JP2020069268A - 混注管理システム、混注管理プログラム、及び混注管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬品容器に収容されている薬品の効率的な使用を支援することのできる混注管理システム、混注管理プログラム、及び混注管理方法を提供すること。【解決手段】混注管理システムは、薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に関する情報に基づいて、前記混注作業が実施される複数の混注作業部に振り分ける振分処理部と、前記振分処理部による振り分け結果に関する情報を提示する提示処理部とを備える。【選択図】図11

Description

本発明は、抗がん剤のような薬品の混注作業を支援する混注管理システム、混注管理プログラム、及び混注管理方法に関する。
アンプル又はバイアル瓶などの薬品容器に収容された抗がん剤などの薬品を注射器で採取し、その薬品を輸液が収容された輸液バッグに注入する混注作業を実行する混注装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の混注装置では、抗がん剤などの薬品による被爆を防止するため、陰圧に設定された安全キャビネット内で混注作業が実行される。
特開2012−250016号公報
ところで、混注作業において採取すべき薬品の量が、薬品容器に収容されている薬品の量の整数倍でなければ、混注作業後に薬品容器に薬品が残存してしまう。そこで、薬品容器に残存した残存薬品を有効利用するために、同種の薬品を採取すべき別の混注作業において当該残存薬品を使用することが考えられる。
しかしながら、抗がん剤のような薬品が残存している薬品容器を安全キャビネットの外部に持ち出すことは一般的に許されていない。よって、複数の安全キャビネットが設置されている状況において、ある安全キャビネットで実施された混注作業において発生する残存薬品を、別の安全キャビネットで実施される混注作業において使用することができず、残存薬品が無駄になることがある。
本発明の目的は、薬品容器に収容されている薬品の効率的な使用を支援することのできる混注管理システム、混注管理プログラム、及び混注管理方法を提供することにある。
本発明に係る混注管理システムは、薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に基づいて、前記混注作業が実施される複数の混注作業部に振り分ける振分処理部と、前記振分処理部による振り分け結果に関する情報を提示する提示処理部とを備える。
本発明に係る混注管理プログラムは、一又は複数のプロセッサーに、薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に基づいて、前記混注作業が実施される複数の混注作業部に振り分ける振分ステップと、前記振分ステップにおける振り分け結果に関する情報を提示する提示ステップとを実行させるための混注管理プログラムである。
本発明に係る混注管理方法は、薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に基づいて、前記混注作業が実施される複数の混注作業部に振り分ける振分ステップと、前記振分ステップにおける振り分け結果に関する情報を提示する提示ステップとを含む。
本発明によれば、薬品容器に収容されている薬品の効率的な使用を支援することのできる混注管理システム、混注管理プログラム、及び混注管理方法が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係る混注管理システムの一例を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態に係る混注支援装置のシステム構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施形態に係る混注支援装置の外観構成を示す斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る混注支援装置で用いられる安全キャビネットの使用状態を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る自動混注装置のシステム構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施形態に係る自動混注装置の外観構成を示す斜視図である。 図7は、本発明の実施形態に係る自動混注装置の主扉を開けた状態の斜視図である。 図8は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで実行される混注管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで実行される振り分け処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図10は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される振り分け画面の一例を図である。 図11は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される振り分け画面の一例を図である。 図12は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される振り分け画面の一例を図である。 図13は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される残薬画面の一例を図である。 図14は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される残薬画面の一例を図である。 図15は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される残薬画面の一例を図である。 図16は、本発明の実施形態に係る混注支援装置のシステム構成を示すブロック図である。 図17は、本発明の実施形態に係る混注支援装置の外観構成を示す斜視図である。 図18は、本発明の実施形態に係る薬品管理ユニットの外観構成を示す斜視図である。 図19は、本発明の実施形態に係る薬品管理ユニットの外観構成を示す平面図である。 図20は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで実行される残薬保管処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図21は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで用いられる残薬管理情報の一例を示す図である。 図22Aは、本発明の実施形態に係る薬品管理ユニットにおける報知方法を説明するための図である。 図22Bは、本発明の実施形態に係る薬品管理ユニットにおける報知方法を説明するための図である。 図22Cは、本発明の実施形態に係る薬品管理ユニットにおける報知方法を説明するための図である。 図22Dは、本発明の実施形態に係る薬品管理ユニットにおける報知方法を説明するための図である。 図23は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで実行される残薬利用処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図24は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで実行される残薬利用処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図25Aは、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される案内画面の一例を図である。 図25Bは、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される案内画面の一例を図である。 図26Aは、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される登録画面の一例を図である。 図26Bは、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される登録画面の一例を図である。 図27は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される設定画面の一例を図である。 図28は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで出力される帳票の一例を図である。 図29は、本発明の実施形態に係る混注管理システムで表示される出力画面の一例を図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る混注管理システム1は、混注管理装置2と、一又は複数のクライアント端末3と、一又は複数の混注支援装置4と、一又は複数の自動混注装置5とを備える。ここに、混注管理システム1は、本発明に係る混注管理システムの一例である。なお、前記混注管理装置2単体を、本発明に係る混注管理システムとして捉えてもよい。また、前記混注支援装置4単体を、本発明に係る混注管理システムとして捉えてもよい。
前記混注管理装置2、前記クライアント端末3、前記混注支援装置4、及び前記自動混注装置5各々は、LAN又はインターネット等の通信網N1を介して無線又は有線で通信可能に接続される。また、前記混注管理装置2には、前記混注管理装置2に処方データを入力する電子カルテシステム又は処方入力端末などの上位システム6が前記通信網N1を介して接続されている。例えば、前記処方データには、処方箋交付年月日、患者ID、患者名、患者生年月日、薬品情報(薬品コード、薬品名、用量など)、服用方法(内服、外用など)、用法情報(1日3回毎食後など)、診療種別(外来、入院など)、診療科、病棟、及び病室などが含まれる。なお、前記混注管理装置2が処方箋から処方データを読み取り可能であること、又は前記混注管理装置2においてユーザー操作による処方データの入力が可能であることも考えられる。
[混注管理装置2]
前記混注管理装置2は、制御部21、記憶部22、通信I/F23、表示部24、操作部25、及びドライブ装置26等を備えるパーソナルコンピュータである。前記混注管理装置2は、前記混注管理システム1が使用される医療機関の内部又は外部に配置される。
前記制御部21は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標、以下同様)などの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部21は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラム(例えば、後述する混注管理プログラム)に従って各種の処理を実行する。
前記記憶部22は、各種のデータを記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの記憶部である。具体的に、前記記憶部22には、前記制御部21等のコンピュータに後述の混注管理処理(図8参照)を実行させるための混注管理プログラムが予め記憶されている。なお、本発明は、前記制御部21等のコンピュータに前記混注管理処理を実行させるための前記混注管理プログラム又は前記混注管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の発明として捉えてもよい。また、本発明は、前記混注管理装置2等において前記混注管理処理の各処理手順を実行する混注管理方法の発明として捉えてもよい。
また、前記記憶部22には、例えば医薬品マスター、患者マスター、ユーザーマスターなどの各種のデータベースも記憶されている。さらに、前記記憶部22には、前記医薬品マスターとは別に薬品データベースも記憶されている。
前記医薬品マスターには、薬品ID、薬品コード、薬品名、YJコード、JANコード(又はRSSコード)、薬瓶コード、区分(剤形:散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、錠剤の形状(カプセル錠、球形錠、平錠(円板状の錠剤)など)、錠剤の色、錠剤のサイズ、比重、薬品種(普通薬、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬など)、配合変化、賦形薬品、注意事項などの医薬品各々に関する情報が含まれる。
前記ユーザーマスターには、薬局名、薬剤師の氏名、薬剤師のID、パスワード、ユーザーグループ、及び処理権限などのユーザーに関する情報が含まれる。前記患者マスターには、患者ID、氏名、性別、年齢、既往歴、処方薬履歴、家族情報、診療科、病棟、及び病室などの患者に関する情報が含まれる。
前記薬品データベースには、薬品ごとに、薬品コード、薬品名称、JANコード、RSSコード、薬瓶コード、剤形、単位、比重、薬品種、配合変化、賦形薬品、注意事項、アレルギー情報、添付文書情報などの情報が対応付けて記憶されている。特に、前記薬品データベースにおいて、錠剤については、その錠剤に形成されている錠剤の識別情報(例えば、その錠剤の薬種を識別するための情報)及び錠剤の形状などの情報が記憶されている。前記薬品データベースは、例えば前記ドライブ装置26によってCD又はDVDなどの記録媒体から読み取られ、又は前記通信網N1を介して外部装置から受信され、前記記憶部22に記憶される。なお、前記薬品データベースは、前記混注管理システム1において、前記医薬品マスターなどの各種マスターに情報を取り込む際、又は薬品各々の添付文書の情報を参照する際などに使用される。また、前記制御部21が、前記通信網N1を介して外部装置又はウェブサイトから前記薬品データベースを必要に応じて読み出すことが可能な構成であってもよい。なお、前記薬品データベースは前記医薬品マスターの更新などに用いられる。
前記通信I/F23は、前記通信網N1を介して前記クライアント端末3、前記混注支援装置4、及び前記自動混注装置5などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
前記表示部24は、前記制御部21からの制御指示に従って各種の情報及び操作画面を表示する液晶モニター等の表示部である。前記操作部25は、ユーザー操作を受け付けるキーボード、マウス及びタッチパネル等の操作部であり、ユーザー操作に対応する操作信号を前記制御部21に入力する。前記操作部25は、例えば前記表示部24に表示された表示画面における処方データの選択操作、及び前記処方データの調剤開始を要求する処方データの発行操作などの各種操作入力を受け付ける。
前記ドライブ装置26は、前記混注管理プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体261から前記混注管理プログラムを読み取ることが可能である。前記記録媒体261は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどであり、前記ドライブ装置26は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。前記混注管理装置2では、前記制御部21により、前記ドライブ装置26を用いて前記記録媒体261から読み取られた前記混注管理プログラムが前記記憶部22に記憶される。
このように構成された前記混注管理装置2において、前記制御部21は、前記混注管理プログラムに従って各種の処理を実行する。なお、前記制御部21は、前記処方データに基づいて、後述する混注作業の内容を示す処方データ(以下、調製データと称する)を生成し、その調製データを前記混注支援装置4及び前記自動混注装置5に入力する機能も有する。これにより、前記混注支援装置4及び前記自動混注装置5では、前記調製データに基づいて、後述する混注支援処理及び自動混注処理が実行される。
例えば、前記調製データには、患者情報(患者ID、患者氏名、身長、体重、体表面積など)、調製日、調製時間、薬品情報(薬品コード、薬品名など)、用量(薬品の払出量)、レジメン識別情報などが含まれる。前記レジメン識別情報は、例えば療法名(レジメン名)、療法ID、又はレジメンIDなどのレジメン情報を識別可能な情報である。また、前記調製データには、医師情報、薬品容器の種類(薬液入りアンプル、薬液入りバイアル瓶、又は粉薬入りバイアル瓶など)、調製内容情報(混注作業に使用する薬品容器、注射器、注射針の種類及び本数等)、及び調製手順情報(作業内容、溶解薬、溶媒、溶解薬量、溶媒量、抜取量)、投薬日、処方箋区分、診療科、病棟などの情報が含まれていてもよい。また、前記調製データは、前記処方データそのものであってもよい。
前記制御部21は、前記調製データに基づいて実行される混注管理処理の結果を前記クライアント端末3などに表示する。前記制御部21により実行される前記混注管理処理の詳細については後述する。
[クライアント端末3]
前記クライアント端末3は、制御部31、記憶部32、通信I/F33、表示部34、及び操作部35などを備えるパーソナルコンピュータである。前記クライアント端末3各々は、前記混注管理システム1が使用される医療機関に配置され、薬剤師などのユーザーによって操作される操作端末である。
前記制御部31は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部31は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
前記記憶部32は、前記制御部31によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。具体的に、前記記憶部32には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムが記憶される。前記ブラウザソフトは、前記通信網N1を介して前記混注管理装置2にアクセスすることにより前記表示部34に各種の操作画面などを表示させると共に、前記操作部35を用いた前記操作画面に対する入力操作を前記混注管理装置2に伝達するためのアプリケーションソフトウェアである。具体的に、前記制御部31は、前記ブラウザソフトにより表示される操作画面の所定位置に、前記混注管理装置2に対応するURL(Universal Resource Locator)などのアドレス情報が入力された場合に、該アドレス情報に基づいて前記混注管理装置2にアクセスする。
前記通信I/F33は、前記通信網N1を介して前記混注管理装置2などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
前記表示部34は、前記制御部31からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。前記操作部35は、前記クライアント端末3に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部である。具体的に、前記操作部35は、前記表示部34に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード、マウス(ポインティングデバイス)、及びタッチパネルを含む。
そして、前記混注管理システム1では、前記混注管理装置2及び前記クライアント端末3によりサーバクライアントシステムが構成されており、前記混注管理装置2が前記クライアント端末3のユーザー操作に応じて各種の処理を実行する。例えば、前記混注管理装置2の制御部21は、HTMLなどのページ記述言語によって記述されたデータを前記クライアント端末3に送信することにより、前記クライアント端末3の表示部34に各種の画面を表示させる。また、前記クライアント端末3の制御部31は、前記操作部35に対する操作入力に応じて前記混注管理装置2に操作信号を送信する。
なお、前記混注管理装置2、前記クライアント端末3、及び前記混注支援装置4のいずれか一つ又は複数に、前記混注管理プログラムの一部又は全部がインストールされており、後述の混注管理処理(図8参照)が前記混注管理装置2、前記クライアント端末3、又は前記混注支援装置4などによって協働して実行されることも考えられる。
[混注支援装置4]
次に、図2〜図4を参照しつつ、前記混注支援装置4の構成について説明する。図2及び図3に示すように、前記混注支援装置4は、制御部41、操作表示部42、第1読取部43、プリンター44、フットスイッチ部45、第2読取部46、及び秤量部47などを備える。そして、前記混注支援装置4は、医師又は薬剤師などの作業者によって実行される混注作業の効率化を図るために使用される。
前記混注作業は、前記調製データに示された抗がん剤などの薬品(薬剤、製剤)を既定量の前記薬品が収容された一又は複数の薬品容器から輸液容器に注入する作業である。具体的に、前記混注作業において、作業者は、薬品容器から注射器で薬液を吸引して、生理食塩液のような溶解液が収容されている輸液バッグに注入する作業を実行することがある。また、前記混注作業において、作業者が、輸液バッグから生理食塩液のような溶解液を注射器で吸引して、粉薬が収容されている薬品容器に注入してその粉薬を溶解させ、その溶解後の薬液を注射器で吸引して輸液バッグに注入する作業を実行することもある。
図3に示されるように、前記第2読取部46及び前記秤量部47は、作業者が混注作業を行う安全キャビネット100の作業室101内に配置される。一方、前記制御部41、前記操作表示部42、前記第1読取部43、前記プリンター44、及び前記フットスイッチ部45は、前記安全キャビネット100の作業室外に配置される。なお、前記操作表示部42及び前記プリンター44などは前記安全キャビネット100の作業室101内に設けられてもよい。
なお、前記安全キャビネット100又は前記作業室101は、本発明の混注作業部の一例である。また、前記安全キャビネット100又は前記作業室101は、本発明の手作業部の一例でもある。
前記安全キャビネット100は、前面が透明なガラス扉102で仕切られた作業室101を備える。また、前記ガラス扉102は、下方に開放部103が形成される位置で支持されており、作業者は前記開放部103から前記作業室101内にアクセス可能である。なお、前記安全キャビネット100には、前記作業室101内の空気を清浄化して排気するためのHEPAフィルタを有する空気清浄装置104なども設けられている。
そして、図4に示されるように、作業者は、前記開放部103から両手を前記作業室101内に差し込み、前記作業室101内を目視しながら薬品の混注作業を行う。なお、前記混注支援装置4では、毒性の無い薬品(薬剤、製剤)を混注作業する場合、前記安全キャビネット100に代えて、クリーンベンチなどが用いられることも考えられる。前記クリーンベンチの作業室も、本発明の混注作業部の一例である。
前記安全キャビネット100内に設けられる前記第2読取部46は、前記混注作業で使用する薬品の薬品容器に付されている一次元コード又は二次元コードなどのコード情報を読み取り可能なコード読取装置である。前記二次元コードは、例えばQRコード(登録商標)である。前記コード情報には、前記薬品の種類を特定するための識別情報が含まれている。前記第2読取部46で読み取られる前記コード情報は、前記制御部41に入力される。
同じく前記安全キャビネット100内に設けられる前記秤量部47は、前記混注作業における各種の計量に用いられる電子天秤である。前記秤量部47による計量結果は、リアルタイムで前記制御部41に入力される。また、前記秤量部47は、計量結果が安定したか否かを示す安定情報を前記制御部41に入力する。これにより、前記制御部41では、前記秤量部47による計量結果及び安定有無などの情報を取得することが可能である。なお、前記制御部41が、前記秤量部47による計量結果及び安定有無などの情報を能動的に読み出し可能な構成であってもよい。
前記制御部41は、前記通信網N1を介して無線又は有線で前記混注管理装置2と通信可能に接続される。前記制御部41は、前記調製データを前記混注管理装置2から取得可能である。
前記制御部41は、CPU411、RAM412、及び記憶部413などを有するコンピュータである。前記CPU411は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記RAM412は揮発性の記憶部であり、前記CPU411が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。前記記憶部413は、前記CPU411に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が記憶されるHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。前記制御部41は、前記CPU411及び前記RAM412を用いて、前記記憶部413に予め記憶された各種の制御プログラムに従った各種の処理を実行する。
前記記憶部413には、データ領域、プログラム領域、及びマスター領域などの記憶領域が含まれる。なお、前記記憶部413が、HDD及び半導体メモリなどの複数の記憶媒体を備えており、前記データ領域、前記プログラム領域、及び前記マスター領域が複数の記憶媒体に分散して設けられていてもよい。
前記データ領域には、前記混注管理装置2から取得される前記調製データが蓄積して記憶される。なお、前記制御部41では、ユーザー操作に応じて前記調製データを新規登録又は編集することも可能である。また、前記データ領域には、前記調製データに従って作業者によって実行された混注作業の内容を示す履歴データが前記調製データに対応付けて記憶される。例えば、前記履歴データには、前記混注作業の作業者、作業開始時間、作業終了時間、及び前記混注作業の途中で撮影される撮影画像などが含まれる。
前記プログラム領域には、前記制御部41に後述する混注支援処理などを実行させるための制御プログラムが記憶される。なお、前記プログラム領域には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムも記憶されている。
前記マスター領域には、医薬品マスター、患者マスター、病棟マスター、医師マスター、及び薬剤師マスターなどの各種のマスター情報が記憶される。例えば、前記医薬品マスターには、薬品ID、薬品名、薬品コード、薬瓶コード、区分(剤形:散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、比重、薬品種(普通薬、抗がん剤、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬など)、配合変化、賦形薬品、注意事項、薬品容器の種別(アンプル、バイアル瓶)、薬品容器単位の薬品の収容量(既定量)、及び薬品容器の重量などの情報が含まれる。なお、前記薬品IDは、YJコード、JANコード、又はRSSコードなどの識別コードである。
前記操作表示部42は、前記制御部41からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部と、前記制御部41に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部とを備える。
具体的に、前記操作表示部42の前記操作部は、前記表示部に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネルである。なお、前記操作表示部42は、タブレット端末などであってもよい。また、前記操作部は、前記表示部に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含むものであってもよい。さらに、前記操作部は、音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含むものであってもよい。
前記第1読取部43は、前記調製データに対応する調製箋(調剤指示書)などに印刷されている一次元コード又は二次元コードなどのコード情報を読み取り可能なコード読取装置である。前記コード情報には、前記調製データを識別するための識別情報が含まれている。前記第1読取部43で読み取られる前記コード情報は、前記制御部41に入力される。そして、前記制御部41は、前記第1読取部43を用いて前記調製箋から読み取られる前記コード情報に基づいて、今回の混注作業の対象となる前記調製データを特定する。具体的に、前記制御部41は、前記コード情報から前記調製データの識別情報を読み取り、前記識別情報に対応する前記調製データを前記記憶部413の前記データ領域から選択する。なお、前記制御部41が、前記コード情報から前記調製データを取得するものであってもよい。
前記プリンター44は、前記制御部41によって各種の情報を印刷するために用いられる。例えば、前記制御部41によって実行される前記調製データに対応する前記調製箋の印刷、又は前記調製データに従って実行される前記混注作業の履歴データの印刷などに用いられる。また、前記プリンター44は、前記混注作業で生じる残存薬品(残薬)の内容、当該残存薬品の内容を示す一次元コード又は二次元コードなどを含む残薬認証ラベルの印刷に用いられる。
前記フットスイッチ部45は、作業者が前記混注作業の実行中に前記制御部41への操作入力を行うための操作部である。前記フットスイッチ部45は、第1フットスイッチ451、第2フットスイッチ452、及び第3フットスイッチ453を備える。前記第1フットスイッチ451及び前記第2フットスイッチ452は、操作対象の項目の選択操作などに用いられ、前記第3フットスイッチ453は、操作対象の項目の決定操作などに用いられる。
なお、前記混注作業では、作業者によって、例えば薬品認証工程、風袋引き工程、溶解液抜取り工程、溶解液計量工程、溶解液撮影工程、溶解工程、薬液抜取り工程、薬液計量工程、薬液撮影工程、及び混注工程などから必要な作業工程が選択されて順次実行される。
前記薬品認証工程は、前記混注作業で使用する薬品を認証するための工程であり、例えば前記第2読取部46を用いて薬品の識別情報を読み取る工程である。前記風袋引き工程は、前記混注作業で使用する注射器などの機材のみの重量を予め計量するための工程であり、例えば前記注射器を前記秤量部47に載置する工程である。
前記溶解液抜取り工程は、輸液バッグから生理食塩液のような溶解液を注射器で必要量抜き取る工程である。前記溶解液計量工程は、前記溶解液を抜き取った前記注射器の重量を計量するための工程であり、前記注射器を前記秤量部47に載置する工程である。なお、前記溶解液計量工程において、前記制御部41は、前記秤量部47に載置された前記注射器の重量と前記風袋引きで設定された前記注射器の重量との差分を前記溶解液の重量として計量する。前記溶解液撮影工程は、前記溶解液が抜き取られた前記注射器を撮影部(不図示)で撮影するための工程である。前記溶解工程は、薬品が粉薬である場合にその薬品を溶解するための工程であり、前記注射器で抜き取られた溶解液を薬品容器に注入する工程である。
前記薬液抜取り工程は、薬品容器から薬液を注射器で必要量抜き取る工程である。前記薬液計量工程は、前記薬液を抜き取った前記注射器の重量を計量するための工程であり、前記注射器を前記秤量部47に載置する工程である。なお、前記薬液計量工程においても、前記制御部41は、前記秤量部47に載置された前記注射器の重量と前記風袋引きで設定された前記注射器の重量との差分を前記薬液の重量として計量する。前記薬液撮影工程は、前記薬液が抜き取られた前記注射器を前記撮影部で撮影するための工程である。前記混注工程は、前記注射器内の前記薬液を前記輸液バッグに注入する工程である。
前記制御部41は、前記記憶部413に記憶されている制御プログラムに基づいて混注支援処理を実行する。前記混注支援処理では、前記制御部41は、前記混注作業の対象となる前記調製データに基づいて、前記混注作業に必要な作業工程を前記操作表示部42に順次に表示させる。これにより、作業者は、その表示に従って順に前記作業工程を進めることが可能である。
[自動混注装置5]
次に、図5〜図7を参照しつつ、前記自動混注装置5の構成について説明する。図5に示すように、前記自動混注装置5は、制御部51、薬品装填部54及び混注処理部55を備える。そして、前記自動混注装置5では、前記制御部51により前記混注処理部55の動作が制御されることによって、調製データに示された抗がん剤などの薬品(薬剤、製剤)を既定量の前記薬品が収容された一又は複数の薬品容器から輸液容器に注入する自動混注処理が実行される。
前記制御部51は、LAN又はインターネットなどの通信網(例えば、前記通信網N1)を介して双方向通信可能に接続された第1制御部52及び第2制御部53を備える。前記第1制御部52は、前記薬品装填部54側に設けられ、前記第2制御部53は、前記混注処理部55側に設けられている。また、前記第1制御部52は、前記通信網N1を介して前記混注管理装置2に接続されており、前記第1制御部52には、前記混注管理装置2から前記調製データが入力される。
前記第1制御部52は、CPU521、ROM522、RAM523、データ記憶部524、及び操作部525などを備えるパーソナルコンピュータである。前記第1制御部52には、前記薬品装填部54に設けられた後述のディスプレイ541、バーコードリーダ542、及び空気清浄装置543などの各種の電気部品が接続されている。
前記CPU521は、各種の制御プログラムに従って処理を実行するプロセッサーである。前記ROM522は、前記CPU521により実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAM523は、前記CPU521による各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
前記データ記憶部524は、前記CPU521によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク等である。具体的に、前記データ記憶部524には、前記混注管理装置2から入力される前記調製データが記憶される。また、前記データ記憶部524には、例えば医薬品マスター、患者マスター、医師マスター、処方箋区分マスター、診療科マスター、及び病棟マスターなどの各種データベースが記憶されている。例えば、前記医薬品マスターには、薬品コード、薬品名、JANコード(又はRSS)、薬瓶コード、区分(剤形:散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、比重、薬品種(普通薬、抗がん剤、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬など)、配合変化、賦形薬品、注意事項、薬品容器の種別(アンプル、バイアル瓶)、薬品容器単位の薬品の収容量(既定量)などの情報が含まれる。以下では、薬品容器単位の薬品の収容量(既定量)を示す情報を既定量情報と称する。なお、前記医薬品マスターにおいて、同じ薬品について複数種類の薬品容器が存在する場合にはその薬品容器各々に対応する既定量情報が記憶されている。
前記操作部525は、前記第1制御部52における各種のユーザー操作を受け付けるキーボード、マウス、又はタッチパネルなどの各種の操作手段を含む。
前記第2制御部53は、CPU531、ROM532、RAM533、データ記憶部534、操作部535などを備えるパーソナルコンピュータである。前記第2制御部53には、前記混注処理部55に設けられた後述の第1ロボットアーム551、第2ロボットアーム552、及びコンテナ搬送部553などの各種の電気部品が接続されている。
前記CPU531は、各種の制御プログラムに従って処理を実行するプロセッサーである。前記ROM532は、前記CPU531により実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAM533は、前記CPU531による各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
前記データ記憶部534は、前記CPU531によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク等である。例えば、前記データ記憶部534には、前記混注処理部55を制御するための制御プログラムなどが予め記憶されている。
前記操作部535は、前記第2制御部53における各種のユーザー操作を受け付けるキーボード、マウス、又はタッチパネルなどの各種の操作手段を含む。
図6及び図7に示すように、前記薬品装填部54は、ディスプレイ541、バーコードリーダ542、及び空気清浄装置543を備えるクリーンベンチである。なお、図7に示すように、前記薬品装填部54と前記混注処理部55とは、前記混注処理部55の側面に形成された連通開口201により連通されている。
前記ディスプレイ541は、前記第1制御部52からの制御指示に応じて各種の情報を表示させる液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示手段である。具体的に、前記ディスプレイ541には、前記自動混注装置5における自動混注処理の対象となる調製データなどが表示される。また、前記バーコードリーダ542は、処方箋又は調製指示書などに記載されたバーコードを読み取って、前記バーコードの内容を前記第1制御部52に入力する。前記空気清浄装置543は、前記薬品装填部54内に所定のフィルタを通じて空気を供給する。
ユーザーは、図6に示すように、前記薬品装填部54内に手を入れた状態で、前記自動混注装置5により実行される自動混注処理の準備作業を行う。具体的に、前記準備作業には、例えばコンテナ202の所定の位置に薬品容器(アンプル、バイアル瓶など)、注射器、及び輸液バッグを載置させ、前記コンテナ202を前記混注処理部55に装填する装填作業が含まれる。
そして、前記コンテナ202は、ユーザーにより前記薬品容器、前記注射器及び前記輸液バッグがセットされた後、前記連通開口201を通じて前記混注処理部55に供給される。
図6に示すように、前記混注処理部55の前面には、主扉200が設けられている。前記主扉200は、例えば前記混注処理部55に設けられた混注処理室203内の清掃などの際に、前記混注処理室203内にアクセスするために開閉される。
前記混注処理部55には、前記混注処理室203における自動混注処理で使用された後の前記薬品容器及び前記注射器などの廃棄物が収容されるゴミ収容室204が設けられている。
図7に示すように、前記混注処理室203には、多関節構造の第1ロボットアーム551、第2ロボットアーム552、コンテナ搬送部553などが設けられている。また、前記混注処理室203には、アンプルカッター、攪拌装置、載置棚、薬品読取部、秤量計、混注連通口205、ゴミ蓋、複数のカメラ、殺菌灯などが設けられている。
なお、前記自動混注装置5又は前記混注処理室203は、本発明の混注作業部の一例である。また、前記自動混注装置5又は前記混注処理室203は、本発明の自動作業部の一例でもある。
前記自動混注装置5では、双腕型の前記第1ロボットアーム551及び前記第2ロボットアーム552により混注作業が実行される。具体的に、前記第2制御部53は、前記第1ロボットアーム551及び前記第2ロボットアーム552を制御して、前記第1ロボットアーム551及び前記第2ロボットアーム552に前記混注作業を実行させる。なお、前記混注処理部55は、前記自動混注処理を実行することができる構造であれば、例えば1本のロボットアームを有する構成、3本以上のロボットアームを含む構成、又はロボットアームを用いない構成であってもよい。
また、前記混注処理部55には、前記連通開口201から供給される前記コンテナ202を搬送するコンテナ搬送部553が設けられている。前記コンテナ202に載置された薬品容器(アンプル、バイアル瓶など)及び注射器は、前記コンテナ搬送部553によって前記混注処理室203に搬送される。また、前記コンテナ202に載置された輸液バッグは、前記コンテナ搬送部553によって搬送されて、前記輸液バッグの混注口が混注連通口205に位置する状態で保持される。
前記アンプルカッターは、前記アンプルの頭部を折ることが可能である。
前記攪拌装置は、前記バイアル瓶を攪拌することが可能である。前記攪拌装置は、前記バイアル瓶に散薬が収容されている場合に、前記バイアル瓶内に輸液又は薬品などを注入して前記散薬を溶解させ、混合薬品を生成するときに使用される。
前記載置棚は、前記自動混注装置5において実行される自動混注処理において前記薬品容器及び前記注射器などを仮置きするために用いられる。また、前記載置棚は、前記自動混注処理が実行された後に前記薬品容器の内部に薬品が残存している場合に前記薬品容器を待機させるための待機位置としても利用される。もちろん、前記待機位置は、前記載置棚とは別の位置に設けられていてもよい。
前記薬品読取部は、前記アンプル及び前記バイアル瓶などの前記薬品容器に貼付されたラベルに記載され、収容された薬品の情報を示すバーコードを読み取ることが可能である。
前記秤量計は、前記自動混注装置5において実行される自動混注処理において前記注射器の重量を計測するために用いられ、前記秤量計による計測結果は前記第2制御部53に入力される。これにより、前記第2制御部53は、例えば前記薬品容器から薬品を吸引した後の前記注射器の重量と前記注射器自体の既知の重量との差分を演算することにより、前記薬品容器から吸引した薬液量を取得することができる。
前記混注連通口205は、図7に示すように、前記混注処理室203の側壁に形成されている。前記輸液バッグは、前記輸液バッグの混注口だけが前記混注連通口205を通じて前記混注処理室203内に位置する状態で保持される。
前記殺菌灯は、例えば前記自動混注処理の開始の3時間前から点灯され、前記混注処理室203内を殺菌する。
また、前記混注処理部55には、前記混注処理室203内の空気を当該混注処理室203の側壁の下部に形成されたスリット206(図7参照)から吸引して前記混注処理室203の上方に設けられた不図示の排気ファンから排出する排気システムが設けられている。また、前記混注処理部55には、前記混注処理室203の天井部に形成された吸気口から外気を清浄にして前記混注処理室203等に導く給気システムも設けられている。
前記自動混注装置5において実行される前記自動混注処理では、前記第2制御部53により前記第1ロボットアーム551及び前記第2ロボットアーム552などが制御されることにより、前記調製データに示された抗がん剤などの薬品が既定量の前記薬品が収容された一又は複数の前記薬品容器から前記輸液バッグに注入される。
ところで、混注作業において採取すべき薬品の量が、薬品容器に収容されている薬品の量の整数倍でなければ、混注作業後に薬品容器に薬品が残存してしまう。そこで、薬品容器に残存した残存薬品を有効利用するために、同種の薬品を採取すべき別の混注作業において当該残存薬品を使用することが考えられる。しかしながら、抗がん剤のような薬品が残存している薬品容器を安全キャビネットの外部に持ち出すことは一般的に許されていない。よって、複数の安全キャビネットが設置されている状況において、ある安全キャビネットで実施された混注作業において発生する残存薬品を、別の安全キャビネットで実施される混注作業において使用することができず、残存薬品が無駄になることがある。これに対して、本実施形態に係る混注管理システム1では、薬品容器に収容されている薬品の効率的な使用を支援することが可能である。
本実施形態では、混注作業を行うための混注作業部として、2つの前記安全キャビネット100と1つの前記自動混注装置5との3つの混注作業部が設けられており、前記安全キャビネット100各々には前記混注支援装置4が設けられている。以下では、前記2つの安全キャビネットのうちの一方を「安全キャビネット1」と称し、他方を「安全キャビネット2」と称することがある。また、前記自動混注装置5を「ケモロ」と称することがある。「安全キャビネット1」及び「安全キャビネット2」は、前記混注作業が人により行われる手作業部の一例であり、「ケモロ」は、前記混注作業がロボットにより行われる自動作業部の一例である。
前記混注管理装置2において、前記制御部21は、これから実施すべき混注作業に対応する複数の前記調製データを前記3つの混注作業部に振り分ける混注管理処理を実行することが可能である。
図1に示されるように、混注管理装置2の制御部21は、振分処理部211、提示処理部212、残量算出処理部213、及び残量管理処理部214を含む。具体的に、前記制御部21は、記憶部22に記憶されている混注管理プログラムに従って各種の処理を実行することにより、振分処理部211、提示処理部212、残量算出処理部213、及び残量管理処理部214として機能する。
前記振分処理部211は、既定量の薬品が収容された一又は複数の薬品容器から薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に関する情報(例えば、前記残存薬品の有無、種類、量、使用可能期間など)に基づいて、前記混注作業が実施される互いに独立した複数の混注作業部に振り分ける。なお、前記混注管理装置2において、前記振分処理部211が前記調製データを振り分ける際に考慮する残存薬品の情報は、振り分け対象となる前記調製データ各々に基づく前記混注作業で発生する残存薬品の情報に限らない。例えば、前記振分処理部211は、前記混注支援装置4から後述の残薬管理情報を受信し、当該残薬管理情報を考慮して前記調製データを振り分けることが考えられる。具体的に、前記振分処理部211は、前記調製データの振り分けを行う際に、前記残薬管理情報に基づいて、既に前記混注作業部に保管されている残存薬品を利用可能な調製データを当該混注作業部に振り分けることが考えられる。
例えば、前記振分処理部211は、当日或いは翌日に混注作業を実施すべき複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に基づいて、前記3つの混注作業部(すなわち、「安全キャビネット1」、「安全キャビネット2」、及び「ケモロ」)に振り分ける。
具体的に、前記振分処理部211は、先行する第1の混注作業で発生する残存薬品と同種の薬品を使用する第2の混注作業に関する調製データを、前記第1の混注作業と同じ混注作業部へと優先的に振り分ける。例えば、当日に、薬品Aを使用する混注作業が2回行われる予定であり、1回目の混注作業が「安全キャビネット2」で行われる予定である場合は、前記振分処理部211は、2回目の混注作業に対応する調製データを「安全キャビネット2」へと優先的に振り分ける。これにより、1回目の混注作業で発生した残存薬品を、当該残存薬品を混注作業部の外部に持ち出すことなしに、2回目の混注作業において使用することができ、残存薬品を有効利用することが可能となる。
なお、前記振分処理部211は、先行する混注作業で発生する残存薬品に加えて、予め定められた振分条件に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。
例えば、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記調製データ各々に対応する混注作業の実施時刻に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、同一又は近い時刻に実施される複数の混注作業が同一の混注作業部に集中してしまわないように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。これにより、特定の混注作業部に混注作業が集中して当該混注作業部で実施されるべき混注作業が遅延してしまうことを防止することができる。
また、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記混注作業で採取される薬品の投与時刻に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、同一又は近い時間に投与が予定される前記調製データ各々の混注作業が同一の混注作業部に集中してしまわないように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。これにより、特定の混注作業部に混注作業が集中して当該混注作業部で実施されるべき混注作業が遅延してしまうことを防止することができる。
また、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記混注作業に要する作業時間に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、作業時間が長時間である混注作業が同一の混注作業部に集中してしまわないように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。これにより、特定の混注作業部に混注作業が集中して当該混注作業部で実施されるべき混注作業が遅延してしまうことを防止することができる。
また、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記混注作業における薬品容器からの薬品の採取回数に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、薬品容器からの薬品の採取回数が多い混注作業(すなわち、長い作業時間を要する混注作業)が同一の混注作業部に集中してしまわないように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。これにより、特定の混注作業部に長い作業時間を要する混注作業が集中して当該混注作業部で実施されるべき混注作業が遅延してしまうことを防止することができる。
また、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記混注作業における前記残存薬品の使用の有無に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用する混注作業に対応する調製データについては、特定の混注作業部へと優先的に振り分けてもよい。そして、前記振分処理部211は、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用しない混注作業に対応する調製データについては、任意の混注作業部へと振り分けてもよい。これにより、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用する混注作業を、前記自動混注装置5に優先的に振り分けたり、特定の前記安全キャビネット100(例えば、熟練した薬剤師に割り当てられた前記安全キャビネット100)に優先的に振り分けたりすることができる。
また、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記混注作業で採取される薬品の種類に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、粉薬を使用する混注作業(すなわち、撹拌作業を要する混注作業)に対応する調製データを前記自動混注装置5に優先的に振り分けてもよい。これにより、撹拌作業のように手間を要する混注作業を前記自動混注装置5に実行させることができ、混注作業に要する作業者(薬剤師)の手間を軽減することができる。また、前記振分処理部211は、被爆の危険性の高い薬品を使用する混注作業に対応する調製データを前記自動混注装置5に優先的に振り分けてもよい。これにより、混注作業における安全性を高めることができる。
また、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記混注作業で採取される薬品の薬価に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、薬価の高い薬品を使用する混注作業に対応する調製データについては、同種の残存薬品が発生する先行する混注作業と同じ混注作業部へと優先的に振り分けてもよい。そして、前記振分処理部211は、薬価の低い薬品を使用する混注作業に対応する調製データについては、任意の混注作業部へと振り分けてもよい。これにより、薬価が低く、残存薬品を有効利用する必要性が低い薬品については、任意の混注作業部へと振り分けることができるので、特定の混注作業部に混注作業が集中して当該混注作業部で実施されるべき混注作業が遅延してしまうことを防止することができる。また、前記振分処理部211は、薬価の高い薬品を使用する混注作業に対応する調製データを前記自動混注装置5に優先的に振り分けてもよい。これにより、薬価の高い薬品が、前記自動混注装置5によってミスなく高精度に採取されるため、薬価の高い薬品がミスなどによって無駄になってしまうことを防止することができる。
また、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記混注作業で使用される閉鎖式薬物移送システム(CSTD)の価格に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。なお、前記閉鎖式薬物移送システムは、前記安全キャビネット100において被爆の危険性の高い一部の抗がん剤などの薬品を注射器で採取する際に、前記薬品が前記安全キャビネット100の前記作業室101に漏れ出すのを防止するために使用されることがある。一方、前記自動混注装置5での混注作業はロボットにより行われるため、前記閉鎖式薬物移送システムは不要である。そこで、前記振分処理部211は、被爆の危険性の高い一部の抗がん剤などの薬品を使用する混注作業に対応する調製データについては、前記閉鎖式薬物移送システムを使用して前記安全キャビネット100で混注作業を行った場合に要する費用と、前記自動混注装置5で混注作業を行った場合に要する費用とを比較して、振り分け先を決定してもよい。
また、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記混注作業で発生する残存薬品の使用可能期間に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。前記使用可能期間は、前記残存薬品が発生してから当該残存薬品を使用(採取又は投与)することが可能な期間である。前記使用可能期間は、薬品ごとに個別に設定されていてもよい。例えば、9時に実施された混注作業において、前記使用可能期間が5時間に設定されている薬品が残存薬品として残存する場合、前記振分処理部211は、投与時刻が14時よりも遅い調製データについては、前記残存薬品を使用しない混注作業に対応する調製データであるとみなして、振り分け先を決定してもよい。また、例えば、粉薬が収容されている薬品容器に生理食塩液のような溶解液を注入して、その粉薬を溶解させてから注射器で採取する場合、溶解後の薬液を速やかに使用することが求められることがある。そこで、このような粉薬については、液体の薬品よりも前記使用可能期間が短い時間に設定されてもよい。
なお、前記振分処理部211は、前記複数の調製データに対応する混注作業に要する費用(例えば、薬価に基づいて算出される費用)が最小限となるように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。これにより、混注作業に要する費用を抑制することができる。なお、前記費用には、薬価に加えて、前記混注作業で使用される前記閉鎖式薬物移送システムの価格が含まれてもよい。なお、薬品容器内の薬品を全て使い切ったか否かに関わらず薬品容器単位で費用が発生する場合は、前記薬価は、前記混注作業で使用(開封)される薬品容器の単価に本数を乗算して算出される。また、薬品容器内の薬品のうち実際に消費(採取又は廃棄)した薬品の量に応じて費用が発生する場合は、前記薬価は、単位量あたりの薬価に前記混注作業で実際に消費される薬品の量を乗算して算出される。
また、前記振分処理部211は、前記複数の調製データに対応する混注作業における薬品容器からの薬品の採取回数が最小限となるように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けてもよい。例えば、0.5瓶分の残存薬品を含む薬品容器が2本存在する状況で、同種の薬品を0.9瓶分使用する混注作業が行われる場合について考える。この場合、前記残存薬品を使用すると2回の採取作業が必要になるが、新しい薬品容器を使用すると採取作業は1回で済む。このような場合に、前記振分処理部211は、前記混注作業では前記残存薬品を使用しないものと想定して、前記混注作業に対応する調製データの振り分け先を決定してもよい。これにより、薬品容器からの薬品の採取回数が最小限となるので、残存薬品を使用することによる混注作業の作業効率の低下を抑制することができる。
なお、前記振分処理部211は、グループ化処理(図9のS131)と、第1振分処理(図9のS132)と、第2振分処理(図9のS133)とを実行してもよい。前記グループ化処理では、前記残存薬品が発生する混注作業に対応する一又は複数の調製データと前記残存薬品を使用する混注作業に対応する一又は複数の調製データとが1つの調製データグループとしてグループ化される。前記第1振分処理では、前記調製データグループに属する調製データが前記調製データグループ単位で前記複数の混注作業部に振り分けられる。前記第2振分処理では、前記第1振分処理後に前記調製データグループに属さない調製データが前記複数の混注作業部に振り分けられる。
なお、前記振分処理部211は、前記自動混注装置5へと振り分けるべき条件を示す自動作業条件に合致する調製データを前記自動混注装置5へと優先的に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、前記自動作業条件の一例として、作業時間が長時間である混注作業に対応する調製データを前記自動混注装置5へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記自動作業条件の一例として、薬品容器からの薬品の採取回数が多い混注作業に対応する調製データを前記自動混注装置5へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記自動作業条件の一例として、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用する混注作業に対応する調製データを前記自動混注装置5へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記自動作業条件の一例として、粉薬を使用する混注作業(すなわち、撹拌作業を要する混注作業)に対応する調製データを前記自動混注装置5へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記自動作業条件の一例として、薬価の高い薬品を使用する混注作業に対応する調製データを前記自動混注装置5へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記自動作業条件の一例として、被爆の危険性の高い一部の抗がん剤などの薬品を使用する混注作業に対応する調製データを前記自動混注装置5へと優先的に振り分けてもよい。
また、前記振分処理部211は、前記安全キャビネット100へと振り分けるべき条件を示す手作業条件に合致する調製データを前記安全キャビネット100へと優先的に振り分けてもよい。例えば、前記振分処理部211は、前記手作業条件の一例として、作業時間が短時間である混注作業に対応する調製データを前記安全キャビネット100へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記手作業条件の一例として、薬品容器からの薬品の採取回数が少ない混注作業に対応する調製データを前記安全キャビネット100へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記手作業条件の一例として、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用しない混注作業に対応する調製データを前記安全キャビネット100へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記手作業条件の一例として、粉薬を使用しない混注作業(すなわち、撹拌作業を要しない混注作業)に対応する調製データを前記安全キャビネット100へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記手作業条件の一例として、薬価の低い薬品を使用する混注作業に対応する調製データを前記安全キャビネット100へと優先的に振り分けてもよい。また、前記振分処理部211は、前記手作業条件の一例として、被爆の危険性の低い薬品を使用する混注作業に対応する調製データを前記安全キャビネット100へと優先的に振り分けてもよい。
前記提示処理部212は、前記振分処理部211による振り分け結果に関する情報を提示する。例えば、提示処理部212は、図11に示される振り分け画面P1のように、前記3つの混注作業部の各々について、当該混注作業部に振り分けられた前記調製データを一覧表示する。なお、前記提示処理部212は、振り分け画面P1に表示されている内容と同じ内容を、通信網N1上に接続されている印刷装置などを用いて印刷出力可能であってもよい。
なお、前記提示処理部212は、前記振分処理部211により振り分けられた前記調製データについて、残存薬品が発生する混注作業に対応する調製データと、残存薬品が発生しない混注作業に対応する調製データとを相互に判別可能に提示してもよい。これにより、例えば、前記振分処理部211により振り分けられた前記調製データの振り分け先をユーザーが別の混注作業部に変更する際に、残存薬品が発生しない混注作業に対応する調製データ(すなわち、別の混注作業部に振り分け先を変更しても最終的に残存する残存薬品の残液量に影響しない調製データ)を容易に判別することができる。
また、前記提示処理部212は、前記振分処理部211により振り分けられた前記調製データについて、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用する混注作業に対応する調製データと、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用しない混注作業に対応する調製データとを相互に判別可能に提示してもよい。これにより、混注作業を行う作業者(薬剤師)は、残存薬品を使用すべきか否かを容易に確認することが可能となる。
また、前記提示処理部212は、前記振分処理部211による振り分け結果に従って前記残存薬品を使用した場合に必要となる薬品の総金額と、前記残存薬品を使用しない場合に必要となる薬品の総金額との差額を提示してもよい。
また、前記提示処理部212は、前記振分処理部211による振り分け結果に従って前記複数の調製データに対応する混注作業が実施された場合に最終的に無駄になる残存薬品に対応する金額を提示してもよい。
前記残量算出処理部213は、前記調製データに示される薬品の用量と、前記薬品が収容された薬品容器の前記既定量とに基づいて、前記調製データに対応する混注作業で発生する残存薬品の残量を算出する。例えば、前記調製データに示される薬品の用量が90mgであり、前記薬品が収容された薬品容器の前記既定量が100mgである場合、前記残量算出処理部213により算出される前記残存薬品の残量は10mgとなる。また、例えば、前記調製データに示される薬品の用量が3800mgであり、前記薬品が収容された薬品容器の前記既定量が1000mgである場合、前記残量算出処理部213により算出される前記残存薬品の残量は200mgとなる。
前記残量管理処理部214は、前記残量算出処理部213の算出結果に基づいて、前記混注作業部各々において一又は複数の薬品容器に残存している残存薬品の種類及び残量を管理する。なお、前記残量管理処理部214は、前記混注支援装置4各々から後述の残薬管理情報を受信し、当該残薬管理情報に基づいて前記混注管理システム1の全体における残存薬品の種類及び残量を管理することが可能である。
前記提示処理部212は、前記残量管理処理部214により管理されている前記残存薬品の種類及び残量の情報に基づいて、現時点における薬品ごとの残量を提示することが可能である(図13参照)。
以下、図8及び図9を参照しつつ、前記混注管理装置2の制御部21によって実行される混注管理処理の手順の一例について説明する。ここに、図8及び図9に示すステップS11、S12、S13・・・は、前記制御部21が実行する前記混注管理処理の手順の識別符号を示す。
なお、前記混注管理装置2が、複数の制御部を有し、前記複数の制御部によって前記混注管理処理が実行されることも他の実施形態として考えられる。さらに、前記制御部21で実行される処理の一部又は全部が、ASIC又はDSPなどの電子回路により実行されてもよい。また、前記制御部21で実行される処理の一部又は全部が、他の装置の制御部(例えば、混注支援装置4の制御部41、自動混注装置5の第1制御部52、自動混注装置5の第2制御部53など)で実行されてもよい。
[混注管理処理]
<ステップS11>
まず、図8に示すステップS11において、前記制御部21は、混注管理装置2の操作部25に対するユーザー操作に応じて、図10に示されるような振り分け画面P1を混注管理装置2の表示部24に表示させる。なお、前記制御部21は、クライアント端末3の操作部35に対するユーザー操作に応じて、前記振り分け画面P1をクライアント端末3の表示部34に表示させてもよい。
図10に示されるように、前記振り分け画面P1には、処方選択領域A11と、条件設定領域A12と、複数の混注作業部領域A13と、薬品金額表示領域A14と、CSTD金額表示領域A15とが含まれる。
前記処方選択領域A11は、後述する振り分け処理(S13)における振り分け対象となる調製データ(処方)を選択するための領域である。前記条件設定領域A12は、前記振り分け処理における振分条件を設定するための領域である。前記混注作業部領域A13は、前記振り分け処理における振り分け先の混注作業部ごとに設けられる領域である。前記薬品金額表示領域A14は、前記振り分け処理における振り分け結果に従って残存薬品を使用した場合に必要となる薬品の総金額と、前記残存薬品を使用しない場合に必要となる薬品の総金額との差額が表示される領域である。前記CSTD金額表示領域A15は、前記振り分け処理における振り分け結果に従って混注作業が実施された場合に必要となる閉鎖式薬物移送システム(CSTD)の個数及び金額が表示される領域である。
ユーザーは、操作部25を通じて前記処方選択領域A11に対する操作を行うことによって、前記振り分け処理の対象となる調製データを選択することができる。例えば、翌日に入院患者及び外来患者に投与される薬品の混注作業に対応する調製データについての振り分け処理を実行させたい場合、ユーザーは、入院患者に対応するチェックボックスと外来患者に対応するチェックボックスの両方をチェックした状態で、翌日の日付を選択する。その結果、該当する調製データが前記処方選択領域A11に一覧表示される。具体的には、該当する調製データに対応する調製データ画像D11が、前記処方選択領域A11に表示される。すなわち、前記制御部21は、記憶部22に記憶されている複数の調製データの中から、前記処方選択領域A11に対するユーザー操作に応じて一又は複数の前記調製データを抽出する。そして、前記制御部21は、抽出された調製データに対応する前記調製データ画像D11を前記処方選択領域A11に表示させる。
前記調製データ画像D11には、例えば、通し番号と、対応する患者及びレジメンを示す情報と、使用される薬品の薬品名と、当該薬品の用量とが表示される。なお、1つの調製データに対応する混注作業において複数種類の薬品(例えば、複数種類の抗がん剤)が採取される場合には、前記調製データ画像D11に当該複数種類の薬品の各々の薬品名が表示されてもよい。
前記処方選択領域A11に表示されたいずれかの前記調製データ画像D11がユーザーによって操作(例えば、クリック)されると、前記制御部21は、当該操作された前記調製データ画像D11の表示態様を変化させる。例えば、前記制御部21は、前記調製データ画像D11の背景色を、前記非選択状態を示す白色から、前記選択状態を示す緑色へと変化させる。なお、ここで説明する前記制御部21による表示態様の変更方法は単なる一例に過ぎない。前記制御部21は、背景色を変化させる代わりに、例えば、文字色を変化させてもよいし、文字又は線の太さを変化させてもよいし、文字又は画像を異なるパターンで点滅表示させてもよいし、文字を反転表示させてもよいし、特定の文字、記号、画像などを付加してもよい。以下の説明においても同様である。
なお、前記振り分け画面P1には、全選択キーK12及び全解除キーK13が含まれている。前記制御部21は、全選択キーK12が操作されると、前記処方選択領域A11に表示されている全ての前記調製データ画像D11を選択状態に変化させる。また、前記制御部21は、全解除キーK13が操作されると、前記処方選択領域A11に表示されている全ての前記調製データ画像D11を非選択状態に変化させる。
ユーザーは、操作部25を通じて前記条件設定領域A12に対する操作を行うことによって、前記振り分け処理における振分条件を設定することができる。図10に示される例では、前記条件設定領域A12には、「安全キャビネット」、「ケモロ」、及び「残薬利用」の3つの設定項目が表示されている。
「安全キャビネット」及び「ケモロ」の項目は、前記振り分け処理における振り分け先を設定するための項目である。例えば、図10に示されるように、「安全キャビネット」が「2台」に設定され、「ケモロ」が「あり」に設定されている場合、前記振り分け画面P1には、2つの前記安全キャビネット100及び1つの前記自動混注装置5に対応する3つの前記混注作業部領域A13が表示される。
「残薬利用」の項目は、前記振り分け処理における振り分け対象となる調製データに対応する混注作業において、先行する混注作業で発生した残存薬品を使用するか否かを設定するための項目である。例えば、忙しい午前中の時間帯に残存薬品を使用すると、混注作業により多くの時間を要してしまい、人手が足りないことがある。そこで、午前中に実施される混注作業では、先行する混注作業で発生した残存薬品を使用せずに残しておき、午後に実施される混注作業では、先行する混注作業で発生した残存薬品(午前中に実施された混注作業で発生した残存薬品も含む)を使用することが考えられる。この場合は、まず、「残薬利用」を「なし」に設定した状態で、午前中に実施される混注作業に対応する調製データを振り分け対象として前記振り分け処理を実行し、続いて、「残薬利用」を「あり」に設定した状態で、午後に実施される混注作業に対応する調製データを振り分け対象として前記振り分け処理を実行すればよい。
<ステップS12>
ステップS12において、前記制御部21は、予め定められた振分開始操作が行われたか否かを判断する。例えば、前記制御部21は、前記振り分け画面P1に含まれる振分開始キーK11が操作された場合に、前記振分開始操作が行われたと判断する。そして、前記制御部21は、前記振分開始操作が行われたと判断すると(S12:Yes)、処理をステップS13に移行させ、前記振分開始操作が行われていないと判断すると(S12:No)、処理をステップS15に移行させる。
<ステップS13>
ステップS13において、前記制御部21は、前記処方選択領域A11で選択された調製データ(すなわち、選択状態の前記調製データ画像D11に対応する調製データ)を振り分け対象として、前記条件設定領域A12で設定された振分条件に基づいて、前記振り分け処理を実行する。以下、図9を参照しつつ、前記振り分け処理の一例について説明する。なお、ここでは、前記振分条件において「残薬利用」が「あり」に設定されている場合について説明する。
<ステップS131>
図9に示すステップS131において、前記制御部21は、グループ化処理を行う。具体的に、前記制御部21は、振り分け対象の調製データのうち、残存薬品が発生する混注作業に対応する一又は複数の調製データと前記残存薬品を使用する混注作業に対応する一又は複数の調製データとを1つの調製データグループとしてグループ化する。
前記グループ化処理では、前記制御部21は、まず、振り分け対象の調製データごとに、当該調製データに対応する混注作業で残存薬品を使用しない場合に発生する残存薬品の残量を算出する。具体的に、前記制御部21は、前記調製データに示される薬品の用量と、前記混注作業で使用される薬品容器の前記既定量とに基づいて、前記残量を算出する。例えば、前記調製データに示される薬品の用量が140mgであり、前記薬品が収容された薬品容器の前記既定量が100mgである場合、1本目の薬品容器から全ての薬品が採取(全量採取)され、2本目の薬品容器から40mg分の薬品が採取(端数採取)される。よって、前記残量算出処理部213により算出される前記残存薬品の残量は60mgとなる。なお、前記調製データに示される薬品の用量が、前記混注作業で使用される薬品容器の前記既定量の整数倍である場合は、全量採取(すなわち、薬品容器から前記既定量の薬品を全て採取すること)のみが行われ、端数採取(すなわち、薬品容器から前記既定量よりも少ない薬品のみを採取すること)は行われないので、前記調製データに対応する混注作業では残存薬品は発生しない。
そして、前記制御部21は、残存薬品が発生する混注作業に対応する調製データ各々について、同種の残存薬品が発生する先行する混注作業(すなわち、実施時刻がより早い混注作業)が存在するか否かを判断する。このようにして、前記制御部21は、残存薬品が発生する混注作業に対応する調製データと、前記残存薬品を使用することが可能な混注作業に対応する調製データとを相互に関連付けていき、最終的に相互に関連付けられている複数の調製データを、1つの調製データグループとしてグループ化する。
以下では、一例として、下記の調製データに対してグループ化処理が行われる場合の処理方法について具体的に説明する。なお、下記の調製データに対応する混注作業では、同種の薬品が使用されるものとする。また、下記の調製データに対応する混注作業では、前記既定量が100mgである薬品容器が使用されるものとする。また、下記の調製データは、混注作業の実施時刻が早い順に並んでいるものとする。
(調製データA)用量140mg
(調製データB)用量200mg
(調製データC)用量160mg
(調製データD)用量210mg
(調製データE)用量150mg
(調製データF)用量100mg
(調製データG)用量130mg
まず、前記制御部21は、残存薬品を使用しない場合に前記調製データ各々に対応する混注作業で発生する残存薬品の残量を算出する。当該算出結果は下記のようになる。
(調製データA)残量60mg(薬品容器の使用数:2本)
(調製データB)残量0mg(薬品容器の使用数:2本)
(調製データC)残量40mg(薬品容器の使用数:2本)
(調製データD)残量90mg(薬品容器の使用数:3本)
(調製データE)残量50mg(薬品容器の使用数:2本)
(調製データF)残量0mg(薬品容器の使用数:1本)
(調製データG)残量70mg(薬品容器の使用数:2本)
次に、前記制御部21は、残存薬品が発生する混注作業に対応する調製データ(ここでは、調製データA,C,D,E,G)各々について、同種の残存薬品が発生する先行する混注作業(すなわち、実施時刻がより早い混注作業)が存在するか否かを判断する。その結果、調製データCに対応する混注作業では、調製データAに対応する混注作業で発生した残存薬品を利用できる可能性があることが分かる。また、調製データDに対応する混注作業では、調製データA,Cに対応する混注作業で発生した残存薬品を利用できる可能性があることが分かる。また、調製データEに対応する混注作業では、調製データA,C,Dに対応する混注作業で発生した残存薬品を利用できる可能性があることが分かる。また、調製データGに対応する混注作業では、調製データA,C,D,Eに対応する混注作業で発生した残存薬品を利用できる可能性があることが分かる。
ここで、調製データCに注目すると、調製データCに対応する混注作業(用量160mg)では、調製データAに対応する混注作業で発生する残存薬品(残量60mg)を使用することができる。よって、前記制御部21は、調製データAと調製データCとを相互に関連付ける。残存薬品を使用した場合、調製データCに対応する混注作業では残存薬品が発生しない。すなわち、調製データCに対応する混注作業が完了した時点で、残存薬品の残量は0mgとなる。よって、前記制御部21は、調剤データAと調剤データCとを1つの調製データグループとしてグループ化する。当該調製データグループに対応する混注作業で必要となる薬品容器の合計使用数は3本となり、残存薬品を使用しない場合の合計使用数(4本)よりも1本少なくなる。
次に、調製データDに注目すると、調製データDに対応する混注作業が開始される時点では、残存薬品の残量は0mgである。よって、調製データDに対応する混注作業では残存薬剤を使用することができない。そして、調製データDに対応する混注作業が完了した時点で、残存薬品の残量は90mgとなる。
次に、調製データEに注目すると、調製データEに対応する混注作業が開始される時点では、残存薬品の残量は90mgである。よって、調製データEに対応する混注作業では、調製データDに対応する混注作業で発生した残存薬剤(90mg)を使用することができる。よって、前記制御部21は、調製データDと調製データEとを相互に関連付ける。そして、調製データEに対応する混注作業が完了した時点で、残存薬品の残量は40mgとなる。
次に、調製データGに注目すると、調製データGに対応する混注作業が開始される時点では、残存薬品の残量は40mgである。よって、調製データGに対応する混注作業では、調製データEに対応する混注作業で発生した残存薬剤(40mg)を使用することができる。よって、前記制御部21は、調製データEと調製データGとを相互に関連付ける。そして、調製データGに対応する混注作業が完了した時点で、残存薬品の残量は10mgとなる。当該残存薬品は、後続する混注作業で使用されることがない。よって、前記制御部21は、相互に関連付けられた調製データDと調製データEと調製データGとを1つの調製データグループとしてグループ化する。当該調製データグループに対応する混注作業で必要となる薬品容器の合計使用数は5本となり、残存薬品を使用しない場合の合計使用数(7本)よりも2本少なくなる。
このようにして、上記の調製データA〜Gからは、2つの調製データグループが生成される。
<ステップS132>
ステップS132において、前記制御部21は、第1振分処理を行う。具体的に、前記制御部21は、前記調製データグループに属する調製データを、前記調製データグループ単位で前記複数の混注作業部に振り分ける。前記調製データグループに属する調製データの振り分け先は、例えば、前記複数の混注作業部にできるだけ同じ数の調製データが振り分けられるように決定されてもよいし、前記振分条件に基づいて決定されてもよい。例えば、前記振分条件として、残存薬品を使用する混注作業に対応する調製データが特定の混注作業部へと優先的に振り分けられる場合は、前記制御部21は、前記調製データグループ各々に属する調製データを前記特定の混注作業部へと優先的に振り分ける。
<ステップS133>
ステップS133において、前記制御部21は、第2振分処理を行う。具体的に、前記制御部21は、前記調製データグループに属さない調製データを、前記複数の混注作業部に振り分ける。前記調製データグループに属さない調製データの振り分け先は、例えば、前記複数の混注作業部にできるだけ同じ数の調製データが振り分けられるように決定されてもよいし、前記振分条件に基づいて決定されてもよい。
このようにして、前記処方選択領域A11で選択された調製データ(すなわち、選択状態の前記調製データ画像D11に対応する調製データ)が、前記条件設定領域A12で設定された振分条件に基づいて、複数の混注作業部に振り分けられる。前記振り分け処理が終了すると、前記制御部21は、処理を図8のステップS14に移行させる。
<ステップS14>
ステップS14において、前記制御部21は、前記ステップS13で実行された前記振り分け処理による振り分け結果を表示部24に表示させる。具体的に、前記制御部21は、図11に示すように、前記振り分け処理における振り分け先の混注作業部ごとに、対応する前記混注作業部領域A13に、当該混注作業部に振り分けられた調製データに対応する調製データ画像D12を表示する。図11に示される例では、前記処方選択領域A11で選択された38個の調製データのうち、16個の調製データが「安全キャビネット1」に振り分けられており、別の16個の調製データが「安全キャビネット2」に振り分けられており、残りの6個の調製データが「ケモロ」に振り分けられている。
前記調製データ画像D12には、例えば、対応する薬品の投与時刻と、対応する患者及びレジメンを示す情報と、使用される薬品の薬品名と、当該薬品の用量とが表示される。前記混注作業部領域A13各々では、例えば、前記投与時刻に応じた順番に並ぶようにして、前記調製データ画像D12が表示される。
なお、前記制御部21は、前記混注作業部領域A13に表示されている調製データ画像D12のうち、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用する混注作業に対応する調製データ画像D12については、背景色を例えば黄色にして表示する。これにより、混注作業を行う作業者(薬剤師)は、どの混注作業において残存薬品を使用すべきかを簡単に把握することができる。また、前記制御部21は、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用せず、且つ残存薬品が発生する混注作業に対応する調製データ画像D12については、背景色を例えば白色にして表示する。また、前記制御部21は、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用せず、且つ残存薬品が発生しない混注作業に対応する調製データ画像D12については、背景色を例えば灰色にして表示する。
また、前記制御部21は、前記振り分け処理による振り分け結果に関する情報の一例として、前記薬品金額表示領域A14に、前記振り分け処理における振り分け結果に従って残存薬品を使用した場合に必要となる薬品の総金額と、前記残存薬品を使用しない場合に必要となる薬品の総金額との差額を表示する。また、前記制御部21は、前記混注作業部ごとに算出した前記差額を、前記混注作業部領域A13各々の下部に表示する。
また、前記制御部21は、前記振り分け処理による振り分け結果に関する情報の一例として、前記CSTD金額表示領域A15に、前記振り分け処理における振り分け結果に従って混注作業が実施された場合に必要となる閉鎖式薬物移送システム(CSTD)の個数及び金額を表示する。また、前記制御部21は、前記混注作業部ごとに算出した前記閉鎖式薬物移送システム(CSTD)の個数及び金額を、前記混注作業部領域A13各々の下部に表示する。
<ステップS15>
ステップS15において、前記制御部21は、予め定められた表示切替操作が行われたか否かを判断する。例えば、前記制御部21は、前記振り分け画面P1に含まれる表示切替キーK14が操作された場合に、前記表示切替操作が行われたと判断する。そして、前記制御部21は、前記表示切替操作が行われたと判断すると(S15:Yes)、処理をステップS16に移行させ、前記表示切替操作が行われていないと判断すると(S15:No)、処理をステップS17に移行させる。
<ステップS16>
ステップS16において、前記制御部21は、前記薬品金額表示領域A14に表示されている金額情報を更新する。具体的に、前記制御部21は、前記振り分け処理による振り分け結果に関する情報の一例として、前記薬品金額表示領域A14に、前記振り分け処理における振り分け結果に従って混注作業が実施された場合に最終的に無駄になる残存薬品に対応する金額(以下、残存薬品金額と称す)を表示する。なお、前記薬品金額表示領域A14に前記残存薬品金額が表示されている状態で前記表示切替キーK14が再度操作された場合は、前記制御部21は、前記薬品金額表示領域A14に、前記差額を再度表示する。
<ステップS17>
ステップS17において、前記制御部21は、予め定められた調製済み操作が行われたか否かを判断する。例えば、前記制御部21は、一又は複数の前記調製データ画像D12が選択されている状態で、前記振り分け画面P1に含まれる調製済みキーK16が操作された場合に、前記調製済み操作が行われたと判断する。前記調製済み操作は、例えば、前記調製データ画像D12に対応する混注作業が完了するごとに随時に行われる。そして、前記制御部21は、前記調製済み操作が行われたと判断すると(S17:Yes)、処理をステップS18に移行させ、前記表示切替操作が行われていないと判断すると(S17:No)、処理をステップS19に移行させる。
<ステップS18>
ステップS18において、前記制御部21は、残薬情報を更新する。前記残薬情報は、前記複数の混注作業部に残存している残存薬品に関する情報であって、例えば記憶部22に記憶される。前記残薬情報には、例えば前記残存薬品の種類、残量、開封日時、及び場所(混注作業部)などの各種の情報が含まれる。前記制御部21は、前記調製済み操作が行われた際に選択されていた前記調製データ画像D12に対応する混注作業で発生する残存薬品の残量を、例えば、前記調製データ画像D12に対応する調製データと現在の前記残薬情報とに基づいて算出する。そして、前記制御部21は、当該算出結果に基づいて前記残薬情報を更新する。
なお、前記制御部21は、前記調製済み操作が行われた際に選択されていた前記調製データ画像D12の輪郭線を、例えば赤色の太線に変更する。これにより、ユーザーは、混注作業が完了済みの前記調製データ画像D12と、混注作業が未完了の前記調製データ画像D12とを容易に判別することができる。図12の例では、投与時刻が12時よりも早い調製データに対応する混注作業が全て完了している状態が示されている。
また、前記制御部21は、残存薬品が生じた薬品容器などに貼付するための前記残薬認証ラベルを印刷することが考えられる。これにより、作業者は、前記残薬認証ラベルを前記薬品容器又は当該薬品容器の載置場所などに貼付することにより、当該薬品容器における残存薬品の内容を容易に把握することが可能となる。なお、前記残薬認証ラベルの印刷は、前記ステップS18に限らず、予め設定されたタイミングで実行されてもよく、作業者による印刷要求操作に応じて任意のタイミングで実行されてもよい。
<ステップS19>
ステップS19において、前記制御部21は、予め定められた残薬確認操作が行われたか否かを判断する。例えば、前記制御部21は、前記振り分け画面P1に含まれる残薬確認キーK15が操作された場合に、前記残薬確認操作が行われたと判断する。そして、前記制御部21は、前記残薬確認操作が行われたと判断すると(S19:Yes)、処理をステップS20に移行させ、前記残薬確認操作が行われていないと判断すると(S19:No)、処理をステップS21に移行させる。
<ステップS20>
ステップS20において、前記制御部21は、前記残薬情報に基づいて、図13に示されるような残薬画面P2を表示部24に表示させる。前記残薬画面P2には、全体表示領域A21と、複数の混注作業部領域A22とが含まれる。
前記全体表示領域A21は、前記混注作業部各々に残存している残存薬品を、薬品の種類ごとに合計した合計残量を表示するための領域である。前記全体表示領域A21には、薬品の種類ごとに、例えば、薬品名(例えば、「ワンタキソテール」、「ビターザ」など)、mg値、mL値、及び本数などの情報が表示される。前記mg値及び前記mL値は、前記薬品の合計残量を示す。前記本数は、前記薬品が残存している薬品容器の合計本数を示す。例えば、既定量が100mgである薬品容器に20mgの薬品Aが残存し、既定量が200mgである薬品容器に110mgの薬品Aが残存している場合、薬品Aに関する前記mg値は130となり、前記本数は2本となる。
前記混注作業部領域A22は、対応する混注作業部に残存している残存薬品に関する情報を表示するための領域である。前記混注作業部領域A22には、上部領域A221と、下部領域A222とが含まれる。
前記混注作業部領域A22の前記上部領域A221は、対応する混注作業部に残存している残存薬品に関する情報を、同種の薬品容器ごとに表示するための領域である。前記上部領域A221には、同種の薬品容器ごとに、例えば、薬品容器名(例えば、「ワンタキソテール20mg」、「ビターザ100mg」など)、mg値、mL値、及び本数などの情報が表示される。前記mg値及び前記mL値は、対応する混注作業部における一又は複数の同種の薬品容器における薬品の合計残量を示す。前記本数は、前記薬品が残存している一又は複数の同種の薬品容器の本数を示す。
なお、前記全体表示領域A21に表示されている薬品のうちの一又は複数の薬品がユーザーによって選択されると、前記制御部21は、図14に示されるように、ユーザーによって選択された薬品に関する情報だけを前記混注作業部領域A22に表示する。これにより、ユーザーは、例えば、所望の薬品が残存している薬品容器がどの混注作業部に何本あるかなどを簡単に把握することができる。
なお、前記上部領域A221に表示されている薬品容器のうちの一又は複数の薬品容器がユーザーによって選択されると、前記制御部21は、図15に示されるように、ユーザーによって選択された薬品容器に関する詳細情報を前記下部領域A222に表示する。前記下部領域A222には、個々の薬品容器ごとに、例えば、通し番号、残量画像、mg値、mL値、及び開始日時などの情報が表示される。前記残量画像は、前記薬品容器における残存薬品の残量を模式的に示す画像である。前記mg値及び前記mL値は、前記薬品容器における残存薬品の残量を示す数値である。前記開始日時は、前記薬品容器を使用する混注作業が最初に行われた日時である。
なお、図8に示すフローチャートでは省略されているが、前記残薬画面P2に含まれる閉じるキーK21が操作されると、前記制御部21は、前記残薬画面P2を閉じて、前記振り分け画面P1を表示部24に再表示する。
<ステップS21>
ステップS21において、前記制御部21は、予め定められた終了操作が行われたか否かを判断する。例えば、前記制御部21は、前記振り分け画面P1に含まれる閉じるキーK18が操作された場合に、前記終了操作が行われたと判断する。そして、前記制御部21は、前記終了操作が行われたと判断すると(S21:Yes)、前記混注管理処理を終了させ、前記終了操作が行われていないと判断すると(S21:No)、処理を前記ステップS12に戻す。
なお、図8に示すフローチャートでは省略されているが、例えば、図11又は図12に示される状態で、前記振り分け画面P1に含まれるクリアキーK17が操作されると、前記制御部21は、前記振り分け画面P1を図10に示される状態に戻す。
また、図8に示すフローチャートでは省略されているが、前記振り分け画面P1に含まれる統計キーK19が操作されると、前記制御部21は、統計画面(不図示)を表示部24に表示させる。前記統計画面には、特定期間(例えば、過去1ヶ月間、過去1年間、ユーザーが指定した月など)において実施された混注作業に関する統計情報が表示される。
前記統計画面には、例えば同種の薬品容器ごとに、前記特定期間に実施された混注作業において実際に使用された薬品容器の本数と、残存薬品を全く使用しなかった場合に必要となる薬品容器の本数との差分が表示されてもよい。また、前記統計画面には、前記薬品容器の差分に基づいて、実際に使用された薬品容器の本数分の薬価と、残存薬品を全く使用しなかった場合に必要となる薬品容器の本数分の薬価との差額が表示されてもよい。これにより、前記特定期間において残存薬品を使用したことによる金銭的効果を簡単に確認することができる。また、前記統計画面P3には、前記混注作業をオーダーした医師ごとに、前記差額が表示されてもよい。これにより、医師ごとの前記金銭的効果を簡単に確認することができる。
以上のように、本実施形態に係る混注管理システム1では、残存薬品が発生する混注作業に対応する調製データと、前記残存薬品を使用する混注作業に対応する調製データとが、同一の混注作業部へと振り分けられる。よって、薬品が残存している薬品容器を混注作業部の外部に持ち出すことなしに、或る混注作業で発生した残存薬品を、別の混注作業で使用することができる。よって、本実施形態に係る混注管理システム1によれば、薬品容器に収容されている薬品の効率的な使用を支援することが可能である。
なお、本発明は、抗がん剤に限らず、無菌状態で混注作業を行うべき薬品であって、特に高価な薬品を使用する混注作業に対応する調製データの振り分けにも効果的である。
[変形例]
なお、他の実施形態では、前記制御部21は、前記振分処理部211による振り分け結果に基づいて、前記調製データ各々を前記混注支援装置4又は前記自動混注装置5に送信してもよい。例えば、前記制御部21は、「安全キャビネット1」に振り分けられた調製データを「安全キャビネット1」に対応する前記混注支援装置4へと送信し、「安全キャビネット2」に振り分けられた調製データを「安全キャビネット2」に対応する前記混注支援装置4へと送信し、「ケモロ」に振り分けられた調製データを自動混注装置5へと送信してもよい。そして、前記混注支援装置4では、前記混注管理装置2から受信した調製データに基づいて前記混注支援処理が実行されてもよい。また、前記自動混注装置5では、前記混注管理装置2から受信した調製データに基づいて前記自動混注処理が実行されてもよい。
また、本実施形態では、図8のステップS17において前記調製済み操作が行われたと判断された場合に、前記ステップS18において前記残薬情報が更新されるが、他の実施形態では、前記混注支援装置4又は前記自動混注装置5から、混注作業が完了したことを示す作業完了通知信号を受信した場合に、前記残薬情報が更新されてもよい。前記作業完了通知信号には、例えば、完了した混注作業に対応する調製データを識別するための調製データ識別情報が含まれる。
また、他の実施形態では、前記振り分け画面P1又は前記残薬画面P2が、前記混注支援装置4の操作表示部42又は前記自動混注装置5のディスプレイ541などに表示されてもよい。そして、前記振り分け画面P1又は前記残薬画面P2に対するユーザー操作が、前記混注支援装置4の操作表示部42又は前記自動混注装置5の操作部525などを通じて行われてもよい。
また、本実施形態では、前述したように、前記残量算出処理部213は、調製データに示される薬品の用量と、前記薬品が収容された薬品容器の前記既定量とに基づいて、前記調製データに対応する混注作業で発生する残存薬品の残量を算出する。しかしながら、前記薬品容器の種類によっては、常に前記既定量よりも多い量の薬品が収容されていることがある。例えば、前記既定量が100mgである薬品容器に、常に105mgの薬品が収容されていることがある。そこで、このような薬品容器を使用する場合において、当該薬品容器に収容されている薬品を無駄なく使用することができるように、前記混注管理システム1に、前記既定量を補正する機能が設けられてもよい。例えば、薬品容器の種類ごとに、前記既定量を補正するための補正係数(例えば、「1.05」など)が記憶部22などに記憶されてもよい。なお、前記補正係数は、ユーザー操作に応じて設定又は変更されてもよい。そして、前記残量算出処理部213は、前記薬品が収容された薬品容器の前記既定量を、前記補正係数を乗算して補正し、調製データに示される薬品の用量と、補正後の前記既定量とに基づいて、前記調製データに対応する混注作業で発生する残存薬品の残量を算出してもよい。なお、前記自動混注装置5においてロボットにより混注作業が行われる場合は、前記安全キャビネット100において人により混注作業が行われる場合に比べて、より正確な量の薬品を薬品容器から採取することができる。そこで、前記残量算出処理部213は、前記自動混注装置5において行われる混注作業で発生する残存薬品の残量を計算する場合と、前記安全キャビネット100において行われる混注作業で発生する残存薬品の残量を計算する場合とで、前記補正係数を変化させてもよい。例えば、前記残量算出処理部213は、後者の場合は、前者の場合よりも前記補正係数を小さくしてもよい。
また、特に前記安全キャビネット100において行われる混注作業では、人により混注作業が行われるため、採取すべき量よりも多い量の薬品が余分に採取されてしまうことがある。そうすると、実際の残量が、前記残量算出処理部213によって算出された残量よりも少なくなってしまう。そこで、このような状況に対応するために、前記混注管理システム1に、前記残量算出処理部213によって算出された残量を補正する機能が設けられてもよい。例えば、前記制御部21は、前記残量算出処理部213によって算出された残量を、予め定められた1未満の補正係数を乗算して補正してもよい。なお、前記補正係数は、ユーザー操作に応じて設定又は変更されてもよい。
また、他の実施形態では、前記制御部21は、前記振り分け処理における振り分け結果に基づいて、前記混注作業各々において発生する残存薬品を廃棄すべきか残しておくべきかに関する情報を提示してもよい。例えば、前記制御部21は、前記混注作業各々において発生する残存薬品が後続する混注作業で使用される見込みがあるか否かを判断する。例えば、前記制御部21は、前記残存薬品と同種の薬品を使用するような後続する混注作業が1つも存在しない場合に、前記残存薬品が後続する混注作業で使用される見込みがないと判断してもよい。そして、前記制御部21は、残存薬品が発生する混注作業に対応する調製データ画像D12のうち、前記残存薬品が後続する混注作業で使用される見込みがない調製データ画像D12の表示態様を、特定の表示態様(例えば、残存薬品を廃棄すべき旨を示す文字、記号又は画像の付加など)に変更してもよい。これにより、混注作業の作業者(薬剤師)は、後続する混注作業で使用される見込みがない残存薬品を即時に廃棄することができる。よって、安全キャビネット100内に不要な残存薬品が無駄に保管されて、薬品容器の取り違いが発生してしまうことを抑制することができる。
また、他の実施形態では、前記制御部21は、前記振り分け画面P1の混注作業部領域A13に表示されている調製データ画像D12各々を、対応する調製データが属している調製データグループごとに異なる表示態様で表示してもよい。例えば、前記制御部21は、調製データ画像D12各々が属している調製データグループを識別するための番号、記号又は画像を、調製データ画像D12各々に付加してもよい。
また、他の実施形態では、前記振り分け処理において自動的に振り分けられた調製データを、ユーザー操作に応じて別の混注作業部へと再振り分け変更可能に構成されてもよい。例えば、前記制御部21は、前記振り分け画面P1の混注作業部領域A13に表示されている調製データ画像D12に対するドラッグアンドドロップ操作に応じて、当該調製データ画像D12に対応する調製データの振り分け先を変更してもよい。また、前記調製データ画像D12に対応する調製データが、いずれかの前記調製データグループに属している場合に、当該調製データグループに属している複数の調製データの振り分け先を、前記ドラッグアンドドロップ操作に応じて同一の混注作業部に一括的に変更してもよい。
また、他の実施形態では、前記残薬情報をユーザーが必要に応じて任意に変更可能に構成されていてもよい。例えば、前記制御部21は、前記残薬画面P2に対するユーザー操作に応じて、前記残薬情報に含まれる残存薬品の残量、場所などの情報を更新してもよい。これにより、例えば、混注作業において薬品がこぼれた場合、前記振り分け処理において振り分けられた混注作業部とは別の混注作業部で混注作業が行われた場合などに、ユーザーは必要に応じて前記残薬情報を正しい情報に更新することができる。
また、他の実施形態では、前記振り分け処理における振り分け先の混注作業部が、混注支援装置4が設けられていない安全キャビネットであってもよい。
また、他の実施形態では、前記振り分け処理における振り分け先の混注作業部が、人により混注作業が行われる混注作業部(すなわち、前記安全キャビネット100)のみであってもよい。
また、他の実施形態では、前記振り分け処理における振り分け先の混注作業部が、ロボットにより混注作業が行われる混注作業部(すなわち、前記自動混注装置5)のみであってもよい。
また、本実施形態では、前記振り分け処理における振り分け先の混注作業部が複数ある場合について説明したが、前記振り分け先の混注作業部が1つであることも考えられる。この場合、前記振り分け処理において、振り分け対象として選択された全ての調製データが1つの混注作業部に割り当てられ、前記薬品金額表示領域A14には、残存薬品を使用した場合に必要となる薬品の総金額と、残存薬品を使用しない場合に必要となる薬品の総金額との差額が表示されることになる。なお、前記差額は、前記条件設定領域A12における「残薬利用」の設定項目の設定内容に応じて変化する。例えば、午前中に実施される混注作業では、先行する混注作業で発生した残存薬品を使用せずに残しておき、午後に実施される混注作業では、先行する混注作業で発生した残存薬品(午前中に実施された混注作業で発生した残存薬品も含む)を使用することが考えられる。この場合は、まず、「残薬利用」を「なし」に設定した状態で、午前中に実施される混注作業に対応する調製データを振り分け対象として1回目の振り分け処理を実行し、続いて、「残薬利用」を「あり」に設定した状態で、午後に実施される混注作業に対応する調製データを振り分け対象として2回目の振り分け処理を実行すればよい。この場合、もし同種の薬品を使用する混注作業が午前中に集中している場合は、午前中に発生した残存薬品を午後に実施される混注作業で使い切ることができず、前記残存薬品の大部分が無駄になってしまう。そこで、ユーザーは、「残薬利用」を「なし」に設定する調製データを、例えば9時〜10時の時間帯に投与される調製データに限定して、前記振り分け処理を再実行して、前記薬品金額表示領域A14に表示される金額を確認してもよい。もし9時〜10時の時間帯に投与される調製データに対応する混注作業で発生する残存薬品が、11時〜12時の時間帯に投与される調製データに対応する混注作業で使用される場合は、最終的に無駄になる残存薬品が減って、前記薬品金額表示領域A14に表示される金額が変化することになる。このように、本実施形態に係る混注管理システム1によれば、前記振り分け処理における振り分け先の混注作業部が1つである場合でも、薬品容器に収容されている薬品の効率的な使用を支援することが可能である。
[他の実施形態]
ところで、前述したように、前記混注支援装置4に入力された前記調製データに基づく前記混注作業が行われた後、当該混注作業で使用された薬品容器に薬品が残った場合、その薬品容器は、次に使用されるまでの間、前記作業室101内に保存されることがある。以下、前記混注支援装置4が、複数の薬品容器が載置可能な薬品保管ユニット300を備える場合について説明する。なお、前記混注支援装置4について前記実施形態で説明した構成要素と同じ構成要素については同じ符号を用いる。また、本実施形態に係る前記混注支援装置4を備える前記混注管理システム1では、前記混注管理装置2で前記混注管理処理(図8参照)が実行されなくてもよい。
図16に示されるように、前記薬品保管ユニット300は、前記混注支援装置4の前記制御部41に通信可能に接続されている。例えば、前記薬品保管ユニット300は、前記混注支援装置4に近距離無線通信可能に接続され、又は前記混注支援装置4に通信ケーブルで接続される。また、前記混注支援装置4が、複数の前記薬品保管ユニット300を備え、当該薬品保管ユニット300各々が前記混注支援装置4に通信可能に接続されていてもよい。この場合、前記混注支援装置4では、前記薬品保管ユニット300各々を当該薬品保管ユニット300ごとに予め設定されるユニット番号で当該薬品保管ユニット300を識別可能である。なお、前記薬品保管ユニット300への電源供給は、前記混注支援装置4又は商用交流電源から行われる。
図17に示されるように、前記薬品保管ユニット300は、前記安全キャビネット100内において、当該安全キャビネット100で前記混注作業を行う作業者がアクセス可能な位置に配置される。なお、図17では、前記薬品保管ユニット300に、薬品容器400が複数載置された状態が示されている。前記薬品保管ユニット300は、平面視で円形状であり、当該薬品保管ユニット300のサイズは、例えば外径が300mm、高さが190mmである。
図18及び図19に示されるように、前記薬品保管ユニット300は、上段載置部310と、下段載置部320と、回動支持部330とを備える。前記上段載置部310及び前記下段載置部320各々は、薬品容器が載置可能な複数の薬品載置部301を備える。図19に示されるように、前記薬品載置部301は、前記上段載置部310及び前記下段載置部320各々において環状に並設されている。前記薬品載置部301には、薬品容器が載置される凹部が形成されており、当該凹部は、下方から上方に向けて外側に傾斜している。即ち、前記薬品載置部301は、薬品容器が載置された場合に当該薬品容器が外側に傾斜し得る形状である。これにより、前記薬品載置部301に対する前記薬品容器の載置及び取り出しが用意となる。なお、前記薬品載置部301の前記凹部の底面は、例えば水平面に平行な平面、又は前記凹部の傾斜に対して垂直な平面である。
前記回動支持部330は、前記上段載置部310及び前記下段載置部320を一体として回転可能に支持する。具体的に、本実施形態において、前記薬品保管ユニット300における前記上段載置部310及び前記下段載置部320は、360度以下の予め設定された範囲で回動可能である。これにより、作業者は、前記上段載置部310及び前記下段載置部320を回動させて任意の前記薬品載置部301にアクセスすることが可能である。なお、前記上段載置部310及び前記下段載置部320各々が個別に回動可能に支持されていてもよい。また、前記回動支持部330が、前記上段載置部310及び前記下段載置部320を回動させるステッピングモーター又はDCモーター等の駆動部を備えることも考えられる。この場合、前記制御部41は、ユーザー操作に応じて前記回動支持部330の駆動部を制御して前記上段載置部310及び前記下段載置部320を回動させることが可能である。また、前記薬品保管ユニット300の前記上段載置部310及び前記下段載置部320の回転位置を検出可能な構成であれば、前記制御部41は、前記薬品容器を前記薬品載置部301に載置する際、又は取り出す際に、当該薬品載置部301を作業者に近い位置まで前記上段載置部310及び前記下段載置部320を回動させることも可能である。なお、前記薬品保管ユニット300が、前記回動支持部330を備えておらず、当該薬品保管ユニット300が平面視で円形状でない構成も考えられる。例えば、前記薬品保管ユニット300は、直線状、円弧状、又はL字状などに沿って並設された複数の前記薬品載置部301を備える構成であってもよい。
前記薬品載置部301各々には、載置検出部311及びステータス表示部312が設けられている。なお、前記薬品載置部301各々には、当該薬品載置部301を識別するための棚番が設定されており、前記制御部41は、前記薬品載置部301各々を識別可能である。
前記載置検出部311各々は、当該載置検出部311に対応する前記薬品載置部301への前記薬品容器の載置の有無を検出するために用いられる光学式センサ又は機械式センサ等である。前記載置検出部311各々による検出結果は、前記混注支援装置4の制御部41に入力される。
前記ステータス表示部312各々は、当該ステータス表示部312に対応する前記薬品載置部301の状態を示すために用いられる。なお、前記ステータス表示部312各々による表示内容は、前記混注支援装置4の制御部41によって制御される。具体的に、前記ステータス表示部312各々は、複数色の発光が可能な発光素子(LED)を含み、当該発光素子の発光色及び発光態様により前記薬品載置部301の状態を表す。本実施形態では、前記ステータス表示部312が、赤色及び青色の2色の発光が可能なLEDを備える場合を例に挙げて説明する。
また、前記ステータス表示部312は、前記上段載置部310及び前記下段載置部320の内側に配置されており、前記上段載置部310の表面310A及び前記下段載置部320の表面320Aは、透明、半透明、又は透過率の高い素材で形成されている。これにより、前記ステータス表示部312の光は、前記上段載置部310の表面310A又は前記下段載置部320の表面320Aを透過して外部から視認可能である。また、前記ステータス表示部312は、前記上段載置部310の表面310A及び前記下段載置部320の表面320Aに露出して設けられてもよい。さらに、前記ステータス表示部312は、前記薬品載置部301の外周縁部に沿って設けられる環状の発光部などであってもよい。
具体的に、前記記憶部413には、前記ステータス表示部312の発光色及び発光態様と前記薬品載置部301の状態との対応関係を示す対応情報が記憶されており、前記制御部41は、前記対応情報に基づいて前記ステータス表示部312を制御する。例えば、前記制御部41は、前記薬品載置部301に前記薬品容器が載置されていない場合に、前記ステータス表示部312を消灯させる。また、前記制御部41は、前記薬品載置部301に使用期限が到来していない有効な前記薬品容器が載置されている場合に、前記ステータス表示部312を青色点灯させ、前記薬品載置部301に使用期限が到来している無効な前記薬品容器が載置されている場合に、前記ステータス表示部312を赤色点灯させる。なお、前記使用期限は、例えば前記薬品容器内の薬品を使用すべき期限であって当該薬品容器の開封後から予め設定された期間(例えば6時間)の経過後のタイミングである。また、前記制御部41は、前記薬品載置部301が現在の前記薬品容器の載置先である場合、又は、前記薬品載置部301が現在の前記薬品容器の取り出し対象である場合に、前記ステータス表示部312を青色点滅させる。さらに、前記制御部41は、前記薬品載置部301への前記薬品容器の載置エラー又は取出エラーである場合に、前記ステータス表示部312を赤色点滅させる。
そして、前記混注支援装置4では、前記制御部41によって、前記薬品保管ユニット300を用いた前記薬品容器の管理を支援するための残薬保管処理及び残薬利用処理が実行される。ここに、図20は、前記残薬保管処理の一例を示すフローチャートであり、図23は、前記残薬利用処理の一例を示すフローチャートである。なお、前記残薬保管処理及び前記残薬利用処理のいずれか一方又は両方が前記混注管理装置2の前記制御部21によって実行され、前記混注支援装置4が前記混注管理装置2から受信する情報に基づいて、ユーザー操作の受け付け又は各種の画面表示などを行う操作表示端末として用いられてもよい。
[残薬保管処理]
まず、図20に基づいて前記残薬保管処理の一例について説明する。
<ステップS31>
ステップS31において、制御部41は、前記調製データに基づいて作業者によって行われる混注作業が終了したか否かを判断する。具体的に、前記制御部41は、前記フットスイッチ部45に対する混注作業の終了操作が行われた場合に、前記混注作業が終了したと判断する。ここで、前記混注作業が終了したと判断されると(S31:Yes)、処理がステップS32に移行し、前記混注作業が終了していないと判断されると(S31:No)、処理がステップS35に移行する。
<ステップS32>
ステップS32において、前記制御部41は、前記混注作業で使用された前記薬品容器に残存薬品が生じたか否かを判断する。例えば、前記制御部41は、前記調製データに基づいて残存薬品が生じたか否かを判断する。また、前記制御部41は、前記混注作業で前記薬品保管ユニット300に保管されている前記薬品容器が使用される場合には、後述の残薬管理情報と前記調製データとに基づいて残存薬品が生じたか否かを判断する。さらに、前記制御部41は、ユーザー操作により残存薬品が生じた旨の操作入力が行われた場合に、当該残存薬品が生じたと判断してもよい。ここで、残存薬品が生じたと判断されると(S32:Yes)、処理がステップS33に移行し、残存薬品が生じていないと判断されると(S32:No)、処理がステップS35に移行する。また、前記制御部41は、残存薬品が生じたと判断した場合には、前記残存薬品の内容を含む前記残薬認証ラベルを前記プリンター44で印刷する。なお、前記混注作業で使用される前記薬品容器に残存薬品が生じるか否かの判断及び前記残薬認証ラベルの印刷は、前記混注作業の終了前に実行されてもよい。なお、前記ステップS32において、前記制御部41は、前記混注作業で使用された前記薬品容器に残存薬品が生じた場合であっても、前記混注作業で行われた前記薬品容器に対する注射器による針刺し回数が予め設定された回数(例えば2回)以上に達している場合には当該薬品容器に残存薬品が生じていないと判断することも考えられる。そのため、前記制御部41は、前記混注支援処理において、前記薬品容器から薬品を吸引する吸引工程の案内表示を行う際などに前記注射器による針刺し回数をカウントするカウント処理を実行する。
<ステップS33>
ステップS33において、前記制御部41は、前記記憶部413に記憶される残薬管理情報に基づいて、前記薬品載置部301のうち前記薬品容器が載置されていない薬品載置部301を、今回の前記薬品容器の載置先として特定する。なお、複数の前記薬品容器について残存薬品が生じる場合には、当該薬品容器各々について載置先が特定される。
ここに、図21は、本実施形態に係る前記残薬管理情報の一例を示す図である。図21に示されるように、前記残薬管理情報には、載置先の前記薬品保管ユニット300の保管場所番号、薬品識別情報、保管日時、残液量などの情報が含まれる。そして、前記残薬管理情報は、後述のステップS38又はステップS47等で更新される。なお、前記残薬管理情報を記憶部413に記憶するための処理を実行するときの前記制御部41が本発明における記憶処理部の一例である。前記薬品識別情報は、残存薬品の種類を識別可能な薬品コードなどである。前記保管日時は、前記薬品容器を残存薬品として保管した日時を示す情報であるが、例えば前記調製データに基づく混注作業の開始日時又は終了日時などが代用される。前記残液量は、前記ステップS32で生じると判断された残存薬品の量を示す情報である。なお、前記制御部41は、前記残薬管理情報の内容を示す帳票を、通信網N1上に接続されている印刷装置などを用いて印刷出力可能であってもよい。
前記保管場所番号は、前記薬品保管ユニット300の識別情報であるユニット番号と、前記薬品保管ユニット300における前記薬品載置部301の識別情報である棚番との組み合わせである。具体的に、本実施形態に係る前記薬品保管ユニット300には、図19に示されるように、前記上段載置部310に6個の前記薬品載置部301が設けられており、前記下段載置部320に12個の前記薬品載置部301が設けられている。そして、本実施形態では、図22A等に示されるように、前記下段載置部320の前記薬品載置部301各々には、棚番「1」〜「12」が設定されており、前記上段載置部310の前記薬品載置部301各々には、棚番「21」〜「26」が設定されているものとする。
なお、前記制御部41は、前記ステップS33において、予め設定された条件に基づいて前記薬品容器の載置先を特定することが考えられる。例えば、前記制御部41は、前記薬品保管ユニット300で保管される前記薬品容器の配置が極力偏らないように、又は、前記薬品保管ユニット300で保管される前記薬品容器の配置が極力集中するように、今回の前記薬品容器の載置先を特定することが考えられる。また、前記制御部41は、棚番の小さい前記薬品載置部301から順に、又は、棚番の大きい前記薬品載置部301から順に、前記薬品容器の載置先として特定してもよい。さらに、前記制御部41は、前記薬品容器が載置されていない薬品載置部301の中から作業者による選択操作に応じて前記薬品容器の載置先を特定してもよい。
<ステップS34>
ステップS34において、前記制御部41は、今回の前記薬品容器の載置先となる前記薬品載置部301を報知するための処理を実行する。具体的に、前記制御部41は、前記ステップS33で載置先として特定された前記薬品載置部301の前記ステータス表示部312を、今回の載置先である旨を示す青色点滅で駆動させる。
さらに、前記制御部41は、前記薬品保管ユニット300において予め設定された基準位置P20から前記薬品容器の載置先として特定された前記薬品載置部301に向けて、前記ステータス表示部312各々を順次赤色点灯させる順次点灯処理を繰り返すことが考えられる。これにより、作業者は、前記薬品容器の載置先の前記薬品載置部301を容易に把握することができる。
ここに、図22A〜図22Dは、前記順次点灯処理の一例を示す図である。まず、図22Aに示されるように、前記薬品容器の載置先として特定された前記薬品載置部301の棚番が「1」である場合を考える。この場合、棚番「1」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が青色点滅することになる。また、前記基準位置P20から棚番が「1」の前記薬品載置部301に向けて、棚番「12」〜「2」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が順次赤色点灯する順次点灯処理が繰り返され、載置先の前記薬品載置部301の位置が案内される。
また、図22Bに示されるように、前記薬品容器の載置先として特定された前記薬品載置部301の棚番が「12」である場合を考える。この場合、棚番「12」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が青色点滅することになる。また、前記基準位置P20から棚番が「12」の前記薬品載置部301に向けて、棚番「1」〜「11」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が順次点灯する順次点灯処理が繰り返され、載置先の前記薬品載置部301の位置が案内される。
また、図22Cに示されるように、前記薬品容器の載置先として特定された前記薬品載置部301の棚番が「4」である場合を考える。この場合、棚番「4」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が青色点滅することになる。また、前記基準位置P20から棚番が「4」の前記薬品載置部301に向けて、棚番「1」〜「3」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が順次赤色点灯する順次点灯処理が繰り返されると共に、棚番「12」〜「5」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が順次点灯する順次点灯処理が繰り返される。即ち、前記基準位置P20から左右に分岐して、載置先の前記薬品載置部301の位置が案内される。
また、図22Dに示されるように、前記薬品容器の載置先として特定された前記薬品載置部301の棚番が「8」である場合を考える。この場合、棚番「8」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が青色点滅することになる。また、前記基準位置P20から棚番が「8」の前記薬品載置部301に向けて、棚番「1」〜「7」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が順次赤色点灯する順次点灯処理が繰り返されると共に、棚番「12」〜「9」の前記薬品載置部301のステータス表示部312が順次点灯する順次点灯処理が繰り返される。即ち、前記基準位置P20から左右に分岐して、載置先の前記薬品載置部301の位置が案内される。
また、前記薬品保管ユニット300の前記上段載置部310及び前記下段載置部320の回転位置を検出可能な位置検出部が前記薬品保管ユニット300に設けられていることが考えられる。この場合、前記制御部41は、作業者から最も近い位置を前記基準位置P20として当該基準位置P20から載置先の前記薬品載置部301に向けて、他の前記薬品載置部301のステータス表示部312を順次赤色点灯させることが考えられる。また、前記制御部41は、前記ステップS33において載置先の前記薬品載置部301を特定する際に、前記位置検出部による検出結果に基づいて、前記薬品容器が載置されていない前記薬品載置部301のうち作業者から最も近い位置に存在する薬品載置部301を、今回の前記薬品容器の載置先として特定することも考えられる。なお、前記制御部41は、図22A〜図22Dに示されるように、前記基準位置P20及び載置先の前記薬品載置部301の位置を示す画像を前記操作表示部42に表示させてもよい。これにより、例えば前記薬品保管ユニット300に前記基準位置P20が記されていれば、作業者は、載置先の前記薬品載置部301の位置を容易に把握することができる。
<ステップS35>
ステップS35において、前記制御部41は、前記薬品容器が前記薬品載置部301に載置されたか否かを判断する。具体的に、前記制御部41は、前記薬品載置部301各々の前記載置検出部311による検出結果に基づいて、前記薬品容器の載置の有無を判断する。ここで、前記薬品容器が前記薬品載置部301に載置されたと判断されると(S34:Yes)、処理がステップS35に移行し、前記薬品容器が前記薬品載置部301に載置されたと判断されなければ(S35:No)、処理がステップS31に戻される。なお、前記薬品容器が前記薬品載置部301に載置されたと判断されるまでの間は(S35:No)、処理が前記ステップS35で待機することも他の実施形態として考えられる。
<ステップS36>
ステップS36において、前記制御部41は、前記薬品容器の載置先が正しいか否かが判断される。具体的に、前記制御部41は、前記ステップS33で今回の載置先の前記薬品載置部301が特定されている場合には、当該薬品載置部301に前記薬品容器が載置された場合に、当該薬品容器の載置先が正しいと判断する。また、前記ステップS33で今回の載置先の前記薬品載置部301が特定されていない場合であって、前記薬品管理情報で前記薬品容器が載置されていない旨が登録されている前記薬品載置部301に前記薬品容器が載置された場合には、当該薬品容器の載置先が正しくないと判断する。ここで、前記薬品容器の載置先が正しいと判断された場合は(S36:Yes)、処理がステップS37に移行し、前記薬品容器の載置先が正しくないと判断された場合は(S36:No)、処理がステップS361に移行する。
<ステップS361>
ステップS361において、前記制御部41は、前記薬品容器の載置エラーを報知し、処理を前記ステップS31に戻す。具体的に、前記制御部41は、前記薬品容器が載置された前記薬品載置部301の前記ステータス表示部312を前記載置エラーに対応する赤色点滅で駆動させる。さらに、前記制御部41は、前記操作表示部42に前記薬品容器の載置エラーを示すメッセージを表示させる。これにより、作業者は、前記薬品容器の載置ミスを容易に把握することができる。
<ステップS37>
ステップS37において、前記制御部41は、前記薬品容器が載置された前記薬品載置部301を報知するための処理を実行する。具体的に、前記制御部41は、前記薬品容器が載置された前記薬品載置部301の前記ステータス表示部312を、前記薬品容器の載置状態に対応する青色点灯で駆動させる。
<ステップS38>
ステップS38において、前記制御部41は、前記残薬管理情報を更新する。具体的に、前記制御部41は、前記ステップS32で残存薬品が生じると判断された前記薬品容器について、保管場所番号、薬品識別情報、保管日時、残液量を前記残薬管理情報に記録する。なお、前記薬品容器が複数の前記混注作業で利用される場合には、例えば最初の前記混注作業の開始日時又は終了日時が前記保管日時として記録される。
ところで、前記ステップS33〜S36では、前記制御部41によって、前記薬品容器の載置先の前記薬品載置部301が特定され、当該薬品載置部301への前記薬品容器の載置の適否が判定される場合を例に挙げて説明した。一方、作業者が、前記薬品容器の載置先を任意に選択可能な構成も考えられる。具体的に、前記制御部41は、前記ステップS33〜S36に代えて、前記薬品容器の前記薬品載置部301への載置を検出し、その検出された前記薬品載置部301を当該薬品容器の載置先として特定することが考えられる。これにより、作業者は、前記制御部41で特定される前記薬品載置部301を探すことなく任意の位置に前記薬品容器を載置することが可能となる。また、前記制御部41が、前記ステップS33において、作業者の前記フットスイッチ部45に対して前記薬品載置部301を選択するための操作が行われた場合に、当該薬品載置部301を前記薬品容器の載置先として特定することも考えられる。
[残薬利用処理]
次に、図23に基づいて前記残薬利用処理について説明する。
<ステップS41>
ステップS41において、前記制御部41は、前記混注支援処理で処理対象として選択されている前記調製データに基づく前記混注作業で残存薬品が利用可能であるか否かを前記残薬管理情報に基づいて判断する。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部41が本発明における判断処理部の一例である。ここで、前記混注作業で残存薬品が利用可能であると判断されると(S41:Yes)、処理がステップS42に移行し、前記混注作業で残存薬品が利用可能でないと判断されると(S41:No)、処理がステップS44に移行する。
<ステップS42>
ステップS42において、前記制御部41は、前記混注支援処理で処理対象として選択されている前記調製データに基づく前記混注作業で利用可能な残存薬品が選択されたか否かを判断する。具体的に、前記制御部41は、前記残薬管理情報に基づいて、前記混注支援処理で処理対象として選択されている前記調製データに基づく前記混注作業で利用可能な残存薬品の一覧を前記操作表示部42に表示させ、作業者による前記残存薬品の選択操作を受け付ける。ここで、利用する残存薬品が選択されたと判断されると(S42:Yes)、処理がステップS43に移行し、利用する残存薬品が選択されなかったと判断されると(S42:No)、処理がステップS44に移行する。
<ステップS43>
ステップS43において、前記制御部41は、今回利用する前記薬品容器が保管されている保管位置を報知するための処理を実行する。具体的に、前記制御部41は、前記ステップS32で選択された前記薬品容器が収容されている前記薬品載置部301の前記ステータス表示部312を今回の取り出し対象である旨を示す青色点滅で駆動させる。なお、以下では、前記薬品保管ユニット300に保管されている薬品容器のうち今回利用する薬品容器を残薬容器と称することがある。
また、前記制御部41は、前記薬品保管ユニット300において予め設定された基準位置P20から取り出し対象の前記薬品容器の保管先の前記薬品載置部301に向けて、前記ステータス表示部312各々を順次赤色点灯させる順次点灯処理を繰り返すことが考えられる。これにより、作業者は、取り出し対象の前記薬品容器の前記薬品載置部301を容易に把握することができる。また、前記制御部41は、前記混注支援処理において、前記混注作業の内容(調製手順)を表示する案内画面にも、前記薬品容器として前記残薬容器を利用する旨を表示させる。なお、前記制御部41は、前記基準位置P20及び取り出し対象の前記薬品載置部301の位置を示す画像を前記操作表示部42に表示させてもよい。
<ステップS44>
ステップS44において、前記制御部41は、前記薬品容器が前記薬品載置部301から取り出されたか否かを判断する。具体的に、前記制御部41は、前記薬品載置部301各々の前記載置検出部311による検出結果に基づいて、前記薬品容器が取り出されたか否かを判断する。ここで、前記薬品容器が取り出されたと判断すると(S44:Yes)、処理がステップS45に移行し、前記薬品容器が取り出されたと判断されなければ(S44:No)、処理がステップS48に移行する。なお、前記薬品容器が取り出されたと判断されるまでの間は(S44:No)、処理が前記ステップS44で待機することも他の実施形態として考えられる。
<ステップS45>
ステップS45において、前記制御部41は、取り出された薬品容器が正しいか否かを判断する。具体的に、前記制御部41は、前記ステップS42で利用する残存薬品が選択されている場合には、前記薬品容器の取り出しを検出した前記載置検出部311に対応する前記薬品載置部301が、取り出し対象の前記残薬容器の載置先として前記残薬管理情報に登録されている場合に、取り出された薬品容器が正しいと判断する。また、前記制御部41は、取り出し対象の前記残薬容器に貼付されている前記残薬認証ラベルの一次元コード又は二次元コードが前記第1読取部43又は前記第2読取部46により読み取られた場合に、取り出された薬品容器が正しいと判断してもよい。さらに、前記ステップS423で残存薬品として利用される薬品容器が選択されていない場合であって、前記薬品管理情報で前記薬品容器が載置されている旨が登録されている前記薬品載置部301から前記薬品容器が取り出された場合には、取り出した薬品容器が正しくないと判断する。ここで、取り出された薬品容器が正しいと判断された場合は(S45:Yes)、処理がステップS46に移行し、取り出された薬品容器が正しくないと判断された場合は(S45:No)、処理がステップS451に移行する。
<ステップS451>
ステップS451において、前記制御部41は、前記薬品容器の取出エラーを報知し、処理を前記ステップS48に移行させる。具体的に、前記制御部41は、前記薬品容器が取り出された前記薬品載置部301の前記ステータス表示部312を前記取出エラーに対応する赤色点滅で駆動させる。さらに、前記制御部41は、前記操作表示部42に前記薬品容器の取出エラーを示すメッセージを表示させる。これにより、作業者は、前記薬品容器の誤った取り出しを容易に把握することができる。
<ステップS46>
ステップS46において、前記制御部41は、前記残薬容器が取り出された前記薬品載置部301を報知するための処理を実行する。具体的に、前記制御部41は、前記残薬容器が取り出された前記薬品載置部301の前記ステータス表示部312を消灯状態にする。
<ステップS47>
ステップS47において、前記制御部41は、前記残薬管理情報を更新する。具体的に、前記制御部41は、前記ステップS42で残存薬品として利用すると選択された前記薬品容器について、保管場所番号、薬品識別情報、保管日時、残液量を前記薬品管理情報から消去する。
<ステップS48>
ステップS48において、前記制御部41は、使用期限が到来している薬品容器が前記薬品保管ユニット300に保管されているか否かを前記残薬管理情報に基づいて判断する。具体的に、前記医薬品マスター等において薬品の種類ごとに薬品の開封後の使用可能期間が予め設定されており、前記制御部41は、前記医薬品マスターにおける前記使用可能期間と前記残薬管理情報における前記保管日時とに基づいて使用期限が到来しているか否かを判断することが可能である。ここで、使用期限が経過している薬品容器が保管されていると判断されると(S48:Yes)、処理がステップS49に移行し、使用期限が経過している薬品容器が保管されていないと判断されると(S48:No)、処理が前記ステップS41に戻される。
<ステップS49>
ステップS49において、前記制御部41は、使用期限が到来している前記薬品容器の取り出し要求を報知する。具体的に、前記制御部41は、使用期限が到来している前記薬品容器が収容されている前記薬品載置部301の前記ステータス表示部312を、取り出し対象である旨を示す赤色点滅で駆動させる。さらに、前記制御部41は、使用期限が到来している前記薬品容器の取り出しを促すメッセージを前記操作表示部42に表示する。
なお、前記ステップS48〜S49における残存薬品の使用期限の管理は、下記(A)〜(C)の条件が満たされている場合にのみ実行されてもよい。(A)前記混注作業の開始時などに前記プリンター44によって残存薬品の内容を示す一次元コード又は二次元コードを含む残薬認証ラベルが印刷されていること。(B)前記残薬保管処理において、前記薬品容器の前記薬品載置部301からの取り出しが監視されていること。(C)前記薬品容器が前記薬品載置部301に載置される際に一次元コード又は二次元コードが前記第1読取部43によって読み取られていること。また、前記ステップS42における前記薬品容器の取り出しが案内された場合、前記制御部41は、前記薬品容器の一次元コード又は二次元コードが前記第1読取部43により読み取られた場合に、当該取り出しが正常に完了したと判断して記録を残すことも考えられる。
また、前記制御部41は、作業者による任意の選択操作に応じて、前記薬品容器のうち任意の薬品容器の取り出し開始操作を受け付けることが可能であってもよい。この場合、前記制御部41は、前記ステップS49と同様に、作業者によって任意に選択された前記薬品容器の取り出し要求を報知し、当該薬品容器が取り出された場合には、前記ステップS45において取り出された前記薬品容器が正しいと判断することが考えられる。さらに、前記制御部41は、作業者により業務終了操作が行われた場合、又は予め設定された業務終了時間が到来した場合に、全ての前記薬品容器の取り出し要求を報知することも考えられる。
以上説明したように、前記混注支援装置4では、前記薬品保管ユニット300における前記薬品容器の載置場所が管理されており、必要に応じて前記薬品容器の載置先の前記薬品載置部301又は前記薬品容器を取り出すべき前記薬品載置部301が報知されるため、前記薬品容器の載置作業及び取出作業の効率化が図られる。
ところで、前記混注管理システム1では、複数の前記混注支援装置4が接続されることがあり、一又は複数の前記混注支援装置4に前記薬品保管ユニット300が設けられることも考えられる。そのため、前記保管場所番号の情報には、前記混注支援装置4の識別情報である装置番号が含まれることも考えられる。また、前記混注支援装置4各々の間で前記残薬管理情報が相互に参照可能であること、前記残薬管理情報が特定の前記混注支援装置4に記憶されて共有されること、前記混注支援装置4各々の間で前記残薬管理情報が同期されること等が考えられる。この場合、前記ステップS33では、前記制御部41が、当該制御部41が搭載された前記混注支援装置4の前記薬品保管ユニット300だけでなく、他の混注支援装置4の前記薬品保管ユニット300の前記薬品載置部301を載置先として特定可能であることも考えられる。また、前記ステップS41において残存薬品が利用可能であるか否かが判断される際に、前記制御部41が搭載された前記混注支援装置4だけでなく他の前記混注支援装置4の前記薬品保管ユニット300に保管されている前記薬品容器の残存薬品が考慮されてもよい。そして、前記ステップS42において利用する残存薬品が選択される際にも、前記制御部41が搭載された前記混注支援装置4だけでなく他の前記混注支援装置4の前記薬品保管ユニット300に保管されている前記薬品容器が選択可能であってもよい。なお、他の混注支援装置4の前記薬品保管ユニット300に保管されている前記薬品容器が選択された場合には、前記制御部41は、前記ステップS43において、当該他の混注支援装置4に対応する前記薬品管理情報に基づいて、前記薬品容器の場所を前記操作表示部42などに表示させることが考えられる。
さらに、前記混注支援装置4と前記混注管理装置2との間で前記残薬情報及び前記残薬管理情報が相互に参照可能であることも考えられる。この場合、前記制御部41は、前記ステップS41〜S43において、前記自動混注装置5に保管されている残存薬品を考慮することが可能であってもよい。例えば、前記ステップS41において、前記調製データに基づく混注作業で利用可能な残存薬品が前記自動混注装置5に存在する場合に、残存薬品が利用可能であると判断され、前記ステップS42において、前記自動混注装置5に保管されている残存薬品が選択可能であることも考えられる。この場合、前記ステップS43では、利用対象の残存薬品の保管場所が前記自動混注装置5である旨が前記操作表示部42などに表示される。
[残薬利用有無選択機能]
前記残薬利用処理(図23参照)では、前記調製データに基づく前記混注作業で残存薬品が利用可能であると判断された場合に利用可能な残存薬品が選択され、その残存薬品が保管されている保管位置が報知される構成(S41〜S43)について説明した。一方、前記混注支援装置4が、前記混注支援処理で処理対象となっている前記調製データについて混注作業を開始する際に、作業者が残存薬品の利用の有無を選択可能な残薬利用有無選択機能を有する構成が考えられる。
具体的に、前記制御部41は、前記混注支援処理において、前記混注作業に必要な作業工程に関する情報を含む案内画面を前記操作表示部42に順次表示させる。例えば、前記作業工程には、前述したように、薬品認証工程、風袋引き工程、溶解液抜取り工程、溶解液計量工程、溶解液撮影工程、溶解工程、薬液抜取り工程、薬液計量工程、薬液撮影工程、及び混注工程などから必要な作業工程などが含まれる。なお、前記薬品認証工程は、少なくとも前記薬液抜取り工程よりも前に行われる工程であり、当該薬品認証工程では、薬品容器から第2読取部46によって読み取られる薬品コードが示す薬品が、これから行われる前記薬液抜取り工程の対象となる薬品と一致する場合に当該薬品に間違いがないと判断される。
ここで、前記制御部41は、前記混注支援処理と共に前記残薬利用処理を実行しており、当該残薬利用処理では、当該混注支援処理の処理対象として選択されている前記調製データに基づく混注作業で残存薬品が利用可能である場合に、当該残存薬品の利用の有無を作業者が選択可能であることが考えられる。ここに、図24は、前記残薬利用処理の他の例を示すフローチャートであり、当該残薬利用処理を実行するときの前記制御部41が本発明における選択処理部の一例である。
図24に示されるように、前記制御部41は、前記ステップS41において、前記混注支援処理の処理対象として選択されている前記調製データに基づく混注作業で残存薬品が利用可能であると判断した場合には(S41:Yes)、続くステップS411を実行する。また、図24に示される前記残薬利用処理では、前記ステップS42が省略されている。
<ステップS411>
ステップS411において、前記制御部41は、作業者に当該残存薬品の利用の有無を選択させるための案内画面P11を前記操作表示部42に表示させる。ここに、図25Aは、前記案内画面P11の表示例を示す図である。
図25Aに示されるように、前記案内画面P11には、表示領域A111〜A113が含まれている。具体的に、前記制御部41は、前記表示領域A111において、残存薬品が利用可能である旨を示すメッセージを表示させる。また、前記制御部41は、前記表示領域A112において、残存薬品の薬品種別を識別可能な薬品名又は薬品コードなどを表示させる。さらに、前記制御部41は、前記表示領域A113において、残存薬品を利用する旨を選択するための操作キーK111及び残存薬品を利用しない旨を選択するための操作キーK112等を含む各種の操作キーを表示させる。
ところで、前記混注作業では、残存薬品を利用する場合と利用しない場合とで作業量(作業効率)が異なる場合がある。具体的に、前記調製データで示される薬品の用量に対応する量未満の残存薬品が収容されている薬品容器だけが前記安全キャビネット100内の薬品保管ユニット300に保管されている場合には、当該薬品容器内の残存薬品を使用した後、他の薬品容器内の残存薬品を使用する必要がある。そのため、作業者は、残存薬品が収容されている薬品容器から薬品を注射器で吸引する作業と、他の薬品容器から薬品を注射器で吸引する作業とを行う必要があり、一つの薬品容器のみから薬品を注射器で吸引する場合に比べて作業時間が長くなる。
そこで、前記制御部41は、残存薬品を利用する場合と利用しない場合とにおける作業量(作業効率)、又は当該作業量の差などの情報を前記操作表示部42の前記案内画面P11に表示させることが考えられる。これにより、作業者は、作業量(作業効率)を考慮して残存薬品を利用するか否かを判断することが可能となる。
具体的に、前記制御部41は、保管中の残存薬品を利用する場合と利用しない場合とにおける薬品容器の使用本数を前記調製データと前記残薬管理情報とに基づいて判断することが考えられる。具体的に、前記制御部41は、前記調製データで示される薬品の用量に対応する量の残存薬品が収容されている薬品容器が前記安全キャビネット100内の薬品保管ユニット300に保管されている場合には、保管中の残存薬品を利用する場合と未使用の新たな薬品容器を利用する場合とにおける薬品容器の使用本数が同じであり作業量(作業効率)が同じであると判断することが考えられる。一方、前記制御部41は、前記調製データで示される薬品の用量に対応する量の残存薬品が収容されている薬品容器が前記安全キャビネット100内の薬品保管ユニット300に保管されていない場合には、薬品保管ユニット300に保管されている複数の薬品容器から薬品を収集して利用することになり、又は、薬品保管ユニット300に保管されている薬品容器と未使用の新たな薬品容器との両方から薬品を収集して利用することになる。そのため、このような場合には未使用の新たな薬品容器のみを利用する場合に比べて薬品容器の使用本数が増加し、作業量(作業効率)が悪くなると判断することが考えられる。
そのため、例えば、前記制御部41は、前記調製データと前記残薬管理情報とに基づいて、残存薬品を利用する場合と残存薬品を利用しない場合とのそれぞれの場合に前記混注作業で必要な注射器による針刺し回数、又は残存薬品の利用の有無によって前記針刺し回数に変化があるか否か等の情報を表示することが考えられる。なお、前記針刺し回数は、前記記憶部413に予め記憶される各種の調製手順などに基づいてカウント可能である。具体的に、1本の薬品容器を用いて前記混注作業を行う場合には、当該薬品容器から薬品を抜く際の針刺し作業と、当該薬品を輸液バッグに注入する際の針刺し作業との2回の針刺し作業が必要である。一方、2本の薬品容器を用いて前記混注作業を行う場合には、当該薬品容器から薬品を抜く際の針刺し作業と、当該薬品を輸液バッグに注入する際の針刺し作業とをそれぞれ2回ずつ行う必要があるため合計4回の針刺し作業が必要である。なお、前記案内画面P11に表示される情報は、残存薬品を利用する場合と利用しない場合とにおける作業量(作業効率)の差が把握可能な情報であれば、例えば残存薬品を利用した場合と残存薬品を利用しない場合とのそれぞれの場合における薬品容器の使用本数などであってもよい。
<ステップS412>
次にステップS412において、前記制御部41は、前記案内画面P11において、作業者が残存薬品を利用する旨が選択されたか否かを判断する。具体的に、本実施形態では、前記制御部41は、前記操作キーK111が操作された場合に残存薬品を利用する旨が選択されたと判断し、前記操作キーK112が操作された場合に残存薬品を利用しない旨が選択されたと判断する。
ここで、残存薬品を利用しない旨が選択されたと判断されると(S412:No)、処理がステップS44に移行する。なお、前記制御部41は、残存薬品を利用しない旨が選択された場合に、残存薬品を利用しない旨を再確認させるためのメッセージなどを表示させ、当該メッセージに対する作業者の操作に応じて残存薬品を利用するか否かを再選択可能であってもよい。
一方、残存薬品を利用する旨が選択されたと判断されると(S412:Yes)、処理がステップS43に移行する。そして、前記制御部41は、前記ステップS43において、利用対象となる残存薬品が収容されている薬品容器の収容位置を報知するための処理を実行する(S43)。また、前記制御部41は、前記ステップS411において、前記案内画面P11が表示される際に、前記ステップS43における前記薬品容器の収容位置の表示を行ってもよい。
また、前記ステップS43において、前記制御部41は、前記混注支援処理で処理対象として選択されている前記調製データに基づく前記混注作業で利用可能な残存薬品が収容されている薬品容器のうち、少なくとも当該混注作業で必要な薬品量が収容されている薬品容器のみについて前記薬品保管ユニット300における収容位置を報知する。ここで、前記制御部41は、前記ステップS43において、前記調製データに基づく前記混注作業で利用可能な残存薬品が収容されている薬品容器であって、当該混注作業で必要な薬品量が収容されている薬品容器が複数存在する場合には、当該複数の薬品容器から予め設定された選択条件に合致する薬品容器について収容位置を表示することが考えられる。例えば、前記選択条件は、前記残薬管理情報に記憶されている保管日時が最も古いこと、又は前記残薬管理情報に記憶されている残液量が前記混注作業で必要な薬品量に最も近いことである。
また、前記ステップS43において、前記制御部41が、前記混注支援処理で処理対象として選択されている前記調製データに基づく前記混注作業で利用可能な残存薬品が収容されている全ての薬品容器について前記薬品保管ユニット300における収容位置を報知することも他の実施形態として考えられる。即ち、前記混注作業で必要な薬品量が収容されているか否かにかかわらず同一薬品が収容されている全ての薬品容器の前記薬品保管ユニット300における収容位置が報知されることが考えられる。
さらに、前記制御部41は、前記ステップS43において収容位置が報知される薬品容器の条件をユーザー操作に応じて予め設定可能であることが考えられる。例えば、前記制御部41は、前述したように前記混注作業で必要な薬品量が収容されている薬品容器のみについて収容位置を報知する第1報知モードと、前記混注作業で利用可能な残存薬品が収容されている全ての薬品容器について収容位置を報知する第2報知モードとのいずれかの報知モードの選択をユーザー操作によって受け付け、その選択された報知モードで前記ステップS43における報知を実行する。
また、前記制御部41は、前記混注支援装置4の初期設定において前記報知モードを設定可能であってもよいが、前記案内画面P11が表示されている状態でユーザー操作に応じて前記報知モードを切り替え可能であってもよい。さらに、前記制御部41は、前記混注作業で必要な薬品量が収容されている薬品容器が存在する場合には、前記第1報知モードで報知を実行し、前記混注作業で必要な薬品量が収容されている薬品容器が存在しない場合には、前記第2報知モードで報知を実行することも考えられる。
ところで、前記残薬利用処理(図24参照)では、前記調製データに基づく前記混注作業で残存薬品が利用可能であると判断され、残存薬品が利用可能であると判断された場合に、作業者の操作に応じて残存薬品の利用の有無が選択される。一方、作業者が利用可能な残存薬品が収容されている薬品容器の前記薬品保管ユニット300における保管位置を把握していること、又は、前記混注管理システム1に前記薬品保管ユニット300が設けられていないことも考えられる。そこで、前記制御部41は、前記ステップS412において、前記残薬容器に貼付されている前記残薬認証ラベルの一次元コード又は二次元コードが前記第1読取部43又は前記第2読取部46により読み取られた場合にも、残薬を利用する旨が選択されたと判断することが考えられる。この場合、前記制御部41は、前記残薬利用処理(図24参照)において、前記ステップS43〜S46を省略し、処理をステップS47に移行させることが考えられる。即ち、前記制御部41は、前記ステップS412において、前記残薬認証ラベルの一次元コード又は二次元コードが読み取られた場合には、残存薬品を利用する旨の選択操作と、前記ステップS45における薬品容器の認証とが同時に行われたと判断することが可能である。
また、前記制御部41は、前記混注作業の対象となる調製データが選択された場合に、前記混注支援処理の開始に際し、前記薬品認証工程とは別に、当該混注作業で使用する薬品容器等の取り揃え状態を確認するための取り揃え確認処理を実行することが考えられる。前記取り揃え確認処理は、前記調製データが選択された後、少なくとも前記残薬利用処理(図24参照)の開始前に実行される。具体的に、前記取り揃え確認処理において、前記制御部41は、当該調製データに基づく前記混注作業で使用される一又は複数の薬品容器及び輸液バッグの識別情報が前記第1読取部43又は前記第2読取部46によって読み取られた場合に、取り揃え状態が正常であると判断することが考えられる。この場合、前記制御部41は、前記混注作業で使用される前記薬品容器の識別情報として、前記残薬容器に貼付されている前記残薬認証ラベルの一次元コード又は二次元コードが前記第1読取部43又は前記第2読取部46により読み取られた場合に、当該混注作業で前記残薬容器の残存薬品を利用する旨の操作が行われたと判断することが考えられる。この場合、前記制御部41は、前記残薬利用処理(図24参照)において、前記ステップS41、S411、S412、S43〜S46を省略し、処理をステップS47に移行させることが考えられる。
ところで、前記混注作業では、前記混注作業において、複数種類の薬品のそれぞれについて当該薬品を薬品容器から抜き取る前記薬液抜取り工程が実行されることがある。即ち、複数の前記薬液抜取り工程が順次実行されることがあり、複数の薬品容器に残存薬品が発生することがある。この場合、前記制御部41は、前記残薬利用処理(図24参照)において、各薬品についての前記薬液抜取り工程が開始するごとのタイミングで前記ステップS41、S411、S412、S43を実行することが考えられる。また、前記制御部41は、前記混注作業の対象となる前記調製データが選択された場合に、当該混注作業で使用する薬品各々について残存薬品の利用の可否を纏めて判断してもよく、その際に利用可能であると判断された薬品についての残存薬品の利用の有無を選択するための作業者の操作を纏めて受け付けてもよい。
[残液量手動登録機能]
前記残薬保管処理(図20参照)のステップS38では、前記ステップS32における前記調製データに基づいて、又は、前記調製データ及び前記残薬管理情報に基づいて残存薬品が生じるか否かの判断結果に基づいて残薬管理情報が更新される場合について説明した。即ち、前記ステップS38では、前記残薬管理情報に登録される残液量が、前記制御部41によって前記調製データ又は前記残薬管理情報などに基づいて自動的に算出されてもよい。
一方、前記混注支援装置4は、前記残薬管理情報に登録される残液量などの情報を、作業者による手動操作に応じて登録可能な残液量手動登録機能を有することが考えられる。具体的に、前記制御部41は、前記ステップS32において残存薬品が生じると判断された場合に(S32:Yes)、前記ステップS38の実行前に、当該残存薬品の残液量などの情報をユーザー操作に応じて登録可能な手動登録処理を実行することが考えられる。なお、前記手動登録処理を実行するときの前記制御部41が本発明における登録処理部の一例である。具体的に、前記手動登録処理において、前記制御部41は、残存薬品が発生した旨を示すメッセージ等の情報を含む案内画面P12を前記操作表示部42に表示させる。ここに、図25Bは、前記案内画面P12における表示例を示す図である。
図25Bに示されるように、前記案内画面P12には、残存薬品が発生した旨を示すメッセージが表示される表示領域A114が表示される。特に、前記表示領域A114では、前記残薬管理情報に基づいて、残存薬品と同一の薬品が収容されている薬品容器が残存薬品として前記薬品保管ユニット300に収容されているか否か、収容されている本数、収容されている残液量の合計などの情報が表示される。例えば、前記表示領域A114に表示される前記本数は、今回発生している残存薬品が収容されている薬品容器の本数を含む本数であり、前記表示領域A114に表示される前記残液量は、今回発生している残存薬品の残液量を含む残液量である。
また、前記案内画面P12では、前記表示領域A113に、発生した残存薬品を保管することを選択するための操作キーK113、発生した残存薬品を保管せずに破棄することを選択するための操作キーK114、残存薬品の内容を確認するための操作キーK115、及び発生した残存薬品の残液量などの情報の入力を開始するための操作キーK116などが表示されている。
そして、前記制御部41は、前記操作キーK113が操作されると、その後、前記ステップS38において、発生した残存薬品の情報を前記残薬管理情報に記憶する。前記操作キーK114が操作されると、前記残薬保管処理を終了し、処理をステップS31に戻す。また、前記制御部41は、前記操作キーK115が操作されると、残存薬品と同一の薬品が収容されている薬品容器についての前記残薬管理情報を前記操作表示部42に表示させる。さらに、前記制御部41は、前記操作キーK116が操作されると、発生した残存薬品の残液量などの情報が入力可能な登録画面P21を前記操作表示部42に表示させる。ここに、図26A、図26Bは、前記登録画面P21の一例を示す図である。具体的に、図26Aは、薬品容器に最初に収容されていた薬品が液体である場合の前記登録画面P21の一例を示す図であり、薬品容器に最初に収容されていた薬品が粉薬である場合の前記登録画面P21の一例を示す図である。なお、他の実施形態として、前記案内画面P12及び前記登録画面P21が統合された画面が表示されることも考えられる。
図26Aに示されるように、薬品が液体であった場合の前記登録画面P21には、前記残薬管理情報に含まれる管理番号、薬品識別情報、残量、開始日時(保管開始日時)などが表示される。なお、前記残薬管理情報には、管理番号、薬品識別情報、残量、開始日時(保管開始日時)、使用日時、混注作業部の識別番号、薬品保管ユニット300のユニット番号、薬品保管ユニット300における薬品容器の保管場所、管理番号の枝番号、処理区分(格納中、取り出し中)、薬品コード、溶解液コード、溶解量、既定量、濃度、針刺し回数、処方番号、Rp番号、オーダー番号などの情報が薬品容器ごとに対応付けて記憶される。前記登録画面P21には、薬品容器の保管場所を示す保管場所番号などの他の情報が表示されてもよい。前記管理番号は、前記残薬管理情報において薬品容器各々を識別するために前記制御部41によって自動的に付与される識別番号である。前記薬品識別情報は、残存薬品の薬品種別を識別するための薬品名又は薬品コードなどの識別情報である。前記残量は、薬品容器に収容されている残存薬品の量を示す情報である。前記開始日時は、薬品容器が開封された使用開始日時などの時間情報である。
また、図26Bに示されるように、薬品が粉薬であった場合の前記登録画面P21には、薬品が液体であった場合に加えて、溶解量の項目が表示されている。前記溶解量は、当該薬品を溶解した後の液体量を示す情報であって、輸液などの溶媒の液体量である。
さらに、前記登録画面P21には、薬品の残液量を入力するための入力欄A121、及び当該登録画面P21に表示されている情報を前記残薬管理情報として登録するための操作キーK123が表されている。そして、前記制御部41は、前記入力欄A121の近傍に表示される数値変更キーK121、K122の操作に応じて残液量の値の増減の変更操作を受け付けることが可能である。また、前記制御部41は、作業者による前記入力欄A121の選択操作後、テキスト入力又は音声入力などによって残液量の入力を受け付けることも可能である。その後、前記制御部41は、前記操作キーK123が操作されると、登録画面P21に表示されている情報を前記残薬管理情報として登録する。また、前記制御部41は、前記登録画面P21において中止操作が行われると前記残液量の変更をキャンセルして前記登録画面P21を閉じて前記案内画面P12を表示させる。なお、前記制御部41は、前記登録画面P21において、前記入力欄A121における残液量の変更操作のみを受け付け可能であって、他の情報については例えばグレーアウト表示などを行い、当該他の情報についての変更操作を禁止することが考えられる。但し、他の実施形態として、前記制御部41が、前記登録画面P21において残液量を除く他の情報についても変更操作を受け付け可能であってもよい。
ここで、前記制御部41は、前記登録画面P21を、前記調製データ又は前記残薬管理情報などに基づいて自動的に算出した残液量を前記入力欄A121に入力した状態で表示する。これにより、前記入力欄A121に入力された数値に変更がない場合には、作業者による数値の入力作業が省略可能である。
特に、前記混注作業で用いられる未使用の薬品容器に収容されている薬品の収容量は、当該薬品容器に収容されている薬品量として定められている既定量よりも多い場合がある。この場合、前記調製データと前記既定量とに基づいて残液量が自動的に算出された場合には、当該残液量と実際に薬品容器内に残存している残液量とに差が生じることがあり、前記残液利用処理において前記薬品容器内に収容されている薬品を使い切ることができないことがある。そこで、前記制御部41は、前記薬品容器ごとの実際の薬品の収容量を考慮して前記残液量の算出を行うことが考えられる。
具体的に、前記制御部41は、前記記憶部41に記憶されている前記医薬品マスターに登録されている薬品の既定量とは別に、薬品容器各々に実際に収容されている液体量を示す実収容量の情報をユーザー操作に応じて設定可能であることが考えられる。ここに、図27は、前記医薬品マスターの設定画面P31の一例を示す図である。図27に示されるように、前記設定画面P31では、水分量に対応する入力欄A131が表示されており、前記制御部41は、ユーザー操作により前記入力欄A131に入力された値を前記実収容量として設定可能である。具体的に、前記制御部41は、前記設定画面P31に表示されている登録キーK131が操作された場合に、当該設定画面P31に表示されている情報を前記医薬品マスターに登録し、又は当該設定画面P31に表示されている情報に基づいて前記医薬品マスターを更新する。
そして、未使用の薬品容器を前記混注作業で用い残存薬品が発生した場合、前記制御部41は、前記調製データに基づいて残液量を算出する際に、前記医薬品マスターで設定されている前記実収容量から前記調製データに対応する混注作業における薬品の使用量を引いた量を残液量として算出し、前記入力欄A121に表示する。これにより、保管される残液量が前記実収容量を考慮して算出されることになるため、残存薬品として保管されている薬品容器内の薬品をできるだけ無駄なく使い切ることが可能となる。例えば、前記既定量に基づいて算出された残液量では、その残液量の薬品を利用しても混注作業を行うことができないと判断されていた場合であっても、前記実収容量に基づいて算出された残液量では、その残液量の薬品を利用して混注作業を行うことができると判断されることがある。なお、前記制御部41は、前記薬品保管ユニット300に保管されている薬品容器を用いて前記混注作業で残存薬品が発生した場合には、前記残薬管理情報に登録されている前記薬品容器の残液量から前記調製データに対応する混注作業における薬品の使用量を引いた量を残液量として算出し、前記入力欄A121に表示する。
なお、ここでは、前記制御部41が、前記調製データに基づく前記混注作業が終了した場合に(S31:Yes)、前記残薬管理情報に登録される残液量などの情報を作業者の手動操作に応じて登録可能である場合を例に挙げて説明した。一方、前記混注作業において、複数種類の薬品のそれぞれについて当該薬品を薬品容器から抜き取る前記薬液抜取り工程が実行されることがある。即ち、複数の前記薬液抜取り工程が順次実行されることがあり、複数の薬品容器に残存薬品が発生することがある。この場合、前記制御部41は、各薬品についての前記薬液抜取り工程が終了するごとのタイミングで前記手動登録処理を実行し、当該薬液抜取り工程の対象となっている薬品の残液量などの情報を作業者による手動操作に応じて登録することが可能であることが考えられる。また、前記制御部41は、前記混注作業が終了したタイミング、又は、全ての前記薬液抜取り工程が終了したタイミングで前記手動登録処理を実行し、各薬品の残液量などの情報を作業者による手動操作に応じて纏めて登録することが可能であってもよい。
[帳票出力機能]
一般に、抗がん剤などの薬品については、一つの薬品容器の薬品が一人の患者に投与され、一つの薬品容器の薬品が複数の患者に投与されない。これに対し、前述したように、ある混注作業で生じた薬品容器内の残存薬品を他の混注作業で利用可能な構成では、同一の薬品容器内の薬品が複数の調製データに対応する患者に投与されることになる。ここで、薬品が投与された複数の患者のうちいずれかの患者に健康被害が生じた場合には、当該薬品と同一の薬品容器に収容されている薬品が投与された他の患者についても同様の健康被害が生じる可能性がある。そのため、前記制御部41は、前記混注作業の履歴データに基づいて、薬品容器ごとに当該薬品容器が使用された混注作業の履歴を帳票として出力可能な帳票出力機能を有することが考えられる。
具体的に、前記制御部41は、前記混注作業における薬品容器各々の識別情報、使用日時、当該薬品容器各々からの採取量、前記調製データの内容、前記調製データの患者情報、前記混注作業の作業者である調製者の識別情報などの各種の情報を前記混注作業の履歴データとして前記記憶部413に記憶する。なお、混注作業において同一の薬品容器が用いられた調製データを特定することが可能であれば、前記履歴データとして記憶される情報はこれらに限らない。
そして、前記制御部41は、ユーザー操作に応じて、指定される特定期間に実行された混注作業の前記履歴データに基づいて、前記薬品容器ごとに、当該薬品容器を用いて行われた混注作業の履歴が示される帳票P41を表示出力又は印刷出力などの方法で出力する。具体的に、前記制御部41は、前記履歴データに基づいて、異なる前記調製データに基づく混注作業で利用された薬品容器のみについて、当該薬品容器を用いて行われた混注作業の履歴が示される帳票P41を出力する。
ここに、図28は、印刷出力された帳票P41の一例を示す図である。図28に示されるように、前記帳票P41には、前記薬品容器ごとに、当該薬品容器の管理番号、薬品名、使用日時、採取量、オーダーNo、患者氏名、調製者などの各種の情報が示されている。これにより、前記帳票P41を残薬分割使用の確認票(複数回使用確認票)としてそのまま利用することが可能である。
[習熟度参考振分機能]
また、前述したように、前記振分処理部211は、前記振分条件に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分けることが可能である。ここで、前記振分処理部211は、前記振分条件の一例として、前記安全キャビネット2で作業を行う作業者の混注作業の習熟度に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分ける習熟度参考振分機能を有することが考えられる。より具体的に、前記振分処理部211は、前記習熟度に基づいて、前記混注作業部各々で実行される前記混注作業の所要時間の差が最小限となるように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分け可能である。なお、前記制御部21は、前記習熟度参考振分機能の有効及び無効をユーザー操作に応じて切り替え可能である。
具体的に、前記制御部21は、前記安全キャビネット2などの前記混注作業部で混注作業を行う作業者を示す作業者情報をユーザー操作に応じて予め登録可能であり、当該作業者情報が前記記憶部22に記憶される。また、前記制御部21は、前記作業者情報を前記振分条件として設定可能であってもよい。なお、前記作業者情報は、前記ユーザーマスターに含まれる情報であってもよい。
また、前記記憶部22に記憶されている前記ユーザーマスターでは、前記混注作業の作業者となる薬剤師ごとに、当該薬剤師の習熟度が登録可能である。特に、前記制御部21は、前記振分条件の指標として用いられる作業者各々の習熟度を作業者各々の混注作業の実績に応じて自動的に更新することが考えられる。なお、前記習熟度の更新は、前記混注管理システム1が用いられる医療機関の業務開始時刻又は業務終了時刻などの予め設定された特定時刻に行われる。これにより、前記習熟度が作業者についての混注作業の実績に応じて適宜更新され、前記習熟度に基づく前記調製データの振り分けが適切に行われる。なお、前記制御部41は、ユーザー操作に応じて前記習熟度を任意に変更可能であってもよい。
例えば、前記制御部21は、前記薬剤師各々について、前記混注作業の実施件数をカウントしており、当該実施件数の増加に伴って薬剤師の習熟度が高くなるように習熟度を自動的に更新する学習機能を有することが考えられる。より具体的に、前記制御部21は、前記実施件数が予め設定された件数に達するごとに前記習熟度を上げることが考えられる。なお、前記制御部21は、前記薬剤師各々による前記混注作業の履歴データなどの情報を前記混注支援装置4から取得することにより、前記実施件数を知得することが可能である。
また、前記制御部21は、前記薬剤師各々によって実行される前記混注作業の開始時刻及び終了時刻から混注作業の所要時間の平均値が低いほど前記習熟度が高くなるように習熟度を更新することも考えられる。さらに、前記制御部21は、前記混注作業における薬品容器の使用本数又は針刺し回数などの混注作業の困難性と前記混注作業の所要時間との関係を考慮して前記習熟度を更新してもよい。例えば、前記制御部21は、前記所要時間又は前記平均値などが同じであっても、前記困難性が高い場合には、前記困難性が低い場合に比べて前記習熟度が高くなるように当該習熟度を更新することが考えられる。なお、前記制御部21は、前記薬剤師各々による前記混注作業の履歴データなどの情報を前記混注支援装置4から取得することにより、前記薬剤師各々による前記混注作業の所要時間の平均値などの情報を知得することが可能である。
さらに、前記混注支援処理において生じた薬品認証ミス、秤量ミス、撮影キャンセル回数、NG回数などの正確性の指標となる正確性情報に基づいて前記薬剤師各々の習熟度を更新してもよい。具体的には、薬品認証ミス、秤量ミス、撮影キャンセル回数、NG回数が多いほど前記習熟度が低くなるように習熟度が更新されることが考えられる。前記NG回数は、例えば作業者以外の監査者が行う監査結果がNGであった回数である。なお、前記制御部21は、前記薬剤師各々による前記混注作業の履歴データなどの情報を前記混注支援装置4から取得することにより、前記薬剤師各々による前記正確性情報を知得することが可能である。
そして、前記制御部21の振分処理部211は、前記混注作業部各々で作業する作業者として前記作業者情報に登録されている作業者の習熟度に基づいて、複数の調製データを複数の前記混注作業部に振り分ける。具体的に、前記振分処理部211は、前記習熟度に基づいて、複数の前記混注作業部における混注作業の所要時間の合計時間ができるだけ同じ時間となるように前記調製データを前記複数の混注作業部に振り分けることが考えられる。
例えば、前記習熟度が予め設定された範囲内で段階的に設定される係数であり、前記医薬品マスターにおいて薬品又はレジメンごとに対応する基準混注作業時間が予め設定されている。なお、前記係数は、前記習熟度が高いほど低くなる値で、「1.0」、「1.2」、「1.4」、「1.6」、「1.8」の5段階であることが考えられる。そして、前記振分処理部211は、振り分け後の前記調製データに含まれる薬品各々に対応する前記基準混注作業時間に前記習熟度を乗じた値の合計ができるだけ同じ値となるように前記調製データを振り分けることが考えられる。これにより、複数の調製データを、前記習熟度に基づいて、前記複数の混注作業部における混注作業の所要時間の合計時間ができるだけ同じ時間となるように前記調製データを前記複数の混注作業部に振り分けることが可能となる。
また、前記混注管理装置2では、前記制御部21が、ユーザー操作に応じて、前記調製データを振り分ける際の振分動作モードとして予め設定された複数の振分モードから任意の振分モードを選択して振分を実行することが可能であることが考えられる。具体的に、ここでは、前記振分モードとして、オーダー順振分モード、薬品節約振分モード、及びAI振分モードの3種類の振分モードが選択可能である場合を例に挙げて説明する。
前記オーダー順振分モードは、前記調製データの入力順(オーダー順)で複数の前記調製データが複数の前記混注作業部に順に振り分けられるモードである。即ち、前記オーダー順振分モードでは、前記混注作業部各々における前記混注作業の回数が概ね同じになるように前記調製データが振り分けられる。
前記薬品節約振分モードは、前記混注作業で生じる残存薬品をできるだけ利用可能となるように複数の前記調製データが複数の前記混注作業部に振り分けられるモードである。例えば、前記薬品節約振分モードでは、同一の薬品が使用される前記調製データに基づく前記混注作業が同一の前記混注作業部で行われるように複数の前記調製データが複数の前記混注作業部に振り分けられる。
前記AI振分モードは、複数の前記混注作業部における前記混注作業の所要時間の合計時間ができるだけ同じ時間となるように、複数の前記調製データが複数の前記混注作業部に振り分けられるモードである。換言すれば、前記AI振分モードは、全ての前記混注作業部における前記混注作業が終了するまでの所要時間が最小限になるように、複数の前記調製データが複数の前記混注作業部に振り分けられるモードである。例えば、前記AI振分モードでは、振り分け後の前記調製データに含まれる薬品各々に対応する前記基準混注作業時間に前記習熟度を乗じた値の合計が前記混注作業部各々でできるだけ同じ値(差が最小限)となるように複数の前記調製データが複数の前記混注作業部に振り分けられる。また、前記AI振分モードは、複数の前記調製データのうち残存薬品を利用する混注作業が行われる調製データ、及び混注作業で残存薬品が発生する調製データなどの困難性の高い混注作業となる調製データが、前記習熟度が高い作業者が担当する前記混注作業部に振り分けられるモードであってもよい。
ところで、前記制御部21の前記振分処理部211は、前記振分動作モードに基づく前記調製データ各々の振り分け結果に基づいて調製時間及び薬品価格などをシミュレーションするシミュレーション機能を備えていてもよい。具体的に、前記制御部21は、ユーザー操作に応じて、過去、現在、未来のいずれか一又は複数の期間に処理対象となる前記調製データのうち振り分け対象となる調製データを選択する。また、前記振分処理部211は、前記混注作業部の数、前記自動混注装置5の数、及び残存薬品の利用の有無などの振り分け条件を、ユーザー操作に応じて設定可能である。そして、前記振分処理部211は、振り分け対象として選択された前記調製データについて、前記振り分け条件に基づいて前記調製データを振り分ける。
その後、前記制御部21の前記提示処理部212は、前記調製データ各々の振り分け結果に基づいて調製時間及び薬品価格などを算出して、シミュレーション結果として前記表示部24又は表示部34などに表示出力し、又は前記通信網N1に接続されているプリンターを用いて印刷出力する。ここに、図29は、前記シミュレーション結果の出力画面P51の表示例を示す図である。図29に示されるように、前記出力画面P51には、振り分け対象として選択されている前記調製データの期間、前記調製データの数を示す処方数、前記シミュレーション処理の所要時間が表示されている。
また、前記出力画面P51では、振り分け対象として選択されている複数の前記調製データに基づく前記混注作業における薬品の混注回数の合計を示す「払出薬品数」、薬品容器の使用数を示す「使用薬品数」、前記払出薬品数に対応する薬品の価格の合計を示す「払出薬品価格」、前記使用薬品数に対応する薬品の価格の合計を示す「使用薬品価格」、前記払出薬品価格及び前記使用薬品価格の差額を示す「差分価格」などが表示されている。なお、前記混注管理システム1では、先行する混注作業で発生した残存薬品をその後に行われる混注作業で使用する場合に、前記差分価格が抑制されることがあり、残存薬品の使用回数が増加するほど前記差分価格が増加することになる。
さらに、前記出力画面P51では、振り分け対象として選択されている複数の前記調製データに基づく前記混注作業が実行された場合に所要時間の情報が表示される。具体的には、振り分け対象となっている前記調製データの期間の間で前記所要時間が最も短くなる日における当該所要時間を示す「調製時間(1日最短)」、前記調製データの期間の間で前記所要時間が最も長くなる日における当該所要時間を示す「調製時間(1日最大)」、前記調製データの期間の間における1日あたりの前記所要時間の平均を示す「調製時間(1日平均)」などが表示されている。前記混注管理システム1では、先行する混注作業で発生した残存薬品をその後に行われる混注作業で使用する場合に、前記差分価格が抑制されることがあり、残存薬品の使用回数が増加するほど前記差分価格が増加することになる。
このように、前記出力画面P51が出力可能な構成であれば、作業者は、前記出力画面P51を参照することにより、複数の前記振分動作モードから所望の効果が得られる振分動作モードを容易に判断することが可能となる。また、前記出力画面P51には、前記調製データを振り分ける際の前記振分動作モードを選択するための複数の操作キーを含む表示領域A151が表示されている。そして、前記制御部21は、前記出力画面P51における前記表示領域A151のユーザー操作に応じて、前記調製データを振り分ける際の前記振分動作モードを設定可能である。また、前記制御部21は、前記出力画面P51において前記シミュレーション処理の対象となる前記調製データの期間をユーザー操作に応じて変更し、変更後の期間に基づいて前記シミュレーション処理を実行可能であってもよい。なお、ここでは前記振分動作モード各々で振り分けた場合におけるシミュレーション結果が同時に出力される場合について説明したが、予め選択された前記振分動作モードで振り分けた場合におけるシミュレーション結果のみが出力されても良い。
また、前述したように、前記振分処理部211は、先行する第1の混注作業で発生する残存薬品と同種の薬品を使用する第2の混注作業に関する調製データを、前記第1の混注作業と同じ混注作業部へと優先的に振り分けることが考えられる。一方、例えば前記混注管理システム1において残存薬品を利用しない旨が設定されている場合には、前記振分処理211が、前記習熟度を考慮して前記調製データの振り分け処理を実行することになる。同様に、前記混注管理システム1が、先行する第1の混注作業で発生する残存薬品をその後に実行される第2の混注作業で使用可能でないシステムである場合に、前記振分処理部211が前記習熟度を考慮して前記調製データの振り分け処理を実行してもよい。
また、本実施形態に係る前記混注管理システム1では、注射器を用いて行われる混注作業の対象となる調製データの振り分けについて説明した。一方、注射器を用いずに行われるピッキング作業又は秤量作業などの調剤作業の対象となる処方データ又は調剤データなどを作業者の習熟度に応じて振り分けることも考えられる。
ところで、前記混注管理システム1では、前記混注支援装置4又は前記自動混注装置5などにおいて前記混注作業の対象となる調製データは、当該混注支援装置4又は当該自動混注装置5において任意に選択可能であってよい。この場合、例えば作業者は、前記提示処理部212によって提示される振り分け結果の印刷物を参照しつつ、前記混注支援装置4又は前記自動混注装置5などにおいて前記混注作業の対象となる調製データを選択して当該混注作業を実行することが可能である。但し、前記振分処理部211は、当該振分処理部211による振り分け結果に従って、前記混注作業部各々に対応する前記混注支援装置4又は前記自動混注装置5などによる前記調製データの選択を、当該混注作業部に振り分けられた前記調製データに限定してもよい。即ち、前記振分処理部211は、前記混注作業部により前記調製データが選択される際に、当該調製データが前記混注作業部に振り分けられたものではない場合に、その旨を示すメッセージを表示すること、又は、前記調製データの選択を禁止することが考えられる。
一方、前記振分処理部211が、当該振分処理部211による振り分け結果に従って、前記調製データ各々を当該調製データが振り分けられた前記混注作業部に対応する前記混注支援装置4又は前記自動混注装置5などに、当該混注作業部における前記混注作業の対象となる調製データとして送信してもよい。これにより、作業者は、前記混注支援装置4を用いて、当該混注支援装置4に振り分けられた前記調製データについての前記混注作業のみを順に実行することが可能である。また、前記自動混注装置5では、前記振り分け結果に基づいて順に自動的に前記混注作業を実行することが可能である。
ところで、前記自動混注装置5でも、前記安全キャビネット100で行われる前記混注作業と同様に、先行する第1の自動混注処理で発生する残存薬品を、当該残存薬品と同種の薬品を使用する第2の自動混注処理で使用することが考えられる。この場合、前記自動混注装置5では、前記残存薬品が収容されている薬品容器が次に使用されるまでの間、前記自動混注装置5内の前記載置棚などに保管されることになる。ところで、前記自動混注装置5の混注処理室203には、当該混注処理室203内を照明する蛍光灯などの照明装置が設けられており、前記制御部51は、前記照明装置の点灯及び消灯などを制御することが可能である。例えば、前記制御部51は、前記自動混注装置5により前記自動混注処理が実行される場合又は前記自動混注装置5の電源がONである場合に前記照明装置を点灯させることが考えられる。一方、前記混注処理室203内に前記残存薬品が収容されている薬品容器が保管される場合、当該残存薬品が遮光を要する抗がん剤(例えばダカルバシン)などの遮光対象薬であることも考えられる。しかしながら、前記混注処理室203内の前記照明装置が点灯状態であれば、前記残存薬品として前記混注処理室203内に遮光対象薬を保管してその後の前記自動混注処理で使用することができない。そこで、前記制御部51は、前記混注処理室203内に保管される薬品容器に収容されている残存薬品が遮光対象薬である場合には、当該残存薬品が使用されるまでの間、又は当該薬品容器が廃棄されるまでの間、前記照明装置を消灯することが考えられる。これにより、前記残存薬品が遮光対象薬である場合であっても当該残存薬品をその後の自動混注処理で利用することが可能である。特に、前記遮光対象薬が遮光性を有していない注射器などに収容された状態で前記載置棚に保管される場合には、当該照明装置の消灯処理が好適である。また、前記残存薬品に限らず、前記遮光対象薬品が前記混注処理室203に保管されている間は前記照明装置が消灯するように制御されてもよい。なお、前記自動混注処理の実行中に前記混注処理室203の前記照明装置が消灯されると、前記混注処理室203内に設けられる前記カメラによる撮影に支障が出ることが考えられるため、前記カメラが赤外線対応カメラであること、又は前記制御部51が前記カメラによる撮影時のみ前記照明装置を点灯させることも考えられる。
また、前記自動混注装置5において前記注射器内の薬品を前記輸液バッグに注入する注入工程が実施された後には、当該輸液バッグの口部に当該薬品又は輸液などが付着しているおそれがある。そのため、前記注入工程の実施後に、前記制御部51が、前記第1ロボットアーム551又は前記第2ロボットアーム552を制御し、アルコールのような消毒液が浸透した綿球などの拭き取り部材で前記輸液バッグの口部を拭き取る拭き取り工程を実行することが考えられる。この場合、前記自動混注装置5で前記自動混注処理が実行される場合には、当該自動混注処理で用いられる薬品容器、輸液バッグ、注射器などと共に、前記拭き取り部材が載置されたトレイがユーザーによって装填される。しかしながら、仮に前記拭き取り部材が露出する状態で前記トレイに載置される場合には、当該トレイが前記自動混注装置5に装填された後、すぐに当該トレイを用いた前記自動混注処理が実行されない場合には、前記拭き取り部材が使用されるまでの間に、当該拭き取り部材に浸透している前記消毒液が乾燥して減少するおそれがある。そのため、前記拭き取り部材が前記トレイに載置される際には、当該拭き取り部材が密閉された密閉容器に収容された状態で前記トレイに載置されることが考えられる。そして、前記制御部51は、前記自動混注処理が実行される際に、前記第1ロボットアーム551又は前記第2ロボットアーム552などを制御して前記密閉容器を開封し、当該密閉容器内に収容されていた前記拭き取り部材を取り出して前記拭き取り工程を実行することが考えられる。なお、前記第1ロボットアーム551又は前記第2ロボットアーム552などによる前記密閉容器の開封手法は特に限定されないが、例えば前記第1ロボットアーム551又は前記第2ロボットアーム552のいずれか一方で前記密閉容器が保持され、他方によって前記密閉容器の一部(密閉用フィルム等の蓋部材)が剥離されることにより前記拭き取り工程が露出して取り出し可能な状態になることが考えられる。また、例えば前記第1ロボットアーム551又は前記第2ロボットアーム552のいずれか一方で前記密閉容器が保持され、他方によって前記密閉容器の一部(密閉用フィルム等の蓋部材)を突き破ることにより前記拭き取り部材が露出して取り出し可能な状態になることが考えられる。なお、前記拭き取り部材による拭き取り対象は前記輸液バッグに限らず、例えば前記薬品容器の口部が前記拭き取り部材によって拭き取られる拭き取り工程が実行される場合にも同様である。
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の技術的思想について付記する。また、以下に付記する各構成及び各処理機能を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
<付記1>
薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に基づいて、前記混注作業が実施される複数の混注作業部に振り分ける振分処理部と、
前記振分処理部による振り分け結果に関する情報を提示する提示処理部と、
を備える混注管理システム。
<付記2>
前記振分処理部は、先行する第1の混注作業で発生する残存薬品と同種の薬品を使用する第2の混注作業に関する調製データを、前記第1の混注作業と同じ混注作業部へと優先的に振り分ける、
付記1に記載の混注管理システム。
<付記3>
前記振分処理部は、前記残存薬品に加えて、予め定められた振分条件に基づいて、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分ける、
付記1又は付記2に記載の混注管理システム。
<付記4>
前記振分条件には、前記調製データ各々に対応する混注作業の実施時刻、前記混注作業で採取される薬品の投与時刻、前記混注作業に要する作業時間、前記混注作業における薬品容器からの薬品の採取回数、前記混注作業における前記残存薬品の使用の有無、前記混注作業で採取される薬品の種類、前記混注作業で採取される薬品の薬価、前記混注作業で使用される閉鎖式薬物移送システムの価格、及び前記混注作業で発生する残存薬品の使用可能期間の少なくとも1つに関する条件が含まれる、
付記3に記載の混注管理システム。
<付記5>
前記振分処理部は、前記複数の調製データに対応する混注作業に要する費用が最小限となるように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分け可能である、
付記1〜4のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記6>
前記振分条件には、前記混注作業部各々で前記混注作業を行う作業者の習熟度が含まれる、
付記3又は4に記載の混注管理システム。
<付記7>
前記振分処理部は、前記混注作業部各々で前記混注作業を行う作業者の習熟度に基づいて、前記混注作業部各々で実行される前記混注作業の所要時間の差が最小限となるように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分け可能である、
付記6に記載の混注管理システム。
<付記8>
前記振分処理部は、前記複数の調製データに対応する混注作業における薬品容器からの薬品の採取回数が最小限となるように、前記調製データ各々を前記複数の混注作業部に振り分け可能である、
付記1〜7のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記9>
前記振分処理部は、前記残存薬品が発生する混注作業に対応する一又は複数の調製データと前記残存薬品を使用する混注作業に対応する一又は複数の調製データとを1つの調製データグループとしてグループ化するグループ化処理と、前記調製データグループに属する調製データを前記調製データグループ単位で前記複数の混注作業部に振り分ける第1振分処理と、前記第1振分処理後に前記調製データグループに属さない調製データを前記複数の混注作業部に振り分ける第2振分処理とを実行する、
付記1〜8のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記10>
前記混注作業において使用可能な前記残存薬品が存在する場合に、当該残存薬品を使用するか否かを選択可能な表示画面を表示し、当該表示画面におけるユーザー操作に応じて前記残存薬品の使用の有無を選択可能な選択処理部を備える、
付記1〜9のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記11>
前記選択処理部は、前記残存薬品を使用する場合と使用しない場合とにおける作業量の情報又は当該作業量の差を示唆する情報を前記表示画面に表示可能である、
付記10に記載の混注管理システム。
<付記12>
前記混注作業で残存した残存薬品の量を含む残薬管理情報を記憶部に記憶する記憶処理部と、
前記混注作業で使用可能な残存薬品が存在するか否かを前記記憶部に記憶されている前記残薬管理情報に基づいて判断する判断処理部と、
前記残薬管理情報における前記残存薬品の量をユーザー操作に応じて登録可能な登録処理部と、
を備える、付記1〜11のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記13>
前記複数の混注作業部には、前記混注作業が人により行われる一又は複数の手作業部と、前記混注作業がロボットにより行われる一又は複数の自動作業部とが含まれ、
前記振分処理部は、前記自動作業部へと振り分けるべき条件を示す自動作業条件に合致する調製データを前記自動作業部へと優先的に振り分ける、
付記1〜12のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記14>
前記複数の混注作業部には、前記混注作業が人により行われる一又は複数の手作業部と、前記混注作業がロボットにより行われる一又は複数の自動作業部とが含まれ、
前記振分処理部は、前記手作業部へと振り分けるべき条件を示す手作業条件に合致する調製データを前記手作業部へと優先的に振り分ける、
付記1〜13のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記15>
前記提示処理部は、前記振分処理部により振り分けられた前記調製データについて、残存薬品が発生する混注作業に対応する調製データと、残存薬品が発生しない混注作業に対応する調製データとを相互に判別可能に提示する、
付記1〜14のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記16>
前記提示処理部は、前記振分処理部により振り分けられた前記調製データについて、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用する混注作業に対応する調製データと、先行する混注作業で発生する残存薬品を使用しない混注作業に対応する調製データとを相互に判別可能に提示する、
付記1〜15のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記17>
前記提示処理部は、前記振分処理部による振り分け結果に従って前記残存薬品を使用した場合に必要となる薬品の総金額と、前記残存薬品を使用しない場合に必要となる薬品の総金額との差額を提示可能である、
付記1〜16のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記18>
前記提示処理部は、前記振分処理部による振り分け結果に従って前記複数の調製データに対応する混注作業が実施された場合に最終的に無駄になる残存薬品に対応する金額を提示可能である、
付記1〜17のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記19>
前記調製データに示される薬品の用量と、前記薬品が収容された薬品容器の前記既定量とに基づいて、前記調製データに対応する混注作業で発生する残存薬品の残量を算出する残量算出処理部と、
前記残量算出処理部の算出結果に基づいて、前記混注作業部各々において一又は複数の薬品容器に残存している残存薬品の種類及び残量を管理する管理処理部とを更に備え、
前記提示処理部は、前記管理処理部により管理されている前記残存薬品の種類及び残量の情報に基づいて、現時点における薬品ごとの残量を提示可能である、
付記1〜18のいずれかに記載の混注管理システム。
<付記20>
一又は複数のプロセッサーに、
薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に基づいて、前記混注作業が実施される複数の混注作業部に振り分ける振分ステップと、
前記振分ステップにおける振り分け結果に関する情報を提示する提示ステップと、
を実行させるための混注管理プログラム。
<付記21>
薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混注作業で発生する残存薬品に基づいて、前記混注作業が実施される複数の混注作業部に振り分ける振分ステップと、
前記振分ステップにおける振り分け結果に関する情報を提示する提示ステップと、
を含む混注管理方法。
1 混注管理システム
2 混注管理装置
21 制御部
211 振分処理部
212 提示処理部
213 残量算出処理部
214 残量管理処理部
3 クライアント端末
4 混注支援装置
5 自動混注装置
100 安全キャビネット
101 作業室
203 混注処理室

Claims (1)

  1. 薬品を採取して輸液容器に注入する混注作業に関する複数の調製データを、先行する混
    注作業で発生する残存薬品に関する情報に基づいて、前記混注作業が実施される複数の混
    注作業部に振り分ける振分処理部と、
    前記振分処理部による振り分け結果に関する情報を提示する提示処理部と、
    を備える混注管理システム。
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