JP2013256433A - グラウト材粉粒体組成物およびその硬化物および既設管のライニング施工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セメント、軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材、および混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材粉粒体組成物であって、前記人工軽量骨材が下記の特性1.〜3.を有するとともに、セメント100質量部に対して1〜15質量部配合されていることを特徴とするグラウト材粉粒体組成物により課題を解決できる。
(人工軽量骨材の特性)1.嵩比重:0.3〜1.2g/cm3、2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子を85〜100質量%含有する。3.硬度(木屋式硬度計):0.5〜10kg。
【選択図】図1
Description
ライニング管の浮き防止のため、セメント系充填材は、単位容積質量の低いものが好まれる上、既設管と内部に配置したライニング管との間の長細い空隙へ充填材を注入する必要があるため、流動性が高いという特性も要求され、また硬化物の強度を大きくできれば空隙の大きな施工現場などでも使用が可能となるため、そのような特性を兼ね備えたセメント系充填材の開発が望まれていた。
本発明の第2の目的は、本発明のグラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌して作成した流動性に優れたスラリーを硬化させてなる、比重が小さく、かつ硬化物の圧縮強度が先行技術のセメント系充填材の圧縮強度より約2倍位大きい硬化物を提供することである。
本発明の第3目的は、流動性に優れた前記スラリーを、既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に容易に、かつ各成分の分離が生ぜず、充填して硬化させる既設管のライニング施工法を提供することである。
1.嵩比重:0.3〜1.2g/cm3
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子を85〜100質量%含有する。
3.硬度(木屋式硬度計):0.5〜10kg
1.嵩比重:0.1〜0.7g/cm3
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.3mm未満の粒子を50〜100質量%含有する。
1.単位容積当たりの質量:1.0〜2.0kg/L
2.フロー試験:(JIS R 5201)に準じ、下記試験法で引抜きフロー試験を行った結果、前記スラリーの広がりの直径が200〜500mmの範囲にある。
(フロー試験法)
(1)平な台座の上にたわみのない鉄板を敷き、中心部にフローコーン(JIS R 5201)を静置する。
(2)前記スラリーをフローコーン内に充填する。
(3)フローコーンを垂直に引き上げ、前記スラリーの広がりの直径を5mm単位で読む。
3.分離抵抗性:前記スラリーを下記分離抵抗性試験法で試験した際に、各成分が分離して不均一にならない。
(分離抵抗性試験法)
水平に配設した内径25mm、長さ4mの塩化ビニル管に垂直(L字)となるよう設置した内径25mm、長さ1mの塩化ビニル管の上部入口から常温、常圧下、前記スラリーを流量1L/分、入口における前記スラリーに対する注入圧0.01MPaで供給して内部を流通させ、水平に配設した塩化ビニル管の出口から流出する前記スラリーを目視で観察し、各成分の分離状態を評価する。
前記人工軽量骨材が特定の嵩比重と粒度を有するとともに、高い強度を有するので、配合時や、撹拌・混練時、充填時などにおいて破壊されることがなく維持されるので、前記グラウト材粉粒体組成物の調合後であっても、あるいは既設管渠補修内周面ライニング工法などに用いた後であっても、均一分散性や分離抵抗性などの作用効果を確実に発揮できるという顕著な効果を奏する。
本発明は、グラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されている一材型のグラウト材粉粒体組成物であり、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成できるので、手間がかからず、コストダウンになるとともに、計量ミスにより流動性が損なわれる問題や、硬化物の強度が損なわれるなどの問題がないという顕著な効果を奏する。
軽量性、強度発現、流動性など特性をさらに付与することができるというさらなる顕著な効果を奏する。
特定の粒度分布を有するので、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成でき、手間がかからず、コストダウンになるとともに、軽量性、高強度、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、土木建設分野で必要な強度を持った優れた硬化物を得ることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
軽量性、高強度、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性などに優れ硬化物を得ることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
前記スラリーは、単位容積当たりの質量が小さくライニング管の浮きを防止するとともに、流動性に優れるため引抜きフロー試験におけるスラリーの広がりが大きく、分散性に優れるのでグラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌すると短時間で各成分を均一に分散できる上、管流路内を流動させた際に各成分が分離して不均一にならず、そしてこのような特性を有するスラリーを硬化させてなる硬化物は、圧縮強度が先行技術のセメント系充填材の圧縮強度より約2倍位大きいという顕著な効果を奏する。
既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に容易に均一に充填することができ、かつ各成分の分離が生ぜず、そのまま硬化させて、ライニング施工できるという顕著な効果を奏する。
図1は本発明の既設管のライニング施工法の1例を説明する説明図である。
図1に示すように、既設管1内において製管機2により両側縁端部に接合部を有する長尺の帯状部材3を連続的に送り込んで螺旋状に巻回し、相接する接合部間を嵌合により接合させて管状体4に形成した後、本発明のグラウト材粉粒体組成物に現場で所定量の水を配合して撹拌してスラリーを作成し、作成したスラリーを、既設管1と管状体4の間に生じる隙間5に充填し、硬化(硬化物6)させる。7は製管機2を駆動するための動力ユニットである。
本工法によると、既設管1、前記硬化物6およびライニング管(管状体4)からなる三層複合管が形成され、老朽化した既設管1の強度を新設管に匹敵する強度に復活させることができる。
ポンプを使用する工法としては、例えば地下に埋没された水道管、下水管の既設管渠内周面ライニング工法やトンネル工事等土木建設構造物のグラウト材、シールド工法、吹き付け工法等が挙げられる。こうした工法では、ポンプ圧送性と共に材料分離抵抗性、流動性に優れることが重要である。
これらは1つあるいは2つ以上を混ぜて使用することができる。
セメントは、本発明のグラウト材粉粒体組成物中に好ましくは30〜80質量%、より好ましくは50〜80質量%用いられる。
前記人工軽量骨材が1質量部未満では分散性が低下し、均一なスラリーとするには混練時間が長くなる恐れがあり、前記人工軽量骨材が15質量部を超えると軽量性および流動性が損なわれる恐れがある。
このような特性を有している人工軽量骨材を使用しないと、現場で所定量の水を添加して撹拌して短時間で均一に分散した流動性に優れたスラリーが得られない。
前記人工軽量骨材を使用すれば、現場で所定量の水を添加して撹拌すると、各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成できるので、手間がかからず、コストダウンになるとともに、強度に優れた硬化物を得ることができる。
嵩比重が0.3g/cm3未満であると分散性の改善効果が充分に得られず、1.2g/cm3を超えると分散性は期待されるものの、スラリーの単位容積当たりの質量を大きくする恐れがある。
篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子が85質量%未満では、分散性が低下し、均一なスラリーとするには混練時間が長くなる恐れがある。
硬度(木屋式硬度計)が0.5kg未満であると配合時や、撹拌・混練時、充填時などにおいて破壊の恐れがあり、10kgを超えると脆性が劣る恐れがある。
前記軽量骨材が5質量部未満では軽量性が損なわれる恐れがあり、前記軽量骨材が150質量部を超えると各成分が分離して不均一分散となるほか、流動性が損なわれる恐れがある。
前記軽量骨材の代表的なものの例を挙げれば、発泡ポリスチレン、発泡ポリスチレン減容物等の粒状プラスチック、パーライト、バーミキュライト、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、発泡ガラス等がある。
これらは1つあるいは2つ以上を混ぜて使用することができる。
このような特性を有している軽量骨材を使用しないと、スラリーを硬化させてなる、比重が小さく、かつ高強度の硬化物が得られない。前記軽量骨材を使用すれば、各成分が緻密に配され、スラリーを硬化させてなる、比重が小さく、かつ強度に優れた硬化物を得ることができる。
嵩比重が0.1g/cm3未満であると各成分が分離して不均一分散となるほか、流動性が損なわれる恐れがある。0.7g/cm3を超えるとスラリーの単位容積当たりの質量を大きくする恐れがある。
粒度が篩サイズで0.3mm未満の粒子が50質量%を下回ると圧縮強度の低下や流動性が損なわれる恐れがある。
本発明で使用する混合骨材が前記のような特定の粒度分布を有すると、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば、各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成でき、手間がかからず、コストダウンになるとともに、軽量性、高強度、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、土木建設分野で必要な強度を持った優れた硬化物を得ることができる。
主たるピークが篩サイズ0.3mm未満の位置に存在しないと、圧縮強度が損なわれる恐れがあり、副ピークが篩サイズ0.5〜2mmの範囲内の位置に存在しないと、0.5mm未満では分散性の改善効果が充分に得られず、2mmを超えると流動性が損なわれる恐れがある。
1.スラリーの単位容積当たりの質量は1.0〜2.0kg/L、好ましくは1.0〜1.5であり、2.スラリーのフロー試験は(JIS R 5201)に準じ、前記試験法で引抜きフロー試験を行った結果、前記スラリーの広がりの直径が200〜500mmの範囲にあることが好ましい。
スラリーの単位容積当たりの質量が1.0kg/L未満では強度が損なわれる恐れがあり、2.0kg/Lを超えるとスラリーの単位容積当たりの質量を大きくする恐れがある。
圧縮強度が21N/mm2未満では既設管と内部に配置したライニング管との間の空隙の大きな施工現場など、強度を求められる施工現場では使用し難く、60N/mm2を超えるものはスラリーの単位容積当たりの質量も大きくなる恐れがある。
混和材の種類によっても異なるが、1質量部未満では作用効果を確実に発揮できない恐れがあり、30質量部を超えるとセメントの硬化に悪影響を及ぼすため、使用出来ない。
また本発明の前記スラリーは、分離抵抗性に優れており、前記分離抵抗性試験法で試験した際に、各成分が分離して不均一にならない。それに対して、前記人工軽量骨材を配合しない以外は前記グラウト材粉粒体組成物と同じ配合のグラウト材粉粒体組成物について同様に試験すると、分散性に劣るので、各成分が分離して不均一になってしまう。
軽量骨材 : 30質量部
人工軽量骨材 : 5質量部
試料(2):前記配合Aの混合骨材を2リットル計量後、試験用のバケツに移し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600ppmにて2分間撹拌してから、撹拌後の骨材試料(2)の粒度分布を測定した。
試料(1)および試料(2)について粒度分布を測定した結果をまとめて、図2に示す。
なお、粒度分布はJIS A 1102(骨材のふるい分け試験方法)に準じて測定した。
人工軽量骨材は高い強度を有するので、配合時や、撹拌・混練時、充填時などにおいて破壊されることがなく維持されることが判る。
(X線回折の測定方法)
測定装置 : BRUKER D2 PHASER
測定方法 : X線粉末回折法による鉱物の定性分析
測定条件 : Target : Cu Kα
管電圧/管電流 : 30kv/100mA
走査速度 : 0.04°/sec
走査範囲 : 5〜70°
(蛍光X線測定方法)
測定装置 : RIGAKU RIX−2100
測定方法 : 検量線法を用いた定量分析
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) : 100質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 30質量部
人工軽量骨材:ポーラストン(昭和KDE社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
使用した軽量骨材について嵩比重、粒度を測定し、使用した人工軽量骨材についても嵩比重、粒度および硬度を測定し、結果をまとめて表2に示した。
本発明のグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサーで撹拌し、均一に分散するまでの時間を測定して後述する評価基準に基づいて〈なじみ性〉を評価し、そして得られたスラリーについて後述する試験法により、〈単位容積質量〉、フローを評価し後述する評価基準に基づいて〈材料分離抵抗性〉を評価した。また、得られたスラリーを硬化させた硬化物について材齢28日の圧縮強度を測定した。これらの結果をまとめて表2に示した。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) : 100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 30質量部
人工軽量骨材:ポーラストン(昭和KDE社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) : 100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工軽量骨材:ポーラストン(昭和KDE社製) : 1質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
人工軽量骨材(ポーラストン)の使用量を表2に記載の量に変えた他は、実施例3と同様にして本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工軽量骨材:メサライト(日本メサライト工業社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工軽量骨材:ハロイサイト(ジェックス社製、濾過一番サンド): 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
グラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌し、均一に分散するまでの時間を以下の評価基準にて判定する。
◎ : 10秒未満で均一に分散する
○ : 10〜20秒で均一に分散する
△ : 21〜60秒で均一に分散する
× : 所定時間内で均一に分散しない
JIS A 1116「フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法および空気量の質量による試験方法」に準じて測定する。
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定されているフローコーンを用いて、コーンを引き取って、打撃を与える前のフローを測定する。底板には平滑度の良好な鉄板を使用する。
水平に配設した内径25mm、長さ4mの塩化ビニル管に垂直(L字)となるよう設置した内径25mm、長さ1mの塩化ビニル管の上部入口から常温、常圧下、前記スラリーを流量1L/分、入口における前記スラリーに対する注入圧0.01MPaで供給して内部を流通させ、水平に配設した塩化ビニル管の出口から流出する前記スラリーを目視で観察し、以下の評価基準にて各成分の分離状態を判定する。
◎ : 分離が全く認められない
○ : わずかな分離が認められる
△ : ペースト層が分離して生じる
× : ひどく分離し、管内が閉塞する
JSCE−G 521−2007「プレパックドコンクリートの注入モルタルの圧縮強度試験方法」に準じて成形、養生を行ない、材齢28日の圧縮強度を測定する。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
硬質骨材:珪砂7号(日瓢礦業社製) : 30質量部
人工軽量骨材:ポーラストン(昭和KDE社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した硬質骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
人工軽量骨材(ポーラストン)使用しなかった以外は、実施例3と同様にして比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
人工軽量骨材(ポーラストン)の使用量を表3に記載の量に変えた他は、実施例3と同様にして比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工軽量骨材:パーライト(芙蓉パーライト社製、フヨーライト1号) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工硬質骨材:珪砂4号(日瓢礦業社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工硬質骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工骨材:ゼオライト(日東粉化商事社製、日東ゼオライト3号): 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
2 製管機
3 帯状部材
4 管状体
5 隙間
6 硬化物
7 動力ユニット
Claims (6)
- セメント、軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材、および混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材粉粒体組成物であって、前記人工軽量骨材が下記の特性1.〜3.を有するとともに、セメント100質量部に対して1〜15質量部配合されていることを特徴とするグラウト材粉粒体組成物。
(人工軽量骨材の特性)
1.嵩比重:0.3〜1.2g/cm3
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子を85〜100質量%含有する。
3.硬度(木屋式硬度計):0.5〜10kg - 前記軽量骨材が下記の特性1.〜2.を有するとともに、セメント100質量部に対して5〜150質量部配合されていることを特徴とする請求項1記載のグラウト材粉粒体組成物。
(軽量骨材の特性)
1.嵩比重:0.1〜0.7g/cm3
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.3mm未満の粒子を50〜100質量%含有する。 - 前記混合骨材の粒度分布を横軸が篩サイズ(mm)、縦軸が各篩サイズに対応する粒子含有量(質量部)で表した粒度分布において、主たるピークが篩サイズ0.3mm未満の位置に存在し、副ピークが篩サイズ0.5〜2mmの範囲内の位置に存在するとともに、主たるピークと副ピークの面積から算出される質量比が5〜10:1の範囲にあることを特徴とする請求項2記載のグラウト材粉粒体組成物。
- 前記混合骨材をセメント100質量部に対して6〜165質量部配合することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のグラウト材粉粒体組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のグラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌して作成した下記の特性1.〜3.を有するスラリーを硬化させてなる、圧縮強度(JSCE−G 521−2007に準じて成形、養生を行ない、材齢28日で測定した圧縮強度)が21〜60N/mm2の範囲にあることを特徴とする硬化物。
(特性)
1.単位容積当たりの質量:1.0〜2.0kg/L
2.フロー試験:(JIS R 5201)に準じ、下記試験法で引抜きフロー試験を行った結果、前記スラリーの広がりの直径が200〜500mmの範囲にある。
(フロー試験法)
(1)平な台座の上にたわみのない鉄板を敷き、中心部にフローコーン(JIS R 5201)を静置する。
(2)前記スラリーをフローコーン内に充填する。
(3)フローコーンを垂直に引き上げ、前記スラリーの広がりの直径を5mm単位で読む。
3.分離抵抗性:前記スラリーを下記分離抵抗性試験法で試験した際に、各成分が分離して不均一にならない。
(分離抵抗性試験法)
水平に配設した内径25mm、長さ4mの塩化ビニル管に垂直(L字)となるよう設置した内径25mm、長さ1mの塩化ビニル管の上部入口から常温、常圧下、前記スラリーを流量1L/分、入口における前記スラリーに対する注入圧0.01MPaで供給して内部を流通させ、水平に配設した塩化ビニル管の出口から流出する前記スラリーを目視で観察し、各成分の分離状態を評価する。 - 施工現場で請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のグラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌してスラリーを作成し、作成したスラリーを、既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填し硬化することを特徴とする既設管のライニング施工法。
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