JP2013258660A - 屋内無線通信システム、保守端末、設置位置判定方法及び設置位置判定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】通信品質が不十分である場所を特定でき、基地局を増設する際の設置位置を特定することが可能な屋内無線通信システムを提供する。
【解決手段】屋内無線通信システムは、第1の基地局、保守端末及び集約装置を具備する。第1の基地局は、無線信号を送受信可能な無線エリアを形成する。保守端末は、第2の基地局を増設する対象となる領域において前記第1の基地局からの無線信号の受信電力を測定し、前記測定した受信電力と、前記受信電力を測定した第1の位置とを前記第1の基地局へ出力する。集約装置は、前記保守端末から出力された前記受信電力及び前記第1の位置を前記第1の基地局を介して受信し、受信した前記受信電力及び前記第1の位置に基づいて前記領域における前記受信電力の分布を記録し、前記分布を参照し、前記領域における各位置において周囲の受信電力を考慮したスコア値を、前記第2の基地局の増設位置の指標として算出する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、屋内において無線通信ネットワークを形成する屋内無線通信システム、この屋内無線通信システムで用いられる保守端末、設置位置判定方法及び設置位置判定プログラムに関する。
無線通信システムにおいて、無線端末が建物及び/又は地下にて通信を行う場合、屋外基地局からの受信電力が低下し、通信品質が不十分になってしまう場合がある。そこで、無線通信システムの屋内カバレージ及び通信品質を向上させるために、DAS(Distributed Antenna System)及び/又はピコセル等、屋内用基地局を設置する方法が一般である。
ところで、屋内基地局を設置する時に、工事者は特に最適化された置局設計までは行わず、同じ距離で基地局を並べる場合があり、屋内にあるパーティション等の障害物等により電波が届かない場所が残っている可能性がある。通信品質を確保するためには、通信品質が不十分である場所を特定し、基地局を増設する際の設置位置を特定する必要がある。
しかしながら、従来の屋内無線通信システムでは、屋内に設置した基地局同士が連携していないため、通信品質が不十分である場所を特定できず、基地局を増設する際の設置位置を特定することができない。
以上のように、従来の屋内無線通信システムでは、通信品質が不十分である場所を特定できず、基地局を増設する際の設置位置を特定することができなかった。
そこで目的は、通信品質が不十分である場所を特定でき、基地局を増設する際の設置位置を特定することが可能な屋内無線通信システムと、このシステムで用いられる保守端末、設置位置判定方法及び設置位置判定プログラムとを提供することにある。
実施形態によれば、屋内無線通信システムは、第1の基地局、保守端末及び集約装置を具備する。第1の基地局は、無線信号を送受信可能な無線エリアを形成する。保守端末は、第2の基地局を増設する対象となる領域において前記第1の基地局からの無線信号の受信電力を測定し、前記測定した受信電力と、前記受信電力を測定した第1の位置とを前記第1の基地局へ出力する。集約装置は、前記保守端末から出力された前記受信電力及び前記第1の位置を前記第1の基地局を介して受信し、受信した前記受信電力及び前記第1の位置に基づいて前記領域における前記受信電力の分布を記録し、前記分布を参照し、前記領域における各位置で受信された電力と、その電力が受信された位置の周囲で受信された電力と、に基づくスコア値を、前記第2の基地局の増設位置の指標として算出する。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る屋内無線通信システムの構成の例を示す模式図である。図1に示す屋内無線通信システムは、集約装置10、基地局20−1〜20−6及び保守端末30を具備する。
図1は、基地局20−1,20−2は建造物Bの1階に設置され、基地局20−3,20−4は建造物Bの2階に設置され、基地局20−5,20−6は建造物Bの3階に設置される場合の例を示す。なお、図1では、各階に2台の基地局が設置される場合を例に示しているが、各階に設置される基地局の数は2台に限定される訳ではない。
集約装置10は、例えば、建造物B内の管理室に設置され、基地局20−1〜20−6を集中管理する。集約装置10は、無線通信により基地局20−1〜20−6と接続する。なお、集約装置10は、基地局20−1〜20−6とIP網又はISDN網等の有線で接続するようにしてもかまわない。
また、集約装置10は、IP網又はISDN網により、アクセスネットワークと接続する。なお、集約装置10がアクセスネットワークと接続するネットワーク種別は、アクセスネットワークに接続される種々の装置と任意の通信が可能であるならば、IP網又はISDN網に制限されない。
保守端末30は、基地局を増設する際に工事者により保持され、建造物B内を移動する。なお、図1では、2階に1台の保守端末30が存在する場合を例に説明しているが、建造物B内に存在する保守端末30は、1台に限定されず、各階に複数台ずつ存在していてもかまわない。
なお、図1では3階建ての建造物Bが示されているが、屋内無線通信システムが設置される建造物の階数は3階に限定されず、何階であってもかまわない。
図2は、図1に示す屋内無線通信システムの機能構成を示すブロック図である。なお、基地局20−1〜20−6の構成はそれぞれ同様であるため、図2では、基地局を代表して基地局20について説明する。
保守端末30は、通信部31、受信電力測定部32、入力部33、表示部34及び制御部35を備える。
通信部31は、基地局20と無線通信を行う。通信部31は、基地局20から無線エリア内に放射される無線信号を受信する。また、通信部31は、後述する集約装置10から基地局20を介して供給される応答信号を受信する。応答信号は、基地局を増設する際の設置位置に関する第3の2次元位置情報を含む。
また、通信部31は、受信電力測定部32で測定される受信電力と、受信電力を測定した位置についての第1の2次元位置情報とを含む通知信号を基地局20へ出力する。このとき、通知信号には、無線通信を行う基地局を識別可能な識別情報が含まれる。保守端末30が複数の基地局20からの無線信号の受信電力を測定する場合、通信部31は、受信電力を測定した各基地局へ、基地局毎に測定された受信電力と、第1の2次元位置情報とを含む通知信号を送信する。
また、通信部31は、保守端末30が現在位置する位置についての第2の2次元位置情報を含む要求信号を基地局20へ出力する。
また、通信部31は、保守端末30が現在位置する建造物B内の階数等の3次元位置情報を、基地局20を介して集約装置10へ通知する。
受信電力測定部32は、基地局20から送信される無線信号の受信電力を測定する。複数の基地局からの無線信号を受信している場合、受信電力測定部32は、基地局毎に受信電力を測定する。
入力部33は、保守端末を保持する工事者が保守端末への指示を入力可能な、例えば、タッチパネル又は入力キー等のデバイスからなる。
入力部33には、以下の指示及び情報が入力される。例えば、入力部33には、保守端末30が現在位置する建造物B内の階数等の3次元位置情報が入力される。
また、入力部33には、受信電力の測定を要求する第1の要求指示が入力される。第1の要求指示に続き、入力部33には、受信電力を測定した位置についての第1の2次元位置情報が入力される。
また、入力部33には、増設する基地局を設置する際の最適設置位置を要求する第2の要求指示が入力される。第2の要求指示に続き、入力部33には、保守端末30が現在存在する位置についての第2の2次元位置情報が入力される。
表示部34は、工事者に対して情報を表示する、例えば、LCD等のデバイスである。表示部34は、入力部33から入力される3次元位置情報に応じたフロアマップを表示する。
また、表示部34は、第1の要求指示が入力されると、第1の2次元位置情報を入力するための第1の入力画面を表示する。また、表示部34は、第2の要求指示が入力されると、第2の2次元位置情報を入力するための第2の入力画面を表示する。工事者は、第1又は第2の入力画面に従い、表示されるフロアマップ等を参照し、第1又は第2の2次元位置情報を入力部33から入力する。
また、表示部34は、応答信号に含まれる、増設する基地局の設置位置に関する第3の2次元位置情報及び/又は設置位置までの移動方向を表示する。
制御部35は、入力部33から受信電力の測定を要求する第1の要求指示が入力された場合、受信電力測定部32に受信電力を測定させると共に、表示部34に第1の入力画面を表示させ、入力部33から第1の2次元位置情報を入力可能とする。制御部35は、受信電力測定部32で受信電力が測定され、入力部33から第1の2次元位置情報が入力されると、通知信号を通信部31に送信させる。
また、制御部35は、増設する基地局を設置する際の最適設置位置を要求する第2の要求指示が入力部33から入力された場合、表示部34に第2の入力画面を表示させ、入力部33から第2の2次元位置情報を入力可能とする。制御部35は、入力部33から第2の2次元位置情報が入力されると、要求信号を通信部31に送信させる。制御部35は、要求信号に応じた応答信号が基地局20を介して供給されると、応答信号に含まれる、増設する基地局の設置位置に関する第3の2次元位置情報を表示部34に表示させる。
また、制御部35は、入力部33から3次元位置情報が入力されると、入力された3次元位置情報を通信部31に出力させる。
基地局20は、通信部21及び制御部22を備える。
通信部21は、制御部22からの制御に従って無線信号を送信し、無線エリアを形成する。無線信号には、無線信号を送信した基地局を識別可能な識別情報が含まれる。通信部21は、形成した無線エリア内の保守端末30及び集約装置10と無線通信を行う。通信部21は、保守端末30から出力される通知信号又は要求信号を受信し、受信した通知信号又は要求信号を集約装置10へ出力する。また、通信部21は、集約装置10から出力される応答信号を受信し、受信した応答信号を保守端末30へ出力する。
集約装置10は、通信部11、記録部12及び制御部13を備える。
通信部11は、アクセスネットワークと接続する。また、通信部11は、基地局20と無線通信を行う。通信部11は、基地局20から出力される通知信号及び要求信号を受信する。また、通信部11は、基地局20から出力される3次元位置情報を受信する。
また、通信部11は、制御部13で決定される第3の2次元位置情報を含んだ応答信号を基地局20へ出力する。
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが処理を実行するためのプログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等とを備える。制御部13は、CPUにアプリケーション・プログラムを実行させることにより、図3に示すマップ作成部131、スコア値算出部132及び位置決定部133の機能を実現させる。
マップ作成部131は、基地局20から出力される3次元位置情報に基づき、保守端末30が現在存在する階数を把握する。マップ作成部131は、基地局20から出力される通知信号が受信されると、通知信号に含まれる第1の2次元位置情報を参照して受信電力マップを作成し、作成した受信電力マップを記録部12へ記録する。受信電力マップが作成済みである場合、マップ作成部131は、基地局20から出力される通知信号が受信されると、記録部12に記録されている受信電力マップを、受信した通知信号に基づいて更新する。ここで、受信電力マップとは、例えば、屋内エリア全体をグリッドとして管理し、各セルに基地局の識別情報と、この基地局からの受信電力レベルとを保持させたものである。なお、受信電力マップは、これに限定される訳ではなく、屋内エリアに複数の代表位置を割り当て、複数の代表位置に、基地局の識別情報と、この基地局からの受信電力レベルとを保持させるようにしてもかまわない。
また、複数基地局の受信電力を受信した場合、マップ作成部131は、最大受信電力情報で受信電力マップを更新する。
スコア値算出部132は、受信電力マップが完成すると、周囲のセルの受信電力をセル毎に考慮し、増設する基地局の設置位置の指標となるスコア値を算出する。
位置決定部133は、基地局20から出力される要求信号が受信されると、要求信号に含まれる第2の2次元位置情報と、算出したスコア値を参照し、最適な設置位置へ保守端末30を誘導するように第3の2次元位置情報を作成する。例えば、位置決定部133は、第2の2次元位置情報により特定されるセルの周囲のセルのうち、スコア値が最小のセルを第3の2次元位置情報とする。位置決定部133は、作成した第3の2次元位置情報を含む応答信号を通信部11に出力させる。
次に、以上のように構成される屋内無線通信システムが、増設する基地局の最適設置位置を決定する動作を説明する。図4は、本実施形態に係る屋内無線通信システムが、増設する基地局の最適設置位置を決定する際のシーケンス図を示す。また、図5は、本実施形態に係る集約装置10の制御部13の処理を示すフローチャートである。なお、図4及び図5では、図6に示すフロアマップにおいて、増設する基地局の設置位置を決定する場合を例に説明する。図6において、フロアマップは、識別情報BSID1の基地局20−3と、識別情報BSID2の基地局20−4とが配置された建造物Bの2階のフロアマップであり、A1〜F5のセルに分けられる。なお、フロアマップにおいて、既設の基地局の位置は表示されていなくてもかまわない。
図4において、保守端末30を保持する工事者は、図6における位置A1での受信電力を測定する。工事者は、入力部33から、受信電力を測定した第1の2次元位置情報「A1」を入力する(シーケンスS41)。
保守端末30は、A1において、基地局20−3からの無線信号の受信電力を「4」と測定する。なお、本説明では、受信電力は0(弱)から10(強)までとする。保守端末30は、識別情報「BSID1」、第1の2次元位置情報「A1」及び受信電力「4」を含む通知信号を基地局20−3へ出力する(シーケンスS42)。
基地局20−3は、保守端末30から出力された通知信号を受信し、受信した通知信号を集約装置10へ出力する(シーケンスS43)。
図5において、集約装置10は、基地局20−3から出力された通知信号を受信する(ステップS51)。集約装置10は、受信した通知信号に含まれる第1の2次元位置情報「A1」及び受信電力「4」を参照し、図6に示す位置A1のセルに、受信電力「4」を保持させることで、受信電力マップを作成する(ステップS52)。
続いて、集約装置10は、フロアマップにおける全ての位置において受信電力を測定したか否かを判断する(ステップS53)。ここでは、位置A1における受信電力しか測定していないため(ステップS53のNo)、集約装置10は、処理をステップS51へ遷移する。
続いて、図4において、工事者は、保守端末30を保持したまま位置A2まで移動し、位置A2での受信電力を測定する。工事者は、第1の2次元位置情報「A2」を入力する(シーケンスS44)。
保守端末30は、A2において、基地局20−3からの無線信号の受信電力を「9」と測定する。保守端末30は、識別情報「BSID1」、第1の2次元位置情報「A2」及び受信電力「9」を含む通知信号を基地局20−3へ出力する(シーケンスS45)。
基地局20−3は、保守端末30から出力された通知信号を受信し、受信した通知信号を集約装置10へ出力する(シーケンスS46)。
集約装置10は、図5に示すステップS51及びステップS52を実行することで、受信した通知信号に含まれる第1の2次元位置情報「A2」及び受信電力「9」を参照し、図6に示す位置A2のセルに、受信電力「9」を保持させることで、受信電力マップを作成する。
工事者は、保守端末30を保持したまま位置A3からF6まで移動し、各位置で受信電力を測定する。保守端末30は、受信電力を測定する度に、通知信号を基地局20−3又は基地局20−4へ出力する。通知信号は、基地局20−3又は基地局20−4を介し、集約装置10で受信される。
図5において、位置A1からF6までの受信電力の測定が終了した場合(ステップS53のYes)、集約装置10は、受信電力マップが完成したとして処理をステップS54へ遷移する。図7は、ステップS51〜S53により作成された受信電力マップを示す。図7において、基地局20−3,20−4のカバレージを円で示す。基地局20−3,20−4に近い位置B2,D4付近は、受信電力レベルが高い値となり、基地局20−3,20−4から離れた位置A6,F1付近は、受信電力が低い値となる。また、本説明では、集約装置10は、複数基地局の受信電力を受信した場合、最大受信電力情報で受信電力マップを更新するようにしている。例えば、位置D3において保守端末30が、基地局20−3の受信電力「2」と、基地局20−4の受信電力「5」とを測定した場合、その結果を受信した集約装置10の制御部13は、基地局20−4の受信電力「5」を用いて受信電力マップを更新する。
また、他の階に設置される基地局からの無線信号の受信電力が測定される場合、集約装置10は、他の階の基地局の受信電力も含めて受信電力マップを作成する。
集約装置10は、ステップS54において作成した受信電力マップに基づいてスコア値を算出する(ステップS54)。
ここで、スコア値算出部132が受信電力マップに基づいてスコア値を算出する際のアルゴリズムの例を説明する。
スコア値算出部132は、各セルの周囲のセルの受信電力状況、及び、屋内エリアの特徴(壁等)を考慮し、セル毎にスコア値を算出する。ここでは、スコア値の算出対象となるセルの受信電力と、このセルと隣接するセルの受信電力との平均値を使用してスコア値を算出する。例えば、図7に示す受信電力マップにおける位置B2及びD3のスコア値は、
B2のスコア値=(4+9+8+9+10+10+4+10+8)÷9=8 点
D3のスコア値=(10+5+0+8+5+5+6+10+10)÷9=6 点
と算出される。
B2のスコア値=(4+9+8+9+10+10+4+10+8)÷9=8 点
D3のスコア値=(10+5+0+8+5+5+6+10+10)÷9=6 点
と算出される。
ただし、受信電力マップの端にあるセルのスコア値を計算する時に、隣接セルがエリア外または屋外にある場合、それらの場所をカバーする必要がないため、受信電力「10」とする。例えば、位置A5及びF6のスコア値は、
A5のスコア値=(10+0+0+10+0+0+10+0+0)÷9=3 点
F6のスコア値=(10+6+10+7+1+10+10+10+10)÷9=8 点
と算出される。図8は、図7に示す受信電力マップに基づいて算出されるスコア値を示す図である。なお、スコア値を算出するアルゴリズムは上記のアルゴリズムに限定される訳ではない。
A5のスコア値=(10+0+0+10+0+0+10+0+0)÷9=3 点
F6のスコア値=(10+6+10+7+1+10+10+10+10)÷9=8 点
と算出される。図8は、図7に示す受信電力マップに基づいて算出されるスコア値を示す図である。なお、スコア値を算出するアルゴリズムは上記のアルゴリズムに限定される訳ではない。
続いて、図4において、保守端末30を保持する工事者は、図6における位置C4から、増設する基地局を設置する際の最適設置位置を要求する。工事者は、入力部33から第2の2次元位置情報「C4」を入力する(シーケンスS410)。
保守端末30は、第2の2次元位置情報「C4」を含む要求信号を基地局20−4へ出力する(シーケンスS411)。
基地局20−4は、保守端末30から出力された要求信号を集約装置10へ出力する(シーケンスS412)。
図5において、集約装置10の制御部13は、要求信号を受信したか否かを判断する(ステップS55)。制御部13は、シーケンスS412において基地局20−4からの要求信号を受信しているので(ステップS55のYes)、第2の2次元位置情報「C4」の周囲のセルのうち、スコア値が最小である「2」を示すセルB5を第3の2次元位置情報とする(ステップS56)。制御部13は、第3の2次元位置情報「B5」を含む応答信号を基地局20−4へ出力する(ステップS57)。
続いて、制御部13は、移動後のセルB5の周囲にスコア値がより小さいセルがあるか否かを判断する(ステップS58)。セルB5の周囲にはスコア値が「2」より小さいスコア値のセルは存在しないため(ステップS58のNo)、制御部13は処理を終了する。
ステップS58において、スコア値がより小さいセルがある場合(ステップS58のYes)、制御部13は、スコア値がより小さいセルを第3の2次元位置情報とする(ステップS59)。制御部13は、新たに作成した第3の2次元位置情報を含む応答信号を基地局20−3又は基地局20−4へ出力し(ステップS510)、処理をステップS58へ遷移する。
ステップS55において、要求信号を受信していない場合(ステップS55のNo)、制御部13は、集約装置10が新たに通知信号を受信したか否かを判断する(ステップS511)。集約装置10が新たに通知信号を受信した場合(ステップS511のYes)、制御部13は、受信した通知信号に基づいて受信電力マップを更新し(ステップS512)、処理をステップS55へ遷移する。また、集約装置10が新たに通知信号を受信していない場合(ステップS511のNo)、制御部13は、処理をステップS55へ遷移する。
図4において、集約装置10は、応答信号を、要求信号を送信した基地局20−4へ送信する(シーケンスS413)。
基地局20−4は、集約装置10からの応答信号を受信し、受信した応答信号を保守端末30へ出力する(シーケンスS414)。
保守端末30は、受信した応答信号に含まれる第3の2次元位置情報「B5」への移動経路を、表示部34に表示する。
また、保守端末30を保持する工事者が、図6における位置E3から、増設する基地局を設置する際の最適設置位置を要求する場合、工事者は、入力部33から第2の2次元位置情報「E3」を入力する(シーケンスS415)。
保守端末30は、第2の2次元位置情報「E3」を含む要求信号を基地局20−4を介して、集約装置10へ出力する(シーケンスS416,S417)。
集約装置10の制御部13は、要求信号を受信すると(ステップS55のYes)、第2の2次元位置情報「E3」の周囲のセルのうち、スコア値が最小である「1」を示すセルE2を第3の2次元位置情報とする(ステップS56)。制御部13は、第3の2次元位置情報「E2」を含む応答信号を基地局20−4へ出力する(ステップS57)。
図4において、集約装置10は、応答信号を、要求信号を送信した基地局20−4を介して保守端末30へ送信する(シーケンスS418,S419)。
保守端末30は、受信した応答信号に含まれる第3の2次元位置情報「E2」への移動経路を、表示部34に表示する。
以上のように、本実施形態では、保守端末30は、受信電力を測定し、受信電力と、受信電力を測定した位置の位置情報とを基地局20を介して集約装置10へ出力する。集約装置10は、受信電力と位置情報とから受信電力の分布を示す受信電力マップを作成する。そして、集約装置10は、受信電力マップに基づき、基地局を増設する最適な位置を判定するためのスコア値を算出するようにしている。一方、従来の屋内無線通信システム通信では、全ての基地局が独立しており集中管理する集約装置が存在しない。そのため、従来の屋内無線通信システムでは、複数基地局から収集した受信電力情報等を連携することができず、増設する基地局の最適な設置位置を特定することは困難である。本実施形態に係る屋内無線通信システムによれば、集約装置10により基地局からの情報を集約し、集約した情報に基づいてスコア値を算出するようにしているため、増設する基地局を設置するのに最適な位置を特定することが可能となる。
また、保守端末30は、増設する基地局を設置する最適設置位置が要求されると共に、保守端末30を保持する工事者の現在の位置情報が入力され、入力された位置情報を集約装置10へ通知する。集約装置10は、現在の位置情報が通知されると、通知された位置の周囲でスコア値が最小の位置を保守端末30へ通知する。一方、従来の屋内無線通信システムでは、屋内においてはGPS機能は使えないため、自動的に位置情報を取得することができない工事者は、屋内基地局を増設する際に、受信電力の測定結果が低くても、その位置が、最適な設置位置かどうかを判断することはできない。本実施形態に係る屋内無線通信システムによれば、保守端末30は現在の位置を通知するようにしているため、集約装置10は、保守端末30の現在の位置を正確に把握することが可能であり、保守端末30の現在の位置に最も近い設置位置を提供することが可能となる。また、保守端末30を保持する工事者は、保守端末30に表示されるアドバイスを参照することで、効率的に基地局を増設することが可能となる。
また、集約装置10は、スコア値を算出する際に、基地局によりカバーする必要のない位置の受信電力は最大であるとしている。これにより、集約装置10は、基地局によりカバーする必要のない領域を除外した上で、基地局を増設する設置位置を選択するためのスコア値を算出することが可能となる。
したがって、本実施形態に係る屋内無線通信システムによれば、通信品質が不十分である場所を特定でき、基地局を増設する際の設置位置を特定することができる。
なお、本実施形態では、複数の基地局からの無線信号の受信電力を測定する場合、保守端末30は、受信電力測定した各基地局へ通知信号をそれぞれ出力する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、保守端末30は、複数の基地局についての受信電力を測定した場合、受信電力が最大の基地局のみへ通知信号を送信するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、集約装置10の制御部13は、保守端末30から現在の位置が通知された場合に、通知された現在の位置に基づいて、増設する基地局の設置位置を保守端末30へ通知する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、位置決定部133は、増設する基地局を設置する際の最適設置位置が保守端末30から要求されると、この要求に応じて、スコア値が最も低い位置、又は、スコア値が低い下位複数個の位置を選択する。そして、位置決定部133は、通信部11に、スコア値が最も低い位置、又は、スコア値が低い下位複数個の位置を、基地局20を介して保守端末30へ応答させるようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、集約装置10は、スコア値を算出し、保守端末30からの要求を受けて、スコア値に基づく最適設置位置を保守端末30へ応答する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、位置決定部133は、算出したスコア値に、予め設定した閾値よりも低いスコア値がある場合、それらのスコア値が算出された位置が基地局を増設されるべき位置であるとして、閾値よりも低いスコア値が算出された位置を選択する。ここで、閾値とは、基地局を増設する位置として適していることを示す要件となるものである。そして、位置決定部133は、通信部11に、選択した位置を基地局20を介して保守端末30へ応答させるようにしてもかまわない。
また、例えば、スコア算出部132は、スコア値を算出すると、算出したスコア値と、スコア値を算出した位置とを、通信部11から保守端末30へ出力するようにしてもかまわない。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…集約装置、11…通信部、12…記録部、13…制御部、131…マップ作成部、132…スコア値算出部、133…位置決定部、20,20−1〜20−6…基地局、21…通信部、22…制御部、30…保守端末、31…通信部、32…受信電力測定部、33…入力部、34…表示部、35…制御部
Claims (21)
- 無線信号を送受信可能な無線エリアを形成する第1の基地局と、
第2の基地局を増設する対象となる領域において前記第1の基地局からの無線信号の受信電力を測定し、前記測定した受信電力と、前記受信電力を測定した第1の位置とを前記第1の基地局へ出力する保守端末と、
前記保守端末から出力された前記受信電力及び前記第1の位置を前記第1の基地局を介して受信し、受信した前記受信電力及び前記第1の位置に基づいて前記領域における前記受信電力の分布を記録し、前記分布を参照し、前記領域における各位置で受信された電力と、その電力が受信された位置の周囲で受信された電力と、に基づくスコア値を、前記第2の基地局の増設位置の指標として算出する集約装置と
を具備することを特徴とする屋内無線通信システム。 - 前記保守端末は、前記増設位置を要求すると共に、現在位置を第2の位置として前記第1の基地局を介して前記集約装置へ通知し、
前記集約装置は、前記第2の位置の周囲の位置のうち、前記増設位置に最適なスコア値が得られた位置を、前記保守端末へ通知することを特徴とする請求項1記載の屋内無線通信システム。 - 前記保守端末は、前記増設位置を前記第1の基地局を介して前記集約装置に要求し、
前記集約装置は、前記算出したスコア値のうち、前記増設位置に適したスコアが得られた複数の位置を、前記保守端末へ通知することを特徴とする請求項1記載の屋内無線通信システム。 - 前記集約装置は、前記算出したスコア値のうち、前記増設位置と成りうるか否かを示す要件を満たすスコア値が得られた位置を、前記保守端末へ通知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の屋内無線通信システム。
- 前記集約装置は、前記算出したスコア値と、前記スコア値が得られた位置とを前記保守端末へ通知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の屋内無線通信システム。
- 前記集約装置は、前記スコア値を算出する際、前記領域外の位置は、受信電力が最大であるとすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の屋内無線通信システム。
- 無線信号を送受信可能な無線エリアを形成する第1の基地局と、前記第1の基地局を管理し、第2の基地局を増設する対象となる領域において前記第2の基地局の増設位置を選択する集約装置とを備える屋内無線通信システムで用いられる保守端末において、
前記第1の基地局からの無線信号の受信電力を測定する受信電力測定部と、
前記受信電力を測定した第1の位置を入力させるための入力部と、
前記受信電力と、前記第1の位置とを前記第1の基地局を介して前記集約装置へ通知し、前記集約装置で前記受信電力及び前記第1の位置に基づいて算出される、前記増設位置を選択する際の指標となるスコア値に基づく情報を前記第1の基地局を介して前記集約装置から受信する通信部と、
前記情報を表示する表示部と
を具備することを特徴とする保守端末。 - 前記入力部は、前記増設位置の要求指示と、現在位置についての第2の位置とが入力され、
前記通信部は、前記要求指示と、前記第2の位置とを前記第1の基地局を介して前記集約装置へ通知し、
前記通信部は、前記要求指示に応じて前記集約装置から出力される、前記第2の位置の周囲の位置のうち前記増設位置に最適なスコア値が得られた第1の選択位置を受信し、
前記表示部は、前記第1の選択位置を表示することを特徴とする請求項7記載の保守端末。 - 前記入力部は、前記増設位置の要求指示が入力され、
前記通信部は、前記要求指示を前記第1の基地局を介して前記集約装置へ通知し、
前記通信部は、前記要求指示に応じて前記集約装置から出力される、前記算出されたスコア値のうち前記増設位置に適したスコア値が得られた複数の第1の選択位置を受信し、
前記表示部は、前記複数の第1の選択位置を表示することを特徴とする請求項7記載の保守端末。 - 前記通信部は、前記算出されたスコア値のうち、前記増設位置と成りうる要件を満たすスコア値が得られた第2の選択位置を前記集約装置から受信し、
前記表示部は、前記第2の選択位置を表示することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の保守端末。 - 前記通信部は、前記算出したスコア値と、前記スコア値が算出された第2の選択位置とを、前記集約装置から受信し、
前記表示部は、前記スコア値と、前記第2の選択位置とを表示することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の保守端末。 - 保守端末により、第1の基地局から送信される無線信号の受信電力が、第2の基地局を増設する対象となる領域において測定され、
前記保守端末により、前記受信電力を測定した第1の位置が取得され、
前記保守端末で取得された前記受信電力及び前記第1の位置を、前記第1の基地局を介して集約装置で受信し、
前記集約装置により、前記受信電力及び前記第1の位置に基づいて前記領域における前記受信電力の分布を記録し、
前記集約装置により、前記分布を参照し、前記領域における各位置で受信された電力と、その電力が受信された位置の周囲で受信された電力と、に基づくスコア値を、前記第2の基地局の増設位置の指標として算出することを特徴とする設置位置判定方法。 - 前記保守端末により、前記増設位置の要求と、前記保守端末の現在位置についての第2の位置とを取得し、
前記保守端末で取得された前記増設位置の要求及び前記第2の位置を、前記第1の基地局を介して前記集約装置で受信し、
前記集約装置により、前記第2の位置の周囲の位置のうち、前記増設位置に最適なスコア値が得られた位置を、前記保守端末へ通知することを特徴とする請求項12記載の設置位置判定方法。 - 前記保守端末により、前記増設位置の要求を取得し、
前記保守端末で取得された前記増設位置の要求を、前記第1の基地局を介して前記集約装置で受信し、
前記集約装置により、前記算出したスコア値のうち、前記増設位置に適したスコア値が得られた複数の位置を、前記保守端末へ通知することを特徴とする請求項12記載の設置位置判定方法。 - 前記集約装置により、前記算出したスコア値のうち、前記増設位置と成りうる要件を満たすスコア値が得られた位置を、前記保守端末へ通知することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の設置位置判定方法。
- 前記集約装置により、前記算出したスコア値と、前記スコア値が得られた位置とを前記保守端末へ通知することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の設置位置判定方法。
- 無線信号を送受信可能な無線エリアを形成する第1の基地局を管理する集約装置で用いられる設置位置判定プログラムにおいて、
第2の基地局を増設する対象となる領域において前記第1の基地局からの無線信号の受信電力を取得する処理と、
前記受信電力を測定した第1の位置を取得する処理と、
取得した前記受信電力及び前記第1の位置に基づいて前記領域における前記受信電力の分布を記録する処理と、
前記分布を参照し、前記領域における各位置で受信された電力と、その電力が受信された位置の周囲で受信された電力と、に基づくスコア値を、前記第2の基地局の増設位置の指標として算出する処理と
を前記集約装置のコンピュータに実行させる設置位置判定プログラム。 - 前記増設位置を要求する要求指示と、保守端末の現在位置についての第2の位置とを取得する処理と、
前記第2の位置の周囲の位置のうち、前記増設位置に最適なスコア値が得られた位置を前記第1の基地局を介して前記保守端末へ出力する処理と
をさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項17記載の設置位置判定プログラム。 - 前記増設位置を要求する要求指示を取得する処理と、
前記算出したスコア値のうち、前記増設位置に適したスコア値が得られた複数の位置を前記第1の基地局を介して保守端末へ出力する処理と
を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項17記載の設置位置判定プログラム。 - 前記算出したスコア値のうち、前記増設位置と成りうる要件を満たすスコア値が得られた位置を前記第1の基地局を介して保守端末へ出力する処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の設置位置判定プログラム。
- 前記算出したスコア値と、前記スコア値が得られた位置とを前記第1の基地局を介して保守端末へ出力する処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の設置位置判定プログラム。
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