本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線通信システムを示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による無線通信システム10は、電力推定装置1と、複数の端末装置2と、基地局3とを備える。
電力推定装置1は、有線ケーブル4によって基地局3に接続される。電力推定装置1は、基地局3から有線ケーブル4を介して複数の端末装置2における複数のモニター情報を受信し、その受信した複数のモニター情報を記録する。ここで、各モニター情報は、端末装置2の位置を示す位置情報、波源Sから送信された電波の端末装置2における受信電力、受信電力を検出したときの時刻を示す時刻情報、および波源Sから送信された電波の周波数を示す周波数情報を含む。そして、位置情報は、例えば、x座標、y座標およびz座標によって表される。z座標は、端末装置2が配置される領域の高さ方向の座標である。
また、電力推定装置1は、図1に図示されていない基地局から基地局3へ送信された複数のモニター情報も基地局3から有線ケーブル4を介して受信し、その受信した複数のモニター情報を記録する。
即ち、電力推定装置1は、市町村の領域または県の領域(電力を推定する対象領域REG)に存在する端末装置2のモニター情報を基地局3から受信して記録する。
そして、電力推定装置1は、その記録した複数のモニター情報に基づいて、後述する方法によって、任意の高さにおける受信電力の等高線を作成し、その作成した受信電力の等高線に基づいて、対象領域REGの任意の位置における電波の受信電力を推定する。
このように、電力推定装置1は、非常に広い対象領域REGにおける3次元的な電波の受信電力を推定する。
複数の端末装置2および基地局3は、無線通信空間に配置される。複数の端末装置2は、波源Sの周囲に配置される。
複数の端末装置2の各々は、3GHz以下の周波数帯域、3GHz~6GHzの周波数帯域、6GHz~30GHzの周波数帯域および30GHzよりも高周波数の周波数帯域のいずれかに含まれる複数の周波数のうち、複数の端末装置2が無線通信に共用する共用周波数fcomを用いて他の端末装置2と無線通信を行う。
複数の端末装置2の各々は、移動端末または静止端末からなる。そして、複数の端末装置2の各々は、例えば、GPS(Global Positioning System)によって自己の位置を検出する。
また、複数の端末装置2の各々は、共用周波数fcomを有する電波を波源Sから受信し、電波を受信したときの受信電力RSSIi(i=1,2,3,・・・)を検出する。
更に、複数の端末装置2の各々は、タイマーを内蔵しており、受信電力RSSIiを検出したときの時刻を検出する。
そして、複数の端末装置2の各々は、自己の位置を示す位置情報(xi,yi,zi)と、受信電力RSSIiと、受信電力RSSIiを検出したときの時刻を示す時間情報tiと、共用周波数fcomとを含むモニター情報MNT_i=[ti:(xi,yi,zi),RSSIi,fcom_i]を生成し、その生成したモニター情報MNT_i=[ti:(xi,yi,zi),RSSIi,fcom_i]を無線通信によって基地局3へ送信する。
この場合、端末装置2は、モニター情報MNTを基地局3へ直接送信してもよく、モニター情報MNTをマルチホップによって基地局3へ送信してもよい。
複数の端末装置2の各々は、他の端末装置2と無線通信を行っているときを除いて、位置情報(xi,yi,zi)、受信電力RSSIi、時刻情報tiおよび共用周波数fcom_iを検出してモニター情報MNT_i=[ti:(xi,yi,zi),RSSIi,fcom_i]を生成し、その生成したモニター情報MNT_i=[ti:(xi,yi,zi),RSSIi,fcom_i]を基地局3へ送信する動作を定期的(例えば、1分間隔)に行う。
基地局3は、モニター情報MNTを複数の端末装置2から受信し、その受信した複数のモニター情報MNTを有線ケーブル4を介して電力推定装置1へ送信する。
また、基地局3は、図示されていない基地局から受信した複数のモニター情報MNTを有線ケーブル4を介して電力推定装置1へ送信する。
波源Sは、例えば、レーダ、テレビジョン放送用の無線中継伝送装置(FPU:Field Pickup Unit)、離島へ電波を中継する中継所および端末装置等からなる。
図2は、図1に示す電力推定装置1の概略図である。図2を参照して、電力推定装置1は、受信手段11と、記録手段12と、抽出手段13と、処理手段14と、演算手段15と、作成手段16と、推定手段17とを備える。
受信手段11は、複数のモニター情報MNTを基地局3から受信し、その受信した複数のモニター情報MNTを記録手段12に記録する。
記録手段12は、受信手段11から受けた複数のモニター情報MNTを記録する。より具体的には、記録手段12は、複数のモニター情報MNTを[t1:(x1,y1,z1),RSSI1,fcom_1],[t2:(x2,y2,z2),RSSI2,fcom_1],[t3:(x3,y3,z3),RSSI3,fcom_1],・・・,[tT:(xM,yM,zM),RSSIM,fcom_1];[t1:(x1,y1,z1),RSSI1,fcom_2],[t2:(x2,y2,z2),RSSI2,fcom_2],[t3:(x3,y3,z3),RSSI3,fcom_2],・・・,[tT:(xM,yM,zM),RSSIM,fcom_2];・・・;[t1:(x1,y1,z1),RSSI1,fcom_F],[t2:(x2,y2,z2),RSSI2,fcom_F],[t3:(x3,y3,z3),RSSI3,fcom_F],・・・,[tT:(xM,yM,zM),RSSIM,fcom_F]のように記録する。ここで、Tは、時刻情報tiの検出回数を示し、Mは、端末装置2の個数を示し、Fは、共用周波数fcomの個数を示す。そして、Tは、2以上の整数であり、Mは、後述するkよりも大きい整数であり、Fは、1以上の整数である。
また、記録手段12は、移動端末であるが停止している端末装置2または静止端末である端末装置2に対しては、位置情報(xi,yi,zi)が同じで、時刻情報ti、受信電力RSSIiおよび周波数情報fcom_j(jは、1≦j≦Fを満たす整数)が異なるようにモニター情報MNTを記録する。
更に、記録手段12は、時刻情報tiの検出間隔が位置情報(xi,yi,zi)、受信電力RSSIiおよび周波数情報fcom_jの検出間隔よりも長い場合、複数のモニター情報MNTを[t1:(x1,y1,z1),RSSI1,fcom_1],[t1:(x2,y2,z2),RSSI2,fcom_1],[t1:(x3,y3,z3),RSSI3,fcom_1],・・・,[t1:(xM,yM,zM),RSSIM,fcom_1];[t2:(x1,y1,z1),RSSI1,fcom_2],[t2:(x2,y2,z2),RSSI2,fcom_2],[t2:(x3,y3,z3),RSSI3,fcom_2],・・・,[t2:(xM,yM,zM),RSSIM,fcom_2];・・・;[tT:(x1,y1,z1),RSSI1,fcom_F],[tT:(x2,y2,z2),RSSI2,fcom_F],[tT:(x3,y3,z3),RSSI3,fcom_F],・・・,[tT:(xM,yM,zM),RSSIM,fcom_F]のように記録する。即ち、記録手段12は、同じ時刻情報tiにおいて、位置情報(xi,yi,zi)および受信電力RSSIiが変化するように複数のモニター情報MNTを記録する。
抽出手段13は、後述する方法によって、記録手段12に記録された複数のモニター情報MNTに基づいて、複数のモニター情報MNTの分布状態を作成し、その作成した複数のモニター情報MNTの分布状態に基づいて受信電力の等高線を作成する処理を行うための処理範囲を決定し、その決定した処理範囲に含まれるk(kは2以上の整数)個の端末装置2のk個のモニター情報MNT1~MNTkを抽出する。そして、抽出手段13は、その抽出したk個のモニター情報MNT1~MNTkを処理手段14へ出力する。抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P以上の受信電力RSSIiがなくなるまで、後述する方法によって、複数のモニター情報MNTからk個のモニター情報MNT1~MNTkを抽出し、その抽出したk個のモニター情報MNT1~MNTkを処理手段14へ出力する処理を繰り返し行う。
処理手段14は、抽出手段13からk個のモニター情報MNT1~MNTkを受け、その受けたk個のモニター情報MNT1~MNTkに基づいて、後述する方法によって、受信電力の重心点RSSI_Gを算出するとともに、k個のモニター情報に含まれるk個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gから最も遠い位置に存在する端末装置2と受信電力の重心点RSSI_Gとの距離を最大距離LMAXとして求める。そして、処理手段14は、受信電力の重心点RSSI_Gおよび最大距離LMAXを求める処理をm(mは、2以上の整数)個の高さz1~zmについて実行する。そうすると、処理手段14は、m個の受信電力の重心点RSSI_G_1~RSSI_G_m、m個の最大距離LMAX_1~LMAX_mおよびm個の高さz1~zmを演算手段15へ出力する。
演算手段15は、m個の受信電力の重心点RSSI_G_1~RSSI_G_m、m個の最大距離LMAX_1~LMAX_mおよびm個の高さz1~zmを処理手段14から受ける。そして、演算手段15は、m個の受信電力の重心点RSSI_G_1~RSSI_G_m、m個の最大距離LMAX_1~LMAX_mおよびm個の高さz1~zmに基づいて、後述する方法によって、受信電力の重心点RSSI_Gのx座標xGと高さzとの関係を示す関係式EQ1、受信電力の重心点RSSI_Gのy座標yGと高さzとの関係を示す関係式EQ2および最大距離LMAXと高さzとの関係を示す関係式EQ3を演算する。そうすると、演算手段15は、関係式EQ1,EQ2,EQ3を作成手段16へ出力する。
作成手段16は、関係式EQ1,EQ2,EQ3を演算手段15から受ける。そして、作成手段16は、関係式EQ1,EQ2,EQ3に基づいて、後述する方法によって、受信電力の3次元的な電力分布を示す等高線CTRを作成し、その作成した受信電力の等高線CTRを推定手段17へ出力する。
推定手段17は、受信電力の等高線CTRを作成手段16から受け、その受けた受信電力の等高線CTRに基づいて、後述する方法によって、対象領域REGの任意の位置における電波の受信電力を推定する。そして、推定手段17は、その推定した電波の受信電力に基づいて、複数の端末装置2が共用周波数fcomを用いて無線通信を行うときの通信条件(共用周波数fcom、場所および送信電力等)を決定する。
図3は、対象領域REGを分割した分割領域の概念図である。図3を参照して、対象領域REGは、水平方向において分割領域REG_DV1~REG_DVq(qは2以上の整数)に分割される。
分割領域REG_DV1~REG_DVqの各々は、地面に平行な水平方向において長さDを有し、地面に垂直な方向において高さHを有する。例えば、長さDは、ドローンの飛行領域における水平方向の長さに設定され、高さHは、ドローンの飛行領域における垂直方向の長さに設定される。
なお、分割領域REG_DV1~REG_DVqは、相互に、同じ長さDおよび高さHを有していてもよいし、相互に、異なる長さDおよび高さHを有していてもよい。
図4は、図3に示す1つの分割領域REG_DVqを高さ方向に分割する方法を説明するための図である。図4を参照して、抽出手段13は、建物20の高さHBよりも小さい高さ方向の長さhを予め保持している。長さhは、例えば、3~10mである。そして、抽出手段13は、対象領域REGの高さ方向を長さhで分割して複数の領域SPC1~SPCmを生成する。なお、高さHBは、建物の平均高さであってもよい。
抽出手段13は、複数の領域SPC1~SPCmを生成すると、モニター情報MNTに含まれる位置情報のz座標に基づいて複数の領域SPC1~SPCmの各々に含まれるモニター情報を抽出する。この場合、抽出手段13は、領域SPC1に含まれるモニター情報MNT_SPC1、領域SPC2に含まれるモニター情報MNT_SPC2、・・・、および領域SPCmに含まれるモニター情報MNT_SPCmを抽出する。モニター情報MNT_SPC1~MNT_SPCmの各々は、複数のモニター情報からなる。
図5は、受信電力の重心点RSSI_Gおよび最大距離LMAXを求める方法を説明するための図である。図5において、白四角は、電力値がP(=受信電力の等高線CTRが有する電力値)以上である測定点を示し、黒四角は、電力値がP未満である測定点を示し、白丸は、受信電力の重心点RSSI_Gを示す。また、測定点s1~s3は、フェージングの影響によって受信電力が電力値P未満になった測定点を示す。そして、白四角および黒四角の各々は、位置情報(xi,yi,zi)および受信電力RSSIiからなる。
図5の(a)を参照して、電力推定装置1の抽出手段13は、1つの領域SPC1に含まれる複数のモニター情報MNTに基づいて、複数のモニター情報MNTの分布状態(図5の(a)に示す分布状態)を取得する。
そして、抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pを決定する。抽出手段13は、例えば、-60dBm,-70dBm,-80dBm等を電力値Pとして決定する。
抽出手段13は、電力値Pと処理範囲の半径rとの関係を予め保持している。例えば、抽出手段13は、-60dBmの電力値Pに対して処理範囲の半径r=500m、および-70dBmの電力値Pに対して処理範囲の半径1500m等の関係を予め保持している。
抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pを決定すると、複数のモニター情報MNTに含まれる複数の受信電力RSSIiのうち、電力値P以上である受信電力の最大値RSSI_MAXを抽出する。ここで、受信電力の最大値RSSI_MAXを抽出するのは、受信電力の最大値RSSI_MAXを有する端末装置2が最も波源Sに近いと考えられるからである。
そして、抽出手段13は、-60dBmの電力値Pを有する受信電力の等高線CTRを作成する場合、受信電力の最大値RSSI_MAXを抽出すると、その抽出した受信電力の最大値RSSI_MAXを有する測定点を中心として半径r=500mの範囲を処理範囲REG_PRSとして決定する。
そうすると、抽出手段13は、処理範囲REG_PRS内のk個のモニター情報MNT1~MNTkを抽出し、その抽出したk個のモニター情報MNT1~MNTkを処理手段14へ出力する。
図5の(b)を参照して、処理手段14は、k個のモニター情報MNT1~MNTkを抽出手段13から受け、その受けたk個のモニター情報MNT1~MNTkに含まれるk個の受信電力RSSI1~RSSIkに基づいて、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)を次式によって算出する。
式(1)において、wiは、i番目の端末装置2のウェイトを表し、i番目の端末装置2における受信電力RSSIiからなる。
即ち、処理手段14は、k個の受信電力RSSIi(i=1~k)によって重み付けされたk個の端末装置2の位置の平均を演算することによって受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)を算出する。
次に、処理手段14は、k個の受信電力RSSIi(i=1~k)のうち、電力値P以上の受信電力RSSIiを有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)から最も遠い位置に存在する端末装置2-1と受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)との間の距離を最大距離LMAXとして求める。
このように、処理手段14は、電力値P未満の受信電力(黒四角)を除外し、電力値P以上の受信電力(白四角)のみに基づいて最大距離LMAXを求める。黒四角によって示される測定点のうち、測定点s1~s3は、フェージングの影響によって受信電力が電力値P未満になった測定点である。
なお、処理手段14は、上述した方法によって、複数の電力値P(=P1~PN(Nは、2以上の整数))について最大距離LMAX_1~LMAX_Nを求める。なお、複数の最大距離LMAX_1~LMAX_Nは、それぞれ、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値P1~PNに対応する最大距離である。
従って、処理手段14による受信電力の重心点RSSI_Gおよび最大距離LMAXを求める方法によれば、フェージングの影響を抑制して受信電力の重心点RSSI_Gおよび最大距離LMAXを求めることができる。
上記においては、kは、2以上の整数であると説明したが、これは、次の理由による。k=2である場合、2個の受信電力RSSIiのうち、1個は、受信電力の最大値RSSI_MAXであり、もう1個は、電力値P以上である受信電力か電力値P未満である受信電力かが不明である受信電力である。そして、この2個の受信電力RSSIiを用いて、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)が式(1)によって算出される。
その結果、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)は、受信電力の最大値RSSI_MAXを有する測定点からずれる。
そうすると、受信電力の最大値RSSI_MAXは、電力値P以上であるので、受信電力の重心点RSSI_G(xG,yG)と受信電力の最大値RSSI_MAXを有する測定点との距離を最大距離LMAXとして求めることができる。従って、kは、2以上であればよい。
なお、電力値P以上の受信電力RSSIiが少なくとも1個有れば、少なくとも1個の受信電力RSSIiを有する端末装置2の位置が受信電力の重心点RSSI_Gからずれているので、最大距離LMAXを決定できる。従って、受信電力の等高線CTRを作成するために必要な電力値P以上の受信電力の個数は、1個以上である。
抽出手段13は、領域SPC2~SPCmの各々においても、上述した方法によってk個のモニター情報MNT1~MNTkを抽出し、処理手段14は、抽出手段13によって抽出されたk個のモニター情報MNT1~MNTkに基づいて、上述した方法によって受信電力の重心点RSSI_Gおよび最大距離LMAX(=LMAX_1~LMAX_N)を求める。
抽出手段13および処理手段14は、上述した処理を複数の領域SPC1~SPCmの全てについて実行し、複数の領域SPC1~SPCmの各々について受信電力の重心点RSSI_Gおよび複数の最大距離LMAX_1~LMAX_Nを求める。その結果、処理手段14は、領域SPC1において、受信電力の重心点RSSI_G_SPC1および複数の最大距離LMAX_1_SPC1~LMAX_N_SPC1を求め、領域SPC2において、受信電力の重心点RSSI_G_SPC2および複数の最大距離LMAX_1_SPC2~LMAX_N_SPC2を求め、・・・、領域SPCmにおいて、受信電力の重心点RSSI_G_SPCmおよび複数の最大距離LMAX_1_SPCm~LMAX_N_SPCmを求める。
そうすると、処理手段14は、領域SPC1、領域SPC1におけるk個のモニター情報MNT1_SPC1~MNTk_SPC1、受信電力の重心点RSSI_G_SPC1および複数の最大距離LMAX_1_SPC1~LMAX_N_SPC1を相互に対応付けた情報INF1=[SPC1/モニター情報MNT1_SPC1~MNTk_SPC1/RSSI_G_SPC1/LMAX_1_SPC1~LMAX_N_SPC1]を生成する。また、処理手段14は、同様にして、領域SPC2に対応する情報INF2=[SPC2/モニター情報MNT1_SPC2~MNTk_SPC2/RSSI_G_SPC2/LMAX_1_SPC2~LMAX_N_SPC2]、・・・、領域SPCmに対応する情報INFm=[SPCm/モニター情報MNT1_SPCm~MNTk_SPCm/RSSI_G_SPCm/LMAX_1_SPCm~LMAX_N_SPCm]を生成する。そして、処理手段14は、情報INF1~INF4を演算手段15へ出力する。
図6は、受信電力の重心点RSSI_Gのx座標と各領域SPC1~SPC4の高さとの関係を示す図である。図6においては、高さ方向の領域SPCが4個(m=4)である場合について、重心点RSSI_Gのx座標と各領域SPC1~SPC4の高さとの関係を説明する。
図6において、縦軸は、受信電力の重心点RSSI_Gのx座標を表し、横軸は、各領域SPC1~SPC4の高さzを表す。各領域SPC1~SPC4の高さは、例えば、各領域SPC1~SPC4において抽出されたk個のモニター情報MNT1~MNTkに含まれるk個の位置情報のk個のz座標の平均値として求められる。また、各領域SPC1~SPC4の高さは、各領域SPC1~SPC4において抽出されたk個のモニター情報MNT1~MNTkに含まれるk個の位置情報のk個のz座標をk個のモニター情報MNT1~MNTkに含まれるk個の受信電力RSSI1~RSSIkによって重み付けした重み付け平均(zG=(w1z1+w2z2+・・・+wkzk)/(w1+w2+・・・+wk)、wi=RSSIi)によって求められる。
演算手段15は、情報INF1~INF4を処理手段14から受ける。演算手段15は、情報INF1=[SPC1/モニター情報MNT1_SPC1~MNTk_SPC1/RSSI_G_SPC1/LMAX_1_SPC1~LMAX_n_SPC1]からk個のモニター情報MNT1_SPC1~MNTk_SPC1を検出し、その検出したk個のモニター情報MNT1_SPC1~MNTk_SPC1に含まれるk個の位置情報のk個のz座標z1~zk(またはk個のz座標z1~zkおよびk個の受信電力RSSI1~RSSIk)を検出する。そして、演算手段15は、k個のz座標z1~zk(またはk個のz座標z1~zkおよびk個の受信電力RSSI1~RSSIk)に基づいて、上述した方法によって領域SPC1の高さzSPC1を演算する。同様にして、演算手段15は、情報INF2~INF4に基づいて、それぞれ、領域SPC2~SPC4の高さzSPC2~zSPC4を演算する。
そうすると、演算手段15は、情報INF1~INF4からそれぞれ受信電力の重心点RSSI_G_SPC1~RSSI_G_SPC4のx座標xG_SPC1~xG_SPC4およびy座標yG_SPC1~yG_SPC4を検出する。
そして、演算手段15は、x座標xG_SPC1~xG_SPC4および高さzSPC1~zSPC4に基づいて、点(xG_SPC1,zSPC1),点(xG_SPC2,zSPC2),点(xG_SPC3,zSPC3),点(xG_SPC4,zSPC4)をプロットする(図6の黒丸参照)。
その後、演算手段15は、プロットした点に基づいて受信電力の重心点RSSI_Gのx座標xG_SPC1~xG_SPC4と各領域SPC1~SPC4の高さzSPC1~zSPC4との関係を示す関係式EQ1(曲線k1参照)を求める。従って、受信電力の重心点RSSI_Gのx座標x(z)は、各領域SPC1~SPC4の高さzの関数である。
図7は、受信電力の重心点RSSI_Gのy座標と各領域SPC1~SPC4の高さとの関係を示す図である。
図7において、縦軸は、受信電力の重心点RSSI_Gのy座標を表し、横軸は、各領域SPC1~SPC4の高さzを表す。各領域SPC1~SPC4の高さは、図6において説明した方法によって求められる。
演算手段15は、y座標yG_SPC1~yG_SPC4および高さzSPC1~zSPC4に基づいて、点(yG_SPC1,zSPC1),点(yG_SPC2,zSPC2),点(yG_SPC3,zSPC3),点(yG_SPC4,zSPC4)をプロットする(図7の黒丸参照)。
その後、演算手段15は、プロットした点に基づいて受信電力の重心点RSSI_Gのy座標yG_SPC1~yG_SPC4と各領域SPC1~SPC4の高さzSPC1~zSPC4との関係を示す関係式EQ2(曲線k2参照)を求める。従って、受信電力の重心点RSSI_Gのy座標y(z)は、各領域SPC1~SPC4の高さzの関数である。
図8は、最大距離LMAXと各領域SPC1~SPC4の高さとの関係を示す図である。図8において、縦軸は、最大距離LMAXを表し、横軸は、各領域SPC1~SPC4の高さzを表す。各領域SPC1~SPC4の高さは、図6において説明した方法によって求められる。
演算手段15は、情報INF1~INF4から、それぞれ、複数の最大距離LMAX_1_SPC1~LMAX_n_SPC1、複数の最大距離LMAX_1_SPC2~LMAX_n_SPC2、複数の最大距離LMAX_1_SPC3~LMAX_n_SPC3、および複数の最大距離LMAX_1_SPC4~LMAX_n_SPC4を検出する。
そして、演算手段15は、同じ電力値P1[dBm]に対応する最大距離LMAX_1_SPC1,LMAX_1_SPC2,LMAX_1_SPC3,LMAX_1_SPC4を検出する。
そうすると、演算手段15は、点(LMAX_1_SPC1,zSPC1)点(LMAX_1_SPC2,zSPC2),点(LMAX_1_SPC3,zSPC3),点(LMAX_1_SPC4,zSPC4)をプロットする(図8の黒丸参照)。
その後、演算手段15は、プロットした点に基づいて最大距離LMAXと各領域SPC1~SPC4の高さzとの関係を示す関係式EQ3-1(直線k3参照)を求める。
演算手段15は、同様にして、点(LMAX_2_SPC1,zSPC1)点(LMAX_2_SPC2,zSPC2),点(LMAX_2_SPC3,zSPC3),点(LMAX_2_SPC4,zSPC4)をプロットして、電力値P2について、最大距離LMAXと各領域SPC1~SPC4の高さとの関係を示す関係式EQ3-2を求める。
以下、同様にして、演算手段15は、点(LMAX_N_SPC1,zSPC1)点(LMAX_N_SPC2,zSPC2),点(LMAX_N_SPC3,zSPC3),点(LMAX_N_SPC4,zSPC4)をプロットして、電力値PNについて、最大距離LMAXと各領域SPC1~SPC4の高さとの関係を示す関係式EQ3-Nを求める。
従って、図8に示す縦軸の最大距離LMAX(P,z)は、作成すべき等高線CTRの電力値Pと各領域SPC1~SPC4の高さ(z座標)との関数である。つまり、演算手段15は、作成すべき等高線CTRの電力値P1~PNの個数Nに等しい個数Nの最大距離LMAXと各領域SPC1~SPC4の高さとの関係を示す関係式EQ3_1~EQ3_Nを求める。なお、関係式EQ3_1~EQ3_Nは、最大距離LMAXと高さzとの関係を示す関係式EQ3を構成する。
そして、演算手段15は、関係式EQ1、関係式EQ2および関係式EQ3(EQ3_1~EQ3_N)を作成手段16へ出力する。
図9は、任意の高さにおける受信電力の等高線を求める方法を説明するための図である。
図9を参照して、任意の高さzにおける受信電力の重心点RSSI_Gを決定する関係式は、関係式EQ1(=x(z))と関係式EQ2(=y(z))とからなる。また、最大距離LMAXを決定する関係式は、関係式EQ3(=LMAX(P,z))からなる。
関係式EQ3(=LMAX(P,z))は、作成すべき等高線CTRの電力値P1~PNにそれぞれ対応付けられた関係式EQ3_1(=LMAX_1(z))~EQ3_N(=LMAX_N(z))からなる。
作成手段16は、関係式EQ1、関係式EQ2および関係式EQ3(EQ3_1~EQ3_N)を演算手段15から受ける。また、作成手段16は、作成すべき等高線CTRの高さzおよび電力値P(P1~PNの少なくとも1つ)を外部から受ける。
作成手段16は、作成すべき等高線CTRの高さzaと、作成すべき等高線CTRの電力値Pnとを受けると、関係式EQ1(=x(z))に基づいて高さzaに対応する受信電力の重心点RSSI_Gのx座標xG(za)を求めるとともに関係式EQ2(=y(z))に基づいて高さzaに対応する受信電力の重心点RSSI_Gのy座標yG(za)を求める。
次に、作成手段16は、関係式EQ3(EQ3_1~EQ3_n)に基づいて電力値Pnに対応する関係式EQ3_n(LMAX_n(z))を検出し、その検出した関係式EQ3_n(LMAX_n(z))に基づいて高さzaに対応する最大距離LMAX_n(za)を求める。
そうすると、作成手段16は、受信電力の重心点(xG(za),yG(za))を中心とし、最大距離LMAX_n(za)を半径とする円形形状を有する受信電力の等高線CTR1を作成する。
また、作成手段16は、作成すべき等高線CTRの高さzaと、作成すべき等高線CTRの電力値Pn,Pn+2とを受けると、関係式EQ1,EQ2に基づいて、上述した方法によって、それぞれ、受信電力の重心点RSSI_Gのx座標xG(za)およびy座標yG(za)を求める。
次に、作成手段16は、電力値Pnに基づいて、上述した方法によって最大距離LMAX_n(za)を求める。そして、作成手段16は、関係式EQ3(EQ3_1~EQ3_n)に基づいて電力値Pn+2に対応する関係式EQ3_n+2(LMAX_n+2(z))を検出し、その検出した関係式EQ3_n+2(LMAX_n+2(z))に基づいて高さzaに対応する最大距離LMAX_n+2(za)を求める。
そうすると、作成手段16は、受信電力の重心点(xG(za),yG(za))を中心とし、最大距離LMAX_n(za)を半径とする円形形状を有する受信電力の等高線CTR1を作成するとともに受信電力の重心点(xG(za),yG(za))を中心とし、最大距離LMAX_n+2(za)を半径とする円形形状を有する受信電力の等高線CTR2を作成する。
作成手段16は、作成すべき等高線CTRの高さzaと、作成すべき等高線CTRの電力値P1~Pnとを受けた場合、上述した方法によって、高さzaにおいて電力値P1~Pnをそれぞれ有する受信電力のn個の等高線CTR1~CTRnを作成する。
また、作成手段16は、作成すべき等高線CTRの高さとして高さza以外の高さzjと、作成すべき等高線CTRの電力値Pn(P1~PNの少なくとも1つ)とを受けた場合、上述した方法によって、高さzjにおいて電力値Pn(P1~PNの少なくとも1つ)を有する受信電力の少なくとも1つの等高線を作成する。
図10は、等高線の概念図である。図10を参照して、等高線CTR1は、高さzjにおいて受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、最大距離LMAX_1を半径とする電力値P1[dBm]を有する等高線であり、等高線CTR2は、高さzjにおいて受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、最大距離LMAX_2を半径とする電力値P2[dBm]を有する等高線であり、等高線CTR3は、高さzjにおいて受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、最大距離LMAX_3を半径とする電力値P3[dBm]を有する等高線である。
図10においては、高さzjにおいて、3個の等高線CTR1~CTR3が図示されているが、高さzjにおいて少なくとも1つの等高線CTRが作成される。同様にして、高さz1~z3においても、それぞれ、少なくとも1つの等高線が作成される。
このように、この発明の実施の形態においては、任意の高さにおいて少なくとも1つの等高線CTRが作成される。
作成手段16は、上述した方法によって、任意の高さzにおける受信電力の等高線CTRを作成し、その作成した受信電力の等高線CTRを推定手段17へ出力する。
図11は、受信電力と波源からの距離との関係を示す図である。図11において、縦軸は、受信電力を表し、横軸は、波源S(受信電力の重心点RSSI_G)からの距離を表す。
電波の自由空間伝搬モデルでは、受信電力RSSIiは、図11に示すように波源Sからの距離に反比例して減少する。
電波の自由空間伝搬モデルにおいて、波源Sからの距離が1000m以上である場合、受信電力RSSIiは、距離の増加に対して直線状に低下する。そして、受信電力RSSIiが10dBmだけ低下するときの距離は、3.16kmである。つまり、電波の自由空間伝搬モデルにおいては、受信電力RSSIiが10dBmだけ低下するときの距離は、3.16km/10dBmとなる。
図12は、受信電力の等高線CTRに基づいて任意の位置における受信電力の電力値を推定する方法を説明するための図である。
図12を参照して、等高線CTRは、作成手段16によって作成された等高線である。受信電力の重心点RSSI_G(=波源Sの位置)から等高線CTRよりも3.16kmだけ遠い位置においては、受信電力の電力値は、等高線CTRの電力値をPとすると、P-10[dBm]となる。
また、等高線CTRよりも3.16kmだけ受信電力の重心点RSSI_G(=波源Sの位置)に近い位置においては、受信電力の電力値は、P+10[dBm]となる。
推定手段17は、受信電力の等高線CTR(図10参照)を作成手段16から受ける。そして、推定手段17は、受信電力の等高線CTR(図10参照)に基づいて、受信電力の重心点RSSI_G(=波源Sの位置)から等高線CTRよりも3.16kmだけ遠い位置における受信電力の電力値をP-10[dBm]と推定し、その推定した電力値P-10[dBm]を有する受信電力の等高線CTR1-1を作成する。
また、推定手段17は、受信電力の等高線CTR(図10参照)に基づいて、等高線CTRよりも3.16kmだけ受信電力の重心点RSSI_G(=波源Sの位置)に近い位置における受信電力の電力値をP+10[dBm]と推定し、その推定した電力値P+10[dBm]を有する受信電力の等高線CTR1-2を作成する。
受信電力の等高線CTR1-1,CTR1-2は、等高線CTRと相似な形状を有する。
なお、推定手段17は、単位距離当たりの受信電力の電力値の変化割合RSSI_rate(=10/3.16=3.16[dBm/km])を求め、変化割合RSSI_rateを用いて、受信電力の等高線CTRから任意の距離だけ離れた位置における受信電力の電力値を推定してもよい。より具体的には、推定手段17は、受信電力の重心点RSSI_Gから遠ざかるように受信電力の等高線CTRから距離L1だけ離れた位置における受信電力の電力値をP-RSSI_rate×L1によって推定する。また、推定手段17は、受信電力の重心点RSSI_Gに近づくように受信電力の等高線CTRから距離L1だけ離れた位置における受信電力の電力値をP+RSSI_rate×L1[dBm]によって推定する。これによって、推定手段17は、ある高さzにおいて、水平方向の任意の位置における受信電力の電力値を推定できる。
推定手段17は、電波の自由空間伝搬モデルに代えて奥村-秦モデルを用いて水平方向の任意の位置における受信電力の電力値を推定してもよい。
推定手段17は、奥村-秦モデルを用いて受信電力の電力値を推定する場合、奥村-秦モデルにおける複数の電波伝搬モデルを地形データと対応付けて保持しており、標高地図または航空写真を外部から受ける。そして、推定手段17は、標高地図または航空写真に基づいて抽出した地形データに最も近い電波伝搬モデルを複数の電波伝搬モデルから選択し、その選択した電波伝搬モデルを用いて受信電力の電力値を推定する。
図13は、奥村-秦モデルにおける電界強度と距離との関係を示す図である。図13において、縦軸は、電界強度を表し、横軸は、距離を表す。また、曲線k4は、開放地における電界強度と距離との関係を示し、曲線k5は、郊外における電界強度と距離との関係を示し、曲線k6は、中小都市における電界強度と距離との関係を示し、曲線k7は、大都市における電界強度と距離との関係を示す。
図13に示す曲線k4~k7は、次式によって表される。
式(2)において、A,Bは、曲線k4~k7に共通であり、a(hm)およびCは、エリア毎に異なる。また、LCHは、電界強度であり、dは、距離であり、hmは、2次利用者(端末装置2)のアンテナ高さである。
式(2)のA,Bは、次式によって表される。
式(3)において、fは、伝搬する電波の周波数であり、hbは、1次利用者(波源S)のアンテナ高さである。
電波の伝搬環境が開放地である場合(曲線k4)、a(hm)およびCは、次式によって表される。
電波の伝搬環境が郊外である場合(曲線k5)、a(hm)およびCは、次式によって表される。
電波の伝搬環境が中小都市である場合(曲線k6)、a(hm)およびCは、次式によって表される。
電波の伝搬環境が大都市である場合(曲線k7)、a(hm)およびCは、次式によって表される。
式(7)に示すように、大都市においては、周波数によってa(hm)が異なる。
推定手段17は、式(2)~式(7)を保持しており、地形データが開放地に最も近いとき、式(2),(3),(4)によって曲線k4に示す電波伝搬特性を演算し、その演算した電波伝搬特性に基づいて、受信電力の等高線CTRから任意の距離だけ離れた位置における受信電力の電力値を推定する。
また、推定手段17は、地形データが郊外に最も近いとき、式(2),(3),(5)によって曲線k5に示す電波伝搬特性を演算し、その演算した電波伝搬特性に基づいて、受信電力の等高線CTRから任意の距離だけ離れた位置における受信電力の電力値を推定する。
更に、推定手段17は、地形データが中小都市に最も近いとき、式(2),(3),(6)によって曲線k6に示す電波伝搬特性を演算し、その演算した電波伝搬特性に基づいて、受信電力の等高線CTRから任意の距離だけ離れた位置における受信電力の電力値を推定する。
更に、推定手段17は、地形データが大都市に最も近いとき、式(2),(3),(7)によって曲線k7に示す電波伝搬特性を演算し、その演算した電波伝搬特性に基づいて、受信電力の等高線CTRから任意の距離だけ離れた位置における受信電力の電力値を推定する。
図13に示す曲線k4~k7においては、電界強度が距離に対して直線的に減少する領域があるので、電波の自由空間伝搬モデルにおいて説明したように、推定手段17は、変化割合RSSI_rateを算出し、その算出した変化割合RSSI_rateを用いて、受信電力の等高線CTRから任意の距離だけ離れた位置における受信電力の電力値を推定してもよい。
このように、推定手段17は、電波の自由空間伝搬モデルおよび奥村-秦モデル等の電波の伝搬モデルを用いて受信電力の等高線CTRから任意の距離だけ離れた位置における受信電力の電力値を推定する。
図14は、端末装置2における電波の受信感度以下の領域において受信電力を推定する方法を説明するための図である。
端末装置2は、受信感度以下の受信電力を取得できないため、受信感度以下の領域における受信電力の等高線CTRは、既に作成した受信電力の等高線CTRと電波の伝搬モデルとに基づいて作成する。ここで、電波の伝搬モデルとしては、上述した電波の自由空間伝搬モデルおよび奥村-秦モデル等が用いられる。
上述したように、電波の自由空間伝搬モデルにおいては、波源Sからの距離が1000m以上である場合、受信電力RSSIiは、距離の増加に対して直線状に低下する。そして、受信電力RSSIiが10dBmだけ低下するときの距離は、3.16km/10dBmとなる。
従って、作成手段16は、電波の受信感度以下の領域において、既に作成した受信電力の等高線CTR(電力値Pの等高線)から3.16kmだけ受信電力の重心点RSSI_Gから遠くなる方向に離れ、かつ、受信電力の等高線CTRと相似形を有する受信電力の等高線CTR_LSをP-10の電力値を有する等高線CTRとして作成する(図14参照)。
この場合、受信電力の等高線CTR_LSにおける電力値は、P-10に限らず、電力値Pから所望の電力値ΔPだけ低下した電力値であればよい。従って、作成手段16は、電波の自由空間伝搬モデルにおいて、電力値PよりもΔPだけ低下するときの距離を求め、その求めた距離だけ受信電力の重心点RSSI_Gから遠くなる方向に離れ、かつ、受信電力の等高線CTRと相似形を有する受信電力の等高線CTR_LSをP-ΔPの電力値を有する等高線CTRとして作成する。
また、作成手段16は、同様にして、奥村-秦モデルを用いて電力値PよりもΔPだけ低下するときの距離を求め、その求めた距離だけ受信電力の重心点RSSI_Gから遠くなる方向に離れ、かつ、受信電力の等高線CTRと相似形を有する受信電力の等高線CTR_LSをP-ΔPの電力値を有する等高線CTRとして作成する。
従って、作成手段16は、一般的に、電波の受信感度以下の領域において、既に作成した受信電力の等高線CTR上の電力値よりも所望の電力値だけ低い受信電力になる電力低下距離(3.16km等)を電波の伝搬モデルに基づいて求め、既に作成した受信電力の等高線CTRから電力低下距離だけ離れ、かつ、既に作成した受信電力の等高線CTRと相似形を有する等高線CTRを電波の受信感度以下の領域における受信電力の等高線CTRとして作成する。
このように、作成手段16は、電波の受信感度以下の領域においても受信電力の等高線CTRを作成するので、受信電力RSSIiの広い範囲において受信電力の等高線CTRを作成できる。
図15は、図1に示す電力推定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図15を参照して、電力推定装置1の動作が開始されると、n=1が設定され(ステップS1)、s=1が設定される(ステップS2)。
そして、抽出手段13は、高さ方向の領域SPC(s)に含まれる複数のモニター情報を記録手段12に記録されたモニター情報から抽出する(ステップS3)。
その後、抽出手段13は、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pnに応じて処理範囲REG_PRSを決定し(ステップS4)、その決定した処理範囲REG_PRS内に存在するk個のモニター情報MNT1~MNTkを抽出する(ステップS5)。そして、抽出手段13は、その抽出したk個のモニター情報MNT1~MNTkを処理手段14へ出力する(ステップS6)。
処理手段14は、k個のモニター情報MNT1~MNTkを抽出手段13から受け、その受けたk個のモニター情報MNT1~MNTkに基づいて受信電力の重心点RSSI_G(s)および最大距離LMAX(s,Pn)を算出する(ステップS7)。
引き続いて、処理手段14は、k個のモニター情報MNT1~MNTkに基づいて領域SPC(s)の高さ位置zs=(z1+・・・+zk)/kを算出する(ステップS8)。なお、処理手段14は、zs=(w1z1+w2z2+・・・+wkzk)/(w1+w2+・・・+wk)によって高さ位置zsを算出してもよい。ここで、wi=RSSIi(i=1~k)である。
その後、処理手段14は、s=m(高さ方向の領域SPCの最大個数)であるか否かを判定する(ステップS9)。
ステップS9において、s=mでないと判定されたとき、処理手段14は、s=s+1を設定する(ステップS10)。その後、一連の動作は、ステップS3へ戻り、ステップS9において、s=mであると判定されるまで、ステップS3~ステップS10が繰り返し実行される。
そして、ステップS9において、s=mであると判定されると、処理手段14は、m個の重心点RSSI_G_1~RSSI_G_m、m個の最大距離LMAX_1(Pn)~LMAX_m(Pn)およびm個の高さz1~zmを演算手段15へ出力する。
演算手段15は、m個の重心点RSSI_G_1~RSSI_G_m、m個の最大距離LMAX_1(Pn)~LMAX_m(Pn)およびm個の高さz1~zmを処理手段14から受け、その受けたm個の重心点RSSI_G_1~RSSI_G_m、m個の最大距離LMAX_1(Pn)~LMAX_m(Pn)およびm個の高さz1~zmに基づいて、上述した方法によって、重心点RSSI_Gのx座標xGと高さzとの関係式EQ1と、重心点RSSI_Gのy座標yGと高さzとの関係式EQ2と、最大距離LMAXと高さzとの関係式EQ3(等高線CTRの電力値Pnに対応した関係式EQ3-n)とを求める(ステップS11)。そして、演算手段15は、関係式EQ1~EQ3を作成手段16へ出力する。
作成手段16は、関係式EQ1~EQ3を演算手段15から受ける。そして、作成手段16は、任意の高さzaを外部から受けると、関係式EQ1,EQ2に基づいて、それぞれ、任意の高さzaにおける重心点RSSI_Gのx座標xG(za)およびy座標yG(za)を求め、関係式EQ3(等高線CTRの電力値Pnに対応した関係式EQ3-n)に基づいて任意の高さzaにおける最大距離LMAX_n(za)を求める(ステップS12)。
そうすると、作成手段16は、点(xG(za),yG(za))を中心とし、最大距離LMAX_n(za)を半径とする円形形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する(ステップS13)。
そして、作成手段16は、n=N(Nは、作成すべき受信電力の等高線CTRの電力値Pnの最大個数)であるか否かを判定する(ステップS14)。
ステップS14において、n=Nでないと判定されたとき、作成手段16は、n=n+1を設定する(ステップS15)。その後、一連の動作は、ステップS2へ移行し、ステップS14において、n=Nであると判定されるまで、ステップS2~ステップS15が繰り返し実行される。
そして、ステップS14において、n=Nであると判定されると、一連の動作は、終了する。なお、図15に示すフローチャートは、上述した分割領域REG_DV1~REG_DVqの各々において実行される。
図16は、図15に示すフローチャートのステップの実行状態を示す概念図である。図16を参照して、図15に示すフローチャートのステップS3~ステップS10がm回実行されると、作成すべき受信電力の等高線CTRの1つの電力値Pnにおいて、高さ方向のm個の領域SPC(1)~SPC(m)の全てについて、高さ位置z、受信電力の重心点RSSI_G((xG(z1),yG(z1),xG(z2),yG(z2),・・・,xG(zm),yG(zm))および最大距離LMAX(z1),LMAX(z2),・・・,LMAX(zm)が算出される(図16の(a)参照)。
また、ステップS11が実行されると、作成すべき受信電力の等高線CTRの1つの電力値Pnにおいて、高さzと受信電力の重心点RSSI_Gのx座標xGとの関係式EQ1(=xG(z))、高さzと受信電力の重心点RSSI_Gのy座標yGとの関係式EQ2(=yG(z))、および高さzおよび電力値Pnと最大距離LMAXとの関係式EQ3(=LMAX_n(Pn,z))が求められる(図16の(b)参照)。ここで、LMAX_n(Pn,z)は、等高線CTRの1つの電力値Pnに対応し、かつ、最大距離LMAXと高さzとの関係を示す関係式である。
更に、ステップS12が実行されると、作成すべき受信電力の等高線CTRの1つの電力値Pnにおいて、任意の高さzaにおける受信電力の重心点RSSI_Gの座標((xG(za),yG(za))および任意の高さzaにおける最大距離LMAX_n(Pn,za)が求められる(図16の(c)参照)。この場合、重心点RSSI_Gのx座標xG(za)は、関係式EQ1=xG(z)にz=zaを代入して求められ、重心点RSSI_Gのy座標yG(za)は、関係式EQ2=yG(z)にz=zaを代入して求められ、最大距離LMAXn(Pn,za)は、関係式EQ3(等高線CTRの電力値Pnに対応した関係式EQ3-n)=LMAX_n(Pn,z)にz=zaを代入して求められる。
更に、ステップS13が実行されると、高さzaにおいて1つの電力値Pnを有する等高線CTR_nが作成される。等高線CTR_nは、受信電力の重心点((xG(za),yG(za))を中心とし、最大距離LMAX_n(Pn,za)を半径とする円形形状を有する(図16の(d)参照)。
更に、ステップS2~ステップS15がN回実行されると、高さzaにおいて、それぞれ、電力値P1~PNを有するN個の等高線CTR_1~CTR_Nが作成される(図16の(e)参照)。等高線CTR_1~CTR_Nは、受信電力の重心点((xG(za),yG(za))を中心とし、それぞれ、最大距離LMAX_1(P1,za)~LMAX_N(PN,za)を半径とする円形形状を有する。そして、最大距離LMAX_1(P1,za)~LMAX_N(PN,za)は、それぞれ、電力値P1~Pnに対応する関係式EQ3_1=LMAX_1(P1,z)~EQ3_N=LMAX_N(PN,z)を用いて求められる。
従って、図15に示すフローチャートは、高さzaにおいて、1つの電力値Pn毎に受信電力の等高線CTRを作成する動作を示すものである。
図17は、図1に示す電力推定装置1の動作を説明するための別のフローチャートである。
図17に示すフローチャートは、図15に示すフローチャートのステップS12,S13をステップS16に変えたものであり、その他は、図15に示すフローチャートと同じである。
図17を参照して、電力推定装置1の動作が開始されると、上述したステップS1~S11,S14,S15が順次実行される。
そして、ステップS14において、n=Nであると判定されると、作成手段16は、関係式EQ1~EQ3に基づいて、任意の高さzaにおける任意の電力値Pnを有する受信電力の複数の等高線CTRを作成する(ステップS16)。これによって、電力推定装置1の動作が終了する。
図18は、図17のステップS16の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
図18を参照して、図17に示すステップS14において、n=Nであると判定されると、作成手段16は、高さzaと電力値PnとのV(Vは,2≦V≦Nを満たす整数)個の組(za1,P1),(za2,P2),・・・,(zaV,PV)を外部から受ける(ステップS161)。
そして、作成手段16は、v=1を設定する(ステップS162)。その後、作成手段16は、関係式EQ1,EQ2に基づいて、それぞれ高さzarにおける受信電力の重心点RSSI_Gのx座標xG(zar)およびy座標yG(zar)を求め、関係式EQ3(等高線CTRの電力値Pvに対応する関係式EQ3-v)に基づいて、電力値Pvおよび高さzavにおける最大距離LMAX_v(Pv,zav)を求める(ステップS163)。
そうすると、作成手段16は、受信電力の重心点(xG(zar),yG(zar))を中心とし、最大距離LMAX_v(Pv,zav)を半径とする受信電力の等高線CTR_vを作成する(ステップS164)。
そして、作成手段16は、r=Rであるか否かを判定する(ステップS165)。ステップS165において、v=Vでないと判定されたとき、作成手段16は、v=v+1を設定する(ステップS166)。その後、一連の動作は、ステップS163に移行し、ステップS165において、v=Vであると判定されるまで、ステップS163~ステップS166が繰り返し実行される。
そして、ステップS165において、v=Vであると判定されると、一連の動作は、図17の“終了”へ移行する。なお、図17に示すフローチャート(図18に示すフローチャートを含む)は、上述した分割領域REG_DV1~REG_DVqの各々において実行される。
図19は、図17および図18に示すフローチャートのステップの実行状態を示す概念図である。図20は、図17および図18に示すフローチャートの実行が完了した状態を示す概念図である。
図19を参照して、図17に示すフローチャートのステップS3~ステップS10がm回実行されると、図16において説明したとおり、作成すべき受信電力の等高線CTRの1つの電力値Pnにおいて、高さ方向のm個の領域SPC(1)~SPC(m)の全てについて、高さ位置z、受信電力の重心点RSSI_G((xG(z1),yG(z1),xG(z2),yG(z2),・・・,xG(zm),yG(zm))および最大距離LMAX(z1),LMAX(z2),・・・,LMAX(zm)が算出される(図19の(a)参照)。
また、図17に示すフローチャートのステップS2~S11,S14,S15がN回実行されると、高さzと受信電力の重心点RSSI_Gのx座標xGとの関係式EQ1(=xG(z))、高さzと受信電力の重心点RSSI_Gのy座標yGとの関係式EQ2(=yG(z))、および電力値P1~PNに対応して、それぞれ、高さzおよび電力値Pnと最大距離LMAXとの関係式EQ3_1(=LMAX_1(P1,z))~EQ3_N(=LMAX_N(PN,z))が求められる(図19の(b)参照)。ここで、LMAX_1(P1,z)~LMAX_N(PN,z)は、それぞれ、等高線CTRの電力値P1~PNに対応し、かつ、最大距離LMAXと高さzとの関係を示す関係式である。
更に、図18に示すステップS163が実行されると、関係式EQ1,EQ2に基づいて、高さzavにおける受信電力の重心点の座標(xG(zav),yG(zav))が求められ、電力値Pvに対応する関係式EQ3_v(EQ3_1~EQ3_Nのいずれか)に基づいて、高さzavにおける最大距離LMAX_v(Pv,zav)が求められる(図19の(c)参照)。
更に、図18に示すステップS164が実行されると、高さzavにおいて1つの電力値Pvを有する等高線CTR_vが作成される。等高線CTR_vは、受信電力の重心点((xG(zav),yG(zav))を中心とし、最大距離LMAX_v(Pv,zav)を半径とする円形形状を有する(図19の(d)参照)。
更に、図17および図18に示すフローチャートの実行が完了した状態においては、高さza1,za2,za3,・・・,zaVにおいて、それぞれ、電力値P1,P2,P3,・・・,PVを有する受信電力の等高線CTR_1,CTR_2,CTR_3,・・・,CTR_Vが作成される。等高線CTR_1は、受信電力の重心点((xG(za1),yG(za1))を中心とし、最大距離LMAX_1(P1,za1)を半径とする円形形状を有する。等高線CTR_2は、受信電力の重心点((xG(za2),yG(za2))を中心とし、最大距離LMAX_2(P2,za2)を半径とする円形形状を有する。等高線CTR_3は、受信電力の重心点((xG(za3),yG(za3))を中心とし、最大距離LMAX_3(P3,za3)を半径とする円形形状を有する。以下、同様にして、等高線CTR_Vは、受信電力の重心点((xG(zaV),yG(zaV))を中心とし、最大距離LMAX_V(PV,zaV)を半径とする円形形状を有する(図20参照)。
受信電力の等高線CTR_1~CTR_Vは、異なる高さza1~zaVにおいて作成され、それぞれ、異なる半径(最大距離LMAX_1(P1,za1)~LMAX_V(PV,zaV))および異なる電力値P1~PVを有する。
従って、図17および図18に示すフローチャートは、任意の高さにおいて任意の電力値を有する受信電力の複数の等高線CTRを作成する動作を示すものである。
図21は、図1に示す電力推定装置1の別の動作を説明するためのフローチャートである。
図21を参照して、電力推定装置1の動作が開始されると、作成手段16は、図15に示すフローチャート、または図17に示すフローチャート(図18に示すフローチャートを含む)を実行する(ステップS21)。そして、作成手段16は、作成した受信電力の等高線CTRを推定手段17へ出力する。
推定手段17は、受信電力の等高線CTRを作成手段16から受け、その受けた受信電力の等高線CTRに基づいて受信電力を推定する(ステップS22)。この場合、推定手段17は、上述した方法によって、電波の伝搬モデルを用いて受信電力を推定する。そして、ステップS22の後、電力推定装置1の動作が終了する。
なお、電力推定装置1の動作は、ソフトウェアによって実行されてもよい。この場合、電力推定装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。
ROMは、図15に示すフローチャートからなるプログラムProg_A、図17に示すフローチャート(図18に示すフローチャートを含む)からなるプログラムProg_B、および図21に示すフローチャートからなるプログラムProg_Cのいずれかを格納する。
そして、CPUは、プログラムProg_A,Prog_B,Prog_CのいずれかをROMから読み出し、その読み出したプログラムProg_A,Prog_B,Prog_Cのいずれかを実行して受信電力の等高線CTRの作成、または受信電力の等高線CTRの作成および受信電力の推定を行う。
この場合、RAMは、端末装置2から受信したモニター情報MNTおよび関係式EQ1~EQ3等の記憶に用いられるとともに各種の演算に用いられる。
また、プログラムProg_A,Prog_B,Prog_Cのいずれかは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。この場合、CPUは、装着された記録媒体からプログラムProg_A,Prog_B,Prog_Cのいずれかを読み出して実行し、受信電力の等高線CTRの作成、または受信電力の等高線CTRの作成および受信電力の推定を行う。従って、プログラムProg_A,Prog_B,Prog_Cのいずれかを記録したCD,DVD等の記録媒体は、コンピュータ(CPU)が読み取り可能な記録媒体である。
上記においては、受信電力の等高線CTRは、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離LMAXを半径とする円形形状を有すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、受信電力の等高線CTRは、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離LMAXを長径とする楕円形状を有していてもよい。
図22は、楕円形状を有する受信電力の等高線CTRの作成方法を説明するための図である。
図22において、白四角は、電力値P以上の受信電力を有する測定点を示し、黒四角は、電力値P未満の受信電力を有する測定点を示し、白丸は、受信電力の重心点RSSI_Gを示す。
図22を参照して、作成手段16は、上述した方法によって、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離LMAXを半径とする円形形状を有する受信電力の等高線CTR5を作成する。
そして、作成手段16は、受信電力の等高線CTR5に基づいて、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離LMAXを長径とするとともに距離L’MAXを短径とする楕円形状を有する受信電力の等高線CTR6を作成する。ここで、距離L’MAXは、電力値P以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gからの距離が最大距離LMAXの次に長い測定点2-2と受信電力の重心点RSSI_Gとの距離である。
また、この発明の実施の形態においては、受信電力の等高線CTRは、多角形の形状を有していてもよい。
図23は、多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRの作成方法を説明するための図である。
図23において、白四角は、電力値P以上の受信電力を有する測定点を示し、黒四角は、電力値P未満の受信電力を有する測定点を示し、白丸は、受信電力の重心点RSSI_Gを示す。
図23を参照して、作成手段16は、上述した方法によって、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離LMAXを半径とする円形形状を有する受信電力の等高線CTR5を作成する。
そして、作成手段16は、円形形状を有する受信信号の等高線CTR5に内接する正八角形30を形成する(図23の(a)参照)。
その後、作成手段16は、正八角形の各頂点が、電力値P以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gからできるだけ遠い位置に存在する測定点2-1~2-8に位置するように正八角形30を変形し、八角形の形状を有する受信電力の等高線CTR7を作成する(図23の(b)参照)。
作成手段16は、図23において説明した作成方法と同じ作成方法によって、八角形以外の多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する。
このように、作成手段16は、円形形状を有する受信電力の等高線CTRに限らず、楕円形状を有する受信電力の等高線CTRまたは多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRを作成する。
従って、図15に示すフローチャートのステップS13または図18に示すフローチャートのステップS164において、作成手段16は、円形形状を有する受信電力の等高線CTRに代えて、楕円形状を有する受信電力の等高線CTRまたは多角形の形状を有する受信電力の等高線CTRを作成してもよく、一般的には、作成手段16は、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、受信電力の重心点RSSI_Gからの距離が最も長い最大距離LMAXを半径とする円形形状を有する第1の等高線、受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離LMAXを長径とする楕円形状を有する第2の等高線、および受信電力の重心点RSSI_Gを中心とし、かつ、最大距離LMAXを中心から1つの頂点までの距離とする多角形の形状を有する第3の等高線のいずれかを任意の高さzにおいて作成すればよい。
モニター情報MNTは、共用周波数fcom_iを含むため、電力推定装置1は、上述した方法によって、各共用周波数fcom_iを用いて電波を送信した場合における受信電力の等高線CTRを作成し、その作成した受信電力の等高線CTRに基づいて受信電力を推定する。
また、電力推定装置1は、例えば、端末装置2が15:00に無線通信を行う場合、14:00~15:00までの間に複数の端末装置2から送信された複数のモニター情報MNTに基づいて、上述した方法によって、任意の高さzにおける受信電力の等高線CTRを作成し(端末装置2における電波の受信感度以下の領域における受信電力の等高線CTRの作成も含む)、その作成した受信電力の等高線CTRに基づいて、各場所における受信電力を推定し、その推定結果に基づいて、共用周波数fcom_iを用いて無線通信を行うときの通信条件(共用周波数fcom、場所および送信電力等)を決定する。
そして、各端末装置2は、電力推定装置1によって決定された通信条件を用いて無線通信を行う。
その結果、電力推定装置1によって推定された受信電力は、フェージングを抑制して推定された受信電力であるため、送信電力は、フェージングが抑制された電波環境において信号を送信先へ送信できるように決定される。従って、スループットを高くして信号を送信先へ送信できる。
また、上記においては、分割領域REG_DV1~REG_DVqの各々において、高さ方向の領域SPC1~SPCmの各々は、高さ方向の同じ長さhを有すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、建物20の高さHB(または平均高さ)以下の位置に存在する領域SPC1,SPC2においては、高さ方向に長さh1を有し、建物20の高さHB(または平均高さ)よりも高い位置に存在する領域SPCmにおいては、高さ方向に長さh1よりも長い長さh2を有するようにしてもよい。
建物20の高さHB(または平均高さ)よりも高い領域においては、電波が伝搬するときの障害物が少ないので、高さ方向に長さを短くしなくても、電波の受信電力の電力分布を正確に推定することができる。
一方、建物20の高さHB(または平均高さ)よりも低い領域においては、電波が伝搬するときの障害物が多いので、高さ方向に長さを短くした方が電波の受信電力の電力分布を正確に推定することができる。
図24は、この発明の実施の形態によるデータ構造の概略図である。図24を参照して、データ構造D_STR1は、端末装置ID、時間情報、端末装置2の位置情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源IDおよび受信電力が相互に対応付けられた構造を有する。端末装置ID、時間情報、端末装置2の位置情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源IDおよび受信電力は、モニター情報MNTを構成する。
端末装置IDは、端末装置2の識別情報である。時間情報は、受信電力が検出された時刻を示す。そして、時間情報は、年/月/日/時間/分/秒(YYYY/MM/DD/HH/MM/SS)の形式によって表される。端末装置2の位置情報は、緯度と、経度と、高さとを含む。緯度および経度は、GPSによって検出され、高さは、高度計によって検出される。そして、高さは、端末装置2が静止または移動している地面からの高さを示す。
周波数帯域IDは、複数の端末装置2が共用する周波数帯域の識別情報である。サブキャリアNo.は、サブキャリアの番号を示す。波源IDは、1次利用者の電波を発する波源の識別情報である。受信電力は、各端末装置2が受信した電波の受信電力である。
端末装置IDは、抽出手段13が、対応する受信電力が同じ端末装置2で検出されたか否かを判定するのに用いられる。時間情報は、抽出手段13が、対応する受信電力が同じ時刻に検出されたか否かを判定するのに用いられる。端末装置2の位置情報は、抽出手段13が、対応する受信電力が同じ位置で検出されたか否か、または対応する受信電力が所定の領域SPC内で検出された否かを判定するのに用いられる。また、位置情報は、処理手段14が、複数の端末装置2間の距離、端末装置2と波源との距離および受信電力の重心点から最も遠い位置に存在する端末装置を検出するのに用いられる。
周波数帯域IDは、抽出手段13が、同じ周波数帯域の受信電力を抽出するために用いられる。サブキャリアNo.は、抽出手段13が、対応する受信電力を有する電波が伝送されたサブキャリアを判定するのに用いられる。波源IDは、抽出手段13が、同じ波源から送信された電波の受信電力を抽出するのに用いられる。
受信電力は、処理手段14が、複数の受信電力のうちの最大の受信電力を検出するのに用いられる。また、受信電力は、作成手段16が、作成すべき電力の等高線の電力値以上の受信電力を検出するのに用いられる。
複数のモニター情報MNTに含まれる複数の受信電力のうち、受信電力の最大値を含むk個のモニター情報は、抽出手段13によって複数のモニター情報から抽出されるのに用いられる。
抽出手段13によって抽出されたk個のモニター情報は、処理手段14が受信電力によって重み付けされたk個の端末装置2の位置の平均である受信電力の重心点(xG,yG)を求めるのに用いられる。
抽出手段13によって抽出されたk個のモニター情報に含まれるk個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力と、受信電力の等高線における電力値以上の受信電力に対応付けられた位置情報とは、処理手段14が、受信電力の重心点(xG,yG)から最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点(xG,yG)との距離である最大距離LMAXを求めるのに用いられる。
処理手段14によって求められた受信電力の重心点(xG,yG)は、演算手段15が受信電力の重心点(xG,yG)と高さzとの関係を示す第1の関係式(関係式EQ1,EQ2)を求めるのに用いられる。
処理手段14によって求められた最大距離LMAXは、演算手段15が、作成すべき受信電力の等高線の電力値に対応し、かつ、最大距離LMAXと高さzとの関係を示す第2の関係式(関係式EQ3(EQ3_1~EQ3_Nを含む))を求めるのに用いられる。
演算手段15によって求められた第1の関係式(関係式EQ1,EQ2)および第2の関係式(関係式EQ3(EQ3_1~EQ3_Nを含む))は、作成手段16が、任意の高さにおいて、任意の電力値を有する受信電力の等高線を作成するのに用いられる。
第1の等高線は、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を半径とする円形形状を有し、第2の等高線は、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を長径とする楕円形状を有し、第3の等高線は、受信電力の重心点を中心とし、かつ、最大距離を中心から1つの頂点までの距離とする多角形の形状を有する。
好ましくは、抽出手段13によって抽出されたk個のモニター情報に含まれるk個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値よりも小さい受信電力と、受信電力の等高線における電力値よりも小さい受信電力に対応付けられた位置情報とは、推定手段17が、受信電力の等高線に基づいて、対象領域SPC内の所望の場所において電波の受信電力を推定するのに用いられる。
好ましくは、受信電力の等高線の電力値を有する受信電力は、作成手段16が、端末装置2における電波の受信感度以下の領域において、既に作成した受信電力の等高線上の電力値よりも所望の電力値だけ低い受信電力になる電力低下距離を電波の伝搬モデルに基づいて求め、既に作成した受信電力の等高線から電力低下距離だけ離れ、かつ、既に作成した受信電力の等高線と相似形を有する等高線を電波の受信感度以下の領域における受信電力の等高線として作成するのに用いられる。
データ構造D_STR1は、電力推定装置1(またはプログラムProg_A,Prog_B,Prog_Cのいずれか)が上述した方法によって受信電力の等高線を作成するのに用いられる。そして、データ構造D_STR1は、端末装置ID、時間情報、端末装置2の位置情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源IDおよび受信電力の全てを含む必要はなく、端末装置2の位置情報、周波数帯域IDおよび受信電力を少なくとも含み、端末装置2の位置情報、周波数帯域IDおよび受信電力が相互に対応付けられた構造を有していればよい。データ構造D_STR1が端末装置2の位置情報、周波数帯域IDおよび受信電力を少なくとも含んでいれば、電力推定装置1(またはプログラムProg_A,Prog_B,Prog_Cのいずれか)が、上述した方法によって、任意の高さにおける受信電力の等高線を作成することができるからである。この場合、端末装置2の位置情報、周波数帯域IDおよび受信電力は、モニター情報を構成する。
図25は、この発明の実施の形態による別のデータ構造の概略図である。この発明の実施の形態によるデータ構造は、図25に示すデータ構造D_STR2であってもよい。
図25を参照して、データ構造D_STR2は、推定1次利用者ID、時間情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源ID、等高線の中心位置、等高線の電力値および等高線の半径が相互に対応付けられた構造を有する。周波数帯域ID、サブキャリアNo.および波源IDについては、図24において説明したとおりである。
時間情報は、受信電力の等高線が作成された時刻を示す。そして、時間情報は、年/月/日/時間/分/秒(YYYY/MM/DD/HH/MM/SS)の形式によって表される。推定1次利用者IDは、推定された1次利用者の識別情報である。等高線の中心位置は、緯度と、経度と、高さとを含む。緯度および経度は、GPSによって検出され、高さは、高度計によって検出される。そして、高さは、等高線の中心位置の地面からの高さを示す。等高線の電力値は、作成された等高線上の電力値である。等高線の半径は、作成された等高線が円形状である場合の円の半径であり、受信電力の重心点(xG,yG)から等高線までの距離である。
時間情報は、作成手段16が受信電力の等高線を作成した時刻を特定するのに用いられる。周波数帯域IDは、作成手段16が、同じ周波数帯域の受信電力に基づいて受信電力の等高線を作成したことを示すのに用いられる。サブキャリアNo.は、作成手段16が受信電力の等高線を作成するときの元になった受信電力を有する電波が伝送されたサブキャリアを判定するのに用いられる。波源IDは、作成手段16が作成した受信電力の等高線の波源を特定するのに用いられる。
周波数帯域IDは、抽出手段13が、k個の端末装置が共用する共用周波数を識別するのに用いられる。等高線の中心位置を示す位置情報は、k個の端末装置から受信したk個のモニター情報に含まれるk個の受信電力とk個の端末装置のk個の位置情報とに基づいて受信電力によって重み付けされたk個の端末装置の位置の平均を処理手段14が演算した結果である受信電力の重心点(xG,yG)からなる。等高線の半径は、k個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点(xG,yG)から最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点(xG,yG)との距離を処理手段14が演算した結果である最大距離LMAXからなる。等高線の電力値は、周波数帯域ID(共用周波数)を有する電波の電力値であり、作成手段16によって検出された電力値である。
好ましくは、共用周波数が既に割り当てられている1次利用者の波源の識別情報は、作成手段16によって、共用周波数、等高線の中心位置を示す位置情報、等高線の電力値および等高線の半径に更に対応付けられた構造を有する。
データ構造D_STR2は、推定1次利用者ID、時間情報、周波数帯域ID、サブキャリアNo.、波源ID、等高線の中心位置、等高線の電力値および等高線の半径の全てを含む必要はなく、周波数帯域ID、等高線の中心位置を示す位置情報、等高線の電力値および等高線の半径を少なくとも含み、周波数帯域ID、等高線の中心位置を示す位置情報、等高線の電力値および等高線が相互に対応付けられた構造を有していればよい。データ構造D_STR2が周波数帯域ID、等高線の中心位置を示す位置情報、等高線の電力値および等高線を少なくとも含んでいれば、作成手段16によって作成された受信電力の等高線を表すことができるからである。
データ構造D_STR2は、電力推定装置1(またはプログラムProg_A,Prog_B,Prog_Cのいずれか)が上述した方法によって作成した受信電力の等高線を表すのに用いられる。データ構造D_STR2は、コンピュータに入力され、CPUによって記憶手段に記憶される。そして、データ構造D_STR2は、CPUによって表示手段に表示され、または紙媒体等に印刷される。また、データ構造D_STR2は、画像ソフトを実行したCPUによって受信電力の等高線を示す画像を表示手段に表示するのに用いられてもよい。更に、データ構造D_STR2は、受信電力の等高線から所望の距離だけ離れた位置における電波の電力値をCPUが演算するのに用いられてもよい。
上記においては、電力推定装置1は、複数の端末装置2において検出された複数のモニター情報MNTに基づいて任意の高さにおける受信電力の等高線CTRを作成し、その作成した受信電力の等高線CTRに基づいて各場所における受信電力を推定すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、電力推定装置1は、上述した方法によって、複数のモニター情報MNTに基づいて任意の高さにおける受信電力の等高線CTRを作成するだけでもよい。異なる電力値Pを有する受信電力の複数の等高線CTRを作成すれば、その作成された受信電力の複数の等高線CTRに基づいて、最も大きい電力値Pを有する受信電力の等高線CTRよりも波源S側の領域REG1、および電力値Pが異なる2つの受信電力の等高線CTRの間の領域REG2における受信電力が分かるので、これらの領域REG1,REG2における受信電力を推定できるからである。
従って、この発明の実施の形態による電力推定装置は、電波の受信電力を推定する対象領域において無線通信に用いられる複数の周波数のうち、複数の端末装置が無線通信に共用する共用周波数を有する電波の受信電力の等高線を作成する電力推定装置であって、複数の端末装置から送信され、かつ、各々が端末装置の位置を示す位置情報と端末装置における電波の受信電力とを含む複数のモニター情報から、受信電力の最大値を含むk(kは、2以上の整数)個のモニター情報を抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出されたk個のモニター情報に基づいて受信電力によって重み付けされたk個の端末装置の位置の平均を受信電力の重心点として求めるとともに、k個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点から最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点との距離を最大距離として求める第1の処理をm(mは、2以上の整数)個の高さについて実行する処理手段と、処理手段によって求められたm個の受信電力の重心点およびm個の最大距離と、m個の高さとに基づいて受信電力の重心点と高さとの関係を示す第1の関係式と、受信電力の複数の電力値に対応付けられ、かつ、各々が最大距離と前記高さとの関係を示す複数の第2の関係式とを演算する演算手段と、第1の関係式に基づいて任意の高さにおける受信電力の重心点を求め、複数の第2の関係式のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値に対応する第2の関係式に基づいて任意の高さにおける最大距離を求め、その求めた受信電力の重心点および最大距離を用いて、作成すべき受信電力の等高線を作成する作成手段とを備えていればよい。
また、この発明の実施の形態による無線通信システムは、任意の高さにおいて受信電力の等高線CTRを作成する電力推定装置を備えていればよい。
更に、この発明の実施の形態によるプログラムは、電波の受信電力を推定する対象領域において無線通信に用いられる複数の周波数のうち、複数の端末装置が無線通信に共用する共用周波数を有する電波の受信電力の等高線の作成をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、抽出手段が、複数の端末装置から送信され、かつ、各々が端末装置の位置を示す位置情報と端末装置における電波の受信電力とを含む複数のモニター情報から、受信電力の最大値を含むk(kは、2以上の整数)個のモニター情報を抽出する第1のステップと、処理手段が、第1のステップにおいて抽出されたk個のモニター情報に基づいて受信電力によって重み付けされたk個の端末装置の位置の平均を受信電力の重心点として求めるとともに、k個の受信電力のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値以上の受信電力を有し、かつ、受信電力の重心点から最も遠い位置に存在する端末装置と受信電力の重心点との距離を最大距離として求める第1の処理をm(mは、2以上の整数)個の高さについて実行する第2のステップと、演算手段が、第2のステップにおいて求められたm個の受信電力の重心点およびm個の最大距離と、m個の高さとに基づいて受信電力の重心点と高さとの関係を示す第1の関係式と、受信電力の複数の電力値に対応付けられ、かつ、各々が最大距離と高さとの関係を示す複数の第2の関係式とを演算する第3のステップと、作成手段が、第1の関係式に基づいて任意の高さにおける受信電力の重心点を求め、複数の第2の関係式のうち、作成すべき受信電力の等高線における電力値に対応する第2の関係式に基づいて任意の高さにおける最大距離を求め、その求めた受信電力の重心点および最大距離を用いて、作成すべき受信電力の等高線を作成する第4のステップとをコンピュータに実行させればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。