JP5875469B2 - シリンジ計量システム - Google Patents

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Description

この発明は、注射針の付いている又は注射針の付いていないシリンジ(注射筒)に収容されている液量を計測するシリンジ計量システムに関し、詳しくは、シリンジ外観の撮影と画像処理にて液量を算出するシリンジ計量システムに関する。
注射薬やそれと混合される希釈液といった水剤の入っているバイアルやボトルといった供給容器から水剤を抜き取るときや、抜き取った水剤を他の水剤や被溶解剤固形との混合のために支給容器に注入するとき、シリンジに注射針を装着した注射器が多用される。そのような注射薬を混合する混注作業は、水剤の抜取も注入も、基本的に手動であり、薬剤師や看護師といった調剤者が人手でシリンジや容器を操作することで、行われている。その際、水剤抜取量や水剤注入量も、基本的には人手に依存しており、調剤者がシリンジの目盛を読み取ることで、行われている。
また、そのような調剤作業に際して、処方情報等から自動で調剤手順を決定してそれを調剤者通知のため印刷するとともに、支給容器の初期重量と最終重量とを測定してその差から水剤の使用量を確認するようになった処方薬調剤支援システムが実用化されている(例えば特許文献1参照)。このシステムでは、固形薬剤の収容器が固形薬剤の溶解に用いられる場合、液量確認のため、収容器に溶解液等を入れる前と後に収容器の重量を測定するようにもなっている。各容器の重量測定には電子天秤が用いられる。
さらに、調剤支援にとどまらず自動の水剤分注機も開発されている(例えば特許文献2参照)。この分注機では、液剤瓶を撮像装置で撮って液面を検出し、その変位から瓶内の液剤の体積変化を算出することで、投薬瓶への注入量を計量するようになっている。また、液面の検出に際し、投薬瓶や撮像装置を昇降させて、昇降位置を直接か間接的に注入量算出に反映させることで、液面検出位置の誤差を低減させるようにもなっている。
特開2004−208842号公報 特開2011−037488号公報
ところで、上述した混注作業は、調剤室や安全キャビネット等の固定設備内で薬剤師が行うだけでなく、看護師が病棟や病室を渡り歩きながら各所で行うことも多い。
作業場が固定している場合、既述した従来装置を用いることにより、具体的には電子天秤での重量測定や撮像装置での液面検出により、シリンジの目盛の目視読取に勝る客観的な液量計測を行うことができ、さらに、計量を前提とした調剤支援システムや監査支援システムを使用して有益な支援を受けることもできる。
しかしながら、作業場が固定しておらず作業の合間に移動したり移動の合間に作業するような状況では、持ち運びに適さない電子天秤や昇降装置が組み込まれている既述の従来装置は使用しづらく、病室等での混注作業では計量システムによる十分な支援を受けることができない。
そこで、シリンジにはプランジャ(押子)が嵌め込まれており更にプランジャ先端にはシリンジの目盛より幅厚で目立つパッキン(密封部材)が装着されているというシリンジ構造に着目して計量手法を工夫することにより、電子天秤や昇降装置が無くて携帯も容易なシリンジ計量システムを実現することが、技術的な課題となる。
本発明のシリンジ計量システムは(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、計量対象のシリンジを計量時に載せて置く載置台と、前記載置台の載置面の上のシリンジをその周囲も含めて撮る撮像装置と、前記撮像装置で得た撮影画像からシリンジの目盛画像を検出するとともに検出した目盛画像が等間隔で並んでいる目盛連続部分と該間隔より広い範囲で目盛画像が抜け落ちている目盛抜落部分とを区分けする画像認識手段と、前記目盛連続部分のうち前記目盛抜落部分よりシリンジの針装着側に位置する目盛連続部分に属する目盛画像の数に基づいてシリンジ内の液量の推定値を算出する液量算出手段とを備えている。
また、本発明のシリンジ計量システムは(解決手段2)、上記解決手段1のシリンジ計量システムであって、
計量対象のシリンジに付された目盛の総数が分かる目盛総数データと該シリンジのパッキンの厚みに相当する目盛数が分かるパッキン厚データとを記憶保持する手段と、
前記目盛連続部分の目盛画像の並びから前記目盛抜落部分に属する目盛の数を推定する目盛数推定手段とを備え、
前記目盛抜落部分に属する目盛推定数と前記パッキン厚データから分かる目盛数とを比較すること、及び前記目盛連続部分の目盛画像の数と前記パッキン厚データから分かる目盛数との和と,前記目盛総数データから分かる目盛数と,を比較することのうち、何れか一方または双方のことを行って、差違が許容範囲から外れていれば前記液量算出手段の算出値を計量結果に採用するのを控えるようになっていることを特徴とする。
さらに、本発明のシリンジ計量システムは(解決手段3)、上記解決手段1,2のシリンジ計量システムであって、前記撮影画像における画像処理対象領域について目盛画像が検出されない状態が継続した後に目盛画像が継続かつ安定して検出されるまでは前記液量算出手段の算出値を計量結果に採用するのを控えるようになっていることを特徴とする。
また、本発明のシリンジ計量システムは(解決手段4)、上記解決手段1〜3のシリンジ計量システムであって、調剤作業を遂行している調剤者に情報を提示する通知装置と、処方箋データから支援対象部分を抽出した調剤指示データを取得するデータ取得手段と、各種の薬剤に係る薬品名と比重と薬剤量の情報をデータ保持した薬品マスタ,及び各種のシリンジに係る目盛と内容量の情報をデータ保持した部材マスタを記憶保持する手段と、前記調剤指示データに基づいて使用するシリンジと該シリンジで抜き取るべき水剤の名称と処方量とを前記通知装置に提示させる作業案内手段と、前記作業案内手段で案内するシリンジの情報を前記部材マスタから選出するデータ選出手段と、その選出情報と前記画像認識手段にて認識された等間隔の部分の間隔情報とを比較することによりシリンジの適否を判別する間隔比較手段とを備えていることを特徴とする。
また、本発明のシリンジ計量システムは(解決手段5)、上記解決手段1〜4のシリンジ計量システムであって、拡散性の発光面を有する照明装置が、前記発光面を前記撮像装置に対向させ且つその対向間隙内に前記載置面を来させる配置状態で、設けられていることを特徴とする。
このような本発明のシリンジ計量システムにあっては(解決手段1)、既述した水剤分注機のように撮像と画像処理と演算とで計量が行われるので、電子天秤が不要である。また、撮像や画像処理に際しては、シリンジに等間隔で付された目盛を検出するのに加えて、既述した水剤分注機と異なり、目盛より幅厚のパッキンの存在によって一部の目盛が検出されずに抜け落ちた目盛抜落部分を検出することでパッキンの位置を把握し、そこと針装着部との間に位置する目盛連続部分が吸入水剤収容部分に該当するため、その目盛連続部分に属する目盛画像の数から液量の推定値が算出されるので、液面検出時に使用された昇降機構が不要である。
したがって、この発明によれば、電子天秤や昇降装置が無くて携帯も容易なシリンジ計量システムを実現することができる。
また、本発明のシリンジ計量システムにあっては(解決手段2)、目盛抜落部分やプランジャ側の目盛連続部分に属する目盛画像の数が、液量の推定値の算出には用いられなかったが、針装着側の目盛連続部分に属する目盛画像の数から算出した値の適否判定に用いられる。一般にシリンジのプランジャ先端のパッキンの形状は、プランジャ側の端面が平坦なのに対し、針装着側の端面が緩やかな凸面状になっていることが多いため、その影響が強すぎると、針装着側の目盛連続部分に属する目盛画像の検出数が不所望に変動することがあるが、プランジャ側の目盛連続部分についてはそのような変動が少ない。そして、このような特質を勘案して、針装着側の目盛連続部分に属する目盛画像の数から算出した値の適否が、プランジャ側の目盛連続部分や中間の目盛抜落部分に属する目盛画像の数に基づいて判定されるようにしたことにより、計量値の信頼性が十分に確保されることとなる。
さらに、本発明のシリンジ計量システムにあっては(解決手段3)、載置台の上に何も無ければ撮影画像から何も検出されず目盛画像も検出されない状態が継続し、それから載置台の上にシリンジが載せられると目盛画像が検出され、そのシリンジから手が離れてシリンジが静止すると目盛画像が安定するとともにその検出状態が継続するところ、そのような状況が画像処理によって把握されるとともに、計量実行の適切なタイミングが自動認定され、算出値の自動採用にて計量結果が確定する。そのため、計量開始や計量終了のトリガーを調剤者によるフットスイッチ等の手動操作部材の操作にて行っても良いが、そのような調剤者の手足を煩わせる作業を行うまでもなく、自動で作業工程を進行させることができる。さらには、目盛画像が検出されない状態が継続しているときに受光量の安定を待って二値化の閾値を決定する等のことで簡便に撮影条件を調整することもできる。
また、本発明のシリンジ計量システムにあっては(解決手段4)、調剤すべき水剤が案内されるとともに、部材マスタを利用して各種のシリンジを使い分けることができるうえ、水剤抜取後の計量に際してはシリンジの目盛の認識結果を利用したシリンジの適否確認が自動で行われるので、手動での識別情報読取作業によるシリンジの適否確認を行っても良いが、そのような調剤者の手を煩わせる作業を行うまでもなく、水剤の抜取と計量とに同じシリンジが用いられたか否かの確認がなされる。
したがって、この発明によれば、電子天秤や昇降装置が無くて携帯も容易であり而も各種のシリンジを使えるシリンジ計量システムを実現することができる。
また、本発明のシリンジ計量システムにあっては(解決手段5)、載置台の上に置かれた計量対象のシリンジが背面から照明され正面から撮影されるが、一般にシリンジのプランジャ先端のパッキンはゴム等で作られていて不透明であることが多く、パッキンが不透明でさえあれば、パッキン位置の目盛がパッキンの陰に隠れるので、撮影画像においてはパッキン存在領域が目盛抜落部分となる。そのため、パッキンが不透明でさえあれば、パッキン表面の色や光反射率さらにはシリンジの目盛の光反射状態などの不所望な影響を受けることなく、簡便な目盛画像検出手法でも、安定して的確に、パッキン位置以外における目盛の存在とパッキン位置における目盛の不存在とを認識することができる。
しかも、上述したようにシリンジのプランジャ先端のパッキンの針装着側の端面が緩やかな凸面状になっていることが多いところ、本発明のシリンジ計量システムにあっては、背面照明用の発光面に拡散性を持たせたことにより、パッキンの両端面が多方面から照明されることとなる。そのため、凸面状の端面であっても凸状態が緩やかであれば端面全域が照明されることから、凸面部分の陰が極めて薄くなるので、針装着側の端面が凸面状になっていることの不所望な影響を簡便に抑制することができる。
本発明の実施例1について、基本的な単独型のシリンジ計量システムの構造を示し、(a)が外観斜視図、(b)がシリンジと載置台の斜視図、(c)がブロック図である。 シリンジとその画像の例であり、(a)が分解状態のシリンジ、(b)が中ほどまで水剤を吸入したシリンジとその目盛画像、(c)が満杯近くまで水剤を吸入したシリンジとその目盛画像である。 実用的な分散型のシリンジ計量システムのブロック図である。
このような本発明のシリンジ計量システムについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1により説明する。
図1〜3に示した実施例1は、上述した解決手段1〜5(出願当初の請求項1〜5)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、詳細な機械図面や電子回路図などは図示を割愛し、ブロック図を多用した。
本発明のシリンジ計量システムの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1に示したシリンジ計量システム10は、基本的な単独型のシリンジ計量システムに調剤支援機能を付加したものであり、図1は、(a)がシリンジ計量システム10の外観斜視図、(b)がシリンジ6と載置台14の斜視図、(c)がブロック図である。また、図2は、シリンジ計量システム10を用いた計量の対象となるシリンジ6とその画像の例であり、(a)がプランジャ6dを抜いた状態のシリンジ6を示し、(b)が中ほどまで水剤を吸入したシリンジ6とその目盛画像とを示し、(c)が満杯近くまで水剤を吸入したシリンジ6とその目盛画像とを示している。さらに、図3は、実用的な分散型のシリンジ計量システム20のブロック図である。
シリンジ計量システム10は(図1(a)参照)、読取装置11と情報処理装置12と通知装置13と載置台14と照明装置15と撮像装置19とを具備したものである。
手軽に持ち運べるとともに、調剤指示箋2や,供給容器4,4,シリンジ6などと並べて机上や調剤台上で使用する際に調剤作業の邪魔にならないよう、情報処理装置12と通知装置13が一体化され、撮像装置19と照明装置15が載置台14に組み付けられて、コンパクトなものとなっている。
読取装置11は、印刷された調剤指示箋2やその他の情報担体から、調剤内容や調剤者などを特定するバーコードや数字などの識別情報を読み取るためのものであり、安価なバーコードリーダが普及しているが、OCRや非接触ICカードリーダなどでも良い。この例では、情報処理装置12にケーブル接続された手持式の装置を図示したが、サイズとコストが適うのであれば、印刷物をかざすだけで読み取る操作不要なタイプの装置が使いやすい。読取装置11の機能は撮像装置19の撮像と情報処理装置12の画像処理とで代用や併用することも可能なので、読取装置11は省くことも可能なものである。
情報処理装置12は、本体に表示画面を一体化した小形で軽量なタブレットコンピュータが使いやすいが、他の形態のコンピュータでも良く、初期設定やエラー処理などのために指示やデータを入力するときに必要に応じてキーボードやマウス等をケーブル接続するものでも良いが、表示画面がタッチパネルになっているものの方が便利である。情報処理装置12は、後述する各種のプログラムやデータを記憶保持するために、ハードディスク等の記憶装置を内蔵しており、処方箋データやマスタデータ等の必要なデータをダウンロードするために、無線LAN接続ポートと通信回路と通信プログラムを装備している。
通知装置13は、調剤作業を遂行している調剤者に情報を提示するためのものであり、上述した情報処理装置12の表示画面が、視覚利用の情報提示を行えるので好適であるが、それと併用される又はそれに代わる聴覚利用のスピーカといった音響機器でも良い。
載置台14は、横置きタイプを図示したが(図1(b)参照)、計量時に載置面17の上に計量対象のシリンジ6を安定な姿勢で載せて置くことができれば、縦置きタイプでも斜めタイプでも良い。載置面17は、シリンジ6の針装着部6aや目盛6bの部分より広い水平な平坦面であり、フランジ6cによるシリンジ6の姿勢の不安定化を避けるために、載置面17の一端部(図では右奥)が切り欠かれてフランジ6cを遊挿させる逃げ18となっている。逃げ18が載置面17の一端部にだけ形成されている場合、シリンジ6を置く向きは必然的に、フランジ6cやプランジャ6dが逃げ18の側(図では右奥)になり、針装着部6aが他端側(図では左前)になる。これに対し、逃げ18を載置面17の両端部に形成すると、シリンジ6を置く向きは上述の向きでもその逆向きでも自由に選んで載置できるが、その代わり、後述する液量算出手段のために、検出操作入力や,センサ検出,画像処理などによる適宜なシリンジ向き検出手段が必要になる。
照明装置15は、載置面17に隣接・近接して設けられた発光面16を具備したものであり、発光面16は、面発光部材の採用により、あるいは局所的な発光部材とその光を平面域に広げる拡散板との組み合わせ等により、拡散性を有するものとなっている。この拡散性は、シリンジ6を多方向から斑無く照らせれば足りるので、拡散板に代えて、安価な磨りガラスや半透明の白濁プラスチック等を使用しても良い。
撮像装置19は、安価な白黒のCCDカメラで良く、シリンジ6の目盛6bの両端の画像の歪みを許容範囲に収めるために、載置面17から適度に離れた所に設けられて、載置台14の載置面17の上のシリンジ6をその周囲も含めて撮るようになっている。
これらの照明装置15と撮像装置19は、照明装置15の発光面16と撮像装置19のレンズとを対向させた配置状態で載置台14に組み付けられて、載置台14の載置面17ひいてはその上のシリンジ6を両者15,19の対向間隙内に来させる配置状態で、設けられたものとなっている。
情報処理装置12にインストールされたプログラムによって具現化される各手段と、情報処理装置12のハードディスク等の記憶手段に保持されたデータとを説明する(図1(c)参照)。予め多数のデータを登録した参照用データとしては、薬品マスタと部材マスタと解析データがあり、何れもキー検索等に適したデータベースで構成されている。
薬品マスタは、各種の薬剤に係る薬品コードと薬品名と容量単位と比重と供給容器の種類と収容薬剤量といった情報をデータ保持している(例えば特許文献1参照)。
解析データは、調剤手順や作業内容を決めるのに役立つ調剤パターンをデータ保持しており、特に供給容器4から水剤をシリンジ6で抜き取って他の薬剤と混合する混注手順の決定時に有用なデータを含んでいる(例えば特許文献1参照)。
部材マスタは、各種のシリンジに係る目盛と内容量の情報をデータ保持しており、特に、目盛間隔データと目盛総数データとパッキン厚データはシリンジの種類毎に登録されており、目盛画像の検出や間隔比較・本数比較のときに参照される。目盛間隔は、計量対象のシリンジ6に付された目盛6bのピッチであり、例えば、mm単位の実測値や、撮影画像において隣り合っている目盛画像間の画素数などで表される。目盛総数データは、計量対象のシリンジ6に付された目盛6bの総数が分かるデータであり、文字通り目盛6bの総本数で表される他、例えば目盛6bの列長で表されることもある。パッキン厚データは、該シリンジ6のパッキン6eの厚みに相当する目盛数が分かるデータであり、例えば、パッキン厚tのmm単位での実測値や(図2(a)参照)、それを目盛6bのピッチで割って整数化した本数などで表される。なお、比較データについては後述する。
調剤作業等の進行に応じて処理されるトランザクションデータ的なデータとしては(図1(c)参照)、処方箋データと調剤指示データと比較データなどがあり、これらは、メインメモリやハードディスク等の記憶手段に適宜割り振られてデータ保持されている。
処方箋データは、処方箋の内容・情報を電子データ化したものであり、処方箋データを集中管理している処方オーダエントリシステムや(例えば特許文献1参照)、印刷された処方箋を読み取って電子データ化する図示しない処方箋受付装置、タッチパネル等の操作入力装置などから、通信回線等を介して又は直に入力されて、先入れ先出しの順番でも識別番号等での順不同でも取り出せる待ち行列に繋ぎ込まれるようになっている。
調剤指示データは、各患者の処方箋データからシリンジ計量システム10での計量対象部分や支援対象部分を抽出したデータであり、基本的にRP単位(施用単位)で纏められ、一つ又は複数のRP単位データが含まれている。このような調剤指示データには、薬品名と処方量とが含まれており、そのうち薬品名には水剤の名称が一つ以上含まれている。また、処方量は、mLやmg等の容量単位で指示されていることもあれば、個数や本数などの供給容器単位で指示されることもある。水剤抜取に使用するシリンジの種類と本数と各シリンジ毎の液量(水剤抜取量・水剤注入量)も、処方箋データに含めることが可能であり、それらのシリンジ指定データは、処方箋発行時など調剤開始前に指定された場合、その指定値がそのまま調剤指示データに含められるが、指定されなかった場合には、後述するようにデータ選出手段によって自動算定されるようになっている。
情報処理装置12の高速アクセス可能なメインメモリには、撮像装置19で撮った撮影画像を保持するデータ領域や、撮影画像からシリンジ6の目盛6bの画像を抽出した目盛画像を保持するデータ領域が、確保されており、撮影画像は撮像装置19の撮影周期で更新され、目盛画像は画像認識手段の画像処理周期で更新されるようになっている。
情報処理装置12にインストールされたプログラムによって具現化された手段としては、データ取得手段とデータ選出手段と作業案内手段と画像認識手段と液量算出手段と間隔比較手段と継続検出手段と目盛数推定手段と本数比較手段とが挙げられる。
データ取得手段は、上述した待ち行列から先頭の処方箋データを取り出して、上述したようにシリンジ計量システム10での計量対象部分や支援対象部分を抽出し、さらにシリンジ指定データが指定されていればそれも抽出して、調剤指示データを作成するようになっている。なお、処方オーダエントリシステム等の上位システムとシリンジ計量システム10との中間に、調剤装置群管理システム等の中位システムが介在していて、処方箋データがそのまま情報処理装置12に入力されるのでなく、必要部分を抽出した調剤指示データになってから情報処理装置12に入力される場合、データ取得手段は、入力された調剤指示データを一つづつ取り出して、次の処理に供するだけで良い。何れにしろ、データ取得手段は、作業案内手段の利用に適うよう調剤指示データを整えるようになっている。
データ選出手段は、作業案内手段の要求に応じて調剤指示データを調べ、それに基づいて、抜取対象の水剤の処方量やそれを収容している供給容器4,4に関する収容薬剤量などの諸元データを薬品マスタから抽出するとともに、調剤指示データにシリンジ指定データが未だ含められていなければ、部材マスタを調べて使用可能なシリンジの種類を選出し、更に本数と各シリンジ毎の液量も運用規定に従って算定し、それをシリンジ指定データとして調剤指示データに含ませるようになっている。また、データ選出手段は、そのシリンジに係る諸元データを部材マスタから抽出することも行うようになっている。さらに、データ選出手段は、解析データを検索して、該当する調剤パターンを選出し、それらのデータを作業案内手段に引き渡すようになっている(例えば特許文献1参照)。また、データ選出手段は、使用するシリンジに係る諸元データのうち、目盛間隔データと目盛総数データとパッキン厚データを比較データとして間隔比較手段や本数比較手段に供するようになっている。
作業案内手段は、作業開始時に先ず調剤者を特定するために識別コードの入力を通知装置13にて調剤者に促し、読取装置11での調剤者カード等の読取やタッチパネルでの操作入力等で調剤者が特定されると、次に、調剤内容を確定するために処方箋か調剤指示箋の識別情報の入力を通知装置13にて調剤者に促し、これに応じて調剤指示箋2の読取データや他の情報担体の読取データが読取装置11から入力されて、その読取データから処方箋番号や調剤指示箋番号などの識別情報が得られたり操作入力等で処方箋データが特定されると、その情報をデータ取得手段に渡して調剤指示データの作成を要求するようになっている。
また、作業案内手段は、調剤指示データの作成後、データ選出手段に要求して、抜取対象の水剤とその供給容器4,4に係るデータや,使用するシリンジ6に係るデータ,それらに該当する調剤パターン等を選出させるようになっている。さらに、その調剤パターンに基づいて混注手順などの調剤手順や作業内容を決め、それらを調剤支援のため通知装置13に提示させるようになっている。具体的には、抜取対象の水剤を収容している供給容器4,4の名称や画像と、使用するシリンジ6の呼び例えばシリンジ5mlや画像と、そのシリンジ6で抜き取るべき水剤の名称と処方量とを通知装置13に提示させるが、その際、複数個のシリンジ6が使用される場合にはシリンジ6の画像も複数個を並べて提示し、供給容器4も複数個であれば複数個を並べて提示するようになっている。
さらに、作業案内手段は、シリンジ6を使用した水剤抜取作業とそれに続く載置台14での計量作業とを文字と画像とで通知装置13に提示させて調剤者に促し、後述する液量算出手段等から有効な計量結果が得られると、それを通知装置13に提示させて調剤者に通知するという作業支援を、シリンジ6の使用個数の回数だけ繰り返すようになっている。しかも、その繰り返しにおける各回の水剤抜取作業と計量作業の完了は、計量結果が間隔比較手段でも本数比較手段でも有効とされたことで判定されるので、調剤支援の提示が調剤者の手や足を煩わすことなく自動で作業進行に同期して更新されることとなる。なお、調剤指示データで指示されていれば、その指示に応じて、シリンジ6で抜き取った水剤を図示しない供給容器に注入する混注についても作業支援するようになっている。また、後述する間隔比較手段からシリンジ6の使用に誤りのあることを知らされたときには、シリンジ6の取り替えを通知装置13の提示にて調剤者に促すようにもなっている。
画像認識手段は、撮像装置19で撮られてメインメモリの該当データ領域に書き込まれた撮影画像から、予め固定的に設定された或いは画像状態に応じて動的に絞り込んだ画像処理対象領域を切り出し、その画像処理対象領域について例えばぼかしや細線化などの適宜な前処理を施してシリンジ6の目盛6bの画像を検出するようになっている。そして、そのような目盛画像が検出されると、直線化や補完さらには位置ずれ修正などの後処理も施して、目盛画像が一列に並んだ目盛画像のイメージデータを作り上げるようになっている(図2(b),(c)参照)。さらに、画像認識手段は、検出した目盛画像が等間隔で並んでいる目盛連続部分A,Cと、該間隔より広い範囲(図示の例では目盛6b四本分以上の範囲)で目盛画像が抜け落ちている目盛抜落部分Bとを区分けするとともに、目盛連続部分A,Cについては、目盛画像のピッチを測って、目盛画像間隔値(等間隔の部分の間隔情報)を得るようになっている。
液量算出手段は(図1(c)参照)、目盛連続部分A,Cのうち目盛抜落部分Bよりシリンジ6の針装着部6a側に位置する目盛連続部分Aに属する目盛画像の数を数え上げて(図2参照)、その本数に基づいてシリンジ6内の液量の推定値を算出するようになっている。目盛6bは液量がゼロの所から一定間隔で記されているので、目盛連続部分Aに属する目盛画像の数から“1”を減じた数に、水剤抜取に使用され撮像装置19で撮られたシリンジ6に係る目盛と内容量の情報の一つである一目盛当たりの内容量を乗じることで、シリンジ6の吸入量すなわちシリンジ6での水剤抜取量を得るものとなっている。
間隔比較手段は(図1(c)参照)、データ選出手段の選出情報の一つの目盛間隔データと、画像認識手段の検出値の一つの目盛画像間隔値(等間隔の部分の間隔情報)とについて、単位がmmか画素数の何れかで揃っていることを前提として又は揃えたうえで、両者を比較し、その差違が撮影画像の拡縮変動等を考慮した所定の許容範囲に収まっていればシリンジ6が適切なものであると判定するが、両者の差違が上記の許容範囲から外れていればシリンジ6が不適なものである判定する。そして、適切の判定時には、液量算出手段の算出値の有効性を直ちには否定しないで本数比較手段の判別結果に委ねるが、不適の判定時には、本数比較手段の判別結果に拘わらず液量算出手段の算出値を無効にするとともに、シリンジ6の使用に誤りのあることを作業案内手段に伝達するようになっている。
継続検出手段は、先ず、計量開始のタイミングを自動で推し量るために、撮影画像における画像処理対象領域について目盛画像が検出されるか否かを画像認識手段の認識状況の監視にて把握し、目盛画像が検出される状態が一定時間以上継続すると、載置台14が空で新たなシリンジ6の受け入れ態勢が整っており、計量を開始することができる状態であると判定する。そして、撮影画像における画像処理対象領域について目盛画像が検出されない状態が継続した後は、載置面17へのシリンジ6の載置を待つが、計量対象のシリンジ6が調剤者の手で持たれて載置面17から浮いている過渡的状態や調剤者の手から離れて載置面17の上に置かれているが完全には静止していない不静定状態では正確な計量が期待できないことから、シリンジ6の静定を待つために、撮影画像よりも検出処理の容易な目盛画像を使用して静定状態の検出を行うようになっている。具体的には、目盛画像が検出される状態が一定時間以上継続することと、検出された目盛画像の本数の変動が一定値以下であることとを確認するようになっている。そして、目盛画像が継続かつ安定して検出されたときに、液量算出手段から算出値が得られれば、それを現段階での計量結果に採用して本数比較手段に引き渡すが、目盛画像が継続かつ安定して検出されるまでは、液量算出手段から算出値が得られたとしても、それは無効にするようになっている。
目盛数推定手段は、目盛連続部分A,Cの目盛画像の並びから目盛抜落部分Bに属する目盛の数を推定するものであり、具体的には、例えば、上述した画像認識手段の検出値の一つの目盛画像間隔値(等間隔の部分の間隔情報)で目盛抜落部分Bの幅を除し、その整数部分から“1”を減じることで、目盛数推定値を算出するようになっている。
本数比較手段は、目盛数推定手段によって算出された目盛抜落部分Bに属する目盛推定数と、データ選出手段によって選出されたパッキン厚データから直ちに又は換算にて分かるパッキン厚み相当の目盛数とを比較する。また、目盛連続部分A,Cの目盛画像の数とパッキン厚データから分かるパッキン厚み相当の目盛数との和と、データ選出手段によって選出された目盛総数データから直ちに又は換算にて分かるシリンジ6の目盛6bの総数とを比較する。そして、何れの比較でも差違が許容範囲内にとどまっていれば、液量算出手段の算出値を有効とするがそうでなければ液量算出手段の算出値を無効にするようになっている。なお、上述した二つの比較手法は、式の変形の観点からは等価と言えるものなので、何れか一方を行うだけでも良いが、チェックの主対象が目盛画像のうち目盛抜落部分Bなのか目盛連続部分Cなのかという点では相違するので、この例では念入りに両比較が行われる。また、本数比較は、針装着部6a側の目盛連続部分Aとフランジ6c側の目盛連続部分Cとその中間の目盛抜落部分Bとが総て検出されたときに(図2(b)参照)役目を果たせるものなので、シリンジ6での水剤抜取を満杯になるまで許容する運用下では(図2(c)参照)、満杯に近づくと目盛連続部分Cが検出されなくなるので、その場合は比較や無効処理を差し控える動作モードを設定できるようにもなっている。
図3にブロック図を示したシリンジ計量システム20は、上述したシリンジ計量システム10を変形して実用的な分散型にするとともに、一部機能を追加したものである。
分散型のシリンジ計量システム20が単独型のシリンジ計量システム10と相違するのは、読取装置11と情報処理装置12と通知装置13と載置台14とを組にした計量セットが複数・多数になっている点と、各セットの情報処理装置12と無線LANで交信するサーバ21が追加された点と、処方箋データと薬品マスタと解析データと部材マスタといったデータベースがサーバ21に移設されてそれを各情報処理装置12が無線LAN経由で参照するようになった点と、CPU負荷の大きい混注解析の処理もサーバ21に移設されて各情報処理装置12は混注解析については処理の依頼と結果利用だけ行うようになった点と、サーバ21が調剤指示箋2の印刷を行うようになっている点と、各情報処理装置12と無線LANで交信する監査支援装置22が追加された点と、各情報処理装置12にデータ収集手段がインストールされて計量処理の進行状況や画像データが各情報処理装置12で随時収集されるとともに無線LAN経由でサーバ21と監査支援装置22に送信されるようになった点と、そのデータをサーバ21がログデータとして蓄積し監査支援装置22が監査者の監査作業の支援に利用するようになった点である。
この実施例1のシリンジ計量システム10,20について、その使用態様及び動作を説明する。シリンジ計量システム10とシリンジ計量システム20との相違は、要するに集中処理か分散処理かという点と、ロギングや監査支援といった付加機能の有無なので、以下、両システム10,20を峻別しないで、説明を進める。
シリンジ計量システム10,20は、薬局調剤室等に固定設置して使用することも、携帯して病棟病室等を渡り歩きながら立ち寄った各所で使用することも可能であるが、読取装置11と情報処理装置12と通知装置13と載置台14とを組にした計量セット11〜14は、小形軽量化されているので、携帯容易であり、調剤作業の邪魔になることもない。また、何れの使用態様であれ、計量の開始タイミングや終了タイミングがシステムの情報処理装置12によって自動検知されるので、それらのタイミングをシステムの情報処理装置12に知らせるために従来は調剤者が行っていたフットスイッチやタッチパネルの操作が不要なので、調剤作業が円滑に進む。
調剤作業の一例を述べると、先ず診察病棟等で処方箋が発行されると、その処方箋データが処方オーダエントリシステム等を介して情報処理装置12かサーバ21の待ち行列に入れられるとともに、サーバ21か調剤装置群管理システム等によって調剤指示箋2が印刷される。そして、調剤指示箋2に基づき薬局部門で薬剤師等によって調剤指示箋2で指定された水剤の供給容器4,4と水剤抜取に用いるシリンジ6が取り揃えられ、それらの調剤指示箋2と供給容器4,4とシリンジ6は、トレー等で纏められて一組の水剤抜取セット2〜6となり、無菌室や病室といった調剤場所に運ばれる。
調剤場所には予め計量セット11〜14が設置されているか、水剤抜取セット2〜6と同様に計量セット11〜14も調剤場所に運び込まれる。こうして調剤作業に使用するものが揃うので、調剤者は、計量セット11〜14を電源投入等にて起動させてから、水剤抜取セット2〜6に係る調剤作業を開始する。具体的には、通知装置13の提示にて調剤者の識別コードの入力が促されるので、調剤者は読取装置11等を用いて自身の識別コードを情報処理装置12に入力する。そうすると、その識別コードの読取に応じて、情報処理装置12が調剤者を特定する。その調剤者特定情報はサーバ21でのデータロギングや監査支援装置22での監査支援に供される他、作業遂行権限のチェックにも使われる。
調剤者の特定が済むと、通知装置13の提示にて処方箋か調剤指示箋の識別情報の入力が促されるので、調剤者は再び読取装置11等を用いて調剤指示箋2から識別情報を読み取らせる。そうすると、その識別情報の読取に応じて、情報処理装置12が調剤指示データを作り上げるとともに、抜取対象の水剤とその供給容器4,4に係るデータや,使用するシリンジ6に係るデータ,それらに該当する調剤パターン等を選出し、その調剤パターンに基づいて混注手順などの調剤手順や作業内容を決める。そして、それらの名称や画像と、シリンジ6で抜き取るべき水剤の名称と処方量とが、通知装置13にて提示される。その際、複数個のシリンジ6が使用される場合にはシリンジ6の画像も複数個が並んで提示され、供給容器4も複数個であれば供給容器4の画像も複数個が並んで提示されるので、調剤者は、通知装置13の提示と現物の水剤抜取セット2〜6とを見比べて確認する。
また、シリンジ6を使用した水剤抜取作業とそれに続く載置台14での計量作業も情報処理装置12が決め、その作業内容が文字と画像で通知装置13に提示されるので、調剤者は、通知装置13の提示を参照しながら、供給容器4から水剤を指示された量だけシリンジ6で抜き取り、そのシリンジ6を載置台14の載置面17に載せ置く。その際、目盛6bが撮像装置19の方を向く姿勢でシリンジ6を横たえる。後ほど詳述するが、シリンジ6が載置面17の上に置かれると、照明装置15による背後からの照明と撮像装置19による正面からの撮像とが自動で行われ、その撮影画像に基づく画像認識等の自動処理によってシリンジ6の液量が計測されるとともに適否判定もなされて、その計量結果と判定結果が通知装置13にて提示される。
そして、その判定結果の適否に応じて、不適の場合は通知装置13の提示にて水剤抜取の遣り直しや抜取量の微調整が促されるので、それに応じて調剤者は水剤抜取作業と計量作業を遣り直す。そして、情報処理装置12によって計量が適切であると判定されると、通知装置13の提示にてその旨が調剤者に知らされるとともに、水剤抜取を行うべきシリンジ6が未だ残っていれば、未使用のシリンジ6を使用した水剤抜取作業とそれに続く載置台14での計量作業が通知装置13の提示にて促されるので、調剤者は水剤抜取作業と計量作業を繰り返す。シリンジ計量システム10,20によって催促された繰り返し回数だけ調剤者が水剤抜取作業と計量作業を繰り返すと、一組の水剤抜取セット2〜6に係る調剤作業が完了するとともに、その作業に際して自動収集されたデータが、情報処理装置12からサーバ21や監査支援装置22に送られて、ログデータに蓄積されるとともに、監査者による調剤結果の確認に際して監査支援に使用される。
こうして調剤された水剤は、調剤指示に従ってシリンジ6に収容されたまま又は供給容器等に注入されて調剤場所から監査場所へ運ばれ、監査後、施用場所へ運ばれる。なお、病室等の施用場所で上述した調剤作業が行われる場合は、水剤抜取セット2〜6の取り揃え後に監査を済ませておくことにより調剤場所と監査場所と施用場所との間で水剤抜取セット2〜6を移動させることなく水剤の抜取から施用まで速やかに行うことができる。また、遠隔の監査支援装置22を利用して調剤作業を妨げることなく同時監査を行うことにより、調剤者や施用者に負担をかけないで作業の信頼性を高めることができる。
最後に、シリンジ6に収容されている水剤の液量の計測について詳述する。載置面17の上に何も置かれていない計量開始前の状態では、シリンジ6の目盛6bが撮像装置19で撮った撮影画像に写り込むことが無いので、情報処理装置12では、画像認識手段によって目盛画像が検出されることも無く、その検出状態が継続検出手段によって監視される。そのような状態が継続した後、調剤者によって載置台14の載置面17の上にシリンジ6が載せ置かれると、情報処理装置12では、画像認識手段によって目盛画像が検出され、やがて載置面17の上でシリンジ6が静止すると、情報処理装置12では、目盛画像が安定し、その安定状態が続くので、継続検出手段によって液量算出手段の算出値が有効にされ、液量算出手段の算出値がその時点における計量結果の候補となる。
また、情報処理装置12では、目盛画像が検出されるようになると、画像認識手段によって、目盛画像の並びが針装着部6a側の目盛連続部分Aとプランジャ6d側の目盛連続部分Cとその間の目盛抜落部分Bとに区分けされ(図2(b)参照)、目盛連続部分A,Cにおける目盛画像のピッチから目盛画像間隔値(等間隔の部分の間隔情報)が求められる。さらに、情報処理装置12では、液量算出手段によって、針装着部6a側の目盛連続部分Aに属する目盛画像の本数が数えられ、その本数に基づいてシリンジ6内の液量の推定値が算出される。そして、継続検出手段によって液量算出手段の算出値が計量結果の候補に挙げられていれば、やはり継続検出手段によって液量算出手段の算出値が計量結果の候補として本数比較手段に引き渡される。
それと並行して、情報処理装置12では、間隔比較手段によって、現物のシリンジ6に係る目盛画像間隔値と調剤指示による目盛間隔データとの比較と適否判定が行われ、適切の判定時には、液量算出手段の算出値の有効性がとりあえず維持されて液量算出手段の算出値の計量結果への採否が本数比較手段の判別結果に委ねられるが、不適の判定時には、本数比較手段の判別結果に拘わらず液量算出手段の算出値が無効にされて計量結果への採否が控えられるうえ、更にシリンジ6の使用に誤りのあることが間隔比較手段から作業案内手段に伝えられて通知装置13にて調剤者に提示される。
さらに、情報処理装置12では、液量算出手段の算出値の有効性判別が間隔比較手段から本数比較手段に委ねられと、現物のシリンジ6に係る目盛抜落部分Bに属する目盛の数を示す目盛数推定値が目盛数推定手段によって算出され、その目盛推定数と調剤指示に対応したパッキン厚み相当の目盛数とが本数比較手段によって比較される。それに加え、本数比較手段によって、目盛連続部分A,Cの目盛画像の数と調剤指示に対応したパッキン厚み相当の目盛数との和と、調剤指示に対応した目盛総数データから分かる目盛総数との比較も行われる。そして、何れの比較でも差違が許容範囲内にとどまっていれば、液量算出手段の算出値が有効とされるが、そうでなければ液量算出手段の算出値が無効にされる。なお、フランジ6c側の目盛連続部分Cが検出されないときに(図2(c)参照)、単に上述の比較判定が差し控えられるにとどまるか、比較するまでもなく異常や誤りがあると判定されるかは、動作モードの設定に依存する。
それから、情報処理装置12では、液量算出手段の算出値の有効性が本数比較手段でも維持され間隔比較手段でも維持されたときだけ、液量算出手段の算出値が、有効な計量結果として作業案内手段に引き渡され、通知装置13にて調剤者に提示される。
こうして、調剤者がシリンジ6を載置台14に載せ置くだけで、後は自動でシリンジ6に収容されている水剤の液量が計測される。しかも、計量後、調剤者がシリンジ6を載置台14から取り去ると、載置面17の上が何も置かれていない計量開始前の状態に戻り、その状態が撮影画像に基づいて情報処理装置12によって検知され、次の計量の開始タイミングが計られる。そのため、調剤者は、簡便かつ迅速に計量作業を行うことができる。
[その他]
上記実施例では、情報処理装置12と載置台14とがケーブル接続式の別体になっていたが、これらは、機械的に一体化されていても良く、その際、完全な一体化や固定的な連結に限らず、着脱式・開閉式・折曲式・引出式など可動的に連結されていても良い。
上記実施例では、プログラムで具体化された各手段とプログラムモジュールとが一対一になっているプログラム構成例を図示したが、プログラムのモジュール化その他の構成態様は図示の例に限定されるものでなく、各手段の名称と機能との対応も限定されるものでなく、必要な機能が情報処理装置12によって発揮されるようになっていれば良い。データベースについても、同様であり、適宜な組み合わせで統合しても良い。
上記実施例では、適否確認用の識別情報読取が調剤指示箋2に対してしか行われなかったが、供給容器4やシリンジ6に識別情報が付されている場合は、それについても読取装置11や撮像装置19にて識別情報読取を行えば情報処理装置12が適否確認を行うようにしても良い。
本発明のシリンジ計量システムは、水剤を収容した供給容器からシリンジにて水剤を抜き取って計量する作業であれば適用可能かつ有益であり、抜き取った水剤はシリンジに収めたまま施術に利用しても良く、他の水剤や散薬などに混合させても良い。
2…調剤指示箋、4…供給容器、
6…シリンジ(注射筒)、6a…針装着部、6b…目盛、6c…フランジ、
6d…プランジャ(押子)、6e…パッキン(密封部材)、6f…凸面部、
10…シリンジ計量システム(単独型)、11…読取装置、
12…情報処理装置、13…通知装置、14…載置台、15…照明装置、
16…発光面、17…載置面、18…逃げ(切欠)、19…撮像装置、
20…シリンジ計量システム(分散型)、21…サーバ、22…監査支援装置、
A…目盛連続部分(針装着側)、B…目盛抜落部分(パッキン陰)、
C…目盛連続部分(フランジ側)、t…パッキン厚

Claims (5)

  1. 計量対象のシリンジを計量時に載せて置く載置台と、前記載置台の載置面の上のシリンジをその周囲も含めて撮る撮像装置と、前記撮像装置で得た撮影画像からシリンジの目盛画像を検出するとともに検出した目盛画像が等間隔で並んでいる目盛連続部分と該間隔より広い範囲で目盛画像が抜け落ちている目盛抜落部分とを区分けする画像認識手段と、前記目盛連続部分のうち前記目盛抜落部分よりシリンジの針装着側に位置する目盛連続部分に属する目盛画像の数に基づいてシリンジ内の液量の推定値を算出する液量算出手段とを備えているシリンジ計量システムであって、計量対象のシリンジに付された目盛の総数が分かる目盛総数データと該シリンジのパッキンの厚みに相当する目盛数が分かるパッキン厚データとを記憶保持する手段と、前記目盛連続部分の目盛画像の並びから前記目盛抜落部分に属する目盛の数を推定する目盛数推定手段とを備え、前記目盛抜落部分に属する目盛推定数と前記パッキン厚データから分かる目盛数とを比較すること、及び前記目盛連続部分の目盛画像の数と前記パッキン厚データから分かる目盛数との和と前記目盛総数データから分かる目盛数とを比較することのうち、何れか一方または双方のことを行って差違が許容範囲から外れていれば前記液量算出手段の算出値を計量結果に採用するのを控えるようになっていることを特徴とするシリンジ計量システム。
  2. 計量対象のシリンジを計量時に載せて置く載置台と、前記載置台の載置面の上のシリンジをその周囲も含めて撮る撮像装置と、前記撮像装置で得た撮影画像からシリンジの目盛画像を検出するとともに検出した目盛画像が等間隔で並んでいる目盛連続部分と該間隔より広い範囲で目盛画像が抜け落ちている目盛抜落部分とを区分けする画像認識手段と、前記目盛連続部分のうち前記目盛抜落部分よりシリンジの針装着側に位置する目盛連続部分に属する目盛画像の数に基づいてシリンジ内の液量の推定値を算出する液量算出手段とを備えているシリンジ計量システムであって、調剤作業を遂行している調剤者に情報を提示する通知装置と、処方箋データから支援対象部分を抽出した調剤指示データを取得するデータ取得手段と、各種の薬剤に係る薬品名と比重と薬剤量の情報をデータ保持した薬品マスタ及び各種のシリンジに係る目盛と内容量の情報をデータ保持した部材マスタを記憶保持する手段と、前記調剤指示データに基づいて使用するシリンジと該シリンジで抜き取るべき水剤の名称と処方量とを前記通知装置に提示させる作業案内手段と、前記作業案内手段で案内するシリンジの情報を前記部材マスタから選出するデータ選出手段と、その選出情報と前記画像認識手段にて認識された等間隔の部分の間隔情報とを比較することによりシリンジの適否を判別する間隔比較手段とを備えていることを特徴とするシリンジ計量システム。
  3. 調剤作業を遂行している調剤者に情報を提示する通知装置と、処方箋データから支援対象部分を抽出した調剤指示データを取得するデータ取得手段と、各種の薬剤に係る薬品名と比重と薬剤量の情報をデータ保持した薬品マスタ及び各種のシリンジに係る目盛と内容量の情報をデータ保持した部材マスタを記憶保持する手段と、前記調剤指示データに基づいて使用するシリンジと該シリンジで抜き取るべき水剤の名称と処方量とを前記通知装置に提示させる作業案内手段と、前記作業案内手段で案内するシリンジの情報を前記部材マスタから選出するデータ選出手段と、その選出情報と前記画像認識手段にて認識された等間隔の部分の間隔情報とを比較することによりシリンジの適否を判別する間隔比較手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のシリンジ計量システム。
  4. 前記撮影画像における画像処理対象領域について目盛画像が検出されない状態が継続した後に目盛画像が継続かつ安定して検出されるまでは前記液量算出手段の算出値を計量結果に採用するのを控えるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載されたシリンジ計量システム。
  5. 拡散性の発光面を有する照明装置が、前記発光面を前記撮像装置に対向させ且つその対向間隙内に前記載置面を来させる配置状態で、設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載されたシリンジ計量システム。
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