JP2013253718A - 空気調和機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】窓の開放時において、室内ユニットのサーモオン動作とサーモオフ動作の繰り返しの頻度を低減しつつ、室内空間の内部の負荷を効率よく処理できる空気調和機の制御装置を提案する。
【解決手段】空気調和機(10)の制御装置は、室内空間(S)の窓(3)が開放されたことを示す信号が入力される入力部(71)と、該入力部(71)に信号が入力されている時に、複数台の室内ユニット(30)のうちペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作を禁止し、残りの室内ユニット(30)のサーモオン動作を許容する省エネ冷房運転を実行するように空気調和機(10)を制御する制御部(75)とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の室内ユニットによって室内空間を冷却する空気調和機の制御装置に関する。
従来より、室内空間を冷房する空気調和機が知られている。特許文献1には、この種の空気調和機が開示されている。
この空気調和機は、複数の室内ユニットと室外ユニットとが冷媒配管(連絡配管)を介して互いに接続される。室内空間は、複数の室内ユニットによって冷房される。具体的に、冷房運転では、室外ユニットの圧縮機が運転され、冷媒回路で冷凍サイクルが行われる。冷房運転時において、冷媒は、室外熱交換器で凝縮した後、各室内ユニットへ送られる。各室内ユニットでは、膨張弁で減圧された後の冷媒が、室内熱交換器で蒸発する。この結果、各室内ユニットでは、冷媒によって室内空気が冷却される。
各室内ユニットでは、吸込空気の温度(内気温度)が設定温度に至ると、サーモオフ動作が行われる。つまり、サーモオフ動作が行われる室内ユニットでは、この室内ユニットに対応する膨張弁が閉じられ、冷媒が室内熱交換器へ供給されない。一方、サーモオフ動作中の室内ユニットにおいて、吸込空気の温度(内気温度)が設定温度より高くなると、サーモオン動作が行われる。つまり、サーモオン動作が行われる室内ユニットでは、この室内ユニットに対応する膨張弁が所定開度で開放され、冷媒が室内熱交換器へ供給される。
特開2008−256260号公報
ところで、夏季及び冬季の間の、いわゆる中間期においては、外気温度が内気温度よりも低くなることがある。このような条件下では、窓を開放し、外気を室内空間へ取り込んだ方が、冷房運転中の室内ユニットの冷房負荷を低減できる。一方、窓の開放時には、室内に取り込まれる外気の風向や温度の変化に伴い、各室内ユニットの付近の温度が変化し易くなる。この結果、冷房運転中の各室内ユニットでは、サーモオン動作とサーモオフ動作とが交互に頻繁に繰り返されることがあり、圧縮機の効率が低下して省エネ性が悪化してしまう虞がある。
一方、このような室内ユニットのサーモオン/オフ動作の繰り返しを回避するために、全ての室内ユニットを停止することも考えられる。しかし、このようにすると、室内空間の内部で発生する熱負荷を処理できず、在室者の快適性が損なわれてしまう虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、窓の開放時において、室内ユニットのサーモオン動作とサーモオフ動作の繰り返しの頻度を低減しつつ、室内空間の内部の負荷を効率よく処理できる空気調和機の制御装置を提案することである。
第1の発明は、圧縮機(21)を有する室外ユニット(20)と、該室外ユニット(20)に冷媒配管(5)を介して接続され同一の室内空間(S)を冷房する複数の室内ユニット(30)とを備えた空気調和機(10)の制御装置を対象とし、上記室内空間(S)の窓(3)が開放されたことを示す信号が入力される入力部(71)と、該入力部(71)に上記信号が入力されている時に、上記複数台の室内ユニット(30)のうちペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作を禁止し、残りの室内ユニット(30)のサーモオン動作を許容する省エネ冷房運転を実行するように上記空気調和機(10)を制御する制御部(75)とを備えていることを特徴とする。
第1の発明では、複数の室内ユニット(30)によって同一の室内空間(S)が冷房される。この室内空間(S)の窓(3)が開放されると、入力部(71)に窓(3)が開放されたことを示す信号が入力される。制御部(75)は、この入力部(71)が入力される時(即ち、窓(3)の開放時)に省エネ冷房運転を実行するように空気調和機(10)を制御する。
この省エネ冷房運転では、窓(3)に近いペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作が禁止される。ペリメータゾーン(P-Z)では、窓(3)から外気が導入されることに起因して、内気温度が変化し易い。しかし、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)は、サーモオン動作が禁止されているため、サーモオン動作とサーモオフ動作とを交互に頻繁に繰り返すことはない。
一方、省エネ冷房運転では、窓(3)から比較的遠い残りの室内ユニット(30)のサーモオン動作が許容される。このため、室内空間(S)の内部(即ち、インテリアゾーン側)で発生する熱負荷を、残りの室内ユニット(30)で確実に処理できる。
第2の発明は、第1の発明において、上記省エネ冷房運転中にサーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数を変更する変更部(74)を備えている。
第2の発明では、省エネ冷房運転中にサーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数が、変更部(74)によって適宜、変更可能となる。
第3の発明は、第2の発明において、上記変更部(74)は、上記室内ユニット(30)の設定温度から外気温度を引いた差の増大に伴って、上記省エネ冷房運転中に上記サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数を増やすように構成される。
第3の発明では、室内の設定温度から外気温度を引いた差が大きくなると、サーモオン動作を禁止する室内ユニット(30)の台数が多くなる。設定温度から外気温度を引いた差が大きくなると、窓(3)から室内空間(S)へ外気が導入されることに起因して、ペリメータゾーン(P-Z)側の空気の温度が変化し易くなる。しかし、本発明では、このような条件下において、サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数が増えるので、サーモオン動作とサーモオフ動作の繰り返しを防止できる。一方、設定温度から外気温度を引いた差が大きくなると、サーモオン動作が許容される室内ユニット(30)の台数は少なくなる。しかし、このような条件下では、窓(3)を開放することによる外気冷房の効果が向上するため、これらの室内ユニット(30)で室内空間(S)の熱負荷を確実に処理できる。
第4の発明は、第3の発明において、上記変更部(74)は、上記省エネ冷房運転中において、内気温度が室内ユニット(30)の設定温度よりも大きい時に、上記サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数を減らすように構成されることを特徴とする。
第4の発明では、省エネ冷房運転中において、室内空間(S)の内気温度が室内ユニット(30)の設定温度よりも大きく、室内空間(S)の冷房負荷が高い条件下において、サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数が少なくなる。換言すると、このような条件下では、サーモオン動作が許容される室内ユニット(30)の台数が多くなる。この結果、室内空間(S)の内部の熱負荷を確実に処理できる。
第5の発明は、第4の発明において、上記制御部(75)は、上記入力部(71)に上記信号が入力されると、全ての室内ユニット(30)を停止し、該全ての室内ユニット(30)の停止中において内気温度が室内ユニット(30)の設定温度より大きい時に、上記省エネ冷房運転を開始させることを特徴とする。
第5の発明では、入力部(71)に窓(3)を開放したことを示す信号が入力されると、全ての室内ユニット(30)が停止状態となる。これにより、まず、室内空間(S)は外気によってのみ冷房される。その後、これらの室内ユニット(30)の停止中において、入力部(71)に信号が入力され且つ内気温度が室内ユニット(30)の設定温度より大きい時に、上記省エネ冷房運転が実行される。つまり、本発明では、全ての室内ユニット(30)の停止中において、外気冷房だけでは、室内空間(S)の熱負荷を処理できない条件になると、省エネ冷房運転が実行され、一部(インテリアゾーン側)の室内ユニット(30)のサーモオン動作が許容される。この結果、室内空間(S)の熱負荷を確実に処理できる。
本発明の省エネ冷房運転では、窓(3)から外気を取り込んで外気冷房を行いつつ、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作とサーモオフ動作の繰り返しを確実に防止できる。これにより、サーモオン/オフ動作の切換に伴って圧縮機(21)の回転数が変動することを防止でき、ひいては伴い圧縮機(21)の効率の低下を防止できる。従って、本発明では、外気冷房による空気調和機(10)の電力消費の削減に加え、サーモオン/オフ動作の繰り返しに起因する空気調和機(10)の電力消費も削減できる。この結果、空気調和機(10)において、省エネ性の高い冷房運転を実現できる。
また、本発明の省エネ冷房運転では、窓(3)から比較的遠いインテリアゾーン側の室内ユニット(30)でサーモオン動作を行うことで、室内空間(S)の内部で発生する熱負荷を効率よく処理できる。従って、本発明では、室内空間(S)の快適性を十分に確保しつつ、空気調和機(10)において省エネ性の高い冷房運転を実現できる。
第2の発明では、変更部(74)によって、サーモオン動作を禁止する室内ユニット(30)の台数を変更できるので、運転条件に応じた最適な省エネ冷房運転を行うことができる。
特に、第3の発明では、外気温度と設定温度の差が大きい条件下において、サーモオン動作を禁止する室内ユニット(30)の台数を多くすることで、空気調和機(10)の消費電力を必要最小限の電力に抑えることができる。また、この条件下において、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン/オフ動作が高頻度に交互に繰り返されることを確実に防止できる。
また、第4の発明では、内気温度が設定温度よりも高い条件下において、サーモオン動作が許容される室内ユニット(30)の台数を多くすることで、室内空間(S)の快適性を十分に確保できる。
また、第5の発明では、入力部(71)に窓(3)が開放されたことを示す信号が入力されると、室内ユニット(30)を全て停止させるため、この期間では、空気調和機(10)の電力消費を大幅に低減できる。一方、その後に内気温度が設定温度よりも高い条件になると、一部の室内ユニット(30)のサーモオン動作が許容されるので、室内空間(S)の快適性も十分に確保できる。
図1は、実施形態1及び2に係る空気調和ユニットの全体構成を示す概略の構成図である。 図2は、実施形態1及び2に係る空気調和ユニットが適用される室内空間の平面図である。 図3は、実施形態1に係る制御ユニットのデータテーブルを概念的に表したものである。 図4は、実施形態1に係る空気調和ユニットの制御ユニット、及び該制御ユニットと信号のやりとりが行われる他の構成機器のブロック図である。 図5は、省エネ冷房運転時におけるペリメータゾーンとインテリアゾーンの区分を図示した図2相当図であり、図5(A)は図4のパターンAの区分を、図5(B)は図4のパターンBの区分を、図5(C)は図4のパターンCの区分を、図5(D)は図4のパターンDの区分をそれぞれ表している。 図6は、実施形態2に係る制御ユニットにおいて、省エネ冷房運転の開始前から省エネ冷房運転の終了までの運転フローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、下記の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
実施形態1に係る空気調和ユニット(1)は、図1に示すように、空気調和機(10)と、該空気調和機(10)の制御ユニット(70)とによって構成される。空気調和機(10)は、ビル等の室内空間(S)を冷房と暖房とを切り換えて行うように構成される。空気調和機(10)は、複数の室内ユニット(30)を有し、これらの室内ユニット(30)で同一の室内空間(空調対象空間(S))の空調を行う、いわゆるビル用マルチ式の空気調和機である。
〈冷媒回路の基本構成〉
図1に示すように、空気調和機(10)は、室外に設置される室外ユニット(20)と、室内の天井面に埋設される複数の室内ユニット(30)とを備えている。なお、図1では、複数の室内ユニット(30)のうちの一部の図示を省略している。空気調和機(10)では、互いに並列な複数台の室内ユニット(30)に冷媒配管(一対の連絡配管(5,5))を介して室外ユニット(20)が接続される。これにより、空気調和機(10)では、閉回路となる冷媒回路(11)が構成される。冷媒回路(11)には、冷凍サイクルを行うための冷媒が充填される。
同図に示すように、室外ユニット(20)の室外ケーシング(図示省略)の内部には、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(23)、及び四方切換弁(24)が収容されている。これらの機器(21,22,23,24)は、室外ユニット(20)側の冷媒回路(熱源側回路(20a))に接続される。
圧縮機(21)は、揺動ピストン式、スクロール式、ロータリー式等の回転式圧縮機で構成される。つまり、圧縮機(21)では、電動機によって圧縮機構が回転駆動され、圧縮機構の内部で冷媒が圧縮される。また、圧縮機(21)の電動機は、インバータ装置に接続され、回転数(運転周波数)が可変に構成される。これにより、冷媒回路(11)では、冷媒の循環量が調節される。
室外熱交換器(22)は、例えばフィンアンドチューブ式の熱源側の熱交換器で構成される。室外熱交換器(22)は、冷房時に凝縮器(放熱器)となり、暖房時に蒸発器となる。また、室外ケーシングの内部には、室外熱交換器(22)の近傍に外気ファン(25)が収容されている。外気ファン(25)は、いわゆるプロペラファンで構成され、室外熱交換器(22)と熱交換する外気(室外空気)を搬送する。
室外膨張弁(23)は、熱源側回路(20a)における室外熱交換器(22)の液側端部に接続される。室外膨張弁(23)は、例えば開度が可変な電子膨張弁で構成される。室外膨張弁(23)は、冷房時にほぼ全開となり、暖房時には液冷媒を所定の圧力まで減圧するように開度が調節される。
四方切換弁(24)は、圧縮機(21)の吐出側に繋がる第1ポートと、圧縮機(21)の吸入側に繋がる第2ポートと、室外熱交換器(22)のガス側に繋がる第3ポートと、室内熱交換器(31)のガス側に繋がる第4ポートとを有している。四方切換弁(24)は、冷房時に図1の実線で示す第1状態(第1ポートと第3ポートを連通させ且つ第2ポートと第4ポートを連通させる状態)となり、暖房時に図1の破線で示す第2状態(第1ポートと第4ポートを連通させ且つ第2ポートと第3ポートを連通させる状態)となる。
各室内ユニット(30)の室内ケーシング(図示省略)の内部には、室内熱交換器(31)及び室内膨張弁(32)がそれぞれ収容されている。これらの機器(31,32)は、室内ユニット(30)側の冷媒回路(利用側回路(30a))に接続されている。
室内熱交換器(31)は、例えばフィン温度チューブ式の利用側の熱交換器で構成される。室内熱交換器(31)は、冷房時に蒸発器となり、暖房時に凝縮器(放熱器)となる。また、室内ケーシングの内部には、室内熱交換器(31)の近傍に内気ファン(33)が収容されている。内気ファン(33)は、室内熱交換器(31)と熱交換する内気(室内空気)を搬送する。
室内膨張弁(32)は、利用側回路(30a)における室内熱交換器(31)の液側端部に接続される。室内膨張弁(32)は、例えば開度が可変な電子膨張弁で構成される。室内膨張弁(32)は、冷房時及び暖房時において、所定の開度に調節される。
また、室内ユニット(30)の吸込口(図示省略)には、吸込温度センサ(34)が配置されている。吸込温度センサ(34)は、室内ケーシングの内部に吸い込まれる空気(吸込空気)の温度Tiを検知する
〈室内ユニットの配置〉
図2に示すように、本実施形態の室内空間(S)は、横断面が矩形状の空間で構成され、4つの側壁面(W1,W2,W3,W4)の内部に形成される。本実施形態では、これらの側壁面(W1,W2,W3,W4)のうちの3つの側壁面(W1,W2,W3)にそれぞれ複数の窓(3)が設けられる。同図に示すように、本実施形態の室内空間(S)では、例えば5行×5列の合計25台の室内ユニット(30)が設けられる。なお、図2に示す室内空間(S)における窓(3)や室内ユニット(30)の数量や配置は単なる例示であり、これに限られるものではない。
〈室内コントローラの構成〉
図3に示すように、空気調和ユニット(1)は、複数の室内コントローラ(50)を有している。各室内コントローラ(50)は、所定のゾーンの複数の室内ユニット(30)に共用される。室内コントローラ(50)は、運転切換部(51)と温度設定部(52)と窓開表示部(53)とを有している。運転切換部(51)は、室内ユニット(30)の運転モードを切り換えるための操作部である。温度設定部(52)は、冷房運転や暖房運転において、室内空間(S)の設定温度T-set(目標温度)を設定する設定部である。
各室内ユニット(30)は、吸込温度センサ(34)で検出した吸込空気の温度Tiと設定温度T-setとの差に応じて、サーモオン動作とサーモオフ動作とを切り換えて行うように構成される。つまり、例えば冷房運転中の室内ユニット(30)において、吸込温度Ti(即ち、室内空間(S)の温度)が設定温度T-setよりも所定温度以上高い場合、室内ユニット(30)はサーモオン動作を行う。サーモオン動作中の室内ユニット(30)では、室内膨張弁(32)の開度が所定開度に開放され、室内熱交換器(31)の内部に低圧冷媒が供給される。一方、冷房運転中の室内ユニット(30)において、吸込温度Tiが設定温度T-setに至ると、室内ユニット(30)はサーモオフ動作を行う。サーモオフ動作中の室内ユニット(30)では、室内膨張弁(32)が閉鎖され、室内熱交換器(31)への冷媒の供給が停止する。
窓開表示部(53)は、室内空間(S)のユーザーに窓開けを促すためのサインを示す表示部である。つまり、春季や秋季等のいわゆる中間期には、室外空気の温度(外気温度)が、室内空気の温度(内気温度)よりも低くなり、窓(3)を開けて外気を室内空間(S)へ取り込んだ方が、冷房負荷を軽減できることがある。そこで、本実施形態の室内コントローラ(50)は、制御ユニット(60)からの窓開けを促す信号(S6)が入力されると、ユーザーにそのことを知らせるサインを窓開表示部(53)に表示させる。
〈センサ及び窓開検知部の構成〉
同図に示すように、空気調和ユニット(1)は、内気温度センサ(61)と外気温度センサ(62)と窓開完了操作部(窓開検知部(63))とを有している。内気温度センサ(61)は、室内空間(S)に設置され、室内空間(S)の室内温度(内気温度Tr)を検出する。外気温度センサ(62)は、室外空間に設置され、室外空間の室外温度(外気温度To)を検出する。
窓開完了操作部(63)は、室内空間(S)に設置され、窓(3)が開放されたことを手動操作によって検知するものである。即ち、上述した窓開表示部(53)にサインが表示され、ユーザーが窓(3)を開放したとする。この場合、ユーザーは、窓(3)を開放した後に窓開完了操作部(63)のボタンを操作して「ON」にする。すると、窓開完了操作部(63)からは、窓(3)が開放されたことを示す信号(S5)が制御ユニット(60)に入力される。このように、窓開完了操作部(63)は、窓(3)が開放されたことを検知する窓開検知部を構成している。
〈制御ユニット〉
制御ユニット(70)は、室内空間(S)の窓(3)が開放された状態において、室内空間(S)の内部で発生する冷房負荷を処理しながら、いわゆる外気冷房を行う「省エネ冷房運転」を実行するための制御装置を構成している。この省エネ冷房運転では、窓(3)から近いペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作が禁止される一方、窓(S)から遠いインテリアゾーン(I-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作は許容される(詳細は後述する)。
制御ユニット(70)は、入力部(71)と窓開判定部(72)とデータ記憶部(73)とゾーン変更部(変更部(74))と制御部(75)とを有している。
入力部(71)には、室内コントローラ(50)、内気温度センサ(61)、外気温度センサ(62)、及び窓開完了操作部(63)からの各出力信号が入力される。具体的に、制御ユニット(70)からは、室内ユニット(30)の運転モードを示す信号(S1)と、室内空間(S)の設定温度T-setを示す信号(S2)とが入力部(71)へ出力される。また、内気温度センサ(61)からは、検出された内気温度Trを示す信号(S3)が入力部(71)へ出力される。また、外気温度センサ(62)からは、検出された外気温度Toを示す信号(S4)が入力部へ出力される。また、窓開完了操作部(63)からは、室内空間(S)の窓が開放されたことを示す信号(S5)が入力部(71)へ入力される。
窓開判定部(72)は、ユーザーに対して窓開けの指示をするか否かの判定を行う。本実施形態の窓開判定部(72)は、信号(S1〜S4)に基づいて窓開けの指示の要否を判定する。具体的に、窓開判定部(72)は、空気調和機(10)が停止中であり、且つ外気温度が設定温度よりも低く(To<T-set)、且つ設定温度が内気温度よりも低い(T-set<Tr)場合、窓開け(外気冷房)を要すると判断する。あるいは、窓開判定部(72)は、空気調和機(10)が冷房運転中であり、且つ外気温度が設定温度よりも低い(To<T-set)場合、窓開け(外気冷房)を要すると判断する。なお、ここでいう設定温度T-setは、室内ユニット(30)の台数やゾーニングに応じて設定温度が複数設定されている場合、これらの複数の設定温度の平均値、これらの複数の設定温度のうちの所定箇所の代表値、これらの複数の設定温度に基づいて算出された計算値等を意味する。また、ここでいう内気温度Trも、室内に複数の内気温度センサ(61)を設けた場合、これらの内気温度センサ(61)の検出した内気温度の平均値、これらの内気温度のうちの所定箇所の代表値、これらの複数の内気温度に基づいて算出された計算値等を意味する。
窓開判定部(72)が窓開けを要すると判断すると、制御ユニット(70)から室内コントローラ(50)へ窓開けを指示するための信号(S6)が出力される。室内コントローラ(50)に信号(S6)が入力されると、窓開表示部(53)に窓開けを促すサインが表示される。これにより、窓開け(外気冷房)が必要なことをユーザーに知らせることができる。
データ記憶部(73)には、省エネ冷房運転において、複数の室内ユニット(30)のうちサーモオン動作が禁止される室内ユニット(ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット)と、サーモオン動作が許容される室内ユニット(インテリアゾーン(I-Z)側の室内ユニット)のゾーニングパターンがデータとして記憶される。ここでいう、ペリメータゾーン(P-Z)は、室内空間(S)のうち窓(3)から近い空間を示すが、実質的には、省エネ冷房運転時において、窓(3)の比較的近くに配設され且つサーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)に対応するゾーンを意味する。また、ここでいう、インテリアゾーン(I-Z)は、室内空間(S)のうち窓(3)から遠い空間を示すが、実質的には、窓(3)の比較的遠くに配設され且つサーモオン動作が許容される室内ユニット(30)に対応するゾーンを意味する。
本実施形態では、例えば図4及び図5に示すように、省エネ冷房運転時の運転条件に対応するように、ペリメータゾーン(P-Z)とインテリアゾーン(I-Z)に係るゾーニングパターンが記憶される。より詳細に、図4に示すように、データ記憶部(73)に記憶されたデータでは、設定温度T-setから外気温度Trを差し引いた温度差ΔTが4段階の範囲に区分され、この4種類の範囲に対応して4つのゾーニングパターン(パターンA〜D)が決定されている。このデータは、設定温度T-setと外気温度Toの温度差ΔTの増大に伴って、サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)(ペリメータゾーン側の室内ユニット)の台数が増える関係となっている。換言すると、このデータは、温度差ΔTの減少に伴って、サーモオン動作が許容される室内ユニット(30)(インテリア側の室内ユニット)の台数が少なくなる関係となっている。
なお、データ記憶部(73)に記憶されるデータは、省エネ冷房運転時の消費電力を最低限に抑えられるように、試験的に又はシミュレーションによって予め決定される。また、図4又は図5に示す、各パターンにおけるペリメータゾーン(P-Z)とインテリアゾーン(I-Z)の比率、これらのゾーンの配列、及び各パターンの数は単なる例示であり、これに限られるものではない。
ゾーン変更部(74)は、省エネ冷房運転中において、データ記憶部(73)に記憶されたデータに基づき、最適なパターンを決定する。具体的に、ゾーン変更部(74)は、入力部(71)に入力された設定温度T-setと、外気温度Toの温度差ΔTを算出する。そして、ゾーン変更部(74)は、データ記憶部(73)のデータに基づき、算出した温度差ΔTに対応するパターンを選択する。つまり、ゾーン変更部(74)は、省エネ冷房運転中(省エネ冷房運転の開始時や、該省エネ冷房運転途中)にサーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数を変更する変更部を構成する。なお、ここでいう設定温度T-setは、室内ユニット(30)の台数やゾーニングに応じて設定温度が複数設定されている場合、これらの複数の設定温度の平均値、これらの複数の設定温度のうちの所定箇所の代表値、これらの複数の設定温度に基づいて算出された計算値等を意味する。
制御部(75)は、ゾーン変更部(74)で選択されたパターンに基づき、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作を禁止し、インテリアゾーン(I-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作を許容するように、各室内ユニット(30)へ制御信号(S7)を出力する。
−運転制御−
実施形態に係る空気調和機(10)の運転動作について詳細に説明する。まず、空気調和機(10)の基本的な運転動作について図1を参照しながら説明する。
〈冷房運転〉
冷房運転では、四方切換弁(24)が第1状態に設定され、室外膨張弁(23)が全開状態となる。また、各室内膨張弁(32)の開度が所定開度に調節される。また、圧縮機(21)、外気ファン(25)、及び各内気ファン(33)が運転状態となる。圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(22)で凝縮(放熱)した後、各室内ユニット(30)へ供給される。各室内ユニット(30)では、冷媒が室内膨張弁(32)を通過する際に減圧された後、室内熱交換器(31)を流れる。室内熱交換器(31)では、冷媒が室内空気(吸込空気)から吸熱し蒸発する。一方、室内熱交換器(31)で冷却された空気は、室内空間(S)へ供給される。室内熱交換器(31)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
この冷房運転では、全ての室内ユニット(30)が運転状態となり、これらの室内ユニット(30)が上述のサーモオン動作とサーモオフ動作とを切り換えて行う。
〈暖房運転〉
暖房運転では、四方切換弁(24)が第2状態に設定され、室外膨張弁(23)及び室内膨張弁(32)が所定の開度に調節される。また、圧縮機(21)、外気ファン(25)、及び各内気ファン(33)が運転状態となる。圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、各室内ユニット(30)へ供給される。各室内ユニット(30)では、冷媒が室内熱交換器(31)を流れる。室内熱交換器(31)では、冷媒が室内空気(吸込空気)へ放熱し凝縮する。一方、室内熱交換器(31)で加熱された空気は、室内空間(S)へ供給される。室内熱交換器(31)で凝縮した冷媒は、室外膨張弁(23)を通過する際に減圧された後、圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
この暖房運転では、全ての室内ユニット(30)が運転状態となり、これらの室内ユニット(30)が上述のサーモオン動作とサーモオフ動作とを切り換えて行う。
〈省エネ冷房運転〉
本実施形態の空気調和機(10)では、運転条件に応じて、「省エネ冷房運転」が実行される。この点について図3〜図5を参照しながら詳細に説明する
上述のように、中間期等においては、室内空間(S)に外気を導入した方が室内空間(S)の冷房負荷を低減でき、省エネ性を向上できることがある。そこで、空気調和ユニット(1)では、外気冷房が可能な条件を判定し、この条件が成立するとユーザーに窓(3)を開放することを知らせるサインを表示する。
具体的に、制御ユニット(60)の窓開判定部(72)は、上述したように、空気調和機(10)の運転状態、設定温度T-set、外気温度To、及び内気温度Trに基づき、窓開けの要否を判断する。窓開判定部(72)が窓開けを要すると判断すると、制御ユニット(70)から室内コントローラ(50)へ信号(S6)が出力される。室内コントローラ(50)へ信号(S6)が入力されると、窓開表示部(53)がユーザーへ窓(3)を開放することを促すサインを表示する。
窓開表示部(53)のサインを確認したユーザーは、室内空間(S)の各窓(3)を開放する。そして、ユーザーは、窓開完了操作部(63)をON状態とする。この結果、窓開完了操作部(63)から制御ユニット(70)へ信号(S5)が出力される。制御ユニット(70)にこの信号(S5)が入力され、且つ入力部(71)に入力された外気温度Toが設定温度Tsよりも低くなる条件が成立すると、制御部(75)は、空気調和機(10)で省エネ冷房運転を実行させる。
省エネ冷房運転の開始時又は省エネ冷房運転の運転中には、設定温度T-setから外気温度Toを引いた差に応じて、ペリメータゾーン(P-Z)側(即ち、サーモオン動作が禁止される側)の室内ユニット(30)と、インテリアゾーン(I-Z)側(即ち、サーモオン動作が許容される側)の室内ユニット(30)とが適宜決定される。具体的に、まず、ゾーン変更部(74)は、設定温度T-setから外気温度Toを引いた差ΔTを算出する。そして、ゾーン変更部(74)は、データ記憶部(73)に記憶されたデータ(図4を参照)に基づき、ΔTに対応するパターンを選択する。
例えば温度差ΔTが比較的小さく、ゾーン変更部(74)が、パターンAを選択したとする。この場合、制御部(75)は、室内空間(S)の各ゾーン(P-Z,I-Z)を図5(A)に示す範囲とし、空気調和機(10)を制御する。この結果、パターンAに係る省エネ冷房運転では、図5(A)のインテリアゾーン(I-Z)に含まれる12台の室内ユニット(30)で通常の冷房運転が行われる。一方、パターンAに係る省エネ冷房運転では、図5(A)のペリメータゾーン(P-Z)に含まれる残り(13台)の室内ユニット(30)が強制的に停止状態となる。
即ち、本実施形態の省エネ冷房運転では、インテリアゾーン(I-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作及びサーモオフ動作が許容される。これに対し、省エネ冷房運転では、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)においてサーモオン動作が禁止される。更に、本実施形態では、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)に対応する内気ファン(33)も強制的に停止状態となる。
このように本実施形態の省エネ冷房運転では、開放された窓(3)に近いペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)が停止状態となる。各窓(3)を開放して外気冷房を行うと、外気の風向や温度の急激な変化に伴い、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)の吸込温度も変化し易くなる。しかし、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)は、いずれもサーモオン動作が禁止されている。このため、吸込温度Tiの変化に起因して、これらの室内ユニット(30)で、サーモオン動作とサーモオフ動作とが交互に頻繁に繰り返されることを確実に回避できる。
一方、本実施形態の省エネ冷房運転では、室内空間(S)の内部で発生する熱負荷の影響により温度が下がりにくいインテリアゾーン(I-Z)側において、室内ユニット(30)が通常の冷房を行う。このため、この省エネ冷房運転では、室内空間(S)の内部の熱負荷を確実に処理でき、ひいては室内空間(S)の冷房負荷を効率よく処理できる。
また、本実施形態の省エネ冷房運転では、設定温度T-setから外気温度Toを差し引いた差ΔTに応じて、サーモオン動作が禁止されるペリメータゾーン(P-Z)の台数と、サーモオン動作が許容されるインテリアゾーン(I-Z)の台数とが変化する。即ち、省エネ冷房運転では、温度差ΔTが増大することに伴い、ペリメータゾーン(P-Z)の領域が図5(A)→図5(B)→図5(C)→図5(D)の順に広くなっていく。このため、例えば外気温度が比較的低く室内空間(S)の冷房負荷が小さい条件下では、サーモオン動作を禁止する室内ユニット(30)の台数を増大でき、これらの室内ユニット(30)の発停を防止できる。逆に、省エネ冷房運転では、温度差ΔTが減少することに伴い、インテリアゾーン(I-Z)の領域が図5(A)→図5(B)→図5(C)→図5(D)の順に広くなっていく。このため、例えば外気温度が比較的高く室内の冷房負荷が大きい条件では、通常の冷房運転を行う室内ユニット(30)の台数を増大でき、室内空間(S)の内部の熱負荷を確実に処理できる。
以上のような省エネ冷房運転中において、例えば入力部(71)に入力される外気温度Toが設定温度Tsより高くなる、又は入力部(71)に窓(3)を閉じたことを示す信号が入力される、又はこれらの双方の条件が成立すると、省エネ冷房運転から通常の冷房運転へと移行する。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1では、省エネ冷房運転において、窓(3)から外気を取り込んで外気冷房を行いつつ、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作とサーモオフ動作の繰り返しを確実に防止できる。これにより、サーモオン/オフ動作の切換に伴って圧縮機(21)の回転数が変動することを防止でき、ひいては伴い圧縮機(21)の効率の低下を防止できる。従って、実施形態1に係る空気調和ユニット(1)では、外気冷房による空気調和機(10)の電力消費の削減に加え、サーモオン/オフ動作の繰り返しに起因する空気調和機(10)の電力消費も削減できる。この結果、空気調和機(10)において、省エネ性の高い冷房運転を実現できる。
また、省エネ冷房運転では、窓(3)から比較的遠いインテリアゾーン(I-Z)側の室内ユニット(30)でサーモオン動作を行うことで、室内空間(S)の内部で発生する熱負荷を効率よく処理できる。従って、室内空間(S)の快適性を十分に確保しつつ、空気調和機(10)において省エネ性の高い冷房運転を実現できる。
また、実施形態1では、図4に示すように、外気温度Toと設定温度T-setの温度差ΔTが大きくなるにつれてペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)の台数が多くなり、逆にインテリアゾーン(I-Z)側の室内ユニット(30)の台数が少なくなる。これにより、温度差ΔTが大きい条件下において、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)の発停が高頻度に繰り返されることを確実に防止できる。また、温度差ΔTが小さい条件下においても、室内空間(S)の内部の熱負荷を確実に処理でき、室内空間(S)の快適性を十分に確保できる。
《発明の実施形態2》
実施形態2に係る空気調和ユニット(1)は、図3に示す実施形態1の制御ユニット(70)と基本的な構成は同様である。実施形態2の制御ユニット(70)では、データ記憶部(73)に実施形態1と同様の4つのゾーニングパターン(パターンA〜D)が記憶される。一方、実施形態2のデータ記憶部(73)には、実施形態1のように温度差ΔTが記憶されていない。つまり、実施形態2では、外気温度Toと設定温度T-setの差に応じて、インテリアゾーン(I-Z)及びペリメータゾーン(P-Z)が変更されない。
これに対し、実施形態2のゾーン変更部(74)は、内気温度センサ(61)で検出した内気温度Trと、室内ユニット(30)の設定温度T-setとを比較し、サーモオン動作を許容する室内ユニット(30)を徐々に多くするように、ゾーニングパターンを変更する。なお、ここでいう設定温度T-setは、室内ユニット(30)の台数やゾーニングに応じて設定温度が複数設定されている場合、これらの複数の設定温度の平均値を意味する。また、ここでいう内気温度Trも、室内に複数の内気温度センサ(61)を設けた場合、これらの内気温度センサ(61)の検出した内気温度の平均値、これらの内気温度のうちの所定箇所の代表値、これらの複数の内気温度に基づいて算出された計算値等を意味する。
実施形態2の省エネ冷房運転について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。実施形態2では、制御ユニット(70)の入力部(71)に窓の開放を示す信号(S1)が入力されると(ステップSt1)、まず、制御部(75)が全ての室内ユニット(30)の運転を強制的に停止させる。つまり、ステップSt1では、全ての室内ユニット(30)のサーモオン動作が禁止された状態となる。これにより、室内空間(S)では、窓(3)から導入される外気によってのみ冷房が行われる。
次いで、ステップSt3に至ると、ゾーン変更部(74)によって内気温度Trと設定温度T-setとに基づいて、省エネ冷房運転を開始するか否かの判定が行われる。具体的に、ステップSt3において、内気温度Trが設定温度T-setよりも大きい状態が、所定の設定時間(例えば数分)が継続すると、省エネ冷房運転が開始される(ステップSt4)。
省エネ冷房運転が開始されると、実施形態1と同様に、インテリアゾーン(I-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作が許容される。これにより、外気冷房だけでは、室内空間(S)の内部の熱負荷を十分に処理できず、内気温度Trが設定温度T-setよりも高い状態が続いた場合に、インテリアゾーン(I-Z)側の室内ユニット(30)で速やかに冷房運転を行い、室内空間(S)の快適性を確保できる。また、実施形態2の空気調和機(10)では、インテリアゾーン(I-Z)が最も狭くなるパターンD(図5(D)を参照)の状態で省エネ冷房運転が開始される。
省エネ冷房運転中においては、ユーザーによる室内コントローラ(50)の操作等によって、入力部(71)に省エネ冷房運転を停止させる信号が入力されると、省エネ冷房運転が終了する(ステップSt5、ステップSt6)。
また、省エネ冷房運転中には、ステップst3と同様にして、ゾーン変更部(74)によって、内気温度Trと設定温度T-setとが比較され、ゾーニングパターンを変更するか否かの判定が行われる。つまり、ステップSt7において、内気温度Trが設定温度T-setよりも大きい状態が、所定の設定時間(例えば数分)が継続すると、ペリメータゾーン(P-Z)が縮小され、その分だけインテリアゾーン(I-Z)が拡大される(ステップSt8)。つまり、ステップSt8へ移行すると、サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数が減少し、サーモオン動作が許容される室内ユニット(30)の台数が増大する。これにより、これまでのパターンでの省エネ冷房運転では、室内空間(S)の内部の熱負荷を十分に処理できない場合にも、サーモオン動作が可能な室内ユニット(30)の台数を増やすことで、この熱負荷を確実に処理できる。なお、本実施形態の省エネ冷房運転中には、ステップSt7の条件が成立する場合、ステップSt8においては、パターンD(図5(D))→パターンC(図5(C))→パターンB(図5(B))→パターンA(図5(A))の順にペリメータゾーン(P-Z)が縮小されていく(インテリアゾーン(I-Z)が拡大されていく)。
以上のように、実施形態2では、内気温度が設定温度よりも高い条件が継続すると、インテリアゾーン(I-Z)が段階的に拡大される。この結果、室内の内部の熱負荷を確実に処理でき、室内空間(S)の快適性を十分に確保できる。実施形態2のそれ以外の作用及び効果は、実施形態1と同様である。
〈実施形態2の変形例〉
上記実施形態2の省エネ冷房運転中では、ステップSt7において、内気温度Trが設定温度T-setよりも大きい状態が、所定の設定時間(例えば数分)が継続すると、ステップSt8へ移行し、ペリメータゾーン(P-Z)を縮小させている。しかし、ステップSt7において、サーモオン状態の室内ユニット(30)が冷房能力が所定の能力を越えており且つ内気温度Trが設定温度T-setよりも大きい状態が所定時間以上継続すると、ステップSt8へ移行し、ペリメータゾーン(P-Z)を縮小させてもよい。ここで、サーモオン状態の室内ユニット(30)の冷房能力が所定の能力を越えているか否かは、例えば圧縮機(21)の回転数やモータの入力電流等を用いて判定することができる。
《その他の実施形態》
上述した実施形態については、以下のような構成としてもよい。
省エネ冷房運転時において、外気によって処理できる熱量と、室内空間(S)の内部で発生する熱量とを適宜算出し、ペリメータゾーン(P-Z)とインテリアゾーン(I-Z)の範囲(即ち、サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数と、サーモオン動作が許容される室内ユニット(30)の台数)を決定してもよい。外気によって処理できる熱量は、例えば外気温度To、設定温度T-set、換気量等を用いて算出できる。また、室内空間(S)の内部で発生する熱量は、照明やパソコン等の機器の発熱量、在室率、日射量等を用いて算出できる。
また、上述した実施形態の省エネ冷房運転では、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作を禁止するとともに、対応する室内ユニット(30)の内気ファン(33)を停止させている。しかし、省エネ冷房運転において、ペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作を禁止する一方、対応する室内ユニット(30)の内気ファン(33)を運転してもよい。
また、上述した実施形態では、ユーザーに窓(3)を開放することを促す窓開表示部(53)を、室内コントローラ(50)に設けている。しかし、例えば室内ユニット(30)のうち天井面に沿って形成される化粧パネルの下面に窓開表示部(53)を設けてもよいし、他の箇所に設けてもよい。
また、上述した実施形態では、在室者が窓開完了操作部(63)をONさせることで、制御ユニット(70)の入力部(71)に窓(3)が開放されたことを示す信号(S1)が入力される。しかし、例えば窓(3)の付近に近接センサ等を取り付け、窓(3)が開放したことを直接検出し、入力部(71)へ信号(S1)を出力するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、複数の室内ユニットによって室内空間を冷却する空気調和機の制御装置について有用である。
S 室内空間
P-Z ペリメータゾーン
3 窓
5 冷媒配管
10 空気調和機
11 冷媒回路
20 室外ユニット
21 圧縮機
30 室内ユニット
70 制御ユニット
71 入力部
74 ゾーン変更部(変更部)
75 制御部

Claims (5)

  1. 圧縮機(21)を有する室外ユニット(20)と、該室外ユニット(20)に冷媒配管(5)を介して接続され同一の室内空間(S)を冷房する複数の室内ユニット(30)とを備えた空気調和機(10)の制御装置であって、
    上記室内空間(S)の窓(3)が開放されたことを示す信号が入力される入力部(71)と、
    上記入力部(71)に上記信号が入力されている時に、上記複数台の室内ユニット(30)のうちペリメータゾーン(P-Z)側の室内ユニット(30)のサーモオン動作を禁止し、残りの室内ユニット(30)のサーモオン動作を許容する省エネ冷房運転を実行するように上記空気調和機(10)を制御する制御部(75)と
    を備えていることを特徴とする空気調和機の制御装置。
  2. 請求項1において、
    上記省エネ冷房運転中にサーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数を変更する変更部(74)を備えていることを特徴とする空気調和機の制御装置。
  3. 請求項2において、
    上記変更部(74)は、上記室内ユニット(30)の設定温度から外気温度を引いた差の増大に伴って、上記省エネ冷房運転中に上記サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数を増やすように構成されることを特徴とする空気調和機の制御装置。
  4. 請求項2において、
    上記変更部(74)は、上記省エネ冷房運転中において、内気温度が室内ユニット(30)の設定温度よりも大きい時に、上記サーモオン動作が禁止される室内ユニット(30)の台数を減らすように構成されることを特徴とする空気調和機の制御装置。
  5. 請求項4において、
    上記制御部(75)は、上記入力部(71)に上記信号が入力されると、全ての室内ユニット(30)を停止し、該全ての室内ユニット(30)の停止中に内気温度が室内ユニット(30)の設定温度より大きい時に、上記省エネ冷房運転を開始させることを特徴とする空気調和機の制御装置。
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