JP2017178669A - 下水管更生工法用グラウト材およびそれを用いた下水管更生工法 - Google Patents

下水管更生工法用グラウト材およびそれを用いた下水管更生工法 Download PDF

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Abstract

【課題】老朽化した下水管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間にグラウト材のモルタルを均一に充填し、硬化して、新設管に匹敵する強度の複合管が得る下水管更生工法用グラウト材及びその下水管更生工法の提供。【解決手段】セメント、軽量骨材、水中不分離性付与鉱物及び混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材組成物から成る下水管更生工法用グラウト材で、グラウト材組成物に所定量の水を添加・混合したモルタルが特定の試験法で測定した下記の性状を備えている下水管更生工法用グラウト材。1.単位容積質量が1.30〜1.40Kg/L、2.流下時間が5〜7秒、3.引抜きフロー値が210〜290mm、4.水中不分離性:懸濁物質量が0.80g以下、5.4m注入試験で得られる上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差が0.05Kg/L以下、6.圧縮強度が21〜60N/mm2。【選択図】図1

Description

本発明は、老朽化した下水管更生工法用グラウト材(以下、単にグラウト材と称す場合がある)およびそれを用いた下水管更生工法に関するものであり、更に詳しくは、グラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されており、あとは所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性に優れたモルタルを作成できる一材型のグラウト材であり、前記モルタルを老朽化した下水管内部に下水が存在する状態で、別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に下水が残留した状態で前記モルタルを前記間隙に充填する際に、前記モルタルの一部が下水の方へ溶けだしたり、前記モルタルの成分が変化したりせず、前記下水を外部へ排出しながら安定して均一に前記隙間に充填できるので、前記モルタルが前記下水を排出した後、硬化させれば、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られるという下水管更生工法用グラウト材およびそれを用いた下水管更生工法に関するものである。
農業用水管や下水道管、上水道管などは丈夫なものではあるが、地下に埋設されて極めて長期に渡って使用されるものであるため、老朽化は避けられない。そこでひび割れや腐食などによる老朽既設管を更生するために、既設管内をライニングすることがある。既設管をライニングする方法の一つとして、既設管内に別途の新たな管(以下、ライニング管とかプロファイルと称す場合がある)を配する方策が知られている。
すなわち、従来技術の管内のライニング施工法は、製管機と称される装置を既設管内に運び込み、帯状の部材を製管機に供給し、既設管内において帯状の部材を巻いて新たなライニング管を成形していく。製管機によって新規に成形されたライニング管は、既設管の内径に比べて小さい。そのため既設管とライニング管との間には隙間があり、ライニング管の位置が不安定となるばかりでなく、ライニング管を流れる水などの圧力を既設管に負担させることができず、ライニング管の強度を確保することができない。
そこで内部に配置したライニング管の強度を確保するため、既設配管内面と内部に新設したライニング管の外面との間に、裏込め材注入装置を用いて必要な成分を配合したセメント系充填材からなる裏込め材(グラウト材とも称す)を注入している(特許文献1−6参照)。
本工法(SPR工法:Swadge Pipe Renewal)によると、既設管、充填材及びライニング管からなる三層複合管が形成され、老朽化した既設管の強度を新設管に匹敵する強度に復活させることができる。
前記工法では、現場で、必要な成分を計量し、混合し、水を添加して撹拌してセメント系充填材スラリーを作成していたので、手間がかかりコストアップになる問題や、計量ミスが発生して、流動性が損なわれる問題や、硬化物の強度が損なわれるなどの事故が発生するという問題が想定される。
ライニング管の浮き防止のため、セメント系充填材は、単位容積質量の低いものが好まれる上、既設管と内部に配置したライニング管との間の長細い空隙へ充填材を注入する必要があるため、流動性が高いという特性も要求され、また硬化物の強度を大きくできれば空隙の大きな施工現場などでも使用が可能となるため、そのような特性を兼ね備えたセメント系充填材の開発が望まれていた。
ところで、下水道管渠である鉄筋コンクリート管も、前記のように、地下に埋設されて極めて長期に渡って使用されるものであるため、老朽化は避けられず、腐食劣化作用を受けることにより、下水道管渠としての機能を低下させるだけでなく、道路陥没などの二次的被害も懸念されることから、下水道管渠の更生は、社会生活を維持するために欠かせない課題となっている。
具体的には、SPR工法は、例えば、腐食劣化した既設管渠内に硬質塩化ビニール製のプロファイルを嵌合設置した後、既設管とプロファイルとの空隙部にモルタル(グラウト材)を注入することにより、複合管として一体化する更生工法であり、具体的には、例えば、既設管内径250mmから5000mm、非円形管渠短辺900mm以上、長辺6000mmまでのあらゆる断面形状があるので、これらに対応できるとともに、下水の共用下においても、施工できることが求められており、管渠内に人が入って作業できない内径の小さな管渠の更生も対象となる。
施工においては、既設管渠内にプロファイルを取り付け、その空隙部にモルタルを充填する工法であることから、プロファイルに浮力が生じるため浮上防止対策が必要である。人が管渠内に入って作業できる大口径管渠の場合は、浮上防止対策が容易であるが、人の入ることが出来ない内径の小さな管渠においては、浮力低減が可能な単位容積質量が小さいタイプのモルタルが必要となる(特許文献7参照)。
ベントナイトなどを添加したグラウト材も提案されている(特許文献8-10参照)。
また、下水道管渠のSPR工法においては、通常、既設管内に下水を流しながら(下水の共用下)、既設管渠内にプロファイルを取り付け、両端部の空隙部のみをシールして空隙部にモルタルを充填するので、充填されるモルタルは、前記間隙に残留した下水に接触し、この下水を排出しながら充填することになるので、下水との接触中にモルタル自身やその成分が下水に溶け出し成分変化が生じ、例えば、前記モルタルの流れ方向および重力方向における上部と下部にモルタル濃度や成分の変化が生じ、充填したモルタルの後述する単位容積質量に差がでてしまい、従って均一で安定した充填ができず、充填したモルタルを硬化させると、均一な硬化物が得られず、圧縮強度などがバラツクという問題があった。
特開2001−19523号公報 特開2001−19528号公報 特開2002−338320号公報 特開2003−42345号公報 特開2007−45650号公報 特開2009−132557号公報 特開2013-256433号公報 特公昭64-002834号公報 特開2004-284930号公報 特開2013-249214号公報
本発明の第1の目的は、前記モルタルを老朽化した下水管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填する際に、下水管内部に下水が存在し、そして前記間隙に残留した下水があっても、前記モルタルがその下水に接触し、前記モルタルの一部が下水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず、前記下水を外部へ排出しながら安定して均一に前記隙間に充填できるので、前記隙間に充填したモルタルを硬化させれば、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られるという下水管更生工法用グラウト材を提供することにある。
本発明の第2の目的は、本発明の下水管更生工法用グラウト材を用いて内部に下水が存在する既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に残留した下水があっても、前記間隙にモルタルを下水と接触させながら、モルタルが下水の方へ溶けだすことなく充填して、前記下水を容易に排出でき、その後、硬化させることによって、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られるという下水管更生工法を提供することである。
発明者等は前記課題を解決するために鋭意研究した結果、セメント、軽量骨材、水中不分離性付与鉱物および混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材組成物に所定量の水を添加・混合したモルタルが、単位容積質量、流下時間、引抜きフロー値、水中不分離性、4m注入試験で得られる上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差や圧縮強度などが特定の値を有するグラウト材組成物を用いることによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
前記課題を解消するための本発明の請求項1記載の発明は、セメント、軽量骨材、水中不分離性付与鉱物および混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材組成物から構成される下水管更生工法用グラウト材であって、
前記グラウト材組成物に所定量の水を添加・混合したモルタルが下記の試験法で測定した下記の性状1.〜6.を備えていることを特徴とする下水管更生工法用グラウト材である。
(モルタル性状)
1.単位容積質量が1.30〜1.40Kg/L、
2.流下時間が5〜7秒、
3.引抜きフロー値が210〜290mm、
4.水中不分離性:懸濁物質量が0.80g以下、
5.4m注入試験で得られる上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差が0.05Kg/L以下、
6.圧縮強度が21〜60N/mm
(試験法)
1.単位容積質量:JIS A 1116「フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法(質量方法)」に準じて、混練した試料(モルタル)を1Lの容器に入れ測定する。
2.流下時間:土木学会基準 JSCE-F541「充填モルタルの流動性試験方法(案)」に規定されているJ14ロートの流出口を指で押え、モルタルを充填し、流出口から指を離してモルタルを流出させ、流出口からのモルタル流が初めて途切れるまでの流下時間(単位:秒)を測定する。
3.引抜きフロー値: JIS R5201-1999「セメントの物理試験方法」に規定されているフローコーンにモルタルを充填し、フローコーンを垂直に引き上げたときの広がりを測定する。
4.水中不分離性:10度の傾斜をつけて設置した図4に示す水中不分離性試験装置を用い、直径80mm、長さ200mmの円柱容器Aに300mLの水を入れ、内径20mm、高さ500mmの塩ビ管Bに充填したモルタル1000mLをバルブCを開き円柱容器Aに流し込み、押し出された懸濁水を採取場所Dで濾紙上に採取して、濾紙上に採取された懸濁物を100℃1時間乾燥した懸濁物質量(g)を求める。
5.4m注入試験:図5に示す4m注入試験装置(内径350mm、長さ2000mmのヒューム管を2本連結させ、注入口および上部試料採取場所と下部試料採取場所を設けた管内に、外径330mm、長さ4500mmのプロファイルを設置し、前記ヒューム管と前記プロファイルの両端部の隙間をシーリングしてある。前記間隙に水10Lを入れる。)を用い、
モルタルをスクイズポンプを用いて前記注入口より15L/分の流量で注入し、上部試料採取場所および下部試料採取場所から流出したモルタルをそれぞれ上部試料および下部試料として採取し、上部単位容積質量と下部単位容積質量を測定し、上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差を求める。
6.前記上部試料と下部試料の圧縮強度を下記試験法で測定し求める
(圧縮強度):
土木学会基準 JSCE-G521に準拠し、φ50×100mmの型枠にモルタルを充填・成形し、材齢2日で脱型し、試験材齢までビニール袋に入れて、温度20℃±2℃の室内で養生し、材齢28日とし、耐圧試験機(前川試験機製作所1000kN)を用いて測定する。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の下水管更生工法用グラウト材において、前記水中不分離性付与鉱物がスメクタイト系粘土鉱物であり、添加量がセメント、軽量骨材、混和材を必須成分とする組成物100質量部に対して5質量部以下、下記試験法で測定した膨潤力が10ml/2g以上、前記添加量と膨潤力の積である膨潤量が15〜60であることを特徴とする。
(試験法)
1.日本ベントナイト工業会標準試験方法JBAS-104-77「ベントナイト(粉状)の膨潤試験方法」に準じて、測定する。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1あるいは請求項2記載の下水管更生工法用グラウト材において、前記水中不分離性付与鉱物がホルマイト系粘土鉱物であり、添加量がセメント、軽量骨材、混和材を必須成分とする組成物100質量部に対して1〜3質量部であることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の下水管更生工法用グラウト材において、前記水中不分離性付与鉱物がスメクタイト系粘土鉱物とホルマイト系粘土鉱物との混合物であることを特徴とする。
本発明の請求項5記載の発明は、施工現場で請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のグラウト材組成物に所定量の水を配合して撹拌して前記の試験法で測定した下記の性状1.〜6.を備えているモルタルを作成し、既設下水管内部に下水が存在する状態で、別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に下水が残留した状態で前記モルタルを前記間隙に充填し、前記モルタルが前記下水を排出して充填終了後、硬化することを特徴とする下水管更生工法である。
(モルタル性状)
1.単位容積質量が1.30〜1.40Kg/L、
2.流下時間が5〜7秒、
3.引抜きフロー値が210〜290mm、
4.水中不分離性:懸濁物質量が0.80g以下、
5.4m注入試験で得られる上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差が0.05Kg/L以下、
6.圧縮強度が21〜60N/mm
本発明の請求項1記載の発明は、セメント、軽量骨材、水中不分離性付与鉱物および混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材組成物から構成される下水管更生工法用グラウト材であって、
前記グラウト材組成物に所定量の水を添加・混合したモルタルが前記の試験法で測定した前記の性状1.〜6.を備えていることを特徴とする下水管更生工法用グラウト材であり、
老朽化した下水管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填する際に、下水管内部に下水が存在し、そして前記間隙に残留した下水があっても、前記モルタルがその下水に接触し、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず、前記下水を外部へ排出しながら安定して均一に前記隙間に充填できるので、前記隙間に充填したモルタルを硬化させれば、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られるという顕著な効果を奏する。
なお、前記所定量の水とは、前記モルタルが前記の試験法で測定した前記の性状1.〜6.を備えるのに要する水量という意味である。
本発明は、グラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されている一材型のグラウト材であり、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および各成分の分離抵抗性に優れたモルタルを作成できるので、手間がかからず、コストダウンになるとともに、計量ミスにより流動性が損なわれる問題や、硬化物の強度が損なわれるなどの問題がないという顕著な効果を奏する。
本発明のグラウト材は所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および各成分の分離抵抗性に優れたモルタルを得ることができる。
本発明のグラウト材を用いることによって、軽量性、高強度、流動性、各成分の材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、下水管分野で必要な強度を持った優れた硬化物を得ることができる。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の下水管更生工法用グラウト材において、前記水中不分離性付与鉱物がスメクタイト系粘土鉱物であり、添加量がセメント、軽量骨材、混和材を必須成分とする組成物100質量部に対して5質量部以下、前記試験法で測定した膨潤力が10ml/2g以上、前記添加量と膨潤力の積である膨潤量が15〜60であることを特徴とするものであり、
前記間隙に充填時する際に、モルタルが下水に接触しても、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず(高い水中不分離性)、良好な流動性を持って充填できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1あるいは請求項2記載の下水管更生工法用グラウト材において、前記水中不分離性付与鉱物がホルマイト系粘土鉱物であり、添加量がセメント、軽量骨材、混和材を必須成分とする組成物100質量部に対して1〜3質量部であることを特徴とするものであり、
前記間隙に充填時する際に、モルタルが下水に接触しても、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず(高い水中不分離性)、良好な流動性を持って充填できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の下水管更生工法用グラウト材において、前記水中不分離性付与鉱物がスメクタイト系粘土鉱物とホルマイト系粘土鉱物との混合物であることを特徴とするものであり、
スメクタイト系粘土鉱物とホルマイト系粘土鉱物との混合物を用いたので、前記間隙に充填時する際に、モルタルが下水に接触しても、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどがより少なくなり、分離したりしない(より高い水中不分離性)上、より良好な流動性を持って充填できるので、水中不分離性付与鉱物の配合量を減少でき、経済的である、というさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5記載の発明は、施工現場で請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のグラウト材組成物に所定量の水を配合して撹拌して前記の試験法で測定した前記の性状1.〜6.を備えているモルタルを作成し、既設下水管内部に下水が存在する状態で、別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に下水が残留した状態で前記モルタルを前記間隙に充填し、前記モルタルが前記下水を排出して充填終了後、硬化することを特徴とする下水管更生工法であり、
内部に下水が存在する既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に残留した下水があっても、前記間隙にモルタルを下水と接触させながら、モルタルが下水の方へ溶けだすことなく充填して、前記下水を容易に排出でき、その後、硬化させることによって、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られるという顕著な効果を奏する。
(イ)〜(ニ)は、本発明の下水管更生工法の1例を説明する説明図である。 図2は、図1(ロ)の1部分を拡大した説明図である。 図3は、図1(ハ)の1部分を拡大した説明図である。 図4は、水中不分離性試験装置を説明する説明図である。 図5は、4m注入試験装置を説明する説明図である。
次に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1(イ)〜(ニ)は、本発明の下水管更生工法の1例を説明する説明図である。図2は、図1(ロ)の1部分を拡大した説明図である。図3は、図1(ハ)の1部分を拡大した説明図である。
図1(イ)に示すように、地中に既設管1が設置されている。2はマンホールである。既設管1内には下水3が流れている。
図1(ロ)に示すように、劣化した既設管1を更生するに当たって、既設管1の内部に、外巻きプロファイルドラム4と、動力ユニット5を備えた製管機6により両側縁端部に接合部を有するプロファイル7を連続的に送り込んで螺旋状に巻回し、相接する接合部間を嵌合により接合させてプロファイルの管状体8を形成する。プロファイルの管状体8内には下水3が流れている。既設管1とプロファイルの管状体8の間には隙間9が形成されている。
図1(ハ)に示すように、下水3がプロファイルの管状体8内を流れた状態が維持されたままで、プロファイルの管状体8の両端部の隙間9にシール10を設置してシールし、下流の一端部にエアー・下水抜き11を設置した後、裏込めモルタル注入機12を作動して、本発明のグラウト材に現場で所定量の水を配合して撹拌してモルタルを作成し、作成したモルタル13を、既設管1とプロファイルの管状体8の間に生じる隙間9に充填する。
図1(ニ)に示すように、既設管1とプロファイルの管状体8の間の隙間9にモルタル13が完全に充填された後、硬化させて、硬化物(更生管14)を得ることができる。
図2および図3において、図1と同じ符号にものは、図1の前記説明に記載のものと同じものを示す。図2および図3に記載の15はモルタル13の注入口である。図2および図3において、上方の隙間9が下方の隙間9より広く記載されているが、この施工例においては、下水管更生後、下水3が流れる際に、段差がなるべく小さくなり、低抵抗になるようにするために行ったものである。上方の隙間9と下方の隙間9を同じ広さにしても差し支えない場合もある。
既設管1の内部に新たなライニング管を配置する手法には、既設管1内に図示しない新たな管を挿入する方法等があるが、いずれの手法を用いてもよい。
本工法によると、既設管1、前記硬化物14およびプロファイルの管状体8からなる三層複合管が形成され、老朽化した既設管1の強度を新設管に匹敵する強度に復活させることができる。
図4は、水中不分離性試験装置を説明する説明図である。
図4に示したように、水中不分離性試験装置16は、水平面に対して、10度の傾斜をつけて直径80mm、長さ200mmの円柱容器Aが設置してあり、円柱容器Aの一端部にバルブCを介して、上端にロート17が設置された、内径20mm、高さ500mmの塩ビ管Bが垂直に連結されており、円柱容器Aの他端部には試料を採取するための採取場所Dが設けられている。
円柱容器Aに300mLの水を入れ、塩ビ管Bに充填したモルタル1000mLをバルブCを開き円柱容器Aに流し込み、押し出された懸濁水を採取場所Dでビーカー20の上部に設置したロート18内にセットした濾紙19上に採取し、濾紙19上に採取された残留物を図示しない乾燥機内で100℃1時間乾燥し、乾燥後、濾紙19を含めた乾燥質量(g)を求める。懸濁物質量(g)を下記式で計算する。
懸濁物質量(g)=乾燥質量(g)−濾紙質量(g)。
図5は、4m注入試験装置を説明する説明図である。
図5に示すように、4m注入試験装置21には、内径350mm、長さ2000mmのヒューム管22を2本連結させ、そしてモルタル13の注入口15を設けたヒューム管22内に、上部試料採取場所23と下部試料採取場所24を備える、外径330mm、長さ4500mmのプロファイルの管状体8を設置してある。前記ヒューム管22と前記プロファイルの管状体8の両端部の隙間9にはシーリングされて、シール10が設置されており、前記間隙9に水10Lが入れられている。前記隙間9に水10Lを入れるとヒューム管22の底部から上方に図中の点線位まで約100mm、水が入ることになる。
4m注入試験装置21は、水、粉体を入れ、混練を行いモルタル13を作成するためのグラウトミキサ(岡三機工株式会社OKZ-150W)26、作成したモルタル13を収容する容器(90L)27、そのモルタル13を4m注入試験装置21の注入口15を経て前記隙間9に注入するためのスクイズポンプ(岡三機工株式会社OKP-15MS)28、モルタル13を注入するための、モルタル13の通路となる圧力計29を備えた耐圧ホース30を備えている。
グラウトミキサ26に水、粉体を入れ、混練を行い、得られたモルタル13を容器(90L)27に収容し、スクイズポンプ28を作動させてそのモルタル13を注入口15より15L/分の流量で間隙9内に注入を行い、上部試料採取場所23と下部試料採取場所24から前記水および空気を排出した後に流出したモルタル13をそれぞれ採取して、採取したモルタル13の上部単位容積質量と下部単位容積質量を測定し、上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差を求め、また上部試料の圧縮強度と下部試料の圧縮強度を求める。
本発明のグラウト材は、特にセメントモルタル材として現代の土木建築分野で使用できるものであればいずれの方法でも使用可能であるが、特にポンプを使用する分野でグラウト材を長距離圧送し、打設する施工方法において有用である。
下水管の既設管渠内周面ライニング工法は、ポンプを使用するので、ポンプ圧送性と共に各成分の材料分離抵抗性、流動性に優れることが重要である。
本発明で使用するセメントは、硬化発現材としての必須成分であり、代表的なものの例を挙げれば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、白色セメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント(ジェットセメント、スーパーセメント、SQセメント)などのポルトランドセメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等各種混合セメント、あるいはアルミナセメント、膨張セメント等特殊セメントがある。
これらは1つあるいは2つ以上を混ぜて使用することができる。
セメントは、本発明のグラウト材粉粒体組成物中に好ましくは30〜80質量%、より好ましくは50〜80質量%用いられる。
本発明で使用する軽量骨材は、セメント100質量部に対して6〜165質量部配合することが好ましい。6質量部未満であると軽量性が損なわれる恐れがあり、165質量部を超えると圧縮強度および付着強度が損なわれる恐れがある。
本発明で使用する軽量骨材は、下記の特性1.〜2.を有する骨材および下記の特性1.〜3.を有する人工軽量骨材を好ましく使用できる。前者はセメント100質量部に対して5〜150質量部配合すること、後者はセメント100質量部に対して1〜15質量部配合することが均一分散性、各成分の材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、耐久性などの特性を付与するために好ましい。
(骨材の特性)
1.嵩比重:0.1〜0.7g/cm
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.3mm未満の粒子を50〜100質量%含有する。
(人工軽量骨材の特性)
1.嵩比重:0.3〜1.2g/cm
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子を85〜100質量%含有する。
3.硬度(木屋式硬度計):0.5〜10kg
このような特性を有している軽量骨材を使用しないと、現場で所定量の水を添加して撹拌して短時間で均一に分散した流動性に優れたスラリーが得られない恐れがある。
前記軽量骨材を使用すれば、現場で所定量の水を添加して撹拌すると、各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成できるので、手間がかからず、コストダウンになるとともに、強度に優れた硬化物を得ることができる。
本発明で使用する軽量骨材の代表的なものの例を挙げれば、発泡ポリスチレン、発泡ポリスチレン減容物等の粒状プラスチック、パーライト、バーミキュライト、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、発泡ガラス等がある。
これらは1つあるいは2つ以上を混ぜて使用することができる。
本発明で使用する混和材としては、既設構造物その他接触基材に対する接着性、流動性、分離抑制などの1つあるいは2つ以上をさらに改善するためのものであり、セメント100質量部に対し好ましくは1〜30固形分質量部配合することが好ましい。
混和材の種類によっても異なるが、1質量部未満では作用効果を確実に発揮できない恐れがあり、30質量部を超えるとセメントの硬化に悪影響を及ぼすため、使用出来ない恐れがある。
本発明で使用する混和材には、既設管1や帯状部材を連続的に送り込んで螺旋状に巻回し、相接する接合部間を嵌合により接合させたプロファイルの管状体8とモルタルの接着強度をさらに向上する成分であり、再乳化合成樹脂エマルジョン粉末を使用される。再乳化合成樹脂エマルジョン粉末の例としては、例えば、アクリル系、アクリル−スチレン系、SBR系、酢酸ビニル系、および酢酸ビニルの耐鹸化性をエチレン、(メタ)アクリル酸エステル、バーサチック酸ビニルエステル等を共重合して改善した変性酢酸ビニル系等の各種エマルジョンが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用して用いることが出来る。
本発明で使用する混和材には、モルタルの流動性を改善するため、高分子減水剤を使用される。高分子減水剤の例としては、例えば、メラミンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、ナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩、変性リグニンスルホン酸塩系化合物、高縮合トリアジン系縮合物、ポリカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩系誘導体、オキシカルボン酸塩、オキシカルボン酸塩系誘導体、アミノスルホン酸塩系高分子化合物、イソプレン系化合物、ポリアルキル無水カルボン酸塩等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用して用いることが出来る。
本発明で使用する混和材には、モルタルの粘度を上げてモルタル中における各成分の分離を抑制するため、増粘剤を使用される。増粘剤の例としては、例えば、セルロース系、化工澱粉系蛋白質系、ラテックス系、水溶性ポリマー系、粘土鉱物系等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用して用いることが出来る。
その他、ホルマイト鉱物の如きブリーディング防止剤、フライアッシュ、石膏の如き収縮低減剤、カルシウムサルホアルミネート等の膨張剤、アルミニウム粉末、過酸化水素水等の発泡剤、各種界面活性剤等の起泡剤、ポリビニルアルコール繊維や炭素繊維、スチール繊維の如き繊維、他のセメント添加剤(材)、例えば公知のAE剤(空気連行剤)、流動化剤、促進剤、早強剤、急結剤、遅延剤、消泡剤、保水剤、促進剤、セルフレベリング剤、防錆剤(例えば、リン酸塩類、アミン類、亜硝酸塩類)、着色剤、ひび割れ低減剤、水溶性高分子等本発明の長所を著しく阻害しない限り全て使用可能である。
本発明で使用する水中不分離性付与鉱物は、本発明のグラウト材に、チキソトロピー性を発現させることができるスメクタイト系粘土鉱物、マイカ系粘土鉱物、バーミキュライト、パイロフィライト、ホルマイト系粘土鉱物が好ましく、さらに粒子の形が板状もしくは線状など異方性を持つスメクタイト系粘土鉱物もしくはホルマイト系粘土鉱物がチキソトロピー性付与能が高いのでさらに好ましい。
本発明のグラウト材に、チキソトロピー性を発現させることができるスメクタイト系粘土鉱物であって、粒子の形が板状であるものの代表例として、モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイトを挙げることができ、最も好ましくはベントナイトである。ベントナイトは、主成分が層状珪酸塩であるベントナイト(モンモリロナイトを主成分とする粘土の総称)を主成分とした、モルタルの粘度・流動性を改善するために使用されており、ベントナイトをそのまま主成分としたものや、有機変性したベントナイトを主成分としたものがある。市販品ではRockwood社製の「OPTIBENT987987」(商品名)、
「OPTIBENT1284」(商品名)、「NANOTHIXB1490」(商品名)等を使用することができる。
スメクタイト系粘土鉱物は、添加量がセメント、軽量骨材、混和材を必須成分とする組成物100質量部に対して5質量部以下であり、前記試験法で測定した膨潤力が10ml/2g以上、前記添加量と膨潤力の積である膨潤量が15〜60であることが好ましく、前記間隙に充填時する際に、モルタルが下水に接触しても、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず(高い水中不分離性)、良好な流動性を持って充填できる。
添加量が5質量部以上であると、圧縮強度が低下する恐れがある。
膨潤力が10ml/2g未満であると、水中不分離性が劣る恐れがある。
膨潤量が15未満であると、水中不分離性が劣る恐れがある。
膨潤量が60を超えると圧送性が低下し、水粉体比の調整すると、圧縮強度が低下する恐れがある。
本発明で使用する水中不分離性付与鉱物であって、本発明のグラウト材に、チキソトロピー性を発現させることができる粒子の形が線状・繊維状のホルマイト系粘土鉱物であるものの代表例としてセピオライト、アタパルジャイト、パリゴルスカイトを挙げることができ、最も好ましくはセピオライトである。
セピオライトは、天然に存在するセピオライトを適度に粉砕するか、加水混合・撹拌して解繊し、所望のセピオライトを得る。市販品としては、ミルコン(昭和KDE社製品)等が使用できる。
ホルマイト系粘土鉱物は、添加量がセメント、軽量骨材、混和材を必須成分とする組成物100質量部に対して1〜3質量部であることが好ましく、前記間隙に充填時する際に、モルタルが下水に接触しても、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず(高い水中不分離性)、良好な流動性を持って充填できる。
ホルマイト系粘土鉱物の添加量が1質量部未満では、水中不分離性が劣る恐れがある。
ホルマイト系粘土鉱物の添加量が3質量部を超えると、圧送性が低下し、水粉体比の調整すると、圧縮強度が低下する恐れがある。
スメクタイト系粘土鉱物とホルマイト系粘土鉱物との混合物を用いると、前記間隙に充填時する際に、モルタルが下水に接触しても、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどがより少なくなり、分離したりしない(より高い水中不分離性)上、より良好な流動性を持って充填できるので、水中不分離性付与鉱物の配合量を減少でき、経済的である。
本発明においては、本発明のグラウト材に所定量の水を配合して撹拌して前記の特性1.〜6.を有するモルタルを作成することが肝心である。
単位容積質量は1.30〜1.40Kg/Lであり、1.30Kg/L未満では、下水中において軽量骨材が浮上し、分離する恐れがあり、1.40Kg/Lを超えると、プロファイルが浮上する恐れがある。
流下時間は5〜7秒であり、5秒未満では、引抜きフロー値が大きくなり、水中において軽量骨材が浮上し、分離する恐れがあり、7秒を超えると圧送性が低下する恐れがある。
引抜きフロー値は210〜290mmであり、210mm未満では、圧送性が低下する恐れがあり、290mmを超えると水中において軽量骨材が浮上し、分離する恐れがある。
4m注入試験で得られる上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差は0.05Kg/L以下であり、0.05Kg/Lを超えると上下の圧縮強度差が大きくなり圧縮強度が21N/mm未満になる恐れがある。
水中不分離性は懸濁物質量が0.80g以下であり、0.80gを超えると、上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差が0.05Kg/Lを超える恐れがある。
圧縮強度は21〜60N/mmであり、21N/mm未満では、既設管と内部に配置したライニング管との間の空隙の大きな施工現場など強度を求められる施工現場では使用が難くなる恐れがあり、60N/mmを超えるとモルタルの単位容積質量が1.40Kg/Lを超える恐れがある。
本発明においては、所定量の水を配合して撹拌して前記の特性1.〜6.を有するグラウト材を用いることによって、内部に下水が存在する既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に残留した下水があって、充填中にモルタルと下水とが接触しても、モルタルやその成分が下水の方へ溶けだすことなく、前記下水を容易に排出して均一に充填することができ、その後、硬化させることによって、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られるのである。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1-1)
下記のセメント、軽量骨材、人工軽量骨材および混和材からなる組成物100質量部に対して、下記のベントナイト1.5質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整した。
セメント:中庸熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製):72質量部
軽量骨材:パーライトB-04(昭和化学工業社製) :19.6質量部
人工軽量骨材:ポーラストンS-1(昭和KDE社製) :3質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) :5.4質量部
ベントナイト:出雲ベントナイト(カサネン工業社製) :1.5質量部
この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、41質量部の水を配合し、グラウトミキサ(岡三機工株式会社OKZ-150W)を用いて90秒間混練し、モルタルを調製した。
前記モルタルについて、前記試験方法により、単位容積質量、引抜きフロー値、流下時間、水中不分離性、4m注入試験を行うとともに材齢28日の圧縮強度試験を行って、それぞれ測定した。また、前記モルタルについて、下記の試験法で粘性(粘度mPa・s)の測定を行った。
(粘性測定法):JIS Z8803「液体の粘度測定方法」に規定された音叉振動粘度計を用い、温度20±2℃のモルタル100mlを100mlの容器に入れ、粘度計の粘度検出部を水平面に対して垂直になるように設置し、粘度計を動作させ、1分後の粘度の指示値を測定した。
測定した結果を表1に示す。
(実施例1-2)
出雲ベントナイト(カサネン工業社製)を、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、5質量部混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表1に示す。
(実施例1-3)
ベントナイトとして天竜印(関東ベントナイト鉱業社製)を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、1質量部混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表1に示す。
(実施例1-4)
天竜印(関東ベントナイト鉱業社製)を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、4質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、46質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表1に示す。
(実施例1-5)
ベントナイトとして、スーパークレイ(ホージュン社製)を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、1質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表1に示す。
(実施例1-6)
スーパークレイ(ホージュン社製)を、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、2質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、44質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表1に示す。
(実施例1-7)
ベントナイトとして、クニピアF(クニミネ工業社製)を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、0.5質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表1に示す。
(実施例1-8)
クニピアF(クニミネ工業社製)を、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、1質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、46質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表1に示す。
(比較例1-1)
ベントナイトを混合せず、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、40質量部の水を配合して、比較のためのモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表2に示す。
(比較例1-2)
ベントナイトとして、笠岡ベントナイト(カサネン工業社製)を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、3質量部を混合して比較のためのグラウト材組成物を調整し、このグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表2に示す。
(比較例1-3)
ベントナイトとして、出雲ベントナイト(カサネン工業社製)を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、1質量部を混合して比較のためのグラウト材組成物を調整し、このグラウト材組成物100質量部に対して、41質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表2に示す。
(比較例1-4)
ベントナイトとして、天竜印(関東ベントナイト鉱業社製)を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、6質量部を混合して比較のためのグラウト材組成物を調整し、このグラウト材組成物100質量部に対して、46質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表2に示す。
(比較例1-5)
ベントナイトとして、スーパークレイ(ホージュン社製)を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、4質量部を混合して比較のためのグラウト材組成物を調整し、このグラウト材組成物100質量部に対して、46質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表2に示す。
Figure 2017178669
Figure 2017178669
表1から、実施例1-1〜1-8においては、単位容積質量、引抜きフロー値、流下時間、水中不分離性、4m注入試験および材齢28日の圧縮強度試験において、いずれも本発明の規定範囲内にあることが判る。したがって、下水管内部に下水が存在し、そして前記間隙に残留した下水があっても、前記モルタルがその下水に接触し、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず、前記下水を外部へ排出しながら安定して均一に前記隙間に充填できるので、前記隙間に充填したモルタルを硬化させれば、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られる効果が得られることが判る。
それに対して、表2から、比較例1-1〜1-3の場合は、水中不分離性および上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差がいずれも本発明の規定範囲外となり、比較例1-4〜1-5の場合は、圧縮強度が本発明の規定範囲外となり、安定して均一に前記隙間に充填できず、均一な硬化物が得られないことが判る。
(実施例2-1)
セピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を使用し、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、1質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表3に示す。
(実施例2-2)
セピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、2質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表3に示す。
(実施例2-3)
セピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、3質量部を混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、46質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表3に示す。
(比較例2-1)
セピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、0.5質量部を混合して比較のためのグラウト材組成物を調整し、このグラウト材組成物100質量部に対して、40質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表4に示す。
(比較例2-2)
セピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を、実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、4質量部を混合して比較のためのグラウト材組成物を調整し、このグラウト材組成物100質量部に対して、48質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表4に示す。
Figure 2017178669
Figure 2017178669
表3から、実施例2-1〜2-3においては、単位容積質量、引抜きフロー値、流下時間、水中不分離性、4m注入試験および材齢28日の圧縮強度試験において、いずれも本発明の規定範囲内にあることが判る。したがって、下水管内部に下水が存在し、そして前記間隙に残留した下水があっても、前記モルタルがその下水に接触し、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず、前記下水を外部へ排出しながら安定して均一に前記隙間に充填できるので、前記隙間に充填したモルタルを硬化させれば、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られる効果が得られることが判る。
それに対して、表4から、比較例2-1の場合は、水中不分離性および上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差がいずれも本発明の規定範囲外となり、比較例2-2の場合は、圧縮強度が本発明の規定範囲外となり、安定して均一に前記隙間に充填できず、均一な硬化物が得られないことが判る。
(実施例3-1)
実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、出雲ベントナイト(カサネン工業社製)を0.5質量部およびセピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を0.5質量部、混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、41質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表5に示す。
(実施例3-2)
実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、天竜印(関東ベントナイト鉱業社製)を1質量部およびセピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を0.5質量部、混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表5に示す。
(実施例3-3)
実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、出雲ベントナイト(カサネン工業社製)を0.5質量部およびセピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を1質量部、混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、41質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表5に示す。
(実施例3-4)
実施例1-1で調製した組成物100質量部に対して、天竜印(関東ベントナイト鉱業社製)を1質量部およびセピオライト(ミルコンSP2(昭和KDE社製))を1質量部、混合して本発明のグラウト材組成物を調整し、この本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、44質量部の水を配合してモルタルを調製した以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
測定した結果を表5に示す。
Figure 2017178669
表5から、実施例3-1〜3-4においては、単位容積質量、引抜きフロー値、流下時間、水中不分離性、4m注入試験および材齢28日の圧縮強度試験において、いずれも本発明の規定範囲内にあることが判る。したがって、下水管内部に下水が存在し、そして前記間隙に残留した下水があっても、前記モルタルがその下水に接触し、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず、前記下水を外部へ排出しながら安定して均一に前記隙間に充填できるので、前記隙間に充填したモルタルを硬化させれば、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られる効果が得られることが判る。
スメクタイト系粘土鉱物とホルマイト系粘土鉱物との混合物を用いたので、前記間隙に充填時する際に、モルタルが下水に接触しても、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどがより少なくなり、分離したりしない(より高い水中不分離性がある)上、より良好な流動性を持って充填できるので、水中不分離性付与鉱物の配合量を減少できる可能性がある。
(実施例4-1)
実施例1-3で調製した本発明のグラウト材組成物100質量部に対して、42質量部の水を配合してモルタルを調製し、実施例1-3において既に行って結果が出ているヒューム管を2本連結させて行う前記4m注入試験は行わず、ヒューム管を15本連結させて行う下記の30m注入試験に替えた以外は実施例1-1と同様にして試験を行って測定した。
30m注入試験:
図5に示す4m注入試験装置において用いた内径350mm、長さ2000mmのヒューム管を15本連結させ、注入口および上部試料採取場所と下部試料採取場所を設けた管内に、外径330mm、長さ30500mmのプロファイルを設置し、前記ヒューム管と前記プロファイルの両端部の隙間をシーリングしてある30m注入試験装置を用い、前記間隙に水75Lを入れ前記ヒューム管とプロファイル底から約10cmの高さにした。
前記モルタルをスクイズポンプを用いて前記注入口より25L/分の流量で注入し、上部試料採取場所および下部試料採取場所から流出したモルタルをそれぞれ上部試料および下部試料として採取し、上部単位容積質量と下部単位容積質量を測定し、上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差を求め、前記上部試料と下部試料の圧縮強度を測定した。
測定した結果を表6に示す。
Figure 2017178669
表6から、実施例4-1においては、ヒューム管を多数連結させて行った30m注入試験においても、単位容積質量、引抜きフロー値、流下時間、水中不分離性、4m注入試験および材齢28日の圧縮強度試験において、いずれも本発明の規定範囲内にあることが判る。したがって、下水管内部に下水が存在し、そして前記間隙に残留した下水があっても、前記モルタルがその下水に接触し、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず、前記下水を外部へ排出しながら安定して均一に前記隙間に充填できるので、前記隙間に充填したモルタルを硬化させれば、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られる効果が得られることが明らかになった。
本発明は、セメント、軽量骨材、水中不分離性付与鉱物および混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材組成物から構成される下水管更生工法用グラウト材であって、前記グラウト材組成物に所定量の水を添加・混合したモルタルが前記の試験法で測定した前記の性状1.〜6.を備えていることを特徴とする下水管更生工法用グラウト材であり、
老朽化した下水管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填する際に、下水管内部に下水が存在し、そして前記間隙に残留した下水があっても、前記モルタルがその下水に接触し、前記モルタルの一部が水の方へ溶けだすなどにより、分離したりせず、前記下水を外部へ排出しながら安定して均一に前記隙間に充填できるので、前記隙間に充填したモルタルを硬化させれば、均一な硬化物が得られ、新設管に匹敵する強度の複合管が得られるという顕著な効果を奏し、
本発明の下水管更生工法用グラウト材は、グラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されている一材型のグラウト材であり、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および各成分の分離抵抗性に優れたモルタルを作成できるので、手間がかからず、コストダウンになるとともに、計量ミスにより流動性が損なわれる問題や、硬化物の強度が損なわれるなどの問題がないという顕著な効果を奏し、
本発明のグラウト材を用いることによって、軽量性、高強度、流動性、各成分の材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、下水管分野で必要な強度を持った優れた硬化物を得ることができるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 既設管
2 マンホール
3 下水
4 外巻きプロファイルドラム
5 動力ユニット
6 製管機
7 プロファイル
8 プロファイルの管状体
9 隙間
10 シール
11 エアー・下水抜き
12 モルタル注入装置
13 モルタル
14 硬化物(更生管)
15 注入口
16 水中不分離性試験装置
17、18 ロート
19 濾紙
20 ビーカー
21 4m注入試験装置
22 ヒューム管
23 上部試料採取場所
24 下部試料採取場所
26 グラウトミキサ
27 容器
28 スクイズポンプ
29 圧力計
30 耐圧ホース

Claims (5)

  1. セメント、軽量骨材、水中不分離性付与鉱物および混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材組成物から構成される下水管更生工法用グラウト材であって、
    前記グラウト材組成物に所定量の水を添加・混合したモルタルが下記の試験法で測定した下記の性状1.〜6.を備えていることを特徴とする下水管更生工法用グラウト材。
    (モルタル性状)
    1.単位容積質量が1.30〜1.40Kg/L、
    2.流下時間が5〜7秒、
    3.引抜きフロー値が210〜290mm、
    4.水中不分離性:懸濁物質量が0.80g以下、
    5.4m注入試験で得られる上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差が0.05Kg/L以下、
    6.圧縮強度が21〜60N/mm
    (試験法)
    1.単位容積質量:JIS A 1116「フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法(質量方法)」に準じて、混練した試料(モルタル)を1Lの容器に入れ測定する。
    2.流下時間:土木学会基準JSCE-F541「充填モルタルの流動性試験方法(案)」に規定されているJ14ロートの流出口を指で押え、モルタルを充填し、流出口から指を離してモルタルを流出させ、流出口からのモルタル流が初めて途切れるまでの流下時間(単位:秒)を測定する。
    3.引抜きフロー値: JIS R5201-1999「セメントの物理試験方法」に規定されているフローコーンにモルタルを充填し、フローコーンを垂直に引き上げたときの広がりを測定する。
    4.水中不分離性:10度の傾斜をつけて設置した図4に示す水中不分離性試験装置を用い、直径80mm、長さ200mmの円柱容器Aに300mLの水を入れ、内径20mm、高さ500mmの塩ビ管Bに充填したモルタル1000mLをバルブCを開き円柱容器Aに流し込み、押し出された懸濁水を採取場所Dで濾紙上に採取して、濾紙上に採取された懸濁物を100℃1時間乾燥し、懸濁物質量(g)を求める。
    5.4m注入試験:図5に示す4m注入試験装置(内径350mm、長さ2000mmのヒューム管を2本連結させ、注入口および上部試料採取場所と下部試料採取場所を設けた管内に、外径330mm、長さ4500mmのプロファイルを設置し、前記ヒューム管と前記プロファイルの両端部の隙間をシーリングしてある。前記間隙に水10Lを入れる。)を用い、
    モルタルをスクイズポンプを用いて前記注入口より15L/分の流量で注入し、上部試料採取場所および下部試料採取場所から流出したモルタルをそれぞれ上部試料および下部試料として採取し、上部単位容積質量と下部単位容積質量を測定し、上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差を求める。
    6.前記上部試料と下部試料の圧縮強度を下記試験法で測定し求める。
    (圧縮強度):
    土木学会基準JSCE-G521に準拠し、φ50×100mmの型枠にモルタルを充填・成形し、材齢2日で脱型し、試験材齢までビニール袋に入れて、温度20℃±2℃の室内で養生し、材齢28日とし、耐圧試験機(前川試験機製作所1000kN)を用いて測定する。
  2. 前記水中不分離性付与鉱物がスメクタイト系粘土鉱物であり、添加量がセメント、軽量骨材、混和材を必須成分とする組成物100質量部に対して5質量部以下、下記試験法で測定した膨潤力が10ml/2g以上、前記添加量と膨潤力の積である膨潤量が15〜60であることを特徴とする請求項1記載の下水管更生工法用グラウト材。
    (試験法)
    1.日本ベントナイト工業会標準試験方法JBAS-104-77「ベントナイト(粉状)の膨潤試験方法」に準じて、測定する。
  3. 前記水中不分離性付与鉱物がホルマイト系粘土鉱物であり、添加量がセメント、軽量骨材、混和材を必須成分とする組成物100質量部に対して1〜3質量部であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の下水管更生工法用グラウト材。
  4. 前記水中不分離性付与鉱物がスメクタイト系粘土鉱物とホルマイト系粘土鉱物との混合物であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の下水管更生工法用グラウト材。
  5. 施工現場で請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のグラウト材組成物に所定量の水を配合して撹拌して前記の試験法で測定した下記の性状1.〜6.を備えているモルタルを作成し、既設下水管内部に下水が存在する状態で、別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に下水が残留した状態で前記モルタルを前記間隙に充填し、前記モルタルが前記下水を排出して充填終了後、硬化することを特徴とする下水管更生工法。
    (モルタル性状)
    1.単位容積質量が1.30〜1.40Kg/L、
    2.流下時間が5〜7秒、
    3.引抜きフロー値が210〜290mm、
    4.水中不分離性:懸濁物質量が0.80g以下、
    5.4m注入試験で得られる上部単位容積質量と下部単位容積質量の単位容積質量差が0.05Kg/L以下、
    6.圧縮強度が21〜60N/mm
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