JP2013247045A - 電池システム及び電池システム搭載機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池セルの正確な状態を得られる電池システム及び電池システム搭載機器を提供する。
【解決手段】電池システム10は、充放電する電池セル11、電池セルの電池制御部14及び記憶部15を有する。電池制御部は、完全放電状態の検出に続いて満充電状態が検出されるまでの充電容量、あるいは、満充電状態の検出に続いて完全放電状態が検出されるまでの放電容量から初期の実容量Qaを求める。記憶部は、電池制御部で求められた初期の実容量を記憶する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池システム及び電池システム搭載機器に関し、詳細には、充放電する電池セル、電池セルの電池容量検出部及び記憶部を有した電池システム及び電池システム搭載機器に関する。
二次電池は充電によって繰り返し使用可能であり、特に、リチウムイオン電池は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比してエネルギー密度が大きいという特長がある。このため、例えば、携帯情報端末などの搭載機器の電源に多く利用される。一方、リチウムイオン電池は、充放電の繰り返しや、満充電状態での高温放置などによって電池容量が次第に小さくなり、電池の寿命が短くなるという性質を有する(電池セルの劣化ともいう)。
ここで、電池の残量は、例えば、アイコン等によって搭載機器の画面に表示できる。しかし、この表示内容は、電池セルが劣化していた場合には、この劣化によって既に減少している容量を100%としたときの残量である。つまり、ユーザは、電池の残量を表示しても電池の寿命を直ちには判断できず、機器の使用時間が短くなったなどのように、電池の交換時期を感覚的に判断している。そこで、例えば、特許文献1には、電池セルの劣化度を求め、この求めた劣化度が所定値以下の場合に、電池の交換を促すメッセージを表示する技術が提案されている。
特開2009−186235号公報
ところで、特許文献1に記載された電池セルの劣化度は、現時点での満充電量と規定電池容量との比から求められるが、この規定電池容量とは、新品状態の電池容量、詳しくは、例えば、同じ型番の二次電池に関して予め規定されている公称容量値が用いられている。
しかしながら、同じ型番の二次電池であっても満充電量は同じ大きさではなく、規定電池容量(例えば、4050mAh)に相当する電池の他、この規定電池容量を超える電池(例えば、4100mAhや4200mAhなど)も高い頻度で存在する。
よって、規定電池容量を用いて電池セルの劣化度を求めることは、満充電量に大きなバラツキがある点を鑑みれば技術的に意味がなく、特許文献1の技術では、電池セルの正確な状態を得られないという問題がある。
本発明は、上述の如き実情に鑑みてなされたもので、電池セルの正確な状態を得ることができる電池システム及び電池システム搭載機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、充放電する電池セル、該電池セルの電池容量検出部及び記憶部を有した電池システムであって、前記電池容量検出部は、完全放電状態の検出に続いて満充電状態が検出されるまでの充電容量、あるいは、満充電状態の検出に続いて完全放電状態が検出されるまでの放電容量から初期の実容量を求め、前記記憶部は、前記初期の実容量を記憶することを特徴とする電池システムである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記電池セルの劣化度検出部をさらに有し、前記初期の実容量が前記記憶部に記憶されていると判断された場合、前記電池容量検出部は、ユーザからの容量演算の指示に基づいて、完全放電状態の検出に続いて満充電状態が検出されるまでの充電容量、あるいは、満充電状態の検出に続いて完全放電状態が検出されるまでの放電容量から使用時の実容量を求め、前記劣化度検出部は、前記使用時の実容量と前記記憶部に記憶された前記初期の実容量との比から電池セルの劣化度を求めることを特徴とするものである。
第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記記憶部は、前記電池セルの劣化度を記憶することを特徴とする。
第4の技術手段は、第2又は3の技術手段を搭載した電池システム搭載機器において、前記電池セルの劣化度を表示する表示部を有することを特徴とする電池システム搭載機器である。
第5の技術手段は、第1から3のいずれか1の技術手段に用いられる電池セルであって、前記記憶部を一体に有することを特徴とする電池セルである。
本発明によれば、記憶部は、完全放電状態から満充電状態が検出されるまでの充電容量、あるいは、満充電状態から完全放電状態が検出されるまでの放電容量から満充電量を算出して記憶しており、仮に、同じ型番の二次電池において満充電量が異なっていても、このバラツキに対応した満充電量を初期の実容量として得ることができる。
本発明による電池システムの構成図である。 図1の電池システムを搭載した電池システム搭載機器の構成図である。 本発明による劣化度の算出を説明するためのフローチャートである。 本発明による表示例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の電池システム及び電池システム搭載機器について説明する。図1は、本発明による電池システムの構成図であり、図2は、図1の電池システムを搭載した電池システム搭載機器の構成図である。
電池システム10は、電池システム搭載機器30に電力を供給可能なDC電源、例えば、リチウムイオン電池であり、電池システム搭載機器30に対して着脱自在に構成されている。
電池システム10は、バッテリー部10a、コントロール部10b、及び端子17などからなり、例えば、バッテリー部10aとコントロール部10bとは別個に設けられている。バッテリー部10aには、電池セル11と記憶部15とが一体的に構成され、コントロール部10bは、通電量検出部12、スイッチング素子13、及び電池制御部14を有している。
バッテリー部10aの電池セル11は、正極や負極の部材及び電解液が例えば、アルミラミネートフィルムのケースに封入されており、コントロール部10bの通電量検出部12や電池制御部14に接続される。
通電量検出部12は、例えば、電池セル11に対して直列接続された抵抗器や、この抵抗器に生じた電圧を増幅する増幅器などを有し、生じた電圧の正負によって充放電時の電圧や電流を検出できる。
具体的には、通電量検出部12は、スイッチング素子13を介して端子17に接続され、電池システム10を電池システム搭載機器30に搭載すると、この搭載機器30の端子37を介して機器制御部31に接続される。これにより、搭載機器30には電池システム10の電力が供給されるので、通電量検出部12は、電池セル11の放電電圧や放電電流を検出できる。この検出結果は電池制御部14に出力される。
スイッチング素子13は、電池システム10の放電時と充電時とにおける電気の流れを切り替える。
機器制御部31は充電制御回路としても機能する。このため、通電量検出部12は、充電器41が電池システム搭載機器30の端子35に接続された場合には、機器制御部31、端子37や端子17、スイッチング素子13を経由した電池セル11の充電電圧や充電電流を検出できる。この検出結果も電池制御部14に出力される。
電池制御部14は、電池セル11の例えば、ケースの表面温度を検出しており、この電池セル11の温度が所定温度を超えた場合、例えば、スイッチング素子13を用いて通電を制限する。さらに、電池制御部14は、通電量検出部12の検出結果から過電流も監視しており、異常な通電量を検出したときにも通電を制限し、充電時の安全性を確保する。
なお、上述した放電電圧や放電電流、充電電圧や充電電流が本発明の電池セルのパラメータに相当するが、電池セル11の温度も、例えば、充電効率や放電効率を求める際に電池セルのパラメータとして用いてもよい。又は、電池セル11の温度は、電池セルのパラメータではなく、充電容量や放電容量を求める際の参考値として記憶してもよい。
ここで、電池制御部14は、通電量検出部12の検出結果を用いて電池セル11の電池容量や劣化度などを演算することができる。なお、この電池制御部14が本発明の電池容量検出部や劣化度検出部に相当する。
詳しくは、まず、電池セル11の残量Q(単位はWh)は、例えば、充電容量から放電容量を減じて求めることができる。充電容量は、例えば、充電電力(充電電流×充電電圧)の積算値、又はこの積算値に充電効率を乗じて求められる。一方、放電容量は、例えば、放電電力(放電電流×放電電圧)の積算値、又はこの積算値に放電効率を乗じて求められる。なお、充電容量は充電電流の積算値から、放電容量は放電電流の積算値から求めてもよい(単位はmAh)。また、残量Qは、電圧値、電流値、及び温度による電池セルの特性図に基づいて求めるなど公知の手法を用いることができる。
記憶部15には、例えば、充電終止電流や放電終止電圧が記憶されている。充電終止電流は、過充電を避けて安全に充電するための値であり、例えば、電池セル11の端子電圧の上昇によって充電電流が所定値(例えば、数十mA程度)にまで小さくなる場合の電流値が設定される。なお、電池制御部14は、例えば、この充電終止電流に達すると、満充電状態であると判定する。
これに対し、放電終止電圧は、過放電を避けて安全に放電するための値であり、放電電圧が所定値(例えば、3V程度)にまで小さくなった電圧値が設定されており、電池制御部14は、例えば、この放電終止電圧に達すると、完全放電状態であると判定している。
そして、電池制御部14は、電池セル11の劣化度Dを求める際に、充電終止電流や放電終止電圧を用いる。具体的には、この劣化度Dは、電池セル11の劣化による電池容量低下の度合を示す値(単位は%)であり、使用時の実容量Quを初期の実容量Qaで除して求められる。
これら各実容量Qu,Qaは、いずれも満充電量に相当するが、後者の初期の実容量Qaは、予め規定されている規定電池容量ではなく、電池セル11のパラメータを用いて演算されたものである。
この初期の実容量Qaは、記憶部15に最初に記憶される実容量である。詳しくは、例えば、電池システム10を搭載機器30に搭載して間もなくのような、電池セル11に対する容量補正が未だ実施されていない場合があり、この場合には、初期の実容量Qaは記憶部15に記憶されていない。そこで、電池制御部14では、初期の実容量Qaが記憶部15に記憶されていない旨を判断した後、放電終止電圧への到達による完全放電状態、あるいは、充電終止電流への到達による満充電状態のいずれかを検出すると、初期の満充電量Qaの算出を開始する。
電池制御部14は、仮に、完全放電状態が検出された場合には、この完全放電した電池セル11について、その時点から充電終止電流に達するまでの充電容量を算出しており、初期の満充電量Qaを決定する。あるいは、仮に、満充電状態が検出された場合には、この満充電した電池セル11について、その時点から放電終止電圧に達するまでの放電容量を算出し、初期の満充電量Qaを決定する。この決定結果は記憶部15に記憶される。
これに対し、前者の使用時の実容量Quは、例えば、上記初期の満充電量Qaと同様に、完全放電状態から充電終止電流に達するまでの充電容量、あるいは、満充電状態から放電終止電圧に達するまでの放電容量を算出して決定されるが、上述した初期の実容量Qaを記憶部15に記憶した後に求められる実容量である。
例えば、機器制御部31がリモコン40から容量演算コマンドを受け取った後、電池制御部14において、放電終止電圧への到達による完全放電状態、あるいは、充電終止電流への到達による満充電状態のいずれかを検出すると、使用時の実容量Quの算出を開始する。電池制御部14は、使用時の実容量Quを決定した後、記憶部15に記憶し、最新の実容量Quに更新される。
続いて、電池制御部14は、使用時の実容量Quと初期の実容量Qaとの比から電池セル11の劣化度Dを求め、記憶部15に記憶する。これにより、最新の劣化度Dに更新される。
一方、電池システム搭載機器30において、機器制御部31は、電池セル11の残量Qを記憶部15から呼び出し、例えば、3段階の残量表示が可能な所定のアイコンを表示部32に表示する。また、機器制御部31は、受光部36を介してリモコン40の所定の指令を受け取った場合、記憶部15から電池セル11の劣化度Dを読み込み、後述のように表示部32に劣化度Dを表示できる。
図3は、本発明による劣化度の算出を説明するためのフローチャートである。
通電量検出部12等が電池セル11のパラメータを検出する(ステップS101)。次いで、初期の実容量Qaが記憶部15に記憶されていない場合(ステップS102のYES)、電池制御部14が電池セル11の完全放電状態を検出すると(ステップS103のYES)、ステップS105に進む。一方、この完全放電状態を検出しないが(ステップS103のNO)、電池制御部14が電池セル11の満充電状態を検出した場合(ステップS104のYES)にもステップS105に進む。
ステップS105では、電池制御部14は、電池セル11のパラメータに基づいて初期の実容量Qaを演算し、記憶部15に記憶する。
続いて、ステップS101に戻り、電池セル11のパラメータを検出してステップS102に進む。しかし、この場合には、初期の実容量Qaが記憶部15に記憶されている(ステップS102のNO)。そこで、電池制御部14は使用時の実容量Quを演算する。
詳しくは、電池制御部14が電池セル11の完全放電状態を検出した場合(ステップS106のYES)、ステップS108に進む。一方、この完全放電状態を検出しないものの(ステップS106のNO)、満充電状態を検出した場合(ステップS107のYES)にもステップS108に進む。このステップS108では、電池制御部14は、電池セル11のパラメータに基づいて使用時の実容量Quを演算し、記憶部15に記憶する。
続いて、電池制御部14は、初期の実容量Qaを記憶部15から読み込み(ステップS109)、初期の実容量Qaに対する使用時の実容量Quの比から電池セル11の劣化度Dを求め(ステップS110)、記憶部15に記憶して一連のルーチンを抜ける。
このように、完全放電状態あるいは満充電状態の検出に続いて演算された初期の実容量Qaを基準容量値に用いており、仮に、同じ型番の二次電池において電池セルの満充電量が異なっていても、このバラツキに対応した満充電量を初期の実容量として得ることができる。
また、初期の実容量Qaの他、使用時の実容量Quについても、完全放電状態あるいは満充電状態の検出に続いて演算された充電容量あるいは放電容量から求め、いずれも完全放電から満充電までを考慮した同じ条件で求められるので、より正確な劣化度を得ることができる。
さらに、電池セル11の劣化度Dを、電池システム搭載機器30ではなく、電池システム10の記憶部15に記憶すれば、電池システム10を当該電池システム搭載機器30とは別の搭載機器に搭載しても、電池セル11の劣化度Dを別の搭載機器でも継続して利用できる。
図4は、本発明による表示例を示す図である。
機器制御部31がリモコン40から劣化確認コマンドを受け取った場合、機器制御部31は、電池制御部14を介して記憶部15から電池セル11の劣化度Dを読み込み、表示画面33の、例えば、右上位置にアイコン34を表示し、電池セルの劣化度をバーや数値で表示する。これにより、使用している電池がどの程度劣化しているかを見て確認したい場合には、電池セルの正確な劣化状態をユーザに提供できる。
なお、機器制御部31は、仮に、電池セルの劣化度が所定の閾値(例えば、50%)を下回った場合、電池の交換を促すメッセージを表示画面33に表示することもできる。この表示に併せて、電池制御部14が電池セル11による通電を制限してもよい。
また、上記実施例のコントロール部10bは、電池システム10の構成部品として説明したが、本発明は、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、例えば、コントロール部を電池システム搭載機器の構成部品とし、電池セル及び記憶部からなるバッテリー部のみで電池システムを構成することも可能である。
10…電池システム、10a…バッテリー部、10b…コントロール部、11…電池セル、12…通電量検出部、13…スイッチング素子、14…電池制御部、15…記憶部、17,35,37…端子、30…電池システム搭載機器、31…機器制御部、32…表示部、33…表示画面、34…アイコン、36…受光部、40…リモコン、41…充電器。

Claims (5)

  1. 充放電する電池セル、該電池セルの電池容量検出部及び記憶部を有した電池システムであって、
    前記電池容量検出部は、完全放電状態の検出に続いて満充電状態が検出されるまでの充電容量、あるいは、満充電状態の検出に続いて完全放電状態が検出されるまでの放電容量から初期の実容量を求め、
    前記記憶部は、前記初期の実容量を記憶することを特徴とする電池システム。
  2. 請求項1に記載の電池システムであって、
    前記電池セルの劣化度検出部をさらに有し、
    前記初期の実容量が前記記憶部に記憶されていると判断された場合、前記電池容量検出部は、ユーザからの容量演算の指示に基づいて、完全放電状態の検出に続いて満充電状態が検出されるまでの充電容量、あるいは、満充電状態の検出に続いて完全放電状態が検出されるまでの放電容量から使用時の実容量を求め、
    前記劣化度検出部は、前記使用時の実容量と前記記憶部に記憶された前記初期の実容量との比から電池セルの劣化度を求めることを特徴とする電池システム。
  3. 請求項2に記載の電池システムであって、
    前記記憶部は、前記電池セルの劣化度を記憶することを特徴とする電池システム。
  4. 請求項2又は3に記載の電池システムを搭載した電池システム搭載機器であって、
    前記電池セルの劣化度を表示する表示部を有することを特徴とする電池システム搭載機器。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電池システムに用いられる電池セルであって、
    前記記憶部を一体に有することを特徴とする電池セル。
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