JP2013257217A - クロストーク測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クロストーク特性をより正確に捉え得るクロストーク測定方法を提供する。
【解決手段】 マルチコアファイバ10の一端面ME1と単芯光ファイバ30の一端面SE1とを隙間を隔てて対向させ、マルチコアファイバ10において互いに隣接する2つのコア11A,11Bの一方を光入射対象のコアとしたときに測定された光L1のパワーと、2つのコア11A,11Bの他方を光入射対象のコアとしたときに測定された光のパワーL2との比を算出する。単芯光ファイバの一端面ME1における少なくともコア端面以外の面領域は、当該コア端面の周縁から外側に向けて、単芯光ファイバの一端面とは逆の端面側へ傾斜している。
【選択図】 図2

Description

本発明はクロストーク測定方法に関し、マルチコアファイバにおけるクロストークを測定する場合に好適なものである。
マルチコアファイバは、複数のコアと、当該コア間を埋めて複数のコア全体を包囲するクラッドとを含む構造を有し、それぞれのコアを介して信号を伝送することができる。
このようなマルチコアファイバではコア間におけるクロストークが起こるため、その特性を把握することが重要となる。クロストーク特性を測定する測定手法として、例えば、下記非特許文献1に開示された測定方法がある。
下記非特許文献1の測定方法では、マルチコアファイバの一端側に光源が配置され、当該マルチコアファイバの他端側にパワーメータが配置される。また、マルチコアファイバとパワーメータとの間に単芯光ファイバが配置される。
そして、マルチコアファイバのある1つのコアと単芯光ファイバのコアとを光軸合わせした状態で単芯光ファイバから出力される光と、当該1つのコアに隣接するコアと単芯光ファイバのコアとを光軸合わせした状態で単芯光ファイバから出力される光とのパワー比がパワーメータで測定される。
ところで、マルチコアファイバと単芯光ファイバとを融着した場合、マルチコアファイバのある1つのコアに融着した状態と、そのコアに隣接するコアに融着した状態とでは違いが生じ、その違いに起因する損失がパワーメータの測定値に反映してしまう。このため、下記非特許文献1の測定方法では、マルチコアファイバと単芯光ファイバとは融着せず光軸調整されている。
IEICE Trans.Commun.,Vol.E94−B,No.2,pp.409−416(2011)
ところが、クロストークが殆ど生じていない既知のマルチコアファイバを上記非特許文献1における測定方法で測定しても、比較的悪い測定値が得られる場合があるという課題が生じた。
そこで、本発明は、クロストーク特性をより正確に捉え得るクロストーク測定方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、マルチコアファイバと単芯光ファイバとを融着せずに光軸調整した場合、単芯光ファイバと光軸合わせされたマルチコアファイバのコア以外のコアから出射する光の迷光が単芯光ファイバのコアに入射することが、測定値が悪くなる要因の1つであろうと考えた。
そこで、本発明者は更に鋭意検討を重ねた結果、上記目的を達成し得る本発明に至った。
本発明のクロストーク測定方法は、マルチコアファイバの一端面と単芯光ファイバの一端面とを隙間を隔てて対向させ、前記マルチコアファイバにおける光入射対象のコアと、前記単芯光ファイバのコアとを光軸合わせする光軸調整工程と、前記マルチコアファイバの一端面とは逆の端面側における前記光入射対象のコア端に入射され、前記単芯光ファイバの一端面とは逆の端面側におけるコア端から出射する光のパワーを測定する測定工程と、前記マルチコアファイバにおいて互いに隣接する2つのコアの一方を前記光入射対象のコアとしたときに前記測定工程で測定された前記光のパワーと、前記2つのコアの他方を前記光入射対象のコアとしたときに前記測定工程で測定された前記光のパワーとの比を算出する算出工程とを備え、前記単芯光ファイバの一端面における少なくともコア端面以外の面領域は、前記コア端面の周縁から外側に向けて、前記単芯光ファイバの一端面とは逆の端面側へ傾斜していることを特徴とする。
このように面領域を傾斜させた場合、単芯光ファイバと光軸合わせされたマルチコアファイバを伝搬する光から生じる迷光を、単芯光ファイバのコアから遠ざけるように反射させ、単芯光ファイバの一端面が平坦である場合に比べて、単芯光ファイバのコアへの迷光の混入量を小さくすることができる。このため、単芯光ファイバのコアへの迷光の混入に起因する測定値の変動を抑制すことができ、この結果、クロストーク特性をより正確に捉えることが可能となる。
また、前記面領域は、前記コア端面の中心から離れた位置ほど、当該位置の法線と前記単芯光ファイバの軸との角度が増す円弧状とされることが好ましい。
このようにした場合、面領域において外方側の傾斜の程度を大きくしつつも、コア端面周縁部分を、単芯光ファイバの一端面が平坦である場合と同等の形状とすることが可能となる。このため、単芯光ファイバと光軸合わせされたマルチコアファイバを伝搬する光から生じる迷光を反射させつつも、光軸合わせされるマルチコアファイバと単芯光ファイバとのコア同士の光のフィールド分布を同等とすることができる。したがって、光軸合わせされるマルチコアファイバと単芯光ファイバとのコア同士の結合効率の低下を抑え、当該結合効率の低下に起因して測定値がノイズの影響を受け易くなるといったことを抑えることができる。この結果、クロストーク特性をより一段と正確に捉えることが可能となる。また、比較的簡易に作製することができる。
また、前記面領域は、テーパ状とされることが好ましい。
このようにした場合、コア端面周縁部分から傾斜させることが可能となるため、面領域を例えば球面状とする場合に比べて、単芯光ファイバのコアへの迷光の混入量をより一段と小さくすることができる。この結果、クロストーク特性をより一段と正確に捉えることが可能となる。
また、前記コア端面は、平坦とされ、前記単芯光ファイバの軸に対して垂直とされることが好ましい。
このようにした場合、コア端面を単芯光ファイバの長さ方向に垂直な平坦としない場合に比べて、単芯光ファイバのコアに光軸合わせされるマルチコアファイバのコアから出射する光が単芯光ファイバのコア端面で屈折して入射することを低減することができる。この結果、単芯光ファイバのコア端面での入射光の屈折に起因する損失を抑えることができ、より一段と正確にクロストーク特性をより正確に捉えることが可能となる。
また、前記単芯光ファイバ端面には反射防止膜が付されることが好ましい。
このようにした場合、反射防止膜が、マルチコアファイバのコアから出射する光から生じる迷光を吸収するため、単芯光ファイバのコアへの迷光の混入をより一段と抑制することができる。この結果、より一段と正確にクロストーク特性をより正確に捉えることが可能となる。
以上のように本発明によれば、クロストーク特性をより正確に捉え得るクロストーク測定方法が提供される。
第1実施形態におけるクロストーク測定対象となるマルチコアファイバの長さ方向に垂直な断面を示す図である。 第1実施形態におけるクロストーク測定装置の構成を示す図である。 第1実施形態における単芯光ファイバの一端部分を示す図である。 第1実施形態におけるクロストーク測定方法のフローチャートを示す図である。 マルチコアファイバから生じる迷光の様子を示す図である。 第2実施形態における単芯光ファイバの一端部分を示す図である。 マルチコアファイバの回転移動の様子を示す図である。 マルチコアファイバの回転移動させたときの実施例1と比較例との規格化受光パワーを示すグラフである。 単芯光ファイバのスライド移動の様子を示す図である。 マルチコアファイバのスライド移動させたときの実施例1と比較例との規格化受光パワーを示すグラフである。 マルチコアファイバの回転移動させたときの実施例2と比較例との規格化受光パワーを示すグラフである。 マルチコアファイバのスライド移動させたときの実施例2と比較例との規格化受光パワーを示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、本発明の好適な第1実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。
図1は、第1実施形態におけるクロストーク測定対象となるマルチコアファイバの長さ方向に垂直な断面を示す図である。
図1に示すように、マルチコアファイバ10は、複数本のコア11と、それぞれのコア間を埋めて複数本のコア11全体を包囲するクラッド12と、クラッド12の外周面を被覆する内側保護層13と、内側保護層13の外周面を被覆する外側保護層14とを有する。各コア11の屈折率は、クラッド12の屈折率よりも高くされる。
本実施形態の場合、コア本数は7本とされ、1本のコア11が中心となり、6本のコア11が中心のコア11から等距離となる関係で配置される。また、各コア11の中心間距離は等しい距離とされ、クラッド12の軸に対して各コア11は対称とされる。
図2は、第1実施形態におけるクロストーク測定装置1の構成を示す図である。図2に示すように、クロストーク測定装置1は、光源20と、単芯光ファイバ30、パワーメータ40とを主な構成要素として備える。
光源20は、測定対象のマルチコアファイバ10における1つのコア11にレーザ光等の光を入射させる光学系であり、当該マルチコアファイバ10において単芯光ファイバ30の一端面SE1に対向される一端面ME1とは逆の端面ME2側に配置される。
この光源20から出射される光をマルチコアファイバ10に入射させるべき対象となるコア11は、互いに隣接する2つのコアとされる。本実施形態の場合、光入射対象のコア11として、クラッド12の軸上に配置されるコア(以下、中央コア11Aという。)と、当該中央コア11Aに隣接するコア(以下、隣接コア11Bという。)とされる。なお、図2では、便宜上、光入射対象の中央コア11Aと隣接コア11Bとの2つのコアだけが示されている。
単芯光ファイバ30は、ダミーファイバと呼ばれる光ファイバであり、マルチコアファイバ10とパワーメータ40との間に配置される。なお、単芯光ファイバ30については、長さ方向に垂直な断面を図示しないが、コア31(以下、単芯コアという。)と、当該単芯コア31の外周面を隙間なく均等に包囲するクラッドと、当該クラッドの外周面を隙間なく均等に被覆する被服層とを有する構造とされ、例えばシングルモードファイバが用いられる。
この単芯光ファイバ30の一端面SE1とマルチコアファイバ10の一端面ME1とは隙間を隔てて互いに対向され、当該単芯光ファイバ30の単芯コア31は光入射対象の中央コア11Aと隣接コア11Bとのそれぞれに光軸合わせされる。
なお、単芯光ファイバ30の一端面SE1とマルチコアファイバ10の一端面ME1との間の距離は、中央コア11Aと単芯コア31とを光軸合わせしたときと、隣接コア11Bと単芯コア31とを光軸合わせしたときとで同じとされる。
パワーメータ40は、マルチコアファイバ10の一端面ME1とは逆の端面ME2側における中央コア端に入射され、当該中央コア11Aに光軸合わせされ単芯光ファイバ30の一端面SE1とは逆の端面SE2側における単芯コア端から出射する光L1のパワー(以下、第1光パワーという。)を測定する。
またパワーメータ40は、マルチコアファイバ10の端面ME2側における中央コア端に入射され、当該隣接コア11Bに光軸合わせされ単芯光ファイバ30の端面SE2側における単芯コア端から出射する光L2のパワー(以下、第2光パワーという。)を測定する。
さらにパワーメータ40は、第1光パワーと第2光パワーとを測定した場合、これら第1光パワーと第2光パワーとの比を算出する。
図3は、第1実施形態における単芯光ファイバ30の一端部分を示す図である。図3に示すように、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CFは、平坦とされ、当該単芯光ファイバ30の長さ方向に垂直とされる。
また、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CF以外の面領域FAは、当該コア端面CFの周縁から外側に向けて、単芯光ファイバ30の一端面SE1とは逆の端面側へ傾斜している。
本実施形態の場合、面領域FAはコア端面CFの中心Cから離れた位置ほど、当該位置の法線Lと前記単芯光ファイバの軸Xとの角度Gが増す円弧状とされ、例えば球帯側面形状とされる。球帯とは、球を平行な2平面できったときその2平面に挟まれる部分をいい、球帯側面とは、当該部分の球面をいう。なお、面領域FAの周縁近傍は平坦に近似し、当該周縁近傍から離れるほど大きくカーブしている。
図4は、第1実施形態におけるクロストーク測定方法のフローチャートを示す図である。図4に示すように、クロストーク測定方法は、準備工程P1、光軸調整工程P2と、測定工程P3と、算出工程P4とを主に備える。
準備工程P1は、単芯光ファイバ30を準備する工程である。具体的には、図3に示したように、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CFが単芯光ファイバ30の長さ方向に垂直な平坦とされ、当該コア端面CF以外の面領域FAが例えば球帯側面形状とされた単芯光ファイバ30が準備される。
なお、このような単芯光ファイバ30の一端面SE1を形成する手法としては、例えば、単芯光ファイバの先端表面を、アーク放電によりあぶるといった手法などを挙げることができる。
光軸調整工程P2は、マルチコアファイバ10の一端面ME1と単芯光ファイバ30の一端面SE1とを隙間を隔てて対向させ、マルチコアファイバ10における光入射対象のコアと、単芯光ファイバ30の単芯コア31とを光軸合わせする工程である。
具体的には、図1に示したように、マルチコアファイバ10の一端面ME1と単芯光ファイバ30の一端面SE1とを隙間を隔てて対向するよう、当該マルチコアファイバ10と単芯光ファイバ30とが配置される。その後、光入射対象のコアと単芯コア31とが光軸合わせされる。
測定工程P3は、マルチコアファイバ10の端面ME2側における光入射対象のコア端に入射され、単芯光ファイバ30の端面SE2側における単芯コア端から出射する光のパワーを測定する工程である。
具体的には、光源20からマルチコアファイバ10の端面ME2における光入射対象のコア端に光が出射され、当該光入射対象のコアと単芯コア31とを順次伝播して、単芯光ファイバ30の端面SE2側における単芯コア端から出射する光がパワーメータ40によって受光され測定される。
本実施形態の場合、光入射対象のコアを中央コア11Aとして上記光軸調整工程P2及び測定工程P2が順次実行された後、当該光入射対象のコアを隣接コア11Bとして上記光軸調整工程P2及び測定工程P2が順次実行される。このように実行することで、第1光パワー(光L1(図1)のパワー)と、第2光パワー(光L2(図1)のパワー)とが測定される。
算出工程P4は、第1光パワーと第2光パワーとの比を算出する工程である。具体的には、例えば第1光パワーをリファレンスとし、当該第1光パワーに対する第2光パワーの比が算出される。
以上説明したように、本実施形態のクロストーク測定方法では、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CF以外の面領域FAが球帯側面形状とされており、当該コア端面CFの周縁から外側に向けて、単芯光ファイバ30の端面SE2側へ傾斜している。
図5は、マルチコアファイバ10から生じる迷光の様子を示す図である。具体的に図5の(A)は単芯光ファイバ30の一端面SE1が平坦である場合における迷光の様子を示し、図5の(B)は単芯光ファイバ30の一端面SE1が図3に示した形状である場合における迷光の様子を示している。
なお、図5の(A)及び(B)におけるL3はクロストーク光を示し、L11はクロストーク光L3から生じる迷光を示し、L12はクラッドを伝播して漏れ出る迷光を示している。
図5の(A)と(B)との比較から分かるように、単芯光ファイバ30の面領域FAが傾斜していた場合、マルチコアファイバ10を伝搬する光から生じる迷光L11,L12が、単芯コア31から遠ざかるように反射される。したがって、単芯光ファイバ30の面領域FAが傾斜していた場合、当該面領域FAが平坦である場合に比べて、単芯コア31への迷光の混入量を小さくすることができる。
このため、単芯コア31への迷光の混入に起因する測定値の変動を抑制すことができ、この結果、クロストーク特性をより正確に捉えることが可能となる。
また、本実施形態の面領域FAはコア端面CFの中心Cから離れた位置ほど、当該位置の法線Lと前記単芯光ファイバの軸Xとの角度Gが増す円弧状とされる。
これにより、面領域FAにおいて外方側の傾斜の程度を大きくしつつも、コア端面FA周縁部分を、単芯光ファイバ30の一端面SE1が平坦である場合と同等の形状とすることが可能となる。このため、単芯光ファイバ30と光軸合わせされたマルチコアファイバ10を伝搬する光から生じる迷光を反射させつつも、光軸合わせされるマルチコアファイバ10と単芯光ファイバ30とのコア同士の光のフィールド分布を同等とすることができる。したがって、光軸合わせされるマルチコアファイバ10と単芯光ファイバ30とのコア同士の結合効率の低下を抑え、当該結合効率の低下に起因して測定値がノイズの影響を受け易くなるといったことを抑えることができる。この結果、クロストーク特性をより一段と正確に捉えることが可能となる。また、比較的簡易に作製することができる。
また、本実施形態の単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CFは、平坦とされ、当該単芯光ファイバ30の長さ方向に垂直とされる。
したがって、コア端面CFを単芯光ファイバ30の長さ方向に垂直な平坦としない場合に比べて、単芯コア31に光軸合わせされるマルチコアファイバ10の隣接コア11Bから出射する光が単芯光ファイバ30のコア端面CFで屈折して入射することを低減することができる。
このため、単芯光ファイバ30のコア端面CFでの入射光の屈折に起因する損失を抑えることができ、この結果、より一段と正確にクロストーク特性をより正確に捉えることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明に好適な第2実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態が上記第1実施形態と相違する点は、単芯光ファイバ30の一端面SE1における形状のみである。
図6は、第2実施形態における単芯光ファイバ30の一端部分を示す図である。図6に示すように、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CFは、上記第1実施形態と同様に、当該単芯光ファイバ30の長さ方向に垂直な平坦とされる。
これに対し、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CF以外の面領域FAの形状については上記第1実施形態と相違している。
具体的に上記第1実施形態では面領域FAがコア端面CFの中心Cから離れた位置ほど、当該位置の法線Lと前記単芯光ファイバの軸Xとの角度Gが増す円弧状とされていたのに対し、本実施形態では面領域FAの形状がテーパ状とされている点で相違する。
このテーパ状の一例として、図6では、単芯光ファイバの軸Xに対して一定の角度Gで傾斜する円錐台側面形状を挙げることができる。円錐台とは、円錐を平行な2平面できったときその2平面に挟まれる部分をいい、円錐台側面とは、当該部分の面をいう。
このように面領域FAの形状がテーパ状とされた場合であっても、上記第1実施形態と同様に、当該コア端面CFの周縁から外側に向けて、単芯光ファイバ30の一端面SE1とは逆の端面側へ傾斜している。
したがって、上記第1実施形態と同様に、面領域FAが平坦である場合に比べて、単芯コア31への迷光の混入量を小さくすることができるため、当該単芯コア31への迷光の混入に起因する測定値の変動を抑制すことができる。
一方、面領域FAの形状がテーパ状とされた場合、コア端面CFの中心Cから離れた位置ほど当該位置の法線Lと前記単芯光ファイバの軸Xとの角度Gが増す円弧状とされる場合に比べて、単芯コア31への迷光の混入量をより一段と小さくすることができる。この結果、クロストーク特性をより一段と正確に捉えることが可能となる。
上記実施形態が一例として説明されているが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CF以外の面領域FAが、上記第1実施形態では、コア端面CFの中心Cから離れた位置ほど当該位置の法線Lと前記単芯光ファイバの軸Xとの角度Gが増す円弧状とされた。一方、上記第2実施形態ではテーパ状とされた。
しかしながら、面領域FAの形状は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、双曲面、二次曲面、半球面、四角錐、三角錐等の側面形状と同じ又は近似する形状が面領域FAの形状として適用可能である。要するに、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CF以外の面領域FAは、当該コア端面CFの周縁から外側に向けて、単芯光ファイバ30の一端面SE1とは逆の端面側へ傾斜していれば良い。
また、上記実施形態では、単芯光ファイバ30の一端面SE1には何ら表面加工が施されなかったが、当該一端面SE1に反射防止膜を付す表面加工が施されていても良い。単芯光ファイバ30の一端面SE1に反射防止膜が付された場合、当該反射防止膜が、マルチコアファイバ10の中央コア11Aから出射する光から生じる迷光を吸収するため、単芯光ファイバ30の単芯コア31への迷光の混入をより一段と抑制することができる。この結果、より一段と正確にクロストーク特性をより正確に捉えることが可能となる。
また、上記実施形態では、光源20とマルチコアファイバ10との間に単芯光ファイバ30が配置されなかったが、当該単芯光ファイバ30が配置されても良い。具体的には、マルチコアファイバ10の端面ME2と単芯光ファイバ30の一端面SE1とは隙間を隔てて対向させ、当該マルチコアファイバ10の中央コア11Aと単芯光ファイバ30の単芯コア31とが光軸合わせされれば良い。
また、上記実施形態では、一本の単芯光ファイバ30における単芯コア31を中央コア11Aに対して光軸合わせして第1光パワーが測定された後、当該単芯コア31を隣接コア11Bに対して光軸合わせして第2光パワーが測定された。しかしながら、2本の単芯コア31の一方の単芯コア31を中央コア11Aに対して光軸合わせし、当該2本の単芯コア31の他方の単芯コア31を隣接コア11Bに対して光軸合わせして、第1光パワー及び第2光パワーが測定されても良い。
次に、上記実施形態に関する実施例・比較例を挙げて実験した内容について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例・比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
上記第1実施形態におけるマルチコアファイバ10及び単芯光ファイバ30を下記表に示す構造として作製した。
Figure 2013257217
また、単芯光ファイバ30の一端面SE1におけるコア端面CFは、当該単芯光ファイバ30の長さ方向に垂直な平坦となるように形成した。一方、コア端面CF以外の面領域FAは、半径200μmの球を、マルチコアファイバ10におけるコア直径の円とその円に平行となる単芯光ファイバ30におけるコア直径の円との2平面できった球帯の側面と同程度の形状となるように形成した。
このようなマルチコアファイバ10の一端面ME1と単芯光ファイバ30の一端面SE1とを、15μm隔てて互いに対向させ、中央コア11Aと単芯コア31とを光軸合わせして第1光パワーを測定した。このとき光源20から出射された光の波長は1.55μmとした。
その後、マルチコアファイバ10の一端面ME1と単芯光ファイバ30の一端面SE1とが15μm隔てて互いに対向した状態のまま、隣接コア11Bと単芯コア31とを光軸合わせた。そして、波長1.55μmの光を光源20から出射しながら、図7に示すように、マルチコアファイバ10の軸を中心としてマルチコアファイバ10を左右へ回転移動して第2光パワーを測定した。
このようにして測定した第1光パワーと第2光パワーとの比(規格化受光パワー)を図8に示す。
図8に示す実施例1の波形から分かるように、マルチコアファイバ10と単芯光ファイバ30のコアのずれが大きくなるほど、規格化受光パワーが減少した。
また、別の実験として、上記と同様にして第1光パワーを測定した後、図9に示すように、マルチコアファイバ10の一端面ME1と単芯光ファイバ30の一端面SE1との距離が一定のまま、当該単芯光ファイバ30を、マルチコアファイバ10の隣接コア11Bに光軸が合う位置までスライド移動して第2光パワーを測定した。
このようにして測定した第1光パワーと第2光パワーとの比(規格化受光パワー)を図10に示す。
図10に示す実施例1の波形から分かるように、マルチコアファイバ10の中央コア11Aから離れるほど規格化受光パワーが減少し、当該中央コア11Aから37[μm]離れた位置から隣接コア11Bに近づくほど規格化受光パワーが上昇した。
(比較例)
上記実施例1の単芯光ファイバ30に代えて、上記表1の構造の単芯光ファイバの一端面がファイバの長さ方向に垂直な平坦とされるもの(以下、比較ファイバという。)を用いた。それ以外のパラメータは上記実施例1と同じである。
そして、上記実施例1と同様にして第1光パワーを測定するとともに、上記実施例1と同様にしてマルチコアファイバ10を左右へ回転移動しながら第2光パワーを測定したときの規格化受光パワーを図8に示す。
この図8に示す比較例の波形から分かるように、マルチコアファイバ10と比較ファイバのコアがずれても、規格化受光パワーはおおむね一定であった。また、図8に示す比較例と実施例1との対比から、単芯光ファイバ30の一端面SE1における面領域FAが球帯側面形状とされたことによって、マルチコアファイバ10の中央コア11Aから出射した光から生じる迷光が、単芯光ファイバ30のコア31に混入し難くなることが確認できた。
また、上記実施例1と同様にして第1光パワーを測定するとともに、上記実施例1と同様にして比較ファイバをスライド移動しながら第2光パワーを測定したときの規格化受光パワーを図10に示す。
この図10に示す比較例と実施例1との対比から、単芯光ファイバ30は、比較ファイバに比べて、マルチコアファイバ10の中央コア11Aに光軸が合う位置と、隣接コア11Bに光軸が合う位置とでの規格化受光パワーの差が大きいことが確認できた。
すなわち、単芯光ファイバ30の一端面SE1における面領域FAが球帯側面形状とされたことによって、マルチコアファイバ10の中央コア11Aから出射した光から生じる迷光が、単芯光ファイバ30のコア31に混入し難くなることが確認できた。
(実施例2)
単芯光ファイバ30の一端面SE1における面領域FA以外については、上記実施例1と同じパラメータとした。実施例2の面領域FAは、半径62.5μm、高さ30μmの円錐を、マルチコアファイバ10におけるコア直径の円とその円に平行となる単芯光ファイバ30におけるコア直径の円との2平面できった円錐台の側面と同程度の形状となるように形成した。
そして、実施例1と同様にして第1光パワーを測定するとともに、上記実施例1と同様にしてマルチコアファイバ10を左右へ回転移動しながら第2光パワーを測定したときの規格化受光パワーを図11に示す。なお、図11に示す比較例の波形は図8に示す波形と同じものである。
図11に示す比較例と実施例2との対比から、単芯光ファイバ30の一端面SE1における面領域FAが円錐台側面形状とされたことによって、マルチコアファイバ10の中央コア11Aから出射した光から生じる迷光が、単芯光ファイバ30のコア31に混入し難くなることが確認できた。
また、図8に示す実施例1と図11に示す実施例2との対比から、マルチコアファイバ10と単芯光ファイバ30のコアのずれが大きくなるほど、規格化受光パワーが減少する程度は、実施例1よりも実施例2のほうが大きいことが分かった。
すなわち、単芯光ファイバ30の一端面SE1における面領域FAが円錐台側面形状とされた場合、球帯側面形状とされる場合に比べて、マルチコアファイバ10の中央コア11Aからの迷光が、単芯光ファイバ30のコア31に混入し難くなることが分かった。
一方、実施例1と同様にして第1光パワーを測定するとともに、上記実施例1と同様にして単芯光ファイバ30をスライド移動しながら第2光パワーを測定したときの規格化受光パワーを図12に示す。なお、図12に示す比較例の波形は図10に示す波形と同じものである。
図12に示す比較例と実施例2との対比から、実施例2の単芯光ファイバ30は、実施例1に比べて、マルチコアファイバ10の中央コア11Aに光軸が合う位置と、隣接コア11Bに光軸が合う位置とでの規格化受光パワーの差が大きいことが確認できた。
すなわち、単芯光ファイバ30の一端面SE1における面領域FAが円錐台側面形状とされたことによって、マルチコアファイバ10の中央コア11Aから出射した光から生じる迷光が、単芯光ファイバ30のコア31に混入し難くなることが確認できた。
また、図10に示す実施例1と図12に示す実施例2との対比から、マルチコアファイバ10の中央コア11Aに光軸が合う位置と、隣接コア11Bに光軸が合う位置とでの規格化受光パワーの差が、実施例1よりも実施例2のほうが大きいことが分かった。
すなわち、単芯光ファイバ30の一端面SE1における面領域FAが円錐台側面形状とされた場合、球帯側面形状とされる場合に比べて、マルチコアファイバ10の中央コア11Aからの迷光が、単芯光ファイバ30のコア31に混入し難いことが分かった。
本発明に係るクロストーク測定方法は、マルチコアファイバを取り扱う産業上分野において利用可能性がある。
1・・・クロストーク測定装置
10・・・マルチコアファイバ
20・・・光源
30・・・単芯光ファイバ
40・・・パワーメータ
P1・・・準備工程
P2・・・光軸調整工程
P3・・・測定工程
P4・・・算出工程

Claims (5)

  1. マルチコアファイバの一端面と単芯光ファイバの一端面とを隙間を隔てて対向させ、前記マルチコアファイバにおける光入射対象のコアと、前記単芯光ファイバのコアとを光軸合わせする光軸調整工程と、
    前記マルチコアファイバの一端面とは逆の端面側における前記光入射対象のコア端に入射され、前記単芯光ファイバの一端面とは逆の端面側におけるコア端から出射する光のパワーを測定する測定工程と、
    前記マルチコアファイバにおいて互いに隣接する2つのコアの一方を前記光入射対象のコアとしたときに前記測定工程で測定された前記光のパワーと、前記2つのコアの他方を前記光入射対象のコアとしたときに前記測定工程で測定された前記光のパワーとの比を算出する算出工程と
    を備え、
    前記単芯光ファイバの一端面における少なくともコア端面以外の面領域は、前記コア端面の周縁から外側に向けて、前記単芯光ファイバの一端面とは逆の端面側へ傾斜している
    ことを特徴とするクロストーク測定方法。
  2. 前記面領域は、前記コア端面の中心から離れた位置ほど、当該位置の法線と前記単芯光ファイバの軸との角度が増す円弧状とされる
    ことを特徴とする請求項1に記載のクロストーク測定方法。
  3. 前記面領域は、テーパ状とされる
    ことを特徴とする請求項1に記載のクロストーク測定方法。
  4. 前記コア端面は、平坦とされ、前記単芯光ファイバの軸に対して垂直とされる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のクロストーク測定方法。
  5. 前記単芯光ファイバ端面には反射防止膜が付される
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれか1項に記載のクロストーク測定方法。
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