以下、本発明の実施の形態に係る支援装置10を、図1〜図18を参照して説明する。支援装置10は、保管対象の物品(保管先を探している物品)に関する情報に基づき、保管対象の物品を保管する保管場所の候補(保管場所候補)を倉庫内の複数の保管場所から抽出する。また、支援装置10は、抽出した保管場所候補に保管対象の物品を保管すると仮定した場合に想定される費用を算出する。そして、支援装置10は、算出した費用を示す情報を、保管場所候補を示す情報と共に、情報の表示が可能な表示部に出力することで、保管対象である物品の保管場所のユーザによる決定を支援する。ここで、想定される費用は、保管対象の物品の入庫にかかる費用(保管対象の物品の保管場所への運搬量に基づく費用)、保管対象の物品の保管にかかる費用および保管対象の物品の出庫にかかる費用(保管対象の物品の保管場所からの運搬量に基づく費用)を合計したものである。以後、上述した3つの費用を合計した費用を、想定費用と称する。
支援装置10は、例えばパーソナルコンピュータから構成される。支援装置10は、制御部100と、記憶部120と、入力部130と、タッチパネル式の表示部140と、出力部150と、を備えている。
制御部100は、支援装置10の制御を行う。制御部100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えている。
CPUは、ROMに格納されたプログラム(例えば、後述する図16〜18に示す処理を実現するプログラム)を実行する。
また、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより、制御部100は、マスタ情報設定部101と、抽出条件設定部102と、保管物品情報設定部103と、保管場所候補抽出部104と、費用算出部105と、保管場所候補出力部106と、保管情報更新部107と、の機能を実現する。
マスタ情報設定部101は、保管対象になり得る全ての物品に関する情報をユーザに設定させる。マスタ情報設定部101は、ユーザによる情報の設定が完了すると、倉庫内の全ての保管場所から保管場所候補を抽出するために必要になる物品情報マスタを、入力された物品に関する情報から生成し、生成した物品情報マスタを物品情報マスタ記憶部121に記憶する。
物品情報マスタ記憶部121に記憶される物品情報マスタは、図2に示す物品マスタ、図3に示す物品群マスタ、図4に示す物品特性マスタおよび図5に示す荷積みマスタの4つの情報から構成される。
物品マスタは、図2に示すように、物品の基本情報を表す。具体的には、物品マスタは、物品1個あたりの長さ、物品1個あたりの幅、物品1個あたりの容積および物品1個あたりの重量を示す情報が物品の形名に対応付けられた物品情報と、物品を分類するための分類から構成される物品分類コードと、から構成される。支援装置10は、保管対象の物品の物品情報を加味した上で、保管対象の物品の保管場所候補を抽出する。
物品群マスタは、図3に示すように、ある物品群コードに属する物品が出庫されるときに他の物品が一緒に出庫される可能性を表す相関度(0.0〜1.0までの自然数)を、物品群コード毎に表す(保管対象となる全ての物品同士の組み合わせ毎に表す)。一緒に出荷される可能性が高くなると大きい値の相関度が設定される。よって、例えば、物品群コード002に属する形名1Ab001の物品が出庫される場合、物品群コード003に属する形名1Ab002の物品が出荷される可能性が最も高く(相関度0.5)、その次に、物品群コード000に属する形名1Aa001の物品が出荷される可能性が高く(相関度0.4)、物品群コード001に属する形名1Aa002の物品が出荷される可能性が最も低いことになる(相関度0.3)。
支援装置10は、この相関度を加味した上で、想定費用を算出する。詳細には、支援装置10は、保管対象の物品をある保管場所に保管することを想定した場合、その保管場所の近所の保管場所に、相関度の高い物品が既に保管されていれば、保管対象の物品の出荷の際、大きい相関度を示す物品も一緒に運搬できる可能性が高いことから、想定費用を低く算出する。一方、支援装置10は、保管対象の物品をある保管場所に保管することを想定した場合、その保管場所の近所の保管場所に、相関度の低い物品が既に保管されていれば、保管対象の物品の出荷の際、小さい相関度を示す物品は一緒に運搬される可能性が低いことから、想定費用を高く算出する。
ここで、物品群コードは、物品の種類が同一か否かを示すコードである。例えば、形名1Aa003の物品と形名1Ab001の物品とが寸法だけが異なるネジの場合、ユーザは、それぞれの形名に、同一の物品群コードを付与する。一方で、例えば、形名1Aa0003の物品がネジであり、形名1Aa001の物品がボルトである場合、ユーザは、それぞれの形名に異なる物品群コードを付与する。
物品特性マスタは、図4に示すように、物品の保管に関する情報を、物品の形名毎に表す。具体的には、物品特性マスタは、平均出庫頻度(回/日)、平均入庫頻度(回/日)および入庫から出庫までの期間を表す平均滞留期間(日)が、物品の形名に対応付けられた情報から構成される。支援装置10は、物品特性マスタで表される情報を加味した上で、保管対象の物品の保管場所候補を抽出する。
荷積みマスタは、図5に示すように、物品の荷積みに関する情報を、物品の形名毎に表す。具体的には、荷積みマスタは、物品を運搬するために使用する荷台や枠組み等の保管機器を示す保管機器コード、保管機器の使用可能数(初期値)、物品を載せた保管機器の荷積み方法を特定する荷積みNo、および荷積み方法を画像として示す荷積み画像が、物品の形名に対応付けられた情報から構成される。
また、マスタ情報設定部101は、上述した物品に関する情報に加え、倉庫に関する情報もユーザに設定させる。マスタ情報設定部101は、ユーザによる情報の設定が完了すると、倉庫内の全ての保管場所から保管場所候補を抽出するために必要になる倉庫情報マスタを、入力された倉庫に関する情報から生成し、生成した倉庫情報マスタを倉庫情報マスタ記憶部122に記憶する。
倉庫情報マスタ記憶部122に記憶される倉庫情報マスタは、図6に示す倉庫内情報マスタ、図7に示す保管機器情報マスタおよび図8に示す荷役機器マスタの3つの情報から構成される。
倉庫内情報マスタは、図6に示すように、保管場所に関する情報を表す。具体的には、倉庫内情報マスタは、保管機器コード、保管機器を運搬する荷役機器を示す荷役機器コード、保管場所から入庫口までの距離、保管場所から出庫口までの距離が、保管場所を示す保管場所Noに対応付けられた情報から構成される。支援装置10は、倉庫内情報マスタで表される情報を加味した上で、保管対象の物品の保管場所候補を抽出する。
保管機器情報マスタは、図7に示すように、保管機器に物品を載せる場合の制約を示す保管制約を、保管機器コード毎に表す。具体的には、保管機器情報マスタは、保管機器に物品を載せることができる最大長さ、保管機器に物品を載せることができる最大幅、保管機器に物品を載せることができる最大高さ、保管機器に物品を載せることができる最大体積、および保管機器に物品を載せることができる最大重量が、保管機器コードに対応付けられた情報から構成される。支援装置10は、保管機器情報マスタで表される情報を加味した上で、保管対象の物品の保管場所候補を抽出する。
荷役機器情報マスタは、図8に示すように、物品を載せた保管機器を運搬する場合の制約を示す荷役制約を、荷役機器コード毎に表す。具体的には、荷役機器情報マスタは、物品を載せた保管機器を運搬する場合の限界の体積、および物品を載せた保管機器を運搬する場合の限界の重量が、荷役機器コードに対応付けられた情報から構成される。支援装置10は、荷役機器情報マスタで表される情報を加味した上で、保管対象の物品の保管場所候補を抽出する。
更に、マスタ情報設定部101は、上述した物品に関する情報および倉庫に関する情報に加え、費用に関する情報をユーザに設定させる。マスタ情報設定部101は、ユーザによる情報の設定が完了すると、保管対象の物品をある保管場所に保管することを想定した場合の想定費用を、入力された費用に関する情報から生成し、生成した費用情報マスタを費用情報マスタ記憶部123に記憶する。
費用情報マスタは、図9(a)に示す相関度変換マスタ、図9(b)に示す工数情報マスタおよび図9(c)に示す場所情報マスタの3つの情報から構成される。
相関度変換マスタは、図9(a)に示すように、物品群間の相関度(図3参照)を、評価係数に変換するための相関度変換情報から構成される。前述の通り、支援装置10は、保管対象の物品をある保管場所に保管することを想定した場合の想定費用を算出するが、想定費用を算出するにあたり、ある保管場所の近所の保管場所に既に保管されている物品との相関度が高くなるほど想定費用が低くなるような評価係数に、相関度を変換する。逆に、支援装置10は、想定費用を算出するにあたり、ある保管場所の近所の保管場所に既に保管されている物品との相関度が低くなるほど想定費用が高くなるような評価係数に、相関度を変換する。この相関度の評価係数への変換の際、支援装置10は、相関度変換マスタを利用する。
工数情報マスタは、図9(b)に示すように、入庫口から保管場所までの距離あるいは保管場所から出庫口までの距離を移動する場合にかかる時間(秒)を算出するための移動時間工数と、移動するときにかかった時間から移動に費やした費用を算出するための荷役単価と、保管場所に物品を保管する場合に必要な費用を算出するための保管単価と、を表す。
支援装置10は、保管場所候補の抽出が完了すると、保管場所候補となった保管場所から入庫口までの距離および保管場所候補となった保管場所から出庫口までの距離と、上述の移動時間工数とから、移動にかかる時間を算出する。次に、支援装置10は、移動にかかる時間と、上述の荷役単価とから、移動に費やす費用を求め、その費用に、上述した変換係数を乗算することで、運搬に費やされる費用(以後、「運搬費用」と称する)を算出する。また、支援装置10は、保管対象の物品の体積を求め、その体積と、上述の保管単価とから求まる費用と、保管場所候補となった保管場所に既に保管されている物品の量とに基づいて決まる、保管に費やされる費用(以後、「保管費用」と称する)を求める。この運搬費用と保管費用の合計が、想定費用である。
場所情報マスタは、支援装置10で抽出される保管場所候補を絞り込むための場所情報を表す。場所情報マスタは、図9(c)に示すように、保管場所Noと、保管場所Noで示される保管場所に対して近所になる保管場所が各保管場所Noに対応付けられた情報と、保管場所Noで示される保管場所および近所の保管場所の各々で保管可能な最大の重量を示す閾値重量と、の情報から構成される。
保管場所候補の絞り込みがユーザにより指示された場合、支援装置10は、保管場所候補を抽出する際、保管対象の物品と同じ形名(種類)の物品が、倉庫内のいずれかの保管場所に既に保管されているか否かを、後述の保管情報記憶部124に記憶された保管情報を参照して判定する。そして、支援装置10は、保管対象の物品と同じ形名(種類)の物品が既に保管されている場合、同じ形名(種類)の物品が保管された保管場所を保管場所候補にする。また、支援装置10は、同じ形名(種類)の物品が保管された保管場所の保管場所No(例えば、保管場所NoがA−1およびB−1)を保管情報記憶部124に記憶された保管情報から取得し、取得した保管場所Noと場所情報マスタ(図9(c)参照)とから、同じ形名(種類)の物品が保管された保管場所の近所の保管場所を特定し、特定した近所の保管場所も保管場所候補にする(例えば、近所の保管場所A−2,A−3およびA−3,C−1)。その後、支援装置10は、保管場所候補になった保管場所に対応付けられている重量閾値を、場所情報マスタ(図9(c)参照)から特定し、保管対象の物品の重量が特定した重量閾値を超えると判定した場合、超えると判定した保管場所を(例えば、保管場所NoB−1および近所の保管場所A−3,C−1を)、保管場所候補から除外する。このようにして、支援装置10は、保管場所候補を、保管対象の物品と同じ形名(種類)の物品が既に保管されている保管場所およびその保管場所の近所の保管場所に絞り込む。この保管場所の絞り込みにより、保管対象の物品と同じ形名(種類)の物品が既に保管されている保管場所を含む特定の範囲の保管場所に、保管対象の物品を保管することができる。また、この保管場所の絞り込みにより、重量閾値以下の重量を示す保管対象の物品を特定の範囲の保管場所に保管することができる。
ここで、保管情報記憶部124に記憶された保管情報は、図10に示すように、物品を保管可能な複数の保管場所に関する情報と保管場所に既に保管されている物品に関する情報とから構成される。具体的には、保管情報は、物品が保管された保管場所を表す保管場所No、保管場所から入庫口までの距離、保管場所から出庫口までの距離、保管場所の空間充填率、保管場所の重量充填率、保管場所で使用可能な保管機器を表す保管機器コード、保管機器に載せることができる物品の最大体積、保管機器に載せることができる物品の最大重量、保管場所に既に配置されている(使用されている)保管機器の数量を表す配置数量、保管場所で使用可能な荷役機器を表す荷役機器コード、保管場所に既に保管されている物品の形名、保管場所に既に保管されている物品の1個あたりの体積、保管場所に既に保管されている物品の1個あたりの重量、および保管場所に既に保管されている物品の物品群コードの情報から構成される。
これらの情報のうち、空間充填率は、保管場所に物品を保管可能な空間が物品によって占有されている度合いを示す値である。空間充填率は、ある保管場所に既に保管されている全ての物品の体積を、ある保管場所に物品を保管できる空間の体積で除した値である。
また、重量充填率は、保管場所で物品を保管できる空間で許容された最大重量に占める物品の重量の度合いを示す値である。重量充填率は、ある保管場所に既に保管されている全ての物品の重量を、ある保管場所で物品を保管できる空間で許容された重量で除した値である。
また、保管情報記憶部124に記憶された保管情報のうち、保管場所No、保管場所から入庫口までの距離、保管場所から出庫口までの距離、保管機器コードおよび荷役機器コードは、倉庫内情報マスタ(図6参照)の情報を流用している(コピーしている)。そして、保管機器に載せることができる物品の最大体積および最大重量は、保管機器情報マスタ(図7参照)の情報を流用している。また、保管場所に既に保管されている物品の形名、物品1個あたりの体積および重量は、物品マスタ(図2参照)の情報を流用している。更に、物品の物品群コードは、物品群マスタ(図3参照)の情報を流用している。
なお、保管情報記憶部124に記憶された保管情報は、保管情報更新部107によって、物品の保管が完了した場合(入庫が完了した場合)および保管された物品を出庫した場合に更新される。
抽出条件設定部102は、保管場所候補の検索の実行がユーザにより指示された場合、保管対象の物品の形名および数量をユーザに入力させる。具体的には、抽出条件設定部102は、保管場所候補の検索の実行がユーザにより指示された場合、まず、保管対象の物品の形名および数量を示す情報をユーザに入力させるための画面を、表示部140の表示領域に表示する。そして、抽出条件設定部102は、ユーザにより入力された物品の形名および数量をRAMに記憶する。なお、抽出条件設定部102は、保管対象の物品の形名および数量が複数組入力された場合、各組毎に、物品の形名および数量を対応付けてRAMに記憶する。ここで、支援装置10は、ユーザにより入力された形名および数量で特定される物品を、1つの纏まりとして認識して、保管場所候補を抽出する。よって、ユーザにより入力された形名および数量で特定される物品を、以後、「物品組」と称する。
また、抽出条件設定部102は、保管場所候補の検索の実行がユーザにより指示された場合、場所情報マスタ(図9(c)参照)を使用した保管場所候補の絞り込みを行うか否かをユーザに入力させるための画面を、表示部140の表示領域に表示する。そして、抽出条件設定部102は、保管場所候補の絞り込みを行う、または行わない、のいずれかが、例えば入力部130の操作によりユーザから示された場合、入力された情報をRAMに記憶する。
保管物品情報設定部103は、物品組が複数入力された場合、どの物品組から保管場所に保管していくかの優先順位を決定する。具体的には、保管物品情報設定部103は、次のようにして優先順位を決定する。即ち、保管物品情報設定部103は、抽出条件設定部102がRAMに記憶させた物品組の形名を全て読み出し、読み出した形名と一致する形名を、物品情報マスタ記憶部121に記憶された物品マスタ(図2参照)から検索して、各形名に対応する物品情報を取得する。そして、保管物品情報設定部103は、取得した物品情報から物品の1個あたりの重量を示す情報を形名毎に取り出し、取り出した1個あたりの重量を示す情報に、物品組を構成する数量を乗算することで、各物品組の重量を算出する。また、保管物品情報設定部103は、RAMから読み出した形名と一致する形名を、物品情報マスタ記憶部121に記憶された物品特性マスタ(図4参照)から検索して、平均出庫頻度、平均入庫頻度および平均滞留期間を形名毎に取得する。そして、保管物品情報設定部103は、平均出庫頻度が多い順に物品組を並び替える。
このとき、平均出庫頻度が同一の物品組がある場合、保管物品情報設定部103は、平均入庫頻度が多い順に、平均出庫頻度が同一の物品組を並び替える。それでも、平均入庫頻度が同一の物品組がある場合、保管物品情報設定部103は、平均滞留期間が短い順に、平均入庫頻度が同一の物品組を並び替える。更にそれでも、平均滞留期間が同一の物品組がある場合、保管物品情報設定部103は、物品組の重量が軽い順に、平均滞留期間が同一の物品組を並び替える。このようにして、保管物品情報設定部103は、物品組の優先順位を決定する。なお、保管物品情報設定部103は、優先順位を決定すると、図11に示すように、保管対象の物品組の形名に、物品組の平均出庫頻度、平均入庫頻度、平均滞留期間および物品情報を対応付けて、RAMに記憶する。
なお、保管物品情報設定部103は、物品組の入力が1組であった場合、その物品組の優先順位を「1」に決定する。
保管場所候補抽出部104は、物品組の入力が1組であった場合は入力された物品組を保管可能な保管場所候補を抽出する。また、保管場所候補抽出部104は、物品組の入力が複数であった場合は保管物品情報設定部103で決定された優先順位が上位の物品組から順に、物品組を保管可能な保管場所候補を抽出する。
具体的には、保管場所候補抽出部104は、以下のようにして、保管場所候補を抽出する。保管場所候補抽出部104は、空間充填率および重量充填率が100%未満の保管場所の保管情報を、保管情報記憶部124に記憶された保管情報を参照して取得し、RAMに記憶する。
また、保管場所候補抽出部104は、物品情報マスタ記憶部121に記憶された荷積みマスタ(図5参照)から保管機器の使用可能数(初期値)を取得する。そして、保管場所候補抽出部104は、取得した保管機器の使用可能数(初期値)から、RAMに記憶されている保管情報(取得した保管場所に対応する保管情報)に含まれる配置数量(既に使用されている数量を示す)を減算することで、RAMに記憶されている保管情報で示される保管場所で使用可能な保管機器の数量を、保管機器毎に求める。
次に、保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組の形名と一致する形名を、物品マスタ(図2参照)から検索して、物品組の物品情報を求める。具体的には、保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組の形名と一致する形名を、物品マスタ(図2参照)から検索して、物品の1個あたりの長さ、幅、高さ、体積および重量を取得する。そして、保管場所候補抽出部104は、物品の1個あたりの長さ、物品の1個あたりの幅、物品の1個あたりの高さ、物品の1個あたりの体積および物品の1個あたりの重量に、物品組を構成する数量を乗算して、物品組の長さ、物品組の幅、物品組の高さ、物品組の体積および物品組の重量(物品組の物品情報)を求める。
次に、保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組を、RAMに記憶されている保管情報で示される保管場所(取得した保管情報に対応する保管場所)のそれぞれで保管することを想定した場合の、空間充填率および重量充填率を、保管場所毎に求める。具体的には、保管場所候補抽出部104は、物品組の物品情報とRAMに記憶されている保管情報とから、保管場所で保管が想定される全ての物品の体積を求め、この値を、その保管場所に物品を保管できる空間の体積(記憶部120に予め記憶されている)で除することで、空間充填率を求める。また、保管場所候補抽出部104は、物品組の物品情報とRAMに記憶されている保管情報とから、保管場所で保管が想定される全ての物品の重量を求め、この値を、その保管場所に物品を保管できる空間で許容された重量(記憶部120に予め記憶されている)で除することで、重量充填率を求める。以後、この空間充填率を、「予定空間充填率」と称し、この重量充填率を、「予定重量充填率」と称する。
また、保管場所候補抽出部104は、先に求めた物品組の物品情報が保管制約(図7参照)を満たすように、保管対象の物品組を保管機器に載せた場合に、必要になる保管機器の数を求める。そして、保管場所候補抽出部104は、必要数のぶん残っている保管機器が使用できる保管場所を、倉庫内情報マスタ(図6参照)から選定する。
そして、保管場所候補抽出部104は、必要数のぶん残っている保管機器が使用できる保管場所の予定空間充填率および予定重量充填率が100%以下であるか否かを、先に求めた予定空間充填率および予定重量充填率を使用して判定する。その後、保管場所候補抽出部104は、選定した保管場所の予定空間充填率および予定重量充填率が100%以下である保管場所を候補としてRAMに残し(候補として特定し)、それ以外の保管場所の保管情報をRAMから削除する。
このようにして、保管場所候補抽出部104は、倉庫内の複数の保管場所のうちの何れかの保管場所に保管対象の物品を保管すると仮定した場合に、その何れかの保管場所で保管が想定される全ての物品の量(全ての物品の体積および全ての物品の重量)を、RAMに記憶されている保管情報と物品組の物品情報とから求め、求めた全ての物品の量が、何れかの保管場所で物品を保管できる最大の量以下を示した保管場所候補の情報、言い換えれば、予定空間充填率および予定重量充填率が100%以下を示した保管場所候補の情報を、複数の保管場所の情報から特定し、抽出する。
その後、保管場所候補抽出部104は、RAMに記憶されている保管場所に(取得した保管情報に対応する保管場所に)、物品組を運搬できるか否かを判定するために、RAMに記憶されている保管情報から、保管機器の最大体積および最大重量を読み出す。そして、保管場所候補抽出部104は、読み出した保管機器の最大体積および最大重量を荷役制約(図8参照)に収めることができる荷役機器が使用できる保管場所を、つまり、物品組を運搬できる保管場所を、倉庫内情報マスタ(図6参照)から選定する。その後、保管場所候補抽出部104は、選定した保管場所を候補としてRAMに残し、それ以外の保管場所の保管情報をRAMから削除する。
このようにして、保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組の保管場所候補を抽出する。
ここで、保管場所候補抽出部104は、保管場所候補を更に絞り込むための指示がユーザから指示されている場合、上述した処理によって抽出した保管場所候補の絞り込みを行う。
まず、保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組の形名と一致する形名が、RAMに記憶されている保管情報に存在するか否かを判定する。これにより、保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組と同じ種類の物品組が既に保管されている保管場所を特定し、特定した保管場所が、保管場所候補に含まれるか否かを判定することができる。
保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組と同じ種類の物品組が既に保管されている保管場所が保管場所候補に含まれると判定すると、同じ種類の物品組が保管されている保管場所と、その保管場所の近所の保管場所とを、保管場所候補としてRAMに残し、それ以外の保管場所の保管情報をRAMから削除する。なお、保管場所候補抽出部104は、近所の保管場所を、以下のようにして特定する。即ち、保管場所候補抽出部104は、同じ種類の物品組が保管されている保管場所の保管場所NoをRAMから取得し、取得した保管場所Noと場所情報マスタ(図9(c)参照)とから、近所の保管場所を特定する。
加えて、保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組の重量を示す情報(既に求めている物品組の物品情報に含まれる情報)が、保管場所候補になっている全ての保管場所において、重量閾値以下か否かを判定する。なお、保管場所候補抽出部104は、保管場所候補になっている全ての保管場所の重量閾値を、以下のようにして特定する。即ち、保管場所候補抽出部104は、保管場所候補になっている全ての保管場所の保管場所NoをRAMに記憶された保管情報から検索し、検索した保管場所Noに対応付けられている重量閾値を、場所情報マスタ(図9(c)参照)から特定する。
そして、保管場所候補抽出部104は、保管対象の物品組の重量が、保管場所候補になっている保管場所のいずれかで重量閾値を超えると判定した場合、物品組の重量が重量閾値以下を示した保管場所を保管場所候補としてRAMに残し、それ以外の保管場所の保管情報をRAMから削除する。
このようにして、保管場所候補抽出部104は、場所情報マスタ(図9(c)参照)を用いて、保管場所候補の絞り込みを行う。
費用算出部105は、RAMに記憶されている保管場所候補毎に、保管対象の物品を保管場所に保管すると仮定した場合に想定される、保管対象の物品の保管場所への運搬量と保管対象の物品の保管場所からの運搬量とに基づいて決まる運搬費用、および保管対象の物品の保管にかかる保管費用を算出する。そして、費用算出部105は、運搬費用と保管費用を合計した想定費用を算出し、想定費用の低い順に、保管場所候補を並び替える。費用算出部105は、具体的には、次のようにして、運搬費用、保管費用および想定費用を算出する。
即ち、費用算出部105は、運搬費用の算出に必要な相関度を求めるために、まず、保管場所候補に既に保管されている物品の形名を、RAMに記憶された保管情報(保管場所候補の保管場所に対応する保管情報、図10参照)から取得する。そして、費用算出部105は、取得した形名と、保管対象の物品組の形名とを用いて、物品群マスタ(図3参照)に示す情報から、図12に示すように、保管場所候補毎に相関度を取得する。そして、費用算出部105は、保管場所候補毎の相関度を用いて、相関度変換マスタ(図9(b)参照)に示す情報から、保管場所候補毎の評価係数を取得する(図12参照)。
次に、費用算出部105は、倉庫内情報マスタ(図6参照)から、保管対象の物品を入庫する入庫口までの距離および保管対象の物品を出庫する出庫口までの距離を、保管場所候補毎に取得する(図12参照)。そして、費用算出部105は、例えば次のようにして、運搬費用を求める。即ち、費用算出部105は、例えば、入庫口までの距離と出庫口までの距離とを加算し、その加算値に、移動時間工数(図9(a)参照)を乗算する。そして、費用算出部105は、乗算値に、荷役単価(図9(a)参照)を乗算し、その値を評価係数で除算する。費用算出部105は、この計算を、保管場所候補毎に行うことで、保管場所候補毎に運搬費用を算出する(図12参照)。
このような算出を行うことで、費用算出部105は、入庫口から保管場所までの距離および保管場所から出庫口までの距離の合計が長くなると、運搬費用を高く算出する。また、費用算出部105は、相関度が高くなると、運搬費用を安く算出する。
また、費用算出部105は、次のようにして、図13に示す保管費用を求める。即ち、費用算出部105は、保管対象の物品組の体積(保管場所候補の抽出の際、保管場所候補抽出部104によって既に求められている体積)に、保管単価(図9(a)参照)を、乗算する。そして、費用算出部105は、乗算値を、空間充填率で除算する。更に、費用算出部105は、除算値から、次の値、即ち、重量補充率に除算値を乗算して2分の1した値を、減算する。費用算出部105は、この計算を、保管場所候補毎に行うことで、保管場所候補毎に保管費用を算出する(図13参照)。なお、費用算出部105は、保管費用の算出に使用する空間充填率および重量充填率を、RAMに記憶された保管情報(保管候補の保管場所に対応する保管情報)から取得する。
このような算出を行うことで、費用算出部105は、空間充填率および重量充填率が100%に近づくと、言い換えれば、保管場所に既に保管されている物品の量が保管場所に物品を保管できる最大の量に近づくと、保管費用を安く算出する。
上述した算出方法によって、費用算出部105は、運搬費用および保管費用を算出する。この運搬費用および保管費用を算出することで、保管対象の物品の入庫から出庫までに費やされる想定費用を、保管場所候補毎に算出することができる。
その後、費用算出部105は、算出した運搬費用と保管費用とを保管場所候補毎に合計して想定費用を算出し、想定費用と保管場所候補とを対応付ける。そして、費用算出部105は、図14に示すように、想定費用の低い順に保管場所候補を並び替えた情報を生成する。
保管場所候補出力部106は、費用算出部105で生成された情報(図14参照)に、荷積みNoを示す情報と、保管場所を選択する選択ボタンを構成する情報と、備考情報と、を対応付けた対応情報を、対応情報を表示可能な表示部140へ出力する。表示部140は、図15に示すように、対応情報を示す画面を、表示部140の保管場所候補表示領域に表示する。
なお、保管場所候補出力部106は、荷積みNoを、次のようにして、費用算出部105で生成された情報に対応付ける(図14参照)。即ち、保管場所候補出力部106は、保管対象の物品組の形名と一致する形名を含む荷積みマスタ(図5参照)を倉庫情報マスタ記憶部122から検索する。そして、保管場所候補出力部106は、検索した荷積みマスタに含まれる保管機器コードと、倉庫内情報マスタ(図6参照)に含まれる保管場所Noと、費用算出部105で生成された保管場所候補を含む情報とから、保管場所候補に対応する荷積みNoを特定し、特定した荷積みNoを、費用算出部105で生成された情報(図14参照)に対応付ける。
また、保管場所候補出力部106は、図15に示す備考情報に含まれる情報のうち入庫口までの距離および出庫口までの距離を示す情報を、次のようにして、費用算出部105で生成された保管場所候補を含む情報に対応付ける。即ち、保管場所候補出力部106は、費用算出部105で生成された情報に含まれる保管場所Noと一致する保管場所Noを、倉庫内情報マスタ(図6参照)から検索する。そして、保管場所候補出力部106は、一致する保管場所Noに対応付けられている、入庫口までの距離および出庫口までの距離を示す情報を、費用算出部105で生成された情報(図14参照)に対応付ける。
更に、保管場所候補出力部106は、図15に示す備考情報に含まれる情報のうち空間充填率および重量充填率入を示す情報を、次のようにして、費用算出部105で生成された保管場所候補を含む情報に対応付ける。即ち、保管場所候補出力部106は、費用算出部105で生成された情報(図14参照)に含まれる保管場所Noと一致する保管場所Noを、保管情報記憶部124に記憶されている保管情報(図10参照)から検索する。そして、保管場所候補出力部106は、一致する保管場所Noに対応付けられている、空間充填率および重量充填率を示す情報を、費用算出部105で生成された情報に対応付ける。
また、保管場所候補出力部106は、図15に示すように、想定費用が最も低い保管場所No「A−1」の備考情報(条件を示す情報)として、「最小費用」のコメントを対応付ける。また、保管場所候補出力部106は、保管場所No「A−2」の備考情報(条件を示す情報)として、保管場所No「A−2」が保管場所候補の中で最も出庫口に近いことを表す「出庫重視」のコメントを対応付ける。更に、保管場所候補出力部106は、保管場所No「A−3」の備考情報(条件を示す情報)として、保管場所No「A−3」が保管場所候補の中で最も重量充填率が低いことを表す「重量充填率上昇重視」のコメントを対応付ける。そして、保管場所候補出力部106は、保管場所No「B−1」の備考情報(条件を示す情報)として、保管場所No「B−1」が保管場所候補の中で最も空間充填率が低いことを表す「空間充填率上昇重視」のコメントを対応付ける。このような対応付けが行われた情報を、保管場所候補出力部106は、表示部140の保管場所候補表示領域に表示させる(図15参照)。
また、保管場所候補出力部106は、物品組の入庫および出庫がスムースに行えるよう、保管場所の地図を示す情報を、表示部140へ出力する。
ユーザは、各保管場所候補に対応付けられている選択ボタンのうち1つの選択ボタンを押し、決定ボタンを押すことで、例えば、図15に示す形名「1Aa001」の物品の保管場所を決定することができる。ユーザによって保管場所が決定されると、支援装置10は、次の優先順位の物品組について、保管場所候補の抽出を行う。
なお、保管場所候補出力部106は、表示部140に出力した情報を、更に、例えば倉庫内に設置された大型ディスプレイに出力することで、表示部140に表示される画面と同一の画面を大型ディスプレイで表示することを可能にしてもよい。
ここで、図15に示す情報入力領域は、抽出条件設定部102によって表示部140に表示される。この情報入力領域に表示された文字「形名」の右に存在する枠内に、保管対象の物品組の形名がユーザにより入力され、情報入力領域に表示された文字「数量」の右に存在する枠内に、保管対象の物品の数量がユーザにより入力され、更に、情報入力領域に表示された完了ボタンがユーザにより押されると、抽出条件設定部102は、物品組の形名および数量の受け付けを完了させる。すると、保管物品情報設定部103は、物品組みの優先順位付けを実行する。
保管情報更新部107は、物品組の保管場所が決定する毎に(ユーザによって決定ボタンが押される毎に)、保管情報記憶部124に記憶された保管情報を更新する。具体的には、保管情報更新部107は、物品組の保管場所が決定されると、保管場所候補抽出部104が既に算出している予定空間充填率のうち、決定された保管場所に対応する予定空間充填率を、保管情報記憶部124に記憶する。また、保管情報更新部107は、物品組の保管場所が決定されると、保管場所候補抽出部104が既に算出している予定重量充填率のうち、決定された保管場所に対応する予定重量充填率を、保管情報記憶部124に記憶する。また、保管情報更新部107は、物品組の保管場所が決定されると、保管場所候補抽出部104が既に算出している保管機器の必要数のうち、決定された保管場所に対応する保管機器の必要数を、保管情報記憶部124に記憶する。
記憶部120は、例えばフラッシュメモリから構成される。記憶部120は、物品情報マスタ記憶部121と、倉庫情報マスタ記憶部122と、費用情報マスタ記憶部123と、保管情報記憶部124と、を備えている。
物品情報マスタ記憶部121は、物品情報マスタを記憶する。具体的には、物品情報マスタ記憶部121は、物品マスタ(図2参照)、物品群マスタ(図3参照)、物品特性マスタ(図4参照)および荷積みマスタ(図5参照)の4つの情報から構成される物品情報マスタを記憶する。
倉庫情報マスタ記憶部122は、倉庫情報マスタを記憶する。具体的には、倉庫情報マスタ記憶部122は、倉庫内情報マスタ(図6参照)、保管機器情報マスタ(図7参照)および荷役機器マスタ(図8参照)の4つの情報から構成される倉庫情報マスタを記憶する。
費用情報マスタ記憶部123は、費用情報マスタを記憶する。具体的には、費用情報マスタ記憶部123は、相関度変換マスタ(図9(a)参照)、工数情報マスタ(図9(b)参照)および場所情報マスタ(図9(c)参照)の3つの情報から構成される費用情報マスタを記憶する。
保管情報記憶部124は、物品を保管可能な複数の保管場所に関する情報と保管場所に既に保管されている物品に関する情報とが対応付けられた情報を含んだ保管情報(図10参照)を記憶する。
入力部130は、例えば、キーボードである。入力部130は、例えば、保管対象の物品組の形名や数量の入力、或いは、選択ボタン、完了ボタンまたは決定ボタンの押下等に使用される(図15参照)。
表示部140は、例えば、タッチパネルを有する液晶ディスプレイである。表示部140は、例えば、保管場所候補を表示した画面等を表示領域に表示する(図15参照)。
出力部150は、例えば、通信インターフェイスである。出力部150は、例えば、表示部140の表示領域に表示された画面(図15参照)を構成する情報を、例えば倉庫内に設置された大型ディスプレイに出力することで、表示部140に表示された画面と同一の画面を大型ディスプレイで表示することを可能にする。
バスラインBLは、各部100,120〜150を相互に接続する。
上述した支援装置10の電源がオンされている状態で、保管場所候補の検索の実行が、入力部130を介してユーザにより指示されると、支援装置10は、図16に示す保管場所候補検索処理を開始する。なお、保管場所候補検索処理の実行には、次の条件を満たしていることが必要である。即ち、物品情報マスタ記憶部121へ物品情報マスタが記憶されていること、倉庫情報マスタ記憶部122へ倉庫情報マスタが記憶されていること、および費用情報マスタ記憶部123へ費用情報マスタが記憶されていることが必要である。
保管場所候補検索処理のステップS1では、制御部100(抽出条件設定部102)は、保管対象の物品組の形名および数量をユーザに入力させるための画面を、表示部140の表示領域に表示する(図15参照)。そして、制御部100(抽出条件設定部102)は、完了ボタン(図15参照)がユーザにより押されることで、形名および数量の入力が全ての物品組で完了したと判定すると(ステップS1:Yes)、入力された全ての物品組の形名および数量をRAMに記憶する。一方、制御部100(抽出条件設定部102)は、完了ボタンが押されるまで、つまり、形名および数量の入力が完了するまで(ステップS1:No)、ステップS1を繰り返し実行する。
ステップS2では、制御部100(抽出条件設定部102)は、場所情報マスタ(図9(c)参照)を使用した保管場所候補の絞り込みを行うか否かをユーザに入力させるための画面を、表示部140の表示領域に表示する。そして、制御部100(抽出条件設定部102)は、保管場所候補の絞り込みを行う、または行わない、のいずれかの指示が、例えば入力部130の操作によりユーザから示された場合(ステップS2:Yes)、ステップS3へ移行する。このように、ユーザは、場所情報マスタ(図9(c)参照)を使用した保管場所候補の絞り込みの実行可否を、任意に決定することができる。
なお、制御部100(抽出条件設定部102)は、保管場所候補の絞り込みを行う、または行わない、のいずれかの指示が、ユーザから示された場合(ステップS2:Yes)、その指示の内容を示す情報を、RAMに記憶する。一方、制御部100(抽出条件設定部102)は、保管場所候補の絞り込みを行う、または行わない、のいずれかの指示がユーザから示されるまで(ステップS2:No)、ステップS2を繰り返し実行する。
ステップS3では、制御部100(保管物品情報設定部103)は、次の処理を実行して、ステップS1で入力された物品組に対し、どの物品組から保管場所に保管していくかの優先順位を決定する(ステップS3)。即ち、制御部100(保管物品情報設定部103)は、ステップS1でRAMに記憶した物品組の形名を全て読み出し、読み出した形名と一致する形名を、物品情報マスタ記憶部121に記憶された物品マスタ(図2参照)から検索して、各形名に対応する物品情報を取得する。そして、制御部100(保管物品情報設定部103)は、取得した物品情報から物品の1個あたりの重量を示す情報を形名毎に取り出し、取り出した1個あたりの重量を示す情報に、物品組を構成する数量を乗算することで、各物品組の重量を算出する。また、制御部100(保管物品情報設定部103)は、RAMから読み出した形名と一致する形名を、物品情報マスタ記憶部121に記憶された物品特性マスタ(図4参照)から検索して、平均出庫頻度、平均入庫頻度および平均滞留期間を形名毎に取得する。そして、制御部100(保管物品情報設定部103)は、平均出庫頻度が多い順に物品組を並び替える。
このとき、平均出庫頻度が同一の物品組がある場合、制御部100(保管物品情報設定部103)は、平均入庫頻度が多い順に、平均出庫頻度が同一の物品組を並び替える。それでも、平均入庫頻度が同一の物品組がある場合、制御部100(保管物品情報設定部103)は、平均滞留期間が短い順に、平均入庫頻度が同一の物品組を並び替える。更にそれでも、平均滞留期間が同一の物品組がある場合、制御部100(保管物品情報設定部103)は、物品組の重量が軽い順に、平均滞留期間が同一の物品組を並び替える。このようにして、制御部100(保管物品情報設定部103)は、物品組の優先順位を決定する。なお、保管物品情報設定部103は、優先順位を決定すると、保管対象の物品組の形名に、物品組の平均出庫頻度、平均入庫頻度、平均滞留期間および物品情報を対応付けて、RAMに記憶する(図11参照)。
ステップS3の終了後、制御部100(保管物品情報設定部103)は、優先順位が上位の物品組から保管場所候補を抽出するための準備として、優先順位が何位の物品組に対して保管場所候補を抽出するかを指示するRAM内のカウンタNに、「1」を代入して(ステップS4)、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、空間充填率および重量充填率が100%未満の保管場所の保管情報を、保管情報記憶部124に記憶された保管情報を参照して取得し、RAMに記憶する(ステップS5)。
そして、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、ステップS6で次の処理を実行する。即ち、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、物品情報マスタ記憶部121に記憶された荷積みマスタ(図5参照)から保管機器の使用可能数(初期値)を取得する。そして、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、取得した保管機器の使用可能数(初期値)から、ステップS5で抽出した保管情報に含まれる配置数量(既に使用されている数量を示す)を減算することで、ステップS5で抽出した保管情報に含まれる保管場所で使用可能な保管機器の数量を、保管機器毎に求める(ステップS6)。
次に、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の優先順位の物品組の形名と一致する形名を、物品マスタ(図2参照)から検索して、物品組の物品情報を求める(ステップS7)。具体的には、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の優先順位の物品組の形名と一致する形名を、物品情報マスタ記憶部121に記憶された物品マスタ(図2参照)から検索して、物品の1個あたりの長さ、物品の1個あたりの幅、物品の1個あたりの高さ、物品の1個あたりの体積および物品の1個あたりの重量を取得する。そして、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、物品の1個あたりの長さ、物品の1個あたりの幅、物品の1個あたりの高さ、物品の1個あたりの体積および物品の1個あたりの重量に、物品組を構成する数量を乗算して、物品組の長さ、物品組の幅、物品組の高さ、物品組の体積および物品組の重量(物品組の物品情報)を求める。
そして、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の優先順位の物品組を、ステップS5で抽出された保管情報に含まれる保管場所のそれぞれで保管することを想定した場合の、空間充填率(予定空間充填率)および重量充填率(予定重量充填率)を、保管場所毎に求める(ステップS8)。具体的には、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、ステップS7で求めた物品組の物品情報とステップS5で抽出された保管情報とから、保管場所で保管が想定される全ての物品の体積を求め、この値を、その保管場所に物品を保管できる空間の体積(記憶部120に予め記憶されている)で除することで、予定空間充填率を求める。また、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、ステップS7で求めた物品組の物品情報とステップS5で抽出された保管情報とから、保管場所で保管が想定される全ての物品の重量を求め、この値を、その保管場所に物品を保管できる空間で許容された重量(記憶部120に予め記憶されている)で除することで、予定重量充填率を求める。
次に、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、ステップS9で次の処理を実行する。即ち、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、ステップS7で求めた物品組の物品情報が保管制約(図7参照)を満たすように、第N番目の優先順位の物品組を保管機器に載せた場合に、必要になる保管機器の数を求める。そして、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、求めた必要数のぶん残っている保管機器が使用できる保管場所を、倉庫情報マスタ記憶部122に記憶された倉庫内情報マスタ(図6参照)から選定する。更に、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、選定した保管場所の予定空間充填率および予定重量充填率が100%以下であるか否かを、ステップS8で求めた値を使用して判定する。その後、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、選定した保管場所の予定空間充填率および予定重量充填率が100%以下である保管場所を候補として残し、それ以外の保管場所の保管情報をRAMから削除する(ステップS9)。
更に、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、ステップS9で抽出された保管場所に、物品組を運搬できるか否かを判定するために、ステップS10で次の処理を実行する。即ち、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、RAMに記憶されている保管情報(ステップS9で抽出された保管場所に対応する保管情報)から、保管機器の最大体積および最大重量を読み出す。そして、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、読み出した保管機器の最大体積および最大重量を荷役制約(図8参照)に収めることができる荷役機器が使用できる保管場所を、つまり、物品組を運搬できる保管場所を、倉庫情報マスタ記憶部122に記憶された倉庫内情報マスタ(図6参照)から選定する。その後、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、選定した保管場所を候補としてRAMに残し、それ以外の保管場所の保管情報をRAMから削除する(ステップS10)。
このようにして、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の優先順位の物品組の保管場所候補を抽出する。
ステップS10の実行後、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、図17に示すステップS21で、保管場所候補の絞り込みを行うことがユーザにより指示されているか否かを、RAMに記憶されたユーザの指示を示す情報に応じて判定する(ステップS21)。制御部100(保管場所候補抽出部104)は、保管場所候補の絞り込みを行うことを示す情報がRAMに記憶されていると判定すると(ステップS21:Yes)、保管場所候補を更に絞り込むため、ステップS22に示す場所情報を反映させた検索を実行する。この場所情報を反映させた検索の詳細は、図18に示す通りの内容である。
制御部100(保管場所候補抽出部104)は、図18に示す場所情報を反映させた検索のステップS41で、第N番目の物品組の形名と一致する形名が、RAMに記憶されている保管情報(ステップS10で抽出された保管場所に対応する保管情報)に存在するか否かを判定する(ステップS41)。つまり、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の物品組と同じ種類の物品組が、ステップS10で抽出された保管場所に保管されているか否かを判定する。
制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の物品組と同じ種類の物品組が、ステップS10で抽出された保管場所に保管されていると判定すると(ステップS41:Yes)、同じ種類の物品組が保管されている保管場所と、その保管場所の近所の保管場所とを、保管場所候補としてRAMに残し、それ以外の保管場所の保管情報をRAMから削除する(ステップS42)。なお、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、近所の保管場所を、以下のようにして特定する。即ち、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、同じ種類の物品組が保管されている保管場所の保管場所NoをRAMから取得し、取得した保管場所Noと、費用情報マスタ記憶部123に記憶された場所情報マスタ(図9(c)参照)とから、近所の保管場所を特定する。
ステップS42の実行後、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の物品組の重量(ステップS7で求めた物品組の物品情報に含まれる情報)が、保管場所候補になっている全ての保管場所において、重量閾値以下か否かを判定する(ステップS43)。なお、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、保管場所候補になっている全ての保管場所の重量閾値を、以下のようにして特定する。即ち、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、保管場所候補になっている保管場所の保管場所NoをRAMに記憶された保管情報から検索し、検索した保管場所Noに対応付けられている重量閾値を、費用情報マスタ記憶部123に記憶された場所情報マスタ(図9(c)参照)から特定する。
制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の物品組の重量が、保管場所候補になっている保管場所のいずれかで重量閾値を超えると判定すると(ステップS43:No)、物品組の重量が重量閾値以下を示した保管場所を保管場所候補としてRAMに残し、それ以外の保管場所の保管情報をRAMから削除する(ステップS44)。
このようにして、保管場所候補抽出部104は、場所情報マスタ(図9(c)参照)を用いて、保管場所候補を更に絞り込む。
一方、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、第N番目の物品組の重量が、保管場所候補になっている全ての保管場所において、重量閾値以下と判定すると(ステップS43:Yes)、物品組の重量による保管場所候補の絞り込みを行う必要がないので、ステップS44をスキップして、この場所情報を反映させた検索を終了する。
また、制御部100(保管場所候補抽出部104)は、ステップS41で、第N番目の物品組と同じ種類の物品組が、ステップS10で抽出された保管場所に保管されていないと判定すると、場所情報マスタ(図9(c)参照)を用いた保管場所候補の絞り込みができないので、ステップS42〜S44をスキップして、この場所情報を反映させた検索を終了する。
場所情報を反映させた検索が終了すると、制御部100(費用算出部105)は、図17のステップS23で示すように、RAMに記憶されている保管場所候補毎に、運搬費用および保管費用を算出する(ステップS23)。
ステップS23では、制御部100(費用算出部105)は、次のようにして、運搬費用を求める。即ち、制御部100(費用算出部105)は、運搬費用の算出に必要な相関度を求めるために、まず、保管場所候補に既に保管されている物品の形名を、RAMに記憶された保管情報(保管候補の保管場所に対応する保管情報、図10参照)から取得する。そして、制御部100(費用算出部105)は、取得した形名と、第N番目の優先順位の物品組の形名とを用いて、物品情報マスタ記憶部121に記憶された物品群マスタ(図3参照)に示す情報から、保管場所候補毎に相関度を取得する(図12参照)。そして、制御部100(費用算出部105)は、保管場所候補毎の相関度を用いて、費用情報マスタ記憶部123に記憶された相関度変換マスタ(図9(b)参照)に示す情報から、保管場所候補毎の評価係数を取得する(図12参照)。
次に、制御部100(費用算出部105)は、倉庫情報マスタ記憶部122に記憶された倉庫内情報マスタ(図6参照)から、入庫口までの距離および出庫口までの距離を、保管場所候補毎に取得する(図12参照)。そして、制御部100(費用算出部105)は、例えば次のようにして、運搬費用を求める。即ち、制御部100(費用算出部105)は、例えば、入庫口までの距離と出庫口までの距離とを加算し、その加算値に、費用情報マスタ記憶部123に記憶された移動時間工数(図9(a)参照)を乗算する。そして、制御部100(費用算出部105)は、乗算値に、費用情報マスタ記憶部123に記憶された荷役単価(図9(a)参照)を乗算し、その値を評価係数で除算する。制御部100(費用算出部105)は、この計算を、保管場所候補毎に行うことで、保管場所候補毎に運搬費用を算出する(図12参照)。
また、ステップS23では、制御部100(費用算出部105)は、次のようにして、保管費用を求める。即ち、制御部100(費用算出部105)は、第N番目の優先順位の物品組の体積(ステップS7で求めた物品組の物品情報に含まれる情報)に、費用情報マスタ記憶部123に記憶された保管単価(図9(a)参照)を、乗算する。そして、制御部100(費用算出部105)は、乗算値を、空間充填率で除算する。更に、制御部100(費用算出部105)は、除算値から、次の値、即ち、重量補充率に除算値を乗算して2分の1した値を、減算する。制御部100(費用算出部105)は、この計算を、保管場所候補毎に行うことで、保管場所候補毎に保管費用を算出する(図13参照)。なお、制御部100(費用算出部105)は、保管費用の算出に使用する空間充填率および重量充填率を、RAMに記憶された保管情報から取得する。
上述した算出方法によって、制御部100(費用算出部105)は、運搬費用および保管費用を算出する。
その後、制御部100(費用算出部105)は、算出した運搬費用と保管費用とを保管場所候補毎に合計して想定費用を算出し、想定費用と保管場所候補とを対応付ける。そして、制御部100(費用算出部105)は、想定費用の低い順に保管場所候補を並び替えた情報を生成する(ステップS23,図14参照)。
ステップS23の実行後、制御部100(保管場所候補出力部106)は、制御部100(費用算出部105)で生成された情報(図14参照)に、荷積みNoを示す情報と、保管場所を選択する選択ボタンを構成する情報と、備考情報と、を対応付けた対応情報を、対応情報を表示可能な表示部140へ出力する(ステップS24)。これにより、表示部140は、対応情報を、表示部140の保管場所候補表示領域に表示する(図15参照)。
なお、制御部100(保管場所候補出力部106)は、荷積みNoを、次のようにして、制御部100(費用算出部105)で生成された情報(図14参照)に対応付ける。即ち、制御部100(保管場所候補出力部106)は、第N番目の優先順位の物品組の形名と一致する形名を含む荷積みマスタ(図5参照)を、倉庫情報マスタ記憶部122から検索する。そして、制御部100(保管場所候補出力部106)は、検索した荷積みマスタに含まれる保管機器コードと、倉庫内情報マスタ(図6参照)に含まれる保管場所Noと、制御部100(費用算出部105)で生成された保管場所候補を含む情報(図14参照)とから、保管場所候補に対応する荷積みNoを特定し、特定した荷積みNoを、制御部100(費用算出部105)で生成された情報に対応付ける。
また、制御部100(保管場所候補出力部106)は、備考情報(図15参照)に含まれる情報のうち入庫口までの距離および出庫口までの距離を示す情報を、次のようにして、制御部100(費用算出部105)で生成された情報(図14参照)に対応付ける。即ち、制御部100(保管場所候補出力部106)は、制御部100(費用算出部105)で生成された情報に含まれる保管場所Noと一致する保管場所Noを、倉庫情報マスタ記憶部122に記憶された倉庫内情報マスタ(図6参照)から検索する。そして、制御部100(保管場所候補出力部106)は、一致する保管場所Noに対応付けられている、入庫口までの距離および出庫口までの距離を示す情報を、制御部100(費用算出部105)で生成された情報(図14参照)に対応付ける。
更に、制御部100(保管場所候補出力部106)は、備考情報(図15参照)に含まれる情報のうち空間充填率および重量充填率入を示す情報を、次のようにして、制御部100(費用算出部105)で生成された情報(図14参照)に対応付ける。即ち、制御部100(保管場所候補出力部106)は、制御部100(費用算出部105)で生成された情報に含まれる保管場所Noと一致する保管場所Noを、保管情報記憶部124に記憶されている保管情報(図10参照)から検索する。そして、制御部100(保管場所候補出力部106)は、一致する保管場所Noに対応付けられている、空間充填率および重量充填率を示す情報を、制御部100(費用算出部105)で生成された情報(図14参照)に対応付ける。
また、ステップS24で、制御部100(保管場所候補出力部106)は、想定費用が最も低い保管場所No「A−1」の備考情報(条件を示す情報)として、「最小費用」のコメントを対応付ける。また、制御部100(保管場所候補出力部106)は、保管場所No「A−2」の備考情報(条件を示す情報)として、保管場所No「A−2」が保管場所候補の中で最も出庫口に近いことを表す「出庫重視」のコメントを対応付ける。更に、制御部100(保管場所候補出力部106)は、保管場所No「A−3」の備考情報(条件を示す情報)として、保管場所No「A−3」が保管場所候補の中で最も重量充填率が低いことを表す「重量充填率上昇重視」のコメントを対応付ける。そして、制御部100(保管場所候補出力部106)は、保管場所No「B−1」の備考情報(条件を示す情報)として、保管場所No「B−1」が保管場所候補の中で最も空間充填率が低いことを表す「空間充填率上昇重視」のコメントを対応付ける。このような対応付けが行われた情報が、ステップS24で、表示部140の保管場所候補表示領域に表示される(図15参照)。
また、ステップS24で、制御部100(保管場所候補出力部106)は、物品組の入庫および出庫がスムースに行えるよう、保管場所の地図を示す情報を、表示部140へ出力する。
なお、ステップS24では、制御部100(保管場所候補出力部106)は、表示部140に出力した情報を、更に、例えば倉庫内に設置された大型ディスプレイに出力することで、表示部140に表示された画面と同一の画面を大型ディスプレイで表示することを可能にしてもよい。
ステップS24の実行後、制御部100は、表示部140に表示された決定ボタン(図15参照)がユーザによって押されることで、保管場所の決定が行われたか否かを判定する(ステップS25)。制御部100は、表示部140に表示された決定ボタン(図15参照)が押されていない、即ち、保管場所の決定が行われていないと判定すると(ステップS25:No)、ステップS25へ戻る。一方、制御部100は、表示部140に表示された決定ボタンが押された、即ち、保管場所の決定が行われたと判定すると(ステップS25:Yes)、ステップS26へ移行する。
ステップS26では、制御部100(保管情報更新部107)は、保管情報記憶部124に記憶された保管情報を更新する(ステップS26)。具体的には、制御部100(保管情報更新部107)は、物品組の保管場所が決定されると、ステップS8で算出した予定空間充填率のうち、決定された保管場所に対応する予定空間充填率を、保管情報記憶部124に記憶する。また、制御部100(保管情報更新部107)は、物品組の保管場所が決定されると、ステップS8で算出した予定重量充填率のうち、決定された保管場所に対応する予定重量充填率を、保管情報記憶部124に記憶する。また、制御部100(保管情報更新部107)は、物品組の保管場所が決定されると、ステップS6で求めた保管機器の必要数のうち、決定された保管場所に対応する保管機器の必要数を、保管情報記憶部124に記憶する。
ステップS26の実行後、制御部100は、優先順位が付与された全ての物品組の保管場所が決定したか否かを判定する(ステップS27)。具体的には、制御部100は、カウンタNの値が、優先順位の最大値と同じであるか否かを判定する。制御部100は、優先順位が付与された全ての物品組の保管場所が決定していないと判定すると(ステップS27:No)、カウンタNの値を1増加させ(ステップS28)、図16に示すステップS5へ戻る。一方、制御部100は、優先順位が付与された全ての物品組の保管場所が決定したと判定すると(ステップS27:Yes)、この保管場所候補検索処理を終了する。
上述した通り、実施の形態1の支援装置10は、保管対象の物品(保管先を探している物品)に関する情報に基づき、保管対象の物品を保管する保管場所の候補(保管場所候補)を倉庫内の複数の保管場所から抽出する。また、支援装置10は、抽出した保管場所候補に保管対象の物品を保管すると仮定した場合に想定される想定費用(保管対象の物品の入庫から出庫までに費やされる想定費用)を算出する。そして、支援装置10は、算出した想定費用を示す情報を、保管場所候補を示す情報と共に、情報の表示が可能な表示部に出力することで、保管対象である物品の保管場所のユーザによる決定を支援する。よって、支援装置10によれば、ユーザが、物品の入庫から出庫までに費やされる費用が割高になる保管場所に、物品の保管場所を決定することを防止することが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施の形態の支援装置10は、運搬費用の算出の際、物品群間の相関度(図3参照)を、相関度変換情報(図9(a)参照)に当てはめて、次に示す4つの評価係数に変換した。即ち、支援装置10は、物品群間の相関度を、0.5(相関度が0.00以上0.25未満の場合),1.0(相関度が0.25以上0.50未満の場合),1.5(相関度が0.50以上0.75未満の場合),2.0(相関度が0.75以上1.00以下の場合)の評価係数に変換したが、これに限られるものではない。例えば、ある保管場所への保管を想定した保管対象の物品と、ある保管場所の近所の保管場所に既に保管されている物品との相関度が高くなればなるほど、実施の形態の支援装置10よりも、更に、算出される想定費用が低くなるようにしたい場合には、評価係数を次のようにすればよい。即ち、例えば、相関度が0.00以上0.25未満の場合および相関度が0.25以上0.50未満の場合の評価係数を支援装置10と同じにする一方で、相関度が0.50以上0.75未満の場合の評価係数を例えば2.0にして、相関度が0.75以上1.00以下の場合の評価係数を例えば3.0にしてもよい。
なお、上記実施形態において、支援装置10を制御するプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムを、コンピュータ等にインストールすることにより、図16〜図18に示す処理を実行する支援装置を構成することとしてもよい。
また、上述のプログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
また、上述の図16〜図18に示す処理を、各OS(Operating System)が分担して実現する場合、又は、OSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。