JP2013247810A - 振動アクチュエータ - Google Patents

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Minoru Ueda
稔 上田
Hiroyuki Kurita
博享 栗田
Asako Furutaki
麻子 古滝
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Namiki Precision Jewel Co Ltd
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Abstract

【課題】
薄型化に於いても振動量及び耐久性の低下を防ぐことが可能で、部品として組み込む際の省スペース化が容易な振動アクチュエータを提供する。
【解決手段】
可動子の移動範囲を磁気力によって制限することで、薄型化に於いても振動量及び耐久性の低下を防ぐことが可能で、部品として組み込む際の省スペース化が容易な振動アクチュエータを提供すると共に、従来の振動アクチュエータに対して単一ユニットで2軸方向の触感出力を可能にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マグネットを設けた可動子を振り子状に往復移動させることで体感振動を発生する振動アクチュエータに関する。
現在、携帯電話に代表される移動体通信機器には、体感振動を発生することで使用者に着信を知らせる振動発生機能が広く用いられている。この様な機能を付与する部品のうち代表的なものとして、小型モータの出力軸に偏心分銅を取り付けて回転させることによって体感振動の発生を行う振動モータが用いられてきた。また、構造の簡略化及び、より体感振動の発生に適した振動アクチュエータとして偏心分銅の駆動に特化した振動アクチュエータも開発されており、例えば特開平05−168195(以下特許文献1として記載)及び特開平05−305270(以下特許文献2として記載)として出願後、公開されている。
特許文献1及び2に代表される振動アクチュエータには、上記振動モータと比較して簡略化された構造による耐久性の向上やコストの低下と言った利点に加え、全体としての省スペース化という効果を付与することが可能となっていた。また、可動子で振動を発生する構造を用いたことで、振動発生用の駆動力を発生する駆動部と振動量を確保する分銅とを一体化し、部品内部に於けるスペース効率の向上という効果も得ている。
特開平05−168195 特開平05−305270
上述した利点を有している一方で近年、移動体通信機器の薄型化に伴い、上記現行の振動アクチュエータに対して更なる薄型化が要求されている。この要求に対して、特許文献1及び2に記載の振動アクチュエータはその構造上、可動子の復帰手段としてスプリングを用いている。この為、薄型化に際してバネ強度を維持しつつ薄型化を行わなければならないという課題を有している。加えて、薄型化に際してバネ強度もまた低下する為、従来と同等の振動を得るべく可動子の重量を増加すると、低下したバネ強度に起因して耐久性が低下し、部品としての寿命が短くなってしまう。
上記課題を解決するために本願記載のアクチュエータは、薄型化に於いても振動量及び耐久性の低下を防ぐことが可能で、部品として組み込む際の省スペース化が容易な振動アクチュエータを提供することを目的としている。
上記目的のために本発明に於ける第1の態様では、扇形形状の可動子を振り子状に往復移動させる振動アクチュエータについて、筐体側に設けたコイルと、前記可動子側に設けたマグネットとが発生する磁気力を駆動源とし、前記可動子の移動範囲を、前記可動子の弧に対向したコアと前記可動子との間に働く磁気力によって制限した構造を用いている。また、本態様では磁気力を用いて前記可動子の挙動を制御することを特徴としている。
また、本発明第2の態様では、前記第1の態様で用いる振動アクチュエータ構造について、前記コイルに、前記マグネットの着磁方向と直交する一方向の電流成分を並べて配置した平面コイルを用いており、可動子の移動範囲を、平面コイルと可動子との間に働くローレンツ力によって制限している。より具体的には、前記第1の態様と同じ挙動の制御を、前記平面コイルを搭載した構造についてローレンツ力による力を用いることを特徴としている。
また、本発明第3の態様では、上記第1及び第2の態様に代表される、磁気力等の非接触手段によって可動子の移動範囲を制限した振動アクチュエータについて、可動子の駆動方向に対して片方向のみの振動出力を行う駆動方法を用いている。より具体的には、体感振動の発生時に片方向のみの移動速度を高く設定していくことで、可動子の可動範囲に於ける両端方向への振動ではなく、片端方向のみの振動を出力する駆動方法を特徴としている。
この様な構造及び駆動方法を用いたことで本発明第1の態様記載の振動アクチュエータは、全体的に省スペース化された構造とすることを可能としている。これは、サスペンションを用いずに磁気力のみで可動子の移動を行う為で、部品点数の減少による容易な小型化に加えて、振動発生時に於ける即応性の向上という効果をも得ることが出来る。また、本発明では基本構造として扇形形状の可動子を往復移動させる構造を用いており、可動子は回転方向の往復運動を介して振動を出力する。この為、他の往復動型振動アクチュエータと比較して可動子が振動を出力する際に必要とする空間を削減しつつ、前記即応性を伴う振動出力を行うことが可能となる。更に、本発明では可動子の弧とコアとを対向配置させることで、可動子の動作を外周側から制御している。この為、厚み方向に於ける部品の積み重ねが無くなることによる全体的な薄型化に加えて、振動出力時に大きな起磁力を必要としない、省電力化された駆動構造とすることができる。また、可動子の移動範囲を磁気力によって制御することで、筐体と可動子との衝突を防ぎ、動作音を抑えた静音性の高い状態で振動出力を行うことが可能となっている。
また、本発明第2の態様記載の構造を用いることで本願記載の振動アクチュエータは、前記第1の態様記載の構造が有する効果に加えて、更なる省スペース化を行うことが可能となる。これは、平面コイルを用いたことでコイルの収納スペースを減少し、振動アクチュエータ全体が可動子の外周に沿った平面形状に構成される為である。また、第1の態様記載の構造が可動子側に設けたマグネットと、筐体側に設けたコイルとの間に働く磁気力によって可動子を駆動しているのに対して、本態様記載の構造では可動子をローレンツ力による力によって駆動し、可動子の移動範囲もまた、ローレンツ力による力によって制限した駆動構造を用いている。この様な駆動構造を用いることで本態様記載の振動アクチュエータは、前記第1の態様が有している全体的な薄型化という効果に対して、平面寸法の小型化という効果を付与している。また、マグネット側面−平面コイル間に働くローレンツ力による力によって可動子を駆動する為、第1の態様と同等の即応性を維持することができる。
また、本発明第3の態様を用いることで、前記第1及び第2の態様にて記載した様な振動アクチュエータを個別2方向の振動出力に対応した振動アクチュエータとして使用することが可能となる。これは、本願記載の振動アクチュエータが前記第1及び第2の態様記載の構造によって従来の振動アクチュエータよりも優れた即応性を有している為で、往復移動する可動子の挙動について、片側への移動速度のみを高く設定した駆動信号を入力することで、往復動方向の振動ではなく、単方向の振動出力を行う振動アクチュエータとして機能させている。この様な駆動方法を用いることで本態様記載の振動アクチュエータは、可動子の移動範囲によって出力する二つの振動方向を設定し、前記往復動方向の振動に2軸での個別振動出力が可能な振動アクチュエータとして使用することができる。
以上述べたように、本発明記載の構造を用いることで薄型化に於いても振動量及び耐久性の低下を防ぐことが可能で、部品として組み込む際の省スペース化が容易な振動アクチュエータを提供することが可能となる。
本発明の第1の実施形態にて用いる振動アクチュエータの全体斜視図 図1にて示した振動アクチュエータの平面図 図1にて示した振動アクチュエータの分解斜視図 図1にて示した振動アクチュエータの構成変更例の全体斜視図 図4にて示した振動アクチュエータの平面図 図4にて示した振動アクチュエータの分解斜視図 本発明の第2の実施形態にて用いる振動アクチュエータの全体斜視図 図7にて示した振動アクチュエータの平面図 図7にて示した振動アクチュエータの分解斜視図 本発明の第2の実施形態にて用いる平面コイルの説明図
以下に、図1、図2、図3及び図4、図5、図6を用いて、本発明に於ける第1の実施形態を示す。尚、図中の記号及び部品番号について、各実施形態に於いて同じ部品として機能するものには共通の記号又は番号を付与している。
図1に本発明に於ける第1の実施例にて用いる振動アクチュエータの全体斜視図を、図2に平面図を、図3に分解斜視図を、そして図4に構成の変更例に関わる全体斜視図を、図5に平面図を、そして図6に分解斜視図を、それぞれ示す。
図1、図2及び図3に示すように、本実施形例記載の振動アクチュエータは、マグネット4とヨークとしても機能する磁性分銅3によって構成した可動子を、シャフト1及び軸受2を介して筐体7に対して取付け、別途筐体7の底面に固定したコア5及びコイル6からなる固定子の発生する磁気力によって振動させる駆動構造を有している。また、図2から解るように、可動子側の磁性分銅3と固定子側のコア5について、それぞれに凸部A1〜A4及びB1〜B4を形成した構造を用いている。これらの構造を用いたことに加えて、可動子を構成するマグネット4の着磁方向を、可動子に対してラジアル方向に着磁したことで、本実施形態記載の振動アクチュエータでは、対向したA1とB1、A2とB2等、一組の凸部によって可動子の振幅を制限することが可能となった。加えて、非通電時ではマグネット4とコア5との間に働く磁気力によって可動子が固定される為、共通の磁気回路を用いて自動的に可動子の駆動と固定とを切り換えることができた。
また、前記可動子固定子の両方に凸部A1〜A4及びB1〜B4を設けた構造によって、本実施形態では固定子と可動子とが発生する磁束を各凸部に集中させている。この為、コイル6への通電によってコア5の両端に磁界を発生させる際に、可動子に設けた凸部のうち一方には磁気吸引力を、他方には磁気反発力を、それぞれ発生させて可動子を振動させる駆動方法となる。このような駆動方法を用いたことで、本実施形態では可動子に関して入力信号に対する高い即応性及び追従性を付与することが可能となった。また、筐体7に対する振動の伝達を磁気反発力及び磁気吸引力を介して行うことで、駆動時の静音性を向上することが可能となった。加えて、本実施形態記載の構造では前記並列突出部を形成する各凸部について、可動子及び固定子に於けるマグネット又はコイル寄りの凸部と各両端側の凸部A1A2、A3A4、B1B2、B3B4、が磁気勾配を形成する磁気回路構造となっている。この為、前記反発側の磁気勾配によって立ち上がり特性を向上させると共に、前記吸引側の磁気勾配による立ち下がり特性の向上及び筐体との接触防止という効果を得ることができた。
また、本実施形態では固定子側凸部B1〜B4を通る磁路に沿って磁界を発生させるコイル配置となっている。より具体的には、コイル6の巻回方向を駆動時に於いて可動子−固定子間に形成される磁路に沿った配置としている。この為、薄型化された構造であっても高い磁気効率による振動量の維持が可能となった。
ここで、図4、図5及び図6に前記第1の実施形態に於ける振動アクチュエータの構成変更例を示す。図4乃至図6から解るように、本変更例では、前記磁路に沿って配置していたコイル6を平面配置としている。この為、前記巻回方向による磁気効率の向上と言う効果を用いることができない点を、平面配置としたことによるコイル巻数の増加によって補う構造となった。加えて、図5に示す平面図から解るように、本変更例ではコイル6を巻回するコア5について板材の曲げ加工によって形成したものを用いており、前記構造によって振動量を維持しつつ、振動アクチュエータ全体の量産性を向上することができた。
次に図7、図8、図9及び図10を用いて本発明に於ける第2の実施形態を示す。
図7に本発明に於ける第2の実施例にて用いる振動アクチュエータの全体斜視図を、図8に平面図を、図9に分解斜視図を、そして図10に平面コイルの説明図をそれぞれ示す。
図7及び図8から解るように、本実施形態では前記第1の実施形態とは異なり、平面コイル8−可動子間に働くローレンツ力による力を駆動力として用いている。より具体的には、図9及び図10に於いて示した平面コイル8内の垂直成分Dと、可動子に搭載したマグネット4と、の間に働くローレンツ力による力によって可動子を振動方向に駆動する。マグネット4の着磁方向は実施形態1と同じラジアル方向となっており、可動子の両端部に設けた各突部A1、A2は平面コイル8と対向しているマグネット4の側面部とは異なる磁極となる。従って本実施形態では平面コイル通電時、マグネット4の側面部と可動子両端部とで作用するローレンツ力による力の方向が反転する。この為、本実施形態ではマグネット4の側面部と前記垂直成分とが対向している区間では可動子が移動し、可動子両端部に設けた各凸部のうち一方と前記垂直成分とが対向する位置で可動子が停止する駆動構造となった。
前記駆動構造を用いたことで、本実施形態記載の振動アクチュエータは、可動子の振幅をローレンツ力による力によって制限し、可動子の移動範囲を自動的に制御することが可能となっている。この為、平面コイルのパターンによって振幅及び振動量と言った振動特性の設定ができると共に、平面コイルを用いたことによる全体的な省スペース化という効果をも得ることができた。また、筐体7に対する振動の伝達を前記ローレンツ力による力を介して行うことで、駆動時の静音性を向上することが可能となった。加えて、可動子の側面から駆動力であるローレンツ力による力を作用させる為、第1の実施形態と同様に良好な立ち上がり特性及び立ち下がり特性を付与することができた。
上述した本発明第1及び第2の実施形態では、出力する体感振動の方向を個別に設定して振動させることができる。より具体的には、振動を出力する方向の移動速度のみを高く設定していくことで可動子の振幅方向のうち片方向の振動出力を低減し、可動子の出力する振動を単方向V1又はV2に限定している。この様な駆動方法を用いたことで本実施形態記載の振動アクチュエータは、通常の往復動振動に2方向出力を加えた3パターンの振動出力を行うことが可能となった。尚、本実施形態では筐体7の形状に応じて互いに直角を成す2方向出力としているが、筐体の形状を変更し、可動子の移動範囲を変えることで本実施形態とは異なった任意の2方向出力機能を備えることができる。
上記各実施形態及び駆動方法による効果に加えて、本実施形態記載の振動アクチュエータはその構造上、振動発生時に於いて共振による立ち上がりを使用する必要がない。この為、体感振動を発生する際の立ち上がり速度を早くすることが可能となった。また、信頼性面に於いて接点やスプリングを用いない構造となる為、疲労や摩耗による部品の損傷を防ぎ、耐久性を向上させることができた。
以上述べた様に本実施形態記載の振動アクチュエータを用いることで、薄型化に於いても振動量及び耐久性の低下を防ぐことが可能で、部品として組み込む際の省スペース化が容易な振動アクチュエータを提供することが可能となった。
1 シャフト
2 軸受
3 磁性分銅
4 マグネット
5 コア
6 コイル
7 筐体
8 平面コイル
A1,A2,A3,A4 可動子側凸部
B1,B2,B3,B4 固定子側凸部
V1,V2 振動方向
D 平面コイル垂直成分

Claims (3)

  1. 扇形形状の可動子を振り子状に往復移動させる振動アクチュエータであって、
    筐体側に設けたコイルと、前記可動子側に設けたマグネットとが発生する磁気力を駆動源とし、
    前記可動子の移動範囲を、前記可動子の弧に対向したコアと前記可動子との間に働く磁気力によって制限した振動アクチュエータ。
  2. 前記コイルに、前記マグネットの着磁方向と直交する一方向の電流成分を並べて配置した平面コイルを用いた構造であって、
    前記可動子の移動範囲を、前記磁気力に換えて前記平面コイルと前記可動子との間に働くローレンツ力による力によって制限した請求項1記載の振動アクチュエータ。
  3. 可動子の往復動方向に対し、片方向のみの移動速度を高く設定していくことで、単方向での振動出力を行う、非接触手段によって可動子の移動範囲を制限した振動アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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