JP2013247987A - 測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺の道具のしなり特性を表す値とねじれ特性を表す値とを併せて測定すること。
【解決手段】固定器10は、ゴルフクラブの一端を固定し、片持ち梁状態とする。振動開始器50は、片持ち梁状態のゴルフクラブの振動を開始させる。検出器20は、センサ200を有する。センサ200によって囲まれる領域を配置空間22という。センサ200は、配置空間22におけるシャフトの位置を検出し、検出した結果を示すデータを情報処理装置60に出力する。検出器30及び40は、検出器20と同様の機能を有し、配置空間32及び42におけるシャフトの位置をそれぞれ検出する。情報処理装置60は、受信したデータが示すシャフトの位置に基づき、ゴルフクラブのしなり特性を表す値及びねじれ特性を表す値を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、長尺の道具の特性を表す値を測定するための技術に関する。
例えばゴルフクラブのような長尺の道具の特性を表す値を測定するための技術がある。このような長尺の道具は、使用されるときにしなりやねじれが発生することが多い。例えばゴルフクラブが使用者に合っているか否かを判断するためには、シャフトにしなりが発生したときにそのシャフトが示す挙動の特性(しなり特性という)や、シャフトにねじれが発生したときにそのシャフトが示す挙動の特性(ねじれ特性という)を知ることが重要である。例えば、ヘッドやグリップが取り付けられていないシャフトの一端を固定し、他端に重りを付けて鉛直方向に振動させたときの1分間当たりのシャフトの振動数(CPM:Cycles Per Minute)を、しなり特性を表す値として測定する技術が知られている。また、特許文献1には、シャフトが曲げ変形をせずにねじれ変形だけを行うように保持したゴルフクラブのヘッドに打撃を加え、そのときのヘッドの振動数から、ねじれ特性を表す値であるシャフトのねじれ硬さを測定する技術について記載されている。
特開平5−118952号公報
しかしながら、上述した技術では、しなり特性またはねじれ特性のいずれか一方を表す値しか測定できない。例えば、上記のとおりシャフトの振動数を測定する技術では、シャフトにヘッドを取り付けずに振動させるため、そもそもシャフトにねじれが発生しない。この技術において仮にヘッドが取り付けられているゴルフクラブを振動させるとしても、振動数がねじれによる影響を受けないように、シャフトの鉛直上方または下方にヘッドの重心がくるようにゴルフクラブを固定して、ねじれが生じないように振動させるのが普通である。また、特許文献1の技術では、シャフトが曲げ変形をしないように、すなわちシャフトがしならないようにしてゴルフクラブが保持されるため、当然ながらしなり特性を表す値を測定することができない。
そこで、本発明は、長尺の道具のしなり特性を表す値とねじれ特性を表す値とを併せて測定することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、長尺の道具の一端を固定して振動させた前記道具の挙動の特性を表す挙動特性値を測定する測定システムにおいて、前記道具の長手方向に略垂直に配置された平面と前記道具とが交差する交差場所が所定の位置から変位したときの変位量を検出する検出手段と、前記検出手段により検出される変位量の当該第1方向の成分に応じて、当該交差場所における前記道具の当該第1方向への振動の前記挙動特性値を算出する第1挙動特性値算出手段と、前記検出手段により検出される変位量の、前記第1方向とは異なる第2方向の成分に応じて、当該交差場所における前記道具の振動であって、当該道具がねじれて回転する回転方向への振動の前記挙動特性値を算出する第2挙動特性値算出手段とを備えることを特徴とする測定システムを提供する。
また、前記第1挙動特性値算出手段は、前記交差場所における前記道具の前記第1方向への振動の周期を前記挙動特性値として算出し、前記第2挙動特性値算出手段は、当該交差場所における当該道具の前記回転方向への振動の周期を前記挙動特性値として算出し、記第1挙動特性値算出手段により算出された周期及び前記第2挙動特性値算出手段により算出された周期から、前記交差場所における前記道具の前記第1方向への振動と当該交差場所における当該道具の前記回転方向への振動との位相差を算出する第1位相差算出手段を備えていてもよい。
さらに、複数の前記検出手段を備え、前記複数の検出手段により検出される複数の変位量の前記第1方向の成分と、当該複数の変位量の前記第2方向の成分とに応じて、前記複数の交差場所における前記道具どうしの、前記第1方向または前記回転方向への振動の位相差を算出する第2位相差算出手段を備えていてもよい。
また、前記検出手段により検出された変位量の前記第1方向の成分に応じて、前記交差場所における前記道具の当該第1方向への振動が減衰する度合いを算出する減衰度合い算出手段を備えていてもよい。
さらに、前記検出手段は、前記平面において予め決められた2つの進行方向にそれぞれ直進する進行波を複数並べて出力する出力手段と、当該出力手段により出力された進行波の有無を前記平面上に並んだ複数の箇所において検知する検知手段とを有し、前記検知手段により進行波が検知された箇所と検知されなかった箇所との境目の位置が前記道具の端部の位置であるものとして、前記変位量を検出してもよい。
本発明によれば、長尺の道具のしなり特性を表す値とねじれ特性を表す値とを併せて測定することができる。
実施形態の測定システムの外観を示す図である。 情報処理装置のハードウェアを示すブロック図である。 検出器を説明するための図である。 センサがシャフトの位置を検出する原理を説明するための図である。 振動開始器の詳細を説明するための図である。 Z軸方向に振動するヘッドの挙動を説明するための図である。 配置空間において振動するシャフトの動きの一例を示す図である。 情報処理装置が実現する機能を示すブロック図である。 シャフトのZ軸方向の変位量の変化を示すグラフである。 シャフトのX軸方向の変位量の変化を示すグラフである。 シャフトのY軸方向の剛性分布を示すグラフである。 二重振り子のモデルを示す図である。 シャフトのZ軸方向への変位量の変化の一例を示すグラフである。 結果出力部が出力する結果の一例を示す図である。 変形例における測定システムを示す図である。 変形例における測定システムを示す図である。 変形例における検出器の一例を示す図である。
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の測定システム1の外観を示す図である。図1では、3軸の直交座標系の座標軸であるX軸、Y軸及びZ軸を矢印で示している。各座標軸は、各々を示す矢印が指す方向が正方向を示し、その反対向きが負方向を示している。Z軸方向は、鉛直方向となっており、X軸方向及びY軸方向は、水平方向となっている。
測定システム1は、ゴルフクラブなどの長尺の道具がしなりやねじれにより振動するときに見せる挙動の特性を表す値(以下「挙動特性値」という。)を測定するためのシステムである。挙動特性値には、しなり及びねじれという挙動の周期、変位量及び加速度や、これらの挙動の時間変化を表した振動特性等が含まれる。以下では、ゴルフクラブの挙動特性値を測定する例を説明する。
測定システム1は、設置板2と、固定器10と、検出器20、30及び40と、振動開始器50と、情報処理装置60と、配線61とを備える。設置板2は、長方形の面3を有する板である。図1では、面3の長辺がY軸方向に沿うようにして設置板2が示されている。設置板2の面3には、Y軸負方向側から順番に、固定器10、検出器20、30、40及び振動開始器50が並べて設置されている。
固定器10は、ゴルフクラブの一端を固定する固定手段である。固定器10は、ネジ部11と、孔部12とを有する。孔部12は、使用者がネジ部11を回転させることで、広がったり狭まったりする。固定器10は、この孔部12にゴルフクラブのグリップを挟んで固定する。測定システム1においては、ゴルフクラブは、固定器10だけで支えられる。つまり、ゴルフクラブは、一端(グリップ側)が固定され、他端(ヘッド側)が固定されないで自由に動くいわゆる片持ち梁状態となる。図1では、固定器10により一端が固定されたゴルフクラブが静止する状態における軸A1を二点鎖線で仮想的に示している(見やすくするため、ゴルフクラブ自体は図示を省略している。)。片持ち梁状態のゴルフクラブは、ヘッドの重さでヘッド側がZ軸負方向に垂れ下がることになるが、その垂れ下がりの大きさはY軸方向の長さに比べればわずかであるため、以降の図では軸A1を直線で示している。
振動開始器50は、片持ち梁状態のゴルフクラブの振動を開始させる振動開始手段である。振動開始器50は、ゴルフクラブのヘッドをZ軸正方向に移動させ、その後ヘッドの支えをなくすことで、振動を開始させる。
検出器20は、穴あき板21と、センサ200とを有する。穴あき板21は、穴が開いた板状の部材であり、一方の面にセンサ200が設けられている。センサ200は、穴あき板21の穴の縁に沿って設けられ、ゴルフクラブを配置する空間である配置空間22を囲んでいる。配置空間22は、軸方向に見た場合に穴あき板21の穴と同じ形をした空間である。穴あき板21の穴及び配置空間22には、軸A1が、すなわちゴルフクラブのシャフトが配置される。センサ200は、図示せぬ電源と接続されており、その電源から電力を供給されて動作する。センサ200は、配置空間22におけるシャフトの位置を検出し、検出した結果を示すデータを出力する。検出器30及び40は、センサ300及び400をそれぞれ有し、いずれも検出器20と同様の機能を有する。つまり、検出器30及び40は、各々のセンサによって囲まれる配置空間32及び42におけるシャフトの位置をそれぞれ検出し、検出した結果を示すデータを出力する。
情報処理装置60は、例えばパーソナルコンピュータである。情報処理装置60は、配線61を介してセンサ200、300及び400とそれぞれ接続されており、各センサから出力されてくるデータを受信する。情報処理装置60は、受信したデータが示すシャフトの位置に基づき、上述した挙動特性値を算出する。
図2は、情報処理装置60のハードウェアを示すブロック図である。情報処理装置60は、制御部610と、記憶部620と、表示部630と、操作部640と、通信部650とを有する。制御部610は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備える。制御部610の演算装置は、メモリや記憶部620に記憶されたプログラムを実行して、情報処理装置60の各部を制御したり、データを処理したりする。記憶部620は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を備え、前述したプログラムや画像を示す画像データなどを記憶する。表示部630は、液晶表示画面及び液晶駆動回路を備えており、制御部610から供給されてくる画像データが示す画像を表示する。操作部640は、キーボードやマウスなどの操作子であり、使用者の操作に応じてその操作内容を表す操作データを制御部610に供給する。通信部650は、配線61と接続され、上記の各センサと通信する機能を有している。
図3は、検出器20を説明するための図である。図3(a)では、検出器20の外観が示されている。検出器20が有するセンサ200は、発光装置210X及び210Z(それぞれ区別しない場合は発光装置210という)と、受光装置220X及び220Z(それぞれ区別しない場合は受光装置220という)とを有する。発光装置210は、レーザー光を配置空間22に向けて出力する発光部211を複数有する。各発光部211は、Y軸方向の長さがL3である。発光装置210Xが有する複数の発光部211は、Z軸方向に長さL2に渡って直線状に並べられて配置されており、X軸正方向にレーザー光をそれぞれ出力する。発光装置210Zが有する複数の発光部211は、X軸方向に長さL1に渡って直線状に並べられて配置されており、Z軸正方向にレーザー光をそれぞれ出力する。
受光装置220は、発光部211から出力されたレーザー光を受光していることを検知する複数の受光部221を有する。受光装置220Xは、発光装置210Xが有する発光部211と同じ数の受光部221を有する。各受光部221は、Y軸方向の長さがL3である。これらの受光部221は、Z軸方向に長さL2に渡って直線状に並べられて配置されており、これらの発光部211から出力されたレーザー光をそれぞれ受光する。受光装置220Zは、発光装置210Zが有する発光部211と同じ数の受光部221を有する。これらの受光部221は、X軸方向に長さL1に渡って直線状に並べられて配置されており、これらの発光部211から出力されたレーザー光をそれぞれ受光する。
発光装置210から出力されるレーザー光は、X、Y及びZ軸方向の長さがそれぞれL1、L2及びL3の直方体の空間を通過することになる。検出器20は、この空間のY軸方向の中心を通る仮想的に配置された平面とゴルフクラブとが交差する場所(以下「交差場所」という。)の位置を、配置空間22に配置されたゴルフクラブの位置として検出する。以下では、この平面を「検出面」という。検出器20は、検出面23における交差場所の位置を検出する。図3(b)では、検出面23を分かりやすくするためハッチングをして示している。
検出器30及び40は、検出器20と同じ構成を有する。以下では、検出器20が有する各部の符号の最初の数字である2を3及び4に変えたものが、検出器30及び40が有する各部を表すものとする。例えば、検出器30のセンサ300は、発光装置310及び受光装置320を有する。
図4は、配置空間に配置されたシャフトの位置をセンサが検出する原理を説明するための図である。図4では、配置空間22にシャフトが配置されている状態をY軸正方向に見たところが示されている。図4では、図を見やすくするために、検出器20と、検出面23における交差場所24(シャフト及び検出面23が交差する場所)と、配置空間22を通過するレーザー光の一部を仮想的に表す矢印とを示し、それ以外のものの図示を省略した。発光装置210から出力されたレーザー光の一部は、交差場所24に存在するシャフトによって遮られることになる。このため、図4に示す状態であれば、受光装置220Xの範囲B1及び受光装置220Zの範囲B2にそれぞれ設けられた受光部221はレーザー光を受光し、それ以外の範囲、すなわち範囲C1及びC2にそれぞれ設けられた受光部221はレーザー光を受光しない。
このとき、レーザー光を受光した受光部221と、受光しなかった受光部221との境は、シャフトのX軸方向及びZ軸方向の各端部の位置を示すことになる。これらの位置は、交差場所24のX軸方向及びZ軸方向の各端部の位置でもある。図4では、2次元のXZ直交座標系を想定し、検出面23のX軸負方向側及びZ軸負方向側の角の点Q1をその原点とする。交差場所24のX軸方向各端部の位置は、座標X1及びX2(X1<X2)で示され、交差場所24のZ軸方向各端部の位置は、Z1及びZ2(Z1<Z2)で示される。座標X1及びX2の中心の座標、つまり(X1+X2)/2が、交差場所24の中心、すなわちシャフトの軸A1のX軸方向の位置を示す。また、座標Z1及びZ2の中心の座標、つまり(Z1+Z2)/2が、軸A1のZ軸方向の位置を示す。以下では、交差場所の位置及びシャフトの位置と言った場合、それらの中心、すなわち軸A1の位置を指すものとする。
センサ200は、例えば、受光装置220の受光部221が受光している場合は所定の電圧値を出力し、受光していない場合はその電圧値よりも低い電圧値を出力する。センサ200は、これらの電圧値を、受光部221が並んでいる順番で連続させたものを、検出した結果を示すデータとして情報処理装置60に出力する。座標X1、X2、Z1及びZ2に隣接する2つの受光部221は、所定の電圧値とその電圧値よりも低い電圧値を出力することになるため、電圧値の段差をそれぞれ生じさせることになる。情報処理装置60は、各受光部221が設けられている位置の座標を予め記憶しておき、これらの段差を生じさせた2つの受光部221の座標の中心を、それぞれX1、X2、Z1及びZ2の座標として算出する。そして、情報処理装置60は、これらの座標から上記のとおり軸A1の位置を算出する。センサ300及び400からも、同様のデータが情報処理装置60に対して出力され、情報処理装置60は、それらのデータを用いて、配置空間32及び42に配置されたシャフトの位置を算出する。すなわち、測定システム1においては、非接触でシャフトの位置を算出することができる。
図5は、振動開始器50の詳細を説明するための図である。図5では、ヘッド101、シャフト102及びグリップ103を有するゴルフクラブ100の振動が開始される様子が示されている。振動開始器50は、支え棒51と、本体52とを有する。支え棒51は、棒状の部材であり、本体52によりZ軸方向に移動可能に支持されている。また、支え棒51は、長手方向をY軸方向に向けた状態で固定され、且つ、その固定が解除されると、本体52に支持されている部分を中心に回転するようになっている。ゴルフクラブ100のグリップ103側の一端は、固定器10により片持ち梁状態で支持されている。また、ゴルフクラブ100のヘッド101側の他端は、シャフト102の軸がY軸と略平行となり、且つ、ヘッド101のフェイス面中心におけるトゥ−ヒール方向に沿った接線とX軸とが平行となる位置に、Z軸負方向側から接触する振動開始器50の支え棒51によって支持されている。このとき、ゴルフクラブ100は静止した状態(以下「静止状態」という。)である。静止状態においては、検出面23、33及び43は、ゴルフクラブの長手方向に概ね垂直に(略垂直に)それぞれ配置されている。
次に、振動開始器50は、支え棒51をZ軸正方向に移動させることで静止状態にあったヘッド101をZ軸正方向に長さL11だけ移動させる。図5(b)では、この状態のゴルフクラブ100が示されている。このとき、検出面23、33及び43においては、シャフト102が初期状態の位置からそれぞれ長さL12、L13及びL14だけZ軸正方向に移動している。つまり、これらの検出面における各交差場所も、初期状態の位置(所定の位置の一例)から長さL12、L13及びL14だけZ軸正方向に変位している。以下では、単に「変位」と言った場合には、このように初期状態からの変位のことを表すものとする。続いて、振動開始器50は、支え棒51の固定を解除することでその支えを瞬間的になくし、ゴルフクラブ100は、重力の影響を受けながら自由振動を開始する。図5(c)では、振動を開始した直後のゴルフクラブ100が示されている。この図に示すように、ゴルフクラブ100は、矢印で示すようにZ軸方向に振動している。このように、検出面23、33及び43においては、各交差場所がZ軸正方向に変位して検出面上で振動を開始する。この場合は支え棒51によって、振動を開始させているが、このような装置を用いずに、ヘッド101を手で持って変位をさせてから離すことで振動を開始させてもよい。
図6は、Z軸方向に振動するヘッド101の挙動を説明するための図である。図6では、図5(b)に示すヘッド101をY軸正方向に見た状態が示されている。ヘッド101の重心D1とシャフト102の軸A1との距離は、L21である。重心D1には、重力E1が加わっている。重力E1のうち、重心D1と軸A1を結ぶ線に沿った成分がE2、この線に直交する線に沿った成分がE3である。従って、軸A1を中心とした曲げモーメントは、E3×L21である。一方、シャフト102には、重心D1から軸A1に向かう方向に力E2が加わっている。その力E2のX軸方向の成分がE4である。力E4は、X軸負方向に向いた力である。このため、シャフト102は、X軸負方向に移動する。重心D1及び軸A1を結ぶ線とX軸方向とがなす角度をθとすると、力E4は力E2×cos(θ)と表される。
図6に示す静止状態では、シャフト102には、ねじれが発生していないが、ゴルフクラブ100が振動を開始すると、上記のとおりヘッドにかかる重力により曲げモーメントが加わるため、矢印F1が指す方向にねじれが発生する。シャフト102は、ねじれが発生すると、そのねじれを元に戻す方向に力(以下「トルク」という。)を生じさせる。このトルクは、シャフト102のねじれが増加するほど大きくなる。ゴルフクラブ100の振動が開始されると、シャフト102は、上記曲げモーメントによりねじれが増加し、トルクが曲げモーメントよりも大きくなった後に、増加していたねじれが減少に転じ、ねじれがない状態まで戻っていく。シャフト102は、ねじれがなくなった後、今度は慣性によって矢印F2が指す方向(矢印F1が指す方向とは反対の方向)にねじれを発生させる。シャフト102は、その後は、ねじれの増加と減少とを繰り返す。この繰り返しのことを、シャフト102のねじれ方向への振動という。ここでいうねじれ方向とは、矢印F1及びF2が指す方向のことであり、つまりは、シャフト102がねじれにより軸A1を中心に回転する回転方向のことである。
シャフト102にねじれが発生すると、ヘッド101が軸A1を中心にして傾いて、上記の角度θが変化する。角度θが変化すると、力E2の大きさが変化するとともに、力E4の大きさも変化する。具体的には、θが0に近づくほど、力E3、すなわち曲げモーメントに用いられる成分が大きくなり、力E2が小さくなる。そして、力E2が小さくなると、力E4、すなわち、シャフト102をX軸方向へ移動させる力が小さくなる。シャフト102が上記のとおりねじれ方向に振動すると、角度θは、増加と減少とを繰り返すことになる。これにより、力E4も、増加と減少とを繰り返すことになる。この力E4の増加と減少とが繰り返される周期は、シャフト102のねじれ方向への振動の周期と概ね等しくなる。
また、シャフト102がX軸負方向に移動する(つまりX軸負方向にしなる)と、しなったシャフト102がX軸正方向に向けて戻ろうとする力が働く。この力は、シャフト102のX軸負方向へのしなりが増加するほど大きくなる。このため、シャフト102は、X軸負方向にある程度移動したら、今度はX軸正方向に向けて移動し始める。そして、シャフト102は、X軸方向の元の位置に戻った後、慣性により今度はX軸正方向に移動する。シャフト102は、その後は、X軸正方向への移動とX軸負方向への移動とを繰り返す。この繰り返しのことを、シャフト102のX軸方向への振動という。この振動の周期は、力E4が増加と減少とを繰り返す周期と概ね等しくなる。つまり、シャフト102のX軸方向への振動の周期は、シャフト102のねじれ方向への振動の周期を表すことになる。
図7は、検出面43における交差場所44の位置の変化の様子の一例を示す図である。図7では、図を見やすくするために、Y軸正方向に見た検出器40及び交差場所44を示し、それ以外のものの図示を省略している。図7では、異なる時刻における交差場所44g1、44g2、44g3及び44g4がそれぞれ二点鎖線で示されている。交差場所44g1は、図5(a)に示す初期状態における交差場所であり、検出面43のX軸方向及びZ軸方向の中心を含んでいる。交差場所44g2は、図5(b)に示す状態における交差場所であり、交差場所44g1よりも長さL14だけZ軸正方向に変位している。
交差場所44g3及び44g4は、図5(c)で述べたようにゴルフクラブ100の振動が開始されてから移動した交差場所である。交差場所は、44g2からZ軸負方向に変位して44g3まで到達し、その後Z軸正方向に変位して44g4まで到達する。交差場所44は、このようにしてZ軸方向への変位を繰り返す。一方、シャフト102は、上記のとおりX軸方向へも振動する。この例では、交差場所44は、44g2から44g3にかけてX軸負方向に変位し、44g3から44g4にかけてX軸正方向に変位している。交差場所44は、このようにしてX軸方向への変位も繰り返す。
検出面23及び33における交差場所24及び34も、図7に示す交差場所44よりも変位する大きさ(以下「変位量」という。)が小さくなるものの、同様に位置が変化する。情報処理装置60は、センサ200、300及び400から出力されてくるデータに基づき、各交差場所の位置を算出し、その結果から上述した挙動測定値を算出する。以下、情報処理装置60が挙動特性値を算出するために実現する機能について説明する。
図8は、情報処理装置60が実現する機能を示すブロック図である。情報処理装置60は、センサ200、300及び400から出力されるデータを図2に示す通信部650を介してそれぞれ受信する。そして、情報処理装置60は、制御部610、記憶部620及び表示部630が協働することで実現される次の機能を備える。情報処理装置60は、変位算出機能710と、グラフ出力機能740と、ねじれ周期算出機能750と、しなり周期算出機能760と、第1位相ずれ算出機能765と、第2位相ずれ算出機能770と、減衰率算出機能780と、結果出力機能800とを備える。
変位算出機能710は、特定部711〜720と、中心出力部721〜725と、0点補正部726〜730とを備える。特定部711〜720は、上記の座標X1、X2、Z1及びZ2を示す電圧値をそれぞれ特定する。特定部711〜714は、センサ400が出力したデータを用いて検出面43における座標X1、X2、Z1及びZ2を示す電圧値をそれぞれ特定する。特定部715〜718は、センサ300が出力したデータを用いて検出面33におけるこれらの電圧値をそれぞれ特定する。特定部719及び720は、センサ200が出力したデータを用いて検出面23における座標Z1及びZ2を示す電圧値をそれぞれ特定する。図8では、センサ400、300及び200がそれぞれ出力したデータを用いる機能に対して「A」、「B」及び「C」をそれぞれ付して示している。特定部711及び712、713及び714、715及び716、717及び718、719及び720は、中心出力部721、722、723、724、725に対して特定した結果をそれぞれ供給する。
中心出力部721〜725は、それぞれに供給された座標(X1及びX2またはZ1及びZ2)の中心の座標を、シャフト102の中心、すなわち軸A1の座標として算出する。そして、中心出力部721〜725は、算出した結果を、0点補正部726〜730にそれぞれ供給する。0点補正部726〜730は、それぞれ供給された軸A1の座標の変位量を、初期状態における軸A1の座標を0点(原点)としたときの座標に補正(0点補正という)する。0点補正部726〜730は、例えば、初期状態における軸A1の座標が(X0、Z0)であれば、供給された軸A1のX座標及びZ座標からX0及びZ0をそれぞれ減じた値を、0点補正した座標の値とする。
このようにして算出された値は、各検出面における交差場所が初期状態の位置から移動したときの変位量をそれぞれ表している。変位算出機能710及び各センサが協働することで、複数の検出面(23、33及び43)における各交差場所(24、34及び44)の変位量をそれぞれ検出する複数の検出手段として機能する。
0点補正部728及び729は、0点補正後の値をグラフ出力機能740に供給する。グラフ出力機能740は、0点補正部728及び729から供給された値の時系列での変化を表すグラフを出力する。グラフ出力機能740が出力するグラフについて、図9及び図10を参照しながら説明する。
図9は、0点補正部729から供給される値が変化する様子の一例を表すグラフである。このグラフの横軸は、シャフト102が振動を開始した時刻を0秒としたときの時刻(単位は秒)を表し、縦軸は、交差場所のZ軸方向への変位量(単位はmm)を表している。この変位量は、言い換えると、交差場所の変位量のZ軸方向の成分である。図9では、0点補正部729から供給される値、すなわち検出面33における交差場所34のZ軸方向への変位量を示している。この変位量の変化は、交差場所34におけるシャフト102のZ軸方向への振動の特性を表している。交差場所34におけるシャフト102とは、シャフト102のうち、交差場所34で検出面33と交差する部分のことである。この部分は、厳密には初期状態とシャフト102がしなった状態とで位置が異なるが、位置の違いが無視できるほど小さいため、それによってシャフトの振動の特性が変わることはない。シャフト102は、0.9mmほどの振幅で振動を開始した後、時間の経過とともに振幅が減少、すなわち減衰している。シャフト102は、およそ9秒後に振幅が半減し、30秒後には振幅が開始時の2割ほどまで減衰している。
図10は、0点補正部728から供給される値が変化する様子の一例を表すグラフである。このグラフの横軸は、図9と同様の時刻(単位は秒)を表し、縦軸は、交差場所のX軸方向への変位量(単位はmm)を表している。この変位量は、言い換えると、交差場所の変位量のX軸方向の成分である。図10でも、0点補正部728から供給される値、すなわち検出面33における交差場所34のX軸方向への変位量を示している。つまり、この変位量の変化は、交差場所34におけるシャフト102のX軸方向への振動の特性を表している。シャフト102は、振幅が0mmの状態で振動を開始し、およそ3秒後に0.8mmまで振幅が増加している。そして、そこから振幅が減少し、振動が開始してからおよそ8秒後に振幅が0mmまで減少、すなわち収束している。その後、再び振幅が増加し、振動の開始からおよそ11秒後に0.35mmまで振幅が増加し、およそ16秒後に再び収束している。以降、シャフト102は、振幅の最大値を徐々に小さくしながら、振およそ8秒間隔で振幅の増加と収束とを繰り返している。このような、図10のグラフの包絡線で表される長い周期の振幅の変化も、ゴルフクラブヘッドの重心が、ゴルフクラブシャフトの延長線上から外れている(偏心している)ために発生している。また、ねじれ成分を当該包絡線の1回目の励起収束に要する時間から評価することもできる。
図8に戻って説明する。ねじれ周期算出機能750は、抽出部751と、ねじれ戻り時間算出部752とを有する。抽出部751には、0点補正部726から値が供給される。この値は、交差場所44のX軸方向への変位量を表す値であり、時系列に沿って並べると、図10に示すようなシャフト102の振動の様子を表すことになる。抽出部751は、0点補正部726から供給された値を、供給された時刻と対応付けて記憶しておく。そして、抽出部751は、供給された値の符号の変化、すなわち0を跨ぐ変化が10回目に至ったときに、それまでに記憶した値及び時刻をねじれ戻り時間算出部752に供給する。これらの値及び時刻は、シャフト102が振動を開始してから5周期目までの振動を表している。
ねじれ戻り時間算出部752は、供給された値及び時刻によって示される関数を、例えば最小二乗法などの方法を用いて近似し、近似した関数において値が0となる時刻、すなわち変位量が0になる時刻を算出する。そして、ねじれ戻り時間算出部752は、振動を開始した時刻から2回目に変位量が0になった時刻までに要した時間を、1回目の振動の周期として算出する。また、ねじれ戻り時間算出部752は、2及び4回目に変位量が0になった時刻の間の時間を、2回目の振動の周期として算出する。同様に、ねじれ戻り時間算出部752は、3回目から5回目までの振動の周期を算出し、これら5回の周期の平均を、ねじれ戻り時間として算出する。このねじれ戻り時間とは、シャフト102にねじれが発生してから、一旦元に戻って、今度は反対方向にねじれが発生し、そこから元に戻るまでの時間のことであり、つまりは上述したねじれ方向への振動における1周期のことである。ねじれ戻り時間は、ねじれが発生したときのゴルフクラブの挙動特性値である。このように、ねじれ周期算出機能750は、交差場所がZ軸方向(第1方向の一例)に変位して振動を開始した場合に、検出された変位量のX軸方向(第2方向の一例)の成分に応じて、交差場所におけるゴルフクラブ100のねじれ方向への振動の周期を算出するねじれ周期算出手段として機能する。また、ねじれ周期算出機能750は、複数の周期、すなわち交差場所毎の周期を算出する。ねじれ戻り時間算出部752は、算出した値を第1位相ずれ算出機能765及び結果出力機能800に供給する。
しなり周期算出機能760は、抽出部761と、しなり戻り時間算出部762とを有する。抽出部761には、0点補正部727から値が供給される。この値は、検出面43における交差場所44のZ軸方向への変位量であり、時系列に沿って並べると、図9に示すような交差場所44の振動を表すことになる。抽出部761は、抽出部751と同様の動作を行い、シャフト102が振動を開始してから5周期目までの振動を表す変位量及び時刻をそれぞれ対応付けて、しなり戻り時間算出部762に供給する。しなり戻り時間算出部762は、ねじれ戻り時間算出部752と同様の動作を行い、5回の周期の平均を、しなり戻り時間として算出する。
しなり戻り時間とは、シャフト102にZ軸方向へのしなりが発生してから、一旦元に戻って、今度は反対方向にしなりが発生し、そこから元に戻るまでの時間のことである。つまり、しなり戻り時間とは、シャフト102のZ軸方向への振動、すなわちゴルフクラブ100のZ軸方向への振動における1周期のことである。しなり戻り時間は、しなりが発生したときのゴルフクラブの挙動特性値である。このように、しなり周期算出機能760は、交差場所がX軸方向に変位して検出面上で振動を開始した場合に、検出された変位量のZ軸方向の成分に応じて、交差場所におけるゴルフクラブ100のZ軸方向へのしなりによる振動の周期を算出するしなり周期算出手段として機能する。また、しなり周期算出機能760は、複数の周期、すなわち交差場所毎の周期を算出する。しなり戻り時間算出部762は、算出した値を第1位相ずれ算出機能765及び結果出力機能800に供給する。
第1位相ずれ算出機能765は、しなり周期算出機能760により算出された周期(挙動特性値)と、ねじれ周期算出機能750により算出された周期(挙動特性値)とから、或る検出面におけるZ軸方向へのシャフト102の振動と、同じ検出面におけるねじれ方向へのシャフト102の振動との位相差(位相ずれ)を算出する手段(第1位相差算出手段の一例)である。つまり、第1位相ずれ算出機能765は、シャフト102における同一の箇所における位相ずれを算出する。具体的には、第1位相ずれ算出機能765は、しなり戻り時間算出部762から供給された或る検出面におけるしなり戻り時間と、ねじれ戻り時間算出部752から供給された同じ検出面におけるねじれ戻り時間とのうち、大きいほうから小さい方を減じた差の値を算出する。こうして算出された値は、その検出面におけるシャフト102のZ軸方向への振動及びねじれ方向への振動のうち、周期が短い方に対して周期が長い方の位相が遅れる時間(「しなりとねじれの位相遅れ時間」という)を表す。第1位相ずれ算出機能765は、算出した値を結果出力機能800に供給する。
第2位相ずれ算出機能770は、ねじれの位相ずれ算出部771と、しなりの位相ずれ算出部772とを有する。ねじれの位相ずれ算出部771には、0点補正部726及び728から値がそれぞれ供給される。これらの値は、検出面43及び33における交差場所44及び34のX軸方向への変位量である。ねじれの位相ずれ算出部771は、供給されたこれらの値を、供給された時刻と対応付けてそれぞれ記憶しておく。次に、ねじれの位相ずれ算出部771は、ねじれ戻り時間算出部752などと同様に、記憶しておいた値及び時刻によって示される関数を、例えば最小二乗法などの方法を用いて近似し、近似した関数において値が0となる時刻、すなわち変位量が0になる時刻をそれぞれ算出する。そして、ねじれの位相ずれ算出部771は、算出した時刻と、シャフト102が振動を開始してからその時刻まで(その時刻も含む)に変位量が0になった回数とを対応付けて記憶しておく。例えば、ねじれの位相ずれ算出部771は、初めて変位量が0になった場合は、算出した時刻と「1」という数値とを対応付けて記憶する。そして、ねじれの位相ずれ算出部771は、検出面43及び33について記憶した時刻のうち、予め決められた回数に対応付けられた時刻同士の差を、ねじれ方向の振動における多点間の位相遅れ時間として算出する。この多点間の位相遅れ時間は、ねじれが発生したときのゴルフクラブの挙動特性値である。ねじれの位相ずれ算出部771は、算出した結果を結果出力機能800に供給する。
しなりの位相ずれ算出部772には、0点補正部727、729及び730から値がそれぞれ供給される。これらの値は、交差場所24、34及び44のZ軸方向への変位量である。しなりの位相ずれ算出部772は、ねじれの位相ずれ算出部771と同様に動作して、各交差場所のZ軸方向への変位量が0になる時刻をそれぞれ算出し、上記同様、シャフト102が振動を開始してからその時刻までに変位量が0になった回数と対応付けて記憶しておく。そして、しなりの位相ずれ算出部772は、例えば交差場所44及び34について記憶した時刻のうち、予め決められた回数に対応付けられた時刻同士の差を、Z軸方向の振動における多点間の位相遅れ時間として算出する。この多点間の位相遅れ時間は、しなりが発生したときのゴルフクラブの挙動特性値である。しなりの位相ずれ算出部772は、算出した結果を結果出力機能800に供給する。ここにおいて、位相遅れ時間とは、一方の検出面における振動の位相に対する他方の検出面における振動の位相の遅れを表す時間のことである。この位相遅れ時間について、図11から図13までを参照して詳細に説明する。
図11は、シャフト102のY軸方向の剛性分布を示すグラフである。このグラフの縦軸は曲げ剛性を示している。また、横軸は、ヘッド101側から中央部を経てグリップ103側までのシャフト102における位置(シャフト位置という)を示している。このグラフに示されるとおり、シャフト102は、曲げ剛性が小さい中央部を、ヘッド101側とグリップ103側の曲げ剛性が大きい部分とで挟むようになっている。このような曲げ剛性の分布となっているシャフト102を備えたゴルフクラブ100は、図5(c)に示すように振動する場合に、二重振り子のような挙動を示すことになる。
図12は、二重振り子のモデルを示す図である。この図に示す二重振り子100xは、2本の棒101x及び102xが支点103xにより屈曲可能に接続され、棒101xの支点103xに接続されている側とは反対側が固定された片持ち梁状態となっている。また、棒102xの支点103xに接続されている側とは反対側には質量Mの重り104xが取り付けられている。図12では、上述した初期状態と同様に棒101x及び102xがいずれもY軸方向に沿った状態の二重振り子100xが二点鎖線で示されている。図12(a)では、振動を開始した直後の二重振り子100xの様子が示されている。この図では、支点103x及び重り104xの両方が初期状態に比べてZ軸負方向に変位している。図12(b)では、振動を開始してからしばらく時間が経過した後の二重振り子100xの様子が示されている。この図では、初期状態に比べて、支点103xがZ軸負方向に変位している一方、重り104xはZ軸正方向に変位している。
ゴルフクラブ100は、図5(c)に示すように振動を開始すると、図12で示した二重振り子のような挙動を示すため、Y軸方向の位置によってZ軸方向及びX軸方向の変位量が異なる状態になることがある。言い換えれば、ゴルフクラブ100は、Z軸方向及びX軸方向の振動において変位量が0になる時刻がY軸方向の位置によって異なる、すなわち振動の位相が異なることがある。
図13は、交差場所34及び44のZ軸方向への変位量の変化の一例を示すグラフである。このグラフの縦軸及び横軸は、Z軸方向への変位量(単位はmm)及びシャフト102が振動を開始した時刻を0秒とした場合の時刻(単位は秒)を示している。このグラフには、折れ線J32及びJ42と、交点K32及びK42とがそれぞれ示されている。折れ線J32及びJ42は、しなりの位相ずれ算出部772が記憶する変位量及び時刻に基づいて表される折れ線であり、交差場所34及び44のZ軸方向の位置の変化をそれぞれ表す。
交点K32及びK42は、折れ線J32及びJ42が変位量0mmの線と交わる点であり、つまりはZ軸方向への変位量が0mmとなる時刻を表している。折れ線J32及びJ42は、ゴルフクラブ100の振動が開始されてから、それぞれ何回も変位量が0mmとなり、そのたびにこのような交点ができる。交点K32及びK42は、折れ線J32及びJ42が同じ回数、例えば(2×W+1)回だけ変位量0mmの線と交わったときにできた交点である。ここで、ゴルフクラブ100の振動においては、Z軸方向の変位量が最初に0mmとなったとき(最初に交点ができたとき)の位相を初期位相とする。その場合、交点K32及びK42は、W回目の振動が終わって位相が0になった時刻をそれぞれ表すことになる。この例では、交点K42は、交点K32よりも後の時刻を表している。これはつまり、ゴルフクラブ100のZ軸方向へのW回目の振動が終わったときの位相は、交差場所34よりも交差場所44の方が遅れていることを示している。上述したZ軸方向の振動における多点間の位相遅れ時間は、交点K32及びK42が表す時刻の差で表される。このように、しなりの位相ずれ算出部772は、例えば(2×W+1)回目にできた上記の交点が表す時刻の差を、Z軸方向のW回目の振動が終わった後の多点間の位相遅れ時間として算出する。
以上のとおり、第2位相ずれ算出機能770は、上述した複数の検出手段(変位算出機能710及び各センサ)により検出される複数の変位量のZ軸方向の成分と、それら複数の変位量のX軸方向の成分とに応じて、複数の交差場所(例えば34及び44)におけるゴルフクラブどうしの、Z軸方向または回転方向への振動の位相差を算出する手段(第2位相差算出手段の一例)として機能する。換言すると、第2位相ずれ算出機能770は、シャフト102における複数の箇所(多点という)における位相ずれを算出する。
減衰率算出機能780は、抽出部781と、時間算出部782と、振幅差算出部783と、減衰率算出部784とを有する。抽出部781には、0点補正部729から値が供給されてくる。この値は、検出面33における交差場所34のZ軸方向の変位量である。言い換えると、この値は、交差場所34の変位量のZ軸方向の成分を表す。抽出部781は、抽出部751と同様の動作を行い、シャフト102が振動を開始してから5周期目までの振動を表す変位量及び時刻を、時間算出部782及び振幅差算出部783に供給する。時間算出部782は、シャフト102が振動を開始してから5周期目の振動が終了するまでに要した時間を算出し、減衰率算出部784に供給する。振幅差算出部783は、1周期目の振幅N1と5周期目の振幅N5とを算出し、減衰率算出部784に供給する。減衰率算出部784は、供給された振幅N1及びN5から、次の式(1)及び(2)を用いて振動の対数減衰率δ及び減衰定数ζを算出する。算出されたこれらの値は、しなりが発生したときのゴルフクラブの挙動特性値である。
Figure 2013247987
以上のとおり、減衰率算出機能780は、各検出面において検出された変位量のZ軸方向の成分に応じて、その検出面との交差場所におけるシャフト102のZ軸方向への振動の減衰率及び減衰定数を算出する。減衰率及び減衰定数は、いずれも、振動が減衰する度合いを表す値である。つまり、減衰率算出機能780は、前述の振動が減衰する度合いを算出する減衰度合い算出手段として機能する。減衰率算出部784は、算出した結果を結果出力機能800に供給する。
結果出力機能800は、各部から供給された挙動特性値を、例えば一覧表にして図2に示す表示部630に表示する。
図14は、結果出力機能800が出力する結果の一例を示す図である。図14では、シャフトの硬さが異なるゴルフクラブ(シャフトが柔らかい方からR、SR、Sで示している。)を図5(c)に示すように振動させて、その結果測定されたしなり戻り時間、ねじれ戻り時間及びしなりとねじれの位相遅れ時間(いずれも単位はミリ秒)と、減衰率(減衰定数)とが示されている。しなり戻り時間は、硬さR、SR、Sの順に253、243、232であり、ねじれ戻り時間は、同じ順に262、259、252であった。また、しなりとねじれの位相遅れ時間は、同じ順に9、16、20であった。また、減衰率は、同じ順に0.00815、0.00570、0.00842であった。この結果から、ゴルフクラブのシャフトが固いほど、しなり戻り時間もねじれ戻り時間も短くなる一方、シャフトが固いほど、しなりとねじれの位相遅れ時間が大きくなることが分かる。また、ゴルフクラブの減衰率は、硬さがSRのときに最も小さくなり、そこからシャフトが硬くなっても柔らかくなっても大きくなることが分かる。
本実施形態の測定システム1によれば、図14に示すように、各種の挙動特性値、この例では、ゴルフクラブのしなりによる挙動特性値(しなり戻り時間及び減衰率)とねじれによる挙動特性値(ねじれ戻り時間)とを併せて測定することができる。また、測定システム1は、ゴルフクラブの或る位置におけるしなりによる振動及びねじれによる振動の位相差を表す挙動特性値(しなりとねじれの位相遅れ時間)を測定することができる。また、測定システム1によれば、これらの戻り時間とともに、ゴルフクラブの減衰率も併せて測定することができる。さらに、測定システム1は、Y軸方向に異なる位置におけるしなりによる振動の位相差及びねじれによる振動の位相差(多点間の位相遅れ時間)を併せて測定することができる。
測定システム1は、例えば、ゴルフショップなどに設置され、プレイヤーが自分に合ったゴルフクラブを見つけるために用いられる。まず、ゴルフショップ側は、測定システム1を用いて、複数のゴルフクラブにおけるクラブ特性値をそれぞれ予め測定しておく。これらのゴルフクラブは、測定されるクラブ特性値が少しずつ異なるものであり、且つ、試打用として売り物とは別に用意されることが望ましい。そして、プレイヤーにそれらのゴルフクラブでショットを行ってもらい、望ましい結果が出たときのゴルフクラブにおけるクラブ特性値を記録しておく。ゴルフクラブが違っても、クラブ特性値が近いものであれば、スイング中に示す挙動も近くなり、インパクトにおけるヘッドのボールへの衝突の仕方も近くなる。このプレイヤーは、購入を検討しているゴルフクラブについて、測定システム1を用いてクラブ特性値を測定してもらい、記録された値に近いものを選択することで、望ましいショットがでる可能性が高いゴルフクラブ、すなわち自分に合ったゴルフクラブを見つけることができる。
また、測定システム1は、例えば、シャフトを製造する工場に設置される。シャフトの製造においては、上記の5つのクラブ特性値の全てまたは一部の目標値が定められていて、完成品のクラブ特性値が目標値を中心とした製造誤差の範囲(例えば±5%)に収まるか否かで品質を評価することがある。測定システム1によれば、5つのクラブ特性値が併せて測定されるため、ここでいう品質を1度の測定で評価することができる。
[変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した実施形態及び以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
(変形例1)
検出器は、上述した実施形態では設置台に固定されていたが、移動可能となっていてもよい。
図15は、本変形例における測定システム1aをX軸負方向に見たところを示す図である。測定システム1aは、設置板2a、検出器20a、30a及び40aを備える。設置板2aには、Y軸方向に沿ってレール4が設けられている。検出器20a、30a及び40aは、レール4によりY軸方向に移動可能に支持されている。図15では、移動前の各検出器を二点鎖線で示し、矢印の方向にそれぞれ移動した各検出器を示している。測定システム1aは、実施形態におけるゴルフクラブ100とはシャフトの硬さや曲げ剛性の分布などが異なっている場合に、振動による変位が大きい位置や曲げ剛性が小さい位置など、測定したい位置に検出器を移動させて、クラブ特性値を測定することができる。
(変形例2)
測定システム1は、上述した実施形態では、検出器を3つ備えていたが、1つまたは2つ備えていてもよいし、4つ以上備えていてもよい。
図16は、本変形例における測定システム1bをX軸負方向に見たところを示す図である。測定システム1bは、8つの検出器を備える。測定システム1bは、ゴルフクラブの振動時の変位量を8箇所で検出し、それらの8箇所におけるクラブ特性値を測定する。これにより、例えば実施形態で示したゴルフクラブ100であれば、図11に示すように曲げ剛性の山と谷になっている位置の他に、その間の位置についても、クラブ特性値を測定することができる。
(変形例3)
検出面をY軸方向に見たときの形は、上述した実施形態では四角形であったが、これに限らず、例えば三角形や五角形などの多角形であってもよいし、円形や楕円形などの曲線を含む図形であってもよい。また、検出面は、大きさも実施形態とは異なっていてもよい。要するに、検出面は、ゴルフクラブを振動させた場合に、変位した交差場所がはみ出ない程度の大きさ及び形となっていればよい。
(変形例4)
検出器は、上述した実施形態では、レーザー光をX軸方向及びZ軸方向に出力したが、これに限らず、これらの方向に角度をなす方向に出力してもよい。
図17は、本変形例における検出器の一例を示す図である。検出器20cは、センサ200cを有し、センサ200cは、発光装置210Xc及び210Zcと、受光装置220Xc及び220Zcとを有する。発光装置210Xcは、X軸方向にレーザー光を出力する一方、発光装置210Zcは、Z軸方向に対してX軸正方向側に傾いた矢印F3に沿った方向にレーザー光を出力する。この場合も、受光装置220Xc及び220Zcにおいてレーザー光が受光された箇所と受光されなかった箇所との境目の位置が、シャフトの端部を表すことになる。なお、検出器は、どちらのレーザー光も、X軸方向及びZ軸方向とは異なる方向に出力してもよい。要するに、検出器は、検出面において予め決められた2つの方向にレーザー光を出力するようになっていればよい。
(変形例5)
測定システムは、上述した実施形態では、Z軸及びX軸の直交座標系で表される位置に基づいて上述した交差場所の変位量を検出し、検出した変位量に基づいて挙動特性値を測定した。つまり、測定システムは、直交座標系を用いて挙動特性値を測定したが、これに限らず、例えば、2軸が斜めに交わる斜交座標系を用いて挙動特性値を測定してもよいし、極座標系を用いて挙動特性値を測定してもよい。要するに、測定システムは、挙動特性値を表すことができるのであれば、どのような座標系を用いてもよい。
(変形例6)
検出器は、上述した実施形態では、レーザー光を出力したが、これに限らず、例えば赤外線や超音波などを出力してもよい。この場合、検出器は、進行波を出力する複数の出力部と、出力された進行波を検知する複数の検知部とを有する。これらの出力部及び検知部が、図4に示す発光部及び受光部と同様の動作を行うことで、シャフトのX軸方向の両端部及びZ軸方向の両端部を表す座標X1、X2、Z1及びZ2を表すデータが出力される。要するに、検出器は、検出面においてX軸方向及びZ軸方向に直進する進行波を複数並べて出力する出力手段と、出力された進行波の有無を検出面上に並んだ複数の箇所において検知する検知手段とを有していればよい。この検知手段により進行波が検知された箇所と検知されなかった箇所との境目の位置は、ゴルフクラブの端部の位置を表すことになる。従って、情報処理装置60などが、それらの端部の位置から検出面におけるゴルフクラブの変位量を算出することができるようになる。
なお、赤外線や超音波が出力された場合は、回折により隣の発光部から出力された進行波が検知されることがある。この場合であっても、両端部とも同じように回折した進行波が検知されれば、その中心の座標は、回折がない場合と同じになる。また、回折した進行波は検知しないように検知部の感度を調整しておけば、回折がない場合と同じ位置を両端部の位置として検出することができる。
(変形例7)
測定システム1では、上述した実施形態では、各検出面において、各交差場所がZ軸正方向に変位してから振動が開始されたが、他の方向に交差場所を変位させてから振動が開始されてもよい。例えば、Z軸負方向に変位させる、つまり、ヘッド101をZ軸負方向に押し下げてから振動を開始させてもよい。また、他にも、X軸正方向や負方向、斜めの方向などにヘッド101を移動させてから振動を開始させてもよい。ただし、Z軸方向(正負の両方)以外の方向に変位させる場合、最初からシャフト102がX軸方向にしなっているため、そのしなりによるX軸方向への振動が行われることになる。
このため、まず、振動を開始させるときのX軸方向への変位量を測定して、その値を情報処理装置60に記憶させておく。次に、情報処理装置60は、減衰率算出機能780により算出した減衰率を用いて、この変位により生じるシャフト102のX軸方向への振動の各周期における変位量を推定する。続いて、情報処理装置60は、変位算出機能710により算出した交差場所の変位量のX軸方向の成分から、推定した変位量を減じたものを、ねじれによるX軸方向への振動の変位量として算出する。
Z軸正方向またはZ軸負方向に変位させる場合は、上記のようなX軸方向への振動を考慮する必要はない。また、変位させる方向が厳密にはこれらの方向に沿っていなくても、X軸方向への変位が無視できるくらい小さければ、上記のような推定をする必要はない。
また、Z軸方向以外の方向(初期変位方向という)に変位させてから振動させる場合、変位量の初期変位方向の成分と、初期変位方向に交差する方向(交差方向という)の成分を算出するようにしてもよい。この場合、交差方向には、シャフト102のねじれによる振動の他に、重力によって発生したしなりによる振動(重力振動という)が加わることになる。この場合、情報処理装置60は、初期変位方向及び交差方向を示す値(角度など)と、振動を開始するときの変位量とを予め記憶しておき、重力振動による変位量を推定できるようにしておく。そして、情報処理装置60は、検出される変位量の交差方向の成分から、推定した重力振動による変位量を減じたものを、ねじれによる振動の変位量として算出する。
なお、測定システム1の固定器10側を持ち上げて、シャフト102の軸A1が鉛直方向に沿うようにすれば、重力振動における重力の影響を受けにくくなる。この場合は、情報処理装置60は、前述した推定を行うことなく、検出した変位量から実施形態と同様に初期変位方向及び交差方向の成分を算出し、各挙動特性値を算出することができる。
また、初期変位方向(第1方向の一例)及び交差方向(第2方向の一例)は、実施形態のZ軸方向及びX軸方向のように直交していなくてもよい。この場合も、図6で述べたのと同じ理由で、シャフト102にねじれが発生したときに、シャフト102に対して交差方向に加わる力(図6における力E4に相当するもの)が増加と減少とを繰り返すことになる。この増加と減少とが繰り返される周期は、シャフト102のねじれ方向への振動の周期と概ね等しくなるので、測定システム1は、検出した変位量の交差方向の成分から、ねじれ戻り時間などのねじれが発生したときのゴルフクラブの挙動特性値を算出することができる。
(変形例8)
第2位相ずれ算出機能770は、上述した実施形態では、各0点補正部から供給される値、すなわち、複数の検出手段(変位算出機能710及び各センサ)により検出される複数の変位量に基づいて位相差を算出したが、これ以外の方法で位相差を算出してもよい。例えば、第2位相ずれ算出機能770は、ねじれ周期算出機能750により算出される周期(「ねじれ周期」という。)と、しなり周期算出機能760により算出される周期(「しなり周期」という。)とに基づいて位相差を算出してもよい。この場合、第2位相ずれ算出機能770は、前述の通り供給される或るねじれ周期から他のねじれ周期を減じ、その結果をいずれかのねじれ周期で除した値を、複数の交差場所におけるゴルフクラブどうしの、回転方向への振動の位相差として算出する。第2位相ずれ算出機能770は、Z軸方向への振動の位相差を算出する場合は、ねじれ周期の代わりにしなり周期を用いて同様の計算を行う。ねじれ周期及びしなり周期は、複数の検出手段により検出される複数の変位量のX軸方向及びZ軸方向の成分にそれぞれ応じた値である。つまり、第2位相ずれ算出機能770は、本変形例においても、実施形態と同様に、複数の検出手段により検出される複数の変位量のZ軸方向の成分と、それら複数の変位量のX軸方向の成分とに応じて、複数の交差場所におけるゴルフクラブどうしの、Z軸方向または回転方向への振動の位相差を算出する第2位相差算出手段として機能する。
(変形例9)
測定システム1では、ゴルフクラブの振動を開始させるときに、振動開始器を用いなくてもよい。例えば、作業者が手でヘッド101を持ち上げて離すことで振動を開始させてもよいし、初期状態のヘッド101をハンマーなどで叩いて、振動を開始させてもよい。要するに、交差場所が或る方向に変位して検出面上で振動するのであれば、どのようにして振動を開始させてもよい。
(変形例10)
測定システムは、固定器10を備えていなくてもよい。その場合、例えば、万力などの器械にゴルフクラブの一端を固定し、固定されたゴルフクラブのシャフトが各検出器の配置空間に配置されるように測定システムを設置する。これにより、測定システムにおいては、ゴルフクラブを固定可能な様々な器械を利用して挙動特性値を測定することができる。
(変形例11)
測定システムは、上述した実施形態で測定したもの以外の挙動特性値を測定してもよい。例えば、測定システムは、図9や図10のような時間変化を示す変位量を微分した値、すなわち加速度を挙動特性値として測定してもよいし、周期ではなく周波数を測定してもよい。また、測定システムは、或る時刻における挙動特性値を測定してもよいし、或る期間における挙動特性値の平均値や最大値などを測定してもよい。また、測定システムは、或る期間に含まれる複数の時刻における複数の挙動測定値を測定してもよい。要するに、測定システムは、ゴルフクラブのしなり及びねじれによる振動における挙動を評価するために用いられるものであれば、どのような挙動測定値を測定してもよい。
前述した測定を行うために、測定システムは、実施形態におけるZ軸方向のような第1方向へのゴルフクラブの振動の挙動特性値と、ゴルフクラブの回転方向への振動の挙動特性値とを測定する。この場合、測定システムは、検出器により検出される変位量の第1方向の成分に応じて、その交差場所におけるゴルフクラブの第1方向への振動の挙動特性値を算出する第1挙動特性値算出手段と、検出器により検出される変位量の、実施形態におけるX軸方向のような第1方向とは異なる第2方向の成分に応じて、その交差場所における回転方向へのゴルフクラブの振動の挙動特性値を算出する第2挙動特性値算出手段とを備えていればよい。実施形態におけるしなり周期算出手段(すなわち、しなり周期算出機能760)は、第1挙動特性値算出手段の一例であり、ねじれ周期算出手段(すなわち、ねじれ周期算出機能750)は、第2挙動特性値算出手段の一例である。
(変形例12)
測定システム1は、上述した実施形態では、長尺の道具として、ゴルフクラブの特性値を測定したが、これに限らず、例えば、釣り竿やホッケーのスティック、弓道の弓、弦楽器の弓などの長尺の道具の特性値を測定してもよい。これらの道具も、ゴルフクラブと同様に、使用時にしなるだけではなく、ねじれ方向に力が加わってねじれが発生することがある。そのため、ねじれによる挙動特性値(ねじれ戻り時間やしなりとねじれの位相遅れ時間など)を測定することで、しなりによる挙動特性値だけを測定する場合に比べて、より実際に使用したときの挙動に即した特性の評価をすることができる。
なお、弓道の弓のように弧を描いている長尺の道具の測定を行う場合は、その道具に沿って検出器を設置すればよい。つまり、検出器を直線上に並べて設置するのではなく、道具と同じように弧を描くようにして並べて設置する。また、検出器が十分に大きい(例えば検出面のX軸方向の幅が1mある)場合は、直線上に設置してもよい。要するに、検出器は、片持ち梁状態の長尺の道具を振動させたときに、交差場所が検出面に収まる範囲で振動するようになっていればよい。
1…測定システム、2…設置台、10…固定器、11…ネジ部、12…孔部、20、30、40…検出器、22、32、42…配置空間、23、33、43…検出面、24、34、44…交差場所、50…振動開始器、51…支え棒、52…本体、60…情報処理装置、220、320、420…発光装置、221、321、421…発光部、230、330、430…受光装置、231、331、431…受光部、100…ゴルフクラブ、101…ヘッド、102…シャフト、103…グリップ、710…変位算出機能、740…グラフ出力機能、750…ねじれ周期算出機能、760…しなり周期算出機能、765…第1位相ずれ算出機能、770…第2位相ずれ算出機能、780…減衰率算出機能、800…結果出力機能

Claims (5)

  1. 長尺の道具の一端を固定して振動させた前記道具の挙動の特性を表す挙動特性値を測定する測定システムにおいて、
    前記道具の長手方向に略垂直に配置された平面と前記道具とが交差する交差場所が所定の位置から変位したときの変位量を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出される変位量の当該第1方向の成分に応じて、当該交差場所における前記道具の当該第1方向への振動の前記挙動特性値を算出する第1挙動特性値算出手段と、
    前記検出手段により検出される変位量の、前記第1方向とは異なる第2方向の成分に応じて、当該交差場所における前記道具の振動であって、当該道具がねじれて回転する回転方向への振動の前記挙動特性値を算出する第2挙動特性値算出手段と
    を備えることを特徴とする測定システム。
  2. 前記第1挙動特性値算出手段は、前記交差場所における前記道具の前記第1方向への振動の周期を前記挙動特性値として算出し、
    前記第2挙動特性値算出手段は、当該交差場所における当該道具の前記回転方向への振動の周期を前記挙動特性値として算出し、
    前記第1挙動特性値算出手段により算出された周期及び前記第2挙動特性値算出手段により算出された周期から、前記交差場所における前記道具の前記第1方向への振動と当該交差場所における当該道具の前記回転方向への振動との位相差を算出する第1位相差算出手段を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  3. 複数の前記検出手段を備え、
    前記複数の検出手段により検出される複数の変位量の前記第1方向の成分と、当該複数の変位量の前記第2方向の成分とに応じて、前記複数の交差場所における前記道具どうしの、前記第1方向または前記回転方向への振動の位相差を算出する第2位相差算出手段を備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の測定システム。
  4. 前記検出手段により検出された変位量の前記第1方向の成分に応じて、前記交差場所における前記道具の当該第1方向への振動が減衰する度合いを算出する減衰度合い算出手段を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の測定システム。
  5. 前記検出手段は、
    前記平面において予め決められた2つの進行方向にそれぞれ直進する進行波を複数並べて出力する出力手段と、
    当該出力手段により出力された進行波の有無を前記平面上に並んだ複数の箇所において検知する検知手段とを有し、
    前記検知手段により進行波が検知された箇所と検知されなかった箇所との境目の位置が前記道具の端部の位置であるものとして、前記変位量を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の測定システム。
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