<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13には遊技盤20が搭載されている。ここで、遊技盤20の構成を図2に基づいて説明する。図2は、遊技盤20の正面図である。
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21,可変入賞装置22,上作動口(第1始動入球部)23,下作動口(第2始動入球部)24,スルーゲート25、可変表示ユニット26等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。電動役物24aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口24への入賞が可能となる。
可変入賞装置22、及び当該可変入賞装置22に設けられた可変入賞検知センサ22eについて図3を用いて説明する。図3(a)は可変入賞装置22の構成を説明するための縦断面図であり、図3(b)は可変入賞検知センサ22eの斜視図である。
可変入賞装置22は、図3(a)に示すように、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口22aを備えているとともに、当該大入賞口22aを開閉する開閉扉22bを備えている。
開閉扉22bは、可変入賞装置22として一体的に設けられた可変入賞駆動部22cに連結されている。開閉扉22bは、可変入賞駆動部22cにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は大入賞口22aに対して遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっている。そして、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に、大入賞口22aに対して遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられる。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置22の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置22が繰り返し開放される態様がある。
また、可変入賞装置22には、大入賞口22aを介して可変入賞装置22に入賞した遊技球が必ず通過する位置に、入賞用通過部22dが形成されている。当該入賞用通過部22dの位置に検知部が存在するようにして可変入賞検知センサ22eが設けられている。可変入賞検知センサ22eによって可変入賞装置22に入賞した遊技球が個別に検知される。
可変入賞検知センサ22eには、図3(b)に示すように、遊技球が通過可能な検知孔31が設けられている。当該検知孔31を形成する周壁部にはコイル32が巻きつけられている。可変入賞検知センサ22eは、当該コイル32を一部とする発振回路を備えている。発振回路が発振している状態において遊技球が検知孔31を通過すると、遊技球内での熱損失が発生し、発振回路の発振が停止する。
可変入賞検知センサ22eには、ハーネス33が取り付けられている。ハーネス33は後述する主制御装置に接続されている。可変入賞検知センサ22eは、ハーネス33を介して、主制御装置に対して発振状態に応じた信号を出力する。これにより、主制御装置において可変入賞検知センサ22eの検知結果を把握することが可能となる。
遊技盤20には、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材40が設けられている。装飾部材40は、遊技盤20の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材40の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材40の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材40の前面から露出するようにしてメイン表示部41及び役物用表示部42が設けられている。つまり、メイン表示部41及び役物用表示部42は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部41,42の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部41では、上作動口23又は下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部41にて明示される。そして、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部41にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部41は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部41にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部42では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部42にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置43が設けられている。また、可変表示ユニット26には、図柄表示装置43を囲むようにしてセンターフレーム44が配設されている。このセンターフレーム44は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置43の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置43は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置43は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置43には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置43における変動表示は、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部41において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置43において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置22の大入賞口22aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置43では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
ちなみに、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、メイン表示部41及び図柄表示装置43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム44の前面側における左上部分には、メイン表示部41及び図柄表示装置43に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム44の右上部分には、役物用表示部42に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置43の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤20には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、内枠13において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル49が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
次に遊技盤20の背面側の構成について図4を用いて説明する。図4は遊技盤20の背面側の構成を示す背面図である。
遊技盤20の背面には、可変表示ユニット26の下方に集合板ユニット51が設けられている。集合板ユニット51には、前記一般入賞口21、可変入賞装置22、両作動口23,24に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路52が形成されている。一般入賞口21等に入賞した遊技球は何れも回収通路52を介して遊技盤20の下方に集合する。遊技盤20の下方には排出通路があり、回収通路52により遊技盤20の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口27も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口27を介して排出通路内に導出される。
回収通路52において各一般入賞口21と対応する位置には、それぞれ一般入賞口用入賞検知センサ53aが設けられており、両作動口23,24に対応する位置には作動口用入賞検知センサ53bが設けられている。スルーゲート25は、当該スルーゲート25を通過する遊技球を検知するゲート用入賞検知センサ53cを備えている。これら各入賞検知センサ53a〜53cにより遊技球の入賞がそれぞれ検知される。各入賞検知センサ53a〜53cは配線を通じて両作動口23,24の裏側に設けられた中継基板54に接続されている。中継基板54は後述する主制御装置と配線を通じて接続されており、各入賞検知センサ53a〜53cによる検知結果は中継基板54を介して主制御装置に入力される。
なお、各入賞検知センサ53a〜53cの詳細な構成は、可変入賞検知センサ22eと同一であるため、説明を省略する。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿65aが設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿66aが設けられている。上皿65aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿66aは、上皿65a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿65a及び下皿66aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について図5を用いて説明する。図5は、内枠13の背面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤20)の背面には、主制御装置ユニット71及び音声ランプ制御装置ユニット75が搭載されている。
主制御装置ユニット71は、集合板ユニット51を後方から覆うように取り付けられている。主制御装置ユニット71は合成樹脂製の取付台72を有し、取付台72に主制御装置73が搭載されている。主制御装置73は、遊技の主たる制御を司る機能と、電源を監視する機能と、を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス74に収容されて構成されている。
なお、基板ボックス74に対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス74を構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしにして粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス74を構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
音声ランプ制御装置ユニット75は、音声ランプ制御装置76と、取付台77とを具備する構成となっており、取付台77上に音声ランプ制御装置76が装着されている。音声ランプ制御装置76は、主制御装置ユニット71に搭載された主制御装置73からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス78に収容されて構成されている。
また、内枠の背面には既に説明したとおり裏パックユニットが設けられている。裏パックユニットは、主制御装置ユニット71の一部や音声ランプ制御装置ユニット75などを後方から覆うように設けられている。当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の基本的な電気的構成>
図6は、パチンコ機10の基本的な電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置73は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板85と、を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84とが内蔵されている。MPU82には、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
復帰スイッチ73aは、バスを介してMPU82と接続されており、復帰スイッチ73aが押されているか否かの信号がMPU82に対して出力される。これにより、MPU82は、復帰スイッチ73aが押されているか否か(操作されているか否か)を判断することができる。
MPU82は、主制御装置73に設けられた停電監視基板85、音声ランプ制御装置76及び払出制御装置90に対して接続されている。この場合に、停電監視基板85には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置100が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。
MPU82は、払出制御装置90に対して、例えば入賞判定結果に基づいて賞球コマンドを出力する。この場合、賞球コマンドの出力に際して、ROM83のコマンド情報記憶エリア83dが参照される。払出制御装置90は、賞球コマンドを受信した場合に、当該賞球コマンドにて設定された遊技球数だけ払出が行われるように払出装置91を駆動制御する。
払出装置91は、遊技球を払い出す駆動部91aと、払い出された遊技球をカウントする払出カウントセンサ91bとがユニット化されている。駆動部91a及び払出カウントセンサ91bは、払出制御装置90に対してそれぞれ別系統で接続されている。払出カウントセンサ91bの検知結果は、払出制御装置90に対して入力されるようになっている。払出制御装置90は、払出カウントセンサ91bの検知結果に基づいて払い出された遊技球数を把握し、駆動部91aを駆動制御する。
MPU82は、音声ランプ制御装置76に対して、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドを出力する。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM83のコマンド情報記憶エリア83dが参照される。音声ランプ制御装置76は、上記各種コマンドを受信した場合に、当該受信したコマンドに対応する処理を実行する。
MPU82と各種入賞検知センサ53a〜53cとが接続されている。各種入賞検知センサ53a〜53cの検知結果に基づいて、MPU82において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。各入球部に対して遊技球が入賞した場合、所定の数の遊技球が払い出される。
ここで、作動口用入賞検知センサ53bにて各作動口23,24への遊技球の入賞が検知された場合には、MPU82において大当たり発生抽選を実行する。さらに、ゲート用入賞検知センサ53cによってスルーゲート25への遊技球の入賞が検知された場合にはサポート発生抽選を実行する。
また、MPU82は、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる電動役物駆動部24b、メイン表示部41及び役物用表示部42に対して接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、電動役物24aの開放状態当選となった場合には、電動役物24aが開閉されるように、MPU82において電動役物駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU82においてメイン表示部41の表示制御が実行される。また、電動役物24aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU82において役物用表示部42の表示制御が実行される。
MPU82は可変入賞装置22と接続されている。可変入賞装置22は、既に説明した通り、可変入賞駆動部22cと、可変入賞検知センサ22eとを備えている。これらとMPU82とが接続されている。
かかる構成において、MPU82は、可変入賞駆動部22cに対して当該可変入賞駆動部22cを制御するための信号を出力する。可変入賞駆動部22cは、上記信号に基づいて開閉扉22bを駆動制御する。
また、可変入賞検知センサ22eの検知結果はMPU82に対して入力されるように構成されている。MPU82は、可変入賞検知センサ22eの検知結果に基づいて大入賞口22aに入賞した遊技球数を把握する。
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置100とを中継し、また電源及び発射制御装置100から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置90は、主制御装置73から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置91により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置100は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置90等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置100は遊技球発射機構101の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構101は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置76は、主制御装置73から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部45,46,63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置110を制御するものである。表示制御装置110では、音声ランプ制御装置76から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置43の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置43の表示内容について図7に基づいて説明する。図7は図柄表示装置43の表示画面Gを示す図である。
図7(a)に示すように、図柄表示装置43の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図7(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置43における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。図柄表示装置43にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
<各種カウンタ及び保留球格納エリア84bについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU82は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部41の表示の設定、図柄表示装置43の図柄表示の設定、役物用表示部42の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置43が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部41及び図柄表示装置43における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選において、電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM84の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ84aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ84aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア84bに格納される。
保留球格納エリア84bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口23又は下作動口24への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ84aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口23又は下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口23又は下作動口24への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部41の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア83aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM83における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア83bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。これら高確率モードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置43における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置43を備え、可変入賞装置22の開閉実行モードに移行する遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置43における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置43の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。
また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図柄の変動表示に係るリーチ表示について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置43の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、遊技結果が大当たり結果である場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
予告表示には、図柄表示装置43の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部41における変動表示時間と、図柄表示装置43における図柄の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部41における変動表示の開始時及び図柄表示装置43による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の電役保留エリア84cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
既に説明したように、MPU82では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、メイン表示部41における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア83cが用いられる。
<各種入賞検知センサ22e,53a〜53cの構成等について>
次に、各種入賞検知センサ22e,53a〜53cの構成、及びこれらと主制御基板81との信号伝送に係る構成について図を用いて説明する。ここで、各種入賞検知センサ22e,53a〜53cは基本的に同一の構成であるため、可変入賞検知センサ22eについて説明し、その他の入賞検知センサ53a〜53cについては説明を省略する。図9は、可変入賞検知センサ22eを説明するためのブロック回路図である。
可変入賞検知センサ22eは、所定の発振信号SG1を出力する発振回路120を備えている。発振回路120は、反転増幅器としてのn型のバイポーラトランジスタ121(以下、単にトランジスタ121という)と、共振回路122とを備えている。トランジスタ121により反転増幅された電圧の一部が、共振回路122にて更に反転されて、トランジスタ121の入力端子(ベース端子)に入力される(正帰還する)ことにより、発振信号SG1が出力(生成)される。
具体的には、トランジスタ121のコレクタ端子は、第1抵抗131を介して電源電圧Vccを出力する端子に接続されている。トランジスタ121のエミッタ端子は、第2抵抗132を介して接地されている。さらに、トランジスタ121のコレクタ端子は、共振回路122に接続されている。当該共振回路122は、トランジスタ121のベース端子に接続されている。この場合、トランジスタ121がオン状態となることにより、第1抵抗131に対して電流が流れ、コレクタ電圧が低下する。つまり、トランジスタ121によって反転増幅された電圧が、共振回路122を介してトランジスタ121のベース端子に入力されることとなる。
共振回路122は、トランジスタ121により反転増幅された電圧を更に反転させるためのものである。具体的には、共振回路122は、コイル32と、複数のコンデンサからなる合成コンデンサ140とを備えている。コイル32と合成コンデンサ140とは並列に接続されている。
合成コンデンサ140は、第1発振用コンデンサ141と、当該第1発振用コンデンサ141に対して直列に接続された第2発振用コンデンサ142とを備えている。第1発振用コンデンサ141と第2発振用コンデンサ142との間は接地されている。これにより、ベース端子に対して入力される電圧の大きさは、第1発振用コンデンサ141と第2発振用コンデンサ142とにより分割されたものである。つまり、各発振用コンデンサ141,142は、トランジスタ121にフィードバックさせる電圧の大きさを規定するものであるとも言える。トランジスタ121と共振回路122とによるループゲインが1以上となるように、各発振用コンデンサ141,142の静電容量が設定されている。
かかる構成によれば、トランジスタ121から電圧が印加された場合、コイル32と合成コンデンサ140とで閉ループ回路を形成する。これにより、入力される電圧(トランジスタ121によって反転増幅された電圧)に対して逆位相の電圧が、トランジスタ121のベース端子に対して入力され、増幅されることとなる。以上のことから、発振回路120は発振する。
この場合、発振回路120から出力される発振信号SG1の発振周波数f(特定発振周波数)は、コイル32のインダクタンス、及び各発振用コンデンサ141,142の静電容量により一義的に決まる。具体的には、コイル32のインダクタンスをL、各発振用コンデンサ141,142の静電容量をそれぞれC1,C2とすると、発振周波数fは式(1)で表される。
なお、発振回路120は、ベース端子に対してバイアス電圧を印加するための抵抗151,152を備えている。これにより、トランジスタ121は常にオン状態となるようになっている。
さらに、共振回路122とベース端子との間には、波形安定化を図るためのコンデンサ153が設けられている。当該コンデンサ153により、共振回路122側に直流電流が入力されないようになっている。これにより、発振信号SG1の波形が安定する。
次に、遊技球の通過と発振回路120との関係について説明する。発振回路120が発振している状況において、磁性金属製の遊技球が検知孔31(コイル32の内側)を通過した場合、電磁誘導現象により遊技球内を誘導電流が流れる。当該誘導電流により遊技球内にて熱損失が発生する。当該熱損失は、発振回路120が発振するためのエネルギーに基づくものである。つまり、発振するためのエネルギーが熱損失に変換される。このため、発振回路120において発振に必要なエネルギーが失われ、発振信号SG1の出力が停止する。この場合、上記誘導電流に起因する磁界によりコイル32に電圧が誘起されるため、コイル32のインダクタンスは変化することとなる。
その後、遊技球がコイル32を通過し終わることにより、発振回路120の発振が再開される。これにより、発振信号SG1が再び出力される。よって、発振回路120の発振状態、具体的には発振信号SG1の出力状態を検知することにより、遊技球を検知することができる。
可変入賞検知センサ22eは、発振回路120の発振状態を検知する検知回路160を備えている。検知回路160は、発振回路120と、主制御基板81のMPU82とに接続されている。検知回路160には、発振回路120から発振信号SG1が入力される。検知回路160は、発振信号SG1の入力状態に基づいて遊技球が通過したか否かを判断し、その判断結果を示す信号をMPU82に対して出力する。
具体的には、検知回路160は、入力端子としてのIN1端子と、出力端子としてのOUT1端子とを備えている。IN1端子は、発振回路120、具体的にはトランジスタ121のコレクタと共振回路122とを接続する配線に接続されている。これにより、発振回路120の発振信号SG1はIN1端子に入力される。この発振回路120とIN1端子とを接続する配線LN1が特定信号経路に対応する。
OUT1端子は、MPU82に接続されている。検知回路160は、IN1端子に入力される発振信号SG2の入力状態に基づいて、OUT1端子を介して遊技球の検知結果を示す検知信号SG3を出力する。
なお、以降の説明において、発振回路120から出力される発振信号SG1と、IN1端子に対して入力される発振信号SG2とを区別するべく、発振回路120から出力される発振信号SG1を出力側発振信号SG1と言い、IN1端子に対して入力される発振信号SG2を入力側発振信号SG2と言う。発振回路120から出力された発振信号SG1が配線LN1を介してIN1端子に入力されることから、入力側発振信号SG2は、配線LN1を伝送する発振信号であるとも言える。
検知信号SG3について詳細に説明すると、検知回路160は、検知信号SG3を出力する検知信号出力回路161を備えている。検知信号出力回路161は、IN1端子及びOUT1端子に接続されている。検知信号出力回路161は、IN1端子に対して入力側発振信号SG2が入力されている場合には、OUT1端子に対して出力される検知信号SG3をLOW信号にする。一方、検知信号出力回路161は、IN1端子に対して入力側発振信号SG2が入力されていない場合には、OUT1端子から出力される検知信号SG3をHI信号にする。これにより、検知信号SG3を把握することにより、遊技球の通過を把握することが可能となる。
ここで、IN1端子と発振回路120とを接続する配線にノイズが混入された場合、検知回路160が当該ノイズを正規の発振信号、すなわち出力側発振信号SG1と誤認して、検知信号SG3をHI信号にする場合がある。また、不正な利益を得る目的で、可変入賞検知センサ22eに対して不正に電磁波を出力し、IN1端子に対して異常な発振信号を入力させようとする不正行為が行われる場合がある。
これに対して、検知回路160は、入力側発振信号SG2を監視する構成を備えている。当該構成について説明する。なお、説明の便宜上、出力側発振信号SG1の発振周波数fを出力側発振周波数f1と言い、入力側発振信号SG2の発振周波数fを入力側発振周波数f2と言う。
検知回路160は、出力側発振周波数f1及び入力側発振周波数f2を比較する比較回路162と、出力側発振周波数f1を設定する発振周波数設定回路163とを備えている。比較回路162は、IN1端子と発振周波数設定回路163とに接続されている。比較回路162には、IN1端子から入力側発振信号SG2が入力され、発振周波数設定回路163から出力側発振周波数f1を特定するための特定信号が入力される。比較回路162は、上記特定信号に基づいて出力側発振周波数f1を把握し、当該出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが一致しているか否かの比較判定を行う。そして、比較回路162は、当該比較判定の判定結果を特定するための信号を出力する。
詳細には、比較回路162は、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが一致している場合にはHI信号を出力する。そして、比較回路162は、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが一致していない場合にはLOW信号を出力する。
当該信号は、検知回路160に設けられたエラー信号出力回路164に入力される。エラー信号出力回路164は、OUT2端子を介してMPU82に接続されている。エラー信号出力回路164は、比較回路162から入力される信号に基づいて、今回検知した入力側発振信号SG2が正規のもの、詳細には出力側発振信号SG1であるか否かを判断する。そして、エラー信号出力回路164は、その判断結果を示すエラー信号SG4をMPU82に対して出力する。
詳細には、エラー信号出力回路164は、比較回路162から、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが一致していることに対応した信号(HI信号)が入力された場合には、エラー信号SG4をHI信号にする。一方、エラー信号出力回路164は、比較回路162から、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが一致していないことに対応した信号(LOW信号)が入力された場合には、エラー信号SG4をLOW信号にする。これにより、MPU82において、今回入力された入力側発振信号SG2が発振回路120から出力された出力側発振信号SG1であるか、ノイズ等の影響により入力された異常発振信号であるかを特定することが可能となる。
ここで、発振回路120は、出力側発振信号SG1の出力側発振周波数f1を変化させることが可能に構成されている。具体的には、発振回路120の第2発振用コンデンサ142は、第1コンデンサ142a、及び当該第1コンデンサ142aに対して並列に接続された第2コンデンサ142bを備えている。そして、第1コンデンサ142aに対して直列に第1スイッチング素子171が接続されており、第2コンデンサ142bに対して直列に第2スイッチング素子172が接続されている。つまり、第1コンデンサ142a及び第1スイッチング素子171からなる第1直列接続体と、第2コンデンサ142b及び第2スイッチング素子172からなる第2直列接続体とが並列に接続されている。各直列接続体は第1発振用コンデンサ141に対して直列に接続されている。
かかる構成によれば、各スイッチング素子171,172のオンオフ状態に応じて第2発振用コンデンサ142の静電容量が変化する。これにより、共振回路122の共振周波数が変化し、出力側発振周波数f1が変化することとなる。詳細には、(A)第1スイッチング素子171がオン状態であり且つ第2スイッチング素子172がオフ状態である場合、(B)第1スイッチング素子171がオフ状態であり且つ第2スイッチング素子172がオン状態である場合、(C)各スイッチング素子171,172双方がオン状態である場合、とで出力側発振周波数f1が異なる。換言すれば、各スイッチング素子171,172のオンオフ制御を行うことにより、出力側発振周波数f1を可変制御することが可能となっている。
なお、以降の説明において、(A)の場合の出力側発振周波数f1を第1出力側発振周波数f11、(B)の場合の出力側発振周波数f1を第2出力側発振周波数f12、(C)の場合の出力側発振周波数f1を第3出力側発振周波数f13とする。
発振周波数設定回路163は、各スイッチング素子171,172のオンオフ制御を行うことで、発振回路120から出力される出力側発振周波数f1を可変制御するものである。具体的には、発振周波数設定回路163は、各スイッチング素子171,172と別系統で接続されている。発振周波数設定回路163は、各スイッチング素子171,172に対してオンオフ信号を出力することにより、各スイッチング素子171,172を個別にオンオフ制御する。これにより、発振周波数設定回路163から出力されるオンオフ信号に基づいて、出力側発振周波数f1を制御することが可能となっている。
さらに、発振周波数設定回路163は、上記オンオフ信号に関する情報を比較回路162に対して出力する。これにより、比較回路162は、現状設定されている出力側発振周波数f1を把握することができる。
ここで、発振周波数設定回路163は、予め定められた更新契機、詳細には遊技球の検知に基づいて出力側発振周波数f1を更新(変更)する。具体的には、発振周波数設定回路163は、検知信号出力回路161の出力側に接続されている。これにより、検知信号SG3が発振周波数設定回路163に対して入力される。そして、発振周波数設定回路163は、検知信号SG3の出力状態の変化に基づいて、各スイッチング素子171,172に対して出力するオンオフ信号を制御する。
詳細には、発振周波数設定回路163は、所定期間を計測するタイマ回路163aを備えている。タイマ回路163aは、検知信号SG3がHI信号からLOW信号に立ち下がったこと、すなわち入力側発振信号SG2の入力が開始されたことに同期して、上記所定期間の計測を開始する。発振周波数設定回路163は、タイマ回路163aによって上記所定期間が経過したことが把握された場合に、予め定められた順序に従って各スイッチング素子171,172に対するオンオフ信号の切換を行う。詳細には、発振周波数設定回路163は、(A)→(B)→(C)→(A)→…、という順序で各スイッチング素子171,172の状態が変化するように、上記オンオフ信号の切換を行う。そして、発振周波数設定回路163は、当該オンオフ信号の切換に基づいて、切換先の出力側発振周波数f1に対応した信号を比較回路162に対して出力する。
かかる構成によれば、遊技球の通過が検知され、当該検知から所定期間が経過した場合に、出力側発振周波数f1の切換が行われる。そして、切換先の出力側発振周波数f1に対応した信号が比較回路162に対して出力される。これにより、比較回路162は、出力側発振周波数f1の切換に追従することができ、切換先の出力側発振周波数f1と、入力側発振周波数f2とを比較することができる。所定期間を設けることによる作用は後述する。
なお、比較回路162の詳細について説明すると、比較回路162は、第1出力側発振周波数f11を含む通過帯域を有する第1バンドパスフィルタ回路と、第2出力側発振周波数f12を含む通過帯域を有する第2バンドパスフィルタ回路と、第3出力側発振周波数f13を含む通過帯域を有する第3バンドパスフィルタ回路とを備えている。比較回路162は、発振周波数設定回路163からの信号に基づいて今回の出力側発振周波数f1に対応したバンドパスフィルタ回路を選択する。例えば、今回の出力側発振周波数f1が第1出力側発振周波数f11である場合には、第1バンドパスフィルタ回路を選択する。そして、比較回路162は、選択されたバンドパスフィルタ回路を用いて、入力側発振周波数f2が出力側発振周波数f1と一致しているか否か、具体的には入力側発振信号SG2が選択されたバンドパスフィルタ回路を通過するか否かを判断する。
この場合、各バンドパスフィルタ回路の通過帯域は、重ならないように設定されている。詳細には、1のバンドパスフィルタ回路の通過帯域には、その通過帯域に含まれる出力側発振周波数以外の発振周波数が含まれないように設定されている。例えば第1バンドパスフィルタ回路の通過帯域には、第1出力側発振周波数f11は含まれるが、第2出力側発振周波数f12及び第3出力側発振周波数f13は含まれないようになっている。これにより、1のバンドパスフィルタ回路にて、複数の出力側発振周波数の発振信号が通過しないようになっている。よって、比較回路162の誤動作を抑制することができる。
なお、上記構成に限られず、例えば通過帯域を可変制御可能な1のバンドパスフィルタ回路を用いる構成としてもよい。要は、比較回路162は、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが一致しているか否かを比較することができる構成であればよい。
以上のように構成された可変入賞検知センサ22eの信号態様について、図10のタイムチャートを用いて説明する。図10(a)は出力側発振信号SG1を示すグラフであり、図10(b)は入力側発振信号SG2を示すタイムチャートであり、図10(c)は検知信号SG3を示すタイムチャートであり、図10(d)はエラー信号SG4を示すタイムチャートである。なお、2つの遊技球が連続して入賞した場合について説明する。
遊技球が通過していない状況においては、第1出力側発振周波数f11の出力側発振信号SG1が出力される。当該出力側発振信号SG1は入力側発振信号SG2として検知回路160に対して入力される。この場合、OUT1端子から出力される検知信号SG3はLOW信号である。
また、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とは同一であるため、エラー信号SG4は、正常であることを示すHI信号である。
その後、t1のタイミングにて遊技球がコイル32を通過する。これにより、出力側発振信号SG1の出力が停止し、入力側発振信号SG2の入力が停止する。入力側発振信号SG2の入力の停止に基づいて、検知信号SG3がHI信号となる。
続くt2のタイミングにて、遊技球の通過が完了し、再度出力側発振信号SG1の出力が開始される。これにより、入力側発振信号SG2が再度IN1端子に入力されることとなり、検知信号SG3がHI信号からLOW信号に立ち下がる。当該立ち下がりに同期して、発振周波数設定回路163のタイマ回路163aによる所定期間T1のカウントが開始される。
その後、t3のタイミングにて、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2との比較結果が比較回路162により導出される。この場合、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが一致しているため、エラー信号SG4はHI信号を維持する。これにより、MPU82にて今回入力された入力側発振信号SG2が正常であることを把握することができる。
t2のタイミングからt3のタイミングまでの期間T2が、両発振周波数f1,f2の比較を行うのに要する比較所要期間T2である。
t2のタイミングから所定期間T1が経過したt4のタイミングにて、出力側発振周波数f1の切換が行われる。具体的には、出力側発振周波数f1が第1出力側発振周波数f11から第2出力側発振周波数f12に切り換わるように、各スイッチング素子171,172のオンオフ制御が行われる。
ここで、所定期間T1は、比較所要期間T2よりも長く設定されている。これにより、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2との比較を行っている状況において、出力側発振周波数f1は変更されない。よって、上記比較を行っている状況下で出力側発振周波数f1の変更が行われることに起因して、上記比較が好適に行われない事態を回避することができる。
その後、t5のタイミングにて、次の遊技球がコイル32を通過し始める。これにより、検知信号SG3がLOW信号からHI信号に立ち上がる。当該次の遊技球は先の遊技球に対して連続して入賞したものである。このため、t2のタイミングからt5のタイミングまでの期間T3が、1の遊技球通過に基づく検知が完了してから次の遊技球通過に基づく検知が開始されるまでの最小期間である。すなわち、期間T3は、1の遊技球の検知から次の遊技球の検知までの最小検知間隔T3である。
タイマ回路163aにより設定されている所定期間T1は、最小検知間隔T3よりも短く設定されている。これにより、仮に遊技球が連続して入賞する場合であっても、1の遊技球が検知してから次の遊技球が検知されるまでの間に、出力側発振周波数f1の変更が完了する。これにより、仮に遊技球が連続して入賞する場合であっても、遊技球が入賞する度に出力側発振周波数f1の変更を行うことが可能となる。よって、出力側発振周波数f1の変更頻度を高めることが可能となる。
t6のタイミングでは、出力側発振信号SG1が出力されていないにも関わらず、入力側発振信号SG2が入力される。当該入力側発振信号SG2は、発振回路120とは別の要因(ノイズ、電磁波等)により配線LN1に混入されたものであり、出力側発振信号SG1とは異なる発振周波数の異常発振信号である。
t6のタイミングでは、異常な入力側発振信号SG2が入力されることにより、検知信号SG3がHI信号からLOW信号に立ち下がる。つまり、検知信号出力回路161は、発振信号の発振周波数に関わらず、その発振信号の立ち下がりに基づいて、検知信号SG3をHI信号からLOW信号にする。
その後、t6のタイミングから比較所要期間T2が経過したt7のタイミングにて、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2との比較結果が比較回路162により導出される。この場合、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが不一致であるため、エラー信号SG4がHI信号からLOW信号に立ち下がる。これにより、MPU82にて異常な発振信号が入力されたことを把握することができる。
なお、異常な信号は発振信号としたが、これに限られず、パルス信号等の所定の周波数を有する他の信号であっても、同様の作用効果を奏する。
<主制御装置73にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置73内のMPU82にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU82では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU82により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、遊技に関する各種検知センサ等の信号読み込み処理を実行する。当該信号読み込み処理には、各種入賞検知センサ22e、53a〜53cの状態を読み込む処理、及びこれら各種入賞検知センサ22e、53a〜53cの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理が含まれる。
ステップS101にて信号読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート25への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート25への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア84cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア84cに格納する。また、音声ランプ制御装置76に対して、役物保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS105では上作動口23又は下作動口24への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア84bに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を保留球格納エリア84bの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、始動保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。そして、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、ステップS101の信号読み込み処理について図12のフローチャートを用いて説明する。信号読み込み処理では、可変入賞検知センサ22eに係る信号読み込み処理、及び他の各種入賞検知センサ53a〜53cに係る信号読み込み処理を実行する。なお、可変入賞検知センサ22eに係る信号読み込み処理と、他の各種入賞検知センサ53a〜53cに係る信号読み込み処理とは基本的に同一の処理であるため、可変入賞検知センサ22eに係る信号読み込み処理について説明し、その他の信号読み込み処理については説明を省略する。
先ず、ステップS201にて、エラー信号SG4を読み込む。続くステップS202では、上記ステップS201にて読み込んだエラー信号SG4がHI信号であるか否かを判定する。
エラー信号SG4がHI信号である場合には異常な発振信号は入力されていないことを意味する。この場合、ステップS203に進み、検知信号SG3の読み込み処理を実行する。その後、ステップS204に進み、上記ステップS203にて読み込んだ検知信号SG3がLOW信号であるか否かを判定する。
検知信号SG3がLOW信号である場合には、ステップS205に進み、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた発振中フラグ格納エリアに発振中フラグをセットし、ステップS212に進む。発振中フラグは、検知信号SG3がLOW信号であること、詳細には出力側発振信号SG1が出力中であることを特定するためのフラグである。
検知信号SG3がLOW信号でない場合、検知信号SG3がHI信号であることを意味する。この場合、ステップS204を否定判定し、ステップS206に進む。ステップS206では、発振中フラグがセットされているか否かを判定する。
発振中フラグがセットされている場合、ステップS207に進み、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた入賞検知フラグ格納エリアに対して入賞検知フラグをセットする。入賞検知フラグは、可変入賞装置22への入賞があったことを特定するためのフラグである。
続くステップS208では、発振中フラグを消去する処理を実行する。そして、ステップS209にて、賞球コマンドを設定し、ステップS212に進む。
賞球コマンドは、遊技球の入賞に基づく払出を行わせるためのコマンドである。当該賞球コマンドは、払出制御装置90に対して出力される。払出制御装置90は、賞球コマンドを受信した場合に、当該賞球コマンドに含まれる遊技球数の情報に基づいて所定数の遊技球の払出が行われるよう払出装置91を制御する。
一方、発振中フラグがセットされていない場合には、ステップS207〜ステップS209の処理をすることなく、ステップS212に進む。
かかる処理によれば、検知信号SG3がLOW信号からHI信号に切り換わった場合に入賞検知フラグがセットされる。
なお、コイル32を遊技球が通過することによって生じる出力側発振信号SG1の停止期間は、タイマ割込み処理の実行周期である2msecよりも長く、具体的には20msecである。このため、出力側発振信号SG1の停止期間中に少なくとも1回はタイマ割込み処理が実行される。よって、遊技球がコイル32を通過したことを把握することが可能となっている。
エラー信号SG4がHI信号でない場合、すなわちエラー信号SG4がLOW信号である場合には、異常な発振信号がIN1端子に入力されたことを意味する。この場合、ステップS202を否定判定し、ステップS210及びステップS211にて、異常発生に係る処理を実行する。
具体的には、先ずステップS210にて、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた異常発生フラグ格納エリアに異常発生フラグをセットする。異常発生フラグは、可変入賞検知センサ22eに異常が発生したことを特定するためのフラグである。
続くステップS211では、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた遊技停止開始フラグ格納エリアに遊技停止開始フラグをセットし、ステップS212に進む。遊技停止開始フラグは、遊技停止の開始タイミングを特定するためのフラグである。
ステップS212では、その他の信号の読み込み処理を実行する。ステップS212の処理を実行した後は、本タイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図13のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS301〜S309の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS310,S311のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS301では、遊技停止中か否かを判定する。具体的には、異常発生フラグ格納エリアに異常発生フラグがセットされているか否かを判定する。異常発生フラグがセットされていない場合には、ステップS302に進む。
ステップS302では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置90に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置76に対して送信する。
続くステップS303では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS304では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置43による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部41の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS305では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。
続くステップS306では、下作動口24に設けられた電動役物24aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM84の電役保留エリア84cに格納されている情報を用いて電動役物24aを開放状態とするか否かの判定、電動役物24aの開閉処理及び役物用表示部42の表示制御などを行う。
その後、ステップS307では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置100から発射許可信号を入力していることを条件として、所定の期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構101のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS308では、RAM84に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板85において停電の発生が確認され当該停電監視基板85からMPU82のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS309にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS310では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するエリアに格納する。また、ステップS311では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するエリアに格納する。
一方、ステップS308にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS312以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS312では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS313にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS314にてRAM84のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS303の遊技回制御処理を図14のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS401にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS402以降の処理、すなわちステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理及びステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口23,24への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS402にて、メイン表示部41が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM84の各種フラグ格納エリア84eにおける変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部41において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部41が変動表示中でない場合には、ステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS403にて、保留球格納エリア84bの保留数記憶エリアNAを参照し、保留記憶されている保留情報の数である始動保留記憶数Nが「0」か否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア84bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS404にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では先ず始動保留記憶数Nを1減算する。また、保留球格納エリア84bにおける保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
なお、データ設定処理では、保留情報のシフトが行われたことを音声ランプ制御装置76に認識させて第1保留ランプ部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるための処理を実行する。
データ設定処理を実行した後は、ステップS405にて変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。変動開始処理では今回の遊技回が大当たり当選か否かの当否判定を行うとともに、当該遊技回の変動表示態様を決定する処理を実行する。
具体的には、先ず当否抽選モードを把握し、把握された抽選モードに対応した当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る値が大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
一致している場合には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を取得し、振分テーブルを参照して、上記取得した大当たり種別カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応しているのかを特定する。
その後、これらの把握結果(大当たりであるか否か、大当たりである場合にはその種別)に基づいて、メイン表示部41に最終的に停止表示させる絵柄の態様を決定し、その決定された態様に対応した情報をRAM84に記憶する。今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、MPU82にてこれらの結果であることを特定するための情報をRAM84に格納する。具体的には、確変大当たり結果である場合にはRAM84に確変フラグをセットし、通常大当たり結果である場合にはRAM84に通常大当たりフラグをセットする。
そして、上記把握結果に基づいて、メイン表示部41の変動表示時間を決定する。この場合、リーチ表示を行なうか否かを判定し、リーチ表示を行なうと判定した場合には、ROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア83cに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた変動表示時間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア83cに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタにセットする。
その後、変動用コマンド及び種別コマンドを設定し、メイン表示部41において絵柄の変動表示を開始させた後、本遊技回制御処理を終了する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS302にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、音声ランプ制御装置76は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置110に送信する。表示制御装置110では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置43での変動表示パターンを決定し、その変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置43を表示制御する。
メイン表示部41が変動表示中である場合には、ステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ずステップS406にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM84の変動表示時間カウンタに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動開始処理(ステップS405)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図11)が起動される度に1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS407にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部41における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS408にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS405の処理において決定した停止結果がメイン表示部41にて表示されるように当該メイン表示部41を表示制御する。
続くステップS409では、変動終了コマンドを設定する。この設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS302にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置110に送信する。表示制御装置110では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。その後、本遊技回制御処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS304の遊技状態移行処理を図15のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回のメイン表示部41における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS503にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM84に、確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置22の開閉扉22bの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM83に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。
続くステップS505では、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられたラウンドカウンタRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタRCは、開閉扉22bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
ステップS505の処理を実行した後は、ステップS506にてオープニングコマンドを設定した後に、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS506にて設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS302にて、音声ランプ制御装置76に送信される。
音声ランプ制御装置76では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードにおける表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63やスピーカ部64を制御する。また、音声ランプ制御装置76は、上記オープニングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置110に送信する。表示制御装置110では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を図柄表示装置43において開始させる。
一方、開閉実行モード中である場合(ステップS501:YES)には、ステップS507に進む。ステップS507では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS508にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS601にて開閉扉22bを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部22cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。開閉扉22bを開放中でない場合には、ステップS602にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS603にてRAM84の各種カウンタエリア84dに設けられたタイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS604に進み、開閉扉22bを開放すべく可変入賞駆動部22cを駆動状態とする。
続くステップS605では、タイマカウンタTに、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図11)が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。また、大入賞口22aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM84の各種カウンタエリア84dに設けられた入賞カウンタエリアPCに、「10」をセットする。
その後、ステップS606にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS302にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76は、受信した開放コマンドに基づいて、表示ランプ部63やスピーカ部64における演出内容を変更する。また、音声ランプ制御装置76は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置110に送信する。表示制御装置110では、受信した開放コマンドに基づいて、図柄表示装置43における開閉実行モード用の演出を切り換える。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
一方、開閉扉22bが開放中である場合(ステップS601:YES)には、ステップS607に進みタイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合、ステップS608にて、大入賞口22aに遊技球が入賞したか否かを判定する。具体的には、入賞検知フラグがセットされているか否かを判定する。
入賞検知フラグがセットされていない場合にはそのまま本入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞検知フラグがセットされている場合には、ステップS609に進み、入賞検知フラグを消去する。
続くステップS610では、入賞カウンタエリアPCの値を1減算した後にステップS611に進む。ステップS611では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS607にてタイマカウンタTの値が「0」の場合、又はステップS611にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS612にて開閉扉22bを閉鎖すべく可変入賞駆動部22cを非駆動状態とする。
続くステップS613ではラウンドカウンタRCの値を1減算し、ステップS614にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS615にてタイマカウンタTに「1000」(すなわち2sec)をセットする。その後、ステップS616にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS302にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の開閉扉22bの開放が終了したことを特定する。
遊技状態移行処理(図15)の説明に戻り、ステップS508にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS509にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS510にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、開閉実行モードの終了に際しては図柄表示装置43などにてエンディング用の演出が実行されるように構成されており、エンディング用の待機時間とは当該エンディング用の演出が終了するまで主制御装置73にて次の遊技回の開始を待機するための期間である。
ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS511にて、エンディングコマンドを設定する。当該エンディングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS302にて、音声ランプ制御装置76に送信される。音声ランプ制御装置76は、受信したエンディングコマンドに基づいて、表示ランプ部63やスピーカ部64における開閉実行モード用の演出を終了させる。また、音声ランプ制御装置76は、上記エンディングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置110に送信する。表示制御装置110では、受信したエンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置43における開閉実行モード用の演出を終了させる。
続くステップS512では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。当該移行処理では、RAM84に確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれが格納されているか否かを判定する。そして、確変フラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定し、通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定する。
その後、ステップS513にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、確変フラグ、通常大当たりフラグのいずれかが格納されている場合には、それを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<遊技停止中処理について>
通常処理(図13)のステップS301において、遊技停止中と判定した場合には、ステップS315に進み、遊技停止中処理を実行し、ステップS301に戻る。つまり、遊技発生フラグがセットされている場合には、遊技停止中処理のみが繰り返し実行されることとなる。
遊技停止中処理について図17のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS701にて、遊技停止開始フラグがセットされているか否かを判定する。遊技停止開始フラグは、既に説明した通り、異常な発振信号を検知した場合にセットされるフラグである。
遊技停止開始フラグがセットされている場合には、ステップS702に進み、遊技停止開始フラグを消去する。すなわち、遊技停止開始フラグは、異常発生の検知に基づいてセットされ、当該検知に基づく最初の遊技停止処理にて消去される。
その後、ステップS703にて割込み処理の発生を禁止する。これにより、割込み処理の実行が規制されるため、正常な遊技の進行が不可となる。具体的には、信号読み込み処理の実行が規制されるため、遊技球の入賞、及びそれに基づく遊技球(特典)の払出が規制される。さらに、大当たりか否かの抽選及びサポート抽選も規制されることとなる。
そして、ステップS704にて異常発生コマンドを音声ランプ制御装置76に対して出力する処理を実行し、本遊技停止処理を終了する。
異常発生コマンドは、外部出力処理にて音声ランプ制御装置76に対して出力される。音声ランプ制御装置76は、異常発生コマンドを受信したことに基づいて、異常な発振信号が入力された旨の報知が行われるように、表示制御装置110及びスピーカ部64等を制御する。これにより、管理者は、可変入賞検知センサ22eの誤動作を把握することができる。
一方、遊技停止開始フラグがセットされていない場合には、ステップS705に進み、停止解除操作が行われているか否かを判定する。具体的には、復帰スイッチ73aが操作されているか否か(押されているか否か)を判定する。
停止解除操作が行われていない場合には、そのまま本遊技停止中処理を終了する。一方、停止解除操作が行われている場合には、ステップS706に進み、割込み処理を許可する。そして、ステップS707にて異常発生フラグを消去して、本遊技停止処理を終了する。
上記処理が実行された場合、割込み処理が実行可能となるとともに、通常処理における遊技の進行に係る一連の処理が実行可能となる。これにより、正常に遊技の進行が行われることとなる。
ここで、遊技機周辺の環境によっては、一時的に発生した電磁波等の影響で可変入賞検知センサ22eの誤動作が生じる場合がある。この場合、復帰スイッチ73aを操作することにより、パチンコ機10の再起動を行うことなく正常な遊技状態に復帰することができる。よって、管理者が上記誤動作が不正行為に基づくものであるか否かを判断することを可能としつつ、正常な遊技の復帰を迅速にすることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
発振回路120から出力される出力側発振信号SG1の発振周波数である出力側発振周波数f1と、検知回路160のIN1端子に入力される入力側発振信号SG2の発振周波数である入力側発振周波数f2と、を比較する構成とした。これにより、出力側発振信号SG1とは異なる発振信号に基づく可変入賞検知センサ22eの誤検知を抑制することができる。
この場合、出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とが一致していない場合には、エラー信号SG4をLOW信号にする構成とし、MPU82は、当該LOW信号が出力されたことに基づいて遊技を停止する構成とした。これにより、可変入賞検知センサ22eの誤検知に基づく遊技球の払出を抑制することができる。
また、出力側発振周波数f1を変更可能に構成し、変更した出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とを比較する構成とした。これにより、出力側発振周波数f1の特定を困難なものにすることができる。よって、出力側発振周波数f1を特定し、当該出力側発振周波数f1の発振信号をIN1端子に対して入力させる不正行為を抑制することができる。
可変入賞検知センサ22eが遊技球を検知した場合に、出力側発振周波数f1を変更する構成とした。この場合、可変入賞検知センサ22eの遊技球の検知タイミングは、遊技球の流下態様に応じて変動するランダムなタイミングである。このため、出力側発振周波数f1の変更タイミングを把握されにくくすることができる。
ここで、仮に出力側発振信号SG1の出力停止中に各スイッチング素子171,172のオンオフ制御を行うと、各コンデンサ142a,142cに蓄積されている残留電荷等の影響により、遊技球がコイル32を通過中であるにも関わらず、出力側発振信号SG1の出力が開始される場合がある。すると、検知信号SG3がHI信号となっている期間が短くなり、MPU82にて当該HI信号を認識することができない事態が発生し得る。
これに対して、本実施形態によれば、出力側発振信号SG1の停止中(遊技球がコイル32を通過している期間中)に出力側発振周波数f1の変更が行われないよう構成した。具体的には、出力側発振信号SG1の出力中に出力側発振周波数f1の変更を行う構成とした。これにより、各スイッチング素子171,172のオンオフ切換が行われることに起因して、出力側発振信号SG1が誤って出力されることを抑制することができる。
出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2との比較中は、出力側発振周波数f1の変更を行わないようにした。これにより、上記比較中に出力側発振周波数f1の変更が行われることに起因して、上記比較が正常に行われなくなることを抑制することができる。
出力側発振周波数f1の出力が開始されてから、当該出力側発振周波数f1の変更が行われるまでの所定期間T1を、最小検知間隔T3よりも短く設定した。これにより、遊技球が連続して入賞用通過部22dを通過した場合であっても、各遊技球の通過に基づいて出力側発振周波数f1の変更が行われる。よって、出力側発振周波数f1の変更頻度(更新頻度)を高めることができるため、出力側発振周波数f1の特定をより困難にすることができる。
タイマ割込み処理にて、エラー信号SG4の読み込み処理を検知信号SG3の読み込み処理よりも先に実行する構成とし、エラー信号SG4が正常であることを示すHI信号である場合にのみ検知信号SG3を読み込む構成とした。これにより、異常が発生している場合にも関わらず、入賞に係る処理が実行される事態が発生しないようになっている。
発振周波数設定回路163が独立して出力側発振周波数f1を変更する構成とした。これにより、MPU82が上記変更に係る処理を実行する必要がないため、MPU82側の処理負荷の軽減を図ることができる。
<第2の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第2の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお以下の説明においては、上記第1の実施形態にて使用した符号と重複する符号も使用するが、本実施形態における特有の符号として取り扱うものとする。図18はパチンコ機10の正面図であり、図19はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図19では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図18及び図19に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
前扉枠14は内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、透明性を有する窓パネル62が嵌め込まれている。窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿65aが設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿66aが設けられている。上皿65aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構50側へ導くための機能を有する。また、下皿66aは、上皿65a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部66の右方には、手前側へ突出するようにして発射ハンドル49が設けられている。発射ハンドル49が操作されることにより、内枠13の下方に搭載された遊技球発射機構50から遊技球が発射される。
内枠13には遊技盤20が着脱可能に取り付けられている。遊技盤20は合板よりなり、遊技盤20の前面が内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤20の構成を図20に基づいて説明する。
遊技盤20には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これらレール部47,48によって略円形状に囲まれて遊技領域PEが形成されている。また、これら内レール部47と外レール部48とが並行することで誘導レールが形成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球は遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21,可変入賞装置22,上作動口(第1始動入球部)23,下作動口(第2始動入球部)24,スルーゲート25、可変表示ユニット26等がそれぞれ設けられている。
遊技領域PEの中央位置を含むようにして可変表示ユニット26が配置されており、さらに遊技領域PEの横方向の中央ライン上において可変表示ユニット26、上作動口23及び下作動口24がこの順序で下方に向けて並ぶように配置されている。可変入賞装置22は、遊技領域PEの右下側に設けられており、より具体的には可変表示ユニット26の右下方に設けられている。スルーゲート25は、可変表示ユニット26の左側に1個設けられているとともに、右側に1個設けられている。一般入賞口21は、上作動口23及び下作動口24の高さ位置において、これら上作動口23及び下作動口24の左方に2個設けられているとともに、右方に1個設けられている。
各一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24及び各スルーゲート25には、1対1で対応させて検知センサ21a,21b,21c,22e,23a,24c,25a,25bが設けられている。各一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24及び各スルーゲート25への入球が発生すると、それが検知センサ21a〜25bにより検知され、その検知結果は後述する主制御装置に対して出力される。
各一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口23への入球が発生した場合及び下作動口24への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口21への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置22への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口23に係る賞球個数よりも下作動口24に係る賞球個数が多いといったように、両作動口23,24の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置22に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口21に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよく、一般入賞口21に係る賞球個数が最も多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口23及び下作動口24は、ユニット化された作動口装置30として遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。
下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。電動役物24aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口24への入賞が可能となる。
可変入賞装置22は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口22aを備えているとともに、当該大入賞口22aを開閉する開閉扉22bを備えている。開閉扉22bは、遊技盤20の背面側に設けられたソレノイドなどの可変入賞駆動部22cと連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に、閉鎖状態よりも遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置22の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置22が繰り返し開放される態様がある。
遊技盤20には、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材40が設けられている。装飾部材40は、遊技盤20の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材40の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材40の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材40の前面から露出するようにしてメイン表示部41及び役物用表示部42が設けられている。つまり、メイン表示部41及び役物用表示部42は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部41,42の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部41では、上作動口23又は下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部41にて明示される。そして、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部41にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部41は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部41にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部42では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部42にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置43が設けられている。また、可変表示ユニット26には、図柄表示装置43を囲むようにしてセンターフレーム44が配設されている。このセンターフレーム44は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置43の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置43は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置43は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置43には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置43における変動表示は、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部41において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置43において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置22の大入賞口22aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置43では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
ちなみに、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、メイン表示部41及び図柄表示装置43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム44の前面側における左上部分には、メイン表示部41及び図柄表示装置43に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム44の右上部分には、役物用表示部42に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置43の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
ここで、上作動口23の検知センサ23a(以下、上作動口用検知センサ23aという)の構成について詳細に説明する。
図21(a)に示すように、上作動口23を有する作動口装置30は、遊技盤20を前後方向に貫通させて形成された作動口孔20aに対して、前方から嵌め込まれて遊技盤20に固定されている。上作動口23は、作動口装置30において上下方向に開口させた上開口部23bから下方へ延在させて形成されている。当該上作動口23の最下流部には、遊技盤20の背面側へ延びる奥球通路23cが連通させて形成されている。当該奥球通路23cは、遊技盤20の背面側に向けて下り傾斜している。このため、上開口部23bから上作動口23へ流入した遊技球は、奥球通路23cの傾斜に沿って遊技盤20の背面側へ向けて移動し、遊技盤20の背面に設けられた回収通路52へ導出される。
上作動口用検知センサ23aは、作動口装置30において上作動口23の中途位置に設けられている。このため、上作動口23に入球する遊技球は遊技盤20の前方において検知され、遊技盤20の背面側に検知センサを設ける構成と比較して、上作動口23への入球を迅速に特定することができる。
上作動口用検知センサ23aは、図21(b)に示すように、遊技球の通過を検知する通過検知部400と電波を検知する電波検知部500と、これら両検知部400,500を収容するケース体23dと、を備えている。ケース体23dは、合成樹脂により略直方体状に形成されている。より詳しくは、上下の面は前後方向を長辺とし、前後の面は左右方向を長辺とするように形成されており、前後に長く上下に短い形状となっている。そして、両検知部400,500を挟んで対峙する上下一対のケース構成体を有しており、各ケース構成体が組み合わせられることで、両検知部400,500がケース体23dに収容される。
通過検知部400は、上作動口23の通路方向(上下方向)と同一方向に延びる第1円筒部410を有しており、通過検知部400がケース体23dに収容された状態では当該第1円筒部410によって上作動口23の一部が構成されている。より詳しくは、各ケース構成体には、上作動口23の通路方向と同一方向に貫通させた貫通孔がそれぞれ形成されており、通過検知部400がケース体23dに収容されると、第1円筒部410が上記の各ケース構成体の貫通孔同士を繋ぐように配置される。そして、第1円筒部410の内周面は上作動口23の通路壁面と略面一となるように形成されており、当該第1円筒部410の内周面によって上作動口23の通路領域の一部が区画形成されている。
第1円筒部410の外周面には第1コイル420が巻きつけられている。さらに通過検知部400は、コンデンサ等の電子部品が実装されることで各種回路が形成された通過用回路基板400aを備えており、当該各種回路の一部として、上記第1コイル420に接続された発振回路が設けられている。発振回路が発振している状態において金属体である遊技球が第1円筒部410を通過すると、遊技球内での熱損失が発生し、発振回路の発振が停止する。
上作動口用検知センサ23aには、ハーネス430が取り付けられている。ハーネス430は後述する主制御装置に接続されている。上作動口用検知センサ23aは、ハーネス430を介して、主制御装置に対して通過検知部400の発振状態に応じた信号を出力する。これにより、主制御装置において通過検知部400の検知結果を把握することが可能となる。
このように遊技球の通過を検知する構成としているところ、第1円筒部410の通路方向の寸法は遊技球の直径寸法よりも短く設定されている。このため、第1円筒部410を通過する遊技球は第1円筒部410内に埋没することはなく、通過タイミングにおいては遊技球の少なくとも一部が第1円筒部410から突出することとなる。これにより、例えば遊技球が複数連なった状態で通過した場合での個々の遊技球の識別能力を向上させている。
この第1円筒部410の寸法に合わせて上作動口用検知センサ23aのケース体23dが形成されており、ケース体23dの通路方向に肉薄な形状となっている。
さらにケース体23dの左右方向の寸法は、第1コイル420を収容するために当該第1コイル420の直径寸法よりも若干長めに設定されているものの、その遊びは最小限となっている。仮にケース体23dの左右方向の寸法をこれよりも長くすると、その分、作動口装置30の左右方向の寸法も長くなる。この場合、遊技領域PEにおいて作動口装置30が占める領域が大きくなることから、遊技球が流下する領域が狭くなってしまう。そこで、ケース体23dの左右方向の寸法を上記のように設定するとともに、ケース体23dを前後方向に長い形状として、通過用回路基板400aを第1コイル420の後方に配置している。
このように第1コイル420(第1円筒部410)の形状によって規定された上作動口用検知センサ23a(ケース体23d)に、電波検知部500が収容されている。電波検知部500は、上記通過検知部400と略同様の構成であるが、収容スペースの関係上、通過検知部400よりも小型なものとなっている。すなわち、電波検知部500は、上記第1円筒部410の直径寸法よりも短い径の第2円筒部510を有している。第2円筒部510は、ケース体23dにおける一対のケース構成体の一方から他方に向けて起立させて有底円筒状に形成されており、当該他方のケース構成体が組み付けられることによって第2円筒部510のもう一方の底が構成される。そして、当該第2円筒部510の外周面には第2コイル520が巻きつけられている。さらに電波検知部500は、コンデンサ等の電子部品が実装されることで各種回路が形成された電波用回路基板500aを備えており、当該各種回路の一部として、上記第2コイル520に接続された発振回路が設けられている。電波検知部500では、通過検知部400と同様に発振回路が発振している状態において第2円筒部510内に金属体が存在すると、当該金属体内での熱損失が発生し、発振回路の発振が停止する。
電波検知部500における第2円筒部510の内側、より具体的には、第2円筒部510とケース構成体により形成される内部空間には、金属製の検知用金属体530が設けられている。検知用金属体530は、第2円筒部510の内周と略同一径又は若干小さい径であって、第2円筒部510の高さ寸法と略同一の高さ寸法又は若干小さい高さ寸法の円柱状をなしている。検知用金属体530がこのような形状であることによって、第2円筒部510とケース構成体とにより形成される内部空間に隙間なく検知用金属体530が収容されることになる。したがって、当該内部空間への埃などの異物の混入の可能性を低減することができ、第2コイル520の発振を好適に行うことが可能となる。また、内部空間において検知用金属体530の位置ずれが生じる可能性を低減し、この観点からも第2コイル520の発振を好適に行うことが可能となっている。
一方、検知用金属体530が第2円筒部510内に存在していることにより、上記のように内部に金属体が存在することを条件に停止する第2コイル520の発振回路の発振は、通常は停止していることになる。そして、第2コイル520へ電波やノイズが印加されることによって、そのエネルギーにより発振回路は発振する。
上作動口用検知センサ23aは、上記ハーネス430を介して、主制御装置に対して電波検知部500の発振状態に応じた信号も出力する。これにより、主制御装置において電波検知部500の検知結果を把握することが可能となっている。
ここで、上作動口用検知センサ23aにおける各コイル420,520及び各回路基板400a,500aが設けられている位置について詳細に説明する。
第2コイル520は、第1コイル420の後方に並列させて設けられている。この場合、両コイル420,520はその軸線が略平行となるように配置されており、具体的にはいずれも軸線が上下方向となるように配置されている。このため、両コイル420,520において発生する誘導磁界の磁束が交差しないようになっている。両コイル420,520の軸線が交差すると、各検知部400,500において相互干渉の原因となり得る。したがって、上記のように両コイル420,520を配置することで、当該相互干渉による誤検知の発生を抑制することができる。
電波検知部500の電波用回路基板500aは、ケース体23dにおける上面(下面)に沿った方向に両コイル420,520及び通過用回路基板400aと並列させて設けられている。このため、各コイル420,520の軸線上に回路基板400a,500aが配置されないことから、回路基板400a,500aに印加される電流に基づく磁気や電波により各コイル420,520の発振状態が変化してしまうことを抑制することができる。また、各構成部品400,400a,500,500aをケース体23dにおける上面(下面)に沿った方向に並設させたことで、上作動口用検知センサ23aの肉厚化も抑制することができる。
なお、両コイル420,520の誘導磁界の相互干渉を抑制するという観点からすると、少なくとも両検知部400,500の検知可能な範囲内において両コイル420,520による磁束が交差しない範囲であればよい。
上作動口用検知センサ23a以外の他の検知センサ21a,21b,21c,22e,24c,25a,25bの構成についての詳細な説明は省略するが、これら他の検知センサ21a,21b,21c,22e,24c,25a,25bは、上記の上作動口用検知センサ23aにおいて電波検知部500を備えていない構成であり、遊技球の入賞を検知する機能(通過検知部400)のみを有している。
なお、以下の説明においては、通過検知部400及び電波検知部500を備える上作動口用検知センサ23aを特殊センサ23aとも言い、通過検知部400のみを備える検知センサ21a,21b,21c,22e,24c,25a,25bを通常センサ21a〜25bとも言う。
ここで、上作動口用検知センサ23aにおける電波検知部500の検知範囲について、図22を用いて説明する。なお図22においては、電波検知部500の検知範囲を二点鎖線にて示している。
電波検知部500はその検知範囲に、他の通常センサ21a〜25bが含まれるように設定されている。
特に、従来の遊技機のように遊技盤20において左側に電波センサを設ける構成(図では、従来の電波センサの検知範囲を破線にて示している)とすると、本実施形態のように可変入賞装置22が遊技領域PEの右下側に配置される場合にはその検知範囲に可変入賞装置22が含まれない。その結果、例えば電波センサを右側にも設ける必要が生じる。これは部品点数の削減という観点からすると好ましくない。これに対して本実施形態では、電波センサを別途設ける必要がない。
また、全ての入賞用の検知センサを含むように電波センサを設ける構成として、遊技盤20の背面側において遊技領域PEの中央付近が検知領域の中心となるように設ける構成も考えられる。この場合、入賞検知センサとは別途電波センサを設ける構成か、本実施形態のように入賞用の検知センサと電波センサとを一体型のセンサとする構成が考えられる。しかし、電波センサを入賞用の検知センサとは別途設ける構成とすると、センサの設置領域が別途必要となることから、遊技機における限られたスペースにおいて設置領域が増えることは好ましくない。また、この構成は、部品点数の削減という観点からも好ましくない。
さらに、本実施形態のように一体型のセンサとして、当該一体型のセンサを遊技盤20の背面側に設ける構成とすると、必然的に遊技球の入賞も遊技盤20の背面側で行われることになる。したがって、遊技球が入賞したタイミングよりも遅れてその入賞を特定することになる。これは、遊技者にとっては違和感が生じる原因となり、ひいては遊技ホール等への不信感にもつながりかねない。
また、仮に別途電波センサを設けずに電波センサの検知範囲を広くする構成とすると、不正目的に印加される電波だけでなく、遊技ホール内で一般的に伝送されている電波等も検知してしまう可能性が高まり、誤検知の発生の増加につながりかねない。
以上のことから、本実施形態のように遊技盤20の前方に通過検知部400が配置されるとともに、電波検知部500が遊技領域PEの中央付近に配置されるように上作動口用検知センサ23aを設けることで、上記のような不具合を解消することが可能となる。
特に、遊技盤20の背面側において遊技領域PEの中央付近には、後述するように主制御装置等の各種制御装置が設けられており、遊技領域PEの周縁と比較して不正治具等が挿入されても当該不正治具等が到達しにくい領域といえる。また遊技盤20の前面側においても、図20に示すように、上作動口23の上方に図柄表示装置43が存在し、上作動口23の下方には当該上作動口23とユニット化された下作動口24が存在し、またその他にも上作動口23を中心として可変入賞装置22等の各種役物が存在し、上作動口23はこのように各種役物に囲まれているため上記のように不正治具等が挿入されても到達しにくい箇所といえる。そこで、上作動口23のセンサを特殊センサとすることで、主に不正の特定に用いられるセンサに対して不正行為が行われることを抑制することができる。
上記のように上作動口用検知センサ23aが作動口装置30に取り付けられると、電波検知部500は、遊技盤20の板厚の厚さ範囲内に配置される。遊技盤20の背面には後述する各種制御装置が金属製の金具等によって取り付けられており、また、補強のため金属製のフレーム等も用いられている。したがって、遊技盤20の背面に電波検知部500が配置される構成とすると、前方から印加される電波がこれら金属製の部品によって反射又は減衰されることで、電波検知部500では当該印加される電波を好適に検知することが困難となり得る。これに対して遊技盤20は、上記のように合板により形成されており電波を透過するため、少なくとも遊技盤20の背面よりも前方に電波検知部500を配置することで、上記のように背面側に設けることで生じる不都合を回避することができる。
なお、電波の阻害を懸念することなく遊技盤20内部に電波検知部500を配置するという観点からすると、遊技盤20を木以外の合成樹脂等の電波透過性の素材により形成してもよい。
また、上記各種制御装置が電通されることによっても電波は発生し、当該電波が電波検知部500に印加されると電波検知部500としては誤検知となり得る。この観点からすると、電波検知部500の後方に電波シールド機能を有する金属板等を設け、当該各種制御装置からの電波を遮断する構成としてもよい。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について図23を用いて説明する。
図23に示すように、内枠13(遊技盤20)の背面には、主制御装置ユニット71及び音声ランプ制御装置ユニット75が搭載されている。
主制御装置ユニット71は合成樹脂製の取付台72を有し、取付台72に主制御装置73が搭載されている。主制御装置73は、遊技の主たる制御を司る機能と、電源を監視する機能と、を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス74に収容されて構成されている。
なお、基板ボックス74に対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス74を構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしにして粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス74を構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
音声ランプ制御装置ユニット75は、音声ランプ制御装置76と、取付台77とを具備する構成となっており、取付台77上に音声ランプ制御装置76が装着されている。音声ランプ制御装置76は、主制御装置ユニット71に搭載された主制御装置73からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス78に収容されて構成されている。
また、内枠の背面には既に説明したとおり裏パックユニット15が設けられている。裏パックユニット15は、主制御装置ユニット71の一部や音声ランプ制御装置ユニット75などを後方から覆うように設けられている。当該裏パックユニット15には、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。
<パチンコ機10の基本的な電気的構成>
図24は、パチンコ機10の基本的な電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置73は、遊技の主たる制御を司る主制御基板81と、電源を監視する停電監視基板85と、を具備している。主制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84とが内蔵されている。MPU82には、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
復帰スイッチ73aは、バスを介してMPU82と接続されており、復帰スイッチ73aが押されているか否かの信号がMPU82に対して出力される。これにより、MPU82は、復帰スイッチ73aが押されているか否か(操作されているか否か)を判断することができる。
MPU82は、主制御装置73に設けられた停電監視基板85、音声ランプ制御装置76及び払出制御装置90に対して接続されている。この場合に、停電監視基板85には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置100が接続されており、MPU82には停電監視基板85を介して電力が供給される。
MPU82は、払出制御装置90に対して、例えば入賞判定結果に基づいて賞球コマンドを出力する。この場合、賞球コマンドの出力に際して、ROM83のコマンド情報記憶エリア83dが参照される。払出制御装置90は、賞球コマンドを受信した場合に、当該賞球コマンドにて設定された遊技球数だけ払出が行われるように払出装置91を駆動制御する。
払出装置91は、遊技球を払い出す駆動部91aと、払い出された遊技球をカウントする払出カウントセンサ91bとがユニット化されている。駆動部91a及び払出カウントセンサ91bは、別系統で払出制御装置90と接続されている。具体的には、払出制御装置90に設けられた払出制御基板92には、信号又は電力のやり取りを中継する払出用インターフェース回路93が設けられており、払出カウントセンサ91bは払出用インターフェース回路93と接続され、駆動部91aは払出制御基板92のMPU(図示略)と接続されている。また、払出用インターフェース回路93は当該MPUとも接続されている。
ここで払出カウントセンサ91bは、上記の上作動口用検知センサ23aと同様の構成であり、遊技球の通過を検知できる通過検知部とノイズや電波が印加されたことを検知できる電波検知部とを備えている。そして、払出カウントセンサ91bにおける通過検知部の検知結果は、払出用インターフェース回路93を介して払出制御装置90に入力される。払出制御装置90は、払出カウントセンサ91bの検知結果に基づいて払い出された遊技球を把握して、駆動部91aを駆動制御する。また、払出カウントセンサ91bに対してノイズや電波が印加されると、払出カウントセンサ91bの電波検知部の出力状態が変化して払出用インターフェース回路93からMPUへその信号(エラー信号)の出力がなされる。払出制御装置90のMPUは、当該信号をもとに主制御装置73のMPU82へ、電波が印加されたことを示すコマンドの出力を行う。
既に説明した通り、払出制御装置90及び払出装置91は内枠13の背面側に搭載されており、払出カウントセンサ91bも内枠13の背面側に搭載されている。図による詳細な説明は省略するが、払出カウントセンサ91bにおける電波検知部の検知範囲としては、上記上作動口用検知センサ23aにおける電波検知部500の検知範囲よりも狭く設定されている。より詳細には、払出カウントセンサ91bの通過検知部を含むものの、他の制御装置等は含まない程度に狭く設定されている。これにより、他の制御装置等による誤検知を抑制しつつ、払出カウントセンサ91bの通過検知部に印加される電波等を好適に検知することが可能となっている。
なお、払出カウントセンサ91bにおける電波検知部の検知範囲を上作動口用検知センサ23aの電波検知部500の検知範囲のように広く設定してもよい。上記のように、上作動口用検知センサ23aは遊技領域PEにおける上下方向の略中央付近よりも若干下側に設けられている。したがって例えば、遊技領域PEにおいて図柄表示装置43の上端よりも上側に入球部を設ける構成とすると、上作動口用検知センサ23aの電波検知部500の検知範囲に当該上側に設けた入球部が含まれなくなり得る。一方で、払出カウントセンサ91bが設けられた払出制御装置90は、遊技盤20の背面において上下方向の略中央付近よりも上側に設けられているため、上記のように払出カウントセンサ91bの電波検知部の検知範囲を広げることで、図柄表示装置43の上端よりも上側に設けられた入球部を当該払出カウントセンサ91b側の電波検知部によりノイズや電波が印加されたことを特定することが可能となる。
つまり、上作動口用検知センサ23a側の電波検知部500と、払出カウントセンサ91b側の電波検知部と、が別々の入球部を監視することで遊技盤20に設けられた全入球部をフォロー可能とする構成としてもよい。この観点からすると、払出装置91は本パチンコ機10の正面視で左側に設けられているため、例えば、払出カウントセンサ91b側の電波検知部は遊技盤20において左側部分の入球部をフォローするとともに、遊技盤20において右側部分の入球部をフォローするように例えば大入賞口に対応する検知センサに電波検知部500を一体で設ける構成としてもよい。
図24の説明に戻り、MPU82は、音声ランプ制御装置76に対して、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドを出力する。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM83のコマンド情報記憶エリア83dが参照される。音声ランプ制御装置76は、上記各種コマンドを受信した場合に、当該受信したコマンドに対応する処理を実行する。
主制御基板81には、信号又は電力のやり取りを中継する入賞用インターフェース回路86が設けられている。当該入賞用インターフェース回路86を介して、MPU82と特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bとが接続されている。特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bにおける通過検知部400の検知結果に基づいて、MPU82において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。各入球部に対して遊技球が入賞した場合、所定の数の遊技球が払い出される。
ここで、特殊センサ23a又は検知センサ24cの通過検知部400にて各作動口23,24への遊技球の入賞が検知された場合には、MPU82において大当たり発生抽選を実行する。さらに検知センサ25a,25bによってスルーゲート25への遊技球の入賞が検知された場合にはサポート発生抽選を実行する。
また、MPU82は、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる電動役物駆動部24b、メイン表示部41及び役物用表示部42に対して接続されている。主制御基板81には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU82は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、電動役物24aの開放状態当選となった場合には、電動役物24aが開閉されるように、MPU82において電動役物駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU82においてメイン表示部41の表示制御が実行される。また、電動役物24aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU82において役物用表示部42の表示制御が実行される。
MPU82は可変入賞装置22の可変入賞駆動部22cと接続されている。MPU82は、可変入賞駆動部22cに対して当該可変入賞駆動部22cを制御するための信号を出力する。可変入賞駆動部22cは、上記信号に基づいて開閉扉22bを駆動制御する。
停電監視基板85は、主制御基板81と電源及び発射制御装置100とを中継し、また電源及び発射制御装置100から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置90は、主制御装置73から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置91により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置100は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板81や払出制御装置90等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置100は遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置76は、主制御装置73から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部45,46,63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置110を制御するものである。表示制御装置110では、音声ランプ制御装置76から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置43の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置43の表示内容について図25に基づいて説明する。図25は図柄表示装置43の表示画面Gを示す図である。
図25(a)に示すように、図柄表示装置43の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図25(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置43における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。図柄表示装置43にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
<各種カウンタ及び保留球格納エリア84bについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU82は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部41の表示の設定、図柄表示装置43の図柄表示の設定、役物用表示部42の表示の設定などを行うこととしている。具体的には、図26に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置43が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部41及び図柄表示装置43における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選において、電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM84の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ84aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ84aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア84bに格納される。
保留球格納エリア84bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口23又は下作動口24への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ84aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口23又は下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口23又は下作動口24への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部41の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM83における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア83aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM83における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア83bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。これら高確率モードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、確変大当たり結果は、確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM84の保留球格納エリア84bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置43における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置43を備え、可変入賞装置22の開閉実行モードに移行する遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置43における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置43の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。
また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図柄の変動表示に係るリーチ表示について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置43の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図25の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、遊技結果が大当たり結果である場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
予告表示には、図柄表示装置43の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部41における変動表示時間と、図柄表示装置43における図柄の変動表示時間とをMPU82において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部41における変動表示の開始時及び図柄表示装置43による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRAM84の電役保留エリア84cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
既に説明したように、MPU82では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、メイン表示部41における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM83の変動表示時間テーブル記憶エリア83cが用いられる。
<MPU82及び上作動口用検知センサ23aで行われる信号のやり取りに係る構成>
次に、入賞用インターフェース回路86を介するMPU82及び上作動口用検知センサ23a(特殊センサ23a)の信号のやり取りに係る構成について図27を用いて説明する。図27は、MPU82と上作動口用検知センサ23aとの接続及び構成を説明するためのブロック回路図である。なお、払出用インターフェース回路93と払出カウントセンサ91bとの信号のやり取りに係る構成は、上作動口用検知センサ23aと入賞用インターフェース回路86との信号のやり取りに係る構成と同様であるため、説明を省略する。また、入賞用インターフェース回路86に接続される他の通常センサ21a〜25bと入賞用インターフェース回路86との信号のやり取りに係る構成は、基本的に上作動口用検知センサ23aの通過検知部400と入賞用インターフェース回路86との信号のやり取りに係る構成と略同様であるため説明を省略する。
既に説明した通り、上作動口用検知センサ23aは、遊技球の入賞を検知する通過検知部400と、電波を検知する電波検知部500と、を備えている。入賞用インターフェース回路86は、通過検知部400と電波検知部500とに動作電源を供給するとともに、その電圧値を監視して電圧値の変化に基づいてMPU82へ信号を出力するものである。
上作動口用検知センサ23aと入賞用インターフェース回路86とは、ハーネス430を介して電気的に接続されており、各検知部400,500の電圧値の変化に基づいて入賞用インターフェース回路86から所定の信号がMPU82に出力される。
上作動口用検知センサ23aと入賞用インターフェース回路86との接続について具体的には、ハーネス430は、複数の配線のうち通過検知部400の動作電圧を伝送する第1電源線ELN1と、通過検知部400を接地させる(基準電位を設定する)のに用いるグランド線GLNとを備えている。第1電源線ELN1は、所定の電圧(詳細には+12V)を供給する電源電圧Vccと接続されているとともに、入賞用インターフェース回路86に設けられた通過用入力部に接続されている。上作動口用検知センサ23aには通過検知部400の電源を供給する第1端子EN1が設けられており、第1電源線ELN1は当該第1端子EN1に接続されている。
同様に、グランド線GLNは、入賞用インターフェース回路86に接続されており、接地されている。上作動口用検知センサ23aには通過検知部400の接地に用いられるグランド端子GNが設けられており、グランド線GLNは当該グランド端子GNに接続されている。これにより、第1電源線ELN1及びグランド線GLNによって通過検知部400が動作する動作電圧が供給されることになる。
さらにハーネス430は、電波検知部500の動作電圧を伝送する第2電源線ELN2を備えている。第2電源線ELN2は、所定の電圧(詳細には+12V)を供給する電源電圧Vccに接続されているとともに、入賞用インターフェース回路86に設けられた電波用入力部と、上作動口用検知センサ23aにおける電波検知部500の電源を供給する端子である第2端子EN2と、に接続されている。電波検知部500は上記の通過検知部400の接地に用いられるグランド端子GNにも接続されており、第2電源線ELN2及びグランド線GLNによって電波検知部500が動作する動作電圧が供給される。
すなわち、上作動口用検知センサ23aには、2つのセンサ(通過検知部400及び電波検知部500)が設けられているものの、2つのセンサを別々に入賞用インターフェース回路86と接続する構成と比較して、グランド線GLNを共用しているため配線の本数を減らすことが可能となっている。具体的には、2つのセンサを別々に入賞用インターフェース回路86と接続する構成の場合には配線は4本必要であるのに対して、本実施形態では3本であり配線の本数が少なくなっている。
上記のようにハーネス430は上作動口用検知センサ23aに関する配線であるところ、配線の本数が増加すると、ノイズが発生する可能性も増加するため上作動口用検知センサ23aにおいて誤検知となる可能性も増加する。したがって、配線の本数を少なくすることで、上作動口用検知センサ23aにおけるセンサ(通過検知部400及び電波検知部500)が誤検知となる可能性を低減することが可能となる。
さらに遊技機では、「ぶら下げ基板」と呼ばれる不正な基板を使用した不正行為が行われることがある。当該不正行為は、正規の制御基板に対し不正な基板をぶら下げて、不正に大当たり状態を発生させるというものである。当該不正行為を抑止するため、既に説明した通り、MPU82を有する主制御基板81は基板ボックス74に収容されているものの、主制御基板81と各種制御装置との接続に関する配線は、遊技機内部において露出しており、上記のように配線の本数を少なくすることで、配線を介して上記の「ぶら下げ基板」が接続される行為を抑制することが可能となる。
また、通過検知部400と電波検知部500とのグランド線GLNを共通化したため、通過検知部400と電波検知部500との基準電位が相違することがなく、入賞用インターフェース回路86において両検知部400,500の電圧値を好適に監視することが可能となる。
次に、各検知部400,500の構成を説明する。
通過検知部400は、遊技球の通過を検知する通過検知回路401と、当該通過検知回路401からの信号に基づいて入賞用インターフェース回路86へ検知信号を出力する第1出力回路402と、を備え、これら両回路401,402が通過用回路基板400aに設けられている。
通過検知回路401は、上記の第1コイル420に第1コンデンサ403を並列接続した第1発振回路404と、当該第1発振回路404の周波数以外の周波数の波長をフィルタリングするとともに波形を整形する検波回路440と、当該検波回路440によって処理された振幅を2値化する第1処理回路405と、を備えている。第1発振回路404は上記の第1端子EN1を介して一定の電圧が印加されることにより所定の周波数(本実施形態では1MHz)で発振する。第1発振回路404が発振することで第1コイル420内に誘導磁界が発生する。また、第1処理回路405では、検波回路440による処理後の振幅が所定の閾値を超えている場合(通常時)にはHI信号を第1出力回路402へ出力する。
通過検知部400の第1円筒部410を遊技球が通過した場合には、遊技球が第1コイル420によって形成されている磁界を通過することになる。このようにして遊技球が磁界を通過すると、第1コイル420におけるインピーダンスが低下することにより、第1発振回路404の発振条件が変化し、第1発振回路404から出力される信号の振幅が小さくなる。より詳しくは振幅がほぼ0となって発振が一時的に停止することとなる。
上述した第1処理回路405における閾値は、遊技球の通過に伴って振幅が小さくなった場合に振幅が当該閾値を下回るように設定されており、振幅が閾値を下回った場合(すなわち検知時)には、第1処理回路405から第1出力回路402へLOW信号が入力される。
第1出力回路402は、第1トランジスタ406と、第1抵抗407と、第1ツェナーダイオード408と、を備えている。第1トランジスタ406のコレクタ端子は第1抵抗407を介して第1端子EN1に接続されており、エミッタ端子はグランド端子GNに接続されている。さらに第1トランジスタ406のベース端子には、上記の第1処理回路405が接続されている。そして、第1処理回路405からの出力信号がHI信号である場合に第1トランジスタ406はON状態(閉塞状態)となり、第1処理回路405からの出力信号がLOW信号である場合に第1トランジスタ406はOFF状態(開放状態)となる。すなわち、遊技球が第1円筒部410を通過していない状況では第1トランジスタ406はON状態となり、遊技球が第1円筒部410を通過している状況では第1トランジスタ406はOFF状態となる。
第1出力回路402において、第1ツェナーダイオード408は、電源(+12V)側をカソードとして第1トランジスタ406と並列に接続されている。すなわち第1トランジスタ406がOFF状態となると、第1出力回路402(通過検知部400)の出力電圧値は第1ツェナーダイオード408のツェナー電圧により定まり、本実施形態では第1電圧値(より詳細には、+11.5V)となっている。また、第1トランジスタ406がON状態となると、第1抵抗407を介して通過検知回路401側へ電流が流れ、出力電圧値は上記第1電圧値よりも低い第2電圧値(より詳細には、+6V)となる。
上記の入賞用インターフェース回路86は、通過検知部400の出力電圧値を監視することで、通過検知部400の第1円筒部410を通過する遊技球の有無を判断することができる。そして、その結果をMPU82に対して検知信号SG3として出力する。具体的には、通過検知部400の出力電圧値が、第1電圧値の場合には検知信号SG3をLOW信号としてMPU82に出力し、第2電圧値の場合には検知信号SG3をHI信号としてMPU82に出力する。これにより、MPU82は上作動口23に遊技球が入賞したことを特定することができる。但し、検知信号SG3の出力態様は上記のものに限定されず、LOW信号とHI信号の関係が逆であってもよい。
電波検知部500は、上記通過検知部400と略同様の構成である。但し、電波検知部500には上記検波回路440に相当する回路が設けられていない。具体的には、電波検知部500は、ノイズや電波が印加されたことを検知する電波検知回路501と、当該電波検知回路501からの信号に基づいて入賞用インターフェース回路86へ検知信号を出力する第2出力回路502と、を備え、これら両回路501,502が電波用回路基板500aに設けられている。
電波検知回路501は、上記の第2コイル520に第2コンデンサ503を並列接続した第2発振回路504と、当該第2発振回路504の発振状態を2値化する第2処理回路505と、を備えている。第2発振回路504は上記の第2端子EN2を介して一定の電圧が印加されることにより所定の周波数(本実施形態では1MHz)で発振する。第2発振回路504が発振することで第2コイル520内に誘導磁界が発生する。また、第2処理回路505では、上記周波数で発振された信号の振幅が所定の閾値を超えている場合(通常時)にはHI信号を出力する。そして、2値化された信号は、第2出力回路502を通じて入賞用インターフェース回路86へ出力される。
第2出力回路502は、上記第1出力回路402と同様に、第2トランジスタ506と、第2抵抗507と、第2ツェナーダイオード508と、を備えている。そして、第2トランジスタ506のコレクタ端子は第2抵抗507を介して第2端子EN2に接続されており、エミッタ端子はグランド端子GNに接続されている。さらに第2トランジスタ506のベース端子には、上記の第2処理回路505が接続されている。そして、第2処理回路505からの出力信号がHI信号である場合に第2トランジスタ506はON状態(閉塞状態)となり、第2処理回路505からの出力信号がLOW信号である場合に第2トランジスタ506はOFF状態(開放状態)となる。
ここで、既に説明したように、第2コイル520内(電波検知部500の第2円筒部510)には、検知用金属体530が固定されている。つまり電波検知部500では、常に第2円筒部510内に金属体が存在している状態となっている。したがって上記の通過検知部400とは異なり、通常は第2発振回路504の発振が停止しており、第2処理回路505からの出力信号はLOW信号となる。このため通常は、第2トランジスタ506はOFF状態である。第2コイル520にノイズや電波が印加されると、電磁誘導現象により第2コイル520にエネルギーが加わる。その結果、第2発振回路504は発振し、第2処理回路505からの出力信号はHI信号となる。これにより第2トランジスタ506はON状態となる。
第2ツェナーダイオード508は、電源(+12V)側をカソードとして第2トランジスタ506と並列に接続されている。すなわち第2トランジスタ506がOFF状態となると、第2出力回路502(電波検知部500)の出力電圧値は第2ツェナーダイオード508のツェナー電圧により定まり、本実施形態では上記第1電圧値(より詳細には、+11.5V)となっている。また、第2トランジスタ506がON状態となると、第2抵抗507を介して電波検知回路501側へ電流が流れ、第2出力回路502(電波検知部500)の出力電圧値は上記第1電圧値よりも低い第2電圧値(より詳細には、+6V)となる。
上記の入賞用インターフェース回路86は、電波検知部500の出力電圧値を監視することで、電波検知部500に電波が印加されたことを判断できる。そして、その結果をMPU82に対してエラー信号SG4として出力する。具体的には、電波検知部500の出力電圧値が、第1電圧値の場合にはエラー信号SG4をHI信号としてMPU82に出力し、第2電圧値の場合にはエラー信号SG4をLOW信号としてMPU82に出力する。これにより、MPU82は上作動口23にノイズや電波が印加されたことを特定することができる。但し、エラー信号SG4の出力態様は上記のものに限定されず、LOW信号とHI信号の関係が逆であってもよい。
なお、入賞用インターフェース回路86と上作動口用検知センサ23aにおける通過検知部400及び電波検知部500との接続にはプルアップ抵抗(図17における409,509)がそれぞれ設けられており、第1電圧値となった場合の電圧値の安定化が図られている。
上記のように、通過検知部400では検波回路440を設けたのに対して、電波検知部500にはそれに相当する回路は設けられていない。これは、通過検知部400では、通常は所定の周波数で第1発振回路404が発振しており、例えば当該所定の周波数とは異なる周波数の電波やノイズが印加された場合には、当該異なる周波数の電波やノイズをフィルタリングして、誤検知となることを抑制するためである。これに対して電波検知部500では、この異なる周波数の電波やノイズであっても印加された事実は変わりなく、この事実を特定するためにこれをフィルタリングせずに第2処理回路505によってHI信号が出力される構成としている。これにより、電波やノイズが印加されたことを好適に特定することが可能になるとともに、回路構成の簡素化により、電波検知部500における電波用回路基板500aのサイズを小さくすることができる(図21(b)参照)。
上記のように構成された上作動口用検知センサ23a及び入賞用インターフェース回路86の動作について、図28を用いて説明する。図28(a)は通常時の上作動口用検知センサ23a及び入賞用インターフェース回路86の動作を説明するための説明図であり、図28(b)は異常時の上作動口用検知センサ23a及び入賞用インターフェース回路86の動作を説明するための説明図である。
図28(a)に示すように、通過検知部400の第1円筒部410に遊技球が存在しない状況においては、第1発振回路404が所定の周波数で発振している。この場合、通過検知部400の出力電圧値は、上記のように第2電圧値(+6V)である。t1のタイミングで、遊技球が第1円筒部410の通過が開始されると、第1発振回路404の発振が停止して通過検知部400の出力電圧値は第1電圧値(+11.5V)となる。この場合、入賞用インターフェース回路86は、通過検知部400の出力電圧値が第1電圧値となったことに基づいて、検知信号SG3をLOW信号からHI信号に切り換える。
t2のタイミングで遊技球が第1円筒部410を通過し終えると、第1発振回路404の発振が再開され、通過検知部400の出力電圧値は第2電圧値となる。この場合、入賞用インターフェース回路86は、通過検知部400の出力電圧値が第2電圧値となったことに基づいて、検知信号SG3をHI信号からLOW信号に切り換える。
次に、上作動口用検知センサ23aにノイズが発生した場合や、不正な利益を得る目的で電波が印加された場合等の異常時の上作動口用検知センサ23a及び入賞用インターフェース回路86の動作を説明する。
図28(b)に示すように、ノイズや電波が印加されている状況で、t1のタイミングからt2のタイミングまでの期間において遊技球が通過検知部400を通過すると、第1発振回路404は発振状態を維持して第1トランジスタ406はON状態とならない。その結果、通過検知部400の出力電圧値は第2電圧値のまま(図示略)であり入賞用インターフェース回路86からの検知信号SG3の切り換えは行われない。一方、電波検知部500では、ノイズや電波が印加されることに基づいて、第2発振回路504が発振状態となり第2トランジスタ506はON状態となり、電波検知部500の出力電圧値が第2電圧値となる(図示略)。その結果、入賞用インターフェース回路86からのエラー信号SG4はHI信号からLOW信号に切り換えられる。ノイズや電波の印加が治まると、電波検知部500における第2発振回路504の発振が停止して、入賞用インターフェース回路86からのエラー信号SG4はLOW信号からHI信号に切り換えられる。このように電波検知部500によりノイズや電波が印加されたことを特定可能とすることで、通過検知部400における発振が、ノイズや電波によるものか第1発振回路404によるものかを特定することができる。
さらに、払出カウントセンサ91bにおいても同様にノイズや電波が印加される恐れがある。ここで、払出制御装置90は、払出装置91の駆動部91aを駆動制御して所定個数の遊技球の払い出しを実行する。払出カウントセンサ91bは当該駆動部91aにより払い出される遊技球の個数をカウントするものである。そして、払出制御装置90は、駆動部91aにより予定の個数分の払い出しが行われたことを払出カウントセンサ91bの検知信号により特定した場合には、駆動部91aの駆動制御を終了する構成としている。すなわち、ノイズや電波により、払出カウントセンサ91bの通過検知部が遊技球の通過を検知できないと、払出制御装置90は、駆動部91aにより行われた払出個数の正確な個数を認識することができない。すると、払出制御装置90は更に遊技球を払い出すように駆動部91aを駆動制御して、予定された個数よりも多い遊技球を払い出してしまう。この場合、遊技ホールにとって不利益となる。これに対して、上記の通り払出カウントセンサ91bには、通過検知部に加えて電波検知部が設けられている。したがって、ノイズや電波が印加された場合であっても払出カウントセンサ91bはそれを特定することが可能となり、このような不利益の発生を抑制することができる。
次に、遊技球が通過検知部400を通過中に複数回ノイズや電波が印加された場合につい、図29を用いて説明する。図29では、t1のタイミングからt6のタイミングの期間で遊技球が通過検知部400を通過する場合に、2回(t2のタイミングからt3のタイミングとt4のタイミングからt5のタイミング)電波が印加されたことを示している。
通過検知部400の出力電圧値は、遊技球の通過が開始するt1のタイミングで第2電圧値(+6V)から第1電圧値(+11.5V)に変化し、電波が印加されるt2のタイミングで第1電圧値から第2電圧値に変化する。その結果、入賞用インターフェース回路86では、t2のタイミングで遊技球の通過が終了したと判断して、検知信号SG3をLOW信号に切り換える。t3のタイミングで電波の印加が終了すると、遊技球は未だ通過検知部400内に存在するため、第1発振回路404は発振が停止したままであり、通過検知部400の出力電圧値は第2電圧値から第1電圧値に変化する。その結果、入賞用インターフェース回路86は、再び遊技球が入球したと判断し、検知信号SG3をHI信号に切り換える。
遊技球が通過中であるt4のタイミングで再び電波が印加されると、入賞用インターフェース回路86は検知信号SG3をLOW信号に切り換えて、電波の出力が終了するt5のタイミングで検知信号SG3をHI信号に切り換える。そして遊技球の通過が終了するt6のタイミングで検知信号SG3はLOW信号に切り換えられる。
以上の結果、遊技球が1個通過する間に入賞用インターフェース回路86では3個の遊技球が通過したと判断してしまう。これに対して、本実施形態では上記のように電波検知部500により、この行為を特定することができる。具体的には、電波が出力されている期間であるt2のタイミングからt3のタイミングまでの期間及びt4のタイミングからt5のタイミングまでの期間では、電波検知部500の第2発振回路504が発振状態となっており、入賞用インターフェース回路86では、エラー信号SG4がLOW信号に切り換えられている。これにより、上記のように通過検知部400に対して電波が印加されることに基づく不正行為が行われた場合であっても、それを特定することが可能となる。
入賞用インターフェース回路86は上作動口用検知センサ23aにおいて故障が発生した場合にもエラー信号SG4をLOW信号に切り換える。具体的には、図30に示すように、t1のタイミングで上作動口用検知センサ23a及び入賞用インターフェース回路86間のハーネス430の抜けが生じた場合には、通過検知部400又は電波検知部500の出力電圧値が+12Vになる。この場合入賞用インターフェース回路86は、エラー信号SG4をLOW信号に切り換える。また、t2のタイミングで上作動口用検知センサ23aにおいて短絡が生じた場合には、通過検知部400又は電波検知部500の出力電圧値は+0Vになる。この場合も、入賞用インターフェース回路86は、エラー信号SG4をLOW信号に切り換える。これによりMPU82は、上作動口用検知センサ23aにおいて故障が発生していることを特定することが可能となる。
ここで、上記のように電波検知部500では、第2コイル520(第2円筒部510)内に検知用金属体530が設けられており、電波検知部500へ常時電圧が印加されているものの、通常は第2発振回路504の発振が停止している構成としている。電波やノイズが印加されたことを検知する構成として、検知用金属体530を設けないとともに、電波検知部500へ電圧を印加しない構成も考えられる。この構成の場合、電波やノイズが印加されたことに基づいて第2コイル520に発生する誘起電圧を入賞用インターフェース回路86が監視することで、この電波やノイズが印加されたことを特定することができる。一方でこの場合、常時電圧が印加されていないため、上記のように抜けや短絡が生じた場合にそれを特定することができない。したがって、電波検知部500の故障を特定するという観点からすると、本実施形態のように常時電圧が印加されている構成とするほうが好ましい。
図示による説明は省略するが、通過検知部400を遊技球が通過中に電波が印加された場合のみならず、通過検知部400を遊技球が通過していない期間に電波が印加された場合であっても、入賞用インターフェース回路86では通過検知部400とは独立して電波検知部500の電圧値を監視しているので、この電波が印加されたことを特定することができる。これにより、上記の遊技球が通過している期間に電波を印加する行為を前段階で抑止することが可能となっている。
<主制御装置73にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置73内のMPU82にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU82では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU82により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS801では、遊技に関する各種検知センサ等の信号読み込み処理を実行する。当該信号読み込み処理には、特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bの状態を読み込む処理、及びこれら特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理が含まれる。
ステップS801にて信号読み込み処理を実行した後は、ステップS802に進む。ステップS802では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS803では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS804ではスルーゲート25への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート25への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア84cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS803にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア84cに格納する。また、音声ランプ制御装置76に対して、役物保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS805では上作動口23又は下作動口24への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア84bに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS803にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を保留球格納エリア84bの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、始動保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。そして、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、ステップS801の信号読み込み処理について図32のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS901にて、エラー信号SG4を読み込む。続くステップS902では、上記ステップS901にて読み込んだエラー信号SG4がHI信号であるか否かを判定する。
エラー信号SG4がHI信号である場合には電波検知部500にノイズや電波が印加されていないことを意味する。換言すれば、電波検知部500の検知範囲に含まれる特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bの通過検知部400においてノイズや電波が印加されていないことを意味する。この場合、ステップS903に進み、検知信号SG3の読み込み処理を実行する。その後、ステップS904に進み、上記ステップS903にて読み込んだ検知信号SG3がLOW信号であるか否かを判定する。
検知信号SG3がLOW信号である場合には、ステップS905に進み、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた発振中フラグ格納エリアに上作動口発振中フラグをセットし、ステップS912に進む。上作動口発振中フラグは、検知信号SG3がLOW信号であること、詳細には通過検知部400の第1発振回路404が発振状態であることを特定するためのフラグである。
検知信号SG3がLOW信号でない場合、検知信号SG3がHI信号であることを意味する。この場合、ステップS904を否定判定し、ステップS906に進む。ステップS906では、発振中フラグがセットされているか否かを判定する。
発振中フラグがセットされている場合、ステップS907に進み、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた入賞検知フラグ格納エリアに対して上作動口入賞検知フラグをセットする。上作動口入賞検知フラグは、上作動口23への入賞があったことを特定するためのフラグである。
続くステップS908では、発振中フラグを消去する処理を実行する。そして、ステップS909にて、賞球コマンドを設定し、ステップS912に進む。
賞球コマンドは、遊技球の入賞に基づく払出を行わせるためのコマンドである。当該賞球コマンドは、払出制御装置90に対して出力される。払出制御装置90は、賞球コマンドを受信した場合に、当該賞球コマンドに含まれる遊技球数の情報に基づいて所定数の遊技球の払出が行われるよう払出装置91を制御する。
一方、発振中フラグがセットされていない場合には、ステップS907〜ステップS909の処理をすることなく、ステップS912に進む。
かかる処理によれば、検知信号SG3がLOW信号からHI信号に切り換わった場合に上作動口入賞検知フラグがセットされる。
なお、第1コイル420を遊技球が通過することによって第1発振回路404の発振が停止する期間は、タイマ割込み処理の実行周期である2msecよりも長く、具体的には20msecである。このため、第1発振回路404の発振が停止している期間中に少なくとも1回はタイマ割込み処理が実行される。よって、遊技球が第1コイル420を通過したことを把握することが可能となっている。
エラー信号SG4がHI信号でない場合、すなわちエラー信号SG4がLOW信号である場合には、電波検知部500にノイズや電波が印加されていることを意味する。換言すれば、電波検知部500の検知範囲に含まれる特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bのいずれかの通過検知部400においてノイズや電波が印加されていることを意味する。この場合、ステップS902を否定判定し、ステップS910及びステップS911にて、異常発生に係る処理を実行する。
具体的には、先ずステップS910にて、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた異常発生フラグ格納エリアに異常発生フラグをセットする。異常発生フラグは、異常が発生したことをMPU82が特定するためのフラグである。
続くステップS911では、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた遊技停止開始フラグ格納エリアに遊技停止開始フラグをセットし、ステップS912に進む。遊技停止開始フラグは、遊技停止の開始タイミングを特定するためのフラグである。
ステップS912では、その他の信号の読み込み処理を実行する。その他の信号の読み込み処理では、他の通常センサ21a〜25bの信号読み込み処理を実行する。通常センサ21a〜25bの係る信号の読み込み処理では、特殊センサ23aの電波検知部500によるエラー信号SG4の出力態様の変化を利用して、上記ステップS904〜ステップS909と同様に、検知信号SG3がLOW信号である場合に対応する発振中フラグ格納エリアに発振中フラグをセットする。検知信号SG3がHI信号である場合には、対応する発振中フラグ格納エリアに発振中フラグがセットされていないことを条件に対応する入賞検知フラグ格納エリアに入賞検知フラグをセットする。また、対応する発振フラグを消去するとともに、賞球コマンドを設定する。ステップS912の処理を実行した後は、本タイマ割込み処理を終了する。
図示による詳細な説明は省略するが、上記のように払出カウントセンサ91bは払出制御装置90に接続されており、当該払出カウントセンサ91bの読み込み処理は、払出制御装置90のMPUにより実行される。そして、実際に払い出した遊技球の個数の情報が主制御装置73へコマンドとして出力される。主制御装置73では当該コマンドにより払出制御装置90によって払い出された遊技球の個数を特定することが可能となる。この場合であっても、払出カウントセンサ91bには電波検知部が設けられているため、上記の信号読み込み処理と同様に、払出カウントセンサ91bにノイズや電波が印加された場合にはそれを特定することが可能であり、この場合、主制御装置73へエラーコマンドを出力し、主制御装置73は当該エラーコマンドに基づいて、上記の異常発生フラグをセットする。これにより、払出カウントセンサ91b側のエラーを主制御装置73が特定することが可能となる。
なお、払出カウントセンサ91bを主制御装置73と接続し、払出カウントセンサ91b側の読み込み処理も上記信号読み込み処理において実行する構成としてもよい。この場合、払出カウントセンサ91bにおける電波検知部の検知範囲を広げて遊技盤20に設けられた各種入球部(例えば、左側のスルーゲート25用の検知センサ25a)も検知範囲に含むように設定すると、払出カウントセンサ91b側の検知範囲に含まれる入球部でのノイズや電波が印加されたのか、上作動口用検知センサ23a側の検知範囲に含まれる入球部でのノイズや電波の印加されたのか、を別々に特定することが可能となる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図33のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS1001〜S1009の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS1001では、遊技停止中か否かを判定する。具体的には、異常発生フラグ格納エリアに異常発生フラグがセットされているか否かを判定する。異常発生フラグがセットされていない場合には、ステップS1002に進む。
ステップS1002では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置90に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置76に対して送信する。
続くステップS1003では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS1004では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置43による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部41の表示制御などを行う。
その後、ステップS1005では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行するとともに、開閉実行モードにおいては、大入賞口22aを開放状態とするよう可変入賞装置22の制御等が実行される。
続くステップS1006では、下作動口24に設けられた電動役物24aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM84の電役保留エリア84cに格納されている情報を用いて電動役物24aを開放状態とするか否かの判定、電動役物24aの開閉処理及び役物用表示部42の表示制御などを行う。
その後、ステップS1007では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置100から発射許可信号を入力していることを条件として、所定の期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構50のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS1008では、RAM84に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板85において停電の発生が確認され当該停電監視基板85からMPU82のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS1009にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS1010では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM84の該当するエリアに格納する。また、ステップS1011では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM84の該当するエリアに格納する。
一方、ステップS1008にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS1012以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS1012では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS1013にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS1014にてRAM84のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技停止中処理について>
通常処理(図33)のステップS1001において、遊技停止中と判定した場合には、ステップS1015に進み、遊技停止中処理を実行し、ステップS1001に戻る。つまり、遊技発生フラグがセットされている場合には、遊技停止中処理のみが繰り返し実行されることとなる。
遊技停止中処理について図34のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1101にて、遊技停止開始フラグがセットされているか否かを判定する。遊技停止開始フラグは、既に説明した通り、異常な発振信号を検知した場合にセットされるフラグである。
遊技停止開始フラグがセットされている場合には、ステップS1102に進み、遊技停止開始フラグを消去する。すなわち、遊技停止開始フラグは、異常発生の検知に基づいてセットされ、当該検知に基づく最初の遊技停止処理にて消去される。
その後、ステップS1103にて割込み処理の発生を禁止する。これにより、割込み処理の実行が規制されるため、正常な遊技の進行が不可となる。具体的には、信号読み込み処理の実行が規制されるため、遊技球の入賞、及びそれに基づく遊技球(特典)の払出が規制される。さらに、大当たりか否かの抽選及びサポート抽選も規制されることとなる。
そして、ステップS1104にて異常発生コマンドを音声ランプ制御装置76に対して出力する処理を実行し、本遊技停止処理を終了する。
異常発生コマンドは、外部出力処理にて音声ランプ制御装置76に対して出力される。音声ランプ制御装置76は、異常発生コマンドを受信したことに基づいて、特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bに異常が発生している旨の報知が行われるように、表示制御装置110及びスピーカ部64等を制御する。これにより、管理者は、特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bの誤動作を把握することができる。
一方、遊技停止開始フラグがセットされていない場合には、ステップS1105に進み、停止解除操作が行われているか否かを判定する。具体的には、復帰スイッチ73aが操作されているか否か(押されているか否か)を判定する。
停止解除操作が行われていない場合には、そのまま本遊技停止中処理を終了する。一方、停止解除操作が行われている場合には、ステップS1106に進み、割込み処理を許可する。そして、ステップS1107にて異常発生フラグを消去して、本遊技停止処理を終了する。
上記処理が実行された場合、割込み処理が実行可能となるとともに、通常処理における遊技の進行に係る一連の処理が実行可能となる。これにより、正常に遊技の進行が行われることとなる。
ここで、遊技機周辺の環境によっては、一時的に発生した電磁波等の影響で特殊センサ23a及び通常センサ21a〜25bの誤動作が生じる場合がある。この場合、復帰スイッチ73aを操作することにより、パチンコ機10の再起動を行うことなく正常な遊技状態に復帰することができる。よって、管理者が上記誤動作が不正行為に基づくものであるか否かを判断することを可能としつつ、正常な遊技の復帰を迅速にすることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上作動口用検知センサ23aを、遊技球の入賞を検知する通過検知部400と電波を検知する電波検知部500とを備える構成とした。これにより、部品点数の削減とともに、遊技機としての限られたスペースにおけるセンサの設置領域の削減を図ることが可能となる。
特に、上作動口用検知センサ23aにおいて通過検知部400と電波検知部500とを一方のグランド線GLNを共用する構成としたことで、センサとMPU82とをつなぐ配線の本数を減らすことが可能となる。これにより、配線に発生するノイズ等による誤検知を低減することが可能となる、また、配線を通じて不正な基板(所謂ぶら下げ基板)を取り付ける行為を抑止することが可能となる。
電波検知部500では印加される電波やノイズの周波数をフィルタリングする回路(検波回路440)を備えておらず、電波用回路基板500aのサイズも小さくすることが可能となっている。これにより、上作動口用検知センサ23aの通過検知部400に電波検知部500を一体で設ける構成を好適に実現することができる。
通過検知部400においては、検波回路440によって第1発振回路404の周波数のみをフィルタリングすることで、この周波数と異なる周波数の電波やノイズが印加されてもそれを排除することが可能となっている。一方で、電波検知部500側においては、このように異なる周波数であっても印加された事実は変わりなく、このような事実を特定するためにも、上記のように検波回路440を設けない構成としている。したがって、この構成は、電波やノイズを好適に検知可能とするとともに、小型化という両方の効果を奏するといえる。
また、通過検知部400側は、遊技球の大きさによってそのサイズが定められるため、小型化には限度がある。そこで電波検知部500側のサイズを小さくすることで、上記のような効果を奏することができる。
上作動口用検知センサ23aの検知結果は入賞用インターフェース回路86を介してMPU82に出力される構成とした。これにより、上作動口用検知センサ23aの通過検知部400及び電波検知部500の構成の簡素化を図ることができる。上記のように本実施形態では、通過検知部400と電波検知部500とを特殊のセンサとしたところ、各検知部400,500の構成の簡素化は一体化を図る上で好ましい。
上作動口用検知センサ23aにおける電波検知部500の検知範囲を、他の通常センサ21a〜25bも含むように設定した。これにより、他の通常センサ21a〜25bにおいては、遊技球の入賞を検知する構成のみを備えるだけでよく、構成の簡素化により、製造コストの低減を図ることが可能となる。
特に、従来の遊技機では電波センサは遊技盤20の左下側に設けられており、本実施形態のように可変入賞装置22を遊技領域PEの右側に設ける構成とする場合には当該電波センサの検知範囲に可変入賞装置22が含まれず、別途電波センサを設ける必要が生じていた。また、仮に別途電波センサを設けずに電波センサの検知範囲を広くする構成とすると、不正目的に印加される電波だけでなく、遊技ホール内で一般的に伝送されている電波(例えば携帯電話からの電波など)も検知してしまい、誤検知の発生が増加する可能性がある。これに対して本実施形態のように、遊技領域PEの略中央付近に配置されている上作動口23に電波センサ(電波検知部500)を設けることで、検知範囲の変更を伴わずにその検知範囲に他の入球部(入賞センサ)が含まれるようにすることが可能となる。
上作動口23に対応するセンサを特殊センサ23aとしたため、電波検知部500の検知範囲の中心が遊技領域PEにおける左右方向の中央付近になる。これにより、他の位置に配置される入球部に対応するセンサが電波検知部500を備える構成と比較して、全入球部を容易にその検知範囲に含めることが可能となる。また、一般的なパチンコ機では、表示制御装置110の上端よりも下方に各入球部が配置されており(本実施形態でも同様の配置)、表示制御装置110の下方に配置されている上作動口23のセンサに電波検知部500を設けたことで、遊技領域PEにおける左右方向の中央付近であって、且つ遊技領域PEの下側に検知範囲の中心が配置され、上記のように配置される各入球部を検知範囲に含め易くなる。
さらに、上作動口23の下方に配置される下作動口24ではなく上作動口23側のセンサに電波検知部500を設けたことで、検知範囲の中心が下方になりすぎることがなく、遊技領域PEの上側部分に設けられた入球部(例えばスルーゲート25)も、その検知範囲に含むことが可能となる。また、下作動口24には電動役物24aが設けられていることから、この電動役物24aの電動役物駆動部24bが駆動することによっても電波が発生する。この電波を電波検知部500が検知してしまうと誤検知となってしまう。そこで、上記のように上作動口23側に電波検知部500を設けることで、このような誤検知の発生を抑制することが可能となる。
通過検知部400が遊技盤20の前方に配置されるように、上作動口用検知センサ23aを上作動口23に設置した。これにより、遊技盤20の背面側に入賞用の検知センサを設置する構成と比較して、上作動口23への入賞をすばやく特定することができる。特に上作動口23への入賞は、当否抽選のトリガとなっているため、上作動口23への入賞タイミングと、その入賞が特定されて当否抽選の結果としての遊技回が開始されるタイミングと、の差が大きくなると、遊技者にとって入賞後に内部でいかなる処理が行われているかが不明瞭になる等の要因となり、遊技ホールや遊技機メーカーへの不信感を与えかねない。そこで、上記のように通過検知部400を遊技盤20の前方に配置されるようにすることで、上作動口23への入賞をすばやく特定することが可能となり、遊技を明瞭なものとして示すことができる。
上記のように通過検知部400を遊技盤20の前方に配置されるようにする場合、この上作動口用検知センサ23aに電波検知部500を搭載しようとすると、遊技盤20と窓部61との位置関係から、通過検知部400よりも後方のほうが電波検知部500を容易に搭載することができる。一般的に、電波用の検知センサは、電波等を用いた不正行為の対象となるセンサ(入賞用の検知センサや払出用のカウントセンサ)の前方に配置され、当該不正行為の対象となるセンサよりも先に電波を検知する構成となっている。これにより当該不正行為が行われたことを迅速に特定することが可能となっている。これに対して本実施形態では、通過検知部400よりも電波検知部500のほうが後方に配置されているものの、これら検知部400,500を一体として上作動口用検知センサ23aが有しているため、電波用の検知センサを前に配置する構成と比較して、検知部400,500の距離が短くなっている構成といえる。したがって、上記のような前後関係としていても、不正行為の特定に多大な遅延は生じない。
遊技盤20の背面よりも前方に電波検知部500を配置した。より詳細には、遊技盤20の板厚の厚さ範囲内に電波検知部500を配置した。遊技盤20の背面には各種制御装置が金属製の金具等によって取り付けられており、また、補強のため金属製のフレーム等も用いられている。仮に電波検知部500を遊技盤20の背面側に配置すると、前方から印加される電波は上記金属製の部品により反射又は減衰されることになり、電波検知部500にて好適に検知することが困難となる。これに対して遊技盤20は合板により形成されていることから、前方から印加される電波を透過する。そこで、上記のように電波検知部500を配置することで、前方から印加される電波を好適に検知することが可能となる。
払出制御装置90の払出装置91における払出カウントセンサ91bも、電波検知部を有する特殊センサとした。上記のように、電波を用いた不正行為は入賞用の検知センサだけでなく、賞球の払い出しに対しても行われることが想定され、このように払出カウントセンサ91bが電波検知部を有することにより、こと不正行為を好適に特定することが可能となる。
上記のように、上作動口用検知センサ23aの電波検知部500は、他の通常センサ21a〜25bをその検知範囲に含むように設定しているところ、上記払出カウントセンサ91bもその検知範囲に含むように設定してもよい。但しこの場合、遊技盤20の背面側の各種制御装置も検知範囲に含むことになる。各種制御装置に電力が印加されることでも電波が発生することに鑑みれば、上作動口用検知センサ23aにおける電波検知部500の検知範囲に払出カウントセンサ91bを含む構成とすると、上記各種制御装置からの電波による誤検知が懸念される。この観点からすると、本実施形態のように、払出カウントセンサ91bには別途電波検知部を設け、当該電波検知部により通過検知部への電波の印加を特定可能とする構成のほうが好ましい。そして、払出カウントセンサ91bの電波検知部を上記上作動口用検知センサ23aのものよりも狭く設定し、各種制御装置からの電波の影響を抑制する構成とするとよい。
通過検知部400と電波検知部500とのコイル420,520を、それぞれの軸線が交わらないように配置した。これにより、発生する誘導磁界の磁束が交差することにより生じる相互干渉を抑制し、各検知部400,500における誤検知の発生を抑制することが可能となる。
電波検知部500には常時電圧が印加される構成として、検知用金属体530により第2発振回路504の発振を通常は停止させる構成とした。これにより、電波やノイズが印加された場合だけでなく、配線(ハーネス430)の抜けや回路内の短絡が生じた場合にもそれを特定することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第2の実施形態における上作動口用検知センサ23aが、上記第1の実施形態において示した周波数変更に関する機能を有している。以下、本実施形態における上作動口用検知センサ23aについて、図35を参照して説明する。なお以下の説明においては、上記第1,第2の実施形態にて説明した内容は基本的に省略するとともに、上記第1,第2の実施形態の符号を流用して説明する。
本実施形態における上作動口用検知センサ23aの通過検知部600は、第1の実施形態における発振回路120及び検知回路160が搭載された通過検知回路601と、当該通過検知回路601からの信号に基づいて入賞用インターフェース回路86へ信号を出力する通過用出力回路602及びエラー用出力回路603と、を備えている。
通過検知回路601の発振回路120及び検知回路160の構成は第1の実施形態において示したとおりであり、発振回路120には、反転増幅器としてのトランジスタ(図示略)と、発振周波数を変更する共振回路(図示略)と、が搭載されている。また、検知回路160には、通過用出力回路602へ検知信号SG3を出力する検知信号出力回路161と、発振回路120から出力される出力側発振信号SG1と検知回路160に入力される入力側発振信号SG2の発振周波数とを比較する比較回路162と、出力側発振信号SG1の発振周波数を設定する発振周波数設定回路163と、比較回路162の比較結果をエラー用出力回路603へエラー信号SG4として出力するエラー信号出力回路164と、が搭載されている。
通過用出力回路602及びエラー用出力回路603の構成は、それぞれ第2の実施形態において示した第1出力回路402の構成と同様である。すなわち、通過用出力回路602は、通過用トランジスタ606と、通過用抵抗607と、電源(+12V)側をカソードとして通過用トランジスタ606と並列に接続された通過用ツェナーダイオード608と、を備えている。通過用トランジスタ606のコレクタ端子は通過用抵抗607を介して第1端子EN1に接続されており、エミッタ端子はグランド端子GNに接続されている。さらに通過用トランジスタ606のベース端子には、上記の検知信号出力回路161が接続されている。そして、検知信号出力回路161からの検知信号SG3がHI信号である場合に通過用トランジスタ606はON状態(閉塞状態)となり、検知信号出力回路161からの検知信号SG3がLOW信号である場合に通過用トランジスタ606はOFF状態(開放状態)となる。
エラー用出力回路603も同様に、エラー用トランジスタ616と、エラー用抵抗617と、電源(+12V)側をカソードとしてエラー用トランジスタ616と並列に接続されたエラー用ツェナーダイオード618と、を備えている。エラー用トランジスタ616のコレクタ端子はエラー用抵抗617を介してエラー用出力回路603用の出力端子としての第3端子EN3に接続されており、エミッタ端子は通過用出力回路602における通過用ツェナーダイオード608とグランド端子GNとの中途位置に接続されている。さらにエラー用トランジスタ616のベース端子には、上記のエラー信号出力回路164が接続されている。そして、エラー信号出力回路164からのエラー信号SG4がHI信号である場合にエラー用トランジスタ616はON状態(閉塞状態)となり、エラー信号出力回路164からのエラー信号SG4がLOW信号である場合にエラー用トランジスタ616はOFF状態(開放状態)となる。
本実施形態における電波検知部500は、上記第2の実施形態で説明した構成と概ね同様の構成である。但し、電波検知部500における第2処理回路505からの出力信号は、第2トランジスタ506とは別途、通過検知部600側の比較回路162にも出力される。そして、比較回路162では、第2処理回路505からの出力信号がHI信号(すなわち、電波やノイズが印加されている場合)であることを条件に出力側発振信号SG1と入力側発振信号SG2との発振周波数の比較を行う。また、本実施形態においては、通過検知部600側の比較回路162が発振周波数設定回路163とも接続されており、発振周波数設定回路163は比較回路162からの出力信号がHI信号(すなわち、出力側発振信号SG1と入力側発振信号SG2の発振周波数とが一致している場合)であることを条件に、発振周波数を変更するための発振回路120の共振回路における各スイッチング素子のオンオフ制御を行う。
上作動口用検知センサ23aにおける第1端子EN1は、上記第2の実施形態と同様に、第1電源線ELN1を介して入賞用インターフェース回路86における通過用入力部に接続され、第2端子EN2は第2電源線ELN2を介して電波用入力部に接続され、グランド端子GNはグランド線GLNを介して接地されている。そして、上記の第3端子EN3は、第3電源線ELN3を介して入賞用インターフェース回路86に設けられた比較エラー用入力部に接続されている。また、これらの接続ラインには、それぞれプルアップ抵抗(609,619,509)が電源Vcc側に分岐させて設けられている。
上記第2の実施形態と同様に、入賞用インターフェース回路86では、通過用入力部への出力電圧を監視することで通過検知部600において遊技球の通過を検知したことを特定でき、この場合MPU82への検知信号SG5をLOW信号からHI信号に切り換える。また、電波用入力部への出力電圧を監視することで電波やノイズが印加されたことを特定でき、この場合MPU82への電波信号SG6をHI信号からLOW信号に切り換える。さらに本実施形態においては、比較エラー用入力部への出力電圧を監視することで、通過検知部600において所定の条件下における出力側発振信号SG1と入力側発振信号SG2との発振周波数の相違を特定することができ、この場合、MPU82へのエラー信号SG7をHI信号からLOW信号へ切り換える。すなわち、本実施形態においては、電波やノイズが印加されたことに基づく信号としてはエラー信号SG7ではなく電波信号SG6が出力され、所定の条件下における発振周波数の相違に基づいてエラー信号SG7が出力される。
なお、以降の説明において、検知信号出力回路161からの検知信号SG3と、入賞用インターフェース回路86からの検知信号SG5と、を区別するべく、検知信号出力回路161から出力される検知信号SG3をセンサ側検知信号SG3と言い、入賞用インターフェース回路86から出力される検知信号SG5をインターフェース側検知信号SG5と言う。また、エラー信号出力回路164からのエラー信号SG4と、入賞用インターフェース回路86からのエラー信号SG7と、を区別するべく、エラー信号出力回路164から出力されるエラー信号SG4をセンサ側エラー信号SG4と言い、入賞用インターフェース回路86から出力されるエラー信号SG7をインターフェース側エラー信号SG7と言う。
上記のように構成された本実施形態の上作動口用検知センサ23aの動作について、図36を参照して説明する。
遊技球が通過していない状況においては、出力側発振信号SG1と入力側発振信号SG2との周波数は同一(図ではf11としている)であり、t1のタイミングで遊技球が通過検知部600に進入すると、出力側発振信号SG1の出力及び入力側発振信号SG2の入力が停止する。その結果、センサ側検知信号SG3がLOW信号に立ち下がり(図示略)、通過用トランジスタ606がOFF状態となり、インターフェース側検知信号SG5がHI信号となる。t2のタイミングにて遊技球の通過が完了すると、再度出力側発振信号SG1の出力及び入力側発振信号SG2の入力が開始される。その結果、センサ側検知信号SG3がHI信号に立ち上がり(図示略)、通過用トランジスタ606がON状態となる。そして、インターフェース側検知信号SG5がHI信号からLOW信号に立ち下がる。
また、センサ側検知信号SG3の立ち上がりに同期して、発振周波数設定回路163による所定期間T1のカウントが開始される。一方、t2のタイミングでは電波検知部500にて電波やノイズが印加されていることを特定しておらず(電波信号SG6はHI信号)、第2処理回路505から比較回路162への信号がLOW信号であるため、比較回路162は出力側発振信号SG1と入力側発振信号SG2との発振周波数の比較を行わない。その結果、上記第1の実施形態で示した比較所要期間T2が経過するt3のタイミングでは、比較回路162は比較結果を発振周波数設定回路163へ導出せず、所定期間T1が経過するt4のタイミングでは、発振周波数設定回路163は各スイッチング素子のオンオフ制御を行わない。
次に、遊技球の通過中に電波やノイズが印加された場合について説明する。
t5のタイミングで遊技球が通過し始めると、インターフェース側検知信号SG5がHI信号に立ち上がる。その後、t6のタイミングで電波やノイズが印加され始めると、発振回路120の発振が停止するためインターフェース側検知信号SG5はLOW信号に立ち下がる。また、電波検知部500においては、第2の実施形態で示したとおり、電波やノイズが印加されることにより第2発振回路504が発振し、電波信号SG6はLOW信号に立ち下がる。
さらにこの場合、第2処理回路505から比較回路162への信号はHI信号に立ち上がる。その結果、比較回路162は発振周波数の比較を開始し、比較所要期間T2が経過するt7のタイミングにて、発振周波数設定回路163へその比較結果を導出する。t6のタイミングから印加されている電波やノイズの周波数が出力側発振信号SG1の発振周波数と同じ場合、上記のt7のタイミングにて比較回路162から出力される信号はHI信号であり、この場合、エラー信号出力回路164からのセンサ側エラー信号SG4がHI信号に立ち上がり(図示略)、エラー用トランジスタ616はON状態となる。その結果、入賞用インターフェース回路86からのインターフェース側エラー信号SG7がLOW信号に立ち下がる。
またこの場合、発振周波数設定回路163においては、比較回路162からの出力信号がHI信号であるため、各スイッチング素子のオンオフ制御を行い、所定期間T1が経過するt8のタイミングに、出力側発振信号SG1の発振周波数が変更される。
電波やノイズの印加が終了するt9のタイミングでは、未だ遊技球の通過が完了していないため、発振回路120は発振せず、インターフェース側検知信号SG5はHI信号となる。また、電波やノイズの印加の終了に伴い、第2発振回路504の発振が停止して電波信号SG6はHI信号となる。
次に、出力側発振信号SG1と異なる周波数の電波やノイズが印加された場合について説明する。
遊技球が通過中のt10のタイミングに、電波やノイズが印加された場合、上記のようにインターフェース側検知信号SG5はLOW信号に立ち下がり、電波信号SG6もLOW信号に立ち下がる。この場合、処理回路505から比較回路162への信号はHI信号に立ち上がり、比較回路162は発振周波数の比較を開始して、比較所要期間T2が経過するt11のタイミングにて、発振周波数設定回路163へその比較結果を導出する。t10のタイミングから印加されている電波やノイズの周波数が出力側発振信号SG1の発振周波数と異なる場合、上記のt11のタイミングにて比較回路162から導出される出力信号はLOW信号であり、エラー信号出力回路164からのセンサ側エラー信号SG4はLOW信号から変化せず(図示略)、エラー用トランジスタ616はON状態とならない。その結果、入賞用インターフェース回路86からのインターフェース側エラー信号SG7もHI信号のままである。
発振周波数設定回路163においても、所定期間T1が経過するt12のタイミングでは、比較回路162からの出力信号がLOW信号であるため各スイッチング素子のオンオフ制御を行わず、所定期間T1が経過するt12のタイミングでは、出力側発振信号SG1の発振周波数が変更されない。
その後、t13のタイミングで電波やノイズの印加が終了すると、上記とt9のタイミングと同様に、センサ側検知信号SG3及びインターフェース側検知信号SG5はHI信号となる。また、電波信号SG6はHI信号となる。
MPU82では、これら入賞用インターフェース回路86からの信号の出力態様に基づいて、第2の実施形態において示した信号読み込み処理(図32)を実行する。すなわち、インターフェース側エラー信号SG7がLOW信号である(出力側発振信号SG1と入力側発振信号SG2との発振周波数が同じ)場合に(ステップS902:NO)、ステップS910にて異常発振フラグをセットして、ステップS911にて遊技停止開始フラグをセットする。これにより、パチンコ機10が遊技を行えない状態となるとともに、遊技ホールの管理者は、上作動口用検知センサ23aに発振回路120の発振周波数と同じ周波数の電波やノイズが印加されたことを特定することが可能となる。
一方、本実施形態では、電波信号SG6はステップS912のその他の信号読み込み処理にて読み込まれる。そして電波信号SG6がLOW信号である場合には、上記第2の実施形態と異なり、遊技停止に関する処理は行わずに、その旨を遊技ホールのホールコンピュータへ外部出力する。すなわち、上記のように、印加された電波やノイズの周波数が発振回路120の発振周波数と同じ場合には遊技を停止させ、電波やノイズが印加された場合であっても周波数が異なる場合には遊技を続行可能とする構成としている。これは、不正目的で印加される電波はその周波数を発振回路120の発振周波数と合わせて印加される可能性が高い一方で、意図せず発生するノイズの周波数は発振回路120の発振周波数とは関係なくその周波数は多岐にわたるため、印加された周波数によらずに遊技停止としてしまうと、意図せず発生するノイズにより遊技の好適な進行が妨げられかねないためである。したがって、本実施形態のようにすることで、遊技の好適な進行を実現しつつ、不正目的で印加される電波に対する対応を行うことが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技球が上作動口用検知センサ23aにより検知されても、電波検知部500において電波やノイズを検知していない場合には、発振周波数の比較や発振周波数の変更を行わないため、遊技球の通過のたびに発振周波数の比較や変更を行う構成と比較して、処理負荷の低減を図ることが可能となる。
さらに、比較回路162が発振周波数の比較を行う場合であっても、出力側発振信号SG1と入力側発振信号SG2(印加されている電波やノイズ)との発振周波数が異なる場合は、発振周波数の変更を行わないため、更なる処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、大入賞口22aに対応する可変入賞検知センサ22eと、払出装置91の払出カウントセンサ91bと、が第2の実施形態において示した通過検知部及び電波検知部を有する特殊センサとなっている。以下、詳細に本実施形態の構成を説明する。
先ず、本実施形態における電気的構成について、図37を参照して説明する。
上記の通り、本実施形態では可変入賞検知センサ22eが、通過検知部400及び電波検知部500を有する特殊センサ22eとして入賞用インターフェース回路86に接続されている。可変入賞検知センサ22eの構成は、第2の実施形態における上作動口用検知センサ23aと同様であるため説明は省略する。また、本実施形態では上作動口用検知センサ23aは電波検知部を有さない通常センサ23aとなっている。なお、入賞用インターフェース回路86には、電波検知部を有さない他の通常センサ21a,21b,21c,23a,24c,25a,25bも接続されている。
本実施形態の払出カウントセンサ91bも、上記の通り第2の実施形態と同様に通過検知部94及び電波検知部95を有する特殊センサ91bとして払出用インターフェース回路93に接続されている。払出カウントセンサ91bの構成は、上記第2の実施形態と同様である。本実施形態における払出用インターフェース回路93は、第2の実施形態と同様に払出制御基板92に設けられたMPU92aに接続されているとともに、第2の実施形態とは異なり主制御装置73側のMPU82にも接続されている。そして本実施形態においては、払出カウントセンサ91bにおける通過検知部94が遊技球の通過を検知した場合には、検知信号が払出用インターフェース回路93を介して払出制御装置90側のMPU92aにのみ出力され、電波検知部95が電波やノイズが印加されたことを検知した場合には、エラー信号が払出用インターフェース回路93を介して払出制御装置90側のMPU92aとともに主制御装置73側のMPU82にも出力される。つまり本実施形態では、主制御装置73側のMPU82は、可変入賞検知センサ22eにおける電波検知部500によって電波やノイズが印加されたことを特定することが可能となっているだけでなく、払出カウントセンサ91b側の電波検知部95によっても電波やノイズが印加されたことを特定することが可能に構成されている。そして、本実施形態における払出カウントセンサ91bにおける電波検知部95の検知可能範囲は、第2の実施形態のものよりも広く設定されおり、より具体的には、遊技盤20の後方に設けられる払出カウントセンサ91bにおける電波検知部95の検知可能範囲に、遊技盤20に設けられている各種入球部に対応する検知センサが含まれるように設定されている。
これら可変入賞検知センサ22eと払出カウントセンサ91bにおける電波検知部500,95の検知可能範囲について、より詳細に、図38を参照して説明する。
本実施形態における可変入賞装置22は、第2の実施形態と同様に遊技領域PEの右下部分に設けられており、可変入賞検知センサ22eも遊技領域PEの右下部分に設けられている。すなわち、第2の実施形態においては電波検知部500の検知可能範囲の中心が遊技領域PEの左右方向の略中央位置に配置されたが、本実施形態においては遊技領域PEの左右方向の右側部分に配置される。そのため、遊技領域PEの左側部分に設けられた入球部に対応するゲート用入賞検知センサ25a、一般入賞用検知センサ21a及び一般入賞用検知センサ21bが、電波検知部500の検知可能範囲に含まれない。
一方、払出カウントセンサ91bを有する払出装置91は、パチンコ機10の正面視にて左上部分に設けられており、払出カウントセンサ91bにおける電波検知部95の検知可能範囲の中心も左上部分に配置される。その結果、払出カウントセンサ91bの電波検知部95の検知可能範囲には、上記の可変入賞検知センサ22eにおける電波検知部500の検知可能範囲に含まれない検知センサ25a,21a,21bが含まれるようになっている。
このように本実施形態では、複数の特殊センサ22e,91bにおける電波検知部500,95を用いて、遊技領域PEの設けられた全ての入球部における検知センサをカバーする構成としている。
また本実施形態では、上作動口用検知センサ23a及び下作動口用検知センサ24cが、可変入賞検知センサ22eと払出カウントセンサ91bとの両電波検知部500,95の検知可能範囲に含まれるように設定されている。すなわち、上作動口用検知センサ23a又は下作動口用検知センサ24cに電波やノイズが印加された場合には、可変入賞検知センサ22e側の電波検知部500でそれを特定することが可能であるとともに、払出カウントセンサ91b側の電波検知部95でもそれを特定することが可能となっている。
次に、本実施形態における主制御装置73のMPU82により実行される信号読み込み処理について、図39を参照して説明する。
本実施形態では、先ずステップS1201にてエラー信号読み込み処理を実行する。ここで、上記のようにMPU82には、可変入賞検知センサ22e側の電波検知部500の検知状態に基づくエラー信号と、払出カウントセンサ91b側の電波検知部95の検知状態に基づくエラー信号が入力される。以下の説明では、これらの各エラー信号を区別すべく、可変入賞検知センサ22e側のエラー信号を右側エラー信号と言い、払出カウントセンサ91b側のエラー信号を左側エラー信号と言う。すなわちステップS1201では、右側エラー信号と左側エラー信号とを読み込む処理を実行する。
続くステップS1202では、右側エラー信号がLOW信号であるか否かを判定する。右側エラー信号がLOW信号である場合とは、可変入賞検知センサ22eの電波検知部500にて、電波やノイズが印加されたことを特定している状態であり、この場合、続くステップS1203にてRAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた右側エラーフラグ格納エリアに右側エラーフラグをセットする。
ステップS1202にて右側エラー信号がHI信号である場合、又はステップS1203の処理を実行した後は、ステップS1204にて、左側エラー信号がLOW信号であるか否かを判定する。左側エラー信号がLOW信号である場合とは、払出カウントセンサ91bの電波検知部95にて、電波やノイズが印加されたことを特定している状態であり、この場合、続くステップS1205にてRAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた左側エラーフラグ格納エリアに左側エラーフラグをセットする。
ステップS1204にて左側エラー信号がHI信号である場合、又はステップS1205の処理を実行した後は、ステップS1206に進む。ステップS1206では、検知信号読み込み処理を実行する。そして、ステップS1206にて読み込んだ検知信号の出力態様に基づいて、続くステップS1207〜ステップS1214にて、各種入球部ごとの処理を実行する。
具体的には、ステップS1207にて上作動口用処理を実行し、ステップS1208にて下作動口用処理を実行し、ステップS1209にて大入賞口用処理を実行する。また、ステップS1210では、遊技盤20に3つ設けられている一般入賞口21のうちの右側の一般入賞口21(以降の説明では、右一般入賞口21ともいう)に対応した右一般入賞口用処理を実行し、ステップS1211では、遊技盤20に2つ設けられているスルーゲート25のうちの右側のスルーゲート25(右スルーゲート25ともいう)に対応した右スルー用処理を実行する。さらにステップS1212では、左側の一般入賞口21(以下の説明では、左一般入賞口21ともいう)に対応した左一般入賞口用処理を実行し、ステップS1213では、左右方向の真ん中の一般入賞口21(以下の説明では、中一般入賞口21ともいう)に対応した中一般入賞口用処理を実行し、ステップS1214では、左側のスルーゲート25(以下の説明では、左スルーゲート25ともいう)に対応した左スルー用処理を実行して、信号読み込み処理を終了する。
すなわち、各入球部用の処理の順番は、入賞が当否抽選のトリガとなる上作動口23や下作動口24の処理を最初に行い、次に遊技領域PEの右側部分に設けられた大入賞口22a、右一般入賞口21及び右スルーゲート25の処理を行い、最後に遊技領域PEの左側部分に設けられた左一般入賞口21、中一般入賞口21及び左スルーゲート25の処理を行う構成としている。これは、第1に、上記のように上作動口23や下作動口24への入賞は当否抽選のトリガとなるため信号を早期に読み込むとともに、不正目的で電波が印加されている状況で上作動口23や下作動口24への入賞が発生した場合にはそれを早期に特定する必要があるためである。また第2に、内枠13、前扉枠14及び裏パックユニット15はいずれも右側を回動先端側として回動する構成であるため、不正目的の電波発振機等は右側から挿入される可能性が高いためである。このように、本実施形態における信号読み込み処理では、不正行為が行われた場合の不利益や被害の大小と、不正行為が行われる可能性の大小と、を加味して各入球部用の処理の順番が定められている。
先ず、当否判定のトリガとなる上作動口23及び下作動口24に対応する処理として、上作動口用処理(ステップS1207)を例として、図40を参照して説明する。
ステップS1301では、上作動口用検知センサ23aにおける遊技球の通過の有無を示す上作動口用検知信号がHI信号であるか否かを判定する。上記第2の実施形態と同様に、入賞用インターフェース回路86からの検知信号は、遊技球の通過を検知している場合(発振回路が停止している場合)にHI信号となり、検知していない場合(発振回路が発振している場合)にLOW信号となる。上作動口用検知信号がHI信号である場合とは、上作動口用検知センサ23aにて遊技球の通過を検知している状態であることを示す。なお、これは他の検知センサについても同様である。
ステップS1301にて上作動口用検知信号がLOW信号である場合、ステップS1302にてRAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた上作動口用発振中フラグ格納エリアに上作動口用発振中フラグをセットして、上作動口用処理を終了する。なお、各種フラグ格納エリア84eには、上作動口用発振中フラグ格納エリア以外にも、全入球部に対応させて、下作動口用発振中フラグ格納エリア、大入賞口用発振中フラグ格納エリア、右一般入賞口用発振中フラグ格納エリア、左一般入賞口用発振中フラグ格納エリア、中一般入賞口用発振中フラグ格納エリア、右スルーゲート用発振中フラグ格納エリア及び左スルーゲート用発振中フラグ格納エリアが設けられている。
ステップS1301にて上作動口用検知信号がHI信号である場合、ステップS1303に進む。ステップS1303では、右側エラーフラグがセットされているか否かを判定し、右側エラーフラグがセットされていなければステップS1304に進む。ステップS1304では、左側エラーフラグがセットされているか否かを判定し、左側エラーフラグがセットされていなければステップS1305に進む。
ステップS1305では、上作動口用発振中フラグがセットされているか否かを判定し、上作動口用発振中フラグがセットされていなければ、そのまま上作動口用処理を終了する。上作動口用発振中フラグがセットされている場合はステップS1306に進む。
ステップS1306では、RAM84の各種フラグ格納エリア84eに設けられた上作動口用入賞検知フラグ格納エリアに上作動口用入賞検知フラグをセットする。なお、各種フラグ格納エリア84eには、上作動口用入賞検知フラグ格納エリア以外にも、入球に基づく賞球の払い出し以外の処理(当否抽選等)が行われる入球部に対応させて、下作動口用入賞検知フラグ格納エリア、大入賞口用入賞検知フラグ格納エリア、右スルーゲート用入賞検知フラグ格納エリア及び左スルーゲート用入賞検知フラグ格納エリアが設けられている。そして、これらの各入賞検知フラグは、例えばスルー用の入賞処理(ステップS804)や作動口用の入賞処理(ステップS805)のように対応する入賞処理にて消去される。
続くステップS1307では、上作動口用発振中フラグを消去する。そして続くステップS1308にて、3個賞球コマンドを払出制御装置90への送信対象として設定する。賞球コマンドは払出制御装置90に遊技球を払い出すべきこと及びその個数を認識させるためのコマンドである。賞球コマンドとしては、上作動口23及び下作動口24への入球に対応する上記の3個賞球コマンドの他に、一般入賞口21への入球に対応する10個賞球コマンドと、大入賞口22aへの入球に対応する15個賞球コマンドと、が設定されており、各入球部用の処理(ステップS1207〜ステップS1214)では、電波やノイズが印加されていない状況下において入球が発生した場合に対応する賞球コマンドを設定する。すなわち、電波やノイズが印加されている状況下において入球が発生しても賞球コマンドは設定されない。そして設定された賞球コマンドは、通常処理(図33)の外部出力処理(ステップS1002)にて払出制御装置90へ出力される。払出制御装置90では、受信した賞球コマンドに基づいて対応する個数の遊技球が払い出されるように払出装置91を駆動制御する。
ステップS1303又はステップS1304にて肯定判定した場合、すなわち可変入賞検知センサ22eにおける電波検知部500及び払出カウントセンサ91bにおける電波検知部95のうちの少なくとも一方で電波やノイズが印加されていることを特定している場合、ステップS1309に進み、異常発生フラグをセットし、続くステップS1310にて遊技停止開始フラグをセットして、上作動口用処理を終了する。この場合、既に説明したとおり、遊技停止開始フラグがセットされることにより割込み処理の発生が禁止され(ステップS1103)、遊技停止状態となり、異常発生コマンドが出力され(ステップS1104)、遊技ホールの管理者はそれを特定することが可能となる。
すなわち、上作動口処理(ステップS1207)及び下作動口用処理(ステップS1208)では、左右のいずれかの電波検知部500,95にて電波やノイズが印加されていることが特定されている状況下において、上作動口23や下作動口24への入賞が発生した場合には、遊技停止状態への設定及びそれに伴う報知のための設定を行う構成としている。これにより、例えば意図せずにノイズが発生した場合であっても、それのみで遊技停止状態に設定されず、円滑な遊技を実現することが可能となる。なお、左右いずれかのエラー信号がLOW信号である場合にはその旨の報知を行い、さらに上作動口23や下作動口24への入賞が発生した場合に遊技停止状態に設定する構成としてもよい。
次に、遊技領域PEの右側部分に設けられた入球部に対応する処理について、大入賞口用処理(ステップS1209)を例として、図41を参照して説明する。
大入賞口処理は、上記上作動口用処理と概ね同様の処理である。具体的には、ステップS1401にて大入賞口用検知信号がHI信号であるかを判定し、HI信号ではなくLOW信号である場合にはステップS1402にて大入賞口用発振中フラグをセットして大入賞口用処理を終了する。ステップS1401にてHI信号である場合には、ステップS1403にて右側エラーフラグがセットされているか否かを判定する。右側エラーフラグがセットされていない場合には、続くステップS1404にて大入賞口用発振中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはそのまま大入賞口用処理を終了する。大入賞口用発振中フラグがセットされている場合には、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、大入賞口用入賞検知フラグをセットして、ステップS1406にて大入賞口用発振中フラグを消去して、ステップS1407にて15個賞球コマンドを設定して、大入賞口用処理を終了する。
また、ステップS1403にて右側エラーフラグがセットされている場合には、ステップS1408にて異常発生フラグをセットして、ステップS1409にて遊技停止開始フラグをセットして、大入賞口用処理を終了する。
すなわち、遊技領域PEの右側部分に設けられた入球部に対応する処理(ステップS1209〜ステップS1211)では、左側エラーフラグがセットされているか否かにかかわらず、右側エラーフラグがセットされている状況下、すなわち可変入賞検知センサ22eの電波検知部500において電波やノイズが印加されていることを特定している状況下にて、これら電波検知部500の検知可能範囲に含まれる入球部への入賞が発生した場合に、遊技停止状態に設定してその旨の報知を行う。
一方、遊技領域PEの左側部分に設けられた入球部に対応する処理では、右側エラーフラグがセットされているか否かにかかわらず、左側エラーフラグがセットされている状況下、すなわち払出カウントセンサ91bの電波検知部95にて電波やノイズが印加されていることを特定している状況下にて、電波検知部95の検知可能範囲に含まれる入球部への入賞が発生した場合に、遊技停止状態に設定してその旨の報知を行う構成としている。
具体的には、左一般入賞口用処理(ステップS1212)を例として図42に示すように、ステップS1501にて左一般入賞口用検知信号がHI信号であるかを判定し、LOW信号である場合にはステップS1502にて左一般入賞口用発振中フラグをセットして左一般入賞口用処理を終了する。ステップS1501にてHI信号である場合には、ステップS1503にて左側エラーフラグがセットされているか否かを判定する。左側エラーフラグがセットされていない場合には、続くステップS1504にて左一般入賞口用発振中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合にはそのまま左一般入賞口用処理を終了する。左一般入賞口用発振中フラグがセットされている場合には、ステップS1505に進む。ステップS1505では、左一般入賞口用発振中フラグを消去して、ステップS1506にて10個賞球カウンタを設定して、左一般入賞口用処理を終了する。
また、ステップS1503にて左側エラーフラグがセットされている場合には、ステップS1507にて異常発生フラグをセットして、ステップS1508にて遊技停止開始フラグをセットして、左一般入賞口用処理を終了する。
なお、左一般入賞口21へ遊技球が入賞した場合には、それに対応する賞球が払い出されるのみ(当否判定等が行われない)であるため、左一般入賞口用処理では入賞検知フラグをセットする処理を行わない。これは、右一般入賞口用処理(ステップS1210)及び中一般入賞口用処理(ステップS1213)も同様である。
このように、それぞれの電波検知部500,95にて電波やノイズが印加されている状況下にてその検知可能範囲に含まれる入球部への入賞の発生のみを遊技停止や報知の条件とすることで、不正に入賞回数を増やす目的で電波が印加された場合(図29参照)にはそれを特定することを可能としつつ、印加された電波やノイズとは関係のない入球部への入賞が許容されるため、意図せず発生したノイズによって遊技停止状態となることを抑制して、円滑な遊技を実現することが可能となる。
<払出制御装置90のMPU92aによる処理>
次に、払出制御装置90側の遊技球の払い出しに関する処理として、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理について、図43を参照して説明する。なお、払出制御装置90のMPU92aでは、タイマ割込み処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、コマンドを受信するたびに起動されるコマンド対応処理と、が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
先ず、ステップS1601では、本タイマ割込み処理にて設定された各種コマンドや信号等を駆動部91a等に出力する外部出力処理を実行する。
続くステップS1602では、主制御装置73からの賞球コマンドを読み込む処理を実行する。払出制御装置90では、コマンドを受信するたびに起動されるコマンド対応処理にて、受信した賞球コマンドをMPU92aのRAM(図示略)に設けられた賞球コマンド格納エリアに記憶する。賞球コマンド格納エリアは、複数のコマンドを受信した順番に記憶可能に構成されており、ステップS1602では、この賞球コマンド格納エリアに賞球コマンドが記憶されているかを確認し、記憶されている場合には最初に受信した賞球コマンドを読み込む処理を実行する。
ステップS1603では、ステップS1602の処理結果に基づいて、払出装置91にて払い出すべき賞球数を決定する賞球設定処理を実行する。既に説明したとおり、主制御装置73では賞球コマンドとして、3個賞球コマンドと、10個賞球コマンドと、15個賞球コマンドと、を出力する。賞球設定処理では、ステップS1602にて読み込んだ賞球コマンドの種類を確認し、対応する賞球数をRAMに設けられた払出カウンタに加算するとともに処理後の賞球コマンドを消去する処理を実行する。
続くステップS1604では、払出の状態を把握する状態検知処理を実行する。具体的には、払出用インターフェース回路93からのエラー信号を読み込み、払出カウントセンサ91bにおける電波検知部95にて電波やノイズが印加されたことを検知しているか否かを特定する。また、状態検知処理では、内枠13の開閉状態を検知する内枠開放スイッチ(図示略)、払出装置91にて払い出し可能な遊技球の有無を検知する球無検知センサ(図示略)、下皿66aが満タン状態であるか否かを検知する満タン検知センサ(図示略)の検知信号を読み込む。
続くステップS1605では、ステップS1604の処理結果に基づいて、払出可能状態であるか否かを判定する。具体的には、払出用インターフェース回路93からのエラー信号がHI信号である場合には払出可能状態と判定し、LOW信号である場合には払出不可状態と判定する。また、内枠13が開放状態である場合、払い出し可能な遊技球が無い場合、又は下皿66aが満タン状態である場合にも払出不可状態と判定する。
ステップS1605にて払出可能状態と判定した場合、続くステップS1606にて賞球の払い出しの制御を行う賞球払出制御処理を実行する。具体的には、ステップS1603にて設定された払出カウンタに基づいて賞球の払い出しが行われるように、払出装置91の駆動部91aを制御する。
続くステップS1607では、貸球払出制御処理を実行する。具体的には、パチンコ機10に接続された貸球装置(図示略)から、貸球の払出要求を示す信号が出力されているか否かを判断し、貸球の払出要求があると判定した場合には、賞球払出が行われていないことを条件として、貸球の払い出しを行うよう払出装置91の駆動部91aを制御する。
ステップS1605にて払出不可状態と判定した場合、又はステップS1607の処理を実行した後は、ステップS1608にてその他の処理を実行して、タイマ割込み処理を終了する。その他の処理としては、主制御装置73からの初期化コマンドに基づくMPU92aにおけるRAMの初期化に関する処理や、球詰まり等を解消するために駆動部91aを空回し制御する球抜き処理などが含まれている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
それぞれの電波検知部500,95にて電波やノイズが印加されている状況下にてその検知可能範囲に含まれる入球部への入賞の発生のみを遊技停止や報知の条件とすることで、不正に入賞回数を増やす目的で電波が印加された場合にはそれを特定することを可能としつつ、印加された電波やノイズとは関係のない入球部への入賞が許容されるため、意図せず発生したノイズによって遊技停止状態となることを抑制して、円滑な遊技を実現することが可能となる。
さらに、両電波検知部500,95の検知可能範囲に含まれる入球部(上作動口23及び下作動口24)においては、いずれかの電波検知部500,95にて電波やノイズの発生を特定している状況で、その入球部への入賞が発生した場合には遊技停止状態とする構成とした。これにより、いずれかの電波検知部500,95が何らかの原因により電波やノイズの発生を特定できない状態となったとしても、他方の電波検知部500,95の検知結果を用いて確実に遊技停止状態とすることができる。これにより、不正対策を強化できる。特に、両電波検知部500,95の検知可能範囲に含まれる入球部として、その入球部への入賞が当否判定のトリガとなる上作動口23や下作動口24としたことにより、遊技球の入賞が発生していないのに不正目的で当否判定を行わせる行為を抑制することが可能となる。
電波やノイズが印加されている状況下で入賞が発生した場合には、当否判定等の入賞に基づく処理だけでなく、払出制御装置90への賞球コマンドの出力も行わない構成とした。仮に、賞球コマンドが出力される構成とすると、上記のように遊技停止状態とすることでその状態下においては賞球の払い出しは行われないものの、復帰後に賞球の払い出しが行われてしまう可能性がある。またその事態を避けるために、払出制御装置90側で、電波やノイズが印加されている状況下で発生した入賞に基づく賞球コマンドか否かを識別する構成とすると、コマンド数の増加や、払出制御装置90側の処理負荷の増加が懸念される。そこで、賞球コマンドを出力しない構成とすることで、簡素な処理構成で意図しない賞球の払い出しの実行を抑制することが可能となる。
一方、入球部への入賞が連続的に発生する例えば開閉実行モード時には、賞球コマンドの出力頻度に対して、払出制御装置90側の賞球の払い出しが追いつかないケースも想定され、入賞の発生時と払い出し時の時差が生じ得る。このような場合、入賞の発生時には電波やノイズが印加されていなくても、払い出し時に電波やノイズが印加されると、払出カウントセンサ91bにおいて正確な払出数を把握することができず、設定数よりも多くの遊技球を払い出してしまう。そこで、賞球の払い出しに関する制御(ステップS1606)は、払出カウントセンサ91bの電波検知部95にて電波やノイズの発生を特定していないことを条件に行う構成とした。これにより、入賞の発生時と払い出し時の時差による不都合を回避することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記第1,第3の実施形態では、出力側発振信号SG1を用いて遊技球の入賞検知を行う構成としたが、これに限られず、例えばHI/LOWのデジタル信号を用いて遊技球の入賞検知を行う構成としてもよい。この場合、上記デジタル信号の電圧レベル(電圧値)を比較して、当該電圧レベルが異なる場合に、異常な電圧であると判断する構成としてもよい。
(2)上記第1,第3の実施形態では、検知対象は遊技球の入賞であったが、これに限られず、例えば第2,第4の実施形態のように検知対象を遊技球の払出にしてもよい。具体的には、払出カウントセンサ91bの検知に対して本発明を適用してもよい。払出カウントセンサ91bにおいて、誤動作又は不正行為により、遊技球がコイル32を通過しているにも関わらず、入力側発振信号SG2の入力が維持される場合がある。この場合、実際に払い出された遊技球数と、内部的に把握されている払い出された遊技球数とが異なる場合が生じる。これにより、管理者側に不測の不利益を付与してしまうこととなる。
これに対して、払出カウントセンサ91bに本発明を適用することにより、上記誤動作又は不正行為を容易に発見することができる。
また、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示部から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにおいては、メダルの払い出しを行う駆動部と、当該駆動部によって払い出されるメダルをカウントする払出カウントセンサとを有する払出装置が設けられている。当該払出装置の払出カウントセンサに対して本発明を適用してもよい。
さらに、検知対象としては遊技球に限られず、例えば特定周波数の電磁波等でもよい。要は、発振回路120の発振状態を変化させることができる物理現象であればよい。
(3)上記第1,第3の実施形態では、出力側発振周波数f1を変更する構成としたが、これに限られず、例えば変更しない構成としてもよい。但し、不正行為抑制の観点に着目すれば、変更する構成の方が好ましい。
(4)上記第1,第3の実施形態では、可変入賞検知センサ22e(上作動口用検知センサ23a)により遊技球が検知された場合に、出力側発振周波数f1を変更する構成としたが、これに限られず、別の契機に基づいて出力側発振周波数f1を変更する構成としてもよい。別の契機としては、例えば予め定められた期間が経過する毎に実行する構成等が考えられる。
(5)上記第1,第3の実施形態では、比較回路162による比較が完了した後に、出力側発振周波数f1の変更を行う構成としたが、これに限られず、比較回路162による比較が行われていない期間に、出力側発振周波数f1の変更を行う構成であればよい。例えば、出力側発振信号SG1の停止中に出力側発振周波数f1の変更を行う構成としてもよい。但し、出力側発振信号SG1の誤動作等に鑑みれば、出力側発振信号SG1の出力中であって比較回路162による比較が完了した後に、上記変更を行う構成とするとよい。
(6)上記第1,第3の実施形態では、静電容量を変更するものとして第2発振用コンデンサ142を設けたが、これに限られず、例えば可変容量ダイオード等を用いる構成としてもよい。また、発振条件を満たす範囲内で第1発振用コンデンサ141の静電容量を可変にしてもよい。要は、合成コンデンサ140の静電容量を変化させることにより、出力側発振周波数f1を変更することが可能であればよい。
(7)上記第1,第3の実施形態では、検知回路160に、出力側発振周波数f1を変更する発振周波数設定回路163を設け、当該発振周波数設定回路163が独自に出力側発振周波数f1を変更する構成としたが、これに限られず、例えばMPU82が出力側発振周波数f1を変更するようにしてもよい。
この場合、出力側発振信号SG1がMPU82に対して伝送されるよう構成し、MPU82が出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2との比較を行う構成としてもよい。
(8)上記第1,第3の実施形態では、予め定められた順序で出力側発振周波数f1を変更する構成としたが、これに限られず、例えばランダムに出力側発振周波数f1を変更する構成としてもよい。具体的には、発振周波数設定回路163にハード乱数回路を設け、当該ハード乱数回路のハード乱数に基づいて今回設定する出力側発振周波数f1を設定する構成としてもよい。これにより、出力側発振周波数f1の特定をより困難なものにすることができ、不正な誤検知を行わせる不正行為を好適に抑制することができる。
(9)上記各実施形態では、検知信号SG3,SG5がLOW信号からHI信号に切り換わったことをMPU82が検知した場合に、遊技球の入賞と判断したが、これに限られない。例えば所定のタイマ割込み処理で検知信号SG3,SG5がLOW信号であり、且つ所定のタイマ割込み処理に対して次のタイマ割込み処理、及び当該次のタイマ割込み処理に対して次のタイマ割込み処理双方において、検知信号SG3,SG5がHI信号である場合に遊技球の入賞と判断する構成としてもよい。
また、HI信号からLOW信号に切り換わったことに基づいて、遊技球の入賞と判断してもよい。
(10)上記第1,第3の実施形態では、定常的に出力側発振信号SG1を出力し、遊技球がコイル32を通過した場合に出力側発振信号SG1が停止する構成としたが、これに限られない。例えば、定常的には出力側発振信号SG1は停止しており、遊技球がコイル32を通過した場合に出力側発振信号SG1が出力されるよう構成してもよい。要は、遊技球がコイル32を通過することにより、発振回路120の出力状態が切り換わる構成であればよい。
(11)上記第1,第3の実施形態では、採り得る出力側発振周波数f1は3種類であったが、これに限られず、それよりも多種類に設定してもよく、2種類であってもよい。要は、複数種類の出力側発振周波数f1を採り得るよう構成されていればよい。
(12)上記各実施形態では、異常を検知した場合には遊技が停止する構成であったが、これに限られず、遊技に関する処理のうち少なくとも一部の処理の実行が制限される構成であればよい。例えば、タイマ割込み処理の割込みを制限する構成や、遊技回制御処理の実行を制限する構成としてもよい。
(13)上記各実施形態では、停止解除操作として、復帰スイッチ73aの操作を設定したが、これに限られず、他の操作でもよい。例えば、復帰用のスイッチを別途設ける構成としてもよい。また、再起動を要する構成としてもよい。但し、正常な遊技への迅速な復帰という点に着目すれば、再起動を要しない構成の方が好ましい。
(14)上作動口23への入賞に係る保留情報と、下作動口24への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口24への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口23への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。この場合、第2〜第4の実施形態のように、各作動口23,24それぞれに対応させて遊技球検知センサを設ける。そして、各遊技球検知センサの検知結果を伝送する配線を2系統用意する構成とする。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口23に対応した第1作動口と、下作動口24に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル49の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、状況に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
(15)出力側発振周波数f1の発振信号のみを通過させるフィルタ回路を有する検知回路200を設けてもよい。
当該検知回路200について図44(a)を用いて説明する。検知回路200は、図44(a)に示すように、検知信号出力回路161及び発振周波数設定回路163を備えている。これらは既に説明した通りであるため、説明を省略する。
IN1端子と検知信号出力回路161との間には、出力側発振周波数f1を含む特定通過帯域の発振信号のみを通過させるバンドパスフィルタ回路201が設けられている。バンドパスフィルタ回路201は、IN1端子から入力された入力側発振信号SG2の共振周波数である入力側発振周波数f2が特定通過帯域内である場合には、当該入力側発振信号SG2をそのまま検知信号出力回路161に対して伝送する。一方、バンドパスフィルタ回路201は、入力側発振周波数f2が特定通過帯域以外である場合には、当該入力側発振信号SG2を検知信号出力回路161に対して伝送しない。換言すれば、バンドパスフィルタ回路201は、特定通過帯域内の出力側発振周波数f1と入力側発振周波数f2とを比較し、両者が同一である場合に入力側発振信号SG2を検知信号出力回路161に対して出力するものであるとも言える。
かかる構成において、バンドパスフィルタ回路201は、発振周波数設定回路163に接続されている。発振周波数設定回路163は、出力側発振周波数f1を変更した場合には、バンドパスフィルタ回路201に対して、変更先の出力側発振周波数f1を特定するための情報を出力する。バンドパスフィルタ回路201は、当該情報に基づいて、特定通過帯域に変更先の出力側発振周波数f1が含まれるように当該特定通過帯域を変更する。
かかる構成によれば、検知信号出力回路161には、出力側発振周波数f1以外の発振周波数の発振信号が入力されにくい。これにより、出力側発振周波数f1以外の発振周波数の発振信号が入力されることに起因して、検知信号SG3がHI信号となる事態が発生しにくい。よって、異常な発振信号に基づく可変入賞検知センサ22eの誤検知を抑制することができる。
さらに、出力側発振周波数f1が変更された場合には、特定通過帯域が出力側発振周波数f1に含まれるようバンドパスフィルタ回路201の特定通過帯域が変更される。これにより、出力側発振周波数f1の変更に好適に対応することができる。
なお、バンドパスフィルタ回路201の特定通過帯域を変更する構成としては、例えばバンドパスフィルタ回路201において、特定通過帯域を決定付けるコンデンサの静電容量又は抵抗の抵抗値を可変制御する構成としてもよいし、特定通過帯域が異なる複数種類のバンドパスフィルタ回路を設け、当該各バンドパスフィルタ回路を選択する構成としてもよい。
また、バンドパスフィルタ回路201を、検知信号出力回路161内に搭載してもよい。
(16)バンドパスフィルタ回路201を有する構成において、さらにエラー信号SG4を出力可能な構成としてもよい。当該構成について図44(b)を用いて詳細に説明する。
検知回路300は、図44(b)に示すように、任意の発振周波数の発振信号が入力された場合に予め定められた特定信号を出力する発振信号検知回路301を備えている。そして、検知回路300は、当該発振信号検知回路301からの上記特定信号及びバンドパスフィルタ回路201の出力状態に基づいてエラー信号SG4を出力するエラー信号出力回路302を備えている。エラー信号出力回路302は、発振信号検知回路301から発振信号が入力された旨の信号が入力され、且つバンドパスフィルタ回路201から発振信号が入力されない場合に、エラー信号SG4を異常であることを示す信号(例えばLOW信号)にする。これにより、MPU82にて、異常な発振信号の入力に基づく検知信号SG3は入力されないようにしつつ、当該異常な発振信号が入力されたことを把握することが可能となる。
(17)上記第1,第3の実施形態では、IN1端子に入力される発振信号である入力側発振信号SG2と出力側発振信号SG1とを比較する構成としたが、これに限られず、例えば配線LN1上の所定箇所の発振信号と出力側発振信号SG1とを比較する構成としてもよい。要は、予め定められている出力側発振周波数f1と、配線LN1を介して伝送される発振信号の発振周波数とを比較することが可能であればよい。
(18)上記第1,第3の実施形態では、可変入賞検知センサ22e(上作動口用検知センサ23a)に検知回路160が設けられていたが、これに限られず、検知回路160をMPU82に設ける構成としてもよい。但し、発振信号の伝送距離が長くなることに起因する信号の劣化に考慮すれば、可変入賞検知センサ22e(上作動口用検知センサ23a)に検知回路160を設ける構成の方が好ましい。
(19)上記第1,第3の実施形態では、入力側発振信号SG2を想定したが、これに限られず、パルス信号等、所定の周波数を有する信号が入力される場合であってもよい。要は、IN1端子に入力される信号の周波数と、出力側発振周波数f1との比較を行うことができればよい。
(20)上記第1,第3の実施形態では、トランジスタ121と共振回路122とを有する発振回路120を用いたが、これに限られず、他の構成からなる発振回路を用いてもよい。要は、所定の発振周波数の発振信号を出力するものであって、遊技球の通過に基づいてその発振信号の出力状態が切り換わるものであればよく、さらにその発振回路の発振周波数を変更可能に構成されていればよい。
(21)上記第2の実施形態では、遊技領域PEの略中央付近に配置される上作動口23のセンサに電波検知部500を設けたが、例えば、同様に遊技領域PEの略中央付近に配置される下作動口24のセンサに電波検知部500を設けてもよい。要は、遊技領域PEの略中央付近に配置される入球部に対応する入賞用の検知センサに電波検知部500を設けることで、上記のようにその検知範囲に他の入球部(入賞用の検知センサ)を含ませることが可能となる。
(22)上記第2の実施形態では、上作動口23用の検知センサ23aのみを特殊センサとしたが、第4の実施形態のように他の検知センサ21a〜25bも同様の特殊センサとしてもよい。この場合、各センサにおける電波検知部500の検知範囲を小さくすることも可能である。さらにこの場合、各センサ間の相互干渉を抑制することが可能となるため、各センサにおける誤検知の発生を低減することができる。
また、各センサ間の相互干渉を抑制するという観点からすると、上記のように電波検知部500を有する特殊センサにおいて、通過検知部400,600の第1コイル420の周囲をシールド部材で覆う構成としてもよい。この場合、通過検知部400,600において発生する誘導磁界の磁束が、第1コイル420の周方向へ広がることを抑制することができる。これにより、通過検知部400,600と電波検知部500との相互干渉を更に抑制することが可能となる。上記のように電波検知部500は通過検知部400,600の後方に配置される構成であるが、印加される電波は上記シールド部材の周囲を回りこむため、印加された電波は電波検知部500へ到達し得る。
(23)入賞用インターフェース回路86に、通過検知部400,600及び電波検知部500の状態変化(電圧値変化)の情報が出力される構成としたが、いずれか一方又は両方の情報が直接MPU82に出力される構成としてもよく、別途設けたインターフェース回路に出力される構成としてもよい。
また、払出カウントセンサ91bを、払出用インターフェース回路93と接続し、両検知部の状態変化(電圧値変化)の情報が出力される構成としたが、いずれか一方又は両方の情報が直接主制御装置73のMPU82又は払出制御装置90のMPUに出力される構成としてもよく、別途設けたインターフェース回路(例えば入賞用インターフェース回路86)に出力される構成としてもよい。
(24)各インターフェース回路86,93を、各検知センサ21a〜25b,91bと接続する構成としたが、センサ以外の例えば駆動部等とも接続し、当該駆動部等に駆動電源を供給する構成としてもよい。また当該駆動部等に駆動信号を送信する構成としてもよい。駆動部の一例としては、払出装置91の駆動部91aや、可変入賞装置22の可変入賞駆動部22c、メイン表示部41などが考えられる。
(25)上作動口用検知センサ23a(可変入賞検知センサ22e)において通過検知部400,600及び電波検知部500を、通過検知部400,600が前方に配置され電波検知部500を通過検知部400,600よりも後方に配置されるようにしたが、各検知部400,500,600の配置はこれに限定されない。例えば、電波検知部500を通過検知部400,600の側方に配置されるようにしてもよく、通過検知部400,600の前方に配置されるようにしてもよい。この場合であっても、両コイル420,520の軸線が交差しなければ、各検知部400,500,600の相互干渉を抑制することが可能である。但し、上作動口用検知センサ23a(可変入賞検知センサ22e)と窓部61との空間の関係上、少なくとも通過検知部400,600の前方に電波検知部500が配置されない構成が好ましい。
また、電波検知部500を通過検知部400,600よりも前方に設ける場合、電波検知部500を配置する領域を確保するという観点から、例えば、上作動口23(大入賞口22a)を下方に向かうほど後方に傾斜させ、通過検知部400,600を上記実施形態の位置よりも後方にずらすことで、電波検知部500を配置する領域を確保する構成としてもよい。但しこの場合、通過検知部400,600が後方にずれる分、通過検知部400,600による検知タイミングが上作動口23(大入賞口22a)への入賞タイミング(上開口部23bの通過タイミング)から遅くなる。
更に、両コイル420,520の軸線を交差させない構成として、例えば両コイル420,520の軸線を略平行でなく且つ交わらない関係(所謂ねじれの位置)に配置する構成としてもよい。この場合、両コイル420,520(特に第2コイル520)の軸線と回路基板400a,500aとが交わらない構成とすることで、回路基板400a,500aから発生する電波による誤検知を抑制することができる。
(26)通過検知部400及び電波検知部500における発振回路404,504周波数は、1種類に限定されず、例えば第3の実施形態における通過検知部600のように、上作動口用検知センサ23aが、コイル420,520に複数のコンデンサを同時又は別々に接続する機能を備え、発振回路404,504の周波数を複数種類に変更可能な構成としてもよい。この場合、所定の契機により周波数を変更する構成とするとよい。所定の契機は、例えば遊技球が上作動口23を通過したことや、所定時間の経過が考えられる。特に通過検知部400の周波数を変更する構成とすることで、通過検知部400へ電波を印加して不正な利益を得る行為がなされた場合であっても、印加された周波数と第1発振回路404の周波数とが異なる可能性を高めることができる。この場合、設定した周波数と第1発振回路404の発振周波数とを比較する比較回路を設け、当該比較回路による比較の結果が異なる周波数であった場合に入賞用インターフェース回路86又はMPU82へその旨の信号が出力される構成とするとよい。
(27)上記各実施形態では、検知信号SG3,SG5がLOW信号からHI信号に切り換わったことをMPU82が検知した場合に、遊技球の入賞と判断したが、これに限られない。また、エラー信号SG4,SG7がHI信号からLOW信号に切り換わったことをMPU82が検知した場合に異常の発生と判断したが、これに限られない。例えば所定のタイマ割込み処理で検知信号SG3,SG5(エラー信号SG4,SG7)がHI信号(LOW信号)であり、且つ所定のタイマ割込み処理に対して次のタイマ割込み処理、及び当該次のタイマ割込み処理に対して次のタイマ割込み処理双方において、検知信号SG3,SG5(エラー信号SG4,SG7)がHI信号(LOW)である場合に遊技球の入賞(異常の発生)と判断する構成としてもよい。
(28)上記各実施形態では、通過検知部400,600では定常的に第1発振回路404が発振し、遊技球が第1コイル420を通過した場合に発振が停止する構成としたが、これに限られない。例えば、定常的に発振が停止しており、遊技球が第1コイル420を通過した場合に第1発振回路404が発振する構成としてもよい。要は、遊技球が第1コイル420を通過することにより、第1発振回路404の発振状態が切り換わる構成であればよい。
また、電波検知部500においても、上記実施形態では定常的に第2発振回路504の発振が停止しており、電波(ノイズ)が第2コイル520に印加された場合に発振する構成としたが、これに限られない。例えば、定常的に発振しており、電波(ノイズ)が第2コイル520に印加された場合に第2発振回路504の発振が停止する構成としてもよい。要は、電波(ノイズ)が第2コイル520に印加されることにより、第2発振回路504の発振状態が切り換わる構成であればよい。
(29)上記各実施形態では、異常を検知した場合には遊技が停止する構成であったが、これに限られず、遊技に関する処理のうち少なくとも一部の処理の実行が制限される構成であればよい。例えば、タイマ割込み処理の割込みを制限する構成や、遊技回制御処理の実行を制限する構成としてもよい。
(30)上記各実施形態では、停止解除操作として、復帰スイッチ73aの操作を設定したが、これに限られず、他の操作でもよい。例えば、復帰用のスイッチを別途設ける構成としてもよい。また、再起動を要する構成としてもよい。但し、正常な遊技への迅速な復帰という点に着目すれば、再起動を要しない構成の方が好ましい。
(31)複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口23に対応した第1作動口と、下作動口24に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル49の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、電波検知部500の検知範囲に各入球部の通過検知部400,600を含める構成とするためには、遊技領域PEの略中央付近に配置された入球部の検知センサが電波検知部500を備える構成とするとよい。
(32)各発振回路404,504の構成は上記のものに限定されず、他の構成からなる発振回路を用いてもよい。要は、所定の発振周波数の発振信号を出力するものであって、遊技球の通過や電波(ノイズ)が印加されることに基づいてその発振信号の出力状態が切り換わるものであればよい。
(33)上記第2〜第4の実施形態では、異常の発生を検知するセンサとして電波センサ(電波検知部500)を通過検知部400と特殊のセンサとしたが、異常の発生は電波が印加されたことに限られず、他の異常を検知するセンサであってもよい。例えば、磁気が印加されたことを検知する磁気センサや、振動を検知する振動センサを通過検知部400と特殊のセンサとしてもよい。また、センサの組み合わせはこれらに限定されず、3つ以上のセンサを組み合わせる構成としてもよい。
(34)上記第2〜第4の実施形態では、通過検知部400において遊技球を検知した場合に第1電圧値となり、検知していない場合には第2電圧値となり、さらに電波検知部500において電波(ノイズ)を検知した場合には第2電圧値となる構成としたが、例えば、電波検知部500において電波(ノイズ)を検知した場合には通過検知部400の電圧値が第1電圧値と第2電圧値とは異なる電圧値(例えば、第1電圧値と第2電圧値との間の+9V)となるようにしてもよい。この構成としては、例えば、電波検知部500にて電波(ノイズ)を検知している場合には、第1処理回路405から第1トランジスタ406への出力が強制的にLOW信号となるように構成する。具体的には、第1トランジスタ406と通過検知回路401との間にAND回路を設け、電波検知回路501から第2トランジスタ506への出力とは別途、当該AND回路へ出力する構成とする。そして、第1抵抗407と第2抵抗507との抵抗値を調節する。さらに、電波検知部500から電波用入力部への接続線を省略し、入賞用インターフェース回路86は通過用入力部への出力電圧のみを監視する構成とする。この場合、通過検知部400にて遊技球の通過を検知していない場合には通過用入力部への出力電圧値は第2電圧値となり、遊技球の通過中は第1電圧値となる。そして、電波検知部500が電波を検知している場合には通過検知部400にて遊技球の通過を検知しているか否かにかかわらず、通過用入力部への出力電圧値は第1電圧値と第2電圧値との間の電圧値となる。これにより、上作動口用検知センサ23aと入賞用インターフェース回路86との配線を2本にすることが可能となる。また、この構成に限定されず、各トランジスタ406,506の極性を上記実施形態のものと逆にすることでも、上作動口用検知センサ23aと入賞用インターフェース回路86との配線を2本にすることが可能である。
上記のAND回路を有する変形例について、具体的な構成を図面に基づいて説明する。図45に示すように、本変形例における通過検知部400には、第1トランジスタ406と通過検知回路401(より詳細には、第1処理回路405)との間に、反転回路450と演算回路460とが搭載されている。反転回路450は第1処理回路405からの出力信号を反転(HI信号をLOW信号へ、LOW信号をHI信号へ)するものである。そして第1処理回路405からの出力信号は反転回路450により反転されて演算回路460に入力される。演算回路460には、電波検知部500における電波検知回路501(より詳細には、第2処理回路505)が接続されている。つまり、第1処理回路405からの反転信号と、第2処理回路505からの信号と、を演算回路460により演算した結果が、第1トランジスタ406に出力される。演算回路460について詳細には、第1処理回路405からの反転信号と第2処理回路505からの信号とをNAND処理するNAND回路461と、当該NAND回路461による演算結果と第1処理回路405からの反転信号とをAND処理するAND回路462と、からなる。すなわち、演算回路460からの出力は、第1処理回路405からの反転信号がHI信号(遊技球が通過中)であって、かつ第2処理回路505からの出力がLOW信号(電波やノイズが非発生時)にのみ、HI信号となり、この場合、第1トランジスタ406がON状態となる。換言すれば、通過検知部400の通過検知回路401にて遊技球の通過を特定している場合であっても、電波検知部500の電波検知回路501にて電波やノイズが印加されていることを特定している場合には、演算回路460からの出力はLOW信号となり、第1トランジスタ406はON状態とならない。
そして、本変形例における第2抵抗507の抵抗値を、第1抵抗407及び第1プルアップ抵抗409の抵抗値と異ならせ、より具体的には第1抵抗407及び第1プルアップ抵抗409の抵抗値よりも大きくなるように、例えば、第1抵抗407及び第1プルアップ抵抗409が680Ωの抵抗値であれば、第2抵抗507の抵抗値を2kΩとする。さらに、電波検知部500への電源供給経路を通過検知部400への電源供給経路と共通化する。具体的には、第1端子EN1と第1抵抗407との中途位置と、第2抵抗507とを接続し、第2端子EN2及び第2電源線ELN2を設けない。
上記構成によれば、入賞用インターフェース回路86は通過用入力部への出力電圧を監視することで、通過検知部400及び電波検知部500の検知状態を把握することができる。具体的には、通過検知部400が遊技球の通過を特定しておらず、且つ電波検知部500でも電波やノイズの発生を特定していない場合には、第1トランジスタ406及び第2トランジスタ506はOFF状態となる。この場合、通過用入力部への出力電圧は第1ツェナーダイオード408により第1電圧値(+11.5V)となる。一方、通過検知部400が遊技球の通過を特定している場合であって、且つ電波検知部500では電波やノイズの発生を特定していない場合には、第1トランジスタ406はON状態となり第2トランジスタ506はOFF状態となる。この場合、通過用入力部への出力電圧は第1抵抗407及び第1プルアップ抵抗409により第2電圧値(+6V)となる。さらに、電波検知部500が電波やノイズの発生を特定している場合には、上記のように通過検知部400の検知状態に関わらず演算回路460により第1トランジスタ406はOFF状態となる。その結果、通過用入力部への出力電圧は、第2抵抗507と第1プルアップ抵抗409とにより第1電圧値と第2電圧値との間の電圧値である第3電圧値(+9V)となる。したがって、入賞用インターフェース回路86は電波用入力部への出力電圧を監視しなくても電波検知部500の検知状態を把握することが可能となるため、特殊センサ23aと入賞用インターフェース回路86との接続線を第1電源線ELN1とグランド線GLNとの2本にすることができる。これにより、接続線をさらに減らすことができ、ノイズの発生や不正行為を抑制する効果を高めることが可能となる。
なお、本変形例において反転回路450を設けて第1処理回路405からの出力を反転する構成としたが、これに限定されず、反転回路450を設けない構成として、第2の実施形態のように通過検知部400が遊技球の通過を検知している場合に通過用入力部への出力電圧が第1電圧値となり、検知していない場合に第2電圧値となるようしてもよい。具体的には、反転回路450を設けずにNAND回路461は第1処理回路405からの出力と第2処理回路からの出力をNAND処理し、AND回路462はNAND回路461からの出力と第1処理回路405からの出力をAND処理する構成とする。この場合、演算回路460からの出力は、通過検知部400が遊技球の通過を特定しておらず、且つ電波検知部500が電波やノイズの発生を特定していない場合にのみHI信号となり、第1電圧値と第2電圧値との関係が第2の実施形態と同様になる。
(35)電波検知部500の第2コイル520(第2円筒部510)内に検知用金属体530を設けることで、第2発振回路504を通常は発振が停止している構成としたが、これに限定されない。検知用金属体530を設けずに、電波やノイズが印加されたことに基づいて発生する第2コイル520の誘起電圧により、第2トランジスタ506をON状態とする構成としてもよい。この場合、上記実施形態における第2トランジスタ506のON状態とOFF状態との関係が逆になるため、入賞用インターフェース回路86(払出用インターフェース回路93)から出力するエラー信号SG4,SG7の出力態様の切り換え契機を変更するとよい。但し、電波検知部500の故障を特定するという観点からすると、検知用金属体530を設ける構成とするほうがよい。
(36)電波検知部500には検波回路440を設けない構成とすることで、電波用回路基板500aの小型化を図る構成としたが、電波用回路基板500aに設けない回路はこれに限定されず、少なくとも通過用回路基板400aに設けられている回路のいずれかが電波用回路基板500aでは設けられていない構成とすればよい。
(37)通過用回路基板400aと電波用回路基板500aとを別々に設ける構成としたが、同じ基板上に各回路404,405,406,440,504,505,506が設けられている構成としてもよい。
(38)通過用回路基板400aと電波用回路基板500aとをケース体23d内に並設する構成としたが、両基板400a,500aを重ねて設置する構成としてもよい。この場合、両基板400a,500aがケース体23d内で占める面積を狭くすることができ、例えば第2コイル520を上記のものよりも大きくすることができる。
(39)両検知部400,500,600をいずれも誘導磁界の変化を利用したセンサとしたが、これに限定されない。通過検知部400は、例えば光学式のセンサでもよく、接触式のセンサでもよい。また、電波検知部500は、例えば散乱計を用いたセンサとしてもよい。
(40)電波検知部500では、第2コイル520で電波やノイズを受ける構成としたが、アンテナ等を設けて電波やノイズを受ける構成としてもよい。
(41)上記第3の実施形態において、比較回路162は、遊技球の通過を検知した(センサ側検知信号SG3の立ち下がりを検知した)場合に、電波検知部500にて電波やノイズが印加されていることを特定していることを条件に出力側発振信号SG1と入力側発振信号SG2との発振周波数を比較し、その周波数が同じ場合にのみ発振周波数設定回路163が出力側発振信号SG1の発振周波数の変更を行う構成としたが、周波数が相違する場合であっても出力側発振信号SG1の発振周波数の変更を行う構成としてもよい。但しこの場合、周波数の変更が第3の実施形態のものよりも頻繁に行われることになる。
(42)上記第4の実施形態において、可変入賞検知センサ22eと払出カウントセンサ91bとを特殊センサとしたが、電波検知部を有する特殊センサとする組合せはこれに限定されない。例えば、左スルーゲート25のゲート用入賞検知センサ25aと、可変入賞検知センサ22eを特殊センサとしてもよく、上作動口用検知センサ23aと下作動口用検知センサ24cとを特殊センサとしてもよい。これらの場合、特殊センサの組合せを互いに離れた位置のセンサ同士とすることで、これらの電波検知部の検知可能範囲に他の検知センサを含ませやすくなり、近い位置のセンサ同士とすることで、いずれの電波検知部の検知可能範囲にも含まれる検知センサの数が多くなりやすくなる。
さらに、特殊センサの数は、2つに限定されず3つ以上であってもよい。
(43)上記第4の実施形態において、払出カウントセンサ91bの電波検知部95にて電波やノイズの発生を特定した場合に、払出用インターフェース回路93を介してエラー信号が主制御装置73側のMPU82へ出力される構成としたが、これに限定されず、例えば、入賞用インターフェース回路86と電波検知部95とを接続し、入賞用インターフェース回路86や別のインターフェース回路を介して電波検知部95の情報がMPU82へ出力される構成としてもよい。但しこの場合、払出カウントセンサ91bにおいて、グランド線GLNを払出用インターフェース回路93及び入賞用インターフェース回路86へ接続する必要が生じるため、配線の共用化という観点からすると、上記第4の実施形態の構成のほうが好ましい。
また、払出用インターフェース回路93が払出制御装置90に搭載される構成は必須の構成ではなく、例えば、払出用インターフェース回路93と払出カウントセンサ91bとをユニット体とし、当該ユニット体から払出制御装置90側のMPU92a及び主制御装置73側のMPU82へエラー信号が出力される構成としてもよい。
(44)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作される又は所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
スロットマシンに本発明を適用する場合には、メダル投入を検知するカウントセンサや、メダルの払い出しを行うホッパにおいて払出メダルを検知するホッパセンサ等の少なくともいずれかに、本発明の特殊センサ23a,22e,91bを適用することができる。この場合、特殊センサ23a,22e,91bにおける電波検知部500の検知範囲に他方のセンサが含まれる構成とすることで、上記の各効果を奏することができる。また、金属部品等によって電波検知部500が検知不能となる事象を抑制するという観点からすると、上記カウントセンサとホッパセンサとのうち、前方に配置されるカウントセンサを特殊センサ23a,22e,91bとするとよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に本発明を適用する場合には、取込装置にて遊技球をカウントするカウントセンサや、遊技球の払い出しを実行する払出装置に用いられるカウントセンサ等の少なくともいずれかに、本発明の特殊センサ23a,22e,91bを適用することができる。この場合も、特殊センサ23aに,22e,91bおける電波検知部500の検知範囲に他方のセンサが含まれる構成とすることで、上記の各効果を奏することができる。また、金属部品等によって電波検知部500が検知不能となる事象を抑制するという観点からすると、上記取込装置と払出装置とに用いられるカウントセンサのうち、前方に配置される取込装置側のカウントセンサを特殊センサ23a,22e,91bとするとよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群は「遊技機の一種としてパチンコ機等がある。パチンコ機においては、例えば遊技領域を流下する遊技球が通過可能な入賞口(通過部)と、入賞口を通過する遊技球を検知センサ(検知手段)と、が設けられている。検知センサは、遊技に関する制御を行う制御装置に接続されている。制御装置は、検知センサによって遊技球が通過したことが検知された場合には、遊技者に対して遊技球の払出等の特典が付与されるように払出装置を制御する。ここで、検知センサの誤動作が発生すると、遊技者に対して意図しない特典が付与される場合がある。また、不正な利益を得るために、意図的に検知センサの誤動作を発生させる不正行為が行われる場合がある。以上の課題は、遊技媒体が通過可能な通過部と、通過部を通過する遊技媒体を検知する検知手段と、を備えた遊技機に共通する課題である。」という技術背景・課題等に鑑みてなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技媒体が通過する通過部(入賞用通過部22d又は第1円筒部410)と、
前記通過部を遊技媒体が通過したことを検知する検知手段(各種入賞検知センサ21a〜21c,22e,23a,24c,25a,25b,53a〜53c)と、
前記検知手段により前記通過部を遊技媒体が通過したことが検知された場合には、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段(MPU82のステップS207〜ステップS209又はステップS1305〜ステップS1308,ステップS1404〜ステップS1407及びステップS1504〜ステップS1506の処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記検知手段は、予め定められた特定発振周波数(出力側発振周波数f1)の発振信号を出力可能なものであって、前記通過部を遊技媒体が通過した場合には当該発振信号の出力が切り換わる発振手段(発振回路120)を備え、
前記発振手段から出力される発振信号を入力する入力手段(IN1端子)と、
前記入力手段に入力される信号の周波数(入力側発振周波数f2)と、前記特定発振周波数とを比較する比較手段(比較回路162)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技媒体が通過部を通過した場合には、発振手段からの発振信号の出力状態が切り換わり、入力手段に入力される信号の入力状態が切り換わる。これにより、入力手段に入力される信号の入力状態に基づいて、遊技媒体が通過部を通過したことを把握することができる。この場合、例えば他の電子機器から発生する電磁波等の影響により、入力手段に、特定発振周波数の発振信号とは異なる信号が入力される場合がある。すると、遊技媒体が通過していないにも関わらず遊技媒体が通過したものと判断され、誤って特定処理が実行される場合がある。
また、仮に特定処理が遊技者にとって有利なものである場合には、特定処理を不正に発生させる目的で、意図的に入力手段に対して不正な信号を入力させようとする不正行為が行われる場合がある。
これに対して、本特徴によれば、入力手段に入力される信号の周波数と、特定発振周波数とを比較することにより、入力手段に入力される信号が、正規の発振信号なのか、ノイズや不正に基づく信号であるのかを判断することができる。これにより、検知手段の誤検知及び検知手段の誤検知を不正に発生させようとする不正行為を抑制することができる。
特徴A2.前記特定発振周波数を変更する変更手段(発振周波数設定回路163)を備え、
前記比較手段は、前記変更手段により変更された前記特定発振周波数と、前記入力手段に入力される信号の周波数とを比較するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、特定発振周波数を変更し、その変更された特定発振周波数を比較対象にすることにより、特定発振周波数の特定を困難なものにすることができる。これにより、特定発振周波数と同一の発振信号等を不正に入力させる不正行為を抑制することが可能となる。
特徴A3.前記変更手段は、前記発振手段からの発振信号の出力状態が切り換わる場合に前記特定発振周波数を変更するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、発振信号の出力状態が切り換わる場合に特定発振周波数が変更される場合がある。発振信号の出力状態が切り換わるタイミングは、遊技媒体が通過部を通過するタイミングであり、ランダムなタイミングである。このため、特定発振周波数の変更タイミングを把握しにくくすることが可能となり、特定発振周波数の特定をより困難にすることが可能となる。
特徴A4.前記比較手段による比較が行われている間は、前記変更手段による変更は規制されていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、比較手段による比較中に特定発振周波数が変更されることに起因して、正常な比較が行われなくなる不都合を回避することができる。
特徴A5.前記比較手段は、前記入力手段に信号が入力されたことに基づいて前記比較を行うものであり、
前記変更手段は、前記入力手段に信号が入力されてから、前記比較手段の比較に要する期間(比較所要期間T2)よりも長い期間(所定期間T1)が経過した後に、前記特定発振周波数を変更するものであることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、比較手段による比較が行われているか否かを判定する処理を行うことなく、周波数の比較と、特定発振周波数の変更とが同時に行われることを回避することができる。
特徴A6.前記変更手段は、前記入力手段に信号が入力されてから所定期間(所定期間T1)が経過した場合に、前記特定発振周波数を変更するものであり、
当該所定期間は、1の遊技球が前記通過部を通過したことに基づく前記発振信号の出力状態の切換から次の遊技球が前記通過部を通過したことに基づく前記発振信号の出力状態の切換までの最小期間(最小検知間隔T3)よりも短く設定されていることを特徴とする特徴A2乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、1の遊技球が検知されてから次の遊技球が検知するまでの間に、特定発振周波数の変更を行うことができる。これにより、遊技球を検知する度に特定発振周波数の変更を行うことができる。よって、特定発振周波数の変更頻度を高めることができ、特定発振周波数の特定をより困難にすることができる。
特徴A7.前記発振手段は、前記通過部を通過する遊技媒体の通過領域に設けられたコイルと、当該コイルに対して並列に接続され、電荷を蓄積可能な容量体(合成コンデンサ140)とを有する共振回路を備え、
前記変更手段は、前記容量体の蓄積可能な電荷量を変更することにより、前記特定発振周波数を変更するものであることを特徴とする特徴A2乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、容量体の蓄積可能な電荷量を変更することにより、特定発振周波数を変更することができる。これにより、コイルのインダクタンスを変更する構成と比較して、特定発振周波数の変更を比較的容易に行うことができる。
特徴A8.前記変更手段は、前記特定発振周波数を、予め定められた順序で変更するものであることを特徴とする特徴A2乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、変更先の特定発振周波数の順序を予め設定しておくことにより、変更に係る構成の簡素化を図ることができる。
特徴A9.前記比較手段は、前記特定発振周波数を含む特定通過帯域の発振周波数の発振信号のみを通過させる特定通過手段(各バンドパスフィルタ回路)を備え、前記入力手段に入力される信号が前記特定通過手段を通過するか否かに基づいて前記比較を行うものであり、
前記特定通過手段は、前記変更手段により前記特定発振周波数が第1特定発振周波数から前記第1特定発振周波数とは異なる第2特定発振周波数に変更された場合、前記特定通過帯域を、前記第1特定発振周波数を含む第1特定通過帯域から、前記第2特定発振周波数を含む通過帯域であって前記第1特定通過帯域とは重ならない第2特定通過帯域に変更する手段を備えていることを特徴とする特徴A2乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、入力手段に入力された信号が特定通過手段を通過するか否かに基づいて周波数の比較を行う構成とすることにより、上記比較を比較的容易に行うことができる。
かかる構成において、変更手段により特定発振周波数が第1特定発振周波数から第2特定発振周波数に変更された場合には、変更先の第2特定発振周波数の発振信号が特定通過手段を伝送できるように特定通過帯域が第1特定通過帯域から第2特定通過帯域に変更される。これにより、変更手段による特定発振周波数の変更に好適に対応することができる。
さらに、各特定通過帯域は重ならないように構成されているため、変更した特定通過帯域に対応した特定発振周波数以外の発振周波数の信号が特定通過手段を通過しないようになっている。これにより、特定通過手段を用いた比較を好適に行うことができる。
特徴A10.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記通過部として、前記遊技領域に設けられ、且つ遊技球が通過可能な球通過部(入賞用通過部22d等又は第1円筒部410等)と、
を備え、
前記検知手段は、前記球通過部を通過する遊技球を検知する遊技球検知手段(可変入賞検知センサ22e又は上作動口用検知センサ23a)であり、
前記特定処理実行手段は、前記遊技球検知手段により前記球通過部を遊技球が通過したと検知された場合に、前記特定処理として遊技者に対して特典を付与する特典付与処理(MPU82におけるステップS207〜ステップS209又はステップS1306〜ステップS1308の処理を実行する機能)を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、球通過部を遊技球が通過した場合に特典を付与する。このため、検知手段の誤動作は、遊技者の利益に直接影響を与えることとなる。また、不正な利益を得る目的で、遊技球検知手段を意図的に誤動作させる不正行為が想定される。
これに対して、特徴A1等の構成によれば、異常な信号を好適に発見することができるため、遊技者に不測の不利益を与えること及び意図的に誤動作させる不正行為を抑制することができる。
特徴A11.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記通過部として、前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球の入球が不可又は困難な第2状態とに切換可能な可変入球手段(可変入賞装置22)と、
を備え、
前記検知手段は、前記可変入球手段に入球する遊技球を検知する遊技球検知手段(可変入賞検知センサ22e)であり、
前記特定処理実行手段は、前記遊技球検知手段により前記可変入球手段に遊技球が入球したと検知された場合に、前記特定処理として遊技者に対して特典を付与する特典付与処理(MPU82におけるステップS207〜ステップS209又はステップS1405〜ステップS1408の処理を実行する機能)を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、第1状態と第2状態とに切り換わる可変入球手段に遊技球が入球し、当該遊技球が遊技球検知手段により検知された場合に遊技者に対して特典を付与する。このため、遊技球検知手段の誤動作は、遊技者の利益に直接影響を与えることとなる。また、不正な利益を得る目的で、遊技球検知手段を意図的に誤動作させる不正行為が想定される。
これに対して、特徴A1等の構成によれば、異常な信号を好適に発見することができるため、遊技者に不測の不利益を与えること及び意図的に誤動作させる不正行為を抑制することができる。
特徴A12.前記比較手段により、前記入力手段に入力される信号の周波数と、前記特定発振周波数とが異なると判断された場合に、予め定められた異常発生信号を出力する異常発生信号出力手段(エラー信号SG4としてLOW信号を出力する機能)と、
前記異常発生信号出力手段により前記異常発生信号が出力された場合に、予め定められた異常対応処理(遊技停止中処理)を実行する異常対応手段と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、異常発生信号が出力された場合に異常対応処理を実行することにより、当該異常発生に対応することが可能となる。
特徴A13.遊技の進行に関する遊技進行処理を実行する手段(MPU82におけるタイマ割込み処理及び通常処理を実行する機能)を備え、
前記異常対応処理には、前記遊技進行処理の少なくとも一部の処理を制限する処理が含まれていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、異常な信号が入力された場合には、遊技進行処理の少なくとも一部の処理を制限することにより、正常な遊技の進行を制限することができる。これにより、異常が発生したに関わらず、遊技が行われる事態を避けることが可能となる。
特徴A14.異常な事象の発生を検知する異常検知手段(電波検知部500)を備え、
前記異常検知手段は、前記検知手段と一体のユニット体として設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、検知手段は異常検知手段を備えているため、例えば比較手段が行う入力手段に入力される信号の周波数と特定発振周波数との比較を異常検知手段により異常が検知された場合にのみ行う構成とすることができる。これにより、比較手段の比較回数を減少し、処理負荷の低減が図られる。そして、この異常検知手段は検知手段と一体で設けられているため、それぞれ別途設ける構成と比較して設置領域を削減するとともに部品点数の削減を図ることが可能となる。
なお、本特徴に特徴C2〜C15の構成を適用してもよい。
特徴A15.遊技媒体が通過する通過部(入賞用通過部22d又は第1円筒部410)と、
前記通過部を遊技媒体が通過したことを検知する検知手段(各種入賞検知センサ21a〜21c,22e,23a,24c,25a,25b,53a〜53c)と、
前記検知手段により前記通過部を遊技媒体が通過したことが検知された場合には、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段(MPU82のステップS207〜ステップS209又はステップS1305〜ステップS1308,ステップS1404〜ステップS1407及びステップS1504〜ステップS1506の処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記検知手段は、
予め定められた特定発振周波数(出力側発振周波数f1)の発振信号を出力可能なものであって、前記通過部を遊技媒体が通過した場合には当該発振信号の出力が切り換わる発振手段(発振回路120)と、
前記発振手段から出力される発振信号を入力する入力手段(IN1端子)を有し、前記入力手段に入力される発振信号の入力状態に基づいて遊技媒体の通過を判断して、所定の検知信号を出力する検知信号出力手段(検知信号出力回路161)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記検知信号が遊技媒体の通過を検知したことに対応したものである場合に前記特定処理を実行するものであり、
前記入力手段に入力される信号の周波数(入力側発振周波数f2)と、前記特定発振周波数とを比較する比較手段(比較回路162)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A14によれば、発振手段から出力される発振信号が入力手段に入力される。そして、入力手段に入力される発振信号の入力状態に基づいて遊技媒体の通過が判断され、その判断結果に基づいて検知信号が出力される。
この場合、例えば他の電子機器から発生する電磁波等の影響により、入力手段に特定発振周波数の発振信号とは異なる信号が入力される場合がある。すると、遊技媒体が通過していないにも関わらず遊技媒体が通過したものと判断され、誤って検知信号が出力される場合がある。
また、仮に特定処理が遊技者にとって有利なものである場合には、特定処理を不正に発生させる目的で、意図的に入力手段に不正な信号を入力させようとする不正行為が行われる場合がある。
これに対して、本特徴によれば、入力手段に入力される発振信号の周波数と、特定発振周波数とを比較することにより、入力手段に入力される信号が、正規の発振信号なのか、ノイズや不正に基づく信号であるかを判断することができる。これにより、検知手段の誤検知及び検知手段の誤検知を不正に発生させようとする不正行為を抑制することができる。
なお、本特徴に特徴A2〜A14の構成を適用してもよい。
特徴A16.予め定められた特定事象の発生を検知する検知手段(各種入賞検知センサ21a〜21c,22e,23a,24c,25a,25b,53a〜53c)と、
前記検知手段により前記特定事象の発生が検知された場合に、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段(MPU82におけるステップS207〜ステップS209又はステップS1305〜ステップS1308,ステップS1404〜ステップS1407及びステップS1504〜ステップS1506の処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記検知手段は、予め定められた特定態様の特定信号(出力側発振信号SG1)を出力可能なものであって、前記特定事象が発生した場合には当該特定信号の出力状態を切り換える特定信号出力手段(発振回路120)を備え、
前記特定信号出力手段から出力される前記特定信号を入力する入力手段(IN1端子)と、
前記入力手段に入力される信号の態様(入力側発振周波数f2)と、前記特定態様とを比較する比較手段(比較回路162)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A16によれば、特定事象が発生した場合には、特定信号出力手段からの特定信号の出力状態が切り換わり、入力手段に入力される信号の入力状態が切り換わる。これにより、入力手段の入力状態に基づいて特定事象の発生を検知することができる。
この場合、例えばノイズ等の影響により、入力手段に、特定信号とは異なる信号が入力される場合がある。この場合、特定事象が発生していないにも関わらず、上記異なる信号に基づいて特定事象が発生したと判断され、誤って特定処理が実行される場合がある。
また、仮に特定処理が遊技者にとって有利なものである場合には、特定処理を不正に発生させる目的で、意図的に入力手段に不正な信号を入力させようとする不正行為が行われる場合がある。
これに対して、本特徴によれば、入力手段に入力される信号の態様と、特定態様とを比較することにより、入力手段に入力される信号が、正規の特定信号なのか、ノイズや不正に基づく信号であるのかを判断することができる。これにより、検知手段の誤検知及び検知手段の誤検知を不正に発生させようとする不正行為を抑制することができる。
なお、本特徴に特徴A2〜A14の構成を適用してもよい。
特徴A17.遊技媒体が通過する通過部(入賞用通過部22d又は第1円筒部410)と、
前記通過部を遊技媒体が通過したことを検知する検知手段(各種入賞検知センサ21a〜21c,22e,23a,24c,25a,25b,53a〜53c)と、
前記検知手段により前記通過部を遊技媒体が通過したことが検知された場合には、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段(MPU82のステップS207〜ステップS209又はステップS1305〜ステップS1308,ステップS1404〜ステップS1407及びステップS1504〜ステップS1506の処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記検知手段は、予め定められた特定発振周波数(出力側発振周波数f1)の発振信号を出力可能なものであって、前記通過部を遊技媒体が通過した場合には当該発振信号の出力が切り換わる発振手段(発振回路120)を備え、
前記発振手段から出力される信号の周波数(入力側発振周波数f2)と、前記特定発振周波数とを比較する比較手段(比較回路162)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A17によれば、遊技媒体が通過部を通過した場合には、発振手段からの発振信号の出力状態が切り換わる。これにより、発振信号の出力状態の切換に基づいて、遊技媒体が通過部を通過したことを把握することができる。この場合、例えば他の電子機器から発生する電磁波等の影響により、発振手段から、特定発振周波数の発振信号とは異なる信号が出力される場合がある。すると、遊技媒体が通過していないにも関わらず遊技媒体が通過したものと判断され、誤って特定処理が実行される場合がある。
また、仮に特定処理が遊技者にとって有利なものである場合には、特定処理を不正に発生させる目的で、意図的に発振手段からの出力に対して不正な信号を混入させようとする不正行為が行われる場合がある。
これに対して、本特徴によれば、発振手段から出力される信号の周波数と、特定発振周波数とを比較することにより、発振手段から出力される信号が、正規の発振信号なのか、ノイズや不正に基づく信号であるのかを判断することができる。これにより、検知手段の誤検知及び検知手段の誤検知を不正に発生させようとする不正行為を抑制することができる。
なお、本特徴に特徴A2〜A14の構成を適用してもよい。この場合、「前記入力手段に入力される信号」を「前記発振手段から出力される信号」に置き換える。
<特徴B群>
特徴B1.遊技媒体が通過する通過部(入賞用通過部22d又は第1円筒部410)と、
前記通過部を遊技媒体が通過したことを検知する検知手段(各種入賞検知センサ21a〜21c,22e,23a,24c,25a,25b,53a〜53c)と、
前記検知手段により前記通過部を遊技媒体が通過したことが検知された場合には、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段(MPU82のステップS207〜ステップS209又はステップS1305〜ステップS1308,ステップS1404〜ステップS1407及びステップS1504〜ステップS1506の処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記検知手段は、予め定められた特定発振周波数の発振信号を出力可能なものであって、前記通過部を遊技媒体が通過した場合には当該発振信号の出力状態が切り換わる発振手段(発振回路120)を備え、
前記特定発振周波数を含む特定通過帯域の発振周波数の発振信号のみを通過させる特定通過手段(バンドパスフィルタ回路201)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技媒体が通過部を通過した場合には発振手段からの発振信号の出力状態が切り換わる。これにより、発振信号の出力状態の切換に基づいて、遊技媒体が通過部を通過したことを把握することができる。
この場合、例えば他の電子機器から発生する電磁波等の影響により、発振手段から、特定発振周波数の発振信号とは異なる信号が出力される場合がある。すると、遊技媒体が通過していないにも関わらず遊技媒体が通過したものと判断され、誤って特定処理が実行される場合がある。
また、仮に特定処理が遊技者にとって有利なものである場合には、特定処理を不正に発生させる目的で、意図的に発振手段からの出力に対して不正な信号を混入させようとする不正行為が行われる場合がある。
これに対して、本特徴によれば、発振周波数が特定通過帯域内である発振信号のみが通過する特定通過手段を備えているため、その特定通過手段から出力される信号に基づいて遊技媒体の通過を判断することにより、異常な信号に基づく誤った判断がなされることを抑制することができる。これにより、検知手段の誤検知及び検知手段の誤検知を不正に発生させようとする不正行為を抑制することができる。
特徴B2.前記特定発振周波数を変更する変更手段(発振周波数設定回路163)を備え、
前記特定通過手段は、前記特定発振周波数が変更された場合に、前記特定通過帯域に前記変更された特定発振周波数が含まれるよう当該特定通過帯域を変更する手段を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特定発振周波数を変更することにより、特定発振周波数の特定を困難なものにすることができる。これにより、特定発振周波数と同一の発振信号を不正に入力させる不正行為を抑制することが可能となる。
かかる構成において、特定発振周波数が変更された場合には、当該特定発振周波数が含まれるよう特定通過帯域が変更することにより、検知信号出力手段には変更先の特定発振周波数の発振信号が入力されるようになっている。これにより、特定発振周波数の変更に好適に対応することができる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技媒体が通過する通過部(上作動口23)と、
当該通過部を遊技媒体が通過したことを検知する媒体検知手段(通過検知部400,600)と、
当該媒体検知手段により前記通過部を遊技媒体が通過したことが検知されたことに基づいて予め定められた媒体検知用処理を実行する媒体検知用処理実行手段(主制御装置73のMPU82におけるステップS903〜ステップS909又はステップS1305〜ステップS1308,ステップS1404〜ステップS1407及びステップS1504〜ステップS1506の処理を実行する機能)と、
異常な事象の発生を検知する異常検知手段(電波検知部500)と、
当該異常検知手段により前記異常な事象の発生が検知されたことに基づいて予め定められた異常検知用処理を実行する異常検知用処理実行手段(主制御装置73のMPU82におけるステップS901,ステップS902,ステップS910及び911、又はステップS1201〜ステップS1205、ステップS1303、ステップS1304、ステップS1309、ステップS1310、ステップS1403、ステップS1408、ステップS1409、ステップS1503、ステップS1507及びステップS1508の処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記異常検知手段は、前記媒体検知手段と一体のユニット体として設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、媒体検知手段と異常検知手段とが一体で設けられており、それぞれ別途設ける構成と比較して設置領域を削減するとともに部品点数の削減を図ることが可能となる。特に遊技機には、遊技に関する各種制御装置や役物等が設けられおり、各種検知手段の設置領域が限られている。そこで、本遊技機のように両検知手段を一体とすることで、限られたスペースにおいて両検知手段を設けることが可能となる。
特徴C2.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤20)を備え、
前記ユニット体において、前記異常検知手段は前記遊技盤の背面よりも前方に設けられていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、媒体検知手段と異常検知手段とが一体化されたユニット体において、異常検知手段は遊技盤の背面よりも前方に設けられており、遊技盤の前方に発生する異常な事象を好適に特定することができる。一般的に、遊技盤の背面には各種制御装置等が金属製の部品により取り付けられており、また補強のための金属フレームも取り付けられている。このため、遊技盤の背面よりも後方に異常検知手段を設けると各種金属部品により異常の発生を好適に検知することができない可能性がある。例えば、異常検知手段として電波が印加されたことを検知する電波センサとすると、各種金属部品により印加される電波が反射又は減衰してしまうことが懸念される。また、例えば異常検知手段として磁気が印加されたことを検知する磁気センサとしても、各種金属部品により印加された磁気と異なる強度の磁気を検知してしまうことが懸念される。したがって、本構成のように遊技盤の背面よりも前方に異常検知手段を設けることで、異常の発生を好適に検知することが可能となる。
特に特徴C1で記載したように、異常検知手段は媒体検知手段と一体化されているため、このような構成の場合には媒体検知手段が遊技媒体を検知すべき位置と、異常検知手段が異常を検知すべき位置と、が両立するような位置にユニット体を設ける必要が生じる。媒体検知手段は通過部を遊技媒体が通過したことを検知するものであるため、通過部が設けられる位置によって媒体検知手段側の設けられる位置が定まる。仮に通過部が遊技盤の前方に設けられている構成の場合、異常検知手段を遊技盤の背面よりも後方に配置すると、両検知手段が遊技盤の前後に配置されることになるためユニット体の大型化が懸念される。また、通過部が遊技盤の背面よりも後方に配置される構成の場合、異常検知手段を遊技盤の背面よりも後方に配置すると、ユニット体の大型化は抑制できるものの、上記のように各種金属部品による影響が懸念される。
したがって、本構成のように異常検知手段を設ける位置を定めることで、ユニット体の大型化を抑制しつつ、異常の発生を好適に検知することが可能となる。
特徴C3.前記ユニット体において前記異常検知手段は前記遊技盤内部(遊技盤の前後方向の幅範囲内)に設けられており、
前記遊技盤は、前記異常検知手段の検知対象を透過可能であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、特徴C2の遊技機において遊技盤は異常検知手段の検知対象を透過するため異常検知手段が遊技盤内部に配置されていても検知の阻害にならない。特に、遊技盤の前方には遊技領域が形成されているため、遊技盤の前方に通過部を設ける構成としてもユニット体が遊技領域において占める領域を狭くする(遊技領域を広く確保する)ことができる。
特徴C4.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤20)を備え、
前記通過部は、前記遊技盤の前方において前記遊技媒体が通過する位置に設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、通過部を遊技盤の背面側に設ける構成と比較して、早期に遊技媒体を検知することができる。通過部の入口への遊技媒体の流入タイミングと当該流入した遊技媒体の検知タイミングとの差が大きくなればなるほど、遊技者とっては流入後の処理が不明瞭となり、遊技ホールや遊技機メーカーへの不信感を与えかねない。したがって、本構成のように、流入した遊技媒体を早期に検知する構成とすることで、遊技を明瞭化することができる。
特に、本構成を特徴C2の遊技機に適用することで、ユニット体の大型化を抑制しつつ上記の優れた効果を奏することができる。具体的には、異常検知手段は遊技盤の背面よりも前方に設けられ、さらに媒体検知手段は遊技盤の前方において遊技媒体が通過することを検知する。したがって、遊技盤との関係で、両検知手段を遊技盤の背面よりも前方へ集約することができるためユニット体の大型化を抑制することができる。
特徴C5.前記媒体検知手段は、前記ユニット体において前記異常検知手段よりも前方に設けられていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、媒体検知手段の前方に異常検知手段を設ける領域を設定する必要がない。特に特徴C4に記載したように、媒体検知手段が遊技媒体の通過を検知する通過部が遊技盤の前方に設けられているので、媒体検知手段の前方に異常検知手段を設けることが困難となり得る。そこで、本構成のようにすることで特徴C4の構成を好適に実現することができる。
特徴C6.前記通過部とは別途設けられ、前記遊技媒体が流入可能な複数の特別通過部(例えば可変入賞装置22の大入賞口22aや、スルーゲート25)を備え、
当該複数の特別通過部には、当該特別通過部を前記遊技媒体が通過したことを検知する特別媒体検知手段(検知センサ22e,25a,25b等)がそれぞれ設けられており、
前記ユニット体における前記異常検知手段の検知範囲は、前記各特別媒体検知手段がその検知範囲に含まれるようにして設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、異常検知手段の検知範囲に、各特別媒体検知手段が含まれるようにしていることから、当該特別媒体検知手段には特徴C1のように異常検知手段を設ける必要がない。したがって、ユニット体における媒体検知手段以外に、特別媒体検知手段が設けられている構成であっても、異常検知手段をその分設ける必要がなく、製造コストの削減を図ることができる。
特徴C7.前記通過部は、当該遊技機における横方向の略中央位置に設けられているものであることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、媒体検知手段と一体となっている異常検知手段を、横方向の略中央に設けることができる。各特別媒体検知手段を異常検知手段の検知範囲に含ませる構成として、異常検知手段の検知範囲を広げる構成も考えられる。しかし、異常検知手段の検知範囲を広くすると、その分ノイズも検知することになり誤検知の発生につながる。したがって本構成のようにすることで、特徴C6の遊技機において誤検知を抑制しつつ容易に各特別媒体検知手段を検知範囲に含ませることができる。
特徴C8.前記遊技媒体が流下する遊技領域(遊技領域PE)において上下左右に前記遊技媒体が流下可能な状態で設けられ、所定の演出を実行する演出実行手段(表示画面G)を備え、
前記通過部及び前記各特別通過部は、前記遊技領域において少なくとも前記演出実行手段の上端よりも下方に設けられていることを特徴とする特徴C6又は特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、周囲(上下左右)を遊技媒体が流下可能に設けられている演出実行手段の上端よりも下方に、通過部及び各特別通過部が設けられていることから、遊技領域において通過部及び各特別通過部が下側に集中して設けられている構成となる。したがって、各種媒体検知手段が遊技領域の下側に集中して設けられていることになり、異常検知手段の検知範囲に各特別媒体検知手段が含まれるようにする構成を容易に実現することができる。
特徴C9.前記各特別通過部のうち所定の特別通過部又は前記通過部を前記遊技媒体が通過したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な特別状態(例えば開閉実行モード)に移行させるか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置73のMPU82におけるステップS1005の処理を実行する機能)を備え、
前記通過部は、前記所定の特別通過部の上方に設けられているものであることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、遊技媒体が所定の特別通過部又は通過部を通過することが遊技者にとって有利な特別状態に移行させるか否かの契機となるため、これら所定の特別通過部及び通過部以外の特別通過部の特別媒体検知手段と比較して、所定の特別通過部の特別媒体検知手段及び通過部の媒体検知手段に対して不正目的で異常を発生させる行為が行われる可能性が高くなり得る。そこで、このような箇所に異常検知手段を設けることで、上記不正行為を迅速に特定することが可能となる。さらにこの場合、所定の特別通過部よりも上方に設けられた通過部側に異常検知手段が存在するため、特徴C8の遊技機において、異常検知手段の検知範囲が下側に偏りすぎず、所定の特別通過部以外の特別通過部もその検知範囲に含め易くなる。また一般的に通過部と所定の特別通過部とでは、下方の所定の特別通過部側に遊技媒体を受け入れ可能な状態と受け入れできない又は受け入れしにくい状態との間を変位が可能な可変受入手段(電動役物24a)が設けられており、通過部側に異常検知手段を設けることで、このような可変受入手段による異常検知手段の誤検知の発生を抑制することができる。
特徴C10.前記媒体検知手段の出力電圧の変化を監視する中継手段(入賞用インターフェース回路86、払出用インターフェース回路93)を備え、
前記媒体検知手段は、前記通過部を遊技媒体が通過した場合に出力電圧が変化する構成であり、
当該中継手段は、前記媒体検知手段の出力電圧の変化に基づいて前記媒体検知用処理実行手段に対して第1信号(検知信号SG3、SG5)を出力する構成であり、
前記異常検知手段は、前記異常が発生した場合に当該異常検知手段の出力電圧が変化する構成であり、
前記中継手段により、前記異常検知手段の出力電圧の変化が監視されており、
前記中継手段は、前記異常検知手段の出力電圧の変化に基づいて前記異常検知用処理実行手段に対して第2信号(エラー信号SG4、SG7)を出力する構成であることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、媒体検知手段及び異常検知手段自体の構成を簡素なものとすることができる。具体的には、媒体検知手段は遊技媒体が通過部を通過したことに基づいて出力電圧が変化する構成となり、この出力電圧の変化を中継手段が監視することで遊技媒体の通過を特定することができるため、媒体検知手段自体の構成が簡素なものとなる。また、異常検知手段も異常の発生により出力電圧が変化する構成となり、この出力電圧の変化を中継手段が監視することで異常の発生を特定することができるため、異常検知手段自体の構成が簡素なものとなる。したがって、各検知手段自体の構成は簡素なものとなる。特に本遊技機は、特徴C1に記載したとおり、媒体検知手段に一体的に異常検知手段が設けられている構成に特徴を有し、このような特徴的な構成を実現するためには各検知手段の構成の簡素化は好ましい。
特徴C11.前記ユニット体と前記中継手段とは、複数の配線を介して接続されており、
当該複数の配線のうちの少なくとも一部が、前記媒体検知手段と前記異常検知手段とで共用されていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、特徴C10の遊技機において、複数の検知手段(媒体検知手段及び異常検知手段)の配線が共用されているため、別々の配線を用いる構成と比較して配線を少なくすることができる。配線が多くなると、例えば、当該配線上でノイズが発生する可能性も増加して、誤検知の発生も増加する。また例えば、当該配線を介して不正な基板(所謂ぶら下げ基板)を取り付ける行為も行いやすくなり得る。したがって、本特徴のように、複数の検知手段への配線を共用することで、上記懸念される不都合を抑制することが可能となる。
特徴C12.前記共用される配線は、接地線(グランド線GLN)であることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、媒体検知手段及び異常検知手段の出力電圧を中継手段が監視する構成において、容易に配線を共用することができる。また接地線を共用することで、遊技媒体の通過した場合の出力電圧と異常が発生した場合の出力電圧とを別々に監視することができる。これにより、媒体検知手段及び異常検知手段の出力電圧をいずれも中継手段が監視する構成としても、好適にそれぞれの出力電圧の変化を特定することができる。
特徴C13.前記異常検知手段は、発振手段(第2発振回路504)の発振状態の変化を利用して異常な事象の発生を検知するものであり、
前記中継手段は、前記発振手段が発振するための電力を供給し、前記異常検知手段の出力電圧の変化を監視する構成であり、
前記異常検知手段は、前記発振手段の発振状態の変化に基づいて出力電圧が変化する構成であり、さらに、前記中継手段からの電力が供給されている場合に前記発振手段の発振を減衰又は停止させる手段(検知用金属体530)を備え、前記異常な事象が発生した場合に前記発振手段の発振が増加する側に変化する構成であることを特徴とする特徴C10乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、異常検知手段側には常に中継手段から電力供給がなされているものの、通常は発振手段の発振が減衰又は停止しており、異常な事象が発生した場合には発振が増加する側に変化する。このような構成とすることで、異常な事象の発生を特定するだけでなく、例えば、発振手段の発振が減衰又は停止している場合の出力電圧を所定の値とするような抵抗等を設けることで、中継手段と異常検知手段との間の接続線に短絡や抜けが生じた場合には、それを特定することが可能となる。よって、遊技ホールの管理者等は、異常な事象の発生だけでなく、このような接続に関する故障等が発生した場合にも好適に対処することが可能となる。
特徴C14.前記ユニット体に設けられ、前記異常検知手段が前記異常な事象の発生を検知している場合には、前記媒体検知手段が前記遊技媒体の通過を検知しても当該遊技媒体の通過に基づいて前記媒体検知手段から前記中継手段への出力電圧を変化させない制限手段(演算回路460)を備えていることを特徴とする特徴C10乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、異常検知手段が異常な事象の発生を検知している場合には、遊技媒体の通過を検知してもそれに基づく媒体検知手段側の出力電圧が変化しないため、中継手段としては異常検知手段側の出力電圧の変化を監視することで異常の事象の発生を把握することができる。この場合、出力電圧の変化としては、(1)異常検知手段が異常な事象を検知していない状況下で媒体検知手段が遊技媒体の通過を検知した場合と、(2)異常検知手段が異常な事象を検知していない状況下でさらに媒体検知手段が遊技媒体の通過を検知していない場合と、(3)異常検知手段が異常な事象を検知している場合と、の3パターンの変化となる。とすると、これら3パターンの出力電圧値を、例えば抵抗値の異なる抵抗を配置することにより相違させることで、中継手段が媒体検知手段と異常検知手段との出力電圧を監視する配線を共用することが可能となる。これにより、別々の配線を用いる構成と比較して配線を少なくすることができる。配線が多くなると、例えば、当該配線上でノイズが発生する可能性も増加して、誤検知の発生も増加する。また例えば、当該配線を介して不正な基板(所謂ぶら下げ基板)を取り付ける行為も行いやすくなり得る。したがって、本特徴のように、複数の検知手段への配線を共用することで、上記懸念される不都合を抑制することが可能となる。
なお、上記の制限手段は、「前記ユニット体に設けられ、前記異常検知手段が前記異常な事象の発生を検知し且つ前記媒体検知手段が前記遊技媒体の通過を検知している場合には、前記異常検知手段から前記中継手段への出力を優先する優先手段」とも言える。
また、「前記ユニット体に設けられ、前記異常検知手段が前記異常な事象の発生を検知している場合には、前記媒体検知手段が前記遊技媒体の通過を検知することを無効化(キャンセル)する無効化(キャンセル)手段」とも言える。
特徴C15.前記媒体検知手段及び前記異常検知手段は、いずれも誘導磁界の変化を利用した検知手段であり、これら誘導磁界を発生させるコイル(コイル420,520)の軸線が少なくとも前記媒体検知手段及び前記異常検知手段の検知可能範囲内において互いに交差しないように設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C15によれば、両検知手段は誘導磁界の変化を利用した検知手段であるところ、両検知手段による誘導磁界の磁束が交わると相互干渉により互いに誤検知が発生し得る。特に特徴C1に記載したとおり、媒体検知手段と異常検知手段とが一体的に設けられており、このような構成の場合には両検知手段の距離が近くなるため相互干渉が発生し易い。そこで本構成のように、コイルの軸線が互いに交差しないように設けることで、磁束が交わる可能性を低減することが可能となり上記相互干渉による誤検知の発生を抑制することができる。
特徴C16.前記異常検知手段の検知対象は電波であることを特徴とする特徴C1乃至C15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C16によれば、遊技機に電波が印加されたことを特定することが可能となる。特に、媒体検知手段等に電波が印加されると、媒体検知手段では当該電波により遊技媒体の通過を検知できなかったり、遊技媒体の通過中の場合には一の遊技媒体の通過を複数回の通過と判定してしまったりする等の不都合の発生が懸念される。これに対して、異常検知手段が電波を検知可能とすることで、上記懸念される不都合の発生を特定することができ、異常検知用対応処理により遊技ホールの管理者等はその不都合の発生に対処することが可能となる。
そして、特徴C1に記載したように媒体検知手段と異常検知手段とが一体的に設けられているので、異常検知手段と媒体検知手段との距離を近くすることができる。したがって、不正な電波が印加され得る媒体検知手段に近い位置でその電波を検知することが可能となり、より迅速に電波が印加されたことを特定することができる。
なお、上記特徴C1〜C16に対して特徴A1〜A17の構成を適用してもよい。