JP2013257759A - 車両用リスクポテンシャル算出装置 - Google Patents

車両用リスクポテンシャル算出装置 Download PDF

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崇之 近藤
Tomoharu Nakano
智晴 中野
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Abstract

【課題】運転者にとってより違和感の少ないリスクポテンシャルを算出する。
【解決手段】車両環境特性値算出部20Bは自車両MM周囲の走行環境に対する自車両MMの車両状態を表す車両環境特性値を算出する。個人運転特性値取得部20Cは、運転者の個人運転特性値を取得する。リスクポテンシャル算出部20Dは、上記車両環境特性値と上記個人運転特性値とに基づき、自車両MM周囲のリスクポテンシャルRPを算出する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、自車両周囲の走行環境に対する自車両のリスクポテンシャルを算出する車両用リスクポテンシャル算出装置に関する。
車両用リスクポテンシャル算出装置としては、特許文献1に記載の装置がある。この装置では、先行車両に対する定常状態を表す指標としての車間時間THWと、先行車両に対する過渡状態を表す指標としての余裕時間TTCとからリスクポテンシャルを算出する。
特許第3982456号公報
上記車間時間THWと余裕時間TTCは、走行環境と自車両との相対関係から決まる客観的な値である。したがって、特許文献1に記載の装置が算出するリスクポテンシャルは、走行環境に対する代表的な運転者にとってのリスクポテンシャルとなると推定される。
しかし、同じ車間時間THWや余裕時間TTCとなっている同じ走行環境の状況であっても、運転者毎にリスクに関する感受性が異なるために、上記走行環境状況を安全と思う運転者も存在すれば不安と思う運転者も存在する。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、運転者にとってより違和感の少ないリスクポテンシャルを算出することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、自車両周囲の走行環境に対する自車両の車両状態を表す車両環境特性値を算出すると共に、運転者の個人運転特性値を取得し、上記車両環境特性値と上記個人運転特性値とに基づき、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出する。
本発明の一態様によれば、走行環境から決定する車両環境特性値と、運転者の個人運転特性値とからリスクポテンシャルを算出することで、運転者にとって、より違和感の少ないリスクポテンシャルを算出することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る車両の構成を説明する概要図である。 本発明に基づく実施形態に係るコントローラの構成の一部を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るリスクポテンシャル演算部の構成を説明するための図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るリスク対象を示す概念図である。 分布と個人運転特性値と関係例を示す図である。 リスクポテンシャルと目標減速度との関係を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るコントローラの処理例を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るリスク対象を示す概念図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るリスクポテンシャル演算部の構成を説明するための図である 本発明に基づく第2実施形態に係る個人運転特性を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るコントローラの処理例を説明する図である。 リスクポテンシャルと目標反力値との関係を説明する図である。 本発明に基づく第3実施形態に係るリスク対象を示す概念図である。 本発明に基づく第3実施形態に係る個人運転特性を説明する図である。 本発明に基づく第3実施形態に係るコントローラの処理例を説明する図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
「第1実施形態」
第1実施形態は、自車両前方に存在する前方車両を車両周囲のリスク対象とした実施形態である(図4参照)。
図1は、本実施形態のリスクポテンシャル算出装置を搭載した車両を説明する図である。
自車両は、図1に示すように、前方用レーダ装置1、前方撮像部2、側後方用レーダ装置3、車速センサ4、ナビゲーション装置5の報知部からなる報知装置、制動制御装置6、操舵反力装置9、及びコントローラ10を備える。なお、第1実施形態では、前方撮像部2、側後方用レーダ装置3、操舵反力装置9は必ずしも必要ではない。符号12はアクスルペダルである。符号11はステアリングホイールである。
前方用レーダ装置1は、車両前部、例えば車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられて、例えば水平方向に赤外光パルス等の光を照射して自車両MMの前方領域を走査する。そして前方用レーダ装置1は、前方にある複数の反射物(通常、先行車両の後端)で反射された反射波を計測し、反射波の到達時間より、先行車両までの車両間距離と相対速度を検出する。前方用レーダ装置1は、検出した車両間距離及び相対速度をコントローラ10へ出力する。前方用レーダ装置1によりスキャンされる前方の領域は、例えば自車両MM正面に対して±6deg程度に設定されて、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
前方撮像部2は、自車両MM前部に設けられた、画像処理機能付きのカメラである。前方撮像部2は、車両前方の白線や障害物を検出するために使用する。この前方撮像部2は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラからなる単眼カメラで構成する。
車速センサ4は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両MMの車速を検出し、検出した自車速をコントローラ10に出力する。
側後方用レーダ装置3は、例えばサイドミラーや、車両後部に設けられて、自車両MMの側後方(側方及び斜め後方、特に斜め後方)に存在する車両その他の障害物を検出するためのセンサである。側後方用レーダ装置3は、少なくとも自車両MM側後方の予め分かっている死角エリアに存在する障害物の存在の可否を検出できるように検出範囲が設定してある。そして、レーダ装置は、側後方車両までの車両間距離と相対速度を検出する。車両側後方とは、車両の側方及びその側方の後方位置を指す。
報知装置は、本実施形態ではナビゲーション装置5の入出力部やスピーカ装置で構成され、画像表示若しくは音声によって乗員に警報を報知可能となっている。
制動制御装置6は、目標減速度に自車両MMを制御するための制動力を自車両MMを付与する装置である。本実施形態の制動制御装置6は、車輪に制動力を付与するブレーキ装置6a、そのブレーキ装置6a用の流体圧回路6b、その流体圧回路6bを通じて、各ブレーキ装置6aの制動力を調整する制動コントローラ6cを備える。制動コントローラ6cは、取得した目標減速度とするための各ブレーキ装置6aの目標制動力を算出し、その目標制動力となるように各ブレーキ装置6aの制動力を制御する。なお、ブレーキ装置6aは、油圧ブレーキ装置に限定されず電動ブレーキ装置などであっても良い。
操舵反力装置9は、ステアリングホイール11に操舵反力を付与する装置である。
コントローラ10は、CPUと、ROMおよびRAM等の記憶部などのCPU周辺部品と備え、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することによって、各種の制御が可能となっている。このコントローラ10は、機能的に、図2に示すように、リスクポテンシャル演算部20及び運転支援制御部21を備える。
本実施形態のリスクポテンシャル演算部20は、車速センサ4および前方用レーダ装置1から入力される自車速、車両間距離および相対速度等の信号から、後述するように自車両MM前方を走行する先行車両SAに対するリスクポテンシャルRPを算出する。また、運転支援制御部21は、リスクポテンシャル演算部20が算出した算出したリスクポテンシャルRPに基づき、運転者の運転を支援する制御を行う。
上記リスクポテンシャル演算部20は、図3に示すように、環境情報取得部20Aと、車両環境特性値算出部20Bと、個人運転特性値取得部20Cと、リスクポテンシャル算出部20Dとを備える。
環境情報取得部20Aは、前方用レーダ装置1が求めた車両間距離および相対速度を環境情報として取得する。
車両環境特性値算出部20Bは、環境情報取得部20Aが取得した環境情報に基づき、図4に示すような先行車両SAに対する自車両MMの車両状態を表す車両環境特性値を算出する。本実施形態では、先行車両SAの状況が走行環境を構成する。本実施形態の車両環境特性値算出部20Bは、車間時間THW及び余裕時間TTCを算出し、更にその逆数である(1/THW)、(1/TTC)をそれぞれ車両環境特性値として算出する。
ここで、上記(1/THW)、(1/TTC)の算出は、予め設定したサンプリング周期で実施され、算出された各(1/THW)、(1/TTC)は、順次記憶部15に記憶されて、車両環境特性値の履歴情報となる。
個人運転特性値取得部20Cは、環境情報取得部20Aが取得した環境情報に基づき、先行車両SAに対する自車両MMの車両状態を表す車両環境特性値の履歴情報から運転者の個人運転特性値を取得する。本実施形態の個人運転特性値取得部20Cは、上記自車両MMの車両状態の履歴情報を参照して算出した、上記自車両MMの車両状態の分布の特徴量から上記個人運転特性値を取得する。本実施形態の個人運転特性値取得部20Cは、2つの車両環境特性値である(1/THW)、(1/TTC)に対応させて、第1の個人運転特性値(1/THW)indと、第2の個人運転特性値(1/TTC)indとを個別に算出する。
第1の個人運転特性値(1/THW)indは、例えば現在を起点として、予め設定した期間中に記憶部15に記憶した(1/THW)の履歴を使用した、図5に示すような当該(1/THW)の分布の統計値のうちのモード値(特徴量)である。
第2の個人運転特性値(1/TTC)indは、例えば現在を起点として、予め設定した期間中に記憶部15に記憶した(1/TTC)の履歴を使用した、図5に示すような当該(1/TTC)の分布の統計値のうちの95%タイル値(特徴量)である。
図5から分かるように、同じ分布に対する統計値(特徴量)としては、第1の個人運転特性値(1/THW)indよりも第2の個人運転特性値(1/TTC)indの方が大きな値となる。
ここで、上記予め設定した期間は、例えば1時間〜2ヶ月間の間の予め設定した期間である。なお、履歴の蓄積開始をして1時間経過すると、蓄積開始から蓄積された全車両環境特性値を使用して個人運転特性値を算出するが、2ヶ月を経過すると、直近の2ヶ月分を使用するように、上記予め設定した期間は、固定値である必要はない。また上記2ヶ月間は例示であるため、予め設定した値であれば、3か月間などであっても良い。なお、対象とする運転者の特性値としての妥当性を高くする観点からは、予め設定した値は長い方が良い。
またリスクポテンシャル算出部20Dは、車両環境特性値算出部20Bが求めた2つの車両環境特性値である(1/THW)及び(1/TTC)と、個人運転特性値取得部20Cが求めた第1の個人運転特性値(1/THW)ind及び第2の個人運転特性値(1/TTC)indとを使用して、自車両MM周囲のリスクポテンシャルRPを算出する。
本実施形態のリスクポテンシャル算出部20Dは、下記(1)式に基づき、各個人運転特性値に対する車両環境特性値の比を使用してリスクポテンシャルRPを算出する。
RP= {(1/THW)/(1/THW)ind}
+{(1/TTC)/(1/TTC)ind}
・・・(1)
なお、個人運転特性値に対する車両環境特性値の比である、{(1/THW)/(1/THW)ind}及び{(1/TTC)/(1/TTC)ind}に、それぞれ予め設定した個別の係数をそれぞれ乗算して、各車両環境特性値間の微調整を図っても良い。
また運転支援制御部21は、上記リスクポテンシャル算出部20Dが算出したリスクポテンシャルRPに基づき、乗員に対し情報呈示を行ったり、車両制御を実施する。本実施形態の運転支援制御部21は、上記リスクポテンシャル算出部20Dが算出したリスクポテンシャルRPが予め設定した第1の閾値TH1以上と判定すると、情報呈示として接近警報を出力する。接近警報の出力は、表示部に警報表示をしたり、音声によって呈示処理を行う。
更に、本実施形態の運転支援制御部21は、上記リスクポテンシャル算出部20Dが算出したリスクポテンシャルRPが上記第1の閾値TH1よりも大きな第2の閾値TH2以上と判定すると、車両に目標減速度A*が掛かるように、目標減速度A*を求める。
運転支援制御部21が求める目標減速度A*は、予め設定した固定値であっても良いし、図6に示すように、リスクポテンシャルRPが大きいほど目標減速度A*が大きくなるように設定する。
制動制御装置6は、車両に発生する減速度が目標減速度A*とするための各輪の制動力を演算し、演算した制動力となるように各輪の制動制御を実施する。
次に、コントローラ10におけるリスクポテンシャルRPの算出に関わる処理について、図7を参照して説明する。この処理は、例えば設定された制御間隔(例えば50msec)毎に連続的に行われる。
まずステップS110で、前方用レーダ装置1および車速センサ4から自車両MMおよび車両周囲の走行状態を読み込む。図4は、自車両MMと自車両MM前方の先行車両SAとの走行状態を模式的に示す図である。本実施形態では、相対速度、車両間距離、自車両MMの車速を読み込む。
ステップS120では、ステップS110で読み込んだ値を用いて、先行車両SAまでの余裕時間TTCと車間時間THWとを算出する。
余裕時間TTCは、先行車両SAに対する現在の自車両MMの接近度合を示す物理量である。余裕時間TTCは、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速、先行車速および相対車速vrが一定の場合に、何秒後に、車両間距離Dがゼロとなり自車両MMと先行車両SAとが接触するかを示す値である。余裕時間TTCは、以下の(2)式に基づき求められる。
余裕時間TTC= D/vr ・・・(2)
余裕時間TTCの値は、小さいほど、先行車両SAへの接触が緊迫し、先行車両SAへの接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車両SAへの接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどのドライバが減速行動を開始することが知られている。
車間時間THWは、自車両MMが先行車両SAに追従走行している場合に、想定される将来の先行車両SAの車速変化による余裕時間TTCへの影響度合、つまり相対車速vrが変化すると仮定したときの影響度合を示す物理量である。車間時間THWは、以下の(3)式に基づき求めることが出来る。v1は自車速である。
車間時間THW=D/v1 ・・・(3)
車間時間THWは、車両間距離Dを自車速v1で除したものであり、先行車両SAの現在位置に自車両MMが到達するまでの時間を示す。この車間時間THWは、大きいほど、周囲環境変化に対する予測影響度合が小さくなる。つまり、車間時間THWが大きい場合には、もしも将来に先行車両SAの車速が変化しても、先行車両SAまでの接近度合には大きな影響を与えず、余裕時間TTCはあまり大きく変化しないことを示す。なお、(3)式において自車速v1の代わりに先行車速v2あるいは自車周囲の他車両の車速を用いて車間時間THWを算出することもできる。
さらにステップS120では、車両環境特性値算出部20Bが算出した余裕時間TTCおよび車間時間THWを用いて、先行車両SAに対する2つの車両環境特性値(1/THW)、(1/TTC)を算出する。また、算出した車両環境特性値(1/THW)、(1/TTC)を記憶部15に蓄積して履歴情報とする。
ステップS130では、個人運転特性値取得部20Cが、記憶部15に蓄積されている履歴情報を参照して、第1の個人運転特性値(1/THW)ind及び第2の個人運転特性値(1/TTC)indを求める。
ステップS140では、リスクポテンシャル算出部20Dは、ステップS120で算出した2つの車両環境特性値である(1/THW)及び(1/TTC)と、ステップS130で求めた第1の個人運転特性値(1/THW)ind及び第2の個人運転特性値(1/TTC)indとを使用して、上述の(1)式に基づき、先行車両SAに対するリスクポテンシャルRPを、自車両MM周囲のリスクポテンシャルとして算出する。
ステップS150では、運転支援制御部21は、ステップS140で求めたリスクポテンシャルRPが第1の閾値TH1以上と判定すると、接近警報処理を行う。
ステップS160では、運転支援制御部21は、ステップS150で求めたリスクポテンシャルRPが21の閾値以上と判定すると、目標減速度A*を制動装置に出力して制動処理を実施する。
(動作その他)
走行中に運転者が実際に感じるリスクは、自車両MM周囲の走行状況によって異なる。例えば、ある時点における自車両MMと先行車両SAとの相対速度vrおよび車両間距離Dが同じであっても、相対速度vrが0で車両間距離Dが一定で自車両MMが先行車両SAに追従する場合、すなわち定常状態と、相対速度vrおよび車両間距離Dが変動して自車両MMが先行車両SAに接近していく場合、すなわち過渡状態とでは、運転者が感じるリスクが異なる。
そこで、本実施形態においては、自車両MM周囲の走行状況を定常状態とした場合の車両環境特性値(1/THW)と、過渡状態とした場合の車両環境特性値(1/TTC)との2つの異なる車両環境特性値を個別に算出する。
また、同じ定常状態での追従走行状態や過渡状態であっても、運転者の性格や運転の熟練度などによって、運転者の感じるリスクが異なる。これに鑑みて、個人運転特性値を算出する。本実施形態においては、自車両MM周囲の走行状況を定常状態とした場合の個人運転特性値(1/THW)indと、過渡状態とした場合の個人運転特性値(1/TTC)との2つの異なる運転特性値を個別に算出する。
そして、上記車両環境特性値と個人運転特性値との2種類のパラメータを使用してリスクポテンシャルRPを算出する。具体的には、追従走行における定常状態に関わるリスクポテンシャル{(1/THW)/(1/THW)ind}と、追従走行における過渡状態に関わるリスクポテンシャル{(1/TTC)/(1/TTC)ind}とを個別に算出し、その2つのリスクポテンシャルの和からなるリスクポテンシャルRPを、先行車両SAに対するリスクポテンシャルRPとした。
このように、走行環境から決定する車両環境特性値と、運転者の個人運転特性値との2つの値からリスクポテンシャルRPを算出することで、運転者にとって、より違和感の少ないリスクポテンシャルRPを算出することが可能となる。
ここで、上記リスクポテンシャルRPは、アフォーダンスの指標、つまり行為者が知覚する環境と行為者との間に存在する不変的関係に関する情報と同義である。
そして、そのリスクポテンシャルRPが予め設定した値以上となると、警報若しくは制動によって、リスク対象に対する運転支援を行う。
ここで、上記説明では、情報呈示を表示や音声で実施する場合で説明しているが、情報呈示はそれに限定されない。
情報呈示用の装置としてアクセルペダル反力制御装置13を備え、上記算出したリスクポテンシャルRPに基づいて、アクセルペダル反力制御装置13へ反力指令値を出力することで、情報提供を行うようにしても良い。
また、上記実施形態では、2つの指標値を使用して2組の車両環境特性値と個人運転特性値との組から、2つのリスクポテンシャルRPを算出して最終的なリスクポテンシャルRPを算出した。上記2つのリスクポテンシャルRPの一方だけを採用しても良い。
また上記実施形態では、車両環境特性値の履歴に基づき個人運転特性値を算出したが、第2、第3実施形態のように、運転者の設定した値に基づき個人運転特性値を取得しても良い。
また上記実施形態では、車両環境特性値の履歴に基づき個人運転特性値を算出したが、先行車に追従時の運転者による制動操作や操舵操作などの運転操作の履歴の分布の特徴量から個人運転特性値を算出しても良い。この場合、車両環境特性値と個人運転特性値の次元が異なる可能性がある。このため、車両環境特性値の履歴に基づき個人運転特性値を算出する方が、より適切なリスクポテンシャルRPを算出することが出来る。
ここで、先方レーダ装置は、環境認識部を構成する。また車間時間THWや余裕時間TTCは、車両環境特性値と個人運転特性値の指標値となる。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両環境特性値算出部20Bは、走行環境のうち先行車両SAに対する自車両MMの車両状態を表す車両環境特性値を算出する。個人運転特性値取得部20Cは、走行環境のうち先行車両SAに対する自車両MMの車両状態の履歴情報に基づき、運転者の個人運転特性値を取得する。リスクポテンシャル算出部20Dは、車両環境特性値と個人運転特性値とに基づき、自車両MM周囲のリスクポテンシャルRPを1又は2以上算出する。
この構成によれば、走行環境から決定する車両環境特性値と、運転者の個人運転特性値とからリスクポテンシャルRPを算出する。この結果、運転者にとって、より違和感の少ないリスクポテンシャルRPを算出することが可能となる。
(2)リスクポテンシャル算出部20Dは、上記個人運転特性値に対する上記車両環境特性値の比を使用してリスクポテンシャルRPを算出する。
この構成によれば、上記比に基づきリスクポテンシャルRPを算出すれば、より対象とする運転者個人の感受性に応じたリスクポテンシャルRPを算出することが可能となる。
例えば、上記比を(車両環境特性値/個人運転特性値)と表したとする。この場合、リスクポテンシャルRPを求める際のパラメータとしての車両環境特性値と個人運転特性値とが相互に関係しあうので、個人運転特性値に応じたリスクポテンシャルRPが算出される。
(3)上記車両環境特性値と上記個人運転特性値とは同一の次元を持つ。
この構成によれば、より適切なリスクポテンシャルRPを求めることが可能となる。
(4)車両環境特性値算出部20Bは、車両周囲の他車両からなるリスク対象に対する自車両MMの相対距離、相対速度のうちの少なくとも一つの値に基づき上記車両環境特性値を算出することで、当該車両環境特性値を取得する。
この構成によれば、リスク対象としての周囲車両との関係に適した指標を使用して車両環境特性値を演算することが可能となる。上述のように、相対距離、相対速度は、リスク対象としての周囲車両に適した指標となっている。
(5)上記車両環境特性値および上記個人運転特性値は、自車両MMと対象とする上記リスク対象との相対距離から算出される値である。
この構成によれば、リスク対象としての周囲車両に適した指標によって車両環境特性値を演算することが可能となる。
(6)上記車両環境特性値および上記個人運転特性値は、自車両MMと対象とする上記リスク対象との相対速度で算出される値である。
この構成によれば、リスク対象としての周囲車両に適した指標によって車両環境特性値を演算することが可能となる。
(7)上記個人運転特性値取得部20Cは、上記自車両MMの車両状態の履歴情報を参照して算出した、上記自車両MMの車両状態の分布の特徴量から上記個人運転特性値を取得する。
この構成によれば、実際に運転者が設定した走行状態の履歴を使用することで、より運転者に適合した個人運転特性値を取得出来る。またこの場合には、車両環境特性値と上記個人運転特性値とは同一の次元とすることが出来る。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様な構成については同一の符号を使用して説明する。
上記第1実施形態は、自車両MM周囲に存在する先行車両SAをリスク対象としてリスクポテンシャルRPを算出する場合の例である。これに対し、本実施形態は、図8に示すように自車両MMの側後方の車両(以下、単に側後方車両SBとも呼ぶ。)をリスク対象としてリスクポテンシャルRPを算出する場合の例である。すなわち、隣接車線における自車両MMの側方若しくは後方に位置する車両をリスク対象としている。
車両の基本構成の処理は、上記第1実施形態と同様である。
但し、本実施形態は、側後方若しくは側後方に存在する側後方車両SBをリスク対象とする場合であるため、側後方用レーダ装置3を環境認識部とする。その側後方用レーダ装置3は少なくとも自車両MM側後方の所定の死角エリアに存在する障害物の存在の可否を検出できるように設定してある。そして、側後方用レーダ装置3は、側後方車両SBまでの車両間距離と相対速度を検出する。
ここで、車両間距離は、側後方車両SBとの相対横位置(車両幅方向の相対距離)と相対縦位置(車両進行方向での相対距離)との2つに分けて検出しても良い。この場合には、各車両間距離毎に、後述の車間時間及び余裕時間を求めてリスクポテンシャルRPを算出する。
また上記リスクポテンシャル演算部20の構成は、図9に示すように、上記第1実施形態と基本的に同じであるが、但し、運転者が個人特性値の情報を設定する場合の例であるので、別途個人特性指標値取得部20Eを有する。
車両環境特性値算出部20Bは、第1実施形態と同様に、側後方車両SBを検出する側後方用レーダ装置3が検出した車両間距離及び相対速度に基づき、側後方車両SBに対する車間時間THW及び余裕時間TTCを算出し、更にその逆数である(1/THW)、(1/TTC)をそれぞれ車両環境特性値として算出する。
ここで、本実施形態の例においても、第1実施形態と同様に自車両MMの車両状態の履歴情報を参照して算出した、上記自車両MMの車両状態の分布の特徴量から上記個人運転特性値を取得して使用しても構わない。本実施形態では、上述の通り、個人運転特性値に係る指標を運転者が選択する場合を例として説明する。このため、上述の通り、本実施形態のリスクポテンシャル演算部20は、個人特性指標値取得部20Eを備える。
個人特性指標値取得部20Eは、例えばナビゲーション装置5の表示部に対して、リスク対象(本実施形態では側後方車両SB)との距離選択指標の選択情報と表示して、選択を促す。選択情報は、例えば「長」「中」「短」とする。この場合、運転初心者や運転に自信がない運転者は、「長」を選択すると推定され、運転熟練者は「短」を選択すると推定される。また運転熟練者であっても、不慣れな道や慎重に運転したいと考える場合には、「短」の代わりに「中」や「長」を選択すると推定される。このように運転者のそのときの感受性に応じた距離選択指標が選択出来る。
個人特性指標値取得部20Eは、上記選択情報のうちのいずれかの選択を検知すると、選択された選択情報に基づき個人運転特性の指標値を決定する。指標値の決定は、例えば各選択情報に対応した値を選択することで決定する。例えば「長」であれば「1」、「中」であれば「2」、「短」であれば「3」等である。
本実施形態の個人運転特性値取得部20Cは、個人特性使用値取得部が決定した個人運転特性の指標値を参照して、その指標値に対応する、車間時間に応じた個人特性値、余裕時間に応じた個人特性値を取得する。例えば、図10のような指標値−特性値マップを予め記憶しておき、そのマップによって第1の個人運転特性値(1/THW)ind及び第2の個人運転特性値(1/TTC)indを決定する。
なお、第1実施形態と同様に、第1の個人運転特性値(1/THW)indよりも第2の個人運転特性値(1/TTC)indが大きい値に設定する。その比は例えば1:2〜1:4の範囲で適宜設定する。
リスクポテンシャル算出部20Dは、上記第1実施形態と同様であり、下記式に基づき、各個人運転特性値に対する車両環境特性値の比を使用してリスクポテンシャルRPを算出する。
RP= {(1/THW)/(1/THW)ind}
+{(1/TTC)/(1/TTC)ind}
次に、本実施形態の運転支援制御部21の処理について説明する。
運転支援制御部21は、上記リスクポテンシャル算出部20Dが算出したリスクポテンシャルRPに基づき、乗員に対し情報呈示を行ったり、車両制御を実施する。本実施形態の運転支援制御部21は、上記リスクポテンシャル算出部20Dが算出したリスクポテンシャルRPが予め設定した第1の閾値TH1以上と判定すると、情報呈示として接近警報を出力する。接近警報の出力は、表示部に警報表示をしたり、音声によって呈示処理を行う。
ここで、本実施形態では、リスク対象に対するリスクポテンシャルRPが第1の閾値TH1以上の場合に報知するとしているがこれに限定されない。リスクポテンシャル演算部20が、自車両MMが車線変更するか否かを判定する車線変更判定部を備え、その車線変更判定部が車線変更と判定した場合にのみ報知処理や後述の車両制御の少なくとも一方を行っても良い。
また、リスク対象は左右の車線(白線)であっても良い。例えば、前方撮像部2が撮像した画像を画像処理することで白線の位置を認識することが可能である。
更に、本実施形態の運転支援制御部21は、上記リスクポテンシャル算出部20Dが算出したリスクポテンシャルRPが上記第1の閾値TH1よりも大きな第2の閾値TH2以上と判定すると、リスク対象から離れる方向に向かう操舵反力となる目標操舵力F*を算出し、その目標操舵反力F*相当の操舵反力を、操舵反力装置9を通じステアリングホイールに伝達する。発生させる操舵反力は、固定の値でも良いし、図12に示すように、目標操舵反力F*をリスクポテンシャルRPに応じた値であっても良い。
次に、コントローラ10におけるリスクポテンシャルRPの算出に関わる処理について、図11を参照して説明する。この処理は、例えば設定された制御間隔(例えば50msec)毎に連続的に行われる。
まずステップS210で、側後方用レーダ装置3および車速センサ4から自車両MMおよび車両周囲の走行状態を読み込む。図8は、自車両MMと自車両MMの斜め後方の側後方車両SBとの走行状態を模式的に示す図である。本実施形態では、相対速度、車両間距離、自車両MMの車速を読み込む。
ステップS220では、ステップS110で読み込んだ値を用いて、側後方車両SBまでの余裕時間TTCと車間時間THWとを算出する。更に、車両環境特性値である(1/THW)及び(1/TTC)
ステップS230では、個人特性指標値取得部20Eが運転者が選択した指標値を取得し、個人運転特性値取得部20Cが、その指標値に基づき予め設定したマップや関数等に基づき、第1の個人運転特性値(1/THW)ind及び第2の個人運転特性値(1/TTC)indを求める。
ステップS240では、リスクポテンシャル算出部20Dは、ステップS220で算出した2つの車両環境特性値である(1/THW)及び(1/TTC)と、ステップS230で求めた第1の個人運転特性値(1/THW)ind及び第2の個人運転特性値(1/TTC)indとを使用して、側後方車両SBに対するリスクポテンシャルRPを、自車両MM周囲のリスクポテンシャルRPとして算出する。
ステップS250では、運転支援制御部21は、ステップS240で求めたリスクポテンシャルRPが第1の閾値TH1以上と判定すると、接近警報処理を行う。
ステップS260では、運転支援制御部21は、ステップS250で求めたリスクポテンシャルRPが21の閾値以上と判定すると、ステアリングホイールにリスク対象から離れる方向の操舵反力を付与する処理を実施する。
(動作その他)
走行中に運転者が実際に感じるリスクは、自車両MM周囲の走行状況によって異なる。例えば、ある時点における自車両MMと側後方車両SBとの相対速度vrおよび車両間距離Dが同じであっても、相対速度vrが0で車両間距離Dが一定で自車両MMが側後方車両SBに追従する場合、すなわち定常状態と、相対速度vrおよび車両間距離Dが変動して自車両MMが側後方車両SBに接近していく場合、すなわち過渡状態とでは、運転者が感じるリスクが異なる。
そこで、本実施形態においては、自車両MM周囲の走行状況を定常状態とした場合の車両環境特性値(1/THW)と、過渡状態とした場合の車両環境特性値(1/TTC)との2つの異なる車両環境特性値を個別に算出する。
また、同じ定常状態での追従走行状態や過渡状態であっても、運転者の性格や運転の熟練度などによって、運転者の感じるリスクが異なる。これに鑑みて、本実施形態においては、自車両MM周囲の走行状況を定常状態とした場合の個人運転特性値(1/THW)indと、過渡状態とした場合の個人運転特性値(1/TTC)との2つの異なる運転特性値を個別に算出する。
そして、上記車両環境特性値と個人運転特性値との2種類のパラメータを使用してリスクポテンシャルRPを算出する。具体的には、追従走行における定常状態に関わるリスクポテンシャル{(1/THW)/(1/THW)ind}と、追従走行における過渡状態に関わるリスクポテンシャル{(1/TTC)/(1/TTC)ind}とを個別に算出し、その2つのリスクポテンシャルの和からなるリスクポテンシャルRPを、側後方車両SBに対するリスクポテンシャルRPとした。
このように、走行環境から決定する車両環境特性値と、運転者の個人運転特性値との2つの値からリスクポテンシャルRPを算出することで、運転者にとって、より違和感の少ないリスクポテンシャルRPを算出することが可能となる。
そして、リスクポテンシャルRPが高くなると、注意喚起を行ったり、リスク対象から離れる方向への操舵反力をステアリングホイールに入力することで、運転者の運転支援を行う。
ここで、上記実施形態では、運転者の設定値に基づき個人運転特性値を算出しているが、第1実施形態と同様に、車両環境特性値の履歴情報に基づき個人運転特性値を算出しても良い。
ここで、側後方用レーダ装置3は環境認識部を構成する。また車間時間THWや余裕時間TTCは、車両環境特性値と個人運転特性値の指標値となる。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態の対応する効果に加え、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)車両環境特性値算出部20Bは、走行環境のうち側後方車両SBに対する自車両MMの車両状態を表す車両環境特性値を算出する。個人運転特性値取得部20Cは、運転者の設定に基づき、運転者の個人運転特性値を取得する。リスクポテンシャル算出部20Dは、車両環境特性値と個人運転特性値とに基づき、自車両MM周囲のリスクポテンシャルRPを1又は2以上算出する。
この構成によれば、走行環境から決定する車両環境特性値と、運転者の個人運転特性値とからリスクポテンシャルRPを算出する。この結果、運転者にとって、より違和感の少ないリスクポテンシャルRPを算出することが可能となる。
(2)個人運転特性値取得部20Cは、予め設定した複数の値から運転者が選択した値に基づき当該運転者の個人運転特性値を取得する。
この構成によれば、個人運転特性値を求めるために履歴を取ることなく当該個人運転特性値を求めることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、第1及び第2実施形態と同様な構成については同一の符号を使用して説明する。
上記第1及び第2実施形態は、自車両MM周囲に存在する車両をリスク対象としてリスクポテンシャルRPを算出する場合の例である。これに対し、本実施形態は、図12に示すように自車両MMが走行する走行路形状をリスク対象とし、その走行路形状の大きさの指標値の一つである道幅から車両環境特性値(1/Width)を求めてリスクポテンシャルRPを求める例である。
車両の基本構成の処理は、上記第1実施形態と同様である。
但し、本実施形態は、側後方若しくは側後方に存在する側後方車両SBをリスク対象とする場合であるため、前方撮像部2を環境認識部とする。
本実施形態では、前方撮像部2は、車両前方の撮像画像から進行方向前方の道幅を検出する。例えば、自車速を参照して、予め設定した時間後(例えば3秒後)に自車両MMが到達する位置の道幅を求める。
また本実施形態のリスクポテンシャル演算部20の構成は、第2実施形態のリスクポテンシャル演算部20と同様である。
車両環境特性値算出部20Bは、前方撮像部2が求めた道幅から、その道幅の逆数(1/Width)を、車両環境特性値として算出する。
個人特性指標値取得部20Eは、例えばナビゲーション装置5の表示部に対して、リスク対象(本実施形態では走行路)の道幅選択指標の選択情報と表示して、選択を促す。選択情報は、例えば「広」「中」「狭」とする。この場合、運転初心者や運転に自信がない運転者は、「広」を選択すると推定され、運転熟練者は「狭」を選択すると推定される。また運転熟練者であっても、不慣れな道や慎重に運転したいと考える場合には、「狭」の代わりに「中」や「広」を選択すると推定される。このように運転者のそのときの感受性に応じた距離選択指標が選択出来る。
個人特性指標値取得部20Eは、上記選択情報のうちのいずれかの選択を検知すると、選択された選択情報に基づき個人運転特性の指標値を決定する。指標値の決定は、例えば各選択情報に対応した値を選択することで決定する。例えば「広」であれば「1」、「中」であれば「2」、「狭」であれば「3」等である。
本実施形態の個人運転特性値取得部20Cは、個人特性使用値取得部が決定した個人運転特性の指標値を参照して、その指標値に対応する、車間時間に応じた個人特性値、余裕時間に応じた個人特性値を取得する。例えば、図14のような指標値−特性値マップを予め記憶しておき、そのマップによって個人運転特性値(1/Width)indを決定する。
リスクポテンシャル算出部20Dは、下記式に基づき、個人運転特性値に対する車両環境特性値の比を使用してリスクポテンシャルRPを算出する。
RP= {(1/Width)/(1/Width)ind}
次に、本実施形態の運転支援制御部21の処理について説明する。
運転支援制御部21は、上記リスクポテンシャル算出部20Dが算出したリスクポテンシャルRPに基づき、乗員に対し情報呈示を実施する。本実施形態の運転支援制御部21は、上記リスクポテンシャル算出部20Dが算出したリスクポテンシャルRPが予め設定した閾値以上と判定すると、情報呈示として注意喚起の警報を出力する。注意喚起の警報の出力は、表示部に警報表示をしたり、音声によって呈示処理を行う。
次に、コントローラ10におけるリスクポテンシャルRPの算出に関わる処理について、図15を参照して説明する。この処理は、例えば設定された制御間隔(例えば50msec)毎に連続的に行われる。
まずステップS310で、車両前方の道幅を読み込む。図13は、自車両MMと自車両MM前方の道路形状の変化を模式的に示す図である。
ステップS320では、ステップS110で読み込んだ値を用いて、車両環境特性値(1/Width)を算出する。
ステップS330では、個人特性指標値取得部20Eが運転者が選択した指標値を取得し、個人運転特性値取得部20Cが、その指標値に基づき予め設定したマップや関数等に基づき、個人運転特性値(1/Width)indを求める。
ステップS340では、リスクポテンシャル算出部20Dは、ステップS320で算出した車両環境特性値(1/Width)と、ステップS330で求めた個人運転特性値(1/Width)indとを使用して、自車両MM前方の走行路に対するリスクポテンシャルRPを、自車両MM周囲のリスクポテンシャルRPとして算出する。
ステップS350では、運転支援制御部21は、ステップS340で求めたリスクポテンシャルRPが閾値以上と判定すると、接近警報処理を行う。
(動作その他)
走行路状態に対する運転者が実際に感じるリスクは、それぞれの運転者によって異なる。
そこで、客観的な車両環境特性値(1/Width)と運転者の感受性に応じた個人運転特性値(1/Width)indとの2種類のパラメータを使用してリスクポテンシャルRPを算出する。
このように、走行環境から決定する車両環境特性値と、運転者の個人運転特性値との2つの値からリスクポテンシャルRPを算出することで、運転者にとって、より違和感の少ないリスクポテンシャルRPを算出することが可能となる。
そして、リスクポテンシャルRPが高くなると、注意喚起を行うことで、運転者の運転支援を行う。
ここで、上記第1〜第3実施形態は、それぞれ車両周囲のリスク対象が異なる。上記第1〜第3実施形態に記載のうちの2以上のリスク対象に対し同時期に個別にリスクポテンシャルRPを求めても良い。また、2以上のリスク対象に対して1つのリスクポテンシャルRPを求めても良い。例えば各リスク対象の各リスクポテンシャルRPの和で総合的なリスクポテンシャルRPを算出する。
ここで、前方撮像部2は環境認識部を構成する。また幅Widthは、車両環境特性値と個人運転特性値の指標値となる。
(本実施形態の効果)
上記第1実施形態及び第2実施形態の対応する効果に加えて次の効果を奏する。
(1)車両環境特性値算出部20B境認識部は、走行環境として前方の道路状況に対する自車両MMの車両状態を表す車両環境特性値を算出する。個人運転特性値取得部20Cは、運転者の設定に基づき、運転者の個人運転特性値を取得する。リスクポテンシャル算出部20Dは、車両環境特性値と個人運転特性値とに基づき、自車両MM周囲のリスクポテンシャルRPを算出する。
この構成によれば、走行環境から決定する車両環境特性値と、運転者の個人運転特性値とからリスクポテンシャルRPを算出する。この結果、運転者にとって、より違和感の少ないリスクポテンシャルRPを算出することが可能となる。
(2)車両環境特性値算出部20Bは、リスク対象の大きさを表す値に基づき上記車両環境特性値を算出することで、当該車両環境特性値を取得する。
この構成によれば、道路形状等のリスク対象に応じた客観的な車両環境特性値を得ることが可能となる。
本実施形態では、道路の左右の部分を含む道路全体が、走行環境における障害物となり、その道幅がリスク対象の大きさを表す値となる。
(3)上記車両環境特性値および上記個人運転特性値は、上記リスク対象の大きさの指標値の一つである当該リスク対象の幅から算出される値である。
この構成によれば、リスク対応に応じた客観的な車両環境特性値を得ることが可能となる。
(4)上記個人運転特性値は、上記リスク対象を特定する指標値に対し個人差のばらつきを表現する係数を積算した積算値に基づき設定される。
本実施形態では、道幅がリスク対象を特定する指標値となり、個人差のばらつきを表現する係数が図14に記載されている値である。
(5)上記車両環境特性値および上記個人運転特性値は、車両周囲のリスク対象の種別毎に個別に設定した指標で求める。
この構成によれば、リスク対象に応じて適切な指標を採用して、車両環境特性値および上記個人運転特性値求めることが可能となる。
(6)上記分布の特徴量は、リスク対象に応じて個別に規定される。
この構成によれば、リスク対象に応じて適切にリスクポテンシャルRPを求めることが可能となる。
以上の説明では、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
1 前方用レーダ装置
2 前方撮像部
3 側後方用レーダ装置
4 車速センサ
5 ナビゲーション装置
6 制動制御装置
6a ブレーキ装置
6b 流体圧回路
6c 制動コントローラ
9 操舵反力装置
10 コントローラ
15 記憶部
20 リスクポテンシャル演算部
20A 環境情報取得部
20B 車両環境特性値算出部
20C 個人運転特性値取得部
20D リスクポテンシャル算出部
20E 個人特性指標値取得部
21 運転支援制御部
RP リスクポテンシャル
MM 自車両
SA 先行車両
SB 側後方車両
THW 車間時間
TTC 余裕時間
Width 幅

Claims (12)

  1. 自車両周囲の走行環境を検出する環境認識部と、
    上記環境認識部が検出した走行環境に対する自車両の車両状態を表す車両環境特性値を算出する車両環境特性値算出部と、
    上記環境認識部が検出した走行環境に対する自車両の車両状態の履歴情報又は運転者の設定に基づき、運転者の個人運転特性値を取得する個人運転特性値取得部と、
    上記車両環境特性値算出部が算出した車両環境特性値と上記個人運転特性値取得部が取得した個人運転特性値とに基づき、自車両周囲のリスクポテンシャルを1又は2以上算出するリスクポテンシャル算出部と、
    を備えることを特徴とする車両用リスクポテンシャル算出装置。
  2. 上記リスクポテンシャル算出部は、上記個人運転特性値に対する上記車両環境特性値の比を使用してリスクポテンシャルを算出することを特徴とする請求項1に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  3. 上記車両環境特性値と上記個人運転特性値とは同一の次元を持つことを特徴とする請求項2に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  4. 上記車両環境特性値算出部は、自車両周囲のリスク対象に対する自車両の相対距離、相対速度、及び上記リスク対象の大きさを表す値のうちの少なくとも一つの値に基づき上記車両環境特性値を算出することで、当該車両環境特性値を取得することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  5. 上記車両環境特性値および上記個人運転特性値は、車両周囲のリスク対象の種別毎に個別に設定した指標で求めることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  6. 上記車両環境特性値および上記個人運転特性値は、自車両と対象とする上記リスク対象との相対距離から算出される値であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  7. 上記車両環境特性値および上記個人運転特性値は、自車両と対象とする上記リスク対象との相対速度で算出される値であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  8. 上記車両環境特性値および上記個人運転特性値は、上記リスク対象の大きさの指標値の一つである当該リスク対象の幅から算出される値であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  9. 上記個人運転特性値は、上記リスク対象を特定する指標値に対し個人差のばらつきを表現する係数を積算した積算値に基づき設定されることを特徴とする請求項5に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  10. 上記個人運転特性値取得部は、上記自車両の車両状態の履歴情報を参照して算出した、上記自車両の車両状態の分布の特徴量から上記個人運転特性値を取得することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  11. 上記分布の特徴量は、リスク対象に応じて個別に規定されることを特徴とする請求項10に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
  12. 上記個人運転特性値取得部は、予め設定した複数の値から運転者が選択した値に基づき当該運転者の個人運転特性値を取得することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した車両用リスクポテンシャル算出装置。
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