JP2013257400A - 電気泳動材料、電気泳動表示装置、及び電子機器 - Google Patents

電気泳動材料、電気泳動表示装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高品位表示と優れた電気泳動性とが両立する電気泳動表示装置を提供すること。
【解決手段】電気泳動材料24は、第一極性に帯電した第一顔料粒子241と、第二顔料粒子242と、透明微粒子243と、が溶媒に分散されている。溶媒に分散した透明微粒子243が第二顔料粒子242の色の光を散乱させるので、第二顔料粒子242の色を際立たせる事ができる。更に、第二顔料粒子242の量を減らせるので、高い電気泳動性を維持する事ができる。従って、電気泳動材料24を用いた電気泳動表示装置150では、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とを両立する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気泳動材料と電気泳動表示装置、及び電子機器の技術分野に関する。
電気泳動表示装置では、電気泳動材料を挟んで対向する画素電極と共通電極と間に電圧を印加して、帯電した黒粒子や白粒子等の電気泳動粒子を空間的に移動させる事で表示領域に画像を形成している。電気泳動粒子は一度空間的に移動すると、電圧が取り除かれても、粒子同士の凝集力により拡散が抑制される。その為に、電気泳動表示装置は、電力供給がなされずとも、画像を維持する性質があり、それ故に低消費電力の電子書籍などに適応されている。従来の電気泳動表示装置では、特許文献1に記載されている様に、電気泳動粒子に酸化チタンなどの白粒子とカーボンブラックなどの黒粒子とを用いていた。その際に、白表示の反射率を高めたり、或いはコントラスト比を高めたりする為に、酸化チタンを黒粒子よりも遙かに沢山含有させていた。
特開2009−145873号公報
しかしながら、電気泳動材料に多量の酸化チタンを含有させると、電気泳動が行い難くなると云う課題があった。酸化チタンは密度が4.2g/cm3と大きい為に、密度が1程度以下との軽い溶媒に分散させるには、多量の分散剤や界面活性剤を用いて酸化チタン表面を被覆せねばならない。この結果、電気泳動材料の粘度が上昇し、電気泳動が阻害されていた。即ち、従来の電気泳動材料を用いた電気泳動表示装置では、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とが両立しないという課題があった。
本発明は、前述の課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(適用例1) 本適用例に係わる電気泳動材料は、第一極性に帯電した第一顔料粒子と、第二顔料粒子と、透明微粒子と、が溶媒に分散されている事を特徴とする。
この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、溶媒に分散した透明微粒子が光を散乱させるので、電気泳動表示装置で第二顔料粒子の色を際立たせる事ができる。即ち、第二顔料粒子の量を減らしながらも、第二顔料粒子の色を鮮やかに表示させる事ができる。第二顔料粒子の量を減らせるので、分散剤などの添加量も減り、電気泳動材料の粘度は上昇せず、高い電気泳動性を維持する事ができる。従って、この構成の電気泳動材料を用いた電気泳動表示装置では、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とを両立させる事ができる。
(適用例2) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、第二顔料粒子の総表面積と透明微粒子の総表面積との和に対する第二顔料粒子の総表面積の割合(面積割合)が4%以上96%以下である事が好ましい。
この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、第二顔料粒子の表示色を従来よりも鮮やかにする事ができる。例えば、第二顔料粒子の色が白の場合、電気泳動表示装置が白表示をした場合、従来よりも白の反射率を高め、明るい白色とする事ができる。
(適用例3) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、面積割合が10%以上56%以下である事が好ましい。
この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、第二顔料粒子の表示色を従来よりも取り分け鮮やかにする事ができる。例えば、第二顔料粒子の色が白の場合、電気泳動表示装置が白表示をした場合、従来よりも白の反射率を大きく高め、極めて明るい白色とする事ができる。
(適用例4) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、第二顔料粒子は白色である事が好ましい。
透明微粒子の光散乱は乳白色を帯びる。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、第二顔料粒子が白色であるので、透明微粒子の光散乱と併せて明度の高い白表示を少ない量の第二顔料粒子で実現する事ができる。
(適用例5) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、第一顔料粒子は黒色である事が好ましい。
黒色の顔料粒子は光を吸収するので、透明微粒子が光散乱で顔料粒子の色を際立たせる効果は、黒表示には適応できない。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、第一顔料粒子と異なる色を示す第二顔料粒子の色を透明微粒子が際立たせる事ができる。
(適用例6) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、透明微粒子の粒径は50nm以上1μm以下の範囲にある事が好ましい。
可視光の中心波長は550nm程度であり、微粒子の大きさがその10分の1程度以下だと可視光は微粒子によりレイリー散乱される。一方、微粒子の粒径が10分の1程度以上と波長に比べて無視できない場合、可視光は微粒子によりミー散乱される。更に、透明微粒子は光の吸収が極めて小さい。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、透明微粒子が第二顔料粒子の色をそのままミー散乱させるので、第二顔料粒子の色を際立たせる事ができる。又、電気泳動表示装置の厚みは通常数十μmであるので、透明微粒子の粒径が1μm以下で有ると、表示に十分な量の透明微粒子を電気泳動材料に添加する事ができる。
(適用例7) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、透明微粒子の密度は2.5g/cm3以下である事が好ましい。
化学的に安定で毒性もなく、安価で容易に取り扱えるシリカビーズの密度は2.45g/cm3程度である。又、大半の樹脂材料の密度は2.5g/cm3以下である。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、密度が大きく、分散が困難な第二顔料粒子を減らし、密度が小さく取り扱いが容易で品種も豊富な樹脂材料やシリカビーズを透明微粒子として使用する事ができる。又、密度が2.5g/cm3以下と小さければ、透明微粒子の粒径が1μmと大きくとも、ストークスの法則により、沈降速度は0.8μm/s程度と遅くなる。この為に、電気泳動表示装置の厚みが50μm程度と薄い場合でも、沈降時間は1分程度となり、十分な画像保持性を示す事になる。即ち、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とが両立すると共に、画像保持性に優れた電気泳動表示装置とそれに用いられる電気泳動材料とを、安全且つ、容易に実現する事ができる。
(適用例8) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、透明微粒子は樹脂である事が好ましい。
樹脂には多くの材料があり、材料の選択肢が広い。しかも粒径の調整なども比較的容易である。又、有機溶媒への分散も容易で、分散安定性も高い。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とを容易に両立させる事ができる。更に、樹脂の密度は溶媒の密度と同じ程度である為に、重力による沈降は殆ど生じなくなる。従って、沈降時間は極めて長くなり、この構成の電気泳動材料を適応した電気泳動表示装置は十分に長い画像保持性を示す事になる。
(適用例9) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、第一顔料粒子の電気泳動移動度は、第二顔料粒子の電気泳動移動度と透明微粒子の電気泳動移動度とよりも大きい事が好ましい。
第二顔料粒子と透明微粒子とはミー散乱を利用して第二顔料粒子の色を際立たせるので、空間的に狭い領域に局在される必要性は小さい。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、主として第一顔料粒子を電気泳動させる事で表示の切り替えを行う事ができる。
(適用例10) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、第二顔料粒子は第二極性に帯電している事が好ましい。
この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、電気泳動材料に印加する電界で第一顔料粒子も第二顔料粒子もその分布位置を制御する事ができる。即ち、異なった画像間で画像品位を安定させる事ができる。例えば、第一顔料粒子の色を表示させようとした場合に、いつでも同じ程度の明度や反射率の表示を行う事ができる。
(適用例11) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、第二顔料粒子の電気泳動移動度は、透明微粒子の電気泳動移動度よりも大きい事が好ましい。
透明微粒子は可視光をミー散乱させるので、空間的に狭い領域に局在される必要性は小さい。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、第一顔料粒子と第二顔料粒子とを主として電気泳動させる事で表示の切り替えを行う事ができる。
(適用例12) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、第二顔料粒子は電気的に中性である事が好ましい。
第二顔料粒子による表示は、透明微粒子のミー散乱を利用しているので、第二顔料粒子が空間的に狭い領域に局在させられる必要性は小さく、電気泳動される必要性も小さい。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、第一顔料粒子を電気泳動させる事で表示の切り替えを行う事ができる。更に、第二顔料粒子が帯電していないので、電気泳動材料を介した漏れ電流が減り、良好な電気泳動性を有する電気泳動材料とする事ができる。又、第二顔料粒子が帯電していないので、第一顔料粒子と第二顔料粒子とがクーロンカップリングする事がなく、両者を容易に分離できる。即ち、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とを容易に両立させる事ができる。
(適用例13) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、透明微粒子は電気的に中性である事が好ましい。
透明微粒子は可視光をミー散乱させるので、空間的に狭い領域に局在させられる必要性は小さく、電気泳動される必要性も小さい。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、第一顔料粒子と第二顔料粒子とを電気泳動させる事で表示の切り替えを行う事ができる。更に、透明微粒子が帯電していないので、電気泳動材料を介した漏れ電流が減り、良好な電気泳動性を有する電気泳動材料とする事ができる。
(適用例14) 上記適用例に係わる電気泳動材料において、透明微粒子は第二極性に帯電している事が好ましい。
透明微粒子は第二顔料粒子の表示色を際立たせる役目を負う。従って、この構成の電気泳動材料を電気泳動表示装置に適応すれば、透明微粒子と第二顔料粒子とは同極性となり、両者を同じ様に電気泳動させる事ができる。
(適用例15) 本適用例に係わる電気泳動表示装置は、上記適用例のいずれか一項に記載の電気泳動材料を備えた事を特徴とする。
この構成によれば、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とが容易に両立し、更に画像保持性に優れた電気泳動表示装置を実現する事ができる。
(適用例16) 本適用例に係わる電子機器は、上記適用例に記載の電気泳動表示装置を備えた事を特徴とする。
この構成によれば、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とが容易に両立し、更に画像保持性に優れた電子機器を実現する事ができる。
実施形態1における電子機器の斜視図。 実施形態1に係わる電気泳動表示装置を説明した断面図。 第二顔料粒子の重量割合が第二表示に及ぼす効果を説明した図。 第二顔料粒子の粒子数割合が第二表示に及ぼす効果を説明した図。 実施形態1に係わる電気泳動表示装置の回路図。 電子ペーパーの構成を示す斜視図。 電子ノートの構成を示す斜視図。 実施形態2に係わる電気泳動表示装置を説明した断面図。 実施形態3に係わる電気泳動表示装置を説明した断面図。 実施形態4に係わる電気泳動表示装置を説明した断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
「電子機器の概要」
図1は、実施形態1における電子機器の斜視図である。先ず、実施形態1に係わる電子機器と電気泳動表示装置との概要を、図1を参照して説明する。
図1に示す様に、本発明に係わる電子機器100は、電気泳動表示装置150と、電子機器100を操作するためのインターフェイスとを備えている。インターフェイスとは、具体的には操作部120で、スイッチなどから構成される。電気泳動表示装置150は表示領域10を有するディスプレイモジュールである。表示領域10は複数の画素20(図5(a)参照)から成り、これらの画素20が電気的に制御される事で表示領域10に画像が表示される。
「電気泳動表示装置の構造」
図2は、実施形態1に係わる電気泳動表示装置を説明した断面図であり、(a)は第二表示を説明し、(b)は第一表示を説明している。尚、第一顔料粒子241の色を第一の色とし、第一の色を表示する場合を第一表示とする。同様に、第二顔料粒子242の色を第二の色とし、第二の色を表示する場合を第二表示とする。第一の色と第二の色とは異なっており、本実施形態では、一例として、第一の色を黒色とし、第二の色を白色としている。次に、図2を用いて、本実施形態に係わる電気泳動表示装置150の構造を説明する。
電気泳動表示装置150は第一基板80と第二基板90とを有する。表示領域10には複数の画素20が行列状に配置されている。第一基板80で表示領域10となる領域には、画素20毎に画素電極22と画素回路(図5(b)参照)とが形成され、第二基板90にはほぼ全面に共通電極23が形成されている。画素回路は画素スイッチング用トランジスター21と保持容量25とを含んでおり、一つの画素20は走査線30とデータ線40との交点に形成される。更に、画素20には共通電位線50も配線されている。第一基板80と第二基板90と間には電気泳動材料24が挟持されている。電気泳動材料24は第一極性に帯電した第一顔料粒子241と、第二顔料粒子242と、透明微粒子243と、を含み、これらが不図示の分散剤などの添加剤と共に不図示の溶媒に分散されて電気泳動材料24とされている。
本実施形態では、第二顔料粒子242は第二極性に帯電しており、透明微粒子は電気的に中性である。第二極性とは電気的に第一極性と反対の極性で、本実施形態では、一例として、第一極性を正(プラス)とし、第二極性を負(マイナス)としている。この結果、電気泳動材料24は画素電極22と共通電極23との間で電気泳動性を示す事になる。第一顔料粒子241と第二顔料粒子242とが互いに逆極性に帯電しているので、電気泳動材料24に印加する電界で第一顔料粒子241も第二顔料粒子242もそれらの分布位置を制御する事ができる。即ち、異なった画像間で画像品位を安定させる事ができる。例えば、第一の画素と第二の画像とで第一の色を表示させようとした場合に、第二顔料粒子242の分布位置をどちらの画像でも制御できるので、第一の画素でも第二の画像でも、いつでも同じ程度の明度や反射率の表示を行う事ができる。
第一顔料粒子241の第一の色と第二顔料粒子242の第二の色とは互いに相補的で有る事が好ましい。即ち、白色光を第一顔料粒子241に照射した際に、第一顔料粒子241が第二の色を吸収して得られる反射色を第一の色とするのが好ましい。本実施形態では、一例として、第二の色は白色で、第二顔料粒子242は白色を呈している。従って、第一顔料粒子241が呈する第一の色は黒色である。透明微粒子243は透明である。ここでの透明とは、透明微粒子243をなす材料にて25μm程度の厚みを有するフィルムや薄板を作製した際に、これらのフィルムや薄板が可視光領域で80%程度以上の光透過率を有する、との意味である。
第二基板90は透明で、使用者は第二基板90側から電気泳動表示装置150を見る。従って、図2(a)に示す様に、例えば、白表示をさせるには、白色の第二顔料粒子242を共通電極23側に寄せ、黒色の第一顔料粒子241を画素電極22側に寄せる。電気泳動表示装置150に入射する光60は、第二顔料粒子242や透明微粒子243によって散乱され、第二表示する事になる。反対に、黒表示をさせるには、図2(b)に示す様に、黒色の第一顔料粒子241を共通電極23側に寄せ、白色の第二顔料粒子242を画素電極22側に寄せる。電気泳動表示装置150に入射する光60は、第一顔料粒子241によって吸収され、第一表示する事になる。
一般に物体が白色を呈するのは、酸化チタンやアルミナなどの白顔料によって白く見える場合と、光が流体に分散した微粒子によって散乱(主としてミー散乱)して白く見える場合と、の二種類がある。従来の電気泳動材料や電気泳動表示装置が白顔料を用いて白色を表示していたのに対し、本実施形態では、白表示させるのに白顔料(第二顔料粒子242)と透明微粒子243によるミー散乱とを共に利用している。こうする事で、酸化チタンなどの第二顔料粒子242の量を減らしながらも、第二顔料粒子242の色を鮮やかに表示させる事ができる。第二顔料粒子242の量を減らせるので、分散剤などの添加量も減り、電気泳動材料24の粘度を低く保て、高い電気泳動性を維持する事ができる。更に、第二顔料粒子242が少量で、その他に分散性も分散安定性も第二顔料粒子242よりも優れた透明微粒子243が添加されているので、第二顔料粒子242の沈降が抑制され、この点からも電気泳動表示装置150の画像保持性が向上する事になる。前述の如く、ミー散乱を利用して第二の色を表示するので、第一の色は第二の色に対する相補色とするのが好ましい。又、電気泳動表示装置150は電子ペーパーなどの電子機器100に使用される場合が多いので、第一の色を黒色とし、第二の色を白色とするのが好ましい。
尚、本実施形態では、第二顔料粒子242は第二極性に帯電しており、透明微粒子243は電気的に中性であるので、透明微粒子243の電気泳動移動度はほぼゼロで、第二顔料粒子242の電気泳動移動度は透明微粒子243の電気泳動移動度よりも大きい。更に第一顔料粒子241に強い帯電処理を施し、第一顔料粒子241の電気泳動移動度が第二顔料粒子242の電気泳動移動度よりも大きくしてある。図2(a)と(b)とを比較すると判る様に、本実施形態で必ず電気泳動するのは第一顔料粒子241である。その為に、第一顔料粒子241は強く帯電している必要があり、電気泳動移動度も大きくなければならない。一方、第二顔料粒子242と透明微粒子243は可視光をミー散乱させるので、空間的に狭い領域に局在される必要性は小さい。即ち、第一基板80と第二基板90との間に第二顔料粒子242と透明微粒子243とは比較的均一に分布しておれば良く、必ずしも強く電気泳動される必要性はない。従って、本実施形態では、電気泳動表示装置150で第一顔料粒子241が主として電気泳動し、第二顔料粒子242は弱く電気泳動する事で表示の切り替えが行われている。一般に粒子に帯電処理を施すと、溶媒中に反対極性のイオンが放出され、溶媒の絶縁性が低下する。本実施形態の電気泳動材料24では、透明微粒子243に帯電処理されず、第二顔料粒子242の帯電処理も弱いので、溶媒中に放出されるイオンの量も減り、溶媒の絶縁性が増す。溶媒の電気絶縁性が増すと、帯電粒子に効率的に電界が印加されるので、電気泳動性が向上する。即ち、帯電粒子が被る実効的な電界強度が大きくなるので、電気泳動性が向上する。こうして電気泳動表示装置150は優れた電気泳動性を示す事になる。
「電気泳動材料」
次に電気泳動材料24を説明する。電気泳動材料24は、主として、第一顔料粒子241や第二顔料粒子242と言った顔料粒子と透明微粒子と溶媒とその他の添加剤とから構成される。尚、第一顔料粒子241と第二顔料粒子242とを特に区別する必要がない場合、両者を総称して単に顔料粒子と呼ぶ。
顔料粒子には、顔料その物と、樹脂系粒子に顔料や染料と云った色材を混ぜ合わせた物(樹脂系色粒子)と、がある。顔料粒子は、分散安定性の観点から、小さい物が好ましい。具体的には、その平均粒径が10nm程度から3μm程度の範囲にある物が好ましく、100nm程度から1μm程度の範囲にある物がより好ましい。
顔料粒子として顔料その物を使用する際には、顔料その物をそのまま使用しても良いし、顔料その物の表面を樹脂材料や他の顔料などの材料で被覆して使用しても良い。顔料その物の表面を他の材料で被覆した顔料粒子としては、例えば、酸化チタン粒子の表面を、酸化珪素や酸化アルミニウムで被覆した物が挙げられる。この粒子は白色粒子として好適である。
顔料粒子として樹脂系色粒子を使用する際には、樹脂系粒子の基礎材料として、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、これらの内の一種又は二種以上を組み合わせ樹脂系粒子とする。樹脂系粒子に色材を混ぜ合わせた樹脂系色粒子は、顔料や染料と上述の基礎材料とを適当な組成比で混合した物の他に、樹脂系粒子の表面を顔料や染料で被覆した物をも含む。こうして得られた樹脂系色粒子の表面を、更に高分子ポリマーなどの有機物で修飾しても良いし、酸化珪素などの無機物で修飾しても良い。
第一顔料粒子241は第一の色を呈する顔料であり、本実施形態では第一の色が黒色であるので、好適例として第一顔料粒子241にチタンブラック(密度4.3g/cm3)を用いている。チタンブラックの平均粒径は250nmである。第一顔料粒子241はこの他にアニリンブラックやカーボンブラックなどを使用しても良い。
第二顔料粒子242は第二の色を呈する顔料であり、本実施形態では第二の色が白色であるので、好適例として第二顔料粒子242に酸化チタン(密度4.25g/cm3)を用いている。酸化チタンの平均粒径は250nmである。第二顔料粒子242はこの他に三酸化アンチモン(密度5.2g/cm3)、酸化アルミニウム(密度4.0g/cm3)、炭酸カルシウム(密度2.8g/cm3)、酸化バリウム(密度5.7g/cm3)、炭酸バリウム(密度4.3g/cm3)、硫酸バリウム(密度4.5g/cm3)、酸化マグネシウム(密度3.65g/cm3)、などを使用しても良い。
透明微粒子243はその粒径(直径)が50nm以上1μm以下の範囲にある物を使用するのが好ましい。可視光の中心波長は550nm程度であるので、透明微粒子243の大きさがその10分の1程度以上と可視光波長に比べて無視できない場合、可視光は透明微粒子243によりミー散乱される。更に、透明微粒子243は光の吸収が極めて小さいので、透明微粒子243が第二顔料粒子242の色をそのままミー散乱させ、第二顔料粒子242の色を際立たせる事ができる。又、電気泳動表示装置150の厚み(図2で第一基板80と第二基板90との距離)は通常数十μmであるので、透明微粒子の粒径が1μm以下で有ると、表示に十分な量の透明微粒子243を電気泳動材料24に添加し、画素電極22と共通電極23との間でミー散乱にふさわしい十分な回数の光の反射を生じさせる事ができる。本実施形態では、好適例として、透明微粒子243は粒径500nmのシリカビーズを用いている。
透明微粒子243の密度は2.5g/cm3以下である事が好ましい。シリカビーズは、物によってその密度が異なるが、概ね2.45g/cm3以下であり、化学的に安定で毒性もなく、粒径分布を整えるのも容易で、しかも安価で、製造時に容易に取り扱う事ができ、透明微粒子243に好適である。又、大半の樹脂材料の密度は1.5g/cm3以下である。従って、シリカビーズや樹脂材料を透明微粒子243として使用すると、密度が大きく、分散が困難な第二顔料粒子242の量を減らせる事になる。又、密度が2.5g/cm3以下と小さければ、透明微粒子243の粒径が1μm程度と大きくとも、数式1に示すストークスの法則により、沈降速度は0.8μm/s程度と遅くなる。
Figure 2013257400
ここで、vは沈降速度、ρPは透明微粒子243の密度、ρSは溶媒の密度、gは重力加速度、rPは透明微粒子243の半径(従って、透明微粒子243の粒径は2rP)、ηは溶媒の粘度である。尚、本実施形態で用いたシリカビーズの密度は2.20g/cm3である。溶媒の密度は概ね1g/cm3程度で、粘度は1mPas程度である。従って、本実施形態で透明微粒子243の沈降速度は0.65μm/s程度である。この様に透明微粒子243の密度が小さく、沈降速度が遅いので、電気泳動表示装置150の厚みが50μm程度と薄い場合でも、沈降時間は1分程度以上となり、十分な画像保持性を示す事になる。
透明微粒子243の材質は樹脂であっても良い。樹脂には様々な材料があり、透明微粒子243に対する選択肢が広がるからである。而も樹脂からなる透明微粒子243は、粒径が小さくとも、粒径の調整が比較的容易で、平均粒径に対して標準偏差を小さくして、粒径分布を整える事が可能である。更には、樹脂からなる透明微粒子243は溶媒への分散も容易で、分散安定性も高い。加えて、多くの樹脂で密度が1.0/cm3から1.5g/cm3程度と、溶媒の密度(0.8/cm3から1.2g/cm3程度)に近いので、分散後に溶媒中での沈降も殆ど生じない。具体的に透明微粒子243の樹脂としては、線状又はシクロオレフィンポリマーなどの環状のポリエチレン(密度0.92/cm3から0.97g/cm3程度)やポリプロピレン(密度0.90/cm3から0.92g/cm3程度)、ポリスチレン(密度1.04/cm3から1.07g/cm3程度)、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂(密度1.18/cm3から1.22g/cm3程度)などが挙げられる。これらの樹脂単体、或いはこれらの樹脂の複合体、或いはこれらの樹脂単体や複合体に架橋剤を加えて反応させた物などが、透明微粒子243に用いられる。この他にも、上述の樹脂からなる微粒子の表面をシリカコートなどの無機材料でコーティングした物も透明微粒子243として使用する事ができる。この場合、溶媒に対する耐性が向上し、電気泳動材料の経時安定性が増す。更に、濡れ性も向上するので、分散性も分散安定性も向上して好ましい。或いは、シリカビーズを樹脂層でコーティングして、屈折率を調整したり、比重を低減させたりして透明微粒子243を構成しても構わない。
溶媒としては、高絶縁性の有機溶媒が好ましく、透明微粒子243に対する貧溶媒とする。ここでの貧溶媒とは透明微粒子243を溶かさぬ溶媒である。即ち、貧溶媒は透明微粒子243を全く溶かさぬか、或いは透明微粒子243の形状を保つ程度に僅かに溶かすか、或いは透明微粒子243の低分子成分が僅かに溶出する程度に溶かすか、のいずれかの性質を示す溶媒である。貧溶媒とする事で透明微粒子243の溶媒に対する耐性が向上し、電気泳動材料24の経時安定性が増すからである。
ポリエチレンにて透明微粒子243を形成した場合、好適な貧溶媒として、水、或いはメタノールやエタノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール、メチルセルソルブなどのアルコール系溶剤、或いはポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイル、或いは大豆油やひまわり油、オリーブ油などの植物油、などが挙げられる。高い電気泳動性を示すには、溶媒に高絶縁性が求められ、最適な貧溶媒はシリコーンオイルである。
ポリプロピレンにて透明微粒子243を形成した場合、好適な貧溶媒として、水、或いはメタノールやエタノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール、メチルセルソルブなどのアルコール系溶剤、或いはポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイル、或いは大豆油やひまわり油、オリーブ油などの植物油、或いはイソパラフィン系溶剤の様な石油系溶剤などが挙げられる。高い電気泳動性を示すには、溶媒に高絶縁性が求められ、最適な貧溶媒はシリコーンオイルや石油系溶剤である。
ポリスチレンにて透明微粒子243を形成した場合、好適な貧溶媒として、水、或いはポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイル、などが挙げられる。高い電気泳動性を示すには、溶媒に高絶縁性が求められ、最適な貧溶媒はシリコーンオイルである。
アクリル樹脂にて透明微粒子243を形成した場合、好適な貧溶媒として、水、或いはo−キシレンやm−キシレン、p−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、ナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素系溶剤、或いはポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイル、或いは大豆油やひまわり油、オリーブ油などの植物油、或いはイソパラフィン系溶剤の様な石油系溶剤などが挙げられる。高い電気泳動性を示すには、溶媒に高絶縁性が求められ、最適な貧溶媒はシリコーンオイルや石油系溶剤である。
樹脂からなる微粒子の表面をシリカコートなどの無機材料でコーティングした物やシリコンビーズにて透明微粒子243を形成した場合、好適な貧溶媒として、水、或いはメタノールやエタノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール、メチルセルソルブなどのアルコール系溶剤、或いはo−キシレンやm−キシレン、p−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、ナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素系溶剤、或いはシクロへキサンやn−ヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素などの脂肪族炭化水素系溶剤、或いは酢酸エチルや酢酸ブチルなどの各種エステル系溶剤、或いはアセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、或いはポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイル、或いは大豆油やひまわり油、オリーブ油などの植物油、或いはクロロブタンやクロロホルム、ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、トリクロロエタン、四塩化炭素、シクロヘキシルクロライド、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、三塩化フッ化エタン、四フッ化二臭化エチル、臭化エタン、四フッ化二フッ化エタン、ヨウ化メチレン、トリヨードシラン、ヨウ化メチルなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、或いは二硫化炭素、或いはイソパラフィン系溶剤の様な石油系溶剤など、水と殆どの有機溶剤が挙げられる。高い電気泳動性を示すには、溶媒に高絶縁性が求められ、最適な貧溶媒はシリコーンオイルや石油系溶剤である。
溶媒としては、透明微粒子243に対する良溶媒を採用する事もできる。ここでの良溶媒とは、本来は透明微粒子243を溶かす溶媒であるが、樹脂の架橋化反応などの工夫により実質的に貧溶媒とした物である。良溶媒とする事で透明微粒子243は溶媒を包含して膨潤するが、密度が溶媒と一層近くなるので分散安定性に寄与すると共に、ミー散乱も第一基板80と第二基板90との間で均一となり、第二顔料粒子242の第二の色を綺麗に表示する事になる。
ポリエチレンにて透明微粒子243を形成した場合、好適な良溶媒として、イソパラフィン系溶剤の様な石油系溶剤、或いはo−キシレンやm−キシレン、p−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、ナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素系溶剤、或いはクロロブタンやクロロホルム、ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、トリクロロエタン、四塩化炭素、シクロヘキシルクロライド、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、三塩化フッ化エタン、四フッ化二臭化エチル、臭化エタン、四フッ化二フッ化エタン、ヨウ化メチレン、トリヨードシラン、ヨウ化メチルなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、などが挙げられる。
ポリプロピレンにて透明微粒子243を形成した場合、好適な良溶媒として、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、或いはo−キシレンやm−キシレン、p−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、ナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素系溶剤、或いは酢酸エチルや酢酸ブチルなどの各種エステル系溶剤、などが挙げられる。
ポリスチレンにて透明微粒子243を形成した場合、好適な良溶媒として、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、或いはo−キシレンやm−キシレン、p−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、ナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素系溶剤、或いは酢酸エチルや酢酸ブチルなどの各種エステル系溶剤、或いはクロロブタンやクロロホルム、ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、トリクロロエタン、四塩化炭素、シクロヘキシルクロライド、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、三塩化フッ化エタン、四フッ化二臭化エチル、臭化エタン、四フッ化二フッ化エタン、ヨウ化メチレン、トリヨードシラン、ヨウ化メチルなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、などが挙げられる。
アクリル樹脂にて透明微粒子243を形成した場合、好適な良溶媒として、メタノールやエタノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール、メチルセルソルブなどのアルコール系溶剤、或いはアセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、或いはo−キシレンやm−キシレン、p−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、ナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素系溶剤、或いは酢酸エチルや酢酸ブチルなどの各種エステル系溶剤、或いはクロロブタンやクロロホルム、ジクロロベンゼン、トリクロロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、トリクロロエタン、四塩化炭素、シクロヘキシルクロライド、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、三塩化フッ化エタン、四フッ化二臭化エチル、臭化エタン、四フッ化二フッ化エタン、ヨウ化メチレン、トリヨードシラン、ヨウ化メチルなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、などが挙げられる。
「電気泳動材料組成」
図3は、第二顔料粒子の重量割合が第二表示に及ぼす効果を説明した図である。次に、図3を参照して、第二表示を綺麗に行う為に、第二顔料粒子242と透明微粒子243とをどの様な重量割合としたら良いかを説明する。
図3では、電気泳動表示装置150の第二表示(白表示)が第二顔料粒子242の割合に応じてどの様に変化するかに関する簡易実験系での結果が示されている。この変化を調べるにあたり、図2(a)に示す第二表示を簡易実験系にて再現して評価している。簡易実験系では、透明基板間に分散液を封入した平板状セルを形成し、この平板状セルを反射率1.18%の黒背景に設置し、表面の反射率を計測した。分散液は、溶媒としてシリコーンオイルを用い、この溶媒に第二顔料粒子242(酸化チタン)と透明微粒子243(シリカビーズ)とを分散剤(アクリル/シリコーン共重合ポリマー)を添加して分散させている。第二顔料粒子242と透明微粒子243との総重量は分散液の30wt%となるようにし、この総重量に対する第二顔料粒子242の重量割合を図3の横軸としている。従って、図3の横軸で0%は第二顔料粒子242を含まずに、透明微粒子243だけを含む分散液を示している。同様に、図3の横軸で100%は透明微粒子243を含まず、第二顔料粒子242だけを含む分散液を示し、従来の電気泳動材料に相当する。図3の縦軸は表面の反射率である。尚、透明基板間の距離(セルギャップ)は60μmで、分散剤は溶媒に対して10wt%添加されている。
図3の横軸で0%は第二顔料粒子242を含まないので、透明微粒子243によるミー散乱の白さを表している。セルギャップが60μmと狭い状態では、ミー散乱だけでは白さを表すのが困難で、反射率は7%程度である。要するに60μmのセルギャップでは、ミー散乱が不十分で表面から裏面が透けて見え、黒背景に近い反射率となっている。
一方、図3の横軸で5%は、第二顔料粒子242が5%で透明微粒子243が95%を意味する。この場合、反射率は透明微粒子だけの7%から50%近くに急激に向上する。これは第二顔料粒子242の色を透明微粒子243がミー散乱させている為である。即ち、透明微粒子243に僅かでも第二顔料粒子242が加えられると、透明微粒子243のミー散乱により、第二顔料粒子242の第二の色が鮮やかに表示される事になる。
図3の横軸で100%は透明微粒子243を含まないので、従来の電気泳動材料に相当する。簡易実験系では分散液に第一顔料粒子241を含んでいないので、白表示が75%程度の反射率になっているが、耐電処理された黒粒子とその逆極性に帯電処理された白粒子とを含む電気泳動材料にすると、黒粒子と白粒子とのクーロンカップリングなどにより、白表示の反射率はほぼ半減してしまう。即ち、従来の電気泳動材料では、図3の75%が実際には40%弱の白反射率と減少している。これに対して、弱く帯電した第二顔料粒子242と透明微粒子243とを含む本実施形態の電気泳動材料では図3に示される反射率から僅かしか白反射率は低下しない。例えば、第二顔料粒子242が5%で透明微粒子243が95%で電気泳動材料24を製造しても、白反射率は殆ど低下しない。これは、本発明に基づく電気泳動材料24では、第二顔料粒子242は本実施形態の様に弱く耐電処理されているか、或いは実施形態3や実施形態4に示す様に中性であり、而も、その量も従来よりも少なく(この例では、従来の20分の1)であるので、第一顔料粒子241と第二顔料粒子242とのクーロンカップリングが極めて小さくなる為である。要するに、第二顔料粒子242と透明微粒子243とに対する第二顔料粒子242の重量割合を5%以上とすると、従来よりも鮮やかな第二表示を行う事になる。第二の色が白色の場合、白反射率は従来よりも高くなり、コントラスト比も向上する。加えて、電気泳動材料24の粘度も低下するので、電気泳動性も向上し、高速での表示切り替えや低電圧駆動が実現する。更に、分散安定性も増すので、画像保持性も向上する事になる。
第二顔料粒子242と透明微粒子243とに対する第二顔料粒子242の重量割合の上限は99%であるが、図3からこの重量割合が75%以下なら間違いなく従来よりも高い白反射率を示す事が判る。第二顔料粒子242の割合が大きい程、第一顔料粒子241と第二顔料粒子とのクーロンカップリングが大きくなり、電気泳動材料24の白表示の反射率は図3から乖離するからである。又、第二顔料粒子242の重量割合が大きい程、電気泳動性の向上も少なくなり、同時に画像保持性の向上量も減ってくる。従って、第二顔料粒子242と透明微粒子243とに対する第二顔料粒子242の最適な重量割合は10%から50%の範囲となる。
次に、第一顔料粒子241や第二顔料粒子242、透明微粒子243の最適量を説明する。まず、第一顔料粒子241も第二顔料粒子242も透明微粒子243も球と考え、コントラスト比の高い電気泳動表示装置150を実現する上で必要となる電気泳動材料24の組成を考える。第二顔料粒子242(白粒子)の密度をρW、白粒子の半径をrW、第一顔料粒子241(黒粒子)の密度をρB、黒粒子の半径をrB、透明微粒子243(透明粒子)の密度をρP、透明粒子の半径をrPとする。この際に、黒粒子の断面積は数式2で表される。
Figure 2013257400
平面を円が細密充填した際に、円の面積割合は数式3である。
Figure 2013257400
従って、細密充填した際に黒粒子が専有する面積は、数式2を数式3にて除して、数式4となる。
Figure 2013257400
次に、平面視で一辺の長さがLの正方形で、セルギャップdのセルを想定する。この正方形の面積はL2で有るので、正方形を総て平面的に覆い尽くすのに必要な粒子数は、数式5にて表される。
Figure 2013257400
必要な黒粒子の層数をNBで表すと、必要な黒粒子の総数は数式6となる。
Figure 2013257400
黒粒子一個の重量は、数式7である。
Figure 2013257400
従って、セル内の黒粒子の総重量は数式6と数式7との積で、数式8となる。
Figure 2013257400
セルの深さはdであり、セルには白粒子と黒粒子と透明粒子とを入れ、溶剤の密度をρSとすると、セルを充満する溶剤の重量は、正方形の体積から白粒子の体積と黒粒子の体積と透明粒子の体積とを減じた体積に溶剤の密度を乗じ、数式9となる。
Figure 2013257400
尚、NWは白粒子を層状に並べた際の層数であり、NPは透明粒子を層状に並べた際の層数である。数式8と数式9とから、電気泳動材料24の粒子と溶剤との(溶剤+黒粒子+白粒子+透明粒子)の重量は、数式10となる。
Figure 2013257400
通常は粒子と溶剤の他に添加剤が加えられるので、電気泳動材料24の全体の重量に対する黒粒子重量の割合WBは、数式8を添加剤の効果kを加味した数式10にて除して、数式11となる。尚、kは場合によって異なるが、1以上で、概ね1.1程度となる場合が多い。
Figure 2013257400
同様に電気泳動材料全体重量に対する白粒子重量の割合WWは、数式12となる。
Figure 2013257400
同様に電気泳動材料全体重量に対する透明粒子重量の割合WPは、数式13となる。
Figure 2013257400
ちなみに、白粒子(第二顔料粒子242)重量と透明粒子(透明微粒子243)重量との和に対する白粒子(第二顔料粒子242)重量の割合RW(重量割合)は数式14となる。
Figure 2013257400
図3を用いて説明した様に、重量割合RWの好ましい範囲は5%以上99%以下で、最適な範囲は10%以上50%以下である。重量割合RWの好ましい範囲の下限をRWminとし、好ましい範囲の上限をRWmaxとすると、数式14は数式15に書き換えられる。
Figure 2013257400
Wmin=5%、RWmax=99%の場合、数式15は数式16となる。
Figure 2013257400
又、RWmin=10%、RWmax=50%の場合、数式15は数式17となる。
Figure 2013257400
B=1で有ると、数式3により隙間が9.31%存在するので、白粒子の反射率が80%で、黒粒子の反射率0%と云った理想系であっても、黒表示の反射率は7.4%となる。即ち、黒粒子が1層しかなければ、隙間によってコントラスト比を落としてしまう。粒子2層で細密充填すれば、理論上は、表面は完全に覆い尽くされるので、理想系では、黒表示の反射率は0%となる。従って、黒粒子も白粒子も最低でも2層分は電気泳動材料24に含まれているのが好ましい。黒粒子に関しては入射光を吸収すれば良いので、原理的には黒粒子2層分で黒表示となり得るが、第二表示に関しては、入射光が複数回の反射や散乱を繰り返して反射光として出射されねばならない。従って、第二顔料粒子242と透明微粒子243との層数の和(NW+NP)は、NBよりも大きく、実験に依ると10以上40以下が好ましく、好適例としてはNW+NP=25程度であった。即ち、電気泳動表示装置150に最低限必要な第一顔料粒子241の層数NBと、最低限必要な第二顔料粒子242と透明微粒子243との層数の和(NW+NP)とは、数式18で表される。
Figure 2013257400
数式15乃至17と数式18とは共に満たされる必要がある。数式14を書き換えると、数式19が得られる。
Figure 2013257400
数式19を用いると、数式18は数式20と表現される。
Figure 2013257400
結局、纏めると優良な電気泳動材料24とするには、好ましくは5%≦RW≦99%、より好ましくは5%≦RW≦75%、理想的には10%≦RW≦50%、とし、且つ数式18と数式19とを満たす様にNBとNWとNPとを決定する。次に、この様にして得られたNBとNWとNPとを数式11から数式13に代入して、WBやWW、WPを定める。一例として、理想系で黒表示の反射率を0%とする為の黒粒子の最低量WBminを考えると、これは、NB=2として数式21となり、電気泳動材料24の全体の重量に対する黒粒子重量の割合WBは、WBmin以上とされねばならない。
Figure 2013257400
本実施形態では、rB=rW=0.125μm、rP=0.25μm、d=60μm、ρB=4.3g/cm3、ρW=4.25g/cm3、ρP=2.20g/cm3、ρS=0.78g/cm3である。RW=0.2の際に、数式19により、NP=3.86NWとなる。この関係を満たし、且つNB=2で数式18を満たすには、NW≧2.06で有るので、WBminに対する好適例として、NW=2.06、NP=7.96とする(NW+NP=10.02)。これらをk=1.1として(添加剤は僅かとして)、数式11から数式13に適応すると、WB=2.3wt%、WW=2.3wt%、WP=9.4wt%、となる。
理想系では上述の通りだが、実際には、白粒子も黒粒子も電気泳動材料24中にて粒子同士が凝集したり、或いは電気泳動材料24を閉じ込める隔壁やマイクロカプセルなどに吸着されたりするので、NBやNWの値は上述の最低値よりも大きい方が好ましい。実験によると、NBを4、5と増やすに従い黒表示の反射率が低下し、5以上は殆ど変わらなかった。従って、NBやNWの好ましい範囲は4以上6以下であり、好適例としてはNB=NW=5.5である。この際に、数式19によりNP=21.25となり(従って、NW+NP=26.75)、WB=5.3wt%、WW=5.2wt%、WP=25.0wt%となる。従って、WW+WP=30.2wt%となり、これが図3に示す簡易実験系での実験条件の根拠である。
図4は、電気泳動表示装置が第二表示をした際に、第二顔料粒子の粒子数割合が第二表示に及ぼす効果を説明した図である。次に、図4を参照して、第二表示を綺麗に行う為に、第二顔料粒子242の層数と透明微粒子243の層数とをどの様な割合としたら良いかを説明する。
ここまでは、透明微粒子243としてシリカビーズを用い、第二顔料粒子242と透明微粒子243との関係を重量割合RWを用いて説明してきたが、実際に第二表示の反射率に強く影響を及ぼすのは、電気泳動材料24に含まれる第二顔料粒子242と透明微粒子243との総表面積の割合である。そこで、図4を参照して、図3に示した結果を、透明微粒子243をシリカビーズからその他の材料へと一般化して、総表面積の割合を用いて説明する。尚、図4では、電気泳動材料24とした際に生ずる黒粒子とのカップリングの効果も勘案してある。まず数式6より、単位体積当たりの白粒子数は数式22となる。
Figure 2013257400
数式22から、第二顔料粒子242(白粒子)の総表面積と透明微粒子243(透明粒子)の総表面積との和に対する第二顔料粒子242(白粒子)の総表面積の割合RS(面積割合)は数式23にて表される。
Figure 2013257400
数式23に示される様に、面積割合RSは層数の割合に等しい。数式23に数式19を代入すると、数式24が得られる。
Figure 2013257400
数式24は重量割合RWから面積割合RSへの変換式である。数式24を用いて、図3の横軸を変換したのが図4の横軸である。簡易実験系の白反射率と電気泳動表示装置150の第二表示との乖離は第二顔料粒子242の粒子数に比例するので、図3の縦軸をこれに則り変換したのが図4の縦軸である。こうして、図4は、電気泳動表示装置150の第二表示における反射率の面積割合RS依存性を示す事になる。図4から判る様に、面積割合RSが4%以上96%以下ならば、白表示の反射率は40%以上となり、従来の電気泳動表示装置よりも反射率が高くなる。又、面積割合RSが10%以上56%以下ならば、白表示の反射率は60%以上となり、極めて明るい白表示が実現する。最適値はRS=21%付近である。
数式23を書き換えると、数式25が得られる。
Figure 2013257400
好ましい電気泳動材料24の組成を纏めると、まず、適当なNBとNWとを定める。NBとNWとの好ましい範囲は、前述の如く、4以上6以下である。次に、数式25に則り、NPを定める。割合RSの好ましい範囲は4%以上96%以下、より好ましくは10%以上56%以下である。こうして定まったNBとNWとNPとを数式11から数式13に適応して、それぞれの粒子の重量割合を決定する。好適例として、透明粒子に粒径0.3μm(半径150nm)の架橋ポリメタクリル酸メチル(密度1.2g/cm3)を用い、黒粒子に粒径0.25μm(半径125nm)のチタンブラック(密度4.3g/cm3)を用い、白粒子に粒径0.25μm(半径125nm)の酸化チタン(密度4.25g/cm3)を用い、NB=NW=5.5とし、Rs=0.21とした場合(RW=0.44)、数式25によりNP=20.7(従って、NW+NP=26.2)となり、k=1.1として(添加剤は僅かとして)、数式11から数式13により、WB=6.0wt%、WW=5.9wt%、WP=7.9wt%、となる。この際に電気泳動表示装置150が白表示した場合の反射率は図4より70.7%程度となる事が判る。尚、上記構成で透明粒子に粒径0.1μm(半径50nm)の架橋ポリメタクリル酸メチル(密度1.2g/cm3)を用いた場合には、NB=NW=5.5とし、Rs=0.21とした場合(RW=0.70)、数式25によりNP=20.9(従って、NW+NP=26.4)となり、k=1.1として(添加剤は僅かとして)、数式11から数式13により、WB=6.1wt%、WW=6.0wt%、WP=2.7wt%、にて、電気泳動表示装置150の白表示反射率は70.7%程度となる。この様に透明微粒子243の粒径を小さくすると、透明微粒子243の重量を減らしても、高い表示品質と優れた電気泳動性を確保でき、好ましい。前述の如く透明微粒子243の粒径は50nm以上1μm以下の範囲にある事が好ましいが、透明微粒子243の取り扱いが容易で、添加量も減らせるとの観点からは、ここに記した様に、透明微粒子243の粒径は0.1μm以上0.3μm以下の範囲にある事がより好ましい。
「回路構成」
図5は、実施形態1に係わる電気泳動表示装置の回路図であり、(a)は全体構成を説明する図、(b)は画素回路を説明する図である。次に、図5を用いて本実施形態に係わる電気泳動表示装置の駆動回路を説明する。
図5(a)に示されている様に、表示領域10には、m行×n列分の画素20が行列状(二次元平面的)に配列されている。又、表示領域10には、m本の走査線30(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線40(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線30は行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線40は列方向(即ち、Y方向)に延在している。m本の走査線30とn本のデータ線40との交差点に対応して画素20が配置されている。
表示領域10の外側には駆動回路70が設けられている。駆動回路70は、コントローラー71や走査線駆動回路72、データ線駆動回路73、共通電位供給回路74などから構成されている。コントローラー71は走査線駆動回路72やデータ線駆動回路73、共通電位供給回路74などの動作を制御し、クロック信号やタイミング信号等の各種信号を各回路に供給する。
走査線駆動回路72は、コントローラー71から供給されるタイミング信号に基づいて、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。データ線駆動回路73は、コントローラー71から供給されるタイミング信号に基づいて、データ線X1、X2、…、Xnに画像信号を供給する。画像信号は、高電位VH(例えば15V)と低電位VL(例えば−15V)との間で多値的な電位をとる。尚、本実施形態では、画像信号は二値であり、第一表示(黒の表示)に書き換えられる画素電極22に対して高電位VHの画像信号が供給され、第二表示(白の表示)に書き換えられる画素電極22に対して低電位VLの画像信号が供給される。
共通電位供給回路74は、共通電位線50に共通電位Vcomを供給する。尚、共通電位Vcomは一定の電位であっても良いし、例えば書き込む階調やフレームに応じて変えても良い。本実施形態では、共通電位Vcomが総ての電位に対する基準電位となり、共通電位を0Vとしている。従って、先の高電位VH(例えば15V)や低電位VL(例えば−15V)はそのまま共通電位Vcomに対する電位差ともなる。尚、コントローラー71、走査線駆動回路72、データ線駆動回路73及び共通電位供給回路74には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のない物については説明を省略している。
図5(b)の回路図に示される様に、画素20は、画素スイッチング用トランジスター21と、画素電極22と、共通電極23と、電気泳動材料24と、保持容量25とを備えている。
画素スイッチング用トランジスター21は、例えばN型トランジスターで構成されている。ここでは、図2に示す様に、上ゲート型の薄膜トランジスターが採用されているが、下ゲート型の薄膜トランジスターで有っても構わない。画素スイッチング用トランジスター21は、そのゲートが走査線30に電気的に接続されており、そのソースがデータ線40に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極22及び保持容量25の一端に電気的に接続されている。保持容量25は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極(一端)が、画素電極22及び画素スイッチング用トランジスター21に電気的に接続され、他方の電極(他端)が共通電位線50に電気的に接続されている。この保持容量25によって画像信号を一定期間だけ維持することができる。画素スイッチング用トランジスター21は、データ線駆動回路73からデータ線40を介して供給される画像信号を、走査線駆動回路72から走査線30を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで、画素電極22及び保持容量25に出力する。
画素電極22には、データ線駆動回路73からデータ線40及び画素スイッチング用トランジスター21を介して、画像信号が供給される。画素電極22は、電気泳動材料24を介して共通電極23と互いに対向するように配置されている。共通電極23は、共通電位Vcomが供給される共通電位線50に電気的に接続されている。共通電極23は、画素電極22が形成された第一基板80に対向する第二基板90に設けられ、第一顔料粒子241と第二顔料粒子242とは、図2に示す断面図の上下方向で電気泳動する。尚、共通電極23を画素電極22が形成された第一基板80に設けて、電気泳動粒子が図2の断面図の水平方向(図2の左右方向)に電気泳動する構成としても良い。
「電子機器」
次に、前述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図6及び図7を参照して説明する。以下では、前述した電気泳動表示装置150を電子ペーパー400及び電子ノート500に適用した場合を例にとる。
図6は、電子ペーパーの構成を示す斜視図である。図6に示す様に、電子ペーパー400は、本実施形態に係わる電気泳動表示装置150を備えている。電子ペーパー400は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を示す書き換え可能なシートから構成されている。
図7は、電子ノートの構成を示す斜視図である。図7に示す様に、電子ノート500は、図6で示した電子ペーパー400が複数枚束ねられ、カバー501に挟まれているものである。カバー501は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する為の表示データ入力部を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパー400が束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
前述した電子ペーパー400及び電子ノート500は、本実施形態に係わる電気泳動表示装置150を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能である。尚、これらの他に、腕時計や携帯電話、携帯用オーディオ機器、電子タブレット端末、パーソナルコンピューター、電子看板、電子黒板などの電子機器に、本実施形態に係わる電気泳動表示装置150を適用する事ができる。
以上述べた様に、本実施形態に係わる電気泳動材料24とそれを適応した電気泳動表示装置150、及び電気泳動表示装置150を適応した電子機器に依れば、以下の効果を得る事ができる。
溶媒に分散した透明微粒子243が第二顔料粒子242の色の光を散乱させるので、電気泳動表示装置150で第二顔料粒子242の色を際立たせる事ができる。この結果、従来よりも第二顔料粒子242の量を減らしながらも、第二顔料粒子242の色を鮮やかに表示させる事ができる。第二顔料粒子242の量を減らせるので、第一顔料粒子241と第二顔料粒子242とのクーロンカップリングも減り、第二の色は鮮やかに表示され、コントラスト比も向上する事になる。更には、第二顔料粒子242の量を減らせるので、分散剤などの添加量も減り、電気泳動材料24の粘度は上昇せず、高い電気泳動性を維持する事ができる。従って、この構成の電気泳動材料24を用いた電気泳動表示装置150では、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とを両立させる事ができる。
更に、高品位表示(高コントラストや反射率の高い白表示)と優れた電気泳動性(低電圧駆動や高速応答)とが容易に両立し、更に画像保持性に優れた電子機器100を実現する事ができる。
尚、顔料粒子の色に関しては、第一の色と第二の色との組み合わせは白黒に限らず、様々な組み合わせが可能である。例えば、色座標で正反対に位置する関係の色(相補的な色)の組み合わせとしても良い。具体的には赤色と緑色と青色との加法混色の三原色を第二の色とし、シアンとマゼンタとイエローとの減法混色の三原色を第一の色とし、互いに相補的な色を第一の色と第二の色との組み合わせとしても良い。即ち、加法混色の三原色を呈する顔料粒子を第二顔料粒子242とし、これら加法混色の三原色を吸収する減法混色の三原色を呈する顔料粒子を第一顔料粒子241としても良い。具体的には、第二の色を赤色とし、赤色を吸収するシアンを第一の色としたり、或いは、第二の色を緑色とし、緑色を吸収するマゼンタを第一の色としたり、或いは、第二の色を青色とし、青色を吸収するイエローを第一の色としたりしても良い。
(実施形態2)
「透明微粒子が第二極性に帯電している形態」
図8は、実施形態2に係わる電気泳動表示装置を説明した断面図であり、(a)は第二表示を説明し、(b)は第一表示を説明している。以下、本実施形態に係わる電気泳動材料24と電気泳動表示装置150について説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図8)は実施形態1(図2)と比べて、透明微粒子243が第二極性に帯電している点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。実施形態1(図2)では、透明微粒子243は電気的に中性であった。これに対して本実施形態(図8)では、透明微粒子243が負(マイナス)に弱く帯電している。透明微粒子243が中性であると、電気泳動材料24に印加される電界には無関係に、透明微粒子243は常に第一基板80と第二基板90との間で一様に分布している。従って、図2(b)に示す様に、第一表示させた際に、共通電極23側で、第一顔料粒子241に透明微粒子243が僅かに混在する事もあり得る。これにより、第一表示の彩度が落ちかねない恐れがある。これに対して、本実施形態では、図8(a)と(b)とに示す様に、透明微粒子243もその空間分布が電界にて制御されるので、前述の恐れを排除する事ができる。この様に透明微粒子243は第二顔料粒子242と電気的に同じ極性に帯電していても良い。
以上述べたように、本実施形態に係わる電気泳動材料24と電気泳動表示装置150によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得る事ができる。透明微粒子243の空間分布が御されるので、鮮やかな第一表示を実現する事ができる。
(実施形態3)
「第二顔料粒子が中性である形態」
図9は、実施形態3に係わる電気泳動表示装置を説明した断面図であり、(a)は第二表示を説明し、(b)は第一表示を説明している。以下、本実施形態に係わる電気泳動材料24と電気泳動表示装置150について説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図9)は実施形態1(図2)と比べて、第二顔料粒子242が電気的に中性である点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。実施形態1(図2)では、第二顔料粒子242は第二極性に弱く帯電していた。これに対して本実施形態(図9)では、第二顔料粒子242は電気的に中性である。第二顔料粒子242と透明微粒子243が中性であると、電気泳動材料24に印加される電界には無関係に、両者は常に第一基板80と第二基板90との間で一様に分布している。従って、図9(a)と(b)とに示す様に、電気泳動して表示を変えるのは第一顔料粒子241である。第二顔料粒子242も透明微粒子243も中性であるので、第一顔料粒子241とこれらの粒子とがクーロンカップリングする事もなく、その為に、第二表示が極めて鮮やかになる。例えば、第二の色として白色を採用した場合、反射率は極めて高くなり、図3に示した反射率とほぼ同じ程度の反射率が得られる事になる。
以上述べたように、本実施形態に係わる電気泳動材料24と電気泳動表示装置150によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得る事ができる。第二顔料粒子242が帯電していないので、鮮やかな第二表示を実現する事ができる。
(実施形態4)
「第二顔料粒子が中性で、透明微粒子が第二極性に帯電している形態」
図10は、実施形態4に係わる電気泳動表示装置を説明した断面図であり、(a)は第二表示を説明し、(b)は第一表示を説明している。以下、本実施形態に係わる電気泳動材料24と電気泳動表示装置150について説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態(図10)は実施形態1(図2)と比べて、第二顔料粒子242が電気的に中性であり、透明微粒子243が第二極性に弱く帯電している点が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。実施形態1(図2)では、第二顔料粒子242は第二極性に弱く帯電しており、透明微粒子243は電気的に中性であった。これに対して本実施形態(図10)では、第二顔料粒子242は電気的に中性であり、透明微粒子243は第二極性に弱く帯電している。こうした場合でも、第一極性に帯電した第一顔料粒子241が電気泳動するので、正しく表示を行う事ができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。
10…表示領域、20…画素、22…画素電極、23…共通電極、24…電気泳動材料、60…光、70…駆動回路、80…第一基板、90…第二基板、100…電子機器、150…電気泳動表示装置、241…第一顔料粒子、242…第二顔料粒子、243…透明微粒子。

Claims (16)

  1. 第一極性に帯電した第一顔料粒子と、第二顔料粒子と、透明微粒子と、が溶媒に分散されている事を特徴とする電気泳動材料。
  2. 前記第二顔料粒子の総表面積と前記透明微粒子の総表面積との和に対する前記第二顔料粒子の総表面積の割合(面積割合)が4%以上96%以下である事を特徴とする請求項1に記載の電気泳動材料。
  3. 前記面積割合が10%以上56%以下である事を特徴とする請求項2に記載の電気泳動材料。
  4. 前記第二顔料粒子は白色である事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  5. 前記第一顔料粒子は黒色である事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  6. 前記透明微粒子の粒径は50nm以上1μm以下の範囲にある事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  7. 前記透明微粒子の密度は2.5g/cm3以下である事を特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  8. 前記透明微粒子は樹脂である事を特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  9. 前記第一顔料粒子の電気泳動移動度は、前記第二顔料粒子の電気泳動移動度と前記透明微粒子の電気泳動移動度とよりも大きい事を特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  10. 前記第二顔料粒子は第二極性に帯電している事を特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  11. 前記第二顔料粒子の電気泳動移動度は、前記透明微粒子の電気泳動移動度よりも大きい事を特徴とする請求項10に記載の電気泳動材料。
  12. 前記第二顔料粒子は電気的に中性である事を特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  13. 前記透明微粒子は電気的に中性である事を特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  14. 前記透明微粒子は第二極性に帯電している事を特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電気泳動材料。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の電気泳動材料を備えた事を特徴とする電気泳動表示装置。
  16. 請求項15に記載の電気泳動表示装置を備えた事を特徴とする電子機器。
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