JP2013250371A - 光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光学フィルムと、これを備える画像表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD)をはじめとする画像表示装置には、種々の光学フィルムが使用されている。光学フィルムの一種として、重合体の延伸配向により生じる複屈折を利用した位相差フィルムがある。
位相差フィルムの中でも、負の位相差フィルム(厚さ方向の位相差が負の値をとるフィルム)は、画像表示装置の光学補償、液晶表示モードの一種であるインプレーンスイッチング(IPS)モードでの光漏れの抑制など、様々な目的に使用可能である。負の位相差フィルムは、画像表示装置のさらなる薄型化などの観点から、大きな位相差を示すことが望まれている。また、画像表示装置のさらなる表示特性の向上などの観点から、面内位相差の波長分散性がフラットであることが望まれている。
負の位相差フィルムとしては、負の固有複屈折を有するポリメチルメタクリレート(PMMA)の一軸延伸フィルムが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、当該PMMAを用いた負の位相差フィルムは、波長分散は比較的フラットであるものの、負の位相差が小さいものであった。
負の位相差フィルムとしてはまた、負の固有複屈折を有するスチレン・アクリロニトリル系共重合体(AS樹脂)の一軸延伸フィルムが知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、当該AS樹脂を用いた位相差フィルムは、大きな負の位相差を示すものの、波長分散性が十分にフラットではなかった。
一方で、大きな位相差を示し波長分散性がフラットである位相差フィルムとしては、ポリノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムが知られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、当該ポリノルボルネン系樹脂の一軸延伸フィルムは、正の位相差を示すものである。
このように、延伸配向させた場合に、大きな負の位相差を示し、かつフラットな波長分散性を有する光学フィルムは未だ得られていなかった。
そこで本発明は、延伸配向させた場合に、フラットな波長分散性と大きな負の位相差を示す光学フィルムを提供することを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体を含む。
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜20の有機残基を示し、当該有機残基は、酸素原子を含んでいてもよい。)
本発明の画像表示装置は、上記の光学フィルムを備える。
本発明によれば、延伸配向させた場合に、フラットな波長分散性と大きな負の位相差を示す光学フィルムが提供される。本発明の光学フィルムは、LCDなどの画像表示装置用の光学フィルムとして好適に使用することができる。
本発明は、下記式(1)で表される繰り返し単位〔以下、繰り返し単位(1)と称する〕を有する重合体を含む光学フィルムである。まず当該重合体について説明する。
本発明に用いられる重合体は、上記式(1)で表される繰り返し単位を有する。当該繰り返し単位は、−OCOR1で表される電子供与基と−COOR2で表される電子吸引基が結合した炭素原子を有する。本発明者らが鋭意検討した結果、繰り返し単位において電子供与基と電子吸引基が1つの炭素原子に結合している重合体を光学フィルムに使用し、当該フィルム(当該重合体)を延伸配向させた場合には、フラットな波長分散性と大きな負の位相差が得られることを見出した。
式(1)において、R1およびR2はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜20の有機残基を示し、当該有機残基は、酸素原子を含んでいてもよい。当該有機残基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜20のアルキル基;エテニル基、プロペニル基などの炭素数2〜20の不飽和脂肪族炭化水素基;フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜20の芳香族炭化水素基;上記アルキル基、上記不飽和脂肪族炭化水素基および上記芳香族炭化水素基において、水素原子の一つ以上が水酸基、カルボキシル基、エーテル基およびエステル基から選ばれる少なくとも1種の基により置換された基などが挙げられる。R1およびR2としては、繰り返し単位(1)を構成する単量体(後述の式(2)で表される単量体)の製造の容易さおよびコストの観点から、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
本発明に用いられる重合体は、繰り返し単位(1)を10〜80重量%含む共重合体であることが好ましい。繰り返し単位(1)の含有率が10重量%未満の場合には、本発明の効果が十分に得られないおそれがある。一方、繰り返し単位(1)の含有率が80重量%を超えると、重合体の溶融粘度が高くなり過ぎて、フィルム化が困難になるおそれがある。繰り返し単位(1)の含有率は、20〜70重量%であることがより好ましい。
本発明に用いられる重合体が共重合体である場合、繰り返し単位(1)以外の繰り返し単位(コモノマー単位)の種類は、光学フィルムに付与したい特性に応じて適宜決定すればよく、特に、光学フィルム用途に用いられる重合体の繰り返し単位であることが好ましい。コモノマー単位の例としては、(メタ)アクリル酸エステル単位、芳香族ビニル化合物単位、不飽和カルボン酸化合物単位、不飽和カルボン酸アミド化合物単位、シアン化ビニル化合物単位等のビニル化合物単位が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、α−ヒドロキシアクリル酸メチル、α−ヒドロキシアクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステルの重合により形成される構成単位が挙げられ、特に、メタクリル酸メチル単位、メタクリル酸シクロヘキシル単位、メタクリル酸イソボルニル単位、メタアクリル酸ベンジル単位が好ましい。
芳香族ビニル化合物単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,5−ジクロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物の重合により形成される構成単位が挙げられ、特に、スチレン単位が好ましい。
不飽和カルボン酸化合物単位としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの酸およびこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩の重合により形成される構成単位が挙げられる。
不飽和カルボン酸アミド化合物単位としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N,N−ジ(n−プロピル)アクリルアミド、N−(n−ブチル)アクリルアミド、N−(n−ヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−オクチル)(メタ)アクリルアミド、N−(t−オクチル)アクリルアミド、N−(n−ドデシル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジグリシジル(メタ)アクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの化合物の重合により形成される構成単位が挙げられる。
シアン化ビニル化合物単位としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル単位が挙げられる。
その他のビニル化合物単位としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド;アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニルなどのジビニルエステル類;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド類;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;の重合により形成される構成単位が挙げられる。
共重合の様式については特に制限はなく、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等であってよい。
重合体を構成する各繰り返し単位の含有率は、公知の手法、例えば1H核磁気共鳴(1H−NMR)分析あるいは、クロマトグラフィー分析により、重合時の残存モノマーを定量すること等により求めることができる。
本発明に用いられる重合体は、例えば、公知方法(典型的には、ラジカル重合法)に準じて、下記式(2)で表される単量体を、必要に応じコモノマーと(共)重合させることにより製造することができる。
式(2)において、R1およびR2は、前記と同義である。
次に、本発明の光学フィルムについて説明する。
本発明の光学フィルムは、前記の重合体を含むものである限りその形態について特に制限はなく、用途に応じて、他の光学部材と組み合わせて用いることもできる。本発明の光学フィルムの形態は、例えば、単層のフィルムであってもよく、他の光学部材上に形成されたコーティングフィルムであってもよい。
本発明の光学フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、フィラー等の添加剤;上記の重合体以外の重合体などを含んでいてもよい。
本発明の光学フィルムの製造方法については特に制限はなく、上記の重合体を用いて、キャスト法、溶融成形法(例えば溶融押出成形、プレス成形)などの公知の手法により製造することができる。
本発明の光学フィルムは、延伸配向させた場合に、フラットな波長分散性と大きな負の位相差を示すという光学特性を有する。また、本発明の光学フィルムは、透明性に優れる。さらに本発明の光学フィルムは高いガラス転移温度を有し、耐熱性が高く、110℃以上のガラス転移温度を有することも可能である。
そのため、本発明の光学フィルムは、公知方法に準じて、光学用途全般に使用することができ、中でも、LCDなどの画像表示装置用の光学フィルムとして好適に使用することができる。特に、本発明の光学フィルムを、位相差フィルムとして構成することが有利である。
そこで、本発明の光学フィルムの好ましい一実施態様は、延伸配向された位相差フィルムである。延伸配向は公知方法(典型的には一軸延伸または逐次二軸延伸)に準じて行うことができる。
当該実施態様においては、波長590nmの光に対する厚さ方向の位相差Rthが−15nm以下であり、波長477nmの光に対する面内位相差Re(477)と波長590nmの光に対する面内位相差Re(590)との比〔Re(477)/Re(590)〕が、0.92超1.08未満であり、かつガラス転移温度が110℃以上であるという特性を達成することができ、これらの特性を満たしていることが好ましい。Rthは、−30nm以下であることがより好ましい。比Re(477)/Re(590)は、0.95〜1.05であることがより好ましい。
なお、本明細書において、厚さ方向の位相差Rthおよび面内位相差Reは、フィルム面内における屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率をnx、フィルム面内における遅相軸に垂直な方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率をny、フィルムの厚さ方向の屈折率をnz、フィルムの厚さをdとしたときに、それぞれ、式Rth={(nx+ny)/2−nz}×dおよび式Re=(nx−ny)×dによって表される。
本発明はまた、上記の光学フィルムを備える画像表示装置である。当該画像表示装置によれば、さらなる薄型化、さらなる表示特性の向上などが可能である。当該画像表示装置は、例えば、公知の光学フィルムを上記の光学フィルムで置き換える等により構成することができる。当該画像表示装置は、好適にはLCDである。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」は「重量部」を表す。まず、実施例および比較例で用いられた評価方法について記載する。
〔ガラス転移温度〕
固形樹脂のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121の規定に準拠して求めた。具体的には、示差走査熱量計(リガク製、Thermo plus EVO DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により評価した。リファレンスにはα−アルミナを用いた。
固形樹脂のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121の規定に準拠して求めた。具体的には、示差走査熱量計(リガク製、Thermo plus EVO DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により評価した。リファレンスにはα−アルミナを用いた。
〔光学フィルムの位相差〕
実施例および比較例で得られたフィルムの、波長590nmの光に対する、面内位相差Re(590)および厚さ方向の位相差Rthは、位相差フィルム・光学材料検査装置(大塚電子製、RETS−100)を用いて求めた。なお、フィルムの厚さには、デジマチックマイクロメータ(ミツトヨ製)を用いて測定した値を使用し、また、フィルムの傾斜角度は40°とした。Rthの値が、負であってその絶対値が大きいほど、負の位相差がより大きい。
実施例および比較例で得られたフィルムの、波長590nmの光に対する、面内位相差Re(590)および厚さ方向の位相差Rthは、位相差フィルム・光学材料検査装置(大塚電子製、RETS−100)を用いて求めた。なお、フィルムの厚さには、デジマチックマイクロメータ(ミツトヨ製)を用いて測定した値を使用し、また、フィルムの傾斜角度は40°とした。Rthの値が、負であってその絶対値が大きいほど、負の位相差がより大きい。
〔光学フィルムの波長分散性〕
上記と同様にして、実施例および比較例で得られたフィルムの波長477nmの光に対する面内位相差Re(477)を求め、比〔Re(477)/Re(590)〕より波長分散性を評価した。比〔Re(477)/Re(590)〕の値が1に近いほど、波長分散性はよりフラットである。
上記と同様にして、実施例および比較例で得られたフィルムの波長477nmの光に対する面内位相差Re(477)を求め、比〔Re(477)/Re(590)〕より波長分散性を評価した。比〔Re(477)/Re(590)〕の値が1に近いほど、波長分散性はよりフラットである。
実施例1
攪拌装置、温度センサー、冷却管、および窒素導入管を備えた3L反応釜に、50部のメタクリル酸メチル(MMA)、50部のα−アセトキシアクリル酸メチル(AcAM)、80部のトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、110℃まで昇温させた。還流したところで、開始剤として0.02部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富製、製品名:ルペロックス570)を添加し、さらに0.10部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを20部のトルエンで希釈した溶液を4時間かけて滴下して、還流下(約113℃)で溶液重合を行い、さらに2時間かけて熟成を行った。
攪拌装置、温度センサー、冷却管、および窒素導入管を備えた3L反応釜に、50部のメタクリル酸メチル(MMA)、50部のα−アセトキシアクリル酸メチル(AcAM)、80部のトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、110℃まで昇温させた。還流したところで、開始剤として0.02部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アトフィナ吉富製、製品名:ルペロックス570)を添加し、さらに0.10部のt−アミルパーオキシイソノナノエートを20部のトルエンで希釈した溶液を4時間かけて滴下して、還流下(約113℃)で溶液重合を行い、さらに2時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液のうち、適当量をアルミカップにとりわけ、真空乾燥機を用いて、減圧下、150℃で溶媒を留去し固形樹脂(重合体)を得た。当該固形樹脂のGPCによる標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は133,000であった。
得られた固形樹脂を熱プレスによりフィルムに成形し、オートグラフ(島津製作所製、AG−1KNX)を用いて、固形樹脂のガラス転移温度+10℃の温度で、延伸倍率1.8倍で自由端一軸延伸を行い、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価した固形樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
実施例2
仕込みのモノマー組成を、80部のMMA、20部のAcAMとした以外は実施例1と同様にして、固形樹脂を得た。当該固形樹脂の重量平均分子量は252,000であった。この固形樹脂を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価した固形樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
仕込みのモノマー組成を、80部のMMA、20部のAcAMとした以外は実施例1と同様にして、固形樹脂を得た。当該固形樹脂の重量平均分子量は252,000であった。この固形樹脂を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価した固形樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
実施例3
仕込みのモノマー組成を、80部のスチレン(ST)、20部のAcAMとした以外は実施例1と同様にして、固形樹脂を得た。当該固形樹脂の重量平均分子量は145,000であった。この固形樹脂を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価した固形樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
仕込みのモノマー組成を、80部のスチレン(ST)、20部のAcAMとした以外は実施例1と同様にして、固形樹脂を得た。当該固形樹脂の重量平均分子量は145,000であった。この固形樹脂を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価した固形樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
比較例1
合成した固形樹脂の代わりに市販のポリメタクリル酸メチル(PMMA;住友化学製、スミペックスEX)を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価したPMMAのガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
合成した固形樹脂の代わりに市販のポリメタクリル酸メチル(PMMA;住友化学製、スミペックスEX)を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価したPMMAのガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
比較例2
合成した固形樹脂の代わりに市販のスチレン・アクリロニトリル共重合体(AS樹脂;旭化成製、スタイラックAS767)を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価したAS樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
合成した固形樹脂の代わりに市販のスチレン・アクリロニトリル共重合体(AS樹脂;旭化成製、スタイラックAS767)を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価したAS樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
比較例3
合成した固形樹脂の代わりに市販のポリノルボルネン樹脂(JSR製、ARTON RH5200J)を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価したポリノルボルネン樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
合成した固形樹脂の代わりに市販のポリノルボルネン樹脂(JSR製、ARTON RH5200J)を用いて、実施例1と同様にして、厚さ約100μmの延伸光学フィルムを得た。上記の方法により評価したポリノルボルネン樹脂のガラス転移温度と、光学フィルムの位相差および波長分散性を表1に示す。
表1の結果より、本発明の光学フィルムは、延伸配向させた場合に、フラットな波長分散性と大きな負の位相差を有することがわかる。
本発明の光学フィルムは、光学用途全般に使用することができ、中でも、LCDなどの画像表示装置用の光学フィルムとして好適に使用することができる。特に、本発明の光学フィルムを、位相差フィルムとして構成することが有利である。
Claims (6)
- 前記重合体が、前記式(1)で表される繰り返し単位を10〜80重量%含む請求項1に記載の光学フィルム。
- 延伸配向された位相差フィルムである請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 波長590nmの光に対する厚さ方向の位相差Rthが−15nm以下であり、波長477nmの光に対する面内位相差Re(477)と波長590nmの光に対する面内位相差Re(590)との比〔Re(477)/Re(590)〕が、0.92超1.08未満であり、かつガラス転移温度が110℃以上である請求項3に記載の光学フィルム。
- 画像表示装置用である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 請求項5に記載の光学フィルムを備える画像表示装置。
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JP2017165845A (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | 株式会社日本触媒 | ラクトン環含有重合体の製造方法、重合体およびラクトン環含有重合体 |
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