に対して傾動可能に取り付けるために、車輪車軸ヨーク６１が、Ｌ字形の取付ブラケット４２の垂直プレート４４に旋回ピン６２によって旋回式に固定される。車輪車軸ヨーク６１は、中心ウェブ部分６４とその側部から延びる対向するアーム６５で形成される。側部アーム６５は、ブッシング６８が装着されたアパーチャ６６を含み、車軸ピン６９が、そのブッシング６８を貫いて延び、切削ボルト７０によって固定される。車輪２１は、内部ベアリング７１を有することができ、ピン６９によって規定される車軸に取り付けられ、支持される。ヨーク６１は、前方取付ブラケット４２の垂直プレート４４に旋回式に取り付けられる。このため、ヨークウェブ６４は、垂直取付プレート４４上の凸状の球状表面４６に対応し、それを受ける凹状の球状ベアリング表面７２を画成する。旋回ピン６２は延びて、ブラケットプレート４４およびヨークウェブ６４の対応するアパーチャ７５、７６をそれぞれ通過する。アパーチャ７５、７６と旋回ピン６２は、爪先プレート２８の水平面に対して後方下向きに鋭角に傾斜した軸７８（図８）に沿って位置合わせされる。傾斜した旋回軸７８および球状ベアリング表面４６、７２により、スケータが一方またはもう一方に傾いたときに車輪２１が傾動（すなわち軸７８の周りの旋回）、方向転換することが可能になる。この傾動動作は、ブラケットの水平プレート４３にあるスロット８０（中に車輪ヨーク６１のウェブと一体的な中子８１が延びる）内に取り付けられた弾性のあるＵ字形の減衰パッド７９によって、制限、制御される。弾性のある減衰パッド７９の硬度／弾力性（通常、その材料のデュロメータで表される）を変化させることによって、ヨーク６１および前輪２１の対の揺動動作をスケータに適合するように制御することができる。

スケートに安定性をもたらし、スケータが一方のスケートまたはもう一方のスケートで押し出して滑走速度を上昇させるのを助けるために、固定軸の、傾動しないと好ましい第３の前輪２２（第５の車輪全体）が、爪先プレート２８の下の、取付ブラケット４２の水平プレート４３から後方に延びる取付アーム８４の間に支持される。車輪２２は、車軸ピン８５に回転可能に支持され、取付ブラケット４２と共に垂直に移動できるが、揺動すなわち傾動はしない。車軸ピン８５は、切削ねじ８６によってアーム８４の間に固定される。車輪２２により、スケータが方向転換または押し出ているときに前スケートトラックおよびスケートに対して安定性がもたらされる。

後輪トラック２５は、前輪トラック２４と構造が幾分類似しており、Ｌ字形の後方取付ブラケット８８を含む。ブラケット８８は、踵プレート２９の下面に固定されるように適合された水平プレート８９と、その水平プレート８９と一体的な従属的垂直プレート９０とを有し、垂直プレート９０はその内側の面９１に凸状の球状ベアリング表面９２を画成する（図８および１０）。取付アーム９４の対が、水平プレート８９の両側部から延び、踵プレート２９の下面から突出するボス９５と、旋回切削ねじ９６によって旋回式に係合される。水平プレート８９はさらに、取付ピン９８の対によって踵プレート２９の下面に固定され、取付ピン９８は、一方の端が切削ねじ９９によって取付ブラケット８８の水平プレート８９に取り付けられ、もう一方の端にアイレット１００を有する。アイレット１００は、踵プレート２９の下面に隔置された対応する扇形のリブ１０２に画成された、踵プレート２９の上側表面を貫いて開口している垂直な細長いスロット１０１を貫いて延びる。アイレット１００は取付ピン１０４を受け、取付ピン１０４は止めねじ１０５によってアイレットに固定され、止めねじ１０５はアイレット１００の上側縁部を貫いて延び、踵プレート２９にあるスロット１０１の開口を介してアクセス可能になっている。取付リブ１０２は凸状に湾曲した外側表面１０７を画成し、Ｌ字形の後方ブラケット８８の水平プレート８９は、前輪トラックについて上述したように、上記凸状表面に対応して凹状に湾曲した表面１０８を画成し、表面５９は、弓形の弾性のある減衰パッドすなわち緩衝材１０９を受けるように適合され、この緩衝材により、スケートプレートに搭載した車輪を垂直方向に緩衝する衝撃吸収が可能になる。

上述のものと類似した車輪車軸ヨーク１１０が、傾斜した軸の周りに揺動動作すなわち傾動動作するように、後輪２１の対を取付ブラケット８８上に取り付けるために設けられる。車輪車軸ヨーク１１０は、中心ウェブ１１１とそこから延びる対向する側部アーム１１２で形成される。側部アーム１１２は、ブッシング１１５が装着されたアパーチャ１１４を含み、車軸ピン１１６が、そのブッシング１１５を貫いて延び、切削ボルト１１８によって固定される。車輪２１は、内部ベアリング１１９を有することができ、車軸ピン１１６に取り付けられ、支持される。ヨーク１１０は、後方取付ブラケット８８の垂直プレート９０に旋回式に取り付けられる。このため、ヨークウェブ１１１は、垂直取付プレート９０上の凸状の球状表面９２に対応し、それを受ける凹状の球状ベアリング表面１２０を画成する。旋回ピン１２１は延びて、ブラケットプレート９０およびヨークウェブ１１１の対応するアパーチャ１２２、１２３をそれぞれ通過する。アパーチャ１２２、１２３と旋回ピン１２１は、踵プレート２９の水平面に対して前方下向きに鋭角に傾斜した軸１２４に沿った軸に沿って位置合わせされる。傾斜した旋回軸１２４および球状ベアリング表面９２、１２０により、スケータが一方またはもう一方に傾いたときに車輪が傾動、方向転換することが可能になる。この傾動動作は、ブラケットの水平プレート８９にあるスロット１２６（中に車輪ヨーク１１０のウェブと一体的な中子１２８が延びる）内に取り付けられた弾性のあるＵ字形の減衰パッド１２５によって制限、制御される。弾性のある減衰パッド１２５の硬度／弾力性を変化させることによって、ヨークおよび後輪２１の対の揺動動作をスケータに適合するように制御することができる。取付プレートおよび車輪ヨークにより、後方の車輪対は、踵プレートの少し後ろ、したがって図４に示されているようにスケータの踵の少し後ろに配置される。この構造により、後ブレーキ４０がより使用し易くなるだけでなく、スケータのバランスも高まる。

前輪トラックと後輪トラックの両方において、車輪ヨークと取付ブラケットの垂直プレートとの間の対合表面は上述のように球状になっている。各車輪ヨークの対合表面は凹状になっている一方、各対応する取付ブラケットプレートの対合表面は凸状になっている。この構造は玉継手に類似しており、その構造により、車輪ヨークが、取付ピンによって規定される回転軸の周りに、取付ブラケットに対して旋回または回転することが可能になる。前輪対の旋回軸７８と後輪対の旋回軸１２４の両方が長手方向に、爪先プレートおよび踵プレートの平面に対して下向きに鋭角をなしていることで、スケータが一方またはもう一方に傾いたときに車輪の対が傾動、方向転換することが可能になり、それによってカーブまたは円弧でのスケートの操舵効果がもたらされる。例えば、円弧に沿って左に曲がるためにスケータが左に傾くと、前輪対が左に旋回すると同時に、後輪対が右の方に旋回することにより、左の方への操舵が実現する。同様に、スケータが右の方に曲がるために右に傾いたときにも同じ操舵効果が得られる。そのどちらの場合でも、前輪トラックの第３の車輪は旋回せず、したがって、スケータが側部の車輪を使用して滑走速度を上昇させることで押し進んでいる間ばかりでなく、どちらの方向に方向転換している間も安定性がもたらされる。

車輪２１は、耐摩耗ポリウレタンまたは耐久力をもたらし長寿命を可能にするその他の適当なプラスチック材料で形成された、インラインスケートで典型的に使用されるタイプのものであると好ましい。インラインスケートタイプの車輪は、全般に長円形の断面（図７に示されているように車輪の回転軸を含んだ、すなわちその軸に沿ったときの断面）を有するので好ましい。この長円形状は、スケータの方向転換をより容易にする丸みのある踏面を有するので好ましい。従来の４輪ローラースケートは一般に平坦な踏面を有し、その踏面ではスケータの方向転換が難しくなる。というのは、平坦な車輪を使用しているスケータは、より丸みのある踏面を有する車輪を用いたときほど傾いて方向転換することができないからである。

前ブレーキ３９は、爪先プレートの下面に固定されるブレーキブラケット１３０に取り付けられたブレーキパッド１２９からなる。後ブレーキ４０も同様に、踵プレートの後部にある直立踵フランジ３２に取り付けられるブラケット１３２に固定されたブレーキパッド１３１を含む。フランジ３２はさらに、スケータの靴の踵と係合する踵ストッパとして働く。

爪先プレート２８と踵プレート２９を互いに長手方向に調節するのを可能にする伸縮式の延長機構３０は、断面が十字形の細長い棒材１３５で形成され、棒材１３５は踵プレート２９の下面に固定され、爪先プレート２８の方に延び、その爪先プレートに図５に示されているように互いに向かい合った細長いチャネル１３６の対が固定される。棒材１３５は、爪先プレートに固定されるチャネル１３６と側方に突出するリブ１３７を画成し、それによって伸縮調節が可能になる。爪先プレートと踵プレートの長さ調節が決定されたら、棒材／チャネルは、トラックを踵プレートの下面に取り付けるのに利用される切削ねじ９６によって固定される。このねじを締め付けてまたは緩めて上記棒材／チャネルと係合させ、それによって所望のスケート長を固定することができる。さらに、このスケート構造体は、軽量プラスチックまたはアルミニウムなどの金属で形成されると好ましい。

スケートを履いたスケータによる推進は、体重を一方のスケートに載せ、もう一方のスケートの内側の側部車輪を使用して押し出ることによって行われる。スケートの車輪は、旋回式に取り付けられているので、スケータが一方のスケートを使用して押し出ると、方向転換する傾向を有する。押し動かしているスケートの前部にある第３の車輪により、安定性がもたらされ、スケータは強力な一押しすなわち推力を得ることが可能になる。この前輪トラックにある第３の車輪によりまた、歩道や小道などの平坦ではない表面上を滑走したり、小枝および石を越えたりする場合ばかりではなく、前方または後方への滑走中にもスケータに安定性がもたらされる。

図１１および１２に本発明の４輪ローラースケート２２０が示されており、この車輪ローラースケート２２０は、図３に示されている後輪２１の対の代わりに後輪２２１の１つのみを備える点が第１の実施形態のスケート２０と異なる。図１１に最もよく示されているように、後輪２２１は、単一の中央車輪２２と同じ平面内で回転するように一列に並んでいる。後ブレーキ４０のためのブラケット２３２もまた、地形の出っ張りに突き当たったときに生じ得るパッド１０９の圧縮のため後輪２２１が上方に動いた場合にその後輪２２１がブラケットに接触するのを防止するために、第１の実施形態のブレーキ４０ためのブラケット１３２と異なる形を形成する。この実施形態の後輪トラック２２５もまた、後輪トラック２５に取り付けた車輪２１の対ではなく、車輪１つすなわち車輪２２１を取り付けるための構造（番号なし）しか必要としない点で、第１の実施形態のトラック２５と異なる。スケート２２０の残りの構成部品はスケート２０のものと同じであり、したがって同じ番号が付けられている。スケート２２０は、スケート２０によって実現する安定性を完全にはもたらさないが、後輪１つのみを利用することにより、より操舵しやすく、より軽量になっている。

本発明によりまた、スケート２２０に類似しているが中央車輪２２を利用しない、すなわち中央車輪２２をスケートから取り除いた３輪スケート（図示せず）も可能になる。このスケートは、スケート２０または２２０ほど安定しないが、軽量で非常に操舵しやすいはずである。このスケートではまた、スケート２０、２２０で可能であるほどの推力をスケータが発生させることはできない。というのは、２つの前輪２１と単一の中央車輪２２の３つの車輪の組合せを押しやる能力が、その例示した実施形態での高い推力の発生を可能にしていると考えられるからである。

図１３〜１８に、本発明の４輪ローラースケートが示されている。ローラースケート２０は、好ましくは長手方向に調節可能なプラットホーム２６を含み、プラットホーム２６は、伸縮セクション３０によって連結された爪先プレート２８および踵プレート２９を含む。ローラースケートは、スケータの足と係合し、その足がプラットホーム２６から滑るのを防止するためのストラップ３４を含むと好ましい。図面に示されていないが、ストラップ３４は、足を自動で締め付けるように自己調節式になっていると好ましい。ストラップの自動締め付けは、ばね、弾性バンドなどを利用して実現することができる。

前輪トラック２４は爪先プレート２８の下面に取り付けられ、後輪トラック２５はプラットホームの踵プレート２９の下面に取り付けられる。この実施形態では、ローラースケート２０は、前輪トラック２４に回転可能に取り付けられた単一の前輪２１を含む。図１４〜１７に示されているように、前輪２１は、Ｌ字形の取付ブラケットによって前輪トラック２４に取り付けられると好ましい。この実施形態では、前輪トラック２４は、前輪がプラットホームの長手方向の軸の周りに傾動つまり旋回動作できないように構成される。

図１４〜１８に示されている実施形態では、ローラースケート２０は、後輪トラック２５に回転可能に取り付けられた３つの後輪２０を含む。３つの後輪は、並列車輪２１の対とその並列車輪の対の後方に配置された中央車輪２１を含む。３つの後輪２１は、その３つの後輪２１がスケートのプラットホーム２６に対して傾斜した長手方向の軸の周りに揺動動作すなわち傾動動作できるように、上述のものに類似した車輪車軸ヨーク６１によって後輪トラックに取り付けられる。車輪車軸ヨーク６１はやはり、中心ウェブ６４から延びる側部アーム６５を含むように形成される。側部アーム６５は、車輪２１を回転可能に取り付けるための車軸ピン６９が貫いて延びる穴を含む。そしてヨーク６１は、旋回ピン６２によって取付プレートに取り付けられる。旋回ピン６２は、スケートのプラットホームの水平面に対して後方下向きに鋭角に傾斜した軸を規定する。この傾斜軸により、スケータが一方またはもう一方に傾いたときに後輪が傾動、方向転換することが可能になる。後輪トラックは、横並びの並列車輪の対がスケータの踵の下に配置され、第３の中央車輪がスケータの踵の後方に配置されるように構成されると好ましい。

図１４〜１６に示されているように、好ましい実施形態では、ローラースケート２０は、後輪トラック２５を踵プレート２９に取り付けるための旋回取付台１４０を含む。旋回取付台１４０を用いると、後輪トラック２５および対応する３つの後輪２１が旋回ピン１４１によって規定される横方向の軸の周りに旋回することが可能になる。図１５に示されているように、旋回取付台１４０によって、前輪を地面から持ち上げながら後輪は地面上に維持するようにスケータが足を後方に傾けることが可能になる。スケートが後ブレーキ４０を含むと好ましい。後ブレーキ４０は、踵プレート２９の後部から突出するブラケットおよびブレーキパッド４１を含む。ブレーキパッド４１は、スケータの踵が後方、前方へそれぞれ傾けられると選択的に係合、係合解除されるように配置される。この実施形態によれば、スケータはブレーキ中でも３つの後輪を地面上に維持することが可能になるので、有利である。

本発明の複数の特定の形態について例示、説明したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなしに様々な変更を行うことができることが明らかであろう。したがって、以下の特許請求の範囲以外により本発明を限定することは意図されない。当業者が本発明を理解、再現、実施できるようにするという観点から、本発明の説明と、本発明の現在好ましい実施形態の特定が行われる。

Claims (18)

1. 前部および後部を有する下面を含んだ、スケータの足を支持するためのプラットホームと、
   前記プラットホームの前記前部下面に固定された前輪トラックと、
   前記前輪トラック上に横軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられた単一の前輪と、
   前記プラットホームの前記後部下面に固定された後輪トラックと、
   前記前輪と平行な軸方向に位置合わせするように、横軸方向に位置合わせして回転可能に前記後輪トラックに取り付けられた３つの後輪と、を備え、
   前記３つの後輪が、後輪対を形成するように横並びに取り付けられた後輪の対と、この対の間で後方に配置された中央後輪と、を含む、ローラースケート。
2. 前記プラットホームに対して少なくとも部分的に長手方向軸周りに前記３つの後輪が傾動動作できるように、前記後輪トラックが前記プラットホームに取り付けられる、請求項１に記載のローラースケート。
3. 前記プラットホームに対して傾斜した長手方向軸周りに前記３つの後輪が傾動動作できるように、前記後輪トラックが前記プラットホームに取り付けられる、請求項２に記載のローラースケート。
4. 前記プラットホームに対して長手方向軸周りに前記単一の前輪が傾動動作できないように、前記前輪トラックが前記プラットホームに取り付けられる、請求項２に記載のローラースケート。
5. 前記プラットホームに対して長手方向軸周りに前記単一の前輪が傾動動作できないように、前記前輪トラックが前記プラットホームに取り付けられる、請求項３に記載のローラースケート。
6. 前記プラットホームの前記後部下面に前記後輪トラックを取り付けるための旋回取付台をさらに備え、前記プラットホームに対して横方向軸周りに前記後輪トラックが旋回できるような旋回動作を可能にする、請求項１に記載のローラースケート。
7. 前記プラットホームに取り付けられたブレーキパッドを含んだブレーキをさらに備え、
   前記ブレーキパッドが前記中央後輪の上に配置され、前記プラットホームが後方に旋回したときに前記中央後輪と係合するように、前記中央後輪の回転と係合して回転を制限する、請求項６に記載のローラースケート。
8. 前記スケートがスケータの足に固定されたときに前記中央後輪がスケータの足の踵の後方に位置決めされるように、前記中央後輪が前記プラットホームに対して配置される、請求項１に記載のローラースケート。
9. 前記プラットホームの下面表面と前記プラットホームに取り付けられた各前記ホイールトラックとの間に衝撃吸収手段が位置決めされた衝撃吸収手段の対をさらに備える、請求項１に記載のローラースケート。
10. 前記衝撃吸収手段の対のそれぞれにより、前記プラットホームに搭載した前記トラックの車輪を垂直方向に緩衝可能である、請求項９に記載のローラースケート。
11. 前部および後部を有する下面を含んだ、スケータの足を支持するためのプラットホームと、
    前記プラットホームの前記前部下面に固定された前輪トラックと、
    前記前輪トラック上に横軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられた前輪であって、前記プラットホームに対して長手方向軸周りに前記単一の前輪が傾動動作できないように前記前輪トラックが前記プラットホームに取り付けられている、前輪と
    前記プラットホームの前記後部下面に固定された後輪トラックと、
    前記前輪と平行な軸方向に位置合わせするように前記後輪トラックに対して横軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられた３つの後輪であって、前記プラットホームに対して少なくとも部分的に長手方向軸周りに前記３つの後輪が傾動動作できるように前記後輪トラックが前記プラットホームに取り付けられている、３つの後輪と、を備える、ローラースケート。
12. 前記プラットホームの前記後部下面に前記後輪トラックを取り付けるための旋回取付台をさらに備えることにより、前記プラットホームに対して横軸周りに前記後輪トラックが旋回できるような旋回動作を可能にする、請求項１１に記載のローラースケート。
13. 前記プラットホームに取り付けられたブレーキパッドを含んだブレーキをさらに備え、
    前記ブレーキパッドが前記中央後輪の上に配置され、前記プラットホームが後方に旋回したときに前記中央後輪と係合して、前記中央後輪の回転と係合して回転を制限する、請求項１２に記載のローラースケート。
14. 前部および後部を有する下面を含んだ、スケータの足を支持するためのプラットホームと、
    前記プラットホームの前記前部下面に固定された第１のホイールトラックと、
    前記前輪トラック上に横方向の軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられた１つまたは複数の車輪であって、前記プラットホームに対して長手方向軸周りに前記単一の前輪が傾動動作できないように前記第１のホイールトラックが前記プラットホームに取り付けられている、１つまたは複数の車輪と、
    前記プラットホームの前記後部下面に固定された第２のホイールトラックと、
    前記前輪と平行な軸方向に位置合わせするように前記後輪トラックに対して横軸方向に位置合わせして回転可能に取り付けられた２つ以上の車輪であって、前記プラットホームに対して少なくとも部分的に長手方向軸周りに前記２つ以上の車輪が傾動動作できるように前記第２のホイールトラックが前記プラットホームに取り付けられている、２つ以上の車輪と、を備えるローラースケート。
15. 前記プラットホームの前記後部下面に前記第２のホイールトラックを取り付けるための旋回取付台をさらに備えることにより、前記プラットホームに対して横軸周りに前記第２のホイールトラックが旋回できるような旋回動作を可能にする、請求項１４に記載のローラースケート。
16. 前記プラットホームに取り付けられたブレーキパッドを含んだブレーキをさらに備え、
    前記ブレーキパッドが前記第２のホイールトラックに回転可能に取り付けられた前記２つ以上の車輪のうちの１つの上に配置され、前記プラットホームが後方に旋回したときに前記２つ以上の車輪のうちの１つと係合して、前記中央後輪の回転と係合して回転を制限する、請求項１５に記載のローラースケート。
17. 前記第１のホイールトラックが前記プラットホームの前記前部下面に固定され、前記第２のホイールトラックが前記プラットホームの前記後部下面に固定される、請求項１４に記載のローラースケート。
18. 前記第１のホイールトラックが前記プラットホームの前記後部下面に固定され、前記第２のホイールトラックが前記プラットホームの前記前部下面に固定される、請求項１４に記載のローラースケート。

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