JP2016074144A - 粘弾性体 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄膜を有する材料であって、該薄膜がファンデルワールス力による接着効果を発現できるとともに、該薄膜単独に比べて格段に扱いやすい、新規な材料を提供する。
【解決手段】粘弾性体1000は、ヤング率が5.0×10Pa以下の柔軟層500の少なくとも一方の面側に、厚みが5000nm以下の薄膜300を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘弾性体に関する。
金箔などの薄膜は、薄膜特有のファンデルワールス力によって、被着体に接着できることが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような薄膜は、それ単独では非常に扱い難いという問題がある。
このような薄膜を扱いやすくするために、例えば、薄膜をプラスチック基材などの基板に載置して扱う方法が考えられる。しかし、プラスチック基材のような基板に薄膜を載置すると、薄膜とプラスチック基材で一体化した材料となってしまい、薄膜特有のファンデルワールス力による接着効果が発現できないという問題がある。
特開2006−341898号公報
本発明の課題は、薄膜を有する材料であって、該薄膜がファンデルワールス力による接着効果を発現できるとともに、該薄膜単独に比べて格段に扱いやすい、新規な材料を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために各種検討を行った。その結果、特定のヤング率を有する柔軟層の少なくとも一方の面側に薄膜を有する構造にすると、該薄膜表面が被着体に良好に追従して変形できる粘弾性体となり、上記課題を解決するに至った。
本発明の粘弾性体は、ヤング率が5.0×10Pa以下の柔軟層の少なくとも一方の面側に、厚みが5000nm以下の薄膜を有する。
好ましい実施形態においては、上記柔軟層の厚みが10μm〜2000μmである。
好ましい実施形態においては、上記薄膜の上記柔軟層と反対側の表面の、シリコンウェハ鏡面に対する静摩擦係数が4.0以上である。
好ましい実施形態においては、上記薄膜が無機材料から構成されている。
好ましい実施形態においては、上記柔軟層が、繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体である。
好ましい実施形態においては、上記繊維状柱状構造体が、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である。
本発明によれば、薄膜を有する材料であって、該薄膜がファンデルワールス力による接着効果を発現できるとともに、該薄膜単独に比べて格段に扱いやすい、新規な材料を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態における粘弾性体の一例の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態における粘弾性体の別の一例の概略断面図である。 柔軟層が繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体である場合の、本発明の好ましい実施形態における粘弾性体の一例の概略断面図である。 カーボンナノチューブ集合体の製造装置の概略断面図である。 ヤング率の測定方法を示す概略断面図である。
本発明の粘弾性体は、柔軟層の少なくとも一方の面側に薄膜を有する。すなわち、本発明の粘弾性体は、柔軟層の片側に薄膜を有するものであっても良いし、柔軟層の両側に薄膜を有するものであっても良い。
図1は、本発明の好ましい実施形態における粘弾性体の一例の概略断面図である。図1において、本発明の好ましい実施形態における粘弾性体1000は、柔軟層500の片側の面側に薄膜300を有する。
図2は、本発明の好ましい実施形態における粘弾性体の別の一例の概略断面図である。図2において、本発明の好ましい実施形態における粘弾性体1000は、柔軟層500の両側の面側に薄膜310、320を有する。
本発明の粘弾性体においては、薄膜の柔軟層と反対側の表面の、シリコンウェハ鏡面に対する静摩擦係数が、好ましくは4.0以上である。「薄膜の柔軟層と反対側の表面」とは、例えば、図1においては、薄膜300の柔軟層500と反対側の表面300aのことである。本発明の粘弾性体においては、薄膜の柔軟層と反対側の表面の、シリコンウェハ鏡面に対する静摩擦係数が4.0以上であれば、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できる。
本発明の粘弾性体においては、本発明の効果をより効果的に発現し得る点で、薄膜の柔軟層と反対側の表面の、シリコンウェハ鏡面に対する静摩擦係数が、より好ましくは4.3以上であり、さらに好ましくは4.5以上であり、特に好ましくは4.8以上であり、最も好ましくは5.0以上である。
本発明の粘弾性体が有する薄膜は、厚みが5000nm以下の薄膜であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な薄膜を採用し得る。本発明の粘弾性体が有する薄膜の厚みが5000nm以下であれば、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果を発現できる。
本発明の粘弾性体が有する薄膜の厚みは、本発明の効果をより効果的に発現し得る点で、好ましくは1nm〜5000nmであり、より好ましくは10nm〜3000nmであり、さらに好ましくは25nm〜1000nmであり、特に好ましくは50nm〜500nmであり、最も好ましくは100nm〜300nmである。本発明の粘弾性体が有する薄膜の厚みが厚すぎると、ファンデルワールス力による接着効果を発現し難くなるおそれがある。本発明の粘弾性体が有する薄膜の厚みが薄すぎると、ファンデルワールス力による接着効果を発現し難くなるおそれがあるとともに、取り扱い性も悪くなるおそれがある。
本発明の粘弾性体が有する薄膜の材料は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な材料を採用し得る。本発明の粘弾性体が有する薄膜の材料は、本発明の効果をより効果的に発現し得る点で、好ましくは、無機材料である。すなわち、本発明の粘弾性体が有する薄膜が無機材料から構成されていることが好ましい。
上記無機材料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な無機材料を採用し得る。このような無機材料としては、例えば、SiO、Al、Fe、TiO、MgO、Al、Cu、Ag、Au、ITOなどが挙げられる。
本発明の粘弾性体が有する薄膜は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法によって形成することができる。このような形成方法としては、例えば、スパッタにより薄膜を柔軟層表面に形成する方法、別途準備した薄膜を柔軟層表面に載置する方法などが挙げられる。スパッタの条件などは、従来一般に採用されている条件を適宜採用すれば良い。
本発明の粘弾性体が有する柔軟層は、ヤング率が5.0×10Pa以下の層であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な層を採用し得る。本発明の粘弾性体が有する柔軟層のヤング率が5.0×10Pa以下であれば、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果を発現できるとともに、該薄膜単独に比べて格段に扱いやすい。
本発明の粘弾性体が有する柔軟層のヤング率は、本発明の効果をより効果的に発現し得る点で、好ましくは10Pa〜5.0×10Paであり、より好ましくは2.0×10Pa〜3.0×10Paであり、さらに好ましくは3.0×10Pa〜2.0×10Paであり、特に好ましくは4.0×10Pa〜10Paであり、最も好ましくは5.0×10Pa〜5.0×10Paである。本発明の粘弾性体が有する柔軟層のヤング率が大き過ぎると、本発明の粘弾性体が有する薄膜のファンデルワールス力による接着効果を発現し難くなるおそれがある。本発明の粘弾性体が有する柔軟層のヤング率が小さ過ぎると、本発明の粘弾性体の取り扱い性も悪くなるおそれがある。
本発明の粘弾性体が有する柔軟層の厚みは、10μm〜2000μmである。本発明の粘弾性体が有する柔軟層の厚みがこの範囲に収まることによって、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果を発現できるとともに、該薄膜単独に比べて格段に扱いやすくなる。
本発明の粘弾性体が有する柔軟層の厚みは、本発明の効果をより効果的に発現し得る点で、好ましくは10μm〜2000μmであり、より好ましくは10μm〜1000μmであり、さらに好ましくは20μm〜500μmであり、特に好ましくは20μm〜300μmであり、最も好ましくは30μm〜100μmである。本発明の粘弾性体が有する柔軟層の厚みが厚すぎると、本発明の粘弾性体が有する薄膜のファンデルワールス力による接着効果を発現し難くなるおそれがある。本発明の粘弾性体が有する柔軟層の厚みが薄すぎると、本発明の粘弾性体が有する薄膜のファンデルワールス力による接着効果を発現し難くなるおそれがあるとともに、取り扱い性も悪くなるおそれがある。
本発明の粘弾性体が有する柔軟層は、ヤング率が5.0×10Pa以下の層であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な材料を採用し得る。このような材料としては、例えば、繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体、多孔体、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、アクリル系両面テープ、ゴム系両面テープなどが挙げられる。これらの材料の中でも、本発明の効果をより効果的に発現し得る点で、繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体、シリコーン系粘着剤が好ましく、繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体がより好ましい。
柔軟層が繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体である場合の、本発明の好ましい実施形態における粘弾性体の一例の概略断面図を図3に示す。図3において、繊維状柱状構造体10は、複数の繊維状柱状物2を備える。図3において、本発明の好ましい実施形態における粘弾性体1000は、繊維状柱状構造体10の片側の面側に薄膜300を有する。繊維状柱状物2は、長さLの方向に配向している。繊維状柱状物2は、薄膜300に対して略垂直方向に配向している。ここで、「略垂直方向」とは、薄膜300の面に対する角度が、好ましくは90°±20°であり、より好ましくは90°±15°であり、さらに好ましくは90°±10°であり、特に好ましくは90°±5°である。
繊維状柱状物の材料としては、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、アルミ、鉄などの金属;シリコンなどの無機材料;カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ(CNT)などのカーボン材料;エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチックなどの高モジュラスの樹脂;などが挙げられる。樹脂の具体例としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドなどが挙げられる。樹脂の分子量などの諸物性は、本発明の目的を達成しうる範囲において、任意の適切な物性を採用し得る。
繊維状柱状物の長さは、好ましくは100μm〜3000μmであり、より好ましくは200μm〜2000μmであり、さらに好ましくは300μm〜1500μmであり、特に好ましくは400μm〜1000μmであり、最も好ましくは500μm〜1000μmである。繊維状柱状物の長さが上記範囲内に収まることにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
繊維状柱状物の直径は、好ましくは0.3nm〜2000nmであり、より好ましくは1nm〜1000nmであり、さらに好ましくは2nm〜500nmであり、特に好ましくは2nm〜200nmであり、最も好ましくは2nm〜100nmである。繊維状柱状物の直径が上記範囲内に収まることにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
繊維状柱状構造体は、好ましくは、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である。この場合、繊維状柱状物は、好ましくは、カーボンナノチューブである。
繊維状柱状構造体が、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体であることにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより一層発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより一層格段に扱いやすくなる。
カーボンナノチューブ集合体としては、本発明の効果がより効果的に発現する点で、好ましくは、2つの好ましい実施形態を採り得る。
カーボンナノチューブ集合体の好ましい実施形態の1つ(以下、第1の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である。カーボンナノチューブ集合体がこのような構成を採ることにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数分布の分布幅は、好ましくは10層以上であり、より好ましくは10層〜30層であり、さらに好ましくは10層〜25層であり、特に好ましくは10層〜20層である。カーボンナノチューブの層数分布の分布幅をこのような範囲内に調整することにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
カーボンナノチューブの層数分布の「分布幅」とは、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数との差をいう。カーボンナノチューブの層数分布の分布幅を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
カーボンナノチューブの層数、層数分布は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。例えば、カーボンナノチューブ集合体から少なくとも10本、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブを取り出してSEMあるいはTEMによって測定し、層数および層数分布を評価すれば良い。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数の最大層数は、好ましくは5層〜30層であり、より好ましくは10層〜30層であり、さらに好ましくは15層〜30層であり、特に好ましくは15層〜25層である。カーボンナノチューブの層数の最大層数をこのような範囲内に調整することにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数の最小層数は、好ましくは1層〜10層であり、より好ましくは1層〜5層である。カーボンナノチューブの層数の最小層数をこのような範囲内に調整することにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数分布の最頻値の相対頻度は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは1%〜25%であり、さらに好ましくは5%〜25%であり、特に好ましくは10%〜25%であり、最も好ましくは15%〜25%である。カーボンナノチューブの層数分布の最頻値の相対頻度を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数分布の最頻値は、好ましくは層数2層から層数10層に存在し、さらに好ましくは層数3層から層数10層に存在する。カーボンナノチューブの層数分布の最頻値を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの長さは、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは100μm〜3000μmであり、さらに好ましくは200μm〜1500μmであり、さらに好ましくは300μm〜1000μmであり、特に好ましくは500μm〜1000μmである。カーボンナノチューブの長さを上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの直径は、好ましくは0.3nm〜2000nmであり、より好ましくは1nm〜1000nmであり、さらに好ましくは2nm〜500nmである。カーボンナノチューブの直径を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第1の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
カーボンナノチューブ集合体の好ましい実施形態の別の1つ(以下、第2の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である。カーボンナノチューブ集合体がこのような構成を採ることにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数分布の分布幅は、好ましくは9層以下であり、より好ましくは1層〜9層であり、さらに好ましくは2層〜8層であり、特に好ましくは3層〜8層である。カーボンナノチューブの層数分布の分布幅をこのような範囲内に調整することにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
カーボンナノチューブの層数分布の「分布幅」とは、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数との差をいう。カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
カーボンナノチューブの層数、層数分布は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。例えば、カーボンナノチューブ集合体から少なくとも10本、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブを取り出してSEMあるいはTEMによって測定し、層数および層数分布を評価すれば良い。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数の最大層数は、好ましくは1層〜20層であり、より好ましくは2層〜15層であり、さらに好ましくは3層〜10層である。カーボンナノチューブの層数の最大層数をこのような範囲内に調整することにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数の最小層数は、好ましくは1層〜10層であり、より好ましくは1層〜5層である。カーボンナノチューブの層数の最小層数をこのような範囲内に調整することにより、本発明の粘弾性体が有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数分布の最頻値の相対頻度は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは30%〜100%であり、さらに好ましくは30%〜90%であり、特に好ましくは30%〜80%であり、最も好ましくは30%〜70%である。カーボンナノチューブの層数分布の最頻値の相対頻度を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの層数分布の最頻値は、好ましくは層数10層以下に存在し、より好ましくは層数1層から層数10層に存在し、さらに好ましくは層数2層から層数8層に存在し、特に好ましくは層数2層から層数6層に存在する。カーボンナノチューブの層数分布の最頻値を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの長さは、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは100μm〜3000μmであり、さらに好ましくは300μm〜2000μmであり、さらに好ましくは500μm〜1000μmであり、特に好ましくは700μm〜1000μmである。カーボンナノチューブの長さを上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの直径は、好ましくは0.3nm〜2000nmであり、より好ましくは1nm〜1000nmであり、さらに好ましくは2nm〜500nmである。カーボンナノチューブの直径を上記範囲内に調整することにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
第2の好ましい実施形態において、カーボンナノチューブの比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
カーボンナノチューブ集合体の製造方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。
カーボンナノチューブ集合体の製造方法としては、例えば、平滑な基板の上に触媒層を構成し、熱、プラズマなどにより触媒を活性化させた状態で炭素源を充填し、カーボンナノチューブを成長させる、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)によって、基板からほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブ集合体を製造する方法が挙げられる。この場合、例えば、基板を取り除けば、長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体が得られる。
カーボンナノチューブ集合体の製造方法で用い得る基板としては、任意の適切な基板を採用し得る。例えば、平滑性を有し、カーボンナノチューブの製造に耐え得る高温耐熱性を有する材料が挙げられる。このような材料としては、例えば、石英ガラス、シリコン(シリコンウェハなど)、アルミニウムなどの金属板などが挙げられる。
カーボンナノチューブ集合体を製造するための装置としては、任意の適切な装置を採用し得る。例えば、熱CVD装置としては、図4に示すような、筒型の反応容器を抵抗加熱式の電気管状炉で囲んで構成されたホットウォール型などが挙げられる。その場合、反応容器としては、例えば、耐熱性の石英管などが好ましく用いられる。
カーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒(触媒層の材料)としては、任意の適切な触媒を用い得る。例えば、鉄、コバルト、ニッケル、金、白金、銀、銅などの金属触媒が挙げられる。
カーボンナノチューブ集合体を製造する際、必要に応じて、基板と触媒層の中間にアルミナ/親水性膜を設けても良い。
アルミナ/親水性膜の作製方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、基板の上にSiO膜を作製し、Alを蒸着後、450℃まで昇温して酸化させることにより得られる。このような作製方法によれば、Alが親水性のSiO膜と相互作用し、Alを直接蒸着したものよりも粒子径の異なるAl面が形成される。基板の上に、親水性膜を作製することを行わずに、Alを蒸着後に450℃まで昇温して酸化させても、粒子径の異なるAl面が形成され難いおそれがある。また、基板の上に、親水性膜を作製し、Alを直接蒸着しても、粒子径の異なるAl面が形成され難いおそれがある。
カーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒層の厚みは、微粒子を形成させるため、好ましくは0.01nm〜20nmであり、より好ましくは0.1nm〜10nmである。カーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒層の厚みを上記範囲内に調整することにより、形成するカーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を有する本発明の粘弾性体は、それが有する薄膜がファンデルワールス力による接着効果をより発現できるとともに、該薄膜単独に比べてより格段に扱いやすくなる。
触媒層の形成方法は、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、金属触媒をEB(電子ビーム)、スパッタなどにより蒸着する方法、金属触媒微粒子の懸濁液を基板上に塗布する方法などが挙げられる。
カーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る炭素源としては、任意の適切な炭素源を用い得る。例えば、メタン、エチレン、アセチレン、ベンゼンなどの炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール;などが挙げられる。
カーボンナノチューブ集合体の製造における製造温度としては、任意の適切な温度を採用し得る。たとえば、本発明の効果を十分に発現し得る触媒粒子を形成させるため、好ましくは400℃〜1000℃であり、より好ましくは500℃〜900℃であり、さらに好ましくは600℃〜800℃である。
本発明の粘弾性体は、各種の用途に用いることができる。
本発明の粘弾性体は、例えば、搬送基材と半導体載置部材とを有する半導体搬送部材における半導体載置部材に用いることができる。この場合、本発明の粘弾性体の搬送基材と反対側の面に薄膜が配置されるような構成とする。柔軟層として繊維状柱状構造体を採用する場合には、繊維状柱状物が、搬送基材に対して略垂直方向に配向しているように配置させる。ここで、「略垂直方向」とは、搬送基材の面に対する角度が、好ましくは90°±20°であり、より好ましくは90°±15°であり、さらに好ましくは90°±10°であり、特に好ましくは90°±5°である。
搬送基材としては、半導体搬送部材に用いられる任意の適切な搬送基材を採用し得る。このような搬送基材としては、例えば、搬送アーム、搬送テーブル、搬送リング、搬送ガイドレール、収納カセット、フック、搬送フレームなどが挙げられる。このような搬送基材の大きさや形状は、目的に応じて、適宜選択し得る。
半導体搬送部材においては、搬送基材と半導体載置部材との間にバインダーを有していても良い。このようなバインダーとしては、搬送基材と半導体載置部材とを接合できる効果を有するものであれば、任意の適切なバインダーを採用し得る。このようなバインダーとしては、例えば、カーボンペースト、アルミナペースト、銀ペースト、ニッケルペースト、金ペースト、アルミペースト、酸化チタンペースト、酸化鉄ペースト、クロムペーストなどが挙げられる。このようなバインダーを有することにより、搬送基材と半導体載置部材とが十分に接合される。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各種評価や測定は、以下の方法により行った。
<ヤング率の測定>
静的試験法(曲げ試験)を行った。
具体的には、両端支持の板状試料(dmm×bmm×Lmm)の中央部に荷重(P(N))をかけたときに生じるたわみ(hmm)を測定し、ヤング率E(N/m)を下記式から算出した。
E=(1/4)(L/(d×b))(P/h)×10
<繊維状柱状物の長さ、薄膜の厚みの測定>
繊維状柱状物の長さ、薄膜の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定した。
<カーボンナノチューブ集合体におけるカーボンナノチューブの層数・層数分布の評価>
カーボンナノチューブ集合体におけるカーボンナノチューブの層数および層数分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)および/または透過電子顕微鏡(TEM)によって測定した。得られたカーボンナノチューブ集合体の中から少なくとも10本以上、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブをSEMおよび/またはTEMにより観察し、各カーボンナノチューブの層数を調べ、層数分布を作成した。
<シリコンウェハ鏡面に対する静摩擦係数の測定>
JIS K7125に準じて測定した。
(柔軟層がカーボンナノチューブ集合体の場合)
シリコンウェハ上のカーボンナノチューブ集合体(80mm×200mm)を200℃に加熱したポリプロピレン基材(30μm厚)に押付けて転写させ、カーボンナノチューブ集合体/ポリプロピレン基材のテープ形状の試験片を作製した。得られたテープ形状の試験片のカーボンナノチューブ集合体側をシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)の鏡面におき、その上からすべり片(底面:フェルト、63mm×63mm)と、さらにそのすべり片の上におもり(すべり片の全質量が200gとなる重さのおもり)を載せた状態で、試験片を試験速度100mm/minで引張り、試験片が動き始めるときの最大荷重から静摩擦係数を算出した。
(柔軟層またはそれに相当するものがカーボンナノチューブ集合体以外の場合)
柔軟層またはそれに相当するもの(80mm×200mm)の薄膜層が形成されていない端面を両面テープ(No−5000N、日東電工製)を介してポリプロピレン基材(30μm厚)に押付けて、薄膜層/柔軟層/両面テープ/ポリプロピレン基材のテープ形状の試験片を作製した。得られたテープ形状の試験片の薄膜層側をシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)の鏡面におき、その上からすべり片(底面:フェルト、63mm×63mm)と、さらにそのすべり片の上におもり(すべり片の全質量が200gとなる重さのおもり)を載せた状態で、試験片を試験速度100mm/minで引張り、試験片が動き始めるときの最大荷重から静摩擦係数を算出した。
<表面汚染の評価>
シリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に薄膜層を押し付け、180°ピールにて剥離する工程を1000回繰返した面をSEMにて形態観察を行い、表面に付着している異物を確認した。
評価は下記の基準にて行った。
○:1cm×1cmの測定領域において付着異物がゼロ。
×:1cm×1cmの測定領域において付着異物が1個以上。
〔実施例1〕
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、Al薄膜(厚み10nm)を形成した。このAl薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1nm)を蒸着した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、15分間放置してカーボンナノチューブ(CNT)を基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(1)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(1)が備えるカーボンナノチューブの長さは300μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(1)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
カーボンナノチューブ集合体(1)のヤング率は9.1×10Paであった。
さらに、スパッタを行い、厚みが50nmのSiO薄膜をカーボンナノチューブ集合体(1)の片側の表面に有する粘弾性体(1)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
実施例1において、放置時間を25分に変えた以外は、実施例1と同様に行い、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(2)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(2)が備えるカーボンナノチューブの長さは500μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(2)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
カーボンナノチューブ集合体(2)のヤング率は9.1×10Paであった。
さらに、スパッタを行い、厚みが100nmのSiO薄膜をカーボンナノチューブ集合体(2)の片側の表面に有する粘弾性体(2)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例3〕
実施例1において、放置時間を35分に変えた以外は、実施例1と同様に行い、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(3)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(3)が備えるカーボンナノチューブの長さは700μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(3)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
カーボンナノチューブ集合体(3)のヤング率は9.1×10Paであった。
さらに、スパッタを行い、厚みが100nmのAl薄膜をカーボンナノチューブ集合体(3)の片側の表面に有する粘弾性体(3)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例4〕
実施例1において、Fe薄膜を2nm、Al薄膜を20nm、放置時間を25分に変えた以外は、実施例1と同様に行い、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(4)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(4)が備えるカーボンナノチューブの長さは500μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(4)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72%であった。
カーボンナノチューブ集合体(4)のヤング率は1.6×10Paであった。
さらに、スパッタを行い、厚みが50nmのAl薄膜をカーボンナノチューブ集合体(4)の片側の表面に有する粘弾性体(4)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例5〕
実施例1において、Fe薄膜を2nm、Al薄膜を20nm、放置時間を35分に変えた以外は、実施例1と同様に行い、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(5)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(5)が備えるカーボンナノチューブの長さは700μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(5)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72%であった。
カーボンナノチューブ集合体(5)のヤング率は1.6×10Paであった。
さらに、スパッタを行い、厚みが100nmのAl薄膜をカーボンナノチューブ集合体(5)の片側の表面に有する粘弾性体(5)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例6〕
シリコン基板(KST製、熱酸化膜付ウェハ、厚み1000μm)上に、真空蒸着装置(JEOL製、JEE−4X Vacuum Evaporator)により、Al薄膜(厚み10nm)を形成した後、450℃で1時間酸化処理を施した。このようにして、シリコン基板上にAl膜を形成した。このAl膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2nm)を蒸着させて触媒層を形成した。
次に、得られた触媒層付シリコン基板をカットして、30mmφの石英管内に載置し、水分350ppmに保ったヘリウム/水素(120/80sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで35分間で段階的に昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(105/80/15sccm、水分率350ppm)混合ガスを管内に充填させ、35分間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(6)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(6)が備えるカーボンナノチューブの長さは700μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(6)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、層数分布の分布幅は17層(4層〜20層)であり、最頻値は4層と8層に存在し、相対頻度はそれぞれ20%と20%であった。
カーボンナノチューブ集合体(6)のヤング率は8.3×10Paであった。
さらに、スパッタを行い、厚みが100nmのCu薄膜をカーボンナノチューブ集合体(6)の片側の表面に有する粘弾性体(6)を得た。
結果を表1に示した。
〔実施例7〕
実施例6において、放置時間を25分に変えた以外は、実施例6と同様に行い、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(7)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(7)が備えるカーボンナノチューブの長さは500μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(7)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、層数分布の分布幅は17層(4層〜20層)であり、最頻値は4層と8層に存在し、相対頻度はそれぞれ20%と20%であった。
カーボンナノチューブ集合体(7)のヤング率は8.3×10Paであった。
さらに、スパッタを行い、厚みが200nmのCu薄膜をカーボンナノチューブ集合体(7)の片側の表面に有する粘弾性体(7)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例1〕
実施例1において、放置時間を4分に変えた以外は、実施例1と同様に行い、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(C1)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(C1)が備えるカーボンナノチューブの長さは80μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(C1)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
カーボンナノチューブ集合体(C1)のヤング率は9.1×10Paであった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(C1)をそのまま粘弾性体(C1)とした。
結果を表1に示した。
〔比較例2〕
実施例1において、放置時間を20分に変えた以外は、実施例1と同様に行い、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(C2)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(C2)が備えるカーボンナノチューブの長さは400μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(C2)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
カーボンナノチューブ集合体(C2)のヤング率は9.1×10Paであった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(C2)をそのまま粘弾性体(C2)とした。
結果を表1に示した。
〔比較例3〕
柔軟層にポリイミドフィルム(カプトン、東レ・デュポン製、300EN、厚み75μm、ヤング率=5.8×10Pa)を用い、この表面にスパッタを行い、厚みが50nmのAl薄膜を柔軟層の片側に有する粘弾性体(C3)を得た。
結果を表1に示した。
〔比較例4〕
Al薄膜の厚みを5000nmとした以外は実施例3と同様に行い、粘弾性体(C4)を得た。
結果を表1に示した。
Figure 2016074144
本発明の粘弾性体は、例えば、半導体製造プロセスに利用することができる。
1000 粘弾性体
500 柔軟層
300 薄膜
300a 薄膜の柔軟層と反対側の表面
310 薄膜
320 薄膜
10 繊維状柱状構造体
2 繊維状柱状物

Claims (6)

  1. ヤング率が5.0×10Pa以下の柔軟層の少なくとも一方の面側に、厚みが5000nm以下の薄膜を有する、粘弾性体。
  2. 前記柔軟層の厚みが10μm〜2000μmである、請求項1に記載の粘弾性体。
  3. 前記薄膜の前記柔軟層と反対側の表面の、シリコンウェハ鏡面に対する静摩擦係数が4.0以上である、請求項1または2に記載の粘弾性体。
  4. 前記薄膜が無機材料から構成されている、請求項1から3までのいずれかに記載の粘弾性体。
  5. 前記柔軟層が、繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体である、請求項1から4までのいずれかに記載の粘弾性体。
  6. 前記繊維状柱状構造体が、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である、請求項1から5までのいずれかに記載の粘弾性体。


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