JP2013504729A - 改善された効率を有する熱交換デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1つの低湿潤領域を有する表面で極性液体を沸騰させることを含む熱交換方法に関し、本方法は、a)低湿潤領域上に蒸気のビーズの出現を生じさせ、前記ビーズを成長させるステップと、b)このようにして形成された気泡の剥離を促進するために、少なくとも1つの電気湿潤システムを使用して前記表面を湿潤表面に変えるステップと、にある。

Description

本発明は、電子部品を冷却するために使用することができる、改善された効率を有する熱交換デバイスに関する。
沸騰現象は、熱交換デバイスで使用されることが非常に多い。この現象は、次の2つの状態のいずれかから起こる。
・プール沸騰:この方法は、熱が放散されなければならない表面は、停滞した不圧の液体の中に埋没している。プール沸騰の主要な現象は、核沸騰である。
・対流閉込め沸騰:この状態の下では、液体は、前記液体の毛細管長よりも小さい水力直径のパイプに流れ込む。
プール沸騰の場合には、「臨界」と呼ばれる熱流より上で、連続した蒸気層の出現が観察され、この蒸気層が、液体と壁の間の接触を全面的に妨げる。
そして、熱伝達は、実質的に低下する。
したがって、その後熱はほとんど放散されないので、壁の温度は連続的に上昇する。
このようにして、高温部分が生成され、これにより、容器および冷却されるべき素子の破壊が引き起こされることがある。
チャネル中に閉じ込められた対流沸騰の場合には、泡が、一般に、チャネルの入り口に近いゾーンに形成される。
その後、閉込め効果によって、泡は押しつぶされ、合体してベーパーロックを形成する。
そのとき、熱は、チャネルの壁と接触している液体のミクロ層を通して主に伝達される。
閉じ込められたスペースの中で熱伝達が起こるとき、一般にチャネルの壁の早過ぎる乾燥が観察される。
この乾燥は、熱交換係数の実質的な減少を引き起こし、したがって冷却されるべき素子の効率低下を引き起こす。
その上、表面が濡れていればいるほど、それだけ臨界熱流が増加することが証明されている。
しかし、表面の湿潤性が高くなればなるほど、それだけ蒸気泡の最初の核を形成するのに必要なエネルギーが大きくなる。
そのため蒸気泡形成の頻度が減少する。
したがって、本発明の1つの目的は、湿潤表面の有利点と、また蒸気泡の十分な発生頻度とを同時に有する熱交換表面を提供することである。
上述の目的は、前記表面の湿潤性特性を変え、かつ要求に応じて親水性にすることができる電気的手段を内蔵する低湿潤熱交換表面によって達成される。
表面の湿潤性特性を変えるために、電気湿潤の原理が使用されて、蒸気泡形成後の表面に電位を与えて蒸気泡の形成領域の表面の湿潤性を高め、蒸気泡の剥離を容易にする。
最初に、蒸気泡の核の発生に有利に働く低湿潤表面があり、その後、気泡の剥離に有利に働く湿潤表面がある。
言い換えれば、要求に応じて湿潤性を変えることができる活性表面が使用され、これによって、ある期間にわたって低湿潤性の有利点と十分な湿潤性の有利点を組み合わせることができるようになる。
電気湿潤を使用することによって、表面の湿潤性特性を局部的に変えることができ、したがって離散的かつ局部的なやり方で泡を発生させることができる。
この局部化によって、蒸気膜を生成する可能性のある1つのゾーンでの大量の泡およびそれらの泡の合体の防止が可能になる。
本発明によると、液体と接触する壁の表面エネルギーは電気的作動によって変えられ、このことによって、熱伝達係数を改善し、さらに望ましくない熱現象、すなわちプール沸騰中の臨界熱流の出現および対流沸騰中の乾燥を遅らせることができるようになる。
特に有利なやり方では、電気湿潤手段の作動の周波数は、蒸気泡の核の形成およびそれらの泡の壁からの剥離の動力学と一致している。そのとき泡発生は最適であり、この泡発生の効果は、熱伝達を改善すること、したがって高温素子の冷却を改善することである。
プール沸騰状態に利用できる実施形態では、時間的同期化されかつ空間的に一様なやり方で泡発生および泡の剥離を分布させ、かつ蒸気泡の合体を防止するために、可変湿潤性を有するゾーンおよびそれらのゾーンの湿潤性の変化が、ある与えられたやり方で体系化される。
そのとき、臨界熱流の出現の危険性は小さい。
選択的に利用可能ないくつかの電気湿潤システムが表面の下に分布され、それらのシステムの全てが、それらのシステムを覆う表面の湿潤性の変化を同時に引き起こすように同時に制御される。したがって、デバイスは簡素化される。
流体がチャネル中に流れ込む対流沸騰状態に適した他の実施形態では、冷却されるべき素子によって供給される熱の影響を受けるチャネル中で泡の形態で大きさが成長する、蒸気泡の核を発生させるために、熱源に結合された、電気湿潤によって変えられる湿潤性のゾーンが、チャネルの入り口に置かれる。したがって、泡が現れる時は、泡の核が習慣的に自然に現れるゾーン以外に発生器を作ることによって制御される。
これらの核を、時間をかけて十分に間隔をあけるやり方で発生させて、蒸気泡の合体およびベーパーロックの出現を防止することができる。
それにより、その表面の熱伝達は改善され、壁の乾燥は遅れる。
したがって、本発明の内容は、主に、少なくとも1つの低湿潤ゾーンを有する表面で極性液体を沸騰させることによって熱交換を実現する方法であり、本方法は、
a)前記低湿潤ゾーン上に蒸気泡の核の出現を生じさせ、かつ前記核を成長させるステップと、
b)このようにして形成された前記気泡の剥離に有利に働くために、少なくとも1つの電気湿潤システムによって前記表面を湿潤にするステップと、を有する。
表面は、また、全体的に低湿潤であってもよく、電気湿潤システムが前記表面の下に分布される。ステップb)において、電気湿潤システムは、形成された前記気泡の剥離に有利に働くように全て同時に作動される。
表面は、その表面の下に分布された別々に作動させることができるm個の電気湿潤システムを備えることができ、mはn+pに等しく、m、nおよびpは自然数であり、ステップa)およびb)は、nおよびpの電気湿潤システムに対して周期的に適用され、ステップa)はnのシステムに、ステップb)はpのシステムに同時に適用され、さらにステップa)は同時にpのシステムに適用され、またステップb)は同時にnのシステムに適用される。
電極の活性化の期間は、蒸気泡の核の発生期間と蒸気泡の成長期間の和にほぼ等しく、例えば10Hzから100Hzの間である。
他の例では、表面は、表面の下に延在する1つのトラックの形態である電極を備えることができ、前記表面は、電極の上に、交互になる低湿潤ゾーンおよび湿潤ゾーンを有し、さらにステップa)およびステップb)は、その単一電極に適用される。
沸騰は、対流性でかつ閉じ込められていてもよく、さらに、そのとき表面は、極性液体が流れるダクトの一部を形成し、前記表面は、熱交換が起こるゾーンから上流に位置している。その表面は、加熱手段を備える。ステップa)の間に、極性液体は、表面上で熱伝達を受ける。
本発明の内容は、また、極性液体と接触する、素子から熱を取り出すように意図された表面を備える熱交換用デバイスであり、前記表面は、極性液体と接触する表面の湿潤性を電気湿潤によって局部的に変えることができる少なくとも1つのシステムを備え、前記システムは、対電極と関連した少なくとも1つの電極と、電極に電位を与えることによって前記電極を活性化する制御手段とを備え、表面の壁は、少なくとも部分的に、前記電極に電位が与えられない場合には低湿潤性特性を有し、さらに、前記システムは、誘電体層によって液体から絶縁されている。
例えば、極性液体は流れており、前記電気湿潤システムは、冷却されるべき素子と接触する部分から上流の壁の一部に置かれ、さらに前記デバイスは、また、液体をダクト中に流す手段と、電気湿潤システムの領域に置かれた加熱手段とを備えている。
電気湿潤システムは、液体の流れの方向に対して横方向に分布された、対電極と関連した少なくとも1つの電極を備えることができる。
少なくとも1つの電極は、例えば環の形を有し、対電極は、前記環の中心に置かれている。電極の外径は、例えば0.1mmから1mmであり、対電極の直径は、1μmから10μmであり、電極と対電極との間の距離は、例えば1μmから50μmである。
2つの隣接する電極の間の距離は、0.1mmから1mmであってもよい。
加熱手段は、電極によって囲まれかつ対電極を囲む環状電気抵抗器によって形成されてもよい。
他の例示の実施形態では、電気湿潤システムは、本体および本体に対して横向きの、ほぼ極性液体の流れの方向に並べられた指部を含む櫛状電極と、櫛状対電極とを備え、対電極の指部は電極の指部と互いにかみ合っており、表面は、また、指部に沿って低湿潤ゾーンと交互になる湿潤ゾーンを備え、さらに加熱手段は、電極の指部と対電極の指部との間を通っている。
湿潤ゾーンおよび低湿潤ゾーンは、例えば、極性液体の流れの方向にほぼ垂直なストリップの形を取り、櫛の長さの全体にわたって延びている。
他の実施形態では、沸騰は容器中で起こることがあり、前記表面は、前記デバイスのベースを形成し、電気湿潤システムは、少なくとも1つの対電極と関連した複数の電極を備え、さらに前記電極は、壁の全表面にわたって分布されている。
特に有利な例示の実施形態では、制御手段は、全ての電極を周期的に同時に活性化し、また非活性化する。
他の例示の実施形態では、制御手段は、電極をグループでまたは別々に位相シフトのやり方で周期的に活性化し、また非活性化する。
例えば、電極は、チェッカー盤の形で分布されている。
全表面は湿潤でよく、すなわち電極の上のゾーンが低湿潤で、電極の上のそのゾーンとそのゾーンとの間のゾーンは、湿潤である。例えば、湿潤ゾーンは、格子の形をとる。
プール沸騰を有するデバイスの異なる実施形態では、表面は、前記デバイスのベースを形成することがあり、電気湿潤システムは、壁の表面の下に延在するトラックの形をした電極と、電極のそばを通るトラック状の対電極とを備える。
トラックの上の表面は、例えば、十分な湿潤性のゾーンによって低湿潤性のゾーンに分割されている。
電極および対電極は、スパイラルの形に構成されることがある。
電極の上の表面は、例えば、十分な湿潤性の特性を有する第1のストリップと、低湿潤性の特性を有する第2のストリップを備え、前記第1および第2のストリップは、交互になり、電極(108)の様々な部分を横切っている。
異なる実施形態では、電極および対電極は、互いにかみ合った櫛の形をとり、表面は、電極の上に湿潤ゾーンと低湿潤ゾーンとを有する。例えば、湿潤ゾーンおよび低湿潤ゾーンは、櫛の指部を横切る湿潤および低湿潤ストリップによって形成されている。
例えば、極性液体は、水またはエチレングリコールである。
本発明の内容は、また、本発明に従った熱交換デバイスの製造方法であり、本方法は、
a)基板上に第1の電気絶縁層を堆積させるステップと、
b)前記電気絶縁層上に導電層を堆積させて電極を形成するステップと、
c)導電層上に第2の電気絶縁層を堆積させるステップと、
d)第2の電気絶縁層上に低湿潤性特性を有する膜を堆積させるステップと
を含む。
熱交換デバイスの製造方法は、その膜に十分な湿潤性特性を有するゾーンを製造する次のステップe)を含むことがある。ステップe)は、例えば、レーザを用いて低湿潤性特性を有する膜(308)を酸化させることによって得られる。
本方法は、また、導電層をエッチングするステップを含む。
基板は、例えば鋼から作られ、第1の電気絶縁層は、SiC/SiOから作られ、低湿潤性の層は、例えばSiOCから作られる。
本発明は、次の説明および説明図を使用してより適切に理解されるであろう。
本発明の第1の実施形態による熱交換表面の例示の実施形態を示す概略上面図である。 図1Aの熱交換表面の変形を示す概略上面図である。 本発明の第1の実施形態による熱交換表面の異なる実施形態を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態による熱交換表面の他の異なる実施形態を示す上面図である。 他の実施形態による熱交換表面を示す概略側面図である。 図4Aの詳細を示す上面図である。 図4Aの詳細の異なる実施形態を示す上面図である。 他の実施形態の別の例示の実施形態を示す上面図である。 本発明によるデバイスの製造方法の例示の異なるステップを示す概略図である。 本発明によるデバイスの製造方法の例示の異なるステップを示す概略図である。 本発明によるデバイスの製造方法の例示の異なるステップを示す概略図である。 本発明によるデバイスの製造方法の例示の異なるステップを示す概略図である。 湿潤表面および低湿潤表面を示す説明図である。 湿潤表面および低湿潤表面を示す説明図である。 印加電圧に応じた2つの表面の湿潤性の変化を示すグラフである。 印加電圧に応じた2つの表面の湿潤性の変化を示すグラフである。
図1Aでは、プール沸騰状態に適した本発明による熱交換デバイスD1の第1の例を見ることができる。
デバイスD1は、極性液体(図示されない)によって覆われるように意図された熱交換表面2を備える。
熱交換表面は、極性液体と接触する面の反対側の面で冷却されるべき素子(見えない)と接触するように意図されている。
熱交換表面2は、少なくとも局部ゾーン4において、極性流体に対して低湿潤性の特性を有している。
図7Aに図示されるように接触角θが90°よりも大きいとき、1つの表面は、液体に対して低湿潤性を有する。図7Bに図示されるように接触角θが90°よりも小さいとき、1つの表面は、液体に対して十分な湿潤性を有する。
水の場合に、疎水性表面という用語は、低湿潤表面に使用され、親水性表面という用語は湿潤表面に使用される。
さらに、本発明によると、本デバイスは、液体と熱交換表面の間の接触角を経時的に変えるために、電気湿潤システム6を備える。
電圧の変化が、極性流体に関する表面2の湿潤性特性を変える。
この例では、本システムは、疎水性表面を一時的に親水性表面に変えることができる。
図示された例では、電気湿潤システムは、熱交換表面の平面内に分布された複数の電極8を備える。
図示された例では、分布は線および列の形であるが、この構成は決して限定的なものではない。
各電極8は、対電極10と関連している。
図示された例では、電極8は、電圧源12に接続された環状形を有し、対電極10は、各電極8の中心に位置している。図示された例では、対電極10は接地されている。
電極8および対電極10は、電極8および対電極10から流体を分離する誘電体層(図示されない)で覆われている。
その上、熱交換表面は、極性流体に関して少なくともいくつかの疎水性ゾーンを有している。
この例示の実施形態では、全表面がこの特性を有する。
さらに、本システムは、各電極8と関連した対電極10との間に電圧を加えるための制御手段(図示されない)を備える。電力だけが示されている。
したがって、制御手段は、電極/対電極の対に電圧を加えることができる。
液体の湿潤は、次のリップマン−ヤングの式で表される法則に従って変化する。
ここで、θは、電位Vでの接触角であり、θは、電位0Vでの接触角であり、Yは、液体の表面エネルギーであり、εは空きスペースの誘電率であり、εは、絶縁層の比誘電率であり、dは、この絶縁層の厚さである。
このように、電位Vが加えられたとき、cosθの値は大きくなる。
したがって、角度θは角度θよりも小さい。十分な値Vでは、θは90°よりも小さくなり、表面を親水性にする。
電気湿潤は、流体の接触角を局部的に変えることができる。
水の場合には、接触角は、60°から110°の間で変化することができる。
図8Bでは、接触角が95°に等しい疎水性膜で覆われた、8に等しい比誘電率の絶縁層に対するエチレングリコールの湿潤性の変化を見ることができる。

100nmの絶縁層厚さおよび1000nmの絶縁層厚さに関して、電極に加えられる電圧に従った接触角θの変化が図示されている。
2に等しい比誘電率の絶縁層(図8Aに図示される)に比べて、接触角θは、より急速に減少し、電圧が15Vよりも高いとき100nmの絶縁層でゼロであり、電圧が40V以上であるとき厚さ1000nmの絶縁層でゼロであることが分かる。
単純化のために、極性流体として水の場合を考える。
しかし、例えば上で言及されたエチレングリコールなどの任意の他の極性液体が、二相沸騰流体として使用され得ること十分理解される。
本説明の残りの部分では、活性化という用語は、電極に電位を与えることに使用される。
本発明の第1の特に有利な例示の実施形態によると、電極の活性化は、非湿潤ゾーンの全ての電極が同時に活性化されるように一括して行われる。
電極の活性化の周波数を制御することによって、また電極間の適切な距離を選ぶことによって、泡の核の大きさ、つまり蒸気泡の大きさが制御され、これによっていかなる合体の可能性も防止される。
電極が活性化されていない間の核形成および成長の期間は、電極が活性化されている間の泡の解放の期間よりも比較的長い。この例示の実施形態は、熱交換表面全体にわたって多数の泡の生成が次に起こることができるようにして、熱放散をいっそう効率的にする。
蒸気泡が成長している間に泡が互いに接触し合体して蒸気層を形成するのを防止するために、電極は、十分に間隔をあけたやり方で互いに位置付けされる。
第2の例示の実施形態によると、隣接する電極は、時間にわたって互い違いのやり方で活性化される。
時間にわたって互い違いのこの活性化によって、互いに近すぎる蒸気泡が合体して蒸気層を形成するのを防止することができるようになり、さらに蒸気泡を発生させる実効面積の使用を最適化することができるようになる。
その上、また非常に有利なやり方では、電極の活性化の期間は、蒸気泡の核の発生の期間と蒸気泡の成長の期間の和にほぼ等しい。
対応する周波数は、10Hzから100Hzである。
2つの隣接する電極の活性化間隔は、したがって、蒸気泡の核形成と成長に必要な時間に等しい。このように、蒸気泡の生成の効率、したがって熱放散の効率は最適化される。
熱交換表面は、その自然な状態で、すなわち電極8にいかなる電圧の印加もない状態で、完全に疎水性であるか電極8の上だけが疎水性であるかのどちらかであってもよい。
第1の例示の実施形態によると、全ての電極は一括して電圧源に接続される。
したがって、システムは、デバイスの製造の観点および制御の観点で単純化される。
第2の例示の実施形態によると、電極8は個々に制御されることがある。この場合に、各電極8は、個々に電圧源に接続される。
好ましくは、電極は、その電極の位置に従ってチェッカー盤の形で2つのグループに分けられ、その2つのグループは絡み合わされ、1つのグループの各電極は、他方のグループの電極だけで囲まれている。
その2つのグループは、次に、交互に、有利なことには上で言及された周波数で活性化される。
ここで、第1の例示の実施形態に従って、冷却されるべき素子を冷却する際の、図1のデバイスの動作の例を説明する。
どの電極も活性化されず、したがって、電極の上に位置する表面は疎水性であり、その結果は、蒸気泡の核の出現を容易にすることである。
核は、素子によって供給される熱の影響を受けて成長する。
したがって、熱交換表面は、泡の多数の蒸気核が全表面にわたってばらばらに分布して現れる場所である。
蒸気泡の核は、成長して蒸気泡を形成する。
有利なことには、成長期間は、泡の大きさが泡と泡の間の合体を妨げるようなものである。
蒸気泡が十分に成長したとき、電極8は活性化され、電極8の上の表面は親水性状態に変化し、この親水性状態は蒸気泡の剥離に有利に働く。
結果として、全ての蒸気泡は脱離する。
次に、電極は再び非活性化状態に変化し、電極の上に広がる表面は、再び、核形成が起こる場所になる。
この制御シーケンスは、熱放散が必要とされる限りずっと続く。
活性化は、10Hzから100Hzの周波数で行われ得る。
第2の例示の実施形態に従って、電極の2つのグループは交互に活性化され、泡の核形成が表面の一部だけで起こる。
両方のグループの電極は、非活性化電極が活性化電極によって囲まれるように位置付けされ、したがって蒸気層の出現を防止することができる。
したがって、熱交換表面は、有利なことに互いに分離された局在蒸気泡の組織的な出現が起こる場所であり、したがって合体および蒸気層の出現の可能性を制限する。
図1Bには、第1の実施形態に従った熱交換デバイスD1’の特に有利な異なる実施形態が見られ、このデバイスD1’は、電極の上のゾーンの間のゾーンが親水性であるという点で、図1Aのデバイスと異なっている。
表面は、電極の上に位置する、自然に疎水性特性を有するゾーンZ1と、疎水性ゾーンZ1間の自然に親水性特性を有するゾーンZ2とを備える。
図示された例では、親水性ゾーンZ2は格子を形成し、その格子の正方形が疎水性である。核形成中に、泡は、このように疎水性ゾーンの中に含まれて、全体的な蒸気層の形成を防止する。その後、電極が活性化されたとき、ゾーンZ1は親水性になり、ゾーンZ2と共に泡を解放する傾向がある。
この変形では、2つの隣接する電極の上のゾーンは親水性ゾーンによって隔てられ、したがって2つの隣接する泡の合体を防止するので、全ての電極8は、同時に活性化されてもよい。
図2では、熱交換デバイスD2の他の特に有利な異なる実施形態を見ることができる。
この例示の実施形態では、デバイスD2は、電圧源12に接続されたトラックの形をした電極108と、接地された対電極110とを備え、電極と対電極は、並行で、全表面の下に位置している。
図示された例では、電極108および対電極110は、正方形スパイラルの形に構成されている。
円形スパイラルまたは任意の他の形が使用されてよいことは明確に理解される。
その上、蒸気線の出現の可能性を防止するために、泡核形成ゾーンは、トラック上に離散化される。これを実現するために、部分的に親水性の表面が作られる。
図示された例では、表面は、疎水性ストリップ118と交互になる親水性ストリップ116を備え、これらのストリップは、トラックに対してある角度を成している。
図示された例では、ストリップは、45°で電極トラックを横切っている。このように、表面は、親水性ゾーンと交互になる疎水性ゾーンを電極108の上に備えている。
したがって、泡は、親水性ゾーンによって囲まれた疎水性ゾーンに現れる傾向がある。電極に沿った蒸気線の出現の可能性は防止される。
トラックおよびその間隔の寸法は、泡の大きさに応じて選択される。
例えば、トラックの幅は、蒸気泡の核の臨界サイズ以上、すなわち10から100μmである。
トラックの間隔は、0.1から2mmである。
したがって、蒸気泡は、トラックに沿って分布し、離散的なやり方でスパイラルの形態を取る。
トラックは、デバイスの全表面に沿って延びているので、全表面にわたって広がった沸騰が得られる。
親水性ストリップの幅Lは、有利には50μmから500μmであり、疎水性ストリップの幅Xは10μmから50μmである。
これらのストリップは、例えば、疎水性処理を用いて、そして次に、レーザ、またはUV光の下での空気への暴露を用いた酸化で親水性ストリップを形成することによって得られる。
正方形または長方形スパイラルの形は、正方形または長方形のベースを持った容器のベースをそれぞれ一様に覆うことができる。
ジグザグ形状のトラックの製造も予想され得る。
図3に、図2のデバイスの変形D3を見ることができる。
デバイスD3は、ベース408.1とベース408.1に対して横方向に延びる指部408.2との付いた櫛の形をした電極408を備える。
電極408は、ベース408.1の領域が電圧源12に接続されている。
デバイスD3は、また、櫛状対電極410を備え、2つの櫛は互いにかみ合っている。このように、電極408の指部408.2は、対電極410の指部と交互になっている。
その上、電極を覆う誘電体層は、交互になるストリップ412.1、412.2の薄い層で覆われており、この参照された412.1は十分な湿潤性を有し、他方の参照された412.2は低湿潤性を有し、さらにストリップ412.1、412.2は、櫛の指部に直交している。
その結果、一直線になった各電極の上の各表面は、交互になる非活性化可能ゾーンと共に活性化可能ゾーンを有している。
このデバイスの動作は、図2のそれと似ている。泡の核の発生は、指部408.2に沿って、ストリップ412.2と指部408.2の交点に現れる。
図4Aは、本発明による熱交換デバイスD4の他の実施形態を示す。
この実施形態では、対流閉込め沸騰を使用する。
熱交換デバイスD4は、熱量を取り出すために使用される流体4の毛細管長よりも小さい水力直径の閉じたダクト202を備える。
このダクト202は、冷却されるべき素子Tと一方の側が接触していることがあり、または素子Tの中に埋め込まれていることがある。
このデバイスは、また、流体をチャネル202中に流すための手段(図示されない)を備える。
チャネル202は、冷却されるべき素子から上流の端部202.1を備える。チャネルは、循環手段例えば油圧ポンプを有する閉じた循環路を形成する。流体4は、素子から下流の部分を過ぎたところで上流端部に戻される。
本発明に従って、熱交換デバイスは、上流端部の領域のチャネルの表面の下に位置付けされた電気湿潤システム206、および加熱手段214を備える。
上流端部の内面は、少なくとも電気湿潤システム206の領域に疎水性特性を有している。
冷却されるべき素子Tと接触するダクトの部分の内面は、有利なことに親水性表面を有し、上流端部202.1以外での蒸気泡の核の出現を制限している。
図4Bに、電気湿潤システム206の例および加熱手段214の概略図を見ることができる。
電気湿潤システムは、電圧源12に接続された環状電極208および電極の中心にあって接地された対電極210を備える。
蒸気泡の核の発生領域をできるだけ局部にとどめるために、加熱手段214は、有利には、対電極210と電極208との間に位置付けされる。
例えば、加熱手段は、電流源に接続された環状電気抵抗器によって形成される。
加熱手段は、例えば、電気、電気力学、超音波、圧電、またはレーザに基づいている。
また、泡は、蒸気チャンバを使用して形成されてもよい。
図4Cに、いくつかの電極208−対電極210の対を備える電気湿潤システム206を、上からの図で見ることができ、各対は加熱手段214と関連付けられている。
いくつかの電極/対電極対を有するこの電気湿潤システム206は、図4Cに見ることができるように、チャネルの全幅を1つの線として範囲に含むことができるようにし、図4Cでは3つの組立品が並べられている。
電極208の活性化に位相シフトがあることは必ずしも必要でない。流体の流れによって取り除かれる泡は、同時に生成されてもよい。
3つの電極208は、並列に接続されてもよく、3つの加熱手段は直列に接続されてもよい。
デバイスD4は、冷却されるべき素子に依存して、例えば3mmよりも小さい直径でかつ可変な長さ例えば数cmのいくつかのチャネルを備えることができることが明確に理解される。
ここで、デバイスD4の動作を説明する。
目的は、冷却されるべき素子から熱を取り出すことである。流体は、チャネル202中を流れる。
加熱手段214が作動される。加熱手段214は上流端部に熱を放射して、このゾーンで流体の温度を上昇させる傾向がある。
この熱源は、疎水性壁の条件の下で蒸気泡の臨界核Gを生成するのに十分なエネルギーを供給する。
しかし、このエネルギーは、親水性壁の条件の下で同じ核を生成するのには不十分である。
当該熱流は、一般に、おおよそ1〜50kW/mである。
したがって、熱源のパワーが十分である必要はなく、また熱源のパワーは、いずれにしても、冷却されるべき素子によって形成される熱源のパワーよりも遥かに小さい。
次に、蒸気泡の核は成長して蒸気泡Bを形成する。
電極208が次に活性化されて、蒸気泡を囲む液体の接触角の変化を引き起こす。そのとき、このゾーンは親水性になり、泡の剥離に有利に働く。
泡Bは、次に、冷却されるべき素子と接触しているチャネルの部分に入り、移動するにつれて成長して、周りの液体の気化を引き起こし、また熱量を取り出す。
したがって、電極のスイッチは、おおよそ10〜100Hzの周波数で切り換えられ、この周波数は、蒸気泡の核形成および成長の周期に等しい。
1つの例として環状電極208は、0.1mmから2mmの外径を有することができる。
対電極は、円形で、1μmから10μmの直径である。電極と対電極との間の距離は、10μmから50μmである。
電気湿潤デバイスが電極と対電極のいくつかの対を有する場合、これらの対は、例えば、0.1mmから1mmの距離で隔てられている。
この実施形態は、泡の出現の頻度および泡の大きさを制御することを可能にする。
したがって、泡が互いに近すぎて合体し次にベーパーロックを形成するのを防止することができる。
図5に、対流閉込め沸騰モードにおける、第2の実施形態によるデバイスD5の他の例示の実施形態を見ることができる。
流体の流れの方向は、矢印Fで表されている。
熱交換デバイスD5は、電圧源12に接続された櫛状電極508と、同じく櫛状で接地に接続された対電極510とを備える。
電極508および対電極510は、互いにかみ合っている。
櫛の指部は、ほぼ流体の流れの方向Fに並べられている。
その上、デバイスD5は、電極508の指部と対電極510の指部の間に曲がりくねる加熱手段514を備える。
図示された例では、加熱手段514は、Aと示された電流発生器に接続された電気抵抗器によって形成されている。
その上、電極を覆う誘電体層は、交互になるストリップ512.1、512.2の薄い層で覆われており、その参照された512.1は十分な湿潤性を有し、他方の参照された512.2は低湿潤性を有し、ストリップ512.1、512.2は、電極508の指部に直交している。
その結果として、各指部の上の各表面は、交互になる非活性化可能ゾーンと共に活性化可能ゾーンを有している。
蒸気泡の核は、指部の長さに沿って、疎水性ゾーンとの交点に発生する。
泡は、チャネルの軸に対して垂直な線に沿って発生する。これらの泡は、流体の流れによって運び去られる。
交互になる親水性層と疎水性層の存在によって、蒸気細片の形成が妨げられるようになる。
熱交換デバイスがプール沸騰状態の下で動作するデバイスであろうと対流閉込め状態で動作するデバイスであろうと、本発明は、壁の領域での蒸気相の形成を遅らせることによって熱交換係数を大きくすることを可能にする。
ここで、そのような熱交換デバイスの製造方法を説明する。
例えばアルミニウムまたは銅などの金属、または金属合金、または二酸化ケイ素から例えば作られた基板300が使用される。
基板は、有利には鋼から作られる。
図6Aに図示された第1のステップの間、電気絶縁層302が基板上に堆積される。この層の目的は、電極の製造に使用される金属層と基板の間の電気絶縁を行うことである。
例えば、電気絶縁層は、SiC、SiN、SiOまたはこれらの材料の組合せから成る。
有利なことには、層302は、SiC/SiOから作られて、第1に基板に対して、第2に電極を形成する導電層に対して十分な付着を実現する。
層302の厚さは、冷却されるべき素子と流体の間の熱交換に実質的に影響しない程度に十分に薄いように選ばれる。
例えば、SiC/SiOの厚さは、おおよそ2〜8の見掛けの比誘電率εの場合、おおよそ100nmから1000nmである。
この層は、PVD型(蒸気相での物理蒸着)またはCVD型(蒸気相での化学蒸着)の従来の真空蒸着法によって堆積されてもよい。
図6Bに図示された次のステップの間、導電層304が、薄膜の形で電気絶縁層302上に堆積される。導電層304は、例えば、銅、金、チタン、モリブデンまたは他の導電材料または合金から作られる。
導電層304は、例えば、厚さ100nmから1000nmである。
この層は、PVD型の従来の真空蒸着法によって堆積させることがきる。
次のステップ(図示されない)において、電極が構造化される。この構造化は、例えば、層304上に堆積された物理マスクを用いて実現することができる。
層304の見える部分が次にエッチングされ、それからマスクが除去される。
この構造化をリフトオフ法で実現することも可能である。すなわち、導電層304を堆積させる前に感光樹脂から作られたマスクが堆積され、その場合このマスクは、電極に望ましい構造のネガである。
次に、導電層304がマスク上に堆積される。
次に、このマスクは、例えば溶剤を用いて除去されて、マスク上に堆積された層304のゾーンを取り除く。
図6Cに図示された次のステップの間、第2の電気絶縁層306が、電極上に堆積される。
層306は、第1の層302に似ている。
層306は、同じ材料または異なる材料から作ることができる。
例えば、層306は、おおよそ2〜8の見掛けの比誘電率εの場合、厚さ100nmから1000nmである。
図6Dに図示された次のステップで、流体と接触する疎水性層308が堆積される。この層は、例えばSiOCから作られる。
この層は、例えば厚さ10nmから100nmである。
この層は、PECVD型の従来の真空蒸着法によって堆積される。
この層の表面エネルギー、さらに具体的には、この層の極性成分は、導電層304で形成された電極によって課される電界の影響を受けて変化し、この変化によって、この層の水の湿潤特性が疎水性範囲から親水性範囲に切り換えられるようになる。
上で説明されたように層306によって、40V未満という金属層304の低電圧で、疎水性層308の表面エネルギーを変えるのに十分な電界が表面に生成されるようになる。
例えば第1の実施形態の第2の例で説明されたように親水性線を生成するために、疎水性層の堆積後に、疎水性層の表面を局部的に変えて親水性にすることができる。
この目的のために、例えば、酸素を含む雰囲気中でレーザまたはUV触刻を使用して、疎水性層の局部的酸化を実現して、疎水性層を局部的に親水性層にする。
この酸化されたゾーンは、それの湿潤性を変えることができず、また蒸気泡の核の発生および蒸気線の伝搬に対して障壁を形成することができない。
有利なことには、疎水性および親水性特性を強めて超親水性および超疎水性特性を達成するために、疎水性層308の堆積より前に第2の絶縁層306の表面の構造化を実現することができる。
この構造化の効果は、電気湿潤力学を高めることである。
この構造は、例えば、0.5μmから5μmの直径の二酸化ケイ素ナノビーズによるリソグラフィと、少なくとも2:1のアスペクト比を得るためにビーズのこのマスクを通してフッ素化プラズマで第2の絶縁層306をエッチングすることとによって、作ることができる(アスペクト比は、深さと幅の比である)。
ビーズのカーペットは、例えばラングミュア−プロジェット法を使用して単一層で堆積される。
プラズマエッチングは、下にある層の垂直方向エッチングと同時に、ビーズサイズの徐々の減少を引き起こす。
この効果は、上面部分を減少させるので、望ましいエッチング傾斜を生じさせることができ、この傾斜は、超親水性または超疎水性の爪床効果に有利に働く。
ビーズは、次に、超音波によって除去される。
本発明は、主に、二相性熱交換器、二相性熱サイフォンおよびヒートパイプの製造に適用される。
2 熱交換表面
4 低湿潤性の局部ゾーン
6 電気湿潤システム
8、108、408、508 電極
10、110、210、510 対電極
12 電圧源
116 親水性ストリップ
118 疎水性ストリップ
202 ダクト(チャネル)
202.1 上流端部
206 電気湿潤システム
208 環状電極
214 加熱手段
408.1 電極のベース
408.2 電極の指部
410 櫛状対電極
412.1 湿潤性ストリップ
412.2 低湿潤性ストリップ
512.1 湿潤性ストリップ
512.2 低湿潤性ストリップ
514 加熱手段
300 基板
302 電気絶縁層
304 導電層
306 第2の電気絶縁層
308 疎水性層
A 電流発生器
B 蒸気泡
D1、D1”、D2、D3、D4、D5 熱交換デバイス
F 流体の流れの方向
G 蒸気泡の臨界核
T 冷却されるべき素子
Z1 疎水性特性を有するゾーン
Z2 親水性特性を有するゾーン

Claims (35)

  1. 少なくとも1つの低湿潤ゾーンを有する表面上で極性液体を沸騰させることによって熱交換を実現する方法であって、
    a)前記低湿潤ゾーン上に蒸気泡の核の出現を生じさせ、前記核を成長させるステップと、
    b)このようにして形成された前記気泡の剥離に有利に働くように、対電極と関連した少なくとも1つの電極を備える少なくとも1つの電気湿潤システムによって、前記表面を湿潤にするステップと、
    を有する、沸騰によって熱交換を実現する方法。
  2. 前記表面が、全体的に低湿潤であり、電気湿潤システムが前記表面の下に分布されており、ステップb)において、前記電気湿潤システムが、形成された前記気泡の剥離に有利に働くように全て同時に作動される、請求項1に記載の沸騰によって熱交換を実現する方法。
  3. 前記表面が、前記表面の下に分布された別々に作動することができるm個の電気湿潤システムを備え、mはn+pに等しく、m、nおよびpは自然数であり、ステップa)およびb)が、前記nおよび前記pの電気湿潤システムに対して周期的に適用され、ステップa)がnのシステムに、ステップb)がpのシステムに同時に適用され、さらにステップa)が同時に前記pのシステムに適用され、ステップb)が同時に前記nのシステムに適用される、請求項1に記載の沸騰によって熱交換を実現する方法。
  4. 前記電極の活性化の期間が、蒸気泡の核の発生期間と前記蒸気泡の成長期間の和にほぼ等しく、例えば10Hzから100Hzの間である、請求項3に記載の熱交換を実現する方法。
  5. 前記システムが、前記表面の下に延在するトラックの形態である電極を備え、前記表面が、前記電極の上に、交互になる低湿潤ゾーンおよび湿潤ゾーンを有し、さらにステップa)およびステップb)が、単一の電極に適用される、請求項1に記載の沸騰によって熱交換を実現する方法。
  6. 前記沸騰が、対流性でかつ閉じ込められており、さらにそのとき前記表面は前記極性液体が流れるダクトの一部を形成し、前記表面は、前記熱交換が起こるゾーンから上流に位置し、前記表面が加熱手段を備え、ステップa)の間に前記極性液体が前記表面上で熱伝達を受ける、請求項1に記載の沸騰によって熱交換を実現する方法。
  7. 極性液体と接触し、素子(T)から熱を取り出すように意図された表面を備える沸騰による熱交換用デバイスであって、前記表面は、前記極性液体と接触する前記表面の湿潤性を電気湿潤によって局部的に変えることができる少なくとも1つのシステムを備え、前記システムは、対電極と関連した少なくとも1つの電極と、電極に電位を与えることによって前記電極を活性化する制御手段とを備え、前記表面の壁は、前記電極に電位が与えられない場合には、少なくとも部分的に低湿潤性特性を有し、さらに、前記システムは、誘電体層によって前記液体から絶縁され、それにより、潜在的蒸気泡の核がなく前記核の成長が現れる場合で、かつ電位が与えられたとき、このようにして形成された前記気泡が剥離されるようになる、熱交換用デバイス。
  8. 前記極性液体が流れており、前記電気湿潤システムが、冷却されるべき素子と接触する部分から上流の前記壁の一部(202.1)に置かれ、さらに、前記デバイスが、また、前記液体を前記ダクト中に流す手段と、前記電気湿潤システムの領域に置かれた加熱手段(214)とを備える、請求項7に記載の熱交換デバイス。
  9. 前記電気湿潤システムが、前記液体(4)の流れの方向に対して横方向に分布された、対電極(210)と関連した少なくとも1つの電極(208)を備える、請求項8に記載の熱交換デバイス。
  10. 少なくとも1つの電極(208)が、環の形を有し、前記対電極(210)が、前記環の中心に位置付けされている、請求項9に記載の熱交換デバイス。
  11. 前記電極(208)の外径が、0.1mmから1mmであり、前記対電極(210)の直径が、1μmから10μmであり、前記電極と前記対電極との間の距離が、1μmから50μmである、請求項10に記載の熱交換デバイス。
  12. 2つの隣接する電極(208)の間の距離が、0.1mmから1mmである、請求項10または11に記載の熱交換デバイス。
  13. 前記加熱手段(214)が、前記電極(208)によって囲まれかつ前記対電極(210)を囲む環状電気抵抗器によって形成されている、請求項8から12のいずれか一項に記載の熱交換デバイス。
  14. 前記電気湿潤システムが、本体および前記本体に対して横向きの、ほぼ前記極性液体の流れの方向に並べられた指部を含む櫛状電極(508)と、櫛状対電極(510)とを備え、前記対電極の前記指部は、前記電極の前記指部と互いにかみ合っており、前記表面が、また、前記指部に沿って低湿潤ゾーン(512.2)と交互になる湿潤ゾーン(512.1)を備え、さらに前記加熱手段(514)が、前記電極(508)の前記指部と前記対電極(510)の前記指部との間を通っている、請求項8に記載の熱交換デバイス。
  15. 前記湿潤ゾーン(512.1)および前記低湿潤ゾーン(512.2)が、前記極性液体の流れの方向にほぼ垂直なストリップの形を取り、前記櫛の全長に沿って延びている、請求項14に記載の熱交換デバイス。
  16. 前記沸騰が、容器中で起こり、前記表面が、前記デバイスのベースを形成し、前記電気湿潤システムが、少なくとも1つの対電極(10)と関連した複数の電極(8)を備え、さらに前記電極が、前記壁の全表面にわたって分布している、請求項7に記載の熱交換デバイス。
  17. 前記制御手段が、全ての前記電極を周期的に同時に活性化し、また非活性化する、請求項16に記載の熱交換デバイス。
  18. 前記制御手段が、前記電極をグループでまたは別々に位相シフトのやり方で周期的に活性化し、また非活性化する、請求項16に記載の熱交換デバイス。
  19. 前記電極(8)が、チェッカー盤のように分布されている、請求項16から18のいずれか一項に記載の熱交換デバイス。
  20. 前記全表面が低湿潤である、請求項19に記載の熱交換デバイス。
  21. 前記電極(8)の上のゾーン(Z1)が、低湿潤であり、前記電極(8)の上の前記ゾーン(Z1)と前記ゾーン(Z1)との間のゾーン(Z2)が湿潤である、請求項19に記載の熱交換デバイス。
  22. 前記湿潤ゾーン(Z2)が、格子の形をとる、請求項21に記載の熱交換デバイス。
  23. 沸騰が、容器中で起こり、前記表面が、前記デバイスのベースを形成し、前記電気湿潤システムが、前記壁の表面の下に延在するトラックの形をした電極(108、408)と、前記電極(108、408)のそばを通るトラックの形をした対電極(110、410)とを備える、請求項7に記載の熱交換デバイス。
  24. 前記トラックの上の表面が、十分な湿潤性のゾーン(116、412.1)によって低湿潤性のゾーン(118、412.2)に分割されている、請求項23に記載の熱交換デバイス。
  25. 前記電極(108)および前記対電極(110)が、スパイラルの形に構成されている、請求項23または24に記載の熱交換デバイス。
  26. 前記電極の上の表面が、十分な湿潤性の特性を有する第1のストリップ(116)と、低湿潤性の特性を有する第2のストリップ(118)とを備え、前記第1および第2のストリップ(116、118)が、交互になり、前記電極(108)の様々な部分を横切っている、請求項25に記載の熱交換デバイス。
  27. 前記電極(408)および前記対電極(410)が、互いにかみ合った櫛の形をとり、前記表面が、前記電極(408)の上に湿潤ゾーン(414.1)と低湿潤ゾーン(414.2)とを有する、請求項23に記載の熱交換デバイス。
  28. 前記湿潤ゾーン(414.1)および低湿潤ゾーン(414.2)が、前記櫛の指部を横切る湿潤および低湿潤ストリップによって形成されている、請求項27に記載の熱交換デバイス。
  29. 前記極性液体が、水またはエチレングリコールである、請求項7から28のいずれか一項に記載の熱交換デバイス。
  30. 請求項7から29のいずれか一項に記載の熱交換デバイスの製造方法であって、
    a)基板(300)上に第1の電気絶縁層(302)を堆積させるステップと、
    b)前記電気絶縁層(302)上に導電層(304)を堆積させて電極を形成するステップと、
    c)前記導電層(304)上に第2の電気絶縁層(306)を堆積させるステップと、
    d)前記第2の電気絶縁層(306)上に低湿潤性特性を有する膜(308)を堆積させるステップと
    を含む熱交換デバイスの製造方法。
  31. 十分な湿潤性特性を有するゾーンを前記膜に製造する次のステップe)を含む、熱交換デバイスの製造方法。
  32. ステップe)が、レーザを用いて低湿潤性特性を有する前記膜(308)を酸化させることによって得られる、請求項30または31に記載の熱交換デバイスの製造方法。
  33. 前記導電層(304)をエッチングするステップを含む、請求項30から32のいずれか一項に記載の熱交換デバイスの製造方法。
  34. 前記基板(300)が鋼から作られ、前記第1の電気絶縁層(302)がSiC/SiOから作られる、請求項30から33のいずれか一項に記載の熱交換デバイスの製造方法。
  35. 低湿潤性の前記層(308)が、SiOCから作られる、請求項30から34のいずれか一項に記載の熱交換デバイスの製造方法。
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