JP2013245373A - 複合部材、複合部材の製造方法、及び半導体装置 - Google Patents

複合部材、複合部材の製造方法、及び半導体装置 Download PDF

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Isao Iwayama
功 岩山
Taichiro Nishikawa
太一郎 西川
Toshiya Ikeda
利哉 池田
Shigeki Koyama
茂樹 小山
Tadashi Okamoto
匡史 岡本
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Abstract

【課題】放熱性に優れる放熱構造を構築可能な複合部材及びその製造方法、半導体装置を提供する。
【解決手段】複合部材1は、SiCを50体積%以上含有し、残部がマグネシウム又はマグネシウム合金、及び不可避不純物からなる複合材料によって構成された本体部10を具え、本体部10の内部には、本体部10の外部から供給された流体を本体部10の内部を介して本体部10の外部に排出する流通路20が形成されている。流通路20は、例えば、金属や非金属などの筒状材で構成されており、複合材料に一体に設けられている。複合部材1は、本体部10が放熱性に優れるMg-SiC複合材料によって構成されていることに加えて、流通路20に流体を流通することで本体部10を効果的に冷却でき、この流体による冷却効果が得られる。従って、複合部材1は、放熱性に優れる放熱構造を構築することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム(いわゆる純マグネシウム)又はマグネシウム合金と、SiCとを主成分とする複合材料を具える複合部材及びその製造方法、半導体装置に関するものである。特に、放熱性に優れる放熱構造を構築することができる複合部材に関するものである。
パワーデバイスといった半導体素子の放熱部材の構成材料には、(1)MoやW、銅や銅合金、Cu-MoやCu-Wなどの金属、(2)AlN、Al2O3といったセラミックス、(3)Al-SiCといった金属とセラミックスとの複合材料が利用されている。
特許文献1は、マグネシウムやマグネシウム合金とSiCとの複合材料を開示している。この複合材料は、熱伝導率が高く放熱性に優れる上に、発熱対象(代表的には半導体素子)やその周辺部品の熱膨張率との整合性に優れる(差が小さい)ことから、半導体素子の放熱部材の素材に好適に利用することができる。また、この複合材料は、金属成分がマグネシウムやマグネシウム合金であるため、上述のMoやW,銅などの金属やAl-SiCよりも軽量である。
特許第4594433号公報
放熱性に更に優れる放熱構造の開発が望まれる。
半導体素子だけでなく、例えば、半導体素子の周囲に配置される部材についても放熱性に優れることが望まれるものがある。このような部材として、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に載置されている車載コンバータに具えるリアクトルが挙げられる。特許文献1に記載される複合材料は、軽量で放熱性に優れるため、上記リアクトルのような車載部品の放熱部材の素材にも好適に利用できると期待される。しかし、上記リアクトルなどの部材は、半導体素子よりも高温になり得ることから、放熱性に更に優れる放熱構造が望まれる。また、更に多くの半導体素子や、高出力の半導体素子を具える半導体装置を構築する場合にも、放熱性に更に優れる放熱構造が望まれる。
そこで、本発明の目的の一つは、放熱性に優れる放熱構造を構築可能な複合部材を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記複合部材を製造可能な複合部材の製造方法を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、放熱性に優れる放熱構造を構築可能な半導体装置を提供することにある。
本発明は、Mg-SiC複合材料を具えると共に、液体冷媒といった流体を流通可能な構成とすることで、上記目的を達成する。
本発明の複合部材は、SiCを50体積%以上含有し、残部がマグネシウム又はマグネシウム合金、及び不可避不純物からなる複合材料によって構成された本体部を具える。上記本体部の内部には、上記本体部の外部から供給された流体を上記本体部の内部を介して上記本体部の外部に排出する流通路が形成されている。
本発明の複合部材は、マグネシウム又はマグネシウム合金(以下、Mg等と呼ぶ)と50体積%以上のSiCとを主成分とするMg-SiC複合材料から構成される本体部を具えることで、本体部自体がある程度放熱性に優れる。かつ、本発明の複合部材は、この本体部に上記流通路を内蔵することで、本体部と流体との接触面積を十分に確保でき、流体(代表的には液体冷媒)によって本体部を効率よく冷却できる。特に、流体を常時流通することで、本体部を更に効率よく冷却できる。ここで、流体を流通可能なパイプ材をネジやボルト、粘着テープなどの固定部材を用いて、又は溶接などによって複合材料に取り付けて、このパイプ材に流体を流通する放熱構造を構築した場合を考える。この外付け形態では、パイプ材の形状によっては、複合材料とパイプ材とが点接触又は線接触しかせず、複合材料とパイプ材との接触面積が小さく、流体によって複合材料を十分に冷却できない可能性がある。つまり、この場合、流体が複合材料の内部を流通しないため、流体の流通による放熱性の向上効果を十分に得られない恐れがある。一方、本発明の複合部材は、複合材料の外部に流通路を取り付けるのではなく、上述のように複合材料からなる本体部の内部に流通路を内包するため、流通路に流通される流体によって本体部を十分に冷却でき、流体の流通による放熱性の向上効果を十分に得られる。従って、本発明の複合部材を用い、かつ流通路に流体を流通させる構造を構築することで、当該複合部材に載置された対象(半導体素子や上述のリアクトルなどの部材)の熱を外部に効率よく伝達でき、当該対象を十分に冷却できる。このように本発明の複合部材は、放熱性に優れる放熱構造を構築することができる。
また、本発明の複合部材は、流通路を本体部に内包することで、流通路を外部に取り付ける場合と比較して、外観が単純になり、ハンドリング性や取付作業性にも優れる。
本発明の複合部材の一形態として、上記流通路は、一様な材質によって構成され、かつ上記複合材料に一体に設けられた形態が挙げられる。
上記一様な材質が上記複合材料以外である場合、例えば、流通路を構成するための筒状材や中実材を用意し、複合材料の形成時に当該筒状材などを一体に複合することで、当該筒状材からなる流通路や、中実材に切削などの後加工を施して形成した貫通孔からなる流通路を容易に形成できる。この筒状材などは、複合時に溶融したMg等と反応せず、かつ流体に対する耐性に優れるものや切削加工性に優れるものなどが利用できる。このような筒状材などを利用することで、種々の材質からなる流通路を具える複合部材を製造できる。更に、筒状材などが一様な材質であると、当該筒状材などの準備や複合条件の調整などを行い易い。これらの点から、上記一様な材質が上記複合材料以外である形態は、生産性に優れる。一方、上記一様な材質が複合材料である場合、例えば、複合材料に貫通孔を形成することで、流通路を具える複合部材を製造できる。従って、上記一様な材質が複合材料である形態は、流通路を構成する複合材料を流体によって直接冷却できるため放熱性に優れる上に、流通路を構成するための別の材料が不要である。
上記流通路の構成材料が、Fe、Mo、Nb、Ta、Ti、W及びこれらの合金から選択される1種の金属、又はCaO、MgO、SiC及び等方性黒鉛から選択される1種の非金属から構成された形態が挙げられる。
上記形態は、上記金属や上記非金属から構成された筒状材や中実材を上述のように用意して、複合材料に一体に複合することで流通路を容易に形成でき、生産性に優れる。特に、上記流通路の構成材料が上記金属の場合には、熱伝導性に優れる、上記後加工が容易で生産性に優れる、などの効果があり、上記非金属の場合には、Mg等と反応し難い、流体に対する耐性に優れる、などの効果がある。
本発明の複合部材の一形態として、上記複合材料中のSiCが、平均粒径が40μm以下の微細粉末と、平均粒径が40μm超200μm以下の粗大粉末との混合粉末であり、上記微細粉末と上記粗大粉末との質量比が8:2〜5:5である形態が挙げられる。
本発明者らは、原料にSiC粉末を用い、かつ後述する特定の振動の付与を行う製造方法を利用することで、SiC粉末が流動化現象を起こし、容易に移動でき(粉末を流動でき)、上述の筒状材や中実材といった流通路を形成するための素材の外形(輪郭)に沿ってSiC粉末を配置できる、との知見を得た。そして、この原料のSiC粉末に、特定の大きさの粉末、具体的には平均粒径:40μm超200μm以下の粗大粉末と、平均粒径:40μm以下の微細粉末とを特定の割合で配合した粉末を利用すると、粗大なSiC粒子間につくられる隙間に微細なSiC粒子を介在でき、SiCの充填率を高め易い上に、SiCが複合材料の全体に亘って均一的に存在する複合材料を生産性よく製造できる、との知見を得た。また、得られた複合材料は、Mg等が、大小のSiC粒子間につくられる小さく薄い隙間、蛇行した筒状材や螺旋状の筒状材などにおいて並列された部分間に設けられる隙間などに介在し、SiC粒子に接触しながら網目状に連続して存在する、との知見を得た。更に、この複合材料は、Mg等によって連続した放熱経路が構築されることで熱伝導性に優れる、との知見を得た。つまり、流通路の周囲に存在する複合材料自体が熱伝導性に優れるといえる。そして、後述する製造方法によって製造された複合材料は、原料に用いたSiC粉末の形状・大きさ・含有量を実質的に維持する。従って、上述の特定の大きさの微細粉末と粗大粉末とを特定の割合で含有する複合材料を具える上記形態は、後述する製造方法によって製造されたものといえ、生産性に優れる。また、上記形態は、SiCの含有量がより多い形態であっても良好に生産できる上に、SiCの含有量がより多いことで本体部自体の熱伝導性を高められ、放熱性により優れる放熱構造を構築できる。
本発明の複合部材の一形態として、上記複合材料の熱伝導率が180W/m・K以上、熱膨張率が10ppm/K以下である形態が挙げられる。
上記形態は、本体部を構成する複合材料自体が熱伝導性に優れることから、放熱性に優れる放熱構造を構築できる。また、上記形態は、熱膨張率が小さく熱変形し難いことから、半導体素子やその周辺部品の熱膨張率との整合性にも優れる。従って、上記形態は、半導体素子の放熱部材や、半導体素子とその周囲に配置される部材との双方の放熱部材の素材に好適に利用することができる。
本発明の複合部材からなる放熱部材を具える半導体装置として、以下の構成が挙げられる。本発明の半導体装置は、本発明の複合部材によって構成される放熱部材と、上記放熱部材に載置される半導体素子と、上記複合部材に具える流通路に流体を流通させるための循環機構とを具える。
本発明の半導体装置は、放熱性に優れる本発明の複合部材からなる放熱部材を具える上に、当該複合部材に具える流通路に流体を循環させることで、流体による冷却効果も得られることから、放熱性に優れる。従って、本発明の半導体装置を用いることで、放熱性に優れる放熱構造を構築できる。
上記流通路を具える本発明の複合部材は、例えば、以下の製造方法(I),(II)を利用することで製造することができる。
製造方法(I)
本発明の複合部材の製造方法は、SiCと溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金とを複合させた複合材料を具える複合部材を製造する方法に係るものであり、以下の準備工程、充填工程、複合工程を具える。
準備工程:SiCからなる粉末と、筒状材とを用意する工程。
充填工程:上記筒状材が収納された成形型に上記粉末を充填する工程。
複合工程:上記成形型内に充填されたSiCに、溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を溶浸させて複合し、SiCを50体積%以上含有する複合材料を形成すると共に、上記筒状材の両端に設けられた両開口部が上記複合材料から露出されるように、当該複合材料と上記筒状材とを一体にして、当該筒状材を流体の流通路とする複合部材を形成する工程。
そして、上記充填工程では、周波数が10Hz以上、かつ加速度が重力加速度の1/3倍以上重力加速度の12倍以下である振動を上記成形型に与えた状態で上記粉末を上記成形型に充填する。
製造方法(II)
この複合部材の製造方法は、SiCと溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金とを複合させた複合材料を具える複合部材を製造する方法に係るものであり、以下の準備工程、充填工程、複合工程、加工工程を具える。
準備工程:SiCからなる粉末と、中実材とを用意する工程。
充填工程:上記中実材が収納された成形型に上記粉末を充填する工程。
複合工程:上記成形型内に充填されたSiCに、溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を溶浸させて複合し、SiCを50体積%以上含有する複合材料を形成すると共に、上記中実材の両端面が上記複合材料から露出されるように、当該複合材料と上記中実材とを一体にする工程。
加工工程:上記中実材を切削して、上記複合材料から露出された上記中実材の一端面から他端面に連通し、流体が流通される流通路を形成する工程。
そして、上記充填工程では、周波数が10Hz以上、かつ加速度が重力加速度の1/3倍以上重力加速度の12倍以下である振動を上記成形型に与えた状態で上記粉末を上記成形型に充填する。
上記製造方法(I),(II)のいずれも、上述の特定の振動条件によって、成形型に細かい振動を連続的に与えることで、SiC粉末が当該振動によって流動化現象を起こし、成形型と筒状材や中実材との間に形成される小さく細い隙間や、蛇行した筒状材や中実材などを用いた場合に並列された部分間に形成される狭い隙間であっても、均一かつ高密度にSiC粒子を充填できる、との知見を得た。即ち、この振動によって、成形型の隅々にまで、又は成形型と筒状材や中実材とがつくる空間などの隅々にまでSiC粉末を容易に行き渡らせることができる、との知見を得た。例えば、上記隙間における最も狭い箇所の大きさが、3mm未満といった非常に狭い場合でも、SiC粉末を行き渡らせることができる。従って、上記振動を上記成形型に与えることで、上記筒状材の外周を覆うように上記粉末を充填でき、筒状材や中実材の輪郭に沿ってSiC粉末を存在させられる。また、この振動によって、原料のSiC粒子間に介在する空気を効率よく排出でき、SiC粉末を緻密に充填できる。そして、得られた複合材料は、筒状材や中実材の周囲も含めた全域に亘って、SiC粒子が均一的に存在すると共に、SiC間につくられる隙間にMg等が介在しており、当該Mg等により筒状材や中実材を強固に保持できる。このように上記製造方法(I),(II)のいずれも、複合材料と、流通路となる筒状材や流通路が形成される中実材との接触面積が十分に大きく、両者が密着した複合部材を製造できる。両者が密着していることで、流通路に流通される流体によって複合材料を効率よく冷却できる。従って、上記製造方法(I),(II)はいずれも、放熱性に優れる放熱構造を構築可能な複合部材を製造できる。
特に、本発明の複合部材の製造方法(I)では、例えば、波形の筒状材や螺旋状の筒状材などの複雑な立体形状の筒状材を準備することで、蛇行した流通路(複数の筒部分が並列配置されて構成される流通路)や螺旋状の流通路などの複雑な形状の流通路、長い流通路を具える複合部材を容易に製造できる。また、本発明の複合部材の製造方法(I)は、工程数が少なく、材料の廃棄部分が実質的に生じないため、複合部材を生産性よく製造できる。
特に、上記製造方法(II)では、後加工によって流通路を形成することから、成形型の形状を単純にできる。ここで、筒状材を用いる場合、筒状材の開口部が複合時の溶融金属によって埋設されないようにするために、例えば、成形型に突起などを設けて、この突起などを開口部に挿入して筒状材を支持することが考えられる。製造方法(II)では、このような突起が不要であるため、成形型の形状を単純にできる。また、中実材が加工性に優れる材料から構成される場合には、流通路を容易に形成できる。更に、中実材は、筒状材よりも剛性に優れることから、複合時の材料の熱収縮による変形を防止できる。
上述の製造方法(I),(II)の一形態として、上記準備工程では、平均粒径が40μm以下の微細粉末と、平均粒径が40μm超200μm以下の粗大粉末の質量比が8:2〜5:5となるように両粉末を混合した微粗混合粉末を用意し、上記充填工程では、上記成形型に上記微粗混合粉末を充填する形態が挙げられる。
上記形態は、原料に上述の特定の微粗混合粉末を用いると共に、上述の特定の振動を与えることで、SiC粒子間の脱気、粗大なSiC粒子間につくられる隙間への微細なSiC粒子の介在を効率よく行える。つまり、成形型に対するSiC粉末の充填密度を高め易かったり、複雑な形状の筒状材や中実材の輪郭に沿ってSiC粉末を充填し易かったりする。従って、上記形態は、SiCの含有量がより多い複合材料(例えば、SiCの含有量が70体積%以上)を具える複合部材や、複雑な外形を有する流通路(例えば、上述の蛇行した筒状体や螺旋状の筒状体、複雑な外形を有する中実体を利用して形成された流通路)を具える複合部材を生産性よく製造できる。また、得られた複合部材は、SiCの含有量が多いことで複合材料自体の放熱性に優れる、流通路の距離が長いことで流体による冷却効果を十分に得られて放熱性に優れる、といった効果を奏する。そのため、上記形態は、放熱性により優れる放熱構造を構築可能な放熱部材を生産性よく製造できるといえる。
上述の製造方法(I),(II)の一形態として、上記SiCからなる粉末がジェットミルによって粉砕したものである形態が挙げられる。
ジェットミルによって粉砕されたSiC粒子は、薄片や尖った部分を有する粒子が少なく、丸みを帯びた外形を有する粒子が多い、との知見を得た。丸みを帯びたSiC粒子が多いほど、流動性が高くなり、成形型に対する充填密度を高め易かったり、複雑な外形を有する筒状材や中実材の輪郭に沿ってSiC粉末を充填し易かったりする。従って、上記形態は、上述のようにSiCの含有量がより多い複合材料(例えば、SiCが70体積%以上)を具える複合部材や、複雑な形状の流通路を具える複合部材といった放熱性により優れる放熱構造を構築可能な複合部材を生産性よく製造できる。
上述の製造方法(I),(II)の一形態として、上記準備工程では、SiO2からなる球状の溶浸剤と上記SiCからなる粉末とを混合した溶浸剤含有粉末を用意し、上記充填工程では、上記成形型に上記溶浸剤含有粉末を充填する形態が挙げられる。
上記形態は、溶浸剤を用いることで、SiCとMg等からなる溶融金属との濡れ性を高められ、気孔が少なく緻密な複合材料を製造できる。得られた複合材料は気孔に起因する熱特性の劣化が少なく、熱伝導率が高く放熱性に優れる上に、半導体素子などの熱膨張率との整合性にも優れる。特に、上記形態は、溶浸剤が球状であることで、溶浸剤自体も上述の振動によって転がり易く、筒状材や中実材の周囲や成形型の隅々にまで容易に行き渡ることができる上に、SiC粒子間に介在し易い。その結果、上記形態は、筒状材や中実材の周囲に存在する複合材料を含めて、気孔が少なく緻密な複合材料を製造し易い。溶浸剤含有粉末は、SiCからなる粉末として、上述の微粗混合粉末を含む形態とすると緻密な複合材料を更に製造し易い。
本発明の複合部材及び本発明の半導体装置は、放熱性に優れる放熱構造を構築することができる。本発明の複合部材の製造方法は、上記本発明の複合部材を生産性よく製造できる。
(A)は、本発明の複合部材の一例を示す斜視図、(B)は、図1(A)の(B)-(B)断面図である。 (A)は、ジェットミルによって粉砕したSiC粉末のSEM写真、(B)は、ジョークラッシャーによって粉砕したSiC粉末のSEM写真である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[複合部材]
本発明の複合部材は、金属とセラミックスとの複合材料からなる本体部を具え、この本体部は、流通路を内包する。本体部は、金属成分として、Mg等を含有し、セラミックスとしてSiCを含有する。流通路は、本体部を構成する複合材料以外の材質や複合材料から構成される。
〔本体部〕
<金属成分>
金属成分は、99.8質量%以上のMg及び不可避不純物からなるいわゆる純マグネシウム、又は添加元素と残部がMg及び不可避不純物からなるマグネシウム合金とする。金属成分が純マグネシウムである複合材料は、熱伝導率が高く、マグネシウム合金である複合材料は、耐食性や機械的特性(例えば強度)に優れる。添加元素は、Li,Ag,Ni,Ca,Al,Zn,Mn,Si,Cu,Zrなどから選択される1種以上の元素が挙げられる。添加元素が多過ぎると熱伝導性の低下を招くため、添加元素の含有量は、合計で20質量%以下(金属成分を100質量%とする。以下、添加元素の含有量について同様)が好ましい。特に、Alは3質量%以下、Znは5質量%以下、その他の元素はそれぞれ10質量%以下がより好ましい。Liを含有する場合、複合材料の軽量化、及び加工性の向上効果がある。Alを含有する場合、機械的特性・耐食性に優れる。金属成分は、公知のマグネシウム合金、例えば、ASTM記号におけるAZ系,AS系,AM系,ZK系,ZC系,LA系などにすることができる。複合材料の金属成分が所望の組成となるように原料の金属を用意する。
<セラミックス>
《形状》
複合材料中のSiCは、複数のSiC粒子がそれぞれ独立して存在する形態が挙げられる。複合材料中のSiCの形状・大きさ・含有量は、原料のSiCを実質的に維持する。そこで、上記形態の製造には、原料にSiC粉末を用いるとよい。
複合材料中のSiC粒子は、丸みを帯びた粒状、細長い繊維状、平たい薄片状、尖った部分(先細りした部分)がある尖がり形状などが挙げられる。特に、丸みを帯びた粒子が多い形態は、原料に丸みを帯びたSiC粒子を多く含む粉末を用いることで製造できる。丸みを帯びたSiC粒子を多く含む粉末は、SiC粒子間の摩擦が低く(流動性が高く)、SiC粒子が最適な配置を取り易く(SiC粒子間の隙間をできる限り小さい状態で配置し易く)、SiC粒子の充填率を高め易い。そのため、SiCの含有量がより多い複合材料や、上述の筒状材や中実材の輪郭に沿ってSiC粒子が均一的に存在する複合材料を製造し易い。従って、複合材料中のSiC粒子が丸みを帯びた粒子が多い形態は、流通路の周囲に存在する複合材料を含む複合材料の全体に亘ってSiC粒子が均一的に存在したり、SiCの含有量がより多かったりすることで、複合材料自体が熱伝導性に優れ、放熱性により優れる放熱構造を構築できると期待される。
複合材料中のSiC粒子の形状や後述する大きさの測定は、複合材料のMg等(金属成分)を塩酸などの酸によって除去してSiC粒子のみを抽出し、単離したSiC粉末を用いて行う。丸みを帯びた粒とは、単離したSiC粉末が、例えば、平均粒径が50μm以上170μm以下の場合、嵩密度(固め)が1.55g/cm3以上を満たすもの、平均粒径が50μm未満の場合には嵩密度(固め)が1.25g/cm3以上を満たすものとする。嵩密度(固め)は、市販の測定装置(例えば、ホソカワミクロン株式会社パウダテスタPT-S)を用いて測定できる。このような丸みを帯びたSiC粒子が多い粉末は、例えば、ジェットミルによってSiCを粉砕することで製造できる。
《大きさ》
複合材料中のSiC粒子の大きさは、適宜選択することができ、例えば、SiC粒子の大きさが実質的に全て均一的である形態とすることができる。微細な粒子と粗大な粒子とが混在する形態とすると、SiCの充填率を高め易いことから、SiCの含有量がより多い複合材料を製造し易く生産性に優れる上に、SiCの含有量がより多いことで、放熱性に優れる複合材料とすることができる。特に、平均粒径が40μm以下の微細粉末と、平均粒径が40μm超200μm以下の粗大粉末とが混在する微粗混合形態は、原料にこのような微粗混合粉末を用いると共に、上述のように特定の振動を与えることで、成形型と上述の筒状材や中実材との隙間や成形型の隅々にまでSiC粉末を行き渡らせられる上に、粗大なSiC粒子間につくられる隙間に微細なSiC粒子を入り込ませることができ、SiCの充填率を高め易い。従って、この微粗混合形態の複合材料を具える複合部材は、複合材料中にSiCが均一的に存在して放熱性に優れる上に、生産性にも優れる。特に、微細粉末は、平均粒径が30μm以下、更に20μm以下であると、粗大なSiC粒子間により多くの微細なSiC粒子を介在させ易く、SiCの充填率が高い複合材料を製造し易い。特に、粗大粉末は、平均粒径が150μm以下、更に100μm以下、特に95μm以下であると、SiCを高密度に充填し易く、放熱性に優れる複合材料とすることができる。粗大粉末の平均粒径は、微細粉末の平均粒径の3倍以上、更に5倍以上、特に7倍以上であることが好ましい。
複合材料中における微細粉末と粗大粉末との存在比率は、質量割合で微細粉末:粗大粉末=8:2〜5:5であると、つまり、微細粉末と粗大粉末とが同等、又は微細粉末が多いと、上述のように粗大なSiC粒子間により多くの微細なSiC粒子を介在させて、SiCの充填率が高い複合材料を製造し易い。従って、上述の特定の存在比率を満たす複合材料を具える形態は、放熱性に優れる上に、生産性にも優れる。なお、原料に用いた粉末の粒度分布によっては、原料に用いた微細粉末と粗大粉末との存在比率と、複合材料における微細粉末と粗大粉末との存在比率とにずれが生じ得るが、上記範囲を満たすように、原料の粒度を調整するとよい。
複合材料中のSiC粒子の平均粒径は、上述のように複合材料から単離したSiC粉末を市販のレーザー回折式粒度分布測定器を用いて測定する。具体的には、粒径が40μm以下のものと、40μm超のものとに分離し、粒径が40μm以下の粉末の平均粒径を微細粉末の平均粒径とし、粒径が40μm超の粉末の平均粒径を粗大粉末の平均粒径とする。微細粉末と粗大粉末との存在比率は、各粉末の質量を測定し、微細粉末の全質量と、粗大粉末の全質量との比とする。なお、粒径や存在比率は、複合材料の断面を顕微鏡で観察し、市販のソフトウェアを用いて観察像を画像解析し、この解析結果を用いることでも簡易的に測定できる。
《含有量》
複合材料中のSiCの含有量は50体積%以上とする。SiCが多いほど、熱伝導率が高くなる傾向にあり、複合材料中のSiCの含有量は55体積%以上、60体積%以上、更に70体積%以上とすることができる。また、SiCが多いほど、局所的な熱変形(熱伸縮)などが生じ難い上に複合材料の熱膨張率も小さくなる傾向にある。そのため、この複合材料を具える形態は、例えば、半導体素子やその周辺部品の熱膨張率との整合性に優れ、半導体素子の放熱部材の素材に好適に利用できる。しかし、80体積%を超えると、SiCを成形型に充填するための所要時間が長くなったり、大型の設備が必要になったりすることから、工業的な生産性を考慮すると、複合材料中のSiCの含有量は90体積%以下、更に85体積%以下、特に80体積%以下が好ましい。複合材料中のSiCの含有量は、原料に用いたSiC量と実質的に同等であることから、所望の熱特性となるように、原料のSiC量を調整する。
《外形》
本発明の複合部材は、任意の外形を取り得る。代表的には、直方体といった柱状体(矩形板といった板材を含む)が挙げられる。平面形状は、矩形状の他、円形、楕円形、種々の多角形、その他、適宜切断などすることで所望の形状とすることができる。平面積や厚さも適宜選択することができる。例えば、厚さが厚いと、太い流通路(断面積が大きな部分を有する流通路)を具えることができ、放熱性を高められる。この場合、厚さは、3mm〜20mm程度が挙げられる。例えば、厚さが薄いと、つまり、板材であると、薄型の放熱部材を構築できる。この場合、板材の厚さは、0.05mm〜3mm程度が挙げられる。平面積は、本発明の複合部材を放熱部材の素材に利用する場合、載置する冷却対象(代表的には、半導体素子やリアクトルなど)の大きさによって選択することができ、当該冷却対象の載置領域を少なくとも有すればよい。
本発明の複合部材は、複合材料からなる本体部、及び本体部に具える流通路のみから構成される形態が代表的である。その他、本発明の複合部材は、複合材料からなる本体部に連続し、当該複合材料の金属成分と同じ材質の金属のみからなる箇所、又は異種の材質の金属からなる箇所を有することができる。この金属からなる箇所に溝、貫通孔、突起などを具えることができる。例えば、貫通孔は、固定用のボルト孔などに利用する。
その他、複合材料からなる本体部の表面の少なくとも一部に、金属被覆層を具える形態とすることができる。金属被覆層の構成材料は、複合材料の金属成分と同じMg等の他、Al,Cu,Niなどが挙げられる。金属被覆層は、半田の下地層に利用できる他、装飾性を高められる。金属被覆層の厚さは、1mm以下、更に0.5mm以下、特に0.05mm(50μm)以上0.1mm(100μm)以下が好ましい。本体部の対向する表裏面にそれぞれ金属被覆層を具える場合、二層の合計厚さは、2mm以下、更に1mm以下が好ましい。複合材料からなる本体部の全体の厚さが4mm以下の場合は、金属被覆層の(合計)厚さは、当該金属被覆層を含んだ本体部全体の厚さの50%を超えない範囲とすると、金属被覆層を具えることによる熱特性の劣化を招き難い。金属被覆層の形成は、所望の金属板を用いたロウ付け、超音波接合、接着剤による接合、拡散接合、電気めっき、無電解めっきなどを利用することができる。その他、特許文献1に記載されるようなスペーサを利用する場合、例えば、水ガラスなどを用いて、成形型にスペーサを接着しておくことが考えられる。
《熱特性》
本体部を構成する複合材料は、SiCの含有量や金属成分によって熱特性が変化するものの、代表的には、熱伝導率が180W/m・K以上、熱膨張率が10ppm/K(10×10-6/K)以下を満たすものが挙げられる。この複合材料は、熱伝導性に優れる上に、半導体素子やその周辺部品の熱膨張率(半導体素子:4ppm/K〜7ppm/K程度(例えば、Si:4.2ppm/K、GaAs:6.5ppm/K)、パッケージや絶縁基板などの周辺部品:ステンレス鋼(20ppm/K前後)、鋼(11ppm/K〜12ppm/K)、Al2O3(6.5ppm/K)など)との整合性に優れることから、半導体素子の放熱部材や、半導体素子及びその周囲に配置されるリアクトルなどの部材との双方を同時に冷却する放熱部材の素材に好適に利用できる。SiCの含有量が多いほど、熱伝導率が高く、熱膨張率も小さい傾向にあり、例えば、熱伝導率が200W/m・K以上、熱膨張率が3.5ppm/K以上8ppm/K以下を満たす形態が挙げられる。
なお、本発明の複合部材は、流通路に流通される流体によって、当該複合部材に載置された対象を良好に冷却可能であることから、複合材料からなる本体部の熱伝導率が多少低くても(例えば、100W/m・K〜180W/m・K程度)、全体として放熱性に優れる放熱構造を構築できる。
〔流通路〕
《形状》
複合材料から構成された本体部の内部には連続した空間が設けられている。かつ、この本体部は、上記空間と当該本体部の外部とを連通する開口部を少なくとも二つ有する。一方の開口部が、本体部の外部から供給される流体の導入口に利用され、他方の開口部が、本体部の内部を介して本体部の外部に流体を排出する流体の排出口に利用され、上記連続した空間が流体の流通路に利用される。流通路における導入口及び排出口の形状は特に問わない。例えば、円形状、矩形状、多角形状などが挙げられる。導入口と排出口とが同一形状でもよいし、異なる形状でもよい。本体部内に具える流通路の形状は、導入口から排出口に向かって直線的に設けられた筒状が代表的である。その他、湾曲形状(例えば、U字状など)、谷と山とが繰り返される波形状(曲線形状)・ジグザク形状(直線形状)といった蛇行形状、螺旋状、部分的に断面積が異なる領域を有する立体など、複雑な外形や内周形状を有する流通路とすることもできる。上述の複雑な形状の流通路は、形状にもよるが、上述の直線的な形状と比較して、(1)複合材料との接触面積を増大できる、(2)流体の流通量を増大できる、(3)流体の流通距離を大きくできる、といったことが可能であり、更なる放熱性の向上を図ることができる。一方、上述の直線的な形状の流通路は、形成し易く、生産性に優れる。
流通路が一つである複合部材は、生産性に優れ、流通路が一つでも距離が長い場合や、複数の流通路を具える複合部材は、流体が流れている面積や流体の流量を増大できることから冷却能力が高く、放熱性に優れる放熱部材を構築できる。
流通路における導入口・排出口が複合材料からなる本体部の表面に面一に設けられた形態、導入口及び排出口の少なくとも一方とその近傍とが本体部の表面から突出した形態のいずれの形態としてもよい。前者の面一の形態は、外形が単純であり、設置面積を小さくし易い上に、成形型の形成空間(キャビティ)の形状を単純にでき、後者の突出した形態は、(1)筒状材や中実材を用いて製造する場合には、筒状材などを支持し易く製造性に優れる、(2)流体を供給するための供給部、流体を排出するための排出部の取り付け作業が行い易い、といった効果を奏する。
《材質》
上記流通路の構成材料は、種々のものが挙げられる。例えば、流通路は、Mg-SiC複合材料以外の材質であって、一様な材質から構成された形態が挙げられる。この形態は、例えば、Mg-SiC複合材料以外の一様な材質からなる筒状材を用意し、複合材料の形成時に当該筒状材を一体に複合することで製造でき、生産性に優れる。また、この形態は、上述の直線的な形状の流通路は勿論、上述の複雑な外形や内周形状を有する筒状材を用意することで、上述の複雑な形状の流通路を具える複合部材であっても容易に製造できる。更に、この形態は、セラミックスといった難加工材料からなる筒状材を用意することで、セラミックスからなる流通路を具える複合部材も容易に製造できる。又は、この形態は、例えば、Mg-SiC複合材料以外の一様な材質からなる中実材を用意し、複合材料の形成時に当該中実材を一体に複合した後、中実材に切削加工を施して、流通路となる貫通孔を形成することで製造できる。この形態は、上述の直線的な形状の流通路を具える複合材料を製造できる。特に、中実材の材質を切削加工性に優れる材質、例えば、後述の金属とすると、切削加工を行い易く、製造性に優れる。複雑な外形を有する筒状材や後述の中実材を利用すると、複合材料との接触面積が大きく、複合材料を流体によって効率よく冷却できる。
上記流通路の構成材料は、例えば、Fe、Mo、Nb、Ta、Ti、W、Fe合金、Mo合金、Nb合金、Ta合金、Ti合金及びW合金から選択される1種の金属が挙げられる。これらの金属は、(1)溶融したMg等と反応し難い、(2)強度に優れる、(3)流体に対する耐性に優れる、という効果の少なくとも一つを有する。また、これらの金属はいずれも、Mg-SiC複合材料よりも切削し易く、これらの金属からなる中実材を用いて、複合後に切削加工を施して流通路を形成する場合でも、加工性に優れる。そのため、流通路を具える複合部材を生産性よく製造できる。その他、(1)Feやその合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼など)は、筒状材や中実材の製造性に優れ、筒状材や中実材を準備し易い、(2)Mo,Nb,Ta,Ti,W、及び各元素を含む合金は、溶融したMg等と反応し難く、金属間化合物や合金相を実質的に生成しないため、(2-1)複合材料と流通路との接合強度を非常に強くすることができる、(2-2)溶浸温度を高めたり、溶浸時間を長くすることが可能であり(例えば、900℃以上)、溶浸温度や溶浸時間の選択範囲が広く、工業生産性に優れる。
又は、上記流通路の構成材料は、例えば、CaO、MgO、SiC、Si3N4及び等方性黒鉛から選択される1種の非金属が挙げられる。CaO,MgOは、(1)溶融したMg等と反応しないため、複合材料との接合強度を向上できる上に、溶浸温度・溶浸時間の選択範囲が広い、(2)材料として安価である、(3)複合材料の熱膨張率に非常に近いため、冷熱サイクルによる変形や界面剥離を生じ難く、信頼性に優れる。Si3N4や等方性黒鉛は、上述のCaO,MgOの利点に加えて、水との反応性が低いため、流体に水を利用できるため好ましい。SiCは、上述のCaO,MgO,Si3N4,等方性黒鉛の利点に加えて、熱伝導率が非常に高く熱膨張率が低いため、複合部材全体として熱伝導率が高く、熱膨張率が小さい放熱部材とし易く好ましい。
筒状材からなる流通路や中実材に切削加工を施して形成された貫通孔からなる流通路を具える複合部材として、筒状材などの外周を覆うMg-SiC複合材料が非常に薄い箇所を具える形態が挙げられる。この薄い箇所の厚さ(Mg-SiC複合材料の最小厚さ)は、例えば、3mm未満、更に2mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、特に0.1mm以下が挙げられる。後述する特定の振動を付与する製造方法(I),(II)を用いることで、非常に薄い箇所を有するMg-SiC複合材料であっても、製造できる。
又は、上記流通路の構成材料は、Mg-SiC複合材料が挙げられる。この形態は、複合材料(本体部)に放電加工などを直接施して貫通孔を設け、当該貫通孔を流通路にすることで製造できる。この形態は、本体部と流通路との構成材料が連続した同一材質(複合材料)で構成されていることから、流通路に流通された冷媒に複合材料が直接接触して冷却されるため、放熱性に優れる放熱構造を構築し易い。この形態では、流通路の内部に、ニッケルなどの耐食性に優れる金属をめっきなどによって形成した金属層や、陽極酸化処理などによって形成した緻密な酸化物層といった被覆層を形成すると、流体が水や水溶液である場合でも、耐食性を高められる。但し、Mg-SiC複合材料は一般に難加工材であることから、加工作業を考慮すると、流通路の構成材料は、Mg-SiC複合材料以外のもの(特に、加工性に優れる金属)が好ましい。
その他、上記流通路は、Mg-SiC複合材料から構成された領域と、上述の金属及び非金属の少なくとも1種から構成された領域とが混在する形態が挙げられる。この形態は、例えば、少なくとも一つの上述の中実材が複合材料に内包された複合物を作製し、複合材料と中実材とを切削して、両者を連通する貫通孔を設けることで、当該貫通孔を流通路とする複合部材を製造できる。この形態は、上述の金属などで構成された領域を部分的に具えることで、当該金属などを有する効果(例えば、熱伝導率が高いなど)をある程度得られる。
〔流体〕
流通路に供給する流体は、気体でもよいが同一材質の場合、液体の方が冷却能力が一般に高い。流体の材質は、少なくとも流通路の構成材料と反応しないものが利用できる。具体的な流体は、例えば、ATF(Automatic Transmission Fluid)といったオイル、水やアンモニア水、エチレングリコール系の不凍液を含む水、フロリナート(登録商標)などのフッ素系不活性液体、HCFC-123やHFC-134aなどのフロン系冷媒、メタノールやアルコールなどのアルコール系冷媒、アセトンなどのケトン系冷媒などが挙げられる。流通路が、水と反応して水和物や水酸化物を形成し易い材質から構成される場合、流体は、水や水溶液以外のもの、例えば、有機溶媒が好ましい。本発明の複合部材を、上述のATFなどの流体を循環させている車両の車載部品の放熱部材の素材に利用する場合、この流体を流通路に導入する流体として利用すると、別途、流体やその循環機構が不要であり、放熱性に優れる放熱構造を容易に構築できる。流体を流通路に導入及び流通路から排出の双方を行う循環機構を別途具える構成とすることも勿論できる。循環機構は、公知の構成を利用できる。
[製造方法]
本発明の複合部材を製造するには、特許文献1に記載される溶浸法を利用することが好適である。溶浸法の基本的な工程は、原料のSiCを準備する工程⇒原料のSiCを成形型に充填する工程⇒成形型に充填したSiCに溶融したMg等を溶浸させて複合して複合材料を形成する工程を具える。特に、本発明の複合部材の製造方法(I)では、複合部材を製造するにあたり、SiC粉末と流通路を構成する筒状材とを用意し、成形型に筒状材を収納すると共にSiC粉末を充填し、SiCとMg等とを複合して複合材料を形成すると共に筒状材と当該複合材料とを一体にする。製造方法(II)では、SiC粉末と最終的に流通路を構成する中実材とを用意し、成形型に中実材を収納すると共にSiC粉末を充填し、SiCとMg等とを複合して複合材料を形成すると共に中実材と当該複合材料とを一体にし、更に複合後に中実材に切削加工を施して流通路(貫通孔)を形成する。そして、製造方法(I),(II)のいずれも、特定の振動を与えることで、筒状材や中実材の外形に沿ってSiC粉末を充填する。又は、上述の基本的な工程に加えて、複合後に複合材料に切削加工を施して流通路(貫通孔)を形成する製造方法(III)を利用しても、本発明の複合部材を製造できる。
〔準備工程〕
原料粉末として平均粒径が200μm以下のSiC粉末を用いると、筒状材や中実材の外形に沿ってSiC粉末を充填し易い。また、後工程で複合材料に切削加工を施す場合でも、平均粒径が200μm以下のSiC粉末を用いることで、複合材料を切削し易い。更に、原料のSiC粉末は、上述のように微粗混合粉末であると、成形型に対する充填密度を高め易く、SiCの含有量が50体積%以上、更に60体積%以上といった高SiC複合材料を製造し易い。特に、平均粒径が40μm以下の微細粉末(より好ましくは平均粒径が30μm以下、更に20μm以下のもの)と、平均粒径が40μm超200μm以下の粗大粉末との混合粉末が原料に好適に利用できる。市販の粉末でも、ある程度粒度分布を有して粒径が異なる粒子が存在し得るが、平均粒径が異なる複数の粉末を積極的に用いることで、SiC粉末の充填をより均一的に、かつより高密度に行える。微細粉末と粗大粉末とは、質量比(ここでは体積比を等価に扱う)で、微細粉末:粗大粉末=8:2〜5:5となるように用意すると、上述のように充填密度を高め易く、かつ筒状材や中実材の外形に沿ってSiC粉末を充填し易く好ましい。また、原料に用いる粗大粉末の平均粒径は、微細粉末の平均粒径の3倍以上、更に5倍以上、特に7倍以上であることが好ましい。原料の粗大粉末には、例えば、平均粒径が50μm以上であり、150μm以下のもの、又は100μm以下のもの、又は95μm以下のものなどを利用できる。平均粒径が50μm以下のものを原料の粗大粉末に利用することもできる。
原料に用いるSiC粉末は、所望の平均粒径の市販品(例えば、JIS規格におけるF120、#320等の粉末)を用いてもよいし、市販の粉末を適宜粉砕した後、粒度分布測定装置によって分級して用意してもよい。粉砕することで、所望の大きさ・形状にすることができる。特に、上述のようにジェットミルによって粉砕することで、嵩密度が小さい丸みを帯びた粉末(例えば、平均粒径が50μm以上170μm以下の粉末の場合:1.55g/cm3以上を満たすもの、平均粒径が50μm未満の粉末の場合:1.25g/cm3以上を満たすもの)を製造できる。
原料に用いるSiC粉末は、特許文献1に記載されるように、酸化処理を施して(加熱温度:700℃〜1000℃)、表面に酸化膜(主としてSiO2からなる膜)を具える形態とすると、SiCと溶融したMg等との濡れ性を高められる。上述の微粗混合粉末を用いる場合、全てのSiC粒子に酸化膜を設けてもよいが、粗大なSiC粒子のみに酸化膜を設けた形態とすることができる。又は、酸化処理を省略してもよい。又は、別途、SiO2からなる溶浸剤を含有させることができる。特に、SiO2からなる球状の粒から構成される溶浸剤を用いると、SiC粒子間の摩擦が低減され、充填率を高め易く好ましい。また、上述の丸みを帯びたSiC粒子を多く含むSiC粉末を用いると、SiC粒子間につくられる隙間に溶浸剤のSiO2粒を充填させ易い。従って、成形型と筒状材や中実材とがつくる薄く小さい空間や成形型の隅などの狭い空間であっても、溶浸剤とSiC粉末とを満遍なく充填でき、SiCと溶融金属との濡れ性を高められて溶浸を良好に行えることから、内部欠陥などが少ない高品位な複合材料を得易い。
SiC間に介在させ易いように、溶浸剤の平均粒径は小さい方が好ましく、原料にSiC粉末を用いるSiC粉末よりも小さい方が好ましく、0.01μm以上3μm以下程度が好ましい。球状のSiO2からなる溶浸剤は、市販品を利用できる。又は、ジョークラッシャーやジェットミルで粉砕した市販のSiO2粉末をSiO2の軟化点以上の温度に加熱して、表面張力を利用して球状に変形させることによっても、球状のSiO2粉末が得られる。溶浸剤が多過ぎるとSiO2とMgとが反応して生成するMgOやMg2Siが多く残存して熱特性の劣化を招く恐れがあり、少な過ぎると濡れ性を高める効果を十分に得られないことから、SiO2からなる溶浸剤の含有量は、原料のSiC粉末と溶浸剤との合計質量に対して、0.1%以上5%以下が好ましい。
筒状材や中実材を利用する製造方法では、所望の材質、形状、大きさの筒状材、又は中実材を用意する。複合材料に直接切削加工を施す製造方法では、筒状材や中実材は不要である。
〔充填工程〕
上述のSiC粉末、又は酸化膜を具えるSiC粉末、又は溶浸剤含有粉末を、所望の形状・大きさの本体部を成形可能な形成空間を有する成形型に充填する。筒状材や中実材を利用する製造方法では、成形型に筒状材や中実材を収納する。複合材料の所望の位置に筒状材や中実材が配置されるように、また、筒状材の開口部や中実材の端面が少なくともこれから形成する複合材料の表面から露出するように、成形型に対して筒状材や中実材を支持する。支持方法は、適宜な方法が利用できる。
例えば、成形型に溝や貫通孔、複数の突起を設けておき、溝や突起間に嵌め込むことで筒状材や中実材を支持する構成が挙げられる。溝や貫通孔は、筒状材や中実材の外形に沿った形状とすると筒状材や中実材を支持し易い。貫通孔の場合、貫通孔と筒状材や中実材との隙間から溶融したMg等が漏出しないように適宜シールすることが好ましい。この形態では、流通路の導入口・排出口及びその近傍が、複合材料の表面から突出した形態の複合部材を製造できる。突起の場合、複数の突起間の間隔を筒状材や中実材の大きさに合わせて調整することで、筒状材や中実材を支持することができる。筒状材の場合、内周形状に沿った突起を少なくとも一つ設け、この突起に差し込むことでも支持できる。又は、ワイヤなどで筒状材や中実材を吊り下げたり、成形型に固定したりすることができる。ワイヤは、複合材料中に残存させた形態を許容する。この形態では、複合材料の表面と、筒状材の端面や中実材の端面とが、突出した形態の複合部材、面一である形態の複合部材のいずれも製造できる。上述のように、溝や突起、ワイヤなどで支持することで、後述するように振動を与えた場合にも、筒状材や中実材を十分に維持可能である。溝や突起などを利用すると、ワイヤなどの別部材が不要であり、ワイヤなどを利用すると、成形型を簡素な形状にできる。
又は、単に成形型の内面によって筒状材の端面や中実材の端面を支持する構成とすることができる。この形態では、複合材料の表面と、筒状材の端面や中実材の端面とが面一である形態の複合部材を製造できる。
そして、筒状材や中実材を利用する製造方法(I),(II)では、周波数:10Hz以上、加速度:(1/3≒0.33)×G以上12×G以下の振動を成形型に与えた状態で上述の粉末の充填を行うことを最大の特徴とする(G:重力加速度)。このような細かい振動を連続して成形型に付与した状態とすることで、SiC粉末が液状化現象を起こし、SiC粒子などが筒状材や中実材の外形をなぞるように容易に移動でき(粉末が流動でき)、成形型と筒状材や中実材とでつくられる薄く小さい隙間を十分に埋められる。例えば、薄く小さい隙間が3mm未満、更に2mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、特に0.1mm以下といった非常に狭い場合でも、当該隙間を十分に埋められる。好ましくは、周波数:30Hz以上、加速度:0.5×G以上5×G以下とすると、特に高密度に充填できる。振動の付与は、例えば、市販の振動装置を利用できる。
なお、筒状材や中実材を利用しない製造方法(III)でも、成形型にSiC粉末を充填するにあたり、上述の特定の振動を与えてもよい。この場合、複雑な形状の複合材料を製造する場合であっても、成形型の隅々にまでSiC粉末を容易に、かつ精度よく充填できる。
〔複合工程〕
成形型に充填された原料のSiC粉末と、溶融したMg等とを接触させて、SiCに囲まれる空間にMg等を介在させて複合する。筒状材や中実材を利用する形態では、更に、溶融したMg等を接合材として利用し、形成される複合材料と筒状材や中実材とを一体にする。溶浸時、ArやN2といった不活性雰囲気とすると、Mg等が酸化し難い。特にAr雰囲気とすると、窒化物の形成を抑制できて好ましい。溶浸時の雰囲気圧力は、大気圧以下の真空雰囲気とすると、雰囲気中のガス成分を巻き込むことによる気孔の発生を抑制でき、緻密な複合材料を得易い。一方、雰囲気圧力を大気圧とすると、設備を簡略な構造にできる上に、Mg蒸気の飛散を抑制できて好ましい。溶浸温度は、金属成分にもよるが、650℃以上1000℃以下が好ましく、溶浸温度が高いほど濡れ性を高められ、気孔を低減できるが、引け巣やガスホールといった欠陥やMg等の沸騰が生じ得ることから、900℃以下、更に680℃以上850℃以下程度が好ましい。筒状材や中実材を利用する形態では、筒状材や中実材がFeやFe合金から構成される場合、Mg等との反応を抑制するために溶浸温度は750℃以下が好ましく、Mo,Nb,Ta,Ti,Wや各元素を含む合金、CaO、MgO、SiC、Si3N4、等方性黒鉛から構成される場合、これらの材料は高温の溶融Mg等と反応し難いため、溶浸温度は900℃程度まで高めることができる。
溶融したMg等(溶融金属)の凝固は、不活性雰囲気、雰囲気圧力:大気圧以上とすると、凝固時に欠陥や酸化物などが生成されることを抑制して、高品位な複合材料が得られる。また、平面積が大きい複合材料を製造する場合、一方向(好ましくは溶融金属の溶浸方向とは逆の方向)に冷却を行うと、引け巣などの内部欠陥が形成され難く、高品位な複合材料が得られて好ましい。平面積が小さい小型な複合材料を製造する場合には、上述の一方向の冷却を行わなくてもよく、例えば、全体的に均一な冷却を行っても高品位な複合材料が得られる。凝固時の冷却速度が速いほど、内部欠陥の生成や金属成分中における晶出物の成長などを抑制でき、高品位な複合材料が得られる。冷却速度を速めるには、例えば、成形型の構成材料を熱伝導性に優れる材料(例えば、炭素、黒鉛、ステンレス鋼など)としたり、ファンなどを用いた空冷や水冷などの強制冷却を行ったりすることが挙げられる。
上述の筒状材を利用する場合、上記工程を経て、Mg-SiC複合材料から構成される本体部と、筒状材から構成される流通路とを具える本発明の複合部材を製造できる。この製造方法は、後工程が不要で製造工程が少なく、生産性に優れる。
〔加工工程〕
一方、上述の中実材を利用する場合、中実材に切削加工を施して、貫通孔を設けることで、Mg-SiC複合材料から構成される本体部を具え、本体部の内部に上記貫通孔から構成される流通路を具える本発明の複合部材を製造できる。中実材が上述の金属である場合、金属切削に用いられている切削工具を利用して、上記貫通孔を設けることができる。中実材が上述の非金属である場合、放電加工などを利用して上記貫通孔を設けることができる。
製造方法(III)では、上記工程を経て製造されたMg-SiC複合材料に切削加工(放電加工など)を施して貫通孔を設けることで、Mg-SiC複合材料から構成される本体部を具え、本体部の内部に流通路を具える本発明の複合部材を製造できる。この形態では、上述のように原料に微細なSiC粉末を用いると、加工し易い。流通路の表面に上述のようにニッケルなどをメッキしたり、陽極酸化処理などを施して、被覆層を形成してもよい。なお、複合材料は、上述のように気孔が存在し得るが、閉気孔であれば、Mg-SiC複合材料自体に流通路が設けられていても、当該気孔から複合材料の外部に流体が漏出しない。大きな閉気孔を内蔵する複合材料の場合、当該閉気孔から当該複合材料の外部に連通する孔を少なくとも二つ設けた場合、この孔を導入口・排出口、閉気孔だった空間を流通路に利用することができる。
〔その他〕
又は、溶融したMg等と反応せず、溶浸後に焼失可能な材質からなる柱状の中子を成形型に配置した状態で複合材料を形成し、得られた複合材料から当該中子を焼失させることで流通路を形成することが考えられる。
その他、筒状材や中実材を利用する形態では、成形型に筒状材や中実材を収納すると共に、特許文献1に記載されているようなSiC焼結体を収納した後、成形型と筒状材や中実材及びSiC焼結体とがつくる空間にSiC粉末を充填し、複合材料の形成及び筒状材や中実材の一体化を行うことができる。この形態では、複合材料からなる本体部において流通路(筒状材又は中実材に貫通孔を形成したもの)を有していない領域にSiC焼結体が存在することで、放熱性により優れる複合材料を具える放熱部材が得られると期待される。SiC焼結体は、上述の振動によって配置位置が移動しないように成形型にワイヤなどを用いて固定することができる。
[試験例1]
金属成分が純マグネシウムからなるMg-SiC複合材料と種々の材質からなる筒状材とが一体にされた複合部材を作製し、熱特性を調べた。
複合部材は、以下のように作製した。原料の金属として、99.8質量%以上がMgであり、残部が不可避不純物からなる純マグネシウムのインゴット(市販品)を用意した。また、表1に示す材質の筒状材(外径:3mm、内径:2mm、長さ:206mmの円筒パイプ)を用意した。CaO、MgO、SiCの各筒状材は、筒状の緻密な焼結体であって、筒体の周面に、その表面と筒内部の空間とが連通する開気孔を有しないもの、つまり、焼結体に有する開口部は、筒の両端にのみに存在し、一方の開口部と他方の開口部とが連通するものを用いた。各筒状材は、市販品を利用することができる。
ここでは、平均粒径が異なる2種類のSiC粉末:#120(平均粒径:約110μm)のもの、#1000(平均粒径:約15μm)のものを用意した。いずれの粒径のSiC粉末も、ジェットミルによって粉砕された市販品を用いた。図2(A)は、#120のSiC粉末(ジェットミルによる粉砕粉末)のSEM写真、図2(B)は、ジョークラッシャーによって粉砕された#120のSiC粉末のSEM写真を示す。図2(B)に示すように、ジョークラッシャーによって粉砕された粉末は、薄片状の粒や尖った部分を有する粒が存在することが分かる。一方、ジェットミルによって粉砕された粉末は、いずれのSiC粒子も、角部が丸く、全体に丸みを帯びており、薄片や尖った部分が存在する粒が少ないことが分かる。#120のジェットミルによる粉砕粉末、及びジョークラッシャーによる粉砕粉末のそれぞれについて、市販の測定装置を用いて、嵩密度(固め)を測定したところ、ジェットミル粉:1.6g/cm2、ジョークラッシャー粉:1.45g/cm2であった。このように平均粒径が同じでも、粉砕方法によって嵩密度が異なることが分かる。
また、溶浸剤として、平均粒径0.3μmのSiO2からなる球状の粉末(市販品)を用意した。
用意した2種類のSiC粉末の配合割合は質量比で、#120のSiC粉末(粗大粉末):#1000のSiC粉末(微細粉末)=6:4とし、この体積比で配合した微粗混合のSiC粉末と、上述のSiO2粉末とを混合した溶浸剤含有粉末を用意した。SiO2粉末の配合量は、溶浸剤含有粉末の全量に対して1.0質量%とした。
用意した原料:溶浸剤含有粉末、及び筒状材を成形型(鋳型)に収納する。この試験では、成形型は、一方が開口した直方体状の箱体であって、複数の分割片を組み合わせて一体に形成されるカーボン製のものを用意した。この成形型は、長さ200mm×幅150mm×厚さ5mmの矩形板が成形可能な形成空間(キャビティ)を有する。また、成形型は、開口部の周縁に連結されるインゴット載置部を有するものとした。インゴット載置部は、載置されたインゴットが溶融した場合、形成空間の開口部(厚さ5mm)に流れ込むように構成されている。そして、ここでは、成形型のキャビティにおいて上記矩形板の端面(150mm×5mmの面)を形成する箇所に円溝(深さ5mm程度)を設けておき、この円溝に筒状材の一部を差し入れることで、キャビティにおける所定の位置に筒状材を支持する。また、ここでは、筒状材は、その周面がキャビティにおいて最も面積が広い面(150mm×200mmの面)に接触しないように配置する。つまり、筒状材の周面とキャビティとの間に隙間を設ける。
なお、成形型は、複数の分割片を組み合わせて一体に形成される形態ではなく、箱状に一体成形されたものを利用することもできるが、前者の分割形態は、筒状材を配置し易い上に、溶浸後の複合部材を取り出し易い。
成形型に筒状材を配置した状態で成形型に振動を付与しつつ、原料:溶浸剤含有粉末を充填した。振動は、市販の振動装置を利用し、条件は、振動数:30Hz〜120Hz、加速度:1.5×G〜12×Gとした(Gは重力加速度)。この工程では、成形型のキャビティに対するSiC粉末の充填密度が約72%となるように当該粉末の量を調整した。上述の特定の振動を付与することで、キャビティと筒状材とがつくる空間の隅々にまで、原料の粉末を充填することができた。
なお、この試験では、成形型のキャビティ(内周面)において溶融金属やSiCと接触する箇所に市販の離型剤を塗布した。離型剤を塗布することで、溶浸後、成形物(主として複合材料)を取り出し易く、作業性に優れる。離型剤の塗布は、省略することができる。
成形型に筒状材及び溶浸剤含有粉末を収納した後、上述のインゴット載置部に上記インゴットを配置し、この成形型を所定の温度に加熱して、当該インゴットを溶融する。成形型の加熱は、加熱可能な雰囲気炉に成形型を装入することで行う。この試験では、溶浸温度:710℃、Ar雰囲気、雰囲気圧力:大気圧となるように上記雰囲気炉を調整した。なお、いずれの筒状材も上記溶浸温度における純マグネシウムとの反応は僅か、若しくは皆無であり、筒状材に穴が開いたり、筒状材が溶解するような現象は認められなかった。
溶融した純マグネシウムは、上述の開口部からキャビティに流入し、キャビティ内に充填されたSiC粒子間、SiC粒子と筒状材間に溶浸する。溶浸後、成形型を冷却して純マグネシウムを凝固する。ここでは、成形型の底部から開口部に向かって、即ち、溶融金属の溶浸方向とは逆の方向に、一方向に冷却されるように成形型の底部(厚さ5mm)側を積極的に冷却した。
冷却後、成形型から成形物を取り出したところ、図1に示すように長さ200mm×幅150mm×厚さ5mmの板状材からなる本体部10と、本体部10に一体に保持された筒状材20とを具える複合部材1が得られた。換言すれば、この複合部材1は、その全域に亘って均一的な厚さを有する矩形板から構成される本体部10に、円筒状の筒状材20が内蔵されている。また、この複合部材1は、本体部10の端面から筒状材20の端部、つまり端面21及びその近傍が突出している。この筒状材20には、その一端面21に設けられた開口部から他端面21に設けられた開口部に連通し、筒状材20の長手方向に一様な直径を有する貫通孔22を具える。
得られた本体部10の成分、及び筒状材20の成分をそれぞれEDX装置により調べた。その結果、本体部10は、Mg及びSiC、残部:不可避不純物であるMg-SiC複合材料であり、筒状材20は、表1に示す成分から構成されており、本体部10及び筒状材20のいずれも用いた原料と同様であることを確認した。
また、本体部10(複合材料)について、CP(Cross-section Polisher)加工を施して断面を出し、走査型電子顕微鏡:SEM観察によりこの断面を調べたところ、粒状のSiCがバラバラに分散して存在していた。つまり、ネットワーク部を有しておらず、用いた原料のSiC粉末と同様であった。また、微細なSiC粒子と粗大なSiC粒子とが混在していた。
本体部10(複合材料)について、酸を利用してMgを除去して、SiC粒子のみを抽出し、市販のレーザー回折式粒度分布測定器を用いて、40μm以下の粒子と40μm超の粒子とに分離して、40μm以下の粒子を微細粉末とし、40μm超の粒子を粗大粉末とし、各粉末の平均粒径を求めたところ、いずれの試料も、微細粉末の平均粒径は、40μm以下であり、粗大粉末の平均粒径は、40μm超200μm以下であった。また、微細粉末の質量及び粗大粉末の質量をそれぞれ測定したところ、いずれの試料も、質量比で微細粉末:粗大粉末≒6:4であった。この存在割合から、本体部10(複合材料)は、原料に用いた微細粉末と粗大粉末との存在割合を実質的に維持していることが分かる。
また、上述のCP断面をSEM(50倍、又は100倍)で観察したところ、いずれの試料の本体部10も、SiC間に純マグネシウムが溶浸されていること、SiC粒子間に存在する小さく薄い隙間に微細なSiC粒子が介在されていることが確認できた。
更に、複合材料からなる本体部10と筒状材20との境界近傍についてCP断面をとり、このCP断面をSEM観察したところ、いずれの材質の筒状材を具える場合にも、筒状材と複合材料との界面に割れや剥がれなどが生じておらず、良好に一体化されていた。つまり、筒状材の外形に沿ってSiC粒子及び純マグネシウムの双方が存在することが確認できた。このことから、成形型のキャビティと筒状材とでつくられる薄く小さい隙間(例えば、0.1mm以下の隙間)にもSiC粒子及び溶融したMgが十分に入り込み、筒状材の外周を覆うようにMg-SiC複合材料を形成できることが分かる。特に、Mo、W、Nb、Ta、Ti、CaO、MgO、SiC、等方性黒鉛からなる筒状材を具える試料は、純マグネシウムと筒状材との反応箇所が特に少なく、強固に接合されていることが確認できた。
本体部10(複合材料)について、SiCの含有量を測定したところ、72体積%であり、成形型への充填密度に一致していた。複合材料のSiCの含有量は、複合材料の任意の断面を光学顕微鏡(50倍)で観察し、この観察像を市販の画像解析装置で画像処理して、この断面中のSiCの合計面積を求め、この合計面積をこの断面に基づく体積割合とみなし(面積割合≒体積割合)、n=10の断面の体積割合を求め、これらの平均値とした。
更に、本体部10(複合材料)の熱膨張率(ppm/K)、熱伝導率(W/m・K)を測定した。その結果を表1に示す。熱膨張率及び熱伝導率は、得られた複合部材のうち、複合材料部分から測定用試験片を切り出し、市販の測定器を用いて測定した。熱膨張率は、30℃〜150℃の範囲について測定した。
表1に示すいずれの試料も、複合材料が熱伝導性に優れることが分かる。また、いずれの試料も、複合材料が一般的な半導体素子などの熱膨張率との整合性に優れることが分かる。具体的には、複合材料の熱伝導率が180W/m・K以上、特にここでは200W/m・K以上、更に220W/m・K以上であり、熱膨張率が10ppm/K以下、特にここでは8ppm/K以下である。このような熱特性に優れる複合材料を具える複合部材は、それ自体でも放熱部材の素材に好適に利用することができるが、いずれの試料の複合部材も流体を流通可能な筒状材、つまり流通路として利用可能な貫通孔22(図1)を有する筒状材を具える。いずれの試料の複合部材も、筒状材の一方の開口部を流体の導入口、他方の開口部を流体の排出口とし、貫通孔内に流体を流通する放熱構造を構築することで、複合材料自体の良好な放熱性に加えて、流体による冷却効果を得られる。従って、いずれの試料の複合部材も、複合材料のみからなる放熱部材に比較して、放熱性に優れる放熱構造を構築することができる。
また、この試験から、筒状材の外周を覆うように複合材料を形成する、つまり複雑な形状の複合材料を製造する場合であっても、成形型に特定の振動を付与することで、成形型における原料の粉末の充填空間(キャビティと筒状材とでつくられる空間)の隅々にまで原料の粉末を良好に充填でき、SiC粒子が均一的に存在して熱特性に優れる複合材料と、この複合材料に一体化された筒状材=流通路とを具える複合部材が得られることが分かる。特に、上述の振動の付与と併せて、特定の微粗混合粉末(好ましくは微細粉末の平均粒径が30μm以下)を原料に用いることで、複雑な形状の複合材料であっても、SiC粒子が均一的に存在して熱特性に優れる複合材料が得られることが分かる。従って、この試験から、熱特性にも優れる上に、生産性にも優れる複合部材が得られたといえる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、複合材料中のSiCの含有量、大きさ、金属成分の組成、流通路の構成材質、形状、大きさ、個数などを適宜変更することができる。
本発明の複合部材は、流体による冷却が可能で熱放散性に優れることから、種々の部材、特に軽量が望まれる分野の部材の放熱部材の素材に好適に利用することができる。特に、本発明の複合部材は、複合材料からなる本体部が半導体素子やその周辺部品の熱膨張率との整合性に優れるため、半導体素子の放熱部材、更には、半導体素子と、半導体素子の周囲に配置される部品との双方に対する放熱部材の素材に好適に利用することができる。とりわけ、本発明の複合部材は、車載コンバータなどの冷却流体が循環される冷却機構を具備する電力変換装置に具えられる半導体素子の放熱部材、当該半導体素子とその周囲に配置される部品との双方に対する放熱部材の素材に好適に利用することができる。本発明の複合部材の製造方法は、上記複合部材の製造に好適に利用することができる。
1 複合部材 10 本体部 20 筒状材 21 端面 22 貫通孔(流通路)

Claims (10)

  1. SiCを50体積%以上含有し、残部がマグネシウム又はマグネシウム合金、及び不可避不純物からなる複合材料によって構成された本体部を具え、
    前記本体部の内部には、前記本体部の外部から供給された流体を前記本体部の内部を介して前記本体部の外部に排出する流通路が形成されている複合部材。
  2. 前記流通路は、一様な材質によって構成され、かつ前記複合材料に一体に設けられている請求項1に記載の複合部材。
  3. 前記流通路の構成材料は、Fe、Mo、Nb、Ta、Ti、W及びこれらの合金から選択される1種の金属、又はCaO、MgO、SiC、及び等方性黒鉛から選択される1種の非金属である請求項2に記載の複合部材。
  4. 前記複合材料中のSiCは、平均粒径が40μm以下の微細粉末と、平均粒径が40μm超200μm以下の粗大粉末との混合粉末であり、
    前記微細粉末と前記粗大粉末との質量比は、8:2〜5:5である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合部材。
  5. 前記複合材料の熱伝導率が180W/m・K以上、熱膨張率が10ppm/K以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合部材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合部材によって構成される放熱部材と、前記放熱部材に載置される半導体素子と、前記流通路に流体を流通させるための循環機構とを具える半導体装置。
  7. SiCと溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金とを複合させた複合材料を具える複合部材を製造する複合部材の製造方法であって、
    SiCからなる粉末と、筒状材とを用意する準備工程と、
    前記筒状材が収納された成形型に前記粉末を充填する充填工程と、
    前記成形型内に充填されたSiCに、溶融したマグネシウム又はマグネシウム合金を溶浸させて複合し、SiCを50体積%以上含有する複合材料を形成すると共に、前記筒状材の両端に設けられた両開口部が前記複合材料から露出されるように、当該複合材料と上記筒状材とを一体にして、当該筒状材を流体の流通路とする複合部材を形成する複合工程とを具え、
    前記充填工程では、周波数が10Hz以上、かつ加速度が重力加速度の1/3倍以上重力加速度の12倍以下である振動を前記成形型に与えた状態で前記粉末を前記成形型に充填する複合部材の製造方法。
  8. 前記準備工程では、平均粒径が40μm以下の微細粉末と、平均粒径が40μm超200μm以下の粗大粉末との質量比が8:2〜5:5となるように両粉末を混合した微粗混合粉末を用意し、
    前記充填工程では、前記成形型に前記微粗混合粉末を充填する請求項7に記載の複合部材の製造方法。
  9. 前記SiCからなる粉末は、ジェットミルによって粉砕したものである請求項7又は8に記載の複合部材の製造方法。
  10. 前記準備工程では、SiO2からなる球状の溶浸剤と前記SiCからなる粉末とを混合した溶浸剤含有粉末を用意し、
    前記充填工程では、前記成形型に前記溶浸剤含有粉末を充填する請求項7〜9のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
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