JP2013252650A - 成形体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形体を金型から離隔した直後の収縮を抑制して成形体の寸法精度を向上し、さらに長期間の寸法安定性を向上する成形体の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】成形材料を金型に充填する工程において、金型に充填された成形材料の温度を、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度よりも高く、成形材料の融点もしくは固化温度以下である第1温度Aに保持し、成形材料の固化工程において、成形材料の温度を損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍である第2温度Bに保持し、成形体を金型から離隔するまでの工程において、成形材料の温度を、損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第3温度Cに低下させる。
【選択図】図3

Description

この発明は、成形材料を流動可能な状態にして金型に充填し、成形材料を金型内で固化させた後、成形体を金型から離隔して所望の形状に成形する成形体の製造方法及び製造装置に関するものである。
成形体の製造工程では成形材料の熱収縮を伴うが、金型によって拘束されるために、成形体の内部に応力が発生する。また、成形材料として結晶性樹脂を用いる場合は、十分に結晶が成長しないまま固化すると、非結晶部分にひずみが残る場合がある。そして、成形体を金型から離隔すると、これらの応力は解放されて成形体は直ちに変形し、成形体の形状精度を低下させる。また、完全に解放されずに成形体内部に残留した応力が、その後の環境温度で徐々に解放されることで、経時的な変形を招く。さらに、結晶化が不完全な成形体は、取り残された非結晶部分が再び結晶化して、大きく収縮することがある。
そこで、従来、成形品の結晶化度に着目し、熱可塑性結晶性樹脂の結晶化を効率的に行い、成形品の厚み方向の分布を均一化することができ、成形品離型後の収縮の低減化を図ることができるとした熱可塑性結晶性樹脂の射出成形方法がある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、成形品の離型後に数日から数週間レベルの長期にわたり発生する成形品の寸法収縮(特許文献1では「後収縮」と呼ぶ)の原因は、狙い通りの結晶化度に成形できず、非結晶として残った部分が時間をかけて再結晶化する(特許文献1ではこの現象を「非晶部分の配向緩和」と呼ぶ)ところにあるとしている。また、成形品の厚さ方向における結晶化度の差異も、残留応力が発生する一因となり、結果として成形品の寸法精度、形状安定性に影響を与えるとしている。
そこで、特許文献1では、キャビティへの樹脂充填開始時から樹脂充填完了後、充填時の樹脂流動による剪断応力及び分子もしくは結晶配向が充分緩和するまでの間、キャビティの温度を樹脂の結晶化温度以上の温度に保持し、樹脂の冷却工程を3段階から構成し、第1段階では冷却速度を早くし、第2段階では冷却速度を遅くし、第3段階では冷却速度を速くし、樹脂が常温になるまで冷却することにより、結晶化度を上げ、均一な結晶化度分布を持った成形体を成形するようにしている。
特開2001−88185号公報
しかしながら、特許文献1において、充填時の成形材料の流動による剪断応力及び分子もしくは結晶配向が緩和できたとしても、その後に発生する応力までは緩和することができない。すなわち、結晶構造の成形材料の場合、その後の結晶化に伴って成形材料は大きく収縮しようとするが、成形体は金型の中で拘束されているために成形体内部に応力が発生する。また、結晶構造又は非晶構造にかかわらず、成形体を常温になるまで冷却する際に、成形体は温度低下に伴って収縮しようとするが、金型によって拘束されるために成形体内部にやはり応力が発生する(この応力は一般的に熱応力と呼ばれている)。さらに、結晶構造又は非晶構造にかかわらず、成形材料の充填工程で、成形材料に印加した圧力が成形体に残留することもある。これらの応力は、成形体が金型の拘束から外れた直後に解放され、その時の成形体の剛性に応じて変形するため、金型の形状寸法通りに成形することが難しく、成形体の寸法精度を悪化させる原因になっている。また、応力が完全に解放されずに、一部は成形体内部に残留することがあり、これを残留応力と呼ぶ。この残留応力は、その後成形体が置かれる環境温度によっては、徐々に解放されて経時的な変形を招き、成形体の寸法精度をさらに悪化させる。また、成形体が持つ本来の特性を低下させる原因にもなる。例えば、成形体の機械的な強度を低下させたり、レンズの様な光学的機能を有する成形体であれば、複屈折が増大してレンズとしての性能を低下させたりする。
この発明は、前記のような問題を解決するためになされたものであり、結晶構造又は非晶構造にかかわらず、成形体内部に発生する応力を効率よく緩和し、残留応力を低減することで、成形体を金型から離隔した直後の収縮を抑制して成形体の寸法精度を向上し、さらに長期間の寸法安定性を向上する成形体の製造方法及び製造装置を提供するものである。
第1の発明は、流動可能な状態の成形材料を金型に充填し、成形材料を固化させた後、成形体を金型から離隔して所望の形状に成形する成形体の製造方法であって、
成形材料を金型に充填する工程において、金型に充填された成形材料の温度を、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度よりも高く、成形材料の融点もしくは硬化温度以下である第1温度に保持し、
成形材料を固化する工程において、成形材料の温度を、損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍である第2温度に保持し、
固化した成形体を金型から離隔するまでの工程において、成形材料の温度を、損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第3温度に低下させる、ことを特徴とする。
第2の発明は、流動可能な状態の成形材料を金型に充填し、成形材料を固化させた後、成形体を金型から離隔して所望の形状に成形する成形体の製造方法であって、
成形材料を金型に充填し、固化する工程において、金型に充填された成形材料の温度を、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍以上であり、かつ損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最高温度以下である第4温度に保持し、
固化した成形体を金型から離隔するまでの工程において、成形材料の温度を、損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第5温度に低下させる、ことを特徴とする。
第3の発明は、流動可能な状態の成形材料をキャビティに充填し、成形材料を固化させた後、成形体を離隔して所望の形状に成形する金型と、金型温度を、金型温度調節器を通じて所定の温度に調節する制御部を備えた成形体の製造装置であって、
制御部は、
成形材料を金型に充填する工程において、金型温度を、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度よりも高く、成形材料の融点もしくは硬化温度以下である第1温度に保持し、
成形材料を固化する工程において、金型温度を損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍である第2温度に保持し、
固化した成形体を金型から離隔するまでの工程において、金型温度を、損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第3温度に低下させる、ことを特徴とする。
第4の発明は、流動可能な状態の成形材料をキャビティに充填し、成形材料を固化させた後、成形体を離隔して所望の形状に成形する金型と、金型の温度を金型温度調節器を通じて所定の温度に調節する制御部を備えた成形体の製造装置であって、
制御部は、
成形材料を金型に充填し、固化する工程において、金型温度を、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍以上であり、かつ損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最高温度以下である第4温度に保持し、
固化した成形体を金型から離隔するまでの工程において、金型温度を、損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第5温度に低下させる、ことを特徴とする。
第1及び第3の発明によれば、成形材料を金型に充填する工程において、金型に充填された成形材料の温度を、損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度よりも高く、成形材料の融点もしくは硬化温度以下である第1温度に保持することにより、成形材料の急激な温度低下とこれに伴う粘度上昇を抑えて流動性を確保することができる。また、充填時の成形材料の流動による剪断応力の発生を抑制することができる。
また、成形材料を固化する工程において、成形材料の温度を、損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍である第2温度に保持することにより、成形体内部に発生する応力を効率よく緩和し、金型から離隔する際の成形体の変形や、成形体内部の応力の残留を抑制することができる。
さらに、固化した成形体を金型から離隔する工程では、成形材料の温度を、損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第3温度に低下させることにより、成形材料の剛性が向上する温度まで冷却することができ、離隔した直後から常温に至るまでの過程での収縮若しくは膨張を抑制して寸法精度を向上させることができる。
第2及び第4の発明によれば、成形材料を金型に充填し、固化する工程において、金型に充填された成形材料の温度を、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍以上であり、かつ損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最高温度以下である第4温度に保持することで、成形材料の急激な温度低下とこれに伴う粘度上昇を抑えて流動性を確保することができる。また、充填時の成形材料の流動による剪断応力の発生を抑制することができる。さらに、成形体内部に発生する応力を緩和して、金型から離隔する際の成形体の変形や、成形体内部の応力の残留を抑制することができる。
また、固化した成形体を金型から離隔するまでの工程において、成形材料の温度を、損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第5温度に低下させることにより、成形体の剛性を向上させることができ、金型から離隔した直後から常温に至るまでの過程での成形体の収縮若しくは膨張を抑制して寸法精度を向上させることができる。
この発明の実施の形態1の成形体の製造装置を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1で製造する成形体を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における1製造サイクル中の金型温度履歴を示すグラフである。 PPSの動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 PPSの等温結晶化測定結果を示すグラフである。 成形材料の粘弾性特性を表現するMaxwellモデルを示す図である。 損失正接の温度変化の凸領域を説明するためのグラフである。 この発明の実施の形態2の成形体の製造装置を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態2における1製造サイクル中の金型温度履歴を示すグラフである。 PBTの動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 PPSの動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 PBTの動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 SPSの動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 PA66の動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 PPの動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 HDPEの動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 POMの動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 この発明の実施の形態4の成形体の製造装置を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態4で製造する成形体を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による成形体の製造装置を示す断面模式図であり、図2は図1の製造装置によって製造される成形体を示す斜視図である。
まず、図2に示した成形体1は、T字型の成形体であり、平板2と、平板2の中央から垂直方向に形成されるリブ3を備える。この成形体1は、平板2の平面度が重要であり、高い形状精度が求められる。しかし、T字型の成形体1は、一般的にリブ3の収縮によって平板2が弓なりに反るが、成形体1は金型によって拘束されるため、通常の製造方法では成形体1の内部に応力が作用する。本実施の形態の成形体の製造方法によれば、後で詳述する通り、成形体内部に発生する応力が緩和されるため、成形体の金型離隔後の変形が抑制され、平板2は反ることなく高い形状精度で製造することができる。
図1に示す成形体の製造装置において、金型11部分については簡略化した断面図を示している。金型11には、成形体1の形状を成す空洞部分、つまりキャビティ12が左右2カ所に配置されているとともに、金型11の外部から成形材料を充填するために各キャビティ12に通じる経路13がその中央に形成されている。そして、金型11はキャビティ12を通る平面を基準にして第1金型11aと第2金型11bの2つに分割され、固化した成形体1および経路13で固化した部分を金型から離隔できるようにしている。なお、2個の成形体1および経路13で固化した部分は一体になって製造されるが、これらは製造後に切断され分離される。
金型11内には、油等の媒体が流れる媒体回路14が配設されている。媒体回路14は、金型11の外部に設置した3台の金型温度調節器15,16,17に切り替えバルブ18を介して接続されている。3台の金型温度調節器15,16,17にはそれぞれ所定の温度に調節された油等の媒体が収容されている。切り替えバルブ18の切り替えは制御部30の指令信号により行われる。制御部30は、後で説明する製造工程と連動しながらバルブ18の切り替えを行い、後記の製造工程に応じてそれぞれ設定された温度の媒体を金型11内を順次循環させて、金型温度を所定の温度に調節する。図1に示した媒体回路14は、分かりやすくするために簡略に点線で示されているが、実際はキャビティ12の表面温度が均一になるようにキャビティ12に沿ってレイアウトされている。
次に、本実施の形態の製造工程について、図3に示す1製造サイクル中の金型温度履歴と、図1の製造装置を用いながら、順を追って説明する。
まず、第1温度A(下記において詳述)に加熱した金型11に対して、経路13の入り口から溶融状態の成形材料を充填する。ここでは成形材料として結晶性樹脂であるポリフェニレンサルファイド(以下、PPS(polyphenylene sulfide)と記す)を用いた場合について説明する。PPSの融点は280℃であるので、PPSをおよそ280〜320℃に加熱して溶融させれば、金型11に充填することができる。その際、成形材料を所定の速度で注入してキャビティ12の隅々までに充填できるようにする。その後、成形材料は徐々に固化していくため、固化に伴って成形材料が体積収縮する。そのため、体積収縮した分の成形材料を補填する必要があり、経路13の入り口から成形材料を一定の圧力で注入し続ける。成形体1の肉厚や経路13の太さによって、注入する圧力と時間を適宜調整する。
ここで、金型11の第1温度Aについて詳しく説明する。第1温度Aは、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比、すなわち損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度よりも高く、成形材料の融点又は硬化温度以下に設定される。PPSの動的粘弾性測定結果を図4に示す。図4において、横軸は温度[℃]、縦軸は貯蔵弾性率E’、損失弾性率E’’、及び損失正接tanδ(=E’’/E’)を表している。なお、動的粘弾性の測定周波数ωは1Hzとした。図4に示すように、動的粘弾性測定により貯蔵弾性率E’と損失弾性率E’’の温度変化が得られる。この2つの値から各温度における損失正接tanδ(=E’’/E’)が求められる。これにより、損失正接tanδの温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度は118℃であることが分かる。また、PPSの融点は上述した通り280℃であるから、金型の第1温度Aは118℃〜280℃の間で適宜決定される。本実施の形態では、第1温度Aとして200℃に設定した。図1の金型温度調節器15の設定温度を200℃に設定し、制御部30は切り替えバルブ18を介して金型11に金型温度調節器15の媒体を循環させることで金型11を加熱する。なおこの時、金型温度調節器16,17から供給される媒体はバルブ18の通路遮断によって金型11への循環が停止されている。金型11を200℃に設定することで、金型11内に充填された成形材料の急激な温度低下とこれに伴う粘度上昇を抑えて流動性を確保することができ、キャビティ12に薄肉の部分であっても、成形材料を隅々に完全に充填することができる。また、充填時の成形材料の流動による剪断応力の発生を抑制することができる。
PPSのように成形材料が結晶構造を有する場合、成形材料の充填が終わった後、引き続き金型温度調節器15から第1温度Aである200℃に設定した媒体を金型11に循環し続け、この間に成形材料の結晶化を完了させる。第1温度Aの保持時間については、図5に示す成形材料であるPPSの等温結晶化測定で決められる。等温結晶化測定は示差走査熱分析(以降DSCと記す)によって測定され、融点以上にPPSを加熱した状態から一気に測定温度まで急冷し、測定温度に保持した状態で結晶化に伴って放出された熱量を測定するものである。この熱量変化がピーク(図5では下に凸のピークで表示される)になって現れる間は結晶化が進行していることになる。図5に示す200℃の結果を見ると、およそ10秒間であることから、10秒以上放置すれば結晶化が完全に完了していることになる。そこで、本実施の形態では、金型を第1温度Aである200℃に保持する時間を15秒に設定した。その結果、PPSのように成形材料が結晶構造を有する高分子材料の場合は、緩やかな冷却速度のもとで結晶の成長を促進させることができ、成形体1の特性をより向上させることができる。
次に、制御部30は、バルブ18を切り替えて金型温度調節器15の第1温度Aの媒体の循環を停止し、金型温度調節器16から第2温度Bに設定された媒体の循環を開始する。金型温度調節器16から第2温度Bに設定された媒体を金型11に循環することで、図3に示すように金型11を第2温度Bまで冷却して、第2温度Bに所定の時間保持する。この時の第2温度Bは、理論的に、損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比、すなわち損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度に設定する。つまり、第2温度Bは、図4に示したPPSの動的粘弾性測定結果から損失正接tanδの温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度である118℃に設定される。成形体1は温度低下に伴って収縮しようとするが、金型11によって変形が拘束されているため内部に熱応力が発生する。また、充填時に印加し続けた圧力が成形体1に残留する場合もある。そこで、第2温度Bの状態で所定の時間保持することにより、成形体1に作用する応力を最も緩和させることができる。
これは、次のようなメカニズムで説明することができる。一般的に応力の緩和現象は図6に示すMaxwellモデル22を用いて説明される。このMaxwellモデル22は、成形材料を表す収縮要素25に、ばね23及びダッシュポット24が直列に接続されたモデルである。図6において、αは収縮要素25の収縮係数であり、これに温度差ΔTを掛けることで、収縮要素25の収縮量(α・ΔT)が求められる。また、ばねの弾性率をE、ダッシュポットの粘度をηと記す。成形体1が金型内で冷却されている間は、Maxwellモデル22の両端は拘束された状態にあり、温度低下に伴って収縮要素25が収縮するとばね23が引き伸ばされる。この時、Maxwellモデル22に作用する力によって熱応力が表現される。そして遅れてダッシュポット24が、その時の温度と作用している応力に応じて引き伸ばされる。ダッシュポット24自身は力学的なエネルギーを蓄えないため、ダッシュポット24が引き伸ばされた分ばね23が縮み、Maxwellモデル22に作用する力が低減して熱応力の緩和が表現される。以上のMaxwellモデル22の挙動を数式によって表現すると次のようになる。まず、Maxwellモデル22に作用する力とひずみの関係から、(1)式及び(2)式が成り立つ。
Figure 2013252650
Figure 2013252650
そして、(2)式の両辺を時間で微分して(1)式を代入することにより、(3)式を得る。
Figure 2013252650
ここで、τは緩和時間と呼ばれτ=η/Eである。(3)式の時間微分式より、微小時間ステップごとに逐次応力を求めると、ある時間t=n+1での応力σ()は、1ステップ前の時間t=nでの応力σ()を用いて(4)式のように表される。
Figure 2013252650
ここで、(4)式右辺の第1項は温度低下に伴ってばね23で発生した熱応力を表し、第2項はダッシュポット24での応力緩和を表し、第3項は温度低下に伴ってばねの弾性率Eが時々刻々と変化する中で、Eが増加した分の熱応力増分を表している。この(4)式が示す通り、第2項の応力緩和の項が大きくなれば、Maxwellモデル22に作用する応力が低減されることになる。このためには緩和時間τが小さくなると良いことが分かる。ここでMaxwellモデル22において、動的粘弾性測定の測定周波数をωとすると、複素弾性率E*(ω)は、(5)式で表される。
Figure 2013252650
したがって、(5)式から
Figure 2013252650
Figure 2013252650
となり、動的粘弾性測定で求められる損失正接tanδと、その時の測定周波数ωから緩和時間τが求められる。つまり緩和時間τが小さくなるには損失正接tanδが大きくなれば良い。図4に示したPPSの動的粘弾性測定結果(測定周波数は1Hz)では損失正接tanδは118℃で極大値をとることから、この温度が最も応力緩和しやすくなることがわかり、理論的にこの温度を第2温度Bに設定した。なお測定周波数は1Hzとしているが、本発明のような時間スケールの現象であれば、1Hzに設定するとモデルと実際が比較的一致する。
次に、第2温度Bに保持し続ける時間については、少なくとも成形材料の緩和時間、すなわち保持する温度における損失正接tanδと測定周波数ωの積の逆数で表される時間以上である。これは(7)式によって説明されるものである。上述した理由から測定周波数ωを1Hzにした場合、第2温度Bの保持時間は、損失正接tanδの逆数で表される時間以上となる。少なくとも緩和時間以上に保持することで、成形体1に作用する熱応力は緩和する。図6のMaxwellモデル22で説明すれば、ばね23に作用していたひずみを、緩和時間に相当する時間をかけて徐々にダッシュポット24が吸収し、モデル22に作用していた応力が緩和する。
以上のように、理論上は損失正接tanδの温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度を目標にして金型温度を調整するのが応力緩和に関して最良となる。しかし、現実には金型温度をピンポイントの温度に制御することは難しく、金型温度調節器15,16,17の熱源温度のばらつき、金型11の表面及び媒体回路14の表面からの放熱、金型11内部における温度分布など、金型温度を乱す要因は様々存在する。
そこで、本実施の形態では、金型温度を損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍を目標にして調節する。現実的には、金型温度を損失正接の温度変化が極大となる時の温度の±10℃の範囲なら前記様々な要因に対しても制御することが可能であるので、損失正接の温度変化が極大となる時の温度近傍は、当該極大となる時の温度±10℃の範囲とする。
しかしながら、図7に示すように、損失正接の温度変化の極大値Pを含む凸領域が急峻であり、極大値Pの±10℃の温度範囲に凸領域の幅が収まる場合も考えられる。この様な場合は、極大値Pを含む凸領域の上限値UL及び下限値LLのうち、値の大きい方(図7では上限値UL)と極大値Pとの差をピーク値Lpとし、このピーク値Lpに対して損失正接が50%以内に入る範囲(1/2×Lp)に対応する温度範囲を金型温度の温度制御範囲Tcとする。ピーク値Lpに対して損失正接が50%以内に入る範囲としたのは、当該範囲で損失正接の値を高く確保することができ、応力緩和の効果を実現することができるためである。
なお、損失正接の温度変化の極大値Pを含む凸領域の上限値及び下限値の定め方については、後にて詳述する。
次に、バルブ18を切り替えて金型温度調節器16からの媒体循環を停止し、金型温度調節器17から第3温度Cに設定された媒体の循環を開始する。金型温度調節器17は第3温度Cに設定された媒体を金型11に循環することで、図3に示すように、成形体1を金型11から離隔するまでに、金型温度を第3温度Cまで冷却する。
第3温度Cは、成形材料の損失正接tanδの温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下に設定する。本実施の形態では、図4から、PPSの損失正接tanδの温度変化の極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度は92℃であることから、90℃に設定した。前記最低温度92℃以下であれば何℃でも良いが、再び金型を第1温度A(ここでは200℃)まで加熱する必要があることから、第3温度Cはなるべく低くしない方が良い。前記最低温度92℃から10℃以内が最適な温度設定である。
第3温度Cの設定については、図6のMaxwellモデル22を用いて次のように説明できる。金型から離隔する直前の状態では、ばね23にはダッシュポット24で完全に緩和しきれなかった分のひずみが残り、Maxwellモデル22には応力が作用している。成形体を離隔することによってMaxwellモデル22の両端の拘束は解除され、自由に収縮できるようになる。従って、ばね23は直ちに自然長まで復元し、さらに収縮要素25は離隔時の温度から常温に至るまで熱収縮若しくは熱膨張する。従って、離隔後のひずみεは、離隔時の応力による変形と常温までの熱収縮若しくは熱膨張の和であるので、(8)式で表される。つまり、(8)式の右辺第1項は離隔時の応力による変形、すなわちばね23の復元力を表し、(8)式の右辺第2項については正の値ならば離隔時の温度から常温に至るまでの熱収縮を、負の値ならば離隔時の温度から常温に至るまでの熱膨張を表している。
Figure 2013252650
(8)式で常温を20℃とした。すなわち、離隔後の収縮を極力抑えるためには、(8)式の右辺第1項からも分かるようにMaxwellモデル22の弾性率Eが大きいほど良い。ここで、Maxwellモデル22の弾性率Eは、貯蔵弾性率E’に相当すると考えても良い。図4に示した動的粘弾性測定結果を見ると、損失正接の温度変化の極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度の92℃以下では貯蔵弾性率E’が急激に増加した値をとっていることが分かる。従って、成形体1がこの最低温度以下まで冷却されていれば離隔後の収縮を抑えられる。しかし(8)式の右辺第2項に示されるように、離隔時の温度から常温に冷却されるまでの収縮も加算されることになり、成形体1は極力常温まで冷却されるのが望ましいことになる。しかし、仮に成形体1を金型11内で常温まで冷却したとしても、実際は前記最低温度から常温までの熱収縮は、図6に示したMaxwellモデルのばね23に一時的に貯蔵されるだけで、金型11から離隔した直後にばね23が復元し収縮することになる。これは、ダッシュポット24が前記最低温度以下では粘度ηが急激に増加し、あたかも剛体のようにふるまうため、応力緩和が起きにくくなることが原因である。従って、成形体1の温度が前記最低温度以下まで冷却されていれば、いつ金型から離隔しても、その後の収縮は同じである。したがって、金型11の冷却を、損失正接の温度変化の極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度から10℃以内の温度に留めることで、再び加熱する際のエネルギーは少なくて済み、また短時間で加熱できることから生産性を向上することができる。
ここで、損失正接の温度変化のガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうちの最低温度について説明する。この最低温度は、図7に示す損失正接の温度変化の極大値Pを含む凸領域の下限値に対応する温度とする。ここで、凸領域の下限値は、図7に示すように、極大値Pより低い温度側の極小値とする。ただし、極小値が存在しない時は、極大値Pより低い温度側の損失正接の温度変化が水平線に近い緩やかな曲線であってほぼ直線に近似できる場合、その近似した直線が損失正接の温度変化曲線から分岐する点を凸領域の下限値とする。このように最低温度を設定する理由は、この最低温度以下で成形材料の貯蔵弾性率E’が急激に増加した値を有しているからである。
そして、成形体1を金型から離隔した後は、バルブ18を切り替えて金型温度調節器17からの媒体循環を停止し、金型温度調節器15からの媒体循環を再び開始し、第1温度A(ここでは200℃)まで加熱することで、次の製造サイクルへ移行する。
以上の工程が、本実施の形態1における成形体の製造方法である。
以上のように本実施の形態によれば、成形材料を金型に充填する工程において、金型に充填された成形材料の温度を損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度よりも高く、成形材料の融点もしくは硬化温度以下である第1温度Aに保持することにより、成形材料の急激な温度低下とこれに伴う粘度上昇を抑えて流動性を確保することができる。また、充填時の成形材料の流動による剪断応力の発生を抑制することができる。
また、成形材料を固化する工程において、成形材料の温度を損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍である第2温度Bに保持することにより、成形体内部に発生する応力を効率よく緩和し、金型から離隔する際の成形体の変形や、成形体内部の応力の残留を抑制することができる。
さらに、固化した成形体を金型から離隔する工程では、成形材料の温度を損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第3温度Cに保持することにより、成形材料の剛性が向上する温度まで冷却することができ、離隔する時の成形体の温度が常温以上の場合は、離隔した直後から常温に至るまでの過程での熱収縮を抑制でき、離隔する時の成形体の温度が常温以下の場合は、離隔した直後から常温に至るまでの過程で熱膨張し、離隔時の応力による収縮方向の変形を打ち消すことができ、寸法精度を向上させることができる。
また、成形材料を固化する工程において、成形材料の温度を第2温度Bに保持する前に、所定の時間、第1温度Aに保持した状態とすることにより、成形材料を緩やかな冷却速度で固化させることができ、成形体の特性を向上することができる。
さらに、結晶構造を有する成形材料の場合、所定の時間を、第1温度Aで成形材料を等温結晶化測定した時に、熱量変化がピークとなって現れる時間以上とすることにより、結晶の成長を促進させて、成形体の特性を向上させることができる。
また、成形材料を固化する工程において、成形材料の温度を第2温度Bに保持する時間を、第2温度Bにおける損失正接と動的粘弾性測定の測定周波数の積の逆数で表される成形材料の緩和時間以上とすることにより、成形体内部に発生した応力を十分に緩和させることができる。
なお、本実施の形態では、金型温度を制御する方法として、3台の金型温度調節器を使用し、制御部30によりそれぞれ設定した温度の媒体を順次切り替えて金型に循環させる方法を示したが、金型内の主要な箇所に温度検出器を配置し、金型内の温度を検出して所定の温度になるように制御部30が金型温度調節器の温度を制御するようにしても良い。更に、金型内を循環させる媒体は油に限定されるものではなく、水やガス、水と蒸気の混合体、アルコール、液体窒素、固体二酸化炭素等でも良く、設定する温度や金型構造に応じて適宜選定される。更に、加熱する方法として、媒体を循環させる方式ではなく、代わりに電熱ヒータを設置しても良い。また、冷却する方法としては常温の空気を流して冷やす方法もある。特に、損失正接の温度が極大となる第2温度Bから凸領域の最低温度以下に低下させる過程においては、前記最低温度以下であれば、最終的に到達する温度は何度でも良いことから、温度調節器などで特に温度制御されていない常温の空気を流すこともできる。また、本実施の形態ではT字型の成形体の製造を示したが、成形体の形状や大きさはこれに限定されることはない。
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2による成形体の製造装置を示す断面模式図である。図8に示す成形体の製造装置は、図1に示した実施の形態1の製造装置とほぼ同じ構成であるが、温度調節器が19及び20の2台である点が異なり、成形体の製造工程の温度制御が異なる。また、本実施の形態では、成形材料として結晶性樹脂であるポリブチレンテレフタレート(以下、PBT(polybutylene terephtalate)と記す)を用いた場合について説明する。なお、図7の製造装置によって製造される成形体は実施の形態1と同様の図2に示す形状の成形体である。
本実施の形態の製造工程について、図9に示す1製造サイクル中の金型温度履歴と、図10のPBTの動的粘弾性測定結果(測定周波数は1Hz)とを参照しながら、順を追って説明する。
まず、成形材料を金型に充填して固化するまでの工程においては、金型温度を、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδの温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍以上であり、かつ損失正接tanδの温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最高温度以下に保持し、この温度を第4温度Dとする。なお、損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍とは、実施の形態1の図7で説明した温度範囲を意味する。
図10の動的粘弾性測定結果で示すように、PBTの損失正接tanδの温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度は60℃であり、PBTの損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最高温度は150℃である。そして、第4温度Dは60±10℃〜150℃の範囲の中から、成形体の形状や大きさ、使用する成形材料などに応じて適正な温度が選択される。
ここで、損失正接の温度変化のガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうちの最高温度について説明する。この最高温度は、図7に示す損失正接の温度変化の極大値Pを含む凸領域の上限値に対応する温度とする。ここで、凸領域の上限値は、図7に示すように、極大値Pより高い温度側の極小値とする。
本実施の形態では、第4温度Dを140℃に設定した。金型温度調節器19から140℃に設定された媒体である水を、制御部30の指令によりバルブ18を切り替えて媒体回路14に循環させることで金型11を加熱する。大気圧下では水の沸点は100℃であるが、金型温度調節器19は、媒体である水を5気圧程度まで加圧する機能が付いており、100℃以上でも液体の状態で循環させることができる。
図9に示すように、成形材料の充填工程から固化工程に至るまでは、金型温度を第4温度Dに保持し続ける。金型温度を第4温度Dに保持することにより、金型11内に充填する際の成形材料の急激な温度低下とこれに伴う粘度上昇を抑え、流動性を確保することで、成形体に薄肉部分があっても成形材料を充填することができる。また、充填時の成形材料の流動による剪断応力の発生を抑制することができる。さらに、固化工程において、緩やかな冷却速度のもとで成形材料を緩やかに固化することができる。特に結晶性成形材料の場合、緩やかな冷却速度のもとで結晶化を促進し、結晶性成形材料の特性を向上させることができる。一方で、結晶化の進展や温度低下に伴う大きな収縮が発生し、金型11によってその収縮が拘束されるために、成形体内部には熱応力が発生する。しかし金型温度を第4温度Dに保持することで、第4温度Dでの損失正接tanδは比較的高い値を示すことから、実施の形態1で説明したメカニズムによって応力の緩和が進行する。
また、第4温度Dを保持する時間は、第4温度Dで成形材料を等温結晶化測定した時に熱量変化がピークとなって現れる時間に成形材料の充填に伴う時間を加算した時間、あるいは、成形材料の充填に伴う時間に動的粘弾性測定によって得られる損失正接と測定周波数の積の逆数によって定義される緩和時間を加算した時間のうち、どちらか長い時間以上に保持することで、成形材料が結晶構造の場合は結晶化を十分に進展させ、かつ応力を十分に緩和させることができる。本実施の形態の場合、動的粘弾性測定によって得られる損失正接と測定周波数の積の逆数で定義される緩和時間の方が長いことが分かっており、30秒間保持した。
その後、離隔工程に移行し、バルブ18を切り替えることで金型温度調節器19からの水の循環を停止し、金型温度調節器20からの水の循環を開始する。金型温度調節器20の水は、図9に示すように第5温度Eに設定されている。第5温度Eは、損失正接の温度変化において極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下、望ましくはその温度から10℃以内の温度である。本実施の形態では、図9に示すように20〜30℃が最適な温度であり、ここでは20℃に設定した。そして、金型11から成形体1を離隔するまでに、金型温度を20℃まで冷却する。これによって、実施の形態1で説明したメカニズムにより離隔後の収縮を抑えることができる。
以上のように本実施の形態によれば、成形材料を金型に充填し、固化する工程において、金型に充填された成形材料の温度を、成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍以上であり、かつ損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最高温度以下である第4温度Dに保持することにより、成形材料の急激な温度低下とこれに伴う粘度上昇を抑えて流動性を確保することができる。また、充填時の成形材料の流動による剪断応力の発生を抑制することができる。さらに、成形体内部に発生する応力を緩和して、金型から離隔する際の成形体の変形や、成形体内部の応力の残留を抑制することができる。
また、固化した成形体を金型から離隔するまでの工程において、成形材料の温度を、損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第5温度Eに低下させることにより、成形体の剛性を向上させることができ、金型から離隔した直後から常温に至るまでの過程での成形体の収縮を抑制して寸法精度を向上させることができる。
さらに、成形材料を金型に充填し、固化する工程において、第4温度Dに保持する時間は、第4温度Dで成形材料を等温結晶化測定した時に熱量変化がピークとなって現れる時間に成形材料の充填に伴う時間を加算した時間、あるいは、成形材料の充填に伴う時間に動的粘弾性測定によって得られる損失正接と測定周波数の積の逆数によって定義される緩和時間を加算した時間のうち、どちらか長い時間以上とすることにより、結晶構造を有する成形材料の場合、結晶化を十分に進展させ、かつ応力を十分に緩和させることができる。
また、本実施の形態は、2台の金型温度調節器だけで対応できるなど、設備の投資を抑えられ、バルブの切り替え制御や設備自体がシンプルになる。
実施の形態3.
実施の形態1ではPPS(ポリフェニレンサルファイド)の適用例について、実施の形態2ではPBT(ポリブチレンテレフタレート)の適用例について説明したが、実施の形態2においてPPS(ポリフェニレンサルファイド)を適用し、実施の形態1においてPBT(ポリブチレンテレフタレート)を適用しても良い。
実施の形態2においてPPS(ポリフェニレンサルファイド)を適用する場合、図11に示すように、PPSの動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は118℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は195℃、最低温度は92℃であるので、第4温度Dは118℃±10℃〜195℃の範囲で設定し、第5温度Eは92℃以下に設定すればよい。
また、実施の形態1においてPBT(ポリブチレンテレフタレート)を適用する場合、図12に示すように、PBTの融点は225℃、PBTの動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は60℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は150℃、最低温度は30℃であるので、第1温度Aは60℃〜225℃の範囲で設定し、第2温度Bは60℃±10℃に設定し、第3温度Cは30℃以下に設定すればよい。
更に、各種の成形材料について実施の形態1及び2を適用した例を以下に示す。
シンジオタクチックポリスチレン(以下、SPS(syndiotactic polystyrene)と記す)の場合、図13に示すように、融点は270℃、動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は115℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は155℃、最低温度は70℃である。そのため、実施の形態1でSPSを適用する場合、第1温度Aは115℃〜270℃の範囲で設定し、第2温度Bは115℃±10℃に設定し、第3温度Cは70℃以下に設定すればよい。また、実施の形態2でSPSを適用する場合、第4温度Dは115℃±10℃〜155℃の範囲で設定し、第5温度Eは70℃以下に設定すればよい。
ポリアミド(以下、PA66(polyamide 66)と記す)の場合、図14に示すように、融点は260℃、動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は57℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は130℃、最低温度は10℃である。そのため、実施の形態1でPA66を適用する場合、第1温度Aは57℃〜260℃の範囲で設定し、第2温度Bは57℃±10℃に設定し、第3温度Cは10℃以下に設定すればよい。また、実施の形態2でPA66を適用する場合、第4温度Dは57℃±10℃〜130℃の範囲で設定し、第5温度Eは10℃以下に設定すればよい。
ポリプロピレン(以下、PP(polypropylene)と記す)の場合、図15に示すように、融点は180℃、動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は3℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は30℃、最低温度は−25℃である。そのため、実施の形態1でPPを適用する場合、第1温度Aは3℃〜180℃の範囲で設定し、第2温度Bは3℃±10℃に設定し、第3温度Cは−25℃以下に設定すればよい。また、実施の形態2でPPを適用する場合、第4温度Dは3℃±10℃〜30℃の範囲で設定し、第5温度Eは−25℃以下に設定すればよい。
高密度ポリエチレン(以下、HDPE(high density polyethylene)と記す)の場合、図16に示すように、融点は145℃、動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は−30℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は8℃、最低温度は−48℃である。そのため、実施の形態1でHDPEを適用する場合、第1温度Aは−30℃〜145℃の範囲で設定し、第2温度Bは−30℃±10℃に設定し、第3温度Cは−48℃以下に設定すればよい。また、実施の形態2でHDPEを適用する場合、第4温度Dは−30℃±10℃〜8℃の範囲で設定し、第5温度Eは−48℃以下に設定すればよい。
ポリアセタール(以下、POM(polyacetal、polyoxymethylene)と記す)の場合、図17に示すように、融点は180℃、動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は120℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は145℃、最低温度は45℃である。そのため、実施の形態1でPOMを適用する場合、第1温度Aは120℃〜180℃の範囲で設定し、第2温度Bは120℃±10℃に設定し、第3温度Cは45℃以下に設定すればよい。また、実施の形態2でPOMを適用する場合、第4温度Dは120℃±10℃〜145℃の範囲で設定し、第5温度Eは45℃以下に設定すればよい。
以上は、結晶性の成形材料の例について説明したが、非晶性の成形材料についても同様に適用可能である。例えば、ポリカーボネート(polycarbonate)及びポリスルホン(polysulfone)の場合、東北大学歯学雑誌23;P67−72(2004年)において、動的粘弾性測定の測定周波数1Hzにおけるポリカーボネートとポリスルホンの貯蔵弾性率E’と動的損失E’’の温度依存性を図5に、損失正接tanδの温度依存性を図6に示している。
当該図を参照すると、ポリカーボネートの場合、硬化温度は280℃、動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は155℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は170℃、最低温度は75℃である。そのため、実施の形態1でポリカーボネートを適用する場合、第1温度Aは155℃〜280℃の範囲で設定し、第2温度Bは155℃±10℃に設定し、第3温度Cは75℃以下に設定すればよい。また、実施の形態2でポリカーボネートを適用する場合、第4温度Dは155℃±10℃〜170℃の範囲で設定し、第5温度Eは75℃以下に設定すればよい。
また、ポリスルホンの場合、硬化温度は340℃、動的粘弾性測定して得られる損失正接のガラス転移温度付近での極大値をとる時の温度は190℃、前記損失正接の温度変化において前記極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最大温度は210℃、最低温度は120℃である。そのため、実施の形態1でポリスルホンを適用する場合、第1温度Aは190℃〜340℃の範囲で設定し、第2温度Bは190℃±10℃に設定し、第3温度Cは120℃以下に設定すればよい。また、実施の形態2でポリスルホンを適用する場合、第4温度Dは190℃±10℃〜210℃の範囲で設定し、第5温度Eは120℃以下に設定すればよい。
以上のように本実施の形態によれば、各種の成形材料に対して実施の形態1及び2を適用することにより、実施の形態1及び2と同様の効果を得ることができる。
また、前記実施の形態の説明では成形材料としてPPS、PBT、SPS、PA66、PP、HDPE、POM、ポリカーボネート、ポリスルホンの例について説明したが、これらの成形材料に限定されることはなく、その他の熱可塑性の結晶性樹脂、非晶性樹脂、又は熱硬化性樹脂に対しても動的粘弾性測定して得られる損失正接の温度変化曲線に基づいて同様に適用することができる。また、これらの成形材料にガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、セラミック粒子、各種金属粉末等の混合材料であっても良い。
実施の形態4.
本実施の形態では、前記実施の形態の製造工程において、少なくとも成形材料を固化する過程から成形体を金型から離隔するまでは、成形体の一部を金型に抱き付かせた状態で保持するようにした。これにより、前記実施の形態で示した効果をより効率的に得ることができ、成形体の精度と長期寸法安定性を向上できる。
例えば図19に示す箱形状の成形体4については、くり抜き部分5を設け、くり抜き部分5を金型のブロック10に抱き付かせるようにする。金型11のブロック10に抱き付かせた状態を図18に示す。図18は本実施の形態の成形体の製造装置の模式断面図を示している。本実施の形態において、成形体4のくり抜き部分5は、金型11に組み込まれたブロック10に抱き付いた状態で製造される。これによって、成形体4はブロック10によって収縮が拘束されるが、前記実施の形態で説明した製造方法を適用すると成形体4に発生した応力を確実に緩和させることができる。そして、ブロック10の形状を成形体4になじませることで、金型の形状を成形体4に転写させることができ、より高精度に製造することができる。なお、図18の製造装置は、前記実施の形態1の構成を示しているが、図7に示した実施の形態2の製造装置の構成としても良い。
また、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1,4 成形体、11 金型、12 キャビティ、14 媒体回路、
15,16,17,19,20 金型温度調節器、18 バルブ、
21 Maxwellモデル、22 収縮要素、23 ばね、24 ダッシュポット。

Claims (11)

  1. 流動可能な状態の成形材料を金型に充填し、前記成形材料を固化させた後、成形体を金型から離隔して所望の形状に成形する成形体の製造方法であって、
    前記成形材料を前記金型に充填する工程において、金型に充填された前記成形材料の温度を、前記成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度よりも高く、前記成形材料の融点もしくは硬化温度以下である第1温度に保持し、
    前記成形材料を固化する工程において、前記成形材料の温度を、前記損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍である第2温度に保持し、
    固化した前記成形体を前記金型から離隔するまでの工程において、前記成形材料の温度を、前記損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第3温度に低下させる、ことを特徴とする成形体の製造方法。
  2. 前記成形材料を固化する工程において、前記成形材料を前記第2温度に保持する前に、所定の時間、前記第1温度に保持した状態とすることを特徴とする請求項1に記載の成形体の製造方法。
  3. 前記所定の時間は、前記第1温度で前記成形材料を等温結晶化測定した時に、熱量変化がピークとなって現れる時間以上であることを特徴とする請求項2に記載の成形体の製造方法。
  4. 前記成形材料を固化する工程において、前記成形材料の温度を、前記第2温度に保持する時間は、前記第2温度における前記損失正接と前記動的粘弾性測定の測定周波数の積の逆数で表される前記成形材料の緩和時間以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  5. 流動可能な状態の成形材料を金型に充填し、前記成形材料を固化させた後、成形体を金型から離隔して所望の形状に成形する成形体の製造方法であって、
    前記成形材料を前記金型に充填し、固化する工程において、金型に充填された前記成形材料の温度を、前記成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍以上であり、かつ前記損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最高温度以下である第4温度に保持し、
    固化した前記成形体を前記金型から離隔するまでの工程において、前記成形材料の温度を、前記損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第5温度に低下させる、ことを特徴とする成形体の製造方法。
  6. 前記成形材料を前記金型に充填し、固化する工程において、前記第4温度に保持する時間は、前記第4温度で前記成形材料を等温結晶化測定した時に熱量変化がピークとなって現れる時間に前記成形材料の充填に伴う時間を加算した時間、あるいは、前記成形材料の充填に伴う時間に前記損失正接と前記動的粘弾性測定の測定周波数の積の逆数によって定義される緩和時間を加算した時間のうち、どちらか長い時間以上であることを特徴とする請求項5に記載の成形体の製造方法。
  7. 前記成形材料を固化する工程から前記成形体を前記金型から離隔するまでは、前記成形体の一部を前記金型に抱き付かせた状態で保持することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  8. 前記成形材料は、前記損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近で極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度が常温以上であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  9. 前記成形材料は、結晶構造を有する高分子材料であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  10. 流動可能な状態の成形材料をキャビティに充填し、前記成形材料を固化させた後、成形体を離隔して所望の形状に成形する金型と、前記金型の温度を金型温度調節器を通じて所定の温度に調節する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記成形材料を前記金型に充填する工程において、前記金型温度を、前記成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度よりも高く、前記成形材料の融点もしくは硬化温度以下である第1温度に保持し、
    前記成形材料を固化する工程において、前記金型温度を前記損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍である第2温度に保持し、
    固化した前記成形体を前記金型から離隔するまでの工程において、前記金型温度を、前記損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第3温度に低下させる、ことを特徴とする成形体の製造装置。
  11. 流動可能な状態の成形材料をキャビティに充填し、前記成形材料を固化させた後、成形体を離隔して所望の形状に成形する金型と、前記金型の温度を金型温度調節器を通じて所定の温度に調節する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記成形材料を前記金型に充填し、固化する工程において、前記金型温度を、前記成形材料を動的粘弾性測定して得られる損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比である損失正接の温度変化がガラス転移温度付近で極大となる時の温度近傍以上であり、かつ前記損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最高温度以下である第4温度に保持し、
    固化した前記成形体を前記金型から離隔するまでの工程において、前記金型温度を、前記損失正接の温度変化においてガラス転移温度付近での極大値を含む凸領域を成す温度範囲のうち最低温度以下である第5温度に低下させる、ことを特徴とする成形体の製造装置。
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