JP2013249361A - 耐トラッキング性改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた耐トラッキング性を付与することが可能となる耐トラッキング性改良剤を提供する。
【解決手段】 エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)100重量部に対し、少なくとも水酸化マグネシウム(B1),2CaO・3B・5HOで表されるホウ酸カルシウムの水和物(B2),ハイドロタルサイト(B3)から選択される1種以上の無機フィラー(B)10〜2000重量部を含むことを特徴とする耐トラッキング性改良剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に代表される樹脂が本来有する機械的強度、耐熱性、電気絶縁性などを損なうことなく、高度な耐トラッキング性を付与することが可能となる耐トラッキング性改良剤に関するものであり、更に詳しくは、高い耐電圧特性を要求される電気・電子部品や自動車電装部品のような、特に高度な耐トラッキング性と優れた機械的強度とを同時に要求される用途への展開を可能とする耐トラッキング性改良剤に関するものである。
ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に代表される熱可塑性樹脂は、耐熱性、機械的強度、電気絶縁性、及び成形性に優れることから、電気・電子部品や自動車電装部品等に幅広く用いられている。中でも非密閉状態で湿気、塵埃にさらされた状態で高電圧のかかる電気・電子部品や自動車電装部品においては、耐トラッキング性が要求される。近年この様な部品においては、各種機器の小型化の趨勢から薄肉化、小型化されてきており、その結果絶縁距離が短くなり成形品の耐トラッキング性と機械的強度の更なる向上が望まれている。しかしながら、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂に代表される熱可塑性樹脂は、耐トラッキング性能が低く、高度な耐トラッキングが要求される部分には使用が困難であった。
ポリアミド樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂の耐トラッキング性を改良する試みについては、これまでにもいくつかの検討がなされ、(a)ポリアミド樹脂、(b)メラミンシアヌレート、及び(c)ホウ酸金属塩からなるウィスカーを配合する樹脂組成物(例えば特許文献1参照。)、(a)ポリアミド樹脂、(b)臭素系難燃剤、(c)アンチモン化合物、(d)水酸化マグネシウム、及び(e)ガラス繊維を配合する樹脂組成物(例えば特許文献2参照。)、(a)ポリブチレンテレフタレートまたはポリアミド樹脂、(b)ガラス繊維、及び(c)コマレナイトを配合する樹脂組成物(例えば特許文献3参照。)、(a)熱可塑性ポリエステル樹脂、(b)ポリオレフィン系樹脂、(c)ホウ酸亜鉛、及び(d)無機充填剤を配合する樹脂組成物(例えば特許文献4参照。)、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、及び(b)芳香族基を含有する特定構造のシリコーン化合物を配合する樹脂組成物(例えば特許文献5参照。)、等が提案されている。
特開平11−001613号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開平11−172101号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開平10−204269号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開平09−272791号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2003−147189号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1〜4に提案された樹脂組成物においては、耐トラッキング性がまだ十分に満足できないという課題があった。また、これらの提案樹脂組成物においては、十分に優れた耐トラッキング性を得るためには、高いフィラー含有量が必須となり、このため組成物の機械的強度の低下が著しく、更には金型離型性や成形品外観の悪化をきたすものであった。即ち、これらの樹脂組成物はおしなべて、優れた耐トラッキング性と、高い機械的強度、良好な金型離型性や成形品外観とを同時に得ることは難しかった。
また、特許文献5に提案された樹脂組成物においては、耐トラッキング性がまだ十分に満足できないばかりか、シリコーン化合物が成形品表面に滲み出て、成形品外観を悪化させるという課題があった。
そこで、本発明は、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に代表される樹脂が本来有する機械的強度、耐熱性、電気絶縁性などを損なうことなく、高度な耐トラッキング性を付与することが可能となる耐トラッキング性改良剤を提供することを目的とし、さらに詳しくは、電気・電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途への展開をも可能とする耐トラッキング性改良剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、水酸化マグネシウム,2CaO・3B・5HOで表わされるホウ酸カルシウムの水和物,ハイドロタルサイトから選択される1種以上の無機フィラーを配合しなる耐トラッキング性改良剤が、樹脂が本来有する機械的強度、耐熱性、電気絶縁性などを損なうことなく、高度な耐トラッキング性を付与することが可能となりうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記の一般式(1)で示されるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)100重量部に対し、少なくとも水酸化マグネシウム(B1),2CaO・3B・5HOで表されるホウ酸カルシウムの水和物(B2),ハイドロタルサイト(B3)から選択される1種以上の無機フィラー(B)10〜2000重量部を含むことを特徴とする耐トラッキング性改良剤に関するものである。
Figure 2013249361
(ここで、x、zはいずれもが0を超え、yが0以上、x+y+z=1であり、Rは炭素数1〜10の炭化水素基である。)
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明の耐トラッキング性改良剤は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)100重量部に対して、少なくとも水酸化マグネシウム(B1),2CaO・3B・5HOで表されるホウ酸カルシウムの水和物(B2),ハイドロタルサイト(B3)から選択される1種以上の無機フィラー(B)10〜2000重量部を含むものである。
本発明の耐トラッキング性改良剤を構成する上記の一般式(1)で示されるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)は、耐トラッキング性を付与するための構成である。そして、該エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)は、上記の一般式(1)において、x、z、はいずれもが0を超え、yは0以上、x+y+z=1であり、Rは炭素数1〜10の炭化水素基からなるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体である。
ここで、xが0である場合、樹脂等に配合した際の耐熱性を低下させてしまう。また、zが0である場合、耐トラッキング性改良剤としての効果が低いものとなる。そして、特に高い耐トラッキング性改良効果が発現するものとなることから、x=0.25〜0.94、y=0〜0.15、z=0.02〜0.75の範囲であるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましく、また、x、y、z、はいずれもが0を超えるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体、特にx=0.69〜0.94、y=0.01〜0.15、z=0.02〜0.30の範囲であるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体であることが好ましい。
また、Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。ここで、炭素数10を超えるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体である場合、配合した際の機械的強度を低下させてしまう。
該エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)の製法は特に制限はなく、例えばエチレン単量体、脂肪酸ビニルエステル単量体及びビニルアルコール単量体を共重合する方法;エチレン−脂肪酸ビニルエステル共重合体を部分鹸化する方法、等により得ることが可能であり、中でもエチレン−脂肪酸ビニルエステル共重合体を部分鹸化し得られるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体は工業的に入手が容易であることから好ましく、中でもエチレン−酢酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体は、工業的に入手が容易であること、特に耐トラッキング性改良効果に優れる耐トラッキング性改良剤となることから最も好ましい。
本発明の耐トラッキング性改良剤は、水酸化マグネシウム(B1),2CaO・3B・5HOで表されるホウ酸カルシウムの水和物(B2),ハイドロタルサイト(B3)から選択される1種以上の無機フィラー(B)を配合してなるものである。
該水酸化マグネシウム(B1)としては、水酸化マグネシウムと称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも、得られる耐トラッキング性改良剤が、優れた耐トラッキング性を与えうるものとなり、かつ高い機械的強度をも発現させることから、化学式Mg(OH)で示される水酸化物を80重量%以上含む比較的純度の高い水酸化マグネシウムが好ましく、化学式Mg(OH)で示される水酸化物を80重量%以上、CaO含有量5重量%以下、塩素含有量1重量%以下である水酸化マグネシウムがより好ましく、Mg(OH)95重量%以上、CaO含有量1重量%以下、塩素含有量0.5重量%以下である水酸化マグネシウムが更に好ましく、Mg(OH)98重量%以上、CaO含有量0.1重量%以下、塩素含有量0.1重量%以下の高純度水酸化マグネシウムが最も好ましい。
該水酸化マグネシウム(B1)は、特に優れた耐トラッキング性を与えうるものとなり、かつ高い機械的強度、成形品外観をも発現させるものとなることから、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D50)が0.3〜10μmの範囲を有するものであることが好ましく、特に0.5〜3μmの範囲を有するものであることが好ましい。また、該水酸化マグネシウム(B1)の比表面積は、特に耐トラッキング性、機械的強度に優れる樹脂組成物を与えうる耐トラッキング性改良剤となることから、10m/g以下であることが好ましい。
該水酸化マグネシウム(B1)としては、例えば表面処理が施されていない水酸化マグネシウム(以下、表面未処理水酸化マグネシウム(B1−1)と記す。)、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸の金属塩、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤等で表面処理が施された水酸化マグネシウム(以下、表面処理水酸化マグネシウム(B1−2)と記す。)、等が挙げられる。そして、表面処理水酸化マグネシウムの表面被覆処理剤について特に制限はなく、高級脂肪酸及びその金属塩としては、例えばステアリン酸、オレイン酸等、及びそのアルカリ金属塩等;アニオン系界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル等;リン酸エステルとしては、例えばオルトリン酸と高級アルコールのエステル類等;シラン系カップリング剤としては、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等;チタネート系カップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート等;アルミニウム系カップリング剤としては、例えばアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等;多価アルコールと脂肪酸のエステル類としては、例えばグリセリンモノステアレート等、が挙げられる。そして、これら水酸化マグネシウム(B1)の中でも特に優れた機械的強度を発現しうる耐トラッキング性改良剤となることから、表面処未理水酸化マグネシウム(B1−1)、シラン系カップリング剤で表面処理が施された表面処理水酸化マグネシウム(B1−2)及びこれらの混合物が好ましい。
該ホウ酸カルシウムの水和物(B2)とは、2CaO・3B・5HOの構造式で表されるものであり、一般的には天然鉱物であるコマレナイトとして称されることもあるものであり、該ホウ酸カルシウムの水和物(B2)が2CaO・3B・5HOの構造を有するものであれば、天然鉱物に限定されるものではない。
そして、該ホウ酸カルシウムの水和物(B2)は、特に耐トラッキング性、機械的強度、成形品外観を発現しうる耐トラッキング性改良剤となることから、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D50)が1〜30μmの範囲を有するものであることが好ましく、特に1〜20μmの範囲を有するものであることが好ましい。
また、該ホウ酸カルシウムの水和物(B2)は、その表面が被覆処理されているもの、若しくはされていないもののいずれも用いることができる。表面が被覆処理される場合の、表面被覆処理剤は特に制限はなく、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸の金属塩、アニオン系界面活性剤、リン酸エステル、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、多価アルコールと脂肪酸のエステル類等が挙げられる。高級脂肪酸及びその金属塩としては、例えばステアリン酸、オレイン酸、及びそのアルカリ金属塩等;アニオン系界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル等;リン酸エステルとしては、例えばオルトリン酸と高級アルコールのエステル類等;シラン系カップリング剤としては、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等;チタネート系カップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート等;アルミネート系カップリング剤としては、例えばアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等;多価アルコールと脂肪酸のエステル類としては、例えばグリセリンモノステアレート等、が挙げられる。
該ハイドロタルサイト(B3)とは、ハイドロタルサイトと称される範疇に属するものであれば如何なるものも用いることが可能であり、例えば下記の一般式(2)で示されるものを挙げることができる。
(M1−a(OH))(Cn−a/n・mHO (2)
(ここで、Mは2価の金属、Nは3価の金属、Cn−は陰イオンを表し、aは0<a<1、mはm≧0、nは1,2又は3である。)
上記の一般式(2)で示されるハイドロタルサイトは、(M1−a(OH))で表わされる複合金属水酸化物の層と、その層の間に挿入したCn−で示される陰イオン及び水とから成る構造よりなるものである。そして、層間に挿入された水(以下、層間水と言う。)は、おおよそ200℃前後に加熱することにより層間より脱離させることが可能である。
本発明の耐トラッキング性改良剤を樹脂等と配合する際には、加熱溶融混練法により調製することが一般的であり、その際の混練温度は250℃以上に達することが多いことから、該ハイドロタルサイト(B3)としては、加熱溶融混練時における層間水の脱離を抑制することが可能となることから、予め層間水を脱離させたものであることが好ましい。層間水を脱離させる方法としては、例えば加熱乾燥する方法が挙げられる。この様な加熱乾燥装置としては、例えば静置型乾燥機、回転・撹拌型乾燥機、搬送型乾燥機等が例示できる。また加熱条件としては、処理するハイドロタルサイトの量、加熱乾燥装置の型式や大きさ等により異なるものではあるが、例えば加熱温度としては200〜280℃、加熱時間としては2時間〜半日程度であることが好ましい。
そして、上記の一般式(2)で示されるハイドロタルサイトのMである2価の金属としては、例えばMg、Zn、Ca、Ni、Co等を挙げることができ、Nである3価の金属としては、例えばAl、Fe、Mn、Cr等を挙げることができ、Cn−である陰イオンとしては、例えばCO 2−、SO 2−、Cl等を挙げることができる。また、aは0<a<1であり、層間水の量を示すmとしては、m≧0であり、本発明の耐トラッキング性改良剤を樹脂等と配合する際に脱離する水が少なくなることから0≦m≦5であることが好ましい。
該ハイドロタルサイト(B3)としては、具体的には(Mg0.75Al0.25(OH))(CO 2−0.125・4HO、(Mg0.75Al0.25(OH))(CO 2−0.125、(Mg0.67Al0.33(OH))(CO 2−0.167・3HO、(Mg0.67Al0.33(OH))(CO 2−0.167、(Mg0.7Al0.3(OH))(CO 2−0.15・3.5HO又は(Mg0.7Al0.3(OH))(CO 2−0.15等を挙げることができる。
該ハイドロタルサイト(B3)は、特に耐トラッキング性、機械的強度、成形品外観を発現しうるものとなることから、レーザー回折散乱法により測定した平均粒子径(D50)が0.3〜10μmの範囲を有するものであることが好ましく、特に0.4〜2μmの範囲を有するものであることが好ましい。また、該ハイドロタルサイト(B3)の比表面積は、特に優れた耐トラッキング性、機械的強度を発現しうるものとなることから、20m/g以下であることが好ましい。
また、該ハイドロタルサイト(B3)は、その表面が被覆処理されているもの、若しくはされていないもののいずれも用いることができる。表面が被覆処理される場合の、表面被覆処理剤は特に制限はなく、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸の金属塩;アニオン系界面活性剤、リン酸エステル、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、多価アルコールと脂肪酸のエステル類等が挙げられる。高級脂肪酸及びその金属塩としては、例えばステアリン酸、オレイン酸等、及びそのアルカリ金属塩等;アニオン系界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル等;リン酸エステルとしては、例えばオルトリン酸と高級アルコールのエステル類等;シラン系カップリング剤としては、例えばビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等;チタネート系カップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート等;アルミネート系カップリング剤としては、例えばアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等;多価アルコールと脂肪酸のエステル類としては、例えばグリセリンモノステアレート等、が挙げられる。
本発明の耐トラッキング性改良剤において、該無機ファイラー(B)として、水酸化マグネシウム(B1)、ホウ酸カルシウムの水和物(B2)、ハイドロタルサイト(B3)をそれぞれ単独で用いることも可能であり、又、2種以上の混合物として用いることも可能である。
本発明の耐トラッキング性改良剤を構成する無機フィラー(B)の配合量は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)100重量部に対し、10〜2000重量部である。該無機フィラー(B)の配合量が10重量部未満である場合、耐トラッキング性改良効果に劣るものとなる。一方、該無機フィラー(B)の配合量が2000重量部を越える場合、機械的強度、金型離型性、成形品外観等に課題を発生しやすいものとなる。
本発明の耐トラッキング性改良剤は、配合することにより耐トラッキング性改良効果を発現するものであり、例えばポリアリーレンスルフィド、ポリアミド樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に代表される熱可塑性樹脂等に配合することにより、耐トラッキング性改良効果を付与するものである。
その際のポリアリーレンスルフィドとしては、例えばポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリフェニレンスルフィドエーテル、ポリジフェニレンスルフィド等を挙げることができる。
また、ポリアミド樹脂としては、例えばポリアミド6(ε−アミノカプロン酸又はε−カプロラクタムの重縮合ポリアミド)、ポリアミド11(11−アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムの重縮合ポリアミド)、ポリアミド12(12−アミノドデカン酸又はラウリルラクタムの重縮合ポリアミド)、ポリアミド66(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の共縮重合ポリアミド)、ポリアミド46(テトラメチレンジアミンとアジピン酸の共縮重合ポリアミド)、ポリアミド610(ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の共縮重合ポリアミド)、ポリアミド6T(ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の共縮重合ポリアミド)、ポリアミド6I(ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の共縮重合ポリアミド)、ポリアミド9T(ノナンメチレンジアミンとテレフタル酸の共縮重合ポリアミド)等をあげることができる。
熱可塑性芳香族ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン−1、2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボキシレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート等をあげることができる。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体または共重合体が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルのような4,4’−ジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等があげられる。これらは単独でまたは2種以上混合して使用されるが、これらの他のピペラジン、ジピペリジル、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。これらのポリカーボネート樹脂は、分子量を制御するため通常フェノール、パラ−t−ブタルフェノール、パラ−t−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどのフェノール化合物を反応させて重合を停止させる。
該ポリカーボネート樹脂としては、特にビスフェノールAから製造される、下記の一般式(3)で示される繰り返し単位よりなるポリカーボネート樹脂が、200℃以上の融点を有する耐熱性や優れた強度を有するポリカーボネート樹脂であり、好適な例として挙げられる。
Figure 2013249361
さらに、本発明の耐トラッキング性改良剤は、各種熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、例えばエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等にも配合しうる。
さらに、本発明の耐トラッキング性改良剤を配合する際には、例えばガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維等が繊維状充填剤;例えばワラストナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、タルク、アルミナシリケート等の珪酸塩;酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム等の窒化物;ガラスフレーク、ガラスビーズ等の非繊維状充填材とも併用することができる。
本発明の耐トラッキング性改良剤は、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に代表される樹脂が本来有する機械的強度、耐熱性、電気絶縁性などを損なうことなく、高度な耐トラッキング性を付与することが可能となり、高い耐電圧特性を要求される電気・電子部品や自動車電装部品のような用途への展開を可能とするものである。
次に、本発明を実施例及び比較例によって説明するが、本発明はこれらの例になんら制限されるものではない。
実施例、比較例、参考例において用いたエチレン−ビニルアルコール系共重合体、無機フィラー、樹脂の詳細を以下に示す。
<エチレン−ビニルアルコール系共重合体>
エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(A−1)(以下、単に共重合体(A−1)と記す。):東ソー(株)製、(商品名)メルセンH6820、x=0.817、y=0.021、z=0.162、Rがメチル基。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(A−2)(以下、単に共重合体(A−2)と記す。):東ソー(株)製、(商品名)メルセンH6051、x=0.802、y=0、z=0.198。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(A−3)(以下、単に共重合体(A−3)と記す。):(株)クラレ製、(登録商標)エバール F171B、x=0.32、y=0、z=0.68。
<無機フィラー>
表面未処理水酸化マグネシウム(B1−1)(以下、単に水酸化マグネシウム(B1−1)と記す。);マーティンスベルク社製、(商品名)マグニフィンH5;Mg(OH)含有量99.8重量%、平均粒子径0.8μm、比表面積5.5m/g。
表面処理水酸化マグネシウム(B1−2)(以下、単に水酸化マグネシウム(B1−2)と記す。);協和化学工業(株)製、(商品名)キスマ5P;Mg(OH)含有量99.5重量%、平均粒子径0.7μm、比表面積6.5m/g、表面処理:メタクリロキシシラン。
ホウ酸カルシウムの水和物(B2−1)(以下、単にホウ酸カルシウム(B2−1)と記す。);キンセイマテック(株)製、(商品名)UBP3ミクロン品、平均粒子径3μm。
ハイドロタルサイト(B3−1)(以下、単にハイドロタルサイト(B3−1)と記す。);堺化学工業(株)製、(商品名)STABIACE HT-1;(Mg0.67Al0.33(OH))(CO 2−0.167・3HO、平均粒子径0.58μm、BET比表面積10m/g。
ハイドロタルサイト(B3−2)(以下、単にハイドロタルサイト(B3−2)と記す。);ハイドロタルサイト(B3−1)を加熱処理し、層間水を脱離除去し、(Mg0.67Al0.33(OH))(CO 2−0.167としたもの。
<樹脂>
ポリアミド樹脂(C1−1)(以下、単にPA(C1−1)と記す。):(株)クラレ製、(商品名)ジェネスタN1000A、ポリアミド9T。
熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂(C2−1)(以下、単にPBT(C2−1)と記す。)
:BASF JAPAN社製、(商品名)ウルトラデュアーB4500、ポリブチレンテレフタレート。
ポリカーボネート樹脂(C3−1)(以下、単にPC(C3−1)と記す。):帝人化成(株)製、(商品名)パンライトL−1250Y。
ハイドロタルサイトの加熱処理
送風定温乾燥機(アドバンテック社製、(商品名)FC−610)にハイドロタルサイト(B3−1)を入れ、220℃で5時間加熱処理し、ハイドロタルサイトの層間水を脱離除去しハイドロタルサイト(B3−2)を得た。本加熱処理によりハイドロタルサイト(B3−1)は11重量%減量し、層間水は脱離除去された。
実施例及び比較例で用いた評価・測定方法を以下に示す。
〜耐トラッキング性の測定〜
射出成形により直径50mm、厚さ3mmの円盤状試験片を作製し、該試験片を用いて、ICE112に準じて比較トラッキング指数(以下、CTIと記す。)を測定した。CTIとして500(V)を超えるものを耐トラッキング性に優れると判断した。
実施例1
共重合体(A−1)100重量部に対して水酸化マグネシウム(B1−1)500重量部を配合して、シリンダー温度160℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数100rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物をホットカットにて裁断し、ペレット状の耐トラッキング性改良剤を得た。
参考例1
実施例1により得られた耐トラッキング性改良剤100重量部に対し、PA(C1−1)80重量部、PBT(C2−1)80重量部、PC(C3−1)100重量部のそれぞれを配合して、シリンダー温度320℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、樹脂組成物とすることにより、耐トラッキング効果の確認を行った。
得られたPA(C1−1)樹脂組成物は、550VのCTI、PBT(C2−1)樹脂組成物は、525VのCTI、PC(C3−1)組成物は525VのCTIを示すものであった。
実施例2
共重合体(A−2)100重量部に対して水酸化マグネシウム(B1−2)900重量部を配合して、シリンダー温度160℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数80rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物をホットカットにて裁断し、ペレット状の耐トラッキング性改良剤を得た。
参考例2
実施例2により得られた耐トラッキング性改良剤100重量部に対し、PBT(C2−1)70重量部を配合して、シリンダー温度320℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、樹脂組成物とすることにより、耐トラッキング効果の確認を行った。
得られたPBT(C2−1)樹脂組成物は、600VのCTIを示すものであった。
実施例3
共重合体(A−3)100重量部に対してホウ酸カルシウム(B2−1)250重量部を配合して、シリンダー温度160℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数100rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物をホットカットにて裁断し、ペレット状の耐トラッキング性改良剤を得た。
参考例3
実施例3により得られた耐トラッキング性改良剤100重量部に対し、PA(C1−1)80重量部を配合して、シリンダー温度320℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、樹脂組成物とすることにより、耐トラッキング効果の確認を行った。
得られたPA(C1−1)樹脂組成物は、600VのCTIを示すものであった。
実施例4
共重合体(A−2)100重量部に対してハイドロタルサイト(B3−1)900重量部を配合して、シリンダー温度160℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数80rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物をホットカットにて裁断し、ペレット状の耐トラッキング性改良剤を得た。
参考例4
実施例4により得られた耐トラッキング性改良剤100重量部に対し、PA(C1−1)80重量部を配合して、シリンダー温度320℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、樹脂組成物とすることにより、耐トラッキング効果の確認を行った。
得られたPA(C1−1)樹脂組成物は、550VのCTIを示すものであった。
実施例5
共重合体(A−1)100重量部に対してハイドロタルサイト(B3−2)950重量部を配合して、シリンダー温度160℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数80rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物をホットカットにて裁断し、ペレット状の耐トラッキング性改良剤を得た。
参考例5
実施例5により得られた耐トラッキング性改良剤100重量部に対し、PC(C3−1)70重量部を配合して、シリンダー温度320℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、樹脂組成物とすることにより、耐トラッキング効果の確認を行った。
得られたPC(C3−1)樹脂組成物は550VのCTIを示すものであった。
比較例1
共重合体(A−1)100重量部に対して水酸化マグネシウム(B1−1)8重量部を配合して、シリンダー温度160℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物をホットカットにて裁断し、ペレット状の組成物を得た。
参考例6
比較例1により得られた組成物100重量部に対し、PA(C1−1)80重量部、PBT(C2−1)80重量部、PC(C3−1)100重量部のそれぞれを配合して、シリンダー温度320℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、樹脂組成物とすることにより、耐トラッキング性を測定した。
得られたPA(C1−1)樹脂組成物は、300VのCTI、PBT(C2−1)樹脂組成物は、250VのCTI、PC(C3−1)組成物は250VのCTIを示すものであった。
比較例2
共重合体(A−1)100重量部に対してホウ酸カルシウム(B2−1)2500重量部の配合を試みたが、うまく配合しなかった。
比較例3
共重合体(A−3)100重量部に対してホウ酸カルシウム(B2−1)5重量部を配合して、シリンダー温度160℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物をホットカットにて裁断し、ペレット状の組成物を得た。
参考例7
比較例3により得られた組成物100重量部に対し、PA(C1−1)50重量部、PBT(C2−1)40重量部、PC(C3−1)50重量部のそれぞれを配合して、シリンダー温度320℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、樹脂組成物とすることにより、耐トラッキング性を測定した。
得られたPA(C1−1)樹脂組成物は、325VのCTI、PBT(C2−1)樹脂組成物は、275VのCTI、PC(C3−1)樹脂組成物は250VのCTIを示すものであった。
本発明の耐トラッキング性改良剤は、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等に代表される樹脂が本来有する機械的強度、耐熱性、電気絶縁性などを損なうことなく、高度な耐トラッキング性を付与することが可能となり、高い耐電圧特性を要求される電気・電子部品や自動車電装部品のような用途への展開を可能とするものである。

Claims (7)

  1. 下記の一般式(1)で示されるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)100重量部に対し、少なくとも水酸化マグネシウム(B1),2CaO・3B・5HOで表されるホウ酸カルシウムの水和物(B2),ハイドロタルサイト(B3)から選択される1種以上の無機フィラー(B)10〜2000重量部を含むことを特徴とする耐トラッキング性改良剤。
    Figure 2013249361
    (ここで、x、zはいずれもが0を超え、yは0以上、x+y+z=1であり、Rは炭素数1〜10の炭化水素基である。)
  2. エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)が、x=0.25〜0.94、y=0〜0.15、z=0.02〜0.75であるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の耐トラッキング性改良剤。
  3. エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)が、x=0.69〜0.94、y=0.01〜0.15、z=0.02〜0.30であるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐トラッキング性改良剤。
  4. エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)が、エチレン−酢酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐トラッキング性改良剤。
  5. 水酸化マグネシウム(B1)が、表面処理が施されていない水酸化マグネシウム(B1−1)及び/又はシラン系カップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウム(B1−2)であることを特徴とする請求項1に記載の耐トラッキング性改良剤。
  6. ハイドロタルサイト(B3)が、下記の一般式(2)で示されるハイドロタルサイトであることを特徴とする請求項1に記載の耐トラッキング性改良剤。
    (M1−a(OH))(Cn−a/n・mHO (2)
    (ここで、Mは2価の金属、Nは3価の金属、Cn−は陰イオンを表し、aは0<a<1、mはm≧0、nは1,2又は3である。)
  7. ハイドロタルサイト(B3)が、(Mg0.75Al0.25(OH))(CO 2−0.125・4HO、(Mg0.75Al0.25(OH))(CO 2−0.125、(Mg0.67Al0.33(OH))(CO 2−0.167・3HO、(Mg0.67Al0.33(OH))(CO 2−0.167、(Mg0.7Al0.3(OH))(CO 2−0.15・3.5HO又は(Mg0.7Al0.3(OH))(CO 2−0.15であることを特徴とする請求項6に記載の耐トラッキング性改良剤。
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