JP2013248661A - 接合部材および接合方法 - Google Patents

接合部材および接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013248661A
JP2013248661A JP2012126825A JP2012126825A JP2013248661A JP 2013248661 A JP2013248661 A JP 2013248661A JP 2012126825 A JP2012126825 A JP 2012126825A JP 2012126825 A JP2012126825 A JP 2012126825A JP 2013248661 A JP2013248661 A JP 2013248661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibrous columnar
joining member
coating layer
joining
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012126825A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5986809B2 (ja
Inventor
Yohei Maeno
洋平 前野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2012126825A priority Critical patent/JP5986809B2/ja
Publication of JP2013248661A publication Critical patent/JP2013248661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5986809B2 publication Critical patent/JP5986809B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】高温環境での固定に耐え得る接合部材であって、非汚染用途に適し、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが生じにくく、意図した箇所への精密な接合を行うことができる、接合部材を提供する。また、そのような接合部材を用いた接合方法を提供する。
【解決手段】接合部材100は、繊維状柱状構造体20を含む接合部材100であって、繊維状柱状構造体20は複数の繊維状柱状物2からなり、繊維状柱状構造体20中の繊維状柱状物2の少なくとも1本が、その少なくとも一部の表面に金属被覆層10を備える。接合方法は、接合部材100を用いる接合方法であって、接合部材100の繊維状柱状構造体20の先端部分側を被着体に仮固定し、金属被覆層10を構成する金属の融点以上の温度で加熱することによって接合部材100と被着体を金属接合して本固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、接合部材に関する。詳細には、その一部の表面に金属被覆層を備える繊維状柱状物を少なくとも1本含む複数の繊維状柱状物からなる繊維状柱状構造体を含む接合部材であって、該繊維状柱状構造体を用いて常温で仮固定でき、加熱することで金属接合による本固定ができる、接合部材に関する。本発明はまた、このような接合部材を用いた接合方法に関する。
部材同士を常温で固定する際には、様々な接着剤や粘着剤が用いられている。しかし、高温環境での固定に耐え得る接着剤や粘着剤は数少なく、300℃程度の高温環境下での固定が限界となっている。
上記温度より高温環境における部材同士の固定には、いわゆるペーストが用いられる。しかし、ペーストには溶剤や樹脂が含まれているため、高温での施工によって有機揮発物による汚染が発生し、非汚染用途には適さないという問題がある。
そこで、非汚染用途に適した部材同士の固定方法として、金属接合が行われている(例えば、特許文献1参照)。金属接合は、部材に接している金属をその融点以上の高温に加熱することで溶融させ、その後冷却することで、部材と金属を固定する方法である。
しかし、接着剤や粘着剤を用いた固定方法とは異なり、金属接合においては、部材と金属とが固定されずに単に接している状態で加熱して接合するため、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが生じやすく、意図した箇所への精密な接合を行うことが難しいという問題がある。
また、上記のような位置ずれを防止するために、金属と樹脂との複合ペーストが提案されているが、樹脂を多く含んでいるため、高温環境での使用に限界があるとともに、上述のように、非汚染用途には適さないという問題がある。
特開2001−321182号公報
本発明の課題は、高温環境での固定に耐え得る接合部材であって、非汚染用途に適し、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが生じにくく、意図した箇所への精密な接合を行うことができる、接合部材を提供することにある。また、そのような接合部材を用いた接合方法を提供することにある。
本発明の接合部材は、
繊維状柱状構造体を含む接合部材であって、
該繊維状柱状構造体は複数の繊維状柱状物からなり、
該繊維状柱状構造体中の該繊維状柱状物の少なくとも1本が、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備える。
好ましい実施形態においては、上記繊維状柱状構造体中の該繊維状柱状物の全てが、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備える。
好ましい実施形態においては、上記金属被覆層は、該金属被覆層を備える上記繊維状柱状物の少なくとも一方の先端部分を被覆している。
好ましい実施形態においては、上記金属被覆層は、該金属被覆層を備える上記繊維状柱状物の両方の先端部分を被覆している。
好ましい実施形態においては、上記金属被覆層の長さが1μm以上である。
好ましい実施形態においては、上記金属被覆層の最厚部の厚みが1nm以上である。
好ましい実施形態においては、本発明の接合部材は、上記繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した際の、該被着体面に対するせん断接着力が、常温において0.5N/cm以上である。
好ましい実施形態においては、本発明の接合部材は、上記繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した後に上記金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で10分間保持した後の、該繊維状柱状構造体の先端部分側の該被着体面に対するせん断接着力が、常温において5N/cm以上である。
好ましい実施形態においては、上記繊維状柱状構造体が、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である。
本発明の接合方法は、
本発明の接合部材を用いる接合方法であって、
該接合部材の上記繊維状柱状構造体の先端部分側を被着体に仮固定し、
上記金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で加熱することによって該接合部材と該被着体を金属接合して本固定する。
本発明によれば、高温環境での固定に耐え得る接合部材であって、非汚染用途に適し、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが生じにくく、意図した箇所への精密な接合を行うことができる、接合部材を提供することができる。また、そのような接合部材を用いた接合方法を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態における接合部材の一例の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態における接合部材の別の一例の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態における接合部材のさらに別の一例の概略断面図である。 カーボンナノチューブ集合体の製造装置の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態における接合方法の一例を説明する概略図である。 本発明の好ましい実施形態における接合方法の別の一例を説明する概略図である。
≪接合部材≫
本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体を含む。この繊維状柱状構造体は複数の繊維状柱状物からなり、該繊維状柱状構造体中の該繊維状柱状物の少なくとも1本が、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備える。すなわち、本発明の接合部材においては、繊維状柱状構造体を構成する複数の繊維状柱状物の中の一部が、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備えている形態であっても良いし、繊維状柱状構造体を構成する複数の繊維状柱状物の全部が、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備えている形態であっても良い。本発明の接合部材において、複数の繊維状柱状物は、互いに、例えば、ファンデルワールス力によって、集合体として存在し得る。本発明の接合部材において、繊維状柱状構造体中の、少なくとも一部の表面に金属被覆層を備える繊維状柱状物の含有割合は、本発明の効果を十分に発現させる点で、好ましくは、10重量%〜100重量%であり、より好ましくは30重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは50重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは70重量%〜100重量%であり、特に好ましくは90重量%〜100重量%であり、最も好ましくは100重量%(繊維状柱状構造体中の繊維状柱状物の全てがその少なくとも一部の表面に金属被覆層を備える形態)である。
本発明の接合部材において、金属被覆層は、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の一部の表面を被覆しており、好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の少なくとも一方の先端部分を被覆しており、より好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の両方の先端部分を被覆している。なお、ここでいう金属被覆層とは、均一な厚みを有する被覆層でも良いし、部位によって異なる厚みを有する被覆層でも良い。金属被覆層の状態(長さや厚みなど)は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。
金属被覆層の長さは、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上であり、さらに好ましくは3μm以上であり、特に好ましくは5μm以上である。なお、ここでいう金属被覆層の長さとは、繊維状柱状物の長さ方向に沿った長さのことをいう。金属被覆層の長さの上限値は、好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の長さの80%以下であり、より好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の長さの60%以下であり、さらに好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の長さの50%以下であり、特に好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の長さの40%以下であり、最も好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の長さの30%以下である。
本発明の接合部材において、金属被覆層の最厚部の厚みは、本発明の効果を十分に発現させる点で、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは1nm〜500nmであり、さらに好ましくは1nm〜200nmであり、特に好ましくは1nm〜100nmである。金属被覆層の最厚部の厚みが上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが十分に抑制された上で、十分に強固な金属接合を発現することができる。
本発明の接合部材は、上記のような構成を有することにより、その一部の表面に金属被覆層を備える繊維状柱状物を少なくとも1本含む複数の繊維状柱状物からなる繊維状柱状構造体の有する優れた粘着性能によって被着体への仮固定が可能となり、さらに、金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で加熱することによって被着体との金属接合による本固定が可能となる。したがって、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが生じにくく、意図した箇所への精密な接合を行うことができる。また、本発明の接合部材は、金属被覆層および繊維状柱状構造体という耐熱性の高い材料を備えるため、高温環境での固定に耐え得る。さらに、本発明の接合部材は、溶剤や樹脂が含まれていないか、含まれていても最終的に金属によって包含され得る繊維状柱状構造体内に含まれる場合があるだけであるため、高温での施工によっても有機揮発物による汚染が発生せず、半導体分野での使用などの非汚染用途に適する。
図1は、本発明の好ましい実施形態における接合部材の一例の概略断面図である。図1において、本発明の接合部材100は、複数の繊維状柱状物2からなる繊維状柱状構造体20を含む。
本発明の接合部材においては、繊維状柱状物の少なくとも1本が、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備える。図1に示す実施形態においては、繊維状柱状物2の全てが、その少なくとも一部の表面に金属被覆層10を備える。
本発明の接合部材においては、金属被覆層は、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の一部の表面を被覆しており、好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の少なくとも一方の先端部分を被覆しており、より好ましくは、該金属被覆層を備える繊維状柱状物の両方の先端部分を被覆している。図1に示す実施形態においては、金属被覆層10は、繊維状柱状物2の両方の先端部分2aを被覆している。図1において、金属被覆層10の長さは、繊維状柱状物2の先端部分2aの被覆箇所の最先端部分10aからの繊維状柱状物の長さ方向に沿った長さLである。図1において、dは、金属被覆層10の最厚部の厚みを表す。
図2は、本発明の好ましい実施形態における接合部材の一例の概略断面図である。図2において、本発明の接合部材100は、複数の繊維状柱状物2からなる繊維状柱状構造体20を含み、繊維状柱状物2の全てが、その少なくとも一部の表面に金属被覆層10を備える。図2に示す実施形態においては、金属被覆層10は、繊維状柱状物2の両方の先端部分2aを被覆しており、かつ、隣接した繊維状柱状物2を被覆している金属被覆層10が互いに一体化している。図2において、金属被覆層10の長さは、繊維状柱状物2の先端部分2aの被覆箇所の最先端部分10aからの繊維状柱状物の長さ方向に沿った長さLである。図2において、dは、金属被覆層10の最厚部の厚みを表す。
図3は、本発明の好ましい実施形態における接合部材のさらに別の一例の概略断面図である。図3において、本発明の接合部材100は、複数の繊維状柱状物2からなる繊維状柱状構造体20を含み、繊維状柱状物2の全てが、その少なくとも一部の表面に金属被覆層10を備える。図3に示す実施形態においては、金属被覆層10は、繊維状柱状物2の片方の先端部分2aを被覆している。図3において、金属被覆層10の長さは、繊維状柱状物2の先端部分2aの被覆箇所の最先端部分10aからの繊維状柱状物の長さ方向に沿った長さLである。図1において、dは、金属被覆層10の最厚部の厚みを表す。
本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した際の、該被着体面に対するせん断接着力が、常温において、好ましくは0.5N/cm以上であり、より好ましくは1.0N/cm以上であり、さらに好ましくは5.0N/cm以上であり、特に好ましくは10N/cm以上であり、最も好ましくは15N/cm以上である。上記せん断接着力の上限は、常温において、好ましくは200N/cm以下である。上記せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、被着体への安定的な仮固定が可能となり、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれがより生じにくく、意図した箇所へのより精密な接合を行うことができる。なお、上記被着体面としては、例えば、シリコンウェハ面、クロム面などが挙げられる。上記せん断接着力の測定方法の詳細は後述する。
本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した際の、該被着体面に対するせん断接着力が、該被着体面がシリコンウェハ面の場合、常温において、好ましくは0.5N/cm以上であり、より好ましくは1.0N/cm以上であり、さらに好ましくは5.0N/cm以上であり、特に好ましくは10N/cm以上であり、最も好ましくは15N/cm以上である。上記せん断接着力の上限は、常温において、好ましくは200N/cm以下である。上記せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、被着体への安定的な仮固定が可能となり、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれがより生じにくく、意図した箇所へのより精密な接合を行うことができる。上記せん断接着力の測定方法の詳細は後述する。
本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した際の、該被着体面に対するせん断接着力が、該被着体面がクロム面の場合、常温において、好ましくは0.5N/cm以上であり、より好ましくは1.0N/cm以上であり、さらに好ましくは5.0N/cm以上であり、特に好ましくは10N/cm以上であり、最も好ましくは15N/cm以上である。上記せん断接着力の上限は、常温において、好ましくは200N/cm以下である。上記せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、被着体への安定的な仮固定が可能となり、最終的に接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれがより生じにくく、意図した箇所へのより精密な接合を行うことができる。上記せん断接着力の測定方法の詳細は後述する。
本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した後に金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で10分間保持した後の、該繊維状柱状構造体の先端部分側の該被着体面に対するせん断接着力が、常温において、好ましくは5N/cm以上であり、より好ましくは10N/cm以上であり、より好ましくは14N/cm以上であり、さらに好ましくは20N/cm以上であり、特に好ましくは30N/cm以上であり、最も好ましくは50N/cm以上である。上記せん断接着力の上限は、常温において、好ましくは500N/cm以下である。上記せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、より強固で安定した金属接合が発現できる。なお、上記被着体面としては、例えば、シリコンウェハ面、クロム面などが挙げられる。上記せん断接着力の測定方法の詳細は後述する。
本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した後に金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で10分間保持した後の、該繊維状柱状構造体の先端部分側の該被着体面に対するせん断接着力が、該被着体面がシリコンウェハ面の場合、常温において、好ましくは5N/cm以上であり、より好ましくは10N/cm以上であり、より好ましくは14N/cm以上であり、さらに好ましくは20N/cm以上であり、特に好ましくは30N/cm以上であり、最も好ましくは50N/cm以上である。上記せん断接着力の上限は、常温において、好ましくは500N/cm以下である。上記せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、より強固で安定した金属接合が発現できる。上記せん断接着力の測定方法の詳細は後述する。
本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した後に金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で10分間保持した後の、該繊維状柱状構造体の先端部分側の該被着体面に対するせん断接着力が、該被着体面がクロム面の場合、常温において、好ましくは5N/cm以上であり、より好ましくは10N/cm以上であり、より好ましくは14N/cm以上であり、さらに好ましくは20N/cm以上であり、特に好ましくは30N/cm以上であり、最も好ましくは50N/cm以上である。上記せん断接着力の上限は、常温において、好ましくは500N/cm以下である。上記せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、より強固で安定した金属接合が発現できる。上記せん断接着力の測定方法の詳細は後述する。
<金属被覆層>
金属被覆層は、1層からなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。金属被覆層を構成する金属は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
金属被覆層を構成する金属は、その融点以上の高温に加熱することで溶融した後に冷却することによって金属接合が発現できる金属であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な金属を採用し得る。このような金属の融点としては、好ましくは100℃〜1500℃であり、より好ましくは150℃〜1200℃であり、さらに好ましくは150℃〜1000℃であり、特に好ましくは150℃〜550℃である。
金属被覆層を構成する金属としては、具体的には、例えば、銅、亜鉛、アルミニウム、クロム、ニッケル、銀、金、白金、これらの合金などが挙げられる。
金属被覆層を構成する金属は、好ましくは、そのハマカー定数が10×10−20J以上である。ここで、ハマカー定数(Hamaker定数)とは、ファンデルワールス定数(Van der Waals定数)とも呼ばれ、凝集促進因子として知られる定数である。真空中でのある物質のハマカー定数をA、粒子の単位面積中の分子数をQ、ロンドン定数(London定数)をΛとすると、A=π2Q2Λなる式で関係づけられる。ハマカー定数の具体的な求め方としては、物質間の引力を直接に求める方法、臨界凝集濃度から計算する方法、表面張力の測定から求める方法などが挙げられる。各種物質のハマカー定数は一般によく知られている。
金属被覆層を構成する金属のハマカー定数が10×10−20J以上であると、本発明の接合部材がより高いせん断接着力を発現することができる。
ハマカー定数が10×10−20J以上の金属としては、例えば、Te、Ag、Fe、Pb、C、Sn、Si、Cu、Ge、Ag、Au、Ptなどが挙げられる。
本発明の接合部材においては、繊維状柱状物と金属被覆層との間に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な中間層が設けられていても良い。このような中間層の厚みは、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下であり、さらに好ましくは3nm以下である。このような中間層としては、任意の適切な金属や無機物質が挙げられ、好ましくはCrが挙げられる。
<繊維状柱状構造体>
本発明の接合部材において、繊維状柱状構造体の長さは、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは50μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上であり、特に好ましくは300μm以上であり、最も好ましくは500μm以上である。上記長さの上限は、好ましくは1000μm以下である。上記長さが上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体の有する優れた粘着性能によって被着体への安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれがより生じにくく、意図した箇所へのより精密な接合を行うことができる。
本発明の接合部材において、繊維状柱状構造体は、複数の繊維状柱状物からなる。
繊維状柱状物の材料としては、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、アルミ、鉄などの金属;シリコンなどの無機材料;カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどのカーボン材料;エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチックなどの高モジュラスの樹脂;などが挙げられる。樹脂の具体例としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドなどが挙げられる。樹脂の分子量などの諸物性は、本発明の目的を達成しうる範囲において、任意の適切な物性を採用し得る。
本発明の接合部材においては、繊維状柱状物は、たとえ樹脂が材料として採用されていても、最終的な金属接合によって金属によって包含され得るため、高温での施工によっても有機揮発物による汚染が発生せず、半導体分野での使用などの非汚染用途に適する。しかしながら、より高いレベルでの非汚染用途に用いるためには、繊維状柱状物の材料としては、樹脂を採用しないことが好ましく、具体的には、アルミ、鉄などの金属;シリコンなどの無機材料;カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどのカーボン材料;などを採用することが好ましい。
繊維状柱状物の直径は、好ましくは0.3nm〜2000nmであり、より好ましくは1nm〜1000nmであり、さらに好ましくは2nm〜500nmである。繊維状柱状物の直径が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、繊維状柱状構造体の有する優れた粘着性能によって被着体への安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれがより生じにくく、意図した箇所へのより精密な接合を行うことができる。
繊維状柱状構造体は、好ましくは、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である。この場合、上記繊維状柱状物は、好ましくは、カーボンナノチューブである。なお、カーボンナノチューブ集合体による仮固定と金属による本固定を調整するため、パターン構造などにより、各々の面積比を適宜調整してもよい。
≪カーボンナノチューブ集合体≫
本発明の接合部材において、繊維状柱状構造体は、好ましくは、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である。繊維状柱状構造体としてカーボンナノチューブ集合体を採用することにより、本発明の接合部材は、カーボンナノチューブ集合体の有する非常に優れた粘着性能によって被着体へのより安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれがより一層生じにくく、意図した箇所へのより一層精密な接合を行うことができる。また、繊維状柱状構造体としてカーボンナノチューブ集合体を採用することにより、本発明の接合部材は、高温での施工によっても有機揮発物による汚染が発生せず、半導体分野での使用などの非汚染用途に非常に適する。
<第1の好ましい実施形態>
カーボンナノチューブ集合体の好ましい実施形態の1つ(以下、第1の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である。カーボンナノチューブ集合体がこのような実施形態をとることによって、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの層数分布の分布幅は、好ましくは10層以上であり、より好ましくは10層〜30層であり、さらに好ましくは10層〜25層であり、特に好ましくは10層〜20層である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の「分布幅」とは、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数との差をいう。カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が上記範囲内にあることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの層数、層数分布は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。例えば、カーボンナノチューブ集合体から少なくとも10本、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブを取り出してSEMあるいはTEMによって測定し、層数および層数分布を評価すれば良い。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数は、好ましくは5層〜30層であり、より好ましくは10層〜30層であり、さらに好ましくは15層〜30層であり、特に好ましくは15層〜25層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最小層数は、好ましくは1層〜10層であり、より好ましくは1層〜5層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数が上記範囲内にあることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記層数分布の最頻値の相対頻度は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは1%〜25%であり、さらに好ましくは5%〜25%であり、特に好ましくは10%〜25%であり、最も好ましくは15%〜25%である。上記層数分布の最頻値の相対頻度が上記範囲内にあることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記層数分布の最頻値は、好ましくは層数2層から層数10層に存在し、さらに好ましくは層数3層から層数10層に存在する。上記層数分布の最頻値が上記範囲内にあることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
上記カーボンナノチューブの長さは、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは50μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上であり、特に好ましくは300μm以上であり、最も好ましくは500μm以上である。上記長さの上限は、好ましくは1000μm以下である。上記長さが上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの直径は、好ましくは0.3nm〜2000nmであり、より好ましくは1nm〜1000nmであり、さらに好ましくは2nm〜500nmである。上記カーボンナノチューブの直径が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
<第2の好ましい実施形態>
カーボンナノチューブ集合体の好ましい実施形態の別の1つ(以下、第2の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である。カーボンナノチューブ集合体がこのような実施形態をとることによって、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの層数分布の分布幅は、好ましくは9層以下であり、より好ましくは1層〜9層であり、さらに好ましくは2層〜8層であり、特に好ましくは3層〜8層である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の「分布幅」とは、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数との差をいう。カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が上記範囲内にあることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの層数、層数分布は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。例えば、カーボンナノチューブ集合体から少なくとも10本、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブを取り出してSEMあるいはTEMによって測定し、層数および層数分布を評価すれば良い。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数は、好ましくは1層〜20層であり、より好ましくは2層〜15層であり、さらに好ましくは3層〜10層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最小層数は、好ましくは1層〜10層であり、より好ましくは1層〜5層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数が上記範囲内にあることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記層数分布の最頻値の相対頻度は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは30%〜100%であり、さらに好ましくは30%〜90%であり、特に好ましくは30%〜80%であり、最も好ましくは30%〜70%である。上記層数分布の最頻値の相対頻度が上記範囲内にあることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記層数分布の最頻値は、好ましくは層数10層以下に存在し、より好ましくは層数1層から層数10層に存在し、さらに好ましくは層数2層から層数8層に存在し、特に好ましくは層数2層から層数6層に存在する。上記層数分布の最頻値が上記範囲内にあることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
上記カーボンナノチューブの長さは、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは50μm以上であり、さらに好ましくは100μm以上であり、特に好ましくは300μm以上であり、最も好ましくは500μm以上である。上記長さの上限は、好ましくは1000μm以下である。上記長さが上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの直径は、好ましくは0.3nm〜2000nmであり、より好ましくは1nm〜1000nmであり、さらに好ましくは2nm〜500nmである。上記カーボンナノチューブの直径が上記範囲内に収まることにより、本発明の接合部材は、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
上記カーボンナノチューブの比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
≪カーボンナノチューブ集合体の製造方法≫
カーボンナノチューブ集合体の製造方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。
カーボンナノチューブ集合体の製造方法としては、例えば、平滑な基板の上に触媒層を構成し、熱、プラズマなどにより触媒を活性化させた状態で炭素源を充填し、カーボンナノチューブを成長させる、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)によって、基板からほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブ集合体を製造する方法が挙げられる。この場合、例えば、基板を取り除けば、長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体が得られる。
上記基板としては、任意の適切な基板を採用し得る。例えば、平滑性を有し、カーボンナノチューブの製造に耐え得る高温耐熱性を有する材料が挙げられる。このような材料としては、例えば、石英ガラス、シリコン(シリコンウェハなど)、アルミニウムなどの金属板などが挙げられる。
カーボンナノチューブ集合体を製造するための装置としては、任意の適切な装置を採用し得る。例えば、熱CVD装置としては、図4に示すような、筒型の反応容器を抵抗加熱式の電気管状炉で囲んで構成されたホットウォール型などが挙げられる。その場合、反応容器としては、例えば、耐熱性の石英管などが好ましく用いられる。
カーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒(触媒層の材料)としては、任意の適切な触媒を用い得る。例えば、鉄、コバルト、ニッケル、金、白金、銀、銅などの金属触媒が挙げられる。
カーボンナノチューブ集合体を製造する際、必要に応じて、基板と触媒層の中間にアルミナ/親水性膜を設けても良い。
アルミナ/親水性膜の作製方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、基板の上にSiO膜を作製し、Alを蒸着後、450℃まで昇温して酸化させることにより得られる。このような作製方法によれば、Alが親水性のSiO膜と相互作用し、Alを直接蒸着したものよりも粒子径の異なるAl面が形成される。基板の上に、親水性膜を作製することを行わずに、Alを蒸着後に450℃まで昇温して酸化させても、粒子径の異なるAl面が形成され難いおそれがある。また、基板の上に、親水性膜を作製し、Alを直接蒸着しても、粒子径の異なるAl面が形成され難いおそれがある。
カーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒層の厚みは、微粒子を形成させるため、好ましくは0.01nm〜20nmであり、より好ましくは0.1nm〜10nmである。カーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒層の厚みが上記範囲内にあることによって、カーボンナノチューブ集合体に極めて優れた粘着性能を付与でき、被着体への非常に安定的な仮固定が可能となり、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが極めて生じにくく、意図した箇所への極めて精密な接合を行うことができる。
触媒層の形成方法は、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、金属触媒をEB(電子ビーム)、スパッタなどにより蒸着する方法、金属触媒微粒子の懸濁液を基板上に塗布する方法などが挙げられる。
カーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る炭素源としては、任意の適切な炭素源を用い得る。例えば、メタン、エチレン、アセチレン、ベンゼンなどの炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール;などが挙げられる。
カーボンナノチューブ集合体の製造における製造温度としては、任意の適切な温度を採用し得る。たとえば、本発明の効果を十分に発現し得る触媒粒子を形成させるため、好ましくは400℃〜1000℃であり、より好ましくは500℃〜900℃であり、さらに好ましくは600℃〜800℃である。
≪接合部材の製造方法≫
本発明の接合部材は、複数の繊維状柱状物からなる繊維状柱状構造体を含むようにし、該繊維状柱状構造体中の該繊維状柱状物の少なくとも1本が、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備えるように製造できる限り、任意の適切な製造方法を採用し得る。
繊維状柱状物の少なくとも一部の表面に金属被覆層を設ける方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、金属のスパッタ、金属蒸着などが挙げられる。
≪接合方法≫
本発明の接合方法は、本発明の接合部材を用いる接合方法であって、該接合部材の上記繊維状柱状構造体の先端部分側を被着体に仮固定し、上記金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で加熱することによって該接合部材と該被着体を金属接合して本固定する。
本発明の接合方法においては、第1に、本発明の接合部材の繊維状柱状構造体の先端部分側を被着体に仮固定する(仮固定工程)。この仮固定工程によって、最終的に金属接合されるまでの間に接合箇所がずれてしまうという位置ずれが生じにくく、意図した箇所への精密な接合を行うことができる。
本発明の接合方法においては、第2に、仮固定工程の後、金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で加熱することによって接合部材と被着体を金属接合して本固定する(本固定工程)。繊維状柱状構造体の熱劣化を防止するため、金属被覆層の加熱は、例えば、大気中、不活性ガス中、あるいは、真空中で行う。この本固定工程によって、接合部材と被着体とが強固に金属接合される。本発明の接合部材は、金属被覆層および繊維状柱状構造体という耐熱性の高い材料を備えるため、高温環境での固定に耐え得る。さらに、本発明の接合部材は、溶剤や樹脂が含まれていないか、含まれていても最終的に金属によって包含され得る繊維状柱状構造体内に含まれる場合があるだけであるため、高温での施工によっても有機揮発物による汚染が発生せず、半導体分野での使用などの非汚染用途に適する。
本固定工程においては、金属層を構成する金属の融点以上の温度で加熱することによって、金属が溶融し、溶融金属が被着体に接合する。この際、好ましくは、仮固定に用いられていた繊維状柱状構造体は、溶融金属によって包含され、その状態で該溶融金属が冷えて固化する。
図5に、本発明の好ましい実施形態における接合方法の一例を説明する概略図を示す。まず、仮固定工程Aにおいて、本発明の接合部材100(複数の繊維状柱状物2からなる繊維状柱状構造体20を含み、繊維状柱状物2の両方の先端部分2aを被覆している金属被覆層10を含む)の繊維状柱状構造体の先端部分側10aをそれぞれ被着体50、60に仮固定する。次に、本固定工程Bにおいて、金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で加熱し、該金属を溶融させ、被着体50、60に接合する。この際、図5に示すように、仮固定に用いられていた繊維状柱状構造体20の少なくとも一部(好ましくは、全部)は、好ましくは、溶融金属によって包含され、その状態で該溶融金属が冷えて固化する。最終的に、被着体50、60が、固化した金属30によって接合される。
図6に、本発明の好ましい実施形態における接合方法の別の一例を説明する概略図を示す。まず、仮固定工程Aにおいて、本発明の接合部材100(複数の繊維状柱状物2からなる繊維状柱状構造体20を含み、繊維状柱状物2の片方の先端部分2aを被覆している金属被覆層10を含む)の繊維状柱状構造体の金属被覆層の先端部分側10aを被着体50に仮固定する。次に、本固定工程Bにおいて、金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で加熱し、該金属を溶融させ、被着体50に接合する。この際、図6に示すように、仮固定に用いられていた繊維状柱状構造体20の少なくとも一部(好ましくは、全部)は、好ましくは、溶融金属によって包含され、その状態で該溶融金属が冷えて固化する。最終的に、被着体50と固化した金属30が接合される。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各種評価や測定は、以下の方法により行った。
<繊維状柱状構造体、繊維状柱状物の長さ、直径の測定>
繊維状柱状構造体、繊維状柱状物の長さ、直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定した。
<仮固定した際の被着体面に対するせん断接着力の測定>
(被着体面がシリコンウェハ面の場合)
シリコンウェハ(シリコンテクノロジー製、厚み=525μm)2枚を用意し、そのシリコンウェハ面の間に測定対象を挟み、5kgローラーで一往復して圧着させ、30分間放置した後、50mm/minでせん断をかけ、剥がれた際の最大応力をせん断接着力とした。
(被着体面がクロム面の場合)
シリコンウェハ(シリコンテクノロジー製、厚み=525μm)の表面にクロムをスパッタしてクロム層(厚み=20nm)を形成した。これを2枚用意し、そのクロム層側の面の間に測定対象を挟み、5kgローラーで一往復して圧着させ、30分間放置した後、50mm/minでせん断をかけ、剥がれた際の最大応力をせん断接着力とした。
<本固定した際の被着体面に対するせん断接着力の測定>
(被着体面がシリコンウェハ面の場合)
上記のように被着体面がシリコンウェハ面の場合の仮固定方法によって仮固定した後に、上面から、金属被覆層が銅層の場合は1100℃で、金属被覆層が亜鉛層の場合は500℃で、10分間加熱した後、5mm/minでせん断をかけ、剥がれた際の最大応力をせん断接着力とした。
(被着体面がクロム面の場合)
上記のように被着体面がクロム面の場合の仮固定方法によって仮固定した後に、上面から、金属被覆層が銅層の場合は1100℃で、金属被覆層が亜鉛層の場合は500℃で、10分間加熱した後、5mm/minでせん断をかけ、剥がれた際の最大応力をせん断接着力とした。
<カーボンナノチューブ集合体におけるカーボンナノチューブの層数・層数分布の評価>
カーボンナノチューブ集合体におけるカーボンナノチューブの層数および層数分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)および/または透過電子顕微鏡(TEM)によって測定した。得られたカーボンナノチューブ集合体の中から少なくとも10本以上、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブをSEMおよび/またはTEMにより観察し、各カーボンナノチューブの層数を調べ、層数分布を作成した。
<金属被覆層の長さ、厚みの測定>
金属被覆層の長さ、厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定した。
[製造例1]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(1)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(1)の長さは540μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(1)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
[製造例2]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、Al薄膜(厚み5nm)を形成した。このAl薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み0.35nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(2)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(2)の長さは540μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(2)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は1層に存在し、相対頻度は61%であった。
[製造例3]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(3)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(3)の長さは540μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(3)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72%であった。
[製造例4]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(4)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(4)の長さは540μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(4)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
[製造例5]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(5)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(5)の長さは540μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(5)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72%であった。
[製造例6]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(6)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(6)の長さは540μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(6)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
[製造例7]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、5分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(7)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(7)の長さは100μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(7)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
[製造例8]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、Al薄膜(厚み5nm)を形成した。このAl薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み0.35nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、5分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(8)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(8)の長さは100μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(8)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は1層に存在し、相対頻度は61%であった。
[製造例9]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、5分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(9)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(9)の長さは100μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(9)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72%であった。
[製造例10]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、5分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(10)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(10)の長さは100μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(10)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
[製造例11]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、5分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(11)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(11)の長さは100μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(11)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72%であった。
[製造例12]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、5分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(12)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(12)の長さは100μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(12)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
[実施例1]
製造例1で得られたカーボンナノチューブ集合体(1)を用いて、最外層として銅の金属被覆層を有する接合部材(1)を製造した。
すなわち、製造例1で得られたカーボンナノチューブ集合体(1)の両方の表面にスパッタでCu(1nm)/Cr(1nm)コートを行い、最外層として銅の金属被覆層を有する接合部材(1)を製造した。
得られた接合部材(1)についての評価結果を表1に示した。
[実施例2]
カーボンナノチューブ集合体(1)の代わりに、製造例2で得られたカーボンナノチューブ集合体(2)を用い、スパッタでCu(5nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例1と同様に行い、接合部材(2)を得た。
得られた接合部材(2)についての評価結果を表1に示した。
[実施例3]
カーボンナノチューブ集合体(1)の代わりに、製造例3で得られたカーボンナノチューブ集合体(3)を用い、スパッタでCu(10nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例1と同様に行い、接合部材(3)を得た。
得られた接合部材(3)についての評価結果を表1に示した。
[実施例4]
カーボンナノチューブ集合体(1)の代わりに、製造例4で得られたカーボンナノチューブ集合体(4)を用い、スパッタでCu(20nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例1と同様に行い、接合部材(4)を得た。
得られた接合部材(4)についての評価結果を表1に示した。
[実施例5]
カーボンナノチューブ集合体(1)の代わりに、製造例5で得られたカーボンナノチューブ集合体(5)を用い、スパッタでCu(50nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例1と同様に行い、接合部材(5)を得た。
得られた接合部材(5)についての評価結果を表1に示した。
[実施例6]
カーボンナノチューブ集合体(1)の代わりに、製造例6で得られたカーボンナノチューブ集合体(6)を用い、スパッタでCu(100nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例1と同様に行い、接合部材(6)を得た。
得られた接合部材(6)についての評価結果を表1に示した。
[比較例1]
製造例1で得られたカーボンナノチューブ集合体(1)を用いて、評価を行った。
評価結果を表1に示した。
[実施例7]
製造例7で得られたカーボンナノチューブ集合体(7)を用いて、最外層として亜鉛の金属被覆層を有する接合部材(7)を製造した。
すなわち、製造例7で得られたカーボンナノチューブ集合体(7)の両方の表面にスパッタでZn(1nm)/Cr(1nm)コートを行い、最外層として亜鉛の金属被覆層を有する接合部材(7)を製造した。
得られた接合部材(7)についての評価結果を表2に示した。
[実施例8]
カーボンナノチューブ集合体(7)の代わりに、製造例8で得られたカーボンナノチューブ集合体(8)を用い、スパッタでZn(5nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例7と同様に行い、接合部材(8)を得た。
得られた接合部材(8)についての評価結果を表2に示した。
[実施例9]
カーボンナノチューブ集合体(7)の代わりに、製造例9で得られたカーボンナノチューブ集合体(9)を用い、スパッタでZn(10nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例7と同様に行い、接合部材(9)を得た。
得られた接合部材(9)についての評価結果を表2に示した。
[実施例10]
カーボンナノチューブ集合体(7)の代わりに、製造例10で得られたカーボンナノチューブ集合体(10)を用い、スパッタでZn(20nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例7と同様に行い、接合部材(10)を得た。
得られた接合部材(10)についての評価結果を表2に示した。
[実施例11]
カーボンナノチューブ集合体(7)の代わりに、製造例11で得られたカーボンナノチューブ集合体(11)を用い、スパッタでZn(50nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例7と同様に行い、接合部材(11)を得た。
得られた接合部材(11)についての評価結果を表2に示した。
[実施例12]
カーボンナノチューブ集合体(7)の代わりに、製造例12で得られたカーボンナノチューブ集合体(12)を用い、スパッタでZn(100nm)/Cr(1nm)コートを行った以外は、実施例7と同様に行い、接合部材(12)を得た。
得られた接合部材(12)についての評価結果を表2に示した。
[比較例2]
製造例7で得られたカーボンナノチューブ集合体(7)を用いて、評価を行った。
評価結果を表2に示した。
Figure 2013248661
Figure 2013248661
本発明の接合部材は、半導体分野など、各種分野における接合に用い得る。
100 接合部材
10 金属被覆層
10a 繊維状柱状物の先端部分の被覆箇所の最先端部分
20 繊維状柱状構造体
2 繊維状柱状物
2a 繊維状柱状物の先端部分
50 被着体
60 被着体
30 固化した金属

Claims (10)

  1. 繊維状柱状構造体を含む接合部材であって、
    該繊維状柱状構造体は複数の繊維状柱状物からなり、
    該繊維状柱状構造体中の該繊維状柱状物の少なくとも1本が、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備える、
    接合部材。
  2. 前記繊維状柱状構造体中の該繊維状柱状物の全てが、その少なくとも一部の表面に金属被覆層を備える、請求項1に記載の接合部材。
  3. 前記金属被覆層は、該金属被覆層を備える前記繊維状柱状物の少なくとも一方の先端部分を被覆している、請求項1または2に記載の接合部材。
  4. 前記金属被覆層は、該金属被覆層を備える前記繊維状柱状物の両方の先端部分を被覆している、請求項3に記載の接合部材。
  5. 前記金属被覆層の長さが1μm以上である、請求項2から4までのいずれかに記載の接合部材。
  6. 前記金属被覆層の最厚部の厚みが1nm以上である、請求項2から5までのいずれかに記載の接合部材。
  7. 前記繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した際の、該被着体面に対するせん断接着力が、常温において0.5N/cm以上である、請求項1から6までのいずれかに記載の接合部材。
  8. 前記繊維状柱状構造体の先端部分側を常温で被着体面に仮固定した後に前記金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で10分間保持した後の、該繊維状柱状構造体の先端部分側の該被着体面に対するせん断接着力が、常温において5N/cm以上である、請求項1から7までのいずれかに記載の接合部材。
  9. 前記繊維状柱状構造体が、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である、請求項1から8までのいずれかに記載の接合部材。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載の接合部材を用いる接合方法であって、
    該接合部材の前記繊維状柱状構造体の先端部分側を被着体に仮固定し、
    前記金属被覆層を構成する金属の融点以上の温度で加熱することによって該接合部材と該被着体を金属接合して本固定する、
    接合方法。
JP2012126825A 2012-06-04 2012-06-04 接合部材および接合方法 Expired - Fee Related JP5986809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012126825A JP5986809B2 (ja) 2012-06-04 2012-06-04 接合部材および接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012126825A JP5986809B2 (ja) 2012-06-04 2012-06-04 接合部材および接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013248661A true JP2013248661A (ja) 2013-12-12
JP5986809B2 JP5986809B2 (ja) 2016-09-06

Family

ID=49847864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012126825A Expired - Fee Related JP5986809B2 (ja) 2012-06-04 2012-06-04 接合部材および接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5986809B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016027601A1 (ja) * 2014-08-21 2016-02-25 日東電工株式会社 半導体搬送部材および半導体載置部材
WO2016027804A1 (ja) * 2014-08-21 2016-02-25 日東電工株式会社 半導体搬送部材および半導体載置部材

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05185274A (ja) * 1992-01-13 1993-07-27 Komei Niki ろう付け用材料およびこれを用いた接着方法
WO2008035742A1 (fr) * 2006-09-22 2008-03-27 International Business Machines Corporation Structure d'interface thermique et procédé de fabrication de celle-ci
US20090246507A1 (en) * 2008-01-15 2009-10-01 Georgia Tech Research Corporation Systems and methods for fabrication and transfer of carbon nanotubes
WO2009128342A1 (ja) * 2008-04-16 2009-10-22 日東電工株式会社 繊維状柱状構造体集合体およびそれを用いた粘着部材
JP2011091106A (ja) * 2009-10-20 2011-05-06 Shinko Electric Ind Co Ltd 熱伝導部材及びその製造方法、放熱用部品、半導体パッケージ
JP2011132387A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Nitto Denko Corp カーボンナノチューブ複合構造体および粘着部材
JP2012040664A (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 Nitto Denko Corp 繊維状柱状構造体集合体および粘着部材

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05185274A (ja) * 1992-01-13 1993-07-27 Komei Niki ろう付け用材料およびこれを用いた接着方法
WO2008035742A1 (fr) * 2006-09-22 2008-03-27 International Business Machines Corporation Structure d'interface thermique et procédé de fabrication de celle-ci
US20090246507A1 (en) * 2008-01-15 2009-10-01 Georgia Tech Research Corporation Systems and methods for fabrication and transfer of carbon nanotubes
WO2009128342A1 (ja) * 2008-04-16 2009-10-22 日東電工株式会社 繊維状柱状構造体集合体およびそれを用いた粘着部材
JP2011091106A (ja) * 2009-10-20 2011-05-06 Shinko Electric Ind Co Ltd 熱伝導部材及びその製造方法、放熱用部品、半導体パッケージ
JP2011132387A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Nitto Denko Corp カーボンナノチューブ複合構造体および粘着部材
JP2012040664A (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 Nitto Denko Corp 繊維状柱状構造体集合体および粘着部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016027601A1 (ja) * 2014-08-21 2016-02-25 日東電工株式会社 半導体搬送部材および半導体載置部材
WO2016027804A1 (ja) * 2014-08-21 2016-02-25 日東電工株式会社 半導体搬送部材および半導体載置部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP5986809B2 (ja) 2016-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8900701B2 (en) Fibrous columnar structure aggregate and pressure-sensitive adhesive member using the aggregate
JP5374354B2 (ja) カーボンナノチューブ複合構造体および粘着部材
JP5577089B2 (ja) カーボンナノチューブ複合構造体および粘着部材
WO2016027803A1 (ja) 半導体搬送部材および半導体載置部材
JP2014098107A (ja) 宇宙空間で用いる把持材料
JP5415929B2 (ja) カーボンナノチューブ複合構造体からのカーボンナノチューブ柱状構造体の単離方法
JP5714928B2 (ja) 繊維状柱状構造体集合体および放熱部材
JP5986809B2 (ja) 接合部材および接合方法
JP5199753B2 (ja) カーボンナノチューブ集合体の製造方法
JP2012040664A (ja) 繊維状柱状構造体集合体および粘着部材
JP5578699B2 (ja) カーボンナノチューブ集合体
JP5893374B2 (ja) カーボンナノチューブ集合体およびそれを用いた粘弾性体
WO2016027600A1 (ja) 半導体搬送部材および半導体載置部材
JP5986808B2 (ja) 接合部材および接合方法
WO2016027804A1 (ja) 半導体搬送部材および半導体載置部材
WO2013115146A1 (ja) ナノインデンター用試料固定部材
KR20140133508A (ko) 원자간력 현미경용 시료 고정 부재
WO2013005511A1 (ja) 繊維状柱状構造体集合体
WO2016027601A1 (ja) 半導体搬送部材および半導体載置部材
JP6549995B2 (ja) 載置部材
TW201727806A (zh) 載置構件
JP5764236B2 (ja) カーボンナノチューブ集合体の製造方法
WO2017122619A1 (ja) 載置部材
JP2016074144A (ja) 粘弾性体
JP2017126695A (ja) 載置部材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5986809

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees