JP2013254675A - ステージ装置、及び荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、真空排気される試料室内に、複数の試料ステージを設置したときの試料室の大型化を抑制可能な試料ステージ装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明では、第1の試料を支持する第1のテーブルと、当該第1のテーブルを第1の方向に移動可能に支持する第2のテーブルと、ガイドが積層配置される試料ステージ装置であって、第2の試料を前記第1の方向に移動可能に支持する第3のテーブルと、前記ガイドに案内され、当該第3のテーブルを前記第2の方向に移動可能に支持する第4のテーブルを備え、前記第2のテーブルと前記第3のテーブルが重なった状態で移動が可能なように、前記第3のテーブルを支持する試料ステージ装置を提案する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、荷電粒子線装置等に用いられるステージ装置、及び当該ステージ装置が搭載された荷電粒子線装置に係り、特に複数のステージを有するステージ装置、及び荷電粒子線装置に関する。
近年、半導体製品の集積度は益々向上し、その回路パターンの更なる高精細化が要求されてきている。半導体ウエハに代表される回路パターンが形成される試料において、品質管理、歩留まり向上を目的に様々な検査手段が用いられている。例えば、荷電粒子線を照射し回路パターンの寸法精度を測定する走査電子顕微鏡(以下、測長SEMと呼ぶ)や、同じく荷電粒子線を照射し回路パターンの欠陥、或いは付着異物を評価する走査電子顕微鏡(以下、レビューSEMと呼ぶ)などが挙げられる。
荷電粒子線装置に用いられるステージには、特許文献1に例示されているように、真空チャンバ内において、ベース上にX方向に案内するXガイドレールを取り付け、Xテーブルを搭載し、更にその上にY方向に移動可能なYテーブルを搭載し、試料(以下、ウエハとする)を保持するホルダ(或いはチャック)を搭載する構成が知られている。
一方、ステッパやスキャナーと呼ばれる半導体の回路パターンを形成する半導体露光装置では、1台の装置に2式のウエハ用ステージを構成することで、一方のステージで露光している間に、もう一方のステージにてウエハ交換、及びウエハのアライメントなどを行い、オーバーヘッド時間と呼ばれる露光以外の時間(オーバーヘッド時間)を実質的に排除する半導体露光装置が実用化されている。
上記半導体露光装置のステージは、特許文献2、4に開示されているエアベアリングにより案内面を摺動させる方式や、特許文献3に開示されている磁気浮上により平面移動させる方式が採用されている。両方式共に高精度な位置決めを実現させている。いずれもウエハを保持するウエハテーブルは平面ベース上にエア浮上、或いは磁気浮上されており、上下方向に拘束、或いは制御されて剛性を保っている。一般にガイド剛性が高いとステージの制御特性は向上するため、精度の良い位置決めが可能となる。また、このような構成によれば、ステージ高さを低く抑えることができる。
特開2000−235839号公報 特許第4029183号公報(対応米国特許USP6,798,491) 特開2001−160530号公報(対応米国特許USP6,509,957) 特開2000−106340号公報(対応米国特許USP6,906,782)
上述のように、1の試料室内に複数の試料ステージを設置することによって、装置の高スループット化を実現することができるが、特許文献2乃至4に開示されているようなエアベアリングや磁気浮上を用いる手法では、真空雰囲気内で荷電粒子線を照射する必要のある荷電粒子線装置への適用が困難である。また、特許文献2乃至4では、複数の試料ステージを1の試料室に収めた分、特許文献1のような1の試料ステージからなる装置と比較すると、試料室が大型化することになるが、真空排気される空間は極力小さくすることが望ましい。特許文献1乃至4には、複数の試料ステージを1の試料室に設置したときの試料室の大型化を抑制する点については何ら考慮されていない。
以下に、真空排気される試料室内に、複数の試料ステージを設置したときの試料室の大型化を抑制することを目的とする試料ステージ装置、及び荷電粒子線装置について説明する。
上記目的を達成するための一態様として、真空容器内に、第1の試料を支持可能な第1のテーブルと、当該第1のテーブルを第1の方向に移動可能に支持する第2のテーブルと、当該第2のテーブルを、前記第1の方向に垂直な第2の方向に移動可能に案内するガイドを備え、前記第1のテーブル、第2のテーブル、及びガイドが、前記第1と第2の方向に対して垂直な方向に積層配置される試料ステージ装置であって、前記第1の試料とは異なる第2の試料を前記第1の方向に移動可能に支持する第3のテーブルと、前記ガイドに案内され、当該第3のテーブルを前記第2の方向に移動可能に支持する第4のテーブルを備え、当該第4のテーブルは、前記第2のテーブルと前記第3のテーブルが、前記第1の方向と第2の方向に対し垂直な方向から見て重なった状態で移動が可能なように、前記第3のテーブルを支持する試料ステージ装置、及び荷電粒子線装置を提案する。
また、上記目的を達成するための具体的な一態様として、真空容器内に、第1の試料を支持可能な第1のテーブルと、当該第1のテーブルを第1の方向に移動可能に支持する第2のテーブルと、当該第2のテーブルを、前記第1の方向に垂直な第2の方向に移動可能に案内するガイドと、前記第1の試料を交換するための第1の試料交換位置に位置付けるように前記第1と第2のテーブルを駆動することのできる駆動機構を備えた試料ステージ装置であって、前記第1の試料とは異なる第2の試料を前記第1の方向に移動可能に支持する第3のテーブルと、前記ガイドに案内され、当該第3のテーブルを前記第2の方向に移動可能に支持する第4のテーブルを備え、前記第1のテーブルが前記第1の試料交換位置に位置付けられた状態で、前記第1と第2の方向に対し垂直な方向から見た第2のテーブルの位置と、前記第3のテーブルの可動範囲が部分的に重なった状態で移動が可能なように、前記第4のテーブルの可動範囲が設定されている試料ステージ装置、及び荷電粒子線装置を提案する。
また、より具体的な態様として、前記第4のテーブルは、前記第3のテーブルの一部を支持すると共に、当該第3のテーブルの前記第4のテーブルに支持されない他部分と、前記第2のテーブルが、第1の方向と第2の方向に対し垂直な方向から見て、部分的に重なることが可能なように前記第4のテーブルによって、前記第3のテーブルを支持する試料ステージ装置、及び荷電粒子線装置を提案する。
上記構成によれば、複数の試料ステージを1の試料室に併存させた場合であっても、試料室の大型化を抑制することが可能となる。
走査電子顕微鏡の概略構成図。 試料室の詳細を説明する平面図。 図2のA−A断面図。 2台のステージが接近した時の状態を示す断面図。 2台のステージでX方向のガイド等の共通化を図ったユニットを示す説明図。 光学顕微鏡の実装位置を示す平面図。 光学顕微鏡の詳細を示す平面図。 光学顕微鏡の詳細を示す図7のB−B断面図。 2台のステージ位置関係を示す平面図。 2台のステージ位置関係を示す平面図。 2台のステージ位置関係を示す平面図。 2台のステージ位置関係を示す平面図。 従来ステージによる連続ウエハ処理シーケンスを示す説明図。 2台のステージによる連続ウエハ処理シーケンスを示す説明図。 試料室の詳細を説明する平面図。 図15のC−C断面図。 試料室の詳細を説明する平面図。 図17のD−D断面図。 ステージを2台実装した場合のステージ構造を示す平面図。 2つの試料ステージの位置関係を説明する図。
本実施例では、荷電粒子線装置等に用いられる試料ステージ装置、及び当該試料ステージ装置を搭載した荷電粒子線装置について説明する。特に、試料ステージを1の試料室に複数備えつつ、真空排気される試料室の小型化の実現する試料ステージ装置、及び荷電粒子線装置について説明する。なお、荷電粒子線装置は、スループットの観点から、Xステージ及びYステージのいずれか一方に、他方を積み重ねる積み重ね式のステージを採用することが望ましい。しかしながら、積み重ね式の試料ステージ機構を単に2つ設けると、その真空チャンバ(試料室)の容積は単純に2倍程度となることが容易に予想される。この場合、装置の大型化や、真空ポンプの大型化は必須となり、大幅なコストアップを招く。
大気中で使用される装置では、ウエハテーブルをエアベアリングにより浮上させることが比較的容易であるが、荷電粒子線装置は真空内での撮像・観察が必須であるため、真空環境下でも使用可能な構成にする必要がある。そのためには、拭きだしたエアを近傍から回収するような特殊なエアパッドや、エア回収用の真空ポンプなど装置コストを大幅に増大させる付帯設備が必要となる。
また、磁気浮上の方式では、浮上の他、平面内移動も平面ベースのみで可能となるため、構造が単純となり、2式のステージを構成しても、装置サイズの増加は小さく抑えることが可能である。しかしながら、磁気浮上方式のステージでは移動に伴う磁場変動が荷電粒子線に影響し、フォーカスぼけや、位置ずれ、歪みなどの像障害を引き起こす可能性が高い。また、磁気浮上型のステージは一般的に平面モータと呼ばれる構成であり、製作コストが高い。
本実施例では、エアベアリングや磁気浮上方式を用いることなく、複数の試料ステージを設置可能とすると共に、試料室の小型化を実現する試料ステージ装置、及び荷電粒子線装置について、説明する。また、本実施例によれば、装置のコストを抑えつつ、スループットを向上させることが可能となる。また、積層型のステージ機構は、X−Y方向の省スペース化を実現できるため、クリーンルーム内に荷電粒子線装置を配置する際の省フットプリント化に寄与できるため、特に半導体デバイスを測定、検査する装置においては理想的なステージ構造であると言える。よって、本実施例では、積層型の試料ステージを複数試料室内に配置可能な構成について説明する。
本実施例では、荷電粒子線を発生し、偏向制御可能なカラムと、試料を移動させるステージと、ステージの位置を計測可能な測長器と、前記カラム、ステージを制御する制御部を備え、真空中にて荷電粒子線を試料に照射することで試料を撮像・観察する荷電粒子線装置において、前記ステージは2式であり、各々のステージは水平面内の一方向に移動可能なXテーブルと、その直行方向に移動可能なYテーブルをXテーブル上にガイドを介して取り付けられている構成であり、一方のステージを構成するYテーブルが、他方のステージを構成するXテーブルに高さ方向において重なることが可能な形状である荷電粒子線装置について説明する。
また、前記ステージを構成し、高さ方向において重なるテーブルの断面形状が、高さ方向で概略斜めの形状を有し、その斜めの形状同士が高さ方向で重なる構成についても説明する。また、前記斜めの形状の両端に、テーブルを案内するガイドについて説明する。また、前記ガイドは複数列の転動体を有する転がりガイドである例についても説明する。
また、前記測長器はレーザー測長器であり、その光軸がカラム中心を通る位置に設置され、2式のステージにレーザー測長器とは別に各々リニアスケールについて説明する。また、ステージの案内に使用されるガイドは、ガイドレールとキャリッジにより構成されるLMガイドであり、2式のステージでセットのガイドレールを共通に使用する例について説明する。また、ステージのアクチュエータが可動子と固定子により構成されるリニアモータであり、2式のステージで1つの固定子を共通に使用する例について説明する。また、2式のステージでリニアスケールのスケール部品を共通に使用することを特徴とする。
また、2式のステージに対する試料受け渡し位置が異なる例について説明する。
また、試料のアライメントを行う光学顕微鏡は、少なくても一方向に移動可能な構造を有し、概略試料また、受け渡し位置にて試料を観察可能とする例についても説明する。更に、一方のステージが荷電粒子線による試料処理を実施している間、もう一方のステージは概略試料受け渡し位置に留まっている例についても説明する。
また、前記ステージが、Xテーブルと、Yテーブルと、スペーサを介してYテーブル上に配置されるトップテーブルにより構成され、トップテーブル上にバーミラー及び試料保持機構を有する例について説明する。また、2台のステージをユーザがマニュアルにて動作させる際は、操作ステージを1台に限定するような操作インターフェースとする例について説明する。また、概略試料受け渡し位置に1台のステージがある場合、もう1台のステージが概略試料受け渡し位置にあるステージに直接接触できない位置に緩衝部品を配置する例について説明する。
以下、荷電粒子線装置の一態様として、複数の検出器を備えた走査電子顕微鏡を例にとって説明する。複数の検出器を備えた走査電子顕微鏡の一例として、欠陥等の陰影像を形成して欠陥検出を行うレビューSEMがあるが、これに限られることはなく、パターンの寸法を測定する走査電子顕微鏡やイオンビームを試料に照射する集束イオンビーム装置等の他の荷電粒子線装置にも適用が可能である。以下、第1の実施例として、図1ないし図5を参照しつつ説明する。
始めに図1に示す装置構成から説明する。床に設置される架台6には、床振動を除振するマウント7が取り付けられており、更にマウント7は試料室2を支持している。試料室2には電子線を生成、制御するカラム1と、試料を搬送する搬送ロボット40が内包される搬送室3が取り付けられ、更に予備排気室4が取り付けられている。試料室2は真空ポンプ5により常時真空排気されており、カラム1内も図示しない高真空用ポンプ(イオンポンプなど)により高真空度に保たれている。一方、予備排気室4には大気との隔離を行う大気側ゲートバルブ42と、試料室2との隔離を行う真空側ゲートバルブ41が取り付けられており、内部にはウエハ台43が内包されている。試料室2には、ステージ8が内包されており、水平面内(XY平面)の駆動が可能となっている。
電子銃11(荷電粒子源)から放出される電子線12は、走査偏向器の偏向と、集束レンズの集束作用を受けてウエハ10に照射される。試料から放出される二次電子や後方散乱電子は検出器13によって捕捉され、制御部90によって画像化され、モニタ91に表示される。
ここで、ウエハの搬送経路を簡単に説明する。大気側ゲートバルブ42をオープンし、図示しない搬送ロボットによって大気側からウエハ10を予備排気室4内のウエハ台43に導入する。大気側ゲートバルブ42をクローズし、予備排気室4内を図示しない真空ポンプにより真空排気して、真空度が試料室2内と同程度になったら、真空側ゲートバルブ41をオープンし、試料室2に内包されるステージA8A上にウエハ10をロボット40により搬送する。ステージA8Aのリフト機構33を上げて、ロボット40によりウエハを乗せた後、リフト機構33を下げて静電チャックA32A上にウエハ10を配置し、静電吸着を実施する。この時、ステージB8Bには既に別のウエハが搬送されて、電子線12のウエハ10に対する照射に基づいて撮像処理がなされている。ここで、ロボット40は2つのハンドを有するタイプであり、ウエハのアンロードとロードを1回の試料交換処理で実行できる。
ステージA8Aに搬送されたウエハ10は、光学顕微鏡50により観察され、アライメントパターンが検出される。光学顕微鏡50はX方向、及びZ方向に移動が可能であり、ステージA8AのY方向移動を合わせて、所望のパターンを検出することができる。通常ウエハアライメントに用いるパターンは最低2箇所あれば良く、次の電子線によるアライメントの観察範囲程度(〜□10μm程度)までの座標精度が確保できれば良い。尚、光学顕微鏡50の配置は、ウエハの交換位置にステージA8Aが移動した際、ウエハ中心付近を通過できるような位置が望ましい。これにより、アライメントパターンをY方向に対して、ウエハ中心付近に登録することで、ステージのY方向移動は〜数mm程度に収まり、試料室を小さく抑えることが可能となる。
ここで図6ないし図8を参照しつつ、光学顕微鏡の詳細を説明する。光学顕微鏡50は試料室2上の大気中に配置されており、ウエハの観察は窓ガラス51を介して行われる。本配置の特徴はステージの試料交換位置近傍に配置されていることであり、試料交換直後に直ちに光学顕微鏡による観察が可能となり、スループットの向上、並びに試料室サイズの小型化に寄与している。
鏡筒52をX軸方向に駆動するアクチュエータとしてステッピングモータ62とボールネジ60を使用し、Xガイド57はLMガイドを採用している。他の組合せとしては、リニアモータとエアベアリングガイドなども考えられる。またX軸の位置情報を得るためにリニアスケール58を配置して、ステージ座標と光学顕微鏡の座標を連動させて所望のアライメントパターン上に移動させる。フォーカス制御は鏡筒52をZ軸方向に移動することで行われ、Zガイド56、ステッピングモータ55、偏芯カム61、カムフォロアー54の組合せにより駆動が成される。鏡筒52にて拡大された像は、CCDカメラ53にて信号変換されて、制御部90に用いられる。
次に図9ないし図12を参照しつつ、ステージ交換動作について説明する。光学顕微鏡によるアライメントが終わると、ステージB8BのウエハSEM観察が終了するまで試料交換位置A70Aに待機し、ステージB8Bのウエハ観察が終了すると、ステージB8Bはステージ待機位置B71Bに移動する。試料交換位置A70Aの範囲は比較的狭い範囲となるが、ステージ待機位置B71BはY軸方向に少なくてもウエハ直径分の範囲を有する。これは、ステージA8Aが試料交換位置A70Aにある条件で、2台のステージ同士が干渉しないY方向範囲を示しており、ステージB8Bによる観察が終了した時点のY座標を引き継ぐことができる。
よって、ステージB8BはX方向移動のみ実行すれば良いため、座標によっては非常に短時間でステージ待機位置B71Bに移動可能となる。両方のステージが各々ステージ交換位置、及びステージ待機位置に移動したことを確認した後<図10参照>、ステージA8Aはステージ待機位置A71A、ステージB8Bは試料交換位置B70Bの位置に移動する<図11、図12参照>。試料交換位置B70Bは試料交換位置A70Aと同様、範囲は狭いが、ステージ待機位置A71Aはステージ待機位置B71Bと同様にY方向に許容範囲が広い。
その後、ステージA8Aは電子線によるアライメント動作、及び観察に移行し、並行してステージB8Bは試料交換を行い、処理されたウエハは、逆の流れで予備排気室4を通り、大気へと戻される。そして、ステージB8B上に搬送された新たなウエハは、光学顕微鏡によるウエハアライメント動作に移行する。
ウエハの交換について、ステージA8AとステージB8Bは異なる位置に設定されているが、もし同じ位置、例えばX方向にて試料室中央付近に配置すると、ステージA8Aにて試料交換している時は、ステージB8Bの観察領域が制限されてしまう。制限された観察範囲内で試料交換と並行して処理も可能ではあるが、完全自動化にする際には、観察時の座標順序と、次のウエハロードタイミングを同時に考慮しなければならないため、処理が非常に複雑になり、ステージの干渉などのリスクが高くなってしまう。よって、一方のステージが試料交換中に、もう一方のステージのウエハ観察範囲に制限が無いと、複雑な処理をしなくても、安全性を保つことが容易となる。また、観察中のステージは、他方のステージを考慮すること無く、最短の観測座標ルートを生成することができるため、スループットの劣化も無くなる。
また、一方のステージによるSEM観察中は、もう一方のステージはステージ交換位置に留まっていることで、磁場変動を抑える効果が得られる。前述した光学顕微鏡でのウエハアライメントでは、ステージ移動距離はY方向に短距離(〜数mm)であるため、あまり大きな加速度・速度を与えない限り、本ステージによる磁場変動は小さく、且つ電子ビームから離れた位置であるため、電子ビームへの影響は殆ど無い。よって、一方のステージにおけるウエハ交換、及びウエハアライント動作によるもう一方のステージによるSEM観察への影響は小さく抑えられるため、良好な画像が得られる。公知例のように、大きな移動距離を伴うステージ移動をアライメントで実行してしまうと、その磁場変動により像障害が発生する可能性がある。
また、ステージの移動体を完全に非磁性するためには、セラミックスや、非磁性超鋼などの高価な材料と使用する必要があり、コストアップに繋がる。よって、磁場変動による電子ビームの位置ずれなどは、ステージ座標毎の位置補正を行うことで大幅に低減する方法を適用している場合が多い。ステージが2台あった場合、公知例のように個別に移動すると、SEM観察していない方のステージ位置が位置補正データ作成時の位置と異なってしまうため、磁場の分布が補正データ取得時と異なり、正しい位置補正ができなくなる可能性がある。このような問題点に関しても、本発明では、SEM観察していない方のステージが、位置補正データを作成する際にもステージ交換位置に留まっていることで、補正データ作成時と同じ磁場分布を再現でき、精度の良い位置補正が実現できる。
測長SEMや、レビューSEMといった装置では、完全な自動検査以外でもマニュアルでSEM観察することが多い。この場合、2台のステージがユーザの操作により接触する危険性があるため、マニュアルでのステージ操作においては、必ず1台ずつ操作しなければならないように、操作対象となるステージを切り替え選択するようなインターフェースを備えた方が望ましい。また、一方のステージを操作させるためには、もう一方のステージが必ずステージ交換位置にあることが動作条件だとすれば、少なくてもSEM観察範囲において、マニュアルでの操作が可能となるようなインターロックを設けるべきである。また、操作中に観察可能範囲を超えるような指令をステージに出した場合、座標入力する方法ならば、動作実行前にチェックし、エラーメッセージを出力して、動作をしないことが必要であり、トラックボールや、ジョイスティックのような指令方法では、観察範囲外以上の方向に移動させるような指令を受け付けないことも重要である。
前述のような一連の流れによれば、試料交換、及び光学顕微鏡によるウエハアライメント時間を実質的に排除できるため、大幅なスループットが見込まれる。この効果について図を参照しつつ説明する。
試料室内の動作に着目すると、基本的なウエハ処理は、試料交換、光学顕微鏡によるアライメント(OMアライメント)、SEM観察(SEMアライメント含む)の3つの動作に大別できる。図13に示すように、従来装置ではステージが1台であるため、全ての動作がシリーズとなり、試料交換、及びOMアライメントがオーバーヘッド時間となって、スループットの向上を妨げている。一方、本実施例の構成によれば、図14に示すようにステージAにて試料交換、及びOMアライメントが実行されている間に、ステージBではSEM観察を並行処理できる。
その後、ステージ交換を行い、ステージBでは試料交換、及びOMアラインメントを実行し、ステージAではSEM観察を実行できる。この時、SEM観察時間が試料交換とOMアライメントとの和以下になると、スループットは極大となり、従来装置に比べて約2倍に向上する。尚、図14はSEM観察時間が試料交換とOMアライメントとの和が等しくなった場合のシーケンスを示している。仮にSEM観察時間が試料交換とOMアライメントとの和よりも短くなった場合は、待ち時間が発生するため、それ以上スループットは向上しない。
ここで、図2に例示するようなステージ構造によって、試料室の省スペース化を実現できる理由について説明する。図20は、YテーブルA31A(第1のテーブル)がステージ交換位置(試料交換位置)に位置付けられた状態におけるXテーブルA30Aの位置2001と、その際のYテーブルB31B(第3のテーブル)の可動範囲2002との位置関係を示す図である。可動範囲2002は、カラム中心9(ビームの理想光軸)を中心として、YテーブルB31Bの約4倍の大きさを持っている。このような可動範囲を設定することによって、ウエハ10全体を漏れなくカラム中心9下に位置付けることができる。すなわち、可動範囲2003は、試料全面を測定、検査対象とするのに必要な領域である。この可動範囲2002内での移動は、YテーブルB31BとXテーブルB(第4のテーブル)によって行われる。
そして、電子ビームの照射方向(Z方向)から見て、位置2001と可動範囲2002が部分的に重畳される(重畳領域2003)ように、試料ステージを構成する各構成要素が配置されている。このように重畳領域2003を持つように、各構成要素を配置することによって、X方向への試料室の増加を抑制しつつ、1の試料室内に複数の試料ステージを配置することが可能となる。また、Yテーブル、Xテーブル、及びXテーブルのガイド(Xガイド)を、Z方向に積層して配置しているため、複数のステージを配置したとしても、X−Y方向のスペースの増加を抑制することができる。
次にステージの詳細について説明する。基本的にステージA8AとステージB8Bの構造は、ほぼ同じであり、ロボット側から見るとX方向に対称形状となっている。よって、基本構造はステージA8Aについて説明する。
試料室2底面に取り付けられているXガイド34上にXテーブルA30Aが配置され、XテーブルA30A上にYガイドA35Aが取り付けられている。YガイドA35A上にはYテーブルA31Aが配置されており、YテーブルA31A上には静電チャックA32A、及び基準マークA15Aが配置されている。ここで、基準マークとは電子線の校正や、ステージ座標の校正などに利用されるもので、観察に適したパターンが形成されている。試料交換時にウエハを持ち上げるリフト機構A33AがYテーブルAに配置されることで、ロボットによる試料交換が可能となる。試料室2側面に取り付けられたXレーザー干渉計20、及びYレーザー干渉計21は、水平方向に関して各々カラム1の中心を測定中心とした配置になっており、高さ方向に関してはウエハ高さ近傍になるよう設計されることで、アッベ誤差を小さく抑えることが可能となる。本レーザー干渉計と各ステージ上のバーミラー23によって、ステージ(ウエハ)の位置管理が成されている。この情報を基に、所望の位置にステージを移動させて、カラム1からの電子線12を偏向した際に生じる反射電子を電子検出器13にて検出し、偏向位置と同期させながらモニタ91に映すことで、SEM像が得られる。SEMのフォーカスは、Zセンサ14により観察面の高さを測定し、カラム内でフォーカス制御することで、ウエハ観察点で焦点が合致する。ステージA8Aの移動に関してはリニアモータに制御部90より指令値を与えて駆動させており、レーザー測長値を用いたフィードバック制御を行うことで、高精度な位置決めが可能となる。
ここで、XテーブルA30Aは、YテーブルA31A中央付近までの幅で抑えられた設計となっており、YテーブルA31AとXテーブルA30Aの高さ方向において、YガイドA35A分の隙間を有している。同様の構成によりステージB8Bも設計されており、各々の構成部品はYテーブルB31B上の部品配置を除き、ステージA8Aと対称の関係である。本構造により、ステージB8BがステージA8Aに接近した際に、XテーブルA30A上にYテーブルB31Bが、XテーブルB30B上にYテーブルA31Aが各々高さ方向に一部重なること(オーバーラップ)ができるようになる<図4参照>。通常、2台のステージが各々独立に移動しようとすると、単純に2台分の可動領域が試料室に必要となり、図19に示すような幅の広い試料室が必要となる。
クリーンルーム内でのウエハ搬送はFOUPを用いた形態が一般的であり、FOUP搬送を自動搬送する際には、装置正面にロードポートを設ける場合が多い。顧客のクリーンルームへの装置設置を考えると装置の幅を広くすると設置できる装置数が減るため、あまり好ましくない。対して装置の奥行に関しては、他の製造装置、検査装置を設置することを考慮し、ある程度余裕のあるレイアウトになっている場合が多い。よって、図19のような幅の広い装置は顧客への負担を増す結果となってしまう。
一方、本実施例では、一方のステージが試料交換位置にある条件下では、もう一方のステージに乗せたウエハの観察に必要な領域は、オーバーラップ可能な領域が大きくなるほど、従来必要とされた2台分の幅から小さくすることができる。よって、できるだけ試料室を小さく抑えるためには、オーバーラップする比率を多くすれば良く、効果が最大となるオーバーラップ率がYテーブルに対して大凡半分となる量である。たとえ、それ以上オーバーラップできてもステージ交換の際には2台のステージが擦れ違うために必要なスペース、即ちYテーブル2台がX方向に隙間を確保しつつ並べられる程度は必要となるからである。従って、XテーブルA30AとXテーブルB30Bは、X方向にYテーブルの半分程度までに寸法制限することで、最も効率良く省スペース化がなされる。本効果として、試料室は小型化となり、その内部を真空排気する真空ポンプも小型化が可能となり、装置全体のフットプリントも小さく抑えることができるため、装置コストのみならず、クリーンルームのランニングコストも抑えることができる。
次に、YテーブルB31B上の部品配置について説明する。Yテーブル上の部品配置はX方向に対称の構成となっていないが、その理由は、同じレーザー測長系を用いて2台のステージの位置管理をするためであり、配置はステージA8Aと同じとなる。また、ステージA8A、及びステージB8Bには、Xリニアスケール24ないし27Bが各々の軸方向に実装されており、レーザー干渉計以外の測定手段を有している。これにより、観察するステージを交換する際には、レーザー干渉計からレーザースケールでの位置管理に切り替えることで、レーザー干渉計からのレーザー光がバーミラー23から外れても、ステージA8A、及びステージB8Bの位置管理が可能となり、並行動作することができる。
レーザー測長とリニアスケース測長の切り替え動作を図9ないし図12を用いて説明する。図9において、試料交換中のステージA8Aはリニアスケール測長であり、SEM観察中のステージB8Bはレーザー測長である。ステージA8Aの試料交換が完了し、ステージB8BでのSEM観察が終了すると、ステージB8Bはリニアスケール測長に切り替わる。次に、図10に示すように各々のステージが、試料交換位置70Aとステージ待機位置71Bに移動し、図11のようにステージ交換動作を行い、図12に示すステージ待待機位置71Aと試料交換位置70Bに移動する。その後、ステージA8Aは始めのウエハ観察位置に移動し、そこでレーザー測長に切り替わる。
SEM観察中に使用するレーザー測長以外に、別の測長手段を構成する理由は以下の通りである。観察対象のステージは高い位置精度が要求させるため、アッベ誤差の小さいレーザー干渉計による測長が望ましいが、試料交換時の位置決め精度や、光学顕微鏡によるアライメントでは、あまり高い精度は必要ないため、比較的安価なリニアスケールでの測長で運用可能である。本構成によればバーミラーの長さはSEM観察領域を測定できる長さで良いため、ステージ交換時に2台のステージが擦れ違う際に必要となるスペースを小さく抑えることができ、試料室の小型化が図れる。例えばΦ300mmウエハを想定した場合、レーザー光軸直径をΦ6mm、ダブルパス方式としてレーザー光軸ピッチを12.7mmとすると、バーミラーに必要な長さは、300mm+6mm+12.7mm≒319mmとなる。また、別の測長手段としてレーザー干渉計を用いたシステムを追加することも可能ではあるが、コストは高価になる可能性が高い。
ここで、リニアスケールを真空中で使用するためには、放出ガスの小さい素材で構成することが要求される。また、相対値を測定するタイプよりも、絶対値を測定するタイプの方が、装置の安全性に関して有利である。例えば、エラーや、停電などによりステージが停止し、装置電源を落とした状態から復帰させる際には、リニアスケールが相対値を測定するタイプだった場合は、2つのステージ位置は電源投入時において確定できない。よって、ステージを低速でステージが干渉しないよう方向に移動させて、リミットスイッチなどにより位置を確定させてから、レーザースケールの値をリセットするような初期化動作を行うことが必要となる。この時の移動速度は、リミットスイッチの動作により直ちに停止できる程度の速度に落とす必要があるため、通常のステージ移動速度に比べて遥かに遅く、時間がかかってしまう。その時の動作は、始めに2台のステージはX方向に離れるように、ステージAは−X方向、ステージBは+X方向に移動し、各々のステージがX方向のストロークエンド付近のセンサで感知された後に、Y方向に移動することで、2台のステージは干渉することなく初期化を進めることができる。
一方、リニアスケールが絶対値を測定するタイプだった場合は、電源投入直後に2台のステージ位置情報が得られるため、通常のサーボ制御が可能となり、通常の速度で移動させることができるため、早期に初期状態を得ることが可能となる。
使用するガイドとしては、LMガイドを挙げているが、YテーブルがYガイドに対して外側にオーバーハングしているため、剛性向上を目的に転動体が4列以上で斜め荷重、及び回転モーメントに強いタイプを選定すべきである。また、キャリッジ数を多く(例えば6個)などにすることも剛性向上には効果的である。リニアモータはマグネットに対して、コイルが動くムービングコイルタイプを想定しており、XリニアモータのX固定子36(マグネット)は試料室底面中央付近に、XリニアモータのX可動子A37A、及びX可動子B37Bは各々Xテーブル下面に配置され、YリニアモータのY固定子A38A及びY固定子B38B(マグネット)は各々Xテーブル側面に、YリニアモータのY可動子A39A、及びY可動子B39Bは、各々Yテーブル側面に配置される。
本配置例では、リニアモータを構成するコイル(可動子)は、銅線、ステンレスなどの非磁性材料を使用すれば、磁場を小さく抑えることが容易であるが、マグネット(固定子)の場合は強磁性体であるため、できるだけ電子ビームから遠ざけて配置した方が影響を小さくできる。よって、Yリニアモータの固定子(マグネット)はXテーブル側面に配置して、ウエハ観察中で最も電子ビームに近づいた場合でも、電子ビーム直下までは至らず、一定の距離を保つ配置としている。
本実施例では、更なるコスト低減として、ステージA、及びステージB間でのユニット共通化が成されている<図5参照>。
始めに、Xガイド34に関して、XテーブルA30A、及びXテーブルB30Bは同じガイドレールにキャリッジ34Cを2台分(各4個)取り付けることで、1セット分のガイドレールをコスト低減している。次にXリニアモータについても同様に、1本のX固定子36に、ステージA用のX可動子A37A、及びステージB用のX可動子B37Bを使用することで、1個分の固定子コストを低減することが可能となる。最後に、XリニアスケールのXリニアスケール24に対して、ステージA用X検出ユニットA25AとステージB用X検出ユニットB25Bを使用することで、スケール1本分のコストダウンを実現できる。また、本実施例はコスト低減のみならず、真空中に入れる部品を減らすことで、真空度向上や、コンタミ低減にも貢献できる。
次に、第2の実施例について図15及び図16を参照しつつ説明する。本構成は第1の実施例に対して、更なる高性能化を図るべく検討がなされており、変更箇所について詳細説明するため、その他共通部分については割愛する。また、実施例1と同様2台のステージは対称の形態であるため、ステージAを例にして説明する。
始めに、XテーブルA30Aの断面は一部概略斜めになっており、その上にYガイドA35Aを介して取り付けられるYテーブルA31Aの断面も一部が概略斜め形状となっており、XテーブルA30Aとあまり隙間を作ることなく搭載される。即ち、テーブルの下面(試料室2(真空容器)の下面に対向する面)がZ軸に対して、傾斜して形成されている。
同様に、XテーブルB30Bと、YテーブルB31BはステージAと対称の形状となっており、断面は各々斜め形状を有している。上記のようなテーブルの斜め形状の理由は、ステージB8BがステージA8Aに接近した際に、XテーブルA30A上にYテーブルB31Bが、XテーブルB30B上にYテーブルA31Aが各々高さ方向に一部重なること(オーバーラップ)ができるような構造であることは勿論、Yガイド、及び各テーブルの剛性向上を目的としている。Yガイドが水平に並んで配置されている第1の実施例に比べて、本実施例では高さ方向に距離を有するため、2本のガイド間距離が長くすることができる。
図16に示すように水平方向のYガイド間距離Lよりも、斜め方向の距離L´の方が長いため、回転モーメントに対しての剛性が向上し、ステージの制御特性を改善できる。更にYテーブル、及びXテーブルは、ステージ全体の高さは抑えつつ、一部の高さ寸法を増すことができるため、高剛性化が実現できる。
また、YテーブルA31A上には複数の(例えば3個)スペーサ81を介してトップテーブルA80Aが配置されており、トップテーブルA80A上にバーミラー23、静電チャックA32A、基準マークA15Aが配置されている。本構造(トップテーブル追加)の目的は、ウエハ位置決め精度の向上であり、温度変化や、テーブル変形による測長誤差を低減する構造となっている。
始めに温度に関しては、リニアモータの可動子(コイル)は発熱体であり、取り付けられるYテーブルは温度変化が発生しやすい。よって、Yテーブル上に直接、静電チャック、バーミラーが取り付けられていると、ステージ稼動中の温度変化によりYテーブルは熱膨張し、ウエハとバーミラーの距離が変化するため、レーザー測長値が騙され、ウエハの位置精度が劣化する。本構成では、スペーサを介してトップテーブルを搭載しているため、Yテーブルとの熱抵抗が大きくなり、トップテーブル温度変化は小さく抑えられる。よって、トップテーブル上のウエハとバーミラーの変化は小さくなり精度の良い位置決めが可能となる。
次に、ガイドの転動体の出入りによりYテーブルは変形してしまうが、トップテーブルとの間に介在するスペーサは、各テーブルよりも小さい剛性であるため、スペーサの変形により、Yテーブルの変形は吸収されて、トップテーブルまで伝わり難い構造となる。また、温度変化によるYテーブルの熱膨張についても、スペーサの変形により吸収され直接トップテーブルには伝わりにくく、トップテーブル上のウエハとバーミラーの距離を一定に保つことができる。これにより、ウエハ位置の情報を正確にレーザー測長できることで、ステージ停止精度の向上を図ることが可能となる。
また、温度変化による熱膨張の影響と変形の影響を更に小さく抑える手段として、トップテーブルの材質を、低熱膨張、高剛性の材質にすることが挙げられる。例えば、Al23やSiCなどのセラミックスは上記条件を満たす材質であり、アルミのような金属材料に比べて、遥かに低熱膨張、高剛性と言える。
次にYリニアモータの配置について説明する。XテーブルA30Aの斜面に形成された取り付け面に配置されたY固定子A38Aは、ウエハ10に対してある程度距離を保って配置することが容易である。前述したように固定子はマグネットであるため、強磁性であり、ビーム近傍に配置するとSEM像への影響が出るが、ウエハと距離を取ることで影響を問題ならない範囲まで抑えることが可能である。実施例1では、Xテーブルの剛性を保つため、均一な厚みを確保する必要があるため、Xテーブル上にY固定子を取り付けると、ウエハ上面からの距離が短くなるが、本実施例によれば、Xテーブルの一部が厚いため剛性は確保でき、斜面の下方を利用してウエハからの距離ΔZを長く取ることが容易となる。
また、本実施例の配置では、Y方向のY移動重心に対して、YリニアモータのY固定子A38Aの取り付け位置となるY作用点を近くに配置することができる。実施例1ではY方向の移動重心に対して離れた位置に作用するため、Y方向を基準にするとヨーイング方向の振動モードが発生し易い構造であるが、実施例2では移動重心と作用点の距離は1/3程度まで短縮できるため、前記振動モードは発生し難い構造となる。
また、実施例2では、ウエハ搬送系が2系統独立に構成されており、予備排気室4のロボットA40Aに投入されたウエハはステージA8Aに搭載され、SEM観察後に、ロボットA40Aによって排出される。同様にロボットB40Bから投入されたウエハはステージB8Bに搭載され、SEM観察後に、ロボットB40Bによって排出される。実施例1のように予備排気室が1つでは、予備排気動作である大気解放、大気での試料交換、真空引きの一連の処理が2台のステージ処理能力に追い付かず、待ち時間を発生させてしまう可能性がある。一方、本実施例では2系統の独立搬送系で構成されるため、2台のステージにおける処理能力を十分発揮できるようなウエハ搬送の設定が容易となる。また、従来では2種類のウエハ(例えばΦ200mmウエハとΦ300mmウエハ、或いはΦ300mmウエハとΦ450mmウエハ)を処理したい場合、可変機構や、交換機構(ホルダなど)が必要であったが、本実施例にて1系統の搬送系と1台のステージをペアとして、各々のウエハサイズに割り当てることで、複数サイズのウエハに対応できる装置が容易に実現できる。但し、本構成では、1種類のウエハサイズを連続的に搬送した場合は、1台のステージのみの観察となるので、スループットは従来と同じである。
次に、装置の安全性を向上させるべく考案した第3の実施例について図17及び図18を参照しつつ説明する。基本的な装置構成は実施例2と同じであるため、異なる部分のみ説明を行う。2台のステージに対して各々のXテーブルには、Xストッパ82が取り付けられており、試料室内面上壁からぶら下がるように遮蔽ブロック85、X調整軸83、及びY調整軸84が取り付けられている。また、2つのXテーブル距離Hに対して、図中のXストッパとX調整軸83の距離Sが、S<HとなるようX調整軸83は飛び出し量を調整されている。
一方、Y調整軸は、SEM観察領域にあるステージのトップテーブルに対して、SEM観察領域とステージ交換位置にあるステージのトップテーブルとの間に配置されるよう飛び出し量を調整している。ステージA8Aがステージ交換位置にある時に、ステージB8Bが発振などの故障モードに遷移した場合について説明する。−X方向にステージB8Bが移動した場合、ステージ交換位置にあるステージA8AのXテーブルA30AとXテーブルB30Bは直接接触することなく、Xストッパ82とX調整軸83が接触することになる。
また、ステージB8BがY方向に発振して−Y方向に移動した場合、Y調整軸84にトップテーブルB80Bが接触するため、両ステージのトップテーブル同士は接触しない。このように、一方のステージがステージ交換位置にある場合、たとえ他方のステージが発振のような制御不能状態に遷移しても、直接ステージ同士が接触することが無いため、少なくてもステージ交換位置にあるステージは損傷を免れることができる。また、調整軸の材質を柔らかい素材、例えばテフロン(登録商標)のような低アウトガス素材で製作することや、バネを内蔵してショックアブソーバのような構造とすることで、接触した方のステージの損傷を軽減することができる。
上述のような実施例によれば、真空内にて荷電粒子線を制御する装置に対して、コストアップを抑えつつ、ステージを2台実装可能な構成を提供でき、大幅なスループット向上が可能となる。ここで、試料交換位置での光学顕微鏡によるウエハアライメント動作が無い場合でも、試料交換動作を並列化できるため上述の効果は十分に得られることを付け加えておく。また、上述のような実施例ではアクチュエータとしてリニアモータを例に挙げ装置構成を説明してきたが、超音波モータや、ボールネジなどでも同様の効果が得られる。
ステージ位置の測定にはレーザー干渉計とレーザースケールを併用した構成を説明したが、高精度の停止精度が要求されなければ、リニアスケールのみでも実現可能であり、この場合は、高価なレーザー干渉計が不要となるため、更にコストダウンが見込まれる。
1 カラム
2 試料室
3 搬送室
4 予備排気室
5 真空ポンプ
6 架台
7 マウント
8 ステージ
8A ステージA
8B ステージB
9 カラム中心
10 ウエハ
11 電子銃
12 電子線
13 検出器
14 Zセンサ
15A 基準マークA
15B 基準マークB
20 Xレーザー干渉計
21 Yレーザー干渉計
22 レーザー光
23 バーミラー
24 Xリニアスケール
25A X検出ユニットA
25B X検出ユニットB
26A YリニアスケールA
26B YリニアスケールB
27A Y検出器A
27B Y検出器B
30A XテーブルA
30B XテーブルB
31A YテーブルA
31B YテーブルB
32A 静電チャックA
32B 静電チャックB
33A リフト機構A
34、57 Xガイド
34C キャリッジ
35A YガイドA
35B YガイドB
36 X固定子
37A X可動子A
37B X可動子B
38A Y固定子A
38B Y固定子B
39A Y可動子A
39B Y可動子B
40 ロボット
40A ロボットA
40B ロボットB
41 真空側ゲートバルブ
42 大気側ゲートバルブ
43 ウエハ台
50 光学顕微鏡
51 窓ガラス
52 鏡筒
53 CCDカメラ
54 カムフォロアー
55 ステッピングモータ
56 Zガイド
58 リニアスケール
59 検出器
60 ボールネジ
61 偏芯カム
62 ステッピングモータ
70A 試料交換位置A
70B 試料交換位置B
71A ステージ待機位置A
71B ステージ待機位置B
80A トップテーブルA
80B トップテーブルB
81 スペーサ
82 Xストッパ
83 X調整軸
84 Y調整軸
85 遮蔽ブロック
90 制御部
91 モニタ

Claims (18)

  1. 真空容器内に、第1の試料を支持可能な第1のテーブルと、当該第1のテーブルを第1の方向に移動可能に支持する第2のテーブルと、当該第2のテーブルを、前記第1の方向に垂直な第2の方向に移動可能に案内するガイドを備え、前記第1のテーブル、第2のテーブル、及びガイドが、前記第1と第2の方向に対して垂直な方向に積層配置される試料ステージ装置において、
    前記第1の試料とは異なる第2の試料を前記第1の方向に移動可能に支持する第3のテーブルと、前記ガイドに案内され、当該第3のテーブルを前記第2の方向に移動可能に支持する第4のテーブルを備え、当該第4のテーブルは、前記第2のテーブルと前記第3のテーブルが、前記第1の方向と第2の方向に対し垂直な方向から見て重なった状態で移動が可能なように、前記第3のテーブルを支持することを特徴とする試料ステージ装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の試料を交換するための第1の試料交換位置に、当該第1の試料を位置付けるように前記第1と第2のテーブルを駆動することのできる駆動機構を備え、前記第3のテーブルの前記真空容器の底面に対向する面であって、前記第4のテーブルに支持されない部分は、前記第2のテーブルとの接触がないように、前記第1と第2の方向に垂直な方向に対して傾斜して形成されていることを特徴とする試料ステージ装置。
  3. 請求項1において、
    前記第1の方向から見た前記第3のテーブルの前記真空容器底面に対抗する面の形状が、前記第1と第2の方向に垂直な方向に傾斜していることを特徴とする試料ステージ装置。
  4. 請求項1において、
    前記ガイドは複数列の転動体を有する転がりガイドであることを特徴とする試料ステージ装置。
  5. 請求項1において、
    前記第1及び第3のテーブルの両方の位置を特定するための測長器を備え、当該測長器はレーザ測長器であることを特徴とする試料ステージ装置。
  6. 請求項1において、
    前記ガイドは、ガイドレールとキャリッジにより構成されるLMガイドであり、前記第2と第4のテーブルに共通して使用されるものであることを特徴とする試料ステージ装置。
  7. 請求項1において、
    前記第2と第4のテーブルを駆動するアクチュエータは、可動子と固定子により構成されるリニアモータであり、前記第2と第4のテーブルで1つの固定子を共通に使用することを特徴とする試料ステージ装置。
  8. 請求項1において、
    前記第2と第4のテーブルでリニアスケールのスケール部品を共通に使用することを特徴とする試料ステージ装置。
  9. 請求項1において、
    前記第1のテーブルと、前記第3のテーブルはそれぞれ異なる位置で前記試料の交換を行うことを特徴とする試料ステージ装置。
  10. 請求項1において、
    試料のアライメントを行う光学顕微鏡を備え、当該光学顕微鏡は、少なくても一方向に移動可能な構造を有し、前記試料を交換する交換位置にて試料を観察することを特徴とする試料ステージ装置。
  11. 請求項1において、
    前記第1と第3のテーブル上には、バーミラー及び試料保持機構が設置されていることを特徴とする試料ステージ装置。
  12. 請求項1において、
    前記第1と第2のテーブル、或いは第3と第4のテーブルの一方を選択的に動作させることを特徴とする試料ステージ装置。
  13. 請求項1において、
    前記第1、或いは第3のテーブルの一方が、前記試料を交換するための交換位置にある場合、他方のテーブルが当該一方のテーブルに接触できないように緩衝部品を配置することを特徴とする試料ステージ装置。
  14. 請求項1において、
    前記試料ステージ装置を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  15. 請求項14において、
    前記第1、或いは第3のテーブルの一方に支持された試料について、前記荷電粒子線装置による処理を行っている間、前記第1、或いは第3のテーブルの他方は、試料交換位置に位置付けられていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  16. 真空容器内に、第1の試料を支持可能な第1のテーブルと、当該第1のテーブルを第1の方向に移動可能に支持する第2のテーブルと、当該第2のテーブルを、前記第1の方向に垂直な第2の方向に移動可能に案内するガイドと、前記第1の試料を交換するための第1の試料交換位置に位置付けるように前記第1と第2のテーブルを駆動することのできる駆動機構を備えた試料ステージ装置において、
    前記第1の試料とは異なる第2の試料を前記第1の方向に移動可能に支持する第3のテーブルと、前記ガイドに案内され、当該第3のテーブルを前記第2の方向に移動可能に支持する第4のテーブルを備え、前記第1のテーブルが前記第1の試料交換位置に位置付けられた状態で、前記第1と第2の方向に対し垂直な方向から見た第2のテーブルの位置と、前記第3のテーブルの可動範囲が部分的に重なった状態で移動が可能なように、前記第4のテーブルの可動範囲が設定されていることを特徴とする試料ステージ装置。
  17. 請求項16において、
    前記第4のテーブルは、前記第3のテーブルの一部を支持すると共に、当該第3のテーブルの前記第4のテーブルに支持されない他部分と、前記第2のテーブルが、第1の方向と第2の方向に対し垂直な方向から見て、部分的に重なることが可能なように前記第4のテーブルによって、前記第3のテーブルを支持することを特徴とする試料ステージ装置。
  18. 荷電粒子源と、当該荷電粒子源から放出される荷電粒子線が照射される試料を載置できる試料ステージを内蔵する真空容器と、当該真空容器内に、第1の試料を支持可能な第1のテーブルと、当該第1のテーブルを第1の方向に移動可能に支持する第2のテーブルと、当該第2のテーブルを、前記第1の方向に垂直な第2の方向に移動可能に案内するガイドを備え、前記第1のテーブル、第2のテーブル、及びガイドが、前記第1と第2の方向に対して垂直な方向に積層配置される荷電粒子線装置において、
    前記第1の試料とは異なる第2の試料を前記第1の方向に移動可能に支持する第3のテーブルと、前記ガイドに案内され、当該第3のテーブルを前記第2の方向に移動可能に支持する第4のテーブルを備え、当該第4のテーブルは、前記第2のテーブルと前記第3のテーブルが、前記第1の方向と第2の方向に対し垂直な方向から見て重なった状態で移動が可能なように、前記第3のテーブルを支持することを特徴とする荷電粒子線装置。
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