JP2013255728A - 調剤支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】供給容器6の実充填量が規定量より多い水剤については抜取量案内や抜取量確認などに際して実充填量の情報を利用することにより拭取量不適の発生頻度を抑制する。
【解決手段】供給容器6から手動式吸入器具8で水剤を抜き取る調剤者に対し調剤指示データに基づく作業内容を通知装置14で知らせるとともに電子秤12での測定による水剤抜取時の重量変化に基づいて抜取量の適否を判定する情報処理装置13は、供給容器6の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について、規定量に加えて実充填量も薬品マスタにデータ保持し、容量単位で処方指示されたときは処方量を目標量とするが、供給容器単位で処方指示されたときは、目標量に規定量を採用するとともに、実充填量が規定量と異なる水剤について実充填量に基づく注意表示や閾値・個数的許容範囲チェックも行う。
【選択図】 図1

Description

この発明は、注射薬を手作業で調剤する調剤者を支援するための調剤支援システムに関し、詳しくは、注射薬やそれと混合される希釈液といった水剤の入っているバイアルやボトルといった供給容器から、注射針の着いていないシリンジやシリンジに注射針を装着した注射器といった手動式吸入器具を用いて、水剤を必要量だけ抜き取る際に、抜取量を計測して抜取量の適否を調剤者に通知する調剤支援システムに関する。
なお、この明細書において、容量的許容範囲は、抜取量が処方量等の基準値から変動しても許容される所定割合の許容範囲を意味する。
また、規定量は、供給容器の収容薬剤の公称値を意味し、実充填量は供給容器に実際に収容されている薬剤量を意味し、規定量充填剤は、収容薬剤の実充填量が規定量に一致している供給容器入り水剤を意味し、増量充填剤は、収容薬剤の実充填量が規定量より多い供給容器入り水剤を意味し、多量充填剤は、実充填量が規定量より多いが規定量を基準とした容量的許容範囲に収まっている供給容器入り水剤を意味し、過量充填剤は、実充填量が規定量を基準とした容量的許容範囲を超えて多い供給容器入り水剤を意味する。
さらに、個数的許容範囲は、総抜取量が規定量の処方指定個数倍などの理想値から変動しても違和感を生じない供給容器の個数レベルの許容範囲を意味し、抜取前容器重量は、水剤を収容していて未だ水剤を抜き取られていない供給容器の重量を意味する。
注射薬の施用に先立って希釈や,溶解,混合などの必要な水剤を調製する調剤作業では、各種の水剤を収容している複数の供給容器から一の又は複数の手動式吸入器具にて必要量の水剤を抜き取るとともに、手動式吸入器具から一の支給容器へ注入して混ぜ合わせることが行われる(例えば特許文献1〜3参照)。
その際、処方情報等から自動で調剤手順を決定してそれを調剤者通知のため印刷するとともに、支給容器の初期重量と最終重量とを測定してその差から水剤の使用量を確認するようになった処方薬調剤支援システムが実用化されている(例えば特許文献1参照)。このシステムでは、固形薬剤の収容器が固形薬剤の溶解に用いられる場合、液量確認のため、収容器に溶解液等を入れる前と後に収容器の重量を測定するようにもなっている。
また、安全キャビネットの陰圧作業空間内で、供給容器から液体を抜き取って支給容器に注入するためのシリンジについて空重量と吸入後重量とを測定し、その吸入後重量と空重量との差から吸入量を演算にて求め、更に供給容器と支給容器それぞれから識別情報を読み取って容器の適否を判定するとともにシリンジ内の吸入量が適量か否かを判定し、吸入量が不適の場合に不足量・超過量を体積で表示するようになった処方薬調剤支援システムが知られている(例えば特許文献2参照)。
さらに、調剤支援にとどまらず自動の水剤分注機も開発されている(例えば特許文献3参照)。この分注機では、液剤瓶を撮像装置で撮って液面を検出し、その変位から瓶内の液剤の体積変化を算出することで、投薬瓶への注入量を計量するようになっている。
このような従来システムでは、適量か否かの判定のためにコンピュータが用いられ、調剤や調剤支援の対象になりうる各薬品について薬品コードや,薬品名,成分単位,比重,供給容器の種類,供給容器の収容薬剤の規定量(公称値・表記値)といった情報をデータ検索に備えて予め纏めておいた薬品マスタがハードディスク等の記憶装置にてデータ保持されるとともに、各患者に対する処方箋に記された処方内容を電子データ化した処方箋データから調剤支援の対象になる部分を抽出した調剤指示データを取得する手段と、供給容器から手動式吸入器具で抜き取って支給容器へ注入すべき水剤の目標量を調剤指示データと薬品マスタとに基づいて求める手段と、その水剤の名称や目標量を調剤者に知らせるために表示装置に表示させる手段と、供給容器か手動式吸入器具か支給容器か何れかの重量変化の測定を調剤者に促す手段と、その重量変化に基づいて水剤の吸入量や使用量を算出する手段と、算出した吸入量や使用量が目標量の許容範囲の内外いずれにあるのかを調べて適量か否かを判定する手段と、その判定結果を調剤者に知らせるために表示装置に表示させる手段が、プログラムにて具体化され、コンピュータにインストールされている。
また、従来システムでは、供給容器や,手動式吸入器具,支給容器を用いて調剤した際、使用した器の重量を使用の前後に測定し、その重量変化に基づいて水剤の吸入量や使用量を算出するとき、水剤の吸入や注入にて増加した器の重量を求めるようになっており、水剤を抜き取られて減少した器の重量を求めるようにはなっていなかった。具体的には、供給容器から手動式吸入器具にて水剤を抜き取るときに、重量の増加する手動式吸入器具の重量変化は測定するようになっていたが、重量の減少する供給容器の重量変化を測定するようにはなっていなかった。
さらに、従来システムでは、供給容器の収容薬剤の規定量は薬品マスタにデータ保持していたが、供給容器に実際に収容されている実充填量まではデータ保持していなかった。供給容器に十分な薬剤が収容されていることを示せば良いとされていたのである。
特開2004−208842号公報 特開2010−179039号公報 特開2011−037488号公報 特開2010−096460号公報 特開2006−247150号公報 特開2006−120020号公報
ところで、大半の水剤は規定量を収容した供給容器で販売されているが、水剤と供給容器との組み合わせの一部については、供給容器に実際に収容されている実充填量が規定量を超えている場合がある。混注すなわち注射薬の混合では、各薬剤の抜取量について処方値から±10%や±5%といった所定割合の許容範囲(以下、本明細書では便宜上その許容範囲を容量的許容範囲と呼ぶ)内であれば適量である即ち抜取量が適正であるとされ、その容量的許容範囲から外れていれば不適とされるところ、抜取から注入までに水剤の粘性や薬剤師の熟練度さらには注射針の先端形状等に起因して吸入されないで供給容器に残留する水剤あるいは注射器の構造や調剤者の作業態様等に起因して支給容器に注入されないで注射針等に残留する水剤が、少量ではあっても、量目不足で不適となる不所望な事態の発生頻度を増やすのに加勢することから、それを相殺するよう予め多めに水剤を収容しておくことがあり、その場合、製薬メーカから販売された供給容器は、水剤の実充填量が規定量より多いものとなっている。
また、水剤の処方量は「ml」や「mg」等の容量単位で指定されることもあればバイアルやボトル等の供給容器単位で指定されることもある。前者の容量単位で処方された場合には、供給容器に収容されている水剤を調剤者が手動式吸入器具で抜き取りながら同じ調剤者が手動式吸入器具の目盛を読み取ることで必要量の抜取を目視確認するのに対し、後者の供給容器単位で処方された場合には、供給容器に収容されている水剤の全量を調剤者が手動式吸入器具で抜き取って供給容器が空になったことを同じ調剤者が目視確認することで必要量の抜取がなされたとされる。かかる目視確認では、容器の空状態の確認は、目盛読取での確認に比べて、調剤者の負担が軽いかわりに緻密さや正確さが劣りやすい、という傾向がある。そのため、上述した規定量より多めの実充填量が、量目不足で不適となる不所望な事態の発生の頻度を減らすのに寄与することとなる。
もっとも、拭取量不適の発生頻度が減るとは言っても拭取量不適が完全に無くなる訳ではなく、拭取量不適に気づかないで次の注入まで進んでから気づいたのでは対処に手こずることになるので、供給容器単位での処方の場合にも、容量単位での処方の場合と同様、供給容器や手動式吸入器具の重量変化を測定してその重量変化に基づいて水剤の抜取り量を算出する等のことにより、目視確認に加えて計量確認も行うことが望ましい。
しかしながら、従来システムでは、供給容器の収容薬剤の規定量はデータ保持して利用できるようになっていたが、供給容器の収容薬剤の実充填量は、データ保持されていなかった。当然、抜取量案内や抜取量確認などに利用できるようにもなっていなかった。
具体的には、処方箋での指示が供給容器単位でなされた場合であっても、抜取量を案内表示する際に抜き取るべき水剤の目標量として表示されるのは、供給容器の個数と供給容器の規定量とが並べて表示されるにとどまり、実充填量まで表示するようにはなっていなかった(例えば特許文献1参照)。
また、水剤抜取の前後に容器等の重量測定が行われることを前提にして重量変化に基づき自動で行う抜取量の確認については、従来では容量単位での処方の場合と手動式吸入器具の重量測定しか考慮されていない(例えば特許文献2参照)。具体的には、処方箋での指示が供給容器単位でなされた場合や、供給容器の重量を測定した場合に、どのように支援するのかが明確でないが、それらの場合は、実充填量が規定量より多くなっていることが目視確認では有益であると思われる場合である。
このため、従来システムにおける容量単位での処方に係る調剤時の案内や自動確認の手法を単純に供給容器単位での処方の場合に適用したのでは、目視確認では有益であった多めの実充填量が活用されないので、拭取量不適の発生頻度の抑制が十分とはいえない。
そこで、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤については抜取量案内や抜取量確認などに際して実充填量の情報を利用することにより拭取量不適の発生頻度を抑制する調剤支援システムを実現することが基本的な技術課題となる。
また、上述したように供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量に一致している水剤が大半であるところ(以下、本明細書では便宜上その水剤を規定量充填剤と呼ぶ)、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤については(以下、本明細書では便宜上その水剤を増量充填剤と呼ぶ)、実充填量が規定量より多いとは言っても上述の容量的許容範囲に収まっている水剤と(以下、本明細書ではその水剤を便宜上多量充填剤と呼ぶ)、実充填量が規定量の許容範囲を超えている水剤とが考えられるが(以下、本明細書ではその水剤を便宜上過量充填剤と呼ぶ)、何れの水剤であれ、現行の基準の下で行われる調剤では、供給容器毎の水剤の抜取量が各供給容器の規定量基準の許容範囲すなわち容量的許容範囲に入っていることが求められ、その条件が満たされれば、必然的に抜取量の総量も処方値の容量的許容範囲に収まるので、何ら問題が無く、適量であるとされていた。
そして、このような現行基準下で量目不足による拭取量不適の発生頻度を抑制するには、規定量充填剤については実充填量でもある規定量を目標量とし、増量充填剤のうち多量充填剤については規定量より多い実充填量を目標量とし、増量充填剤のうち過量充填剤については規定量基準の許容範囲の上限から許容超過量だけ例えば規定量の10%や5%だけ減じた値を目標量として、抜取量案内などを行うことが思い浮かぶ。この想定案では、過量充填剤には規定量充填剤や多量充填剤よりも煩雑な条件が課されているが、過量充填剤については、量目不足より副作用の影響の大きい量目過剰による拭取量不適が発生する可能性があるので、その回避を優先させるべきとも考えられるからである。とはいえ、供給容器単位で処方された多量充填剤や過量充填剤の調剤に際して、上述のように抜取量の目標量に実充填量を反映させると、抜取量が容量的許容範囲に収まるとは言え、抜取量が処方値・処方量よりも多めになる傾向が強まる。
これに対し、副作用の強い抗癌剤等では、量目過剰とまでいかない量目多めも、避けられるものなら避けるのが好ましい。そのため、供給容器単位で処方されたときの抜取量の目標量は何れの水剤についても各供給容器の規定量としたうえで、供給容器毎に抜取量か吸入量を秤量にて確認する、という調剤支援手法を採用することも考えられる。
しかしながら、この秤量確認は、従来より行われていた容量単位での処方の場合の確認手法を供給容器単位での処方の場合には供給容器毎に実行することにしたものと大差なく、秤量回数が増えて作業負担が重くなる割には利益の増加が少なく、利点は、抜取量が許容範囲に収まることにとどまり、抜取量を容量的許容範囲に収めるだけでなく更に抜取量が処方値・処方量より多くなる量や頻度を抑制するところまでは至っていない。
詳述すると、処方量を供給容器単位で指定した場合、総抜取量が供給容器の規定量の処方指定個数倍に一致するのが理想であるが、理想の達成が困難なため、上述したように供給容器毎の抜取量ひいては総抜取量が理想値すなわち供給容器の規定量の処方指定個数倍からずれても±10%や±5%といった所定割合の許容範囲内であれば適量とされるところ、供給容器単位での処方の場合には、例えば上述の容量的許容範囲に総抜取量が収まったとしても、総抜取量が理想値から供給容器一個分以上ずれると、処方値と調剤値とが整数レベルで異なっているという強い違和感が生じる。また、それほどずれが大きくなくても、総抜取量が理想値から供給容器半分以上ずれると、理想値よりも、理想値から供給容器一個分離れた値の方に、総抜取量が近づく。この状態でも、総抜取量が適量であると言うことには、やはり違和感が生じる。
例えば、許容範囲±10%の基準下で、実充填量が規定値より10%ほど多い増量充填剤が10個だけ処方されたときに、10個の供給容器すべてで全量が抜き取られたとすると、総抜取量は、許容範囲の上限のところで許容範囲に収まるが、個数レベルで見ると11個分となり、まるまる1個も多いと感じられる。また、実充填量と規定値との差の半分しか余分には抜き取られなかったときでも、その量が10個の供給容器で抜き取られたとすると、総抜取量は、許容範囲の上限より低いところで余裕をもって許容範囲に収まるが、個数レベルで見ると処方値の10個とそれより多い11個とのほぼ中間となり、四捨五入すると、処方値よりも、処方値から1個分ずれた11個の方に、近いと感じられる。
そのため、供給容器単位での処方に係る水剤抜取では、抜取量が容量的許容範囲に収まっているだけでなく、それに加えて、総抜取量が理想値である供給容器の規定量の処方指定個数倍に一致するか或いは一致しないまでも個数レベルで対応していると言える範囲いわば個数的許容範囲にも収まっていることが望まれる。特に、副作用の強い増量充填剤については、理想値に限りなく近づけるのが望まれるので、常に規定量を超えないように案内するといった調剤支援が好ましいと言えるが、そのような抜取作業を繰り返すのが困難な水剤についてこそ実充填量が規定量を超える供給形態が採られているのであるから、そこまで厳しくして調剤者に過剰な負担を課すのは避けたい。
そこで、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤については抜取量案内や抜取量確認などに際して実充填量の情報を利用することにより拭取量不適の発生頻度を抑制するとともに総抜取量が容量的許容範囲だけでなく個数的許容範囲にも収まるように支援する調剤支援システムを実現することが更なる技術課題となる。
本発明の調剤支援システムは(解決手段1)、上述した基本的な技術課題を解決するために創案されたものであり、
水剤を収容した供給容器から手動式吸入器具にて水剤を抜き取る調剤作業を遂行している調剤者に情報を提示する通知装置と、
前記供給容器と前記手動式吸入器具との何れか一方または双方の重量を測定しうる電子秤と、
処方箋データから支援対象部分を抽出した調剤指示データを取得する手段と、前記電子秤から測定結果を入力する手段と、各種の薬剤について薬品名と比重と供給容器の収容薬剤の規定量とを含む情報をデータ保持した薬品マスタと、前記調剤指示データに基づき前記供給容器から前記手動式吸入器具で抜き取るべき水剤の名称と処方量とを前記通知装置に提示させる案内手段と、その抜き取るべき水剤に係る容量単位での目標量を前記調剤指示データと前記薬品マスタとに基づいて求める決定手段と、前記供給容器と前記手動式吸入器具との何れか一方の重量測定を水剤抜取の前後で前記調剤者に促す催促手段と、その重量変化に基づいて水剤の抜取量を算出する算出手段と、この算出した抜取量が前記目標量の許容範囲の内外いずれにあるのかを調べて適量か否かを判定する判定手段と、その判定結果を前記通知装置に提示させる提示手段とを具備した情報処理装置と
を備えていて、前記調剤作業の遂行時に前記調剤者に対して前記通知装置の提示にて作業内容を知らせるとともに前記電子秤での重量測定を促し、それに応じて前記調剤者が水剤抜取を行うとともに前記電子秤で重量測定を行ったときには、その測定結果に基づいて抜取量の適否を判定し、更にその判定結果を前記通知装置の提示にて前記調剤者に知らせる調剤支援システムにおいて、
前記薬品マスタは、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる薬剤について規定量に加えて実充填量もデータ保持しており、
前記決定手段は、前記調剤指示データが容量単位での処方を指示しているときには前記処方量を前記目標量とし、前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには、前記薬品マスタにデータ保持されている供給容器の収容薬剤の規定量を前記目標量とするようになっており、
前記案内手段は、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について、前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているとき、前記処方量に加えて前記目標量を表示するとともに、前記薬品マスタにデータ保持された実充填量のうち対応するデータの表示と実充填量が規定量を超えている旨の注意表示とのうち何れか一方または双方の表示を前記通知装置に提示させるようになっており、
前記催促手段は、前記調剤指示データが容量単位での処方を指示しているときに加えて、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について、前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときにも、前記供給容器と前記手動式吸入器具との何れか一方の重量測定を水剤抜取の前後で前記調剤者に促すようになっている
ことを特徴とする。
また、本発明の調剤支援システムは(解決手段2)、上記解決手段1の調剤支援システムであって、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには水剤抜取の済んだ供給容器について前記算出手段の算出した抜取量を足し合わせて合算値を得る合算手段と、その合算値に基づいて処方指定個数の供給容器に係る総抜取量を予測する予測手段とを備え、前記判定手段は、前記予測手段が予測を行ったときにはその予測値が一個の供給容器の規定量を基準とした個数的許容範囲の内外いずれにあるのかを調べて適量か否かを判定することも行うようになっていることを特徴とする。
さらに、本発明の調剤支援システムは(解決手段3)、上記解決手段1の調剤支援システムであって、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには水剤抜取の済んだ供給容器について前記算出手段の算出した抜取量を足し合わせて合算値を得る合算手段を備え、前記判定手段は、前記合算手段が合算を行ったときにはその合算値が所定の閾値を超えたか否かの判定と該合算値に基づいて処方指定個数の供給容器に係る総抜取量を算出した予測値が一個の供給容器の規定量を基準とした個数的許容範囲の上限を超えたか否かの判定とのうち何れか一方または双方の判定を行うようになっており且つ各供給容器からの水剤抜取の度に前記算出手段で算出された供給容器毎の抜取量が適量か否かを判定するときには前記目標量でなく前記規定量を基準として許容範囲の内外いずれにあるのかを調べるようになっており、前記決定手段は、前記判定手段によって前記合算値が前記閾値または前記上限を超えていると判定されたときには前記目標量を前記規定量より小さな値に変更するようになっていることを特徴とする。
また、本発明の調剤支援システムは(解決手段4)、上記解決手段1〜3の調剤支援システムであって、前記薬品マスタは、前記判定手段が判定時に用いる許容範囲を定める所定割合の値を各薬剤毎にデータ保持しうるものである、ことを特徴とする。
また、本発明の調剤支援システムは(解決手段5)、上記解決手段3の調剤支援システムであって、前記判定手段は、前記目標量が前記決定手段によって前記規定量より小さな値に変更されて前記規定量を基準とした許容範囲の下限を下回ったときには供給容器毎の抜取量の適否判定を中止するようになっていることを特徴とする。
また、本発明の調剤支援システムは(解決手段6)、上記解決手段1の調剤支援システムであって、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには水剤抜取の済んだ供給容器について前記算出手段の算出した抜取量を足し合わせて合算値を得る合算手段を備え、前記判定手段は、前記合算手段が合算を行ったときにはその合算値が所定の閾値を超えたか否かの判定を行うようになっており、前記案内手段と前記決定手段と前記催促手段と前記判定手段は、前記判定手段によって前記合算値が前記閾値を超えていると判定されたときには、前記調剤指示データにおける処方量が供給容器単位から供給容器の規定量の処方指定個数倍を値とする容量単位に変更されたものとして以後の処理を行うとともに、判定時に用いる許容範囲を狭めることも行うようになっていることを特徴とする。
また、本発明の調剤支援システムは(解決手段7)、上記解決手段1〜6の調剤支援システムであって、前記薬品マスタは、供給容器の収容薬剤の規定量をデータ保持している水剤について薬剤収容状態の供給容器の重量をもデータ保持することができるようになっており、前記算出手段は、処方指示された水剤に係る薬剤収容状態の供給容器の重量が前記薬品マスタにデータ保持されているときには、水剤抜取前の供給容器の重量測定の結果に代えて前記薬品マスタの重量データと水剤抜取後の供給容器の重量測定の結果との重量変化に基づいて水剤の抜取量を算出することができるようになっている、ことを特徴とする。
このような本発明の調剤支援システムにあっては(解決手段1)、処方量が容量単位で指示されたときには従来と同様に処方量をそのまま用いて抜取量案内や抜取量確認などが行われるが、処方量が供給容器単位で指示されたときには、処方に忠実な供給容器単位での処方量が案内表示されるだけでなく、規定量に基づく目標量も案内表示される。さらに、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤が供給容器単位で処方されたときには、処方量や規定量に加えて、実充填量または増量注意までも、案内表示される。
このように、処方指示を守るのに必要な供給容器単位での案内表示は欠かすことなく行われたうえで、容量単位での理想値である規定量に基づく目標量や、実充填量が規定量より多いことを調剤者に知らせる注意も、併せて表示されるようにしたことにより、増量充填剤の水剤抜取については調剤者が従来より深い注意を払うこととなる。
また、処方指示が供給容器単位であっても、供給容器単位での処方指示では空容器の目視確認しか行われなかった従来と異なり、処方指示が容量単位であるときと同様の確認まで行われるので、すなわち抜取量の重量測定とそれから算出した抜取量が目標量を基準とした容量的許容範囲に収まっているか否かという追加の確認まで行われるので、抜取量確認の信頼性が高まる。
したがって、この発明によれば、抜取量案内や抜取量確認などに際して実充填量の情報を利用することにより拭取量不適の発生頻度を抑制する調剤支援システムを実現することができ、上述した基本的な技術課題が解決される。
また、本発明の調剤支援システムにあっては(解決手段2)、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤が供給容器単位で処方されると、上述したように各供給容器から水剤を抜き取る度に容量的許容範囲の確認がなされるのに加えて、水剤抜取の作業完了前に途中までの作業状態から作業完了時の総抜取量が予測されるとともに、その予測に基づく適否判定結果が調剤者に知らされる。このように、容量的許容範囲の事後確認に加えて個数的許容範囲の事前確認まで行われるようにしたことにより、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤については抜取量案内や抜取量確認などに際して実充填量の情報を利用することにより拭取量不適の発生頻度を抑制するとともに総抜取量が容量的許容範囲だけでなく個数的許容範囲にも収まるように支援する調剤支援システムを実現することができ、その結果、上述した更なる技術課題が解決される。
さらに、本発明の調剤支援システムにあっては(解決手段3)、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤が供給容器単位で処方されると、上述したように各供給容器から水剤を抜き取る度に容量的許容範囲の確認が行われるのに加えて、容量的許容範囲と個数的許容範囲とを共に満足させるのが難しくなる可能性が高いとの基準で定められた微調閾値に対する超過の確認や個数的許容範囲に対する超過予測の確認も行われ、超過時には目標値が引き下げられるので、超過回避の方に調剤者が誘導されることとなる。その一方で、容量的許容範囲の確認には規定量が基準値として使い続けられることから、目標量が変更されても容量的許容範囲は維持されるので、処方指示に反するおそれは無い。
したがって、この発明によれば、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤については抜取量案内や抜取量確認などに際して実充填量の情報を利用することにより拭取量不適の発生頻度を抑制するとともに総抜取量が容量的許容範囲だけでなく個数的許容範囲またはそれに準じた固定範囲にも収まるように支援する調剤支援システムを実現することができ、その結果、上述した更なる技術課題が解決される。
また、本発明の調剤支援システムにあっては(解決手段4)、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量より多い水剤が供給容器単位で処方されると、上述したように各供給容器から水剤を抜き取る度に容量的許容範囲の確認が行われるが、その範囲を水剤毎に設定することができるので、効力や副作用の強い水剤については容量的許容範囲を狭くしておくことで簡便に、拭取量不適の発生頻度の抑制を強化することができる。
また、本発明の調剤支援システムにあっては(解決手段5)、目標量が個数的許容範囲の下限を下回る状態は、処方量が供給容器単位で指示されたときには供給容器毎に抜取量が許容範囲に収まるようにするという現行の基準が守れなくなった状態であるから、その状態になったときには、現行基準下の判定が中止される。そのため、超過時の目標量の引き下げが例え大幅であっても、目標量を目指して行った水剤抜取が不適とはされないので、超過回避に向けて調剤者を迷わせることなく強く誘導することができるので、調剤者に過大な負担を負わせることなく、拭取量不適の発生頻度の抑制を強化することができる。
なお、この解決手段は、処方量が供給容器単位で指示されたときには供給容器毎に抜取量が許容範囲に収まるようにするという現行の基準が絶対的なものでなく、供給容器単位での処方指示であっても供給容器毎の抜取量は問題とせず総抜取量が供給容器の規定量の処方指定個数倍に適合していれば良いという医師側の了解が得られている場合など、処方指示に応じた調剤態様の変更や拡張が許容される場合に、実行される。
また、本発明の調剤支援システムにあっては(解決手段6)、処方量が供給容器単位で指示されたときには供給容器毎に抜取量が許容範囲に収まるようにするという現行の基準の遵守が難しくなった状態が合計値と閾値との比較にて検知され、その状態になったときには、供給容器単位に係る現行基準を遵守する調剤支援は諦め、その代わりに容量単位に係る現行基準に準じた形で調剤支援が続行されるので、調剤者に過大な負担を負わせることなく、調剤支援を全うすることができる。しかも、その際、許容範囲が狭められるため、超過回避に向けて調剤者が強く誘導されるので、拭取量不適の発生頻度の抑制が強化されることとなる。なお、この解決手段も、上述した解決手段5と同様、処方指示に応じた調剤態様の変更や拡張が許容される場合に実行される。
また、本発明の調剤支援システムにあっては(解決手段7)、少なくとも一部の水剤については、水剤抜取前の供給容器の重量測定の結果に代えて薬品マスタのデータが使えるようにもしたことにより、水剤抜取前の重量測定を省いたり忘れたりしても測定結果に基づく適否判定が不都合なく行われる。特に、供給容器単位で処方が指示された場合、抜取量確認に必要な重量測定を供給容器毎に行うことを調剤者に課したことによる作業量の増加分の一部が減殺されるので、調剤者の作業負担の軽減効果が大きい。
本発明の実施例1について、調剤支援システムの構造を示し、(a)が調剤支援システムを調剤台に設置したところの正面図、(b)がハードウェアの概要ブロック図、(c)がソフトウェアの機能ブロック図、(d)が薬品マスタのデータ構造図、(e)が調剤指示のデータ構造図である。 調剤支援の基本手順を示すフローチャートである。 調剤支援の基本手順を示すフローチャートである。 調剤支援の基本手順を示すフローチャートである。 調剤支援の基本手順を示すフローチャートである。 二種の水剤を抜き取る調剤作業の概要フローチャートである。
このような本発明の調剤支援システムについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
図1〜図6に示した実施例1は、上述した解決手段1〜7(出願当初の請求項1〜7)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、詳細な機械図面や電子回路図などは図示を割愛し、ブロック図やフローチャートを多用した。
本発明の調剤支援システムの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が調剤支援システム10を調剤台4に設置したところの正面図、(b)が調剤支援システム10のハードウェアの概要ブロック図、(c)が情報処理装置13のソフトウェアの機能ブロック図、(d)が薬品マスタのデータ構造図、(e)が調剤指示のデータ構造図である。また、図2〜図5は、情報処理装置13による調剤支援の典型的な手順を示すフローチャートである。なお、そのフローチャートは主要な手順の一例であり、細部や例外的な手順さらには異常処理やエラー処理などは省かれている。
調剤支援システム10は(図1(a),(b)参照)、プログラマブルな情報処理装置13と、情報処理装置13の入力機器として情報処理装置13に信号ケーブル等で接続されたリーダ11と電子秤12と操作入力装置15と、情報処理装置13の出力機器として情報処理装置13に信号ケーブル等で接続された通知装置14とを具えたものであり、この例では、それら総てが調剤台4に装備されている。なお、情報処理装置13は、処方箋の内容・情報を電子データ化した処方箋データか或いは処方箋データから支援対象部分すなわち情報処理装置13の処理対象部分を抽出した調剤指示データを入力するために、外部の処方箋データ送信部16とも通信ケーブル等で接続されている。
処方箋データ送信部16は、処方箋データや調剤指示データを有線通信や無線通信で情報処理装置13に送信するものであり、典型例としては、処方箋データを集中管理している処方オーダエントリシステムや(例えば特許文献1,5参照)、印刷された処方箋を読み取って電子データ化する処方箋受付装置(例えば特許文献6参照)が挙げられる。なお、操作入力装置15を使用して情報処理装置13に処方内容や調剤指示を入力することもできるので、処方箋データ送信部16は本願発明の実施に必須のものではない。
調剤台4は、水剤を収容した供給容器6から手動式吸入器具8にて水剤を抜き取る調剤作業を調剤者が遂行する作業台であり、調剤支援システム10を設置して調剤作業が行えれば、簡素な平机でも良く、作業板の付いた調剤棚でも良く、単独で設置できる設備でも良く、他の設備に付属した設備でも良く、病院に設置されることが多いが(例えば特許文献1参照)、その他の所に設置されていても良く、大気圧下でも良く、陽圧や陰圧の環境に置かれても良く(例えば特許文献2参照)、クリーンルームやクリーンベンチ等の清浄区間の内外いずれに置かれても良い(例えば特許文献4参照)。
調剤台4の作業面の上には、リーダ11と電子秤12が定常的に置かれており、調剤作業時には供給容器6と手動式吸入器具8も置かれる。
また、調剤台4のうち調剤者の視認しやすい部位に通知装置14が設置され、調剤台4のうち調剤者の操作しやすい部位に操作入力装置15が設置されている。
なお、この例では、情報処理装置13も調剤台4に設置されているが、調剤者が直に知覚や操作するものではない情報処理装置13等は調剤台4とは別の所に設置されていても良い。
供給容器6は、水剤を収容して密封した容器であり、典型例としてバイアルや,ボトル,アンプル,バッグが挙げられる。水剤は、注射薬が典型例であるが、注射薬を薄める希釈液や,錠剤や散薬を液化する溶解剤,点滴用の輸液なども、該当する(例えば特許文献2参照)。
手動式吸入器具8は、人手で操作することにより供給容器6から水剤を抜き取って内部空間に吸入できる器具であり、典型例として、注射針を装着した注射器や,注射針の着いていないシリンジが、挙げられる(例えば特許文献2参照)。
リーダ11は、供給容器6や手動式吸入器具8に付された識別情報を読み取って情報処理装置13に送信する装置であり、バーコードリーダや,カラービットコードリーダ,OCR等が挙げられる(例えば特許文献1,2参照)。
電子秤12は、水剤を収容している供給容器6や水剤を吸入した手動式吸入器具8の重量を精度良く測定しうる精密な秤であって、測定重量すなわち測定結果の重量値を情報処理装置13に送信するようになっている(例えば特許文献1,2参照)。
操作入力装置15は、人の操作にて所望の情報を情報処理装置13に入力するためのものであり、手指で操作するタッチパネルや,マウス,キーボードが典型例であるが(例えば特許文献1,2参照)、足で操作するフットスイッチ等であっても良い。
通知装置14は、水剤を収容した供給容器6から手動式吸入器具8にて水剤を抜き取る調剤作業を遂行している調剤者に情報を提示するためのものであり、視覚利用の液晶パネル製ディスプレイといった表示器が典型的であるが(例えば特許文献1,2参照)、それと併用される又はそれに代わる聴覚利用のスピーカといった音響機器でも良い。
図示したタッチパネルは通知装置14と操作入力装置15を一体化したものである。
情報処理装置13は(図1(b),(c)参照)、民生用のパーソナルコンピュータや産業用のマイクロプロセッサシステムといったプログラマブルな汎用のハードウェアと、それにインストールされたプログラム及びデータとを具えている(例えば特許文献1,2参照)。主なデータとして薬品マスタと調剤指示データがあり、これらのデータは内蔵メモリや外付けハードディスク等の記憶装置に保持されるが、薬品マスタはキー検索等に適したデータベースで構成され、調剤指示データは先入れ先出し処理に適したキュー形式やテーブル形式で構成されている。また、プログラムは適宜なプログラムモジュールやサブルーチンで構成されていて、調剤指示データ取得手段と案内手段と決定手段と催促手段と測定重量入力手段と算出手段と判定手段と提示手段と合算手段と予測手段とを具現化している。
薬品マスタは(図1(d)参照)、各種の薬剤に係る薬品コードと薬品名と容量単位と比重と供給容器の種類と供給容器の収容薬剤の規定量といった情報をデータ保持しているが(例えば特許文献1,2参照)、更に各種の水剤に係る供給容器の収容薬剤の量について、供給容器の収容薬剤の規定量(以下、単に規定量と呼ぶ)に加えて、供給容器の収容薬剤の実充填量(以下、単に実充填量と呼ぶ)も、データ保持している。実充填量が規定量と同じ薬剤については規定量をデータ保持していれば実充填量はデータ保持していてもいなくても良いが、実充填量が規定量と異なる薬剤については規定量に加えて実充填量もデータ保持している。容量単位は、体積単位ではmLが多用され、質量単位・重量単位ではmgが多用され、両者の換算のために比重をデータ保持している。
また、薬品マスタは、水剤を収容していて未だ水剤を抜き取られていない供給容器の重量(以下、単に抜取前容器重量と呼ぶ)についても、各薬剤毎に項目が確保されていて、データ保持することができるようになっている。抜取前容器重量は、予め重量が測定されており且つ重量のばらつきが無視できるものについてだけ、データが登録されて保持されている。さらに、薬品マスタは、容量的許容範囲を定める所定割合の値すなわち既述した±10%や±5%に相当する値についても、各薬剤毎に項目が確保されていて、データ保持することができるようになっている。所定割合は、既述した±10%や±5%といった汎用値・通常値とは異なる割合を適用したい薬剤についてだけ、データが登録されて保持されており、該当する薬剤にだけ適用される。所定割合には、副作用が強い薬剤や効力が強い薬剤について許容範囲を狭めたいときなどに例えば±4%や±3%といった値が設定される。医師が患者の容体を加味して必要と判断して処方箋等で指示したような場合には、その処方に基づく調剤時だけ所定割合のデータ値を一時設定することも可能である。
調剤指示データは(図1(e)参照)、各患者の処方箋データから、調剤作業時に調剤支援システム10で支援する対象となる部分を、抽出したものであり、基本的にRP単位(施用単位)で纏められ、一つ又は複数のRP単位データが含まれている。このような調剤指示データには、薬品名と処方量とが含まれており、そのうち薬品名には水剤の名称が一つ以上含まれている。また、処方量は、上述した容量単位たとえばmLやmgで指示されていることもあれば、供給容器単位たとえば個数や本数で指示されることもある。後者の場合すなわち処方量が供給容器単位で指示されている場合であって更に該当供給容器の規定量と実充填量とが異なるときに、実充填量の情報を利用することにより拭取量不適の発生頻度を抑制することができるように、調剤支援システム10の情報処理装置13のソフトウェアが改良されている。
調剤指示データ取得手段は(図1(c)参照)、操作入力装置15や処方箋データ送信部16から調剤指示データを入力することで直ちに、あるいは操作入力装置15や処方箋データ送信部16から処方箋データを入力して更にその処方箋データから支援対象部分を抽出することで、調剤指示データを取得するものであり、取得した調剤指示データを次々とバッファリング用のデータ領域に記憶して蓄積するようになっている。取得した処方箋データに含まれているデータがRP単位(施用単位)で一単位分のデータだけでありそれが調剤支援対象であれば、処方箋データがそのまま調剤指示データになるが、それを超えるデータが処方箋データに含まれている場合は、処方箋データの一部から一の調剤指示データが作成され、一の処方箋データから一の又は複数の調剤指示データが作成される。
案内手段は、上述した調剤指示データ取得手段によって取得蓄積された調剤指示データであって未だ処理されていないものが一つでもあれば、その一覧を通知装置14に提示させ、その中から一つが操作入力装置15の操作にて選択されるのを待つとともに、リーダ11でコード読取がなされるのも待ってリーダ11で読み取られたコードが一覧の調剤指示データの何れかの薬品コードと一致すればその調剤指示データが選択されたものとする。そして、調剤指示データが選択されると、その調剤指示データに含まれている薬品名と処方量を、供給容器6から手動式吸入器具8で抜き取るべき水剤の名称と処方量に採用するようになっている。さらに、次に詳述する決定手段に目標量を決定させて、それを取得し、水剤の名称と処方量と目標量とを通知装置14に提示させるとともに、後で詳述する催促手段に水剤抜取前の重量測定の催促を行わせるようにもなっている。
また、案内手段は、水剤が増量充填剤すなわち供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤であるか否かを薬品マスタで調べて、水剤が増量充填剤であるときは、通知装置14での提示に際して、その水剤の実充填量すなわち薬品マスタにデータ保持された充填量のうち対応するデータも例えば規定量と並べて色分けして通知装置14に表示させるとともに、その水剤については実充填量が規定量を超えている旨の注意表示たとえば「規定量<実充填量(多量注意)」や「規定量<実充填量(過量注意)」といった説明文も通知装置14に表示させるようになっている。また、案内手段は、通知装置14での提示に際し、容量的許容範囲の所定割合がデータ設定されている薬剤についてはその値やその旨を文字や色分けで表示させ、医師から処方箋等で注意の指示が出されている薬剤については「Dr」等のマークを表示させることも行うようになっている。
さらに、案内手段は、調剤指示データが選択される度に又は随時、処方箋データや操作入力装置15による増量充填モードの設定も受け付けるようになっている。増量充填モードは、供給容器単位で処方指示された増量充填剤の抜取支援に際して、個数的許容範囲の判定を行うか否かや、総抜取量の予測値が閾値を下回ったときに供給容器毎の判定を中止するか否か、合算値が閾値を上回ったときに個数的許容範囲の判定を止めて容量的許容範囲に切り替えるか否か、調剤の度に医師の許可を得なくても良いか否か、といったことの可否を定めたものである。モードによって各手段の機能が部分的に働かなくなったりするが、それぞれを場合分けして説明すると煩雑になるので、以下の説明では、総てが肯定的な方に定められているモードが増量充填モードに設定されているものとする。
決定手段は、供給容器6から手動式吸入器具8にて抜き取るべき水剤に係る容量単位での目標量を調剤指示データと薬品マスタとに基づいて求めるものであり、その際、抜取の目標量を決めようとしている水剤に関して、容量単位での処方指示の場合すなわち調剤指示データが容量単位での処方を指示している場合には処方量をそのまま目標量に採用するが、供給容器単位での処方指示の場合すなわち調剤指示データが供給容器単位での処方を指示している場合には、処方量そのままでなく、各供給容器毎に抜取量を確認するために、規定量を目標量に採用するようになっている。また、決定手段は、処方値を基準とした所定割合の許容範囲である容量的許容範囲や、一個の供給容器の規定量を基準とした個数的許容範囲も、判定に必要なので、決定するようになっている。
容量的許容範囲には、処方箋や操作入力装置15で個別に指定されればその指定値が優先採用され、そのような指定は無いが薬品マスタの所定割合がデータ登録されていればそれが採用され、それも無ければ操作入力装置15等で予め設定された例えば±5%の一般的な範囲が採用されるようになっている。個数的許容範囲には、規定量のα倍たとえば0.5倍や1倍といった係数や,適宜な一定値が採用されるようになっている。この場合、基本的な個数的許容範囲は、「±規定量×α」となり、規定量を基準とした個数的許容範囲は、「規定量±(規定量×α)」となり、予測値と比較される個数的許容範囲は、理想の抜取量が基準なので「(抜取済み供給容器数×規定量)±(規定量×α)」となる。
さらに、決定手段は、供給容器単位での処方指示の場合、判定手段の判定結果に応じて目標量や許容範囲などを変更することも行うが、これについては後述する。
催促手段は、上述したように案内手段から要請されると、それに応じて水剤抜取の前に調剤者に重量測定を行わせるための催促を通知装置14に提示させるが、そのとき、供給容器6と手動式吸入器具8とのうち何れか一方の重量測定を促すようになっている。また、その催促後に重量測定のあった旨の通知を測定重量入力手段から受けると、水剤抜取の後にも調剤者に重量測定を行わせるための催促を通知装置14に提示させるようになっているが、そのときは、供給容器6と手動式吸入器具8とのうち水剤抜取の前に重量測定したものの再測定を促すようになっている。このような抜取前後での重量測定の催促は、調剤指示データが容量単位での処方を指示しているときに加えて、調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときにも行われ、薬剤が規定量充填剤であれ増量充填剤であれ行われるが、重量測定モードが抜取前容器重量(薬剤収容状態の供給容器の重量)を使用するモードに設定されている場合、水剤抜取前の供給容器の重量測定は省略可能なので、その催促は省かれるようになっている。
そのため、催促手段と案内手段は、水剤が選択される度に、上記の測定催促に先立ち、薬品マスタにおける供給容器の重量の項目に抜取前容器重量がデータ登録されているか否かを調べ、登録があれば抜取前容器重量が使用可能なので、水剤抜取の前の供給容器の重量測定に代えて抜取前容器重量を使用するか否かの重量測定モードを設定させるための催促を通知装置14に提示させ、操作入力装置15にて重量測定モードの入力や選択が行われると、それに応じて重量測定モードを設定するようになっている。
また、催促手段と案内手段は、許容範囲を個別設定可能な動作モード下では、水剤が選択される度に、上記の測定催促に先立ち、許容範囲を設定させるための催促を通知装置14に提示させ、操作入力装置15にて例えば割合値や一定値の入力や選択が行われると、それに応じて許容範囲を設定するようにもなっている。
測定重量入力手段は、電子秤12を用いて重量測定が行われ、それに応じて電子秤12から測定結果がデータ送信されて来ると、その測定重量を入力して次に詳述する算出手段に引き渡すと共に、重量測定がなされたことを催促手段等に通知するようになっている。
算出手段は、測定重量入力手段から水剤抜取の前後の測定重量を受け取ると、その重量変化に基づいて水剤の抜取量を算出するものであり、その際、正の重量変化についてはその変化量すなわち[水剤抜取の後の測定重量−水剤抜取の前の測定重量]をそのまま水剤の抜取量とするが、負の重量変化についてはその変化量の絶対値を水剤の抜取量とし、その抜取量を判定手段や合算手段に引き渡すようになっている。なお、重量測定モードが水剤抜取前の供給容器の重量測定に代えて抜取前容器重量を使用するモードに設定されている場合は、上述した重量変化に基づく抜取量算出に際し、水剤抜取前の測定重量に代えて、薬品マスタにデータ保持されている抜取前容器重量を使用するようになっている。
合算手段は、一種類の薬剤に対する一の処方量に係る調剤作業すなわち水剤抜取と重量測定とが行われている間、水剤抜取の済んだ供給容器について算出手段の算出した抜取量を足し合わせることにより合算値を得るようになっている。この例では、処方指示が容量単位であれ供給容器単位であれ何時でも合算が行われるので、少なくとも供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには、合算値が算出されるものとなっている。また、この合算によって、容量単位で処方が指示されたときに処方量が一個の供給容器の充填量より多くて複数個の供給容器から水剤を抜き取らなければならない場合でも、処方量が少ないときと同様の手順で適切に処理できるものとなっている。
予測手段は、処方指定個数の供給容器からの水剤抜取が完了する前に、その途中段階までに行われた水剤抜取に係る合算手段の合算値に基づいて、仮にそのままのペースで水剤抜取が続行されたとの想定下で、処方指定個数の供給容器に係る総抜取量を推定演算することにより、総抜取量を予測するものである。例えば、規定量20mlの供給容器を10個だけ指定した調剤指示データに応じて調剤者が3個の供給容器から水剤抜取を終えたところで58mlを抜き取ったとすると、演算式(58ml/3個)×10個の算出値を総抜取量の予測値とするようになっている。これは単純な平均値で総抜取量を予測するという直截的で簡便な方式であるが、それだとサンプル数の少ない初期には予測精度が良くないので、適宜な重み付けを併用しても良く、適宜な高次の予測式たとえば二次式や三次式などを適宜な評価法たとえば最小自乗法で当てはめるといった方式を採用しても良い。
判定手段は、算出手段の算出した抜取量が、決定手段の決めた容量的許容範囲に入っているのか、その許容範囲から外れているのかを調べて、入っていれば適量と判定し、外れていれば不適と判定するが、その際、容量単位での処方指示の場合は処方量を基準とした容量的許容範囲について抜取量の適否を判定し、供給容器単位での処方指示の場合は規定量を基準とした容量的許容範囲について抜取量の適否を判定するようになっている。すなわち、この判定手段は、各供給容器からの水剤抜取の度に算出手段で算出された供給容器毎の抜取量が適量か否かを判定するときには目標量でなく規定量を基準として容量的許容範囲の内外いずれにあるのかを調べるものとなっている。
また、判定手段は、そのような基本的な判定だけでなく、供給容器単位での処方の場合は更に三つの加重的な判定も行うようになっている。すなわち、供給容器単位での処方指示の場合は、「規定量±薬品マスタの所定割合」や「規定量±5%」といった容量的許容範囲について抜取量の適否を判定したうえで更に、後で詳述する個数的許容範囲での判定と微調閾値超過の判定と不調閾値超過の判定も行うものとなっている。
個数的許容範囲での判定では、「予測手段の予測した総抜取量の予測値」と「供給容器単位の処方量を容量単位に変換した規定量×処方指定個数」との差が、「決定手段の決めた個数的許容範囲である±規定量×α倍」に入っているのか、それとも、その許容範囲から外れているのかを調べて、入っていれば適量と判定するが外れていれば不適と判定するようになっている。
微調閾値超過の判定では、合算手段の合算値が微調閾値を超えたか否かを調べて、超えていなければ適量と判定するが超えていれば不適と判定するようになっている。微調閾値は、予め設定された例えば20mlや30mlといった一定値が典型例であり、これを超える状態が続いたら早々に容量的許容範囲を満足し続けながら個数的許容範囲も満足するのが難しくなるであろうという基準で決められている。ただし、供給容器によって規定量に大きく異なるといった理由から一定値を採用するのが困難な場合等には、個数的許容範囲と同様に規定量×β倍としても良いが、係数βは係数αより大きくされる。
しかも、このような判定手段の判定に応じて、決定手段は、判定手段による微調閾値超過の判定で合算値が閾値を超えていると判定されたときにも、判定手段による個数的許容範囲での判定で予測手段の予測値が個数的許容範囲の上限を超えていると判定されたときにも、目標量を規定量より小さな値に変更するようになっている。例えば、超過量の分だけ目標量を下げたり、超過量の半分だけ目標量を下げたり、容量的許容範囲の四半分だけ下げたり、それらを所定割合で組み合わせた量だけ下げるようになっている。
また、判定手段は、目標量が決定手段によって規定量より小さな値に変更されて規定量を基準とした容量的許容範囲の下限を下回ったときには供給容器毎の抜取量の適否判定を中止する。具体的には、毎確認フラグをオンからオフに変更するようになっている。
不調閾値超過の判定では、合算手段の合算値が不調閾値を超えたか否かを調べて、超えていなければ適量と判定するが超えていれば不適と判定するようになっている。不調閾値は、予め設定された例えば40mlや50mlといった一定値が典型例であり、微調閾値より大きい。これは、これを超えた時点で容量的許容範囲を満足し続けながら個数的許容範囲も満足するのが難しくなっているであろうという基準で決められている。不調閾値も、一定値でなく、規定量×γ倍としても良いが、係数γは係数βより大きくされる。
そして、合算値が不調閾値を超えていると判定手段によって判定されたときには、調剤指示データにおける処方量が供給容器単位から供給容器の規定量の処方指定個数倍を値とする容量単位に変更されたものとして、具体的には適宜なモードやフラグを変更して容量単位に適合させて、判定手段に加えて案内手段も決定手段も催促手段も、以後の処理を行うようになっている。また、判定時に用いる容量的許容範囲を例えば個数的許容範囲の規定量のα倍に変更して狭めるといったことも行うようになっている。
提示手段は、判定手段の判定結果を通知装置14に提示させるとともに、判定結果が不適の場合は水剤抜取の微調整と再測定を調剤者に促すようになっており、微調整の催促では供給容器からの抜取量あるいは手動式吸入器具の吸入量の不足量・超過量を通知装置14で調剤者に提示するが、その際、使用中の手動式吸入器具に関する内腔断面積や目盛幅などの情報が利用可能であれば、抜取量の不足量・超過量を重量パーセントと目盛で提示し、利用できなければ重量パーセントだけ提示する。また、提示手段は、判定手段の判定結果が適量なら、一回の抜取に係る終了処理を行うようになっている。
これらの各手段が連携して行われる調剤支援の典型的な手順では(図2〜図5参照)、調剤指示データ取得手段によって調剤指示データが随時蓄積されることを前提として、案内手段によって、先ず未処理の調剤指示データの有無が調べられ(ステップS20)、それがあると、選択可能な調剤指示データ具体的には水剤の名称と処方量などが通知装置14で調剤者に提示され(ステップS21)、その中から何れかの調剤指示が操作入力装置15で選択されると(ステップS22)、その選択された調剤指示データに含まれている水剤のうち手動式吸入器具8での抜取対象として選択しうる水剤が通知装置14にて明示される(ステップS23)。なお、フローチャートでは割愛したが、操作入力装置15での選択に代えて、調剤者が水剤の抜取対象に選択した供給容器6の識別情報をリーダ11に読み取らせると、上述した手順がスキップされて、読み取られた識別情報を付された水剤を含んでいる調剤指示データだけが選択対象とされる。
そして、選択対象の中から何れかの水剤が選択されると(ステップS24)、抜き取るべき水剤が確定し、その水剤に係る容量単位での目標量が決定手段によって決められる(ステップS25)。具体的には、上述したように、処方量が容量単位で指示されていれば、処方量がそのまま(mgをmLに換算する程度のことはそのままのうちとして)目標量とされるが、処方量が供給容器単位で指示されていれば、供給容器単位で一単位にあたる容量単位での目標量には、規定量が採用される。また、許容範囲を個別設定可能な動作モード下では(ステップS26)、催促手段によって、容量的許容範囲の所定割合や,個数的許容範囲のα,微調閾値,不調閾値といった値の設定が通知装置14を介して催促され、それに応じて調剤者が操作入力装置15で設定値を入力すると許容範囲の設定が行われる(ステップS29)。この設定は任意であり、パスすると既定値が使用される。
それから(ステップS29)、案内手段によって、水剤の抜取の目標量と許容範囲とが通知装置14で調剤者に提示され、具体的には抜き取るべき水剤の名称と処方量と目標量と容量的許容範囲などが提示される。その際、調剤指示データが供給容器単位で水剤の処方を指示しており而もその水剤が薬品マスタに照らして増量充填剤であれば、薬品マスタにデータ保持されていて処方水剤に該当する実充填量と、その水剤が多量充填剤なのか過量充填剤なのかという説明や目立つ色合いの注意マークも、提示される。
さらに、抜取前容器重量のデータが薬品マスタに登録されているか否かが調べられ(ステップS30)、登録されていれば使用可能なので(ステップS31)、催促手段によって、重量測定モードの設定が通知装置14を介して催促され、それに応じて調剤者が操作入力装置15で設定を行うと重量測定モードが設定される。この設定も任意であり、パスすると、水剤抜取前の測定重量値を抜取前容器重量で代用しないモードが採用される。
こうして動作モードが決まると、既に供給容器6の識別情報がリーダ11で読み取られている場合は別として、供給容器6の識別情報をリーダ11に読み取らせるのを促す案内が調剤者に提示される(ステップS32)。それに応じて調剤者が水剤を抜き取るべき供給容器6の識別情報をリーダ11に読み取らせると、その読み取った識別情報の適否が判定され(ステップS33)、適正との確認が得られると(ステップS34)、催促手段によって、水剤抜取と重量測定モードに対応した重量測定とを調剤者に促す催促が通知装置14で提示される。
具体的には、先ず、重量測定モードが水剤抜取前の測定重量値を抜取前容器重量で代用しないモードになっている場合を述べると、水剤抜取の前に供給容器6か手動式吸入器具8か何れか一方の器の重量測定を調剤者に促す催促が通知装置14で提示される。
そして、何れかの器の重量が電子秤12で測定されると、その測定重量が測定重量入力手段によって入力され、その測定重量は一時データとして保持しながら、案内手段や催促手段によって、水剤を収容している供給容器6から水剤を目標量だけ抜き取る作業の催促と、その水剤抜取の後に抜取前と同じ器の重量を再び測定することの催促とが、通知装置14で調剤者に提示される。
これに対し、重量測定モードが水剤抜取前の測定重量値を抜取前容器重量で代用するモードになっている場合、水剤抜取前の重量測定の催促が省かれて、水剤を収容している供給容器6から水剤を目標量だけ抜き取る作業の催促と、その水剤抜取の後に供給容器の重量を測定することの催促とが、通知装置14で調剤者に提示されるだけである。
それに応じて、供給容器6か手動式吸入器具8のうち催促された方の器が電子秤12で測定されると、その抜取後の測定重量と抜取前の測定重量又はその代用の抜取前容器重量との差の絶対値が算出手段によって求められて抜取量とされる(ステップS35)。そして、抜取量が算出される度に、合算手段によって抜取量が合算され(ステップS36)、予測手段によって上述した推定演算が実行されて合算手段の合算値から総抜取量の予測値が算出される(ステップS37)。それから、判定手段によって抜取量が許容範囲に入っているか否かが調べられるが(ステップS38〜S51)、処方指示が容量単位のときの確認内容と(ステップS39〜39c)、処方指示が供給容器単位のときの確認内容は(ステップS40〜S512)、異なるので、それぞれを順に説明する。
処方指示が容量単位の場合(ステップS39〜39c)、それには処方指示が供給容器単位から容量単位へ後発的に擬制された場合も含まれるが、合算値が目標量を基準とした容量的許容範囲に入っているか否かが調べられ(ステップS39)、提示手段によって判定結果が通知装置14で調剤者に提示される。そして、合算値が目標量の容量的許容範囲に入っていた場合については後述するが(丸G,ステップS52)、合算値が目標量の許容範囲から外れていて判定結果が不適の場合は(ステップS39a)、抜き掛けの供給容器の残量を追加で抜き取れば許容範囲に収めることができるほど容量的許容範囲からの逸脱の程度が小さいか否かで微調整可能か否かが判別され、微調整可能であれば水剤抜取の微調整と抜取後の重量測定の再実行が通知装置14で調剤者に提示され(ステップS39b)、抜取後の測定重量の入力から遣り直される(ステップS35)。これに対し、微調整可能でなければ新たな供給容器の追加の催促が通知装置14で調剤者に提示され(ステップS39c)、供給容器の識別コードの読取の催促から遣り直される(ステップS32)。これにより、処方量が一個の供給容器の水剤充填量より少なくても多くても更には多いときに容器毎に重量測定を行おうと行うまいと同様の作業手順で調剤することができる。
処方指示が供給容器単位の場合(丸F,ステップS40〜S51)、毎確認フラグがオン状態に維持されていれば直近の抜取量が規定量を基準とした容量的許容範囲に入っているか否かが調べられ(ステップS40,S41)、更に判定結果が通知装置14で調剤者に提示される。これに対し、毎確認フラグが既にオフ状態に変更されていれば容量的許容範囲のチェックは省略されて行われない(ステップS40→S42)。また、合算値が不調閾値を上回っているか否かが調べられ(ステップS42)、判定結果が通知装置14で調剤者に提示される。そして、上回っている場合は(ステップS43)、目標量が供給容器の規定量の処方指定個数倍で再設定され、処方量が容量単位で指定されていたかの如くモード等が再設定され、新たな供給容器の追加の催促が通知装置14で調剤者に提示され、それから容量単位擬制下で水剤抜取の調剤支援が続行される(丸E,ステップS31)。
上述の不調閾値超過の判定で(ステップS42)、合算値が不調閾値を上回っていなかった場合、さらに、微調閾値超過の判定が行われる(ステップS44)。すなわち、合算値が微調閾値を上回っているか否かが調べられ(ステップS44)、その判定結果が通知装置14で調剤者に提示される。そして、上回っていない場合は、さらに個数的許容範囲の判定が行われる(ステップS45)。具体的には、総抜取量の予測値と規定量×処方指定個数との差が個数的許容範囲に入っているか否かが調べられ、判定結果が通知装置14で調剤者に提示される。総抜取量の予測値が個数的許容範囲に入っていた場合については後述するが(丸G,ステップS52)、総抜取量の予測値が個数的許容範囲に入っていなかったとき特に個数的許容範囲の上限を超えていた場合や合算値が微調閾値を上回っていた場合は(ステップS46)、調剤者の抜取を好ましい方に誘導するために、目標量が当初の規定量より小さく変更されるとともに通知装置14で再表示される。さらに、目標量を下げたときには、新たな目標量が規定量を基準とした容量的許容範囲の下限を下回っているか否かが調べられ(ステップS50)、下回っていたときだけ毎確認フラグがオフにされ(ステップS51)、その旨の注意表示が通知装置14で調剤者に提示される。
こうして目標量の調整が済むが、その後と、上述した個数的許容範囲の判定(ステップS45)で総抜取量の予測値が個数的許容範囲に入っていた場合と、やはり上述した容量的許容範囲の判定(ステップS39)で合算値が目標量の容量的許容範囲に入っていた場合は、提示手段によって一回の抜取に係る終了処理が行われる(丸G以降,ステップS52〜S55)。具体的には、抜取の正常終了を示すメッセージ等に加えて水剤の名称と処方量と目標量と抜取量などが通知装置14で調剤者に提示されるとともに(ステップS52)、正常終了した水剤を選択可能な水剤から外すデータ処理が調剤指示データに対して施される(ステップS53)。それから、現に選択して処理している調剤指示データの中に同一水剤に係る調剤指示が有るか無いかを調べて(ステップS54)、有る場合にはその処理を優先した方が迅速かつ的確な作業が期待できるので、同一水剤が選択されたものとして、その水剤を抜き取るべき目標量の決定から繰り返される(丸C,ステップS25)。
これに対し、現に選択して処理している調剤指示データの中に同一水剤に係る調剤指示が無い場合には、更に、現に選択して処理している調剤指示データの中に他の水剤に係る調剤指示が有るか無いかを調べて(ステップS55)、有る場合には、抜取対象として選択可能な水剤を明示することから繰り返すことで(丸B,ステップS23)、現に選択して処理している調剤指示データの処理が続行されるが、無い場合には、未処理の調剤指示データの有無を調べることから遣り直される(丸A,ステップS20)。
このような実施例1の調剤支援システム10について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。
図6は、第1水剤と第2水剤という二種類の水剤を抜き取る調剤作業に係る概要フローチャートである。
ここでは、製剤室で第1,2水剤を取り揃え、無菌室で調剤者が調剤支援システム10を利用しながら先ず第1水剤を抜き取り次に第2水剤を抜き取るという例を説明する。
処方箋が発行されて処方箋データが製剤室や調剤支援システム10に配信されると、無菌室の調剤支援システム10では、処方箋データに基づく調剤指示データが情報処理装置13によって取得されて蓄積されるとともに、通知装置14に選択可能な調剤指示が提示される。また、製剤室では、処方された薬品が自動払出や人手収集によって取り揃えられ、それらの薬品がトレー等で無菌室に運び込まれる。この例では、無菌室での調剤作業にて供給容器6から手動式吸入器具8にて抜き取るべき水剤として第1,2水剤を指示した処方箋が発行され、それに従って製剤室内で第1,2水剤が調剤作業対象の薬品として取り揃えられ、それらの薬品が無菌室に搬入されるとともに、第1,2水剤の抜取を指示した調剤指示が選択可能なものとして通知装置14にて提示される。
薬品が搬入された無菌室では、調剤者が、その薬品すなわち第1,2水剤を受け取ってから、その調剤作業に対応する調剤指示を選択し更に二種類の水剤のうちから第1水剤を操作入力装置15等で選択する。すると、調剤支援システム10の情報処理装置13によって、抜き取るべき水剤として選択された第1水剤に係る抜取の目標量が決定され、その第1水剤の名称と処方量と目標量とその他の適宜な情報が通知装置14で提示される。
処方箋での処方量は、容量単位で指示されることもあれば、供給容器単位で指示されることもあるが、目標量は容量単位で定められる。
具体的には、情報処理装置13では、処方量が容量単位で指示されていたときには目標量が処方量と同じになるが、処方量が供給容器単位で指示されていたときには目標量が供給容器一個分の規定量になる。そのため、容量単位での処方指示では総抜取量について容量的許容範囲の確認がなされるが、供給容器単位での処方指示では容量的許容範囲の確認が各供給容器毎に繰り返されることとなる。さらに、処方量が供給容器単位で指示された水剤抜取に係る処方量や目標量提示では、抜取対象の供給容器に係る実充填量と規定量とが異なっている場合、実充填量や注意までも表示される。そのため、水剤の抜取量を確認しながら作業を進める調剤者は、有益な支援が得られることとなる。
それから、調剤支援システム10の求めに応じて許容範囲や重量測定モードを調剤者が適宜設定し、さらに、選択した第1水剤を収容している供給容器6に付された識別情報を調剤者がリーダ11に読み取らせると、情報処理装置13によって適否が調べられ、適正であることが確認されると、重量測定モードにもよるが第1水剤の抜取前の重量測定が通知装置14で催促される。これに応じて調剤者が供給容器6か手動式吸入器具8か何れか一方の重量を電子秤12で測定すると、その測定重量が情報処理装置13にデータ入力されて、第1水剤の抜取とその後の重量測定が通知装置14で催促される。
これに応じて調剤者が供給容器6から手動式吸入器具8で第1水剤を抜き取り、それから供給容器6と手動式吸入器具8とのうち催促されたものの重量を電子秤12で測定すると、その測定重量が情報処理装置13にデータ入力されて、第1水剤の抜取前後の重量変化の絶対値が算出され、それが第1水剤の抜取量とされる。絶対値の採用により、供給容器6の重量を測定した場合でも、手動式吸入器具8の重量を測定した場合でも、抜取量を算出することができる。また、重量測定モードによっては抜取前の測定重量に代えて薬品マスタの抜取前容器重量が用いられるので、抜取前の重量測定が催促されず、調剤者が抜取前に重量測定を行わなくて済むので、その分だけ作業が省けて楽になる。
情報処理装置13によって、抜取量の算出後、さらに抜取量の適否が確認されるが、上述したように処方量の指示が容量単位のときには処方量が目標量にされて容量的許容範囲のチェックが行われるのに対し、処方量の指示が供給容器単位のときには供給容器一個分の規定量が目標量にされて容量的許容範囲のチェックが行われのに加えて個数的許容範囲のチェックも行われる。
具体的には、処方量の指示が容量単位のときには従来通り素直に処方量に基づく確認となり、合算値で得られた総抜取量が容量的許容範囲に入っているか否かが調べられ、範囲外であれば抜取の微調整と抜取後の重量測定が通知装置14で催促される。
そして、それに応じて調剤者が抜取量の微調整と抜取後の重量測定を行うと、情報処理装置13によって、抜取後の測定重量の入力と、重量変化に基づく抜取量の算出と、その抜取量の適否チェックとが再び行われ、総抜取量が目標量の許容範囲に入っていれば、第1水剤の抜取が適切に行われたことが確認され、調剤指示データにおいて第1水剤に係る正常終了分の指示が選択可能な水剤から調剤済みで選択不可の水剤に変更される。供給容器で複数個分の水剤が処方指示された場合でも、途中段階でのチェックは厳しくなく省略も可能であり、最終的に総抜取量が目標量の許容範囲に入れば良い。
一方、処方量の指示が供給容器単位のときには、個々の供給容器から調剤者が水剤を抜き取る度に、情報処理装置13によって、規定量を基準とした容量的許容範囲のチェックが行われるのに加えて、総抜取量の予測に基づく個数的許容範囲のチェック等も行われる。各供給容器毎に繰り返される容量的許容範囲のチェック総てで適量であれば、必然的に総抜取量も容量的許容範囲に収まるので、供給容器単位の処方指示のときにも従来レベルの適否確認が行われることとなるが、それに加えて個数的許容範囲のチェック等まで行われるため、給容器単位の処方指示のときには従来より厳しくて適切なチェックが行われる。ただし、チェックは厳しくなっても、作業内容を強制する訳ではないので、調剤者に過剰な負担を課すおそれは無い。
個数的許容範囲の適否確認は、情報処理装置13によって、総抜取量が供給容器一個分や半分といったレベルで処方量から外れそうだという予測が出されると、調剤者に注意が促され、それより高い予測の出たときや合算値が微調閾値を超えたときには、目標量が下げられるため、調剤者が適切な方へ誘導されるので、水剤の実充填量が規定量より多くなっている供給容器に係る調剤作業のときには特に調剤支援の効果が大きくなる。また、下げられた目標量が規定量基準の容量的許容範囲の下限を下回ったときには、供給容器毎の容量的許容範囲を守りながら総抜取量を適量にもっていくのは難しいので、調剤者に過剰な負担となるおそれのある供給容器毎の容量的許容範囲のチェックは省かれる。さらに、合算値が不調閾値を超えたときには、供給容器毎の許容範囲のチェックだけでなく個数的許容範囲も守るのは困難とみられるので、それらのない容量単位での処方指示が擬制されて、総抜取量の容量的許容範囲のチェックが行われるが、その場合でも、容量的許容範囲が供給容器一個分や半分といったレベルに狭められるので、最終的な総抜取量は従来より好適なものになるよう、調剤作業が誘導される。
こうして第1水剤に係る調剤作業が終了し、次に、第2水剤についても、供給容器6から手動式吸入器具8で水剤を抜き取る調剤作業が、調剤者によって遂行される。
その際、繰り返しとなる詳細な説明は割愛するが、上述したのと同様にして、調剤者は調剤支援システム10による支援を受けながら調剤作業を進めることができる。
そして、RP単位などで処方された一纏まりの薬品である第1,2水剤について調剤作業が完了すると、それらの薬品は無菌室から製剤室に戻されて最終監査に付される。
調剤支援システム10を用いた調剤作業では、以上のような調剤作業が調剤指示の出る度に繰り返されるが、その際、従来は提示されなかった情報までも調剤者に提供されるため、判定結果が不適の場合はもちろんのこと判定結果が適量の場合であっても、さらには調剤者が質向上を強く心がけている場合はもちろんのこと調剤者がさほど意識していない場合であっても、調剤作業の質的内容が無理なく調剤者に知らしめられるので、自然に調剤作業の質が向上することとなる。
[その他]
上記実施例では、抜取の目標量を求める決定手段を明示的に設けていたが、抜取の目標量という呼び名のデータ項目や決定手段という呼び名のプログラムを明示的には設けなくても、処方量が容量単位で指示されているか供給容器単位で指示されているかに応じて場合分けし、処方量が容量単位で指示されているときにはそれを用いて案内と適否判定を行い、処方量が供給容器単位で指示されているときには規定量や実充填量を利用した案内や適否判定を行うようになっていれば、抜取の目標量を求めるのと実質的に等価であるから、本発明の決定手段が設けられていると言える。その他の手段についても、同様であり、形式的な名称やモジュール化は必要なく、実質的な機能が具わっていれば良い。
上記実施例では、処方量の指示が供給容器単位でなされていてもそれに小数点以下の端数が付いているような場合を説明しなかったが、そのような端数付き供給容器単位での指示が想定される場合には、整数分の処理は上述したように行ったうえで、残りの端数分を処理するときに、目標量に端数を掛ける等のことにより、目標量を端数分に適合させてから上述したのと同様のことを行うようにプログラムを拡張すると良い。
上記実施例では、供給容器6から手動式吸入器具8で水剤を抜き取る際の調剤支援しか説明しなかったが、調剤支援システム10は、抜き取った水剤を手動式吸入器具8から支給容器へ注入するときにも調剤支援を行うように拡張しても良い(特許文献1参照)。
上記実施例では、決定した目標量や,秤量で得た測定重量,算出した抜取量,その合算値,総抜取量の予測値が判定や提示といった即時の処理にしか利用されていなかったが、それらの物理量をデータロガー等に記録蓄積しておいて後の解析や検討などに供給するようにしても良い。
上記実施例では、麻薬や抗ガン剤などの調剤に適した無菌室に調剤支援システムが設置されていたが、これは必須でなく、本発明の調剤支援システムは開放的な場所に設置して使用しても良い。
上記実施例では、電子秤12が一台しか設けられていなかったため、供給容器6の重量と手動式吸入器具8の重量とを同時に測定することができなかったが、電子秤を複数台設けて、供給容器6と手動式吸入器具8の重量を並行測定できるようにしても良い。その場合、供給容器6の重量変化と手動式吸入器具8の重量変化とに基づいて水剤の抜取量が二つ算出されるが、水剤を抜き取られた供給容器6の重量測定に係るものは重量変化が負になるので、その絶対値を第1抜取量とし、水剤を吸い込んだ手動式吸入器具8の重量測定に係るものは重量変化が正になるので、その値をそのまま第2抜取量とする。
そうすると、第1抜取量は、供給容器6の重量変化に対応しているので、まさしく供給容器6の抜取量と言えるものであるが、第2抜取量は、手動式吸入器具8の重量変化に対応しているので、手動式吸入器具8の吸入量と言うに相応しいものであり、抜取前後の重量測定の間に供給容器6と手動式吸入器具8から外部への水剤漏出等が無ければ第1,2抜取量は測定誤差内で一致する。そこで、抜取量確認の信頼性向上のため、第1抜取量も第2抜取量も許容範囲に入っているかというダブルチェックを行ったり、第1抜取量と第2抜取量と差が所定値以内に収まっているかというバランスチェックを行うのも良い。
本発明の調剤支援システムは、水剤を収容した供給容器から手動式吸入器具にて水剤を抜き取る調剤作業であれば適用可能かつ有益であり、抜き取った水剤は手動式吸入器具に収めたまま施術に利用しても良く、他の水剤や散薬などに混合させても良い。
4…調剤台、6…供給容器、8…手動式吸入器具、
10…調剤支援システム、
11…リーダ、12…電子秤、13…情報処理装置、
14…通知装置、15…操作入力装置、16…処方箋データ送信部

Claims (7)

  1. 水剤を収容した供給容器から手動式吸入器具にて水剤を抜き取る調剤作業を遂行している調剤者に情報を提示する通知装置と、
    前記供給容器と前記手動式吸入器具との何れか一方または双方の重量を測定しうる電子秤と、
    処方箋データから支援対象部分を抽出した調剤指示データを取得する手段と、前記電子秤から測定結果を入力する手段と、各種の薬剤について薬品名と比重と供給容器の収容薬剤の規定量とを含む情報をデータ保持した薬品マスタと、前記調剤指示データに基づき前記供給容器から前記手動式吸入器具で抜き取るべき水剤の名称と処方量とを前記通知装置に提示させる案内手段と、その抜き取るべき水剤に係る容量単位での目標量を前記調剤指示データと前記薬品マスタとに基づいて求める決定手段と、前記供給容器と前記手動式吸入器具との何れか一方の重量測定を水剤抜取の前後で前記調剤者に促す催促手段と、その重量変化に基づいて水剤の抜取量を算出する算出手段と、この算出した抜取量が前記目標量の許容範囲の内外いずれにあるのかを調べて適量か否かを判定する判定手段と、その判定結果を前記通知装置に提示させる提示手段とを具備した情報処理装置と
    を備えていて、前記調剤作業の遂行時に前記調剤者に対して前記通知装置の提示にて作業内容を知らせるとともに前記電子秤での重量測定を促し、それに応じて前記調剤者が水剤抜取を行うとともに前記電子秤で重量測定を行ったときには、その測定結果に基づいて抜取量の適否を判定し、更にその判定結果を前記通知装置の提示にて前記調剤者に知らせる調剤支援システムにおいて、
    前記薬品マスタは、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる薬剤について規定量に加えて実充填量もデータ保持しており、
    前記決定手段は、前記調剤指示データが容量単位での処方を指示しているときには前記処方量を前記目標量とし、前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには、前記薬品マスタにデータ保持されている供給容器の収容薬剤の規定量を前記目標量とするようになっており、
    前記案内手段は、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について、前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているとき、前記処方量に加えて前記目標量を表示するとともに、前記薬品マスタにデータ保持された実充填量のうち対応するデータの表示と実充填量が規定量を超えている旨の注意表示とのうち何れか一方または双方の表示を前記通知装置に提示させるようになっており、
    前記催促手段は、前記調剤指示データが容量単位での処方を指示しているときに加えて、供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について、前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときにも、前記供給容器と前記手動式吸入器具との何れか一方の重量測定を水剤抜取の前後で前記調剤者に促すようになっている
    ことを特徴とする調剤支援システム。
  2. 供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには水剤抜取の済んだ供給容器について前記算出手段の算出した抜取量を足し合わせて合算値を得る合算手段と、その合算値に基づいて処方指定個数の供給容器に係る総抜取量を予測する予測手段とを備え、前記判定手段は、前記予測手段が予測を行ったときにはその予測値が一個の供給容器の規定量を基準とした個数的許容範囲の内外いずれにあるのかを調べて適量か否かを判定することも行うようになっていることを特徴とする請求項1記載の調剤支援システム。
  3. 供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには水剤抜取の済んだ供給容器について前記算出手段の算出した抜取量を足し合わせて合算値を得る合算手段を備え、前記判定手段は、前記合算手段が合算を行ったときにはその合算値が所定の閾値を超えたか否かの判定と該合算値に基づいて処方指定個数の供給容器に係る総抜取量を算出した予測値が一個の供給容器の規定量を基準とした個数的許容範囲の上限を超えたか否かの判定とのうち何れか一方または双方の判定を行うようになっており且つ各供給容器からの水剤抜取の度に前記算出手段で算出された供給容器毎の抜取量が適量か否かを判定するときには前記目標量でなく前記規定量を基準として許容範囲の内外いずれにあるのかを調べるようになっており、前記決定手段は、前記判定手段によって前記合算値が前記閾値または前記上限を超えていると判定されたときには前記目標量を前記規定量より小さな値に変更するようになっていることを特徴とする請求項1記載の調剤支援システム。
  4. 前記薬品マスタは、前記判定手段が判定時に用いる許容範囲を定める所定割合の値を各薬剤毎にデータ保持しうるものである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された調剤支援システム。
  5. 前記判定手段は、前記目標量が前記決定手段によって前記規定量より小さな値に変更されて前記規定量を基準とした許容範囲の下限を下回ったときには供給容器毎の抜取量の適否判定を中止するようになっていることを特徴とする請求項3記載の調剤支援システム。
  6. 供給容器の収容薬剤の実充填量が規定量と異なる水剤について前記調剤指示データが供給容器単位での処方を指示しているときには水剤抜取の済んだ供給容器について前記算出手段の算出した抜取量を足し合わせて合算値を得る合算手段を備え、前記判定手段は、前記合算手段が合算を行ったときにはその合算値が所定の閾値を超えたか否かの判定を行うようになっており、前記案内手段と前記決定手段と前記催促手段と前記判定手段は、前記判定手段によって前記合算値が前記閾値を超えていると判定されたときには、前記調剤指示データにおける処方量が供給容器単位から供給容器の規定量の処方指定個数倍を値とする容量単位に変更されたものとして以後の処理を行うとともに、判定時に用いる許容範囲を狭めることも行うようになっていることを特徴とする請求項1記載の調剤支援システム。
  7. 前記薬品マスタは、供給容器の収容薬剤の規定量をデータ保持している水剤について薬剤収容状態の供給容器の重量をもデータ保持することができるようになっており、前記算出手段は、処方指示された水剤に係る薬剤収容状態の供給容器の重量が前記薬品マスタにデータ保持されているときには、水剤抜取前の供給容器の重量測定の結果に代えて前記薬品マスタの重量データと水剤抜取後の供給容器の重量測定の結果との重量変化に基づいて水剤の抜取量を算出することができるようになっている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載された調剤支援システム。
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