JP2013252595A - 焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法 - Google Patents

焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法が大きく複雑な形状の焼結ダイヤモンド層付金型工具をワイヤカット放電加工法により切断加工する際に焼結ダイヤモンド層に割れや欠けが発生することを抑制可能な焼結ダイヤモンド層付金型工具の製造方法を提供する。
【解決手段】焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法は、超硬合金層及び焼結ダイヤモンド層が焼結成形された焼結体素材からワイヤカット放電加工により切出された加工用部4を有し加工用部4の輪郭線6に凹部を有する焼結ダイヤモンド層付金型工具100の製造方法である。焼結体素材から加工用部4を形成するための粗加工材を切りだす切出し工程と、粗加工材を凹部7の形状に沿って切断する凹部加工工程と、を有し、凹部加工工程の前に、凹部7の内側部分へ凹部7の凹入方向に沿って切込み線を設ける切込み工程を有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、超硬合金に焼結ダイヤモンド層が焼付け成形された焼結体素材を用いて、焼結ダイヤモンド層付金型工具を製造する製造方法に関する。
従来、超硬合金に焼結ダイヤモンドを焼付け成形した加工用部を備えたパンチやダイ、絞り加工用の工具等の焼結ダイヤモンド層付の金型用工具が用いられている。かかる焼結ダイヤモンド層付金型工具は、焼結体メーカーから供給される焼結体素材から切断加工され、焼結ダイヤモンドが導電性を有することからワイヤカット放電加工法が広く用いられている。
例えば、特許文献1では、半導体装置のパッケージ製造工程で用いられる超硬母材の加工用部に焼結ダイヤモンド層が焼付け成形された超硬先端をワイヤカット放電加工により切断加工する方法が紹介されている。
本発明者の知るところでは、かかる焼結ダイヤモンド層付金型工具を焼結体素材からワイヤカット放電加工法により加工する場合、焼結ダイヤモンド層の仕上げ形状の輪郭に沿って一筆書き状にワイヤを走行させて焼結体素材を切断するのが一般的である。
特開平8−131047号公報
しかし、超硬合金等にダイヤモンドを焼結成形した焼結体素材は、超硬合金と焼結ダイヤモンド層の熱膨張係数が異なるため残留応力を内包しており、焼結ダイヤモンド層が、例えば平面視で15mm×15mmを超えるような大寸法でかつ深い凹部を有する形状の場合、一筆書き状にワイヤカット放電加工を行うと、解放された残留応力により焼結ダイヤモンド層に割れや欠けが生じるという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、超硬等にダイヤモンドを焼結成形した焼結体素材から、大寸法でかつ輪郭形状に深い凹部を有する焼結ダイヤモンド層付金型工具を、ワイヤカット放電加工法により切断加工することを可能にする焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、焼結ダイヤモンド層及び超硬合金層が焼結成形された焼結体素材からワイヤカット放電加工により切り出された加工用部を有し、前記加工用部の外周の輪郭線に凹部を有するか、又は前記加工用部の前記焼結ダイヤモンド層の厚み方向に貫通する貫通孔の開口周縁の輪郭線に凹部を有する焼結ダイヤモンド層付金型工具の製造方法であって、前記焼結体素材から前記加工用部を形成するための粗加工材を切りだす切出し工程と、前記粗加工材を前記凹部の形状に沿って切断する凹部加工工程と、を有し、前記凹部加工工程の前に、前記凹部の内側部分へ前記凹部の凹入方向に沿って切込み線を設ける切込み工程を有することを特徴とする。
本発明の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法では、凹部の内側部分にこのような切込み線を設けたのち、粗加工材を前記凹部の形状に沿って切断するため、切込み線を設けず直接凹部の形状に沿って切断する場合に比べて、残留応力による焼結ダイヤモンド層の割れや欠けを抑制することができる。
本発明の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法は、前記凹部加工工程において、前記切込み線を切断または切削しないよう前記凹部の加工を行うことが好ましい。こうすることでワイヤカット放電加工機のワイヤが切断線に交差又は接触することによる焼結ダイヤモンド層の割れや欠けの発生を防止することができる。
本発明の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法は、前記凹部加工工程において、前記切込み線を挟んだ一側で前記凹部の開口側から前記凹部の形状に沿って前記粗加工材を切断して一側切断線を設けたのち、前記切込み線を挟んだ他側で前記凹部の開口側から前記凹部の形状に沿って前記粗加工材を切断して他側切断線を設け、前記一側切断線と前記他側切断線とを前記開口側と逆側の端部で連結するよう前記凹部の加工を行うことが好ましい。こうすることで、凹部の奥部に発生する焼結ダイヤモンド層の割れや欠けの発生を抑制することができる。
本発明の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法は、前記凹部加工工程において、前記一側切断線と前記他側切断縁とを前記一側に偏った点で連結することが好ましい。こうすることで凹部の奥部に発生する焼結ダイヤモンド層の割れや欠けの発生をさらに効果的に抑制することができる。
ここで、「凹部の形状に沿って」とは、当該凹部の輪郭線上を倣う場合と、当該輪郭線の外側に仕上げ代を残した状態で輪郭線からやや離れた線上を倣う場合とを含むものとする。
以上説明したように、本発明の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法によれば、焼結体素材をワイヤカット放電加工法にて切断加工する際に焼結ダイヤモンド層の割れや欠けの発生を抑制できるため、複雑な形状を有する大寸法の焼結ダイヤモンド層付金型工具を形成することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るパンチの(a)平面図、(b)側面図である。 図1のパンチの製造方法における開始孔穿設工程から切出し工程までの説明図である。 図1のパンチの製造方法におけるロウ付け工程の説明図である。 図1のパンチの製造方法における凹部加工工程、及び仕上げ工程の説明図である。 本発明の第2実施形態に係るダイの(a)平面図、(b)X−X線視断面図である。 図5のダイの製造方法における切出し工程、及びロウ付け工程の説明図である。 図5のダイの製造方法における切込み工程から仕上げ工程までの説明図である。 本発明の第3実施形態に係るダイの開始孔穿設工程から仕上げ工程までの説明図である。 本発明の第4実施形態に係るダイの開始孔穿設工程から仕上げ工程までの説明図である。 本発明の第5実施形態に係るダイの(a)平面図、(b)Y−Y線視断面図である。 図10のダイの製造方法における開始孔穿設工程から仕上げ工程までの説明図である。 本発明の実施形態に係る焼結ダイヤモンド層付金型工具に用いる焼結体素材の一例を示す斜視図である。
次に、適宜図面を参照しながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限られるものではない。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法で製造したパンチ(焼結ダイヤモンド層付金型工具)100である。パンチ100は、超硬合金層2及び焼結ダイヤモンド層3からなる加工用部4と、加工用部4に接続される超硬合金製の本体部5とを備えている。パンチ100は、加工用部4の外周の輪郭線6に、側方へ放射状に突出する8つの凸部18,…を有し、凸部18,…の間に8つの凹部7,…を有している。加工用部4外周の輪郭線6は、一例で最大径が30mmφである。
加工用部4は、図12に示すような、超硬合金層Aに焼結ダイヤモンド層Bを超高圧で焼結した焼結体素材Cから切出される。
尚、以下の説明において焼結体素材Cから切出された後の超硬合金層及び焼結ダイヤモンド層は、焼結体素材Cの超硬合金層A及び焼結ダイヤモンド層Bと区別して、数字の符号を付すものとする。
(超硬合金A)
超硬合金Aとして、本実施形態では、コバルト(Co)を結合材としてタングステンカーバイド(WC)を焼結したWC‐Co系の超硬合金を用いているが、チタンカーバイド(TiC)やタングステンカーバイド(TaC)を添加した WC−TiC−Co系や、 WC−TaC−Co系、 WC−TiC−TaC−Co系の超硬合金を用いることもできる。
(焼結ダイヤモンド層B)
本実施形態の焼結体素材Cの焼結ダイヤモンド層Bは、コバルト(Co)を結合材としてダイヤモンドを焼結した焼結ダイヤモンドである。
(焼結体素材C)
図13に示した焼結体素材Cは、超硬合金Aと、ダイヤモンド粉末と、結合材としてのコバルト粉末とを挿入した原料カプセルを超高圧・高温で焼結して形成されたものであり例えば、住友電工ハードメタル(株)社製のスミダイヤ(登録商標)を用いることができる。
本実施形態では、焼結ダイヤモンド層(焼結ダイヤモンド層)の肉厚が0.5mmで外径が50mmφのスミダイヤを用いている。
次に、第1実施形態に係るパンチ(焼結ダイヤモンド層付金型工具)100の製造方法について詳述する。第1実施形態に係る製造方法は、開始孔穿設工程S1と、切込み工程S2と、切出し工程S3と、ロウ付け工程S4と、凹部加工工程S5と、仕上げ加工工程S6とを有している。
(開始孔穿設工程S1)
開始孔穿設工程S1は、切込み工程S2で設ける切込み線の切断開始点となる開始孔8を焼結体素材Cに穿設する工程である。本実施形態では、図2(a)に示すように、焼結体素材Cの中央部分をパンチ100の加工用部4として用いる。
開始孔穿設工程S1においては、まず、図2(a)に示すように焼結体素材Cの加工用部4となる部分の凹部7の開口の略中央外側に、細孔放電加工機(図示せず)を用いて計8つの開始孔8,…を穿設する。また、切出し工程S3におけるワイヤカット放電加工の際に用いられる開始孔13も、この工程で穿設する。
(切込み工程S2)
切込み工程S2は、焼結体素材Cの加工用部4となる部分の凹部7,…の内側部分9,…に、凹部7…,の凹入方向10,…に沿って切込み線11,…を設ける工程である。
開始孔穿設工程S1が終了すると、開始孔8,…が穿設された焼結体素材Cをワイヤカット放電加工機(図示せず)にセットし、ワイヤカット放電加工機のワイヤを開始孔8の1つに挿通する。説明の便宜上、図2(b)においては、最初に○数字の1で示す位置において開始孔8にワイヤを挿通することとする。開始孔8にワイヤを挿通すると、この開始孔8に対応する凹部7の内側部分9の略中央に凹部7の凹入方向10に沿ってワイヤを走行させ、凹部7の輪郭線6まで少し距離をおいた点11aまで切込み線11を設ける。点11aまで切込み線11を設けるとワイヤを切断する。次に、○数字の2に示すように、○数字の1に示した位置にある開始孔8と焼結体素材Cの中心について対称位置にある開始孔8にワイヤを挿通し、この開始孔8に対応する凹部7の内側部分9に切込み線11を設ける。以下同様にして、図2の○数字3から8の順に、切込み線11,…を設ける。このように可及的に加工用部4の周方向及び中心についての対称性を保ちながら切込み線11,…を設けることで、より焼結ダイヤモンド層3に割れや欠けが発生することを抑制できる。
(切出し工程S3)
切出し工程S3は、焼結体素材Cから加工用部4を形成するための粗加工材12を切り出す工程である。
切込み工程S2が終了すると、ワイヤを開始孔13に挿通して切出し工程S3を開始する。図2(c)に示すように、焼結体素材Cの加工用部4となる部分の周りにワイヤを一周回させて、図2(d)に示す粗加工材12を切出す。この際、加工用部4の最終形状となる輪郭線6から外側に仕上げ代(本実施形態では、片側で約0.3mm、直径で約0.6mm)を残して粗加工材12を切出す。
(ロウ付け工程S4)
ロウ付け工程S4は、切込み工程S3で切出した粗加工材12を本体部5にロウ付け接合する工程である。
切出し工程S3が終了すると、図3(a)に示すように、切込み工程S3で切出した粗加工材12の超鋼合金層2と、同じく超合金層からなる本体部5とを銀ロウによりロウ付け接合してロウ付け中間体14を形成する。図2(b)に示すように、銀ロウ付け後、加工用部4及び本体部5は、仕上寸法である外径30mmφまで一体的に研磨加工される。
(凹部加工工程S5)
凹部加工工程S5は、粗加工材12を凹部7の形状に沿って切断して凹部7の加工を行う工程である。本実施形態ではロウ付け工程S4後に凹部加工工程S5が行われるため、凹部加工工程S5においては、粗加工材12と本体部5とを一体的に切断加工する。
図4(a)の○数字1に示す位置で説明すると、まず、切込み線11の一側(図4(a)○数字1では上側)において、粗加工材12及び本体部5(本体部5は、図4では表れず)の外周面から切断を開始し、ワイヤを凹部7の開口側から切込み線11の内側端である点11aと粗加工材12の外周面からの距離が略同じ点15aまで凹部7の仕上げ形状に沿って走行させ、一側切断線15を設ける。一側切断線15は、輪郭線6に少し仕上げ代9aを残した状態で設けられる。次に、切込み線11の他側(図4(a)○数字1では下側)において、粗加工材12及び本体部5の外周面から切断を開始し、凹部7の仕上げ形状に少し仕上げ代9aを残した状態で、ワイヤを一側切断線15の内側端である点51aまで走行させて他側切断線16を設ける。他側切断線16は、凹部7の最奥部付近でJの字状に折り返すよう設けられる。このように一側の切断線15と他側の切断線16とを凹部7の最奥部よりも、一側に偏った点15aで連結することで、焼結ダイヤモンド層3に割れや欠けが発生することを、効果的に抑制することができる。
また、図4(a)に示したように、切込み線11と切断線15又は切断線16とは、交わらないことが好ましい。こうすることで、凹部7の焼結ダイヤモンド層3に割れや欠けが発生することをさらに効果的に抑制することができる。
(仕上げ工程S6)
仕上げ工程S6は、仕上げ代9aを削り取り、パンチ100を最終形状(輪郭線6の形状)に仕上げる工程である。
凹部加工工程S5が終了すると、図4(b)にワイヤ走行線17で示すように、加工用部4の凹部7の輪郭線に沿ってワイヤを走行させ、仕上げ代9aを削り取る。この際、本実施形態では、ワイヤ走行線17上に矢印で示すように、一筆書き状にワイヤを走行させる。1つの凹部7についてワイヤ走行線17を輪郭線6側へ徐々に移動させながら、この一筆書き状のワイヤの走行を複数回繰り返すことで、少しずつ仕上げ代9aを削り取ってパンチ100を最終形状に仕上げる。このように、仕上げ工程S6において、一筆書き状にワイヤを走行させることで、ワイヤ走行線17を繋ぐことによる段差をなくして、当該段差に発生する割れや欠けを抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、図5に示した本発明の第2実施形態に係るダイ(焼結ダイヤモンド層付金型工具)200の製造方法について説明する。ダイ200は、第1実施形態のパンチ100と共に用いられるものであり、超硬合金層202及び焼結ダイヤモンド層203からなる加工用部204と、加工用部204に接続される超硬合金製の本体部205とを備えている。ダイ200は、パンチ100の加工用部4が挿通される打抜き孔221を備えており、切刃部となる打抜き孔(貫通孔)221の開口周縁の輪郭線206は、パンチ100の凸部18に対応する8つの凹部207,…を有している。
ダイ200の製造方法は、切出し工程S21と、ロウ付け加工工程S22と、開始孔穿設工程S23と、切込み工程S24と、凹部加工工程25と、仕上げ工程26とをこの順に行う。即ち、本実施形態では、第1実施形態と異なり切出し工程S21を行った後ロウ付け工程S22を行い、ロウ付け工程S22の後開始孔穿設工程S24を行う。
(切り出し工程S21)
ダイ200の製造方法では、最初に、焼結体素材Cから粗加工材212を切出す切出し工程S21を行う。切出し工程S21では、図6(a)に示すように、まず開始孔213を穿設し、開始孔213にワイヤを挿通して加工用部24となる部分の外周に沿って円形状にワイヤを走行させ(図6(b)参照)、焼結体素材Cから粗加工材212を切出す。本実施形態では、粗加工材212は、開始孔208や切込み線211(図7参照)を設けない状態で切出される。
(ロウ付け工程S22)
切出し工程S21が終わると、図6(c)に示すように、本体部205と粗加工材212とがロウ付けされてロウ付け中間体214が形成される。
(開始孔穿設工程S23)
ロウ付け工程S22が終了すると、図7(a)に示すように、粗加工材21(及び本体部205(図7(a)では表れず。))の中心に、開始孔208を穿設する。
(切込み工程S24)
開始孔穿設工程S23が終わると、開始孔208にワイヤを通し、任意の1つの凹部207(図7(a)では、○数字1で示した凹部207)の内側部分209の略中央に凹入方向210に沿って、ワイヤを走行させて切込み線211を設ける。切込み線211は、内側の端点211aが凹部207の輪郭線から少し離間するように設けられ、切込み線211が点211aに達するとワイヤが切断される。
次に○数字1と開始孔208について対称な○数字2の位置において、同様に切込み線211を設ける。以下、○数字の3〜8で示すように、加工用部4の周方向及び中心についての対称性を可及的に保ちながら切出し線211,…を設ける。
(凹部加工工程S25)
切込み工程S24が終了すると、図7(b)に矢印付きの実線で示したように、開始孔208から凹部207内を一周回させたのち開始孔208へ戻すようにワイヤを走行させて凹部207の加工を行う。凹部加工工程S25における切断線215は、凹部207の内側に仕上げ代209aが残るように、かつ切込み線211の先端211aと輪郭線206の間を通るように設けられる。また、凹部207の加工は、図7(b)に○付き数字の1〜8で示したように、加工用部204の周方向及び中心についての対称性を可及的に保つような順序で行う。尚、図7(b)においては、切断線215は、凹部207の最奥部の枝分かれ部には入り込まないように設けているが、枝分かれ部の幅や切りくずの発生具合等を考慮して、後述する切断線217のように、この枝分かれ部にまで切断線215が入り込むようにしてもよい。
(仕上げ工程S26)
凹部加工工程S25が終了すると、輪郭線206に沿ってワイヤを走行させてダイ200の仕上げ加工を行う。詳細には、図7(c)に示した切断線217のように輪郭線206に沿って一筆書き状に複数回周回させることで仕上げ代209aを少しずつ削り取るように仕上げ加工を行う。このように、ワイヤを一筆書き状に走行させることで、輪郭線206に食い違いが生じず、輪郭線206をより滑らかに仕上げることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るダイ300の製造方法について説明する。ダイ(焼結ダイヤモンド層付金型工具)300は、図8に示すように、開口部の形状が略I字を有する打抜き孔321を備えており、打抜き孔(貫通孔)321の切刃部となる開口部の輪郭線306は、I字の横棒部の両端(図8の上下端)にそれぞれ一対の凹部307,307を有している。
ダイ300の製造は、切出し工程S31、ロウ付け加工工程S32、開始孔穿設工程S33、切込み工程S34、凹部加工工程S35、及び仕上げ工程S36の順に行われる。
尚、第3実施形態においては、切出し工程S31から開始孔穿設工程S33までの製造方法が、第2実施形態と概ね共通するため切込み工程S34以下の工程のみを説明する。
(切込み工程S34)
切込み工程S34では、図8(a)に示すように、まず打抜き孔321のI字の縦線部分の中央に穿設された開始孔308から、○数字の1で示すように、I字の縦線部分の中央を通って一方の端部(図8では上側)へワイヤを走行させ、当該端部側の片方(図8では左方)の凹部307の凹入方向310に沿って、切込み線311を設ける。切込み線311と輪郭線306との間に少し間隙ができるよう輪郭線306の少し手前でワイヤ停止させたのちワイヤの進行方向を逆にして、○数字の2に示すように、当該端部側の他方(図8では右方)の凹部307の凹入方向310に沿って切込み線311を設けてワイヤを切断する。続けて、○数字の3、4で示すように、下側の凹部307,307についても同様に左右一対の切込み線311,311を設ける。
(凹部加工工程S35)
第3実施形態では、凹部307の加工は、輪郭線306の全体形状の加工と共に行う。図8(b)に切断線317で示すように、輪郭線306の内側に仕上げ代309aを残した状態で輪郭線306に沿って一筆書き状にワイヤを走行させて打抜き孔321の加工を行う。
(仕上げ工程S36)
続けて、仕上げ工程36にて、徐々に切断線317を輪郭線306へ近づけることで少しずつ仕上げ代309aを削りながら一筆書き状にワイヤを走行させて、打抜き孔321を最終形状である輪郭線306まで加工する。切込み線311及び切断線317は交わらないよう加工する。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係るダイ400の製造方法について説明する。
ダイ400は、図9に示すように、開口部の形状が縦長の略コ字状をなす打抜き孔(貫通孔)421を備えており、打抜き孔421の切刃部となる開口周縁の輪郭線406は、コ字の縦棒部の両端(図9の上下端)にそれぞれ凹部407を有している。
尚、第4実施形態においても、切出し工程S41から開始孔穿設工程S43までの製造方法が第2実施形態と概ね共通するため、切込み工程S44以下の工程のみを説明する。
(切込み工程S44)
切込み工程S44では、コ字の打抜き孔421となる部分の縦線部分の中央に穿設された開始孔408からコ字の縦線部分の中央を通って、いずれか一方の端部(図9では、上側)へワイヤを走行させたあと、当該端部の凹部407の凹入方向410に沿って切込み線411を設ける。このあと、他方の凹部407についても、同様に切込み線411を設ける。第4実施形態の凹部加工工程S45及び仕上げ工程S46は、第3実施形態と同様に加工を行うため、説明を省略する。尚、図中417は、凹部加工工程S45及び仕上げ工程S46においてワイヤが走行するワイヤ走行線を表している。
<第5実施形態>
図10は、本発明の第5実施形態に係るダイ(焼結ダイヤモンド層付金型工具)500である。ダイ500は、図10(a)に示すように、加工用部504が平面視で円形をなし、外周よりに等角度間隔に配設される3つの長孔(貫通孔)521,…と、中央部に等角度間隔で配設される6つの小孔(貫通孔)522,…とを有している。長孔521及び小孔522は、打抜き用パンチが挿入される打抜き孔である。長孔521は、加工用部504の周方向へ円弧状に延びる凹部507,507と、加工用部504の中心方向へ凹入する凹部523とを有している。
第5実施形態の製造方法においては、切出し工程S51、ロウ付け工程S52、開始孔穿設工程S53、切込み工程S54、凹部加工工程S55及び仕上げ工程S56の6つの工程を順に行った後、小孔加工工程S57を行う。切出し工程S51及びロウ付け工程S52の製造方法は、第2実施形態と概ね共通するため説明を省略する。
(開始孔穿設工程S53)
図11は、ダイ500の製造工程における開始孔穿設工程S53、切込み工程S54、凹部加工工程S55、仕上げ工程S56、及び小孔加工工程S57の加工手順を示している。図11(a)に示すように、まず、開始孔穿設工程S53において、ロウ付け中間体514の長孔521の開口部となる部分の中央に3つの開始孔508を設け、小孔522の開口部となる部分の中心に6つの開始孔520を設ける。
(切込み工程S54)
次に、切込み工程S54において、図11(a)の○数字1に示すように、開始孔508から凹部507の凹入方向510へとワイヤを走行させて切込み線511を設ける。切込み線511は、輪郭線506と接触しないよう設けられ、ワイヤは、切込み線511を設けた後切断される。続けて、○数字2で示した位置においても同様に切込み線511を設ける。以下同様に、○数字3から6に示す順序で他の2つの長孔521の凹部507用の切込み線511を設ける。尚、凹部522には切込み線を設けない。
(凹部加工工程S55)
第5実施形態では、凹部507の切断加工は、長孔521の全体形状の加工とともに行う。図11(b)に切断線517で示すように、開始孔508から凹部523に向かってワイヤを走行させたのち輪郭線506の内側に仕上げ代509aを残した状態で、輪郭線506に沿って一筆書き状にワイヤを一周回させて長孔521の加工を行う。この加工を、3つの長孔521について、順に行う。
(仕上げ工程S56)
続けて、徐々に切断線517を輪郭線506へ近づけることで少しずつ仕上げ代509aを削りながら一筆書き状にワイヤを走行させ、長孔521を最終形状である輪郭線506まで加工する。切込み線511及び切断線517は交わらないよう加工する。この加工を、3つの長孔521について、順に行う。
(小孔加工工程S57)
次に、開始孔520にワイヤを移し、小孔522の切刃部となる輪郭線519に沿って周回状にワイヤを走行させて小孔522の加工を行う。6つの小孔519,…の加工は、図11(b)に○数字4から9で示す順序で行う。
第5実施形態で示したように、ワイヤカット放電加工により円形の加工用部に複数の打抜き孔を設ける場合には、外側の打抜き孔から順に加工することで、より焼結ダイヤモンド層に割れや欠けが発生することを抑制することができる。
本発明の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法は、寸法が大きく外周又は内周形状の複雑な砥粒層を有する焼結ダイヤモンド層付金型工具の加工を行う際に焼結ダイヤモンド層に割れや欠けが発生することを抑制できるため、穴開け用のパンチやダイの他、各種の焼結ダイヤモンド層付金型工具に好適に採用できる。
100 パンチ(焼結ダイヤモンド層付金型工具)
200,300,400,500 ダイ(焼結ダイヤモンド層付金型工具)
2,202,502 超硬合金層
3,203,303,403,503 焼結ダイヤモンド層
4,204,304,404,504 加工用部
5,205,505 本体部
6,206,306,406,505 輪郭線
7,207,307,407,507 凹部
8,208,308,408,508 開始孔
9,209,309,409,509 凹部の内側部分
10,210,310,410,510 凹入方向
11,211,311,411,511 切込み線
12,212,312,412,512 粗加工材
14,214,514 ロウ付け中間体
15 一側切断線
15a 一側切断線及び他側切断線の開口と逆側の端部(一側に偏った点)
16 他側切断線

Claims (4)

  1. 焼結ダイヤモンド層及び超硬合金層が焼結成形された焼結体素材からワイヤカット放電加工により切出された加工用部を有し、前記加工用部の外周の輪郭線に凹部を有するか、又は前記加工用部の前記焼結ダイヤモンド層の厚み方向に貫通する貫通孔の開口周縁の輪郭線に凹部を有する焼結ダイヤモンド層付金型工具の製造方法であって、
    前記焼結体素材から前記加工用部を形成するための粗加工材を切りだす切出し工程と、
    前記粗加工材を前記凹部の形状に沿って切断する凹部加工工程と、を有し、
    前記凹部加工工程の前に、前記凹部の内側部分へ前記凹部の凹入方向に沿って切込み線を設ける切込み工程を有することを特徴とする焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法。
  2. 前記凹部加工工程において、前記切込み線を切断または切削しないよう前記凹部の加工を行う請求項1に記載の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法。
  3. 前記凹部加工工程において、前記切込み線を挟んだ一側で前記凹部の開口側から前記凹部の形状に沿って前記粗加工材を切断して一側切断線を設けたのち、前記切込み線を挟んだ他側で前記凹部の開口側から前記凹部の形状に沿って前記粗加工材を切断して他側切断線を設け、前記一側切断線と前記他側切断線とを前記開口側と逆側の端部で連結するよう前記凹部の加工を行う請求項1又は請求項2に記載の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法。
  4. 前記一側切断線と前記他側切断縁とを前記一側に偏った点で連結する請求項3に記載の焼結ダイヤモンド層付金型工具製造方法。
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