初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、各ブロック図のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
上述の通り、保管対象物品、及び保管場所の収納状態に応じて、適切な保管場所を決定することに貢献する管理装置が望まれる。
そこで、一例として、図1に示す管理装置1000を提供する。管理装置1000は、記憶部1001と、条件生成部1002と、候補選定部1003と、保管判断部1004とを備える。
記憶部1001は、物品の特性に関する情報と、収納空間に関する情報とを記憶する。
条件生成部1002は、保管対象物品の特性に関する要求条件と、該保管対象物品の占有空間に関する要求条件とを生成する。
候補選定部1003は、要求条件に基づいて、保管場所候補を選定し、選定した該保管場所候補の優先順位を決定する。
保管判断部1004は、保管場所候補の収納状態に基づいて、保管対象物品を保管可能であるか否かを判断する。さらに、保管判断部1004は、保管対象物品を保管可能である保管場所候補から、優先順位に基づいて、保管場所を決定する。
従って、管理装置1000は、保管対象物品、及び保管場所の収納状態に応じて、適切な保管場所を決定することに貢献する。さらに、管理装置1000は、保管場所の収納状態に応じて、保管対象物品の保管場所を決定するので、保管場所の収納効率を向上することに貢献する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。管理システム1は、管理装置100と、作業者端末300と、を含んで構成される。なお、図2は、管理システム1の構成の一例であり、管理システム1の構成を、図2に示す構成に限定する趣旨ではない。
管理装置100は、作業者端末300とネットワーク200を介して接続する。ネットワーク200は、インターネット、イントラネット、ローカルネットワーク等であってもよく、その詳細は問わない。
作業者端末300は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。作業者端末300は、保管対象物品の情報(製品番号、数等)を、ネットワーク200を介して、管理装置100に送信する。
また、作業者端末300は、管理装置100から提供される保管先指定情報を出力する。例えば、作業者端末300は、印刷処理、ディスプレイ等への表示処理等を行い、保管先指定情報を出力する。
保管先指定情報は、保管対象物品の保管場所を示す文字列(棚番号)、保管場所へ保管対象物品を保管することを指示するメッセージを含む。また、管理装置100が保管場所を決定できなかった場合、保管場所指定情報は、保管場所を決定できなったことを示すメッセージを含んでもよい。
管理装置100は、ワークステーション、サーバ等の情報処理装置である。管理装置100は、作業者端末300から、保管対象物品の情報を受信し、受信した情報を利用して、該保管対象物品の保管場所を決定する。そして、管理装置100は、保管場所指定情報を作業者端末300に送信する。
次に、作業者端末300について詳細に説明する。
作業者端末300は、端末通信部301と、端末制御部302と、端末出力部303と端末入力部304とを含んで構成される。なお、作業者端末300は、作業者端末300を動作させるために必要な情報を記憶するメモリ(図示せず)等、他のモジュールを含んでもよいことは勿論である。
端末通信部301は、ネットワーク200と接続し、端末制御部302の指示に従い、管理装置100と通信する。端末通信部301は、NIC(Network Interface Card)等を用いて実現される。端末通信部301は、管理装置100に、保管対象物品の情報を送信する。また、端末通信部301は、管理装置100から、保管場所指定情報を受信する。
端末制御部302は、作業者端末300の各モジュールを制御する。端末制御部302は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて実現される。
端末出力部303は、管理装置100から送信された保管場所指定情報を出力する。例えば、端末出力部303は、ディスプレイ(図示せず)に情報を表示させてもよい。また、端末出力部303は、プリンタ(図示せず)に情報を印刷させてもよい。端末出力部303は、情報を出力できれば、その詳細は問わない。
端末入力部304は、情報の入力を受け付ける。特に、端末入力部304は、保管対象物品を識別する情報、保管対象物品の保管対象数量等の入力を受け付ける。例えば、端末入力部304は、キーボード、タッチパネル、音声入力手段等を用いて実現される。端末入力部304は、情報を受け付けることができれば、その詳細は問わない。なお、以下の説明では、物品を識別する情報として、物品番号を例示して説明する。
次に、管理装置100について詳細に説明する。
管理装置100は、管理装置通信部101と、管理装置制御部102と、管理装置出力部103と、管理装置入力部104と、管理装置記憶部105とを含んで構成される。
管理装置通信部101は、ネットワーク200と接続し、管理装置制御部102の指示に従い、作業者端末300と通信する。管理装置通信部101は、NIC等を用いて実現される。管理装置通信部101は、作業者端末300から、保管対象物品の情報を受信する。また、管理装置通信部101は、作業者端末300に、保管場所指定情報を送信する。
管理装置制御部102は、管理装置100の各モジュールを制御する。管理装置制御部102は、CPU等を用いて実現される。
管理装置出力部103は、管理装置制御部102の指示に基づいて、各種の処理結果を出力する。例えば、管理装置出力部103は、ディスプレイ(図示せず)に情報を表示させてもよい。また、管理装置出力部103は、プリンタ(図示せず)に情報を印刷させてもよい。管理装置出力部103は、情報を出力できれば、その詳細は問わない。
管理装置入力部104は、情報の入力を受け付ける。特に、管理装置入力部104は、保管場所の特性に関する情報、保管場所のサイズ(棚のサイズ)等の情報の入力を受け付ける。例えば、管理装置入力部104は、キーボード、タッチパネル、音声入力手段等を用いて実現される。管理装置入力部104は、情報を受け付けることができれば、その詳細は問わない。
管理装置記憶部105は、管理装置100を動作させるために必要な情報を記憶する。管理装置記憶部105は、磁気ディスク装置や光ディスク装置、半導体メモリによって実現される。
具体的には、管理装置記憶部105は、条件生成部111と、候補選定部113と、保管判断部115と、物品情報データベース121と、棚属性情報データベース122と、保管情報データベース123と、保管場所候補テーブル124と、評価値判断テーブル125とを含んで構成される。条件生成部111は、条件生成プログラム112を含んで構成される。候補選定部113は、候補選定プログラム114を含んで構成される。保管判断部115は、保管判断プログラム116を含んで構成される。
以下の説明では、説明の便宜上、管理装置制御部102が、管理装置記憶部105が記憶するモジュールを読み出し、処理を実行することを、「該モジュールが処理を実行する」と表現する。また、条件生成部111、候補選定部113、保管判断部115は、夫々、一次記憶領域(図示せず)を含むものとする。
条件生成部111は、保管対象物品の特性に関する要求条件と、該保管対象物品の占有空間に関する要求条件とを生成する。具体的には、条件生成部111は、保管対象物品の特性に関する要求条件として、収納空間の環境に関する要求条件を生成する。
要求条件は、物品条件と、保管場所条件と、重要度と、1又は2以上の判定基準とを含んで構成される。ここで、物品条件とは、保管対象物品に関する条件を意味する。また、保管場所条件とは、物品を保管する場所に関する条件である。
例えば、保管対象物品の特性に関する要求条件のうち、物品条件とは、保管対象物品を保管する際に、セキュリティ管理(情報保護)が必要であるか否かに関する条件であってもよい。該物品条件に対応する保管場所条件は、保管場所がセキュリティ管理(情報保護)されているエリアであるか否かに関する条件であってもよい。セキュリティ管理されているエリアとは、特定の人物以外の入場(入室)を禁止しているエリア等である。
また、保管対象物品の特性に関する要求条件のうち、物品条件とは、保管対象物品が磁気を発生するか否かに関する条件であってもよい。該物品条件に対応する保管場所条件は、磁気を発生する物品を保管可能であるか否かに関する条件であってもよい。
また、保管対象物品の特性に関する要求条件のうち、物品条件とは、保管対象物品を保管する際に、温度、及び/又は湿度を管理する必要があるか否かに関する条件であってもよい。該物品条件に対応する保管場所条件は、保管場所において、温度、及び/又は湿度が管理されているか否かに関する条件であってもよい。
また、保管対象物品の特性に関する要求条件のうち、物品条件とは、物品の重量に関する条件であってもよい。該物品条件に対応する保管場所条件は、保管場所(例えば、棚等)の耐荷重に関する条件であってもよい。
また、保管対象物品の占有空間に関する要求条件のうち、物品条件とは、保管対象物品のサイズ(幅、奥行き、高さ)に関する条件であってもよい。該物品条件に対応する保管場所条件は、保管場所(棚等)のサイズ(幅、奥行き、高さ)に関する条件であってもよい。
条件生成部111は、重要度が所定の閾値より低い第1の要求条件に関して、該第1の要求条件を満たす物品の数が、重要度が該所定の閾値を越える第2の要求条件を満たす物品の数より多くなるように、第1の要求条件の判定基準、及び第2の要求条件の判定基準を決定してもよい。
本実施形態に係る管理システム1においては、保管対象物品の特性に関する要求条件の重要度は、所定の閾値を越えるものとする。一方、保管対象物品の占有空間に関する要求条件の重要度は、該所定の閾値より低いものとする。
また、条件生成部111は、所定の範囲内の重要度である、2以上の要求条件を組み合わせて、一群の要求条件を生成してもよい。その場合、条件生成部111は、2以上の要求条件と、一の重要度とを対応付けて、一群の要求条件を生成してもよい。
候補選定部113は、要求条件に基づいて、保管場所候補を選定し、選定した該保管場所候補の優先順位を決定する。具体的には、判断対象の収納空間が、所定の閾値を越える重要度の要求条件を満たす場合、候補選定部113は、該収納空間を、保管場所候補として選定する。候補選定部113は、保管場所候補を選定した場合、保管場所候補テーブル124を生成する。保管場所候補テーブル124の詳細については後述する。
上記の通り、本実施形態に係る管理システム1においては、保管対象物品の特性に関する要求条件の重要度は、所定の閾値を越えるものとする。一方、保管対象物品の占有空間に関する要求条件の重要度は、該所定の閾値より低いものとする。そのため、本実施形態に係る管理システム1においては、判断対象の収納空間が、保管対象物品の特性に関する要求条件を満たす場合、候補選定部113は、該収納空間を、保管場所候補として選定する。
さらに、候補選定部113は、重要度に基づいて、要求条件を判断する順番を決定し、決定した該順番に従い、保管場所候補が要求条件を満たすか否かを判断する。
また、候補選定部113は、重要度が所定の閾値より低い要求条件が、2以上の判定基準を含む場合であり、且つ判断対象の収納空間が該要求条件の少なくとも一の判定基準を満たす場合、該収納空間が要求条件を満たすと判断する。
また、候補選定部113は、重要度が所定の閾値より低い要求条件に関して、該要求条件の判定基準を満たさない場合、該要求条件を判断対象から除外してもよい。例えば、候補選定部113は、保管対象物品の占有空間に関する要求条件に関して、該要求条件の判定基準を満たさない場合、該要求条件を判断対象から除外してもよい。
また、条件生成部111が、所定の範囲内の重要度である、2以上の要求条件を組み合わせて、一群の要求条件を生成した場合、候補選定部113は、該一群の要求条件に基づいて、保管場所候補を選定する。ここで、候補選定部113は、一群の要求条件を判断する場合、該一群の要求条件に含まれる、各要求条件の判定基準を満たすか否かを判断する。
そして、候補選定部113は、判定基準を満たす要求条件の数と、要求条件の重要度とに基づいて、保管場所候補の優先順位を決定する。具体的には、候補選定部113は、判定基準を満たす要求条件の数と、要求条件の重要度とに基づいて、保管場所候補に対応する評価値を算出する。そして、候補選定部113は、算出した評価値に基づいて、保管場所候補の優先順位を決定する。
保管判断部115は、候補選定部113が選定した保管場所候補の収納状態に基づいて、保管対象物品を保管可能であるか否かを判断する。保管判断部115は、保管対象物品を保管可能である保管場所候補から、保管場所候補の優先順位に基づいて、保管場所を決定する。そして、保管判断部115は、決定した保管場所を通知する処理を実行する。
物品情報データベース121は、物品の特性に関する情報を格納する。また、物品情報データベース121は、物品のサイズ(幅、奥行き、高さ)に関する情報を格納する。
図3は、物品情報データベース121が格納する情報の一例を示す図である。物品情報データベース121は、図3に示す「物品番号」の項目に、物品を識別する情報を格納してもよい。
物品情報データベース121は、「磁気発生」の項目に、物品が磁気を発生するか否かを示す情報を格納してもよい。具体的には、物品情報データベース121は、磁気を発生する物品、又は磁気の影響を受けない物品(例えば、プラスチック製品)であるか否かを示す情報を、「磁気発生」の項目に格納してもよい。例えば、図3において、「磁気発生」の項目に「○」記号が付された物品(物品番号「P19841245」の物品)は、磁気を発生する物品、又は磁気の影響を受けない物品であることを示す。
物品情報データベース121は、「情報保護」の項目に、物品のセキュリティ管理の是非に関する情報を格納してもよい。例えば、図3において、「情報保護」の項目に「○」記号が付された物品(物品番号「P52024001」、「P52024141」、「P64578217」の物品)は、セキュリティ管理を必要とする物品であることを示す。例えば、物品が顧客情報を含む場合には、該物品は、セキュリティ管理を必要とする物品に該当する。
物品情報データベース121は、「温湿度管理」の項目に、物品の温度管理、及び/又は湿度管理の是非に関する情報を格納してもよい。例えば、図3において、「温湿度管理」の項目に「○」記号が付された物品(物品番号「P52024141」、「P71349965」の物品)は、温湿度管理を必要とする物品であることを示す。
物品情報データベース121は、「重量(0.1kg)」の項目に、物品の重量に関する情報を格納してもよい。例えば、図3に示す物品番号「P52024001」の物品の重量は、3.7kgである。
物品情報データベース121は、「幅(mm)」、「奥行き(mm)」、「高さ(mm)」の項目に、物品のサイズに関する情報を格納してもよい。
例えば、図3に示す「磁気発生」、「情報保護」、「温湿度管理」、「重量」の項目は、保管対象物品の特性に関する情報を示す。また、図3に示す「磁気発生」、「情報保護」、「温湿度管理」、「重量」の項目は、保管対象物品の特性に関する要求条件のうち、物品条件に関連する情報である。
また、図3に示す「幅(mm)」、「奥行き(mm)」、「高さ(mm)」の項目は、保管対象物品の占有空間に関する情報を示す。また、図3に示す「幅(mm)」、「奥行き(mm)」、「高さ(mm)」の項目は、保管対象物品の占有空間に関する要求条件のうち、物品条件に関連する情報である。
管理装置通信部101が、作業者端末300から、保管対象物品の特性に関する情報、及び保管対象物品の占有空間に関する情報を受信したとする。その場合、管理装置制御部102は、受信した情報を、物品情報データベース121に登録する。
棚属性情報データベース122は、収納空間に関する情報を記憶する。また、棚属性情報データベース122は、収納空間の環境に関する情報を記憶する。
図4は、棚属性情報データベース122が格納する情報の一例を示す図である。棚属性情報データベース122は、「棚番号」の項目に、保管場所である棚を識別する情報を格納してもよい。例えば、棚番号は、棚毎に一意に割り当てられた番号であってもよい。
棚属性情報データベース122は、「幅(mm)」、「奥行き(mm)」、「高さ(mm)」の項目に、棚のサイズに関する情報を格納してもよい。
棚属性情報データベース122は、「耐荷重(kg)」の項目に、棚の耐荷重に関する情報を格納してもよい。つまり、棚属性情報データベース122は、対応する「棚番号」の棚に保管可能物品に関する、重量の上限に関する情報を格納してもよい。例えば、図4において、棚番号「334C2」の棚は、物品を750kgまで保管可能であることを示す。
棚属性情報データベース122は、「磁気」の項目に、磁気を発生する物品を保管可能であるか否かを示す情報を格納してもよい。例えば、図4において、「磁気」の項目に「○」記号が付された棚(棚番号「334C2」の棚)は、磁気を発生する物品を保管可能であることを示す。なお、所定項目に「×」記号の付された棚は、保管が不適当であることを示す。
棚属性情報データベース122は、「情報保護」の項目に、セキュリティ管理を必要とする物品を保管可能であるか否かを示す情報を格納してもよい。例えば、図4において、「情報保護」の項目に「○」記号が付された棚(棚番号「337B4」、「340M1」、「352A3」の棚)は、セキュリティ管理を必要とする物品を保管可能であることを示す。
棚属性情報データベース122は、「温湿度管理」の項目に、対応する「棚番号」の棚を含む空間が、温湿度管理されているか否かを示す情報を格納してもよい。例えば、図4において、「温湿度管理」の項目に「○」記号が付された棚(棚番号「340M1」、「352A3」の棚)を含む空間は、温湿度管理されていることを示す。
棚属性情報データベース122は、「重量物保管」の項目に、所定の閾値を越える重量の物品を保管可能であるか否かを示す情報を格納してもよい。例えば、図4において、「重量物保管」の項目に「○」記号が付された棚(棚番号「340M1」、「220A1」の棚)は、所定の閾値を越える重量の物品を保管可能であることを示す。
例えば、図4に示す「耐荷重」、「磁気」、「情報保護」、「温湿度管理」、「重量物保管」の項目は、保管対象物品の特性に関する要求条件のうち、保管場所条件に関連する情報である。また、図4に示す「幅(mm)」、「奥行き(mm)」、「高さ(mm)」の項目は、保管対象物品の占有空間に関する要求条件のうち、保管場所条件に関連する情報である。
管理装置入力部104が、保管対象物品の特性に関する要求条件のうち、保管場所条件に関連する情報、及び保管場所条件に関連する情報の入力を受け付けたとする。その場合、管理装置制御部102は、受け付けた情報を、棚属性情報データベース122に登録する。
保管情報データベース123は、現在の保管状態に関する情報を格納する。
図5は、保管情報データベース123が格納する情報の一例を示す図である。保管情報データベース123は、「棚番号」の項目に、保管場所である棚を識別する情報を格納してもよい。保管情報データベース123は、「物品番号」の項目に、対応する棚番号の棚に保管される物品を識別する情報を格納してもよい。保管情報データベース123は、「保管数量」の項目に、対応する棚番号の棚に保管される物品の数量を格納してもよい。例えば、図5は、棚番号「340M1」の棚に、物品番号「P64578217」の物品が2個と、物品番号「P52024001」の物品が2個、保管されていることを示す。
保管場所候補テーブル124は、候補選定部113が選定した保管場所候補に関する情報を格納する。
図6は、保管場所候補テーブル124が格納する情報の一例を示す図である。候補選定部113は保管場所候補を選定した場合、選定した保管場所候補の棚に対応する棚番号を、保管場所候補テーブル124の「棚番号」の項目に登録する。さらに、候補選定部113は、棚属性情報データベース122を参照し、保管場所候補の棚に対応する、幅(mm)、奥行き(mm)、高さ(mm)を、保管場所候補テーブル124の「幅(mm)」、「奥行き(mm)」、「高さ(mm)」の項目に登録する。同様に、候補選定部113は、棚属性情報データベース122を参照し、保管場所候補の棚に対応する耐荷重(kg)を、保管場所候補テーブル124の「耐荷重(kg)」の項目に登録する。
また、候補選定部113は、保管場所候補の棚に対応する評価値を算出した場合、保管場所候補テーブル124の「評価値」の項目に、算出した評価値を格納する。
評価値判断テーブル125は、保管対象物品の物品番号の項目と、1又は2以上の要求条件に対応する、保管対象物品に関する情報とを対応付けたテーブルである。
図7は、本実施形態に係る評価値判断テーブル125が格納する情報の一例を示す図である。図7は、本対象物品の物品番号が「P19841245」であることを示す。図7に示す「情報A」、「情報B」、「情報C」の項目には、夫々、異なる要求条件に対応する、保管対象物品に関する情報が格納される。
次に、本実施形態に係る管理システム1の動作について詳細に説明する。
図8は、保管場所候補を選定する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップA1において、作業者端末300は、物品番号、及び保管対象数量等を、管理装置100に送信する。ステップA2において、管理装置100は、物品番号、及び保管対象数量等を、作業者端末300から受信する。
ステップA3において、候補選定部113は、物品情報データベース121から、保管対象物品の特性に関する情報を抽出する。具体的には、候補選定部113は、受信した保管対象物品の物品番号に対応する、物品情報データベース121のレコードを参照する。候補選定部113は、参照した物品情報データベース121のレコードのうち、「磁気発生」、「情報保護」、「温湿度管理」、「重量」の項目のうち、「○」記号が付された項目に関して、項目名(「磁気発生」、「情報保護」、「温湿度管理」、「重量」等)を、保管対象物品の特性に関する情報として、候補選定部113の一時記憶領域に記憶する。
ステップA4において、候補選定部113は、棚属性情報データベース122から、保管対象物品の特性に関する情報に対応するレコードを抽出する。具体的には、候補選定部113は、受信した保管対象物品の特性に対応する、棚属性情報データベース122のレコードを抽出する。例えば、「情報保護」の項目名が、保管対象物品の特性に関する情報として、候補選定部113の一時記憶領域に記憶されているとする。その場合、候補選定部113は、棚属性情報データベース122のレコードであって、「情報保護」の項目に、「○」記号が付されたレコードを、棚属性情報データベース122から抽出する。候補選定部113は、他の項目(「磁気発生」、「温湿度管理」、「重量」)についても、同様に、「○」記号が付されたレコードを、棚属性情報データベース122から抽出する。
ステップA5において、候補選定部113は、保管場所候補テーブル124を作成する。
さらに、候補選定部113は、棚属性情報データベース122から抽出した、保管対象物品の特性に関する情報に対応するレコードのうち、「棚番号」の項目のデータと、「幅(mm)」の項目のデータと、「奥行き(mm)」の項目のデータと、「高さ(mm)」の項目のデータとを対応付けて、保管場所候補テーブル124として生成する。候補選定部113は、生成した保管場所候補テーブル124に含まれる、各「棚番号」に対応するレコードに、「評価値」の項目を追加する。候補選定部113は、追加した「評価値」の項目に、評価値の初期値(例えば、評価値=0)を格納する。
ステップA6において、評価値判断テーブル125に、データが登録されたレコードが、一件以上あるか否かを、候補選定部113は判断する。評価値判断テーブル125に、データが登録されたレコードがない場合(ステップA6のNO分岐)には、候補選定部113は、保管場所を確定できない旨を示す保管場所情報を、作業者端末300へ送信する(ステップA9)。
一方、評価値判断テーブル125に、データが登録されたレコードが、一件以上ある場合(ステップA6のYES分岐)には、候補選定部113は、評価値判断テーブル125を生成する(ステップA7)。具体的には、候補選定部113は、保管対象物品の物品番号の項目と、1又は2以上の要求条件に対応する情報を格納するための項目と、を含むテーブルを、評価値判断テーブル125として生成する。そして、候補選定部113は、評価値判断テーブル125の「物品番号」の項目に、保管対象物品の物品番号を格納する(ステップA8)。そして、図9に示すステップA21に遷移する。
図9は、要求条件を満たすか否かを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップA21において、候補選定部113は、評価値判断テーブル125の各項目に、対応する情報を格納する。ステップA22において、保守対象物品が判断対象の要求条件のうち、物品条件を満たすか否かを、候補選定部113は判断する。保守対象物品が判断対象の要求条件のうち、物品条件を満たす場合(ステップA22のYES分岐)には、ステップA23に遷移する。一方、保守対象物品が判断対象の要求条件のうち、物品条件を満たさない場合(ステップA22のNO分岐)には、ステップA26に遷移する。
ステップA23において、候補選定部113は、保管場所候補テーブル124に含まれるレコードから、判断対象の棚のレコードを抽出する。ステップA24において、候補選定部113は、判断対象の棚が保管場所条件を満たす場合、判断対象の棚に対応する評価値を上げる。候補選定部113は、保管場所候補テーブル124に、加算した評価値を登録する。
例えば、判断対象の棚が要求条件を満たす場合、判断対象の棚に対応する評価値に、1を加算してもよい。その場合、判断対象の棚に対応する評価値は、判断基準を満たす要求条件の個数に相当する。
ステップA25において、保管場所候補テーブル124の全てのレコードを参照したか否かを、候補選定部113は判断する。保管場所候補テーブル124の全てのレコードを参照していない場合(ステップA25のNO分岐)には、候補選定部113は、次の判断対象のレコードを抽出する(ステップA26)。そして、ステップA23に戻り、処理を継続する。一方、保管場所候補テーブル124の全てのレコードを参照した場合(ステップA25のYES分岐)には、ステップA27に遷移する。
ステップA27において、全ての要求条件を判断したか否かを、候補選定部113は判断する。全ての要求条件を判断した場合(ステップA27のYES分岐)には、図10に示すステップA41に遷移する。一方、全ての要求条件を判断していない場合(ステップA27のNO分岐)には、候補選定部113は、次の判断対象の要求条件を選択する(ステップA28)。
図10は、保管場所候補の保管上限数を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップA41において、保管判断部115は、保管場所候補テーブル124から、所定の閾値を越える評価値に対応するレコードを抽出する。ステップA42において、保管判断部115は、保管場所候補テーブル124において、保管判断部115は、所定の閾値を越える評価値に対応するレコードのうち、判断対象の棚のレコードを抽出する。例えば、保管場所候補テーブル124に登録された、各棚番号に対応する評価値が、物品条件および保管場所条件を満たす要求条件の個数に相当するとする。その場合、評価値が高いレコードに対応する棚番号の棚ほど、物品条件および保管場所条件を満たす要求条件の個数が多い棚であることを示す。
ステップA43において、保管判断部115は、保管情報データベース123から、判断対象の棚番号に対応するレコードを抽出する。ステップA44において、保管判断部115は、保管情報データベース123から、判断対象の棚番号に対応する、判断対象の既保管物品のレコードを抽出する。
ステップA45において、保管判断部115は、保管情報データベース123から、判断対象の既保管物品の「保管数量」を抽出する。ステップA46において、保管判断部115は、物品情報データベース121を参照し、判断対象の既保管物品の「幅」、「奥行き」、「高さ」を抽出する。ステップA47において、保管判断部115は、判断対象の既保管物品に関して、保管場所候補テーブル124から、判断対象の棚の保管上限数を算出する。そして、図11に示すステップA61に遷移する。
具体的には、保管判断部115は、以下の式1から式4を用いて、保管上限数を算出する。
[式1]
X1=(保管情報データベース123に含まれる、判断対象の棚「幅」の項目の数値)/(物品情報データベース121に含まれる、保管対象物品の「幅」の項目の数値)
[式2]
Y1=(保管情報データベース123に含まれる、判断対象の棚「奥行き」の項目の数値)/(物品情報データベース121に含まれる、保管対象物品の「奥行き」の項目の数値)
[式3]
Z1=(保管情報データベース123に含まれる、判断対象の棚「高さ」の項目の数値)/(物品情報データベース121に含まれる、保管対象物品の「高さ」の項目の数値)
[式4]
図11は、判断対象の棚における、現状での累積使用空間割合を算出する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップA61において、保管判断部115は、判断対象の棚において、判断対象の既保管物品が空間を占有する割合を、使用空間割合として算出する。具体的には、保管判断部115は、以下の式5を用いて、使用空間割合を算出する。
[式5]
使用空間割合=(保管情報データベース123に含まれる、判断対象の棚「高さ」の項目の数値)/(判断対象の棚の保管上限数)
ステップA62において、保管判断部115は、判断対象の棚において、既保管物品が空間を占有している割合の合計を、累積使用空間割合として算出する。
ステップA63において、保管場所候補に対応する、全ての棚を参照したか否かを、保管判断部115は判断する。保管場所候補に対応する、全ての棚を参照した場合(ステップA63のYES分岐)には、図12に示すステップA81に遷移する。一方、保管場所候補に対応する、全ての棚を参照していない場合(ステップA63のNO分岐)には、図10に示すステップA48に遷移する。図10に示すステップA48において、保管判断部115は、保管情報データベース123から、判断対象の棚番号に対応する、既保管物品の次のレコードを抽出する。そして、図10に示すステップ45に戻り、処理を継続する。
図12は、保管場所を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップA81において、保管判断部115は、物品情報データベース121を参照し、保管対象物品の「幅」、「奥行き」、「高さ」を抽出する。ステップA82において、保管判断部115は、判断対象の棚に、保管対象物品を保管した場合における、使用空間割合、及び累積使用空間割合を算出する。
ステップA83において、判断対象の棚に、保管対象物品を保管した場合の累積使用空間割合が100%未満であるか否かを、保管判断部115は判断する。判断対象の棚に、保管対象物品を保管した場合の累積使用空間割合が100%未満である場合(ステップA83のYES分岐)には、保管判断部115は、判断対象の棚を、保管対象物品の保管場所として確定する(ステップA84)。保管判断部115は、確定した保管場所に対応する棚の棚番号等を、保管場所情報として、作業者端末300に送信する。一方、判断対象の棚に、保管対象物品を保管した場合の累積使用空間割合が100%以上である場合(ステップA83のNO分岐)には、ステップA85に遷移する。
ステップA85において、保管場所候補テーブル124において、所定の閾値を越える評価値に対応するレコードから全ての棚のレコードを参照したか否かを、保管判断部115は判断する。保管場所候補テーブル124において、所定の閾値を越える評価値に対応するレコードから全ての棚のレコードを参照した場合(ステップA85のYES分岐)には、ステップA86に遷移する。ステップA86において、保管判断部115は、保管場所候補の棚には、保管可能なスペースは無いと確定する。保管判断部115は、保管可能なスペースは無いことを示すメッセージを、保管場所情報として、作業者端末300に送信する。
一方、保管場所候補テーブル124において、所定の閾値を越える評価値に対応するレコードから全ての棚のレコードを参照していない場合(ステップA85のNO分岐)には、図10に示すステップA49に遷移する。図10に示すステップA49において、保管判断部115は、保管場所候補テーブル124から、次の判断対象の棚のレコードを抽出する。そして、図10に示すステップA43に戻り、処理を継続する。
図13は、作業者端末300の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップA101において、端末通信部301は、受信した保管場所情報を、端末出力部303へ送信する。ステップA102において、端末出力部303は、受信した保管場所情報を出力する。
以上のように、本実施形態に係る管理装置100は、保管対象物品の特性に関する要求条件と、該保管対象物品の占有空間に関する要求条件とに基づいて、保管対象物品の保管場所の候補を選定する。そして、本実施形態に係る管理装置100は、選定した保管場所候補収納状態に基づいて、保管対象物品を保管可能であるか否かを判断し、保管場所を決定する。その結果、本実施形態に係る管理装置100は、保管対象物品、及び保管場所の収納状態に応じて、適切な保管場所を決定することに貢献する。さらに、本実施形態に係る管理装置100は、保管場所の収納状態に応じて、保管対象物品の保管場所を決定するので、保管場所の収納効率を向上することに貢献する。
また、本実施形態に係る管理装置100は、保管対象物品を保管可能である収納空間を、保管場所として決定することで、保管作業を行う者(作業者)が、保管場所を決定する必要がない。そのため、本実施形態に係る管理装置100は、作業者が保管場所を判断するために要する工数を削減することに貢献する。さらに、本実施形態に係る管理装置100は、物品の保管条件に対する、作業者毎の判定基準の相違を防止することに貢献する。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
本実施形態は、保管場所候補に保管対象物品を保管できない場合、該保管場所候補に保管されている物品を、他の保管場所に移動する形態である。なお、本実施形態における説明では、上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。さらに、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の作用効果についても、その説明を省略する。
図14は、本実施形態に係る管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。図14に示す管理装置100aと、図2に示す管理装置100との相違点は、図14に示す管理装置100aは、保管場所変更部117と、保管場所変更プログラム118と、出荷履歴データベース126とを含んで構成される点である。
本実施形態に係る管理装置記憶部105aは、保管場所変更部117を含んで構成される。保管場所変更部117は、保管場所変更プログラム118を含んで構成される。保管場所変更部117は、一時記憶領域(図示せず)を含むものとする。
保管判断部115が、保管場所候補の収納状態に基づいて、保管対象物品を、保管場所候補に保管不可能であると判断したとする。その場合、保管場所変更部117は、保管対象物品のサイズと、保管場所候補に保管されている既保管物品のサイズと、既保管物品の出荷頻度とに基づいて、既保管物品を移動するか否かを判断する。なお、既保管物品とは、保管場所に保管されている物品を意味するものとする。
具体的には、保管場所変更部117は、保管対象物品のサイズに対して、所定の範囲内のサイズの既保管物品を、移動対象候補物品として選定する。そして、保管場所変更部117は、移動対象候補物品に関して、出荷頻度が所定の閾値より低い場合、該移動対象候補物品を、移動対象物品として決定する。
出荷履歴データベース126は、所定の期間(例えば、1年、半年、1ヶ月等)において、物品を出荷した履歴に関する情報を格納する。具体的には、出荷履歴データベース126は、物品の出荷数と、出荷頻度ランクとを対応付けた情報を格納する。以下の説明では、説明の便宜上、出荷履歴データベース126は、過去一年間における、物品の出荷数と、出荷頻度ランクとを対応付けた情報を格納するものとする。ただし、これは、本実施形態に係る出荷履歴データベース126が、過去一年間において、物品を出荷した履歴に関する情報を格納することに限定する趣旨ではない。
また、管理装置制御部102は、出荷履歴データベース126が格納する年間出荷数に基づいて、物品の出荷頻度ランクを決定する。そして、管理装置制御部102は、決定した出荷頻度ランクを、出荷履歴データベース126に登録する。
図15は、出荷履歴データベース126が格納する情報の一例を示す図である。出荷履歴データベース126は、「物品番号」の項目に、物品を識別する情報を格納する。出荷履歴データベース126は、「年間出荷数」の項目に、対応する「物品番号」の物品に関して、過去一年間の出荷数を格納する。
出荷履歴データベース126は、対応する「物品番号」の物品に関して、出荷頻度を示す情報を格納する。図15に示す「出荷頻度ランク」は、数値が大きいほど、出荷頻度が高いことを示すものとする。
例えば、管理装置制御部102は、物品の年間出荷数が所定の第1の閾値を越える場合、出荷頻度ランク=3と決定してもよい。また、管理装置100aは、物品の年間出荷数が所定の第1の閾値以下であり、かつ、物品の年間出荷数が、第1の閾値より低い第2の閾値を越える場合、出荷頻度ランク=2と決定してもよい。また、管理装置100aは、物品の出荷数が第2の閾値以下である場合、出荷頻度ランク=1と決定してもよい。
次に、本実施形態に係る管理装置100aの動作について詳細に説明する。
図16は、移動対象物品として判断対象とする、既保管物品のサイズを抽出する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップB1において、保管判断部115は、保管場所を確定したか否かを判断する。保管場所を確定した場合(ステップB1のYES分岐)には、保管判断部115は、保管場所情報を作業者端末300へ送信する(ステップB2)。一方、保管場所を確定していない場合(ステップB1のNO分岐)には、ステップB3に遷移する。
ステップB3において、保管場所変更部117は、保管場所候補テーブル124を参照し、所定の閾値を越える評価値に対応するレコードを抽出する。ステップB4において、保管場所変更部117は、保管場所候補テーブル124における、所定の閾値を越える評価値に対応するレコードから、判断対象の棚番号を抽出する。ステップB5において、保管場所変更部117は、保管情報データベース123を参照し、判断対象の棚番号に対応するレコードを抽出する。
ステップB6において、保管場所変更部117は、保管情報データベース123において、判断対象の棚番号に対応するレコードから、判断対象の既保管物品の物品番号を抽出する。ステップB7において、保管場所変更部117は、物品情報データベース121を参照し、判断対象の既保管物品の「幅」、「奥行き」、「高さ」を抽出する。そして、図17に示すステップB21に遷移する。
図17は、判断対象の棚における使用空間割合を算出する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップB21において、保管場所変更部117は、所定の閾値を越える評価値に対応する、判断対象の棚に、判断対象の既保管物品を保管する場合の保管上限数を、第1の保管上限数として算出する。ステップB22において、保管場所変更部117は、判断対象の既保管物品が、判断対象の棚において空間を占める割合を、第1の使用空間割合として算出する。
ステップB23において、保管場所変更部117は、物品情報データベース121を参照し、保管対象物品の「幅」、「奥行き」、「高さ」を抽出する。ステップB24において、保管場所変更部117は、所定の閾値を越える評価値に対応する、判断対象の棚に、保管対象物品を保管する場合の保管上限数を、第2の保管上限数として算出する。ステップB25において、保管場所変更部117は、保管対象物品が判断対象の棚に保管された場合に空間を占める割合を、第2の使用空間割合として算出する。そして、図18に示すステップB41に遷移する。
図18は、移動対象候補物品を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップB41において、第1の使用空間割合が第2の使用空間割合より大きく、第1の使用空間割合と第2の使用空間割合との差分値が、所定の範囲内であるか否かを、保管場所変更部117は判断する。
第1の使用空間割合が第2の使用空間割合より大きく、第1の使用空間割合と第2の使用空間割合との差分値が、所定の範囲内である場合、保管対象物品と、該保管対象物品と入れ替える物品とが、近似したサイズであることを示す。
そこで、第1の使用空間割合が第2の使用空間割合より大きく、第1の使用空間割合と第2の使用空間割合との差分値が、所定の範囲内である場合(ステップB41のYES分岐)には、保管場所変更部117は、判断対象の既保管物品を、移動対象候補物品として決定する(ステップB42)。
ステップB43において、保管場所変更部117は、出荷履歴データベース126を参照し、移動対象候補物品の物品番号に対応するレコードを抽出する。そして、図19に示すステップB61に遷移する。
一方、第1の使用空間割合が第2の使用空間割合より小さい、または、第1の使用空間割合と第2の使用空間割合との差分値が、所定の範囲内ではない場合(ステップB41のNO分岐)には、ステップB44に遷移する。ステップB44において、保管情報データベース123において、判断対象の棚番号に対応する、全てのレコードを参照したか否かを、保管場所変更部117は判断する。
保管情報データベース123において、判断対象の棚番号に対応する、全てのレコードを参照した場合(ステップB44のYES分岐)には、ステップB45に遷移する。
ステップB45において、保管場所候補テーブル124における、所定の閾値を越える評価値に対応する、全てのレコードを参照したか否かを、保管場所変更部117は判断する。
保管場所候補テーブル124における、所定の閾値を越える評価値に対応する、全てのレコードを参照した場合(ステップB45のYES分岐)には、図19に示すステップB65に遷移する。図19に示すステップB65において、保管場所変更部117は、保管場所候補に対応する棚には、保管対象物品と入れ替え可能な物品が無いと確定する。そして、図19に示すステップB64に遷移する。
一方、保管場所候補テーブル124における、所定の閾値を越える評価値に対応する、全てのレコードを参照していない場合(ステップB45のNO分岐)には、図16に示すステップB8に遷移する。図16に示すステップB8において、保管場所変更部117は、保管場所候補テーブル124における、所定の閾値を越える評価値に対応するレコードから、次の判断対象の棚番号を抽出する。そして、図16に示すステップB5に戻り、処理を継続する。
保管情報データベース123において、判断対象の棚番号に対応する、全てのレコードを参照していない場合(ステップB44のNO分岐)には、図16に示すステップB9に遷移する。図16に示すステップB9において、保管場所変更部117は、保管情報データベース123において、判断対象の棚の棚番号に対応するレコードから、次の既保管物品のレコードを参照する。そして、図16に示すステップB7に戻り処理を継続する。
図19は、移動対象候補物品の保管場所を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップB61において、出荷履歴データベース126を参照し、移動対象候補物品に対応する出荷頻度ランクが所定の閾値以下であるか否かを、保管場所変更部117は判断する。
保管場所変更部117は、出荷頻度ランクが所定の閾値を超える物品は、保管対象物品と、保管場所を変更することに適さない物品であると判断する。そこで、移動対象候補物品に対応する出荷頻度ランクが所定の閾値を超える場合(ステップB61のNO分岐)には、ステップ図18に示すB44に遷移する。
一方、移動対象候補物品に対応する出荷頻度ランクが所定の閾値以下である場合(ステップB61のYES分岐)には、ステップB62に遷移する。
ステップB62において、出荷履歴データベース126を参照し、移動対象候補物品に対応する年間出荷数が所定の条件を満たすか否かを、保管場所変更部117は判断する。移動対象候補物品に対応する年間出荷数が所定の条件を満たさない場合(ステップB62のNO分岐)には、図18に示すステップB44に戻り、処理を継続する。
保管場所変更部117は、年間出荷数が所定の閾値を超える物品は、保管対象物品と、保管場所を変更することに適さない物品であると判断する。そこで、移動対象候補物品に対応する年間出荷数が所定の条件を満たす場合(ステップB62のYES分岐)には、ステップB63に遷移する。
ステップB63において、保管場所変更部117は、保管対象物品の保管場所を、判断対象の棚に確定し、移動対象候補物品の保管場所を変更することを指示する。そして、保管場所変更部117は、判断結果を確定する(ステップB64)。そして、図20に示すB81に遷移する。
図20は、保管場所情報を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップB81において、保管場所を確定したか否かを、保管場所変更部117は判断する。保管場所を確定した場合(ステップB81のYES分岐)には、保管場所変更部117は、保管場所を示す保管場所情報を、作業者端末300へ送信する(ステップB82)。そして、ステップB83に遷移する。
ステップB83において、保管場所変更部117の処理結果が、移動対象物品に関する情報を含むか否かを、保管場所変更部117は判断する。保管場所変更部117の処理結果が、移動対象物品に関する情報を含む場合(ステップB83のYES分岐)には、図8に示すステップA3に戻り、処理を継続する。
保管場所を確定していない場合(ステップB81のNO分岐)には、判断対象の棚の評価値が所定の下限値以上であるか否かを、保管場所変更部117は判断する(ステップB85)。判断対象の棚の評価値が所定の下限値より小さい場合(ステップB85のNO分岐)には、保管場所変更部117は、保管場所を確定できない旨を示す、保管場所情報を、作業者端末300へ送信する(ステップB86)。
例えば、保管場所候補テーブル124に登録された、各棚番号に対応する評価値が、物品条件および保管場所条件を満たす要求条件の個数に相当するとする。さらに、評価値の下限値が1であるとする。その場合、判断対象の棚の評価値が1より小さい場合には、要求条件を満たす棚が存在しない、と保管場所変更部117は判断する。
判断対象の棚の評価値が所定の下限値以上である場合(ステップB85のYES分岐)には、保管場所変更部117は、評価値を下げる(ステップB87)。そして、図10に示すステップA41に遷移し、処理を継続する。
以上のように、本実施形態に係る管理装置100aは、保管場所候補に保管対象物品を保管できない場合、保管場所候補に保管されている物品の保管場所を変更するか否かを判断する。そして、本実施形態に係る管理装置100aは、保管場所候補に保管されている物品の保管場所を変更し、保管対象物品の保管場所を決定する。その際に、本実施形態に係る管理装置100aは、保管場所候補に保管されている物品に関して、該物品、及び変更先の収納状態に応じて、適切な保管場所を決定する。従って、本実施形態に係る管理装置100aは、物品の保管場所を適宜、動的に変更するとともに、適切な各物品を適切な保管場所に保管することに貢献する。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
本実施形態は、出庫口までの距離に関する条件、複数出荷数に関する条件、同時出荷に関する条件、形状に関する条件を、要求条件として含む形態である。なお、本実施形態における説明では、上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。さらに、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の作用効果についても、その説明を省略する。
図21は、本実施形態に係る管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。図21に示す管理装置100bと、図14に示す管理装置100aとの相違点は、図21に示す管理装置100bは、同時出荷数データベース127、同時出荷データベース128を含んで構成される点である。
本実施形態に係る条件生成部111bは、条件生成プログラム112bを備える。本実施形態に係る候補選定部113bは、候補選定プログラム114bを備える。
次に、出庫口までの距離に関する要求条件について説明する。
例えば、物品の年間出荷数が所定の閾値を越えているとする。その場合、出庫口から近い棚に保管するほど、作業者は、棚から該物品を容易に取り出し、出荷することができる。出庫口までの距離に関する要求条件は、出庫口から所定の範囲内の距離である棚に、年間出荷数が所定の閾値を越えている物品を保管可能であるか否かを判断するための条件である。
本実施形態に係る管理装置記憶部105bは、物品毎の出荷頻度と、収納空間から出庫口までの距離とを記憶する。具体的には、本実施形態に係る棚属性情報データベース122b及び保管場所候補テーブル124bは、収納空間から出庫口までの距離を含んで構成される。
図22は、本実施形態に係る棚属性情報データベース122bが格納する情報の一例を示す図である。本実施形態に係る棚属性情報データベース122bと、第1の実施形態に係る棚属性情報データベース122との相違点は、本実施形態に係る棚属性情報データベース122bは、「棚と出庫口間の距離(m)」を格納する点である。
図23は、本実施形態に係る保管場所候補テーブル124bが格納する情報の一例を示す図である。本実施形態に係る保管場所候補テーブル124bと、第1の実施形態に係る保管場所候補テーブル124との相違点は、図23に示す保管場所候補テーブル124bは、「棚と出庫口間の距離(m)」を格納する点である。
条件生成部111bは、出荷頻度と、収納空間から出庫口までの距離とを対応付けた、出庫口までの距離に関する要求条件を生成する。
出庫口までの距離に関する要求条件は、保管対象物品に対応する出荷数が、所定の閾値を越えるか否かを物品条件として含む。さらに、出庫口までの距離に関する要求条件は、判断対象の保管場所候補と出庫口間の距離が所定の閾値以下であるか否かを、保管場所条件として含む。
候補選定部113bは、保管場所候補が、出庫口までの距離に関する要求条件を満たすか否かを判断する。
また、候補選定部113bは、保管対象物品の年間出荷数を、評価値判断テーブル125bの「年間出荷数」の項目に登録する。
例えば、出荷履歴データベース126が、保管対象物品に対応する物品番号の物品に関する情報を格納するとする。その場合、候補選定部113bは、出荷履歴データベース126を参照し、保管対象物品に対応する物品番号の物品に対応する、年間出荷数を取得してもよい。そして、候補選定部113bは、取得した年間出荷数を、評価値判断テーブル125bに登録する。
または、出荷履歴データベース126が、保管対象物品に対応する物品番号の物品に関する情報を格納していないとする。その場合、管理装置100bは、作業者端末300に、保管対象物品に対応する年間出荷数を要求してもよい。そして、候補選定部113bは、作業者端末300から送信された、保管対象物品に対応する年間出荷数を、評価値判断テーブル125bに登録してもよい。
さらに、候補選定部113bは、評価値判断テーブル125bが格納する年間出荷数を利用して、保管場所候補の評価値を算出する。
具体的には、保管対象物品の年間出荷数が所定の閾値を越える場合、候補選定部113bは、保管対象物品が物品条件を満たすと判断する。さらに、判断対象の保管場所候補と出庫口間の距離が所定の閾値以下である場合、候補選定部113bは、該保管場所候補が保管場所条件を満たすと判断する。
次に、複数出荷数に関する要求条件について説明する。
例えば、物品が、頻繁に、複数出荷されるとする。その場合、該物品が複数の棚に保管されると、出荷時に、作業者は、複数の棚から、該物品を収集する必要がある。そのため、複数出荷されることが想定される物品は、同じ棚に保管することが好ましい。複数出荷数に関する要求条件は、複数出荷されることが想定される物品を、同じ棚に所定の個数、保管可能であるか否かを判断するための条件である。
同時出荷数データベース127は、物品毎に、所定の期間における複数出荷数と、1又は2以上の複数出荷数に対応する複数出荷頻度とを対応付けて格納する。
図24は、同時出荷数データベース127が格納する情報の一例を示す図である。同時出荷数データベース127は、「物品番号」の項目に、物品を識別する情報を格納する。
同時出荷数データベース127は、「複数出荷数」の項目に、対応する物品に関して、一回の出荷時の出荷数のうち、所定の期間(例えば、過去一年間)において最大の出荷数を格納する。
同時出荷数データベース127は、「複数出荷件数」の項目に、対応する物品に関して、所定の期間(例えば、過去一年間)における、対応する「複数出荷数」での出荷件数を格納する。
同時出荷数データベース127は、「出荷件数」の項目に、対応する物品に関して、所定の期間(例えば、過去一年間)の出荷件数を格納する。
同時出荷数データベース127は、「複数出荷発生率」の項目に、対応する出荷件数に対する、対応する複数出荷件数の割合を格納する。
条件生成部111bは、複数出荷数に関する要求条件を生成する。
複数出荷数に関する要求条件は、保管対象物品に関して、複数出荷数に対応する複数出荷頻度が所定の閾値を越えるか否かを物品条件として含む。さらに、複数出荷数に関する要求条件は、判断対象の保管場所候補に保管されている該保管対象物品の数と、該保管対象物品の保管対象数との合計値が、管理装置記憶部105bが記憶する複数出荷数の倍数であるか否かを、保管場所条件として含む。
候補選定部113bは、保管場所候補が、複数出荷数に関する要求条件を満たすか否かを判断する。
また、候補選定部113bは、保管対象物品に関して、過去1年間での最多の複数出荷数を、評価値判断テーブル125bの「複数出荷数」の項目に登録する。
例えば、同時出荷数データベース127が、保管対象物品に対応する物品番号の物品に関する情報を格納するとする。その場合、候補選定部113bは、同時出荷数データベース127を参照し、保管対象物品に対応する物品番号の物品に対応する、最多の複数出荷数を取得してもよい。そして、候補選定部113bは、取得した最多の複数出荷数を、評価値判断テーブル125bの「複数出荷数」の項目に登録してもよい。
一方、同時出荷数データベース127が、保管対象物品に対応する物品番号の物品に関する情報を格納していないとする。その場合、管理装置100bは、作業者端末300に、保管対象物品に対応する複数出荷数を要求してもよい。そして、候補選定部113bは、作業者端末300から送信された、保管対象物品に対応する最多の複数出荷数を、評価値判断テーブル125bの「複数出荷数」の項目に登録してもよい。
さらに、候補選定部113bは、評価値判断テーブル125bに格納される複数出荷数を利用して、保管対象候補の評価値を算出する。
具体的には、保管対象物品に関して、複数出荷数に対応する複数出荷頻度が所定の閾値を越える場合、候補選定部113bは、保管対象物品が物品条件を満たすと判断する。さらに、候補選定部113bは、保管対象物品の保管対象数と、判断対象の保管場所候補に保管されている、保管対象物品の数との合計値を算出する。算出した合計値が、評価値判断テーブル125bに格納される複数出荷数の倍数になる場合、候補選定部113bは、該保管場所候補が保管場所条件を満たすと判断する。
次に、同時出荷に関する要求条件について説明する。
例えば、物品が、頻繁に、他の種別の物品と同時に出荷されるとする。その場合、各種別の物品が異なる棚に保管されると、出荷時に、作業者は、各棚から、各種別の物品を収集する必要がある。そのため、同時に出荷されることが想定される、2以上の種別の物品は、同じ棚に保管することが好ましい。同時出荷に関する要求条件は、同時に出荷されることが想定される、2以上の種別の物品を、同じ棚に保管可能であるか否かを判断するための条件である。
本実施形態に係る管理装置記憶部105bは、2以上の種別の物品を同時に出荷する出荷頻度を、同時出荷頻度として記憶する。
図25は、同時出荷データベース128が格納する情報の一例を示す図である。同時出荷データベース128は、「物品番号」の項目に、物品を識別する情報を格納する。
同時出荷データベース128は、「同時出荷物品番号」の項目に、対応する物品番号の物品を出荷する時に、同時に出荷した物品の物品番号を格納する。
同時出荷データベース128は、「同時出荷数」の項目に、対応する「同時出荷物品番号」の物品を、対応する「物品番号」の物品と同時に出荷した際の出荷数を格納する。
同時出荷データベース128は、「同時出荷件数」の項目に、対応する「同時出荷物品番号」の物品を、対応する「物品番号」の物品と同時に、「同時出荷数」の出荷数、出荷した、出荷件数を格納する。
同時出荷データベース128は、「出荷件数」の項目に、対応する「物品番号」の物品の出荷件数を格納する。
同時出荷データベース128は、「出荷件数」の項目に格納される出荷件数に対する、「同時出荷件数」の項目に格納される出荷件数の割合を格納する。
条件生成部111bは、2以上の種別の物品の同時出荷に関する要求条件を生成する。
同時出荷に関する要求条件は、保管対象物品に関して、該保管対象物品の種別とは異なる種別の物品と同時に出荷した同時出荷頻度が、所定の閾値を越えるか否かを、物品条件として含む。さらに、同時出荷に関する要求条件は、保管場所候補に、同時出荷頻度が所定の閾値を越える、該異なる種別の物品が保管されているか否かを、保管場所条件として含む。
候補選定部113bは、保管場所候補が、同時出荷に関する要求条件を満たすか否かを判断する。
また、保管対象物品に関して、該保管対象物品の種別とは異なる種別の物品と同時に出荷した同時出荷頻度が、所定の閾値を越える場合、候補選定部113bは、該異なる種別の物品の物品番号を、評価値判断テーブル125bの「同時保管推奨物品」の項目に登録する。
さらに、候補選定部113bは、評価値判断テーブル125bに格納される「同時保管推奨物品」の物品番号を利用して、保管対象物品の評価値を算出する。
具体的には、保管対象物品に関して、該保管対象物品の種別とは異なる種別の物品と同時に出荷した同時出荷頻度が、所定の閾値を越える場合、候補選定部113bは、保管対象物品条件を満たすと判断する。さらに、評価値判断テーブル125bに格納される「同時保管推奨物品」に対応する物品が、判断対象の保管場所候補に格納される場合、候補選定部113bは、該保管場所候補が保管場所条件を満たすと判断する。
次に、形状に関する要求条件について説明する。
例えば、保管対象物品の幅、奥行き、高さのうち、いずれか一辺が極端に長い形状をしているとする。その場合、該保管対象物品と、立方体形状の物品とを混在させて、保管すると、収納空間に無駄が生じる可能性がある。そのため、保管対象物品が、幅、奥行き、高さのうち、いずれか一辺が極端に長い形状をしている等、特殊な形状をしている物品である場合には、そのような物品を、同じ棚に所定の個数、保管することが好ましい。形状に関する要求条件は、特殊な形状の物品を、同じ棚に所定の個数、保管可能であるか否かを判断するための条件である。
条件生成部111bは、物品の高さ、幅、奥行きのうち、少なくとも二辺の比に関する要求条件を、形状に関する要求条件として生成する。
形状に関する要求条件は、保管対象物品の高さ、幅、奥行きのうち、少なくとも二辺の比が所定の条件を満たすか否かを、物品条件として含む。さらに、形状に関する要求条件は、保管対象物品の保管対象数と、判断対象の保管場所候補に保管されている保管数との合計値が、所定の条件を満たすか否かを、保管場所条件として含む。
本実施形態に係る候補選定部113bは、保管場所候補が、形状に関する要求条件を満たすか否かを判断する。
また、保管対象物品の高さ、幅、奥行きのうち、少なくとも二辺の比が所定の条件を満たす場合、候補選定部113bは、該二辺の比を、評価値判断テーブル125bの「形状保管数」の項目に格納する。
例えば、候補選定部113bは、物品情報データベース121を参照し、保管対象物品に対応する、幅、奥行き、高さを抽出する。候補選定部113bは、抽出した幅、奥行き、高さのうち、R1=(最長の辺の長さ)/(最短の辺の長さ)を算出する。R1が所定の閾値(例えば、5)より大きい場合、候補選定部113bは、R1の小数点以下の切り捨ての整数を、評価値判断テーブル125bの「形状保管数」の項目に登録する。
または、保管対象物品の幅、奥行き、高さのうち、辺の長さが長い順に、L1、L2、L3とした場合、候補選定部113bは、R2=(L1/L2)×(L1/L3)を算出する。R2が所定の閾値(例えば、5)より大きい場合、候補選定部113bは、R2の小数点以下の切り捨ての整数を、評価値判断テーブル125bの「形状保管数」の項目に登録してもよい。
さらに、候補選定部113bは、評価値判断テーブル125bに格納される形状保管数を利用して、保管場所候補の評価値を算出する。
具体的には、保管対象物品の高さ、幅、奥行きのうち、少なくとも二辺の比が所定の条件を満たす場合、候補選定部113bは、保管対象物品が物品条件を満たすと判断する。さらに、候補選定部113bは、保管対象物品の保管対象数と、判断対象の保管場所候補に保管されている、保管対象物品の数との合計値を算出する。算出した合計値が、評価値判断テーブル125bに格納される形状保管数の倍数になる場合、候補選定部113bは、該保管場所候補が、保管場所条件を満たすと判断する。
図26は、本実施形態に係る評価値判断テーブル125bが格納する情報の一例を示す図である。図26は、保管対象物品の物品番号が「P19841245」であることを示す。図26は、「P19841245」の物品の年間出荷数、複数出荷数、形状保管数、同時保管推奨物品の物品番号を示す。
物品条件を満たす保管対象物品に関して、判断対象の保管場所候補が保管場所条件を満たす場合、候補選定部113bは、該保管場所候補の評価値を上げる。
次に、管理装置100bの動作について詳細に説明する。
図27は、評価値判断テーブル125bにデータを格納する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップC1において、候補選定部113bは、出荷履歴データベース126を参照し、保管対象物品に対応する過去1年の年間出荷数を抽出する。ステップC2において、候補選定部113bは、評価値判断テーブル125bの項目「年間出荷数」に、抽出した過去1年出荷数を格納する。
ステップC3において、候補選定部113bは、同時出荷数データベース127を参照し、保管対象物品に対応する複数出荷数を抽出する。ステップC4において、候補選定部113bは、評価値判断テーブル125bの項目「複数出荷数」に、抽出した複数出荷数を格納する。
ステップC5において、候補選定部113bは、同時出荷データベース128を参照し、保管対象物品に対応する同時出荷物品番号を抽出する。ステップC6において、候補選定部113bは、評価値判断テーブル125bの項目「同時保管推奨物品」に、抽出した同時出荷物品番号を格納する。
ステップC7において、候補選定部113bは、同時出荷データベース128を参照し、保管対象物品に対応する同時出荷物品番号を抽出する。ステップC8において、候補選定部113bは、評価値判断テーブル125bの項目「同時保管推奨物品」に、抽出した同時出荷物品番号を格納する。そして、図28に示すステップC21に遷移する。
図28は、出庫口までの距離に関する要求条件を満たすか否かを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップC21において、保守対象物品の過去1年間の出荷数が所定の閾値を越えるか否かを、候補選定部113bは判断する。保守対象物品の過去1年間の出荷数が所定の閾値を越える場合(ステップC21のYES分岐)には、ステップC22に遷移する。一方、保守対象物品の過去1年間の出荷数が所定の閾値を越えない場合(ステップC21のNO分岐)には、図29に示すステップC31に遷移する。
ステップC22において、候補選定部113bは、保管場所候補テーブル124bに含まれるレコードから、判断対象の棚のレコードを抽出する。ステップC23において、候補選定部113bは、判断対象の棚の位置と出荷口間の距離が所定の閾値以下である場合、判断対象の棚に対応する評価値を上げる。
これにより、頻繁に出荷される物品の保管場所に関して、保管場所の優先順位として、出庫口に近い棚の優先順位を上げることができる。作業者は、出庫口に近い棚に保管対象物品を収納することで、該保管対象物品を保管後に、該保管対象物品の出荷作業を行う場合に、作業時間を短縮できる。
ステップC24において、保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照したか否かを、候補選定部113bは判断する。保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照した場合(ステップC24のYES分岐)には、図29に示すステップC31に遷移する。一方、保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照していない場合(ステップC24のNO分岐)には、候補選定部113bは、次の判断対象の棚のレコードを抽出する(ステップC25)。そして、ステップC22に戻り、処理を継続する。
図29は、複数出荷数に関する要求条件を満たすか否かを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップC31において、保守対象物品の複数出荷数が所定の閾値を越えるか否かを、候補選定部113bは判断する。保守対象物品の複数出荷数が所定の閾値を越える場合(ステップC31のYES分岐)には、ステップC32に遷移する。一方、保守対象物品の複数出荷数が所定の閾値を越えない場合(ステップC31のNO分岐)には、図30に示すステップC41に遷移する。
ステップC32において、候補選定部113bは、保管場所候補テーブル124bに含まれるレコードから、判断対象の棚のレコードを抽出する。ステップC33において、候補選定部113bは、判断対象の棚に保管されている、保管対象物品の保管数を抽出する。ステップC34において、判断対象の棚に保管されている、保管対象物品の保管数と、保管対象数との合計値が複数出荷数の倍数になる場合、候補選定部113bは、判断対象の棚に対応する評価値を上げる。
これにより、頻繁に、複数出荷される物品の保管場所に関して、候補選定部113bは、複数の該物品が保管されている棚の優先順位を上げることができる。作業者は、複数の保管対象物品が収納される棚に、保管対象物品を収納することで、該保管対象物品を保管後に、該保管対象物品を複数出荷する場合に、作業時間を短縮できる。
ステップC35において、保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照したか否かを、候補選定部113bは判断する。保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照した場合(ステップC35のYES分岐)には、図30のステップC41に遷移する。一方、保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照していない場合(ステップC35のNO分岐)には、次の判断対象の棚のレコードを抽出する(ステップC36)。そして、ステップC32に戻り、処理を継続する。
図30は、同時出荷に関する要求条件を満たすか否かを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップC41において、保管対象物品と、同時保管推奨物品との同時出荷頻度が、所定の閾値を越えるか否かを、候補選定部113bは判断する。保管対象物品と、同時保管推奨物品との同時出荷頻度が、所定の閾値を越える場合(ステップC41のYES分岐)には、ステップC42に遷移する。一方、保管対象物品と、同時保管推奨物品との同時出荷頻度が、所定の閾値を越えない場合(ステップC41のNO分岐)には、図31に示すステップC51に遷移する。
ステップC42において、候補選定部113bは、保管場所候補テーブル124bに含まれるレコードから、判断対象の棚のレコードを抽出する。ステップC43において、候補選定部113bは、判断対象の棚に、「同時保管推奨物品」が示す物品が保管されている場合、判断対象の棚に対応する評価値を上げる。
これにより、頻繁に、他の種別の物品と同時に出荷される物品の保管場所に関して、候補選定部113bは、該他の種別の物品が保管されている棚の優先順位を上げることができる。作業者は、頻繁に同時に出荷される、2以上の種別の物品を、同じ棚に保管することで、該保管対象物品を保管後に、該保管対象物品を複数出荷する場合に、作業時間を短縮できる。
ステップC44において、保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照したか否かを、候補選定部113bは判断する。保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照した場合(ステップC44のYES分岐)には、図31に示すステップC51に遷移する。一方、保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照していない場合(ステップC44のNO分岐)には、候補選定部113bは、次の判断対象の棚のレコードを抽出する(ステップC45)。そして、ステップC42に戻り、処理を継続する。
図31は、形状に関する要求条件を満たすか否かを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップC51において、保守対象物品の形状保管数が所定の閾値を越えるか否かを、候補選定部113bは判断する。保守対象物品の形状保管数が所定の閾値を越える場合(ステップC51のYES分岐)には、ステップC52に遷移する。一方、保守対象物品の形状保管数が所定の閾値を越えない場合(ステップC51のNO分岐)には、図10に示すステップA41に遷移し、処理を継続する。
ステップC52において、候補選定部113bは、保管場所候補テーブル124bに含まれるレコードから、判断対象の棚のレコードを抽出する。ステップC53において、候補選定部113bは、判断対象の棚に保管されている、保管対象物品の保管数量を抽出する。
ステップC54において、候補選定部113bは、判断対象の棚に保管されている、保管対象物品の保管数量と、保管対象数量との合計値が形状保管数の倍数になる場合、判断対象の棚に対応する評価値を上げる。
これにより、特殊な形状をしている物品に関して、候補選定部113bは、該特殊な形状の物品が保管されている棚の優先順位を上げることができる。作業者は、特殊な形状の物品を同じ棚に収納することで、収納空間を有効に利用することができる。
ステップC55において、保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照したか否かを判断する。保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照した場合(ステップC55のYES分岐)には、図10に示すステップA41に遷移し、処理を継続する。保管場所候補テーブル124bの全てのレコードを参照していない場合(ステップC55のNO分岐)には、候補選定部113bは、次の判断対象の棚のレコードを抽出する(ステップC56)。そして、ステップC52に戻り、処理を継続する。
以上のように、本実施形態に係る管理装置100bは、物品の出荷履歴、物品の形状、棚から出庫口までの距離等に基づいて、保管対象物品の保管場所を決定する。従って、本実施形態に係る管理装置100bは、様々な条件を考慮したうえで、保管対象物品をより一層適切な保管場所に保管することに貢献する。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)上記第1の視点に係る管理装置の通りである。
(付記2)前記要求条件は、物品条件と、保管場所条件と、重要度と、1又は2以上の判定基準とを含んで構成され、前記候補選定部は、判断対象の収納空間が、所定の閾値を越える前記重要度の前記要求条件を満たす場合、前記判断対象の収納空間を、前記保管場所候補として選定する、付記1に記載の管理装置。
(付記3)前記候補選定部は、前記判定基準を満たす前記要求条件の数と、前記要求条件の前記重要度とに基づいて、前記保管場所候補の前記優先順位を決定する、付記2に記載の管理装置。
(付記4)前記候補選定部は、前記重要度が所定の閾値より低い前記要求条件が、2以上の前記判定基準を含む場合であり、且つ判断対象の収納空間が該要求条件の少なくとも一の前記判定基準を満たす場合、前記判断対象の収納空間が前記要求条件を満たすと判断する、付記2又は3に記載の管理装置。
(付記5)前記候補選定部は、前記重要度が所定の閾値より低い、所定の要求条件に関して、前記所定の要求条件の前記判定基準を満たさない場合、前記所定の要求条件を判断対象から除外する、付記2乃至4のいずれか一に記載の管理装置。
(付記6)前記条件生成部は、所定の範囲内の前記重要度である、2以上の前記要求条件を組み合わせて、一群の要求条件を生成し、前記候補選定部は、前記一群の要求条件に基づいて、前記保管場所候補を選定する、付記2乃至5のいずれか一に記載の管理装置。
(付記7)前記候補選定部は、前記一群の要求条件を判断する場合、前記一群の要求条件に含まれる、各要求条件の前記判定基準を満たすか否かを判断する、付記6に記載の管理装置。
(付記8)前記条件生成部は、2以上の前記要求条件と、一の重要度とを対応付けて、前記一群の要求条件を生成する、付記6又は7に記載の管理装置。
(付記9)前記保管対象物品のサイズと、前記保管場所候補に保管されている既保管物品のサイズと、前記既保管物品の出荷頻度とに基づいて、前記既保管物品を移動するか否かを判断する、保管場所変更部を更に備える、付記2乃至8のいずれか一に記載の管理装置。
(付記10)前記保管場所変更部は、前記保管対象物品のサイズに対して所定の範囲内のサイズの既保管物品を、移動対象候補物品として選定し、前記移動対象候補物品に関して、前記出荷頻度が所定の閾値より低い場合、前記移動対象候補物品を、移動対象物品として決定する、付記9に記載の管理装置。
(付記11)前記記憶部は、物品毎の出荷数と、収納空間から出庫口間の距離とを記憶し、前記条件生成部は、前記物品毎の出荷数と、前記収納空間から出庫口までの距離とを対応付けた、出庫口までの距離に関する前記要求条件を生成する、付記2乃至10のいずれか一に記載の管理装置。
(付記12)出庫口までの距離に関する要求条件は、前記保管対象物品に対応する前記出荷数が、所定の閾値を越えるか否かを前記物品条件として含むとともに、判断対象の前記保管場所候補と出庫口間の距離が所定の閾値以下であるか否かを、前記保管場所条件として含み、前記候補選定部は、前記保管場所候補が、前記出庫口までの距離に関する要求条件を満たすか否かを判断する、付記11に記載の管理装置。
(付記13)前記記憶部は、物品毎に、所定の期間における複数出荷数と、1又は2以上の前記複数出荷数に対応する複数出荷頻度とを記憶し、前記条件生成部は、前記複数出荷数に関する前記要求条件を生成する、付記2乃至12のいずれか一に記載の管理装置。
(付記14)複数出荷数に関する要求条件は、前記保管対象物品に関して、前記複数出荷数に対応する複数出荷頻度が所定の閾値を越えるか否かを前記物品条件として含むとともに、判断対象の前記保管場所候補に保管されている前記保管対象物品の数と、前記保管対象物品の保管対象数との合計値が、前記記憶部が記憶する複数出荷数の倍数であるか否かを、前記保管場所条件として含み、前記候補選定部は、前記保管場所候補が、前記複数出荷数に関する要求条件を満たすか否かを判断する、付記13に記載の管理装置。
(付記15)前記記憶部は、2以上の種別の物品を同時に出荷する出荷頻度を、同時出荷頻度として記憶し、前記条件生成部は、2以上の種別の物品の同時出荷に関する前記要求条件を生成する、付記2乃至14のいずれか一に記載の管理装置。
(付記16)前記同時出荷に関する要求条件は、前記保管対象物品に関して、前記保管対象物品の種別とは異なる種別の物品と同時に出荷した前記同時出荷頻度が、所定の閾値を越えるか否かを、前記物品条件として含むとともに、判断対象の前記保管場所候補に、前記同時出荷頻度が所定の閾値を越える、前記異なる種別の物品が保管されているか否かを、前記保管場所条件として含み、前記候補選定部は、前記保管場所候補が、前記同時出荷に関する要求条件を満たすか否かを判断する、付記15に記載の管理装置。
(付記17)前記条件生成部は、物品の高さ、幅、奥行きのうち、少なくとも二辺の比に関する前記要求条件を、形状に関する前記要求条件として生成する、付記2乃至16のいずれか一に記載の管理装置。
(付記18)前記形状に関する要求条件は、保管対象物品の高さ、幅、奥行きのうち、少なくとも二辺の比が所定の条件を満たすか否かを、前記物品条件として含むとともに、保管対象物品の保管対象数と、判断対象の保管場所候補に保管されている保管数との合計値が、前記所定の条件を満たすか否かを、前記保管場所条件として含み、前記候補選定部は、前記保管場所候補が、前記形状に関する要求条件を満たすか否かを判断する、付記17に記載の管理装置。
(付記19)上記第2の視点に係る管理システムの通りである。
(付記20)上記第3の視点に係る管理方法の通りである。
(付記21)上記第4の視点に係るプログラムの通りである。
なお、上記の付記19〜21に示す形態は、付記1に示す形態と同様に、付記2乃至18に示す形態に展開することが可能である。
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。