JP2013253279A - 電解システム - Google Patents

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秀之 西田
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Abstract

【課題】本発明は、電解システムに関し、エネルギ効率良く、工業上必要量のCO、Hを短時間で得ることが可能な電解システムを提供することを目的とする。
【解決手段】エネルギ換算したCOとHの生成速度と、電気分解時のエネルギ効率との積は、ある電解電圧Vにおいて極大値を取る。そこで、この極大値に相当する電解電圧Vを、陰極24と陽極28との間に印加する電圧として設定する。このように設定すれば、エネルギ効率と生成速度とのバランスを取ることができる。よって、電気分解の際に工業的必要量のCOとHをエネルギ効率よく得ることが可能となる。
【選択図】図5

Description

この発明は、電解システムに関する。より詳細には、フィッシャー・トロプシュ反応(FT反応)の反応物としてのCOとHを生成する電解システムに関する。
石油、石炭、天然ガスといった化石燃料は、熱、電気の生成の原料や、運輸燃料として使用され、現代のエネルギ消費社会を支えている。しかし、このような化石燃料は使い切り燃料であり、その埋蔵量には限りがある。そのため、化石燃料が枯渇した場合の備えが必要であることは言うまでもない。
化石燃料に代わる代替燃料のひとつに、炭化水素系燃料(HC)がある。HCに関し、例えば特許文献1には、KHCO水溶液を電解質に、銅合金を電極にそれぞれ使用した電気分解において、電極間の電位差がある一定範囲のときにCHやCの生成電流効率が向上したことが開示されている。生成電流効率は、電極間電位差と生成物量とを用いて算出される評価指標であり、その値が高いほど生成物を効率良く製造できることを示している。また、特許文献1には、中間生成物としてのCOや、副生成物としてのHがCHやCと同時に生成し、これらの生成電流効率についても電極間電位差に応じて変化することが開示されている。
また、特許文献2には、上記特許文献1同様の電解手法において、電解質中に含まれる重金属を陽イオン交換樹脂によって除去することで、CH、C、COやHの生成電流効率を向上できることが開示されている。また、同文献には、電解条件(電解電位および通電電流量)によって上記生成物の量が増減することや、上記生成物の目的量に応じて電解条件を設定すべきことが開示されている。
特開2003−213472号公報 特開平7−118886号公報
ところで、HCについては、電気分解以外の手法によっても得られることが知られている。代表的な手法として、COとHのFT反応が挙げられる。上記特許文献1や2においては、KHCO水溶液に含まれるCOとHOの電気分解によりCO、Hを得られる。そのため、このCO、HをFT反応してHCを合成すれば、電解生成物であるCH、Cと併せ、原料を有効活用してHCを多く得られることになる。従って、電気分解と組み合わせたFT反応は、HC製造の有力な手法として今後、更なる開発が見込まれるところである。
ここで、上記特許文献1や2に開示された生成電流効率と類似の評価指標として、エネルギ効率がある。エネルギ効率とは、投入エネルギに対する生成物の発熱量として定義されるものである。このエネルギ効率に関し、FT反応時のエネルギ効率は、FT反応に投入するエネルギと、生成物(即ちHC)の発熱量とから求められる。FT反応においては、COとHとがH:CO=2:1(モル比)で反応する。そのため、CO、Hのモル比率(以下「CO/H」ともいう。)を1/2(以下「最適比率」ともいう。)にしてFT反応させれば、エネルギ効率良くHCを製造できることに繋がるので望ましい。
また、CO/Hの調整を電気分解の時点で行うことができれば、HCを原料生成段階から効率よく製造できることに繋がるので望ましい。ここで、電気分解時のエネルギ効率は、電極間電位差によって算出される投入エネルギと、生成物(即ちCO、H)の発熱量とから求められる。そして、この電気分解時のエネルギ効率を向上できれば、原料生成段階からエネルギ効率よくHCを製造できるので望ましい。
ここで、電気分解時のエネルギ効率に関し、電極間電位差を小さくすれば、投入エネルギが少なく済むのでその向上が期待できる。しかしながら、電極間電位差を小さくすれば、それだけ生成速度が低下する。従って、工業的必要量を短時間で得るためには何らかの対策が必要となる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものである。即ち、エネルギ効率良く、工業上必要量のCO、Hを短時間で得ることが可能な電解システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、COとHOとからCOとHとを含む合成ガスを生成する電解システムであって、
COを吸収させた電解液を内部に備える電解槽と、
前記電解槽に設けられた一組の電極と、
電気分解時に投入するエネルギに対する前記合成ガスの発熱量で規定されるエネルギ効率を示す第1指標と、電気分解時に生成する前記合成ガスの生成速度を示す第2指標との積が最大化するよう予め設定された電位差を、前記一組の電極間に印加する電位制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記電解槽内の電解液にCOを供給するCO供給手段を備え、
前記CO供給手段は、電気分解中、前記電解液のCO濃度が電気分解開始前のCO濃度に維持されるようCOを供給することを特徴とする。
本発明によれば、電気分解時に投入するエネルギに対する合成ガスの発熱量で規定されるエネルギ効率を示す第1指標と、電気分解時に生成する合成ガスの生成速度を示す第2指標との積が最大化するよう予め設定された電位差を電極間に印加できるので、該エネルギ効率と該生成速度とのバランスを取りつつ、工業上必要量のCO、Hを短時間で得ることが可能となる。
実施の形態1の電解システムを含む燃料製造システムの全体構成を示す概略図である。 図1の電解器10の概略図である。 電気分解時のエネルギ効率と、電解電圧との関係を示した図である。 電気分解の際に生成するCOとHの生成速度と、電解電圧との関係を示した図である。 陰極24と陽極28との間に印加する電圧の設定手法を説明するための図である。 実施の形態1におけるCO/H調整制御を説明するための図である。 実施の形態1において、制御装置40により実行される電気分解処理ルーチンのフローチャートである。 実施の形態2におけるCO/H調整制御を説明するための図である。 実施の形態2において、制御装置40により実行される電気分解処理ルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
先ず、図1乃至図7を参照しながら、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、実施の形態1の電解システムを含む燃料製造システムの全体構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、電気分解によりCOガスおよびHガスを同時に生成する電解器10を備えている。電解器10は、その装置内温度を所定範囲内に制御する温度制御装置(図示しない)付きの電解装置である。電解器10の詳細な構成は、図2の説明の際に説明する。
電解器10の上流側には、CO吸収(溶解)済みの電解液(例えば、KHCO水溶液)をその内部に貯留する電解液タンク12が設けられている。電解液タンク12内の電解液は、そのCO濃度が所定濃度に保たれており、図示しない送液用ポンプによって電解器10に送られる。
電解液タンク12の上流側にはCO吸収器14が設けられている。CO吸収器14は、大気をバブリング導入するための大気流入経路14aを備えており、大気中のCOをその内部に貯留した電解液に吸収させることができる。また、CO吸収器14は、大気放出経路14bをも備えており、この大気放出経路14bからCO濃度の低下した大気を放出させることができる。CO吸収器14内の電解液は、COの吸収後に図示しない送液用ポンプによって電解液タンク12に送られる。更に、CO吸収器14は、大気導入経路14cを備えている。大気導入経路14cは、CO吸収器14の内部において大気流入経路14aから分岐したものであり、電解器10内部の電解液に大気中のCOを吸収させることができる。
また、電解器10の上流側には、水タンク16が設けられている。水タンク16内の水は、図示しない送液用ポンプによって電解器10に送られる。尚、本発明における「電解液」とは、電解液タンク12やCO吸収器14内に貯留されている電解液のみを指すのではなく、この電解液と水タンク16内の水とが混合した状態の混合液体をも含めたものを指すものとする。
本実施形態において、電解器10、電解液タンク12、CO吸収器14、大気流入経路14a〜14cおよび水タンク16は、バッチ式の電解システムを構成する。ここで、バッチ式の電解システムとは、電解開始前に事前設定した電解条件(電解器10内の電解液中のCO濃度、印加電圧)にて電気分解を行うシステムをいう。つまり、バッチ式の電解システムでは、電気分解中、電解器10内に電解液やCOの追加補充が行われることはない。
電解器10の下流側には、FT合成器18が設けられている。FT合成器18の内部には、鉄、コバルト、ルテニウム系のFT触媒(図示しない)が設けられている。FT合成器18は、このFT触媒の作用により、電解器10からの合成ガス(CO、H)をHCに変換可能に構成されている。
FT合成器18におけるFT反応は、下記式(1)で表すことができる。
CO(g)+2H(g)→−[1/n(CH]−(l)+HO(g)+167kJ/mol−CO ・・・(1)
上記式(1)において、−[1/n(CH]−(l)は、液体状のHCを表すものとする。FT反応により得られたHCは、FT合成器18の下流側の燃料タンク20に蓄えられる。
また、本実施形態のシステムは、CO吸収器14から電解液タンク12への送液、電解液タンク12または水タンク16から電解器10への送液、電解器10での電気分解、FT合成器18でのHC合成等を制御するための制御装置40を備えている。制御装置40の入力側には、電解器10内の電解液中のCO濃度を測定可能に構成されたCOセンサ42、ガス取り出し部34(後述)を流れるCOおよびHの量を測定可能に構成された流量センサ44等が接続されている。他方、制御装置40の出力側には、上述した送液用ポンプ、後述する電源36等が接続されている。
次に、図2を参照しながら、電解器10の構成について説明する。図2は、図1の電解器10の概略図である。図2に示すように、電解器10は、CO吸収済みの電解液を備える電解槽22を備えている。電解槽22は、陰極24を有するカソード室26と、陽極28を有するアノード室30と、カソード室26とアノード室30とを連結する連結室32とから構成されている。
陰極24は、電気分解時にCOを選択的にCOに還元可能なCO還元触媒と、電極本体とから構成されている。電極本体は、電気分解時にCO還元触媒での反応を阻害しない金属から構成される。CO還元触媒は、電極本体の表面の少なくとも一部にコーティングされている。陽極28は、電気分解時に電解液に溶解しない金属(例えばPt)から構成されている。
また、電解器10は、ガス取り出し部34を備えている。ガス取り出し部34は、カソード室26の上方に設けられており、FT合成器18に接続されている。また、電解器10は、陰極24と陽極28との間に電圧を印加する電源36(例えばポテンショスタット)を備えている。
制御装置40により電源36を制御して、陰極24と陽極28との間に電圧を印加すると、各電極において下記式(2)〜(4)の電気化学反応が進行する。
陰極24:CO+2H+2e→CO+HO ・・・(2)
2H+2e→H ・・・(3)
陽極28:2HO→O+4H+4e ・・・(4)
上記式(2)の反応は、陰極24上のCO還元触媒が電解液に接する箇所において進行する。上記式(3)の反応は、陰極24の電極本体が電解液に接する箇所において進行する。つまり、陰極24においては、COとHとが同時に生成する。陰極24で生成したCOとHは、電解液に溶解することなくカソード室26上方で混合ガスを形成し、ガス取り出し部34を経由してFT合成器18に流入する。
上記式(4)の反応は、陽極28が水に接する箇所において進行する。陽極28で生成したOは、電解液に溶解することなくアノード室30上方からに移動し、システムの外部に放出される。
[実施の形態1の特徴]
上記式(1)に示したように、FT反応の際にHとCOはH:CO=2:1で反応する。そのため、CO/Hを最適比率にしてFT反応できれば、反応の際のエネルギ効率を向上できる。従って、FT反応に際しては、反応前に予めCO/Hを最適比率に調整しておくことが望ましい。また、CO/Hの調整を電気分解の時点で行うことができれば、HCを原料生成段階から効率よく製造できることに繋がるので望ましい。この点を考慮し、本実施形態においては、CO/H(累積値)が最適比率となるように上記電解条件を設定している。以下、上記電解条件の設定手法について説明する。
先ず、上記電解条件のうちの印加電圧に関し、電気分解時のエネルギ効率は、陰極24と陽極28との間に印加する電圧と相関がある。図3は、電気分解時のエネルギ効率と、電解電圧との関係を示した図である。図3に示すように、電解電圧が低くなるほど電気分解時のエネルギ効率は高くなる。故に、電気分解時のエネルギ効率を向上するためには、上記印加電圧を低い値(図中のVlow)に設定すれば良いことが分かる。
しかし、上記印加電圧が低いと、COとHの生成速度が遅いという問題がある。図4は、電気分解の際に生成するCOとHの生成速度と、電解電圧との関係を示した図である。図4に示すように、電解電圧が低いほどCOとHの生成速度が遅くなる。そのため、工業的に必要な量を得るためには電極面積を拡大させる、或いは、長時間の電気分解を実行するといった対策が必要になる。ところが、電極面積の拡大は材料コスト、長時間の電気分解は稼働コストと何れもコスト増大に繋がるので得策とは言い難い。
そこで、本実施の形態においては、従来のエネルギ効率に代わる新たな評価指標を用いて、上記印加電圧を設定することとしている。この新しい評価指標には、具体的に、エネルギ換算したCOとHの生成速度と、電気分解時のエネルギ効率との積を用いる。新評価指標を用いた上記印加電圧の設定手法について、図5を参照しながら説明する。図5は、陰極24と陽極28との間に印加する電圧の設定手法を説明するための図である。図5に示すように、エネルギ換算したCOとHの生成速度と、電気分解時のエネルギ効率との積は、ある電解電圧Vにおいて極大値を取る。そこで、この極大値に相当する電解電圧Vを上記印加電圧として設定する。このように上記印加電圧を設定すれば、エネルギ効率と生成速度とのバランスを取ることができるので、電気分解の際に工業的必要量をエネルギ効率よく得ることが可能となる。
上記電解条件のうちCO濃度(初期溶解濃度)については、一定値(M1)に設定される。このように設定した電解条件下、本実施形態においては、CO/Hの調整を行う。図6は、実施の形態1におけるCO/H調整制御を説明するための図である。上述したように、バッチ式の電解システムにおいては、電解開始後に電解液やCOの追加補充を行わない。そのため、陰極24上でのCO生成量は、電解時間の経過と共に減少する。他方、プロトンは電解液中に豊富に存在するので陰極24上でのH生成量は略一定である。よって、図6に示すように、CO/H(累積値)は、電解時間の経過に伴い低下する。そこで、本実施形態においては、電解電圧Vにて電気分解を行い、CO/H(累積値)が最適比率まで低下した時点(図6のt1)で終了する。このような電気分解を繰り返し行うことで、工業的必要量を得ることができる。
[実施の形態1における具体的な処理]
次に、図7を参照しながら、本実施形態において実行される電気分解の具体的処理について説明する。図7は、実施の形態1において、制御装置40により実行される電気分解処理ルーチンのフローチャートである。
図7に示すルーチンにおいて、制御装置40は先ず、電解条件を事前設定する(ステップ100〜140)。具体的には、ステップ100〜130の処理を実行することで電解器10内の電解液中のCO濃度をM1に調整し、ステップ140の処理を実行することで電解電圧Vを設定する。尚、ステップ100〜130によるCO濃度の調整は、電解器10内の電解液中のCO濃度をM1に設定し、その後、大気導入経路14cからのCOバブリング(大気導入)と(ステップ110)、COセンサ42での濃度測定と(ステップ120)、該測定濃度とM1との比較と(ステップ130)を繰り返すことにより行う。
続いて、制御装置40は電気分解を実行する(ステップ150)。具体的には、ステップ140で設定した電解電圧Vを陰極24と陽極28との間に印加する。続いて、制御装置40は累積CO生成量および累積H生成量を算出する(ステップ160,170)。具体的に、制御装置40は流量センサ44の検出値に、電解時間を演算して累積CO生成量および累積H生成量を算出する。
そして、制御装置40は、ステップ160,170において算出したCO生成量および累積H生成量からCO/H(累積値)を求め、このCO/H(累積値)について、0.48<CO/H(累積値)<0.52を満たすか否かを判定する(ステップ180)。0.48<CO/H(累積値)<0.52であると判定された場合、CO/H(累積値)が概ね最適比率に調整できたと判断できる。そのため、制御装置40は電気分解を終了すべく本ルーチンを終了する。他方、0.48<CO/H(累積値)<0.52でないと判定された場合、制御装置40はステップ160に戻り、累積CO生成量を再度算出する。
以上、図7に示したルーチンによれば、電気分解の時点においてCO/H(累積値)を最適比率に調整できる。この調整は、事前に設定した電解条件での電気分解により行ったものであり、この電解条件のうちの電解電圧Vは、新たな評価指標に基づいて設定されたものである。従って、図7に示したルーチンによれば、エネルギ効率と生成速度とのバランスを取りつつCO/H(累積値)を最適比率に調整できる。
ところで、上記実施の形態1においては、上記印加電圧の設定の際に、COとHの生成速度とエネルギ効率の実際の値を用いたが、例えば点数評価などで抽象化した値を用いてもよい。つまり、上記生成速度に相当する評価指標と上記エネルギ効率に相当する評価指標との積であれば、上記実施の形態1同様の効果を得ることが可能となる。尚、本変形例については後述する実施の形態2においても同様に適用が可能である。
尚、上記実施の形態1においては、電解槽22が上記第1の発明における「電解槽」に、陰極24および陽極28が上記第1の発明における「一組の電極」に、それぞれ相当している。
また、上記実施の形態1においては、制御装置40が図7のステップ140〜180の処理を実行することにより上記第1の発明における「電位制御手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図8乃至図9を参照しながら、本発明の実施の形態2について説明する。
上記実施の形態1と本実施形態との違いは、上記実施の形態1ではバッチ式の電解システムであるのに対し、本実施形態ではフロー式の電解システムである点のみである。従って、以下においては、この相違点を中心に説明を行い、上記実施の形態1と共通する箇所についてはその説明を省略または簡略化する。
本実施形態において、電解器10、電解液タンク12、CO吸収器14、大気流入経路14a〜14cおよび水タンク16は、フロー式の電解システムを構成する。フロー式の電解システムとは、バッチ式の電解システムと異なり、電解開始後に電解器10内に電解液やCOの追加補充が可能なシステムをいう。つまり、フロー式の電解システムにおいては、電解実行中、電解器10内の電解液中のCO濃度やプロトン濃度を所望濃度に維持可能であり、陰極24上でのCO,H生成量を略一定に保つことが可能である。従って、フロー式の電解システムは、CO/H(累積値)の最適比率への合わせ込みが容易であるという点において、バッチ式の電解システムに比して優れる。
図8は、実施の形態2におけるCO/H調整制御を説明するための図である。上述したように、フロー式の電解システムにおいては、陰極24上でのCO,H生成量を略一定にできる。そのため、図8に示すように、電解実行中のCO/H(累積値)は、電解実行中のCO溶解濃度に依存する。この理由は、H生成量は略一定であるのに対し、CO生成量はCO溶解濃度に応じて変化し、CO溶解濃度が高くなるほどCO生成量が多くなるためである。そこで、本実施形態においては、陰極24でのCO、Hの生成比率が最適比率となるCO溶解濃度(M2)に調節しつつ、上記実施の形態1同様、電解電圧Vにて電気分解を行う。尚、電解時間については、工業的必要量に応じて設定される(一定値:t2)。
[実施の形態2における具体的な処理]
次に、図9を参照しながら、本実施形態において実行される電気分解の具体的処理について説明する。図9は、実施の形態2において、制御装置40により実行される電気分解処理ルーチンのフローチャートである。
図9に示すルーチンにおいて、制御装置40は先ず、電解条件を設定する(ステップ200〜220)。具体的には、ステップ200の処理を実行することで電解器10内の電解液中のCO濃度をM2に設定し、ステップ210の処理を実行することで電解時間をt2に設定し、ステップ220の処理を実行することで電解電圧Vを設定する。
次いで、制御装置40は、電解器10内の電解液中のCO濃度をM2に保ちながら電気分解を実行する(ステップ230〜260)。具体的には、ステップ220で設定した電解電圧Vを陰極24と陽極28との間に印加する(ステップ230)。同時に、大気導入経路14cからのCOバブリング(大気導入)と(ステップ240)、COセンサ42での濃度測定と(ステップ250)、該測定濃度とM2との比較と(ステップ260)を繰り返すことでCO濃度をM2に保つ。
続いて、制御装置40は、ステップ230で設定した電解時間t2と、電解開始後の経過時間とを比較する(ステップ270)。経過時間>電解時間t2と判定された場合、CO/H(累積値)が概ね最適比率に調整できたと判断できる。そのため、制御装置40は電気分解を終了すべく本ルーチンを終了する。他方、経過時間>電解時間t2でないと判定された場合は、制御装置40は本ステップの処理を再度行う。即ち、経過時間>電解時間t2と判定されるまで、電気分解が継続される。
以上、図9に示したルーチンによれば、図7に示したルーチン同様の効果を得ることができる。即ち、エネルギ効率と生成速度とのバランスを取りつつCO/H(累積値)を最適比率に調整できる。
尚、上記実施の形態2においては、制御装置40が図9のステップ240〜260の処理を実行することにより上記第2の発明における「CO供給手段」が実現されている。
10 電解器
12 電解液タンク
14 CO吸収器
14a 大気流入経路
14b 大気放出経路
14c 大気導入経路
16 水タンク
18 FT合成器
20 燃料タンク
22 電解槽
24 陰極
28 陽極
34 ガス取り出し部
36 電源
40 制御装置
42 COセンサ
44 流量センサ

Claims (2)

  1. COとHOとからCOとHとを含む合成ガスを生成する電解システムであって、
    COを吸収させた電解液を内部に備える電解槽と、
    前記電解槽に設けられた一組の電極と、
    電気分解時に投入するエネルギに対する前記合成ガスの発熱量で規定されるエネルギ効率を示す第1指標と、電気分解時に生成する前記合成ガスの生成速度を示す第2指標との積が最大化するよう予め設定された電位差を、前記一組の電極間に印加する電位制御手段と、
    を備えることを特徴とする電解システム。
  2. 前記電解槽内の電解液にCOを供給するCO供給手段を備え、
    前記CO供給手段は、電気分解中、前記電解液のCO濃度が電気分解開始前のCO濃度に維持されるようCOを供給することを特徴とする請求項1に記載の電解システム。
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