JP2013258011A - 保護素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電流経路を確実に遮断させることができる保護素子を提供する。
【解決手段】ヒューズ1は、プリント基板10と、配線パターン11,12と、半田合金13とを備える。配線パターン11,12は、互いに非接続であり、プリント基板10の表面に形成されている。半田合金13は、配線パターン11と配線パターン12との間を導通させていて、所定温度で溶融する。プリント基板10の表面には、配線パターン11,12および半田合金13を封止するエポキシ樹脂14が形成される。エポキシ樹脂14の表面には、銅箔15を形成している。エポキシ樹脂14および銅箔15には、溶融した半田合金13の溶融部分を樹脂外部へ導く噴出孔を構成する貫通孔14A,15Aを形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、過電流が流れたときに、過電流の熱で経路を溶断し、後段に接続される回路素子等を保護する保護素子に関する。
一般的に、過電流から回路素子を保護するものとして、過電流による発熱で溶断し、電流経路を遮断するヒューズが知られている。ヒューズを用いる場合、ヒューズホルダーを必要とするために、電子機器に内蔵すると、専有スペースが大きくなるといった問題がある。特許文献1には、ヒューズホルダーを用いずに電子部品に内蔵でき、過電流によって遮断すべき電流経路を導体ワイヤで構成することで専有スペースを小さくできるようにした過電流遮断素子が開示されている。図9は、特許文献1に開示されている過電流遮断素子の構成を示す模式図である。
特許文献1に開示された過電流遮断素子は、一対の表面実装用の接続端子101,102間を接続する導体ワイヤ103を有しており、エポキシ樹脂等の樹脂104で封止されている。導体ワイヤ103は、円形に窪ませて薄肉として凹部が形成されており、この凹部には、変形し易いゲル状のシリコーン樹脂105が充填され、成形樹脂106で封止されている。このように構成された過電流遮断素子は、導体ワイヤ103に過電流が流れると、その膨張による熱応力によって、凹部の境界付近に応力が集中し、この部分にクラックが生じて溶融した導体ワイヤ103の逃げ場を形成して導体ワイヤ103による電流経路を遮断している。
また、特許文献2には、板状の低融点金属をベース基板上の所定の位置に配置し、フラックスを塗布し、封止樹脂で封止する構成のヒューズが開示されている。このヒューズでは、板状の低融点金属に過電流が流れると、低融点金属が溶融するとともにフラックスが気化して内圧が上昇し、封止樹脂とベース基板との間に間隙ができ、気化したフラックスと溶融した低融点金属とが間隙から噴き出して電流経路が遮断される。
特開2002−279884号公報 実開平2−110148号公報
特許文献1において、シリコーン樹脂105にクラックを発生させた後、溶融した導体ワイヤ103をクラック部分に飛び散らすことで断線させるが、シリコーン樹脂105に形成されるクラック部が一定形状になるわけではないため、導体ワイヤ103を飛ばすように制御することが難しく、電流経路の遮断が確実ではない。
また、特許文献2においても、封止樹脂とベース基板との間にできる間隙部が一定形状になるわけではないため、低融点金属を噴出させるように制御することが難しく、電流経路の遮断が確実ではない。その上、封止樹脂が加熱されることで軟化して変形する場合があり、封止樹脂の変形によって低融点金属の溶融やフラックスの気化により生じる圧力が逃げ、電流経路が遮断されるまでに要する時間が長いものになってしまうことや、封止樹脂がベース基板から剥がれずに、電流経路が遮断されないおそれもある。
そこで、本発明の目的は、電流経路を確実に遮断させることができる保護素子を提供することにある。
本発明に係る保護素子は、絶縁体からなる基部と、前記基部の表面に形成されていて、互いに非接続な第1の配線部および第2の配線部と、前記第1の配線部と前記第2の配線部との間を導通させていて、所定温度で溶融する経路用金属と、少なくとも前記経路用金属を封止する封止部と、を備え、前記封止部は、前記経路用金属から溶融部分を導出させる貫通孔を有している。
または、本発明に係る保護素子において、前記基部は、前記経路用金属から溶融部分を導出させる貫通孔を有している。
これらの構成では、電流経路となる経路用金属に過電流が流れると、通電による発熱によって経路用金属が溶融し、溶融部分が貫通孔を介して経路用金属から導出し、電流経路が溶断される。これにより、第1の配線部や第2の配線部を介して保護素子に接続される他の回路素子等を過電流から保護することができる。
本発明に係る保護素子は、前記封止部の表面に設けられた金属薄膜をさらに備え、前記金属薄膜は、前記封止部の貫通孔と連通する開口が形成されていてもよい。
または、本発明に係る保護素子は、前記基部の裏面に設けられた金属薄膜さらに備え、前記金属薄膜は、前記基部の貫通孔と連通する開口が形成されている構成でもよい。
これらの構成では、封止部や基部の表面にて貫通孔を囲む金属薄膜を形成しているため、経路用金属から導出する溶融部分がその金属薄膜に濡れることで固定される。これにより、経路用金属の溶融部分を、第1の配線部や第2の配線部から確実に隔離させることができ、電流経路を確実に遮断できる。
本発明に係る保護素子において、前記封止部は、前記経路用金属の固相融点よりも高いガラス転移温度を有すると好適である。
この構成では、経路用金属が溶融する際に封止部が加熱されても、封止部が著しく軟化することがない。したがって、封止部の変形によって、経路用金属の溶融部分の膨張やフラックスの気化により生じる圧力が逃げることが無く、より確実に、経路用金属から溶融部分を導出させることができる。
本発明に係る保護素子において、前記貫通孔は、前記封止部と前記基部との積層方向の内側に設けられていて、前記積層方向に直交する径方向の寸法が小さな小径部分と、前記積層方向の表面側に設けられていて、前記径方向の寸法が前記小径部よりも大きな大径部分と、を有する構成であってもよい。また、前記大径部分の内壁に設けられた金属薄膜をさらに備える構成であってもよい。
これらの構成では、経路用金属から導出される溶融部分が貫通孔の大径部分に導かれることにより、貫通孔の小径部分を逆流して第1の配線部と第2の配線部とを導通させることを防ぐことができる。
本発明に係る保護素子において、前記貫通孔は、前記封止部と前記基部との積層方向の内側に設けられていて、前記積層方向に延設された平行延設部分と、前記積層方向の表面側に設けられていて、前記積層方向と相違する方向に延設された非平行延設部分とを有する構成であってもよい。
また、本発明に係る保護素子において、前記貫通孔は、複数の前記非平行延設部分が前記平行延設部分から枝分かれする構成であってもよい。
これらの構成では、経路用金属から導出される経路用金属の溶融部分が、貫通孔を逆流して第1の配線部と第2の配線部とを導通させることを防ぐことができる。
本発明によれば、電流経路となる経路用金属が溶融し、溶融部分が貫通孔を介して経路用金属から導出されることにより、電流経路が溶断される。したがって、第1の配線部や第2の配線部を介して保護素子に接続される他の回路素子等を過電流から保護することができる。この際、低融点金属の溶融やフラックスの気化により生じる圧力は、経路用金属の溶融部分の貫通孔を介した導出によって逃げることになり、封止部のクラックや、封止部の基部からの剥がれが発生しない。これにより、電流経路がより確実に溶断されることになる。
第1の実施形態に係る保護素子の概略図である。 第1の実施形態に係る保護素子の半田合金が溶融した場合を示す模式図である。 経路用金属と封止部との材質の組み合わせごとの性能を説明する図である。 第2の実施形態に係る保護素子の概略図である。 第2の実施形態に係る保護素子の半田合金が溶融した場合を示す模式図である。 第3の実施形態に係る保護素子の概略図である。 第4の実施形態に係る保護素子の概略図である。 他の実施形態に係る保護素子の概略図である。 特許文献1に開示されているヒューズの構成を示す模式図である。
≪第1の実施形態≫
以下、本発明の第1の実施形態に係る保護素子について、ヒューズを例に説明する。以下に説明する図では、導電性の部材はハッチング表記を採用し、絶縁性の部材はドット表記を採用している。
図1は、第1の実施形態に係るヒューズの概略図である。図1(A)は上面視図であり、図1(B)は図1(A)中に示すI−I線における断面図である。
本実施形態に係るヒューズ1は、プリント基板(基部)10を備えている。プリント基板10は、上面視して長辺および短辺からなる長方形状の表裏面を有する直方体形であり、ガラス布基材エポキシ樹脂からなる。なお、プリント基板10の材質は、ガラス布基材エポキシ樹脂に限らず、封止樹脂と同じ材質の樹脂など他の材質であってもよい。また、特許請求の範囲に記載の基部は、プリント基板10に限らず、何らかの平板や、積層基板など、どのような物であってもよい。
プリント基板10の表面には、例えば薄い銅箔からなる二つの導電性の配線パターン(第1の配線部)11および配線パターン(第2の配線部)12が形成されている。
配線パターン11,12は、特に限定されないが、例えば上面視して長辺および短辺からなる長方形状を有しており、それぞれ非接続に形成されている。この配線パターン11,12は、プリント基板10の裏面に形成された配線パターン(図示せず)とビア導体等により導通しており、プリント基板10の裏面に形成された配線パターンを介して外部回路と接続している。
プリント基板10には、配線パターン11,12と導通する直線状の半田合金(経路用金属)13が形成されている。半田合金13は、配線パターン11,12間の電流経路となる。この半田合金13は、実装等の工程での加熱時に溶融せず、所定温度で溶融する低融点金属から形成されている。
プリント基板10の表面への半田合金13の形成方法としては、プリント基板10にメタルマスクを用いて半田ペーストを印刷し、半田ペースト上に半田合金13を実装する方法を採用することができる。この場合、リフローにより半田ペーストを溶融、凝固させるとよい。リフロー温度は、半田合金13は溶融しないが半田ペーストは溶融する温度にするとよい。このようにして半田合金13を実装した後、フラックス洗浄液にて洗浄を実施し、フラックスを除去するとよい。
なお、図1では省略しているが、実装された半田合金13の表面には、さらに液状のフラックスを印刷にて塗布すると好適である。
プリント基板10の表面には、配線パターン11,12および半田合金13を封止するエポキシ樹脂(封止部)14が積層されている。エポキシ樹脂14は、フィラー含有率を高めてガラス転移点温度を、半田合金13の固相融点よりも高温にしたものである。また、エポキシ樹脂14の表面には、銅箔15が形成されている。銅箔15は、半田合金13に対して濡れ性が高い金属であることが好ましい。
エポキシ樹脂14の形成方法としては、プリント基板10の表面にBステージ状態のエポキシ樹脂基板を真空プレスを用いて接合し、接合後、加熱硬化させる方法を採用することができる。この場合、半田合金13を封止したときに、半田合金13上のエポキシ樹脂14の厚みが適切な厚み(例えば200μm)になるように樹脂量を調整するとよい。
エポキシ樹脂14の表面には銅箔15が貼りつけられている。銅箔15の形成方法としては、エポキシ樹脂14を加熱硬化させる前に銅箔を貼り付けておき、加熱硬化の後に、フォトリソグラフィプロセスにてパターン形成するとよい。なお、銅箔15の大きさは特に限定されるものではない。
エポキシ樹脂14および銅箔15には、半田合金13の直上に貫通孔14Aおよび貫通孔15Aが形成されている。貫通孔14A,15Aは、溶融した半田合金13の溶融部分を外部へ噴出させるための噴出孔となる。貫通孔15Aの形成方法として、フォトリソグラフィプロセスによってパターン形成する方法を採用することができる。また、貫通孔14Aの形成方法としては、COレーザーにて穿孔を行う方法を採用することができる。これら貫通孔14A,15Aからなる噴出孔は、適切な高さと底径(例えば、高さ200μm、底径90μm)となるよう形成されている。なお、噴出孔を構成する貫通孔14A,15Aは、開口が矩形状となる形状であってもよい。また、貫通孔14A,15Aを形成する位置は、半田合金13の略中央位置に限定されるものではない。
上述のように形成されたヒューズ1は、例えば、素子などが実装された回路基板等に半田実装される。そして、プリント基板10の裏面に形成される配線パターン(不図示)を介して、配線パターン11,12と回路基板上の配線パターンとが接続される。このような状態で、半田合金13に一定以上の過電流が流れると、半田合金13は自己発熱し、溶融するため配線パターン11,12間の電流経路が遮断されることとなる。
図2は、半田合金13が溶融した場合のヒューズ1を示す模式図である。半田合金13に過電流が流れた場合、その熱により半田合金13が溶融するとともにフラックスが気化する。図2(A)では、溶融した部分を溶融部分13Aとして点線で示している。溶融部分13Aは、図中矢印に示すように、半田合金13から貫通孔14A,15Aからなる噴出孔に導出され、銅箔15の表面側に噴出する。
この際、溶融部分13Aの熱膨張とフラックスの気化とにより、エポキシ樹脂14の内部空間における内圧が高まるが、エポキシ樹脂14のガラス転移点温度が半田合金13の固相融点よりも高いため、エポキシ樹脂14において軟化(弾性率の低下)が生じることはない。このため、エポキシ樹脂14の変形が殆ど生じないために溶融部分13Aの噴出圧力が低下することがなく、溶融部分13Aが半田合金13から導出されて、確実でレスポンスのよい噴き出しが実現される。なお、プリント基板10は、本実施形態においてはガラス布基材エポキシ樹脂からなるため、このプリント基板10についても、ガラス転移点温度が半田合金13の固相融点よりも高いほうが望ましい。
噴出した溶融部分13Aは、図2(B)に示すように、表面張力によって球状化して銅箔15に濡れる状態、または、銅箔15に薄く濡れ広がる状態で凝固し、銅箔15に固定される。これにより、配線パターン11,12間の電流経路が遮断される。このように、溶融部分13Aが噴出した際に銅箔15に固定されるため、噴出し後の半田が別の場所に移動し、回路をショートさせる等の不具合の発生を防ぐことができる。また、エポキシ樹脂14の表面に銅箔15を形成するため、プリント基板10の反りを低減することができ、取り扱いが容易となる。
なお、この実施形態のヒューズ1と同様な構成で、半田合金13の材質とエポキシ樹脂14の材質との組み合わせを異ならせた複数の実施例について、半田合金13の溶融部分13Aが適正に噴き出すか否かを確認する実機試験を実施した。図3は、半田合金の材質とエポキシ樹脂の材質との組み合わせごとに適正な噴き出しが実現されて所望の良品率が達成できたか否かを示す図である。
実機試験においては、半田合金の材質として、固相融点が139℃であるSn-58Bi合金、固相融点が217℃であるSn-Ag-Cu合金、固相融点が245℃であるSn-10Sb合金、および、固相融点が335℃であるZn-Al-Mg合金を用いた。エポキシ樹脂の材質として、フィラー含有率を異ならせて、ガラス転移点温度を265℃とした第1のエポキシ樹脂と、ガラス転移点温度を220℃とした第2のエポキシ樹脂と、ガラス転移点温度を190℃とした第3のエポキシ樹脂と、を用いた。
これらの材質を組み合わせてヒューズ1を構成した結果、いずれの組み合わせでも、半田合金の固相融点よりもエポキシ樹脂のガラス転移点温度が高い場合には、高い確率で半田の適正な噴き出しが実現されたが、半田合金の固相融点よりもエポキシ樹脂のガラス転移点温度が低い場合には、溶融した半田合金の適正な噴き出しを実現することが難しかった。
この実機試験から、半田合金の固相融点よりもエポキシ樹脂のガラス転移点温度が高い場合に、ヒューズ1における良好な特性(ヒューズ特性)を実現することが容易になることが分かる。
≪第2の実施形態≫
図4は、第2の実施形態に係るヒューズの概略図である。図4(A)はプリント基板の裏面側から視た図であり、図4(B)は図4(A)中に示すII−II線における断面図である。
第2の実施形態に係るヒューズ21は、第1の実施形態と同様に、表面に配線パターン31,32が形成されたプリント基板30を備えている。また、ヒューズ21は、配線パターン31,32を導通する半田合金33を備え、プリント基板30の表面には、配線パターン31,32および半田合金33を封止するエポキシ樹脂34が形成されている。エポキシ樹脂34は、フィラー含有率を高めてガラス転移点温度を、半田合金33の固相融点よりも高温にしたものである。
エポキシ樹脂34には、半田合金33の直下であって、半田合金33の表面とプリント基板30の表面との間の位置に、貫通孔34Aが形成されている。プリント基板30には、貫通孔34Aと一致する位置に、厚み方向に沿った貫通孔30Aが形成されている。さらに、プリント基板30の裏面には、銅箔35が貼り付けられている。銅箔35は、フォトリソグラフィにてパターン形成され、貫通孔34Aおよび貫通孔30Aと連通する貫通孔35Aが形成される。これら、貫通孔30A,34A,35Aは、溶融した半田合金33の溶融部分を外部へ噴出させるための噴出孔となる。
以上のように構成されたヒューズ21は、第1の実施形態と同様、例えば回路基板等に半田実装し、回路基板上の配線パターンが、配線パターン31,32へ接続される。半田合金33に一定以上の過電流が流れると、半田合金33は自己発熱し、溶融するため配線パターン31,32の経路が遮断されることとなる。
図5は、半田合金33が溶融した場合のヒューズ21を示す模式図である。半田合金33に過電流が流れた場合、その熱により半田合金33は溶融する。図5(A)では、溶融した部分を溶融部分33Aとして点線で示している。溶融部分33Aは、図中矢印に示すように、半田合金33から貫通孔34A,30A,35Aからなる噴出孔に導出され、銅箔35の表面側に噴出する。噴出した溶融部分33Aは、図5(B)に示すように、銅箔35に濡れることで固定される。これにより、配線パターン31,32間の電流経路が遮断される。
以上のように、銅箔35をプリント基板30側に設けているため、エポキシ樹脂34の表面に銅箔のパターンを形成する必要がなく、低コストで製造が可能である。また、プリント基板30側に溶融した半田が噴出するため、ヒューズ21の上方に半田噴き出しを考慮したスペースを設ける必要がないため、ヒューズ21の使用時に必要な高さスペースを削減できる。
≪第3の実施形態≫
図6は、第3の実施形態に係るヒューズの概略図である。図6(A)はプリント基板を上面視した図であり、図6(B)は図6(A)中に示すIII−III線における断面図である。
第3の実施形態に係るヒューズ41は、第1の実施形態と同様に、表面に配線パターン51,52が形成されたプリント基板50を備えている。また、ヒューズ41は、配線パターン51,52を導通する半田合金53を備え、プリント基板50の表面には、配線パターン51,52および半田合金53を封止するエポキシ樹脂54が形成されている。エポキシ樹脂54は、フィラー含有率を高めてガラス転移点温度を、半田合金53の固相融点よりも高温にしたものである。
エポキシ樹脂54には、半田合金53の表面側に、貫通孔55が形成されている。この貫通孔55は、溶融した半田合金53の溶融部分を半田合金53から導出させるものであり、平行延設部分55Aと非平行延設部分55B,55C,55D,55Eとからなる。平行延設部分55Aは、第一端が半田合金53に到達していて、そこからエポキシ樹脂54とプリント基板50との積層方向と平行に(天面側に)延設されていて、貫通孔55の一部を構成している。非平行延設部分55B,55Cは、平行延設部分55Aの第二端に、第一端が到達していて、そこからエポキシ樹脂54とプリント基板50との積層方向と非平行に(水平方向に)互いに逆向きに延設されていて、貫通孔55の一部を構成している。非平行延設部分55D,55Eは、それぞれ、非平行延設部分55B,55Cの第二端に、第一端が到達していて、そこからエポキシ樹脂54の表面まで延設されていて、貫通孔55の一部を構成している。
以上のように構成されたヒューズ41は、第1の実施形態と同様、例えば回路基板等に半田実装し、回路基板上の配線パターンが、配線パターン51,52へ接続される。半田合金53に一定以上の過電流が流れると、半田合金53は自己発熱し、溶融するため配線パターン51,52の経路が遮断されることとなる。
半田合金53の溶融部分は、貫通孔55の平行延設部分55A、非平行延設部分55B,55C、非平行延設部分55D,55Eを順に介して、エポキシ樹脂54の表面側に噴出する。貫通孔55に導出された半田合金53の溶融部分は、貫通孔55から略全体が噴出する状態、または、貫通孔55の内部で屈曲した形状で凝固していくため、貫通孔55を逆流し難く、配線パターン51,52間の電流経路がより確実に遮断されることになる。
なお、このような構成のヒューズの製造方法としては、エポキシ樹脂54を積層構造とし、予め平行延設部分55Aを形成した第1の層と、予め非平行延設部分55B,55Cを形成した第2の層と、予め非平行延設部分55D,55Eを形成した第3の層とを貼り合わせる方法を採用することができる。
または、プリント基板50にエポキシ樹脂54を構成する第1の層を積層してからレーザ加工によって平行延設部分55Aを形成し、さらに、エポキシ樹脂54を構成する第2の層を積層してからレーザ加工によって非平行延設部分55B,55Cを形成し、さらに、エポキシ樹脂54を構成する第3の層を積層してからレーザ加工によって非平行延設部分55D,55Eを形成する方法を採用することもできる。
≪第4の実施形態≫
図7は、第4の実施形態に係るヒューズの概略の断面図である。
第4の実施形態に係るヒューズ61は、第1の実施形態と同様に、表面に配線パターン71,72が形成されたプリント基板70を備えている。また、ヒューズ61は、配線パターン71,72を導通する半田合金73を備え、プリント基板70の表面には、配線パターン71,72および半田合金73を封止するエポキシ樹脂74が形成されている。エポキシ樹脂74は、フィラー含有率を高めてガラス転移点温度を、半田合金73の固相融点よりも高温にしたものである。
エポキシ樹脂74には、半田合金73の表面側に、貫通孔75が形成されている。この貫通孔75は、半田合金73の溶融部分を半田合金73から導出させるものであり、小径部分75Aと大径部分75Bとからなる。小径部分75Aは、径寸法が一定の柱状であり、第一端が半田合金73に到達していて、そこからエポキシ樹脂74とプリント基板70との積層方向と平行に(天面側に)延設されていて、貫通孔75の一部を構成している。大径部分75Bは、小径部分75Aの径寸法よりも底面の寸法が大きく、小径部分75Aの第二端に第一端が到達していて、そこからエポキシ樹脂74の表面まで次第に径寸法が大きくなるように形成されていて、貫通孔75の一部を構成している。なお、このような貫通孔75の形状とするためには、複数回にわたりレーザ加工を行う他、あらかじめ用意しておいた所定形状の雄型の部材を埋め込んだ状態で、エポキシ樹脂74を硬化させ、雄型の部材を抜き取るようにしてもよい。
大径部分75Bの周面には、銅箔76が形成されている。この銅箔76は、半田合金73の溶融部分が濡れることにより、半田合金73の溶融部分を固定するためのものである。なお、この銅箔76は必ずしも設けなくても良い。銅箔76の形成方法としては、エポキシ樹脂74が未硬化の状態で、プレス成型により貼り付ける方法を採用してもよく、また、エポキシ樹脂74の硬化後に、接着剤等を利用して貼り付ける方法を採用してもよい。
以上のように構成されたヒューズ61は、第1の実施形態と同様、例えば回路基板等に半田実装し、回路基板上の配線パターンが、配線パターン71,72へ接続される。半田合金73に一定以上の過電流が流れると、半田合金73は自己発熱し、溶融するため配線パターン71,72の経路が遮断されることとなる。
半田合金73の溶融部分は、小径部分75Aを介して、大径部分75Bおよびエポキシ樹脂74の表面側に噴出する。貫通孔75に導出した半田合金73の溶融部分は、大径部分75Bおよびエポキシ樹脂74の表面の形状に沿った形状で凝固していくため、貫通孔75を逆流し難く、配線パターン71,72間の電流経路がより確実に遮断されることになる。また、大径部分75Bおよびエポキシ樹脂74の表面に吹き出した溶融部分が、ヒューズ素子を離れにくくなり、周囲の電子部品に接触してショートさせる危険性を低減することができる。
≪他の実施形態≫
図8は、その他の実施形態に係るヒューズの概略の断面図である。
図8(A)に示すヒューズ81Aは、第1の実施形態と同様に、表面に配線パターン91,92が形成されたプリント基板90を備えている。また、ヒューズ81Aは、配線パターン91,92を導通する半田合金93を備え、プリント基板90の表面には、配線パターン91,92および半田合金93を封止するエポキシ樹脂94Aが形成されている。エポキシ樹脂94Aは、フィラー含有率を高めてガラス転移点温度を、半田合金93の固相融点よりも高温にしたものである。
エポキシ樹脂94Aには、半田合金93の表面側に、貫通孔95が形成されている。この貫通孔95は、半田合金93の溶融部分を半田合金93から導出させるものであり、小径部分95Aと大径部分95Bとからなる。小径部分95Aは、径寸法が一定の柱状であり、第一端が半田合金93に到達していて、そこからエポキシ樹脂94Aとプリント基板90との積層方向と平行に(天面側に)延設されている。大径部分95Bは、小径部分95Aと一致する径寸法から、径寸法が次第に大きくなる錘状である。このような形状の貫通孔95を採用してもよい。
図8(B)に示すヒューズ81Bは、第1の実施形態と同様に、表面に配線パターン91,92が形成されたプリント基板90を備えている。また、ヒューズ81Aは、配線パターン91,92を導通する半田合金93を備え、プリント基板90の表面には、配線パターン91,92および半田合金93を封止するエポキシ樹脂94Bが形成されている。エポキシ樹脂94Bは、フィラー含有率を高めてガラス転移点温度を、半田合金93の固相融点よりも高温にしたものである。
エポキシ樹脂94Bには、半田合金93の表面側に、貫通孔96が形成されている。この貫通孔96は、半田合金側の径寸法が小さく、エポキシ樹脂表面側の径寸法が大きい錘状であり、周面の全周にわたって、周面から垂直に所定長だけ突出する突出部96Aが形成されている。このような形状の貫通孔96を採用してもよい。
図8(C)に示すヒューズ81Cは、第1の実施形態と同様に、表面に配線パターン91,92が形成されたプリント基板90を備えている。また、ヒューズ81Aは、配線パターン91,92を導通する半田合金93を備え、プリント基板90の表面には、配線パターン91,92および半田合金93を封止するエポキシ樹脂94Cが形成されている。エポキシ樹脂94Cは、フィラー含有率を高めてガラス転移点温度を、半田合金93の固相融点よりも高温にしたものである。
エポキシ樹脂94Cには、半田合金93の表面側に、貫通孔97が形成されている。この貫通孔97は、半田合金側の径寸法が大きくなる領域と径寸法が小さくなる領域とが交互に繰り返すような形状である。このような形状の貫通孔97を採用してもよい。
以上の各実施形態で示したような構成で、本発明の保護素子は実現することができる。なお、保護素子の具体的構成などは、適宜設計変更可能であり、上述の実施形態に記載された作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、上述の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
1,21,41,61,81A,81B,81C…ヒューズ
10,30,50,70,90…プリント基板
11,12,31,32,51,52,71,72,91,92…配線パターン
13,33,53,73,93…半田合金
13A,33A…溶融部分
14,34,54,74,94A,94B,94C…エポキシ樹脂
14A,15A,30A,34A,35A,55,75,95,96,97…貫通孔
15,35,76…銅箔
55A…平行延設部分
55B,55C,55D,55E…非平行延設部分
75A,95A…小径部分
75B,95B…大径部分

Claims (9)

  1. 絶縁体からなる基部と、
    前記基部の表面に形成されていて、互いに非接続な第1の配線部および第2の配線部と、
    前記第1の配線部と第2の配線部との間を導通させていて、所定温度で溶融する経路用金属と、
    少なくとも前記経路用金属を封止する封止部と、
    を備え、
    前記封止部は、
    溶融した前記経路用金属の溶融部分を導出させる貫通孔を有している、
    ことを特徴とする保護素子。
  2. 絶縁体からなる基部と、
    前記基部の表面に形成されていて、互いに非接続な第1の配線部および第2の配線部と、
    前記第1の配線部と前記第2の配線部との間を導通させていて、所定温度で溶融する経路用金属と、
    少なくとも前記経路用金属を封止する封止部と、
    を備え、
    前記基部は、
    溶融した前記経路用金属の溶融部分を導出させる貫通孔を有している、
    ことを特徴とする保護素子。
  3. 前記封止部の表面に設けられた金属薄膜をさらに備え、
    前記金属薄膜は、前記貫通孔と連通する開口が形成されている、請求項1に記載の保護素子。
  4. 前記基部の表面に設けられた金属薄膜をさらに備え、
    前記金属薄膜は、前記貫通孔と連通する開口が形成されている、請求項2に記載の保護素子。
  5. 前記封止部は、前記経路用金属の固相融点よりも高いガラス転移点温度を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の保護素子。
  6. 前記貫通孔は、
    前記封止部と前記基部との積層方向の内側に設けられていて、前記積層方向に直交する径方向の寸法が小さな小径部分と、
    前記積層方向の表面側に設けられていて、前記小径部分に連通し、前記径方向の寸法が前記小径部分よりも大きな大径部分と、を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の保護素子。
  7. 前記大径部分の周面に設けられた金属薄膜をさらに備える、請求項6に記載の保護素子。
  8. 前記貫通孔は、
    前記封止部と前記基部との積層方向の内側に設けられていて、前記積層方向に延設されている平行延設部分と、
    前記積層方向の表面側に設けられていて、前記小径部分に連通し、前記積層方向と相違する方向に延設された非平行延設部分と、を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の保護素子。
  9. 前記貫通孔は、複数の前記非平行延設部分が前記平行延設部分から枝分かれする、請求項8に記載の保護素子。
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