JP7029136B2 - 地中埋設管構造内への充填材の施工方法及び地中埋設管構造 - Google Patents

地中埋設管構造内への充填材の施工方法及び地中埋設管構造 Download PDF

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Description

本発明は、地中埋設管構造内への充填材の施工方法に関する。
地中には光ファイバーケーブル等のケーブル等を通す複数の管路(通信管路)が張り巡らされている。道路や鉄道が通る箇所では、地上の荷重からこの管路を保護する目的でヒューム管が設置されており、複数の管路を内管とし、ヒューム管を外管とする二重管の構造をなしている。ヒューム管の端部はレンガ等で閉鎖されており、内管と外管の間は空洞になっている。このような二重管構造の箇所では、管端閉塞部及び外管継手部の劣化により外管内に土砂が流入することで、管路上の土壌に空隙が生じ、道路等の地上構造物を陥没せしめる虞がある。
この対策として、内管と外管の間にセメントを含む充填材を充填することで、管内への土砂の流入を防止し陥没を防ぐ手法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009―1446号公報
しかしながら、セメントを使用した充填材には、硬化させるために水と混ぜた際に、発熱を生じるという欠点がある。特に、内管内に光ファイバー等のケーブルが存在する場合には、内管と外管の間に充填材を充填した際に、以下の(A)及び(B)に示す理由により、内管内の通信ケーブルの損傷や性能劣化を引き起こす虞や、(C)及び(D)に示す理由により管内への充填材の充填が十分には行われず、充填効果が不十分となる虞があった。
(A)内管内に光ファイバー等のケーブルが存在する場合には、充填材の充填後のセメント等の水和発熱により、ケーブル被覆材等の有機質材料が軟化して、性能劣化を引き起こすといった問題を有していた。
(B)内管内に存在する空隙により、充填材の充填時に、内管に浮力がかかり、内管の損傷を招く虞があった。
(C)外管内に水が浸入してきている場合、その水により充填材の充填が妨げられる虞があった。
(D)地中埋設管構造を開削せずに内部に充填材を充填する際に、充填状況の確認が困難であるため、空隙が残ってしまう虞があった。
本発明は、内管と外管の二重管より成り、内管内部に光ファイバーケーブル等のケーブル等を通してある地中埋設管構造の内管と外管の間への充填材の施工方法に関し、当該地中埋設管構造を大きく開削することなく、内管と外管の間に充填材を充填する場合において、内管内の通信ケーブルの損傷や性能劣化を引き起こすことがなく、充填不良により充填効果が不十分となる虞が無い、充填材の施工方法を提供することを目的とする。
そこで本発明者は、内管と外管の間に充填する充填材の特性について種々検討した結果、一定の密度を有する低発熱型充填材を用いれば、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔6〕を提供するものである。
〔1〕複数の内管と一の外管の二重管より成り、内管内部にケーブルを通してある地中埋設管構造の内管と外管の間への充填材の施工方法であって、密度が1.15~1.35kg/Lである低発熱型充填材を用いることを特徴とする充填材の施工方法。
〔2〕前記二重管の外管の端部のみを開削し、当該開削部から地中埋設管構造の内管と外管の間に注入管を挿入し、当該注入管を通して、充填材を注入することを特徴とする〔1〕に記載の充填材の施工方法。
〔3〕前記内管のうち、地中埋設管構造内のケーブルを通していない内管に少なくとも1つの充填材の噴出孔と止水栓を設け、当該ケーブルを通していない内管内に充填材を注入し、当該噴出孔を介して地中埋設管構造の内管と外管の間に充填材を注入することを特徴とする〔1〕に記載の充填材の施工方法。
〔4〕前記ケーブルを通していない内管にガイド管を具備するパイプカメラを挿入し、充填材の充填状態を当該パイプカメラにより観察しながら充填材を注入することを特徴とする〔3〕に記載の充填材の施工方法。
〔5〕前記低発熱型充填材が、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に従って測定したフロー値(落下運動なし)が200mm以上である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の充填材の施工方法。
〔6〕複数の内管と一の外管の二重管より成り、内管内部にケーブルを通してある地中埋設管構造の内管と外管の間が、密度が1.15~1.35kg/Lである低発熱型充填材で満たされていることを特徴とする、地中埋設管構造。
本発明では、内管と外管の二重管より成り、内管内部に光ファイバーケーブル等のケーブルを通してある地中埋設管構造の内管と外管の間への充填材の施工方法に関し、当該二重管の外管を大きく開削することなく、内管と外管の間に充填材を充填する場合において、内管内の通信ケーブルの損傷や性能劣化を引き起こすことがなく、充填不良により充填材の充填効果が不十分となる虞が無い、充填材の施工方法を提供することができる。
本発明施工方法の一態様の概略図を示す。 本発明施工方法の一態様の概略図を示す。 パイプカメラの挿入方法の一例を示す。 簡易断熱試験の概略を示す。 地中埋設構造を模擬した型枠の概略図を示す。
本発明の施工方法に用いる充填材は、密度が1.15~1.35kg/Lである低発熱型充填材である。ここで、密度は、充填材混練後の密度(単位容積質量)である。
二重管の内管と外管の間に充填材を充填する際、二重管の内管と外管の間に存在する空気又は二重管の内管と内管内に存在する空気により、充填材の充填時に、内管と外管の間又は内管に浮力がかかる虞がある。充填材の密度が1.35kg/Lを超える場合、内管と外管の間又は内管との密度差が大きくなり過ぎて、内管と外管の間又は内管にかかる浮力が過大となり、内管の損傷を招く虞がある。充填材の密度が1.15kg/L未満となる場合、強度発現性が低下することは自明であるが、さらに材料分離抵抗性が大きく低下する虞がある。混練後の充填材の好ましい密度は1.18~1.35kg/Lであり、さらに好ましい密度は1.20~1.35kg/Lである。
密度を軽くするための方法としては、気泡を混入させて泡モルタルとする手法が良く知られているが、泡では泡径が生成装置や環境温度により大きく変動する虞があり、泡径変動により材料分離抵抗性にバラツキが生じる可能性があるため好ましくない。安定した気泡を導入するためには、例えば、中空微小球、ガラスバルーン、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、パーライト等を用いることが挙げられる。これらの材料のうち、特に、工場製造品を用いることは、品質の安定上好ましい。
また、本発明で用いる充填材は、低発熱型充填材である。
ケーブル構成材料の軟化点を考慮した場合、充填後の管内の温度は70℃を超えないことが好ましく、60℃を超えないことがより好ましく、50℃を超えないことがさらに好ましい。かかる観点から、充填材は低発熱型充填材であることが必要である。
本発明における低発熱型充填材とは、簡易断熱試験において、温度上昇量が30℃以下の充填材をいう。温度上昇量としては、20℃以下がより好ましく、15℃以下がさらに好ましい。ここで簡易断熱試験は下記のように行うことができる。
水と混練した充填材を、魔法瓶(デュワー瓶)の中に設置した内容積0.7リットルのポリ容器へ直ちに充填し、魔法瓶の蓋を閉じた後、充填材中心部の最高温度到達時の温度上昇量を測定する。温度測定は、充填材の中心部に差込んだ熱電対によって5分毎に実施する(図4参照)。
このような低発熱型充填材とするには、充填材中の水硬性成分の含有量が混練時で1~5vol%であるのが好ましい。
既設二重管内にモルタルを充填する際には、二重管全体を開削することなく、地中20cm以上の深さを保ったまま施工を行うことが好ましい。セメント等の水硬性成分の量を減じれば発熱量が減少することは自明であるが、減少しすぎると硬化時の強度が低下しすぎるだけでなく、材料分離抵抗性が低下する虞がある。本発明の施工方法では、温度が安定している地中20cm以上の深さを保ったまま充填材を充填できることから、混練時の水硬性成分量は1~5vol%の範囲であれば必要な強度を得ることができるため好ましい。水硬性成分量が少なすぎる場合、強度発現性が低下するのみならず、材料分離抵抗性が大きく低下するため好ましくない。また、水硬性成分量が多すぎる場合、光ファイバーケーブル等のケーブル構成材料の一部が軟化点を超える虞があるため、好ましくない。より好ましい水硬性成分の含有量は2~5vol%であり、さらに好ましくは2.5~5vol%である。
本発明で用いる充填材における水硬性成分としては、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩等の各種ポルトランドセメントや混合セメント、アルミナセメント等の任意なセメントを用いることができる。また、水硬性成分以外の、接水時に発熱しない成分としては、珪石、長石、陶石、石灰石等の石粉、カオリン、アルミナ、ベントナイト等の無機粉末を用いることができる。
本発明に用いる充填材は、せまい空隙への充填性の観点から流動性に優れていることが好ましく、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に従って測定したフロー値(落下運動なし)が200mm以上であるのが好ましい。フロー値が200mm未満である場合、充填性が低下し、モルタル充填時に管内に空隙が生じる虞があるため好ましくない。また、フロー値の上限値は特に規定しないが、材料分離抵抗性の観点から、300mm以下とすることがより好ましい。より好ましいフロー値は、210~280mmであり、さらに好ましくは220~280mmである。
また、材料分離抵抗性が低下した場合については、外管内に水が浸入してきている際に、その水により充填材の充填が妨げられる虞が考えられるが、このような場合は、水中不分離性混和材料を含有せしめることが好ましい。水中不分離性混和材料を含有せしめることで、セメント等の水和硬化成分の発熱速度を低下せしめる効果もあるため、より好ましい。水和発熱速度低下効果の点より、水中不分離性混和剤は、セルロース系材料であることがより好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであることが最も好ましい。
水中不分離性混和剤を使用する場合には、JSCE D-104「コンクリート用水中不分離性混和剤品質規格」が指標となり、当該規格に従って測定したpH値が12.0以下であることが、材料分離抵抗性の観点から好ましい。pH値が12.0を超える場合は、材料分離抵抗性の向上が顕著に表れない虞があるため好ましくない。
本発明の充填材には、流動性確保の観点から、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、流動化剤、高性能AE減水剤等の分散剤を含むことが好ましい。材料分離抵抗性の観点より、ポリカルボン酸系以外の分散剤を使用することがより好ましい。また、水和発熱による温度上昇抑制の観点から、遅延系の分散剤を使用することがより好ましい。
この他にも、本発明の効果を損なわないものであれば、上記以外の成分を含有することができる。このような成分として、例えば、増粘剤、収縮低減剤、消泡剤、AE剤、膨張材、繊維、顔料、凝結遅延剤、凝結促進剤、保水剤、ポゾラン反応性物質、高炉スラグ微粉末、各種骨材などが挙げられる。
本発明の充填材に使用する水の種類は、特に限定されない。水道水、河川水、地下水等の任意の水を用いることができる。水の配合量は限定されないが、施工に支障を及ぼし難い流動性を確保する上から、充填材100質量部(固体成分)に対し30~100質量部が好ましい。
本発明の充填材の施工方法は、複数の内管と一の外管の二重管より成り、内管内部にケーブルを通してある地中埋設管構造の内管と外管の間への充填材の施工方法であって、前記の充填材を用いることを特徴とする。
ここでケーブルとは、光ファイバーケーブル、メタルケーブル等の通信用ケーブル、電力および制御ケーブル等が挙げられ、内管とは、ケーブルが通る通信用管路、あるいは電力および制御ケーブル等が通る電力用管路が挙げられる。また外管とは、地上からの荷重に耐えうるヒューム管等が挙げられる。外管は上部から力の加わる道路、線路等の下だけに設置されている。内管以外の端部はレンガ等で封鎖されており、内管と外管の間は通常空洞になっている。
本発明の施工方法の一態様としては、二重管の外管の端部のみを開削し、当該開削部から地中埋設管構造の内管と外管の間に注入管を挿入し、当該注入管を通して、充填材を注入する方法が挙げられる(図1参照)。
この態様の施工方法では、例えば図1に記載のように、地上部から内管と外管の間に注入管を挿入し、当該注入管を通して充填材を注入すればよい。地中埋設管構造は密閉空間であるから、エア抜きがないと円滑に注入できない可能性があり、少なくとも一つのエア抜き管を設けるのが好ましく、二以上のエア抜き管を設けるのがより好ましい。
図1の態様では、この地面を開削後、外管の封鎖端部の一部に孔を開け、注入ホースを挿入することになる。
本発明の施工方法の他の態様としては、前記内管のうち、地中埋設管内のケーブルを通していない内管に少なくとも1つの充填材の噴出孔(注入孔)と止水栓を設け、当該ケーブルを通していない内管内に充填材を注入し、当該噴出孔を介して地中埋設管構造の内管と外管の間に充填材を注入する方法が挙げられる。
より具体的には、前記ケーブルを通していない内管にガイド管を具備するパイプカメラ(ラインスコープ)を挿入し、充填材の充填状態を当該パイプカメラにより観察しながら充填材を注入する(図2参照)。すなわち、既設二重管内に充填材を充填する際に、二重管を開削することなく、地中20cm以上の深さを保ったまま、マンホールから地中埋設管構造の内管に注入管を挿入し、当該注入管を通して前記の充填材を注入する。内管に注入された充填材は、内管に設けられた一又は二以上の噴出口から噴出し、内管と外管の間に充填されることとなる。また、この注入管とは別にガイド管を敷設し、ガイド管の内部には、パイプカメラを挿入し、充填材の充填状態をパイプカメラにより観察しながら充填するのが好ましい。また、このガイド管は、エア抜きの役目も兼ねさせることができる(図2)。充填施工の最終段階において、パイプカメラは抜き取られる。充填材は最終的には、パイプカメラが抜き取られたガイド管に侵入し、ガイド管内を通ってマンホール内に戻ってくる。これをもって充填材が内管と外管の空洞部内に十分充填されたことを判断することができる。ガイド管及びパイプカメラの状態の拡大図を図3に示す。
通常、通信管路等の内管はマンホールから二重管部にかけて緩やかな上り勾配となっており外管(ヒューム管)自体も傾斜していることが多い。外管が傾斜している場合は、下方から充填されることが好ましいため、噴出孔は外管端部近傍に設置されることが好ましい。これによって、充填材を隙間なく充填することができる。一方、パイプカメラは噴出孔とは反対側の外管端部近傍に設置されることが好ましい。これにより、最後まで充填状況を把握することができる。
具体的な施工手順としては、まず、マンホールから内管内に特殊な穿孔装置を導入し、所定の箇所に充填材の噴出孔およびパイプカメラを挿入するための挿入孔を穿孔する。孔は内管の上側に設けられる。次に、穿孔箇所の先に止水栓を設置する。次に、パイプカメラを挿入するためのガイド管(外)が挿入される。このガイド管(外)は外径20mm程度の塩ビ管等が使用できる。ガイド管(外)がパイプカメラ挿入口に設置された後、パイプカメラを通すためのガイド管(内)が挿入される。ガイド管(内)はガイド管(外)内を通り、内管と外管の空洞部に挿入される。外管の上部まで挿入される。このガイド管(内)としてはフレキシブルなホースが用いられる。そして、パイプカメラがガイド管(内)内に挿入され、内管と外管の空洞部が観察可能な位置に設置される。
充填材の注入に際して、内管内に充填材の注入管(注入ホース)が挿入される。充填材は通常地上部に混練装置(ミキサー)および圧送用のポンプが設置され、注入管を通って内管内部に注入される。なお、内管入口から充填材が漏れないように、内管入口にも止水栓が設置される。
二重管の外管を開削しないことは、前記の通り、管内温度安定化のために好ましい。管内温度安定化は、強度発現性安定化のみならず、発熱時の最高温度の安定化、材料分離抵抗性の安定化にもつながるため、好ましい。地中温度は、深さ20cmでほぼ安定化することが分かっているため、地中深くまで埋設してある必要は無い。特に、真夏時に管全体を開削してしまうと、日射により管内温度が気温より高くなる虞があり、充填材の水和発熱とあいまって最高温度が上がり、ケーブル軟化のリスクが格段と高くなるため好ましくない。
また、二重管の外管を開削しないことから、充填材の充填時の充填状態観察が困難となり、充填不良が起きやすいため好ましくない。本発明では、充填状態をパイプカメラにより観察しながら充填することで、充填不良の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。
(1)充填材の調整
水硬性成分として普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、発熱しない成分として珪石粉(秩父工業社製)、密度調整材としてパーライト(太平洋パーライト社製「太平洋パーライト」)を使用した。混練後の充填材が所定の密度(単位容積質量)および発熱する成分量となるように充填材組成物の配合を調整した。充填材の密度は1.30kg/L、充填材中の水硬性成分量は4.3vol%であった。
一方、比較例として、市販品である低発熱型充填材及び軽量充填材を使用した。
(2)充填材の混練
上記充填材組成物および市販品を、20℃恒温度試験室内にて、水(水道水)を加えてハンドミキサ(日立工機製、回転速度1100rpm)で120秒間混練し、試験用の試料を作製した。
いずれの充填材も混練後の流動性がフロー値で250±20mmとなるように調整した。
(3)評価試験
1)単位容積質量
内容積0.5リットルの鋼製円柱容器を用い、JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」の手法に準じて測定した。
2)20℃の7日経過時点での硬化状況
φ50mm×H100mmの樹脂製型枠を用い、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験法」の手法に準じて成型を行い、20℃恒温度試験室内にて7日間静置し、7日経過後に型枠を脱型し、脱型可能であったもの(形が崩れなかったもの)を○、それ以外を×として評価した。
3)簡易断熱条件下における温度上昇量
練混ぜが終了した充填材を、魔法瓶(デュワー瓶)の中に設置した内容積0.7リットルのポリ容器へ直ちに充填し、魔法瓶の蓋を閉じた後、充填材中心部の最高温度到達時の温度上昇量を測定した。温度測定は、充填材の中心部に差込んだ熱電対によって、データロガー(東京測器社製)を用いて5分毎に実施した(図4)。
4)ブリーディング率
JIS A 1123「コンクリートのブリーディング試験方法」の手法に従って測定を行った。
5)フロー試験
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」の手法に従って測定した。
(4)試験結果
試験結果を表1に示す。本発明品では、所定の流動性および単位容積質量が確保された上で、簡易断熱温度上昇が低減されていることが分かる。また、ブリーディングもなく、7日経過後の硬化状況も良好であった。
Figure 0007029136000001
(5)模擬地中埋設構造による充填試験
上記の実施例の配合を用い、20℃の恒温室内において、地中埋設構造を模擬した型枠内(内径1m×高さ1.2m)への充填試験を行った。型枠を図5に示す。
充填材の混練はグラウトミキサを用いて実施した。混練後の充填材はスクイーズ式ポンプを用いて圧送し、型枠への充填を行った。充填後の管内の充填材内部の温度を熱電対で測定した。
本発明の充填材を用いることで管内への充填は問題無く実施できることを確認した。また、充填材内部の温度は最高で43℃であり、温度上昇量は25℃以内に抑えられていることを確認した。

Claims (3)

  1. 複数の内管と一の外管の二重管より成り、内管内部にケーブルを通してある地中埋設管構造の内管と外管の間への充填材の施工方法であって、当該充填材が、密度が1.15~1.35kg/Lである低発熱型充填材であり、
    前記複数の内管のうち、地中埋設管構造内のケーブルを通していない内管に少なくとも1つの充填材の噴出孔と止水栓を設け、当該ケーブルを通していない内管内に充填材を注入し、当該噴出孔を介して地中埋設管構造の内管と外管の間に充填材を注入することを特徴とする充填材の施工方法。
  2. 前記ケーブルを通していない内管にガイド管を具備するパイプカメラを挿入し、充填材の充填状態を当該パイプカメラにより観察しながら充填材を注入することを特徴とする請求項に記載の充填材の施工方法。
  3. 前記低発熱型充填材が、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に従って測定したフロー値(落下運動なし)が200mm以上である請求項1又は2記載の充填材の施工方法。
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