JP2013255370A - 電力変換装置、および分散型電源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電解コンデンサを使用した場合に起こり得る電解液漏出の問題を回避しつつ、プリント配線板のインダクタンスを低減する。
【解決手段】プリント配線板の第1層に設けられる複数のコンデンサを備え、前記プリント配線板の第1層には複数の電力変換手段の正極をつなぐ第1の正極パターンを設け、前記プリント配線板の第2層には、前記複数の電力変換手段の負極をつなぐ第1の負極パターンと、前記第1の正極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の正極に接続される第2の正極パターンと、前記第1の負極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の負極に接続される第2の負極パターンとを設け、前記第2の正極パターンと前記第2の負極パターンを並列に配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力変換装置に関わり、特に、電力を平滑するコンデンサの実装構造に関する。
近年、燃料電池や太陽電池パネルなどをエネルギー源とした分散型電源システムが普及してきている。一般に、分散型電源システムには、エネルギー源から得た直流電力の電圧を異なる電圧に変換するコンバータ装置と、直流電力を商用系統に供給できるように交流電力に変換する系統連系インバータ装置が具備され、コンバータ装置と系統連系インバータ装置の間には、電力を平滑する平滑コンデンサが具備される。
この平滑コンデンサには、コンバータ装置や系統連系インバータ装置に含まれる半導体素子の開閉動作に伴って発生する過大な電圧を抑制する機能もある。過大電圧抑制機能を高めるには、平滑コンデンサが接続される配線のインダクタンスを極力小さくする実装構造が望ましい。
特許文献1には、コンデンサの配線インピーダンスを小さくする実装構造が開示されており、例えば、同文献の要約書では、スナバ・コンデンサと半導体モジュールとの間のインピーダンス成分をより小さくし短絡保護特性を改善したサーボアンプを提供するため、互いに絶縁された導電板を有する基板と、互いに絶縁された配線を有する基板と、導電板および配線を電気的に接続する導体と、導電板および配線を電気的に接続する導体と、それぞれ導電板に接続された逆極性の2つの電極を有し、基板に配設された電解コンデンサと、それぞれ配線に接続された電極を有し、基板に配設された半導体モジュールと、それぞれ配線に接続された逆極性の2つの電極を有し、基板に配設されたスナバ・コンデンサ7とを備えたサーボアンプが開示されている。
特開2003−219661号公報
平滑コンデンサとしては、比較的大きな容量を実現できる電解コンデンサが使用されることが多い。しかし、過大電圧の印加時などに電解コンデンサから導電性の電解液が漏出すると、漏出した電解液によって、プリント配線板のパターン同士が短絡したり、パターンが溶けて断線したりするなどの問題が発生する場合がある。
特許文献1では、電解コンデンサを実装する導体板の表面を絶縁体で覆っており、漏出した電解液が導体板に付着することはないため、前述の問題が起こる虞は低い。しかし、絶縁をするために、導体板を樹脂等でモールドしたり、絶縁シート等を敷いたりする必要があることから、工数やコストの増加を避けることはできない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、工程やコストを増加することなく、電解コンデンサの電解液が漏出した場合の問題を回避し、且つ、プリント配線板の配線のインダクタンスを低減した電力変換装置を提供することである。
プリント配線板の第1層に設けられる複数のコンデンサを備え、前記プリント配線板の第1層には複数の電力変換手段の正極をつなぐ第1の正極パターンを設け、前記プリント配線板の第2層には、前記複数の電力変換手段の負極をつなぐ第1の負極パターンと、前記第1の正極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の正極に接続される第2の正極パターンと、前記第1の負極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の負極に接続される第2の負極パターンとを設け、前記第2の正極パターンと前記第2の負極パターンを並列に配置する。
あるいは、プリント配線板の第1層に設けられる複数のコンデンサを備え、前記プリント配線板の第1層には複数の電力変換手段の負極をつなぐ第1の負極パターンを設け、前記プリント配線板の第2層には、前記複数の電力変換手段の正極をつなぐ第1の正極パターンと、前記第1の正極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の正極に接続される第2の正極パターンと、前記第1の負極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の負極に接続される第2の負極パターンとを設け、前記第2の正極パターンと前記第2の負極パターンを並列に配置する。
本発明によれば、工程やコストを増加させることなく、電解コンデンサから電解液が漏出した場合の問題を回避しつつ、プリント配線板の配線のインダクタンスを低減した電力変換装置を提供することができる。
実施例1の電力変換装置101の平面図。 実施例1のプリント配線板51おもて面の配線説明図。 実施例1のプリント配線板51裏面の配線説明図。 実施例1のプリント配線板51の等価回路図。 実施例1のプリント配線板51の符号61位置での断面図。 実施例1のプリント配線板51の符号62位置での断面図。 実施例2の電力変換装置102の平面図。 実施例2のプリント配線板52の裏面の配線説明図。 実施例3の分散型電源システムの回路図。 比較対象の電力変換装置100の平面図。 比較対象のプリント配線板50の電力変換装置1、2の配線説明図。 比較対象のプリント配線板50のコンデンサ10〜15の配線説明図。 比較対象のプリント配線板50の符号60位置での断面図。
以下、本発明の実施例を説明する。
図1〜図6および図10〜図13を用いて実施例1を説明する。なお、図1〜図6は、実施例1の電力変換装置101を説明する図であり、図10〜図13は比較対象となる電力変換装置100を説明する図である。
図1において、51はプリント配線板、1、2はコンバータ、インバータ等の電力変換手段、10〜15は電力を平滑するコンデンサ、10P〜15Pはコンデンサの正極、10N〜15Nはコンデンサの負極である。ここに示すように、プリント配線板51のおもて面には、電力変換装置1、2と、コンデンサ10〜15が搭載される。
次に、図2、図3を用いて、プリント配線板51に設けられるパターンの配置を説明する。図2に示すように、プリント配線板51のおもて面(第1層)には、電力変換装置1の出力端の正極と電力変換装置2の入力端の正極を接続するパターン30(第1の正極パターン)が設けられる。また、図3の透視図に示すように、プリント配線板51の裏面(第2層)には、電力変換装置1の出力端の負極と電力変換装置2の入力端の負極を接続するパターン31(第1の負極パターン)、パターン31とは分離されたパターン32、34、36(第2の正極パターン)、および、パターン31から延伸したパターン33、35、37(第2の負極パターン)が設けられ、パターン32、34、36(第2の正極パターン)は、プリント配線板51のスルーホール70、71、72を介してパターン30(第1の正極パターン)に接続されている。なお、以下では、プリント配線板51の表裏2層に各パターンを分散した構成を例に説明するが、後述するインダクタンス低減効果を得ることができるように3層以上の多層プリント基板の異なる層に各パターンを分散配置する構成としても良い。また、本実施例では、おもて面に第1の正極パターンを設け、裏面に第1の負極パターンを設けた例を説明するが、おもて面に第1の負極パターンを設け、裏面に第1の正極パターンを設けた構成としても良い。
図1に示すように、第1の正極パターン(パターン30)と第1の負極パターン(パターン31)は、鉛直方向に重なるように配置されている。また、第2の正極パターン(パターン32、34、36)は第1の正極パターン(パターン30)を分岐させたものであり、第2の負極パターン(パターン33、35、37)は第1の負極パターン(パターン31)を分岐させたものである。さらに、図3に示すように、第2の正極パターンと第2の負極パターンは、略直線状のパターンを交互に並列に配置したものである。
ここで、図1と図3を用いて、コンデンサ10、11を電力変換装置1、2に接続する構成を説明する。プリント配線板51のおもて面に設けられたコンデンサ10、11の正極10P、11Pは、プリント配線板51を貫通し裏面のパターン32に接続されるが、パターン32はスルーホール70を介しておもて面のパターン30に接続しているため、正極10P、11Pは、パターン32、スルーホール70、パターン30を介して、電力変換装置1の出力端の正極と電力変換装置2の入力端の正極に接続される。一方、各コンデンサの負極10N、11Nも、プリント配線板51を貫通し裏面のパターン33に接続されるが、パターン33は同じく裏面のパターン31に接続しているため、負極10N、11Nは、パターン33、パターン31を介して、電力変換装置1の出力端の負極と電力変換装置2の入力端の負極に接続される。コンデンサ12〜15も電力変換装置1、2に接続されるが、その接続はコンデンサ10、11の接続と同等であるので、詳細は省略する。
以上で説明した図1の構成から明らかなように、プリント配線板51のおもて面では、コンデンサ10〜15の周辺にパターンが配置されないことから、コンデンサ10〜15から電解液が漏出した場合であっても、パターン間の短絡によるショートや、パターンの溶解による断線を回避できる。従って、本実施例では樹脂モールドや絶縁シートを用いなくても、電解液漏洩時の問題を回避できるので、樹脂モールドや絶縁シートを必要とする特許文献1に比べ、製造工数を少なくすることができ、また、製造コストも低くすることができる。
次に、本実施例の構成によって、配線のインダクタンスを低減し、半導体素子の開閉動作に伴って発生する過大な電圧を抑制するための作用を説明する。
まず、比較対象として、図10〜図13の電力変換装置100を説明する。なお、本実施例の電力変換装置101と共通する点は説明を省略することとする。
図10に示す電力変換装置100では、プリント配線板50のおもて面に電力変換装置1、2とコンデンサ10〜15を設けるとともに、裏面にのみパターンを設けている。このように構成することで、電力変換装置100においても、プリント配線板50のおもて面では、コンデンサ10〜15の周辺にはパターンが配置されないことから、コンデンサ10〜15から電解液が漏出した場合であっても、パターン間の短絡によるショートや、パターンの溶解による断線を回避できる。
次に、図11、図12を用いて、プリント配線板50に設けられるパターンの配置を説明する。図11に示すように、プリント配線板50の裏面には、電力変換装置1の出力端の正極と電力変換装置2の入力端の正極を接続するパターン20(第1の正極パターン)と、電力変換装置1の出力端の負極と電力変換装置2の入力端の負極を接続するパターン21(第1の負極パターン)が設けられる。さらに、図12に示すように、プリント配線板50の裏面には、パターン20の一部であるパターン22、パターン20から延伸したパターン24、26(第2の正極パターン)、および、パターン21から延伸したパターン23、25、27(第2の負極パターン)が設けられる。
図12に示すように、第2の正極パターン(パターン22、24、26)は第1の正極パターン(パターン20)を分岐させたものであり、第2の負極パターン(パターン23、25、27)は第1の負極パターン(パターン21)を分岐させたものである。また、第2の正極パターンと第2の負極パターンは、略直線状のパターンを交互に並列に配置したものである。
ここで、図10と図12を用いて、コンデンサ10、11を電力変換装置1、2に接続する構成を説明する。プリント配線板50のおもて面に設けられたコンデンサ10、11の正極10P、11Pは、プリント配線板50を貫通し裏面のパターン22に接続されるが、パターン22はパターン20の一部であるため、正極10P、11Pは、パターン22、パターン20を介して、電力変換装置1の出力端の正極と電力変換装置2の入力端の正極に接続される。一方、各コンデンサの負極10N、11Nも、プリント配線板50を貫通し裏面のパターン23に接続されるが、パターン23はパターン21に接続しているため、負極10N、11Nは、パターン23、パターン21を介して、電力変換装置1の出力端の負極と電力変換装置2の入力端の負極に接続される。コンデンサ12〜15も同様に電力変換装置1、2に接続されるが、その接続はコンデンサ10、11の接続と同等であるので、詳細は省略する。
次に、電力変換装置100の電力変換装置1からコンデンサ10〜15に充電電流が流れるときの動作を、図10と図13を用いて詳細に説明する。なお、図4は、電力変換装置100の各パターンのインダクタンスを等価回路で表したものであり、ここでは、パターン20に含まれるインダクタンスをインダクタンス80と定義する。同様に、パターン21をインダクタンス81、パターン22をインダクタンス10XP、11XP、パターン23をインダクタンス10XN、11XN、パターン24をインダクタンス12XP、13XP、パターン25をインダクタンス12XN、13XN、パターン26をインダクタンス14XP、15XP、パターン27をインダクタンス14XN、15XNと定義する。同様に、パターン21に含まれるインダクタンスをインダクタンス81、パターン22に含まれるインダクタンスをインダクタンス10XP、11XP、パターン23に含まれるインダクタンスをインダクタンス10XN、11XN、パターン24に含まれるインダクタンスをインダクタンス12XP、13XP、パターン25に含まれるインダクタンスをインダクタンス12XN、13XN、パターン26に含まれるインダクタンスをインダクタンス14XP、15XP、パターン27に含まれるインダクタンスをインダクタンス14XN、15XNと定義する。
図13は、図10の点線60での断面を矢印の方向から見た側面図であり、パターン20、22〜27に流れる電流の向きと磁束の向きを示すものである。ここに示すように、コンデンサ10〜15に充電電流が流れているとき、パターン22には奥から手前に向かう電流が流れる。これにより、パターン22の周囲には反時計周りの方向に磁束が形成される。他方、パターン20、23〜27には、手前から奥に向かう電流が流れる。これにより、パターン20、23〜27の周囲には時計周りの磁束が形成される。
以上の説明から分かるように、電力変換装置100では、パターン22とパターン23の磁束方向が逆方向であるため、互いに打ち消しあって、パターン22とパターン23に含まれるインダクタンス(インダクタンス10XP、11XPとインダクタンス10XN、11XN)は互いに弱めあう。これに対し、パターン20、23〜27の磁束方向は同方向であるため、互いに重なりあって、パターン20、23〜27に含まれるインダクタンスは強めあう。すなわち、電力変換装置100では、一部のパターンの組み合わせはインダクタンスを弱めあうが、大部分のパターンの組み合わせはインダクタンスを強めあうパターンとなるため、配線のインダクタンスを低減して半導体素子の開閉動作に伴って発生する過大な電圧を抑制することができない。
なお、図11から明らかなように、電力変換装置100では、パターン20とパターン21は、隣接している部分が少ないことから、それぞれが形成する磁束は殆ど干渉せず、互いのインダクタンスを強めあうことも弱めあうこともない。
次に、本実施例の電力変換装置101の電力変換装置1からコンデンサ10〜15に充電電流が流れるときの動作を、図1、図5、および、図6を用いて説明する。なお、電力変換装置101の各パターンのインダクタンスも、図4の等価回路で表され、ここでは、パターン30に含まれるインダクタンスをインダクタンス80と定義する。同様に、パターン31をインダクタンス81、パターン32をインダクタンス10XP、11XP、パターン33をインダクタンス10XN、11XN、パターン34をインダクタンス12XP、13XP、パターン35をインダクタンス12XN、13XN、パターン36をインダクタンス14XP、15XP、パターン37をインダクタンス14XN、15XNと定義する。
同様に、パターン31に含まれるインダクタンスをインダクタンス81、パターン32に含まれるインダクタンスをインダクタンス10XP、11XP、パターン33に含まれるインダクタンスをインダクタンス10XN、11XN、パターン34に含まれるインダクタンスをインダクタンス12XP、13XP、パターン35に含まれるインダクタンスをインダクタンス12XN、13XN、パターン36に含まれるインダクタンスをインダクタンス14XP、15XP、パターン37に含まれるインダクタンスをインダクタンス14XN、15XNと定義する。
図5は、図1の点線61での断面を矢印の方向から見た側面図であり、パターン32〜37に流れる電流の向きと磁束の向きを示すものである。ここに示すように、コンデンサ10〜15に充電電流が流れているとき、パターン32、34、36には奥から手前に向かう電流が流れる。これにより、パターン32、34、36の周囲には反時計周りの方向に磁束が形成される。他方、パターン33、35、37には、手前から奥に向かう電流が流れる。これにより、パターン33、35、37の周囲には時計周りの磁束が形成される。
以上の説明から分かるように、本実施例の電力変換装置101では、パターン32、34、36とパターン33、35、37の磁束方向が逆方向であるため、互いに打ち消しあって、各パターンに含まれるインダクタンス(例えば、インダクタンス10XP、11XPとインダクタンス10XN、11XN)は隣接するパターンの磁束の影響によって弱めあう。
なお、本実施例のプリント配線板51において、第2の正極パターンと第2の負極パターンを構成するパターン32〜37同士の間隔を等間隔にすることで、各パターンが形成する磁束を打ち消しあう効果を均一にでき、インダクタンスをより効率的に低減することができる。また、これにより、特定のコンデンサへの過度の電流集中を防止できるため、コンデンサの寿命を延ばすことが可能となる。
図6は、図1の点線62での断面を矢印の方向から見た側面図であり、パターン30、31に流れる電流の向きを示すものである。図6に示すように、コンデンサ10〜15に充電電流が流れているとき、パターン30には上から下に向かう電流が流れ、パターン31には下から上に向かう電流が流れる。つまり、パターン30の電流の方向とパターン31の電流の方向とは逆になることから、それぞれの周囲に形成される磁束は打ち消しあって、互いのパターンに含まれるインダクタンス(インダクタンス80とインダクタンス81)は弱めあう。
以上で説明したように、本実施例の電力変換装置101では、第1の正極パターンと異なる面に第1の負極パターンを配置し、お互いに含まれるインダクタンスを弱めあう方向に電流を流した。また、略直線状の第2の正極パターンと第2の負極パターンを交互に並列に配置し、お互いに含まれるインダクタンスを弱めあう方向に電流を流した。このような構成により、本実施例の電力変換装置101では、磁束を打ち消しあって互いのインダクタンスを弱めあう関係にあるパターンを多く設けることができ、各パターンに含まれるインダクタンスを効率的に弱めることができ、電力変換装置101に含まれる半導体素子の開閉動作に伴って発生する過大な電圧を効果的に抑制することができる。
なお、図1等では、第1の正極パターン(パターン30)と第1の負極パターン(パターン31)を、図1を紙面から鉛直方向からみてそれぞれが重なるように配置したが、互いを重ねずに隣接するように配置することでもインダクタンスを弱めあう効果を得ることが可能であることは言うまでもない。
図7と図8は、実施例2の電力変換装置102を説明する図である。なお、実施例1と同一の構成要素には同一符号を付し、重複説明は避ける。
図7と図1とでは、後述するようにコンデンサ10〜15に接続されるパターンの形状が異なる。また、コンデンサ10、11のそれぞれの正極10P、11Pは、後述するパターン42に接続される。コンデンサ10、11のそれぞれの負極10N、11Nは、後述するパターン43に接続される。以下同様に、コンデンサ12、13のそれぞれの正極12P、13Pは、後述するパターン44に接続される。コンデンサ12、13のそれぞれの負極12N、13Nは、後述するパターン45に接続される。コンデンサ14、15のそれぞれの正極14P、15Pは、後述するパターン46に接続される。コンデンサ14、15のそれぞれの負極14N、15Nは、後述するパターン47に接続される。
図8は電力変換装置102のプリント配線板52の配線パターンを説明する透視図である。また、これはプリント配線板52の裏面にある第2層のパターンを示しており、おもて面からの透視図である。パターン42、44、46は、それぞれスルーホール70、71、72を介してパターン30に接続される。パターン43、45、47は、それぞれパターン31に接続される。前述のパターン42、44、46は第2の正極パターンを構成する。また、前述のパターン43、45、47は第2の負極パターンを構成する。第2の正極パターンと第2の負極パターンとは、図8に示すような略折れ線状のパターンで形成されると共にそれぞれが並列に配置される。
以上の通りにすることで、コンデンサ11、13、15を電力変換装置101よりも電力変換装置1、2に近づけることができ、電力変換装置1、2からコンデンサ11、13、15までの配線上のインダクタンスを低減できるという効果を奏する。また、更にコンデンサを実装する面積に関して図7の紙面からみて水平方向の距離を短縮でき、装置の小型化が可能となる効果を奏する。
以上に説明した通り、本実施例では概折れ線上の第2の正極パターンと第2の負極パターンとを備えることにより、実施例1よりもプリント配線板のインダクタンスを低減することが可能となり、且つ装置の小型化が可能となる。
図9は、実施例3の分散型電源システム103を説明する図である。分散型電源システム103において、電力変換装置1は入力された直流電力の電圧を同じかあるいは異なる電圧に変換するDC−DCコンバータである。また、電力変換装置2は入力された直流電力を商用系統に供給できるように電力変換する系統連系インバータである。なお、他の実施例と同一の構成要素には同一符号を付し、重複説明は避ける。
電力変換装置1の入力端の正極110と負極111との間には、太陽電池パネル90が接続される。電力変換装置1の出力端の正極112は、コンデンサ10〜15のそれぞれの正極と電力変換装置2の入力端の正極114とに接続される。電力変換装置1の出力端の負極113は、コンデンサ10〜15のそれぞれの負極と電力変換装置2の入力端の負極114とに接続される。電力変換装置2の出力端の正極116と負極117とは商用系統91に接続される。ここで、電力変換装置1の出力端とコンデンサ10〜15と電力変換装置2の入力端とを結ぶ配線には、実施例1のプリント配線板51、または、実施例2のプリント配線板52を備える。
電力変換装置1から出力される電流は、スイッチング素子120がオンのときはゼロであり、オフのときに所定の値となる。つまり、電力変換装置1の出力電流は脈動する。ここで電力変換装置1の出力端からコンデンサ10〜15に至る配線のインダクタンスが大きいと電力変換装置1から電流が出力された際に電力変換装置1の出力端に大きなサージ電圧が発生する場合がある。そして、サージ電圧がスイッチング素子120の両端に印加されて大きなスイッチング損失が発生する問題や大きな放射ノイズが発生するなどの問題がある。しかし、分散型電源システム103はインダクタンスの小さいプリント配線板51、または、プリント配線板52を備えたので、大きなサージ電圧は発生せず、スイッチング損失と放射ノイズとが小さくなる効果を得ることができる。
また、電力変換装置2に入力される電流は、スイッチング素子121と124とが同時にオンしている期間あるいはスイッチング素子123と122とが同時にオンしている期間に所定の値となり、それ以外ではゼロとなる。つまり電力変換装置1の入力電流は脈動する。ここでコンデンサ10〜15から電力変換装置2に至る配線のインダクタンスが大きいと、電力変換装置2の入力電流がゼロになった際に電力変換装置2の入力端に大きなサージ電圧が発生する場合がある。そして、サージ電圧がスイッチング素子121〜124の両端に印加されると大きなスイッチング損失が発生する問題や大きな放射ノイズが発生するなどの問題がある。しかし、本実施例の分散型電源システム103では、インダクタンスの小さいプリント配線板51、または、プリント配線板52を備えたので、大きなサージ電圧は発生せず、スイッチング損失と放射ノイズを小さくすることができる。
以上に説明した通り、分散型電源システム103は、実施例1のプリント配線板51、または、実施例2のプリント配線板52を備えることから、従来の分散型電源システムよりもスイッチング損失や放射ノイズが小さい分散型電源システムとすることができる。
なお、本実施例ではエネルギー源として太陽電池パネル90を使用したが、直流の電圧源であればなんでもよく、例えば、燃料電池や風力発電機の交流出力を直流に整流したものでもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1、2、100、101、102 電力変換装置
10〜15 コンデンサ
10N〜15N コンデンサの負極
10P〜15P コンデンサの正極
10XN〜15XN、10XP〜15XP、80、81 インダクタンス
20〜27、30〜37、42〜47 パターン
50、51、52 プリント配線板
70〜72 プリント配線板のスルーホール
90 太陽電池パネル
91 商用系統
103 分散型電源システム
120〜124 スイッチング素子

Claims (6)

  1. プリント配線板と、
    該プリント配線板の第1層に設けられる複数の電力変換手段と、
    前記プリント配線板の第1層に設けられる複数のコンデンサと、
    を備えた電力変換装置であって、
    前記プリント配線板の第1層には、
    前記複数の電力変換手段の正極をつなぐ第1の正極パターンが設けられており、
    前記プリント配線板の第2層には、
    前記複数の電力変換手段の負極をつなぐ第1の負極パターンと、
    前記第1の正極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の正極に接続される第2の正極パターンと、
    前記第1の負極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の負極に接続される第2の負極パターンと、
    が設けられており、
    前記第2の正極パターンと前記第2の負極パターンが並列に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
  2. プリント配線板と、
    該プリント配線板の第1層に設けられる複数の電力変換手段と、
    前記プリント配線板の第1層に設けられる複数のコンデンサと、
    を備えた電力変換装置であって、
    前記プリント配線板の第1層には、
    前記複数の電力変換手段の負極をつなぐ第1の負極パターンが設けられており、
    前記プリント配線板の第2層には、
    前記複数の電力変換手段の正極をつなぐ第1の正極パターンと、
    前記第1の正極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の正極に接続される第2の正極パターンと、
    前記第1の負極パターンから分岐し前記複数のコンデンサの各々の負極に接続される第2の負極パターンと、
    が設けられており、
    前記第2の正極パターンと前記第2の負極パターンが並列に配置されていることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または2に記載の電力変換装置において、
    並列に配置された前記第2の正極パターンと第2の負極パターンとの間隔は互いに等間隔であることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3に記載の電力変換装置において、
    前記第2の正極パターンと前記第2の負極パターンは略直線状であることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項3に記載の電力変換装置において、
    前記第2の正極パターンと前記第2の負極パターンは略折れ線状であることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の電力変換装置を備えたことを特徴とする分散型電源システム。
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