JP2013253716A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】地熱に加え、建物躯体に蓄積された熱も利用する空調システムを提供する。
【解決手段】空調システム10は、地盤に接して構築されたコンクリート製の床スラブ14と、床スラブ14の上に建てられた建物12と、所定の勾配で、床スラブ14の直下地盤28に埋設された熱交換管16と、熱交換管16の一端部に連結され、熱交換管16へ外気を取り込む外気導入管33と、熱交換管16の他端部に連結され、熱交換管16内の空気を建物内12に取込む引込管32と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調システムに関する。
従来から、地中に熱交換チューブを埋設し、地熱を換気や冷暖房に利用する空調システムが採用されている。地中に熱交換チューブを埋設する場合の問題点の1つに、夏場の冷房使用時に、熱交換チューブの内部に発生する結露水対策が必要となる点がある。即ち、熱交換チューブ内に結露水が残留すればカビ、ダニ、バクテリア等の発生原因となり、熱交換チューブ内を通過させる供給空気が汚染されてしまう。熱交換チューブの内部に発生する結露水の処理に関する技術として特許文献1がある。
特許文献1は、地中若しくは水中に、熱交換チューブ(熱交換装置)を傾斜させて埋設し、熱交換装置を通過させた供給空気を、熱交換装置を介して地中若しくは水中の熱と熱交換させる構成である。これにより、熱交換装置の内部で生じた結露水は、熱交換装置の傾斜に沿って最下部へ流され、熱交換装置の最下部にある集水室に集められる。集水室に集められた結露水は、ポンプで地表へ排水される。
特開2005−283007号公報
しかし、特許文献1は、地中において、気温の影響を受けにくく、1年を通じてほぼ一定前後を維持している深さ(地表面から3〜5m程度と思われる。)に、熱交換装置を埋設し、地中温度が気温の影響を受けにくいことを利用して、地熱を空調に利用する構成である。このため、例えば、地上に建てられた建物躯体に蓄熱された熱を、熱交換管で利用することはできない。
本発明は、上記事実に鑑み、地熱に加え、建物躯体に蓄熱された熱も利用可能な空調システムの提供を目的とする。
請求項1に記載の発明に係る空調システムは、地盤に接して構築されたコンクリート製の床スラブと、前記床スラブの上に建てられた建物と、所定の勾配で、前記床スラブの直下地盤に埋設された熱交換管と、前記熱交換管の一端部に連結され、前記熱交換管へ外気を取り込む外気導入管と、前記熱交換管の他端部に連結され、前記熱交換管内の空気を前記建物内に取り込む引込管と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、床スラブの直下地盤に埋設された熱交換管により、外気導入管から導入された外気が地中で床スラブの直下地盤と熱交換され、熱交換された外気が引込管から建物内部へ取り込まれる。
ここに、床スラブの底面は直下地盤と接しており、床スラブが日射により昇温されたとき、床スラブに蓄えられた熱が、床スラブから直下地盤へ、直下地盤から熱交換管内の供給空気へと順次伝えられる。
この結果、直下地盤の地熱のみでなく、建物の床スラブ蓄えられ、直下地盤に伝えられた熱を空調に利用することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空調システムにおいて、前記熱交換管の所定の勾配は1/100〜1/50であり、前記熱交換管には、結露水の排出部が設けられ、前記結露水は、排水用の枡に自然排水されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、熱交換管で発生した結露水は、1/100〜1/50とされた熱交換管の所定の勾配に沿って、自然に下方へ流下され、熱交換管に設けられた結露水の排出部に集められる。排出部に集められた結露水は、排水用の枡に自然排水される。
これにより、熱交換管の内部に結露水が発生しても、滞留することなく熱交換管の内部から排水用の枡に自然に排水される。この結果、熱交換管の内部が常に清潔に維持され、カビの発生等が抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の空調システムにおいて、前記熱交換管の最深管底部は、地盤表面から1.0m以内であり、前記床スラブの直下には、砕石又は土砂が敷き詰められていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、熱交換管は床スラブ近傍の浅い位置(最深管底部が地盤表面から1.0m以内)に埋設されている。この結果、熱交換管により、床スラブ近傍の浅い位置の直下地盤と供給空気が熱交換される。
また、床スラブの直下に敷き詰められた砕石又は土砂により、床スラブに蓄えられた熱が、床スラブと直接接触する砕石又は土砂を介して直下地盤に伝えられる。これにより、床スラブから直下地盤への熱移動を効果的に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調システムにおいて、前記床スラブの上面には、ころがし根太の上に床板を敷設、直接床板を敷設、又はクッション材を設けて床板を敷設する直張り床が設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、床スラブの上面に設けられた直張り床により、日中の日射が床スラブに熱として伝えられる。ここに、直張り床は、床板と床スラブとの間にころがし根太を敷設した構成、ころがし根太を設けずに直接床板を敷設した構成、又はころがし根太の代わりにクッション材を設けて床板を敷設した構成であり、いずれも、床板と床スラブとの距離が近く、床板温度が上昇し又は下降すれば、床スラブ温度も上昇し又は下降する。この結果、床スラブに熱として効率よく蓄えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空調システムにおいて、前記床スラブの外周部には、前記直下地盤の内部へ壁状に延設された側壁部が形成され、前記側壁部の外周面には、断熱材が設けられていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、床スラブの外周部の直下地盤の内部へ壁状に延設された側壁部により、更に、側壁部の外周面には設けられた断熱材により、床スラブの直下地盤と、周囲地盤が区画され、床スラブの直下地盤と周囲地盤との間の熱交換が抑制さる。これにより、床スラブから、床スラブの直下地盤へ伝えられた熱を蓄熱でき、有効に利用できる。
本発明は、上記構成としてあるので、地熱に加え、建物躯体に蓄積された熱を空調利用することができる。
は本発明の第1の実施形態に係る空調システムの基本構成を示す断面図である。 は本発明の第1の実施形態に係る床スラブの平面構成を示す上面図である。 は本発明の第1の実施形態に係る建物の側面構成を示す部分断面図である。 は本発明の第1の実施形態に係る空調システムの熱交換チューブの夏季のシミュレーション例を示す温度特性図である。 は本発明の第1の実施形態に係る空調システムの熱交換チューブの冬季のシミュレーション例を示す温度特性図である。 は本発明の第2の実施形態に係る床スラブの平面構成を示す上面図である。 (A)は本発明の第3の実施形態に係る空調システムの基本構成を示す断面図であり、(B)は床スラブ外周部の部分拡大図である。
(第1の実施形態)
図1、2を用いて、第1の実施形態に係る空調システム10を説明する。
図1は、空調システム10の基本構成を示す断面図であり、図2は、床スラブの平面構成の一例を示す上面図である。
空調システム10における空調対象の建物12は、1階にコンクリート製の床スラブ14を有し、床スラブ14の直下地盤28には、熱交換管(以下、熱交換チューブと記す。)16が埋設されている。
床スラブ14は、建物12の全体を支持する大きさで形成され、外周部には、直下地盤28の内部へ壁状に延設された側壁部44が設けられている。側壁部44により、直下地盤28と周囲地盤29が区画されている。側壁部44の下端部は、割栗石46で支持されている。
床スラブ14の底面は、直下地盤28の表面と接し、直下地盤28と接する直下地盤28の上部には、砕石34が敷き詰められている。即ち、床スラブ14の底面と直下地盤28の上面の砕石34が密着され、床スラブ14の底面と直下地盤28の上面との間には空間は設けられていない。
なお、砕石34の代わりに土砂を敷き詰めてもよい。このとき、土砂は乾燥した土砂とするのが望ましい。砕石34や乾燥した土砂を利用することで、降雨後の水はけが良くなり、地下水による熱移動が抑制され、蓄熱性能や熱伝導性能を高めることができる。
これにより、床スラブ14と直下地盤28を、蓄熱及び放熱機能を備えた蓄熱層として利用することができる。
このように、熱容量の大きい蓄熱層を利用することにより、日中と夜間を通した熱エネルギーの平準化、更には、夏季と冬季を通した熱エネルギーの平準化を図ることができ、建物12において消費されるトータルエネルギーの低減、即ち、省エネルギー化を図ることができる。
床スラブ14の上部には建物12が構築され、建物12は、用途に対応した複数の部屋に区画されている。図示は省略するが、建物12の内部には、換気装置や冷暖房機器が設けられ、各部屋の換気や冷暖房が図られている。
各部屋の床スラブ14の上面には、直張り床42が敷設されている。直張り床42は、床スラブ14の上面に所定の間隔で並べられた転がし根太38の上に、床板40が敷かれた構成である。即ち、床板40と床スラブ14の間には、転がし根太38の高さ寸法しか開いてなく、床スラブ14に近接して床板40が敷設されている。
これにより、床板40から床スラブ14への伝熱性能を高くすることができる。
なお、直張り床は、転がし根太38を用いない構成であってもよい。例えば、ころがし根太を設けずに、床スラブ14の上面に、直接床板を敷設してもよい。この構成は、土足で入室する部屋に広く採用することができる。更に、ころがし根太の代わりに、床スラブ14の上面にクッション材を設け、クッション材の上に床板を敷設してもよい。これにより、土足を脱いで使用されても、転がし根太38と同様の床の感触を得ることができる。
熱交換チューブ16は、直下地盤28に埋設されても当初の形状を維持する耐食性及び剛性を有し、更に、熱交換チューブ16内部の供給空気と外部の直下地盤28との間で熱交換が可能な、熱伝導性能を備えた樹脂製の筒体(例えば塩化ビニール管等)、又は金属製の筒体(例えば銅管等)であればよい。
次に、熱交換チューブ16を床スラブ14の南側に埋設する場合について説明する。
図2の平面図に示すように、熱交換チューブ16は、床スラブ14の南側に面した直下地盤に配置されている。これにより、主として冬季に、南側窓からの日射を多く利用でき、暖房性能が向上する。
図1、2に示す熱交換チューブ16は、直径が150mmの塩ビパイプが使用され、送り側の熱交換チューブ16Aと、戻り側の熱交換チューブ16Bが並べて埋設され、床スラブの端部がU字状に折曲げ部16Uとされ、熱交換チューブ16Aのほぼ中央部が折り返し部16Eとされている。
なお、塩ビパイプの直径150mmは一例であり、空調する建物の大きさや空調負荷等により最適値を決定すればよい。実用的な目安としては、直径100mm〜200mmの範囲で使用するのが望ましい。
また、熱交換チューブ16の全長を、本実施例では約10mとした。しかし、この全長10mも一例であり、空調する建物の大きさや間取り等により最適値を決定すればよい。実用的な目安としては、全長5m〜30mの範囲で使用するのが望ましい。
熱交換チューブ16は、勾配1/100〜1/50で埋設されており、一端16Dが外気導入管33と連結され、他端16Uが引込管32と連結されている。
ここに、外気導入管33との連結部16Dが熱交換チューブ16の最下部であり、熱交換チューブ16の側壁には、熱交換チューブ16の内部で発生した結露水を集めて排出させる排水孔30が設けられている。また、引込管32と戻り側の熱交換チューブ16Bとの連結部が最上部とされている。
排水孔30には、排水管24が接続されている。排水管24の途中には、排水トラップ26が設けられ、排水管24の他端は排水用の枡22へ繋ぎ込まれている。これにより、連結部16Dに集められた結露水を排水用の枡22へ排出することができる。
なお、排水用の枡22は、例えば浸透枡、上下落差のある下水管、又は側溝等へつながる最終枡であればよい。
ここに、熱交換チューブ16の最下部16Dは、地盤表面29Fから1.0m以内の深さが望ましい。有効に床スラブ14の熱を空調に利用するためである。
これにより、以下のように結露水の処理も容易となる。即ち、床スラブ14の地盤表面29Fから熱交換チューブ16の最下部までの深さをH1とし、例えば、枡22の代表例としての浸透枡の地表面29Fからの深さをH2とする。
一般に地表面29Fからの深さH2は2m〜3m程度であることから、熱交換チューブ16の最下部の連結部16Dと浸透枡との位置関係は、H2>H1となり、熱交換チューブ16の最下部の連結部16Dから浸透枡へ、結露水を自然排水させることができる。
なお、浸透枡以外の排水用の枡22においても、地表面29Fからの深さH2が1.0mを越えれば、結露水を自然排水させることができる。
建物12の内部には送風ファン18が設けられ、熱交換チューブ16の一方の最上端側の連結部16Uに連結された引込管32が、床スラブ14を貫通して送風ファン18の吸引側に接続されている。一方、外気36を導入する外気導入管33は、熱交換チューブ16の最下端側の連結部16Dと接続されている。
これにより、送風ファン18を運転することにより、外気導入管33から導入された外気(以下、供給空気と記す。)は、熱交換チューブ16で周囲の直下地盤28と熱交換され、引込管32を通り建物12の内部へ取り込まれる。
建物12の内部へ取り込まれた供給空気は、新鮮空気として建物内に供給され、換気に利用することができる。若しくは、暖冷房用の新鮮空気として、空調機の吸込空気と混合することができる。これにより、空調空気として利用することができる。このとき、熱交換チューブ16を通過する供給空気は、換気装置や空調機の運転制御により制御される。
以上説明した構成とすることにより、冬季には太陽高度hが低いため、日中、南側のガラス窓からの日射しを受けて、床スラブ14の温度が上昇する(図3参照)。即ち、直射日光が室内に射し込み、床板40を暖める。床板40の直下には、近接して床スラブ14が設けられているため、暖められた床板40の熱は床スラブ14へ伝えられる。これにより、床スラブ14と接している直下地盤28の上部も加熱される。
この結果、直下地盤28の地熱に加え、太陽熱や建物12内の余剰熱により床スラブ14から伝えられた地熱でも加熱されるため、熱交換チューブ16を通過する供給空気の温度が上昇する。
なお、建物12内の余剰熱とは、建物12の内部で、生活に伴い発生する熱(例えば調理熱や風呂熱等)をいう。
一方、夏季においては、太陽高度が高く、建物12の内部に入ってくる日射はなくなり、直射日光による床面40の温度上昇はなくなる。このため、床板40から床スラブ14への熱の移動は低減する。また、日中の直下地盤28の温度は、直射日光の影響を受けないため、外気36の温度より低い値となる。更に、冷房の冷気で建物12の内部が冷やされた場合には、床スラブ14及び直下地盤28が冷却される。
この結果、熱交換チューブ16に外気36を通過させることで、直下地盤28で外気36が冷やされ、外気36の温度より低い温度の空気を、建物12の内部へ取り込むことができる。
このとき、外気36が熱交換チューブ16で冷却され、熱交換チューブ16の内部に結露が発生しても、熱交換チューブ16の傾斜により、結露水は、周囲よい低くされた最下部16Dへ集められ、最下部16Dから排水用の枡22へ自然排水される。
これにより、熱交換チューブ16の内部での結露水の滞留が抑制され、熱交換チューブ16の内部が清潔に保たれ、清浄な空気を供給することができる。
次に、地熱利用の効果について、図4、5を用いて説明する。
図4、5はシミュレーション計算の結果である。計算条件は、深さ1.0mの地中に長さ10mの熱交換チューブを埋設し、群馬県前橋市の気象データを用いて、熱交換チューブの出口温度(空気温度)をシミュレーションで算出した。
計算に使用した熱交換チューブは、直径150mmの塩化ビニール管であり、熱交換チューブの内部を通過する供給空気の風量は、建物の必要換気回数N(N=0.5回/h以上)を確保可能な風量とした。シミュレーションで使用したソフトは「TRNSYS」(米国製)である。
図4に夏季の計算結果を示す。図4において横軸は日時、縦軸は出口温度である。計算期間は2011年8月7日〜8月13日の連続した7日間とし、前橋市の気象データを使用して計算した。
図4の実線52は外気温度の変化を示し、破線54は熱交換チューブの出口温度の計算結果を示している。外気温度は、日中は30℃〜35℃程度まで上昇し、夜間は23℃〜27℃程度まで低下している。
熱交換チューブの出口温度は、外気温度とほぼ同じ温度変化の傾向を示し、日中は温度が高く、夜間は温度が低下している。
熱交換チューブの出口温度と外気温度との差から、熱交換チューブの効果としては、外気温度が高くなる日中では、外気温度より2〜3℃程度低下させ、外気温度が低くなる夜間には、外気温度より1℃程度低下させる結果となった。
図5に冬季の計算結果を示す。図5において横軸は日時、縦軸は出口温度である。計算期間は2011年1月27日〜2月2日の連続した7日間とし、前橋市の気象データを使用して計算した。
図5の実線56は外気温度の変化を示し、破線58は熱交換チューブの出口温度の計算結果を示している。外気温度は、日中は4℃〜8℃程度まで上昇し、夜間は2℃〜−2℃程度まで低下している。
熱交換チューブの出口温度は、外気温度とほぼ同じ温度変化の傾向を示し、日中は温度が高くなり、夜間は温度が低下している。
熱交換チューブの出口温度と外気温度との差から、熱交換チューブの効果としては、外気温度が高くなる日中では、外気温度とほぼ同等であり、外気温度が低くなる夜間には、外気温度より1℃程度上昇する結果となった。
ここに、図4、5の出口温度特性の計算モデルは、地中に埋め込んだ熱交換チューブに所定量の空気を流しただけの単純化した計算モデルである。このため、本実施形態で説明したような建物躯体に蓄熱された熱の影響は考慮していない。上述したように、本実施形態では、床スラブ及び直下地盤を蓄熱層として活用しており、同じ気象環境でも、空調に利用できる熱は、シミュレーション結果より増大するものと期待される。
本実施形態とすることにより、直下地盤28の地熱に加え、建物12の躯体に蓄積された熱を空調利用することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る空調システムは、図6に示すように、熱交換チューブ48の埋設位置を第1の実施形態と異ならせている。第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図6に示すように、熱交換チューブ48は、床スラブ60中央の直下地盤28に配置され、所定の勾配(1/100〜1/50)で埋設されている。
熱交換チューブ48の図示しない最下部48Dには、熱交換チューブ48の内部で発生した結露水を集めて排出させる排水孔30が設けられている。
熱交換チューブ48は、直径が150mmの塩ビパイプが使用され、送り側の熱交換チューブ48Aと、戻り側の熱交換チューブ48Bが並べて埋設され、床スラブの途中で2箇所がL字状に折曲げられている。また、熱交換チューブ48Aのほぼ中央部が折り返し部48Eとされている。なお、熱交換チューブ48は、全長が約10mとされている。
熱交換チューブ48は、床スラブ60の直下地盤のほぼ中央部に配置されているため、日射の影響を受けにくい。これにより、日中と夜間を通した熱エネルギーの平準化、更には、夏季と冬季を通した熱エネルギーの平準化を図ることができ、建物12において消費されるトータルエネルギーの低減、即ち、省エネルギー化を図ることができる。
他は、第1の実施形態と同じであり説明は省略する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る空調システム70は、図7に示すように、床スラブ14の側壁部44の外周面に断熱材74を設けた点が、第1の実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
図7に示すように、床スラブ14の外周部には、直下地盤の内部へ向けて壁状に延設された側壁部44が形成されている。また、側壁部44の外周面には、断熱材74が設けられている。断熱材74は、所定の厚さで側壁部44の周囲を全高に渡り囲む構成とされている。
これにより、側壁部44と、側壁部44の外周面を囲む断熱材74により、床スラブ14の直下地盤28と周囲地盤29が区画される。この結果、直下地盤28と周囲地盤29との間の熱交換が抑制され、床スラブから伝えられた熱が直下地盤28内で保持され、熱交換チューブ16で取出すことができる。
これにより、床スラブ14と直下地盤28を、蓄熱及び放熱機能を備えた蓄熱層として利用することができる。このように熱容量の大きな蓄熱層を利用することにより、日中と夜間を通した熱エネルギーの平準化、更には、夏季と冬季を通した熱エネルギーの平準化を図ることができる。このとき、断熱材74で直下地盤28と周囲地盤29の熱交換がより抑制されるため、第1の実施形態に比べて、建物12における消費されるトータルエネルギーの更なる低減、即ち、更なる省エネルギー化を図ることができる。
他は、第1の実施形態と同じであり説明は省略する。
なお、本実施形態を第2の実施形態に適用してもよい。これにより、第1の実施形態に適用した場合と同様に、床スラブ60と直下地盤28を、蓄熱及び放熱機能を備えた蓄熱層として利用することができる。このように熱容量の大きな蓄熱層を利用することにより、日中と夜間を通した熱エネルギーの平準化、更には、夏季と冬季を通した熱エネルギーの平準化を図ることができる。このとき、断熱材74で直下地盤28と周囲地盤29の熱交換がより抑制されるため、第2の実施形態に比べて、建物12における消費されるトータルエネルギーの更なる低減、即ち、更なる省エネルギー化を図ることができる。
他は、第2の実施形態と同じであり説明は省略する。
10 空調システム
12 建物
14 床スラブ
16 熱交換チューブ(熱交換管)
16D最深管底部
22 排水用の枡
30 排水孔(結露水の排出部)
32 引込管
33 外気導入管
34 砕石
38 ころがし根太
40 床板
42 直張り床
44 側壁部
74 断熱材

Claims (5)

  1. 地盤に接して構築されたコンクリート製の床スラブと、
    前記床スラブの上に建てられた建物と、
    所定の勾配で、前記床スラブの直下地盤に埋設された熱交換管と、
    前記熱交換管の一端部に連結され、前記熱交換管へ外気を取り込む外気導入管と、
    前記熱交換管の他端部に連結され、前記熱交換管内の空気を前記建物内に取込む引込管と、
    を有する空調システム。
  2. 前記熱交換管の所定の勾配は1/100〜1/50であり、前記熱交換管には、結露水の排出部が設けられ、前記結露水は、排水用の枡に自然排水されている請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記熱交換管の最深管底部は、地盤表面から1.0m以内であり、前記床スラブの直下には、砕石又は土砂が敷き詰められている請求項1又は2に記載の空調システム。
  4. 前記床スラブの上面には、ころがし根太の上に床板を敷設、直接床板を敷設、又はクッション材を設けて床板を敷設した直張り床が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調システム。
  5. 前記床スラブの外周部には、前記直下地盤の内部へ壁状に延設された側壁部が形成され、前記側壁部の外周面には断熱材が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の空調システム。
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