JP2013258250A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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Koji Ogiso
晃司 小木曽
Masahiko Kimura
雅彦 木村
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Abstract

【課題】圧電素子に加わる応力をより一層小さくすることができ、クラックがより一層生じ難い圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】第1の面5cと、第1の面5cと対向する第2の面5dとを有し、第1の面5cと第2の面5dとを結ぶ第1の方向または第1の方向と直交する第2の方向に分極処理された圧電体5と、圧電体5の分極方向Pと直交する方向に電界を印加するために、圧電体5の外表面に形成された第1,第2の励振電極6,7とを有する圧電素子2の第1の面5cに第1の被動板4が固定されており、圧電素子2の第2の面5dに第2の被動板4Aが固定されている、圧電アクチュエータ1。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電素子を用いた圧電アクチュエータに関し、より詳細には、厚み滑り歪み効果による圧電素子の変位を利用した圧電アクチュエータに関する。
従来、プリンタのヘッドやハードディスクドライブのヘッドを駆動するためなどに、圧電アクチュエータが広く用いられている。
下記の特許文献1には、圧電滑り歪み効果を利用した圧電アクチュエータが開示されている。特許文献1に記載の圧電アクチュエータでは、圧電滑り歪み効果を利用している圧電素子の片面に被動部材が固定されている。被動部材は、圧電素子の変形を受けて変位する。
特開2010−179537号公報
特許文献1に記載の圧電アクチュエータでは、圧電素子の圧電滑り歪み効果による変形を利用して被動部材を変位させている。従って、圧電素子におけるクラックや破壊が生じ難いとされている。
しかしながら、圧電素子の片面に金属板などからなる被動部材が貼り付けられているため、圧電素子が固定部分からの応力の影響を受けやすかった。例えば、圧電素子に片持ち梁や両持ちで被動板を固定する構造では、圧電素子の被動板が固定されている面とは異なる面で圧電素子を固定することとなる。従って、固定部分に応力が集中するため、圧電素子におけるクラックや破壊が生じるおそれがなお存在していた。
なお、特許文献1に記載の圧電アクチュエータにおいて、圧電素子が円環状の場合には、圧電素子の外周面で固定することができる。この場合には、上記応力の影響を軽減することができる。しかしながら、圧電素子の片面にのみ被動部材が貼り付けられている構成であるため、被動板を変位させることにより得られる機能が限られていた。
本発明の目的は、圧電素子に加わる応力をより一層小さくすることができ、様々な機能を発現させ得る圧電アクチュエータを提供することにある。
本発明に係る圧電アクチュエータは、第1の面と、第1の面と対向する第2の面とを有する圧電素子と、圧電素子の第1の面に固定された第1の被動板と、圧電素子の第2の面に固定された第2の被動板とを備える。本発明では、圧電素子は、厚み滑り歪み効果を利用している。圧電素子は、上記第1の面と第2の面とを結ぶ方向を第1の方向としたときに、第1の方向または第1の方向と直交する第2の方向に分極処理された圧電体を有する。また、圧電体の上記分極方向と直交する方向に電界を印加するために、圧電体の外表面に第1,第2の励振電極が形成されている。
本発明の係る圧電アクチュエータのある特定の局面では、前記第1の被動板と前記第2
の被動板とが同じ可撓性板からなる。この場合には、部品の種類を低減でき、組立工程を簡略化することができる。
本発明に係る圧電アクチュエータの他の特定の局面では、前記第1の被動板と、前記第2の被動板とが、材料及び厚みの少なくとも一方が異なる可撓性板からなる。この場合には、第1の被動板と第2の被動板とが異なるため、第1の被動板の変形の程度と、第2の被動板の変形の程度とを異ならせることができる。従って、第1,第2の被動板に挟まれている部分の体積を変化させることができる。
本発明に係る圧電アクチュエータのさらに別の特定の曲面では、前記圧電体が、前記第1及び第2の面を結ぶ円筒状曲面からなる内周側面と、円筒状曲面からなる外周側面とを有するドーナツ型の形状を有する。
本発明に係る圧電アクチュエータの他の特定の局面では、前記分極方向が前記ドーナツ型の形状を有する圧電体の径方向であり、前記第1,第2の励振電極が前記圧電体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成されている。
本発明に係る圧電アクチュエータのさらに別の特定の局面では、前記分極方向が前記ドーナツ型の形状を有する前記圧電体の前記第1の方向であって、前記第1,第2の励振電極が前記圧電体の前記内周側面及び前記外周側面にそれぞれ形成されている。
本発明に係る圧電アクチュエータの他の特定の局面では、前記圧電素子として、第1,第2の圧電素子を有し、前記第1,第2の被動板が、前記第1,第2の圧電素子により両持ちで支持されている。
本発明に係る圧電アクチュエータのさらに別の特定の局面では、前記第1,第2の被動板が、前記圧電素子に片持ち梁で支持されており、前記第1,第2の被動板が圧電素子に支持されている部分と異なる部分で連結部材により連結されている。
本発明に係る圧電アクチュエータにおいては、上記第1,第2の被動板は、好ましくは、金属板からなる。この場合には、脆性破壊が生じ難いため、耐久性を高めることができる。
本発明に係る圧電アクチュエータによれば、厚み滑り歪み効果を利用した圧電素子の第1及び第2の面すなわち両面に第1,第2の被動板がそれぞれ固定されている。固定しなくとも圧電素子単体で変位を発生することができるので圧電素子を固定することによる応力の発生を避けることができる。この場合には、圧電素子の第1,第2の被動板が固定されている面とは異なる面において圧電素子を内部から固定することができる。従って、第1,第2の被動板の圧電素子に固定されている部分への応力を効果的に低減することができる。よって、圧電素子のクラックや破壊等をより一層効果的に抑制することができる。
加えて、第1の被動板と第2の被動板とを異ならせることにより様々な機能を発現させることができる。
(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る圧電アクチュエータの分解斜視図及び正面断面図である。 (a)は従来の圧電アクチュエータで利用されている横モードを説明するための模式図であり、(b)は本発明で利用する厚み滑り歪み効果を説明するための模式図である。 (a)及び(b)は、圧電滑り歪み効果を利用した圧電素子の分極方向と電界印加方向との関係を示す各模式的斜視図である。 本発明の第1の実施形態の圧電アクチュエータの駆動時の変位分布を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の圧電アクチュエータのXX成分応力コンター図におけるスケールを説明するための図である。 (a)は本発明の第1の実施形態に係る圧電アクチュエータのXX成分応力コンター図であり、(b)は(a)中の円Aで囲まれた部分の拡大図である。 第1の実施形態の変形例に係る圧電アクチュエータの模式的正面断面図である。 図7に示した変形例の圧電アクチュエータの駆動時の変位分布を示す正面断面図である。 (a)〜(c)は、第2の実施形態の圧電アクチュエータの斜視図、正面断面図及び駆動時の変形状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る圧電アクチュエータの模式的斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る圧電アクチュエータの模式的斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る圧電アクチュエータの分解斜視図及び正面断面図である。
圧電アクチュエータ1は、ドーナツ型の形状を有する圧電素子2と、圧電素子2に接着剤層3,3Aを介してそれぞれ接合された円板状の第1,第2の被動板4,4Aとを有する。
圧電素子2は、圧電体5を有する。圧電体5は、ドーナツ状の形状を有する。圧電体5は、円筒状曲面からなる内周側面5aと、円筒状曲面からなる外周側面5bと、平面状の上面5cと、平面状の下面5dとを有する。上面5cが第1の面であり、下面5dが第1の面と対向する第2の面である。この第1の面と第2の面とを結ぶ方向、本実施形態では上面5cと下面5dとを結ぶ方向を第1の方向とする。
上記圧電体5は、適宜のペロブスカイト型圧電セラミックスにより形成することができる。このような材料としては、PbNiNb−PbZrTi系セラミックス、PbZrNb−PbZrTi系セラミックスあるいはこれらの固溶系のセラミックスなどを例示することができる。
圧電体5は、図示の矢印Pで示す方向に分極処理されている。すなわち、言い換えれば、前述した第1の方向と直交する第2の方向に圧電体5が分極処理されている。上記のように上記ドーナツ型の形状における径方向に圧電体5が分極処理されている。このような分極処理は、圧電体5の内周側面5aと外周側面5bとに、それぞれ分極用の電極を形成し、両者の間に直流電圧を印加することにより容易に行われ得る。分極後に分極用電極を削除すればよい。
他方、圧電体5の上面5c上には、第1の励振電極6が形成されており、下面5d上には、第2の励振電極7が形成されている。第1,第2の励振電極6,7は、圧電体5と同じ平面形状を有する。すなわち、励振電極6,7もまた、円環状の形状を有する。駆動に際しては、第1,第2の励振電極6,7間に励振電圧が印加される。従って、励振電圧印
加方向は第1の方向となり、分極方向Pと直交する方向となる。
上記励振電極6,7は、Ag、Al、Cu、Ag−Pd合金などの適宜の金属もしくは合金からなる。
接着剤層3,3Aは、第1,第2の被動板4,4Aを圧電体5に接合し得る限り、適宜の接着剤により形成され得る。このような接着剤として、本実施形態では、エポキシ系接着剤が用いられているが、特に限定されるものではない。例えば、フェノール樹脂系接着剤のような他の熱硬化性樹脂を主体とする接着剤を用いてもよい。
上記接着剤層3,3Aは、エポキシ樹脂系接着剤を上記第1の励振電極6上の全面に塗布し、被動部材4,4Aを貼り合わせた後、加熱することにより形成されている。従って、接着剤層3,3Aは、第1の励振電極6と同じ平面形状を有する。
被動板4,4Aは、本実施形態では、円板状の金属板からなる。金属板を構成する金属は特に限定されず、リン青銅、ステンレスなどを挙げることができる。金属板からなる被動部材4,4Aは、外力が加わると容易に弾性変形する。金属板からなる被動部材4,4Aは、圧電セラミックスからなる圧電体5に比べ脆性破壊しにくく、弾性限界となる歪みが圧電セラミックスよりも大きい材料である。
次に、圧電アクチュエータ1を駆動した場合に、大きな変位を得ることができ、かつ圧電体5におけるクラックや破壊が生じ難いことを説明する。
圧電アクチュエータ1の駆動に際しては、第1,第2の励振電極6,7間に直流電圧を印加する。その結果、圧電滑り歪み効果により、圧電体5が変形する。この圧電体の変形を受けて、圧電体5に貼り合わされている被動板4,4Aが変位する。
すなわち、圧電体5が円環状の形状を有するため、内周側面5aで囲まれた空間においては、金属板からなる第1,第2の被動板4,4Aは拘束されていない。従って、圧電体5が変形すると、圧電体5に貼り合わされている被動板4,4Aが下方または上方に突出するように大きく変位する。特に、上記圧電体5の内周側面5aで囲まれた空間では、被動板4,4Aが圧電体5により拘束されていないので、被動板4,4Aの中心部分が最も大きく変位し、下方または上方に突出することとなる。よって、大きな変位量を得ることができる。
上記のように大きな変位量を得ることができるのは、圧電体5の圧電滑り歪み効果を利用していることによる。これを、図2(a)及び(b)を参照して説明する。図2(a)は、圧電横効果を利用した圧電アクチュエータの変形状態を示す模式図であり、(b)は圧電滑り歪み効果を利用した圧電アクチュエータの変形状態を示す模式図である。なお、図2(b)に示す圧電素子31は断面が矩形の圧電素子であるが、この圧電素子31の変形部分は、上記実施形態の圧電素子2の図1(b)に示されている一方の横断面部分の変形状態と同様である。従って、圧電素子2の変形状態を図2(b)の圧電素子31の変形状態を代用して説明することとする。
図2(b)に示す圧電素子31では、実線で示す状態から、破線で示す平行四辺形の形状に圧電素子31が変形する。すなわち、斜め方向に変形することとなる。よって、圧電素子31の例えば一端31aを拘束した場合、他端31bの延長線上の点では、大きな変位量を得ることができる。この一端31aは、前述した円環状の圧電素子の場合、外周側面5bに相当することとなる。すなわち、圧電素子2では、外周側面5bにより機械的に支持したとしても、大きな変位量を得ることができる。これに対して、図2(a)に示す
圧電横効果を利用した場合には、圧電体121は、実線で示す状態と破線で示す状態との間で変形する。従って、圧電体121の長さ方向一端121aを拘束した場合、変形が抑制され、他端121b側において大きな変位量を得ることはできない。
図4は、上記実施形態の圧電アクチュエータ1の変位分布を示す図である。この変位分布は、以下の圧電アクチュエータ1をモデルとして有限要素法により解析することにより得られた結果である。
圧電体5:内径20mm、外形30mm、内周側面5aと外周側面5bとの間の寸法=5mm、厚み1mm。材料は、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス
被動板4,4A:リン青銅板、直径30mm、厚み0.2mm
図4から明らかなように、ドーナツ型の圧電体5の外周縁はほとんど変位していない。従って、ドーナツ型の圧電体5の外周側面5bにより機械的に支持したとしても、変位はほとんど拘束されない。そして、図2(b)に示した圧電素子31の場合と同様に、断面視した場合、図4に示すように、ドーナツ型の圧電体5の内周側面5a側が大きく変位している。加えて、圧電体5の両面に貼り合わされている第1,第2の被動板4,4Aの中心部分がより一層大きく変位することがわかる。
また、上記圧電アクチュエータ1に、境界条件として、第1の励振電極の電圧が+10V、第2の励振電極の電圧が−10Vとなるように厚み方向に電界を印加し、その応力分布を求めた。結果を図6(a),(b)に示す。なお、図6(a),(b)のハッチングを付した領域の応力値は、図5に示すスケールの応力量範囲であることを示す。図5における6.0e+004は、応力が+6.0×10であることを示す。図6(a),(b)から明らかなように、第1,第2の被動板4,4Aの中心部分において、引張応力が最も大きいことがわかる。
図4及び図6(a),(b)から明らかなように、第1,第2の被動板4,4Aは、中央部分において、圧電体5から最も離れているため、中央部分が最も大きく変位している。他方、圧電体5においては、圧電滑り歪み効果によってしか変形していない。従って、圧電体5にさほど大きな応力は生じていない。すなわち、圧電体5において圧電滑り歪み効果により生じた変位が、第1,第2の被動板4,4Aに伝えられ、該被動板4,4Aにおいて中央が大きく変位していることがわかる。
よって、本実施形態によれば、圧電滑り歪み効果を利用して大きな変位量を得ることができる。しかも、圧電体5には、クラックに至らせるような大きな引張応力が加わり難い。また、第1,第2の被動板4,4Aが圧電体5の両面に貼り合わされている。この場合、固定せずとも、圧電素子2単体で変位を発生することができるため、圧電素子2を固定することによる応力の発生を避けることができる。例えば圧電体5の主面と直交する方向をZ軸方向とした場合、Z軸方向両側から圧電素子2を一対のプレートで挟み込む構造を想定する。この構造では、圧電素子2が変形すると、プレートを移動させることができる。このような構造の場合圧電素子2を固定することが不要となる。従って、固定による応力が生じない。
また、例えば第1,第2の被動板4,4Aのうち一方の被動板を一対の固定部材で挟み込んだり、他の部材に接着して固定してもよい。その場合においても、圧電体5の固定による応力が生じ難い。従って、圧電体5の破壊やクラックの発生をより一層効果的に抑制することが可能とされている。
図7は、第1の実施形態の変形例に係る圧電アクチュエータ21を示す模式的正面断面図である。本変形例の圧電アクチュエータ21では、第2の被動板22が、第1の被動板
4よりも薄くされている。このように、第1の被動板4に比べ、第2の被動板22を薄くしてもよい。この場合には、第1の被動板4と第2の被動板22との変位量が異なることになる。図8は、圧電アクチュエータ21の有限要素法により解析した変位分布を示す図である。
図8から明らかなように、厚みが相対的に薄い第2の被動板22が第1の被動板4よりも大きく変位している。このように、第1の被動板4と第2の被動板22を異ならせることにより、第1,第2の被動板4,22の変形量を異ならせることができる。この場合には、第1の被動板4と第2の被動板22との間の体積が圧電アクチュエータ1を駆動することにより変化させることができる。従って、第1の被動板4と第2の被動板22との間の空間の体積の変化を利用して、ポンプ等に応用することができる。
なお、図7では、第1の被動板4に比べて、第2の被動板22の厚みを薄くしていたが、逆に第1の被動板4の厚みが相対的に薄くされていてもよい。
さらに、第1の被動板4と第2の被動板22との変形量を異ならせるには、第1の被動板4と第2の被動板22を構成する材料を異ならせてもよい。例えば、第1の実施形態のように、同じ厚みの第1の被動板4及び第2の被動板4Aにおいて、一方を他方よりも変形しやすい材料により構成してもよい。
このように、第1の被動板と第2の被動板とを異ならせるには、厚み及び材料の少なくとも一方を変化させればよい。
上記のように第1,第2の被動板とを異ならせることにより、圧電アクチュエータにおいて様々な機能を発現させることができる。
図3(a)〜(b)は、このような圧電滑り歪み効果を利用した圧電素子の変形例を説明するための各模式的斜視図である。
図3(a)に示す圧電素子32では、上記圧電体5の場合と同様に、分極方向Pが水平方向であり、電界印加方向Eが該水平方向と直交する方向とされている。
他方、図3(b)に示す圧電素子33では、分極方向Pが圧電素子33の上面と下面とを結ぶ方向であり、電界印加方向Eが水平方向とされている。このように、圧電滑り歪み効果を利用するに際し、分極方向と電界印加方向が直交する限り、分極方向は水平方向に限らず、様々な方向とすることができる。
なお、図3(a)及び(b)における太線Z1,Z2は、それぞれ、圧電滑り歪み効果で変形した場合の変形状態を模式的に示す図であり、図2(b)に示した破線に相当する図である。
図3(b)の点線の矢印のように電界を印加した場合には、圧電素子33が点線のように変形する。上記のように圧電滑り歪み効果を利用した場合、圧電素子において、比較的大きな変形を得ることができ、しかも上記実施形態のように、本発明では、圧電滑り歪み効果による圧電素子の変形が被動板に伝えられて、被動板において変位が拡大するので、より一層大きな変位量を得ることができる。
図9(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態に係る圧電アクチュエータの斜視図、正面断面図及び変位状態を示す模式的斜視図である。
圧電アクチュエータ41は、第1の実施形態と同様に、ドーナツ型すなわち円環状の圧電素子42を有する。圧電素子42に、接着剤層43,43Aを介して金属板からなる円板状の第1,第2の被動板44,44Aが貼り合わされている。
本実施形態の圧電アクチュエータ41が、第1の実施形態の圧電アクチュエータ1と異なるところは、圧電素子42の分極方向及び励振電極形成位置にある。すなわち、図9(b)に示すように、圧電体45は、圧電体5と同様に、環状の形状を有し、円筒状曲面からなる内周側面45a及び外周側面45bと上面45cと下面45dとを有する。ここでは、上面45cと下面45dとを結ぶ方向、すなわち厚み方向が分極方向Pとされている。すなわち、本発明の第1の方向は、圧電体45の厚み方向とされている。そして、内周側面45a及び外周側面45b上に、それぞれ、第1,第2の励振電極46,47が形成されている。従って、電界印加方向Eは水平方向であり、円環状圧電体45の径方向である。よって、電界印加方向Eが分極方向Pと直交する方向とされている。
本実施形態においても、第1,第2の励振電極46,47間に励振電圧を印加した場合、図9(c)に示すように、圧電滑り歪み効果により圧電素子42が変形し、一点鎖線で示すように第1,第2の被動板44,44Aの中央が下方または上方に突出するように大きく変位することとなる。
また、本実施形態においても、圧電滑り歪み効果を利用しており、変位量が被動板44,44Aにおいて拡大されるので、大きな変位量を取り出すことができる。さらに、圧電体45は、第1の実施形態の圧電体5と同様に変形するため、圧電体45において大きな引っ張り応力は加わり難い。さらに、圧電体5の両面に第1,第2の被動板44,44Aが貼り合わされていることによっても、圧電体5における応力を低減することができる。それによって、クラックの発生をより効果的に抑制することができる。従って、本実施形態においても、圧電体45においてクラックが生じ難く、また圧電素子42における短絡も生じ難い。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る圧電アクチュエータを示す模式的斜視図である。本実施形態の圧電アクチュエータ61では、被動板54,54Aが、矩形の金属板からなるが、該被動板54,54Aが、両持ちで一対の圧電素子52,52により支持されている。圧電素子52,52は、細長いストリップ状の圧電体55と、第1,第2の励振電極56,57とを有する。圧電体55は、圧電セラミックスからなり、矢印Pで示す方向に分極処理されている。すなわち、分極方向は、圧電体55の上面と下面とを結ぶ方向である。圧電体55に電圧を印加するために、第1,第2の側面上に、第1,第2の励振電極56,57が形成されている。よって、電界印加方向Eは、分極方向Pと直交する方向である。よって、第1,第2の励振電極56,57間に励振電圧を印加すると、圧電素子52,52が圧電滑り歪み効果により変形する。その結果、図示の一点鎖線X1,X2で示すように第1,第2の被動板54,54Aが変位する。なお、接着剤層53,53は、第1の実施形態の接着剤層3と同様の材料からなる。
このように、本発明における圧電アクチュエータは、第1,第2の被動板54,54Aを両持ちで圧電素子52,52で支持する構造を有していてもよい。
さらに、図11に示すように、圧電素子52の両面に第1,第2の被動板54,54Aを貼り合わせた圧電アクチュエータ71を構成してもよい。ここでは、第1,第2の被動板54,54Aが長さ方向を有する金属板からなる。第1,第2の被動板54,54Aの一端側において、圧電素子52が接着剤層53を介して第1,第2の被動板54,54A間に接合されている。従って、第1,第2の被動板54,54Aが片持ち梁で圧電素子52に支持されている。ここでは、第1,第2の被動板54,54Aが、圧電素子52に固定されている部分とは異なる部分において、連結部材72により連結されている。
なお、圧電素子52は、圧電アクチュエータ61における圧電素子52と同様に構成されている。従って、第1,第2の励振電極56,57間に直流電圧を印加すると、圧電滑り歪み効果により圧電素子52が変形する。その結果、片持ち梁で支持された第1,第2の被動板54,54Aの圧電素子52に固定されている側とは反対側の端部54cが大きく変位することとなる。本実施形態においても、圧電素子52の両面に第1,第2の被動板54,54Aが貼り合わされた構造を有するため、圧電素子52におけるクラックをより一層効果的に抑制することができる。
上述してきた第1〜第4の実施形態では、被動板として、円板または矩形板状の金属板を用いたが、他の平面形状の被動板を用いてもよい。また、板状でなく、棒状、あるいは無定形形状のような様々な形状の被動部材を用いてもよい。加えて、金属材料に限らず、圧電セラミックスよりも脆性破壊しにくい適宜の材料により、被動部材を形成することができる。このような材料としては、アクリル樹脂などの脆性破壊しにくい硬質の合成樹脂を挙げることができる。
1…圧電アクチュエータ
2…圧電素子
3,3A…接着剤層
4,4A…第1,第2の被動板
5…圧電体
5a…内周側面
5b…外周側面
5c…上面
5d…下面
6,7…第1,第2の励振電極
21…圧電アクチュエータ
22…第2の被動板
31…圧電素子
31a…一端
31b…他端
32,33…圧電素子
41…圧電アクチュエータ
42…圧電素子
43,43A…接着剤層
44,44A…第1,第2の被動板
45…圧電体
45a…内周側面
45b…外周側面
45c…上面
45d…下面
46,47…第1,第2の励振電極
52…圧電素子
53…接着剤層
54,54A…第1,第2の被動板
54c…端部
55…圧電体
56,57…第1,第2の励振電極
61,71…圧電アクチュエータ
72…連結部材
121…圧電体
121a…一端
121b…他端

Claims (9)

  1. 第1の面と、第1の面と対向する第2の面とを有し、第1の面と第2の面とを結ぶ方向を第1の方向としたとき、第1の方向または第1の方向と直交する第2の方向に分極処理された圧電体と、前記圧電体の前記分極方向と直交する方向に電界を印加するために、前記圧電体の外表面に形成された第1,第2の励振電極とを有し、厚み滑り歪み効果を利用した圧電素子と、
    前記圧電素子の第1の面に固定された第1の被動板と、
    前記圧電素子の第2の面に固定された第2の被動板とを備える、圧電アクチュエータ。
  2. 前記第1の被動板と前記第2の被動板とが同じ可撓性板からなる、請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記第1の被動板と、前記第2の被動板とが、材料及び厚みの内の少なくとも一方が異なる可撓性板からなる、請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記圧電体が、前記第1及び第2の面を結ぶ円筒状曲面からなる内周側面と、円筒状曲面からなる外周側面とを有するドーナツ型の形状を有する、請求項1または2に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記分極方向が前記ドーナツ型の形状を有する圧電体の径方向であり、前記第1,第2の励振電極が前記圧電体の第1の面及び第2の面にそれぞれ形成されている、請求項4に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記分極方向が前記ドーナツ型の形状を有する前記圧電体の前記第1の方向であって、前記第1,第2の励振電極が前記圧電体の前記内周側面及び前記外周側面にそれぞれ形成されている、請求項4に記載の圧電アクチュエータ。
  7. 前記圧電素子として、第1,第2の圧電素子を有し、前記第1,第2の被動板が、前記第1,第2の圧電素子により両持ちで支持されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  8. 前記第1,第2の被動板が、前記圧電素子に片持ち梁で支持されており、前記第1,第2の被動板が圧電素子に支持されている部分と異なる部分で連結部材により連結されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  9. 前記第1,第2の被動板が金属板からなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
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